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安定性解析
差分近似などによる離散化によって、大気要素の時々刻々の状態を求めることができる
しかし、これまで見てきたように、時間発展の過程で数値的な不安定が発生し、計算が破綻してしまうことがある
計算条件が数値的な不安定を起こしやすいかどうかのチェック
フーリエ級数
周期 2l をもつ関数 f (x) は、三角関数の和として表現できる
オイラーの公式 を用いると
波数 k = nπ/l を用いて
1 1
0 sincos2
)(n n
nnl
xnb
l
xna
axf
xixeix sincos
n
nl
xincxf
exp)(
k
k ikxcxf )exp()(
ノイマン法
差分点(xj = jΔx, tn = nΔt)における f の値 fj
n を
とおき、A = An+1 / An の大きさを求めて以下のように判別する
全ての k について安定なら、無条件安定
)exp( xjkiAf nnj
不安定1
安定 1
A
i; 虚数 k; 波数
移流方程式の安定性
陽解法、風上差分での移流方程式の差分形式
についての波数 k の振幅の式は
x
ffc
t
ff njn
j
n
j
n
j
1
1
nnn
Ax
xkixkc
t
AA
)sin()cos(11
x
fc
t
f
)sin()cos(111
xkx
tcixk
x
tc
A
AA
n
n
移流方程式の安定性
振幅の大きさ |A| は
従って、陽解法、風上差分による移流方程式の差分解法は、条件に従って安定性が変わる
クーラン数: C = cΔt / Δx
情報伝達距離と格子幅の比。一般に、C ≤ 1 は計算安定性の必要条件(CFL条件)
c = 0.3 m/s
c = 0.95 m/s
c = 1.00 m/s
c = 1.05 m/s
Δt = 1 s
Δx = 1 m
)(sin)cos(11 222
xkx
tcxk
x
tcA
CFL条件
クーラン(Courant)数: C = cΔt / Δx
→ 情報伝達距離(cΔt)と格子幅(Δx)の比。
一般に、C ≤ 1 は計算安定性の必要条件。これは Δx / Δt ≥ c であり、「情報が伝播する
速さ」が「実際の現象の進む速さ」以上でなければならないことを示す。この条件をCFL(Courant-Friedrichs-Lewy)条件という
a
xt
2
2
まとめ ・ 移流の差分スキーム:
*中央差分は分散性、風上差分は拡散性をもつ *条件に従って安定性は変わる *クーラン数:C = cΔ t / Δ x 情報伝達距離と格子幅の比。一般に、C ≤ 1 は 計算安定性の必要条件(CFL条件) ・拡散の差分スキーム: *aを拡散係数とすると、安定条件は ・ ほかにもモデルの持つ波動を考慮する必要がある
支配方程式系
水平方向の運動方程式
y
x
Fy
pfu
z
vw
y
vv
x
vu
t
v
Fx
pfv
z
uw
y
uv
x
uu
t
u
1
1
水平風の 時間変化
(局所変化) 移流効果
コリオリ力
気圧傾度力
その他 外力
支配方程式系
鉛直方向の運動方程式
質量保存則(連続の式)
zFz
p
z
ww
y
wv
x
wu
t
w
g
1
z
w
y
v
x
u
zw
yv
xu
t
鉛直風の時間変化 移流効果 気圧傾度力 重力
その他外力
空気密度の時間変化 密度移流 収束・発散による変化
支配方程式系
熱力学第1法則(熱エネルギーの保存則)
状態方程式
Qz
wy
vx
ut
RTp
気圧 気体定数 気温 密度
PCR
p
pT
0
温位の時間変化 移流効果 非断熱過程に伴う加熱・冷却
・支配方程式系は、すべて時間変化を含む式で構成されている。
・それぞれの式を時間積分すれば将来予測ができる。
・ところが、運動方程式としてNS方程式を用いれば、流体のもつさまざまな伝搬速度を持つ波動を含むことになる。 → 音波、重力波、ロスビー波など
・大規模な運動方程式のためには音波や重力波は不要である場合がある。そのような波動はあらかじめフィルターした支配方程式系を用いた方が時間間隔は大きく取れて早く計算ができる
・気象学ではさまざまな近似の方程式系が考えられてきた。例えば、音波をフィルターした連続の式として、 が使われてきた。 0
z
w
y
v
x
u
・その場合、境界値問題を解く必要が出てくる。
・音波をフィルターした2次元モデルは次の通り:
)4(,0
z
w
x
u
)3(,
(2),1
)1(,1
00
0
zw
xu
t
gz
p
z
ww
x
wu
t
w
x
p
z
uw
x
uu
t
u
(1)(2)(3)は時間変化項を 含むので、u’, w’, θ’は時間 積分できる。ところが、p’は 時間項がない。どうする?
Adv(u)
Adv(w)
Adv(θ)
( )’は変数、( )0と定数とする。
0
0
2
2
2
2
')()(
(2))1(
zz
wAdv
x
uAdv
z
p
x
p
zx
kikikikikikiki
z
ppp
x
ppp,2
1,,1,
2
,1,,1 22
i i-1
k-1
i+1
k
K+1
境界値問題
Dimension Reduction Method (DRM)
2
2
2
2
x
p
z
p
p
x
a
x
p
2
2
2
2
[微分方程式の解法の方針] 様々な操作を使って、微分式を代数式に変換する
p
x
a
z
p2
2
2
2
と書けることが必要。
( 例 ) x方向にはp’の周期解を求める →解は独立な周期解の組み合わせで表現できる
1. 行列による表現
n
n
n
n
p
p
p
p
p
a
p
p
p
p
p
1
3
2
1
2
1
3
2
1
2001
1000
0210
0121
1012
n×n 固有値 固有関数
iiii
iiii
pappp
x
pa
x
ppp
2
11
2
2
2
11
2
2
●行列(マトリックス)の定義と行列計算
・2×2の行列 ・変数x1、x2、定係数b1、b2、a11、a12、a21、a22とする次の ような線型式が成り立つとする。
a11 x1 + a12 x2 = b1 a21 x1 + a22 x2 = b2
2
1
2
1
2221
1211
b
b
x
x
aa
aa
上記の式を以下のように定義する。 行列
n
n
nnnnn
nnnnn
n
n
n
n
n
n
n
nnnnn
nnnnn
n
n
n
p
p
p
p
p
bbbb
bbbb
bbbb
bbbb
bbbb
a
p
p
p
p
p
p
p
p
p
p
bbbb
bbbb
bbbb
bbbb
bbbb
1
3
2
1
,3,2,1,
,13,12,11,1
,33,32,31,3
,23,22,21,2
,13,12,11,1
2
1
3
2
1
1
3
2
1
,3,2,1,
,13,12,11,1
,33,32,31,3
,23,22,21,2
,13,12,11,1
2001
1000
0210
0121
1012
pを求めるには、このような行列Bを探す必要がある。
2. Fourier(フーリエ)級数による展開
・周期的な場を考える ・もしpを sin(kx), cos(kx) とフーリエ級数で展開すると、a2は k2 に比例することが予想できる。 ・つまり、固有値が k2 で、固有関数が sin(kx), cos(kx)となる。
・だから、そのような周期解でpを表現する。
iiii
iiii
pappp
x
pa
x
ppp
2
11
2
2
2
11
2
2
mmm
iiii
iiii
pa
ppp
xx
ppp
~~
2
2
2
11
22
11
・フーリエ級数で展開すると、微分解は代数解に帰着する。
iiii
iiii
pappp
x
pa
x
ppp
2
11
2
2
2
11
2
2
・N=8の場合、σが下のように与えられたとする。 このときのpの値はどうなるか?
1 2 3 4 5 6 7 8 9
2
1
12
1
0
2
1
12
1
0
2sin
2cos
2)(
2sin
2cos
2)(
N
m
N
m
mmii
N
m
N
m
mmii
xN
xmd
xN
xmc
cx
xN
xmb
xN
xma
apxp
2,,2,1,0
2sin,
2cos
2sin,
2cos
11
11
Nmfor
xN
xmd
xN
xmc
xN
xmpb
xN
xmpa
N
i
iim
N
i
iim
N
i
iim
N
i
iim
9 1 4 2 3 6 5 7 8
9 1 4 2 3 6 5 7 8