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平成19年1月策定 鶴田町果樹産地協議会 鶴田町 果樹産地構造改革計画

鶴田町果樹産地構造改革計画 - 青森県庁ウェブサイト Aomori ...-1-はじめに 鶴田町は青森県西部、津軽平野の中央に位置し、基幹産業は米と果実が主体の農業です。果実の中心はりんごで、果実栽培面積の9割を超え、続いてぶどう、おうとうとなっていま

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  • 平成19年1月策定

    鶴田町果樹産地協議会

    鶴田町果樹産地構造改革計画

  • 目 次

    はじめに ・・・1p

    合意体制

    Ⅰ 構成 ・・・2p

    Ⅱ 産地の範囲 ・・・3p

    Ⅲ 対象農家 ・・・3p

    Ⅳ 進捗状況の確認 ・・・3p

    目標達成するための具体的戦略

    Ⅰ 果樹生産者について

    1 果樹生産農家の現状 ・・・5p

    2 担い手の明確化と育成の方向 ・・・6p

    Ⅱ 農地

    1 農地利用計画 ・・・6p

    2 生産基盤整備 ・・・7p

    Ⅲ 労働力の確保

    1 具体的取り組み ・・・7p

    2 目標 ・・・7p

    Ⅳ 生産目標

    1 生産量及び品種別目標 ・・・8p

    2 生産対策 ・・・10p

    Ⅴ 販売戦略

    1 販売ルートの確保 ・・・12p

    2 販売目標 ・・・13p

    Ⅵ 地産地消の推進 ・・・14p

  • - 1 -

    はじめに

    鶴田町は青森県西部、津軽平野の中央に位置し、基幹産業は米と果実が主体の農業です。

    果実の中心はりんごで、果実栽培面積の9割を超え、続いてぶどう、おうとうとなっていま

    す。

    近年は、りんご単作の価格変動リスクを回避するため、ぶどう、おうとうとの複合果樹経営

    が増加していて、ぶどうのスチューベンは、日本一の生産量・栽培面積を誇っています。

    一方、食べ物の安全、高品質など、消費者のニーズが多様化し、さらに、販売ルートも多様

    化しており、従来どおりの生産・販売では、産地の維持が難しくなっています。

    このため、このような状況を打開し、鶴田町の果樹農業を維持・発展していくため、生産者

    及び関係機関が一体となって、安心で安全な顔のみえる農産物を安定的に供給出来る産地を形

    成し、消費地・地元双方に愛される産地を目指します。

    平成19年1月 鶴田町果樹産地協議会

    消費地から求められ、地元に愛される産地に!

    ~販売額 億円を目指して!~33

  • - 2 -

    合意体制

    Ⅰ 構成

    合意形成を図るために、平成18年8月30日に「鶴田町果樹産地協議会」を設置し、実

    務担当者会議1回、協議会2回、計3回の会議を開催しました。

    鶴田町果樹産地協議会設置要領

    (趣旨)

    第1 「果樹産地構造改革計画について(平成17年3月25日生産局長通知)」に基づき、鶴田地区

    における果樹の目指すべき具体的な目標を定めた「鶴田町果樹産地構造改革計画(以下「計画」とい

    う。)」を策定し、推進するため、「鶴田町果樹産地協議会(以下「協議会」という。)」を設置する。

    (掌握)

    第2 協議会の掌握事項は次のとおりとする。

    (1)計画の策定に関する事項

    (2)計画の達成状況とその評価に関する事項

    (3)計画の変更に関する事項

    (4)その他必要な事項

    (組織)

    第3 協議会は、別表をもって構成し、必要に応じて関係機関の出席を求めることができる。

    (会長)

    第4 協議会に会長を置き、鶴田町産業観光課長がその事務を行う。

    2 会長に事故あるときは、会長が指名した者がその職務を代行する。

    (会議)

    第5 協議会の会議は、必要に応じて会長が招集する。

    (事務局)

    第6 協議会の事務を処理するため、事務局を鶴田町産業観光課に置く。

    (その他)

    第7 この要領に定めたもののほか、協議会の運営に必要な事項は、協議会で定める。

    (附則)

    この要領は、平成18年8月30日から施行する。

  • - 3 -

    鶴田町果樹産地協議会委員

    会長 鶴田町産業観光課長

    鶴翔農業協同組合

    鶴田地区りんご支会連絡協議会

    構成員 鶴翔農協りんご共同防除連絡協議会

    津軽ぶどう協会

    鶴田町農業委員会

    津軽りんご市場

    鶴田町おうとう栽培研究会

    鶴田町農事振興会連合会

    西北地方農林水産事務所りんご農産課

    西北地方農林水産事務所普及指導室

    Ⅱ 産地の範囲

    鶴田町の全域を産地の範囲とします (P4参照)。

    Ⅲ 対象農家

    鶴田町に在住するりんご、ぶどう、おうとう生産農家全戸を対象とします。

    Ⅳ 進捗状況の確認

    計画開始から3年後に、鶴田町産業観光課が果樹流通関係者と協力しながら進捗状況につ

    いて確認し、その結果について当協議会に報告します。

    なお、計画の見直し等は3年後の進捗確認に係わらず適宜、協議会を開催し見直し案を諮

    るものとします。

  • - 4 -

    Ⅱ 産地の範囲

    鶴田町の全域を産地の範囲とします。

    青森県鶴田町

  • - 5 -

    目標達成するための具体的戦略

    Ⅰ 果樹生産者について

    1 果樹生産農家の現状

    地区の果樹経営面積の平均はりんごが0.81ha、ぶどうが0.46ha、おうとうが

    0.27haで、複合経営農家も増えてきています。

    また、果樹農家1,391戸の内85%が果樹栽培面積1.5ha未満となっています。

    H18年現在

    りんご ぶどう おうとう

    面積階層 戸 数 面積( ) 戸 数 面積( ) 戸数 面積( )ha ha ha70 11 4 22 3 80 3 未満 328 63 1. ha . . .35 13 6 3 1 20 3~0.5ha未満 235 93 9. . . .56 37 6 3 1 60 5~1 0 未満 429 313 0. . ha . . .11 12 3 1 1 21 0~1 5 未満 201 241 0. . ha . . .3 4 71 5~2 0 未満 119 205 5. . ha . .1 2 32 0~2 5 未満 47 106 1. . ha . .

    2 5~3 0 未満 16 43 4. . ha .

    3 0~4 0 未満 10 32 7. . ha .

    4 0~5 0 未満 12 8. . ha .3

    5 0~7 5 未満 11 0. . ha .2

    7 5 以上 8 3. ha .1

    合 計 176 81 9 29 7 81 391 1 130 8, , . . .. ha . ha . ha平 均 0 81 0 46 0 27

    農地基本台帳調べ

  • - 6 -

    2 担い手の明確化と育成の将来方向

    <担い手の考え方及び目標>

    当地区における果樹経営面積の平均は0.8haとなっており、中小規模農家が大半を占

    めています。

    このため、当地区における担い手の考え方は、

    ①認定農業者

    ②本人又は後継者が65歳未満で果樹経営面積が0.9ha以上の者(ただし、ぶどう単作

    の 場合は、 ha以上とする )。

    ①本人又は後継者が65歳未満で、エコファーマー資格を有し、果樹経営面積 ha以

    上の者

    いずれかに該当する者とし、平成23年までに470戸を育成します。

    H18(現状) H21(中間) H23(目標)

    担い手農家 461 465 470

    うち認定農

    業者 188 200 230

    Ⅱ 農 地

    1 農地利用計画

    当産地では、大雨等による水害の多い岩木川河川敷に64haのりんご園があります。

    、 、 、 。今後 このうち 20ha程度の廃園が見込まれ 水害のない内陸部への移行を推進します

    ① 担い手の園地面積の目標

    H18(現状) H21(中間) H23(目標)

    担い手への新たな集積面積( ) 0 4 8ha規模拡大農家数(戸) 0 8 16

    ② 維持する農地、廃園する農地の明確化

    現状(H18) 中間(H21) 目標(H23)

    , ha , ha維持する園地 1,130 ha 1 118 1 110. ha ha ha廃園する園地 0 0 12 20

  • - 7 -

    2 生産基盤整備

    老齢樹や障害樹等の低位生産園については、改植を進め、りんご園の若返りや省力・低コス

    ト化を図ります。また、気象災害に強い園地づくりを目指し、防風網等の整備を進めます。

    現 状 要整備面積 目標(H23)

    , m , m防風網 11,396 6 000 17 396m. ha ha . ha防霜ファン 5 3 3.0 8 3

    ha ha haわい化栽培面積 145 85 230(わい化率はりんご栽培面積の20%までを目指します。)

    Ⅲ 労働力の確保

    1 具体的取組

    JA鶴翔農協では、生産者から作業員の求人があった場合、鶴田町シルバー人材センター

    を紹介し、農家の労働力不足の解消に努めています。

    2 目 標

    農協の広域合併を契機に、他産地も視野に入れながら、労働力を確保し、放任園の解消

    や規模拡大時の労働力不足を補っていきます。

    現状(H18) 中間(H21) 目標(H23)

    受入農家数 11戸 13戸 15戸

    求職者数 52名 60名 70名

    鶴田町シルバー人材センター

    紹介 連携

    紹介・

    JA鶴翔農協紹介所 調整

    希望

    生産者

  • - 8 -

    Ⅳ 生産目標

    1 生産量及び品種別目標

    現在の生産量を維持していくため、園地の若返りを図りながら消費者ニーズにそった品種

    への更新や作業効率を向上させる品種構成に更新します。

    (1)りんご

    ① 優良品種への更新

    ② ふじの有袋・無袋比率の適正化

    H17(現状) H21(中間) H23(目標)

    生産額 生産額 生産額品種 栽培面積 栽培面積 栽培面積生産量 生産量 生産量

    (百万円) (百万円) (百万円)( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )ha t ha t ha t530 9,893 1,425 525 9,800 1,400 525 9,800 1,470ふ じ172 2,975 370 170 2,940 365 166 2,880 384ジョナ146 2,097 250 146 2,097 245 146 2,097 263つがる159 2,945 275 150 2,781 324 146 2,706 360王 林3 52 10 6 108 21 6 108 21シナノスイート3 52 10 6 108 21 6 108 21シナノゴールド70 1,260 196 75 1,350 220 75 1,350 225早生ふじ6 108 17 10 180 35 10 180 35ト キ42 700 98 30 513 72 30 513 77その他

    1,131 20,082 2,651 1,118 19,877 2,703 1,110 19,742 2,856合 計

    【有袋・無袋栽培の比率目標】

    年 次 ふ じ

    有 袋 無 袋

    平成18年 60% 40%

    平成23年 45% 55%

  • - 9 -

    (2)ぶどう

    ① 生産量日本一のスチューベンのさらなる拡大

    ② 栽培技術の高位平準化による果実品質の向上

    H17(現状) H21(中間) H23(目標)

    生産量 生産額 生産量 生産額 生産額品種 栽培面積 栽培面積 栽培面積 生産量

    (百万円) (百万円) (百万円)( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )ha t ha t ha t72.0 1,200 375 75.0 1,255 400 78.0 1,300 420スチューベン8.0 98 30 7.0 85 28 6.5 80 22キャンベルアーリー1.9 23 10 1.5 18 8 1.5 18 8その他

    81.9 1,321 415 83.5 1,358 436 86.0 1,398 450合 計

    (3)おうとう

    ① 雨よけハウス活用での高品質安定生産の推進

    ② 良食味品種の導入

    品種 H17(現状) H21(中間) H23(目標)

    生産量 生産額 生産量 生産額 生産額栽培面積 栽培面積 栽培面積 生産量

    (百万円) (百万円) (百万円)( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )ha t ha t ha t6.0 9.5 19 6.2 10.2 20.3 6.5 10.5 21佐藤錦0.4 0.7 1.4 0.6 1.0 2.1 0.8 1.3 2.3紅秀峰0.5 0.7 1.4 0.5 0.7 1.4 0.4 0.6 1.2南 陽0.9 1.8 2.1 0.7 1.4 1.4 0.6 1.2 1.2その他7.8 12.7 23.9 8.0 13.3 25.2 8.3 13.6 25.7合 計

  • - 10 -

    2 生産対策

    (1)エコファーマー

    環境に配慮した農業の実践にむけ、エコファーマー認定を推進します。

    品目 現状(H18) 目標(H21) 目標(H23)

    りんご 62人 80人 100人

    ぶどう 58人 65人 80人

    おうとう 20人 22人 25人

    (2)安心・安全への取組み

    、 、平成18年5月に食品衛生法が改正され ポジティブリスト制度が施行されたことから

    生産履歴の記帳を徹底します。

    また、農薬散布する際、隣接する他作物へのドリフトを防ぐため、防薬ネットの整備を

    進めます。

    あわせて、鶴翔農協りんご共同防除連絡協議会等の生産者団体が中心になり、スピード

    スプレーヤの実技講習・研修会を開催する等、防除技術の向上を図ります。

    <防薬ネットの整備目標>

    現状(H18) 中間年(H21) 目標(H23)

    防薬ネット 50m 100m 150m

    (3)りんごの適正着果の推進

    消費者から高い評価が得られる高品質りんごを継続して生産するためには、品種毎に適

    正な着果量を確保していく必要があります。

    生産者に適正着果のもたらす効果について理解と指導の徹底を図るために、現地検討会

    や園地巡回、広報誌などで適正着果量の確保を呼びかけます。

  • - 11 -

    (4)果樹共済の加入促進

    りんごについては、経営の安定化を図るため、平成17年度から始まった樹体共済を含

    めて、自然災害等の不測な事態に備えた果樹共済の積極的な加入を推進します。

    (5)選果データの活用による高品質りんご生産

    JAの内部品質センサー付きりんご選果機の活用により、生産者ごとの内部障害果の発

    生状況、糖度、酸度、蜜入れ具合のデータを基に、高品質りんご生産に向けた生産指導を

    行います。

    (6)放任園対策

    関係機関が連携して、放任園の把握に努め、放任園が発見された場合は、鶴田町りんご

    放任園対策連絡協議会が中心になり、適切な処理対策の指導及び支援を行います。

  • - 12 -

    Ⅴ 販売戦略

    消費者ニーズは、食の安全・安心はもちろんのこと、品質・食味を重視したものとなって

    います。

    このため、当産地の特性を生かして、外観、食味、新鮮さを全面に打ち出し、販路拡大を

    図ります。

    1 販売ルートの確保

    (1)JA・市場への計画出荷の推進

    安定的な販売をめざしていくため、JA・市場との協調を図りながら、計画的な出荷を

    推進します。

    (2)量販店のバイヤーへの積極的売込み

    近年、郊外型大手スーパーが、当町及び近隣市町村に進出していることから、生産者や

    JAの代表者が中心になり、大手スーパーに売り込みを図っていきます。

    (3)消費者との交流

    産地の状況、生産への取組を理解してもらうことを目的に、消費地へ出向き、PRを行

    います。具体的には、神奈川県川崎市の川崎自治会イベントや川崎市民まつりにおいて、

    年3回を目標にPR・販売をします。

    (川崎市民まつり)

    (4)産地直売

    産地内の園地で、収穫体験等を行うなどにより、産地外から人を呼び寄せ、これらの人

    を対象とした、直売を行うことで、産地のPRを図ります。

    また、道の駅「鶴の里 あるじゃ」の品揃えを充実させるとともに、販売促進会等の企

    画を年2回実施します。

  • - 13 -

    (5)直販

    スチューベンぶどうは、郵便局と提携し、ゆうパックでの販売も展開し、販路拡大を目

    指します。

    2 販売目標

    様々な生産対策や販売ルートを確保することなどにより、りんごの販売額28億円、ぶ

    どう4.4億円、おうとう2,500万円、果実全体で33億円を目指します。

    <りんご>

    販売金額 H18(現状) H21(中間) H23(目標)

    農協取扱い 880,000千円 906,400千円 933,600千円

    市場取扱い 1,714,228千円 1,765,600千円 1,818,600千円

    農協直売所 20,000千円 21,630千円 22,300千円

    県外直売所 1,000千円 1,050千円 1,100千円

    2,775,600千円合 計 2,615,228千円 2,694,680千円

    <ぶどう>

    販売金額 H18(現状) H21(中間) H23(目標)

    農協取扱い 68,349千円 71,766千円 73,900千円

    市場取扱い 293,149千円 307,800千円 317,000千円

    農協直売所 1,300千円 1,365千円 1,406千円

    県外直売所 120千円 140千円 144千円

    通販など 45,500千円 47,775千円 50,164千円

    442,614千円合 計 408,418千円 428,846千円

    <おうとう>

    販売金額 H18(現状) H21(中間) H23(目標)

    産地直売 21,000千円 21,630千円 22,300千円

    市場取扱い 550千円 700千円 1,000千円

    農協直売所 1,500千円 1,545千円 1,600千円

    県外直売所 250千円 260千円 270千円

    25,170千円合 計 23,300千円 24,135千円

    H23果実目標 33億円

  • - 14 -

    Ⅵ 地産地消の推進

    、 、 「 」鶴田町では 正しい食習慣と健康増進を図るため 平成16年4月に 鶴田町朝ごはん条例

    を制定し 「朝ごはん運動」を展開しています。、

    運動の基本方針は、

    (1)ごはんを中心とした食生活の改善

    (2)早寝、早起き運動の推進

    (3)安全及び安心な農産物の供給

    (4)鶴田町において生産された農産物の当該地域内における消費の推進

    (5)食育推進の強化

    (6)米文化の継承

    となっていて、りんご等の果実についても、食生活の改善を図るために 「毎日1個のりん、

    ごを食べる」ことをガイドラインに定めています。

    今後は、

    (1)学校給食への地元産りんごの提供(10月以降)

    (2)つるたまつり等の町内各種イベントでの紹介・販売

    などへの取組みを強化し、果実の消費拡大・地産地消をさらに推進していきます。

  • - 15 -

  • - 16 -

    (桜づつみ公園)

    鶴田町果樹産地協議会事務局

    青森県北津軽郡鶴田町大字鶴田字早瀬200-1

    鶴田町産業観光課内

    0173ー22-2111