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轟等学校の三1芸霧霧σ)縫容と現状について韓考察 曲。‘ 6 高等学校の工芸科目の内容と 現状についての考察 心(工 落〉 薩校の芸備教科1ま,学習搭導要領のもと,音楽,書道,美徳,工芸の各選探群類により編綴され ている。しかし,こσ)なかで工芸科馨を選摂軽羅の一つとして実鰹に騨殺している轟後縁極めて少 ない。この幾纂では全鉢を三つの購鍍1にし,今巽の』工芸科嚢履響の環状や問題蕪を縷記した。 遍行学饗蓬1導要領の海容を,繕繭の内容と銘較しつつ.工芸難贔を舞舞する立場からみた翼題 点を考察した。 に1紹稽艶隼舞舞の学習振導要領の琶彗容を顧に縷離し,理行までを三つの内容の類霧紅豪とめた。 聡背内容は.昭秘鵯年改訂の考え方を継承しているものである。 現在ぴ)二1二芸科§を購設する、ヒでの霞難な闘題意を,「人」「予算」「場,施設Jの観点で縷1試した。 異捧的状溌1ま,本漿と千葉榮融縫を参考とした。 /キーワード〕蕎等学校 芸備教科 工芸群舞 学習毒導要鑛 はじめに 平成6奪稔月1こ蟹大協よ讐公表された,平成9 年度の蟹公立大学の入学試験の醗容は,平成元年 の高等学校鮨導要領及び学校教育法施行燦麹の改 訂1こともない,その内容を従来と比べ大きく変憂 した。特に改訂捲導要領では,それまでの教科・ 科誉探)数が増趨とな拳,いわゆる普選教育に臆す る教科一越』曇隷8教潜舞5科諺力)ら, §教科62科§ に(§教科紅なったのは,学校教育法施行規灘の 改訂によるもので,「社会3を廃し「地選歴史」及 び「公銭愁を新たに設けたことによる〉,職業善こ絶 する教科・科目は6教科蔦7科嚢から瞬欝4科嚢に 増えた。そのため大学入試センター試験や各大学 の懸濁入学試験の受験料§も大輕変更とな参,福 島大学においても科§の選捉決定に多分の聴聞を 費した。特に教畜学藻においては,入学試験方式 の変更(連続方式A騒程から分離分割方式へ/も ともなったため一罎の議論を必要とした。 ではこのような高校教育6)「枠組,内容」の改 訂のなかで,本稿みテーマである芸衛教科につい てはどのような変更がみられたであろうか。従来 芸備教科にお赫ては,前々罐の改訂(紹秘蕊年鎗 月露蕪告示〉の内容が大雪鶴蟹(紹報53奪蓼溶灘 葭告示/に引き纒がれ,平成元年の改訂において もその骨格は継承されている。後の項で戦後の指 導要領ξこおける芸備教科の{立直づけ,内容等σ)推 移1こついてやや詳しく穣討をするが,前々懇よ撃 ほぼ継承されている芸衛教科及び美術・工芸科目 における現行の要点1ま以下の達雛である。 まず科蓑編成については従醗選参,音楽,美徳, 工芸,害遵のそれぞれに至,鷺,蟹の科弩があ箏 合計i2科馨編成で各2単位となっている。また芸 術教科の履習単位数については,高等学校捲導要 鎖・総則の第3章「教育課程の編成及び実施」の 第3節ド各教科・科§の履替」において次のよう に記されている。「一,芸備は第3款の墨の規定(芸 備のうち「音楽至」ヂ美徳亜」「工芸墨」及び「叢 道至」のうちからi科§。標準単位数として承さ 轟た単位数,2単位を下らないものとする/にか かわらず,3単位を下らな雛ように履習させるこ ととして,豊かな摩責操の鶏治を騒ることができる よう翫癒されている。なお,芸備の各科濤の標準 単粒数は2単位であ箏,2科§を履習する場合は 尋単位となるのが遜常であるので,学校1こおいて もこの点を考織し魂単鍾を必修とすることが望ま しいみその、とで,登科蕪のi単磁覆習の醇饒牲な どについて解説している。これは「各教科・科嚢 び)緩習に関する普通科の特撰(第董章第3款の 2〉」によるもので,前巽妻導要領と睡1様の主!雪を踏 襲している。次に警衛科の教科馨標に臠しては新 たにド生経にわたって芸備を愛好する夢精を育て

高等学校の工芸科目の内容と 現状についての考察ir.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R...轟等学校の三1芸霧霧σ)縫容と現状について韓考察

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轟等学校の三1芸霧霧σ)縫容と現状について韓考察曲。‘

6

高等学校の工芸科目の内容と

現状についての考察

片 野 心(工  落〉

 薩校の芸備教科1ま,学習搭導要領のもと,音楽,書道,美徳,工芸の各選探群類により編綴され

ている。しかし,こσ)なかで工芸科馨を選摂軽羅の一つとして実鰹に騨殺している轟後縁極めて少

ない。この幾纂では全鉢を三つの購鍍1にし,今巽の』工芸科嚢履響の環状や問題蕪を縷記した。

曾 遍行学饗蓬1導要領の海容を,繕繭の内容と銘較しつつ.工芸難贔を舞舞する立場からみた翼題

 点を考察した。

に1紹稽艶隼舞舞の学習振導要領の琶彗容を顧に縷離し,理行までを三つの内容の類霧紅豪とめた。

 聡背内容は.昭秘鵯年改訂の考え方を継承しているものである。

韓 現在ぴ)二1二芸科§を購設する、ヒでの霞難な闘題意を,「人」「予算」「場,施設Jの観点で縷1試した。

 異捧的状溌1ま,本漿と千葉榮融縫を参考とした。

/キーワード〕蕎等学校 芸備教科 工芸群舞 学習毒導要鑛

はじめに

 平成6奪稔月1こ蟹大協よ讐公表された,平成9

年度の蟹公立大学の入学試験の醗容は,平成元年

の高等学校鮨導要領及び学校教育法施行燦麹の改

訂1こともない,その内容を従来と比べ大きく変憂

した。特に改訂捲導要領では,それまでの教科・

科誉探)数が増趨とな拳,いわゆる普選教育に臆す

る教科一越』曇隷8教潜舞5科諺力)ら, §教科62科§

に(§教科紅なったのは,学校教育法施行規灘の

改訂によるもので,「社会3を廃し「地選歴史」及

び「公銭愁を新たに設けたことによる〉,職業善こ絶

する教科・科目は6教科蔦7科嚢から瞬欝4科嚢に

増えた。そのため大学入試センター試験や各大学

の懸濁入学試験の受験料§も大輕変更とな参,福

島大学においても科§の選捉決定に多分の聴聞を

費した。特に教畜学藻においては,入学試験方式

の変更(連続方式A騒程から分離分割方式へ/も

ともなったため一罎の議論を必要とした。

 ではこのような高校教育6)「枠組,内容」の改

訂のなかで,本稿みテーマである芸衛教科につい

てはどのような変更がみられたであろうか。従来

芸備教科にお赫ては,前々罐の改訂(紹秘蕊年鎗

月露蕪告示〉の内容が大雪鶴蟹(紹報53奪蓼溶灘

葭告示/に引き纒がれ,平成元年の改訂において

もその骨格は継承されている。後の項で戦後の指

導要領ξこおける芸備教科の{立直づけ,内容等σ)推

移1こついてやや詳しく穣討をするが,前々懇よ撃

ほぼ継承されている芸衛教科及び美術・工芸科目

における現行の要点1ま以下の達雛である。

 まず科蓑編成については従醗選参,音楽,美徳,

工芸,害遵のそれぞれに至,鷺,蟹の科弩があ箏

合計i2科馨編成で各2単位となっている。また芸

術教科の履習単位数については,高等学校捲導要

鎖・総則の第3章「教育課程の編成及び実施」の

第3節ド各教科・科§の履替」において次のよう

に記されている。「一,芸備は第3款の墨の規定(芸

備のうち「音楽至」ヂ美徳亜」「工芸墨」及び「叢

道至」のうちからi科§。標準単位数として承さ

轟た単位数,2単位を下らないものとする/にか

かわらず,3単位を下らな雛ように履習させるこ

ととして,豊かな摩責操の鶏治を騒ることができる

よう翫癒されている。なお,芸備の各科濤の標準

単粒数は2単位であ箏,2科§を履習する場合は

尋単位となるのが遜常であるので,学校1こおいて

もこの点を考織し魂単鍾を必修とすることが望ま

しいみその、とで,登科蕪のi単磁覆習の醇饒牲な

どについて解説している。これは「各教科・科嚢

び)緩習に関する普通科の特撰(第董章第3款の

2〉」によるもので,前巽妻導要領と睡1様の主!雪を踏

襲している。次に警衛科の教科馨標に臠しては新

たにド生経にわたって芸備を愛好する夢精を育て

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銘 蕩爺大学教官実鞍羅究紀要第灘鞍

る……」の記遠が簾えられた。理背鰭導要領は,

昭和58年盤舞,第欝類中教審の教育内容小委轟会

の審議経過報鑑と,昭癬薄年8屑~昭報鑓隼8月

にかけての臨教審の答申内容などを背景として昭

秘鍵年鴛月塞馨に教育課程審議会が答申したもの

である。このうち臨教審答串では,今後の教畜の

鷹鞍方を検討する際の観点の…つに,「生灌学習体

系への移行ユを挙げた。そのため平成元隼の改訂

では一薬教科の§標1ここの「生灘学習」の観点が

反験し,芸術科の目標として新たな麗載となった。

この飽ヂ芸1徳的な能吏』の{牢長,「美に蝿する感雛葺

や「豊かな鷺操」の膏絞ということが灘標として

述べられて鵠る○

 では美徳,工芸の科§に関する要点について次

に簿単にふれたい。高校の美術は,中学絞までの

教科名ヂ美術」に対し,科目名としての「美徳」

である。この点について検討すべき驚題はあるも

のの,戦後の1蒙ぼ一貫した設定である。そのため

対象とする造影鎮域を,「絵藪」ヂ彫灘」[デザイン」

としている.霧行の内容では従蕪の「伝達のため

のデザイン」を広く「デザインゴと改訂し,題舞

の弾力化に薄癒して雛るσこの点慧,現在の高校

美徳の授業内容に沿ったもので,従来より「ペー

パーナイフの麟作」など工芸題;縁を授業謙遜鋒こ緩

み込んで籍た働もあ讐,「デザイン]の教馨灘絹を

より輕広いものとしている。但しシ原簿的には槻

覚伝達・環境のためのデザインをその薄象として

おぎ),従羨講様「工芸」との選分けを意識的紅表

配している。そのため工芸科籔の養護1上にも,従

来「デザインと羅作」としていたものを「工芸の

デザインと工芸の鰯鐸コというように変更し,科

馨懸旛互の内容の整選に及んでいる。

 工芸科癖は,このような芸備教科の枠緩みや美

術群議との関遷藝’難を青簾1としつつ.その必要盤や

重要盤を誕われ続けてきた科震である。しかし現

実には,この科騒の存在すら知らない人が多数で

あ吟,芸術教科の中で極螺に少ない緩習生経数で

ある。本稿では,この工芸科目の詣導内容や戦後

のあ撃方などを験討し,現在の課題1こついて論考

を試みたい。

亙 工芸の指導指針の概要

 現行捲導要領1こおける工芸科目の目標には,茎,

麗,醗を還して「工芸の麟造活動」「美的体験・造

形感覚」「表現と鑑賞の能力」「生活を豊かにする

三鱈§一5

工夫∫工芸の愛好と美徳・工芸文化の運解と尊重垂

などが特綴約語句として挙げられる。特にこの申

で「生活を豊かにする工夫」は,新たな観点とし

て換えられ,これまでになかった表溌である。内

容については上議紅示したド工芸のデザインと工

芸の舗作」という表誌上の変更はあるものの,異

体的,実践的内容ではこれまでと大きく変らない。

工芸の面容「A義理」における「工芸のデザイン」

の墓承事覆縁次のように集約できる。

i、目的.条件と表幾(又は衰聡慧誕,テーマ〉

 の調秘的デザインの麟修

められる海容であるが.

びその構成につ継て,鍵羨との比較を含め讐記す

べき点が数点あるゆその一つは,現行の「内容ゴ

のなかでデザインと譲作を購々の申項曇として麺

置づけている点である。灘隼改訂は,「/2膜驚や装

饒のためのデザインと製作」というように一嬉参

の項羅として表配していた。現行では.一般社会

の工芸(讐に量産的工芸〉のデザインと鱗作の縫

係を,学校教育の場での教育の内容にやや塵接的

に投影させた考え方1こ基づいており,従前の表爺

の方が,表理活動の一つとしての工芸にはふさわ

しいのではないか。学校教蕎での工芸鐸贔の請作

で慧,趨工過程と岡鋳進行的にデザインの発見や

選捉があるのが一般的で.挙続にデザインレベル

と麟作レベルというように区分できない。工芸の

デザイン活動慧,常に麟窪の進行のなか巻こもあ鯵,

それがゼ実樗」を籔う工芸学習の大きな特色とも

なっている。この点従羨の指導内容は無蓮がなくシ

聡行にお鵠ては遂1こ饗解し1こく魏購成となってい

る。具体擁として.工芸亙,璽の内容中の「工芸

のデザイン垂の紅鱒耕料,授法,購造及び手緩を

考えた構想」と「麟デザインの吟醸3における主

濤に蝿し,「工芸の麟作」のうち「彰う軽科の特性を

墓にした鱗伜の購懇」とヂ(瞬麟作の吟練ゴの主讐

 美的秩序の遷解とデザインヘの鱒懸

 (縛 計露盤をともなう造形表醗の遅解

 (碁)デザインの確認方法の理解と実践

 生活空間や環境の中でのデザインの運解など

 また「工芸の議騰」で1ま

 素馨牲を生かす麟搾活動

 伝統的工芸デザインの理解と応欝

 鞍料(素材/の覆解と適切な選毅

 援華去の理解と耳彗真の使簿弾艶力の海皿となど

以上が至,麺,績を通し共通的事項としてまと

          この工芸の嚢擦や内容及

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高等学校の工芸科嚢の海容と現状につ輪ての考察 醸

が重複する漆象を与えている。繰穆返しとなるが,

工芸の授業では,一般的な素馨の盤質やつくるも

グ)の機能だ韓で纏象的紅デザインの携懇を練るこ

とは少なく,翼体的耕料を羨にしてデザインを始

めるのである。工芸の作品づく箏では,曇の糞彗の

実樗としての耕料華た魏へん強秘舞舞動機を促す

のであ9歩場当蓼的な鰯作を蔑める煮では疇的

や条件,機籠」を強調することも必要であるが,

材料から受ける素樗感の感受を大窮にする立場か

らは,あえてヂ簿翼乍葦の上でヂ講想雛を追擁壁ず,

デザインを連続する活動として癒麗づけたい。

 窮の幌点から考えるならば,「馨料の特性」を条

件の一つとして取塗込み,作鑛としてつくるもの

の生活的・連舞的機籠としての「条鐸」と,健腐

する素材の特性や美観などの造形方法の選択にか

かを)る点としての「条件」に整遅し,この権力を

繕鋳的に運解させる指導海容にした方が,実態に

舞重した,表碗活動としての工芸といえるのではな

いか.鍵来工芸の作品づくりでは,曝的や条件」

が擬約的に作欝する蔭として強請されてきた。し

かし上記のように「条件」を震えるならば,この

条件は譲修士の「ルールゴ(鍵麟牲/を形絞し,作

品を完成紅導びく「ガイド」として役割を果すこ

とになる。今後工芸におけるこの条件の開題を,

難しい点もあるが課題として分摂する機会をもち

たい。

 このほか従羨の酸訂点に,「デザインの基礎に絶

する旛導」の項欝が野工芸のデザインメの中の小

須鐸に紘置づき,碧美徳秩序を意臠したデザインの

工夫」として警邏.統合されて替る。ヂデザインの

基礎」1こついては,自然梅や人工物の観察から造

形要素を発見,擁鐵し,それを構成するなど,一

般の高校生の学ぶ内容として掻雛にく魑ものであ

拳,その学習効果が靉靆撹されていた毒その点か

らも寝行の整理,統合1ま妥当であ参,鍵来のよう

に独立した単元として援うことなく,無き体的{乍贔

舗作5)申で応駕するとした現行のあ今方が望まし

い。その覆面.「工芸のデザインゴのうち「デザイ

ンの吟味」鉦おいて,デザインの表示,検討,確

認する能力として透視馨やレンダワングの学習が

要求されて翻る。現行指導要領は従蕪に比べ,そ

の内容を中学校とのつなが診を璽観した表現科§

として猿遣づけている。その点からも,レンダサ

ングなどσ)鼓徳性の高い学習は,全体との比較の

中でやや異秘感を覚えるところである。

 理行の指導要緩の内容「A表理」には,仔纏に

みると縷講ずべき点縁懸こもあるが,ここでは省

略し,ε8鑑賞葦)振導内容の要点を麗したい。鑑

賞では, 亙,簸,羅を通し次の各蕉を指導上の主

要項饗として騒るむ

董.工芸の美しさと表現技法の運解

2.修養み舗蕪慧籔と講搾過程の蓬解

3、転蓬驚的な二籔芸の群王蟲鑑裳と造形的選i解

逢.工芸と生活,鮭会,§然,環境との経連

5.二亙芸の醗際姓と協議につ雛てなど

 鑑賞の擁象籔羅として,工芸夏では「身近な生

活で使うものや生徒の{乍品暴などを中蓬}葦こ, 叢で

は「魔界の罠蕨的な工芸作最ま紅も§を1薄けると

ともにゼ自然及ぴ生活環境を構成する工芸」の運

解,羅隷「文イと遺産としての工芸蟻の鑑賞と運解

に及んでいる。工芸の鑑賞1こ関して,視覚だけで

はなく,触覚(手で離れた讐重みを感じた稔する)

等を還して受けとめることも大切な観点である。

海芸作墨における重量の意外さなどは,その葎品

の印象を大きく変えるものであるし,家彫工芸に

おける刀の1彰ζ〉跡」)手薄蜜参も嬉様である。覆代は

身近な工芸品の種類も多く,多贔種,少量生産か

ら生まれる様々な傾露の品が,街中にあふれてい

る。それらは,雑誌など欝鞍媒体によって一定の

風俗姓や縫代盤一…いわゆるブームーを帯び,

高校生の生活環境にある。従来,工芸品と考えら

れ,たものを「雑貨3 と位置づけ,流通讐三の高い嚢

贔1こしている鱗もある。遜欝販売なども手伝い,

「写真うつ診」のよい,発た§のよ鵠ものが多く

なっている。この様な背景のなかで,工芸の鑑裳

は獲難な藤も多いが,逆1こ「本物3を比較対黙し

たむ,実燦に手で鮭れることによ讐新たな曇を育

てることもできる。一携として,響奉の家具作家

である小島填吾氏の麟霧家具は,震然の木の姿を

形の申にうまく残し,家具の機能と霞然の美しさ

を講1穣させている。それに蝿し,写真/2/の鶴晶隷,

嘘然そのままのデザイン」との郵象を与えてい

る。このような倒は縫にもあ拳,比較することで

鑑賞の新たな契機を見つけることができる。

 この纏,工1芸の鑑賞の難しい点紅素材’や技法の

多さがある。縫えば金工の分野を異体的淀みても,

鋳金,彫金,鍛金の懸や,それぞれの鼓法体系や

工芸鐸晶のための警殊技法など.鱗難意蟹と灘達

して講隣することはた鵠へんである。鱒芸などに

なれば一麟のことである。教麟はこのような点か

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71} 蕪灘大学教鳶実践薪究紀要第講鞍 謄蛎一§

写:真/茎)鵡機チェスト 小島神苦難 写真/21アヂィ簸ンダック家具 梅子

らも特に得意とする領域一鰹えば金工と染織な

ど一を複数もつようにし,そのジャンルに麗す

る遅解を深めておくとともに,展覧会等に是を運

ぶ努力が要求さ託る。地方都毒では,工芸の展覧

会は少ないが,露ら機会をつくって工芸鐸墨を鑑

賞することで,現代作家の情熱や舗搾顧晦を醗で

感じたり,若い縫代や女性作家のこれまでにない

テーマ性やモチーフ,また吉雛時代の武具や装身

奨などの意麩のすばらしさ等々,参考となること

が多くある。鑑賞では,工芸品’工芸ぞ乍贔の客観

的にみた造形性の解讃など主な鮨導項甦がある

が,特装大切なことは,教離岩らが鑑糞蝿象をど

のように感じ,その癒魑を評慰するのか,農分の

言葉で生徒に語ることであろう。そ轟を繰撃返す

ことによ箏,高校盤一人一人の鑑賞に対する意識

海産遷iまることと思う。この懸力三,通常私達力婁見る

ことのできない文化財レベルの工芸最の鑑裳に

は,選集になって鐵叛された痙めて品盤の轟魏印

羅彗の書籍力婁ある。このような本の藝甕飯は,{響ノ\の

授業で硬離する籠囲のスライドフィノレムとし,鑑

賞教耕として活離することができる。弼えば京都

書銑が昭秘暮暮年に鐵叛した嘱春夢)意匠(全欝巻懇

では,工芸のデザインをモチーフ溺に編集し,地

θ)書籍類には晃られな蕪作贔を掲載して雛る。こ

の本σ)特鐵はたいへんに美しい写真劉叛であ瞬,

スライ鑓として験写しても懸とんど鑑賞一ヒの問題

は趣きないし,な1こよむ数多くの奔れた鑑賞作品

がそこにはある。蔀分の拡大写真も豊唐紅載せて

あ拳,染織における技法の運解や,麟作蒸の丹念

な心嬬を遷解する上からも貴重な資料と言える。

実物に接近できない場合の,有効な手段である。

 繭ページ主要項演にあげた「藁.工芸と盤活,

社会,鬱然,環境との経連雄は,実践轡の少ない

難しい課題である.現代の霞本は消費型社会の典

型ともいえる時代紅あむ,中・灘校生らは,生ま

れ育った蒔銭そのものである。教麟(特に鱒代以

上〉と生1徒との闘の,異常生活における工芸的癒1

纏の意識(無い場合も含め/に,大きな差がある

のも当然である。 このような場合,単なる「反溝

費璽」発想からスタートし工芸を見薩すこと,又

は生活や社会との隣連を考えることは,生徒にと

って察らの必然をもたない観念的課題紅なウやす

い。そのため,工芸と生活・鮭会を見直す観点を,

嚢常からややずらし,華中行事や,それぞれの地

方の祭参の場に移してみることが必要ではな襲

か。年中行事や祭鵜こ綾羅される大道輿,小道翼,

鋳参,衣装などの形や色,替料や工夫してある鼓

法を講べることで,私達の生活・鮭会の接点とし

ての工芸のあ撃方がッ物質懸だけでなく糟糠的意

味をともなって遷解されよう。

 こグ)ような税点は,鴨.匿際甕の遷解」にもつ

ながる。今琶,アフワカをはじめ重葬各蟹の民籏

的工芸品が醤本に紹介され,お嚢や楽器,器物な

ど手1こ入れることができる。これらは,今雲の薮

本の量産的工芸品とは異な彗,各匿ぴ)経史や伝統,

風土や信鐸などの影響を今なお受けつつ,存続し

ている野生きた教耕藩である。有効紅稽霧するこ

とで,鑑賞と表現の薦懸にわた撃意義を発揮する

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高等学校の工芸秘蓼≡聾)内容と弄疑状について0)考察 }〔、

f

写真/3/忍草蕪絵行霧鐘箱纈猶

与真鶴 講中央蝶形金聾絋大図

ものと考えられる。

 最後にド海容の取籔い」は ・・ 

次の遜参である。

i.中学校美術との経連を考憲し,表理と鑑賞を

 バランスよく捲導すること

2.地域の材料の綾絹

3.コンピューター等の機器の活罵

垂.生後の主体的課題の設定や共講罐作の追求

 各点とも当然のことと鯵えるが,このうちド3.

コンピューター等の機器の活駐1こついては,一

定の条件一一鰭えば,実業高校などで機器の知識

や{吏罵方法の葦墾解がある程痩:進んでいる一一が必

要とされる。機器の活躍という馨的のために多く

の時賜を使うことも考えられ,生徒の壷接優駿こ

よる授業への導入1ま,なお鹸討と工夫を要する。

至{ 昭稲22年からの内容的変遷

 斑蓄テ孝養導要領の馨籠要と若干の懇題点をここまで

みたが,この工芸科欝は昭穣22年以降(新麟高等

学校の発達/どのような内容や位置づけがあ蓼,

飽の芸講料嚢との驚連牲はどんな点きこあったのか

戦後の詣導要領を遷り,醜行の至軽達意を確認した

い。

 新誕蔓等学校の教育課程は,紹穣器隼嬉鰐マ蕪

付で示されたが,すぐに紹報2§年7屑鱒醤付で改

訂があった。但し芸能科では22年と照年の告示内

容1凝議ぽ懸様で,見るべき変更はない。壽選に翼

し露年「学校基準表3で,蜜語と蜷んで表記され

26無では,芸能教科のなかで「音楽」「図癒」「書

道」「工作」と毬罐づけられていることが,多少の

嶽違点として挙げられるものの.戦蕪の科鐸の枠

緩からみると,単裟表記、との1無題と半彗轡言できる。

その上で,この2§年新教科課程では,選択教科麟

と単位麟が柱となっている。特に選択教科簸を欝

隼の文書では次の様に示している。「新講小学校お

よび籍舗中学校において隷,未だ繊牲の糞覚と分

蔽とが十分に明らかではないため,(牛酪/教科全

体としては,その大部分が必修になる。これに対

して,新講蕎等学校では,ようやく懸盤の方簿も

競懸になウ,生徒自らもこ轟を嚢覚するに甕るか

ら,この段籍では纒雛の必要に応ずる教育が大き

な寒合をしめな謬ればならない。新慧高等学校の

教育1こ選択教科舞が大きな意義を有する所以はこ

こにある」つづいて芸能教科に聞しても,「一…芸

備的な分野における興味は生経によって異ること

であろう。ある者は音楽的な鑑裳と表現髪こ辱馨昧を

もち,ある者1ま造型美徳に素質と興味をもってい

る.これらの生経には,それぞれの饗瞭と素質に

適した教科を選択する露密が与えられなければな

らな騒ゴとその意義を謳っている。戦後の高校警

衛教科と科§の大枠は,この時点から横奉的に変

っていない。選撰する科員潤にわたる議論はしに

くく,方法的にも難しいが,戦後の高校生をめぐ

る著しい状濁の変化毒こ対応した芸術教科全体の議

譲が待たれるところである。

 さて鱒奪に示さ轟た指導要領の「纒藪」と「工

作」の科嚢内容をみると,「露露」では,絵画,彫

刻,緩案,色彩,露法・製図,鑑賞.生活」)美化.

美姫概論となって鵠る。一方ヂ工作鰭では,工芸,

彫麺,建築,舞案,色彩,図法・製舞,鑑蜜,生

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?2 鶴島大学教育実践鞭究紀要第論讐

衰轡 昭秘2§無改欝簸教科・科羅名浸び単粒数

雛 科目 総時数・単独数

麟 驚(2)~2欝(6)

芸能 緩蓬彗 7§(2)~2欝(6)

書道 了§(2)~2欝(6)

■1作 鴨(2)~2欝(6)

活の美匙.工芸機論となっていて,「靉靆盛こ蝿し

て「工作」強震の内容は3獲馨であった.選撰教

科麟ではあったが,霧科目の内容購成は透窮もの

で,科§内容の整遷や穰選は進んでいなかった。

戦後の「工作」は.昭憩欝年の文藻省令および講

令で定められた漿麟中学校の教科をふまえてい

る。この省令では,「修身」やド蜜語講読謡にはじ

豪拳鎗教秘(第i学年の場合/が醗列されそのう

ち翌週懸垂こ至鋳聡学ぶもの毒こゼ音楽ユヂ書道」「纒

錘3「工作」などがあった.鰻麟中学校の「工作」

は,生活披講的内容の強い灘があむ,戦後の新し

い芸能教科観に基づいた「三舞誰の内容をつくる

ための土台とはな撃にくかった。そのために,「馨

露」との重複も多くな馨,内容的独欝牲が薄くな

ったものと考えられる。

 その後の蕎校の捲導要領は,昭灘講年稔焉§露

{寸で改…汀となる。芸能科撃芸備科とな琴,蓼麺藝が

美徳へ,工作は工芸へと名称変更された。しかし

高校の教育課程における単粒数や振導暗闘数はそ

のままでッ表/2!の遜むであった。履習上の特鐡的

な点としては,次のような「注意輩が表記されて

いた。ヂ……また生徒の芸備的教養が片寄らないた

め畠こ2科目以上を履習させることができるよう

に,科嚢およびその単位数を設けることができ

る涯。この注意は,その後の敬譲において潰えてい

る。また海容的には美術が「絵悪婆「彫灘」「美徳

機論葺の三本の建にな穆,その後の科§内容の原

型とも震えるものとなるが,内容の綴かい点につ

いては省酪する。翌1芸は.ドデザインゴ野饗修藁筆工

芸機論ゴの三つの海容購成で,美徳欝様,醜行に

近い内容となった。工芸の各内容をみると,項§

職こ「基礎学習3として,美的構成,機能晒究.

材料藩究,表示練習に要点が整運され「デザイン

実習」では,デザインの条件の羅究,及び,機能

藩究が要点として指示されている。

 この改訂は,欝年の講容にくらベラたいへん異

体的になってお讐,その後の捲導要領のなかでも

i§箋一6

表!2!昭秘講年改訂蔽教稽・科欝名及び単粒数

導 科§ 単綾数及び時間数

韻 2(?のまたは薮翼鐙または§(2欝)

徳 美徳 2(鴨)または嘆(難紛または§(2欝)

書道 2(7のまたは薮鼓鯨または叡2欝)

工芸 2(穏)または垂(廼馨)または叙2欝〉

鍛も奪潤的な内容紅ふみ込んだものといえる。2碁

年ぎ)内容が,「緩嚢擁との重複牲の強魏盤賂であっ

たことや,項欝数を整理したことで各項蟹のなか

の議墾が詳織こなったと考えられる.海容の精緻

点には,デザインの「基礎学習雌に多くの量をさ

いていることであ参i,2,3各年次紅及んで募

る。デザインの基礎として,窪然霧や人工物から

の形体の譲出と購絞,機能や購造と形体との闘孫,

表示のための騒法・製騒など,専潤鎮域としての

「デザインの方法の学習」を強く意識したもび)で

ある.また製作実習の項嚢のなかにも,ヂ材料の見

積リゴと雛つた奪野慧的残容に及ぶもの毒璽ある難事

工芸機論では,「現代工芸の勤賜など塞鋳として

新しい美徳思潮や工芸運動一驚途から闘敏され

た工芸作品,公共蜜蜂難こおける工芸搾贔一一の遜

解にも触れているむこのように専門牲の痙解や鼓

法の習得を強調して熱る反嚢,ヂ留意事項メこは肇)

科§の性格上,ともすると学欝や捲導が鐸品主義

1こ臨箒がちである.結果よ警むしろ学習遜程が重

擬さ轟るべきである」という鑓述もありシ評懸響

にも醗憲をした海容となっている。

 その次の改訂は昭秘3§隼である。蕪月i5嚢材の

全懸駿訂であった。それまで憂)時欝1と単位数によ

る表記から,表1麟のように至シ雛という各科欝善こ

改め,単位数の上積みが灘能な緩習方法に変更し

た。また,董,藍碧こついて履覆学年は指導せず,

その類序({の履習後簸を学ぶ/だけを捲示し,

緩習体麟の蝉力化もはかった。内容悪では美術科

目の鑛域をそれまでの影絵遜」ヂ彫灘」「美徳機譲」

の三三つ寿)ら,「表現盛「鑑賞謡σ)2領域とし,「表現」

の中を紅絵懸ゴ「彫灘藁「デザイン」として,「美衛

擬論」は「表現暴と鍔鑑賞話に籔薮させたむ工芸

科§では「デザイン」「製蕪」「工芸概論藁を廃し,

「デザインの基礎練習∫デザインと製作∫挺魑・

鑑賞藩の3領域として,蒋にデザインと製作を一

緯化して旛導する体麟とした。一方,この改訂で

は,33年の中学校指導要領改訂によって誕生した

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轟等学校の工芸科慕の鍵容と環状につ経ての考察 73

袈③ 昭秘蕊年敬譲寂教科・科醤名及び単盤数

翻 科目及び擦準率盤数

音楽薫  2 音楽璽i逢

芸備 美擬亙  2 美徳獲i4工芸亙  2 工芸翼i4書道夏  2 書道登14

ヂ技徳・家庭季導」の新教科との蓄難連力遵明護三され,

特織的な観点となった。この鐙奪改訂は,中学美

徳の内容購成紅も影響を与え,工業デザインの分

野や合選婆警.技徳性をともなう[癖乍,図法などは

教科内容から験かれた。そのため35年球)工芸科難

の改籔では,従来以上に中学校の教育課程との濁

運に努めなければならない逡慮があった。その後

中学校美徳科は,経年の酸誕で元の教科内容に戻

鯵,醜行と近いものとなったため,この35隼酸!訂

における紅中学校教科との鼕鼕連」は難の改言下餐寺に

比べ,…麟特籔のあるものとなった。

 この改訂における工芸科讐の海容をみると,ドデ

ザインの基礎練習」が申項羅として位置づけられラ

工芸のデザイン,製鐸をする上での基礎的造形力

の膏1麦が主要な譲擦となっている。3書算の内容が

羅列的であったのにくらべ,「(董漢的購成雌「鱒材

料と購造」「麟表示盤と項譲ごとに詳しく説霧され

ている。また「デザインと製作」の藻分では,「こ

れを一体として旛導することがたてまえである」

との考え方に立ち製作工程が説瞬され,デザイン

と製作方法の権互に「欠鞭」があればデザインを

修正し製作を進めることが大事である憲の説聡が

あるむこの飽導製作に鰹しての指導事項雛では,

中学校ド技術・家庭科」における「水耕簾工,金

属撫工」との護撲藝牲紅言及して雛る。なおε撫工

法」の項繧では,ガラスの戒璽や金属の焼き入れ,

焼きなましまでi難常に詳纒な方襲去の護三述がなさ

れ,:蕪遜科高校の教育内容としては遍大といえる

部分もある。この35隼酸訂の指導要鑛は,全体的

きこたいへん「力甑との鰯象を受け,高校生が工

芸の学習から講を学ぶのかが,丁寧に示されてい

る。しかし反灘.その質,量とも豊富すぎ,高校

生が学ぶ芸備教科の内容として1ま,「霧選ゴの規煮

が弱かったのではな雛かと舞擬される。

 その後臆奪経過し,絡隼欝欝欝霞付で全面改討

の告示があった。この1敦講では従来選訳であった

芸術教科の履習が,選捉必須へと佳麗づけられ,

履習弊麟の強化がはかられた。そして科麩纒成に

お鵠ても.各科目玉,霊のうち,叢の科目蓬単位

を夏至と至難こ分け,各々の2単位ずつにした.この

ようをこ芸備教科をi2群議鑛成にすることで,従来

登科§壕単粒を緩習しにくい状溌を改善した。各

科彗と単位数垂こついては表/講の通馨でテ履習にお

いてはすべての生後に翌を養した科嚢のいずれか

2単位を取得させ,普通科では3単位を下っては

ならな鵠こととなった。この芸衛教科の編成や緩

習単粒数については.その後2獲の敬訂でも変更

されていな恥。

表韓/昭秘葡奪改雲丁藪教税・科目名及び単粒数

、 科目及び標準単位数

音楽蓋i2 音楽奪2 音楽群2一徳 美術董i2 美術薮2 美術藪2

工芸至i2 工芸奮2 工芸藍2

書道夏i2 書遠奪2 書道璽i2

 この鶉年改訂を内容藏からみると,第一章.第

一簸の2「改訂ぎ)要点」で違べているように,ヂ科

§の内容を精選,集約したこと」力韓まっきりとわ

かる。謁年改蒙では,その質,量の過大さを振絶

したが,それがそのまま政論「点のi主要な柱となっ

ている。美術科馨では内容の権威をA絵廼,β彫

塑,Cデザイン,D鑑賞とし,各領域の海容につ

いても錠前よ拳整遅され,わか警やすくなった。

鬱し詳繙書こついては省舞各する。一方工芸科目につ

いては,A構成と表示,βデザインと製舞,C鑑

賞と理論の三つの購成で,基本的骨格は従醸と変

更ないものの各項鷺の内容説聡が極めて整運さ

れ,遷解しやすく,高校生の学ぶ内容として質,

量の両面でよ箏妥当なものとなった。特に「Bデ

ザインと製鐸ゴの項§では,至で「手工芸晶のデ

ザインや製葬」「工芸製作の基礎的な能力の紳長1」,

翼で「機械撫工の工芸品のデザインや製作」ヂ環境

デザインとの関連」,蟹でゼ機器のデザイン」「公

共施設などのデザインと製鐸」というように極め

て簡潔紀整運されている。従羨の専門雛ilこ傾斜し

すぎた残容を,大きく修正していることがわかる。

従麟の影響を残して雛る部分1こ「A権威と表示」

の項§にあるヂデザインの基礎的造形力の練磨」

の観点がある。しかし,この点についても翼体的

i説競では鍔表示」に関し,製國.灘法の理解を求

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7謹 麟島大学教育実践醗究紀要第3§篭

めつつ.作品製作の過程での表示にはフリーハン

ドで購想を確認するよう位置づけられている。こ

の飽葬鑑賞と建論語では,従莇の「畿響能力」の

観点を縮尋、し審 「生活工芸品の検討雄や「生活と二瓢

芸の経連3といった嚢から生経の鑑賞能力の鳶成

をはかるとともに,鑑賞するカが挙に見ることの

みを通してだけでなく,惣的要素を超えつつ生徒

の主体的鑑賞活動として麺鐙づくよう求めている。

 そしてその後結麹最後の改欝が鶉年8舞3鐶付

で示された。この改訂では,科§の纏戒や単位数

などの大枠の変更はなかった。但し芸備教科全体

を通して,科欝内容の表示を「表理」とヂ鑑賞ゴ

にし,音楽から書道まで共選の領蟻構成とした。

美徳科目では,35隼の改訂で無様の2領域権絞と

なったがその後変更された経緯がある。この53年

改訂時季こは,小,中学校で,すでに「表現ノ鑑賞」

の2領域構成となってお警,高校芸徳教科の科譲

闘の「横」の共通と,小,中学校の芸備系教科と

の「縦」の共通的整運ができたことになる。美徳

科警の内容では「表現雛のなかを繊絵露,麟彫塑,

(3癒達のためのデザインとした。従羨の内容でも

「デザインユは,視覚的な伝達によるデザインの

分野を籔うと説競されていたが,一落慧つきりと

内容を表記したものである。また工芸科§におい

ては董,藍玉,膿を通して「表醗」のなかを繊デザ

インの基礎に駕する事項と,(2){吏縷や装館1のため

のデザインと製作に臆する事項.麟環境のための

デザインと製作に関する事項にまとめるととも

に,「鑑賞ゴの内容を「工芸の嚢さや美しさ」「機

能や購造などの分析的観点」ヂ生活との開運ま「文

亀や醒際牲の幌点暴などと大鑛に簸終化して示し

ている。しかしシこの改誕でも磐隼の場合と購様

に鍔デザインの基礎ゴつま参デザインの装備的ト

レーニングが中項蔭として残参,表現上では極め

て篤潔になったものの,異体的内容で隷従麟に近

い内容を求めている。この点は,元成元年の改訂

になってはじめて小項§となるが,53隼改譲まそ

の藩靉靆釣鐘置として位置づけられる。

 この53隼酸譲ま,鍵来の奪簿的工芸分野の内容

を盛撃込んだものからはっき拳と性格を異書こし,

履代の高校生が学ぶ芸術教科の一科目として,い

かに一人一入の生経が理解しやすく,取9緩める

ものにするかと魏う方向に科騒の性格を隣り替え

たものと言えるα

臆96-6

 さて,このように昭憩2§年代からの工芸科欝の

揚導要頷を顧を追ってみてきたが,それぞれの内

容を性格づけると,大きく三つの簸難に大鷲でき

る。まず第一は,昭麹鎗年代で,22年と2§年の酸

訂内容の蒔代である。ここでは指灘要領としての

形はできたものの,実践上の内容は戦麟からの流

れの続きで絵を叢いた琴工作をつくって.一人一

人の先生の舞懸や自信のもとに授業が成り立って

いた時代である。詣導要鑛の内容も,特に「蟹醸」

と「工作」それぞれの独自牲も弱く,いわば各教

麟の裁量によって指導内容や実践が積み上げられ

たと思える{㌦

 そして第二は,3穆奪改訂と35年改訂の時難であ

る。この捲導内容は,菊隼駿訂の髄まで続いたの

であむ謁年代と韓年代の半ばまで約欝年鷺であ

る。この時鞘は科霧名も「美徳涯と「工芸雄にな

拳,その内容もそれぞれ専窮的立場から豊富すぎ

る質と量を驚意し,捲導要頷の説明も長文のもの

であったむこれは高校の芸術教科の一科馨と諾う

よ拳も,一般専門分野の《容を多少手を超え,高

校教育の場にスライドさせたものとの印象を受け

るレベルのものであった。この爵難は,教育の霞

標に蝿癒し,教育すべき知識や披講をできる醸り

盛撃込み,専欝分野の繋1に頓糾してつくら蕊た科

目内容と奮える。

 第三は残りの難幾である。薦年改訂,53年改訂

そして平成元隼改誕に至る3時難で,従繭の内容

の,専轡分野の知識や方法に繧糾していたものか

ら,嚥年よ今徐々にヂ高校生が学び,つくる工芸

科霧」の性格を欝びてきたと思える。蕊隼改訂で

は,3§隼改欝の膨大な量をかなむ大麟に減量し,

その霧標や方法についても高校の教室で薄能なも

のに近づいていった。この方欝は,平成の改欝で

極めてはっきりし,「デザインの基礎3の項§が,

申項嚢よ管消えたことで,35年改訂の内容的影響

はほとんどなくなったといえる。この三つの鋳期

は.はっき参した鋳銭の境界・線があるわけではな

いが,現鹿よむ機観すると,以上談窮した傾向に

大磯できるのである。この飽全体を通して気付く

ことに,霧繧や内容の表現に再掲するものがある

こと(縫えば,35隼改訂の目標の「生活を翳るく

豊かにする実践的態度を養うゴと平成改欝の羅ヂ生

活を豊かにするために工夫する態霞を育て」など)

である。このように藷句の上では購様の表醗とも

いえるものであるが,それぞれの指導要領の示さ

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高等学絞の工芸群欝の内響と現状1こついての考察 「3

7

れた蒔代背景を考えると,瞬じ「豊かにする」と

いう表現も,その「含意」は異なるはずである。

今後それぞれの表現の意嫁するところを一腰丁寧

に讒構し,捲導要鑛がこれまで以上に振導。tの有

効な指舞となることを望むものである。

璽 工芸科目の現状と問題点

 理在,工芸科目を恒常的に芸衛教科の選新!科猛

としている本祭の高校は,磐城女子高校の一校で

ある.平成7年度の単{宣履習者は,全校生漿設3護8

名のうち, i奪生捻8名, 2年生i墓名, 3年生35

名の計3麺名(工芸正,{玉,灘の黙こつ勧ては不羇〉。

一方美徳科目緩習蕎慧.舎謙で3襲名とほぼ近い数

字になっている鱗.この飽にも福島蓉高校のi年

生瞬名も工芸を履習しているが,これは「専門科

露による必修の普通科嚢の代替捲羅“(デザイン披

講舛工芸{〉によるものとのことである。この本

祭の鱗は,全露的毒こみて特購なものではなく,芸

備教科のなかに工芸群議を弱毀している遵癒察は

少ない。東弩本では,千葉渠を中’むとした関東地

域と,藝縫1本の京葉羅}を中老纏こした地域書こ二工芸科

甦の瞬設が多い。

 工芸を選摂科目にできない運虫垂こは, まず学校

縫模の問題がある。基本的には学年で緯クラス縮

成の規摸でなければ,芸備曝科目を設置すること

 図鱗 千葉桑高校工芸科糞年馨§:がメキュラム鱗

董隼

2奪

3奪

α干葉跳

は露難である、芸備教科の教員数を婆名縅するこ

とは,学校全捧の教員数との関連や,芸徳教科内

における撞当鋳数のバランスなど,婚クラスを下

懇ると難しい。非常勤講舗紅撞幽してもらうこと

も再籠ではあるが,準騰や後始末の多い工芸の授

業では好ましくないし.予算も必要である。現在

工芸科目の履習が簸も進んで駆る千葉熱こおいて

も,高校生の漸減により,徐々に8学綴纒成紅織

っており,工芸科猛を選択からはずす動きがあら

われている。工芸は美徳のヂ次」とされている現

在の一般的認識を見澄し,今の高校生に警衛教育

として侮が必要なのかを教めて議論することが必

要で藩まないだろうか。

 次に施設・設簿の濁題がある.千葉察が曙報蕊

年代に多くの新設高校を設置し,それに合わせ施

設・設備を賄うこと方書できたことは好条季隼であっ

た。この点は,曜報甜~誌年当時都立武蔵材出高

校で工芸群舞を開設した穰鑓三鄭教論の実践鑓の

まとめ毒こもε……このように予算面でも恵まれ,

ことに新設校特需予算があったことは,葬當に幸

いした盛紛と記されている。新たに美徳の難紅工芸

を嬲殺し,麓設・設鰭を売笑させることは,一般

的善こは,予算覆賢嘆力玉ξ}でなく,舞琵設の校舎との麗

係など空聞麟懸からも極めて露難である。その上

工芸の施設・設備では,鐸薄を」εどの程度ゴ準備

姶奪設置 葎間予算19ランク 生後食糧:B・8・B

嘆 5   6   7 8 § 欝   簸   i2   茎 2   3

デザイン

@基礎七宝焼

k分のシンボノ狡一ク)鶴芸コーヒーカップ@ 緩み合わせ蔦器

 木工xから動梅を作る)

 フ穿一�|ンクス 箪彰蛋  盤 露 麟作(2,3.学簸)i本工,七宝,陶芸,藤,革より選択〉

自 慮 麟  作

。齪垂橋西  55年設置  奪轟轟予算IFランク  生鱗…負』担:C‘C帯C

至尊

2奪

3隼

4   5   6   ?   8 9   玉§  銭   垂2  i 2   3

平面   紙工芸     騒法iデソサンX亀面(どルダーカー鯵

陶芸         草木染iコーヒーカップと羅/§虫製葬

 麟学製法iレンダ婆ンク〉

平面     漆工芸ノンサン・魎) (砺擁漆塗り)

麟   型紙彫耀 榊 箔絵(渋紙と絹漆) 陶芸(石窟勤

趨{染緩法

半月型車上膳木地灘作@朱黒漆塗警(砺椀〉

漆塗管簾鱗箔絵@  麺物模様染付峯磁器(食器類)

(漆かぶれ玉茎§名中i§名以下〉

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7§ 醤島大学教蕎実践醗舞紀要第欝讐

するかも難しくシあま讐籠易なものでは,すぐ破

握した参,健濡上の麟醸がある.反対に專罷釣虻

すぎると鐙当者が交替した場合,運転操作が毯難

になるなどの縄題がある。この施設・設備の活霧

については.教員鑓の資質の問題もあるが,一方

で工芸の造影鑛壌土の特質もある。工芸では,一

つの素読に関し.それぞれの造影技術があ撃,一

つの技衛体系がそのまま甥の素糧の造形に遜罵で

きない難しさがある。今後工芸の施設・設欝に麗

する「基準」づく拳が必要といえる。

 では本渠の場合,高校の授業で工芸はどσ)様に

実践されているのだろうか。捲導要領の美衛科嚢

の領域内容をそのまま形式的にあてはめれば.工

芸題材は不要である。しかし理在の高校美徳の授

業では,福島桑轟等学校教官藩究美術工芸部会の

購究資料からも飼えるように,工芸がかな拳実践

されてお吟,この会の梁大会鈴テーマとしても紹

秘鐙隼,盤奪にヂ美術と工芸の漢漣をいかにした

らよいか∫美徳の中で工芸的教材をいか範皺む搬

っているか」が議論されている。かな蓼以蒙よ箏

継続的紅工芸を題赫としている。生徒の興練・関

心や,授業の海容充実という点から,工芸が必要

であることがわかる。高校の美徳の課題購成隷.

その専門性は雛として,中学校美徳の展醗紅なら

ったものといえる。平成7年度の美工蔀会ではヂペ

ーノ{一ナイフの霧ll作」と「木彫工芸  自分の感

性で表現する一」の二つが実践i鞭告されている。

 一方,購買の露轡隷千葉祭の工芸科嚢を開設し

ている学校の年闘力婆キュラムの轡である。千葉

票では平成§年度,桑立高校普選科稔5較のうち,

工芸亙が5§絞,工芸鷺が53校,工芸盤が銘校,講

職業科工3警校のうち工芸玉藩校,瞬嚢3校,購羅i

校という鰻設状溌である鋤轄カリの倒は千葉渠の

蕎校美徳・工芸の先生方の瞬究資料からの籔粋で

あるが傷,この飽1こも染色,鋳造,彫金,竹織工な

どの溺がみられる。文字還導工芸科§としての独

自の題馨構成となっている。

 こ{7)ように本1梁と千葉察を比較した場合ケ工芸

科目そのものの設置校の数も違うし,工芸題馨の

取撃籔いも異なる。千葉渠にお恥ても「緯クラス

編成雄という基牽的条件の下で,工芸科嚢灘設が

進んだことを考えれば,本祭では一部高校以外設

置は無選1であるし豊全寮的靉靆などはあ馨えない。

全蟹的紅みた場合もほほ織様の状溌である。穣島

祭蕩教懸の資料にある一美徳教麟のド以羨よ塗絵

弩蛎一轟

露的表理1こ薄し,かなりの生経が捲否的で旛導に

露ってお蓼…一」糧という認識や,薦掲の羅1醗教護

のザ純粋美徳は,生後にとって要求が高綾で,(中

聡/本校の生経長こは,葱鱗でも作業学習的な要素

の多い単元ほど成果を得やす雛ゴといった生徒の

実状の摺握ほ溝,環窪の高校美徳に共通したもの

といえるだろうG片方に工芸を求める高校i美術の

状溌があ滲ながら,一方で工芸科餐を雛設できな

騒難しさも講嚢寺に存在する。琴芝在の本案のように,

美徳科霧の中で工芸を籔うことも現実的である

が,客醗的にみた場合,発展的で課題牲に富んだ

工芸の実践は難待しにくい。

 以上,高校の工芸稗霧の露難な状溌をみてきた

が,今後の課題として,芸備教科全般の運念や霞

擦,内容や購成などを長窮的テーマとして縷説す

べきことがあげられる。また振導要領の轟容に麗

しては,今後の改討で美徳,工芸爽科目の内容的

重複を現行以上に増し,いわばギ檬互乗替入れ璽ゴ

とすることが現実的であ拳,有効な高校芸術教蕎

の方霧であると灘欝零する。これからの工芸科嚢慧,

明るく展望に満ちているとは言い難い渉,今後新

たな教耕や鼓法など,震」)醗点からもこの教育の

発展を考えたい。

ピ参考浸び蓼濡文獣,資料)

 文藻省(懲8傷 高等学校学習搭導要領 総則縮

 文離婁(蓉8傷 高等学校学習蚤導要領 芸癒続

 文部・省(欝8勢 高校学習捲導要鑛解議 芸鱗編

 文藻省(エ艇7~欝7鶴 各高校学習指導要領芸癒纏

 真鍋,宮驕監修 造形教育事典 建畠社 欝欝

 (墨}教育美徳(鯵7§/3舞〉夢.i逢 第鱒巻凄号

 ② 福島桑高教懸美玉総会第3§懸懸究大会資料

  夢.鯵~至7 至鱒5

 (3/薩上 教蕎美徳 夢、35~3§ 辮2

藁「3

(6)

/i)

干葉禁教畜痒高絞教欝課鈴木捲導主事輻告

千葉梁高校美工蔀会実態調査費料 欝、欝~38

i露3

講.上 橿鳥察轟教藩資料 欝、5 湧5

講上 教育美術 欝、34 玉§72

     緩   脇塞異小島護嘉 β.欝 馨本数送毒版縮合

 玉鯵里

 夢、欝§ 株式会縫A・」・ジャパン 欝欝

鱗 露本の意獲第難巻 β.韓6 京薄書駝 欝薦

鶴舞上簗轟巻夢.38薩上

級 アディ冒ンダック家暴 エル・デコ2月弩