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平成29年8月
高収益な農業に取り組む現場から学ぶ
- 土地改良事業の実施地区から -
主な作物
地域名 地区名 事例 頁
取組の工夫
体制・人材づくり
栽培作物・方法
加工・出荷
販売
野菜
北海道南幌町 中樹林 大規模経営法人の設立と6次産業化による雇用の創出 1 ○ ○ ○ ○
北海道湧別町 上湧別 営農技術向上とブランド化によるたまねぎの一大産地形成 2 ○ ○ ○
青森県つがる市 屏風山 産・官・学の連携で砂丘地帯の収益力アップを目指す 3 ○ ○ ○
群馬県嬬恋村 嬬恋 未墾地の活用で「つまごい高原キャベツ」の産地形成へ 4 ○ ○
神奈川県横浜市 柴 都市近郊の立地条件を活かした観光農業で農地を守る 5 ○ ○ ○ ○
長野県川上村 川上村 産地形成とブランド化を通じたレタスで稼ぐ村づくり 6 ○ ○ ○
石川県中能登町 東馬場 法人設立による大規模化・効率化と「能登野菜」等の導入 7 ○ ○ ○ ○
愛知県南知多町 南知多 未開発地の優良農地化で新たな作物の導入に挑戦 8 ○ ○
兵庫県南あわじ市 市西 「淡路島たまねぎ」のブランド化と輸出拡大への挑戦 9 ○ ○ ○ ○
広島県東広島市 西田口 アスパラガス生産の導入による新たな法人経営の展開 10 ○ ○ ○
香川県綾川町 羽床上東 県オリジナル米・麦の作付拡大と高収益作物導入の推進 11 ○ ○
佐賀県白石町 白石平野 野菜による「水田フル活用」と地域農業の持続的な発展 12 ○ ○ ○
宮崎県小林市 大萩 畑地かんがいによる日本一の「加工用ほうれんそう」の産地形成 13 ○ ○ ○
花き 山形県高畠町 小其塚 法人による規模拡大と水田での「啓翁桜」の栽培導入 14 ○ ○ ○
取組事例集 目次
主な作物
地域名 地区名 事例 頁
取組の工夫
体制・人材づくり
栽培作物・方法
加工・出荷
販売
水稲 愛知県弥富市 鍋田 異業種とのコラボによる次世代型大規模水田経営の実践 15 ○ ○ ○ ○
果樹
山梨県甲州市 塩山 「楽なモモづくり」にかける想いが地域農業を次世代につなぐ 16 ○ ○ ○
三重県熊野市他 金山南部 みかんの高品質化と経営の多角化を通じた地域づくり 17 ○ ○ ○
福岡県八女市 立花 高糖度なみかんの生産とブランド化(華たちばな)の推進 18 ○ ○ ○ ○
取組事例集 目次
【本資料のねらい】
本資料は、農地や農業用用排水施設の整備等の土地改良事業を実施した地区において、新たな担い手組織の創設、高収益作物の導入や6次産業化などを通じ、収益性の高い農業を実践し「強くて豊かな農業」と「美しく活力ある農村」の実現に取り組む先導的な事例を紹介するものです。また、本資料では、基盤整備によって重労働から解放されたことで、地域の活性化に向けた新たな取組にチャレンジする農村女性たちの活躍事例についても紹介しています。
全国各地で、こうした取組の横展開が図られることを期待しています。
地域名 地区名 事例 頁
岩手県矢巾町 下矢次 野菜の生産拡大と直売所での積極的な販売の実践 20
石川県中能登町 東馬場 重労働からの解放と新たなチャレンジによる女性の活躍 21
和歌山県みなべ町 南紀用水 梅のPRや販売を通して「農業女子」を楽しむ 22
愛媛県伊方町 川永田 加工品の開発や道の駅での販売で地域を活性化 23
大分県大分市 上詰 農作業の効率化で夢をもって加工・販売に取り組む 24
■ 「女性の活躍」事例
○ JAの主導により、事業を契機として地区内に2つの大規模な農業生産法人(経営規模:約120ha)が設立。
【整備前】ほ場は、区画が狭小で大部分が未
整備の湿田であったため、生産性が低く、また、離農跡地の継承に伴い土地所有の分散が進んだことによって農作業効率が低下していた。
区画が狭小で排水不良なほ場
整 備 後
3.6ha×1筆
農地集積率94%
○ 基盤整備をきっかけとして農業者を構成員とした法人を設立し、経営規模を拡大。法人においては、野菜類、小麦、豆類の作付を拡大し、多角的な営農を展開。
○ 水田の大区画化や地下水位制御システムの導入による農作業の省力化で生み出された労働力を活用しながら6次産業化にも取り組んでいる。
基盤整備(H12年~H20年)
○ 加工センターにて収穫したキャベツをキムチに加工したり、「ピュアホワイト」をスープに加工して販売するなど6次産業化に取り組む。
法人経営による水稲の移植作業
キャベツキムチの製造
【北海道南幌町】 加工・出荷 販売栽培作物・方法
体制・人材づくり
大規模経営法人の設立と6次産業化による雇用の創出
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
加工・流通
基
盤
生産現場
担い手
○位置
北海道空知郡南幌町
○主要作物
・水稲、小麦、小豆、キャベツ
○主な支援施策
・国営農地再編整備事業(H12~H20)
・国営かんがい排水事業(S55~H16)
・多面的機能支払交付金(H26~)
なんぽろちょう
水田の大区画化による労力の軽減と経営の大規模化
水田を大区画に整備し、担い手へ農地を集積(農地集積率94%)。また、地下水位制御システムを導入することにより、田畑輪換を円滑に実施することが可能になるとともに、水管理作業が大幅に軽減され生産性の向上を実現。
水田の汎用化による営農の多角化
地域産品を活用した6次産業化の推進
法人組織の設立と農地の集積
農業所得の増加と雇用創出による地域の活性化
○ 基盤整備により営農コストを削減。また、稲作労働時間の短縮や法人経営等により創出した労働力を活用しながら、野菜等の作付を拡大。中樹林地区の農業所得は約1.4倍に増加。
○ さらに、地域で6次産業化を推進したことで新たな雇用を創出し、地域の活性化にもつながっている。
北海道
中樹林地区なかじゅりん
なんぽろちょう
【出典:事後評価資料データ】
963
1,347
0
500
1,000
1,500
中樹林地区の受益農家における戸当たり農業所得(万円/戸)
1,350万円
農業所得が約1.4倍に増加
960万円
事業実施前(H10年)
事業実施後(H26年)
○ 地下水位制御システムの導入など農地の汎用化によって、キャベツや「ピュアホワイト*」といった、収益性の高い
作物の生産を拡大。
キャベツの収穫状況
(*甘みが強く生でも食べられるスイートコーンの品種) ピュアホワイト
0
200
400
600
800
1,000
1,200
キャベツキムチの販売額※1
210万円
(万円)
960万円
約5倍に増加
【出典:北海道開発局調べ】事業前 事業後
1※1:キャベツキムチ販売額は、全体の販売額のうち、町全体のキャベツ生産量に占める中樹林地区のそれに相当する年間の販売額。※2:雇用額は、総人件費のうち、町全体のキャベツ生産量に占める中樹林地区のそれに相当する年間の人件費。
95
460
0
200
400
600(万円) 加工センターの雇用額※2
95万円
460万円
雇用額が約5倍に増加
事業実施前(H10年)
事業実施後(H26年)
【出典:北海道開発局調べ】
31.2
3.10
10
20
30
40
水稲の水管理作業の省力化
(時間/ha)
事業前 事業後
約9割減
【出典:事後評価資料データ】
【整備前】従来からたまねぎ等の収益性の高
い作物の導入を図ってきたが、生育期の降水量が少なく、保水力に乏しい土壌が広く分布しており、恒常的に干ばつ被害を受けていた。
頭首工や用水路等の整備により、畑地かんがい用水が確保されたことから、干ばつの影響を受けず、安定したたまねぎの生産が実現。たまねぎの生産量が増加するとともに、品質の向上にもつながっている。
(H3年~H13年)
基盤整備
【北海道湧別町】営農技術向上とブランド化によるたまねぎの一大産地形成
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
加工・流通
基
盤
生
産
現
場
○位置北海道湧別町
○主要作物・たまねぎ、てんさい、小麦、
ばれいしょ、かぼちゃ 等
○主な支援施策・国営かんがい排水事業(H3~H12)
・道営畑地帯総合整備事業(H6~H13)
北海道
上湧別地区かみゆうべつ
ゆうべつちょう
ゆうべつちょう
かんがい用水の確保により高収益作物の生産が拡大
JAによる集出荷貯蔵施設の整備
農家が組織する団体による栽培技術の確立 たまねぎの代表的な産地に成長し農業所得は増加
加工・出荷 販売体制・人材づくり
栽培作物・方法
栽培作物・方法
○ 日本一のたまねぎ産地として、「北見F1玉ねぎ」の名称でブランド化し、全国で販売。
干ばつの状況(てんさい)
○ 畑地かんがい施設の整備により、たまねぎの代表的な産地に成長。
○ 「上湧別町玉葱振興会」の取組による品質の向上や、高品質な作物の地域ブランド化(北見F1たまねぎ)を通じて、事業実施前後で上湧別地区の農業所得は約2倍に増加。
○ JAえんゆうの集出荷貯蔵施設での機械乾燥により、腐敗防止と品質保持を図り、長期出荷を実現。
○ 畑地かんがいにより、高品質なたまねぎの安定生産を実現。
○ 農家で組織する団体が、作物の品質管理や出荷計画の徹底をしながら、たまねぎの生産拡大・高品質化を実現。
○ 地域ブランド「北見F1たまねぎ」として、約9割を道外に出荷するなど、全国を対象に販路を確保している。
【出典:事後評価資料データ】たまねぎの貯蔵状況
○ 全生産農家から組織される「上湧別町玉葱振興会」では、土壌診断による適正な施肥管理や会員相互の栽培技術研修による技術向上等を実施。
たまねぎの作付面積の拡大、収量・品質向上に取り組む。
たまねぎの収穫状況
研修の様子
上湧別地区の受益農家における戸当たり農業所得
473
1,091
0
400
800
1,200(万円/戸)
470万円
1,090万円
事業実施前(H2年) 事業実施後(H16年)
農業所得が約2倍に増加
国営事業で整備された頭首工 たまねぎへのかん水状況
○ 長期間の品質保持により、他産地と出荷時期をずらすことで、たまねぎの約9割は、道外に出荷。全国を対象として販路の拡大・確保を図っている。 2
0
10
20
30
40
50
H20 H27
○ 産・官・学による連携体制の下、連作障害を防ぐための輪作体系の確立や、ながいも・ごぼう等の根菜類の栽培に対応した深暗渠の整備を推進し、高収益作物の生産を拡大。
○ (社)屏風山野菜振興会による生産者と市場(消費者)を結ぶ流通、販売の拠点化。さらに、氷温施設による品質向上を通じて有利販売を実施。
【整備前】湿性の海岸砂丘地帯であり、畑地利用が進まな
かったが、畑地かんがいの整備等により、「屏風山スイカ」等の地域ブランド品を生産。
しかし、近年では、農業用用排水施設の老朽化に伴う維持管理費の増大や農地の排水不良により営農に支障をきたしていた。
国営事業による一大畑作地帯への転換後、基幹水利施設の改修や暗渠排水の整備を通じて、維持管理費の軽減や更なる生産の効率化、栽培作物に即した畑地利用を確立。
(S47年~H28年)基盤整備
○ 産・官・学が連携した「屏風山地域産地力強化作戦会議」では、地域の所得向上を目指し、農地の有効活用を図るための輪作体系等の確立に向けた戦略を構築。
【青森県つがる市】産・官・学の連携で砂丘地帯の収益力アップを目指す
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
基
盤
生
産
現
場
○位置青森県つがる市 (過疎地域等)
○主要作物・ながいも、ニンニク、ごぼう、ネギ 等
○主な支援施策・国営農用地開発事業(S47~H2)
・県営畑地帯総合整備事業(H21~H28)
・県営民生安定施設設置助成事業 (H20~H28)
・多面的機能支払交付金(実施中)
・県単西北地域大規模整備型畑作「産地
力強化」推進事業(H27~H28)
屏風山地域の主要品目(ながいも、ニンニク、ごぼう、ネギ)の生産費及び販売額の変化
施設の更新整備による維持管理費の軽減と高収益作物の生産拡大
産・官・学の連携に基づく生産体制の確立 高収益作物の生産拡大や流通・販売の工夫により
販売額が増加、生産費減少で農家所得も向上
加工・出荷体制・人材づくり
栽培作物・方法
栽培作物・方法
加工・流通
氷温施設を利用した市場評価の向上
○ 長ネギやニンニクを氷温処理( 0℃以下、野菜が凍らない温度で貯蔵)し、鮮度保持やうまみの向上を図ることで、市場から高い評価を得ている(他産地と比較し、約1割高い単価で販売)。
スプリンクラーによる散水 深暗渠の施工状況 排水不良で湛水した農地
○ 深暗渠によって、排水機能効果を高め、ながいもの塊茎障害発生要因を除去。スプリンクラー散水と深暗渠の併用により水分調整が可能となり、規格と品質の向上が実現。
817haの農地造成(国営事業)
老朽化
排水路の整備(パイプライン化)
青森県
ニンニクを氷温施設で熟成
基盤整備前後のながいもの比較
○ JAやつがる市が会員となっている(社)屏風山野菜振興会が集荷した野菜を安定的に首都圏、関西圏等に出荷。
○ 基盤整備による高収益作物の生産拡大や品質向上に加え、流通・販売の工夫による市場の高評価により、販売額を伸ばしている。
0.02.04.06.08.0
10.012.0
H20 H27 3
【生産費の変化】 【販売額の変化】(万円/10a) (億円)
39万円/10a37万円/10a
5.1億円
10.8億円
生産費5%減少
販売額は約2倍に
増加
屏風山地区びょうぶざん
【出典:JAつがるにしきた調べ】 【出典:JAつがるにしきた調べ】
規格の統一
○ また、作物生産費も減少していることから、農業所得の向上が図られている。
販売
【群馬県嬬恋村】 加工・出荷 販売栽培作物・方法
体制・人材づくり
未墾地の活用で「つまごい高原キャベツ」の産地形成へ
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
加工・流通
基
盤
生
産
現
場
○位置
群馬県嬬恋村
つまごいむら
農地造成による経営規模の拡大と産地形成
減農薬等による安全・安心な作物生産
気候を活かした出荷による価格の安定
経営規模の拡大等による農業所得の増加
群馬県
つまごいむら
○ 夏の冷涼な気候を利用したキャベツの栽培が盛んな嬬恋村では、農地造成によって経営規模を拡大。他作物の導入による連作障害の防止を通じて、より安定的な産地を形成。
○ 計画的な生産に基づく加工・業務用キャベツの販売・市場シェアの獲得や、「つまごい高原キャベツ」の商標登録等の新たな取組を推進。
○主要作物
・キャベツ
○主な支援施策
・国営農地開発事業(H元年~H13年)
・県営農地開発事業(S46年~S57年)
・多面的機能支払交付金(H19~)
未墾地を活用した農地造成による経営規模の拡大を通じて、キャベツの安定的な生産と計画的な出荷が可能となり、「つまごい高原キャベツ」として全国有数のキャベツ生産地※を形成。
【整備前】
本地区は、浅間山、白根山、四阿山の麓に広がる高原であり、昭和41年に産地指定された夏秋キャベツの生産を経営の柱として発展してきたが、経営規模の拡大によるキャベツの安定供給及び品質向上が課題であった。
東京中央卸売市場のキャベツ取扱状況
基盤整備(H元年~H13年)
○ 高原の冷涼な気候を活かし、野菜の端境期に計画出荷することにより、農産物の安定供給、市場価格の安定にも寄与している(他産地とのリレー出荷を実施)。
※ 収穫量全国シェア:50%(H27夏秋キャベツ)
造成されたキャベツ畑 収穫作業の様子
○ 害虫発生を低減するフェロモン剤を使用した減農薬栽培に取り組み、消費者の信頼を確立。
害虫の繁殖を低減させるフェロモン剤人畜への安全性が高い(矢印)
○ 農地造成による経営規模拡大による生産ロットの確保に加え、減肥料・農薬栽培や競合相手の少ない時期の出荷による販売単価の維持等の工夫により、農業所得の向上を実現。
(過疎地域、振興山村)
【出典:東京中央卸売市場
青果物流通年報
野菜編(H27)】
0
1
2
3
4
5
6
S60 H7 H12 H17 H22
2.56約2倍に増加
事業着手H元年
事業完了H13年
嬬恋村における戸当たり経営耕地面積の推移
(ha/戸)
4.164.61
4.865.52
【出典:農林業センサス】
0
200
400
600
800
S60 H7 H12 H18
事業着手H元年
事業完了H13年
農業所得が約1.8倍に
増加
嬬恋村における戸当たり農業所得の推移(万円/戸)
430万円
【出典:群馬農林水産統計年報】
嬬恋地区つまごい
4
500万円520万円
750万円
他産地と競合しない夏・秋期の市場シェアを獲得
未墾地の様子
○ 都市の中の貴重な農地を有効活用するため、地域の代表的農家が中心となって話し合い、基盤整備を実施。
○ 立地を生かして都市住民を呼び込み、観光農園や市民農園など交流を促進することで、新たな収入を確保。
○ 作物の多品種化・高品質化を進めることで、収穫体験の長期間化や直売品目の充実を図る。
○ 地域の代表農家が中心となり「柴シーサイド恵みの里協議会」を設立。収穫体験などの農体験の場を企画するほか、農産物の
直売や農業イベントを実施。
【整備前】起伏のある丘陵地の中に狭小な農地(畑)
が散在し、農道の幅員も1m程度で農作業に支障をきたし荒廃農地も多く存在。
農地の有効活用を図るため、農業振興地域の指定を受けて土地改良事業を実施。畑の区画整理、幅員5m以上の農道の整備、畑地かんがい施設の整備を実施。整備した農地の一部を市民農園として開設(500区画)。
○ 露地野菜、柑橘の多品種化を進め、収穫体験の長期間化や直売品目の充実を図る。
【神奈川県横浜市】都市近郊の立地条件を活かした観光農業で農地を守る
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
基
盤
生
産
現
場
担い手
○位置神奈川県 横浜市 金沢区
○主要作物・ほうれんそう、キャベツ、みかん
○主な支援施策・農村基盤総合整備事業(H3~9)
・地域農業活性化促進事業(県単)(H9~12)
・農業専用地区制度(市単)
・恵みの里制度(市単)
・地産地消ビジネス創出支援事業(市単)
よこはまし かなざわく
よこはまし
生産条件の改善により都市近隣農地を維持
農家団体設立による都市住民との交流促進
消費者へのPRの機会を数多く創出 観光農業や市民農園での交流を通じた新たな収入の創出
○ 農道整備により生産物の輸送環境が整ったことは、観光農園や市民農園、直売所の開設にも貢献。みかんやイモの収穫体験には年間約1万人が来訪。
加工・出荷 販売体制・人材
づくり栽培作物・方法
整備前のほ場整備されたほ場
機械化も進まず、自給的農業が中心であり、観光農業や市民農園など都市住民との交流もできる環境ではなかった。
○ 今まで廃棄していた摘果みかんの果汁を材料にしたドレッシングを地元料理研究家が開発。
加工・流通
加工品の開発による6次産業化
(H3年~H9年)
基盤整備
神奈川県
柴 地区しば
50
500
1,000
1,500
2,000
市民農園 観光農園 直売所
柴シーサイドファームにおける年間販売額(万円)
470万円
1,750万円
730万円
○ 平成10年に開設した市民農園では、延べ9千件の利用があり、農地の有効活用により、自給的農業が中心であった地域に新たな収入を生み出している。
○ 市の防災協力農地第1号として登録し、存在を市民へPR。
○ 摘果みかんは、メーカーと農家が直接取引し販売。
【出典:柴シーサイド恵みの里協議会 資料】
栽培作物・方法
栽培作物・方法
市民農園の様子
0
10
20
30
40
S46 H18
(億円) 川上村における農業所得の変化
農業所得が約3.8倍に増加
9.4億円
35.3億円
○ 安定した用水供給により、高値で取引される2LやL16(レタス)が増加するなど、高品質な農作物生産を実現し、営農の安定化に貢献。
【整備前】畑地かんがい施設が未整備で、
天候の影響を受けやすく、生産量や品質が不安定であった。
また、排水路や農道が未整備であったため、冠水被害や集出荷時の荷痛み等に悩まされていた。
川上村のほぼ全域(村内農地の約8割)で畑地かんがい施設を整備することで、安定的な用水供給と効率的な営農が可能となった。これにより、急速にレタスの栽培面積が拡大。
(S40年~H28年)
基盤整備
○ 夏場でも冷涼な気候を活かし市場のシェアを獲得。
【長野県川上村】産地形成とブランド化を通じたレタスで稼ぐ村づくり
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
加
工
・流
通
基
盤
生
産
現
場
○位置長野県川上村 (振興山村、急傾斜地帯)
○主要作物レタス
はくさい
キャベツ
○主な支援施策・県営開拓パイロット事業(S40~S43)
・県営農地開発事業(S47~H5)
・畑地帯総合整備事業(H6~H28)
・ふるさと農道緊急整備事業(H8~H15)
・田園地域マルチメディアモデル整備事業
(H10~H12)
川上村
長野県
かわかみむら
かわかみむら
かわかみむら
畑地かんがいによる営農の安定化と高品質な農作物の生産
情報ネットワークの整備や輸出の取組農産物のPRによるブランド確立
朝採れ野菜を新鮮な状態で市場に輸送 日本屈指のレタス産地に発展
○ 村をあげた、生産・出荷・流通体制の構築により、日本屈指のレタス産地に発展。川上村の農家の約半数は、経営耕地規模が3ha以上と、経営規模は拡大しており、後継者も育っている。
○ 近年では、1戸当たりの販売額が2,500万円を超えるなど、収益性の高い農業が展開されている。
加工・出荷 販売体制・人材
づくり栽培作物・方法
栽培作物・方法
○ 東京、名古屋、大阪など大型消費地の中間地点という立地条件を活かし、市況情報を各農家と共有し、最適な市場へ出荷できる体制を整備(JAが市況情報をデータベース化し、リアルタイムで配信) 。
○ 台湾や香港への独自の輸出ルートを開拓。海外にも農産物を販売。
○ プロ野球やサッカーの試合会場での農産物配布や、テレビ局への企画の持込、各地での物産展の開催など、広くPR活動を実施。
スプリンクラーによる散水 整備された農地での農作業
海外のスーパーで販売
PR活動
早朝の収穫
冠水被害 未整備の農道
市況情報を踏まえ出荷
6【出典:農林業市町村別統計書、市町村別推計統計表】
さらに、真空予冷施設で素早く冷却し保冷庫に入れて温度管理を徹底することで、早朝に収穫したレタスを鮮度を保持したまま市場に輸送。
○ 市況を把握し、速やかに情報共有を図り、最適な市場出荷体制を整備。積極的なPR活動など、村をあげた体制構築によって、日本屈指の生産地形成やブランド確立に成功。
【石川県中能登町】法人設立による大規模化・効率化と「能登野菜」等の導入
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
基
盤
な か の と ま ち
栽培作物・方法
○ ほ場整備を契機として営農組合を立ち上げた後、農事組合法人を設立。地区内の32戸が構成農家として参画。
○位置石川県 中能登町(半島)
○主な支援施策
・農業競争力強化基盤整備事業(H19~H27)
・多面的機能支払交付金(H19~)
・担い手経営展開リース事業(H21)等
○主要作物・水稲、大麦、そば、野菜(能登野菜、
カラー野菜)、花き(フリージア、葉牡丹)
整備後の農地(約1ha区画)
担い手
加工・流通
○ 基盤整備により、野菜・花き類などを導入。法人の販売額は、新規に導入した作物を中心として増加しており、設立時点と比較すると基盤整備完了後には約6倍に増加。経営の多角化を図り安定経営を目指している。
能登野菜等の導入と「能登米コシヒカリ」生産
農業法人設立による農地集積と雇用の創出
経営規模の拡大や高収益作物の導入による販売額の増加と雇用の創出
生
産
現
場
道の駅(直売所)で農産物を販売
○ 消費者ニーズを把握し、能登白ねぎ、青かぶ、中島菜、金糸瓜等の「能登野菜」や、県オリジナルの花き品種「エアリーフローラ」などの高収益作物を積極的に導入。
○ 収穫された農産物は、JAへ出荷するほか、近隣の道の駅「織姫の里 なかのと」で直接販売。
○ ほ場整備を契機に「農事組合法人あぐりばんば」を設立。農地の利用権設定により、集落内の約8割を一括して管理・運営。
○ 経営規模拡大に伴い、新たな雇用を創出。
加工・出荷 販売栽培作物・方法
【整備前】
昭和30~36年に農地整備を実施していたものの、農地は小区画(約7a)で農道は狭く、用排水路は老朽化が著しいことから、効率的な営農ができず、農作業や維持管理に多大な時間と労力を要していた。
基盤整備(H19年~H27年)
石川県
な か の と ま ち
東馬場地区ひがしばば
汎用農地の整備による生産性の向上
農地の大区画化や地下水位制御システムの整備、用水路のパイライン化により、 生産コストの低減や農業用水供給の安定化のほか、高収益作物の導入が可能となった。
7
○ また、法人の経営規模拡大に伴って、若者(20代男性)1名、女性3名を雇用しており、地域に新たな雇用を創出している。
0
1,000
2,000
3,000
4,000農業法人あぐりばんばの農産物販売額の変化(万円)
2,200万円
30万円100万円
米2,370万円
大麦・そば 80万円野菜・花き類 570万円
法人設立時(H21年) 事業後(H28年)
2,330万円3,020万円
【出典:法人からの聞き取り】
整備前の農地(約7a区画)地下水位制御システムの仕組み○ 道の駅での直接販売も取り組む。
○ 石川県内として初めて地下水位制御システムを導入し、汎用化した水田にて能登野菜や花き等の高収益作物を導入。
野菜・花き類の販売額が
約6倍に増加
○ 世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」の地で特別栽培米「能登米コシヒカリ」を生産。
体制・人材づくり
【整備前】知多半島の最南端に位置し、標高は概ね
20m~120mの起伏のある地形であり、また農道が未整備であったことから未開発地が多かった。そのため、水稲、みかん等の既
耕地は狭小かつ点在しており、非効率な営農であった。
傾斜の緩い農地の造成により経営規模の拡大や機械の導入が可能になるとともに、排水路やスプリンクラーかんがい施設の整備により、効率的な営農を実現。
(S51年~H6年)
基盤整備
【愛知県南知多町】未開発地の優良農地化で新たな作物の導入に挑戦
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
加工・流通
基
盤
生
産
現
場
○位置愛知県 南知多町
○主要作物・キャベツ、たまねぎ、飼料作物、花き等
○主な支援施策・国営農地開発事業(S51~H6)・愛知用水二期事業(S61~H5)・広域営農団地農道整備事業(S62~H19)
・構造改善事業(S59~H3)・多面的機能支払交付金(H19~)
愛知県
みなみちたちょう
みなみちたちょう
畑作を基盤とした地域農業の構築
直売所への出品により主体的な販売を実施
農地造成を契機とした新規作物の導入や露地とハウスの組合せによる経営の安定化
農地造成を契機とした新たな作物導入等により、収益性が向上
加工・出荷 販売体制・人材
づくり栽培作物・方法
栽培作物・方法
○ 生産した農産物を近隣の直売所で販売することで、生産者自らが価格を設定できるほか、消費者との顔が見える信頼関係を築くことで安定した販路を確保。
○ 基盤整備により、営農の機械化や新たな作物の導入が可能となり地域農業が発展。
○ 露地栽培とハウス栽培を組み合わせることで、安定した農業経営を実現。
○ 地域の直売所に出品することで生産者自らが価格設定を行うなど、主体的な販売に取り組む。
8
○ 農地造成を契機として、たまねぎの作付拡大や、レタスや洋ランなど、当該地域における新規作物の導入を推進。
基盤整備前の南知多町緩傾斜の農地を造成露地栽培及び
ハウス栽培の状況
【出典:愛知県農林水産統計】
○ また、一部の農業者は、キャベツ等の主作物を露地で栽培するとともに、パプリカなどをハウスで栽培することで、安定した農業経営を図っている。
○ 地区内の代表的農家においては、野菜や花き類などの新規作物の作付拡大を通じて、年間販売額で、2,000万円~6,000万円(耕作面積3ha~11ha)を確保しており、収益性の高い農業を実践している。
【※出典:南知多町役場聞き取り】
0
100
200
300
S50 S60 H6 H16
地域の戸当たり農業所得の推移事業着手
S51
事業完了H6
100
300 310
2
19
27
0
7
0
10
20
30
S50 S60 H6 H16たまねぎ レタス 洋ラン
南知多町の作付面積の推移(ha)
事業着手S51
事業完了H6
パプリカのハウス栽培
近接の直売所で農産物を販売
南知多地区み な み ち た
【営農 規模】12ha
【 作 目 】野菜(キャベツ6.5ha、ブロッコリー3.5ha、タマネギ2.0ha)【 販 売 額 】6,000万円
野菜生産に取り組むモデル経営体の現状(H25)
農業所得が約3倍に増加
140
100
(S50を100とした場合の推移)
200
300
○ 収穫後の重労働であった乾燥や根切葉切作業の機械化により、労働時間を短縮。
○ ほ場の区画拡大や農道の整備、用水路のパイプライン化など、畑作に適した生産基盤を整備し、農作業の省力化や経営面積を拡大。
【整備前】水稲やたまねぎを栽培していたが、ほ場
が狭小・不整形で、用排水路や農道が未整備であることから、非効率的な営農形態となっていた。
基盤整備(H16年~H26年)
ほ場整備を実施したことで、農作業が効率化するとともに、作物の生産量増加や品質向上を実現。また、汎用化により三毛作(水稲、たまねぎ、レタス・キャベツ等)が可能となった。
○ 研修会の開催など担い手の育成に取り組み、認定農業者数が2.3倍に増加。
○ 担い手の農地利用面積の
割合が増加(14%→34%)。
【取組地域の概要】
○ 「淡路島たまねぎ」として、地域団体商標を取得。国内販路の拡大のほか、輸出促進にも取り組むなど、国内最高ブランドを目指す。
加工・流通
基
盤
生産現場
担い手
○位置兵庫県南あわじ市
○栽培作物
・水稲、たまねぎ、レタス、
キャベツ等
○主な支援施策
・経営体育成基盤整備事業(H16~H26)
・経営構造対策事業(H21)
・多面的機能支払交付金(H24~)等
みなみ
○ 直販やJAを中心とした産地直送通販事業に取り組むほか、香港など海外への輸出を促進。近年、定着が進み、輸出量も増加している。
1.3
24.126.7
0
10
20
30
40
H25 H26 H27
(t)
【出典:兵庫県消費流通課調べ】
兵庫県における香港へのたまねぎ輸出量
0
400
800
1,200
1,600
H18 H27
(万円)
たま
ねぎ
その他
野菜
米
670万円
1,370万円
市西地区内の認定農業者A氏の農業所得の変化
(作付面積は3.6→6.6haに増加)
約2倍に増加
香港での食品見本市
【工夫のポイント】 農地の大区画化・汎用化により農作業を効率化、高収益作物への営農転換を促進
大区画化したほ場すれ違いできない農道効率的な作業が
可能となった農道
「淡路島たまねぎ」の生産拡大や輸出拡大等による農業産出額等の増加
意欲ある担い手農家の育成
担い手向け研修会
評価の高い「淡路島たまねぎ」の生産
収益増につながる販路の拡大・開拓
不整形で狭小なほ場
販売栽培作物・方法
体制・人材づくり
「淡路島たまねぎ」のブランド化と輸出拡大への挑戦 【兵庫県南あわじ市】みなみ
兵庫県
市西地区い ち に し
0
5
10市西地区の農産物販売額の変化(億円)
4.1億円
6.4億円約1.6倍に増加
H15(事業前) H27(事業後)
【出典:JAあわじ島からの聞き取り及び兵庫県農林水産統計年報による試算】
○ 市西地区の農産物販売額は事業実施後に約1.6倍に増加しており、特に、たまねぎやレタスの生産拡大等により所得向上を図っている。
9H18(整備前) H27(整備後)
【出典:A氏からの聞き取り】
○ 兵庫県では「淡路島たまねぎ」の香港等での高評価をもとに輸出エリアの拡大を目指している。
○ 瀬戸内海の温暖な気候で栽培されたたまねぎは、「淡路島たまねぎ」として市場で高い評価。
加藤・出荷
根切葉切調整の様子
【取組地域の概要】
○ ほ場整備を契機に、63名の地権者全員が加入する農事組合法人を設立。農地を全て集約するほか、組合員が所有する農業機械や施設の共同利用により、投資額を抑制。
【整備前】周辺地域の都市開発計画との調
整により基盤整備の実施に遅れがあり、区画が狭小のまま(明治時代の耕地整理事業により、10a区画に整備)で、非効率な営農であった。
区画整理や暗渠排水等の整備により、生産コストの低減を図るとともに、高収益作物(アスパラガス)の導入が可能※となった。
(H18年~H24年)基盤整備
○ 都市近郊という条件を活かし地元スーパーとの契約販売を実施。買取価格が向上したほか、出荷に要する手間を大幅に軽減することができ、収益率が向上。
【広島県東広島市】アスパラガス生産の導入による新たな法人経営の展開
【工夫のポイント】
流
通
基
盤
生
産
現
場
○位置広島県 東広島市
○傾斜1/63(平均)
○主要作物・水稲、アスパラガス
○主な支援施策・県営経営体育成基盤整備事業(H18~H24)
・農地・水保全管理支払交付金(H24~H25)
・多面的機能支払交付金(H26~)
営農の効率化と高収益作物の導入を実現
法人化により地域に雇用を創出
地元スーパーとの契約販売による収益向上
収益性の高いアスパラガスの導入 法人化と高収益作物の生産拡大による
経営の高度化と雇用の創出
○ 水田の汎用化により栽培が可能となったアスパラガスの収量・販売額は年々増加(県内最大級の生産規模となっている)しており、法人経営の安定化に大きく貢献している。さらに、導入に伴い正規1名・臨時20名の雇用を地域に創出するなど、地域の女性の活躍の場にもなっている。
加藤・出荷 販売体制・人材
づくり栽培作物・方法
栽培作物・方法
○ 法人化による経営・営農の一元化を通じて労力を軽減。新たに創出された労働力を活かし法人内に「女性部」を設立。
○ 県の提案により、法人の安定的経営に向けて収益性の高いアスパラガスの栽培を開始。
○ 安定した収穫量の確保と収穫期間の長期化を図るため、露地栽培とハウス栽培を実施。アスパラガスのほ場
アスパラガスの収穫は主に女性部員が実施
出荷用の選別作業
担
い手
ひがしひろしまし
ひがしひろしまし
広島県
西田口地区に し た ぐ ち
※ 事業計画時から地域が一体となり営農計画を策定し、アスパラガスを栽培するほ場を決定
8101,820 2,340 2,990 3,190 3,110 2,460 2,440
810
930 950 1,530
1,4901,880
0
10
20
30
40
50
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
水稲販売額 アスパラ販売額 アスパラ収量
10【出典:法人聞き取り】
(万円) (t)
(農)ファーム西田口の水稲とアスパラガスの販売額の推移
法人設立H20
事業完了H24
アスパラガス栽培開始H22
販売額は増加し、アスパラガスが経営の柱になってきている
露地栽培
ハウス栽培
○ 新たな経営の柱としてアスパラガスを導入。基盤整備によって創出された労働力を活用し、女性が中心となって栽培を担当。新たな収入や雇用の創出に結びついている。
0
5,000
10,000
羽床上東地区の農産物販売額の変化(万円)
3,100万円
150万円150万円
米3,900万円
麦600万円
野菜4,900万円
事業前(H20年) 事業後(H28年)
9,400万円
3,400万円
○ 区画整理やパイプライン化により水利統合を図り、維持管理や配水管理の省力化が実現。
○ 基盤整備を契機に、担い手への農地集積・集約化が進み、戸当たり経営規模が拡大。
○ ブランド米を作付けするとともに、乾田化した水田で、二毛作としてブランド麦やブロッコリーなどの生産を拡大。
【整備前】農地は小規模不整形、農道も狭小なた
め大型機械の導入が困難。また、水路は多くが土水路で、ため池をはじめとする特殊な水利慣行などから配水管理に多大な労力を要していた。
(H21年~H26年)
基盤整備
【工夫のポイント】
【取組地域の概要】
基
盤
生
産
現
場
○位置香川県 綾川町 (過疎地域)
○主要作物・水稲、麦、ブロッコリー 等
○主な支援施策・農業競争力強化基盤整備事業(H21~H26)
・多面的機能支払交付金(H19~) 【出典:香川県農村整備課調べ(平成28年度)】
農地整備や用水のパイプライン化による二毛作の推進
ほ場整備を契機とした農地集約
高収益作物の導入等による生産額の増加
○ 基盤整備により、水田での野菜の作付が進むとともに、ブランド米・麦の作付の推進などによって、羽床上東地区の農産物販売額は事業前に比べて、約2.7倍に増加。
パイプラインによる配水整備された農地小規模未整形な農地 土水路による配水
区画整理や用水のパイプライン化等により、維持管理作業に係る労力の軽減と用水の効率的な利用(ため池からの無効放流減による節水や裏作への冬季用水の利用)が図られた。また、汎用化や安定した農業用水の確保により、水田での高品質な畑作物の生産が可能となった。
多様な二毛作の実施と県オリジナル米・麦の推進
○ 乾田化や農業用水の確保により、二毛作として麦やブロッコリーなどの生産を拡大。
○ 区画整備に併せて、担い手へ農地を集積・集約化(担い手1戸当たり経営面積 9.4→16.7ha)。
担い手
表作(おいでまい)
裏作(さぬきの夢2009)二毛作
【香川県綾川町】 加工・出荷 販売栽培作物・方法
体制・人材づくり
県オリジナル米・麦の作付拡大と高収益作物導入の推進あやがわちょう
香川県
あやがわちょう
羽床上東地区はゆかかみひがし
0
20
40
60
80
整備前 整備後
羽床上東地区の作付面積の変化(裏作を含む)(ha)
水稲31.2
麦等6.0
水稲35.2
麦21.1
野菜19.5
生産額が約2.7倍に増加
事業前 事業後
13.3ha28.1ha
地区の65%を集積
11
羽床上東地区の農地集積状況
○ パイプライン化と併せて既存の配水系統を見直すとともに、水利組合を再編統合(9→6組織)し、合理化。
○ 官民協働の「かがわ農産物流通消費推進協議会」が中心となり、オリジナルブランドの作付を推進し、高付加価値化を図る。 特に、ブロッコリー等野菜の販売額が大きく
増加しており、収益性の向上に貢献。(聞き取りでは、ブロッコリーは販売額の約4割が農業者の所得となる)