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研究責任者 加藤雅也 (静岡大学 農学部 准教授) コーディネータ: 吉田典江 (静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 特任教授) 新規白色LED照明を用いた 収穫後の青果物におけるビタミンC 保持技術の開発

新規白色LED照明を用いた 収穫後の青果物におけるビタミンC...研究開発成果 本研究では、波長スペクトルの異なる3種類の白色LEDを収 穫後のブロッコリーに照射した。

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  • 研究責任者 : 加藤雅也 (静岡大学 農学部 准教授) コーディネータ: 吉田典江 (静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 特任教授)

    新規白色LED照明を用いた 収穫後の青果物におけるビタミンC

    保持技術の開発

  • 研究背景 ブロッコリーは、収穫後、急速にビタミンCが減少し、 老化する。

    これまでの研究では...

    青色光

    赤色光

    白色光

    本研究では、青色光を低減した白色LEDを光照射し、 ビタミンC含量への影響を調査した。

    ビタミンCが減少

    ビタミンCが減少

    ビタミンCを保持

  • 研究開発成果

    本研究では、波長スペクトルの異なる3種類の白色LEDを収穫後のブロッコリーに照射した。

    白色LED A

    白色LED B

    白色LED C

    青色領域 赤色領域

    299.92

    370.32

    439.19

    506.5

    572.17

    636.16

    698.41

    758.86

    0

    10000

    20000

    30000

    40000

    50000

    60000

    波長(nm)

    白色LED Aのスペクトル

    高い 低い

    高い 高い

    高い 低い

    <調査項目> ・外観の変化 ・ビタミンC含量 ・エチレン生成量

    使用した白色LEDの特徴 青色領域

    赤色領域

  • 白色LEDを照射したブロッコリーの外観の変化

    0 1 2 3 40

    0.5

    1

    1.5

    2

    2.5

    3

    3.5

    4

    4.5

    5

    カラ

    ース

    コア

    貯蔵日数

    暗所

    白色LED A

    白色LED B

    白色LED C

    0 1 2 3 40

    0.5

    1

    1.5

    2

    2.5

    3

    3.5

    4

    4.5

    5

    カラ

    ース

    コア

    貯蔵日数

    5月収穫 6月収穫

    白色LEDを照射したブロッコリーは、緑色が保持された。

    カラースコア 5:100%緑色、4:80%緑色、3: 60%緑色、 2: 40%緑色、1: 20%緑色、0: 100%黄色

  • 白色LEDを照射したブロッコリーの外観の変化

    5月収穫

    6月収穫

    暗所 白色LED A 白色LED B 白色LED C

    白色LEDを照射したブロッコリーは、緑色が保持された。

  • 5月収穫 6月収穫

    0 1 2 3 40

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    ビタ

    ミン

    C含

    量 

    (μ

    mol・

    g-1)

    貯蔵日数

    暗所

    白色LED A

    白色LED B

    白色LED C

    0 1 2 3 40

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    ビタ

    ミン

    C含

    量 

    (μ

    mol・

    g-1)

    貯蔵日数

    白色LEDを照射した収穫後のブロッコリー におけるビタミンC含量の変動

    白色LED Cを照射したブロッコリーは、ビタミンC含量が保持された。

  • 新技術の特徴、従来技術・競合技術との比較

    • 青色や赤色などの単色光は、青果物の鮮度を見分けることが難しく、小売店や冷蔵庫の照明としては不向き。

    • 従来の白色LEDのほとんどは青色光にピークがあり、青果物の鮮度やビタミンC含量が損なわれる可能性がある。

    • 青色光を低減した白色LEDを使用することにより、ブロッコリーのビタミンC含量の保持が可能。

  • 想定される用途

    • 本技術の特徴を生かすためには、スーパーやコンビニなどの小売店で、青色光を低減した白色LED照明を用いると青果物の鮮度向上などのメリットが大きい。

    • 上記以外に、冷蔵庫やショーケースの照明としても使用可能。

    • また、青色光低減に着目すると、青色光をカットした青果物資材(フィルム)にも応用可能。

  • 実用化に向けた課題

    • 現在、ブロッコリーについてビタミンC保持、外観向上が可能なところまで確認済み。しかし、他の青果物で応用可能かどうかの確認が必要。

    • 今後、上記について実験データを取得し、他の青果物に応用していく場合の詳細な条件設定を行っていく。

    • 実用化に向けて、詳細な光のスペクトルを調査する必要もあり。

  • 本技術に関する知的財産権

    • 発明の名称 :柑橘類に含まれるカロテノイド

    色素の増強方法

    • 出願番号 :特願2012-23031

    • 出願人 :静岡商工会議所

    • 発明者 :加藤雅也、山脇和樹

    中西幹育

  • 想定される技術移転

    ・青色光を低減させた新規の白色LEDは、従来の

    白色LEDよりも、ビタミンC含量を保持すること

    から、ビタミンCなどの栄養成分を保持すること

    が必要な冷蔵庫等の電気機器の製造企業や、

    LED照明器具の製造企業と連携し、実用化を

    目指したい。 ・更に長期的展望としては、青果物の流通に関わ

    るメーカとの連携も目指したい。

  • お問い合わせ先

    ・静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 コーディネータ 吉田 典江 〒422-8529 静岡市駿河区大谷836 Tel. 054-238-4630 Fax. 054-238-3018 E-mail. [email protected]

    または

    ・静岡大学 農学部 共生バイオサイエンス学科 准教授 加藤雅也 〒422-8529 静岡市駿河区大谷836 Tel. 054-238-4830 Fax. 054-237-3028 E-mail. [email protected]

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