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香港科技サマーキャンプレポート
工学部機械科学科 3 年
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①プログラムの目的
2週間の集中トレーニングで使える英語を身につける.
②日程
2016年 7月 31日(日)〜8月 13日(土)の 2週間にわたって開催された.
参加者は,2016年 7月 31日(日)午後に香港科技大学キャンパスに到着し,8月 13日
(土)午前にキャンパス内の宿泊施設をチェックアウトするように求められた.プログラム
のスケジュールは図 1,2に載せる.
図 1 プログラムスケジュール
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図 2 Talk, Workshopの予定表
③プログラムの概要
以下,プログラムのホームページ参照.
サマーキャンプの参加者には,下記のような機会が提供される.
・香港科技大学語学教育センターの講師が,キャンパス各所で英会話の集中トレーニ
ングを開催.参加者は自信を持って英語を話すことができるようになる.
・香港科技大学の教授陣やプロフェッショナルが,各学問分野に関するトークやワー
クショップを開催.最新の科学技術,ビジネスや経営,異文化コミュニケーション,
自己啓発などのトピックを学ぶ.
・滞在中の学外授業,課外活動,ワークショップなどの体験を通して,香港の文化,市
民生活,テクノロジー企業のスタートアップ環境など学習.香港が身近になる.
サマーキャンプ中の使用言語は英語となる.参加者は香港科技大学の教授陣や現地の学
生たちと交流する機会も得られる.
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④活動の内容
平日の午前中は,英語の授業,午後は Talk, Workshop,水曜の午後は Off Campus,
休日は観光であった.それぞれ細かく内容を書いていく.
⑴英語の授業
英語の授業は内容で Leadership & Teamwork,Intercultural Communication,
Strategic Communicationの 3つに分かれていた.それぞれの内容を簡単に説明する.
また,この 3つに加えて,授業として料理をする機会があったので,これについても書
く.
(ⅰ)Leadership & Teamwork
グループ活動について学ぶ授業.初めに,グループ活動とは何か,相手を説得する
ためには,合意を得る方法などについて説明を受けた.次に,実際にある問題に対し
て,グループに分かれてディスカッションをし,合意を得る過程を体験した.図 3に,
授業のスライドの一例を載せる.
図 3 授業のスライドの一例
(ⅱ)Intercultural Communication
効果的な会話の方法を学ぶ授業.30 秒の自己紹介でいかに人に印象を与えるか,
初めて会った人との会話の仕方などについて,説明を受けた後,それらを簡単なゲー
ム形式で実際に実践した.会話について,あまり体系的に授業を受けたことがなかっ
たのでためになった.図 4に,授業のスライドの一例を載せる.
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図 4 授業のスライドの一例
(ⅲ)Strategic Communication
ポスター発表やプレゼンの仕方を学ぶ授業.英語の授業のメインの授業.3人 1組
に分かれ,日本で売れている,流行っているが,香港にない商品を選び,実際に香港
で売ることを想定し,ポスター発表やプレゼンを行う.初めに,売れている商品の CM
動画から,紹介の仕方を説明された.商品選びは,学生への聞き取り調査によりニー
ズを分析し決定する.ポスターは,話し方から,発表の進め方の講義を受け,ポスタ
ー用紙に手書きで書いた.発表の前日に準備するように言われ,その日も夜まで予定
が詰まっているため,深夜 3 時くらいまで準備をして完成させることになった.プ
レゼンは,実際の商品の広告などから,効果的な画像の使い方を説明され,スティー
ブジョブズの iphoneのプレゼンから,どうやって人を説得するかなどについて講義
を受けた.ポスター作成よりもプレゼン作成は慣れていたため,楽だったが,ポスタ
ー同様,作る時間がなく,深夜まで作業をした.商品を売り出すために,ポスターを
作ったり,プレゼンをするのは初めてだったので,いろいろとためになった.図 5に,
授業のスライドの一例を載せる.
図 5 授業のスライド(ポスター)の一例
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図 6 授業のスライド(プレゼン)の一例
図 7 ポスター発表の様子 図 8 プレゼンの様子
(ⅳ)Cook
英語の授業の一環で,5,6人のグループに分かれて,香港の有名なデザートである
エッグタルトと好きな料理何か 1 品を作った.主にエッグタルトを作るのがメイン
なので,好きな料理をする時間はあまりなかった.カレーや餃子など各々が好きな料
理を作っていた.高校の調理場を借りて,行った.
図 9 料理
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⑵Talk, Workshop
Talk, Workshop のスケジュールは図 2 に載せた.科学だけでなく,経済や文化論,
哲学などの授業を,その分野の教授が講義をした.基本的に講義を聞いているだけであ
ったが,参加型の授業もあった.英語で各分野の授業を受けることは初めてだったので,
よい体験になったが,受け身の授業だったので少し退屈なときもあった.
図 10 授業の様子
⑶Off Campus
(ⅰ)Workshop on Chinese Tea - Its History & Culture
市内のお茶のお店に行き,中国茶を体験するワークショップ.中国茶の歴史などを
説明され,実際に中国茶の淹れ方を生で見ることができた.淹れたお茶は,ドライフ
ルーツとともにいただくことができた.お茶の種類や淹れ方でいろんな種類のお茶
ができ,すべてをいただくことができた.また,何人かは実際にお茶を淹れるのを体
験することができた.ドライフルーツがとてもおいしく,中国茶について学ぶことが
できて,非常によい体験となった.
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図 11 ワークショップの様子
(ⅱ)Visit -Technology Startups at the HK Science & Technology Park, Shatin
香港のスタートアップについて学ぶワークショップ.香港のスタートアップに投
資している企業を訪問し,施設見学をし,いくつかのスタートアップの社長の話しを
伺った.スタートアップは全く興味なかったが,話を聞いたり,プログラムの参加者
にスタートアップしたいという人が何人かいたので,少し興味をもった.スタートア
ップに興味がある人にとっては,このプログラムで一番面白かったらしい.個人的に
は,baxterの実演を初めて生で見れたので,興奮した.
図 12 講演と施設見学の様子
⑷観光
このプログラムの一環として,Tai Oと Local night marketを訪れた.プログムの
一環なので,大型バスで観光地を回り,観光費(お土産などは除く)は全て大学が負担
してくれた.それぞれに分けて,詳細を書く.
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(ⅰ)Visit to Tai O
土曜日を 1日使って,いくつかの観光地を訪れた.まず,大型バスで,大学から,
Tung Chungに移動し,5.7kmもあるケーブルカーに乗り,Ngong Ping Villageを
訪れた.ケーブルカーは,川の上を通り,山に沿って進んでいくのでとても眺めがよ
かった.Ngong Ping Village は,村とは言うものの人が住んでいるわけではなく,
日光江戸村のような観光地であった.ここでは,世界最大級の巨大な大仏を見ること
ができた.最近作られたらしいが.
図 13 ケーブルカーからの景色と大仏
次に,バスで Tai O Fishing Villageへと向かった.香港の数少ない漁村の 1つで
ある.昔ながらの村であるが,観光客も多かった.ここでは昼飯をいただき,軽く回
る程度だった.食事は,自分で食器を熱湯で洗わなければならず,カルチャーショッ
クを受けた.癖が強く,まずくはないが,おいしいというわけでもなかった.衛生面
も少し心配だった.
図 14 漁村の様子と昼飯
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最後に,漁村から歩いて,カンフー道場に行った.最初に,カンフーの演武を見て
から,実際にカンフーを体験した.かなり暑かったため,外とエアコンの効いた室内
に分かれて体験を行った.師範は,中国語しか話せず,全く内容が理解できなかった
ので,体の動きだけ見て,実演することになった.ある意味面白かった.土曜の観光
はこれで終了した.
図 15 カンフーの様子
(ⅱ)Visit to a local night market
最終週の月曜の授業が終わってから,Mong Kok にあるナイトマーケットを訪れ
た.チームに分かれ,HKUSTの学生がリーダーとなって,屋台のご飯を食べたり,
お土産を買った.
図 16 ナイトマーケットの様子
⑸Closing Ceremony and Dinner
最後から 2 日目に Closing Ceremony が行われた.とても景色がよく,正装でない
と入れない高級なレストランで行われた.内容は何人かの学生のコメント,ビデオ終了
証の交付や,ポスター発表の表彰,など.正直,なんで最終日に行わないのかは疑問で
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あった.料理はとてもおいしかったが,香港料理ではなかった.これも大学が費用を負
担してくれた.
図 17 Closing Ceremonyの様子
⑹自由時間
基本的に,授業が終わって(17 時くらい)からは自由時間なので,自習をしたり,
各自でバスに乗り,市内に観光に行ったりしていた.毎日,HKUSTの学生がどこかに
行くことを計画してくれたので,ついて行く人もいた.自分は,市内のマーケットに行
ったり,シンフォニー・オブ・ライツを見に行ったりした.また,スポーツ施設が使え
たので,卓球をしたり,テニスをしたりもした.ただ,靴を履いてないと使わせてもら
えない.
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図 17 マーケットとシンフォニー・オブ・ライツ
⑺食事
ほとんど中国料理を食べることになるのかと思っていたが,中国料理を食べる頻度
は日本と変わらなかった.肉を焼いたものから,スパゲティ,カレー,グラタンなどを
食べていた.しかし,大学内にある食べ物は,お世辞にもおいしいといえるものは,少
なく,中には食べるのを諦めてしまうほどおいしくないものもあった.現地の学生は普
通に食べていたので,日本人の口に合わないだけだったのかもしれない.大学内にマッ
クがあり,週 5くらいで通っていた人もいた.市内では,ある程度お金を出して,かな
りおいしい中国料理を食べることができた.日本のガイドブックでおすすめされてい
るお店は,日本人の口に合うお店が多いので,香港でおいしい料理を食べたいのならば,
ガイドブックが必須である.麺は,たいていワンタンヌードルで細麺である.杏仁豆腐
だと思って注文した,豆腐花というデザートは,かなり衝撃を受けたので,香港に来る
際は,是非食べてみてほしい.
学食 エビヌードル
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担々麺と小籠包 豆腐花
図 18 料理の一例
⑤自身の専門性と本プログラムがどのようにしてグローバル理工人育成コース
で育成を目指す能力の育成に結びついたか、または、今後そのような能力育成
に向けてどのような活動を行っていくか。
香港で 2 週間生活し,プログラムから提供される様々なアクティビティティに参加す
ることで,日本と香港の文化の違いを学ぶことができた.国ごとに日本とは異なる文化が
あり,考え方が異なることを実際に体感できたのは,海外の人と共同作業する際に非常に
役立つと思われる.また,英語で様々な作業をすることで,英語でコミュニケーションを
とることに対する抵抗が薄れた.さらに,海外の大学で研究することについて,いろいろ
学べて海外で働くこと,研究することに積極的な気持ちを持つことができた.
今後自分の能力を育成するために,チャンスがあればさらに留学プログラムに参加し
たり,学内の国際交流イベントにも積極的に参加していこうと考えている.また,もっと
有意義な国際交流をするために,自分の専門もしっかり勉強していきたい.
⑥その他、所感
このサマーキャンプの参加者は,日本人が多かったが,4年生と院生が多く,様々なバ
ックグランドの人がいて,東工大にいるだけでは作ることができない,とても幅広いコネ
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クションが築けたため,むしろよかった.みんな海外経験が豊富で,1年以上留学してい
た人も多く,世界的に活躍することを目指しており,とても刺激を受けた.文系で商社に
内定をもらっている人も何人かいたが,自分とは違う価値観や考え方で,こういう世界,
考え方があったのかと,知ることができたのはとてもよかった.優秀な日本人と知り合え
たというのが,このプログラムに参加して,一番よかったと感じるところである.
全体として,2週間というとても短い期間で,様々な経験を積むことができて,とても
充実していると同時になかなかハードなプログラムだった.