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実験動物(マウス・ラット)用の
片手持ち搾乳器の開発
島根大学 総合科学研究支援センター
実験動物分野川上 浩平
動物実験の恩恵
食品添加物
家畜用医薬品飼料添加物
殺虫剤
農薬
化粧品
薬
反応(観察、測定、解析)
動物実験は、科学上の目的(教育・研究など)の
ために、動物(実験動物)の体に実験的な処置を
加え、その結果として現れる生体反応を観察、測
定、解析することである。
動物実験
研究(検査、検定、診断、教育、製造を含む)に必要であるとされ、その目的のために飼いならされ、繁殖・育成された動物
哺乳類 鳥類両生類は虫類
魚類 無脊椎動物
マウスラットハムスター類ウサギイヌネコブタヒツジヤギサル
ウズラニワトリハトガチョウアヒル
アフリカツメガエルイモリカエル類イシガメ
メダカニジマスコイキンギョグッピーウナギハマチフナ類ドジョウ
ショウジョウバエ(イエバエ、カ類)ゴキブリ類カイコハマグリアサリイカ類ウニ類ザリガニ類
日本において使用される主な実験動物
実験動物
日本における実験動物使用数
0
10万
20万
30万
40万~~ ~~~~
736万
260万
匹数
マウス
ラット
モルモット
ウサギ
ハムスター類
ブタ
サル
イヌ・ネコ
実験動物と動物実験に関する各種規制
実験動物の福祉向上について
①「動物の愛護及び管理に関する法律」(環境省)
②「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」 (環境省)
動物実験の適正化について
①「動物実験等の実施に関する基本指針」
(文部科学省、厚生労働省、農林水産省)
②「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」 (日本学術会議)
動物実験の国際原則である。3R’s○代替法の利用(Replacement)○使用数の削減(Reduction)○苦痛の軽減(Refinement)
成体重
寿命
妊娠期間
産仔数
哺乳期間
200〜700g
1.2〜3年
21〜23日
8〜12匹
21〜23日
ラット
20〜40g
1〜3年
18〜21日
8〜14匹
18〜21日
成体重
寿命
妊娠期間
産仔数
哺乳期間
マウス
研究の背景
・ 高血圧自然発症ラットの
乳汁中のアミノ酸分析が
出来ないか ?
・ マウスやラットは乳頭が小さい。・ また乳量も少ない。・ 有効な搾乳器がほとんど無い。・ 市場で販売される搾乳器は高価。
従来技術とその問題点
摘出
胃の中の乳汁が溜まって白く見える
(1)ヘマトクリット管で吸引
問題点
・手技が困難
・微量サンプルの採取が困難
(2) 仔の胃から摘出
・胃液による分解
・仔の安楽死が必要
問題点
マウス用 ラット用
ラッパ状
市販のチューブ
片手持ち搾乳器
アスピレータ
排気管
乳頭
搾乳管
陰圧調節管
蓄 乳
仕切板ケージで、搾乳前の4~6時間、母親と仔を隔離
実際のラットの搾乳方法
ラット( Wistar) の搾乳量
2 9 16 23 27
出産後の日数
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
搾乳
量(μ
L)
授乳期間 21〜23日間
仔が餌を食べ始める
マウス(ICR)を用いた連続搾乳
0
100
200
300
400
500
600
700
8 9 10 11出産後の日数
搾乳
量(μ
L)
ラットの乳汁中のアミノ酸分析μ
moL
/L
0
400
800
1200
1600
2000
P-SerTauPeaAsp Thr Ser Glu Gly AlaMea
**
**
*
*
**
Metβ-AlaOrn His Lys Ans Arg Gln Val0
40
80
120
160
**
*
正常血圧ラット 高血圧自然発症ラット
コイ含有食 カボチャ含有食0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
搾乳
量(m
L)
普通食
ラットを用いた食物が搾乳量に与える効果
新技術の特徴・従来技術との比較
• 操作簡便
• 母仔とも生存のまま採取可能
• 安価
• 洗浄が容易
• 保存容器への移し替え不要
• 微量でも採取可能
想定される用途
(1) 乳汁中の化学物質などの移行に関する研究
・移行抗体
・喫煙
・放射性物質
・環境ホルモン
・薬物
(2)保存した乳汁による仔の哺育
・遺伝子改変動物など
(3) 毒性試験
(4) 薬効薬理試験
(5) 栄養学的試験
・ 現在、商品化については可能である。
・ マウス、ラットでの搾乳:豊富に経験がある。
・ 他のげっ歯類での搾乳:要検討。
・ 排気管内に一部、乳汁が入り込む点を検討
して、回収率を向上できるようにする。
実用化に向けた課題
企業への期待(共同研究)
・ 食品安全性試験の実施:食品、製薬メーカー
・ 人工哺育に応用:実験動物の生産ブリーダー、
遺伝子組換え動物を維持する研究所
・ 栄養生理的研究に応用:食品、製薬メーカー
島根大学で行っている動物実験
薬効薬理高血圧・動脈硬化モデル
アレルギーモデル(花粉症)
抗癌剤感受性試験
腫瘍免疫試験
安全性試験単回毒性試験
複数回毒性試験
皮膚一次試験
環境試験動物の飼育環境(床敷材、エンリッチメント材)
動物実験何でも
ご相談下さい!!
本技術に関する知的財産権
発明の名称: 片手持ち搾乳器
出願番号: 特開2010-96685出願人: 国立大学法人島根大学
発明者: 川上浩平、山田高也
問い合わせ先
島根大学産学連携センター 知的財産創活部門教授 阿久戸 敬治
TEL : 0852-60-2290 FAX : 0852-60-2395e-mail: [email protected]
島根大学産学連携センター 地域医学共同研究部門教授 中村 守彦
TEL : 0853-20-2916 FAX : 0853-20-2913e-mail: [email protected]