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1 体育科(保健)学習指導案 横浜市立○○小学校 平成28年 () 5校時 学年・組 第5学年33名 単元名 「心の健康」 単元目標 <関心・意欲・態度> ○心の健康について関心をもち、学習活動に取り組むことができるようにする。 思考・判断 ○心の健康について、課題の解決を目指して、知識を活用した学習活動により、 実践的に考え、判断し、それらを表すことができるようにする。 知識・理解 ○心の発達、心と体の相互の影響、不安や悩みへの対処の仕方について、課題の 解決に役立つ基礎的な事項を理解できるようにする。 単元について (1)児童の姿 学級の児童は、比較的落ち着いた雰囲気で過ごしているが、素直で幼い様子も感じられる。発言は あまり多くなく、声も小さい。人前に出ることに消極的である。公然と言ってはいけないことが分か っていて言葉を控えたり、相手を思いやって言葉を選んだりする姿も見られる一方で、友達にどう思 われるか気にして、あまり言えないという雰囲気もある。4月に比べると、自分のことを気にしたり、 客観的に見られるようになってきたりする児童が増えてきている。 4年生の保健学習では、「育ちゆく体とわたし」で、一人ひとり成長していることと、成長には個 人差があることを学んできた。5年生の「けがの防止」では、第1時と第4時、第5時で養護教諭と 一緒に授業を行った。専門的な知識をもっている職員として、また、低学年の頃からの成長を知って いる存在として、担任とともに授業を行うことで、児童が安心感を得られ、とても有効であった。 2学期から、総合的な学習の時間に、幼保小連携の保育園交流が本格的に始まった。小さな子ども たちとの交流を通して、自分より年少の園児への接し方の難しさや、自分自身が成長していることな ど、様々なことに気付き始めている。 本学級の児童にとって、この「心の健康」の学びは、安心して生活するためにも、とても重要と考 えている。互いの成長や発達を認め合い、励まし合えるように、本音で語れる学びにしていきたい。 (2)身につけさせたい力 本単元では、自分の心を見つめること、自覚することから始めることを通して、自他を大切にする 心情を育んでいきたい。また、不安や悩みへの対応を学ぶことで、自分の心の状態に合った適切な行 動の仕方を選択したり、考え方を変えたりと、判断する力も身に付けさせたい。 これまでの経験との比較や科学的な知識をもとに、じっくりと考える場面を通して、よりよい方法 や気付き、自分に合わせた判断などを導き出せるようにする。

体育科(保健)学習指導案 「心の健康」...4年生の保健学習では、「育ちゆく体とわたし」で、一人ひとり成長していることと、成長には個

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1

体育科(保健)学習指導案

横浜市立○○小学校

1 日 時 平成28年  月 日( ) 5校時

2 学年・組 第5学年○組 33名

3 単 元 名 「心の健康」

4 単元目標

<関心・意欲・態度> ○心の健康について関心をもち、学習活動に取り組むことができるようにする。

< 思考・判断 > ○心の健康について、課題の解決を目指して、知識を活用した学習活動により、

実践的に考え、判断し、それらを表すことができるようにする。

< 知識・理解 > ○心の発達、心と体の相互の影響、不安や悩みへの対処の仕方について、課題の

解決に役立つ基礎的な事項を理解できるようにする。

5 単元について

(1)児童の姿 学級の児童は、比較的落ち着いた雰囲気で過ごしているが、素直で幼い様子も感じられる。発言は

あまり多くなく、声も小さい。人前に出ることに消極的である。公然と言ってはいけないことが分か

っていて言葉を控えたり、相手を思いやって言葉を選んだりする姿も見られる一方で、友達にどう思

われるか気にして、あまり言えないという雰囲気もある。4月に比べると、自分のことを気にしたり、

客観的に見られるようになってきたりする児童が増えてきている。

4年生の保健学習では、「育ちゆく体とわたし」で、一人ひとり成長していることと、成長には個

人差があることを学んできた。5年生の「けがの防止」では、第1時と第4時、第5時で養護教諭と

一緒に授業を行った。専門的な知識をもっている職員として、また、低学年の頃からの成長を知って

いる存在として、担任とともに授業を行うことで、児童が安心感を得られ、とても有効であった。 2学期から、総合的な学習の時間に、幼保小連携の保育園交流が本格的に始まった。小さな子ども

たちとの交流を通して、自分より年少の園児への接し方の難しさや、自分自身が成長していることな

ど、様々なことに気付き始めている。 本学級の児童にとって、この「心の健康」の学びは、安心して生活するためにも、とても重要と考

えている。互いの成長や発達を認め合い、励まし合えるように、本音で語れる学びにしていきたい。

(2)身につけさせたい力 本単元では、自分の心を見つめること、自覚することから始めることを通して、自他を大切にする

心情を育んでいきたい。また、不安や悩みへの対応を学ぶことで、自分の心の状態に合った適切な行

動の仕方を選択したり、考え方を変えたりと、判断する力も身に付けさせたい。 これまでの経験との比較や科学的な知識をもとに、じっくりと考える場面を通して、よりよい方法

や気付き、自分に合わせた判断などを導き出せるようにする。

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6 テーマにせまるための手立て

「意欲的に課題を追究する」ために、子どもの気付きから課題を引き出していくようにする。そして、

「思考力・判断力を育む」ために、その解決に向けて学ぶ過程の中で、1時間ごとに思考場面を設けて

いくようにする。本単元では、保育園との交流の中で、園児たちと自分たちとの違いに気付いたことか

ら、学習課題を設定し、課題解決的な学習を展開していきたい。 具体的な手立てとして、次のように取り組んでいきたい。

〔研究の視点〕

(1)課題解決のプロセスに対する具体的な手立てを明確にする。

○総合的な学習の時間での気付きから課題を設定する。

総合的な学習の時間で取り組んでいる保育園との交流の中で、園児の様子を見た子どもたちは、

「やっぱり小さい子だな。」「5年生とは違う。」などと、今の自分たちとの違いを感じ取っていた。

そこから、園児と自分たちとでは何が違うのか考えたとき、「心が違うのかな。」「心も成長してい

るのではないか。」「心って何なのか。」という疑問が生まれてきた。心に対する関心を高めた上で、

これらの思いを基に課題を設定していく。また、学習の連続性を図るために、第1時で、第2時と

第3時の学習の見通しをもてるようにしていきたい。

○課題の追究に向けて、実感を伴う活動を設定する。

第2時では、心と体のつながりを確かめる体験的な活動、第3時では、心がすっきりする体ほぐ

しの運動を取り入れて、実感的に学べるようにすることで、学びを深められるようにしたい。

〇各時間の終末に、「学習の振り返り」を設定する。

毎時間、学んだことの振り返りを書く活動を取り入れ、自覚できるようにする時間を設定する。

さらに、学んだことをもとに、よりよい生活に向けて自分自身の課題を考えることや、次時の学習

への思いを視点として示し、実生活や次の学びへのつながりや見通しをもてるようにする。

(2)課題解決のプロセスにおいて効果的に思考場面を設定する。

○各時間の思考場面を設定する。

第1時では、保育園児と交流した際の園児の様子から、今の自分と比べ、違いを考える場面を設

定する。「なぜ違うのか」という理由を問うことで、心が変わってきていること、その変化は3つ

のはたらき(感情、思考力、社会性)などがそれぞれ発達してきていることをとらえられるように

する。

第2時では、「心と体が影響し合っている」ということを仮説とし、体験的な活動を通して検証

していくようにする。

第3時では、不安や悩みへのよりよい対処の仕方を、自分の経験から出し合い、自分にとってど

んな方法がよいか考える場面を設定する。

研究テーマ

意欲的に課題を追究し、よりよい自分を築いていく子の育成

~思考力・判断力を育む課題解決的な学習展開のあり方~

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7 評価規準

健康・安全への

関心・意欲・態度

健康・安全についての

思考・判断

健康・安全についての

知識・理解 単元の評価規準

○心の健康について関心をも

ち、学習活動に意欲的に取り

組もうとしている。

○心の健康について、課題の解

決を目指して、知識を活用し

た学習活動などにより、実践

的に考え、判断し、それらを

表している。

○発達、心と体の相互の影響、

不安や悩みへの対処につい

て、課題の解決に役立つ基礎

的な事項を理解している。

① 心の健康について、教科書

や資料などを見たり、自分

の生活を振り返ったりする

などの学習活動に進んで取

り組もうとしている。

② 心の健康について、課題の

解決に向けての話合いや発

表などの学習活動に進んで

取り組もうとしている。

①心の健康について、教科書や

友達の話などを基に、課題や

解決の方法を見付けたり、選

んだりするなどして、それら

を説明している。

②心の健康について、学習した

ことを自分の生活と比べた

り、関係を見付けたりするな

どして、それらを説明してい

る。

①心の発達について理解した

ことを言ったり、書いたりし

ている。

②心と体の相互の影響につい

て理解したことを言ったり、

書いたりしている。

③不安や悩みへの対処につい

て理解したことを言ったり、

書いたりしている。

8 主な学習活動と評価の計画

間 主な学習活動

評価規準 評価

方法 関心 意欲

態度

思考

判断

知識

理解

1 1 保育園交流の振り返りから、学習課題をつかむ。 2 保育園児と自分たちとの違いから、その理由を考える。

3 心のはたらきについて知り、〇×ゲームで確かめ合う。 4 学習のまとめと本時の振り返りをする。

5 次時の学習を確認する。

観察

ワーク

シート

2 1 前時を振り返る。 2 本時の課題を確認する。 3 風船セロハンテープはがしゲームを通して、心と体がつながって

いることを確かめる。 4 心と体が影響し合っている場面を出し合い、心と体のつながりを

考える。 5 学習のまとめをする。 6 本時の振り返りをして、アンケートを書く。 7 次時の学習を確認する。

観察

ワーク

シート

3 1 前時を振り返る。 2 本時の課題を確認する。 3 不安や悩みへの対処の仕方の経験を出し合い、自分に合った方法

を考える。 4 出し合ったものの中から対処法を体験し、どのような心の状態と

なったか確かめ合う。 5 学習のまとめと振り返りをする。

観察

ワーク

シート

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4

9 指導計画(3時間扱い 本時 1/3)

時 学習活動と予想される反応 教師の支援(◎)

1(本時)

はじめ

※本時展開参照

1 前時を振り返る。 ・心は3つのはたらきがあり、いろいろな体験を通して発達し

てきた。 ・心と体には、関係やつながりがあるのかな。 2 本時の課題を確認する。 ・徒競走の前は足がふるえた。 ・みんなの前で発表するとき、どきどきするから、心と体はつ

ながっていると思う。 3 風船セロハンテープはがしゲームを通して、心と体がつな

がっていることを確かめる。 ・すごく心臓がどきどきする。 ・あせると手がふるえる。 ・やっぱり心が緊張すると、体に影響が出る。 4 心と体が影響し合っている場面を出し合い、心と体のつな

がりを考える。 ・自分も似たようなことがあった。 ・心が体に影響するだけでなく、体が心に影響を与えることも

あるんだね。 ・心が健康でないと、体の調子も悪くなることがあるんだ。 5 学習のまとめをする。 6 本時の振り返りをして、アンケートを書く。 ・心も体も健康にしたい。 ・心が発達してきたからこそ悩むようになったこともある。 ・不安や悩みがあるときは、そのままにしていてはいけないん

だね。 7 次時の学習を確認する。 ・悩みや不安があるときはどうしたらいいか、考えてみよう。

◎「心と体はつながっている」

と予想する児童が多いと思わ

れるので、それを確かめるた

めの活動を設定する。

◎養護教諭から、心から体に影

響を与える例と、体から心に

与える例を説明する。また、

悪い影響を与えることをその

ままにしておくのは良くない

ということにも触れる。

◎不安や悩みがあるという児童

の意見を受けて、次時の学習

のためのアンケートをとるよ

うにする。

1 前時を振り返る。 ・不安や悩みは、だれもがもっている。 ・心が発達してきたからこそ、気になることも増えてくる。 2 本時の課題を確認する。

不安や悩みのアンケート

心と体は、たがいにえいきょうし合っている。

心と体は、どのようにつながっているのだろうか。

不安やなやみには、どのように対処していったらよいのだろうか。

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3 不安や悩みへの対処の仕方の経験を出し合い、自分に合っ

た方法を考える。 ・体を動かす。 ・音楽を聴く。 ・ゲームをする。 ・誰かに話して、聞いてもらう。 4 出し合ったものの中から対処法を体験し、どのような心の

状態となったか確かめ合う。 ・体ほぐしの運動はみんなで力を合わせるし、勝ち負けではな

いから楽しい。 ・気持ちが楽になる。 5 学習のまとめと振り返りをする。 ・学んだことを生かして、悩んだときにはすっきり解決できる

ようにしたい。 ・いろんな体験が心を発達させるから、いろんなことに挑戦し

ていこう。

◎ワークシートに記入した上

で、全体で共有する。

◎それぞれの対処法をもとに、

不安や悩みによって効果的な

対処法が異なることや、同じ

不安や悩みでも人によって対

処法が違うこともあることを

養護教諭から説明する。また、

不安や悩みを経験することで

も心を成長させることにつな

がっていることにも触れる。

◎体験後にどのような気分にな

ったか感想を出し合い、シェ

アリングを行う。

◎本時だけでなく、単元全体の

ふりかえりとしても考えるよ

う、声をかける。

10 本時目標

・心の発達について、保育園児との交流で気付いた自分たちとの違いやその理由を考えることを通し

て、心がいろいろな生活経験や学習を通して、年齢に伴って発達することを理解することができる。

11 本時展開案(1/3)

学習活動と予想される反応 教師の支援(◎)と評価(◆)

1 保育園交流の振り返りから、学習課題をつかむ。 ・「困ったこと」に、「なかなかいうことを聞いてくれない」「乗

ってきたり、たたいたりする」とあった。 ・5年生と違うのは、心が関係しているのか。 ・5年生は、年長さんより成長していると思う。 ・体は確かに大きいけど、心も成長しているからかな。 2 保育園児と自分たちとの違いから、その理由を考える。

園児(5歳児) 5年生

・興奮して大きな声を出す。

・負けると泣く子がいた。

・あまり作戦を立てない。

・それほどさわがない。

・負けても泣かない。

・勝てるように考える。

・私たちは年長さんに比べて、やってはいけないことがわかっ

ている。 ・勉強してきたからじゃないかな。 ・叱られたり、相手が泣くのを見たりして、学んできた。 ・自分が優しくされるとうれしくて、自分もそうしようと思っ

たから。

◎幼児と違う点を、全体的な様子

として比べる。5年生の個人的

な反応や個人差にあまり視点

が向かないように配慮する。

◎幼児との比較だけでなく、自分

の4、5歳の頃を想起して比較

している児童がいれば取り上

げる。

◆心の発達について、保育園との

交流や、自分の生活経験を振り

返ったりするなどの学習活動

に進んで取り組もうとしてい

る。(関)

保育園交流の振り返りの掲示 *総合的な学習の時間に振

り返ったことから、困ったこ

ととうれしかったことを出

し合い、まとめておく。

不安やなやみには、いろいろな対処の方法があり、悩みや

自分に合った方法で対処することができる。

心はどのように成長(発達)するのだろうか。

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・やっぱり心も成長しているようだ。 3 心の発達とはたらきについて知り、〇×ゲームで確かめ合

う。 ・いろいろな体験や学習で、心も発達してきた。

・「感情」「社会性」「思考力」などの3つのはたらきがある。 ・心が発達すると、自分の感情のコントロールもできるように

なってくる。 ・〇×ゲームで、思考力が働いているのがわかった。 ・どきどきしたのは、感情なんだね。

・協力したり、譲ったりするのは社会性が発達してきたからで

きること。

4 学習のまとめと振り返りをする。

・いろんな体験が心を発達させるから、いろんなことに挑戦し

ていこう。

・心が発達してきたからこそ、気になるようになったこともあ

る。

・心が健康でないと困ることがあるのかな。

・心と体は別のものなのか、それとも関係があるのかな。

5 次時の学習を確認する。

◆心の発達について、自分の経験

や友達の話などを基に、自分た

ちと園児とを比べて、その理由

を説明している。(思)

◎養護教諭から、「感情」「社会性」

「思考力」について、園児との

比較で出てきた部分と、日常生

活での5年生の様子を合わせ

て説明する。また、〇×ゲーム

で確かめることを投げかけ、心

のはたらきを実感できるよう

にする。 ◎様々な経験があったからこそ

発達したこととともに、他者の

経験を聞くことで、自分が経験

しなくても知ることができる

ことにも触れる。

◆心は、いろいろな生活経験や学

習を通して、年齢に伴って発達

することについて、言ったり、

書いたりしている。(知)

◎第2時と第3時以外の疑問や

知りたいことが出てきた場合、

特活や総合的な学習の時間な

どに組み込んでいくようにす

る。

◎園児の笑顔の写真を提示し、表

情(体)から気持ち(心)がわ

かるか尋ね、次時の学びにつな

げられるようにする。

心は、いろいろな経験や活動を通して、年齢にともなって

発達する。

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No.1

月 日( ) 名前〔 〕

<課題> ☆なぜ、星の子保育園の子どもたちと自分たちとは違うのだろうか。

☆心のはたらきとは?

( )( ) ( )

<ふりかえり>

<まとめ>

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No.2

月 日( ) 名前〔 〕

<課題> ☆心は体にえいきょうする?

☆体は心にえいきょうする?

心の状態 体の状態 きんちょうしたとき

心の状態 体の状態

頭やおなかが痛いとき

<ふりかえり>

<まとめ>

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9

No.3

月 日( ) 名前〔 〕

<課題> ☆不安やなやみへの対処のしかた

自分がしている対処法

友達の対処法で参考になったのは?

<ふりかえり>

<まとめ>

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平成28年度 横浜市小学校体育研究会 保健研究部 市一斉授業研究会

保健研究部研究主題 「意欲的に課題を追究し、よりよい自分を築いていく子の育成をめざす保健学習」

~思考力・判断力を育む課題解決的な学習展開のあり方~

5学年「心の健康」

■研究協議会 (1)開会の言葉 (2)会場校校長挨拶 今日子どもたちは難しい勉強をしていた。考えを言葉にするのが難しかった。

もっと自分たちのことが言葉に言えるとよかった。本時の授業は、今の5年

生の子たちにとっての大切な課題だと思う。 (3)世話人校長挨拶 今日の参加者の中には、初めて保健の授業を参観する方もいると思う。こう

いう機会をぜひ役立ててほしい。疑問や意見をたくさん出してほしい。また、

小体研会長の小山校長先生、指導主事の根岸先生も来ていただいている。池

田校長先生はじめ、水泳研究部の先生方にも参加していただいている。よい

討議ができるのではないかと思っている。 (4)保健研究部部長挨拶 本年度の研究の視点

① 課題解決のプロセスに対する具体的な手立てを明確にする。 ② 課題解決のプロセスにおいて効果的に思考場面を設定する。 ③

(5)講師・役員紹介 (6)研究協議 ◆進行について 40分間、グループでの協議を行う。その後、発表、自評、指導講評をする。

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指導案後ろのメモを活用し、グループで質問や意見を出し合う。 進行役が各グループにいるので、記録用紙に書く。 授業者には、各グループを回っていただく。 ◆グループ発表 【A グループ】 ・思考場面は、比較をする場面がたくさんあった。園児と5年生の比較をする場

面がたくさんあった。ただ、園児のことばかりになってしまったので、自分の

幼いころと比べることもできるとよかった。 ・「感情」「思考力」「社会性」が突然出てきた感じがしたので、子どもたちが発言

している時にも、その3つを意識しながら授業を進めるとよかった。 ・○×ゲームを通して、3つのはたらきを感じるのは少し弱かった。 ・経験の中で「けんか」「テレビ」という発言が子どもの中から挙がったのがよか

ったので、そこをもっと拾うとよかった。 【B グループ】 ・保育園交流という実感を伴った活動でよかった。 ・内容が、終盤に深まっていくとよかった。自分たちが成長していっているのは

どうしてなのかを考えられるとよかった。養護教諭から、3つのはたらきを抑

えて、今の自分にあてはまるところを示してあげるとよかった。 ・後半、けんかをしたり怒られたりしているけれど、それが成長につながってい

るという発言がよかったので、もっとそういった意見が出せるとよかった。 【C グループ】 ・保育園児とのつながりをもっと活用してもよかった。 ・この学習を通してどういった力が身についたか振り返り、次の日常につなげよ

うとする担任の言葉かけがよかった。 【D グループ】 ・保育園交流を材として扱ったのがよかった。 ・○×ゲームのねらいは、3つのはたらきを確かめるためだったが、3つのはた

らきの理解があまりできていなかった。知識として得たあとに、もう一度園児

と5年生の違いに戻って確認してもよかった。 ・授業の最後に、次時につながる話ができたのがよかった。もう少し、子どもた

ちがみんなで次時の課題を確認できるとよかった。 【E グループ】 ・導入で具体的なきっかけがあってよかった。心は目に見えないものなので、具

体的なものがあるとよい。 ・養護教諭の出方を工夫すると、3つのはたらきがもう少し理解できたのではな

いか。

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・1年生と5年生で比べるだけでなく、赤ちゃんの頃と今を比べてもよかった。 【F グループ】 ・今後の保育園交流について知りたい。 ・担任の先生の考えていた思考場面についてもっと知りたい。 ・○×ゲームは代表者しか実感できなかったかもしれないので、もっとみんなで

実感できるものが扱えるとよかった。グループでおえかきゲームなど。 ・次時へのつなぎでも、1時間目のゲームを活用できるのではないか。 ・日常化することを考えながら、授業を進めていくことも大切。 ・1時間目に養護教諭が入ることは少ないが、本時の例などよかった。 【G グループ】 ・見えないことを考えるので、心の授業は難しい。今日はありがたかった。 ・養護教諭と担任の連携について、養護教諭が話すと新鮮で、効果的。 ・活動2→3に移る場面が、少し途切れてしまった。そこを担任と養護教諭が子

どもの発言からうまくつないでいけるとよい。 【H グループ】 ・実際の経験を生かしながらの導入でとてもよかった。来年度の1年生―6年生

の関係で交流している。 ・「心」は形のないものなので、考えるのが難しい。最初比較して考えたが、その

後一人一人が書こうとすると、書けなかった子がいた。もう少し早めに、自由

に書かせてもよかった。先生の助言はよかった。 ・最後時間がなくなってしまったこともあり、子どもから振り返りの言葉が聞け

なかったのが残念だった。けんかなど、子どもの経験の話がもっと出るとよか

った。 ・養護教諭の入り方について、養護教諭がいるだけで話が専門的になったり、1

年生からの変化が分かったりするのでよい。養護教諭と担任の信頼関係が授業

につながってくる。 ◆自評 【T1】 ・研究会で話し合ってもらい、迷いながら授業を行った。 ・自分のこだわったところは、課題の設定。自分と小さい子を比較することで、

成長が実感できると思った。本時を迎えるまでのアイディアはいろいろあった

が、今日のように課題の直前まで扱っておいて本時を迎えるようにした。 ・1時間の使い方が課題。指導案になかった3と4の間に教科書の拡大資料を入

れたのは、経験について入れてみたいと思った。もっと時間があればよかった。 ・第2時へのつながりも、もう少し時間が取れるとよかった。 ・発言が多くない、自信のない学級の実態がある。その実態をふまえて、グルー

Page 13: 体育科(保健)学習指導案 「心の健康」...4年生の保健学習では、「育ちゆく体とわたし」で、一人ひとり成長していることと、成長には個

プ学習などの形態を工夫してもよかった。 ・今回の思考場面は、園児との違いの理由を考えるところに設定していたが、そ

れが思考場面として適切だったかは疑問。また、思考ができていたのか見とれ

ていなかった。 ・評価の観点を指導案に書いたが、授業の中で見取るのは難しい。どういった評

価規準を設定したらよいのか知りたい。 ・幼保小の交流は今後も続いていく。 【T2】 ・2から3のつながりが切れてしまった。 ・他のクラスで授業をしたときに、保育園児と自分たちの違いの時に3つのはた

らきを扱ったが、盛りだくさんになってしまったので、今回はやめた。でも、

扱った方がよかったと思う。 ・保健室から見た「成長したな」という子どもたちの姿があったので、それを授

業の中で伝えたいと思った。 (7)指導講評 ・神田先生は異動したてで大変だったと思うが、養護教諭との連携もあってよかった。 ・心の健康の1時間目だったので、ドラマチックにできるといいなと思った。あまりに

も自然に本単元に入ってしまったので、導入のところでもっと子どもたちをわくわく

させる担任の言葉があるとよかった。4年生までの学習との違いはなんだろうと考え

ながら学習を子どもたちと考え、実感していけるとよい。 ・先生は思考場面を意識して学習を進めていたが、子どもたちは、何を考えたらよいの

かはっきり分かっていなかったように思う。正確な知識、資料(アンケートも可)を

使って考えられるとよかった。今日はそれがなかったのに、あれだけ発言できたのは

すごい。根拠となることは、養護教諭の話の中の3つのはたらきだったり、自分たち

の思い出だったりしてよかった。 ・今日学んでほしかったことは「いろいろな経験をすることで、心が発達するし、いい

成長をする。だからいろいろなことに積極的にチャレンジしていきたい」ということ

なので、それをもっとみんなで共有できるとよかった。子どもからどこを引き出すか

をもっと考えて授業を進めるとよい。 ・日々の学級経営のよさを感じた。子どもたちもがんばった。 ・自分事としてとらえるために、本時では、自分の小さい時のことを考えられるとよい。

自分は今まで何を通して成長してきたか、もっといろいろな経験を話せるとよかった。

今日の課題は難しい。子どもへの投げかけは「園児と違うのかなぜか」など、もっと

噛み砕いてよかった。3つのはたらきに分類すると、具体的になってよかった。 ・養護教諭には、できるだけ授業に入ってほしい。そして、子どもたちにたくさんかか

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わってほしい。今日の入り方はよかったが、もっとかかわってもよかった。子どもた

ちから見ると、養護教諭は特別な存在。その先生がしっかり抑えて話をすると、子ど

もたちは理解ができる。 ・子どもたちが学んだことを日常化をはからないといけない。今日は「これから一生懸

命生きていこう」ということ。 ・指導案2ページにある授業づくりの4つの視点はとても大切。研究の視点は、これか

らも大切にして研究を進めてほしい。 ・ある講演会での医師の話「マンモスに原始人が遭遇したときに、心拍数があがるのは、

さっと逃げるため。崖で血の気が引くのは、冷静に行動できるようにするため。」この

話は、2時間目の心と体のつながりと関連している。心は見えないが、今日の成長の

過程を子どもたちの日々の活動で見ていけるよう工夫して授業ができるとよい。