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観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討 及び地域ストーリーづくりに関する調査 報告書 平成 27 3

観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討 …3 第1章 観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析 1-1 経済波及効果推計モデルの検討及び構築

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観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討

及び地域ストーリーづくりに関する調査

報告書

平成 27 年 3 月

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観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討

及び地域ストーリーづくりに関する調査

報告書

<目次>

はじめに ..................................................................................................................................10-1 調査の背景 ..................................................................................................................10-2 調査の目的 ..................................................................................................................10-3 調査事業内容...............................................................................................................1

第 1 章 観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析...........................................31-1 経済波及効果推計モデルの検討及び構築...................................................................3

1-1-1 乗数理論の活用 ....................................................................................................31-1-2 本事業における経済波及効果推計モデル ............................................................81-1-3 推計結果の考え方 ............................................................................................. 22

1-2 簡易推計システムによる波及効果の推計(ケーススタディ1:豊岡市)............. 231-2-1 波及効果推計のための基礎データの取得 ......................................................... 231-2-2 推計モデルの構築 ............................................................................................. 341-2-3 推計結果-結果シート① .................................................................................. 36

1-3 簡易推計システムによる波及効果の推計(ケーススタディ2:富岡市)............. 511-3-1 波及効果推計のための基礎データの取得 ......................................................... 511-3-2 推計モデルの構築 ............................................................................................. 621-3-3 推計結果-結果シート① .................................................................................. 64

第 2 章 地域のストーリーづくりに関する課題と対応策の検討等 .................................... 792-1 研究会の設置............................................................................................................ 792-2 議事要旨................................................................................................................... 79

第 3 章 地域のストーリーづくりのモデル実践 ................................................................. 913-1 客層(ペルソナ)設定の考え方 .............................................................................. 913-2 客層(ペルソナ)の設定例...................................................................................... 93

付属資料 1 観光客の動向に関するネットアンケート調査 項目内容............................ 109

付属資料 2 観光客の動向に関するネットアンケート調査 単純集計結果 .................... 121

付属資料 3 事業者ヒアリング調査 項目内容 ................................................................ 133

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はじめに

0-1 調査の背景

人口減少の進展により、特に地方において経済規模が縮小に向かう中で、地域経済の活

性化を図るためには、地域に眠る資源を活用し、地域経済圏の外から需要を取り込める産

業を育成し、地域の「稼ぐ力」を高めることが重要である。この点において、地域の外か

ら来訪者を呼び込む観光は地域にとって極めて重要な戦略産業である。

一方、これまで観光産業が地域に及ぼす経済効果については、地域への観光客の入込者

数や従来の「観光業者」の売上高のみで計測されており、地域の商工業や農林水産業全体

への波及効果が大きいとされつつも、その実相は未だ明確に把握されていない。そのため、

地域の商工業や農林水産業等への波及効果を測るための手法が必要である。

加えて、国内外から地域への来訪者を呼び込むためには、来訪者のニーズや地域の強み・

弱みの分析を踏まえて、地域の関係者が一体となり、文化財、自然景観、温泉、工芸品、

農林水産品等を含めた様々な地域資源を組み合わせて、訴求力のある魅力的なストーリー

を創造していくことが重要であるが、その成功事例は必ずしも多くない。そのため、魅力

的なストーリーを創造するための手法を明らかにすることが求められる。

0-2 調査の目的

上記を踏まえ、本事業では、観光産業が特定地域の経済全体に対してどのような波及効

果を有するかに関するわかりやすい測定指標を作成するとともに、地域のストーリーづく

りに関する課題と対応策について、実地でのケーススタディを通じて検討することを目的

とした。

0-3 調査事業内容

本事業では、以下の調査を実施した。

(1)観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析

特定地域における、観光業者から地域の商工業者・サービス業者のサプライチェ

ーンを分析し、観光産業と地域経済全体の産業連関を明らかにするとともに、経済

波及効果を簡易に算出する手法・システムを開発した。

具体的には、群馬県富岡市及び兵庫県豊岡市の2地域をモデル地域に選定し、当該

地域内の観光業者(旅館業者、工芸品店等)と商工業者・農林水産業者等との取引関

係について、観光業者及び商工業者・農林水産業者へのヒアリング等を通じて把握・

分析し、観光による当該地域経済全体への波及効果(観光客の来訪により、旅館業者、

お土産品店、運送業等にどの程度の売上が発生し、それらを通じて地域の商工業者、

農林水産業者がどの程度裨益しているか)について、現状を詳細に分析した。

併せて、これらの事例を帰納的に統合化し、波及効果を数式で算出する簡易なモデ

ル(算出式)を提示した。このモデルは、全国展開を前提に、観光関連団体や自治体

関係者が簡易に活用できる程度に簡略化した。

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(2)地域のストーリーづくりに関する課題と対応策の検討等

地域における観光振興の現状と課題を整理し、地域ストーリーづくりの手法、PR

方法等について検討を行うとともに、モデル地域においてストーリーづくりの実践を

行った。

具体的には、有識者からなる研究会を組織し、検討を進めた。研究会の開催は4回

で、1回目及び4回目は東京、2回目はモデル地域である豊岡市、3回目も同様に富

岡市でそれぞれ開催した。

(3)地域のストーリーづくりのモデル実践

豊岡市及び富岡市において、地域ストーリーづくりの実践として、

・研究会委員と地域の関係者によるワールドカフェ(対話)

・ペルソナ設定のための観光客アンケート調査(インターネット調査)

を実施した。

(4)報告書へのとりまとめ

上記(1)~(3)の内容を踏まえ、調査報告書として取りまとめた。

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第 1 章 観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析

1-1 経済波及効果推計モデルの検討及び構築

1-1-1 乗数理論の活用

(1)乗数理論とは

経済波及効果の推計方法として、本事業では「乗数理論」を用いることとする。

この方法は、観光客の消費額を起点として、その消費が施設や箇所等に及ぼす効果を

乗数の形で推計するというものである。

例えば、観光客が宿泊施設に宿泊する場合、その代金が宿泊施設に入ることとなる(こ

れを「一次波及」と呼ぶ)。その代金(消費額)は、原材料調達費(例えば各部屋の備品・

調度品、レストランにおける飲食材料費や什器、売店における土産品など)、人件費(例

えばフロント係、客室係、宴会場係、ドアマン、経営者など)、営業経費(例えば広告宣

伝費、旅費、通信費、水道光熱費、消耗品費、修繕費など)、減価償却費、固定資産税支

払い等に費やされることとなる。各々の費用は、調達先に配分されることとなる(これ

を「二次波及」と呼ぶ)。さらに、その調達先が得た代金は、さらに仕入れ先に配分され

る。このように三次、四次、…と繰り返していくことで、理論的には、地域全体に及ぼ

す波及効果が網羅されることとなる(これを「n次波及」と呼ぶ)。

図表1 経済効果の波及イメージ(宿泊業の場合)

なお、他の推計方法として産業連関表を活用する方法もあるが、産業連関表を持たな

い地域(多くの市町村が該当)でも対応できることが乗数理論の特徴である。

宿泊業

小売業 卸業 広告代理店 人件費

宿泊費

営業利益

仕入れ先 A 仕入れ先 B

仕入れ先a 仕入れ先a

・・・

・・・

・・・ ・・・

一次波及(直接波及)

二次波及

三次波及

四次波及

観光消費

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(2)乗数理論における経済波及効果の計算方法

乗数理論を用いた対象地域内への経済波及効果の推計方法を単純化して示すと、次の

ようになる。

<一次波及>

観光客が観光関連事業者に支払う消費額をaとすると、インターネット等による間

接的な購入を除けば、aの全額が対象地域内の事業者に落ちることとなる。そのため、

一次波及効果(直接効果)=a

となる。

<二次波及>

観光関連事業者が仕入れ先(卸業、小売業など)から原材料等を購入する際、仕入

れ先は対象地域内になる場合と対象地域外になる場合がある。このうち、対象地域内

の比率(これを「域内調達率」という)をr(0<r<1)とすると、域内にもたら

される効果(二次波及効果)は、

二次波及効果=一次波及効果(a)×r

となる。

<三次波及以降>

同様の考え方で、三次波及効果、四次波及効果、…と波及が進むこととなる。

三次波及効果=二次波及効果(a × r)× r= a × r2

四次波及効果=三次波及効果(a × r × r) × r = a × r3

そして最終段階での効果(n次波及効果)は次のようになる。

n次波及効果=「n-1」次波及効果(a × r(n-2) ) × r

= a × r(n-1)

<全部波及効果>

全部波及効果(Sn)は、上記の和(一次波及効果+二次波及効果+三次波及効果+

…+n次波及効果)となるので、

Sn=a+ar+ar2+ar3+…+ar(n-1)

=a(1-rn)/(1-r)

となる。このとき、nは無限大(∞)となるため、rnは0となる。最終的には、

S∞=a/(1-r)

として全ての波及効果が推計されることとなる。

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(3)推計における重要な要素

推計を行うためには、次の3つの重要な要素(データ)が必要である。

①観光客数:対象となる地域を訪れる観光客の数

②消費単価:観光客一人あたりの消費額

※「観光客数」と「消費単価」を掛け合わせることにより、「観光消費額」が

算出される。

③域内調達率:対象施設が対象地域内から原材料や雇用者等を調達する率

※同時に、経費構造のデータも計算上必要となる。

これらのデータを既存統計あるいは独自調査(アンケート調査、ヒアリング調査等)

で収集することにより、波及効果が推計される。本事業では波及効果を推計するシステ

ムを構築しており、これらのデータを入力すれば簡単に推計結果が表示される仕組みと

なっている。

(4)波及効果の全体像

波及効果の全体像を図表2に示す。

観光客が観光地で購入する商品の価格は、原材料費(原価)、人件費、営業販売費、利

潤などに大別される。

原材料費については、商品を販売する店舗等から仕入れ先(問屋など)に流れ、また

仕入れ先からさらなる仕入れ先へとお金が流れることとなる。このようにして、波及効果

は観光業のみならず、あらゆる産業に波及していく。

人件費については、波及する段階でそれぞれの店舗や仕入れ先等の従業員が得る賃金

が所得(付加価値)として波及する。また、得られた賃金で商品を購入することにより消

費が発生し、そこから前述のような原材料の波及及び所得の波及が繰り返し発生すること

となる。

また、観光消費に伴い、雇用も発生する。直接的には宿泊施設や店舗等の観光事業者

への雇用(直接効果)が発生するが、それとともに仕入れ先にも雇用が生じることとなる

(間接効果)。この他、税収効果なども生じることとなる。

このように、観光は様々な産業の売り上げや雇用等に影響を及ぼすものである。

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図表2 観光がもたらす波及効果の流れ

出典:「観光消費が地域経済に及ぼす影響の推計手法に関する検討調査報告書」

(平成 16 年 3 月、国土交通省総合政策局観光部)に一部加筆

本モデル(波及効果推計システム)では、以下の各効果を推計することができる。

①生産誘発効果

観光客が購入する商品等の原材料が仕入れ先に波及し、またその仕入れ先からさら

なる仕入れ先に波及していくという繰り返しにより得られる効果。

②家計迂回効果(生産誘発効果によるもの)

①の原材料が波及する過程(新たな生産が行われる過程)において発生する付加価

値(人件費、租税公課、原価償却費、営業利益など)により得られる効果。

③家計迂回効果(消費によるもの)

②における人件費(=従業者の給与)をもとに行われる消費から得られる効果。

④経済波及効果

観光消費額及び①~③により得られる効果。

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⑤付加価値効果

人件費、租税公課、原価償却費、営業利益などの付加価値により得られる効果。

⑥雇用効果

観光により発生される雇用者数。観光消費額による直接的な雇用効果に加え、波及

効果による間接的な雇用効果も推計される。

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1-1-2 本事業における経済波及効果推計モデル

(1)モデルの概要

乗数理論に基づいた、本事業における経済波及効果推計モデルの概要(原材料波及の

場合)を図表3に示す。

波及の基本的な考え方としては、観光客がもたらす観光消費額(観光客数×消費単価)

をもとに、まずは直接的な支出先(一次波及先)となる観光関連業者8分類(観光庁の

TSA 観光産業分類における、「宿泊サービス(旅館、ホテル等)」「飲食サービス(食堂、

レストラン、喫茶店等)」「旅客輸送サービス(鉄道、バス、駐車場等)」「輸送設備レンタ

ルサービス(レンタカー等)」「旅行代理店その他の予約サービス(旅行業者等)」「文化サ

ービス(博物館、歴史的建造物等)」「スポーツ・娯楽サービス(遊園地、水族館等)」「小

売(土産店、百貨店・スーパー等)」)に消費額が配分され(一次波及)、そこからさらに

各仕入れ先に配分されていく(二次波及、三次波及、…)という構造になる。

その際に、二次以降の波及に対しては、「域内調達率」の考え方を適用した。本来であ

れば、波及先(仕入れ先)全てについて個別に域内調達率を設定するような推計モデルと

なれば波及効果推計の精度が上がるため理想的であるが、それを行う(全ての業種・事業

者の状況を把握して反映させる)ことは現実的でないので、本事業では以下のように対応

することとした。

①二次波及以降の仕入れ先の扱い

二次波及以降の仕入れ先は多様に考えられるが、ここではモデルを単純化し、仕入

れ先の業種を絞ることとした。具体的には、二次波及先として、「宿泊サービス」「飲

食サービス」「小売」については「農林漁業者」「製造業者」「卸売業者」「その他」の

四分類とし、「旅客輸送サービス」「輸送設備レンタルサービス」「旅行代理店その他の

予約サービス」「文化サービス」「スポーツ・娯楽サービス」については一分類とした。

②三次以降の域内調達率の扱い

基本的に、一次及び二次の域内調達率はヒアリング調査等をもとに設定することと

するが、三次以降の域内調達率については、二次域内調達率を用いることとした。

なお、各地の産業事情等により一次域内調達率あるいは二次域内調達率が設定でき

ない場合(業種が存在しない、あるいは存在しても数値を把握することができない等)

も想定されるため、その場合は代替方法にて対応することとする(「(3)データ(域

内調達率・経費構造等)が得られない場合の対応」を参照)。

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図表3 経済波及効果推計 モデル構成(原材料等波及の場合)

飲食サービス

宿泊サービス

小売

文化サービス

旅客輸送サービス

輸送設備レンタルサービス

旅行代理店その他

の予約サービス

スポーツ・娯楽サービ

観光消費額

農林漁業者

一次域内調達率 二次域内調達率

製造業者

仕入れ先

●%

三次以降域内調達率

●%

その他

○%

□%

△%

仕入れ先■% ■%

◆% ◆%

仕入れ先 仕入れ先●%○% ●%

仕入れ先 仕入れ先□% ■% ■%

仕入れ先 仕入れ先△% ▲% ▲%

仕入れ先 仕入れ先●%○% ●%

仕入れ先 仕入れ先□% ■% ■%

<一次波及> <二次波及> <三次波及>

仕入れ先

卸売業者 仕入れ先▲% ■%

◇%

農林漁業者

製造業者

仕入れ先

●% ●%

その他

○%

□%

△%

仕入れ先■% ■%

◆% ◆%

仕入れ先

卸売業者 仕入れ先▲% ■%

◇%

●消費単価

●観光客数

●総消費額

・日帰り ○千人・宿泊 ●千人

・日帰り □円・宿泊 ■円

・日帰り △億円・宿泊 ▲億円

農林漁業者

製造業者

仕入れ先

●% ●%

その他

○%

□%

△%

仕入れ先■% ■%

◆% ◆%

仕入れ先

卸売業者 仕入れ先▲% ■%

◇%

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(参考:従来のモデルに対する本モデルの特徴)

従来のモデルでは、二次波及先は一つにまとめられており、また二次域内調達率は

一次域内調達率と同じ%に設定しているため、推計の精度に限界が生じていた。これ

に対し、本モデルでは、特に観光消費額に大きな影響を与える「宿泊サービス」「飲食

サービス」「小売」について二次波及先を主要な産業に分類し、各産業の実情に合わせ

た経費構造や二次域内調達率を適用できるような仕組みとした。これにより、経済波

及効果推計の精度が向上し、より現実に見合った推計結果を算出することが可能とな

った。

図表4 従来のモデルに対する本モデルの特徴

<従来のモデルの考え方>

観光消費額

宿泊サービス

●一次波及先

一次域内調達率

仕入れ先

(ヒアリング調査)

●二次波及先 ●三次波及先

二次域内調達率

(一次調達率と同じ%に設定)

<本モデルの考え方>

●一次波及先 ●二次波及先 ●三次波及先

70% 70%

観光消費額

宿泊サービス

農林漁

一次域内調達率

製造

卸売

(ヒアリング調査)仕入れ先

二次域内調達率

(ヒアリング調査)70% 20%

仕入れ先

その他

仕入れ先

仕入れ先

仕入れ先

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(2)推計に必要な主なデータの取得

「1-1-1 乗数理論の活用 (3)推計における重要な要素」において示したとおり、

経済波及効果の推計には3つの重要な要素(観光客数、消費単価、域内調達率)が必要

である。推計システムで計算する場合も、基本的にはこの3要素(域内調達率は一次及

び二次)の入力が必要となる。

ここでは、それぞれのデータの取得方法及び入力方法について、「観光経済波及効果簡

易推計システム」と照らし合わせながら述べることとする。

①「観光客数」の取得

観光客数については、各市町村(あるいは都道府県)にて調査・集計を行っている

ことが多いため、対象地域が市町村単位(複数市町村を含む)であれば、基本的にはこ

の調査結果を活用できる。その際、日帰り客と宿泊客では消費単価が異なるため、可能

な限り日帰り・宿泊別のデータを用いる(日帰り・宿泊別のデータがない場合は、合計

値を用いる)。

但し、このデータの活用にあたっては、以下の点に留意する必要がある。

●データが存在しない市町村がある。

●最新データの公表までに時間がかかるところが多い(データが古い場合がある)。

●調査・集計方法は各市町村(あるいは都道府県)によって異なるケースが多い。

●対象地域が市町村単位でない場合(例えば特定の観光地エリアなど)は適用で

きない。

観光客数データが存在しない場合は、別途観光客数調査等を行う必要がある。その方

法として、次のようなものがある。

<宿泊客数>

方法1 観光庁が公表している「宿泊旅行統計調査」のデータを活用

観光庁では、「宿泊旅行統計調査」で得られた主な市区町村単位の宿泊者数をホ

ームページ等で公表している(参考第6表)。対象地域が該当する市町村単位(複

数市町村を含む)であれば、このデータを活用することが望ましい。

http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/shukuhakutoukei.html ただし、この調査は全数調査ではなく、以下の条件に該当する施設が対象とな

っている。

・従業者数 10 人以上の事業所:全数調査

・従業者数 5 人~9 人の事業所:1/3 を無作為抽出してサンプル調査

・従業者数 0 人~4 人の事業所:1/9 を無作為抽出してサンプル調査

また、対象地域が市町村でない場合(例えば特定の観光地エリアなど)は適用

できない。

方法2 宿泊施設からのデータの収集

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対象地域内に立地する宿泊施設から利用者数データを提供してもらい、その合

計を宿泊客数とする。市町村単位でない場合にも対応できる点が特徴である。

ただし、対象となる宿泊施設の理解・協力が不可欠である。また、集計に時間・

手間を要することとなる。

<日帰り客数>

方法1 主要施設における利用者数の合計

対象地域内の主要な観光施設(観光客が多く訪れる施設)の利用者数を足し合

わせた数値を、その地域内の観光客数とみなす。各施設で利用者数をカウントし

ていれば、そのデータを提供してもらい合計することで算出が可能である。

ただし、施設でカウントを取っていなければ、施設にカウントを依頼するか、

あるいは調査員がサンプル調査にてカウントを行う必要がある。また、一人の日

帰り客が対象となる複数の施設を訪れている場合、ダブルカウントになるため、

重複を除くための調査(訪問地点数に関するアンケート調査等)が別途必要とな

る。さらに、当該施設を宿泊客が訪れている場合、日帰り客と宿泊客がダブルカ

ウントとなるため、やはり重複を除くための調査が別途必要となる。

※詳細は、「全国観光客数統計」(平成 8 年 3 月、社団法人日本観光協会)を参

照。

方法2 日帰り客調査の実施

宿泊客数が分かっていれば、各施設において日帰り客と宿泊客の比率を調査す

ることにより、日帰り客数を推計することができる。具体的には、各施設でのア

ンケート調査をもとに対象地域の日帰り客/宿泊客比率を推計し、それに宿泊客

数を掛け合わせることにより、日帰り客数を算出する。その際、訪問箇所をあわ

せて聞けば、方法①で記述したような重複を除くことができる。

ただし、この方法では対象施設を訪れない宿泊客を把握することができないた

め、日帰り客数が過大となる可能性がある。また、アンケート調査員を投入する

必要がある(留置では回収率が低下する)ため、調査費用が膨らんでしまう。

なお、この日帰り客調査は、後述の「消費単価」調査と合わせて行うことも可

能である(詳細は「「消費単価」の取得」を参照)。

推計に必要となる最終的な観光客数データ(入力データ)は、次のような形となる。

図表5 観光客数入力フォーム-入力フォーム①

2 観光客数を入力してください。

観光客数 千人 千人 0 千人

(合計)(日帰客) (宿泊客)

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②「消費単価」の取得

「消費単価」については、調査・集計を行っている市町村(あるいは都道府県)もあ

るが、現状では限られているため、別途消費額調査を行う必要がある。地域を訪れた経

験のある観光客に対し、アンケート調査にて活動内容別(宿泊費、飲食費、交通費、買

い物費、施設での支払額など)の消費額を聞くことにより、一人あたりの消費額(消費

単価)を推計する。なお、可能な限り、日帰り客・宿泊客別に推計することが望ましい。

データ取得方法としては、主に以下の2つが挙げられる。

方法1 ネットアンケート調査

インターネットを活用したアンケート調査。ネット調査会社は一定規模のモニ

ターを有しているため、まずはそのモニターの中から前提条件(例えば対象期間

内に対象地域へ訪れた○○地域在住者など)に該当する人を抽出する(スクリー

ニング調査)。その上で、抽出された人に対し、ウェブ上に設計されたアンケート

調査項目に回答してもらう(本調査)。

支払額に関する調査項目の例を以下に示す。

図表6 一人あたり支払額に関する項目例

なお、せっかくの機会なので、消費額だけでなく、マーケティングにつながる次の

ような項目もあわせて聞くと効果的である。

質問項目 概要モデルへの適用

(一次波及)

1 宿泊費対象地域内の施設であれば、全てを合計

宿泊サービス

2 飲食費レストラン、喫茶店、バーなどの施設で飲食した場合

飲食サービス

3-1 交通費対象地域内で支払った鉄道代、航空代、バス代、タクシー代など(レンタカー代は含まない)

3-2 駐車場代 対象地域内で支払ったもの

4 交通レンタル費対象地域内で支払ったレンタカー代、レンタサイクル代など

輸送設備レンタルサービス

5現地旅行代理店での支払額

ツアー申し込みなど旅行代理店その他の予約サービス

6 文化施設での支払額博物館・美術館、動物園、水族館、社寺・仏閣等

文化サービス

7-1スポーツ関連施設での支払額

ゴルフ場、テニス場など

7-2 娯楽施設での支払額遊園地・テーマパーク、競馬場など

8-1 買い物費 土産品、日常品など8-2 ガソリン代 対象地域内で支払ったもの

旅客輸送サービス

スポーツ・娯楽サービス

小売

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図表7 ネットアンケート調査における質問項目例

<スクリーニング調査>

・(指定期間内の)訪問の有無 ・訪問年月 ・住所(居住地)

<本調査>

(回答者について)

・年齢 ・性別 ・世帯年収 ・よく行う旅行タイプ

(地域や地域内の施設等について)

・地域や施設を知った情報源 ・地域や施設のイメージ

(来訪経験について)

・来訪回数 ・来訪頻度

(最新の旅行について)

・来訪目的 ・参加人数 ・参加形態(家族、友人など)

・旅行全体の泊数及び対象地域での泊数

・訪問箇所(対象地域内及び対象地域外)

・宿泊箇所 ・利用交通手段

・旅行手配方法(旅行会社利用、個人手配など)

・(ツアーの場合)ツアーに含まれる内容

・事前の支払額(ツアー代など)

・対象地域での支払額

・満足度、再来訪希望、親しい友人への紹介意向

ネットアンケート調査の利点としては、回答者がモニターとして登録されてい

るため回答が得られやすいこと、特定の季節の来訪者だけでなく年間を通した訪

問者を対象にできること、調査員等の手配が不要であること、などが挙げられる。

一方で、欠点としては、回答内容の正確性や信頼性(例えば支払額を多めに答え

る傾向があるなど)、年齢層の偏り(例えば高齢層のモニターが少ないなど)が挙

げられる。

方法2 現地でのアンケート調査

宿泊施設あるいは観光立ち寄り施設等において、実際に訪れた人(宿泊客及び

日帰り客)に対して行う調査。宿泊施設で行う場合、施設の協力のもと、宿泊客

に滞在中に記入してもらう(施設で回収する)のが理想的である(留め置き方式)。

一方、観光立ち寄り施設等で行う場合、調査員が聞き取りを行う方法(聞き取り

方式)、施設の受付等にアンケート用紙を置いてもらい訪問客が記入する方法(留

め置き方式)、アンケートを配布して後日に記入・送付してもらう方法(配布・後

日回収方式)、ウェブのアドレスやバーコード等を知らせてネット上にて回答・送

信してもらう方法(ネット回答方式)などがある。

これらの調査の利点としては、実際に訪れている観光客に聞くため、回答の信

頼度が高い(記憶を思い出すのではなく、ほぼリアルタイムに行動を確認できる)。

一方で、欠点としては、頻繁に行わなければ特定の時期に偏りやすいこと、調査

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15

人員や郵送費等が発生すること、施設等の協力が必要となることなどが挙げられ

る。

支払額に関する調査項目、及びその他のマーケティングに関する項目は、基本

的に「ネットアンケート調査」と同じである。但し、特に対面聞き取り方式など

については、項目数が多いほど調査協力が得られにくくなるので、その場合は設

問項目を絞る必要がある。

図表8 現地アンケート調査における質問項目例

(回答者について)

・年齢 ・性別 ・住所 ・世帯年収 ・よく行う旅行タイプ

(地域や地域内の施設等について)

・地域や施設を知った情報源 ・地域や施設のイメージ

(来訪経験について)

・来訪回数 ・来訪頻度

(最新の旅行について)

・来訪目的 ・参加人数 ・参加形態(家族、友人など)

・旅行全体の泊数及び対象地域での泊数

・訪問箇所(対象地域内及び対象地域外)

・宿泊箇所 ・利用交通手段

・旅行手配方法(旅行会社利用、個人手配など)

・(ツアーの場合)ツアーに含まれる内容

・事前の支払額(ツアー代など)

・対象地域での支払額

・満足度、再来訪希望、親しい友人への紹介意向

<コラム:データ収集方法における特徴>

データ収集を行う際には、精度や効率性(人数、費用など)を考慮する必要があ

る。調査方法にはそれぞれ以下のような特徴があり、いずれも一長一短であるため、

調査を行う地域の特性や調査環境等に応じて最適な方法を選択することが重要であ

る。

・聞き取り方式:回収率や回答の精度は高まるものの、設問数を絞るなどの工夫

が必要となり、また調査員の手配が必要である

・留め置き方式:施設の協力を要するうえに、回収率や回答の精度は低くなる可

能性がある

・配布・後日回収方式:回収率が懸念され、また回収費(郵送費)がかかる

・ネット回答方式:ウェブサイトの構築が必要であり、また回収率も懸念される

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推計に必要となる最終的な消費単価データ(入力データ)は、次のような形となる。

図表9 消費単価入力フォーム-入力フォーム①

③「域内調達率」及び「経費構造データ」の取得

「域内調達率」及び「経費構造データ」については、観光関連事業者(宿泊施設、飲

食施設、土産品店・小売店、交通事業者、観光施設など)及びその事業者が取引を行っ

ている事業者(農林漁業者、製造業者、卸売業など)に対して調査を実施することによ

り、各事業者が域内の取引先・仕入れ先から仕入れている割合を把握する。

「域内調達率」については、比率が高ければ地域に落とされる金額が大きくなるため、

経済波及効果が高まることとなる。逆に比率が低いと、地域外に流出する金額が大きく

なるため、経済波及効果は限られることとなる。このため、いかにして域内調達率を高

めるかが重要となってくる。

調査対象となる事業者については、観光関連事業者は基本的に全て該当し、農林漁業

者、製造業者、卸売業等については、「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」との取引

がある事業者全てを対象とする(実際には、その中から調査協力を得られた事業者に対

して調査を行うこととなる)。

調査方法としては、アンケート調査及びヒアリング調査があげられる。

方法1 事業者アンケート調査

なるべく多くの事業者の動向を把握するため、調査項目を記したアンケート用紙

を作成し、対象となる事業者に送付する。事業者は、地元の行政機関(市役所など)、

商工会議所・商工会、観光協会等が有するリストを活用する。

調査項目としては、「域内調達率」「経費構造データ」に加え、経済波及効果の推

計に最低限必要となる次の項目を取り扱う(具体的な調査票イメージは「付属資料

3」を参照)。

3 観光消費単価を入力してください。

(1)宿泊サービス 円 円 0 円

(2)飲食サービス 円 円 0 円

(3)旅客運送サービス 円 円 0 円

(4)運送設備レンタルサービス 円 円 0 円

(5)旅行代理店その他の予約サービス 円 円 0 円

(6)文化サービス 円 円 0 円

(7)スポーツ・娯楽サービス 円 円 0 円

(8)小売 円 円 0 円

合計 0 円 0 円 0 円

*平均は日帰り客と宿泊客の人数で加重平均を算出

(日帰客) (宿泊客) (平均*)

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図表 10 現地アンケート調査における質問項目例

<事業所(店舗)の概要>

・名称 ・本店・支店の別 ・従業員数(うち対象地域内在住者数)

<事業所(店舗)の主な業種>

・業種

<事業所(店舗)の年間売上高>

・単独の売上高 ・本社・支店を含めた総売上高

<事業所(店舗)売上高に対する旅行・観光客売上比率>

・旅行・観光客売上比率

<【経費構造】事業所(店舗)売上高に対する経費・営業利益比率>

・原材料比率(製造・料理などの原材料費や販売用商品、及びそれに付随する

商品の仕入)

※事業所(店舗)の主な業種が「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」

の場合、「農林漁業者から直接仕入れる割合」「製造業者から直接仕入れ

る割合」「卸売業者(問屋)から仕入れる割合」「上記以外から仕入れる

割合」についても聞く。

・営業経費比率(旅費や通信費、水道光熱費、広告宣伝費、消耗品費、修繕費

など、製品やサービスの提供に必要となる費用)

・人件費比率(従業員の人件費)

・その他経費比率(減価償却費、租税公課、利息など)

・営業利益比率

<【域内調達率】事業所(店舗)における経費関係の支払先比率(地域内、地域

外)>

・原材料費(飲食関係、物販関係、その他(機材・備品等))

・営業経費

・人件費

アンケート回収数が増えるほど、域内調達率等のデータの精度が高まる。ただし、

経費比率など答えにくい項目も含まれるため、調査の目的(経営実態調査や税務調

査等ではないこと)や重要性が認識されないと、回収率の低下や無回答の増加、回

答内容の信頼性の低下につながることとなる。この傾向は、観光関連事業者以外の

事業者の場合に顕著であり、事前に観光から波及する仕組みや地域への効果等を十

分に説明することが肝要である。

方法2 事業者ヒアリング調査

ヒアリング調査は、基本的にアンケート調査を補うために実施する。アンケート

の回収数を増やすとともに、アンケート内容だけでは把握しきれない部分(事業所

の活動経緯、業界と地域の関係性、より細かな調達先など)について聞くことによ

り、今後の地域活性化策や観光振興策、産業振興策及びそれに伴う域内調達率の向

上策等に結びつけていく。

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例えば、飲食店の場合、同じ食材であっても、米、肉、魚、野菜、果物、調味料

など、素材によって調達先が異なる場合があるため、その調達先を確認することに

より、域内調達率が低いものに対する対応策の検討を行うことが重要である。

調査方法としては、まずは対象となる観光関連事業者の中から当該地域を代表す

る事業者を選定し、「事業者アンケート調査」で示しているアンケート内容をベース

にヒアリング調査を行う。その際にその事業者の取引先(仕入れ先)を確認し、そ

の中の代表的な事業者に対して同様のヒアリング調査を行うことにより、その業界

の動向及び域内調達状況等を把握する。

推計に必要となる最終的な域内調達率データ(入力データ)は、次のような形となる。

図表 11 域内調達率入力フォーム-入力フォーム④及び入力フォーム⑤

また、同様に必要となる経費構造データ(入力データ)については、モデルの構造上、

「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」とその他の業種ではフォームが異なる。最終的

には、次のような形となる。

図表 12 経費構造入力フォーム-入力フォーム②及び入力フォーム③

<「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」の場合>

7 各業種の域内調達率を入力してください。

①売上原価

②営業経費

③人件費

(1)宿泊サービス

5 各業種の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

うち、製造業者から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 0%

②営業経費

③人件費

④その他経費

⑤営業利益

(1)宿泊サービス

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<その他の業種の場合>

※「旅客輸送サービス」「輸送設備レンタルサービス」「旅行代理店その他の予

約サービス」「文化サービス」「スポーツ・娯楽サービス」及び二次波及先が

該当する。

(3)データ(域内調達率・経費構造等)が得られない場合の対応

業種が存在しないか、あるいは出先機関(支店等)なので実情が把握できない等の要

因により、一次波及先(観光関連事業者)あるいは二次波及先(取引先(仕入れ先))の

域内調達率や経費構造等のデータが得られない場合、以下の対応を行う。

域内調達率

●一次波及先が該当する場合(一次域内調達率が推計できない場合)

a.観光庁の「観光地域経済調査」データを代用する。

※「平成 24 年観光地域経済調査」のデータの代用について

「平成 24 年観光地域経済調査」によると、一次波及先から二次波及先

への調達比率は図表 13 のようになっている。

但し、これらは全国レベルのものであり、市町村等にそのまま当ては

まる数値ではないことに注意が必要である。実際の適用の際には、対象

地域の実情を考慮し、数字を加工することも検討すべきである。

図表 13 「平成 24 年観光地域経済調査」における観光関連業者の調達比率

市区町村内 都道府県内 他の都道府県 海外 不詳

宿泊事業(宿泊サービス) 50.0% 37.1% 12.1% 0.3% 0.6%

飲食サービス事業(飲食サービス) 38.7% 33.4% 25.1% 2.4% 0.4%

旅客運送事業・駐車場事業(旅客輸送サービス)

31.9% 14.4% 39.0% 0.1% 14.5%

物品賃貸事業(輸送設備レンタルサービス)

41.3% 49.8% 8.9% 0.0% 0.0%

社会教育事業(文化サービス) 41.4% 35.3% 21.4% 1.8% 0.0%

生活関連サービス、娯楽事業(スポーツ・娯楽サービス)

22.3% 29.6% 38.9% 3.1% 6.1%

小売業(小売) 18.7% 41.5% 36.6% 1.6% 1.6%

仕入・材料費、外注費調達比率観光関連業種

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価

②営業経費

③人件費

④その他経費

⑤営業利益

(3)旅客運送サービス

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b.一次域内調達率は「0」(波及なし)として処理する。

●二次波及先が該当する場合(二次域内調達率が推計できない場合)

a.他の業種における二次域内調達率/一次域内調達率の比率を当該の二次域内

調達率として適用する。

例)「文化サービス」の二次波及先のデータは得られないが、「スポーツ・

娯楽サービス」の二次波及先のデータが得られる場合

「文化サービス」の二次域内調達率

=「文化サービス」の一次域内調達率 ×

「スポーツ・娯楽サービス」の二次域内調達率/一次域内調達率

b.一次域内調達率を二次域内調達率にそのまま適用する

経費構造

a.経済産業省の「企業活動基本調査」、TKC グループの「TKC 経営指標(BAST)」などのデータを代用する。

※「平成 26 年企業活動基本調査速報」のデータの代用について

「平成 26 年企業活動基本調査速報」における観光関連産業の経費構造

は図表 14 のようになっている。

但し、これらは厳密には観光と直接関連しない企業も含まれており、

また産業別に明確に分類できない(例えば、「宿泊サービス」「旅客輸送

サービス」「旅行代理店その他の予約サービス」「スポーツ・娯楽サービ

ス」はいずれも「生活関連サービス・娯楽業」を代用している)ことに

注意が必要である。実際の適用の際には、対象地域の実情を考慮し、数

字を加工することも検討すべきである。

図表 14 「平成 26 年企業活動基本調査速報-平成 25 年度実績」における観光関連業者

の経費構造

観光関連産業 「企業活動基本調査」の産業区分 売上原価 営業経費 人件費 その他経費 営業利益 合計

宿泊サービス 生活関連サービス業、娯楽業 40% 28% 17% 10% 6% 100%

飲食サービス 飲食サービス業 34% 35% 20% 8% 3% 100%

旅客輸送サービス 生活関連サービス業、娯楽業 40% 28% 17% 10% 6% 100%

運送設備レンタルサービス

物品賃貸業 70% 9% 5% 11% 5% 100%

旅行代理店その他の

予約サービス生活関連サービス業、娯楽業 40% 28% 17% 10% 6% 100%

文化サービス 学術研究、専門・技術サービス業 70% 11% 12% 3% 4% 100%

スポーツ・娯楽サービス

生活関連サービス業、娯楽業 40% 28% 17% 10% 6% 100%

小売 小売業 61% 23% 9% 5% 2% 100%

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b.一般的な傾向は以下の通りである。実際の適用に際しては、業種や地域特性等

を考慮する必要がある。

●売上原価比率 10~50%(交通関係・施設関係等は低く、製造関係・卸

関係・販売関係等は高い傾向)

●営業経費比率 10~30%(交通関係等は低く、施設関係・製造関係・販

売関係・卸関係等は高い傾向)

●人件費比率 20~60%(施設関係・製造関係・卸関係は低く、交通関

係・販売関係等は高い傾向)

●その他経費率 10%未満

●営業利益率 0~10%

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1-1-3 推計結果の考え方

推計結果は、次の3種類の値を表示できる仕組みとする。

①現状における推計

現状の数値を入力することにより、現在の波及効果を推計する。

②域内調達率が変動した場合の推計(上位・下位推計)

現状に対して、将来的に域内調達率(「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」)

が上昇もしくは低下する場合を想定し、その変動幅を入力することにより、最大

(プラス)となる場合(上位推計)及び最小(マイナス)となる場合(下位推計)

の波及効果を推計する。

図表 15 推計結果イメージ

①現状での推計結果

①観光総消費額 ○億円

うち域内に残る額 ○億円

②生産誘発効果 ○億円

③家計迂回効果 ○億円

●消費 ○億円

●生産誘発効果分 ○億円

④経済波及効果(①+②+③) ○億円

⑤付加価値効果 ○億円

●直接効果 ○億円

●波及効果 ○億円

⑥雇用効果 ○人

●直接効果(観光雇用者数) ○人

●波及効果(誘発雇用者数) ○人

②下位推計結果 ②上位推計結果

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

億円(+○%)

人(+○%)

人(+○%)

人(+○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

億円(-○%)

人(-○%)

人(-○%)

人(-○%)

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1-2 簡易推計システムによる波及効果の推計(ケーススタディ1:豊岡市)

豊岡市における経済波及効果の推計について、「簡易推計システム」への入力内容と照ら

し合わせながら推計方法について述べていく。

1-2-1 波及効果推計のための基礎データの取得

(1)観光客数-入力フォーム①2

観光客数(日帰り及び宿泊)については、兵庫県がまとめた「平成 24 年度兵庫県観

光客動態調査報告書」に示されている豊岡市の観光客数の数値を用いた。

※平成 24 年度のデータであり、「(2)消費単価」のデータ(平成 26 年)と時期

がずれてしまうが、公表されている最新のデータであるため、この数値を活用す

ることとした。

図表 16 豊岡市を訪れた観光客数-入力フォーム①2

(2)消費単価-入力フォーム①3

平成 26 年に豊岡市を訪れた観光客の消費単価を推計するため、インターネットを活

用した「観光客アンケート調査」を実施した。

「観光客アンケート調査」の概要

●調査実施期間:平成 26 年 12 月 19 日(金)~12 月 22 日(月)

●調査対象者 :平成 26 年(1~12 月)に豊岡市を訪れたことのある近畿地域居

住者(三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和

歌山県)

※スクリーニング調査を行った結果、来訪経験者のほとんど

が近畿地域居住者であったため、地域を絞って対象者数を

確保した。

●対象件数(サンプル数):1,000 サンプル

●調査項目:

<スクリーニング調査>

・平成 26 年における豊岡市訪問経験の有無及び訪問月 ・回答者住所

<本調査>

(回答者について)

・年齢 ・性別 ・世帯年収 ・よく行う旅行タイプ

2 観光客数を入力してください。

観光客数 2,964 千人 1,082 千人 4,046 千人

(合計)(日帰客) (宿泊客)

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(豊岡市について)

・初めて知った情報源 ・豊岡市のイメージ

(来訪経験について)

・来訪回数 ・来訪頻度

(最新の旅行について)

・来訪目的 ・参加人数 ・参加形態(家族、友人など)

・旅行全体の泊数及び豊岡市での泊数

・訪問箇所(豊岡市内・豊岡市外)

・宿泊箇所(豊岡市内・豊岡市外) ・利用交通手段

・旅行手配方法(旅行会社利用、個人手配など)

・(ツアーの場合)ツアーに含まれる内容

・豊岡市での支払額(交通費、レンタカー代、ガソリン代、駐車場代、

宿泊代、飲食代、買い物代、施設利用料)

・(豊岡市内で飲食代を払った人に対して)利用したお店のタイプ(全国

チェーンの飲食店、地場産品の飲食店、全国チェーンの販売店、地場産

品を扱う販売店)

・(豊岡市内で買い物代を払った人に対して)利用したお店のタイプ(全

国チェーンの販売店、地場産品を扱う販売店)

・満足度、再来訪希望、親しい友人への紹介意向

このうち、「豊岡市での支払額」をもとに、豊岡市を訪れた観光客の総消費単価(宿泊・

日帰り別)及び項目別消費単価(同)の推計を行った。

なお、観光関連業種8項目(「宿泊サービス」「飲食サービス」「旅客輸送サービス」

「輸送設備レンタルサービス」「旅行代理店その他の予約サービス」「文化サービス」「ス

ポーツ・娯楽サービス」「小売」)のうち「文化サービス」及び「スポーツ・娯楽サー

ビス」については、アンケート項目の設計上消費額を分類することが困難であったた

め同一の扱い(入力箇所は「文化サービス」)とし、最終的には7項目について単価を

算出した。

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図表 17 豊岡市を訪れた観光客の消費単価-入力フォーム①3

(3)消費額-結果シート②1

「(1)観光客数」及び「(2)消費単価」のデータをもとに、総消費額及び項目別

消費額を推計した。

消費額 = 観光客数 × 消費単価

図表 18 豊岡市を訪れた観光客の消費額-結果シート②1

3 観光消費単価を入力してください。

(1)宿泊サービス 0 円 15,053 円 4,026 円

(2)飲食サービス 2,398 円 4,517 円 2,965 円

(3)旅客運送サービス 755 円 1,802 円 1,035 円

(4)運送設備レンタルサービス 47 円 214 円 92 円

(5)旅行代理店その他の予約サービス 0 円 0 円 0 円

(6)文化サービス 319 円 674 円 414 円

(7)スポーツ・娯楽サービス 0 円 0 円 0 円

(8)小売 2,782 円 5,559 円 3,525 円

合計 6,301 円 27,819 円 12,055 円

*平均は日帰り客と宿泊客の人数で加重平均を算出

(日帰客) (宿泊客) (平均*)

1 産業別の観光消費額

観光消費額 186.76 億円 301.00 億円 487.76 億円

宿泊サービス 0.00 億円 162.87 億円 162.87 億円

飲食サービス 71.08 億円 48.87 億円 119.95 億円

旅客運送サービス 22.38 億円 19.50 億円 41.88 億円

運送設備レンタルサービス 1.39 億円 2.32 億円 3.71 億円

旅行代理店その他の予約サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

文化サービス 9.46 億円 7.29 億円 16.75 億円

スポーツ・娯楽サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

小売 82.46 億円 60.15 億円 142.61 億円

合計日帰客 宿泊客

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(4)域内調達率及び経費構造-入力フォーム④7、入力フォーム⑤8、

入力フォーム②5、入力フォーム③6

豊岡市の観光関連事業者(一次波及先)及びその波及先(二次波及先)である取引

先(仕入れ先)の域内調達率(一次域内調達率及び二次域内調達率)及び経費構造の

データを取得するため、事業者を対象とする「事業者ヒアリング調査」を実施した。

なお、二次波及先としては、今回は「宿泊サービス」事業者が取引を行っている卸

売業を対象とした。

「事業者ヒアリング調査」の概要

●調査実施期間:平成 26 年 12 月~平成 27 年2月

●調査対象事業者:①観光関連業種8項目(「宿泊サービス」「飲食サービス」「旅

客輸送サービス」「輸送設備レンタルサービス」「旅行代理店

その他の予約サービス」「文化サービス」「スポーツ・娯楽サ

ービス」「小売」)に該当する主要な事業者(一次波及先)

②「宿泊サービス」事業者が取引を行っている飲食関係事業

者(二次波及先)

●調査項目:

<事業所(店舗)の概要>

・名称 ・本店・支店の別 ・従業員数(うち豊岡市内在住者数)

<事業所(店舗)の主な業種>

・業種

<事業所(店舗)の年間売上高>

・単独の売上高 ・本社・支店を含めた総売上高

<事業所(店舗)売上高に対する旅行・観光客売上比率>

・旅行・観光客売上比率

<【経費構造】事業所(店舗)売上高に対する経費・営業利益比率>

・原材料比率 ・営業経費比率 ・人件費比率

・その他経費比率 ・営業利益比率

※事業所(店舗)の主な業種が「宿泊サービス」の場合、原材料比率を聞

く際に、「農林漁業者から直接仕入れる割合」「製造業者から直接仕入れ

る割合」「卸売業者(問屋)から仕入れる割合」「上記以外から仕入れる

割合」についても確認した。

<【域内調達率】事業所(店舗)における経費関係の支払先比率(豊岡市内・

兵庫県内・兵庫県外)>

・原材料費

・営業経費

・人件費

<その他(自由意見)>

・豊岡市からの調達を難しくしている要因

・観光での売上を増やすために住民、民間事業者、行政が取り組むべきこと

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複数の事業者から得られた域内調達率データ及び経費構造データをもとに、業種ご

との域内調達率・経費構造を計算した。その際には、単純平均を行うのではなく、ヒ

アリング調査で得られた売上高で加重平均を取った。

(A 社と B 社をもとにした原材料費域内調達率の計算例:売上高での加重平均)

・市内の原材料費域内調達率

=(60%×500 万円+20%×2,000 万円)/(500 万円+2,000 万円)

=28%

以上の考え方に基づき推計した豊岡市における業種別の域内調達率データ及び経費

構造データは、以下のとおりである。

図表 19 観光関連業種の域内調達率-入力フォーム④7

売上高市内 県内 県外

A社 60% 30% 10% 500万円B社 20% 50% 30% 2,000万円

原材料費調達比率

①売上原価 82%

②営業経費 82%

③人件費 73%

①売上原価 49%

②営業経費 98%

③人件費 95%

①売上原価

②営業経費 100%

③人件費 67%

(2)飲食サービス

(1)宿泊サービス

(3)旅客運送サービス

①売上原価

②営業経費 21%

③人件費 100%

①売上原価

②営業経費

③人件費

(5)旅行代理店その他の予約サービス

(4)運送設備レンタルサービス

①売上原価 17%

②営業経費

③人件費 90%

(6)文化サービス

7 各業種の域内調達率を入力してください。

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28

図表 20 二次波及(仕入先)の域内調達率-入力フォーム⑤8

①売上原価 ①売上原価 85%

②営業経費 ②営業経費 93%

③人件費 ③人件費 100%

(8)小売(7)スポーツ・娯楽サービス

(1)宿泊サービスの仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価 25%

②営業経費 82%

③人件費 75%

農林漁業者

製造業者

卸売業(問屋)

(2)飲食サービスの仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

卸売業(問屋)

農林漁業者

製造業者

(3)小売の仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

農林漁業者

製造業者

①売上原価

②営業経費

③人件費

卸売業(問屋)

8 二次波及(仕入先)等の域内調達率を入力してください。

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29

図表 21 観光関連業種の経費構造-入力フォーム②5

5 各業種の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 21% ①売上原価 31%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合 5% うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

うち、製造業者から直接仕入れる割合 25% うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合 70% うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

うち、その他(上記以外)から仕入れる割合 0% うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 100% 合計 0%

②営業経費 16% ②営業経費 8%

③人件費 47% ③人件費 32%

④その他経費 9% ④その他経費 5%

⑤営業利益 7% ⑤営業利益 24%

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価 36%

②営業経費 ②営業経費 23%

③人件費 ③人件費 23%

④その他経費 ④その他経費 10%

⑤営業利益 ⑤営業利益 8%

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価 59%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

②営業経費 うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

③人件費 うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 0%

④その他経費 ②営業経費 18%

⑤営業利益 ③人件費 17%

④その他経費 3%

⑤営業利益 3%

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

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図表 22 二次波及(仕入先)の経費構造-入力フォーム③6

(5)その他の必要なデータ-入力フォーム①4、入力フォーム②5、

入力フォーム④7、入力フォーム⑥9

本モデルにて経済波及効果を推計するためには、以下のデータも必要となるため、

それぞれ入力を行った。

①限界消費性向(所得効果の推計に利用)-入力フォーム①4

所得の増加分に対する消費の増加分の割合。所得が1万円増加し、そのうち7千

円を消費に回す場合、限界消費性向は 0.7(7千円/1万円)となる。

総務省の「家計調査年報 家計収支編」より算出する(「総世帯のうち勤労者世帯」

における実収入に対する消費支出の比率)。近年は概ね「0.6」前後となる傾向がみ

られるため、ここでは「0.6」とした。

②域内消費率(所得効果の推計に利用)-入力フォーム①4

消費を行う際に、地域内で使う割合。地域において「購買動向調査」を行ってい

ればそこから推計するが、行っていない地域の場合、近年は概ね「80~90%」前後

となる傾向がみられるため、これをもとに地域特性や地理的条件を考慮したうえで

設定する。

ここでは、豊岡市内で買い物を行うことが十分可能で、また大阪・京都・神戸な

どの大消費地までは距離があるため、「90%」とした。

6 二次波及(仕入先)等の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 76%

②営業経費 5%

③人件費 10%

④その他経費 3%

⑤営業利益 6%

(9)農林漁業 (10)製造業

(11)卸売業

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31

③年間給与所得平均(全国)(雇用効果の推計に利用)-入力フォーム①4

国税庁の「民間給与実態統計調査」のデータ(4,136,000 円)を使用した。

④給与地域補正値(雇用効果の推計に利用)-入力フォーム①4

給与の地域差を表す指標。(株)JPS が毎年発行している「個人所得指標」から豊

岡市のデータ(平成 25 年度は 72.9%)を使用した。

⑤調査対象期間(雇用効果の推計に利用)-入力フォーム①4

1年間(12 ヶ月)とした。

⑥域内人口(所得効果の推計に利用)-入力フォーム①4

豊岡市の人口(平成 27 年 2 月 28 日現在 85,559 人)を入力した。

図表 23 その他の指標-入力フォーム①4

⑦全産業の経費構造(推計全般に利用)-入力フォーム②5

対象地域の産業全体の経費構造のことで、観光業以外の産業への波及の計算に用

いられるため、必ず入力が必要。観光産業と同様にアンケート調査・ヒアリング調

査から把握するのが望ましいが、それが難しい場合、地域特性を考慮しつつ、既存

統計をもとに、地域特性を考慮したうえで設定する。

ここでは、経済産業省の「平成 26 年企業活動基本調査」の「産業別、1企業当た

り営業費用、支払利息等、支払いリース料(附表)」及び産業別、1企業当たり売上

高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率(付

表5)を用いることとした。

図表 24 「平成 26 年企業活動基本調査」における全産業の経費構造

4 その他の指標を入力してください

(1)限界消費性向 60%

(2)域内消費率 90%

(3)年間給与所得平均(全国) ¥4,090,000

(4)給与地域補正値 73%

(5)調査対象期間 12 ヶ月

(6)域内人口 85,559 人

総務省「家計調査」から算出

自地域の「購買動向調査」等から推計

国税庁「民間給与実体統計調査」から入力

JPS「個人所得指標」から自地域の値を入力

売上原価 70%営業経費 14%人件費 8%その他経費 4%営業利益 3%合計 100%

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最終的には、観光産業が多い豊岡の特性を踏まえて、次のように設定した。

図表 25 全産業の経費構造-入力フォーム②5

⑧全産業の域内調達率(推計全般に利用)-入力フォーム④7

対象地域の産業全体の域内調達率のことで、観光業以外の産業への波及の計算に

用いられるため、必ず入力が必要。観光産業と同様にアンケート調査・ヒアリング

調査から把握するのが望ましいが、それが難しい場合、地域特性を考慮しつつ、主

要産業の域内調達率をもとに入力する。

ここでは、豊岡市の主要産業の域内調達率を用いた。

図表 26 全産業の域内調達率-入力フォーム④7

⑨本社比率(推計全般に利用)-入力フォーム⑥9

その他経費(租税公課や支払利息など)や営業利益等は基本的に本社(単独事業

所を含む)に発生する。事業者アンケート調査・ヒアリング調査より、産業別の本

社比率を推計し入力するのが望ましいが、それが難しい場合、「経済センサス」(総

務省実施)における市町村別の「単独事業所」「本所・本社・本店」「支所・支社・

支店」の事業所数の比率で代用する等の措置を取る。

ここでは、「平成 24 年経済センサス-活動調査 事業所に関する集計-産業横断

的集計(売上(収入)金額等)」における豊岡市の「単独事業所」「本所・本社・本

店」「支所・支社・支店」の事業所数をもとに、本社比率を推計・入力した。

①売上原価 57%

②営業経費 72%

③人件費 76%

★全産業

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 50%

②営業経費 20%

③人件費 23%

④その他経費 4%

⑤営業利益 3%

★全産業

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33

図表 27 本社比率-入力フォーム⑥9

9

④本社比率 94% ④本社比率 94%

④本社比率 59% ④本社比率 92%

④本社比率 90% ④本社比率 87%

④本社比率 90% ④本社比率 80%

④本社比率 81% ④本社比率 92%

④本社比率 80% ④本社比率 85%

★全産業

(9)農林漁業者 (10)製造業者

(11)卸売業(問屋)

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

域内事業者の本社比率を入力してください。

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

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1-2-2 推計モデルの構築

(1)一次波及について

豊岡市の場合、「旅客輸送サービス」「輸送設備レンタルサービス」については事業者

数が少なく、域内調達率を把握することが不可能であった。また、「旅行代理店その他の

予約サービス」についても、該当する事業者がなかった。

このため、この3業種については「波及なし」という扱いとし、「宿泊サービス」「飲

食サービス」「文化サービス/スポーツ・娯楽サービス」「小売」の4項目にて波及効果を

推計することとした。

(2)二次波及について

「宿泊サービス」については、二次波及先を「農林漁業者」「製造業者」「卸売業」「その

他」に区分した。一方、「飲食サービス」「文化サービス、スポーツ・娯楽サービス」「小

売」については、それぞれ二次波及先を一元化して扱うこととした。

(3)三次波及について

「宿泊サービス」の二次波及先である「卸売業者」から「二次仕入れ先」への波及に

ついては、推計した域内調達率(二次域内調達率)を適用した。「農林漁業者」「製造業者」

「その他」については、データがないため、ゼロ扱いとした。

「飲食サービス」「文化サービス、スポーツ・娯楽サービス」「小売」については、一

次域内調達率を二次域内調達率に適用した。

(4)四次波及以降について

各項目における三次以降の域内調達率については、それぞれ二次域内調達率を適用し

た(乗数計算)。

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35

図表 28 豊岡モデル-結果シート③

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36

1-2-3 推計結果-結果シート①

(1)現状での波及効果

豊岡市における経済波及効果の推計結果は以下のとおりとなった。

経済波及効果は約 930 億円(乗数 1.91)、付加価値効果(所得効果)は約 278 億円、

雇用効果は 5,370 人となった。

図表 29 現状での波及効果推計結果

(2)上位推計結果

「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」の域内調達率がそれぞれ5ポイント(%)

上昇すると、経済波及効果は 945 億円(+1.6%、乗数 1.94)、付加価値効果(所得効果)

は 282 億円(+1.3%)、雇用効果は 5,438 人(+1.5%)となる。

図表 30 上位推計結果

項目 推計結果 増減①観光消費額(A) 488億円 ±0.0%  うち域内に残る額 285億円 +2.7%②生産誘発効果(B) 305億円 +4.5%③家計迂回効果(C+D) 152億円 +1.3% ●消費分(C) 108億円 ±0.0% ●生産誘発効果分(D) 44億円 +4.5%④経済波及効果(①+②+③) 945億円 +1.6%⑤付加価値効果(所得効果)(F+G) 282億円 +1.3% ●直接波及(E) 175億円 ±0.0% ●波及効果(F-E+G) 107億円 +3.4%⑥雇用効果(H+I) 5,438人 +1.3% ●直接効果(観光雇用者数)(H) 3,674人 ±0.0% ●波及効果(誘発雇用者数)(I) 1,764人 +4.0%

項目 推計結果

①観光消費額(A) 488億円

  うち域内に残る額 277億円

②生産誘発効果(B) 292億円③家計迂回効果(C+D) 150億円

 ●消費分(C) 108億円

 ●生産誘発効果分(D) 42億円

④経済波及効果(①+②+③) 930億円

⑤付加価値効果(所得効果)(F+G) 278億円 ●直接波及(E) 175億円

 ●波及効果(F-E+G) 104億円

⑥雇用効果(H+I) 5,370人

 ●直接効果(観光雇用者数)(H) 3,674人 ●波及効果(誘発雇用者数)(I) 1,696人

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37

(3)下位推計結果

「宿泊サービス」の域内調達率は変わらず、「飲食サービス」の域内調達率が5ポイン

ト(%)、「小売」の域内調達率が3ポイント(%)低下すると、経済波及効果は 920 億

円(-0.9%、乗数 1.89)、付加価値効果(所得効果)は 276 億円(-0.7%)、雇用効果

は 5,330 人(-0.7%)となる。

図表 31 下位推計結果

※上位推計及び下位推計では、「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」の域内調達率の

ポイントを自由に設定・入力することが可能であり、図表 30 及び図表 31 はその一例

として掲げている。

項目 推計結果 増減

①観光消費額(A) 488億円 ±0.0%

  うち域内に残る額 273億円 -1.6%

②生産誘発効果(B) 284億円 -2.6%

③家計迂回効果(C+D) 149億円 -0.7%

 ●消費分(C) 108億円 ±0.0%

 ●生産誘発効果分(D) 41億円 -2.6%

④経済波及効果(①+②+③) 920億円 -0.9%

⑤付加価値効果(所得効果)(F+G) 276億円 -0.7%

 ●直接波及(E) 175億円 ±0.0%

 ●波及効果(F-E+G) 101億円 -2.0%

⑥雇用効果(H+I) 5,330人 -0.7%

 ●直接効果(観光雇用者数)(H) 3,674人 ±0.0%

 ●波及効果(誘発雇用者数)(I) 1,657人 -2.3%

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38

図表 32 簡易推計システムにおける入力フォーム①

1 調査エリア名を入力してください。

調査エリア名

2 観光客数を入力してください。

観光客数 2,964 千人 1,082 千人 4,046 千人

3 観光消費単価を入力してください。

(1)宿泊サービス 0 円 15,053 円 4,026 円

(2)飲食サービス 2,398 円 4,517 円 2,965 円

(3)旅客運送サービス 755 円 1,802 円 1,035 円

(4)運送設備レンタルサービス 47 円 214 円 92 円

(5)旅行代理店その他の予約サービス 0 円 0 円 0 円

(6)文化サービス 319 円 674 円 414 円

(7)スポーツ・娯楽サービス 0 円 0 円 0 円

(8)小売 2,782 円 5,559 円 3,525 円

合計 6,301 円 27,819 円 12,055 円

*平均は日帰り客と宿泊客の人数で加重平均を算出

4 その他の指標を入力してください

(1)限界消費性向 60%

(2)域内消費率 90%

(3)年間給与所得平均(全国) ¥4,136,000

(4)給与地域補正値 73%

(5)調査対象期間 12 ヶ月

(6)域内人口 85,559 人

総務省「家計調査」から算出

自地域の「購買動向調査」等から推計

国税庁「民間給与実体統計調査」から入力

JPS「個人所得指標」から自地域の値を入力

観光経済波及効果簡易推計システム

(日帰客) (宿泊客)

(合計)

豊岡市

(平均*)

(日帰客) (宿泊客)

(入力のヒント)

限界消費性向

所得効果を推計する際に利用する指標。所

得の増えた分の何割を消費に回すかを示し

ます。総務省「家計調査」から算出します。

域内消費率

所得効果を推計する際に利用する指標。

所得を得て消費しようとする域内住民が、

その消費額をどれだけ域内で使うかを示し

ます。自地域の購買動向調査等から推計し

ます。

給与地域補正値

雇用効果を推計する際に利用する指標。

自地域の所得水準を全国平均を100とした

ものと比較したものです。

調査対象期間

雇用効果を推計する際に利用する指標。

調査を実施した期間をヶ月で入力。

域内人口

域内消費率目安の算出に利用する指標。

入力フォーム①

(入力のヒント)

観光客数について

地域に訪れた来訪客のこと。「観光入込客

数」とも言います。観光消費の波及効果推

計には、まず、観光客の人数、ボリューム

を明らかとすることが必要です。観光庁で

は、これまで地域ごとにバラバラだった統

計方法を見直すため、平成21年「観光入

込客統計に関する共通基準」を策定、それ

に基づき都道府県が調査を実施した「観光

入込客統計調査データ」を全国集計してい

ます。市町村レベルでも「観光入込客統計

調査」を実施している自治体が増えつつあ

ります。

観光消費単価とは

観光客が消費した金額のこと。観光客にア

ンケート調査等で地域内で使った金額をた

ずね、一人当たりの消費単価(平均値)を

求めます。その際、サービス 分野ごとに8

業種の内訳や日帰客、宿泊客の内訳も整理

します。一般に日帰り客よりも、宿泊客の

方が消費単価も大きいため、経済効果推計

を行うにあたっては、重要な数値となりま

す。

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39

図表 33 簡易推計システムにおける入力フォーム②

5 各業種の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 21% ①売上原価 31%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合 5% うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

うち、製造業者から直接仕入れる割合 25% うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合 70% うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

うち、その他(上記以外)から仕入れる割合 0% うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 100% 合計 0%

②営業経費 16% ②営業経費 8%

③人件費 47% ③人件費 32%

④その他経費 9% ④その他経費 5%

⑤営業利益 7% ⑤営業利益 24%

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価 36%

②営業経費 ②営業経費 23%

③人件費 ③人件費 23%

④その他経費 ④その他経費 10%

⑤営業利益 ⑤営業利益 8%

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

観光経済波及効果簡易推計システム

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

入力フォーム②

(入力のヒント)

売上に対する比率について

ここでは、サービス 分野8業種における事業構造を把握し、売上高の内訳(構成比)を整理、入力します。

売上に対する比率の算出方法

事業所に対しアンケートやヒアリングを行い、事業所の売上、および売上に対する原材料費等の割合を調べます。売上高の構成には様々な区分

方法がありますが、経済効果推計に適した区分として、売上原価、営業販売費・一般管理費、人件費、その他、及び、営業利益の5つに区分し

て整理を行います。なお、原材料費については、その内訳も整理します(二次波及の算出に利用します)。

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(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価 59%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

②営業経費 うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

③人件費 うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 0%

④その他経費 ②営業経費 18%

⑤営業利益 ③人件費 17%

④その他経費 3%

⑤営業利益 3%

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 50%

②営業経費 20%

③人件費 23%

④その他経費 4%

⑤営業利益 3%

★全産業

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

(入力のヒント)

全産業の経費構造について

乗数理論により推計を行う際には、地域の産業全体の経費構造を把握

することが必要です。この数値については事業者アンケート調査にて

サービス分野8業種以外の産業についても経費構造を把握し、平均値

を求める、あるいは事業者ヒアリングから推計します。

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41

図表 34 簡易推計システムにおける入力フォーム③

6 二次波及(仕入先)等の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 76%

②営業経費 5%

③人件費 10%

④その他経費 3%

⑤営業利益 6%

観光経済波及効果簡易推計システム

(9)農林漁業 (10)製造業

(11)卸売業

入力フォーム③

(入力のヒント)

二次波及(仕入れ先)の経費構造についてサービス分野8業種の中でも、観光消費額の高い宿泊サービス、飲食

サービス、小売については、それらの二次波及(仕入先)の中心とな

る、農林水産業、製造業(メーカー)、卸売業の経費構造を把握しま

す。

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42

図表 35 簡易推計システムにおける入力フォーム④

7

①売上原価 82%

②営業経費 82%

③人件費 73%

①売上原価 49%

②営業経費 98%

③人件費 95%

①売上原価

②営業経費 100%

③人件費 67%

①売上原価

②営業経費 21%

③人件費 100%

①売上原価 ①売上原価 17%

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費 90%

①売上原価 ①売上原価 85%

②営業経費 ②営業経費 93%

③人件費 ③人件費 100%

①売上原価 57%

②営業経費 72%

③人件費 76%

★全産業

(8)小売(7)スポーツ・娯楽サービス

(5)旅行代理店その他の予約サービス

(4)運送設備レンタルサービス

(2)飲食サービス

(6)文化サービス

観光経済波及効果簡易推計システム

(1)宿泊サービス

各業種の域内調達率を入力してください。

(3)旅客運送サービス

入力フォーム④

(入力のヒント)

域内調達率について

域内調達率により観光消費の地元に与える影

響が異なります。そこで、原材料費や営業経

費、人件費(雇用者)がどの程度、自地域内

から調達されているか、すなわち地域内調達

率を明らかにします。例えば、地域のうどん

屋さんの売上のうち、50%が原材料費(主に

小麦粉などの食材)だったとします。小麦粉

の仕入先が市内の農業者から直接仕入れたの

か、県外の問屋から仕入れたのかによって、

域内に残る観光消費額に違いがでてきます。

域内調達率の算出方法

域内調達率表を埋めるには、以下の2つの手

法があります。

1. 地域内の事業所にアンケート調査を実施し

て取得する

2. 既存の統計資料の統計値を加工するなどし

て対応する

全産業の域内調達率について

全産業の域内調達率については、経費構造と

同様に、事業者アンケート調査にてサービス

分野8業種以外の産業についても把握し平均

値を求める、あるいは事業者ヒアリングから

推計します。

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43

図表 36 簡易推計システムにおける入力フォーム⑤

8 二次波及(仕入先)等の域内調達率を入力してください。

(1)宿泊サービスの仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価 25%

②営業経費 82%

③人件費 75%

(2)飲食サービスの仕入れ先 (3)小売の仕入れ先

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

製造業者

卸売業(問屋)

農林漁業者農林漁業者

製造業者

卸売業(問屋)

農林漁業者

製造業者

卸売業(問屋)

観光経済波及効果簡易推計システム

入力フォーム⑤

(入力のヒント)

二次波及の域内調達率とは

ここでは仕入先が原材料等をどこから調

達しているかを把握します。例えば、地

域内のうどん屋さんが、原材料費(主に

小麦粉などの食材)を100%地域内の問

屋から仕入れていたとします。さらに追

跡調査として、その問屋の仕入れ先を把

握することで、より細かく域内に残る観

光消費額を把握することができます。

二次波及の域内調達率の算出方法について

前述の事業者ヒアリングの際に、仕入れ

先を聞き、仕入れ先の追跡調査する方法

があります。

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44

図表 37 簡易推計システムにおける入力フォーム⑥

9

④本社比率 94% ④本社比率 94%

④本社比率 59% ④本社比率 92%

④本社比率 90% ④本社比率 87%

④本社比率 90% ④本社比率 80%

④本社比率 81% ④本社比率 92%

④本社比率 80% ④本社比率 85%

★全産業

(9)農林漁業者 (10)製造業者

(11)卸売業(問屋)

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

域内事業者の本社比率を入力してください。

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

観光経済波及効果簡易推計システム

(入力のヒント)

域内事業者の本社比率とは

経費構造のうち、④その他経費、⑤営業利益は基本的に本社、本店に発生しますので、産業別の域内事業者の

本社比率も把握することが必要です。事業者アンケート調査やヒアリング調査時に本社が域内かどうかを把握

し推計します。推計が難しい場合には、経済センサス(活動調査ー事業所に関する集計)や地域の実情を考慮し

て推計します。

入力フォーム⑥

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45

図表 38 簡易推計システムにおける豊岡市の経済波及効果推計結果①

宿泊サービスの域内調達率 ダウン ダウン の推計結果 日帰り客観光消費単価が 円 観光客数が 千人 の推計結果 宿泊サービスの域内調達率 アップ アップ の推計結果

飲食サービスの域内調達率 ダウン 宿泊客観光消費単価が 円 飲食サービスの域内調達率 アップ

※ポイントは%の差分(例:5ポイントアップとは、80%の域内調達率が85%に増加することを意味する) ※ポイントは%の差分(例:5ポイントアップとは、80%の域内調達率が85%に増加することを意味する)

A 億円 (うち、域内に残る観光消費額 億円 ) A 億円 (うち、域内に残る観光消費額 億円 ) A 億円 (うち、域内に残る観光消費額 億円 )

減少 減 少 増 加 増 加

億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円

B 億円 G 億円 D 消費 億円 B 億円 G 億円 D 消費 億円 B 億円 G 億円 D 消費 億円

減少 減 少 減 少 増 加 増 加 増 加

E 億円 億円 E 億円 億円 E 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円

F 億円 C 消費 億円 F 億円 C 消費 億円 F 億円 C 消費 億円

減 少 増 加

総額(A+B+C+D) 億円 (※乗数 1.89 ) 総額(A+B+C+D) 億円 (※乗数 1.91 ) 総額(A+B+C+D) 億円 (※乗数 1.94 )

減 少 減少 増 加 増加

直接効果 (E) 波及効果 (F-E+G) 総額 (F+G) 直接効果 (E) 波及効果 (F-E+G) 総額 (F+G) 直接効果 (E) 波及効果 (F-E+G) 総額 (F+G)

所得 億円 + 所得 億円 = 億円 所得 億円+ 所得 億円 = 億円 所得 億円 + 所得 億円 = 億円

減 少 減 少 減 少 増加 増 加 増 加

直接効果 (H) 波及効果 (I) 総数 (H+I) 直接効果 (H) 波及効果 (I) 総数 (H+I) 直接効果 (H) 波及効果 (I) 総数 (H+I)

雇用者数 人 + 雇用者数 人 = 人 雇用者数 人 + 雇用者数 人 = 人 雇用者数 人 + 雇用者数 人 = 人

減 少 減 少 減 少 増加 増 加 増 加

雇用効果

3,674 1,657 5,330

… …

総額所得 200.08 108.04

観光消費の経済波及効果

920.76

付加価値効果

174.76 101.45 276.21

第2次波及

所得 22.11 消費 11.94

第3次波及

所得 2.80 消費 1.51

波及総額 283.84 総額所得 76.14 41.11

家計迂回効果(消費)

直接効果

所得 174.76 消費 94.37

第3次波及 29.83 所得 8.00 消費 4.32

… … …

下位推計(※売上原価の域内調達率が低下)

観光消費額

観光消費額 487.76 273.00

観光消費の経済波及効果

944.55

付加価値効果

174.76 107.03 281.79

直接効果

所得 174.76 消費 94.37

第2次波及

所得 22.11 消費 11.94

… … …

雇用効果

3,674 1,764 5,438

第3次波及

所得 2.80 消費 1.51

… …

総額所得 200.08 108.04

0 .0 % 3 .4% 1 .3 %

81.71 44.12

家計迂回効果(消費)

20.02 消費 10.81

第3次波及 32.01 所得 8.59 消費 4.64

4 .5 %

第2次波及 74.62 所得

推計結果

6 ,3 01 4 ,0 46

第2次波及

波及総額 304.62 総額所得

上位推計(※売上原価の域内調達率が向上)

観光消費額

観光消費額 487.76 284.86

生産誘発効果 家計迂回効果(生産誘発効果によるもの)

直接効果 173.94 所得 46.66 消費 25.19

総額所得 78.20 4 2 .2 3

第3次波及

雇用効果

10 8 . 0 4

第3次波及

所得 2.80 消費 1.51

第2次波及

所得 22.11 消費 11.94

家計迂回効果(消費)

直接効果

所得 174.76

3,674 1,696 5 ,37 0

観光経済波及効果簡易推計システム

観光消費の経済波及効果

9 29 .5 5

付加価値効果

174.76 103.51 27 8 .2 7

… …

総額所得 200.08

消費 94.37

… …

波及総額 291 .52

30.63 所得 8.22 消費 4.44

所得 19.15 消費 10.34

観光消費額

観光消費額 487 .76

生産誘発効果 家計迂回効果(生産誘発効果によるもの)

直接効果 166.46 所得 44.65 消費 24.11

277.38

5 ポイ ント 5ポイ ント

5 ポイ ント

0ポイント 3ポイント

5ポイント

小売の

域内調達

小売の

域内調達

率 27 ,81 9

生産誘発効果 家計迂回効果(生産誘発効果によるもの)

直接効果 162.07 所得 43.47 消費 23.48

71.41第2次波及 69.53 所得 18.65 消費 10.07

0 .0 % 4 .0% 1 .3 %

0 .0 % 1 .6 %

2 .6 % 2 .6% 2 .6%

0 .0%

0 .9% .0 2ポイント

0 .0% 2 .0% 0 .7%

0 .0% 2 .3% 0 .7%

4 .5 %4 .5%

2 .7%0 .0 %

0 .0 %

1 .6% .03 ポイント

結果シート①(総括)

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47

図表 39 簡易推計システムにおける豊岡市の経済波及効果推計結果②

1 産業別の観光消費額

観光消費額 186.76 億円 301.00 億円 487.76 億円

宿泊サービス 0.00 億円 162.87 億円 162.87 億円

飲食サービス 71.08 億円 48.87 億円 119.95 億円

旅客運送サービス 22.38 億円 19.50 億円 41.88 億円

運送設備レンタルサービス 1.39 億円 2.32 億円 3.71 億円

旅行代理店その他の予約サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

文化サービス 9.46 億円 7.29 億円 16.75 億円

スポーツ・娯楽サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

小売 82.46 億円 60.15 億円 142.61 億円

2 域内に残る観光消費額

観光消費額 166.46 億円 110.92 億円 277.38 億円

宿泊サービス 40.91 億円 17.69 億円 58.60 億円

飲食サービス 27.62 億円 9.40 億円 37.03 億円

旅客運送サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

運送設備レンタルサービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

旅行代理店その他の予約サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

文化サービス 1.02 億円 0.00 億円 1.02 億円

スポーツ・娯楽サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

小売 95.39 億円 23.87 億円 119.26 億円

合計

観光経済波及効果簡易推計システム

売上原価および

営業経費として人件費として 合計

日帰客 宿泊客

結果シート②(読み解くヒント)

産業別の観光消費額

サービス 分野ごとに8業種に

落とされた消費額の総計です

が、地域内に観光によって新

たに生じた「需要」と考える

ことができます。この観光消

費額が様々な波及効果を生む

原資となります。

域内に残る観光消費額

売上高のうち、外部へ流出す

る可能性がある売上原価、営

業経費、人件費にそれぞれの

域内調達率をかけ合わせるこ

とで、各相当額のうち、域内

に留まる金額が算出されます。

これにより観光消費が、域内

の経済活動に与えた直接的な

影響度がわかります。

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49

図表 40 簡易推計システムにおける豊岡市の経済波及効果推計結果③

売上原価の調達構造

(一次波及) 域内調達率

売上原価

比率* 調達割合 (二次波及)域内調達率

** (三次波及) 域内調達率

5% - -

25% - -

70% 25% 25%

0% 57% 57%

- - -

- - -

- - -

- 57% 57%

57% 57%

57% 57%

57% 57%

57% 57%

57% 57%

- - -

- - -

- - -

- 57% 57%

*売上原価比率=売上原価/売上高 **その他(上記以外)、<仕入れ先>は全産業の比率

観光経済波及効果簡易推計システム

農林漁業者 農林漁業者

(1)宿泊サービス 製造業者 製造業者82%

3

(4)輸送設備レンタルサービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

卸売業者(問屋) 卸売業者(問屋)

農林漁業者 農林漁業者

(2)飲食サービス 製造業者 製造業者

卸売業者(問屋) 卸売業者(問屋)

(3)旅客運送サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

49%

(5)旅行代理店その他の予約サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

(6)文化サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

(8)小売 製造業者 製造業者

85%

(7)スポーツ・娯楽サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

農林漁業者 農林漁業者

17%

その他(上記以外) 卸売業者(問屋)

21%

31%

36%

59%

その他(上記以外) 卸売業者(問屋)

その他(上記以外) 卸売業者(問屋)

卸売業者(問屋) 卸売業者(問屋)

結果シート③

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1-3 簡易推計システムによる波及効果の推計(ケーススタディ2:富岡市)

富岡市における経済波及効果の推計について、「簡易推計システム」への入力内容と照ら

し合わせながら推計方法について述べていく。

1-3-1 波及効果推計のための基礎データの取得

(1)観光客数-入力フォーム①2

観光客数(日帰り及び宿泊)については、群馬県観光局観光物産課がまとめた「平成

25 年度観光客数・消費額調査(推計)結果」に示されている富岡市の観光客数の数値

を用いた。

※平成 25 年度のデータであり、「(2)消費単価」のデータ(平成 26 年)と時期

がずれてしまうが、公表されている最新のデータであるため、この数値を活用す

ることとした。

図表 41 富岡市を訪れた観光客数-入力フォーム①2

(2)消費単価-入力フォーム①3

平成 26 年に富岡市を訪れた観光客の消費単価を推計するため、インターネットを活

用した「観光客アンケート調査」を実施した。

「観光客アンケート調査」の概要

●調査実施期間:平成 26 年 12 月 19 日(金)~12 月 22 日(月)

●調査対象者 :平成 26 年(1~12 月)に富岡市を訪れたことのある関東地域居

住者(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神

奈川県)

※スクリーニング調査を行った結果、来訪経験者のほとんどが

関東地域居住者であったため、地域を絞って対象者数を確

保した。

●対象件数(サンプル数):1,000 サンプル

●調査項目:

<スクリーニング調査>

・平成 26 年における富岡市訪問経験の有無及び訪問月 ・回答者住所

<本調査>

(回答者について)

2 観光客数を入力してください。

観光客数 2,070 千人 157 千人 2,227 千人

(合計)(日帰客) (宿泊客)

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52

・年齢 ・性別 ・世帯年収 ・よく行う旅行タイプ

(富岡市について)

・初めて知った情報源 ・富岡市のイメージ

・「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産の認知

(来訪経験について)

・来訪回数 ・来訪頻度

(最新の旅行について)

・来訪目的 ・参加人数 ・参加形態(家族、友人など)

・旅行全体の泊数及び富岡市での滞在時間

・訪問箇所(富岡市内・富岡市外)

・宿泊箇所(富岡市内・富岡市外) ・利用交通手段

・旅行手配方法(旅行会社利用、個人手配など)

・(ツアーの場合)ツアーに含まれる内容

・富岡市での支払額(交通費、レンタカー代、ガソリン代、駐車場代、

宿泊代、飲食代、買い物代、施設利用料)

・(富岡市内で飲食代を払った人に対して)利用したお店のタイプ(全国

チェーンの飲食店、地場産品の飲食店、全国チェーンの販売店、地場産

品を扱う販売店)

・(富岡市内で買い物代を払った人に対して)利用したお店のタイプ(全

国チェーンの販売店、地場産品を扱う販売店)

・満足度、再来訪希望、親しい友人への紹介意向

このうち、「富岡市での支払額」をもとに、富岡市を訪れた観光客の総消費単価(宿泊・

日帰り別)及び項目別消費単価(同)の推計を行った。

なお、観光関連業種8項目(「宿泊サービス」「飲食サービス」「旅客輸送サービス」

「輸送設備レンタルサービス」「旅行代理店その他の予約サービス」「文化サービス」「ス

ポーツ・娯楽サービス」「小売」)のうち「文化サービス」及び「スポーツ・娯楽サー

ビス」については、アンケート項目の設計上消費額を分類することが困難であったた

め同一の扱い(入力箇所は「文化サービス」)とし、最終的には7項目について単価を

算出した。

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53

図表 42 富岡市を訪れた観光客の消費単価-入力フォーム①

(3)消費額-結果シート②1

「(1)観光客数」及び「(2)消費単価」のデータをもとに、総消費額及び項目別消

費額を推計した。

消費額 = 観光客数 × 消費単価

図表 43 富岡市を訪れた観光客の消費額-結果シート②1

3 観光消費単価を入力してください。

(1)宿泊サービス 0 円 7,878 円 555 円

(2)飲食サービス 1,158 円 2,878 円 1,279 円

(3)旅客運送サービス 528 円 1,318 円 584 円

(4)運送設備レンタルサービス 56 円 110 円 60 円

(5)旅行代理店その他の予約サービス 0 円 0 円 0 円

(6)文化サービス 585 円 1,097 円 621 円

(7)スポーツ・娯楽サービス 0 円 0 円 0 円

(8)小売 1,622 円 2,951 円 1,716 円

合計 3,949 円 16,232 円 4,815 円

*平均は日帰り客と宿泊客の人数で加重平均を算出

(日帰客) (宿泊客) (平均*)

1 産業別の観光消費額

観光消費額 81.74 億円 25.48 億円 107.23 億円

宿泊サービス 0.00 億円 12.37 億円 12.37 億円

飲食サービス 23.97 億円 4.52 億円 28.49 億円

旅客運送サービス 10.93 億円 2.07 億円 13.00 億円

運送設備レンタルサービス 1.16 億円 0.17 億円 1.33 億円

旅行代理店その他の予約サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

文化サービス 12.11 億円 1.72 億円 13.83 億円

スポーツ・娯楽サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

小売 33.58 億円 4.63 億円 38.21 億円

合計日帰客 宿泊客

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54

(4)域内調達率及び経費構造-入力フォーム④7、入力フォーム⑤8、

入力フォーム②5、入力フォーム③6

富岡市の観光関連事業者(一次波及先)の域内調達率(一次域内調達率)及び経費構

造のデータを取得するため、事業者を対象とする「事業者ヒアリング調査」を実施し

た。

「事業者ヒアリング調査」の概要

●調査実施期間:平成 26 年 12 月~平成 27 年2月

●調査対象事業者:観光関連業種8項目(「宿泊サービス」「飲食サービス」「旅客

輸送サービス」「輸送設備レンタルサービス」「旅行代理店その

他の予約サービス」「文化サービス」「スポーツ・娯楽サービス」

「小売」)に該当する主要な事業者(一次波及先)

●調査項目:

<事業所(店舗)の概要>

・名称 ・本店・支店の別 ・従業員数(うち富岡市内在住者数)

<事業所(店舗)の主な業種>

・業種

<事業所(店舗)の年間売上高>

・単独の売上高 ・本社・支店を含めた総売上高

<事業所(店舗)売上高に対する旅行・観光客売上比率>

・旅行・観光客売上比率

<【経費構造】事業所(店舗)売上高に対する経費・営業利益比率>

・原材料比率 ・営業経費比率 ・人件費比率

・その他経費比率 ・営業利益比率

<【域内調達率】事業所(店舗)における経費関係の支払先比率(富岡市内・群

馬県内・群馬県外)>

・原材料費

・営業経費

・人件費

<その他(自由意見)>

・富岡市からの調達を難しくしている要因

・観光での売上を増やすために、住民、民間事業者、行政が取り組むべきこと

複数の事業者から得られた域内調達率データ及び経費構造データをもとに、業種ごと

の域内調達率・経費構造を計算した。その際には、単純平均を行うのではなく、ヒア

リング調査で得られた売上高で加重平均を取った。

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55

(A 社と B 社をもとにした原材料費域内調達率の計算例:売上高での加重平均)

・市内の原材料費域内調達率

=(60%×500 万円+20%×2,000 万円)/(500 万円+2,000 万円)

=28%

以上の考え方に基づき推計した富岡市における業種別の域内調達率データ及び袖手

構造データは、以下のとおりである。

図表 44 観光関連業種の域内調達率-入力フォーム④7

売上高市内 県内 県外

A社 60% 30% 10% 500万円B社 20% 50% 30% 2,000万円

原材料費調達比率

7 各業種の域内調達率を入力してください。

①売上原価 30%

②営業経費 35%

③人件費 58%

①売上原価 84%

②営業経費 80%

③人件費 100%

①売上原価

②営業経費

③人件費

(2)飲食サービス

(1)宿泊サービス

(3)旅客運送サービス

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

(5)旅行代理店その他の予約サービス

(4)運送設備レンタルサービス

①売上原価

②営業経費

③人件費

(6)文化サービス

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56

図表 45 二次波及(仕入先)等の域内調達率-入力フォーム⑤8

①売上原価 ①売上原価 9%

②営業経費 ②営業経費 80%

③人件費 ③人件費 81%

(8)小売(7)スポーツ・娯楽サービス

(1)宿泊サービスの仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

農林漁業者

製造業者

卸売業(問屋)

8 二次波及(仕入先)等の域内調達率を入力してください。

(2)飲食サービスの仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

卸売業(問屋)

農林漁業者

製造業者

(3)小売の仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

農林漁業者

製造業者

①売上原価

②営業経費

③人件費

卸売業(問屋)

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57

図表 46 観光関連産業の経費構造-入力フォーム②5

5 各業種の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 24% ①売上原価 43%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合 うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

うち、製造業者から直接仕入れる割合 うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合 うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

うち、その他(上記以外)から仕入れる割合 うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 0% 合計 0%

②営業経費 30% ②営業経費 22%

③人件費 38% ③人件費 2%

④その他経費 5% ④その他経費 5%

⑤営業利益 3% ⑤営業利益 28%

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価 24%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

②営業経費 うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

③人件費 うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 0%

④その他経費 ②営業経費 36%

⑤営業利益 ③人件費 23%

④その他経費 9%

⑤営業利益 8%

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

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図表 47 二次波及(仕入先)の経費構造-入力フォーム③6

(5)その他の必要なデータ-入力フォーム①4、入力フォーム②5、

入力フォーム④7、入力フォーム⑥9

本モデルにて経済波及効果を推計するためには、以下のデータも必要となるため、そ

れぞれ入力を行った。

①限界消費性向(所得効果の推計に利用)-入力フォーム①4

所得の増加分に対する消費の増加分の割合。所得が1万円増加し、そのうち7千円

を消費に回す場合、限界消費性向は 0.7(7千円/1万円)となる。

総務省の「家計調査年報 家計収支編」より算出する(「総世帯のうち勤労者世帯」

における実収入に対する消費支出の比率)。近年は概ね「0.6」前後となる傾向がみ

られるため、ここでは「0.6」とした。

②域内消費率(所得効果の推計に利用)-入力フォーム①4

消費を行う際に、地域内で使う割合。地域において「購買動向調査」を行っていれ

ばそこから推計するが、行っていない地域の場合、近年は概ね「80~90%」前後と

なる傾向がみられるため、これをもとに地域特性や地理的条件を考慮したうえで設

定する。

ここでは、富岡市内で買い物を十分に行うことは難しく、高崎市までの距離は短い

ため、「80%」とした。

6 二次波及(仕入先)等の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価

②営業経費

③人件費

④その他経費

⑤営業利益

(9)農林漁業 (10)製造業

(11)卸売業

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③年間給与所得平均(全国)(雇用効果の推計に利用)-入力フォーム①4

国税庁の「民間給与実態統計調査」のデータ(4,136,000 円)を使用した。

④給与地域補正値(雇用効果の推計に利用)-入力フォーム①4

給与の地域差を表す指標。(株)JPS が毎年発行している「個人所得指標」から富

岡市のデータ(平成 25 年度は 82.1%)を使用した。

⑤調査対象期間(雇用効果の推計に利用)-入力フォーム①4

1年間(12 ヶ月)とした。

⑥域内人口(所得効果の推計に利用)-入力フォーム①4

富岡市の人口(平成 27 年 3 月 1 日現在 50,793 人)を入力した。

図表 48 その他の指標-入力フォーム①4

⑦全産業の経費構造(推計全般に利用)-入力フォーム②5

対象地域の産業全体の経費構造のことで、観光業以外の産業への波及の計算に用い

られるため、必ず入力が必要。観光産業と同様にアンケート調査・ヒアリング調査

から把握するのが望ましいが、それが難しい場合、地域特性を考慮しつつ、既存統

計をもとに、地域特性を考慮したうえで設定する。

ここでは、経済産業省の「平成 26 年企業活動基本調査」の「産業別、1企業当た

り営業費用、支払利息等、支払いリース料(附表)」及び産業別、1企業当たり売上

高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率(付

表5)を用いることとした。

図表 49 「平成 26 年企業活動基本調査」における全産業の経費構造

4 その他の指標を入力してください

(1)限界消費性向 60%

(2)域内消費率 80%

(3)年間給与所得平均(全国) ¥4,136,000

(4)給与地域補正値 82%

(5)調査対象期間 12 ヶ月

(6)域内人口 50,793 人

総務省「家計調査」から算出

自地域の「購買動向調査」等から推計

国税庁「民間給与実体統計調査」から入力

JPS「個人所得指標」から自地域の値を入力

売上原価 70%営業経費 14%人件費 8%その他経費 4%営業利益 3%合計 100%

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60

最終的には、この数値を設定した。

図表 50 全産業の経費構造-入力フォーム②5

⑧全産業の域内調達率(推計全般に利用)-入力フォーム④7

対象地域の産業全体の域内調達率のことで、観光業以外の産業への波及の計算に用

いられるため、必ず入力が必要。観光産業と同様にアンケート調査・ヒアリング調

査から把握するのが望ましいが、それが難しい場合、地域特性を考慮しつつ、主要

産業の域内調達率をもとに入力する。

ここでは、富岡市の主要産業の域内調達率を用いた。

図表 51 全産業の域内調達率-入力フォーム④7

⑨本社比率(推計全般に利用)-入力フォーム⑥9

その他経費(租税公課や支払利息など)や営業利益等は基本的に本社(単独事業所

を含む)に発生する。事業者アンケート調査・ヒアリング調査より、産業別の本社

比率を推計し入力するのが望ましいが、それが難しい場合、「経済センサス」(総務

省実施)における市町村別の「単独事業所」「本所・本社・本店」「支所・支社・支

店」の事業所数の比率で代用する等の措置を取る。

ここでは、「平成 24 年経済センサス-活動調査 事業所に関する集計-産業横断

的集計(売上(収入)金額等)」における富岡市の「単独事業所」「本所・本社・本

店」「支所・支社・支店」の事業所数をもとに、本社比率を推計・入力した。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 70%

②営業経費 14%

③人件費 8%

④その他経費 4%

⑤営業利益 3%

★全産業

①売上原価 45%

②営業経費 75%

③人件費 72%

★全産業

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図表 52 本社比率-入力フォーム⑥9

9

④本社比率 86% ④本社比率 86%

④本社比率 53% ④本社比率 95%

④本社比率 90% ④本社比率 92%

④本社比率 90% ④本社比率 84%

④本社比率 94% ④本社比率 93%

④本社比率 84% ④本社比率 89%

★全産業

(9)農林漁業者 (10)製造業者

(11)卸売業(問屋)

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

域内事業者の本社比率を入力してください。

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

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1-3-2 推計モデルの構築

(1)一次波及について

富岡市の場合、「旅客輸送サービス」「輸送設備レンタルサービス」「文化サービス」「ス

ポーツ・娯楽サービス」については、事業者数が少なく、域内調達率の把握ができなかっ

た。また、「旅行代理店その他の予約サービス」についても、該当する事業者がなかった。

このため、この5業種については「波及なし」という扱いとし、「宿泊サービス」「飲食

サービス」「小売」の3項目にて波及効果を推計することとした。

(2)二次波及について

「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」はいずれも、項目ごとに「一次仕入れ先」と

して一元化し、域内調達率(一次域内調達率)を適用した。

(3)三次波及以降について

「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」の二次以降の域内調達率については、それぞ

れ一次域内調達率を適用した(乗数計算)。

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図表 53 富岡モデル-結果シート③

飲食サービス

宿泊サービス

小売

文化サービス

旅客輸送サービス

輸送設備レンタルサービス

旅行代理店その他の予約サービス

スポーツ・娯楽サービス

●消費単価

●観光客数

●総消費額

●支出比率

●消費額

観光全体

原材料

一次域内調達率

一次仕入れ先 二次仕入れ先30%

原材料

二次域内調達率

原材料

三次以降域内調達率

84%

原材料一次域内調達率

一次仕入れ先 二次仕入れ先

原材料二次域内調達率

原材料三次以降域内調達率

30% 30%

84% 84%

対象なし

9%

原材料一次域内調達率

一次仕入れ先 二次仕入れ先

原材料

二次域内調達率

原材料

三次以降域内調達率

9% 9%

・日帰り 2,070千人・宿泊 157千人

(平成25年)

・日帰り 3,948円

・宿泊 16,232円

(平成26年)

・日帰り 81.7億円・宿泊 25.5億円

12.4億円

●支出比率

●消費額

28.5億円

●支出比率

●消費額

13.0億円

●支出比率

●消費額

1.3億円

●支出比率

●消費額

0円

●支出比率

●消費額

13.8億円

●支出比率

●消費額

38.2億円

11.5%

26.6%

12.1%

1.2%

0.0%

12.9%

35.6%・日帰り 40.8億円

・宿泊 8.3億円

<参考:県発表数値(平成25年)>

推計不可

推計不可

推計不可

<一次波及> <二次波及> <三次波及>

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64

1-3-3 推計結果-結果シート①

(1)現状での波及効果

富岡市における経済波及効果の推計結果は以下のとおりとなった。

経済波及効果は約 174 億円(乗数 1.62)、付加価値効果(所得効果)は約 33 億円、雇

用効果は 377 人となった。

図表 54 現状での波及効果推計結果

(2)上位推計結果

「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」の域内調達率がそれぞれ5ポイント(%)上

昇すると、経済波及効果は約 176 億円(+1.3%、乗数 1.64)、付加価値効果(所得効果)

は約 34 億円(+0.9%)、雇用効果は 380 人(+0.9%)となる。

図表 55 上位推計結果

項目 推計結果

①観光消費額(A) 107億円

  うち域内に残る額 40億円

②生産誘発効果(B) 51億円

③家計迂回効果(C+D) 16億円

 ●消費分(C) 13億円

 ●生産誘発効果分(D) 3億円

④経済波及効果(①+②+③) 174億円

⑤付加価値効果(所得効果)(F+G) 33億円

 ●直接波及(E) 25億円

 ●波及効果(F-E+G) 9億円

⑥雇用効果(H+I) 377人 ●直接効果(観光雇用者数)(H) 307人

 ●波及効果(誘発雇用者数)(I) 70人

項目 推計結果 増減

①観光消費額(A) 107億円 ±0.0%

  うち域内に残る額 41億円 +3.1%

②生産誘発効果(B) 53億円 +4.2%

③家計迂回効果(C+D) 16億円 +0.8%

 ●消費分(C) 13億円 ±0.0%

 ●生産誘発効果分(D) 3億円 +4.5%

④経済波及効果(①+②+③) 176億円 +1.3%

⑤付加価値効果(所得効果)(F+G) 34億円 +0.9%

 ●直接波及(E) 25億円 ±0.0%

 ●波及効果(F-E+G) 9億円 +3.4%

⑥雇用効果(H+I) 380人 +0.9%

 ●直接効果(観光雇用者数)(H) 307人 ±0.0%

 ●波及効果(誘発雇用者数)(I) 73人 +4.6%

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(3)下位推計結果

「宿泊サービス」の域内調達率は変わらず、「飲食サービス」の域内調達率が5ポイン

ト(%)、「小売」の域内調達率が3ポイント(%)低下すると、経済波及効果は約 172億円(-0.9%、乗数 1.61)、付加価値効果(所得効果)は 33 億円(-0.6%)、雇用効果

は 374 人(-0.6%)となる。

図表 56 下位推計結果

※上位推計及び下位推計では、「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」の域内調達率の

ポイントを自由に設定・入力することが可能であり、図表 30 及び図表 31 はその一例

として掲げている。

項目 推計結果 増減

①観光消費額(A) 107億円 ±0.0%

  うち域内に残る額 39億円 -2.2%

②生産誘発効果(B) 49億円 -3.0%

③家計迂回効果(C+D) 16億円 -0.6%

 ●消費分(C) 13億円 ±0.0%

 ●生産誘発効果分(D) 3億円 -3.0%

④経済波及効果(①+②+③) 172億円 -0.9%

⑤付加価値効果(所得効果)(F+G) 33億円 -0.6%

 ●直接波及(E) 25億円 ±0.0%

 ●波及効果(F-E+G) 8億円 -2.5%

⑥雇用効果(H+I) 374人 -0.6%

 ●直接効果(観光雇用者数)(H) 307人 ±0.0%

 ●波及効果(誘発雇用者数)(I) 68人 -3.4%

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66

図表 57 簡易推計システムにおける入力フォーム①

1 調査エリア名を入力してください。

調査エリア名

2 観光客数を入力してください。

観光客数 2,070 千人 157 千人 2,227 千人

3 観光消費単価を入力してください。

(1)宿泊サービス 0 円 7,878 円 555 円

(2)飲食サービス 1,158 円 2,878 円 1,279 円

(3)旅客運送サービス 528 円 1,318 円 584 円

(4)運送設備レンタルサービス 56 円 110 円 60 円

(5)旅行代理店その他の予約サービス 0 円 0 円 0 円

(6)文化サービス 585 円 1,097 円 621 円

(7)スポーツ・娯楽サービス 0 円 0 円 0 円

(8)小売 1,622 円 2,951 円 1,716 円

合計 3,949 円 16,232 円 4,815 円

*平均は日帰り客と宿泊客の人数で加重平均を算出

4 その他の指標を入力してください

(1)限界消費性向 60%

(2)域内消費率 80%

(3)年間給与所得平均(全国) ¥4,136,000

(4)給与地域補正値 82%

(5)調査対象期間 12 ヶ月

(6)域内人口 50,793 人

総務省「家計調査」から算出

自地域の「購買動向調査」等から推計

国税庁「民間給与実体統計調査」から入力

JPS「個人所得指標」から自地域の値を入力

観光経済波及効果簡易推計システム

(日帰客) (宿泊客)

(合計)

富岡市

(平均*)

(日帰客) (宿泊客)

(入力のヒント)

限界消費性向

所得効果を推計する際に利用する指標。所

得の増えた分の何割を消費に回すかを示し

ます。総務省「家計調査」から算出します。

域内消費率

所得効果を推計する際に利用する指標。

所得を得て消費しようとする域内住民が、

その消費額をどれだけ域内で使うかを示し

ます。自地域の購買動向調査等から推計し

ます。

給与地域補正値

雇用効果を推計する際に利用する指標。

自地域の所得水準を全国平均を100とした

ものと比較したものです。

調査対象期間

雇用効果を推計する際に利用する指標。

調査を実施した期間をヶ月で入力。

域内人口

域内消費率目安の算出に利用する指標。

入力フォーム①

(入力のヒント)

観光客数について

地域に訪れた来訪客のこと。「観光入込客

数」とも言います。観光消費の波及効果推

計には、まず、観光客の人数、ボリューム

を明らかとすることが必要です。観光庁で

は、これまで地域ごとにバラバラだった統

計方法を見直すため、平成21年「観光入

込客統計に関する共通基準」を策定、それ

に基づき都道府県が調査を実施した「観光

入込客統計調査データ」を全国集計してい

ます。市町村レベルでも「観光入込客統計

調査」を実施している自治体が増えつつあ

ります。

観光消費単価とは

観光客が消費した金額のこと。観光客にア

ンケート調査等で地域内で使った金額をた

ずね、一人当たりの消費単価(平均値)を

求めます。その際、サービス 分野ごとに8

業種の内訳や日帰客、宿泊客の内訳も整理

します。一般に日帰り客よりも、宿泊客の

方が消費単価も大きいため、経済効果推計

を行うにあたっては、重要な数値となりま

す。

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67

図表 58 簡易推計システムにおける入力フォーム②

5 各業種の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 24% ①売上原価 43%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合 うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

うち、製造業者から直接仕入れる割合 うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合 うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

うち、その他(上記以外)から仕入れる割合 うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 0% 合計 0%

②営業経費 30% ②営業経費 22%

③人件費 38% ③人件費 2%

④その他経費 5% ④その他経費 5%

⑤営業利益 3% ⑤営業利益 28%

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

観光経済波及効果簡易推計システム

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

入力フォーム②

(入力のヒント)

売上に対する比率について

ここでは、サービス 分野8業種における事業構造を把握し、売上高の内訳(構成比)を整理、入力します。

売上に対する比率の算出方法

事業所に対しアンケートやヒアリングを行い、事業所の売上、および売上に対する原材料費等の割合を調べます。売上高の構成には様々な区分

方法がありますが、経済効果推計に適した区分として、売上原価、営業販売費・一般管理費、人件費、その他、及び、営業利益の5つに区分し

て整理を行います。なお、原材料費については、その内訳も整理します(二次波及の算出に利用します)。

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68

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価 24%

うち、農林漁業者から直接仕入れる割合

②営業経費 うち、製造業から直接仕入れる割合

うち、卸売業(問屋)から仕入れる割合

③人件費 うち、その他(上記以外)から仕入れる割合

合計 0%

④その他経費 ②営業経費 36%

⑤営業利益 ③人件費 23%

④その他経費 9%

⑤営業利益 8%

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 70%

②営業経費 14%

③人件費 8%

④その他経費 4%

⑤営業利益 3%

★全産業

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

(入力のヒント)

全産業の経費構造について

乗数理論により推計を行う際には、地域の産業全体の経費構造を把握

することが必要です。この数値については事業者アンケート調査にて

サービス分野8業種以外の産業についても経費構造を把握し、平均値

を求める、あるいは事業者ヒアリングから推計します。

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69

図表 59 簡易推計システムにおける入力フォーム③

6 二次波及(仕入先)等の経費構造(対売上比率)を入力してください。

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100) (対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

④その他経費 ④その他経費

⑤営業利益 ⑤営業利益

(対売上比率:①+②+③+④+⑤=100)

①売上原価

②営業経費

③人件費

④その他経費

⑤営業利益

観光経済波及効果簡易推計システム

(9)農林漁業 (10)製造業

(11)卸売業

入力フォーム③

(入力のヒント)

二次波及(仕入れ先)の経費構造について

サービス分野8業種の中でも、観光消費額の高い宿泊サービス、飲食

サービス、小売については、それらの二次波及(仕入先)の中心とな

る、農林水産業、製造業(メーカー)、卸売業の経費構造を把握しま

す。

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70

図表 60 簡易推計システムにおける入力フォーム④

7

①売上原価 30%

②営業経費 35%

③人件費 58%

①売上原価 84%

②営業経費 80%

③人件費 100%

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

①売上原価 ①売上原価 9%

②営業経費 ②営業経費 80%

③人件費 ③人件費 81%

①売上原価 45%

②営業経費 75%

③人件費 72%

★全産業

(8)小売(7)スポーツ・娯楽サービス

(5)旅行代理店その他の予約サービス

(4)運送設備レンタルサービス

(2)飲食サービス

(6)文化サービス

観光経済波及効果簡易推計システム

(1)宿泊サービス

各業種の域内調達率を入力してください。

(3)旅客運送サービス

入力フォーム④

(入力のヒント)

域内調達率について

域内調達率により観光消費の地元に与える影

響が異なります。そこで、原材料費や営業経

費、人件費(雇用者)がどの程度、自地域内

から調達されているか、すなわち地域内調達

率を明らかにします。例えば、地域のうどん

屋さんの売上のうち、50%が原材料費(主に

小麦粉などの食材)だったとします。小麦粉

の仕入先が市内の農業者から直接仕入れたの

か、県外の問屋から仕入れたのかによって、

域内に残る観光消費額に違いがでてきます。

域内調達率の算出方法

域内調達率表を埋めるには、以下の2つの手

法があります。

1. 地域内の事業所にアンケート調査を実施し

て取得する

2. 既存の統計資料の統計値を加工するなどし

て対応する

全産業の域内調達率について

全産業の域内調達率については、経費構造と

同様に、事業者アンケート調査にてサービス

分野8業種以外の産業についても把握し平均

値を求める、あるいは事業者ヒアリングから

推計します。

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71

図表 61 簡易推計システムにおける入力フォーム⑤

8 二次波及(仕入先)等の域内調達率を入力してください。

(1)宿泊サービスの仕入れ先

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

①売上原価

②営業経費

③人件費

(2)飲食サービスの仕入れ先 (3)小売の仕入れ先

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

①売上原価 ①売上原価

②営業経費 ②営業経費

③人件費 ③人件費

卸売業(問屋)卸売業(問屋)

農林漁業者農林漁業者

製造業者 製造業者

観光経済波及効果簡易推計システム

農林漁業者

製造業者

卸売業(問屋)

入力フォーム⑤

(入力のヒント)

二次波及の域内調達率とは

ここでは仕入先が原材料等をどこから調

達しているかを把握します。例えば、地

域内のうどん屋さんが、原材料費(主に

小麦粉などの食材)を100%地域内の問

屋から仕入れていたとします。さらに追

跡調査として、その問屋の仕入れ先を把

握することで、より細かく域内に残る観

光消費額を把握することができます。

二次波及の域内調達率の算出方法について

前述の事業者ヒアリングの際に、仕入れ

先を聞き、仕入れ先の追跡調査する方法

があります。

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72

図表 62 簡易推計システムにおける入力フォーム⑥

9

④本社比率 86% ④本社比率 86%

④本社比率 53% ④本社比率 95%

④本社比率 90% ④本社比率 92%

④本社比率 90% ④本社比率 84%

④本社比率 94% ④本社比率 93%

④本社比率 84% ④本社比率 89%

★全産業

(9)農林漁業者 (10)製造業者

(11)卸売業(問屋)

(5)旅行代理店その他の予約サービス (6)文化サービス

(7)スポーツ・娯楽サービス (8)小売

観光経済波及効果簡易推計システム

域内事業者の本社比率を入力してください。

(1)宿泊サービス (2)飲食サービス

(3)旅客運送サービス (4)運送設備レンタルサービス

(入力のヒント)

域内事業者の本社比率とは

経費構造のうち、④その他経費、⑤営業利益は基本的に本社、本店に発生しますので、産業別の域内事業者の

本社比率も把握することが必要です。事業者アンケート調査やヒアリング調査時に本社が域内かどうかを把握

し推計します。推計が難しい場合には、経済センサス(活動調査ー事業所に関する集計)や地域の実情を考慮し

て推計します。

入力フォーム⑥

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73

図表 63 簡易推計システムにおける富岡市の経済波及効果推計結果①

宿泊サービスの域内調達率 ダウン ダウン の推計結果 日帰り客観光消費単価が 円 観光客数が 千人 の推計結果 宿泊サービスの域内調達率 アップ アップ の推計結果

飲食サービスの域内調達率 ダウン 宿泊客観光消費単価が 円 飲食サービスの域内調達率 アップ

※ポイントは%の差分(例:5ポイントアップとは、80%の域内調達率が85%に増加することを意味する) ※ポイントは%の差分(例:5ポイントアップとは、80%の域内調達率が85%に増加することを意味する)

A 億円 (うち、域内に残る観光消費額 億円 ) A 億円 (うち、域内に残る観光消費額 億円 ) A 億円 (うち、域内に残る観光消費額 億円 )

減少 減 少 増加 増 加

億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円

B 億円 G 億円 D 消費 億円 B 億円 G 億円 D 消費 億円 B 億円 G 億円 D 消費 億円

減 少 減少 減少 増 加 増加 増加

E 億円 億円 E 億円 億円 E 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円

億円 億円 億円 億円 億円 億円

F 億円 C 消費 億円 F 億円 C 消費 億円 F 億円 C 消費 億円

減少 増加

総額(A+B+C+D) 億円 (※乗数 1.61 ) 総額(A+B+C+D) 億円 (※乗数 1.6 2 ) 総額(A+B+C+D) 億円 (※乗数 1.64 )

減 少 減少 増加 増加

直接効果 (E) 波及効果 (F-E+G) 総額 (F+G) 直接効果 (E) 波及効果 (F-E+G) 総額 (F+G) 直接効果 (E) 波及効果 (F-E+G) 総額 (F+G)

所得 億円 + 所得 億円 = 億円 所得 億円 + 所得 億円 = 億円 所得 億円 + 所得 億円 = 億円

減少 減 少 減少 増加 増加 増加

直接効果 (H) 波及効果 (I) 総数 (H+I) 直接効果 (H) 波及効果 (I) 総数 (H+I) 直接効果 (H) 波及効果 (I) 総数 (H+I)

雇用者数 人 + 雇用者数 人 = 人 雇用者数 人 + 雇用者数 人 = 人 雇用者数 人 + 雇用者数 人 = 人

減少 減 少 減少 増加 増加 増加

雇用効果

307 68 374

… …

総額所得 26.43 12.69

観光消費の経済波及効果

172.15

付加価値効果

24.81 8.30 33.11

第2次波及

所得 1.52 消費 0.73

第3次波及

所得 0.09 消費 0.04

波及総額 49.03 総額所得 6.68 3.21

家計迂回効果(消費)

直接効果

所得 24.81 消費 11.91

第3次波及 5.02 所得 0.68 消費 0.33

… … …

下位推計(※売上原価の域内調達率が低下)

観光消費額

観光消費額 107.23 38.85

観光消費の経済波及効果

176.02

付加価値効果

24.81 8.80 33.60

直接効果

所得 24.81 消費 11.91

第2次波及

所得 1.52 消費 0.73

… … …

雇用効果

307 73 380

第3次波及

所得 0.09 消費 0.04

… …

総額所得 26.43 12.69

0 .0% 3 .4% 0 .9%

7.18 3.44

家計迂回効果(消費)

1.75 消費 0.84

第3次波及 5.39 所得 0.73 消費 0.35

4 .2%

第2次波及 12.83 所得

推計結果

3 ,949 2 ,22 7

第2次波及

波及総額 52.66 総額所得

上位推計(※売上原価の域内調達率が向上)

観光消費額

観光消費額 107.23 40.96

生産誘発効果 家計迂回効果(生産誘発効果によるもの)

直接効果 30.54 所得 4.16 消費 2.00

総額所得 6.89 3 . 3 1

第3次波及

雇用効果

12 .6 9

第3次波及

所得 0.09 消費 0.04

第2次波及

所得 1.52 消費 0.73

家計迂回効果(消費)

直接効果

所得 24.81

307 70 377

観光経済波及効果簡易推計システム

観光消費の経済波及効果

17 3.7 8

付加価値効果

24.81 8.51 33 .3 2

… …

総額所得 26.43

消費 11.91

… …

波及総額 50 .56

5.17 所得 0.70 消費 0.34

所得 1.68 消費 0.81

観光消費額

観光消費額 107.23

生産誘発効果 家計迂回効果(生産誘発効果による もの)

直接効果 29.32 所得 4.00 消費 1.92

39.74

5ポイント 5ポイント

5ポイント

0ポイント 3ポイント

5ポイント

小売の

域内調達

小売の

域内調達

率 16 ,232

生産誘発効果 家計迂回効果(生産誘発効果によるもの)

直接効果 28.44 所得 3.87 消費 1.86

12.32第2次波及 11.94 所得 1.63 消費 0.78

0 .0% 4 .6% 0 .9%

0 .0% 2 .2 %

3 .0 % 3 .0% 3 .0%

0 .0%

0 .9% .0 2ポイント

0.0% 2 .5% 0 .6%

0 .0% 3 .4% 0 .6%

4 .2%4 .2 %

3 .1 %0 .0%

0 .0%

1 .3% .0 2ポイント

結果シート①(総括)

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75

図表 64 簡易推計システムにおける富岡市の経済波及効果推計結果②

1 産業別の観光消費額

観光消費額 81.74 億円 25.48 億円 107.23 億円

宿泊サービス 0.00 億円 12.37 億円 12.37 億円

飲食サービス 23.97 億円 4.52 億円 28.49 億円

旅客運送サービス 10.93 億円 2.07 億円 13.00 億円

運送設備レンタルサービス 1.16 億円 0.17 億円 1.33 億円

旅行代理店その他の予約サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

文化サービス 12.11 億円 1.72 億円 13.83 億円

スポーツ・娯楽サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

小売 33.58 億円 4.63 億円 38.21 億円

2 域内に残る観光消費額

観光消費額 29.32 億円 10.41 億円 39.74 億円

宿泊サービス 2.19 億円 1.30 億円 3.49 億円

飲食サービス 15.30 億円 5.01 億円 20.32 億円

旅客運送サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

運送設備レンタルサービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

旅行代理店その他の予約サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

文化サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

スポーツ・娯楽サービス 0.00 億円 0.00 億円 0.00 億円

小売 11.83 億円 11.00 億円 22.83 億円

合計

観光経済波及効果簡易推計システム

売上原価および

営業経費として人件費として 合計

日帰客 宿泊客

結果シート②(読み解くヒント)

産業別の観光消費額

サービス 分野ごとに8業種に

落とされた消費額の総計です

が、地域内に観光によって新

たに生じた「需要」と考える

ことができます。この観光消

費額が様々な波及効果を生む

原資となります。

域内に残る観光消費額

売上高のうち、外部へ流出す

る可能性がある売上原価、営

業経費、人件費にそれぞれの

域内調達率をかけ合わせることで、各相当額のうち、域内

に留まる金額が算出されます。

これにより観光消費が、域内

の経済活動に与えた直接的な

影響度がわかります。

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77

図表 65 簡易推計システムにおける富岡市の経済波及効果推計結果③

売上原価の調達構造

(一次波及) 域内調達率

売上原価

比率* 調達割合 (二次波及)域内調達率

** (三次波及) 域内調達率

- - -

- - -

- - -

- 45% 45%

- - -

- - -

- - -

- 45% 45%

45% 45%

45% 45%

45% 45%

45% 45%

45% 45%

- - -

- - -

- - -

- 45% 45%

*売上原価比率=売上原価/売上高 **その他(上記以外)、<仕入れ先>は全産業の比率

観光経済波及効果簡易推計システム

農林漁業者 農林漁業者

(1)宿泊サービス 製造業者 製造業者30%

3

(4)輸送設備レンタルサービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

卸売業者(問屋) 卸売業者(問屋)

農林漁業者 農林漁業者

(2)飲食サービス 製造業者 製造業者

卸売業者(問屋) 卸売業者(問屋)

(3)旅客運送サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

84%

(5)旅行代理店その他の予約サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

(6)文化サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

(8)小売 製造業者 製造業者

9%

(7)スポーツ・娯楽サービス <仕入れ先> 卸売業者(問屋)

農林漁業者 農林漁業者

その他(上記以外) 卸売業者(問屋)

24%

43%

24%

その他(上記以外) 卸売業者(問屋)

その他(上記以外) 卸売業者(問屋)

卸売業者(問屋) 卸売業者(問屋)

結果シート③

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79

第 2 章 地域のストーリーづくりに関する課題と対応策の検討等

2-1 研究会の設置

地域のストーリーづくりを検討するにあたり、有識者からなる研究会を設置し、検討を

行った。

図表 66 地域のストーリー作り研究会 委員名簿

(五十音順、敬称略)

2-2 議事要旨

1.第1回研究会

・日時:平成 26 年 10 月 22 日(水曜日)16:00~18:00・場所:経済産業省本館 2 階西 8 共用会議室

・出席者

委員

阿久津 聡 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授

島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長

殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役

前原 まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー

業務推進担当プロデューサー

森 好文 (株)KADOKAWA IP事業推進本部 副本部長

山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー

吉田 照幸 (株)NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー

渡邉 太志 九州旅客鉄道(株)鉄道事業本部 営業部 担当部長

ゲストスピーカー

三田 愛 (株)リクルートライフスタイル 事業創造部

じゃらんリサーチセンター 研究員

・議題

氏名 役職委員 阿久津 聡 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授

島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役前原 まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー 業務推進担当プロデューサー森 好文 (株)KADOKAWA IP事業推進本部 副本部長山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー吉田 照幸 (株)NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー渡邉 太志 九州旅客鉄道(株) 鉄道事業本部 営業部 担当部長

オブザーバー 長﨑 敏志 観光庁観光地域振興部観光資源課長

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80

観光の現状と地域ストーリーの必要性等について

・議事概要

第1回地域ストーリー作り研究会では、事務局説明(資料3)、ゲストスピーカーによる

事例報告(資料4)、討議を行った。討議概要は次のとおり。

①観光産業の抱える課題

・宿泊業などに限定した狭義の観光産業による対策に限界が来ているので、いかに広い分野

の人たちを巻き込めるかが重要。

・観光施策に関して定量的に効果を図る尺度を持っていないため、行政自体が目指すべき効

果が何かわかっていない。

・休日と平日、年間を通したかき入れ時と何もない時季の繁閑の差が激しい(安定した雇用

を生み出せない)。

・繁忙期は何もしなくても人は来る(収容力は限界)。むしろ閑散期を「ポテンシャル」と

考えて取り組むべき。

・観光産業の主役は、個別の企業ではなく「地域」。

・自分が体験した旅行商品の善し悪しを消費者が判断する基準は、「記憶に残るか」。

②マーケティング

・マーケティングの基本を理解した上で、地域がストーリー作りなどの取組を進めていくべ

き。「何をやっていて、どういう意味があって、どういう結果が出るのか」という最低限

のところについては理解できるようにすることが必要。

・4C(カスタマー・カンパニー・コンペティター・コラボレーター)、4P(プロダクト・

プライス・プレイス・プロモーション)、セグメンテーション、ターゲティング、ポジシ

ョニングなどをテンプレートを用いながら分析して、わかりやすく人に響くアイデアを入

れ込みながら実践していくべき。

・マズローの「欲求5段階説」のような階層が観光商品にもあり、より低次な食・住などの

欲求に向かって直接供給される個別の商品から、より高次なサービスを提供するいろいろ

な商品が結びついたパッケージ型の旅行商品まである。この場合、あくまで低次な商品・

サービスの品質が保たれることが、ストーリーを使った高次の商品パッケージの前提とな

ることを留意すべき。

・消費者のライフスタイル、ニーズを地域が理解できていない。

・ストーリーが多くの来訪客を呼ぶためには、ストーリーが紡ぐ地域資源の有機的なつなが

りを消費者がきちんと認知させることが不可欠。単に近接しているだけで無機質につなげ

ているだけでは、何の意味もない。

③きっかけ作り・場作り

・最初の「めんどくさい」というフェイズを乗り越えるきっかけをキーパーソン等がつくれ

ば、地域から協力してくれる。

・キーパーソン探しが重要。地域の人達は対話しているようでしていない。第三者が入るこ

とにより対話が活性化する(ただし、あくまで主役は地域)。

・行政の仕事は予算事業ではなく、地域のことをみんなが真剣に議論できる「場」の運営。

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81

問題意識を持ったキーマンは実は沢山いるが、語れる場がない。成功した地域は、場を上

手く作れたところ。

・「仕組み」から入らない。仕組みを作っても魂が入らないと続かない(「やらねばサイクル」)。

・多くの人を巻き込むには、“楽しそうな”アロマを出すことが大事。最初はエンジンのか

かる3~5人から始めて、それを広げていく。楽しそうなものは伝染する。共感できる人

達でスモールスタートを切らないと、ストーリーは根付かない。

・一時代を築いた観光地の再活性化と今から観光に取り組む地域との温度感は違う。特に前

者については、成功体験が革新を阻害したり、新たな事業のスタート地点で障害となる可

能性がある。

・もともと地域にあったモノで、地域が全く見向きもしなかったモノでも、メディア等が取

り上げて褒めまくることで、「これはもともと自分のものだ!」と排他して守るべきもの

と地域に認知される。

・キーパーソンなど「人」だけでなく、地域が一つにまとまるための「対象物」も重要。

④受入体制

・行政、観光協会がマーケティングをして情報発信しても、観光地が観光客の期待に応えら

れていない。マーケティングも大事だが、マネジメントはもっと大事。如何に観光客がス

トーリーを感じ、経験価値の上がる受入体制を構築できるかが重要。

・観光ガイドなど受け入れる現場がストーリーを理解しておらず、伝え切れていない。首長

がCMOのような役割を果たし、徹底してストーリーを伝え、トップダウンで根付かせて

いくべき。

・①「(東京から)褒められたい」、②「稼ぎたい」の2つの感情が地域活性化のモチベーシ

ョンを加速させる。前者はナイーブな動機であり、後者ほど地域自身による活性化への強

い動きにつながりにくい。

・地域によっては「来て欲しくない」観光客などが存在することも事実。例えば、「知的好

奇心の高い人」といった客層をターゲットにしたり、特定地域同士の観光客の交流促進を

狙った「クローズ型」の協定などのオプションを考慮すべき。

・地域によっては、観光協会・旅館組合・従業員組合の関係が悪く、地域での取組の阻害要

因となることもある。

・毎日の様に顔を合わせている幼馴染みであることがかえって、地域のために手を組むこと

が小恥ずかしいことになる場合もある。

・素晴らしい景観などが眠っていても、安全等の規制や土地の権利関係などにより誰もその

点に触れることができなくなっている場合がある。

・既存の旅館街ほど利害関係が見える形となってしまうので難しい。農商工業者から「どう

せ旅館だけが儲かるだけ。うちは関係ない」と協力をしてもらえない。

・取組を「みんなゴト化」して、恩恵を全体で共有する仕組みの構築が必要。

2.第2回研究会

・日時:平成 26 年 11 月 13 日(木曜日)15:10~16:10・場所:兵庫県豊岡市役所本庁舎 3 階庁議室

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82

・出席者

委員

三田 愛 (株)リクルートライフスタイル 事業創造部

じゃらんリサーチセンター 研究員

島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長

殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役

前原まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー

業務推進担当プロデューサー

山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー

吉田 照幸 (株)NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー

渡邉 太志 九州旅客鉄道(株)鉄道事業本部 営業部 担当部長

・議題

ストーリー作りの実践(試行)

・議事概要

(1)概要

○第2回研究会は、ストーリー作りの実践的な手法を検討するため、城崎温泉、コウノ

トリ、豊岡鞄などの豊富な地域資源を有するが、城崎温泉への来訪者の他の地域資源

へ誘因が課題となっている兵庫県豊岡市で開催した。

○第1回研究会において、「ストーリー作りを進めるためには、地域のことを地域のみ

んなが議論できる場づくりが重要」との指摘があったところであり、研究会に先立ち

(13:00~)、豊岡市の関係者が豊岡について議論する場を設定した。

○議論の場としては、関係者がカフェにいるようなリラックスした雰囲気で対話する

「ワールドカフェ」方式を採用した。

○ワールドカフェでは、研究会委員、市長・副市長及の他、市内観光協会、商工会・商

工会議所、旅館組合、商店街組合等市内16団体の代表者等総勢27名を6つのグル

ープに分け、テーマ・メンバーを入れ替え3回(3ランド)の対話を実施。

・ラウンド1のテーマ:大切な人に伝えたい、あなただけの「とっておきの豊岡」と

はなんですか

・ラウンド2のテーマ:ラウンド1と同じ

・ラウンド3のテーマ:みなさんの「とっておきの豊岡」をもっと多くの人に知って

もらうためにやってみたいことは

○ラウンド3の後、「気づき」や「今後取り組んでみたいこと」について、参加者全員

で共有した。

○その後、研究会を開催し、ワールドカフェの評価、委員から豊岡のストーリー(コン

セプト)の提案を頂いた。

○なお、ワールドカフェ及び研究会における委員の参考に資するため、同日午前中に、

城崎国際アートセンター、コウノトリ文化館、カバンストリートを視察した。

(2)ワールドカフェの評価

○各グループで活発な対話が行われ、一定の成果があったものと思料。市長からも、「委

員から貴重な意見を頂き感謝。今後、市役所としてもこのような取組を実施したい。

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これまで海外に目を向けていたが、中の体制をしっかり作っていきたい」との話があ

った。

○他方、地域の方からは、豊岡の地域資源はそれぞれ完成しており、無理に(ストーリ

ーとして)組み合わせる必要は無いのではないかとの意見も出された。

○研究会においては、委員から次のような指摘をいただいた。

・上下関係にある者が同一のグループに入っており、部下は上司に対して自由な意見

を言いづらいので、グループ分けを考えた方が良い(今回は、「くじ引き」により

グループ分けを実施)。(対話というより)自分の主張をしているだけのような場面

もあった。

・会話が弾んできた頃に1つのセッションが終了していたので、時間を長くした方が

良い。

・ワールドカフェに慣れている地域の人はすぐに話し始めることができるが、慣れて

いない地域ではエンジンがかかるのに時間がかかる。また、話を聞き出すインタビ

ュー力も問われる。今回は、委員が外者として話を聞き出せてよかったのでは。

・年配の方と若い人とでは、意識が違う。いろいろな年代の人が語り合う場も必要だ

が、やる気のある30代だけで話す場もあるとおもしろいのでは。

・新聞記者や農家、地域住民など、観光とはあまり関わっていない人も入るといい。

ただ、観光が自分の生活にどんな波及効果をもたらすのか説明する必要はある。

(3)豊岡のストーリー及びストーリーを活かした商品プランの提案

研究会において各委員からいただいた、「豊岡のストーリー」及び「ストーリーを活

かした商品プラン」の提案は次のとおり。

・地域文化(連中文化など)を活かしたストーリー作り

→コウノトリ復活を可能にした「つながり力」など、表面のコンテンツの裏にある

プロセスストーリーを伝える。

・コウノトリ×アート×コンペティション

→世界のアーティストにコウノトリを題材に作品コンペ

・Be Happy TOYOOKA

→コウノトリ復活のストーリーを「Be Happy」のキーワードに集約して伝

える。

・ディナーショー、城崎国際アートセンターを永楽館に

→アートセンターを活用し、城崎を訪れた人に楽しんでもらえる仕掛けづくり(今

は、城崎温泉宿泊客とアートセンターに距離感がある)。

・コウノトリップ

→里山をつくり、農業を変え、暮らし方を変え、コウノトリが戻ってくるまちをつ

くった人々のライフスタイルを伝え、まちの幸せを感じてもらう。

・あなたの見たことのない朝がここにはある

→川を下りながら朝霧を眺めるなど、豊岡にしかない朝を体験してもらう。

・子宝温泉

→赤ちゃんを運んでくるというコウノトリにちなみ、城崎温泉を子宝温泉としてP

Rする。

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・コウノトリが住む幸福な豊岡市

→豊岡には7つのポテンシャル(自然、温泉、景観、歴史、匠の技、食、アート)

が揃い、プラス人情がある。

3.第3回研究会

・日時:平成 26 年 12 月 10 日(水曜日)15:10~16:45・場所:富岡製糸場内女工館食堂(群馬県富岡市)

・出席者

委員

島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長

殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役

前原まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー

業務推進担当プロデューサー

森 好文 (株)KADOKAWA IP事業推進本部 副本部長

山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー

吉田 照幸 (株)NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー

渡邉 太志 九州旅客鉄道(株)鉄道事業本部 営業部 担当部長

・ゲストスピーカー

醍醐 孝典 株式会社Studio-L

・議題

ストーリー作りの実践(試行)

・議事概要

(1)開催概要

○第3回研究会は、ストーリー作りの実践的な手法を検討するため、平成26年6月に

世界文化遺産に登録された富岡製糸場を有する群馬県富岡市で開催した。

○世界遺産登録効果により、富岡製糸場には多くの観光客が訪れているが(平成26年

度の来場者数は、4月から11月までの8か月間で100万人を突破。平成25年度

1年間の来場者数は約30万人)、製糸場への来訪者の富岡市街への回遊や、富岡製

糸場と同時に世界文化遺産に登録された絹産業遺産群(※)等との連携が課題となっ

ている。

※:田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市)、高山社跡(同藤岡市)、荒船風穴(同下仁田

町)

○当日の工程は次のとおり。

午前中 富岡市街及び富岡製糸場内視察

12:00~ 地域の方々とのセッション

・ランチミーティング

※3年にわたり、富岡市民のまちづくり活動を支援している「Stud

io-L」の醍醐孝典氏から、活動状況の報告を受けた。

・富岡市、伊勢崎市、藤岡市及び下仁田町の関係者による議論の場

※第2回に引き続き、「ワールド・カフェ」を実施。富岡市長、4市町

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の職員・関係団体・企業(商工会・商工会議所、観光協会等)、経済

産業省・中小企業庁・観光庁の職員総勢32名を8つのグループに分

け、テーマ・メンバーを入れ替え、対話を実施。

ラウンド1のテーマ:富岡製糸場と絹産業遺産群を使って、今後、

この地域をどのような地域にしていきたい

と思いますか。

ラウンド2のテーマ:ラウンド1のテーマで出てきた、「目指して

いく姿」に向かって、あなたがやってみたい

ことは何ですか。

15:10~ 研究会

(2)研究会議事概要

・観光地に慣れていないために、地元の人は苦労している。世界遺産だけでなく、樹齢

1500 年の桑の木など、昔から守り継がれてきた物にも目を向けるべき。

・富岡は、生活空間の中に世界遺産がある希な場所である。そのため、観光地とはいえ

ないのではないか。長い目でみて、町を継続させることも重要。イタリアでは、観光

客を排除するために世界遺産に登録するという動きもある。地域の財産を 50 年後、

100 年後に伝えていくという考え方を重視している。富岡の場合、外からやってきた

人たちが次々と商売をはじめているが、コンセプトに合わない店はガイドラインで規

制するなど、文化レベルの高い観光まちづくりが求められる。世界遺産登録後は様々

な問題も出てくるが、顕在化した問題への対応という対処療法では本質を見失ってし

まう。

・県外資本に好き勝手させてはいけないが、一方で人が来るということは、第三者の目

を通じて(刺激をうけて)町が垢抜けられるチャンスでもある。本質的に良い物は残

しつつ、よそから良い物を受け入れられると良いのではないか。

・世界遺産と観光がつながっていないように思う。富岡製糸場を訪れた人は本当に満足

して帰っているのだろうか。工場内(繰糸場)の機械には保護ビニールが張ってあり、

「さわるな」と書いてある。これでは心動かされないし、過去にトリップすることが

できない。地元に帰ってから「富岡製糸場は世界遺産の割にたいしたことなかったよ」

と周囲に口コミで伝わると、次第に人が来なくなってしまう。

・地元では世界遺産登録を喜んでいるのかと思ったら、皆さんの気持ちは複雑のようだ。

Studio-Lのように地域を巻き込む方法は有効だが、時間がかかる。知名度が

上がった今こそチャンスだと思う。この時期を逃さず、地域のリーダー(行政に限ら

ず)がビジョンを持って産業振興などに力を発揮できると良い。

・「子どもに伝える」というコンセプトは地元に受け入れやすい。修学旅行に力を入れ

てはどうか。

・学びのプログラムをもっと掘り下げ、教育効果を高めることができれば、学生たちが

周辺の施設(他の世界遺産)も巡るようになるかもしれない。

・ブランドコンセプトの核(コアコンセプト)をどこに置くか。「見に来て」だけだと

物見遊山になってしまうので、「感じて」が必要である。マスツーリズム(物見遊山)

は採算性を重視するため、ありきたりのものになってしまい、お客さんは冷めてくる。

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コアコンセプトを定め、産業に結びつけていく必要がある。

・見学に際しては、見る準備も重要。歴史的背景、例えば「なぜフランスなのか」につ

いて、映像などがあれば理想的だ。そのうえで、ガイドによる説明を聞きながら見学

を行うと良い。

・工女さんの姿をした人が案内するなど、タイムスリップできるような工夫も重要だと

思う。駅を降りてから富岡製糸場までナショナルチェーン店を見かけなかったのはあ

る意味貴重ではないのか。

・歴史的背景については、地元の人も知らないようだ。知れば誇らしくなるはず。

・京都では、琵琶湖疎水の歴史を小学校で教えている。こちらも同じことが考えられる

のではないか。

・世界遺産である広島県宮島は、路地裏の雰囲気がいい。多くの人が通る(多くの人に

見られる)ため、室外機など生活感のあるものを見えないようにしている。宮島の人

の意識の高さ、誇りを感じる。富岡でも考えてみてはどうか。

・仮説を設定したうえでストーリーづくりを進める必要がある。ボトムアップ型ではと

がったものは出来ない(マーケットに刺さらない)のではないか。どの地域でも苦労

するのは、ストーリーの本質を地元の人たちに理解してもらうこと。その上で、商品

展開の段階での合意形成が必要。また、マネジメント機能が重要であり、推進体制を

しっかりと整える必要がある。例えば、鳥取県境港では、地域の人たちが自らガイド

ラインを設け、ゲゲゲの鬼太郎のコンセプトに合わないもの(偽物)を排除してきた

ことで、20 年間その地位を維持している。そのような地域マネジメントを誰が担う

かが鍵になる。

(3)ストーリー及びストーリーを活かした商品プラン等の提案

・上信電鉄の活用(デザイン&ストーリー列車化)、各エリアを周遊できるバス等の導

入、歩いて楽しいまち作り(景観・グルメ・お土産・人とのふれあい)

→一番大事なのは地元の方たちのモチベーション(整理、整とん、清潔、清掃、しつ

け)

・伝統は革新の連続 → 住んでよし、訪ねてよし

文化力のある旅人を歴史ストーリーで誘客

地域新産業創出のためゲストハウス SNS発信

・ワールドワイドな国際修学旅行のメッカをめざし

リード を上信電鉄と高崎商業大学へ(火付け役)

同じビジョンを共有して世界遺産からスタートする未来のまちづくりを!!

・世界文化遺産群+強烈ワンテーマ → 温故知新 = 知への欲求

「女工になってみた」 女工体験-JKCafe、機械体験

・富岡製糸場の建設の時代背景とその後に日本人が成し遂げたことについて

まちの人にも外の人にも伝える活動が必要。

製糸場を見にくるだけの物見遊山観光ではなく、日本人の可能性を感じ、

新しい未来を考える新しい観光のスタイルを提案して欲しい。

・のりすて上等! 群馬シルクロード レンタカーサービス

地元民映画(歴史認識)→富岡シルク(ほこり)→工女入り見学ツアー(実動)

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・富岡製糸場は通過点。北関東の中の京阪神をつくる。(上毛かるたで教育。)

4.第4回研究会

・日時:平成 27 年 1 月 7 日(水曜日)13:30~16:00・場所:経済産業省本館2階西3共用会議室

・出席者

委員

阿久津 聡 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授

三田 愛 (株)リクルートライフスタイル 事業創造部

じゃらんリサーチセンター 研究員

島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長

殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役

前原まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー

業務推進担当プロデューサー

森 好文 (株)KADOKAWA IP事業推進本部 副本部長

山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー

渡邉 太志 九州旅客鉄道(株)鉄道事業本部 営業部 担当部長

・ゲストスピーカー

池田 紀行 (株)トライバルメディアハウス 代表取締役社長

・議題

ストーリー作りのプロセス、観光経済波及効果に関する調査、ストーリーのPR戦略、

共創マーケティング等について

・議事概要

本研究会はこれまで、地域ストーリー作りのプロセスや観光経済波及効果の把握方法等、

地域側を中心に討議を行ってきた。第4回(最終回)研究会は、それらについて取りまとめ

に向けた討議を行うとともに(資料2~資料4)、ストーリーを受け手にどのようにPRし

ていくか、受け手とどのように共創していくかについて、殿村委員(資料5)、ゲストスピ

ーカー(資料6)からのプレゼンを踏まえ、併せて討議を行った。討議における委員等から

の主な発言は以下のとおり。

・今、マーケティングの業界では、エンゲージメントという言葉が非常にキーワードに

なっている。これをやはり地域に当てはめたときに、観光客数とか観光消費額とかい

ろいろなKPIがあるが、その地域にどれだけ思いをもっているかというエンゲージ

メントみたいなものはなかなか計れなくて、地域も非常に難しいところがあると思う。

地域活性化としてのエンゲージメントのあり方は、もう少し研究の余地があると思う。

今まで観光地は、高度成長時代からずっと旅行者数、人口がどんどん増えるに当たっ

て、マスツーリズムでスペックが相当大きくなってしまっている。失われた10年、20

年の中で、供給過剰状態の中で生産調整してきた民間企業と違い、実は観光地は供給

過剰状態が続いている。そこで安売りに走っている。結局、田舎にも100室あるような

巨大なホテルが並んで、昭和30年代、40年代に投資されて以降、観光地がなかなかう

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まく作れなくて、とにかく料金勝負みたいなことがすごく多かった。そういう状態が

続いてきている。

その結果、とにかく瞬間風速を吹かせて、観光客を呼ばなくてはいけないというカン

フル剤を打ちたがり、それでイベントとかそういう話になってくる。それの繰り返し

で、もうそろそろそういうことをやめませんかという話になってきて、地域の価値と

はそもそも何かというところや、観光協会のメンバーだけで観光地振興はできないと

いう話になり、いろいろな業種の人とやらなくては地域の価値は生み出せなくなった

が、分野を超えてファシリテートできる人材がなかなか地域にいないということで、

相変わらず観光事業者だけで観光振興をやるという現状が続いている。これはニュー

ツーリズムという観点で、エコツーリズムとかグリーンツーリズムとか、いろいろな

分野の中で農業とか漁業の方、また産業観光の人とやるようになって、そんなものが

マーケットにもようやく認知されつつあるので、これからは、PRプランナーの方々

がもっと必要な時代になるかと思う。

・まさに観察というのは、今キーワードと思う。モニターツアーをやって直ぐにアンケ

ートをとると、参加者の90%の方が今回のツアーに満足と書く。それに安心して、み

んな満足したで終わってしまっている。そういうことよりも、一日中駅の前に立って

いた方が良いのではないか。まさに一緒に旅館に泊まるとか、街歩きを後ろから見る

とかということをもっとやったほうが良いと思う。実際にある仮説を立ててモニター

ツアーに参加して、実際にお客さんを後ろから観察すると、本当に色々なことが見え

てくる。

・20世紀の観光というのは、ストーリーというよりも、むしろ清水、金閣を見たい旅だ

ったのが、今や旅もかなり掘り下げたり、地域も掘り下げたところのきらりと光る発

信がストーリーとしてひっかかればいいのではないか。

・(ストーリー作りの共創マーケティングにおいて)意見を聞くべきは、やはりその地域

への愛を持っている人と、その地域を再発見して良いアイデアを出せる集団。あとは、

クリエーターがディスカッションする中で色々な人の意見を聞いた後に、やはりプロ

が物語を作る。

・地域のブランドが定着するにはほぼ 20 年かかると思う。PR戦略ですごく大事だと思

うのは、この先 20 年間できるかどうか。例えば、境港で「ゲゲゲの鬼太郎」をやって

いるが、あそこにたどり着くまでにやはり 20 年かけている。そうなると、今度は外部

のプロデューサー的に地域に入っていく人たちも、これから新しい仕掛けをやるとき

に、これ 20 年間できますかという観点、そこで手伝えるのはどの部分なのかという観

点が必要ではないか。そうなると、20 年後にその地域で中心的になる人と議論しなく

ては全く意味がない。また、境港にしても、20 年後、まだ「ゲゲゲの鬼太郎」でいけ

るのかというと、もしかしたらそうではないかもしれないので、そこで培ったストー

リーの本質をうまく紡ぎながら、次のストーリー展開を考えていかなくてはいけない

と思う。

・人を他県から集めるためのきらりと光るものがないのに、観光客を増やしたいと言っ

ていること自体がナンセンス。先ずそれがあるかどうか。無いなら 20 年かけて作って

いきましょうというコンセンサスが必要なのではないか。

・事業計画が全然できていなくて、初めに全然ペイしないような投資をしてしまうとか、

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顧客がどのくらい来るという予測が全然できていないとか、そういう問題があるとこ

ろから始まっているのが現実。まずきちんとマーケティング調査しようとか、事業計

画を立てましょうというところから始めなければいけない部分が大きいと思う。

・商品として地域ストーリーをつくるのか、地域の未来のために地域ストーリーをつく

るのかで結構違うと思う。商品としてだと、例えば物を中心としたストーリーをつく

って、それの背景をつくるようなことはできると思うが、それはそれで1つ商売には

なると思うが、例えば 20 年、30 年、50 年と続いていくものにはならない可能性があ

るなと思う。地域の未来のためにと思ったときには、多分物が最初に来なくて、本当

にその地域の人がもっている生き方、それは人であったり、自然とか、そういったも

のも含めて、その地域が成り立っている、そして永続している生き方に触れないと、

多分表面的な商品のストーリーになるのだろうなと思う。

・地域振興のやり方に対して、余りにも対処療法的ではないか。表面的なことばかりま

ねをして、例えば踊りを踊ってみたりとか、ゆるキャラグランプリで何位になるかと

いうこと自体が目的化している。(行政の)担当者がどんどんかわっていって、もとも

と大切にしようとしていたものが変わってくるので、(行政の)総合政策なども、それ

をどんどん継承していって、伝えていかないといけないストーリーとは何かというの

を長期的に捉えないと選ばれる地域にならないということを、ぜひ各自治体に対して

警笛を鳴らすべきではないか。

・何をもって地域ストーリーかとするところが大事だと思う。観光としてのストーリー

をつくるのが目的ではなくて、永続的に続くような、こんなポイントがあることが地

域ストーリーですというようなことが大事なのではないか。

・地域のDNAというか、そこは昔から続いているし、今後続いていくだろうというも

のが、観光地域づくりの基本だと思う。地域のコアになるものを何か見出したら、そ

れがまちづくりとか、商品化とか、おもてなしとか、いろいろなものに反映されてい

くのだろうなと思う。とってつけたストーリーはだめ、きちんと土づくりからやって

いきましょうということは基本原則にすべき。

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第 3 章 地域のストーリーづくりのモデル実践

3-1 客層(ペルソナ)設定の考え方

(1)客層(ペルソナ)とは

国内外の宿泊旅行客が偏在し、国内の観光消費額が減少するなかで、観光地が国内外の

旅行客の滞在時間と消費額を増大させていくためには、戦略的なディスティネーション・

マネジメントが必要である。地域の観光関係者が一体感を持って観光地域作りを行うため

には、観光資源等を結びつける地域の「ストーリー」を作成し、ビジョンとして地域内で

共有化することが有効である。

そのためにはマーケティング調査を行う必要があるが、観光地の場合、切り口が無限に

存在したりリピーターを測定したりすることが困難であるため、一般的なマーケティング

手法をそのまま適用することは難しい。そこで、地域全体で取り組むうえでのテーマであ

る「オリジナルストーリー」を切り口に、マーケティング調査を行い分析を進めることで

調査対象を限定し、ターゲットを絞り込んでいくという方法が考えられる。このターゲッ

トに対し、更なる詳細な分析やマーケット視点を取り入れることでターゲットのイメージ

が浮かび上がり、明確化していく。これが地域に求められる客層(ペルソナ)となる。

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(2)客層(ペルソナ)設定方法

客層(ペルソナ)設定方法の一例を以下に示す。

図表 67 客層(ペルソナ)設定の一例

①経験ストーリーの原案制作

対象施設や地域の特徴(自然環境、歴史、文化等)をもとに、地域が目指す姿(オリ

ジナルストーリー)を踏まえた上で、経験ストーリーの原案を制作する。

②マーケットデータの分析

経験ストーリーの原案に基づき客層(ペルソナ)を設定することとなるが、設定にお

いては根拠となるデータや施設・地域等の特性を明確化する必要がある。

このうち、データ部分については、マーケット調査(観光客アンケート調査等)を実

施しその結果分析を行うことにより、経験ストーリーの原案がどのような人々に訴求

するものなのか定量的な特性を検証し、客層(ペルソナ)設定に結びつけていくこと

が重要である。

分析には様々な方法が考えられるが、単純集計に加えてクロス集計を行い、有意性を

もとに特性把握を行うことが重要である。

③施設や地域の特性分析

②の定量分析とは別に、施設や地域の特性など定性的な要素をもとに、客層(ペルソ

ナ)にふさわしい像を描く。その過程においては、地域における観光振興やまちづく

りのキーパーソンや外部の人(専門家など)の意見を聞く(ワールドカフェ、ワーク

ショップなど)なかで、特性(ポテンシャルを含む)を掴んでいくことが重要である。

④客層(ペルソナ)の設定

②及び③の各分析結果をもとに、今後地域が重視すべき客層(ペルソナ)を設定する。

そして、経験ストーリーの改善へとつなげていく。

①経験ストーリーの原案制作

※オリジナルストーリーを効果的に体験できる滞在スタイル

②マーケットデータの分析

※定量的な特性

③施設や地域の特性分析

※定性的な特性(ポテンシャル)

④客層(ペルソナ)の設定

※将来的にターゲットとするべき対象

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3-2 客層(ペルソナ)の設定例

(1)豊岡市

①経験ストーリーの原案制作

「コウノトリの飛ぶまち」である豊岡市には、城崎温泉、出石、神鍋高原などの観

光スポットや、出石そば、カニ(松葉ガニ、セコガニ、ズワイガニ等)、コウノトリ

米、栃餅、豊岡カバンなどの名産品もあるなど、観光地としての魅力的な要素が豊富

に存在する。これらはいずれも個性的である一方で、「安全・安心・快適」という点

で共通しており、その象徴的な存在が「コウノトリ」であると捉えることができる。

そのため、豊岡市の経験ストーリーの原案として、以下を設定する。

「コウノトリ」が授けた安全・安心・快適な街「とよおか」で本物を体験する

②マーケットデータの分析

経験ストーリーの原案がどのような人々に訴求するものなのかを明らかにするため、

現在のマーケットの状況をもとに、豊岡市の象徴である「コウノトリ鑑賞」を目的に

訪れる観光客の傾向を探る。

<分析方法>

ネットアンケート調査の「豊岡市への来訪目的」項目において、回答者を次の2グル

ープに分類した。

●グループ A:「コウノトリ鑑賞」を目的とする人(14.1%)

●グループ B:「コウノトリ鑑賞」以外を目的とする人(85.9%)

そのうえで、他の調査項目(「よく行う旅行のタイプ」「豊岡市のイメージ」「来訪回

数」「来訪頻度」「豊岡滞在時間」「来訪目的」「参加人数」「参加者形態」「立ち寄り箇

所」「年代」「性別」「年収」)についてクロス集計等を行い、選択項目については[χ2

(カイ二乗)検定]により、また数値項目(豊岡滞在日数)については[t 検定]によ

り、それぞれ有意性を確認した。

<分析結果>

上記方法にて分析を行った結果、「よく行く旅行のタイプ」「豊岡市のイメージ」「立

ち寄り箇所」「年代」「世帯年収」の各項目にて有意性が確認された(回答者数が非常

に少ない項目は、有意であっても除外している)。

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94

図表 68 「よく行う旅行のタイプ」の分析結果

図表 69 「豊岡市のイメージ」の分析結果

.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

自然観賞

産業観光

周遊観光

温泉入浴

まち歩き

ショッピング

コンサート・映画・演劇鑑賞

博物館・美術館

動物園・植物園・水族館

テーマパーク

海水浴

スポーツ観戦

トレッキング・山登り

保養・リゾート

よく行う旅行のタイプ

全体

グループA

グループB

有意性

あり

.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%90.0%

100.0%

コウノトリ

豊岡カバン

出石そば

城崎温泉

城崎マリンワールド

神鍋高原

竹野海岸

たんとうチューリップまつり

豊岡市のイメージ

全体

グループA

グループB

有意性

あり

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図表 70 「立ち寄り箇所」の分析結果

図表 71 「年代」の分析結果

.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

コウノトリの郷公園

Toyooka KABAN Artisan Avenue

出石

城崎温泉

玄武洞

天空の城

城崎マリンワールド

竹野海岸

道の駅やぶ

道の駅ようか但馬蔵

神鍋高原

天橋立

立ち寄り箇所

全体

グループA

グループB

有意性あり

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

19歳以下

20~29歳

30~39歳

40~49歳

50~59歳

60~69歳

70歳以上

年代

全体

グループA

グループB

(全体で有意性あり)

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図表 72 「世帯年収」の分析結果

これらの分析結果から得られた「グループ A」の特性をもとに、観光客のイメージを

まとめると、下表のようになる。

図表 73 グループ A 観光客の印象・イメージ

以上をもとに、定量面からターゲット像(ペルソナ)をイメージすると、以下のとお

りとなる。

.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

300万円未満

300万円以上~500万円未

500万円以上~700万円未

700万円以上~1,000万円

未満

1,000万円以上~1,500

万円未満

1,500万円以上~2,000

万円未満

2,000万円以上

世帯年収

全体

グループA

グループB

質問項目 グループAの特性 グループA観光客の印象・イメージ

よく行く旅行のタイプ「自然観賞」「産業観光」を行う

傾向が強い

豊岡市のイメージ「コウノトリ」「豊岡カバン」を

イメージする傾向が強い

立ち寄り箇所

「コウノトリの郷公園」「ToyookaKABAN Artisan Avenue」「出石」「城崎

温泉」「玄武洞」「天空の城」などを訪れる傾向が強い

※「城崎マリンワールド」「竹野海岸」「道

の駅」等への立ち寄りは有意でない

年代幅広い層が訪れている(グループBは40~50代に集中)

世帯年収 比較的低い傾向

・自然を愛し自然に興味を持つ人が訪れる

・年代や男女を問わず、幅広い層の人が訪

れる

(全体で有意性あり)

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97

・自然を愛し自然に興味を持つタイプで、年代や男女を問わない

③施設や地域の特性分析

豊岡市の象徴的存在である「コウノトリ」から連想されるイメージとしては、次のも

のがあげられる。

・赤ちゃんを運んでくる → 出産・育児

・美しく清らかな自然環境の中で生息する → 本物志向

・人の心に安らぎを与える → 休憩・癒し

ここから導き出されるターゲット像(ペルソナ)のイメージとしては次のように考え

られる。

・出産や育児に奔走するなかで、普段は積極的に安全・安心・本物を追求するものの、

時には安らぎが必要となるタイプ

④客層(ペルソナ)の設定

②の定量的な特性、及び③の定性的な特性を総合的に勘案すると、豊岡市が今後追求す

べき客層(ペルソナ)を次のように設定できる。

Page 102: 観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討 …3 第1章 観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析 1-1 経済波及効果推計モデルの検討及び構築

98

図表 74 豊岡市のターゲットとして考えられる客層(ペルソナ)

<定量・定性分析から描かれる客層イメージ>

●年代や男女を問わず幅広い層

→ なかでも、多忙な出産期~子育て期の人(予備軍を含む)が豊岡を訪れ

ることにより、心身ともに安らぎを得ることができる

●自然を愛し自然に興味を持つタイプ

→ 安全・安心・本物を求める出産期~子育て期の人に適している

<豊岡市のターゲットと考えられる客層(ペルソナ)>

カップル時代~子育て時代の男女

・これから結婚・子育てに入る人

・安全・安心な子育てを実践したい人

・食や物(カバンなど)に本物を求める人

【具体像】

・30 代の仲良し夫婦(ダブルインカム)。子供はい

ないが、将来的には子供を設けたい。

・夫婦ともに自然を愛し、国内外を問わず旅に出か

ける(穴場を好む)。

・ITリテラシーは高い(穴場情報、旅行の下準備

など、SNSを利用した双方向の情報収集・発信

を積極的に行っている)。

・夫婦ともカメラ(一眼レフ)が大好き。

・夫は思い入れが強く、地域の人との信頼性を構築

し、絆が深まれば、その人が作る商品を購入する

(顔が見える商品)。その地でしか買えないものを

特に好む(地産品)。地域や人とのつながりを大切

にする。

・妻はこだわりが強く、味噌や米など多少値段が高

くても本物を取り寄せる。

・車は買わない(エコ志向)。

・環境保全に関心がある(機会があれば活動に参加

したいと考えている)。

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99

なお、これは初期設定の客層(ペルソナ)であり、今後は更にデータ分析やマーケテ

ィング視点からの検証を繰り返し行うことにより、客層(ペルソナ)を再構築してい

くことが求められる。

<「図表 74」の段階>

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100

(2)富岡市

①経験ストーリーの原案制作

富岡市の観光推進に欠かせないものは富岡製糸場である。富岡製糸場は明治期の我

が国の経済発展を支えた施設(産業)であり、富岡製糸場を学び理解してもらうこと

が観光振興の礎となる。そして富岡製糸場を基点に、製糸場とともに発展した富岡の

街(地域)、さらには富岡製糸場以外の世界遺産の構成資産や販売・流通経路など製

糸場とつながりの深い養蚕業・織物業・流通業等の知識が加わっていけば、富岡製糸

場及び富岡市に対する興味が一層深まり、満足度が高まることが期待される。

そのため、富岡市の経験ストーリーの原案として、以下を設定する。

製糸業が紡いだ我が国経済発展の原点「とみおか」を知ることで満足感が高まる

②マーケットデータの分析

経験ストーリーを推進するため、現在のマーケットの状況をもとに、「満足度」の高

い人の傾向を探る。

<分析方法>

ネットアンケート調査の「総合満足度」項目において、回答者を次の2グループに分

類した。

●グループ A:満足度の高いグループ(「大変満足」「満足」と回答した人)(42.7%)

●グループ B:満足度の高くないグループ(「やや満足」「どちらでもない」「やや

不満」「不満」「大変不満」と回答した人)(57.3%)

そのうえで、他の調査項目(「よく行う旅行のタイプ」「構成資産の認知度」「来訪回

数」「来訪頻度」「富岡での滞在時間」「来訪目的」「参加人数」「参加者形態」「立ち寄

り箇所」「年代」「性別」「年収」)についてクロス集計等を行い、選択項目については

[χ2(カイ二乗)検定]により、また数値項目(富岡での滞在時間)については[t検定]により、それぞれ有意性を確認した。

<分析結果>

上記方法にて分析を行った結果、「よく行く旅行のタイプ」「構成資産の認知度」「富

岡での滞在時間」「来訪目的」「立ち寄り箇所」「地元での飲食・購買」の各項目にて有

意性が確認された(回答者数が非常に少ない項目は、有意であっても除外している)。

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101

図表 75 「よく行う旅行のタイプ」の分析結果

図表 76 「構成資産の認知度」の分析結果

.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

自然観賞

動物園・植物園・水族館

スポーツ観戦

産業観光

周遊観光

温泉入浴

まち歩き

ショッピング

コンサート・映画・演劇鑑賞

博物館・美術館

テーマパーク

海水浴

トレッキング・山登り

保養・リゾート

よく行う旅行のタイプ

全体

グループA

グループB

有意性あり

.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

荒船風穴

高山社跡

田島弥平旧宅

構成資産の認知度(「知っている」の回答)

全体

グループA

グループB

(いずれも有意性あり)

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102

図表 77 「富岡での滞在時間」の分析結果

図表 78 「来訪目的」の分析結果

図表 79 「立ち寄り箇所」の分析結果

単位:時

全体 5.01 グループA 6.22 グループB 4.10

.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

富岡製糸場

群馬サファリパーク

地元の食

他地域へ訪れたついでに

県立自然史博物館

福沢一郎記念美術館

妙義山

道の駅みょうぎ

来訪目的

全体

グループA

グループB

有意性あり

.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

富岡製糸場

群馬サファリパーク

道の駅みょうぎ

妙義山

碓氷峠鉄道施設

道の駅甘楽

道の駅しもにた

道の駅ふじおか

長野県軽井沢

立ち寄り箇所

全体

グループA

グループB

有意性あり

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103

図表 80 「立ち寄り箇所」(立ち寄り者数が少数の箇所)の分析結果

図表 81 「地元の飲食施設・小売施設の利用」の分析結果

.0%

1.0%

2.0%

3.0%

4.0%

5.0%

6.0%

荒船風穴

高山社跡

田島弥平旧宅

桐生織物参考館

碓氷製糸工場

日本絹の里

立ち寄り箇所(少数)

全体

グループA

グループB

.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

飲食施設

小売施設

地元の飲食施設・小売施設の利用

全体

グループA

グループB

(いずれも有意性あり)

(いずれも有意性あり)

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104

これらの分析結果から得られた「グループ A」の特性をもとに、観光客のイメージを

まとめると、下表のようになる。

図表 82 グループ A 観光客の印象・イメージ

以上をもとに、定量面からターゲット像(ペルソナ)をイメージすると、以下のとお

りとなる。

・富岡製糸場だけでなく、関係の深い産業や地域にも興味を抱くような知的好奇心の

強いタイプ

・自発的に行動し、知的欲求を満たすためなら時間を費やすタイプ

③施設や地域の特性分析

富岡製糸場は産業、経済、建築等の様々な観点において価値の高い施設であり、その

価値を理解・認識することができれば満足度が高まる。また、製糸場と共に発展した

街についても、街中を歩きながら学び体感することができれば、さらなる満足度向上

に結びつくほか、滞在時間の拡大も期待される。

富岡市において、満足度が高く滞在時間の拡大が期待される人の特徴をまとめると、

以下の点が挙げられる。

質問項目 グループAの特性 グループA観光客の印象・イメージ

よく行う旅行のタイプ「自然観賞」「動物園・植物園・水族館」

「スポーツ観戦」「産業観光」を行う傾向

が強い

構成資産の認知度

「荒船風穴」「高山社跡」「田島

弥平旧宅」のいずれも認知度が高

い傾向

富岡での滞在時間 長い傾向

来訪目的

「富岡製糸場」「群馬サファリ

パーク」「地元の食」目的が多い

※「他地域を訪れたついでに」は

グループBに多い傾向

飲食店・買い物店地元の食や商品を扱う店を利用す

る傾向が強い

立ち寄り箇所

「富岡製糸場」「群馬サファリパーク」「道

の駅みょうぎ」「荒船風穴」「高山社跡」

「田島弥平旧宅」「桐生市織物参考館」

「碓氷製糸工場」「日本絹の里」等を訪

れる傾向が強い

※「碓氷峠鉄道施設」「碓氷峠文化村」

「榛名山」「軽井沢」等は有意でない

・富岡製糸場だけでなく、富岡の街・文化

や構成遺産、絹織物関連施設・地域等、あ

らゆることに幅広く興味を持つ人が訪れる

・自発的に旅行を行う人が訪れる

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105

・知的好奇心が高い

地域や歴史等への好奇心が旺盛

・時間的・金銭的自由度が高い

好奇心を満たすためには、何度も訪れ、納得いくまで滞在し探求する

④客層(ペルソナ)の設定

②の定量的な特性、及び③の定性的な特性を総合的に勘案すると、富岡市が今後追求す

べき客層(ペルソナ)を次のように設定できる。

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106

図表 83 富岡市のターゲットとして考えられる客層(ペルソナ)

<定量・定性分析から描かれる客層イメージ>

●富岡製糸場だけでなく、関係の深い産業や地域にも興味を抱くような知的好奇

心の強いタイプ

→ もともと地域や歴史等の知識が豊富

●知的欲求を満たすために時間を費やすタイプ

→ 時間的・金銭的余裕がなければ難しい

<富岡市のターゲットと考えられる客層(ペルソナ)>

知的好奇心を有する男女(年配層~若年層)

・地理や歴史に興味を有する人

・時間的・金銭的余裕があり、旅行や消費を比較的高頻度

で行える人

【具体像】

・学生時代に学んだまちづくり等への関心は高い。

・文化財への興味が強い。

・歴史にロマンを感じ、レトロをおしゃれに感じる。

・時間をみつけては積極的に各地を訪れる。

・高価な(価値の高い)道具を所有する。

・同じ嗜好のグループで動くことが多いが、一人で

も行動する(家族ではなく)。

・同じ嗜好の人に自慢できるものであれば、高価な

土産でも買う。

・納得できるものであれば、高額でも買ったり泊ま

ったりする。

・こだわりが強く、とことんまで追究する。

・地域のガイドの話を聞くだけでなく、積極的に質

問する。

・人的ネットワークが広い(大学関係、業界関係、

全国の地域など)。

・セミナーや勉強会などに積極的に参加する。

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107

なお、これは初期設定の客層(ペルソナ)であり、今後は更にデータ分析やマーケテ

ィング視点からの検証を繰り返し行うことにより、客層(ペルソナ)を再構築してい

くことが求められる。

<「図表 83」の段階>

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109

付属資料 1 観光客の動向に関するネットアンケート調査 項目内容

(1)豊岡市

①スクリーニング調査

●SC1 あなたは平成 26年に豊岡市(兵庫県)を訪れたことがありますか。直近で訪

れた月をお教えください。

1.1 月 2.2 月 3.3 月 4.4 月 5.5 月 6.6 月

7.7 月 8.8 月 9.9 月 10.10 月 11.11 月 12.12 月

13.この1年間は訪れていない

●SC2 あなたの住所について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

1.三重県 2.滋賀県 3.京都府 4.大阪府 5.兵庫県

6.奈良県 7.和歌山県 8.その他の都道県

②本調査

<回答者について>

●Q1 あなたの世帯全員の年収について、以下の中から該当するもの一つをお答えくだ

さい。

1.300 万円未満 2.300 万円以上~500 万円未満

3.500 万円以上~700 万円未満 4.700 万円以上~1,000 万円未満

5.1,000 万円以上~1,500 万円未満 6.1,500 万円以上~2,000 万円未満

7.2,000 万円以上

●Q2 あなたがよく行う旅行のタイプについて、以下の中から該当するものすべてをお

答えください。

1.周遊観光 2.温泉入浴 3.自然観賞 4.街歩き

5.ショッピング 6.イベント参加 7.コンサート・映画・演劇鑑賞

8.博物館・美術館 9.動物園・植物園・水族館 10.テーマパーク

11.アマチュアのスポーツ活動(ゴルフ・テニス・スキー・ダイビングなど)

12.海水浴 13.スポーツ観戦 14.トレッキング・山登り

15.エコツアー

16.産業観光(工場見学、産業遺産見学、工場夜景観光、工房体験(陶芸など)、農

業・林業・漁業体験など)

17.釣り 18.クルーズ 19.キャンプ

20.体験学習(産業観光での体験を除く) 21.保養・リゾート

22.帰省旅行 23.親類や友人宅への訪問

24.その他( ) 25.あてはまるものはない

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110

<豊岡市について>

●Q3 豊岡市のことを初めて知ったのは何からですか。以下の中から該当するものすべ

てをお答えください。

1.旅行会社店舗 2.旅行会社のホームページ 3.豊岡市のホームページ

4.新聞・雑誌の広告(ツアー、旅館など) 5.JR等の駅での広告・ポスター

6.知人・友人からの情報 7.小説・映画

8.学生時代の教育(歴史学、地理学など) 9.その他( )

●Q4 豊岡市と聞いて、あなたがイメージするものは何ですか。以下の中から該当する

ものすべてをお答えください。

1.コウノトリ 2.豊岡カバン 3.出石そば 4.城崎温泉

5.城崎マリンワールド 6.神鍋高原 7.竹野海岸(竹野浜)

8.たんとうチューリップまつり 9.その他( )

<豊岡市への来訪経験について>

●Q5 これまでの豊岡市への来訪回数について、以下の中から該当するもの一つをお答

えください。

1.1 回(今年のみ) 2.2 回 3.3 回 4.4~5 回 5.6~10 回

6.11~15 回 7.16~20 回 8.21 回以上

●Q6 豊岡市への来訪頻度について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

1.年 2 回以上 2.年 1 回 3.2~3 年に 1 回 4.4~5 年に1回

5.5 年以上来ていない(今回がひさしぶり) 6.今回が初めて

<最新の豊岡市へ訪れた旅行について>

●Q7 豊岡市を含めた旅行全体の泊数をお答えください。

●Q8 このうち、豊岡市内に滞在された泊数をお答えください。

●Q9 豊岡市への来訪目的について、以下の中から該当するものすべてをお答えくださ

い。

1.城崎温泉 2.コウノトリ鑑賞 3.ジオパーク(竹野海岸など)見学

4.城崎マリンワールド 5.豊岡カバンの購入

6.神鍋高原(ゴルフ・スキー) 7.出石そば 8.カニ料理

9.その他の食 10.業務・研修 11.帰省 12.知人・友人への訪問

13.他地域へ訪れたついでに 14.その他( )

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111

●Q10 本人も含めた参加人数について、以下の中から該当するもの一つをお答えくださ

い。

※募集ツアーの場合、ツアー全員ではなく知人・グループの人数をお答え下さ

い。

1.1 人 2.2 人 3.3~5 人 4.6~10 人 5.11~15 人

6.16~20 人 7.21 人~30 人 8.31~40 人 9.41 人以上

●Q11 参加者形態について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

1.1 人旅 2.夫婦 3.子供連れ家族 4.三世代家族

5.友人家族・夫婦と一緒に 6.恋人 7.知人・友人

8.趣味のグループ 9.地域のグループ 10.仕事仲間

11.その他( )

●Q12 交通手段について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。

1.自家用車 2.ツアー(団体)バス 3.JR山陰本線

4.JR福知山線 5.飛行機(コウノトリ但馬空港利用)

6.北近畿タンゴ鉄道 7.高速バス(神戸方面) 8.高速バス(大阪方面)

9.路線バス 10.タクシー・ハイヤー 11.オートバイ・自転車

12.新幹線 13.飛行機(コウノトリ但馬空港以外) 14.その他( )

●Q13 立ち寄り箇所について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。

※宿泊先については、次の設問にてお答えください。

1.コウノトリの郷公園(コウノトリ文化館など)

2.Toyooka KABAN Artisan Avenue 3.出石(辰鼓楼、出石史料館、出石酒造、出石城跡、出石明治館など)

4.城崎温泉(外湯、ロープウェー、温泉寺など) 5.玄武洞

6.城崎マリンワールド 7.神鍋高原 8.ジオパーク(竹野海岸など)

9.道の駅やぶ 10.道の駅ようか但馬蔵 11.竹田城(天空の城)

12.天橋立 13.その他( )

●Q14 宿泊先について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。

1.城崎温泉 2.豊岡駅前 3.神鍋高原 4.京都市内

5.大阪市内 6.神戸市内(有馬温泉を除く) 7.有馬温泉

8.その他( ) 9.宿泊なし(日帰り)

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112

●Q15 今回の旅行手配方法について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

○事前に旅行会社等(エクスペディア等のネット旅行会社を含む)に支払った場合

1.旅行会社等が企画した団体ツアー(職場や学校、趣味の会や地域グループ等の旅

行を含む)への参加

2.旅行会社等が企画した個人旅行向けパッケージ商品への参加

○当日現地で、あるいは事前に交通機関・宿泊施設のウェブサイト等で支払った場合

3.往復の交通チケット(航空券、新幹線など)や宿泊等を個別に手配した

○手配が発生しない場合

4.手配は行っていない(自家用車による日帰り旅行など)

●(前問で「旅行会社等が企画した団体ツアー」あるいは「旅行会社等が企画した個人旅

行向けパッケージ商品」とお答えの方にお伺いします)

Q16 以下の中から、事前にお支払いになられたツアー料金に含まれるものすべてをお

選びください。

1.自宅もしくはツアー出発地から豊岡市内までの交通費

2.豊岡市内での宿泊費

3.豊岡市内での飲食費(宿泊施設での夕食・朝食を除く)

4.豊岡市内でのレンタカー代

5.豊岡市内での入場料・体験料(具体的に )

6.添乗員同行

7.その他( )

●(前問で「②(宿泊費)」とお答えにの方にお伺いします)

Q17 部屋利用以外に含まれていた内容について、以下の中から該当するものすべてを

お答えください。

1.夕食 2.朝食 3.その他( ) 4.部屋利用のみ

●Q18 以下の中から、豊岡市内で支払われたものすべてをお答えください。

※居住地や出発駅・空港(大阪駅、伊丹空港等)等でお支払いになったものは

含めないでください。

1.交通費(航空、JR、北近畿タンゴ鉄道、高速バス、路線バス、タクシー等)

2.レンタカー代 3.ガソリン代 4.駐車場代 5.宿泊代

6.飲食代 7.買い物代 8.施設利用料(出石史料館など)

9.あてはまるものはない

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113

●Q19 一人あたり支出額をお答えください。

※レンタカーなど複数人で使用する場合は、人数で割って下さい。

※概算で結構です。

1.交通費 約 円/人 2.レンタカー代 約 円/人

3.ガソリン代 約 円/人 4.駐車場代 約 円/人

5.宿泊代 約 円/人 6.飲食代 約 円/人

7.買い物代 約 円/人 8.施設利用費 約 円/人

●(前問で「6.飲食代」とお答えの方にお伺いします)

Q20 利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべて

をお答えください。

1.地元の飲食店内で飲食(カニや出石そばなどの郷土料理のお店、など)

2.全国チェーンの飲食店内で飲食(ファミリーレストラン、ラーメンチェーン店、

など)

3.地元産品を扱うお店(地元スーパーマーケット等)で弁当等を購入

4.全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット等)

で弁当等を購入

5.その他( )

●Q20-1 それぞれ支払われた割合(全体で 10 割)をお知らせ下さい。

※概算で結構です。

※合計が 10 になるようにご記入下さい。

1.地元の飲食店内で飲食 割

2.全国チェーンの飲食店で飲食 割

3.地場産品を扱うお店で弁当等を購入 割

4.全国チェーンのお店で弁当等を購入 割

5.その他 割

●(前々問で「7.買い物代」とお答えの方にお伺いします)

Q21 利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべて

をお答えください。

1.地場産品を扱うお店(カニ等の豊岡名産の農産品・鮮魚品、豊岡カバン等を扱う

お店、など)

2.全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット、

有名な電気店・衣料品店・用品店など)

3.その他( )

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114

●Q21-2 それぞれ支払われた割合(全体で 10 割)をお知らせ下さい。

※概算で結構です。

※合計が 10 になるようにご記入下さい。

1.地場産品を扱うお店 割

2.全国チェーンのお店 割

3.その他 割

<豊岡市の印象について>

●Q22 今回の豊岡市での滞在の総合満足度はどのくらいですか。以下の中から該当する

もの一つをお答えください。

1.大変満足 2.満足 3.やや満足 4.どちらでもない

5.やや不満 6.不満 7.大変不満

●Q23 今後 1 年以内に、豊岡市への来訪を検討しますか。以下の中から該当するもの一

つをお答えください。

1.大変そう思う 2.そう思う 3.ややそう思う 4.どちらでもない

5.あまり思わない 6.思わない 7.まったく思わない

●Q24 親しい友人に豊岡市を紹介したいですか。以下の中から該当するもの一つをお答

えください。

1.大変そう思う 2.そう思う 3.ややそう思う 4.どちらでもない

5.あまり思わない 6.思わない 7.まったく思わない

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115

(2)富岡市

①スクリーニング調査

●SC1 あなたは平成 26年に富岡市(群馬県)を訪れたことがありますか。直近で訪

れた月をお教えください。

1.1 月 2.2 月 3.3 月 4.4 月 5.5 月 6.6 月

7.7 月 8.8 月 9.9 月 10.10 月 11.11 月 12.12 月

13.この1年間は訪れていない

●SC2 あなたの住所について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

1.茨城県 2.栃木県 3.群馬県 4.埼玉県 5.千葉県

6.東京都 7.神奈川県 8.その他の道府県

②本調査

<回答者について>

●Q1 あなたの世帯全員の年収について、以下の中から該当するもの一つをお答えくだ

さい。

1.300 万円未満 2.300 万円以上~500 万円未満

3.500 万円以上~700 万円未満 4.700 万円以上~1,000 万円未満

5.1,000 万円以上~1,500 万円未満 6.1,500 万円以上~2,000 万円未満

7.2,000 万円以上

●Q2 あなたがよく行う旅行のタイプについて、以下の中から該当するものすべてをお

答えください。

1.周遊観光 2.温泉入浴 3.自然観賞 4.街歩き

5.ショッピング 6.イベント参加 7.コンサート・映画・演劇鑑賞

8.博物館・美術館 9.動物園・植物園・水族館 10.テーマパーク

11.アマチュアのスポーツ活動(ゴルフ・テニス・スキー・ダイビングなど)

12.海水浴 13.スポーツ観戦 14.トレッキング・山登り

15.エコツアー

16.産業観光(工場見学、産業遺産見学、工場夜景観光、工房体験(陶芸など)、農

業・林業・漁業体験など)

17.釣り 18.クルーズ 19.キャンプ

20.体験学習(産業観光での体験を除く) 21.保養・リゾート

22.帰省旅行 23.親類や友人宅への訪問

24.その他( ) 25.あてはまるものはない

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116

<富岡市及び世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」について>

●Q3 富岡市のことを初めて知ったのは何からですか。以下の中から該当するものすべ

てをお答えください。

1.「世界遺産登録」のニュース 2.学生時代の教育(歴史学、地理学など)

3.知人・友人からの情報 4.旅行会社店舗 5.旅行会社のホームページ

6.富岡市のホームページ 7.JR等の駅での広告・ポスター

8.新聞・雑誌の広告(ツアー、旅館など) 9.その他( )

●Q4 富岡市と聞いて、あなたがイメージするものは何ですか。以下の中から該当する

ものすべてをお答えください。

1.富岡製糸場 2.群馬サファリパーク 3.県立自然史博物館

4.福沢一郎記念美術館 5.妙義山 6.道の駅みょうぎ

7.大島鉱泉 8.その他( )

●Q5 世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産(下記)をご存知でしょうか。

それぞれについて、該当するもの一つをお答えください。

1.荒船風穴(群馬県下仁田町)

①内容を知っている ②名称を聞いたことはある ③知らない

2.高山社跡(群馬県藤岡市)

①内容を知っている ②名称を聞いたことはある ③知らない

3.田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市)

①内容を知っている ②名称を聞いたことはある ③知らない

<富岡市への来訪経験について>

●Q6 これまでの富岡市への来訪回数について、以下の中から該当するもの一つをお答

えください。

1.1 回(今年のみ) 2.2 回 3.3 回 4.4~5 回 5.6~10 回

6.11~15 回 7.16~20 回 8.21 回以上

●Q7 富岡市への来訪頻度について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

1.年に 2 回以上 2.年に 1 回 3.2~3 年に 1 回 4.4~5 年に1回

5.5 年以上来ていない(今回がひさしぶり) 6.今回が初めて

<最新の富岡市へ訪れた旅行について>

●Q8 富岡市を含めた旅行全体の泊数をお答えください。

※日帰り旅行の場合は「0」泊とご記入下さい。

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117

●Q9 このうち、富岡市内に滞在された時間をお答えください。

時間程度

●Q10 富岡市への来訪目的について、以下の中から該当するものすべてをお答えくださ

い。

1.富岡製糸場 2.群馬サファリパーク 3.県立自然史博物館

4.福沢一郎記念美術館 5.妙義山 6.道の駅みょうぎ

7.大島鉱泉 8.地元の食(シルク麺など) 9.業務・研修

10.帰省 11.知人・友人への訪問 12.他地域へ訪れたついでに

13.その他( )

●Q11 本人も含めた参加人数について、以下の中から該当するもの一つをお答えくださ

い。

※募集ツアーの場合、ツアー全員ではなく知人・グループの人数をお答え下さ

い。

1.1 人 2.2 人 3.3~5 人 4.6~10 人 5.11~15 人

6.16~20 人 7.21 人~30 人 8.31~40 人 9.41 人以上

●Q12 参加者形態について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。(SA)

1.1 人旅 2.夫婦 3.子供連れ家族 4.三世代家族

5.友人家族・夫婦と一緒に 6.恋人 7.知人・友人

8.趣味のグループ 9.地域のグループ 10.仕事仲間

11.その他( )

●Q13 交通手段について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。

1.自家用車 2.ツアー(団体)バス 3.上信電鉄 4.高速バス

5.路線バス 6.タクシー・ハイヤー 7.オートバイ・自転車

8.上越・長野新幹線 9.信越線(高崎~横川間) 10.しなの鉄道

11.その他( )

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118

●Q14 立ち寄り箇所について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。

※宿泊先については、次の設問にてお答えください。

1.富岡製糸場 2.群馬サファリパーク 3.県立自然史博物館

4.福沢一郎記念美術館 5.妙義山 6.道の駅みょうぎ

7.大島鉱泉 8.荒船風穴(群馬県下仁田町) 9.高山社跡(群馬県藤岡市)

10.田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市) 11.桐生市織物参考館(群馬県桐生市)

12.旧碓氷社本社事務所(群馬県安中市) 13.碓氷製糸工場(群馬県安中市)

14.碓氷峠鉄道施設(めがね橋など)(群馬県安中市)

15.碓氷峠鉄道文化むら(群馬県安中市) 16.日本絹の里(群馬県高崎市)

17.道の駅甘楽(群馬県甘楽町) 18.道の駅しもにた(群馬県下仁田町)

19.藤岡SA・道の駅ふじおか(群馬県藤岡市) 20.榛名山(群馬県高崎市)

21.長野県軽井沢町(ニューイーストガーデンモールなど)

22.その他( )

●Q15 宿泊先について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。

1.富岡市内 2.伊香保温泉 3.草津温泉 4.水上温泉

5.軽井沢町内 6.高崎市中心部 7.その他( )

9.宿泊なし(日帰り)

●Q16 今回の旅行手配方法について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

○事前に旅行会社等(エクスペディア等のネット旅行会社を含む)に支払った場合

1.旅行会社等が企画した団体ツアー(職場や学校、趣味の会や地域グループ等の旅

行を含む)への参加

2.旅行会社等が企画した個人旅行向けパッケージ商品への参加

○当日現地で、あるいは事前に交通機関・宿泊施設のウェブサイト等で支払った場合

3.往復の交通チケット(航空券、新幹線など)や宿泊等を個別に手配した

○手配が発生しない場合

4.手配は行っていない(自家用車による日帰り旅行など)

●(前問で「旅行会社等が企画した団体ツアー」あるいは「旅行会社等が企画した個人旅

行向けパッケージ商品」とお答えの方にお伺いします)

Q17 以下の中から、事前にお支払いになられたツアー料金に含まれるものすべてをお

選びください。

1.自宅もしくはツアー出発地から富岡市内までの交通費

2.富岡市内での宿泊費

3.富岡市内での飲食費(宿泊施設での夕食・朝食を除く)

4.富岡市内でのレンタカー代

5.富岡市内での入場料・体験料(具体的に )

6.添乗員同行

7.その他( )

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119

●(前問で「②(宿泊費)」とお答えの方にお伺いします)

Q18 部屋利用以外に含まれていた内容について、以下の中から該当するものすべてを

お答えください。

1.夕食 2.朝食 3.その他( ) 4.部屋利用のみ

●Q19 以下の中から、富岡市内で支払われたものすべてをお答えください。

※居住地や出発駅・空港(東京駅、羽田空港等)等でお支払いになったものは

含めないでください。

1.交通費(上信電鉄、JR、高速バス、路線バス、タクシー等)

2.レンタカー代 3.ガソリン代 4.駐車場代 5.宿泊代

6.飲食代 7.買い物代 8.施設利用料(富岡製糸場など)

9.あてはまるものはない

●Q20 一人あたり支出額をお答えください。

※レンタカーなど複数人で使用する場合は、人数で割って下さい。

※概算で結構です。

1.交通費 約 円/人 2.レンタカー代 約 円/人

3.ガソリン代 約 円/人 4.駐車場代 約 円/人

5.宿泊代 約 円/人 6.飲食代 約 円/人

7.買い物代 約 円/人 8.施設利用費 約 円/人

●(前問で「6.飲食代」とお答えの方にお伺いします)

Q21 利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべて

をお答えください。

1.地元の飲食店内で飲食(シルク麺などの地元名産・郷土料理のお店、など)

2.全国チェーンの飲食店で飲食(ファミリーレストラン、ラーメンチェーン店、な

ど)

3.地元産品を扱うお店(地元スーパーマーケット等)で弁当等を購入

4.全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット等)

で弁当等を購入

5.その他( )

●Q21-2 それぞれ支払われた割合(全体で 10 割)をお知らせ下さい。

※概算で結構です。

※合計が 10 になるようにご記入下さい。

1.地元の飲食店内で飲食 割

2.全国チェーンの飲食店で飲食 割

3.地場産品を扱うお店で弁当等を購入 割

4.全国チェーンのお店で弁当等を購入 割

5.その他 割

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120

●(前々問で「7.買い物代」とお答えの方にお伺いします)

Q22 利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべて

をお答えください。

1.地場産品を扱うお店(シルク麺や和菓子などの富岡名産の農産品・加工品、など)

2.全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット、

有名な電気店・衣料品店・用品店など)

3.その他( )

●Q22-1 それぞれ支払われた割合(全体で 10 割)をお知らせ下さい。

※概算で結構です。

※合計が 10 になるようにご記入下さい。

1.地場産品を扱うお店 割

2.全国チェーンのお店 割

3.その他 割

<富岡市の印象について>

●Q23 今回の富岡市での滞在の総合満足度はどのくらいですか。以下の中から該当する

もの一つをお答えください。

1.大変満足 2.満足 3.やや満足 4.どちらでもない

5.やや不満 6.不満 7.大変不満

●Q24 今後 1 年以内に、富岡市への来訪を検討しますか。以下の中から該当するもの一

つをお答えください。

1.大変そう思う 2.そう思う 3.ややそう思う 4.どちらでもない

5.あまり思わない 6.思わない 7.まったく思わない

●Q25 親しい友人に富岡市を紹介したいですか。以下の中から該当するもの一つをお答

えください。

1.大変そう思う 2.そう思う 3.ややそう思う 4.どちらでもない

5.あまり思わない 6.思わない 7.まったく思わない

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121

付属資料 2 観光客の動向に関するネットアンケート調査 単純集計結果

(1)豊岡市

■スクリーニング調査

n %

全体 1000 100.0

1月 67 6.7

2月 49 4.93月 63 6.3

4月 55 5.5

5月 100 10.0

6月 31 3.1

7月 53 5.3

8月 142 14.2

9月 66 6.6

10月 121 12.1

11月 149 14.9

12月 104 10.4

n %

全体 1000 100.0

三重県 27 2.7

滋賀県 30 3.0京都府 137 13.7

大阪府 357 35.7

兵庫県 387 38.7

奈良県 43 4.3

和歌山県 19 1.9

SC1.あなたは平成26年に豊岡市(兵庫県)を訪れたことがありますか。直近で訪れた月をお教えください。

SC2.あなたの住所について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

6.7

4.9

6.3

5.5

10.0

3.1

5.3

14.2

6.6

12.1

14.9

10.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

2.7

3.0

13.7

35.7

38.7

4.31.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

■回答者について

n %

全体 1000 100.0300万円未満 107 10.7

300万円以上~500万円未満 260 26.0

500万円以上~700万円未満 236 23.6700万円以上~1,000万円未満 225 22.5

1,000万円以上~1,500万円未満 132 13.2

1,500万円以上~2,000万円未満 25 2.52,000万円以上 15 1.5

n %

全体 1000 100.0

周遊観光 589 58.9温泉入浴 716 71.6

自然観賞 379 37.9街歩き 346 34.6

ショッピング 307 30.7

イベント参加 83 8.3コンサート・映画・演劇鑑賞 113 11.3

博物館・美術館 181 18.1

動物園・植物園・水族館 211 21.1テーマパーク 254 25.4

アマチュアのスポーツ活動(ゴルフ・テニス・スキー・ダイビングなど) 96 9.6

海水浴 147 14.7スポーツ観戦 105 10.5

トレッキング・山登り 111 11.1

エコツアー 23 2.3産業観光(工場見学、産業遺産見学、工場夜景観光、工房体験(陶芸など)、農業・林業・漁業体験など)96 9.6

釣り 92 9.2

クルーズ 29 2.9キャンプ 82 8.2

体験学習(産業観光での体験を除く) 27 2.7

保養・リゾート 247 24.7帰省旅行 164 16.4

親類や友人宅への訪問 136 13.6

その他(_) 21 2.1あてはまるものはない 19 1.9

Q1.あなたの世帯全員の年収について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q2.あなたがよく行う旅行のタイプについて、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

10.7 26.0 23.6 22.5 13.2 2.5

0% 20% 40% 60% 80% 100% 300万円未満

300万円以上~500万円未満

500万円以上~700万円未満

700万円以上~1,000万円未満

1,000万円以上~1,500万円未満

1,500万円以上~2,000万円未満

2,000万円以上

58.9

71.637.9

34.6

30.78.3

11.318.1

21.125.4

9.6

14.710.5

11.12.3

9.69.2

2.9

8.22.7

24.716.4

13.6

2.1

1.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

周遊観光

温泉入浴

自然観賞

街歩き

ショッピング

イベント参加

コンサート・映画・演劇鑑賞

博物館・美術館

動物園・植物園・水族館

テーマパーク

アマチュアのスポーツ活動(ゴルフ・テニス・ス…

海水浴

スポーツ観戦

トレッキング・山登り

エコツアー

産業観光(工場見学、産業遺産見学、工場夜…

釣り

クルーズ

キャンプ

体験学習(産業観光での体験を除く)

保養・リゾート

帰省旅行

親類や友人宅への訪問

その他(_)

あてはまるものはない

Page 126: 観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討 …3 第1章 観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析 1-1 経済波及効果推計モデルの検討及び構築

122

■豊岡市について

n %全体 1000 100.0

旅行会社店舗 73 7.3旅行会社のホームページ 103 10.3

豊岡市のホームページ 111 11.1

新聞・雑誌の広告(ツアー、旅館など) 110 11.0JR等の駅での広告・ポスター 73 7.3

知人・友人からの情報 252 25.2小説・映画 13 1.3

学生時代の教育(歴史学、地理学など) 142 14.2その他(_) 111 11.1

分からない(特定できない) 325 32.5

n %全体 1000 100.0

コウノトリ 675 67.5豊岡カバン 496 49.6

出石そば 684 68.4

城崎温泉 789 78.9城崎マリンワールド 444 44.4

神鍋高原 312 31.2竹野海岸(竹野浜) 284 28.4

たんとうチューリップまつり 64 6.4その他(_) 26 2.6

Q4.豊岡市と聞いて、あなたがイメージするものは何ですか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

Q3.豊岡市のことを初めて知ったのは何からですか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

7.3

10.311.111.0

7.325.2

1.314.2

11.132.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

旅行会社店舗

旅行会社のホームページ

豊岡市のホームページ

新聞・雑誌の広告(ツアー、旅館など)

JR等の駅での広告・ポスター

知人・友人からの情報

小説・映画

学生時代の教育(歴史学、地理学など)

その他(_)

分からない(特定できない)

67.549.6

68.478.9

44.431.2

28.46.42.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

コウノトリ

豊岡カバン

出石そば

城崎温泉

城崎マリンワールド

神鍋高原

竹野海岸(竹野浜)

たんとうチューリップまつり

その他(_)

■豊岡市への来訪経験について

n %全体 1000 100.0

1回(今年のみ) 127 12.72回 95 9.5

3回 114 11.44~5回 228 22.8

6~10回 162 16.2

11~15回 67 6.716~20回 23 2.3

21回以上 184 18.4

n %

全体 1000 100.0

年に2回以上 215 21.5年に1回 312 31.2

2~3年に1回 195 19.54~5年に1回 75 7.5

5年以上来ていない(今回がひさしぶり) 76 7.6今回が初めて 127 12.7

Q5.これまでの豊岡市への来訪回数について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q6.豊岡市への来訪頻度について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

12.7 9.5 11.4 22.8 16.2 6.72.3 18.4

0% 20% 40% 60% 80% 100% 1回(今年のみ) 2回

3回 4~5回

6~10回 11~15回

16~20回 21回以上

21.5 31.2 19.5 7.5 7.6 12.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%年に2回以上

年に1回

2~3年に1回

4~5年に1回

5年以上来ていない(今回がひさしぶ

り)今回が初めて

Page 127: 観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討 …3 第1章 観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析 1-1 経済波及効果推計モデルの検討及び構築

123

n %

全体 1000 100.00泊(日帰り) 348 34.81泊 453 45.3

2泊 108 10.83~5泊 55 5.5

6~10泊 17 1.711泊以上 19 1.9

n %

全体 1000 100.00泊(日帰り) 469 46.91泊 423 42.3

2泊 78 7.83~5泊 23 2.3

6~10泊 4 0.411泊以上 3 0.3

n %

全体 1000 100.0城崎温泉 554 55.4

コウノトリ鑑賞 141 14.1ジオパーク(竹野海岸など)見学 86 8.6城崎マリンワールド 229 22.9

豊岡カバンの購入 82 8.2神鍋高原(ゴルフ・スキー) 92 9.2

出石そば 414 41.4カニ料理 354 35.4その他の食 83 8.3

業務・研修 69 6.9帰省 45 4.5

知人・友人への訪問 77 7.7他地域へ訪れたついでに 84 8.4

その他(_) 61 6.1

■直近の豊岡市へ訪れた旅行について

Q7.豊岡市を含めた旅行全体の泊数をお答えください。

Q8.このうち、豊岡市内に滞在された泊数をお答えください。

Q9.豊岡市への来訪目的について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

55.414.1

8.622.9

8.29.2

41.435.4

8.36.94.57.78.46.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

城崎温泉

コウノトリ鑑賞

ジオパーク(竹野海岸など)見学

城崎マリンワールド

豊岡カバンの購入

神鍋高原(ゴルフ・スキー)

出石そば

カニ料理

その他の食

業務・研修

帰省

知人・友人への訪問

他地域へ訪れたついでに

その他(_)

34.8 45.3 10.8 5.51.71.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%0泊(日帰り) 1泊

2泊 3~5泊

6~10泊 11泊以上

46.9 42.3 7.8 2.30.40.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%0泊(日帰り) 1泊

2泊 3~5泊

6~10泊 11泊以上

n %

全体 1000 100.01人 94 9.4

2人 381 38.13人~5人 416 41.66人~10人 72 7.2

11人~15人 15 1.516人~20人 11 1.1

21人~30人 1 0.131人~40人 6 0.641人以上 4 0.4

n %全体 1000 100.01人旅 94 9.4

夫婦 227 22.7子供連れ家族 243 24.3

三世代家族 84 8.4友人家族・夫婦と一緒に 57 5.7

恋人 58 5.8知人・友人 133 13.3趣味のグループ 25 2.5

地域のグループ 9 0.9仕事仲間 54 5.4

その他(_) 16 1.6

Q10.本人も含めた参加人数について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q11.参加者形態について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

9.4 38.1 41.6 7.2

0% 20% 40% 60% 80% 100% 1人 2人

3人~5人 6人~10人

11人~15人 16人~20人

21人~30人 31人~40人

41人以上

9.422.724.3

8.45.75.813.3

2.50.95.41.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1人旅

夫婦

子供連れ家族

三世代家族

友人家族・夫婦と一緒に

恋人

知人・友人

趣味のグループ

地域のグループ

仕事仲間

その他(_)

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124

n %全体 1000 100.0自家用車 786 78.6

ツアー(団体)バス 70 7.0JR山陰本線 87 8.7JR福知山線 98 9.8

飛行機(コウノトリ但馬空港利用) 4 0.4北近畿タンゴ鉄道 33 3.3

高速バス(神戸方面) 6 0.6高速バス(大阪方面) 19 1.9路線バス 4 0.4タクシー・ハイヤー 4 0.4

オートバイ・自転車 28 2.8新幹線 3 0.3

飛行機(コウノトリ但馬空港以外) 1 0.1その他(_) 16 1.6

n %

全体 1000 100.0コウノトリの郷公園(コウノトリ文化館など) 191 19.1Toyooka KABAN Artisan Avenue 41 4.1出石(辰鼓楼、出石史料館、出石酒造、出石城跡、出石明治館など) 471 47.1

城崎温泉(外湯、ロープウェー、温泉寺など) 494 49.4玄武洞 162 16.2

城崎マリンワールド 240 24.0神鍋高原 102 10.2ジオパーク(竹野海岸など) 96 9.6道の駅やぶ 224 22.4

道の駅ようか但馬蔵 136 13.6竹田城(天空の城) 180 18.0

天橋立 205 20.5その他(_) 57 5.7

Q12.交通手段について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

Q13.立ち寄り箇所について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

78.67.08.79.80.43.30.61.90.40.42.80.30.11.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

自家用車

ツアー(団体)バス

JR山陰本線

JR福知山線

飛行機(コウノトリ但馬空港利用)

北近畿タンゴ鉄道

高速バス(神戸方面)

高速バス(大阪方面)

路線バス

タクシー・ハイヤー

オートバイ・自転車

新幹線

飛行機(コウノトリ但馬空港以外)

その他(_)

19.14.1

47.149.4

16.224.0

10.29.6

22.413.618.020.5

5.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

コウノトリの郷公園(コウノトリ文化館など)

Toyooka KABAN Artisan Avenue

出石(辰鼓楼、出石史料館、出石酒造、出石…

城崎温泉(外湯、ロープウェー、温泉寺など)

玄武洞

城崎マリンワールド

神鍋高原

ジオパーク(竹野海岸など)

道の駅やぶ

道の駅ようか但馬蔵

竹田城(天空の城)

天橋立

その他(_)

n %

全体 1000 100.0城崎温泉 458 45.8豊岡駅前 61 6.1神鍋高原 43 4.3

京都市内 17 1.7大阪市内 6 0.6

神戸市内(有馬温泉を除く) 7 0.7有馬温泉 12 1.2その他(_) 167 16.7宿泊なし(日帰り) 348 34.8

n %全体 1000 100.0旅行会社等が企画した団体ツアー(職場や学校、趣味の会や地域グループ等の旅行を含む)への参加55 5.5

旅行会社等が企画した個人旅行向けパッケージ商品への参加 120 12.0往復の交通チケット(航空券、新幹線など)や宿泊等を個別に手配した 203 20.3手配は行っていない(自家用車による日帰り旅行など) 622 62.2

n %全体 1000 100.0交通費(航空、JR、北近畿タンゴ鉄道、高速バス、路線バス、タクシー等) 195 19.5

レンタカー代 27 2.7ガソリン代 333 33.3

駐車場代 309 30.9宿泊代 447 44.7飲食代 811 81.1買い物代 729 72.9

施設利用料(出石史料館など) 307 30.7あてはまるものはない 35 3.5

Q14.宿泊先について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

Q15.今回の旅行手配方法について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q16.以下の中から、豊岡市内で支払われたものをすべてお答えください。(いくつでも)

45.86.14.31.70.60.71.2

16.734.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

城崎温泉

豊岡駅前

神鍋高原

京都市内

大阪市内

神戸市内(有馬温泉を除く)

有馬温泉

その他(_)

宿泊なし(日帰り)

5.5 12.0 20.3 62.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%旅行会社等が企画した団体ツアー(職

場や学校、趣味の会や地域グループ

等の旅行を含む)への参加

旅行会社等が企画した個人旅行向け

パッケージ商品への参加

往復の交通チケット(航空券、新幹線

など)や宿泊等を個別に手配した

手配は行っていない(自家用車による

日帰り旅行など)

19.52.7

33.330.9

44.781.1

72.930.7

3.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

交通費(航空、JR、北近畿タンゴ鉄道、高速バ…

レンタカー代

ガソリン代

駐車場代

宿泊代

飲食代

買い物代

施設利用料(出石史料館など)

あてはまるものはない

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125

(豊岡市内で「飲食代」を支払われたとお答えの方について)

n %

全体 811 100.0

地元の飲食店内で飲食(カニや出石そばなどの郷土料理のお店、など) 720 88.8

全国チェーンの飲食店内で飲食(ファミリーレストラン、ラーメンチェーン店、など) 67 8.3

地元産品を扱うお店(地元スーパーマーケット等)で弁当等を購入 161 19.9

全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット等)で弁当等を購入77 9.5

その他(_) 19 2.3

n %

全体 811 100.0

地元:全国=0:10 37 4.6

地元:全国=1:9 0 0.0

地元:全国=2:8 2 0.2

地元:全国=3:7 3 0.4

地元:全国=4:6 7 0.9

地元:全国=5:5 23 2.8

地元:全国=6:4 7 0.9

地元:全国=7:3 6 0.7

地元:全国=8:2 25 3.1

地元:全国=9:1 18 2.2

地元:全国=10:0 664 81.9

その他 19 2.3

Q17.利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

Q17-2.「地元のお店」、「全国チェーンのお店」での支払い割合(全体で10割)をそれぞれお知らせください。

88.88.319.9

9.52.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地元の飲食店内で飲食(カニや出石そばなど…

全国チェーンの飲食店内で飲食(ファミリーレ…

地元産品を扱うお店(地元スーパーマーケット…

全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地…

その他(_)

4.6 81.9 2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%地元:全国=0:10

地元:全国=1:9

地元:全国=2:8

地元:全国=3:7

地元:全国=4:6

地元:全国=5:5

地元:全国=6:4

地元:全国=7:3

地元:全国=8:2

地元:全国=9:1

地元:全国=10:0

その他

(豊岡市内で「買い物代」を支払われたとお答えの方について)

n %

全体 729 100.0

地場産品を扱うお店(カニ等の豊岡名産の農産品・鮮魚品、豊岡カバン等を扱うお店、など)667 91.5

全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット、有名な電気店・衣料品店・用品店など)139 19.1その他(_) 15 2.1

n %

全体 729 100.0

地元:全国=0:10 49 6.7

地元:全国=1:9 0 0.0

地元:全国=2:8 1 0.1

地元:全国=3:7 4 0.5

地元:全国=4:6 0 0.0

地元:全国=5:5 15 2.1

地元:全国=6:4 3 0.4

地元:全国=7:3 15 2.1

地元:全国=8:2 30 4.1

地元:全国=9:1 20 2.7

地元:全国=10:0 577 79.1

その他 15 2.1

Q18.利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

Q18-2.「地場産品を扱うお店」、「全国チェーンのお店」での支払い割合(全体で10割)をそれぞれお知らせください。

91.519.1

2.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地場産品を扱うお店(カニ等の豊岡名産の農 …

全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地…

その他(_)

6.7 79.1 2.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%地元:全国=0:10

地元:全国=1:9

地元:全国=2:8

地元:全国=3:7

地元:全国=4:6

地元:全国=5:5

地元:全国=6:4

地元:全国=7:3

地元:全国=8:2

地元:全国=9:1

地元:全国=10:0

その他

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126

■豊岡市の印象について

n %全体 1000 100.0大変満足 141 14.1

満足 465 46.5やや満足 248 24.8どちらでもない 134 13.4

やや不満 9 0.9不満 2 0.2大変不満 1 0.1

n %

全体 1000 100.0大変そう思う 221 22.1そう思う 346 34.6ややそう思う 221 22.1

どちらでもない 165 16.5あまり思わない 31 3.1

思わない 15 1.5まったく思わない 1 0.1

n %全体 1000 100.0大変そう思う 132 13.2

そう思う 310 31.0ややそう思う 289 28.9どちらでもない 233 23.3

あまり思わない 24 2.4思わない 8 0.8まったく思わない 4 0.4

Q20.今後1年以内に、豊岡市への来訪を検討しますか。以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q21.親しい友人に豊岡市を紹介したいですか。以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q19.今回の豊岡市での滞在の総合満足度はどのくらいですか。以下の中から該当するもの一つをお答えください。

14.1 46.5 24.8 13.4

0% 20% 40% 60% 80% 100% 大変満足 満足

やや満足 どちらでもない

やや不満 不満

大変不満

22.1 34.6 22.1 16.5 3.1

0% 20% 40% 60% 80% 100% 大変そう思う そう思う

ややそう思う どちらでもない

あまり思わない 思わない

まったく思わない

13.2 31.0 28.9 23.3 2.4

0% 20% 40% 60% 80% 100% 大変そう思う そう思う

ややそう思う どちらでもない

あまり思わない 思わない

まったく思わない

■回答者属性

性別

n %全体 1000 100.0男性 691 69.1女性 309 30.9

年齢n %

全体 1000 100.010代 2 0.2

20代 54 5.430代 207 20.740代 313 31.3

50代 242 24.260代 152 15.270歳以上 30 3.0

性・年齢

n %全体 1000 100.0男性 10代 1 0.1

男性 20代 21 2.1男性 30代 119 11.9男性 40代 218 21.8男性 50代 195 19.5男性 60代 112 11.2

男性 70歳以上 25 2.5女性 10代 1 0.1女性 20代 33 3.3

女性 30代 88 8.8女性 40代 95 9.5女性 50代 47 4.7女性 60代 40 4.0女性 70歳以上 5 0.5

69.1 30.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男性 女性

5.4 20.7 31.3 24.2 15.2 3.0

0% 20% 40% 60% 80% 100% 10代 20代

30代 40代

50代 60代

70歳以上

0.12.111.9

21.819.5

11.22.50.13.38.89.54.74.00.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男性 10代

男性 20代

男性 30代

男性 40代

男性 50代

男性 60代

男性 70歳以上

女性 10代

女性 20代

女性 30代

女性 40代

女性 50代

女性 60代

女性 70歳以上

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127

(2)富岡市

■スクリーニング調査

n %

全体 1000 100.01月 36 3.6

2月 28 2.8

3月 25 2.54月 49 4.9

5月 89 8.9

6月 58 5.87月 65 6.5

8月 132 13.2

9月 118 11.810月 174 17.4

11月 148 14.8

12月 78 7.8

n %

全体 1000 100.0

茨城県 48 4.8栃木県 36 3.6

群馬県 128 12.8

埼玉県 213 21.3千葉県 114 11.4

東京都 317 31.7

神奈川県 144 14.4

SC1.あなたは平成26年に富岡市(群馬県)を訪れたことがありますか。直近で訪れた月をお教えください。

SC2.あなたの住所について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

3.6

2.8

2.5

4.9

8.9

5.8

6.5

13.2

11.8

17.4

14.8

7.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

4.83.6

12.821.3

11.431.7

14.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

■回答者について

n %

全体 1000 100.0

300万円未満 118 11.8300万円以上~500万円未満 226 22.6

500万円以上~700万円未満 213 21.3

700万円以上~1,000万円未満 243 24.3

1,000万円以上~1,500万円未満 142 14.21,500万円以上~2,000万円未満 35 3.5

2,000万円以上 23 2.3

n %

全体 1000 100.0

周遊観光 583 58.3温泉入浴 684 68.4

自然観賞 418 41.8

街歩き 357 35.7

ショッピング 340 34.0イベント参加 88 8.8

コンサート・映画・演劇鑑賞 132 13.2

博物館・美術館 222 22.2

動物園・植物園・水族館 223 22.3テーマパーク 254 25.4

アマチュアのスポーツ活動(ゴルフ・テニス・スキー・ダイビングなど) 135 13.5

海水浴 98 9.8

スポーツ観戦 105 10.5トレッキング・山登り 154 15.4

エコツアー 29 2.9

産業観光(工場見学、産業遺産見学、工場夜景観光、工房体験(陶芸など)、農業・林業・漁業体験など)180 18.0

釣り 54 5.4クルーズ 36 3.6

キャンプ 70 7.0

体験学習(産業観光での体験を除く) 26 2.6

保養・リゾート 262 26.2帰省旅行 209 20.9

親類や友人宅への訪問 167 16.7

その他(_) 21 2.1

あてはまるものはない 23 2.3

Q1.あなたの世帯全員の年収について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q2.あなたがよく行う旅行のタイプについて、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

11.8 22.6 21.3 24.3 14.2 3.52.3

0% 20% 40% 60% 80% 100% 300万円未満

300万円以上~500万円未満

500万円以上~700万円未満

700万円以上~1,000万円未満

1,000万円以上~1,500万円未満

1,500万円以上~2,000万円未満

2,000万円以上

58.3

68.4

41.8

35.7

34.08.8

13.222.2

22.325.4

13.5

9.8

10.5

15.4

2.918.0

5.43.6

7.02.6

26.2

20.9

16.7

2.1

2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

周遊観光

温泉入浴

自然観賞

街歩き

ショッピング

イベント参加

コンサート・映画・演劇鑑賞

博物館・美術館

動物園・植物園・水族館

テーマパーク

アマチュアのスポーツ活動(ゴルフ・テニス・ス…

海水浴

スポーツ観戦

トレッキング・山登り

エコツアー

産業観光(工場見学、産業遺産見学、工場夜…

釣り

クルーズ

キャンプ

体験学習(産業観光での体験を除く)

保養・リゾート

帰省旅行

親類や友人宅への訪問

その他(_)

あてはまるものはない

Page 132: 観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討 …3 第1章 観光産業が地域経済全体に及ぼす効果についての分析 1-1 経済波及効果推計モデルの検討及び構築

128

n %全体 1000 100.0「世界遺産登録」のニュース 475 47.5学生時代の教育(歴史学、地理学など) 358 35.8

知人・友人からの情報 92 9.2旅行会社店舗 30 3.0旅行会社のホームページ 56 5.6富岡市のホームページ 57 5.7

JR等の駅での広告・ポスター 63 6.3新聞・雑誌の広告(ツアー、旅館など) 92 9.2その他(_) 98 9.8分からない(特定できない) 94 9.4

n %全体 1000 100.0

富岡製糸場 924 92.4群馬サファリパーク 424 42.4県立自然史博物館 99 9.9福沢一郎記念美術館 35 3.5

妙義山 319 31.9道の駅みょうぎ 76 7.6大島鉱泉 20 2.0その他(_) 29 2.9

Q4.富岡市と聞いて、あなたがイメージするものは何ですか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

■富岡市及び世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」について

Q3.富岡市のことを初めて知ったのは何からですか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

47.535.8

9.23.05.65.76.39.29.89.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

「世界遺産登録」のニュース

学生時代の教育(歴史学、地理学など)

知人・友人からの情報

旅行会社店舗

旅行会社のホームページ

富岡市のホームページ

JR等の駅での広告・ポスター

新聞・雑誌の広告(ツアー、旅館など)

その他(_)

分からない(特定できない)

92.442.4

9.93.5

31.97.62.02.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

富岡製糸場

群馬サファリパーク

県立自然史博物館

福沢一郎記念美術館

妙義山

道の駅みょうぎ

大島鉱泉

その他(_)

1 1 1

を知

って

いる

を聞

いた

こと

る 知

ない

1.荒船風穴(群馬県下仁田町) 1000 250 347 403

100.0 25.0 34.7 40.3

2.高山社跡(群馬県藤岡市) 1000 161 281 558100.0 16.1 28.1 55.8

3.田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市) 1000 176 289 535100.0 17.6 28.9 53.5

Q5.世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産(下記)をご存知でしょうか。それぞれについて、該当するもの一つをお答えください。

内容を知っている

25.0

16.1

17.6

名称を聞いたことはある

34.7

28.1

28.9

知らない

40.3

55.8

53.5

1.荒船風穴(群馬県下仁田町)(n=1000)

2.高山社跡(群馬県藤岡市)(n=1000)

3.田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市)(n=1000)

n %全体 1000 100.01回(今年のみ) 489 48.9

2回 155 15.53回 91 9.14~5回 101 10.1

6~10回 48 4.811~15回 17 1.716~20回 10 1.0

21回以上 89 8.9

n %全体 1000 100.0年に2回以上 144 14.4

年に1回 131 13.12~3年に1回 117 11.74~5年に1回 50 5.0

5年以上来ていない(今回がひさしぶり) 69 6.9今回が初めて 489 48.9

■富岡市への来訪経験について

Q6.これまでの富岡市への来訪回数について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q7.富岡市への来訪頻度について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

48.9 15.5 9.1 10.1 4.8 8.9

0% 20% 40% 60% 80% 100% 1回(今年のみ) 2回

3回 4~5回

6~10回 11~15回

16~20回 21回以上

14.4 13.1 11.7 5.0 6.9 48.9

0% 20% 40% 60% 80% 100% 年に2回以上

年に1回

2~3年に1回

4~5年に1回

5年以上来ていない(今回がひさしぶり)

今回が初めて

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129

Q8.富岡市を含めた旅行全体の泊数をお答えください。n %

全体 1000 100.00泊(日帰り) 563 56.3

1泊 309 30.92泊 99 9.93~5泊 23 2.3

6~10泊 3 0.311泊以上 3 0.3

Q9.このうち、富岡市内に滞在された時間をお答えください。n %

全体 1000 100.01~2時間 290 29.03~4時間 343 34.3

5~6時間 215 21.57~8時間 48 4.89~10時間 34 3.4

11~12時間 16 1.612時間以上 54 5.4

n %

全体 1000 100.0富岡製糸場 642 64.2

群馬サファリパーク 198 19.8県立自然史博物館 61 6.1福沢一郎記念美術館 23 2.3

妙義山 138 13.8道の駅みょうぎ 107 10.7

大島鉱泉 17 1.7地元の食(シルク麺など) 110 11.0業務・研修 68 6.8

帰省 19 1.9知人・友人への訪問 73 7.3

他地域へ訪れたついでに 174 17.4その他(_) 92 9.2

■直近の富岡市へ訪れた旅行について

Q10.富岡市への来訪目的について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

64.219.8

6.12.313.8

10.71.711.06.81.97.3

17.49.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

富岡製糸場

群馬サファリパーク

県立自然史博物館

福沢一郎記念美術館

妙義山

道の駅みょうぎ

大島鉱泉

地元の食(シルク麺など)

業務・研修

帰省

知人・友人への訪問

他地域へ訪れたついでに

その他(_)

56.3 30.9 9.9 2.30.3

0.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%0泊(日帰り) 1泊

2泊 3~5泊

6~10泊 11泊以上

29.0 34.3 21.5 4.8 3.4

1.6

5.4

0% 20% 40% 60% 80% 100% 1~2時間 3~4時間

5~6時間 7~8時間

9~10時間 11~12時間

12時間以上

n %全体 1000 100.01人 136 13.62人 413 41.3

3人~5人 354 35.46人~10人 35 3.5

11人~15人 14 1.416人~20人 14 1.421人~30人 12 1.2

31人~40人 8 0.841人以上 14 1.4

n %全体 1000 100.0

1人旅 136 13.6夫婦 249 24.9

子供連れ家族 199 19.9三世代家族 51 5.1友人家族・夫婦と一緒に 52 5.2恋人 48 4.8

知人・友人 142 14.2趣味のグループ 23 2.3

地域のグループ 17 1.7仕事仲間 56 5.6その他(_) 27 2.7

n %

全体 1000 100.0自家用車 782 78.2ツアー(団体)バス 97 9.7

上信電鉄 53 5.3高速バス 24 2.4

路線バス 5 0.5タクシー・ハイヤー 11 1.1オートバイ・自転車 26 2.6上越・長野新幹線 34 3.4

信越線(高崎~横川間) 25 2.5しなの鉄道 4 0.4

その他(_) 13 1.3

Q11.本人も含めた参加人数について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q12.参加者形態について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q13.交通手段について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

13.6 41.3 35.4 3.5

0% 20% 40% 60% 80% 100% 1人 2人

3人~5人 6人~10人

11人~15人 16人~20人

21人~30人 31人~40人

41人以上

13.624.9

19.95.15.24.814.2

2.31.75.62.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1人旅

夫婦

子供連れ家族

三世代家族

友人家族・夫婦と一緒に

恋人

知人・友人

趣味のグループ

地域のグループ

仕事仲間

その他(_)

78.29.75.32.40.51.12.63.42.50.41.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

自家用車

ツアー(団体)バス

上信電鉄

高速バス

路線バス

タクシー・ハイヤー

オートバイ・自転車

上越・長野新幹線

信越線(高崎~横川間)

しなの鉄道

その他(_)

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130

n %全体 1000 100.0

富岡製糸場 650 65.0群馬サファリパーク 164 16.4

県立自然史博物館 64 6.4福沢一郎記念美術館 18 1.8妙義山 150 15.0

道の駅みょうぎ 185 18.5

大島鉱泉 25 2.5荒船風穴(群馬県下仁田町) 38 3.8高山社跡(群馬県藤岡市) 20 2.0

田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市) 23 2.3

桐生市織物参考館(群馬県桐生市) 14 1.4旧碓氷社本社事務所(群馬県安中市) 18 1.8碓氷製糸工場(群馬県安中市) 12 1.2

碓氷峠鉄道施設(めがね橋など)(群馬県安中市) 104 10.4

碓氷峠鉄道文化むら(群馬県安中市) 67 6.7日本絹の里(群馬県高崎市) 27 2.7道の駅甘楽(群馬県甘楽町) 100 10.0

道の駅しもにた(群馬県下仁田町) 119 11.9藤岡SA・道の駅ふじおか(群馬県藤岡市) 181 18.1

榛名山(群馬県高崎市) 110 11.0長野県軽井沢町(ニューイーストガーデンモールなど) 87 8.7

その他(_) 109 10.9

n %

全体 1000 100.0富岡市内 51 5.1

伊香保温泉 106 10.6

草津温泉 88 8.8

水上温泉 38 3.8軽井沢町内 55 5.5

高崎市中心部 37 3.7その他(_) 109 10.9

宿泊なし(日帰り) 561 56.1

Q14.立ち寄り箇所について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

Q15.宿泊先について、以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

65.016.46.41.815.018.5

2.53.82.02.31.41.81.210.46.72.710.011.918.1

11.08.710.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

富岡製糸場

群馬サファリパーク

県立自然史博物館

福沢一郎記念美術館

妙義山

道の駅みょうぎ

大島鉱泉

荒船風穴(群馬県下仁田町)

高山社跡(群馬県藤岡市)

田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市)

桐生市織物参考館(群馬県桐生市)

旧碓氷社本社事務所(群馬県安中市)

碓氷製糸工場(群馬県安中市)

碓氷峠鉄道施設(めがね橋など)(群馬県安中…

碓氷峠鉄道文化むら(群馬県安中市)

日本絹の里(群馬県高崎市)

道の駅甘楽(群馬県甘楽町)

道の駅しもにた(群馬県下仁田町)

藤岡SA・道の駅ふじおか(群馬県藤岡市)

榛名山(群馬県高崎市)

長野県軽井沢町(ニューイーストガーデンモー…

その他(_)

5.110.68.83.85.53.710.9

56.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

富岡市内

伊香保温泉

草津温泉

水上温泉

軽井沢町内

高崎市中心部

その他(_)

宿泊なし(日帰り)

n %全体 1000 100.0

旅行会社等が企画した団体ツアー(職場や学校、趣味の会や地域グループ等の旅行を含む)への参加80 8.0

旅行会社等が企画した個人旅行向けパッケージ商品への参加 68 6.8往復の交通チケット(航空券、新幹線など)や宿泊等を個別に手配した 132 13.2

手配は行っていない(自家用車による日帰り旅行など) 720 72.0

n %

全体 1000 100.0交通費(上信電鉄、JR、高速バス、路線バス、タクシー等) 214 21.4

レンタカー代 13 1.3ガソリン代 229 22.9

駐車場代 290 29.0

宿泊代 48 4.8

飲食代 677 67.7買い物代 598 59.8

施設利用料(富岡製糸場など) 515 51.5

あてはまるものはない 68 6.8

Q16.今回の旅行手配方法について、以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q17.以下の中から、富岡市内で支払われたものをすべてお答えください。(いくつでも)

8.0 6.8 13.2 72.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%旅行会社等が企画した団体ツアー(職

場や学校、趣味の会や地域グループ等

の旅行を含む)への参加旅行会社等が企画した個人旅行向け

パッケージ商品への参加

往復の交通チケット(航空券、新幹線な

ど)や宿泊等を個別に手配した

手配は行っていない(自家用車による

日帰り旅行など)

21.41.3

22.929.0

4.867.7

59.851.5

6.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

交通費(上信電鉄、JR、高速バス、路線バス、…

レンタカー代

ガソリン代

駐車場代

宿泊代

飲食代

買い物代

施設利用料(富岡製糸場など)

あてはまるものはない

n %全体 677 100.0

地元の飲食店内で飲食(シルク麺などの地元名産・郷土料理のお店、など) 529 78.1全国チェーンの飲食店で飲食(ファミリーレストラン、ラーメンチェーン店、など) 89 13.1

地元産品を扱うお店(地元スーパーマーケット等)で弁当等を購入 114 16.8

全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット等)で弁当等を購入88 13.0

その他(_) 29 4.3

n %全体 677 100.0

地元:全国=0:10 83 12.3地元:全国=1:9 2 0.3

地元:全国=2:8 0 0.0地元:全国=3:7 5 0.7

地元:全国=4:6 5 0.7地元:全国=5:5 19 2.8

地元:全国=6:4 2 0.3地元:全国=7:3 11 1.6

地元:全国=8:2 14 2.1地元:全国=9:1 14 2.1地元:全国=10:0 493 72.8

その他 29 4.3

(富岡市内で「飲食代」を支払われたとお答えの方について)

Q18.利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

Q18-2.「地元のお店」、「全国チェーンのお店」での支払い割合(全体で10割)をそれぞれお知らせください。

78.113.116.813.04.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地元の飲食店内で飲食(シルク麺などの地元…

全国チェーンの飲食店で飲食(ファミリーレスト…

地元産品を扱うお店(地元スーパーマーケット…

全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地…

その他(_)

12.3 72.8 4.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%地元:全国=0:10 地元:全国=1:9

地元:全国=2:8 地元:全国=3:7

地元:全国=4:6 地元:全国=5:5

地元:全国=6:4 地元:全国=7:3

地元:全国=8:2 地元:全国=9:1

地元:全国=10:0 その他

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131

n %全体 598 100.0

地場産品を扱うお店(シルク麺や和菓子などの富岡名産の農産品・加工品、など) 387 64.7全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地元以外のスーパーマーケット、有名な電気店・衣料品店・用品店など)203 33.9その他(_) 10 1.7

n %

全体 598 100.0地元:全国=0:10 43 7.2

地元:全国=1:9 0 0.0地元:全国=2:8 0 0.0

地元:全国=3:7 1 0.2地元:全国=4:6 0 0.0

地元:全国=5:5 21 3.5地元:全国=6:4 5 0.8地元:全国=7:3 14 2.3

地元:全国=8:2 12 2.0地元:全国=9:1 5 0.8

地元:全国=10:0 472 78.9その他 25 4.2

(富岡市内で「買い物代」を支払われたとお答えの方について)

Q19-2.「地場産品を扱うお店」、「全国チェーンのお店」での支払い割合(全体で10割)をそれぞれお知らせください。

Q19.利用されたお店はどのようなタイプでしたか。以下の中から該当するものすべてをお答えください。(いくつでも)

64.733.9

1.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地場産品を扱うお店(シルク麺や和菓子などの…

全国チェーンのお店(コンビニエンスストア、地…その他(_)

7.2 78.9 4.2

0% 20% 40% 60% 80% 100% 地元:全国=0:10 地元:全国=1:9

地元:全国=2:8 地元:全国=3:7

地元:全国=4:6 地元:全国=5:5

地元:全国=6:4 地元:全国=7:3

地元:全国=8:2 地元:全国=9:1

地元:全国=10:0 その他

■富岡市の印象について

n %全体 1000 100.0

大変満足 87 8.7満足 340 34.0

やや満足 282 28.2

どちらでもない 248 24.8

やや不満 30 3.0不満 12 1.2

大変不満 1 0.1

n %全体 1000 100.0

大変そう思う 104 10.4そう思う 188 18.8ややそう思う 248 24.8

どちらでもない 249 24.9

あまり思わない 119 11.9思わない 59 5.9まったく思わない 33 3.3

n %全体 1000 100.0大変そう思う 91 9.1

そう思う 213 21.3ややそう思う 285 28.5

どちらでもない 301 30.1あまり思わない 66 6.6

思わない 28 2.8まったく思わない 16 1.6

Q20.今回の富岡市での滞在の総合満足度はどのくらいですか。以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q21.今後1年以内に、富岡市への来訪を検討しますか。以下の中から該当するもの一つをお答えください。

Q22.親しい友人に富岡市を紹介したいですか。以下の中から該当するもの一つをお答えください。

8.7 34.0 28.2 24.8 3.0

0% 20% 40% 60% 80% 100% 大変満足 満足

やや満足 どちらでもない

やや不満 不満

大変不満

10.4 18.8 24.8 24.9 11.9 5.93.3

0% 20% 40% 60% 80% 100% 大変そう思う そう思う

ややそう思う どちらでもない

あまり思わない 思わない

まったく思わない

9.1 21.3 28.5 30.1 6.62.8

0% 20% 40% 60% 80% 100% 大変そう思う そう思う

ややそう思う どちらでもない

あまり思わない 思わない

まったく思わない

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132

■回答者属性

性別

n %

全体 1000 100.0男性 745 74.5女性 255 25.5

年齢

n %全体 1000 100.010代 1 0.1

20代 52 5.2

30代 186 18.640代 302 30.250代 216 21.6

60代 186 18.670歳以上 57 5.7

性・年齢n %

全体 1000 100.0男性 10代 1 0.1

男性 20代 28 2.8男性 30代 110 11.0

男性 40代 235 23.5男性 50代 173 17.3男性 60代 151 15.1

男性 70歳以上 47 4.7

女性 10代 0 0.0女性 20代 24 2.4女性 30代 76 7.6

女性 40代 67 6.7女性 50代 43 4.3

女性 60代 35 3.5

女性 70歳以上 10 1.0

74.5 25.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男性 女性

0.1

2.8

11.0

23.5

17.3

15.1

4.7

0.0

2.4

7.6

6.7

4.3

3.5

1.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男性 10代

男性 20代

男性 30代

男性 40代

男性 50代

男性 60代

男性 70歳以上

女性 10代

女性 20代

女性 30代

女性 40代

女性 50代

女性 60代

女性 70歳以上

0.15.2 18.6 30.2 21.6 18.6 5.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%10代 20代

30代 40代

50代 60代

70歳以上

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133

付属資料 3 事業者ヒアリング調査 項目内容

(1)豊岡市

豊岡市観光による経済波及効果に関するヒアリング調査

事前送付シート

この度はお忙しいところお時間頂戴し、誠にありがとうございます。

この調査は、観光客などによる市内での消費が、市内事業所の売上や従業員の雇用などにどの

ような効果を及ぼしているかを調査するものです。当日は、以下の内容を中心にしながらお話を

お伺いさせていただきますので、お忙しいとは存じますが、可能な範囲でご回答をご準備頂けれ

ば幸いです。

(お伺いした個々の内容を公表することはございませんのでご安心ください)。

※各問に特段の指定がなければ、平成26年10月1日現在の状況をお答え下さい。

※各問については、貴事業所(店舗)単独での状況をお答え下さい。(貴事業所が本所(本店、

本社)もしくは支所(支店、支社)である場合にも本所、支所単独での状況をお知らせ下さ

い。)

問 01 貴事業所(店舗)の概要についてお教え下さい。

① 事業所(店舗)の名称

② 本店・支店の別 01.本店・本社・単独の事業所

02.支店・支社

③ 従業員数 ( )人(※うち豊岡市内在住者( )人

問 02 貴事業所(店舗)の主な業種をお教え下さい。(○は、1つだけ....

01.農業 02.漁業 03.建設業 04.飲食料品製造業

05.工芸品製造業 06.その他製造業 07.情報通信業 08.バス・タクシー等

09.鉄道業 10.その他運輸業 11.卸売業 12.土産品小売業

13.飲食料品小売業 14.ガソリンスタンド 15.その他小売業 16.駐車場業

17.飲食店業 18.酒場・バー等 19.宿泊業(旅館・ホテル・民宿等) 20.博物館・資料館・植物園等

21.観光・レクリエーション施設(観光体験・遊漁船等含む) 22.レンタカー業 23.旅行業

24.その他サービス業 25.その他の業種 ( )

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134

問 03 直近の決算における貴事業所(店舗)単独での年間売上高のおおよその

総額をお教え下さい。

千億

百億

十億億

千万

百万

十万万千

貴事業所(店舗)単独での年間売上高 千円/年

(支店・本社などがある場合)

支店・本社などとの合計の売上 千円/年

問 04 貴事業所(店舗)の売上全体のうち、旅行・観光客へのおおよその直接

の売上比率をお教え下さい。

約( )%

問 05 年間売上高の中で、貴事業所(店舗)単独で各経費がどの程度かかって

いたかのおおよその割合(%)をご記入下さい。

科目売上高に対

する比率備考

①原材料費(売上原価) %

製造や料理などの原材料費や販売用商品の仕入れなどの費用を指します。農林漁業の場合は肥料・種苗・薬剤・餌代、製造業の場合は加工外注費も含めてご記入下さい。また、運輸・交通業の場合には燃料費も含めてご記入下さい。

②営業経費 %

旅費や通信費、水道光熱費、広告宣伝費、消耗品費、修繕費など、製品やサービスを提供するに当たって必要となる費用を指します。農林漁業の場合は、農機具・漁船・漁具費・油費も含めてご記入下さい。

③人件費 %

貴事業所で働かれている従業員の人件費(パートなどを含む)を指します。役員給与や賞与なども含めてご記入下さい。直接労務費や福利厚生費なども含めてご記入下さい。個人事業主・家族経営の方は、本人や家族の人件費は0とし、所得は全て営業利益に含めて下さい。

④その他経費 % 減価償却費や固定資産税などの租税公課、支払利息などが該当します。

⑤営業利益 %売上高から上記の原材料費、営業経費、人件費、その他経費を除いた額をご記入下さい。

合計100%=売上

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135

問 06 (観光関連業種の「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」に該当する

場合のみご記入下さい)

問 05 における「①原材料費(売上原価)」の内訳について、おおよそ

の割合(%)をご記入下さい。

科目 内訳比率 備考

a.農林漁業者から直接仕

入れ% 農家(契約を含む)、林業、漁船などが該当します。

b.製造業者から直接仕入

れ% 工場、工房などが該当します。

c.小売・卸売業から仕入

れ% 八百屋、スーパー、問屋などが該当します。

d.その他(上記以外)か

ら仕入れ% 自社生産や特殊な調達などが該当します。

合計 100%

問 07 各経費(原材料費(売上原価)、営業経費、人件費)について、貴事業

所(店舗)単独での支払先(市内、県内、県外)のおおよその割合(%)

をご記入ください。

科目

各種経費などの支払先(購入先)の比率

A.市内B.兵庫県内

(A を除く)C.兵庫県外 合計(A+B+C)

①原材料費(売上原価) % % % 100%

②営業経費 % % % 100%

③人件費 % % % 100%

問 08 豊岡市内で原材料や商品を仕入れる機会が増えることで、地域の中に落

ちるお金が増えて、地域経済が元気になることにつながりますが、原材

料や商品を豊岡市内から仕入れることを難しくしている原因があれば

お教え下さい。

問 09 観光での売上を増やすために、豊岡市内の住民や民間事業者、行政が取

り組んでいくと良いと思われることがありましたらお教えください。

ご協力ありがとうございました。

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136

(2)富岡市

富岡市観光による経済波及効果に関するヒアリング調査

事前送付シート

この度はお忙しいところお時間頂戴し、誠にありがとうございます。

本調査は、観光客などによる市内での消費が、市内事業所(店舗)の売上や従業員の雇用など

にどのような効果を及ぼしているかを調査するものです。当日は、以下の内容を中心にしながら

お話をお伺いさせていただきますので、お忙しいとは存じますが、可能な範囲でご回答をご準備

頂ければ幸いです。

(お伺いした個々の内容を公表することはございません)。

※各問に特段の指定がなければ、平成26年10月1日現在の状況をお答え下さい。

※各問については、貴事業所(店舗)単独での状況をお答え下さい。(貴事業所(店舗)が本所

(本店、本社)もしくは支所(支店、支社)である場合にも本所、支所単独での状況をお知

らせ下さい。)

問 01 貴事業所(店舗)の概要についてお教え下さい。

① 事業所(店舗)の名称

② 本店・支店の別 01.本店・本社・単独の事業所

02.支店・支社

③ 従業員数 ( )人(※うち富岡市内在住者( )人

問 02 貴事業所(店舗)の主な業種をお教え下さい。(○は、1つだけ....

01.農業 02.漁業 03.建設業 04.飲食料品製造業

05.工芸品製造業 06.その他製造業 07.情報通信業 08.バス・タクシー等

09.鉄道業 10.その他運輸業 11.卸売業 12.土産品小売業

13.飲食料品小売業 14.ガソリンスタンド 15.その他小売業 16.駐車場業

17.飲食店業 18.酒場・バー等 19.宿泊業(旅館・ホテル・民宿等) 20.博物館・資料館・植物園等

21.観光・レクリエーション施設(観光体験・遊漁船等含む) 22.レンタカー業 23.旅行業

24.その他サービス業 25.その他の業種 ( )

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問 03 直近の決算における貴事業所(店舗)単独での年間売上高のおおよその

総額をお教え下さい。

千億

百億

十億億

千万

百万

十万万千

貴事業所(店舗)単独での年間売上高 千円/年

(支店・本社などがある場合)

支店・本社などとの合計の売上 千円/年

問 04 貴事業所(店舗)の売上全体のうち、旅行・観光客へのおおよその直接

の売上比率をお教え下さい。

約( )%

問 05 年間売上高の中で、貴事業所(店舗)単独で各経費がどの程度かかって

いたかのおおよその割合(%)をご記入下さい。

科目売上高に対する

比率備考

①原材料費(売上原価) %

製造や料理などの原材料費や販売用商品の仕入れなどの費用を指します。農林漁業の場合は肥料・種苗・薬剤・餌代、製造業の場合は加工外注費も含めてご記入下さい。また、運輸・交通業の場合には燃料費も含めてご記入下さい。

②営業経費 %旅費や通信費、水道光熱費、広告宣伝費、消耗品費、修繕費など、製品やサービスを提供するに当たって必要となる費用を指します。農林漁業の場合は、農機具・漁船・漁具費・油費も含めてご記入下さい。

③人件費 %

貴事業所で働かれている従業員の人件費(パートなどを含む)を指します。役員給与や賞与なども含めてご記入下さい。直接労務費や福利厚生費なども含めてご記入下さい。個人事業主・家族経営の方は、本人や家族の人件費は0とし、所得は全て営業利益に含めて下さい。

④その他経費 % 減価償却費や固定資産税などの租税公課、支払利息などが該当します。

⑤営業利益 %売上高から上記の原材料費、営業経費、人件費、その他経費を除いた額をご記入下さい。

合計 100%=売上高

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問 06 (観光関連業種の「宿泊サービス」「飲食サービス」「小売」に該当する

場合のみご記入下さい)

問 05 における「①原材料費(売上原価)」の内訳について、おおよそ

の割合(%)をご記入下さい。

科目 内訳比率 備考

a.農林漁業者から直接仕

入れ% 農家(契約を含む)、林業、漁船などが該当します。

b.製造業者から直接仕入

れ% 工場、工房などが該当します。

c.小売・卸売業から仕入

れ% 八百屋、スーパー、問屋などが該当します。

d.その他(上記以外)か

ら仕入れ% 自社生産や特殊な調達などが該当します。

合計 100%

問 07 各経費(原材料費(売上原価)、営業経費、人件費)について、貴事業

所(店舗)単独での支払先(市内、県内、県外)のおおよその割合(%)

をご記入ください。

科目

各種経費などの支払先(購入先)の比率

A.市内B.群馬県内

(A を除く)C.群馬県外 合計(A+B+C)

①原材料費(売上原価) % % % 100%

②営業経費 % % % 100%

③人件費 % % % 100%

問 08 富岡市内で原材料や商品を仕入れる機会が増えることで、地域の中に落

ちるお金が増えて、地域経済が元気になることにつながりますが、原材

料や商品を富岡市内から仕入れることを難しくしている原因があれば

お教え下さい。

問 09 観光での売上を増やすために、富岡市内の住民や民間事業者、行政が取

り組んでいくと良いと思われることがありましたらお教えください。

ご協力ありがとうございました。

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観光産業の地域経済への波及効果分析手法の検討及び

地域ストーリーづくりに関する調査 報告書

平成 27 年 3 月発行

事業主体:経済産業省地域経済産業グループ

〒100-8901 東京都千代田区霞が関 1-3-1

調査実施:公益財団法人日本交通公社

〒100-0004 東京都千代田区大手町 2-6-1