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鶴居村住生活基本計画 平成 26 年 3 月 鶴 居 村

鶴居村住生活基本計画 - Tsurui...鶴居村住生活基本計画 3 (2)社会特性 ①沿革 村は、明治18年に釧路市茂尻矢より 27 戸の住民が下雪裡に移住し、農業に

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鶴居村住生活基本計画

平成 26 年 3 月

鶴 居 村

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鶴居村住生活基本計画

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鶴居村住生活基本計画

鶴居村住生活基本計画 目次

■計画概要

1.計画の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.計画の位置づけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

3.計画対象・期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

第Ⅰ章 住生活に関わる現状

1.住生活に関わる地域特性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

2.人口と世帯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

3.住宅事情 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

第Ⅱ章 住宅施策の課題

1.上位・関連計画にみる住宅施策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

2.将来の住宅状況の想定と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

3.住宅施策の現状と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

第Ⅲ章 住宅施策の目標と展開

1.住宅施策の目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

2.住宅施策の展開 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

第Ⅳ章 重点的な取組み

1.住宅施策推進において重視する視点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31

2.重点的な取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

3.計画の推進方策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35

参考資料

■(1)人口推計について

■(2)世帯数推計及び所有関係別世帯数推計

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鶴居村住生活基本計画

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鶴居村住生活基本計画

■計画概要

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鶴居村住生活基本計画

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鶴居村住生活基本計画

1

1.計画の目的

鶴居村では、平成 21 年 3 月「鶴居村住生活基本計画」及び「鶴居村公営住宅ストック総合活

用計画」を策定し、住宅施策の推進及び村営住宅の計画的な建替、改善事業を進めてきましたが、

策定後4年を経過し、村民町民の多様な住宅ニーズや村有住宅需要に的確に対応するため、現状に

併せた計画の見直しを行うこととします。

国の公営住宅施策においては、平成 21 年度から公営住宅等ストック総合改善事業等の拡充を図

り、平成 26 年度以降は公営住宅等長寿命化計画に基づく改善事業・建替事業に限り交付金の交付

対象となるため、平成 25 年度までに「公営住宅等長寿命化計画」の策定を行うことが求められて

います。鶴居村においても、公営住宅等に関し、計画的な維持管理、修繕による更新費の削減や平

準化を目指し、長寿命化に資する改善事業を推進することとします。

本計画は、鶴居村における住宅政策の継続的な展開と新たな住宅体系や制度等への適合を図るた

め、また住宅の質や住環境の向上はもとより、住宅の持つ「社会性」にも着目し、福祉施策やまち

づくりなどの分野等、総合的な施策・展開を図ることができるよう、従前計画の見直しを行うこと

を目的とします。

2.計画の位置づけ 本計画は、総合計画に基づく住宅に関するマスタープランの位置づけにあり、平成 20 年度策定

の従前計画「鶴居村住生活基本計画」の見直しを図るとともに、その一部として同年策定「鶴居村

公営住宅ストック総合活用計画」に代わる「鶴居村公営住宅等長寿命化計画」を位置づけることと

します。

[鶴居村] [北海道]

[従前計画] 見直し

3.計画対象・期間

(1)計画の対象

鶴居村の民間住宅を含む、住宅全般を対象とします。

(2)計画の期間

計画期間は、平成 26 年度から平成 35 年度までの 10 年間として設定します。

また、計画内容については 5 年程度ごとに見直しを図るものとします。

第4次鶴居村総合計画(平成 20~29 年度)

夢チャレンジ 鶴居びと~四季の詩が流れる大地~

関連計画

鶴居村

住生活基本計画

北海道

住生活基本計画

(平成 23~32 年度)

住生活基本計画

(全国計画)

《平成 20年度》

鶴居村住生活基本計画

鶴居村 公営住宅

ストック総合活用計画

鶴居村

公営住宅等

長寿命化計画

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鶴居村住生活基本計画

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鶴居村住生活基本計画

第Ⅰ章 住生活に関わる現状

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鶴居村住生活基本計画

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鶴居村住生活基本計画

2

1.住生活に関わる地域特性

(1)自然特性

①位置・広さ

鶴居村は、釧路支庁管内のほぼ中央に

位置し、東は標茶町、北西は釧路市阿

寒・弟子屈町、南は釧路湿原国立公園を

挟んで釧路市や釧路町に隣接していま

す。釧路湿原国立公園の指定地域の多く

を占め、タンチョウが営巣する地として

も知られています。

東西23㎞、南北42㎞と南北に細長く

面積は571.84k㎡です。

②気候

気候は冷涼であるものの、夏季は釧路

沖で発生する海霧(ガス)に時折覆われ

ることはありますが、内陸型気候により

比較的温暖な日が続きます。

冬季は最大積雪深が50㎝程度と雪が

少なく、また晴天の日が多くなっていま

す。風向きは季節風の関係で、夏は南か

らの風が多く、冬は北西からの風が比較

的多く吹きます。

③地勢・景観

鶴居村村域は阿寒カルデラ外輪山を

貫流する雪裡川、幌呂川、久著呂川の流

域に沿って広がる雪裡、幌呂、久著呂の

3 原野で構成され、流域はいずれも農耕

適地です。

海抜標高は、最低が本村南部の湿原地

帯で 3.6m、最高が阿寒山麓の原始林帯

で812mとなり、農耕地は 40~200m

の地帯に拓かれています。

鶴居村には、生活や酪農の営みにより

作られてきた、鶴居村独自の景観や環境

などの美しい地域資源があります。20

08年10月、鶴居村はNPO法人「日本

で最も美しい村」連合への加盟が正式に

承認されました。

足寄町は、北海道網走支庁管内の南東部に位置

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

0

100

200

300

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 1月 10月11月12月

■鶴居村の月別平均気温と降水量(平成24年度)

鶴居村平均気温

札幌市平均気温

鶴居村降水量

札幌市降水量

(℃) (mm)

50

100

150

200

250

300

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 1月 10月 11月 12月

■鶴居村と札幌の日照時間の比較(平成24年度)

鶴居村日照時間 札幌市日照時間(℃) (h)

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鶴居村住生活基本計画

3

(2)社会特性

①沿革

村は、明治 18 年に釧路市茂尻矢より

27 戸の住民が下雪裡に移住し、農業に

従事したのが始まりとされています。

その後大正期に、本州各地から移住者

が増加し、昭和 12 年に現在の阿寒町か

ら分村、天然記念物タンチョウの生息繁

殖地帯に因み、村名を「鶴居村」としま

した。

②交通・生活圏

村は道東中核都市釧路市から車で約

40分の所にあります。

釧路市と弟子屈町とを結ぶ道道釧路

鶴居弟子屈線の他、道道阿寒公園鶴居

線、道道阿寒標茶線、道道幌呂原野鶴居

線、国道 274 号など、日常生活や産業

活動などのための重要な幹線道路に近

い場所にあります。また釧路空港からも

車で約 40 分の所にあり、そこから本州

各地へ空路で結ぶなど、交通の便には比

較的恵まれています。

③産業

基幹産業は酪農で、良質の牛乳を生産

しており、酪農体験や、農村生活を体験

できる牧場施設なども、観光に活かされ

ています。

また、村域の 64%を森林が占める鶴居

村では林業も盛んで、生産材の多くはパ

ルプやチップ材などに消費されていま

す。今後は、さらに需要が高まるとされ

る人工林での大径木生産に向けての取

組も行われています。

また2008年10月、NPO法人「日本

で最も美しい村」連合への加盟が正式に

承認されたことにより、他の加盟市町村

や企業サポーター等と連携協力し、貴重

な美しい地域資源を守り育てながら、地

域経済の発展に寄与する様々な取り組

みを村ぐるみで展開しています。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(36.8%) (34.9%) (36.2%) (36.9%)

(15.5%)

(11.4%) (10.2%)(9.0%)

(47.7%)(53.7%) (53.7%) (54.1%)

■鶴居村産業別就業人口の推移(各年国勢調査)

第1次産業 第2次産業 第3次産業

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鶴居村住生活基本計画

4

幌呂市街

下幌呂市街

鶴居市街

(3)地区特性

■市街地の概要

鶴居村は、「鶴居市街」と「幌呂市街」「下幌呂市街」の3つの市街とその他の集落とで、構成

されています。

■地区別人口・世帯の推移

平成 13 年度から平成 19 年度の地区別人口・世帯の推移は、全体を比較すると、人口は 73 人

減少、世帯は 68 世帯増加しています。

地区別に比較すると、鶴居市街、下幌呂地区では人口・世帯数ともに増加、幌呂市街では、人口・

世帯数ともに減少しています。

鶴居団地

鶴居 A 団地

(旧鶴居 A 団地)

鶴居 B 団地

鶴居 C 団地

幌呂団地

幌呂 A 団地

下幌呂団地

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■鶴居市街

■下幌呂市街 ■幌呂市街

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鶴居村住生活基本計画

6

2.人口と世帯

(1)人口・世帯の状況

①人口・世帯

◆人口は昭和 60 年度をピークに、以降

微減傾向が続いています。

◆一方世帯数は平成 12 年度に一度減

少したものの、近年再び微増に転じ、

住民基本台帳では、平成 20 年度以降

1,000 世帯を超えています。

②年齢構造

◆若年人口(15 歳未満人口)は 15 年

前の8割程度で、平成 22 年度・364

人となっています。

◆高齢者人口は、15 年前の 1.3 倍にな

り、平成 22 年度・764 人です。村

全体の人口が微減傾向にある中で、そ

の人口は増加し続けています。

◆老齢人口(65 歳以上人口)が若年人

口を上回って推移しています。

各々の人口比に着目すると 15 年前

は 1.3 倍程度の差でしたが、平成 22

年度には2倍以上となっています。

0

1000

2000

3000

0

1000

2000

2,651 2,638

2,856 2,829 2,759 2,728 2,672

2,627

705 756865 905 921 915 935 979

人口 世帯数

■人口・世帯数の推移(各年国勢調査)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(15.9%) (14.6%) (14.9%) (13.9%)

(62.6%)(61.0%) (59.1%)

(57.1%)

(21.5%) (24.3%) (25.9%) (29.1%)

15歳未満 15~64歳 65歳以上

■鶴居村の年齢別人口の推移

0

5

10

15

20

25

30

35

(%)

H2年 H7年 H12年 H17年 H22年

17.1

21.5

鶴居村 24.325.9

29.1

全 道

全 国

■高齢者人口比率の推移

鶴居村

全 道

全 国

2,000

2,100

2,200

2,300

2,400

2,500

2,600

2,700

2,800

600

800

1,000

1,200

1,400

2,667 2,664 2,673

2,6292,603

2,573 2,5842,571

2,546 2,5372,516

964 969998 996 986 992

1,0141,027 1,037

1,061 1,067

人口 世帯数

■住民基本台帳にみる人口・世帯の推移

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鶴居村住生活基本計画

7

(2)世帯特性

2

2.2

2.4

2.6

2.8

3

3.2

3.4(人/世帯)

鶴居村主世帯

全道主世帯

■1世帯当たり人員の推移■1世帯当たり人員の推移

①世帯人員の状況

◆世帯あたり人員は、全道平均よりは高いもの

の、推移は全道と同様に年々減少し続けてお

り、世帯の小規模化が進行しています。

◆もっとも多いのは2人世帯で3割を超え、次

に1人世帯が多く3割弱、全体の6割が1

人、2人世帯となっています。

◆1人~3人世帯が増加しているのに対し、4

人以上世帯は、実数・比率ともに減少を続け

ています。

②高齢者のいる世帯の状況

◆65 歳以上の高齢者のいる世帯は全道・全国

の平均より高く増加を続け、平成7年以降増

加率に歯止めがかかっているものの、平成

12 年度には4割を超えて平成 22 年度には

42.8%となっています。

◆高齢者のいる世帯は、その内2割が1人世

帯、4割を2人世帯が占め、1人・2人の世

帯だけで6割を超えています。

◆また、3人世帯も増加して2割を占めていま

す。高齢者のいる世帯でも、4、5人世帯は

減少し、世帯の小規模化が進行しています。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(14.3%)(18.6%) (18.1%) (20.5%)

(32.1%)

(32.8%)(37.7%)

(41.7%)

(11.6%)

(14.5%)

(17.5%)

(19.0%)

(13.4%)

(11.2%)

(8.9%)

(9.0%)(28.6%)(23.0%)

(17.8%)

(9.8%)

■高齢者のいる世帯の世帯人員の推移

1人 2人 3人

4人 5人以上

■高齢者のいる世帯の世帯人員の推移

■世帯人員の推移

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(21.5%) (24.3%) (22.0%)(26.5%)

(28.9%)(29.4%) (33.0%)

(32.6%)

(16.7%)(17.3%)

(19.3%)

(19.0%)

(15.6%)(14.7%)

(13.8%)(13.3%)

(17.3%) (14.3%) (11.8%)(8.7%)

1人 2人 3人

4人 5人以上

0

10

20

30

40

50

(%)

鶴居村

全道

全国

■高齢者世帯比率の推移

鶴居村

全道

全国

■高齢者のいる世帯比率の推移

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鶴居村住生活基本計画

8

3.住宅事情

(1)所有関係別住宅状況

①所有関係別世帯数の状況

◆鶴居村の住宅に住む一般世帯(主世帯)数

は、町全体の世帯数同様、微増の傾向にあ

ります。

◆持ち家、公営借家は増加傾向。民営借家は

横ばい。給与住宅は実数・比率共に減少傾

向にあります。

◆その中で公営借家の伸び率が最も高く、15

年間で 1.5 倍近く、依存率は急増していま

す。

◆給与住宅と公営借家の比率は、平成7年度

までは給与住宅が上回って推移していまし

たが、平成 12 年度以降公営借家が給与住

宅を上回っている状態が続いています。

◆管内・全道との比較では、公営借家率と給

与住宅比率が高く、民営借家率が低いこと

が特徴です。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(60.3%) (62.9%) (66.6%) (65.7%)

(15.3%)(16.3%)

(16.2%) (19.5%)(5.3%)

(5.2%)(4.6%)

(4.7%)

(19.1%)(15.5%) (12.6%) (10.1%)

持ち家 公営借家 民営借家 給与住宅

■所有関係別世帯比率の推移(鶴居村)

■所有関係別世帯比率 管内・全道比

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(65.7%) (68.1%)(57.2%)

(19.5%)(9.5%)

(7.6%)

(4.7%)(15.8%)

(31.3%)

(10.1%) (6.6%) (3.9%)

持ち家 公営借家 民営借家 給与住宅

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鶴居村住生活基本計画

9

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(60.3%) (62.9%) (66.6%) (65.7%)

(15.3%)(16.3%)

(16.2%) (19.5%)(5.3%)

(5.2%)(4.6%)

(4.7%)

(19.1%)(15.5%) (12.6%) (10.1%)

持ち家 公営借家 民営借家 給与住宅

■所有関係別世帯比率の推移(鶴居村)[再掲]

②持ち家

◆主世帯の65%が居住している「持ち家」は、

近年実数は微増傾向にありますが、比率は

平成 22 年度に、初めて減少に転じていま

す。

◆建て方別世帯数は「一戸建て」が最も多く、

ほぼ8割を占めています。管内・全道比較

でも「長屋建」が多く「共同住宅」が少な

い状況です。

◆今後の住宅整備は、環境への配慮や経済事

情から、住宅の「建替」より「改善」や「改

修」によって住宅を更新するケースが増加

することが予想されます。

③民営借家

◆民営借家は、この 15 年間、42~46 世帯

を行き来し、ほぼ横ばいの状態が続いて

います。

鶴居村の民営借家は、アパート等はなく

ほとんどが、空き家となった戸建て住宅

を、借家として利用している状況です。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

一戸建

(78.9%) (74.1%)

(54.0%)

長屋建 (20.5%)

(7.7%)

(3.7%)

(0.5%)

(18.2%)

共同住宅(42.3%)

■住宅の建て方別世帯数の比較

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鶴居村住生活基本計画

10

④公営借家

◆鶴居村では平成 25 年度末には、鶴居A団地の建設を終え、7 団地 129 戸の公営住宅、2 団地

13 戸の特公賃住宅及び地優賃住宅、その他に村有老人住宅 10 戸、旧定住促進住宅 3 団地 30

戸、鶴居市街 26 戸、独身住宅 24 戸、上幌呂 7 戸、茂雪裡 4 戸、下久著呂 4 戸を含む、村有

住宅 105 戸を管理しています。

◆鶴居村では平成 15 年度及び平成 20 年度に策定した「鶴居村公営住宅ストック総合活用計画」

に基づいて、特公賃住宅や地優賃住宅を含む公営住宅や村有住宅の建設・建替、改善及び修

繕事業を計画的に実施しています。 ◆今後も、人口・世帯の動向を見極めながら、供給戸数の検討を行うと共に、単身世帯期・子育

て世帯期・高齢世帯期など、ライフステージに対応できる住宅タイプについても検討・供給

を行うなど、引き続き村民の住環境の充実を図る必要があります。 ◆今後は建替整備だけではなく、長寿命化型の改善事業を計画的に実施し、事業量の平準化を図

るとともに、修繕周期の延長に伴う維持管理費の縮減を図る必要があります。 ■従前計画以降整備を進めている団地

[現在 建替を進めている鶴居 A 団地

公営住宅 1 棟 6 戸(H24)今後 + 2 棟 12 戸(H25・26)]

[整備が完了した鶴居 C 団地 地域優良賃貸住宅:4 棟 8 戸+村有住宅:1 棟2戸]

(

■鶴居村の公的営借家の状況:住宅数は平成 25年度末:入居世帯数は 25年 7月末現在)

◆公営住宅等:公営住宅法等による整備・管理◆ ◆村有住宅:村独自に建設・管理◆

公営住宅

7団地:129 戸(内 6 戸建設中)

(113 世帯)

特公賃・地優賃住宅

2団地:13 戸

(13 世帯)

老人住宅:10 戸 (9 世帯)

旧地域定住促進住宅

3団地:30 戸

(30 世帯)

村有住宅:65 戸(56 世帯)

142戸 (126世帯)

105戸 (95世帯)

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鶴居村住生活基本計画

11

(2)高齢者のいる世帯の居住状況

①高齢者のいる世帯の居住状況

◆65 歳以上の高齢者のいる世帯の8割以上

が持ち家に居住し、1割が公営借家に住ん

でいます。持ち家に住む世帯は、実数は増

加、比率は減少しているのに対し、公営借

家に住む世帯はこの 15 年間で実数・比率

ともに増加しています。

持ち家や、公営借家に居住する高齢世帯

が、今後も住み慣れた場所で、快適に住み

続けることのできる仕組みづくりが求め

られています。

◆高齢者のいる世帯でも、町全体の傾向と釧

路管内・全道との比較では、公営借家率が

高く、民営借家率が低いことがわかりま

す。

◆平成 23 年に高齢者居住法が改正されたこ

とを受け、今後は、住宅に住む高齢世帯の

ために、生活支援サービスやホームヘルプ

サービス等の介護サービスが、住まいの整

備と組み合わされながら提供される等、福

祉施策と住宅整備施策が、連携しながら推

進されることが求められています。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(65.7%)

(82.7%) (85.9%)(79.0%)

(19.5%)

(12.8%)(8.1%)

(8.7%)(4.7%)

(2.5%) (5.5%)(12.0%)

(10.1%)

(2.0%) (0.5%)(0.3%)

■65歳以上の高齢者のいる世帯の居住状況(管内・全道比)

持ち家 公営借家 民営借家 給与住宅

0%

20%

40%

60%

80%

100%

(86.0%) (84.0%) (84.8%) (82.7%)

(8.9%) (10.2%) (10.5%) (12.8%)

(3.0%) (3.3%) (3.1%) (2.5%)

■65歳以上の高齢者のいる世帯の居住状況

持ち家 公営借家 民営借家 給与住宅

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鶴居村住生活基本計画

第Ⅱ章 住宅施策の課題

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鶴居村住生活基本計画

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鶴居村住生活基本計画

12

1.上位・関連計画にみる住宅施策

(1)第4次鶴居村総合計画[平成 20年 3月策定]

村の総合計画は「第4次鶴居村総合計画」として平成 20 年 3 月に策定されています。概要は

以下の通りです。

鶴居村ではこれらのテーマ、方向、目標に沿ってむらづくりをすすめ、人口減少のなかにあって

も、世帯数が増加の状態を維持していること、下幌呂「夢の杜」の分譲も順調に進んでいる等、一

定の成果をみていますが、一方で、「移住体験(ちょっと暮らし)住宅」へのニーズが高いものの、

実際はなかなか定住・移住に結びついていない等の課題を抱えており、今後の対応が求められてい

ます。

①計画概要

◆計画期間

平成20年度~平成29年度までの10年間

◆むらづくりのテーマ

「夢・チャレンジ 鶴居びと ~四季の詩が流れる大地~」

◆むらづくりの方向

・人口減少や少子高齢化に対応した「ひとづくり」をめざします。

・「協働」の実践、定着をめざします。

・「やっぱり鶴居!」と選ばれる、生活環境の充実をめざします。

・酪農の安定と新たなビジネスチャンスの拡大をめざします。

・地域資源を活かした「滞在型」観光の推進をめざします。

◆基本目標

1.ひとを育てるまちづくり

~むらづくりを支える最も大きな力は「人」です。自ら夢を抱き、果敢に挑戦すること

ができるひとづくりをめざします。

2.たくましい産業とにぎわいのむらづくり

~定住や移住を促進し、地域を活性化していくために、将来を見据えた産業の振興と基

盤整備を進めます。

3.暮らしの安らぎを高めるむらづくり

~地域で支えあう気持ちを育みながら、生活の中で不安を感じない、安全・安心なむら

づくりをめざします

4.ともに考え、行動するむらづくり

~地域の目標を共有し、課題をともに解決していけるよう、協働のむらづくりをさらに

進めます。

◆重点プロジェクト ~ つるいはばたきプロジェクト ~

1.地域を支えるひとづくり、システムづくりプロジェクト

2.タンチョウの里にふさわしい、環境共生プロジェクト

3.地域産品の付加価値向上、ブランド構築プロジェクト

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鶴居村住生活基本計画

13

②総合計画における住宅・住環境関連

◆基本計画 ~

基本的な考え方

村民の最も身近な空間としてふさわしい環境となるよう、市街地や集落の整備に努めます。

また、定住や移住を促す重要な基盤として、利用者の利便性に配慮した公営住宅の整備や

宅地の分譲に努めるとともに、住環境の向上を図ります。

(以下 関連部分抜粋)

施策区分 現状 課題 主な施策・事業

村営住宅の

整備

現在公営住宅121

戸、定住化促進住宅

が30戸あります。

入居者が高齢化

の傾向にあること

に伴い、バリアフリ

ーやオール電化を

進めています。

老朽化が進んでいる住宅

については計画的に改修、

建替を行っていくことが必

要です。

また、公営住宅入居基準

に適合しない入居者への対

応、入居者の自己管理意識

の向上について取り組む必

要があります。

①老朽住宅の建替及び改善の

推進

②入居要件を緩和した独自施

策の住宅整備

③住宅に関する入居者の管理

意識の啓発

宅地の開発 分譲地区の市街

地発展や過疎化の

抑制を図るため、下

幌呂地区、中幌呂地

区において分譲販

売を行っています。

今後は、全区画の早期販

売に向けて、取り組んでい

くことが必要です。

(中略)

①分譲販売の推進

②下幌呂夢の杜団地(第3期)

及び中幌呂地区(第2期)の

造成、分譲についての検討

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鶴居村住生活基本計画

14

■下幌呂夢の杜団地

従前計画では第 2 期を分譲中でしたが、

現在は第3期を分譲しています。

■中幌呂分譲地のようす

(2)鶴居村における住宅施策関連計画

①宅地開発計画

鶴居村では、村への定住促進や移住者の受け入れのために、下幌呂市街で「夢の杜団地」、

中幌呂市街で「中幌呂分譲地」を展開しています。

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鶴居村住生活基本計画

15

②空き家バンク制度

◆鶴居村では、平成 25 年6月か

ら「空き家バンク制度」を新設

し、空き家情報の登録及び提供

を行っています。

この登録制度は住宅の売買だけ

ではなく、住宅の貸借にも適用

されることから、今後は制度を

活用し、空き家の解消とともに、

民営借家の選択肢の幅も広がる

可能性があります。

◆空き家バンク登録物件に使用で

きる「鶴居村空き家バンクモデ

ル助成事業補助金」も創設し、

空き家の水回り部分の改修補助

を行っています。

■鶴居村「空き家情報登録制度」登録・利用の流れ

■空き家バンクモデル助成事業補助金の概要

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③やさしい家づくり制度

◆鶴居村で行っている住宅改修についての助成には、介護保険給付のほかに、村独自の「やさし

い家づくり助成」の制度を設けており、住宅に住む高齢者及び重度心身障害者等の日常生活の

利便性を向上させ、安全かつ安心して居住できるよう、配慮しています。

◆今後は、住宅に住む高齢世帯のために、生活支援サービスやホームヘルプサービス等の介護サ

ービスが、住まいの整備と組み合わされながら提供される等、福祉施策と住宅整備施策が、連

携しながら推進されることが求められています。

◆平成 23 年、高齢者居住法の改正により、従来の「高齢者円滑入居賃貸住宅」が廃止され、後

継として「高齢者の居住の安定確保に関する法律によるサービス付高齢者向け住宅」の登録

が開始されました。

〔鶴居村・やさしい家づくり制度〕の概要

区分 やさしい家づくり 介護保険給付の場合

対象者 65歳以上、64歳以下で重

度心身障害者など 要支援・要介護者に限る

助成限度額 40万円

(対象改修額の1/2以内)

18万円

(1割負担あり)

所得制限 なし なし

助成回数 原則1回限り

原則1回限りであるが、要介護度の

大きな変更による2回目以降の給付

あり。

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④鶴居村住宅用太陽光発電システム導入に対する助成制度

◆鶴居村では、環境への負荷の少ない新エネルギーの普及促進に寄与することを目的として、住宅

用太陽光発電システム導入に対する助成を行っています。

内容は以下に示す通りです。

[補助の対象者]

(1) 鶴居村内に住所を有する方

(2) 自ら居住する住宅、又は自ら居住するために建設する住宅に、

新たに住宅用太陽光発電システムを設置する方。

ただし、その施工業者は、村内に本社を持つ法人事業者とする。

(3) 本人及び同居の家族が村税等を滞納していない方。

[補助の対象]

■太陽電池モジュール

■架台

■インバータ・保護設置(パワーコンディショナ)

■接続箱

■直流側開閉器

■発電量計測機器

■余剰電力販売用電力量計

■上記機器の設置工事費

■その他対象システムの設置に必要な経費

[補助の額]

村が交付する補助金の額は、21 万円を限度とし、太陽電池モジュールの公称最大出力の値

(kw 表示とし、小数点以下第 3位を切り捨て) に 7万円を乗じて得た額とします。(なお、算出し

た金額に 1,000 円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てます)

【鶴居村住宅用太陽光発電システム導入に対する助成】の概要

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鶴居村住生活基本計画

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(3)北海道住生活基本計画の概要

北海道では、平成 19 年 2 月に策定した「北海道住生活基本計画」を、平成 24 年 3 月に見

直しており、住宅施策の視点では「良質な住宅ストックの形成と長期的利用の促進」「他分野

との連携による総合的な施策展開」「地域に根ざした住宅関連産業の振興による域内経済の活

性化」「居住ニーズと住宅供給のミスマッチの解消」等が新たに加えられています。

本計画においても従前計画の見直し等において、同計画の基本的な考え方等を考慮し、反映

することとします。

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2.将来の住宅状況の想定と課題

(1)人口推計

鶴居村の将来人口推計としては、総合計画(「第 4 次鶴居村総合計画」)及び、平成 25 年3

月に全国市町村将来推計人口として公表された、国立社会保障・人口問題研究所の推計値がありま

す。本計画ではこれらの公表推計値、及び住宅事情、施策効果等を考慮し、計画フレームを設定す

ることとします。

●総合計画による人口推計:目標年・平成 29 年度の推計人口を「2,402 人」とおきながら、

同年の目標人口として、「2,600 人」と想定しています。

●国立社会保障・人口問題研究所で公表した推計値

◆鶴居村の人口の将来推計〔グラフ青色ライン〕

平成17年

(2005年)

平成22年

(2010年)

平成27年

(2015年)

平成32年

(2020年)

平成37年

(2025年)

平成42年

(2030年)

平成47年

(2035年)

人口 2,672 2,627 2,556 2,468 2,365 2,255 2,143

(H17・22年は国勢調査実績)

0

1000

2000

3000

(人)

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年

2,672 2,6272,556

2,4682,365

2,2552,143

平成25年3月公表・推計値

平成35年度

総合計画目標人口:2,600

総合計画推計人口:2,402

2,406≒2,400

平成29年度

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鶴居村住生活基本計画

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(2)将来の所有関係別世帯数推計

住宅に住む主世帯数は現在まで世帯増の傾向を受け、増加してきましたが、人口減少の予測の中

では、今後減少すると推計されます。

さらに、将来の所有関係別世帯数推計は、従前計画における所有関係別世帯数推計同様、現状構

成比が将来においても同様に推移するものとし、参考値として平成 35 年度人口を 2,400 人想定

における算定値は以下の通りです。(詳細は■資料参照)

◆鶴居村の将来世帯数及び住宅所有関係別世帯数想定

平成 17 年度・国調 平成 22 年度・国調 平成 35 年度

総人口 2,672 2,627 2,400

総世帯数 935 979 917

主世帯数 906 938 879

持ち家 603

(66.6%)

616

(65.7%)

同じ比率で

推移すると

想定

577

(65.7%)

公営借家 147

(16.2%)

183

(19.5%)

171

(19.5%)

民営借家 42

( 4.6%)

44

( 4.7%)

41

( 4.7%)

給与住宅 114

(12.6%)

95

(10.1%)

89

(10.1%)

住宅に住む世帯数予測としては、早々急激な減少に転ずることは予測しがたいものの、ある時点

で増加傾向に歯止めがかかり、長期的には減少傾向に変わるものと予測されます。

世帯数推移予想としては、現状世帯数をひとつの目安として推移を注視する必要があります。

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(3)住宅状況の変化に応じた課題

将来の住宅状況の予測から想定される、住宅事情の変化に応じた施策課題は、次のようにまとめ

ることができます。

①多様な世帯状況や、住宅ニーズへの対応

人口の減少傾向にありながら、核家族化や高齢化に伴う高齢独居や夫婦世帯の増加傾向により、

世帯の微増傾向が続き、今後もその傾向はしばらく続くことが予測されます。

また、今後の移住・定住施策により、他の地域から移住・定住世帯が増加することも期待されて

います。

世帯別ニーズに関連する課題としては、少子高齢化による世帯状況の変化への対応とともに、1

人、2人世帯といった小規模化した世帯をはじめ、世帯特性に応じた多様な住宅ニーズへの対応が

求められます。

②所有関係別世帯動向への対応

住宅に住む世帯の変化に応じ、所有関係別世帯数にも変動が予測されます。所有関係別世帯の将

来予測は難しいが、従来傾向を反映した動向となるか等、今後の動向に注目する必要があります。

世帯特性に応じた住まい方に関連する課題としては、移住、定住促進の視点からも安定的な地域

形成に向け、持ち家促進を住宅施策展開の柱としつつ、借家需要への対応などが求められます。

特に公的賃貸住宅においては、公営住宅・特公賃・地優賃・村有住宅等、多くのバリエーション

をもつ鶴居村ですが、各々の住宅の特性に基づいた適正管理を推進し、入居者のミスマッチを解消

し、総合的なマネジメントを図る必要があります。

③民間賃貸住宅の成立が困難であることへの対応

地域経済の状況は厳しい状況が長く続いており、新規の民間賃貸住宅の建設の動きはなく、成立

が困難な状況が今後も続くと想定されます。

今後は、公共が多様な公共賃貸住宅を供給するなど、先導的に住宅施策を進めていく必要があり

ます。

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鶴居村住生活基本計画

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3.住宅施策の現状と課題

鶴居村の住宅施策や住宅事情について、従前計画の評価や見直し、検討を行い、「少子高齢社会」

「住宅ストック」「地域活性化」「環境問題」の4つの観点から,今後の対応課題を整理すること

とします。

(1)少子高齢社会への対応 ~ 少子高齢化対策としての住宅施策

対応課題 ・少子高齢化 ・居住不安 ・住宅問題 ・世帯特性別課題

現状・特性 / 問題・課題 現状における取組み

●少子高齢化の進展

・15歳未満の人口が減少する一方で、65歳以上の人口

は増加傾向にある。

(15歳未満13.9%-65歳以上29.1%)

・高齢化が着実に進展し、高齢者サービスの充実が求め

られている。

●高齢独居、高齢世帯の住宅問題の顕在化

・高齢独居世帯及び2人、3人世帯が増加傾向にある。

・高齢者の持ち家割合は高いものの、住宅の維持管理を

続けることが困難な世代が増加している。

●住宅のミスマッチ問題

・高齢単身者が持ち家に居住する一方で、子育て世帯に

適した性能・規模の住宅が不足するなど、住宅規模と

世帯規模のミスマッチが生じている。

<子育て世帯の住まい・暮らしの安全・

安心づくり>

□鶴居村子育てサポート制度の設置

(ソフト:鶴居村社会福祉協議会が対応)

<高齢世帯の住まい・暮らしの安全・安

心づくり>

■独居老人住宅、老人福祉住宅の供給

■住宅のバリアフリー改善の支援

・介護保険を活用したリフォーム支援

・「やさしい家づくり助成」の周知・

充実

住宅施策における、今後の対応課題

◆高齢者世帯が安心して地域で暮らすことができる住宅や地域づくりの実現

・高齢者の住宅改善や、居住不安や住み替え希望などを相談できる住宅相談窓口・体制の充実

・まちなか空地を利用した高齢者向け住宅供給による、高齢者のまちなか居住誘導の促進

◆安心して子どもを産み育てることのできる住まいづくり、地域づくりの推進

・地域交流や支援活動等の舞台となる、広場、集会施設等の整備充実

・公営住宅における、子育てしやすい家づくりの提案や優先入居の検討

・子育て世帯の住宅取得や住み替え希望などを相談できる住宅相談窓口・体制の充実

◆誰もが安心して住宅を取得・確保することができる、住宅に関する情報の一元管理の充実

・住まい・居住環境に関する情報の収集・整理・発信などを一元的に管理する窓口の強化・充

・現在の「空き家バンク登録制度」を展開した、住み替え促進の仕組みづくり、情報の集約化

の充実

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(2)良質な住宅ストック形成への対応 ~ 住宅ストック対策としての住宅施策

対応課題 ・居住水準向上 ・将来需要対策 ・住宅特性別課題

現状・特性 / 問題・課題 現状における取組み

[持ち家]

●既存住宅ストックの居住水準及び性能の向上

・新規の住宅建設においては、高気密・高断熱

技術が標準化しつつある等、北国の気候風土

に対応した技術が普及しつつある。

・一方、既設住宅では、バリアフリー・耐震性

能・省エネルギー性能 等の基本性能は低く

、住宅性能の格差が大きい。

[民間賃貸住宅]

●伸び悩む民間賃貸住宅

・民間賃貸住宅の建設が停滞する状況が続いて

いる。

[公営借家]

●公営借家の住宅依存度が高い

・管内(9.5%)全道平均(7.6%)に比べ19.5%

と高い。

●改善された公営住宅と村有住宅の老朽化

・公営住宅における老朽住宅は、ほぼ更新・改

善されている。

・今後は村有住宅の老朽化の解消が必要となっ

ている。

<公営住宅の管理と整備>

○平成20年度に「鶴居村公営住宅ストック総

合活用計画」を策定し、それに基づき建替・

改善を行ってきている。

○今年度「鶴居村公営住宅等長寿命化計画」を

策定。

○公営住宅以外の公営借家として特高賃住宅、

地優賃住宅(地域優良賃貸住宅)、特公賃住

宅、村有住宅も建設・管理している。

住宅施策における、今後の対応課題

◆既存住宅の居住性能・耐震性能の向上促進

・高齢者住宅のバリアフリーリフォームの促進

・リフォームにあわせた耐震改修の促進

◆新規住宅における良質な住宅ストックの形成

・新築住宅における、北国にふさわしい住まいづくりの意識啓発及び北方型住宅の普及促進

◆住宅セーフティネットとしての、公営住宅と村有住宅の総合的マネジメント

・公営住宅・特公賃住宅・地優賃・村有住宅の役割の検討

・良質な単身世帯向けおよび一般世帯向け賃貸住宅の供給促進

・適正な目標管理戸数の設定と適正管理の徹底

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(3)地域活性化への対応 ~ まちづくり・市街地整備としての住宅施策

対応課題 ・過疎化対策 ・活性化対策 ・地区別課題

現状・特性 / 問題・課題 現状における取組み

●コンパクトでゆとりある村づくり

●地域イメージ・ブランド

・「タンチョウの里」、自然にやさしい村と

してのイメージが定着

・「美しい村」のイメージが定着。

○定住促進に結びついた宅地供給

・夢の杜(下幌呂)

・幌呂宅地供給

○移住体験(ちょっと暮らし)住宅を実施して

おり、需要が高い。

・27年2月まで予約で埋まっている。

[地域・地区]

●鶴居市街:人口・世帯の増加

・鶴居村の中心市街地

・コンパクトでゆとりある市街地

●幌呂市街:人口は減少・世帯数は横ばい

・流出傾向の集落市街地

●下幌呂市街:人口・世帯数共に増加

・定住促進の受け皿としての住宅

・住宅地整備

○定住促進に結びついた宅地供給が「下幌呂」

や「中幌呂」で順調に展開しています。

住宅施策における、今後の対応課題

◆鶴居村の立地特性や豊かな自然環境、地域産業等、固有の特性や魅力と結びついた、地域の活

性化や地域づくり

・「日本で最も美しい村」連合への加盟により、「美しい村」としての魅力が定着しつつあり、

現在既に、「美しい村にふさわしい“暮らし方”」の取り組みが行われている鶴居村

・今後は、その住環境の維持・保全を行い、地区特性を生かした宅地供給を進める必要がありま

す。

◆定住・移住促進に寄与する、魅力ある暮らしや住まいづくりの発信

・移住などの可能性を広げるための「移住体験(ちょっと暮らし)住宅」の充実

(鶴居市街)

◆中心的市街地にふさわしい市街地環境整備の推進

・公営住宅や、村有住宅の整備・更新によって生じた、新たなまちなかの空閑地を、今後も有

効に活用し、「美しい村」にふさわしい「まちなか」空間の創出

(下幌呂市街)(幌呂市街)

◆地区ごとの特性を活かした住環境整備・住宅整備の推進

・下幌呂の自然環境を生かしたイメージを明確にし、その維持・保全を明確に発信することので

きる良質な住環境整備の促進

・幌呂市街にふさわしい住宅地供給の推進

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(4)環境問題への対応 ~ 地域における環境対策としての住宅施策

対応課題 ・省エネルギー ・新エネルギー活用 ・地域資源活用

現状・特性 / 問題・課題 現状における取組み

●住宅分野における環境対策は遅れており、時代

的課題として、また環境にやさしい地域として、

鶴居村独自の取り組みが期待される。

●環負荷を低減する住まいづくりの推進・環境に負

荷を与えない住宅建設の促進

○平成20年「第4次鶴居村総合計画」を制定し、

環境施策の推進を重点プロジェクトのひとつと

している。

○住宅用太陽光発電システム導入に対する助成を

行っています。

住宅施策における、今後の対応課題

◆住宅における省エネルギー化や、自然エネルギーの活用など、環境にやさしい住まいづくりの推進。

・現行の、住宅用太陽光発電システム導入に対する助成の周知と普及促進。

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第Ⅲ章 住宅施策の目標と展開

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鶴居村住生活基本計画

26

1.住宅施策の目標

(1)基本的な考え方と計画フレーム

今後の鶴居村における住宅施策の推進には、鶴居村固有の特性・資源、これまでの取り組み、さ

らにこれからの鶴居村の姿を見据えた取り組みが求められています。

本計画では鶴居村における住宅施策を、従前計画と同様に福祉やむらづくりと連動する施策とし

て、より幅広い展開を行うことを基本的な認識とするとともに、村の総合計画と連動した展開を行

うこととします。

■鶴居村総合計画の基本目標

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27

■計画フレーム

本計画では、より実態に応じた施策展開を行う観点から、従前のフレームを見直すこととし、平

成 25 年3月に公表された人口問題研究所の将来人口推計も参考とし、目標年平成 35 年度の人

口・世帯数及び所有関係別世帯数を以下の通り設定します。

鶴居村では、持ち家と公営借家を中心とした住宅展開となっていることから、大きくはそれら住

宅についての推計としてとらえ、現在状況からの減少を想定したものをフレームとします。

◆ 計画フレームの設定 ◆

■将来人口・世帯数

平成35年度

将来人口 約2,400人

将来世帯数 約917世帯

■将来所有関係別世帯数

現況~平成35年度

持ち家 ※約620世帯~約580世帯

公営借家 ※約200世帯~約170世帯

民営借家 約 40世帯

給与住宅 約 90世帯

※:現況~推計値

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鶴居村住生活基本計画

28

(2)住宅施策の目標

鶴居村における地域事情等の調査・検討をふまえ、村の総合計画に示された基本目標を指針と

して、鶴居村における住宅に関する施策展開にあたっての目標は次の通りとします。

Ⅰ.ひとを育み、ひとにやさしい

住まいづくり

多様化する住宅ニーズに対応し、その選

択肢を多様化するとともに、高齢者や障が

い者等の住宅取得に対する支援や、居住の

安定に向けた環境整備など、地域で安心し

て暮らし続けることのできる「ひとを育

み、ひとにやさしい住まいづくり」を目指

します。

Ⅱ.暮らしの安らぎや豊かさを

高める住まいづくり

既存の住宅ストックの有効活用を推進

するとともに、住み替えを契機に、多様な

ニーズに対応した良質ストックへ更新す

るなど、多様な住宅ニーズに対応できる、

良質な住宅ストックの形成を行い、「安ら

ぎや豊かさを高める住まいづくり」を目指

します。

Ⅲ.むらづくりと連携する

住まいづくり

むらづくりや地域施策を踏まえ、宅地開

発や移住体験住宅等の整備検討を行い、地

域活性化や定住促進を図るとともに「美し

い村 鶴居」にふさわしい住環境整備を推

進する「むらづくりと連携する住まいづく

り」を目指します。

Ⅳ.環境と共生した

住まいづくり

厳しい寒さに対応するだけではなく、環

境問題など広域化する課題に対し、住宅施

策として対応を図る「環境との共生や、環

境にやさしい住まいづくり」を目指しま

す。

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2.住宅施策の展開

住宅施策の目標の実現に向け、次のような施策の展開を図ることとします。

また、本計画における今後の重点的な取り組み事項を設定することとします。

(1)ひとを育て、ひとにやさしい住まいづくり

◆高齢者世帯が安心して地域で暮らすことができる住宅や地域づくりの推進

・高齢者の住宅改善や、居住不安や住み替え希望などを相談できる住宅相談窓口・体制の充実

・まちなか空地を利用した高齢者向け住宅供給による、高齢者のまちなか居住誘導の促進

◆安心して子どもを産み育てることのできる住まいづくり、地域づくりの推進

・地域交流や支援活動等の舞台となる、広場、集会施設等の整備充実

・公営住宅における、子育てしやすい家づくりの提案や優先入居の検討

・子育て世帯の住宅取得や住み替え希望などを相談できる住宅相談窓口・体制の充実

◆誰もが安心して住宅を取得・確保することができる、住宅に関する情報の一元管理の推進

・住まい・居住環境に関する情報の収集・整理・発信などを一元的に管理する窓口の強化・充

・現在の「空き家バンク登録制度」を展開した、住み替え促進の仕組みづくり、情報の集約化

の充実

(2)暮らしの安らぎや豊かさを高める住まいづくり

◆既存住宅の居住性能・耐震性能向上の推進

・高齢者住宅のバリアフリーリフォームの促進

・リフォームにあわせた耐震改修の促進

◆新規住宅における良質な住宅ストック形成の推進

・新築住宅における、北国にふさわしい住まいづくりの意識啓発及び北方型住宅の普及促進

◆住宅セーフティネットとしての、公営住宅と村有住宅の総合的マネジメントの推進

・公営住宅・特公賃住宅・地優賃住宅・村有住宅の役割の検討

・良質な単身世帯向けおよび一般世帯向け賃貸住宅の供給促進

・適正な目標管理戸数の設定と適正管理の徹底

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(3)むらづくりと連携する住まいづくり

◆定住・移住促進に寄与する、魅力ある暮らしや住まいづくりの推進

・鶴居の四季の中で、心地よい暮らし体験ができる「移住体験(ちょっと暮らし)住宅」の整備

(鶴居市街)

◆ゆとりとうるおいを備えた市街地環境整備の推進

・市街地内の休閑地を活用した宅地供給の検討

(下幌呂市街)

◆立地特性と自然環境を活かした住環境整備の推進

・下幌呂の自然環境を生かし、その維持・保全を明確に発信する住宅地の供給

(4)環境と共生した住まいづくり

◆省エネルギー化や自然エネルギー活用など、環境にやさしい住まいづくりの推進

・住宅用太陽光発電システム導入に対する助成の周知と普及促進。

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第Ⅳ章 重点的な取り組み

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鶴居村住生活基本計画

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1.施策推進において重視する視点

今後、鶴居村の住宅施策の展開に向けた重点的な取組みは、地域住民や民間との連携など、地域

に立脚し、地域とともに推進する視点を重視することとします。

① 地域住民とのパートナーシップ

住まい・まちづくりは、地域の特性を踏まえて個性や多様性発揮されるべきであり、村民ととも

に地域住民に支持される必要があります。また、地域地区の創意工夫の知恵やアイディアを発揮で

きるシステムとすることにより、地域の活力づくりへと繋がります。

これからの住まい・まちづくり行政には、住民、企業など、村民参加による連携や、公共と民間

の協働による地域運営として推進していくこととします。

そのため、村民によるまちづくり活動や民間による優良なプロジェクト等と連携した推進が重要

であり、住民参加による協議や協働作業として推進することがポイントとなります。

これらの取組は、地域住民に支持される魅力ある住まい・住環境づくりとして進めることによっ

て、ヒト・モノ・出来事・情報などの新たな交流の促進となります。

住民や企業等が地域資源を活用しつつ、新築、建替、リフォームに係わる建築活動や住環境の維

持や保全の活動を自発的・継続的に推進することは、地域コミュニティ活動を活性化するとともに、

地域環境が持続的に発展することに繋がります。

②多様なニーズに対応した住宅の総合的なマネジメント

鶴居村では、少子高齢化の進展や移住・定住促進の動向に応えるため、世帯特性や住宅ニーズに

対応する住宅ストックとして多様な公的賃貸住宅を確保しています。これら住宅ストックを有効に

活用するため、入居者の適正入居を促進します。

また、安全安心な住環境の実現を通して、移住・定住の受け皿となる新たなニーズに対応します。

鶴居村の美しい村としての評価は、地域の財産であり、住まいづくりを通した美しい村として

の住環境の保全と開発は、次の世代に継ぐ財産となります。

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2.重点的な取り組み

住宅施策の基本的方向を踏まえ、重点的に取り組む施策は以下の通りとします。

(1)安心住替え推進プロジェクト

“ものを対象とする政策”から“人に着目した住宅施策”への展開として、移住・定住促進の視

点、福祉施策の視点等から、住替えを考える人のニーズや必要な対応課題等の情報を把握し、人を

直接対象とするような情報発信を推進します。

また、それら住情報を総合的に把握し、情報の発信、交換の拠点をさらに強化・充実します。

①住宅や暮らしづくりに係わる情報収集の基本的な考え方

イ.高齢者等が抱える持ち家維持に対する不安や住替え要望等、住宅問題の解決

ロ.若年世帯や子育て世帯等が抱える借家不足や不満等、住宅問題の解決

ハ.地域への移住希望世帯などが抱く住宅や周辺環境等への希望の実現

②住情報提供サービスの内容

イ.村外からの移住希望者等への情報提供(ホームページも含む)

ロ.地域住民に対する、ニーズに合わせた住宅・宅地情報の提供

ハ.高齢者住宅情報の提供

■具体的な取組み

a.住宅問題や居住不安、住宅ニーズ等の把握のための関連部局間の情報交換や分析の充実

b.“空き家バンク”の周知と充実

c.村のHPや広報等による充実した住情報の発信

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(2)“美しい村づくり”推進プロジェクト

美しい村鶴居にふさわしい魅力ある住宅・住環境のあり方を検討するとともに、村民や事業者等

と協力し、良質な住宅・住環境整備と維持・保全を促進します。

①“美しい村~鶴居”にふさわしい良好な住環境の維持・保全の誘導

村民や地域住民に支持される、魅力ある鶴居らしい住環境を維持・保全するため、住環境整備の

目標像や住宅地整備の仕組みづくり、ルールづくりを協議検討し、誘導します。

既存樹木を活かした宅地造成・分譲モデルとしての「夢の杜」や、ゆとりある住環境が住民一人

ひとりの努力として維持保全されている鶴居市街地を、目指すべき住環境モデルとなるよう、今後

の住宅地開発や整備における「鶴居村らしい、美しい住まい方のルール」について検討協議・実践

することで、良質な住環境の創出と自然環境の保全を誘導します。

■具体的な取組み

a. 新規宅地開発等における良好な住環境整備に向けた仕組みづくり、ルールづくりの協議・

実践

b. 環境にやさしい鶴居村モデル住宅整備の検討・整備

c. 鶴居村モデル住宅としての、魅力ある「移住体験(ちょっと暮らし)住宅」の整備

②良質な住宅地整備の推進

鶴居村らしい、コンパクトな村づくりを推進するため、市街地内の休閑地や未利用地の積極的な

利活用を検討し、良質な住宅地の供給を促進します。

■具体的な取組み

a.周辺環境と調和した住宅地整備の推進

b.住宅分野における、地域特性に配慮した環境対策の取組み促進

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34

(3)公的賃貸住宅の長寿命化プロジェクト

現在、鶴居村で管理している公的賃貸住宅は、公営住宅の他、特公賃住宅、地優賃住宅、高齢者

福祉住宅等、単身者向け及び一般世帯向け村有住宅等があり、これまでも従前計画に従って計画的

に整備・管理を行ってきました。今後は今年度策定する「鶴居村公営住宅等長寿命化計画」に基づ

き、公営住宅施策の枠組みを再整備するとともに、今後整備する公営住宅の目標や整備方針等を見

直しながら、村有住宅を含めた公的賃貸住宅ストックを総合的かつ有効に活用することとします。

①公営住宅等長寿命化計画の推進

公営住宅等長寿命化計画は、従前計画である「鶴居村ストック総合活用計画」の理念を継承しつ

つ、一方で従前計画の見直しとして、主に従前計画で「改善または維持保全」と位置づけられてい

た住棟について、長寿命化に関わる必要な調査検討を加え、改善方針を定めるとともに、予防保全

的な観点からの修繕や改善の計画を定め、更新コストの縮減と事業量の平準化を図ることを目的と

しています。

■具体的な取り組み

a.「公営住宅等長寿命化計画」に基づく事業の推進

b.公営住宅入居者の円滑な住替えのための、村有住宅、特公賃住宅を含めた、公共賃貸住宅

の総合的な活用と適正管理

c. 建替事業、長寿命化型を含む改善事業、計画修繕の推進

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3.計画の推進方策

今後の住宅施策の推進にあたっては、鶴居村にふさわしい住まい・まちづくりを実現するた

め、本計画の普及、啓発活動を展開するとともに継続的な検討を行い、村民の参加と協力や、

北海道、近隣市町村、住宅建築関係団体・組織、住宅関連事業者等との連携を強化しながら

進めることとします。

① 住生活基本計画の普及・啓発活動の展開

住生活基本計画は住宅行政の総合計画であるとともに、村民や民間事業者等と一体となった

取組みとなってはじめて実現できるものであり、村民等への広報を充実し、推進することと

します。

・村民には、本計画のダイジェスト版などのわかりやすい形でのPRや広報を行うなど、村

民の関心を高め、行政と一体となって積極的に住まい・まちづくりを推進する気運づくりに

努めることとします。

② 住まい・まちづくり行政の執行体制の強化

住まい・まちづくりに対する村民のニーズはより多様化・高度化しており、施策の推進にあ

たっては、建設、福祉・医療、企画、産業など関連する部局間、及び北海道などとの連携を

一層強化しながら推進することとします。

・本格的な高齢社会に向けて、人にやさしい住宅・住環境整備や福祉サービスの伴った高齢

者向け住宅などの整備を推進するため、福祉部局との連携を一層強化し、施策を推進します。

・情報提供に関しては、北海道の住宅・建築・まちづくり行政を補完する(財)北海道建築

指導センターとの連携により、村民ニーズに対応した住情報の提供や技術指導、まちづくり

支援などを積極的に行い、行政施策を効率的に展開することとします。

③ 村民、民間団体・事業者の参加と協働

住まい・まちづくり施策の推進には、村民の理解と協力が不可欠であり、各地区において、

住民の参加と協力を求め、また協働の作業を通した施策展開を推進することとします。

・施策の円滑な展開を図るため、住宅やまちづくりに関する情報の提供を積極的に行います。

・住宅の建設・リフォームに関しては、関係団体や建設事業者等の果たす役割が大きく、情

報交換の活発化を図るとともに、連携や協力体制の充実を図ります。

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参考資料

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鶴居村住生活基本計画

資料 1

0

1000

2000

3000

(人)

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年

2,672 2,6272,556

2,4682,365

2,2552,143

平成25年3月公表・推計値

平成35年度

総合計画目標人口:2,600

総合計画推計人口:2,402

2,406≒2,400

平成29年度

705 756865 905 921 915 979935

2,6272,672

2,7592,8292,856

2,651 2,7282,638

0

500

1,000

1,500

2,000

S50年 S55年 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

世帯数

人口

(1)人口推計について - 目標年は平成 35年度。想定人口は 2,400人。-

計画のフレームとしての将来人口設定には、「第 4 次鶴居村総合計画」における「平成 29 年

度・目標人口 2,600 人、推計人口 2,402 人」の他に、全国市町村将来推計人口として公表され

ている国立社会保障・人口問題研究所の推計値があります。当該推計値は下の表及びグラフ青ライ

ンに示すとおりであり、平成 32 年度・2,468 人と、37 年度・2,365 人の推計値から本計画の

目標年・平成 35 年度における推計値を導くと、2,406 人となります。

総合計画では、平成 29 年度における推計人口を 2,402 人として設定しており、最も新しい推

計値よりも低く設定されていることから、本計画の目標年である平成 35 年度の目標人口として

2,400 人を採用することに無理はなく、本計画では目標年・平成 35 年度の想定人口を、2,400

人と設定することとします。

◆国立社会保障・人口問題研究所が公表した鶴居村の人口の将来推計(グラフ青ライン)

平成17年

(2005年)

平成22年

(2010年)

平成27年

(2015年)

平成32年

(2020年)

平成35年

(2023年)

平成37年

(2025年)

平成42年

(2030年)

平成47年

(2035年)

人口 2,672 2,627 2,556 2,468 2,406

2,400

2,365 2,255

2,143

(H17・22年は国勢調査実績)

【参考:鶴居村人口・世帯数の推移】

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鶴居村住生活基本計画

資料 2

(2)世帯数推計及び所有関係別世帯数推計

(10.1%)

※所有関係別世帯数の割合は、計算の都合上、足して100にならないこともあります。

:国勢調査による実績値

:推計値

給与住宅 95 (10.1%) 89

(19.5%)

民営借家 44 (4.7%) 41 (4.7%)

公営借家 183 (19.5%) 171

(65.7%)

主世帯

持ち家 616 (65.7%) 577

97.9% 879

a

■所有関係別世帯数※

世帯あたり人員 2.52 1.140 2.46北海道の

推計値2.16※×BbB

平成35年・推計値

人口等推計根拠 平成20年:人口問題研究所の推計値平成32年:2,468人平成37年:2,365人

平成22年国勢調査

現況

2,627

人口 2,627 2,400

一般世帯数 958 97.9% 898 a/b

2,413 92.0%

 [958:938=898:x → x=879]

①人口と一般世帯人員比をH22国調から求め、H35の一般世帯人員を求める。[2,470×92.0%=2,208]

②※北海道の平均世帯人員の推計値2.18(H32)と2.14(H37)からH35の世帯当たり人員を2.16と設定

  [2,208÷2.46=898]

③平成22年度の一般世帯数と主世帯数の比から、平成35年度の主世帯数を求める。

979 917

A 2,208 人口×A

  H35の想定一般世帯人員を世帯当たり人員で割返し、H35の一般世帯数を求める。

938

鶴居村

現況と将来

一般世帯人員

人口

世帯数

人口等推計根拠目標年平成35年における補正を行った

将来の目標人口