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平成 30 年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成 30 年4月 26 日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局 参事官 丸山 達也 資料1.消費者委員会の構成 資料2.これまでの消費者委員会からの主な建議・意見表明等 資料3 消費者委員会消費者基本計画工程表の改定素案に対する意見 参考資料 成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループ報告書概要 資料4-1 消費者行政における執行力の充実に関する提言の概要 資料4-2 消費者行政における執行力の充実に関する提言 資料5

消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

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Page 1: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

平成 30 年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料

平成 30 年4月 26 日

消費者委員会の取組

内閣府消費者委員会事務局

参事官 丸山 達也

資料1.消費者委員会の構成

資料2.これまでの消費者委員会からの主な建議・意見表明等

資料3 消費者委員会消費者基本計画工程表の改定素案に対する意見

参考資料 成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループ報告書概要

資料4-1 消費者行政における執行力の充実に関する提言の概要

資料4-2 消費者行政における執行力の充実に関する提言

資料5

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(資料1)

消費者委員会の構成

消費者委員会は、内閣総理大臣が任命した委員(10 人以内)で組織されます。また、必

要に応じ臨時委員、専門委員を置くことができます。

消費者問題に係る広範な専門分野にわたり多数の事項を審議する必要があることから、

消費者委員会本会議のほか、食品表示部会、新開発食品調査部会、公共料金等専門調査会、

消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会、公益通報者保護専門調査会、消費者分

野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループなどの部会・専門調査会等を設

置して調査審議を行います。

消費者委員会の審議体制

食品表示部会

新開発食品調査部会

公共料金等専門調査会

消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会

公益通報者保護専門調査会

新開発食品評価第一調査会

オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会

消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ

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分野別分類 種別 件名 日付

商業施設内の遊戯施設における消費者安全に関する建議 2015年8月28日

教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議

2014年11月4日

消費者事故未然防止のための情報周知徹底に向けた対応策についての建議

2013年2月12日

「健康食品」の表示等の在り方に関する建議 2013年1月29日

エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議

2011年12月21日

消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策についての建議

2011年7月22日

自動車リコール制度に関する建議 2010年8月27日

食品衛生規制等の見直しに関する意見 2017年12月20日

事故情報の更なる活用に向けた提言 2017年8月8日

違法ドラッグ対策に関する提言 2012年4月24日

「消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告」に関する意見

2012年2月14日

「健康食品の表示の在り方」に関する中間整理 2011年8月23日

「消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告」に関する意見

2011年6月24日

「消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告」に関する意見

2011年3月4日

こんにゃく入りゼリーによる窒息事故への対応及び食品の形状・物性面での安全性についての法整備に関する提言

2010年7月23日

消費者安全法に基づく国会報告について今後重視されるべき基本的視点

2010年6月25日

身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議

2017年1月31日

電子マネーに関する消費者問題についての建議 2015年8月18日

美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議

2015年7月7日

クレジットカード取引に関する消費者問題についての建議 2014年8月26日

詐欺的投資勧誘に関する消費者問題についての建議 2013年8月6日

(再掲)エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議

2011年12月21日

住宅リフォームに関する消費者問題への取組についての建議 2011年8月26日

これまでの消費者委員会からの主な建議・意見表明等 (平成30年3月現在)

提言・意見等

消費者安全関係

建議

建議

(資料2)

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分野別分類 種別 件名 日付

マンションの悪質な勧誘の問題に関する建議 2011年5月13日

有料老人ホームの前払金に係る契約の問題に関する建議 2010年12月17日

消費者契約法の一部を改正する法律案に対する意見 2018年3月8日

不動産特定共同事業法に基づく小規模不動産特定共同事業に対する意見

2017年8月3日

スマホゲームに関する消費者問題についての意見~注視すべき観点~

2016年9月20日

適格機関投資家等特例業務についての提言 2014年4月22日

商品先物取引法における不招請勧誘禁止規制の緩和策に対する意見

2014年4月8日

クラウドファンディングに係る制度整備に関する意見 2014年2月25日

商品先物取引における不招請勧誘禁止規制に関する意見 2013年11月12日

インターネットを通じた消費者の財産被害問題に関する消費者委員会としての現時点の考え方

2013年8月27日

電気通信事業者の販売勧誘方法の改善に関する提言 2012年12月11日

医療機関債に関する消費者問題についての提言 2012年9月4日

住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題についての提言

2012年3月27日

貴金属等の訪問買取り被害抑止と特定商取引法改正についての提言

2011年11月11日

消費者契約法の改正に向けた検討についての提言 2011年8月26日

決済代行業者を経由したクレジットカード決済によるインターネット取引の被害対策に関する提言

2010年10月22日

未公開株等投資詐欺被害対策について(提言) 2010年4月9日

消費者契約法の規律の在り方についての答申(二次答申) 2017年8月8日

消費者契約法の規律の在り方についての答申(一次答申) 2016年1月7日

特定商取引法の規律の在り方についての答申 2016年1月7日

建議(再掲)美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議

2015年7月7日

答申不当景品類及び不当表示防止法上の不当表示規制の実効性を確保するための課徴金制度の導入等の違反行為に対する措置の在り方について

2014年6月10日

健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議

2016年4月12日

建議

表示関係(食品表示を除く)

建議

取引・契約関係

提言・意見等

答申

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分野別分類 種別 件名 日付

(再掲)「健康食品」の表示等の在り方に関する建議 2013年1月29日

「健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議」の実施報告に対する意見

2017年1月17日

「食品表示等適正化対策」に対する意見 2013年12月17日

「健康食品の表示等の在り方」に関する考え方~健康食品の利用者アンケートの分析結果を踏まえて~

2012年6月5日

(再掲)「健康食品の表示の在り方」に関する中間整理 2011年8月23日

特定保健用食品の表示許可制度についての提言 2011年8月12日

原料原産地表示拡大の進め方についての意見 2011年8月12日

地方消費者行政の体制整備の推進に関する建議 2013年8月6日

地方消費者行政の持続的な展開とさらなる充実・強化に向けた支援策についての建議

2012年7月24日

地方消費者行政の活性化に向けた対応策についての建議 2011年4月15日

消費者行政における執行力の充実に関する提言~地方における特商法の執行力の充実に向けて~

2017年8月29日

地方消費者行政の充実強化に向けて 2009年12月14日

公益通報者保護制度に関する意見 ~消費者庁の実態調査を踏まえた今後の取組について~

2013年7月23日

公益通報者保護制度の見直しについての意見 2011年3月11日

いわゆる名簿屋等に関する今後検討すべき課題についての意見

2014年9月9日

「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」に関する意見

2014年7月15日

個人情報保護制度について 2011年8月26日

集団的消費者被害救済制度

提言・意見等

集団的消費者被害救済制度の今後の検討に向けての意見 2011年8月26日

建議 公共料金問題についての建議 2012年2月28日

四国電力による伊方原子力発電所3号機の再稼動後の追加フォローアップに関する消費者委員会意見

2018年1月17日

中部電力による電気料金値上げ後のフォローアップに関する消費者委員会意見

2018年1月17日

関西電力による高浜原子力発電所3・4号機の再稼働に伴う電気料金値下げ後のフォローアップに関する消費者委員会意見

2017年8月22日

電力・ガス小売自由化に関する課題についての消費者委員会意見

2017年5月23日

提言・意見等

提言・意見等

個人情報保護制度

地方消費者行政

公益通報者保護制度提言・意見等

提言・意見等

建議

食品表示関係

建議

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分野別分類 種別 件名 日付

北海道電力、東北電力、関西電力、四国電力及び九州電力による電気料金値上げ後のフォローアップに関する消費者委員会意見

2017年4月18日

一般乗用旅客自動車運送事業(東京都特別区・武三地区)の運賃組替え案に関する消費者委員会意見

2016年12月6日

「電力小売自由化について注視すべき論点」に関する消費者委員会意見

2016年5月17日

東京電力による電気料金値上げ後のフォローアップに関する消費者委員会意見

2016年4月26日

「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の提供する特定電気通信役務の基準料金指数の設定」等に関する消費者委員会の意見

2015年6月16日

関西電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見について

2015年5月8日

北海道電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見について

2014年10月7日

中部電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見について

2014年4月8日

消費税率の引上げに伴う東京都特別区に係るタクシー運賃の改定案に関する消費者委員会の意見について

2014年2月18日

消費税率の引上げに伴うバス運賃の改定案に関する消費者委員会の意見について

2014年2月18日

消費税率の引上げに伴う鉄道運賃の改定案に関する消費者委員会の意見について

2014年2月18日

消費税率の引上げに伴うJTのたばこ小売価格の改定案に関する消費者委員会の意見について

2014年2月18日

消費税率の引上げに伴う定形郵便物等の上限料金の改定案に関する消費者委員会の意見について

2013年11月19日

北海道電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見について

2013年7月31日

公共料金問題に関する提言 ~公共料金等専門調査会報告を受けて~

2013年7月30日

東北電力及び四国電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見について

2013年7月30日

関西電力及び九州電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見について

2013年3月19日

東京電力の家庭用電気料金の値上げ認可申請に対する意見 2012年7月13日

東京電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関する消費者委員会としての現時点の考え方

2012年6月19日

委員長声明 -家庭用電気料金値上げに係る認可申請について-

2012年5月10日

答申 電力託送料金の査定方法等に関する答申 2016年7月26日

消費者教育の推進に関する基本的な方針の変更案に対する意見

2018年2月8日

消費者教育の推進に関する基本的な方針の改定に向けての意見

2017年11月8日

提言・意見等

料金・物価関係

消費者教育推進提言・意見

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分野別分類 種別 件名 日付

若年層を中心とした消費者教育の効果的な推進に関する提言

2016年6月28日

消費者教育の推進に関する基本方針の策定に向けた意見 2012年12月25日

「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」中間取りまとめ(座長試案)についての意見

2011年12月2日

「国民生活センターの在り方の見直し」に関する検討についての意見

2011年7月15日

消費者行政体制の一層の強化について -「国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース」中間整理についての意見-

2011年6月10日

消費者基本計画工程表の改定素案(平成30年2月)に対する意見

2018年3月30日

消費者基本計画の実施状況に関する検証・評価及び計画工程表の改定に向けての意見

2017年12月20日

消費者基本計画工程表の改定素案(平成29年4月)に対する意見

2017年5月23日

消費者基本計画の実施状況に関する検証・評価及び計画工程表の改定に向けての意見

2017年1月31日

消費者基本計画工程表の改定素案(平成28年4月)に対する意見

2016年5月24日

消費者基本計画の実施状況に関する検証・評価及び計画工程表の改定に向けての意見

2016年2月24日

次期消費者基本計画の素案(平成27年2月)等に対する意見 2015年2月17日

消費者基本計画の改定素案(平成26年5月)等に対する意見 2014年5月27日

消費者基本計画の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見

2014年2月25日

消費者基本計画の改定素案(平成25年4月)等に対する意見 2013年5月28日

消費者基本計画の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見

2013年2月26日

消費者基本計画の改定素案(平成24年4月)等に対する意見 2012年5月29日

消費者基本計画の平成23年度の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見

2012年3月27日

消費者基本計画の平成22年度の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しについての意見

2011年6月10日

消費者基本計画の検証・評価・監視についての視点 2010年3月25日

消費者基本計画策定に向けての意見 2010年3月3日

消費者庁等における各種試行を踏まえた今後の取組に関する意見

2016年8月23日

「消費者白書」及び「消費者安全法に基づく国会報告」への意見

2013年6月25日

※答申については、消費者庁及び消費者委員会設置法第6条第2項第2号に基づくもののみ掲載。

その他提言・意見等

提言・意見等

消費者行政の在り方提言・意見等

消費者基本計画関係

消費者教育推進 意見等

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(資料3)

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民法の成年年齢引下げに関する

消費者被害の防止・救済のための対応策の検討について 平成29年1月

消費者委員会事務局

○消費者庁長官から消費者委員会に対する意見聴取(平成28年9月)

○成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループの設置~消費者庁への回答

・消費者委員会に、成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループを設置(平成28年9月)

・平成28年9月以降、計14回の会議において、計31の、有識者・関係団体・関係機関・関係省庁等

からヒアリングを実施した後、報告書を取りまとめ(平成29年1月)

・消費者委員会本会議で、報告書の内容を踏まえ、消費者庁長官宛てに回答(平成29年1月)

平成28年9月に、消費者庁長官から消費者委員会宛てに、

民法の成年年齢が引き下げられた場合、新たに成年となる者の消費者被害の

防止・救済のための対応策について、意見の求めを受ける。

<主なヒアリング先>

有識者等:大学教授・教諭等

関係団体:同志社生活協同組合、公社社団法人日本訪問販売協会、

特定非営利活動法人日本エステティック機構、

日本貸金業協会、一般社団法人全国消費者団体連絡会、

一般社団法人日本経済団体連合会、日本司法書士会連合会、

日本弁護士連合会

関係機関:国民生活センター、東京都消費生活センター、

金融広報中央委員会事務局

関係省庁:消費者庁、経済産業省、金融庁、文部科学省、法務省等

<成年年齢引下げ対応検討

WG構成員>

(座長)

樋口一清

(座長代理)池本誠司

大森節子

河上正二

増田悦子

(オブザーバー)後藤巻則

1

経緯

(参

考資

料)

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・民法(第5条第2項:未成年者取消権)

・特定商取引法(第7条第4号、同施行規則第7条第2号:老人その他の者の判断力の不足に乗じた契約の締結を指示対象行為)

・貸金業法(第13条第1項及び第3項:返済能力の調査、第13条の2:過剰貸付け等の禁止)

・割賦販売法(第30条の2、第35条の3:年収等の確認による支払可能見込額の調査)

20~22歳で相談件数が増える商品・役務

男性:マルチ取引、フリーローン・サラ金など

女性:エステ、医療サービスなど

契約購入金額の平均も20歳以降に増加

18歳

男性:約16万円、女性:約16万円

19歳

男性:約21万円、女性:約17万円

20~22歳

男性:約39万円、女性:約27万円

第1現状と課題

4.消費者教育における現状と課題

このような状況を踏まえて、「若年成人」の消費者被害の防止・救済の観点から望ましい対応策を検討

1.若者の実態と課題

2.若年者の消費者被害の動向

成年年齢引下げ対応検討WG報告書の概要

社会人としての出発点での回復不能なダメージから保護

しつつ、段階的に経験を積んで成熟した成人へと成長で

きる社会環境を整備し、若者の成長を支える必要がある。

18歳・19歳と比べて20歳以降の相談件数が増加している。

はじめに

成年年齢を引き下げるものとする民法改正を実施する場合

新たに成年となる18歳、19歳の消費者被害の防止・救済のためには、本報告書を踏まえた消費者教育などの充実や制度整備等の検討が必要。

新たに成年となる者に対し、①十分な消費者教育がされるまでの準備期間を確保すべき。

②消費者被害の防止・救済のための相談体制の強化、制度整備などの措置が実施されるために必要な期間を確保すべき。

(制度整備については、国民的コンセンサスを得つつ検討が進められることを期待)

3.若年者保護のための具体的措置に関する制度の現状

5.本報告書が対象とする若者の範囲

・小中高等学校:家庭科・社会科(公民科)を中心に実施。

授業時間が少ない、その効果が不明確、

悪質商法・消費者保護制度の変化が早く教員の指導の負担大、

適切な教材に関する情報提供も十分ではない等の指摘。

・大学:新入生ガイダンスでの啓発や授業科目の開設等を実施。

対応にバラつきが大きく、全体的に取組は十分ではない。

大学の教員養成課程で、「消費者教育」を確実に修得している

とは言い難く、教員免許更新講習で消費者教育を取り扱うもの

はごく僅かな状況。

・成熟した成人への移行プロセスの長期化・個別化・多様化・流動化。

・18歳を境目に生活環境が大きく変わる(進学・就職)。

・成熟した成人と比較して十分な知識・経験・判断能力が身に付いている

とはいえない。

消費者被害の防止・救済のための対応策については、

・年齢のみによって画一的に処理するのではなく、個人の知識・経

験・判断力等に応じた対応をしつつ、若者が成熟した成人として

社会に参画できるための支援の必要性を確認。

・現在の大学進学率は5割に達し、専門学校等への進学者を

加えると7割以上が18歳を超えても学業を継続している状況。

(なお、具体的な制度整備や消費者教育などの実施にあたっては、その実態に

応じて対象とする「若年成人」の年齢、属性を検討し、各々に即して対応)

18歳から22歳を念頭に「若年成人」とし、社会全体で「若年

成人」が成熟した成人になることができるよう支援が必要

2

Page 16: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

第2望ましい対応策

1.制度整備

2.処分等の執行の強化

3.消費者教育の充実

・相談体制の強化・拡充(消費生活センターの周知、相談窓口の拡充等、若者支援機関(地域若者サポートステーション等)との連携)

・大学・専門学校等の有する情報の充実及び活用(被害事例に関する消費生活センターや大学・専門学校等間の情報交換等)

4.若年成人に向けた消費者被害対応の充実

・未成年者及び若年成人に配慮した自主行動基準の堅持・強化

・若年成人への配慮に着目した「消費者志向経営」の促進

・若年成人に対する健全な与信のための取組

5.事業者の自主的取組の促進

6.その他

○消費者契約法

(具体的には消費者契約法専門調査会で検討)

・若年成人に対する

配慮に努める義務:

・不当勧誘に対する

取消権:

○特定商取引法

省令改正により若年成人に対する以下の行為を行政処分の対象として明確化

・連鎖販売取引において若年成人の判断力の不足に乗じて契約を締結させる行為(特定商取引法施行規則第31条第6号関係)

・訪問販売において若年成人の知識・判断力等の不足に乗じて契約を締結させる行為(同第7条第2号関係)

・小中高等学校:

消費者教育の機会充実・推進のための人材開発(研修等)、アクティブ・ラーニング

の視点からの学習・指導手法の高度化や実効性確保・教材の開発、児童養護

施設等での消費者教育支援に関するプログラムの検討等

・大学・専門学校等:

人材開発(教員養成課程における消費者教育の重要性を認識させる働きかけ)、

自治体と大学等の消費者被害防止のための連携枠組み強化、

学生相談室等を通じた消費者教育・啓発強化(大学)、消費者啓発・教育の

取組についての実態把握(専門学校)等

・法教育・金融経済教育:関係省庁・機関との連携を通じた取組の強化

・支払手段となる信用供与契約について虚偽記載を唆す行為

・若年成人の知識・判断力等の不足に乗じて契約させる事案

・若年成人に被害の多い商品等

○特定商取引法に違反した事業者に対する

処分等の積極的な執行

・消費者被害防止のための啓発活動を実施する若者団体の活動支援

・成年年齢引下げに伴う、若年消費者被害防止の社会的周知のため

の国民キャンペーンの実施

事業者は、消費者契約を締結するに際しては、消費者の年齢、消費生活に関する知識及び経験並びに消費生活におけ

る能力に応じて、適切な形で情報を提供するとともに、当該消費者の需要及び資力に適した商品及び役務の提供につ

いて、必要かつ合理的な配慮をするよう努めるものとすること。

事業者が若年成人の知識、経験不足等の合理的な判断をすることができない事情に乗じることにより締結させた、当

該若年成人にとって合理的・必要性を欠く消費者契約を取り消すことができる制度を検討すること。

(考慮する要素として、①若年成人の知識・経験・消費生活における能力の不十分性、②事業者が①を利用したこと

③消費者契約の目的が当該若年成人の需要及び資力との関係で合理性・必要性を欠くこと)

3

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消費者行政における執行力の充実に関する提言の概要

~地方における特商法の執行力の充実に向けて~

平成29年8月消費者委員会

(資料4)

Page 18: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

目次

第1

現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第2

提言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

第3

今後に向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

Page 19: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

●取引類

型別の消

費生

活相

談件

数特

商法

の規

制対象

であ

る取引類型に関する消費生活

相談

の件数

は、通信

販売

が最も多く、次いで訪問販売、

電話

勧誘販

売。

(備

考)

1PIO-NETデ

ータに

より当

委員会

作成

。デ

ータは平成29年3月

31日までの受付、同年7月31

日ま

での登

録分で

、平成

27年

度以降

受付

分は消費生活センター等からの経由相談を含まず

(訪

問購入

に関す

る相談

は平成

25年

2月

21日以降受付分より収集)。

2「

特定

継続的

役務提

供」は

「エ

ステ

ティ

ックサービス」、「外国語・会話教室」、「家庭

教師

」、「

学習塾

」、「

パソコ

ン・

ワー

プロ教室」、「結婚相手紹介サービス」に関する相

談の

合計件

数。「

業務提

供誘引

販売

取引

」は「内職・副業(「ネズミ講」を除く。)」、

「モ

ニター

商法」

に関す

る相談

の合

計件

数。

31つの

消費

生活

相談

が複

数の

取引類

型に重複して計上されている場合もある。

第1

現状と課

題1

●消費生

活相談件

数消

費者か

ら寄せられる消費生活相談の

件数は

、お

おむ

ね横

ばい。

(備

考)

1PIO-NETデ

ータに

より当

委員会作成。データは平成29年

3月

31日

まで

の受

付、

同年

7月

31日

まで

の登録

分で、平成27年度以降受付分は消費生活セン

ター

等か

らの

経由相

談を含

まず。

2PIO-NET(

パイオ

ネット

:全国消費生活情報ネットワークシステ

ム)

とは

、国

民生

活センタ

ーと

全国の

消費生活センター等をオンラインネットワー

クで

結び

、消

費生

活に関

する

相談情

報を蓄積しているデータベース。

1現状

897,4

52

884,3

18

861,3

59

940,2

80

960,5

54

929,8

66

889,7

24

0

500,

000

1,00

0,000

H22

H23

H24

H25

H26

H27

H28

(件)

(年

度)

(件

224,6

75

250,3

12

220,2

91

250,9

49

267,1

94

251,2

80

248,1

02

98,9

72

97,2

50

92,1

30

91,3

14

89,7

43

85,1

87

80,8

24

64,2

07

69,8

74

80,1

48

102,5

13

91,5

82

79,7

69

69,0

75

16,4

29

14,6

09

14,2

49

15,4

18

14,5

76

13,8

25

12,9

94

11,6

36

10,2

39

10,1

85

10,0

33

11,9

14

11,5

13

11,3

55

684

7,3

06

7,9

42

8,6

17

8,6

51

6,3

63

4,8

58

4,2

05

3,9

08

4,2

93

5,0

77

5,3

04

0

20,

000

150

,000

300

,000

H22

H23

H24

H25

H26

H27

H28

通信販売(架空請求を除く。)

訪問販売

電話勧誘販売

特定継続的役務提供

連鎖販売取引

訪問購入

業務提供誘引販売取引

(年度)

Page 20: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

第1

現状と課

題2

●国・

都道府県別

執行

件数

全体の

執行

件数は平成22年度をピーク

に減少

。特に都

道府

県で

減少幅は

大き

く、都道府県により執行件

数に

差異。

※件

数は業

務停止

命令及

び指示

処分の

合計値

都道

府県

別行

政処分件数の累計(平成8年

度~平

成28年

度)

特商

法に基

づく行

政処分件数の推移

年度

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

H28

国2

912

50

13

97

16

35

30

40

37

48

53

43

40

21

40

34

28

都道府県

00

12

47

16

19

24

45

54

142

104

90

135

82

81

97

55

50

34

計2

913

74

20

25

26

40

80

84

182

141

138

188

125

121

118

95

84

62

50

912

4

10

4

1817

26

9

25

48

43

11

1

76

18

74

22

5

1411

32

18

58

5

131713

44

34

76

20

1414

73

12

1

139

267

0

10

20

30

40

50

60

70

80

150

300

北 海 道

青 森 県

岩 手 県

宮 城 県

秋 田 県

山 形 県

福 島 県

茨 城 県

栃 木 県

群 馬 県

埼 玉 県

千 葉 県

東 京 都

神 奈 川 県

新 潟 県

富 山 県

石 川 県

福 井 県

山 梨 県

長 野 県

岐 阜 県

静 岡 県

愛 知 県

三 重 県

滋 賀 県

京 都 府

大 阪 府

兵 庫 県

奈 良 県

和 歌 山 県

鳥 取 県

島 根 県

岡 山 県

広 島 県

山 口 県

徳 島 県

香 川 県

愛 媛 県

高 知 県

福 岡 県

佐 賀 県

長 崎 県

熊 本 県

大 分 県

宮 崎 県

鹿 児 島 県

沖 縄 県

Page 21: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

(2)悪

質事業者

への

対応

近年

、事業

者の手

口が複雑化・巧妙化しており、

次々

と法人

を立ち上

げて違反行為を行っているよ

うな

事案や

、立入検

査・物証収集が困難な事案が

見ら

れ、調

査業務の

困難さが増大。

第1

現状と課

題3

(1)執

行体制

多く

の都道

府県において、消費者行

政担

当職

員は

複数の業

務を兼務し、体制への不安を

抱え、

執行

ノウハウ

の蓄積に苦慮。

【平成27年度

都道府県別執行件数と特商法

職員数】

(3

)国と

都道府県

の連

携及

び役

割分

担特

商法

の執

行は

、国

(消費者庁及び各経済産業

局)の

ほか

都道

府県

が行うこととされている。

※処分の対象となる違反行為は当該都道府県の区域内で行われた

ものに限られるものの、取引の公正や購入者等の利益が害されるお

それの認定に際し、共同して調査を行った他の都道府県における被

害状況等を考慮することはできると考えられる。

2課題

都道

府県

・一

の都

道府

県の

区域内に係る事案について執行

・処

分の

効果

は当

該都道府県の区域内に限定

国 ・二

以上

の都

道府

県の区域にわたる事案について

特に必

要と認

める場

合等に執行することを妨げない

・処

分の

効果

は全

国に及ぶ

被害

が複数

の都道府

県の区域にわたる個々の事

案に

ついて

、都

道府

県と国のいずれが対処すべ

きかが

必ず

しも明確

ではない

Page 22: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

マニュアル化・デ

ータ

ベース化

し、国

と都道

府県

で共有

4第

2提

1執行体制に係る課題への対応

(1)

執行ノウハ

ウの

整備

・共

(3)

警察

関係者

等の

専門

性を有

する非常勤

職員の

関与の

拡大

(4)

官民連携による執

行体

制の

充実、専

門人材との連携

国の

執行ノウハウ

・法

令解

釈・調

査手

続・訴

訟リスクへの対応

+実

践的

な研

警察

関係

者~

公務

員として任

用〈警察官OB(非常勤職員)〉

○犯

罪捜

査における被害者取調べ、被疑

者取調

べ、

捜索

差押えのノウハウを有

する

→執行

業務

における消

費者

聴取、立入

検査等

を効

果的

に実

施する上で極めて有益

!継続

的な人

材確保体制の構築・増

員!

常勤

職員

と同等の服務規定等のル

ール

化!

専門

性・業

務内容の特殊性に応じた報

酬設定

官民

連携

~契約等による連

携〈弁護士等(法律相談)〉

○事

実認

定・法

令解

釈の

専門的知識を有している

○行

政処

分に対

する訴

訟事案への対応

!常

勤・非

常勤公

務員としての任用の検討

〈公認会計士、建築士等〉

○個

別事

案ごとの

連携

〈適格消費者団体等〉

○事

業者

情報

・消

費者被

害情報の提供等

特商

法の

執行

業務(消費者からの被害聴

取、内偵

調査、立

入検査

等)=

通常

の行政事務と性質が異なる、専門

的な能

力・経験

が求められる

執行

業務の特殊性・専門性を踏まえ

(2)

執行

業務

に携

わる職

員の

地位

の明

確化

位置付けの明確化

(例)「執行専門官」等の職名

対外的な職権の明示

本来

的には

、複

数の職員がチームを組み

、実

際に執

行業

務を行う中で知識・経験を習得、伝

達す

ることが

望ましい

職員

数が

少ない、調査・執行の実績が少ない都

道府

県が

みられ

る→執

行に係

るノウハ

ウの伝達・蓄

積が

難しい

Page 23: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

(4)

国と地方の処分

権限

の考

え方

の周

国と都

道府

県の

両方が特商法に基づく処分権限

を持

つことの

考え方

の周知

5第

2提

2悪質事業者への対応

(1)

消費生活センターの

役割

の重要性の高まり

・法

執行

を念頭に置いた相談対応

行政

処分

を意識した相談対応、行政

機関

による消

費者聴

取の協

力要請

・P

IO-N

ET入力の工夫

特商

法の

法律用語を

PIO

-N

ETの入力

キーワードに取り込

み、検

索の

利便性

を向上

・消

費生

活センターと執行部局との

情報連

携の仕

組みの

構築

(2)

特商法執行

ネットの

充実

役員

・関

係者

情報など、入力内容を充

実させ

、一

層の

活用

を図

(3)

関連先への

資料

提供

要求

権の活用

事業

者の

関連

先への資料提供要求規

定(特商

法第

66条

第3項

)の周知

(4)

消費者からの情

報収

集法

令違

反に当

たる事例を消費者へ情報提供、消費

者による情

報提

供の

重要性を相談員へ周知

3国と都道府県の連携及び役割分担

(3)

都道府県の立

入検

査等

への

支援

国が

立入

検査

を行う際に、対象事業所の存する

都道

府県

に協

力を要請し、ノウハウの提供・経

験の

蓄積

を図

(1)

近隣都道府

県及

び国

との

連携

広域

的な連

絡会議をベースにした緊密

な情報

交換、

複数都

道府

県による同時処分、処分の効

果が全

国に

及ぶ国

との

共同処分

(2)

被害が広域

に及

ぶ事

案における役割分

国と都

道府

県の役割分担についての基

本的な考え

方を明

Page 24: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

2悪質事業者に対

する制

度的

対応

・これ

までは

、処分を受けた事業者が法人の作

り替

え等

により違

反行

為を繰り返

す事案が見られていた。

・平

成28年

の法改

正で、事業者が次々と法人

を立

ち上げて実

質的

に業

務を継続

することが禁止された。

・今後

、法の

着実な運用により対処していくことが

重要であり、引き続

き法

の実

効性について注視していくべき。

第3

今後に

向け

て6

1適切なタイミングでの

行政

処分

の実行

・事案

により、行

政指導と行政処分のいずれ

によるか

の方針

を、調

査の

適切な段階

で決定することが重要。

・悪

質性の

高い、また深刻な被害が生じていると思わ

れる事案

に対

しては

、行政

指導ではなく行政処分により対処す

べき。

・調

査の過

程でその

方針を柔軟に転換すべ

き場

合があることにも留

意すべ

き。

3警察との連携

強化

・犯

罪の

疑いの

ある事案について、手続の重

複を回避

し、迅速

かつ効

果的に消費

者被害の拡大・再

発防止を図る観

点か

ら、今

後、行政機関と警察との更に一

歩踏み

出した緊密

な連

携の可

能性を模

索することも有用。

・手

続保障

に配

慮しつつ、行政目的で収集した証

拠資料

の刑事

手続における利用

や、刑事手続において得られた証

拠資

料の

行政

手続

における利用について、必

要に応

じ、検討

していくことも考

えられ

る。

4職員の専門性

の充

・悪

質事

業者

の一

掃を目指す専門職員の

配置等

による行

政体制

の強化

に期

待。

・警

察官

OBの

任用

や官民連携による専門

人材の

活用、行

政職員

の専門能

力向

上が執行力向上に不可欠。

・業

務の特

殊性

を踏

まえた、研修、人事ローテーション等

の職

員育成

の仕組

みの必

要性についても検討を行うべき。

・国

は地方

自治

体が

担う消費者行政の重要

性について積

極的に説

明することが必

要。

Page 25: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

消費者行政における

執行力の充実に関する提言

~地方における特商法の執行力の充実に向けて~

平成29年8月

消費者委員会

(資料4-2)

Page 26: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

はじめに ··························································· 1

第1 現状と課題 ··················································· 3

1 現状 ························································· 3

(1)消費生活相談件数 ··········································· 3

(2)執行業務の流れ ············································· 5

(3)執行状況 ··················································· 5

2 課題 ························································· 8

(1)執行体制 ··················································· 8

(2)悪質事業者への対応 ········································· 9

(3)国と都道府県の連携及び役割分担 ····························· 9

第2 提言 ························································· 11

1 執行体制に係る課題への対応 ··································· 11

(1)執行ノウハウの整備・共有 ··································· 11

ア 法令解釈 ··············································· 12

イ 調査手続 ··············································· 12

ウ 訴訟リスクへの対応 ····································· 12

(2)執行業務に携わる職員の地位の明確化 ························· 13

(3)警察関係者等の専門性を有する非常勤職員の関与の拡大 ········· 13

(4)官民連携による執行体制の充実、専門人材との連携 ············· 14

ア 弁護士等との連携の有用性 ······························· 14

イ 様々な専門人材との積極的な連携 ························· 14

ウ 適格消費者団体等との連携 ······························· 15

2 悪質事業者への対応 ··········································· 15

(1)消費生活センターの役割の重要性の高まり ····················· 15

ア 法執行を念頭においた相談対応 ··························· 15

イ PIO-NET 入力の工夫 ······································ 15

ウ 消費生活センターと執行部局との情報連携の仕組みの構築 ··· 16

(2)特商法執行ネットの充実 ····································· 16

(3)関連先への資料提供要求権の活用 ····························· 16

(4)消費者からの情報収集 ······································· 16

Page 27: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

3 国と都道府県の連携及び役割分担 ······························· 17

(1)近隣都道府県及び国との連携 ································· 17

(2)被害が広域に及ぶ事案における役割分担 ······················· 20

(3)都道府県の立入検査等への支援 ······························· 20

(4)国と地方の処分権限の考え方の周知 ··························· 20

第3 今後に向けて ················································· 21

1 適切なタイミングでの行政処分の実行 ··························· 21

2 悪質事業者に対する制度的対応 ································· 21

3 警察との連携強化 ············································· 22

4 職員の専門性の充実 ··········································· 22

Page 28: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

はじめに

近年、社会経済の構造変化に伴い、消費者被害は複雑化・多様化してお

り、消費生活相談件数は依然として高水準で推移している。

中でも、特定商取引に関する法律(昭和 51 年法律第 57 号。以下「特商

法」という。)の規制対象である取引類型に関する消費生活相談1の総件数

は、PIO-NET2に登録されている消費生活相談の総件数の約半数を占める状況

にある3。

消費者被害の削減・防止のためには、消費者に対する注意喚起や消費者啓

発により消費者自身が被害を未然防止できる力を持つことや、消費者安全確

保地域協議会等の取組により被害に遭うリスクの高い消費者を地域で見守る

ことが重要であり、国及び地方公共団体において取り組んでいるところであ

る。しかし、違法な事業活動を繰り返す悪質事業者による消費者被害を防止

し、取引の公正さを確保するためには、法制度の整備による対応のほか、適

切な執行権限の行使によりその違法行為自体を排除することが必要である。

特商法においては、直近 10 年間で平成 20 年、同 24 年、同 28 年(本提言

発出時点では未施行)と3度の法改正を行っており、その中で、悪質事業者

への対応措置が様々な形で盛り込まれたが4、現状では、消費生活相談件数

が大きく減少するには至っていない。

一方、特商法における最近の行政執行の状況をみると、ここ数年、国及び

都道府県による行政処分の合計件数が減少している。

その背景には、事業者の手口が複雑化・巧妙化していること、被害者の高

齢化等により、違反認定のための証拠確保が困難となっていること、行政処

分に対する訴訟リスクの高まりを視野に入れた対応も必要となっていること

等から、執行業務の困難さが増していることがあるとみられる。

1 特商法の適用除外である商品・役務等に関する相談を含み、また、相談内容は必ずしも特商法に沿っ

たものとは限らない。 2 「PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)」とは、国民生活センターと全

国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積している

データベース。 3 ただし、1つの消費生活相談が複数の取引類型に重複して計上されている場合があることに注意が必

要である。 4 20 年改正では指定商品・指定役務制の廃止等、24 年改正では対象とする取引類型に訪問購入を追加、

28 年改正では次々と法人を立ち上げて違反行為を行う事業者への対処等が盛り込まれた。

1

Page 29: 消費者委員会の取組€¦ · 平成30年度都道府県等消費者行政担当課長会議説明資料 平成30年4月26日 消費者委員会の取組 内閣府消費者委員会事務局

特商法の執行業務については、国だけでなく都道府県にもその権限が付与

されており5、一定の成果を上げているが、近年、特に都道府県による処分

件数が減少しており、その執行を支える消費者行政担当職員数をとってみて

も減少傾向にあり、都道府県の執行力充実の必要性は高い。

消費者行政においては、特商法を始めとし、不当景品類及び不当表示防止

法(昭和 37 年法律第 134 号)、健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)、消費

者安全法(平成 21 年法律第 50 号)、食品表示法(平成 25 年法律第 70 号)

等様々な法律に基づく執行業務を行っている。いずれの執行業務も重要であ

るが、当委員会は、以上の状況を踏まえ、ここでは、地方消費者行政におけ

る特商法の執行力を高めるための方策について着目し、調査を実施した。

以下、第1では、現状と課題について整理する。

第2では、消費者委員会において調査審議を行った結果に基づき、課題の

解決に向けた提言を述べる。

第3では、直ちに対応を求めるものではないが、今後、重要な論点になり

得る点について述べる。

5 特商法第 68 条の規定による。

2

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第1 現状と課題

1 現状

始めに、特商法に基づく事業者に対する業務停止命令及び指示処分をめぐ

る現状について整理する。

(1)消費生活相談件数

全国の消費生活センター等に寄せられ PIO-NET に登録された消費生活相

談の件数は、おおむね横ばいの状況にある(図表1)。

特商法の規制対象である取引類型に関する消費生活相談の件数もそれぞ

れおおむね横ばいであり、それらの中では通信販売(架空請求を除く。)

に関するものが最も多く6、次いで訪問販売と電話勧誘販売に関するものが

多い(図表2)。

【図表1 消費生活相談件数】

(備考)PIO-NET データにより当委員会作成。データは平成 29 年3月 31 日までの受付、

同年7月 31 日までの登録分で、平成 27 年度以降受付分は消費生活センター等からの経

由相談を含まず。

6 ただし、「通信販売(架空請求を除く。)」には、インターネット通販による「アダルト情報サイト」な

どのウェブサイトの利用料や「オンラインゲーム」などのデジタルコンテンツ等、一般的な「通信販

売」のイメージと乖離のあるものに関する相談を含むことに注意が必要である。

国民生活センターに

データ提供依頼中

897,452 884,318 861,359

940,280 960,554 929,866

889,724

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28

(件)

(年度)

3

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【図表2 取引類型別の消費生活相談件数】

(備考)

1 PIO-NET データにより当委員会作成。データは平成 29 年3月 31 日までの受付、同年

7月 31 日までの登録分で、平成 27 年度以降受付分は消費生活センター等からの経由

相談を含まず(訪問購入に関する相談は平成 25 年2月 21 日以降受付分より収集)。

2 「特定継続的役務提供」は「エステティックサービス」、「外国語・会話教室」、「家庭

教師」、「学習塾」、「パソコン・ワープロ教室」、「結婚相手紹介サービス」に関する相

談の合計件数。「業務提供誘引販売取引」は「内職・副業(「ネズミ講」を除く。)」、

「モニター商法」に関する相談の合計件数。

3 1つの消費生活相談が複数の取引類型に重複して計上されている場合もある。

224,675

250,312

220,291

250,949

267,194

251,280 248,102

98,972 97,250 92,130

91,314 89,743

85,187 80,824

64,207 69,874

80,148

102,513 91,582

79,769

69,075

16,429

14,609 14,249 15,418

14,576 13,825 12,994

11,636 10,239 10,185 10,033

11,914 11,513 11,355

684

7,306 7,942

8,617 8,651

6,363

4,858 4,205 3,908 4,293

5,077 5,304

0

20,000

150,000

300,000

H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28

通信販売(架空請求を除く。)

訪問販売

電話勧誘販売

特定継続的役務提供

連鎖販売取引

訪問購入

業務提供誘引販売取引

(件)

(年度)

4

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(2)執行業務の流れ

特商法における行政執行は、一般に、PIO-NET に蓄積されている消費生

活相談情報や消費者等からの申出7等を端緒として調査を開始し、消費者か

らの被害聴取、事業者に対する報告徴収・立入検査8等の行政調査の結果、

特商法に違反する行為があると認められる場合に、行政処分(業務改善の

指示や業務停止命令)と事業者名の公表を行うという手順で実施される。

(3)執行状況

特商法の執行状況を見ると、①全体の執行件数は平成 22 年度をピーク

に減少していること、②都道府県により執行件数に差異があることが見て

取れる(図表3)。

ただし、公表されている執行件数(業務停止命令・指示処分)の前段階

として調査や行政指導の実施件数が執行件数の数倍に上る都道府県もあ

り、執行件数がゼロの都道府県であっても調査や行政指導を複数件実施す

ることにより被害防止の施策を講じている実情もある。

7 特商法第 60 条第1項の規定に基づく。 8 事業者の任意の協力による場合のほか、間接強制権限に基づいて行う場合(特商法第 66 条第 1 項)が

ある。

5

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処分内容

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

業務停止

命令

指示

処分内容

合計 合計

国 1 8 0 12 0 5 0 0 1 12 2 7 0 7 10 6 22 13 25 5 34 6 26 11 25 23 28 25 24 19 31 9 12 9 16 24 23 11 14 14 1 2 295 228 国

都道府県 0 0 0 1 0 2 0 4 0 7 0 16 0 19 0 24 3 42 11 43 79 63 87 17 75 15 115 20 67 15 53 28 70 27 47 8 33 17 25 9 5 2 670 379 都道府県

北海道 1 1 3 3 6 4 9 5 5 2 1 2 1 4 1 1 1 37 13 北海道

青 森 1 1 1 3 1 2 8 1 青 森

岩 手 2 2 1 4 2 1 3 9 岩 手

宮 城 1 1 1 1 2 2 宮 城

秋 田 2 1 2 1 1 1 1 1 5 5 秋 田

山 形 1 2 1 3 1 山 形

福 島 1 1 3 1 3 1 2 2 3 1 15 3 福 島

茨 城 1 1 6 4 2 1 1 1 14 3 茨 城

栃 木 1 2 3 3 2 3 2 2 4 3 1 19 7 栃 木

群 馬 2 1 1 1 1 1 1 1 6 3 群 馬

埼 玉 1 2 5 2 3 3 5 2 16 1 24 2 14 5 8 6 8 3 9 5 8 5 2 1 98 42 埼 玉

千 葉 1 1 2 3 1 2 4 1 1 1 3 2 2 1 17 8 千 葉

東 京 1 3 9 10 9 1 8 4 13 26 18 27 3 15 3 24 10 15 3 11 1 16 4 10 1 11 11 2 1 173 97 東 京

神奈川 1 1 2 2 3 3 2 9 1 4 1 4 1 2 2 5 2 2 1 1 33 16 神奈川

新 潟 1 1 1 1 1 3 新 潟

富 山 1 1 1 1 2 富 山

石 川 3 2 2 1 1 1 1 2 9 石 川

福 井 1 1 0 福 井

山 梨 1 1 1 4 0 7 山 梨

長 野 1 2 1 1 1 2 4 長 野

岐 阜 1 3 1 1 2 2 1 1 5 1 14 4 岐 阜

静 岡 2 3 3 4 4 3 2 4 5 6 2 2 2 7 3 4 3 5 3 3 1 2 1 36 38 静 岡

愛 知 1 1 1 2 2 2 2 2 2 1 1 1 3 1 16 6 愛 知

三 重 1 1 1 1 1 5 0 三 重

滋 賀 2 1 1 2 2 1 2 1 2 7 7 滋 賀

京 都 3 2 1 2 1 1 1 8 3 京 都

大 阪 1 2 5 5 4 2 3 2 4 2 1 1 20 12 大 阪

兵 庫 1 1 3 4 1 2 1 3 2 11 7 兵 庫

奈 良 1 2 1 1 3 2 奈 良

和歌山 2 2 1 1 1 1 4 4 和歌山

鳥 取 1 1 2 1 1 0 6 鳥 取

島 根 1 1 2 2 2 3 2 6 7 島 根

岡 山 2 2 1 1 1 6 1 3 15 2 岡 山

広 島 1 1 1 1 1 2 1 2 1 1 1 11 2 広 島

山 口 1 1 1 1 3 1 山 口

徳 島 1 1 1 1 1 5 0 徳 島

香 川 1 4 3 4 2 3 4 2 1 1 2 6 1 26 8 香 川

愛 媛 1 1 1 2 1 1 5 2 愛 媛

高 知 1 1 2 1 1 2 4 高 知

福 岡 2 1 1 2 2 1 1 2 2 2 2 1 1 14 6 福 岡

佐 賀 2 1 1 1 1 1 2 1 1 3 6 8 佐 賀

長 崎 1 1 1 1 1 2 1 1 1 2 1 1 9 5 長 崎

熊 本 1 2 1 1 1 1 1 6 熊 本

大 分 1 1 1 2 1 大 分

宮 崎 1 0 1 宮 崎

鹿児島 1 1 1 1 鹿児島

沖 縄 1 0 1 沖 縄

(備考)出典は消費者庁「特定商取引法に基づく処分件数の推移」(http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/release/pdf/release_170825_0001.pdf)。

402625 138

(2003) (2008)(2007)

207 4

(1999)

9 13

【図表3 特商法の国・都道府県別執行件数】

(1997) (1998)

平成13年度

平成15平成14平成9 平成10 平成11

(2001) (2014)

95

(2013)

118182 18880 141

(2009)

1572

平成24

(2012)

121

(2006)

平成28合計

62

(2015) (2017)

(単位:件)

(2010)

平成17

(2016)

平成19 平成20年度

平成25 平成27平成18平成12

(2011)(2004) (2005)

125

平成21平成16

(2002)

84

(2000)

平成29平成26平成23平成22

84 10

6

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また、国、都道府県別の取引類型別執行件数をみると、国では、電話勧

誘販売、訪問販売が多くを占めている(図表4)。他方、都道府県では、

訪問販売が多数を占め、次いで電話勧誘販売の順となっている。

【図表4 特商法の取引類型別執行件数(平成 23 年度~平成 28 年度)】

(備考)消費者庁ウェブサイト「国及び都道府県における処分事業者一覧(http://www.c

aa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/release/pdf/release_1707

13_0001.pdf)」より当委員会作成。

7

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2 課題

(1)執行体制

多くの都道府県において、執行の基本となる消費者行政担当職員は、特

商法の執行業務のほかにも複数の業務を兼務している(図表5)。都道府

県においては、体制への不安を抱え、執行ノウハウの蓄積に苦慮してい

る。

【図表5 都道府県別 消費生活相談件数、法執行件数、職員数等】

8

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(備考)

1 総務省統計局「平成 27 年 10 月1日現在の人口推計」及び消費者庁「平成 27 年度

地方消費者行政の現況」、「特定商取引法違反に基づく処分件数の推移(http://www.c

aa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/release/pdf/release_170713_000

1.pdf)」より当委員会作成。

2 各項目の示している内容は以下のとおり。

・「人口」:平成 27 年 10 月1日時点の推計人口(千人)

・「総相談件数」:平成 26 年度の消費生活相談件数

・「執行件数」:平成 27 年度の特商法に基づく業務停止命令及び指示処分の件数

・「相談/執行」:行政処分1件当たりの消費生活相談件数

・「事務職員数」:消費者行政本課、消費生活センター及び消費者行政関連課(以下

「消費者行政担当部署」という。)の事務職員数

・「人口/職員」:消費者行政担当部署の事務職員1人当たりの人口(千人)

・「特商法職員」:消費者行政担当部署の特商法担当職員数

・「法執行合計」:平成8年度から平成 27 年度までの特商法に基づく業務停止命令及

び指示処分の件数

(2)悪質事業者への対応

近年、事業者の手口が複雑化・巧妙化しており、調査に当たる中で、例

えば、事業者が次々と法人を立ち上げて違反行為を行っているような事案

や、立入検査・物証収集が困難な事案などが見られ、以前に比較して困難

さが増していると考えられる。

(3)国と都道府県の連携及び役割分担

特商法の執行は、国(消費者庁及び各経済産業局)のほか、都道府県が

行うこととされている。どちらの主体が執行を行うかについては、特定

商取引に関する法律施行令(昭和 51 年政令第 295 号)第 19 条におい

て、都道府県は「当該都道府県の区域内」に係る事案について執行を行

うこととされ、「二以上の都道府県の区域」にわたる事案であって、特に

必要と認めるとき又は都道府県から要請があったときは国が執行を行う

ことを妨げないとされている。

これまでの執行の状況をみると、都道府県や国がそれぞれ単独で執行を

行う場合のほか、

①複数の都道府県が同一の事業者に対して同時に処分を行うケース

②国と都道府県が同一の事業者に対して共同で処分を行うケース

がある。

この点に関し、国による処分の効果は全国に及ぶのに対し、都道府県に

よる処分の効果は当該都道府県の区域内に限られるものとされており、

都道府県による処分のみでは事業者が区域外で違反行為を継続すること

を抑止できないという問題がある。また、被害が複数の都道府県の区域

9

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にわたる個々の事案について、都道府県と国のいずれが対処すべきかが

必ずしも明確でないとの指摘もある。

10

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第2 提言

当委員会では、地方消費者行政における特商法の執行力を高めるための方

策に関し、有識者、関係行政機関及び都道府県からのヒアリングを含む調査

及び審議9を行った。特に、地方消費者行政における特商法の執行に関する

実態の調査には重点を置き、執行状況や地理的条件等の特徴を勘案して抽出

した 11 都道府県からヒアリングを行った上、ヒアリングを行わなかった都

道府県に対しては文書によるアンケートを実施し、消費者行政担当部署の執

行体制、特商法の執行状況・違反行為に関する調査手法・執行に関する課題

等について全都道府県の実態把握を行った。

上記調査審議の結果に基づき、以下のとおり、消費者行政における執行力

の充実に関する課題の解決に向けた提言を述べる。

本提言を踏まえ、消費者庁は、適切な取組を進めるべきであり、また、都

道府県においても、執行力の充実に向けた取組を行うことが期待される。さ

らに、都道府県のこのような取組に対し、消費者庁は必要な支援を行うべき

である。

1 執行体制に係る課題への対応

都道府県における特商法の執行状況をみると、平成 25 年度以降の直近

数年間において、業務停止命令及び指示処分の件数がともに全くない都道

府県も相当数見られる。

特商法の執行を行うに当たっては、消費者聴取、事業者への立入検査等

の調査による十分な証拠の収集、近年高まっている訴訟リスクも視野に入

れた適切な違反認定が求められる。また、執行の実効性を高めるために

は、調査の着手から執行まで、集中して迅速に手続を進めることが必要で

ある。すなわち、執行担当職員の専門性の向上を図るとともに、調査、法

律、処分の専門的知識やノウハウを有する専門人材を活用し、それらの者

と行政機関が一体となって実行することが重要である。

(1)執行ノウハウの整備・共有

特商法の執行業務は、消費者からの被害聴取、内偵調査、事業者への立

入検査等を伴うものであり、通常の行政事務とは性質が異なる面が多く、

専門的な能力及び経験が求められる事務といえる。こうした執行業務に関

するノウハウの伝達・蓄積のためには、本来的には複数の職員がチームを

組み、実際に執行業務を行う中で知識・経験を習得し、また伝達すること

9 なお、これらの調査審議は、執行事務の適正な遂行への支障を避ける観点から、大部分を非公開で実

施した。

11

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が望ましい。

しかし、都道府県の状況をみると、消費者法関係の執行担当部署におい

て、特商法を担当する職員10は、必ずしも複数配置されているわけではな

い。また調査及び執行の実績が少ない都道府県では、担当職員が実際に執

行業務を行って経験を得ることが困難である。こうした理由から、執行に

係るノウハウの伝達・蓄積に苦慮する都道府県は多いものと考えられる。

こうしたことから、都道府県の執行担当職員が活用できるよう、情報の

適切な管理に留意した上で、国は以下の情報についてマニュアル又はデー

タベース化して整備し、都道府県と共有することを検討すべきである。ま

た、こうした情報を含む実践的な研修を、遠隔地の都道府県でも参加が容

易になるよう地域ブロックごとに量的にも質的にもできる限り拡充するこ

とを検討すべき11である。

ア 法令解釈

法令解釈等について、都道府県からの相談に対し国が回答した内

容、執行に当たり国及び都道府県が弁護士等の助言を受けた内容の共

有化が重要である。

イ 調査手続

全ての都道府県において、一定の水準の調査能力を有することがで

きるようにするため、聴取、立入検査等の調査のノウハウ、訴訟リス

クを視野に入れた調査及び違反認定のポイントを整理したもの、手続

のフローチャートを作成し共有すべきである。

ウ 訴訟リスクへの対応

近年、行政処分に対する事業者による取消訴訟、損害賠償請求訴訟

等の訴訟リスクが高まっていることから、以下の情報について、都道

府県の執行担当者が活用できるインデックスを付したマニュアルの整

備、データベース化がされるべきである。

(ア)裁判例

過去の訴訟における、訴状、答弁書、準備書面、判決文等を主な

論点に応じて整理し、可能な範囲で共有できることが望ましい。

10 特商法の専任ではなく、他の消費者法の担当を複数兼務している場合が多く見られる。 11 イギリスの消費者法執行担当部局では、研修所での定例的な研修のほかに、部局内において必要に応

じ常時研修・講義を実施しているという(第 252 回消費者委員会本会議(平成 29 年8月1日。以下

「第 252 回本会議」という。))。

12

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(イ)訴訟対応

上記(ア)の情報を分析し、訴訟リスクを視野に入れた執行業務

の注意点、訴訟において争点となり得るポイントの共有化を行うこ

とが望ましい。

(2)執行業務に携わる職員の地位の明確化

(1)で述べた執行業務の特殊性・専門性を踏まえれば、非常勤職員も

含め、執行業務に携わる職員に例えば「執行専門官」といった職名を付す

などして、その位置付けを明確にし、対外的にもその職権を明示する12等

の工夫を検討することも考えられる。

(3)警察関係者等の専門性を有する非常勤職員の関与の拡大

都道府県においては、執行業務について消費者聴取、立入検査等を効果

的に実施する上で、犯罪捜査における被害者取調べ、被疑者取調べ、捜索

差押えのノウハウを有する警察関係者との連携は極めて有益であると考え

られ、警察関係者と調査の初期段階から緊密な連携を保持することが望ま

しい。

執行業務は、犯罪捜査における捜索差押えや逮捕のような直接強制力は

伴わないものの、事業者に対する報告徴収、事業所への立入検査等、事業

者に対する間接強制を伴う調査権限を行使するものであることから、法に

基づく権限を有する行政職員のみが行うべきこととされている。実際に、

都道府県の常勤職員と非常勤の嘱託員13として任用された警察官OB等の

専門人材がチーム体制で執行業務を行っている場合が多いと考えられ、現

状、ほぼ全ての都道府県において警察関係者との連携が見られる。

今後も、特商法に基づく執行に必要なノウハウと経験を蓄積・承継し、

迅速かつ適切な悪質事業者への対応を行っていくため、継続的な人材確

保、増員を図り、警察関係者等の専門性を有する非常勤職員の関与を更に

拡大していくことが必要である。

その場合には、常勤職員に適用される地方公務員法の規定を踏まえ、①

非常勤職員が担う業務の明確化(執行業務のうち、常勤職員が担う部分と

非常勤職員が担う部分との業務・役割分担の整理)、②執行業務を行う非

12 イギリスでは、消費者法の執行担当行政官は高度の専門性を有する職とされ、高い社会的評価を有し

ており、研修所での研修と現場経験を積み「取引基準官」として任官した後は、他の職務への配置転換

の対象となることは少ないという(第 252 回本会議)。 13 地方公務員法(昭和 25 年法律第 261 号)第3条第3項において特別職地方公務員とされる職が列記

されており、非常勤の嘱託員は同項第3号に規定されている。

13

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常勤職員の専門性、③守秘義務等の法令遵守、④利益相反の管理体制、⑤

非常勤職員が担う業務に係る責任体制等に留意し、適切にルール化14する

ことにより執行体制の透明性を確保することが重要である。

また、こうした専門性を有する非常勤職員の活用に際しては、その専門

性及び業務内容の特殊性に応じた報酬を設定することが望ましく、これに

地方消費者行政推進交付金を活用することも考えられる。

(4)官民連携による執行体制の充実、専門人材との連携

ア 弁護士等との連携の有用性

執行業務においては、事実認定及び法令解釈について専門的知識を有

する弁護士等との連携も有用である。また、既述のとおり、近年、行政

処分に対する訴訟リスクが高まっており、仮に訴訟事案となった場合に

は、訴訟対応は高度に専門的な知識を要することから、弁護士等との連

携は重要であると思われる。

弁護士等との連携に際しては、違反認定、処分決定などの適切なタイ

ミングで相談ができる仕組みを作る必要がある。

具体的には、消費者問題、特商法の専門的知見を有する弁護士を助言

者として依頼し、調査から処分に至る各段階で必要に応じ助言を求める

こと、さらには、弁護士等を常勤又は非常勤の職員として任用し、消費

者聴取等の調査の段階から執行業務に関わってもらうことも考えられ

る。仕組みを作るに当たっては、弁護士会に上記専門的知見を有する弁

護士の推薦を依頼するなどにより、専門性を確保するとともに利益相反

関係等のチェックも確実に行うことが必要である。

また、適切なタイミングで迅速に相談できる仕組みの構築の観点から

は、可能であれば、セキュリティを完備したテレビ会議システムを活用

することも考えられる。

イ 様々な専門人材との積極的な連携

特商法の事案に応じて、様々な専門人材(公認会計士、建築士等)と

の連携も積極的に行うことが必要である。

なお、上記アで述べた弁護士等との連携も含め、専門人材との連携の

仕組みを構築するに際しては、地方消費者行政推進交付金を活用するこ

とも考えられる。

14 非常勤の嘱託員等の特別職地方公務員は地方公務員法第4条第2項の規定により法律に特別の定めが

ある場合を除き同法の適用を受けないため、同法の規定により常勤職員に課される服務規定等と同等の

規定を別途要綱等により定めることが一般的と思われる。

14

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ウ 適格消費者団体等との連携

事業者の不当な行為に対し差止めを求めることができる適格消費者団

体や、不当な事業者に対し消費者に代わって被害回復を求めることがで

きる特定適格消費者団体は、消費者被害の未然防止・拡大防止及び被害

回復という重要な役割を担っており、その機能を果たすため、不当な事

業者に関する情報や消費者の被害情報を収集・分析している。こうした

適格消費者団体等からの情報提供等による連携も重要である。

2 悪質事業者への対応

近年、第1の2(2)で述べたように、事業者の手口が複雑化・巧妙化し

ている。

このため、悪質事業者に係る端緒情報を迅速かつ適切に把握し、行政処分

につなげるための調査手法の充実が必要である。

(1)消費生活センターの役割の重要性の高まり

ア 法執行を念頭においた相談対応

調査の過程において、PIO-NET 情報等を基に被害に遭った消費者から

被害内容の聴取を実施しようとしたところ、連絡先が記録されていなか

ったり、消費者の協力が得られなかったりしたために聴取を行うことが

できず、違反認定のための証拠収集が難航する等の事案が発生してい

る。

消費者被害の再発・拡大防止の観点からは、消費生活相談の現場に

おいて、相談者に対し、被害回復のための聞き取り、助言に加えて、特

商法に基づく行政処分を意識した対応(例えば、販売目的は適切に告げ

られていたか、不実告知はなかったか等の聞き取りや、被害拡大防止の

ため行政機関による聴取への協力を依頼する場合があり得ることの説明

等)がなされることが望ましい。

さらに、このように法執行を念頭においた相談対応を行うことの重要

性及び聴取すべき違反行為のポイントについて、相談員研修の内容に盛

り込み、消費生活相談員に広く周知されることが望ましい。

イ PIO-NET 入力の工夫

PIO-NET に蓄積されている消費生活相談情報は、法執行の端緒情報と

して非常に有用であるが、PIO-NET の入力キーワードの中には特商法上

の法律用語と一致していないものもあり、執行力を充実させる観点から

の検索機能としては弱いなど不十分な部分がある。執行部局による検索

が容易になるよう、可能な範囲で、特商法で用いられている用語を入力

15

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キーワードとし、特商法に関連する消費生活相談を的確に把握できるよ

うにするなどの工夫が重要である。

ウ 消費生活センターと執行部局との情報連携の仕組みの構築

消費生活センターにおいて受け付けた相談情報ができるだけ迅速かつ

正確に PIO-NET に入力され、さらに、悪質性の高い事案の情報等につい

ては執行部局に直接かつ迅速に伝達される仕組みを構築するなど、相談

処理と法執行との連携を密にすることが望まれる。また、消費生活セン

ターから提供された情報への対応状況について、非公開情報の管理には

特に留意しつつ、可能な範囲でフィードバックすることは、この仕組み

の実効性を高めるために重要と考えられる。

(2)特商法執行ネットの充実

特商法執行ネット15に入力される情報(例えば、事業者に関連すること

としては、役員・関係者情報など)を充実させ、一層の活用を図るべき

である。

(3)関連先への資料提供要求権の活用

事業者に関する情報収集のためには、特商法第 66 条第3項に規定す

る、関連先(銀行口座を付与する金融機関、オフィス賃貸事業者、クレジ

ット会社等)への資料提供要求権の活用が極めて有効である。この資料提

供要求権の具体的な活用方法等を都道府県に示すこと等によりその活用を

促進するとともに、関連先からの協力が得やすくなるよう、関連先への同

条項の周知を図ることも考えられる。

(4)消費者からの情報収集

悪質事業者に対し適切な執行を行うためには、法令違反と思われる事案

について、消費者から行政機関への情報提供が迅速に行われることも重要

である。

このため、行政機関は、消費者に対し、法令違反に当たる事例について

具体的な情報提供を行い、消費生活相談窓口の積極的な利用を呼び掛ける

とともに、相談窓口において直接消費者と接する消費生活相談員に対し、

違反認定における消費者からの情報提供の重要性について十分に周知する

必要がある。

また、悪質事業者に関連する情報の早期探知の観点から、SNS等イン

15 消費者庁、経済産業省、都道府県において迅速かつ効果的に共有を図る観点から、特商法違反の疑い

のある事業者についての基礎情報や各機関の調査、執行状況の情報共有のためのネットワーク。

16

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ターネット上に存在する情報についても、幅広く収集し活用していくこと

も検討されるべきである。

3 国と都道府県の連携及び役割分担

(1)近隣都道府県及び国との連携

近年の悪質事業者の手口を見ると、1つの都道府県で行政処分を受け

た事業者が場所を変え近隣の都道府県で同一の悪質事業を行っている事

例や、複数の近隣の都道府県で同時・広域的に悪質事業を行っている事

例が見られるが、特商法においては、都道府県による行政処分の効力は

当該都道府県の区域を越えて及ばないとされている。

したがって、都道府県が執行を行うに際しては、近隣都道府県間にお

いて緊密な情報交換を行い、図表6の事例に見られるように必要に応じ

て複数の都道府県が連携して処分を行う16ことにより、こうした悪質事

業者に対応することが重要と考えられる。さらに、図表7の事例に見ら

れるように、処分の効力が全国に及ぶ国との共同処分も積極的に検討さ

れるべきである。

現在、図表8に示すとおり、ほぼ全ての都道府県において連絡会議が

設置されているが、こうした仕組みの有用性を一層高めることが必要で

ある。具体的には、例えば国や警察が参加する、連絡会議の開催頻度を

増やすこと等が考えられる。

【図表6 都道府県による同時処分】

16 この場合、処分の対象となる違反行為は当該都道府県の区域内で行われたものに限られるものの、取

引の公正や購入者等の利益が害されるおそれの認定に際し、共同して調査を行った他の都道府県におけ

る被害状況等を考慮することはできると考えられる。

【事例1】

群馬県及び長野県は、住宅リフォーム工事等の訪問販売事業を行っていたAに対し、

平成 29 年2月に同時に行政処分を行った。処分内容は下記のとおり。

・群馬県…業務停止命令(6ヶ月)

・長野県…指示

【事例2】

東京都及び愛知県は、浄水器の訪問販売事業を行っていたBに対し、平成 28 年3月

に同時に行政処分を行った。処分内容は下記のとおり。

・東京都及び愛知県…業務停止命令(12 ヶ月)事等の訪問販売事業を行ってい

17

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【図表7 国(経済産業局)と都道府県による共同処分】

【事例1】

中部経済産業局、石川県及び富山県は、水フィルター式掃除機及びスチームクリー

ナーの訪問販売事業を行っていたCに対し、平成 29 年3月に共同で行政処分を行っ

た。処分内容は下記のとおり。

・中部経済産業局及び石川県…業務停止命令(6ヶ月)及び指示

・富山県…指示

【事例2】

中国経済産業局及び広島県は、貴金属、衣類、食器、雑貨等の訪問購入事業を行っ

ていたDに対し、平成 29 年3月に共同で行政処分を行った。処分内容は下記のとお

り。

・中国経済産業局…業務停止命令(6ヶ月)及び指示

・広島県…業務停止命令(6ヶ月)

18

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【図表8 都道府県における広域連携】

会議名 参加都道府県

1 東北地域特定商取引法執行担当者会議 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県

2 北関東四県悪質事業者対策会議 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県

3 消費者取引情報連絡会 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神

奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県

4 五都県悪質事業者対策会議 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県

5 北陸三県悪質事業者対策会議 富山県、石川県、福井県

6 東海地域悪質事業者対策会議 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県

7 特商法執行関係機関情報交換会議 富山県、石川県、岐阜県、愛知県、三重県

8 近畿府県消費者行政担当者連絡会 福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和

歌山県

9 消費者被害情報連絡会 福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和

歌山県

10 中国地方悪質事業者対策会議 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県

11 中国地域消費者被害情報連絡会 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県

12 四国四県悪質商法対策会議 徳島県、香川県、愛媛県、高知県

13 特定商取引法連絡会議 徳島県、香川県、愛媛県、高知県

14 消費生活の安心安全ネットワーク会議 山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮

崎県、鹿児島県、沖縄県

(備考)当委員会作成。

19

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(2)被害が広域に及ぶ事案における役割分担

特商法に係る事務については、都道府県域内の事案は当該都道府県にお

いて対処することとされ、複数の都道府県の区域にわたる事案には国(消

費者庁又は経済産業局)も対処できることとされている。被害が複数の都

道府県にわたっていても、訪問購入の場合によく見られるように事業者が

比較的狭い範囲で活動している事案については、都道府県において対処す

るのが適当であると考えられるが、例えば連鎖販売取引のように被害が広

域に及ぶことが多い事案については、都道府県による行政処分の効力が当

該都道府県の区域外に及ばない以上、国が積極的に対処すべきといえる17。

しかし、被害が複数の都道府県の区域にわたる個々の事案について、都

道府県と国のいずれが対処すべきか(また、共同して執行を行うべき場合

があるとすれば、それはいかなる場合か)について、必ずしも明確でない

との指摘がある。このことは、消費者被害が実際に発生している中で、迅

速かつ確実に調査を進めることの障壁となり得る。

もとより都道府県の特商法の執行業務は自治事務であり、国が都道府県

を指揮監督する権限はないが、消費者庁は、国と都道府県の役割分担につ

いて基本的な考え方を明示し、国及び都道府県は、できる限りその考え方

に基づき着実に執行を行うことが望ましい。

(3)都道府県の立入検査等への支援

国においては、都道府県が適切に執行業務を行うことができるよう、研

修を行うとともに、実践的にも支援を行うことが重要である。

例えば、実施に際し機動的な判断が要求され、経験を重ねることがスキ

ルアップのために有効と考えられる立入検査について、国が行う際に、対

象となる事業所の所在地である都道府県の職員に協力を要請することや、

都道府県からの立入検査同行依頼に対して国が積極的に応ずるといったこ

とが行われているが、これらの取組を一層進めていくべきである。

(4)国と地方の処分権限の考え方の周知

特商法の執行権限において、国と都道府県の両方が処分を行えることに

ついて、事業者から、二重行政ではないかとの指摘がなされることがあ

る。国、都道府県のそれぞれに処分権限があること等、特商法の法執行に

関する考え方を適切に周知する必要がある。

17 一方で、国による執行と共同して都道府県が執行を行うことも、当該地域の実情や被害状況等に応じ

た対応が可能となる等のメリットがある。

20

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第3 今後に向けて

以下の点については、直ちに対応が求められるものではないが、地方消費者

行政における執行力の充実の観点からは、重要な論点になり得ると考えられ

る。消費者庁においては、以下の点について今後も引き続いて着目し、検討を

深めるべきである。また都道府県においても、以下の点について今後執行力の

充実に取り組む上での参考とされたい。

1 適切なタイミングでの行政処分の実行

都道府県においては、特商法違反とみられる情報を入手した場合には、

迅速に調査を進め、違反が認められた場合には行政処分を行うことが原則

である。

しかしながら、執行の現場では、行政処分に至るまでの間の被害拡大を

阻止することも期待されることから、行政処分よりも迅速に実施すること

が可能な行政指導による対応が行われている場面も見られる。

特商法の執行の目的は消費者被害の拡大防止・再発防止であり、行政指

導は、その目的には合致するものの、勧告など法令に規定されている場合

を除いて行政指導を行ったことを公表することは基本的に行われないた

め、他の事業者に対する抑止効果も消費者への注意喚起の効果もないこ

と、また、行政処分とは異なり事業者側の防御手段も乏しいため、手続の

透明性に欠けるといったことが懸念される。

迅速な被害拡大防止の観点から、悪質性の低い、また小規模な事案につ

いて行政指導を行うことは必ずしも否定的な面ばかりではない。都道府県

は、事案により、行政指導と行政処分のいずれによるかの方針を、調査の

適切な段階で決定することが重要である。ただし、悪質性の高い、また深

刻な被害が生じていると思われる事案に対しては、特商法の執行の目的が

被害の拡大・再発防止であることを踏まえれば、基本的には、行政指導で

はなく行政処分により対処すべきである。なお、調査の過程でその方針を

柔軟に転換すべき場合があることにも留意すべきである。

2 悪質事業者に対する制度的対応

特商法に基づく行政処分の効果は当該事業者にしか及ばないことから、

これまで、一度処分を受けた事業者が、法人の作り替えを行うこと等によ

り実質的に業務を継続し、違反行為を繰り返す事案が見られていた。

これに対しては、平成 28 年の特商法改正で、業務停止を命ぜられた法

人の取締役やこれと同等の支配力を有すると認められる者等に対しては、

21

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新たに法人を設立して実質的に業務を継続すること等が禁止されることと

されたことにより、制度的には対処が可能となっている。

今後、こうした事案については、法の着実な運用により対処していくこ

とが重要であり、引き続き法の実効性について注視していくべきである。

3 警察との連携強化

悪質事業者の特商法違反行為に対しては、行政執行手続だけでなく、警

察による刑事手続が同時に進められる場合があり得る。イギリスにおいて

は、消費者法の執行を担う行政官が刑事手続に係る権限も有しており、そ

の強力な職権が市民にも事業者にもよく知られていることが消費者被害の

救済・抑止効果につながっているとされる18。背景とする法制度を異にす

る我が国において直ちにこれに倣うことはできないが、犯罪の疑いのある

事案について、手続の重複を回避し、迅速かつ効果的に消費者被害の拡

大・再発防止を図る観点から、今後、行政機関と警察との更に一歩踏み出

した緊密な連携の可能性を模索することも有用と思われる。

なお、同一の特商法違反事案について行政処分と刑事罰の両方を科す場

合に、刑事事件の捜査に利用する目的をもって行政調査を行うことはでき

ないが(特商法第 66 条第8項)、今後、手続保障に配慮しつつ、行政目的

で収集した証拠資料の刑事手続における利用19や刑事手続において得られ

た証拠資料の行政手続における利用20について、必要に応じ、検討してい

くことも考えられる。

4 職員の専門性の充実

都道府県の執行力の充実に向け、各都道府県において悪質事業者の一掃

を目指す専門職員の配置等の取組が行われ、その行政体制が強化されるこ

とについては、特に期待を寄せるところである。そうした取組の前提とし

て、まずは、警察官OBの任用や官民連携による専門人材の積極的な活用

と同時に、都道府県の行政職員の専門能力の向上が不可欠であり、業務の

特殊性を踏まえた、研修、人事ローテーション等の職員育成の仕組みの必

要性についても検討を行うべきであることを付言する。

また、国は、都道府県において職員体制の拡充が進展するよう、地方自

治体が担う消費者行政の重要性について、積極的に説明することが必要と

考える。

以上

18 第 252 回本会議 19 税法上の課税処分と犯則事件に関し、行政調査の際に得られた証拠資料を刑事事件の証拠として用い

ることが直ちに否定されるものではないとした判例がある(最決平成 16 年1月 20 日)。 20 犯則調査によって得られた資料を課税処分のために利用することも許されるとする判例がある(最判

昭和 63 年3月 31 日)。

22

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関係法令

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1 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)(抜粋)

(目的)

第一条 この法律は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る

取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引

並びに訪問購入に係る取引をいう。以下同じ。)を公正にし、及び購入者等が

受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あ

わせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健

全な発展に寄与することを目的とする。

(主務大臣に対する申出)

第六十条 何人も、特定商取引の公正及び購入者等の利益が害されるおそれがあ

ると認めるときは、主務大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべ

きことを求めることができる。

2 (略)

(報告及び立入検査)

第六十六条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、

政令で定めるところにより販売業者、役務提供事業者、統括者、勧誘者、一般

連鎖販売業者、業務提供誘引販売業を行う者若しくは購入業者(以下この条に

おいて「販売業者等」という。)に対し報告若しくは帳簿、書類その他の物件

の提出を命じ、又はその職員に販売業者等の店舗その他の事業所に立ち入り、

帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 (略)

3 主務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、販売

業者等と取引する者(次項の規定が適用される者を除く。)に対し、当該販売

業者等の業務又は財産に関し参考となるべき報告又は資料の提出を命ずること

ができる。

4~7 (略)

8 第一項若しくは第二項(これらの規定を第六項において準用する場合を含

む。)又は第五項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められ

たものと解釈してはならない。

(都道府県が処理する事務)

第六十八条 この法律に規定する主務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で

定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

1

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2 特定商取引に関する法律施行令(昭和51年政令第295号)(抜粋)

(都道府県が処理する事務)

第十九条 法第七条、第八条、第三十八条、第三十九条、第四十六条、第四十七

条、第五十六条、第五十七条、第五十八条の十二及び第五十八条の十三に規定

する主務大臣の権限に属する事務並びにその事務に係る法第六条の二、第三十

四条の二、第三十六条の二、第四十三条の二、第四十四条の二、第五十二条の

二、第五十四条の二並びに第六十六条第一項から第三項まで(同条第六項にお

いて準用する場合を含む。)及び第四項に規定する主務大臣の権限に属する事

務で、当該都道府県の区域内における販売業者、役務提供事業者、統括者、勧

誘者、一般連鎖販売業者、業務提供誘引販売業を行う者又は購入業者の業務

(連鎖販売取引電子メール広告受託事業者又は業務提供誘引販売取引電子メー

ル広告受託事業者が受託して行うものを含む。)に係るものは、都道府県知事

が行うこととする。ただし、二以上の都道府県の区域にわたり訪問販売に係る

取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引

若しくは訪問購入に係る取引の公正及び購入者等の利益が害されるおそれがあ

り、主務大臣がその事態に適正かつ効率的に対処するため特に必要があると認

めるとき、又は都道府県知事から要請があつたときは、主務大臣が自らその事

務を行うことを妨げない。

2 法第十四条及び第十五条に規定する主務大臣の権限に属する事務並びにその

事務に係る法第十二条の二並びに第六十六条第一項から第三項まで(同条第六

項において準用する場合を含む。)及び第四項に規定する主務大臣の権限に属

する事務は、販売業者又は役務提供事業者の通信販売についての広告(通信販

売電子メール広告受託事業者が受託して行うものを含む。)がされた場所又は

地域を含む都道府県の区域を管轄する都道府県知事が行うこととする。ただ

し、二以上の都道府県の区域にわたり通信販売に係る取引の公正及び購入者等

の利益が害されるおそれがあり、主務大臣がその事態に適正かつ効率的に対処

するため特に必要があると認めるとき、又は都道府県知事から要請があつたと

きは、主務大臣が自らその事務を行うことを妨げない。

3 法第二十二条及び第二十三条に規定する主務大臣の権限に属する事務並びに

その事務に係る法第二十一条の二及び第六十六条第一項から第三項までに規定

する主務大臣の権限に属する事務は、販売業者又は役務提供事業者の電話勧誘

販売に係る勧誘の相手方が当該勧誘を受けた場所を含む都道府県の区域を管轄

する都道府県知事が行うこととする。ただし、二以上の都道府県の区域にわた

り電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者等の利益が害されるおそれがあ

り、主務大臣がその事態に適正かつ効率的に対処するため特に必要があると認

めるとき、又は都道府県知事から要請があつたときは、主務大臣が自らその事

務を行うことを妨げない。

2

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4 訪問販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務

提供誘引販売取引及び訪問購入に係る取引に関する法第六十条に規定する主務

大臣の権限に属する事務で、当該都道府県の区域内における販売業者、役務提

供事業者、統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者、業務提供誘引販売業を行う者

又は購入業者の業務(連鎖販売取引電子メール広告受託事業者又は業務提供誘

引販売取引電子メール広告受託事業者が受託して行うものを含む。)に係るも

のは、都道府県知事が行うこととする。ただし、主務大臣が自らその事務を行

うことを妨げない。

5 通信販売に係る取引に関する法第六十条に規定する主務大臣の権限に属する

事務は、販売業者又は役務提供事業者の通信販売についての広告(通信販売電

子メール広告受託事業者が受託して行うものを含む。)がされた場所又は地域

を含む都道府県の区域を管轄する都道府県知事が行うこととする。ただし、主

務大臣が自らその事務を行うことを妨げない。

6 電話勧誘販売に係る取引に関する法第六十条に規定する主務大臣の権限に属

する事務は、販売業者又は役務提供事業者の電話勧誘販売に係る勧誘の相手方

が当該勧誘を受けた場所を含む都道府県の区域を管轄する都道府県知事が行う

こととする。ただし、主務大臣が自らその事務を行うことを妨げない。

7・8 (略)

3 地方公務員法(昭和25年法律第261号)(抜粋)

(一般職に属する地方公務員及び特別職に属する地方公務員)

第三条 地方公務員(地方公共団体及び特定地方独立行政法人(地方独立行政法

人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政

法人をいう。以下同じ。)のすべての公務員をいう。以下同じ。)の職は、一般

職と特別職とに分ける。

2 (略)

3 特別職は、次に掲げる職とする。

一~二の二 (略)

三 臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者

の職

四~六 (略)

(この法律の適用を受ける地方公務員)

第四条 この法律の規定は、一般職に属するすべての地方公務員(以下「職員」

という。)に適用する。

3

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2 この法律の規定は、法律に特別の定がある場合を除く外、特別職に属する地

方公務員には適用しない。

4