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表面形状測定装置 Dektak 150 操作マニュアル 2 2013 5 東京工業大学 技術部 半導体 MEMS プロセス技術センター (西岡) ※本装置の操作に必要な条件:装置利用講習を受講している事

表面形状測定装置 - 東京工業大学(※ 各解析パラメータの説明はマニュアルPage6-1「解析機能」を参照してください。) ③ 計測データ画面の項目“Analytical

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Page 1: 表面形状測定装置 - 東京工業大学(※ 各解析パラメータの説明はマニュアルPage6-1「解析機能」を参照してください。) ③ 計測データ画面の項目“Analytical

表面形状測定装置

Dektak 150

操作マニュアル

第 2 版

2013 年 5 月

東京工業大学 技術部 半導体 MEMS プロセス技術センター (西岡)

※本装置の操作に必要な条件:装置利用講習を受講している事

Page 2: 表面形状測定装置 - 東京工業大学(※ 各解析パラメータの説明はマニュアルPage6-1「解析機能」を参照してください。) ③ 計測データ画面の項目“Analytical

1.はじめに

本装置は、ダイヤモンドの触針の下で精密な基準表面上のサンプルステージを直線的に移動させ

ることにより表面形状およびうねりを測定でき、同時に表面粗さをナノメートル以下の範囲で得る

事ができる触針式表面形状測定装置です。

2.装置の主な仕様

【型式】 Dektak 150、㈱アルバック製

【垂直表示レンジ】 6.5m~524μm

【垂直分解能/測定レンジ】(最高)0.1nm/6.5μm

【測定距離】 50μm~55mm

【最大サンプリングデータ数】 60,000 点

【サンプリングレート】 300 点/秒

【測定時間】 3~200 秒

【触針圧】 1~15mg

【触針半径】 12.5μm 、2μm 、0.2μm

(※通常は 12.5μmが取り付けてあります。)

【ステージ移動範囲】

X:±50mm 、Y:+75mm 、-25mm 、θ:360°

【最大サンプリング厚】 85mm

【最大サンプリング重量】 3.0kg

(※サンプルを測定可動範囲中央に設置し、かつその場所を測定した場合)

【ズームカメラ可変域】 0.78mm~4.67mm (モニター上では 80 倍~514 倍)

図 2. 装置外観

図 1. システム構成のブロック図

本体測定部

制御 PC

図 3.本体測定部の構成

触針

XYステージ

ズームカメラ

タワー

ミラー

移動方向

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3. 装置の立ち上げ

① 圧縮空気のコックを開ける。

② 装置後方にあるレギュレータでエアー式除振台に送る圧縮空気の圧

力を調整する(図 4)。

(※ 除振台の圧力設定範囲は 0.3~0.7MPa です。通常は 0.4MPa に設定

して使用してください。)

③ PC 本体横のテーブルタップのスイッチを入れる(図 5)。

④ PC 本体を起動する。

⑤ 装置本体の電源(|)を入れる(図 6)。

⑥ デスクトップ上の「Dektak アイコン 」を

クリックしてソフトウェアを起動する。

4. 試料の取り付け、位置合わせ

① 触針に触れないように注意をして試料をステージ中央に置く。

② メニューバーの「Tower Down アイコン 」でタワーと触針を試料表面に降下させる。

( ※試料表面上に触針が下りていない時はメニューバーの「Abort アイコン 」でタワーの降

下を中止し「Tower UP アイコン 」によりタワーを上昇させてから、試料の位置を再調整

する。調整後に再度「Tower Down アイコン 」をクリックしてタワーと触針を降下させる。)

③ 「Tower Down アイコン 」はタワーが降下した後、触針が試料表面に一度接触してから

離れる(図 7)。

④ PC スクリーンの試料像の明るさはメニューバーの「Illumination アイコン 」で調整。

(キーボード↓↑でも調整可能。)

⑤ 測定したい試料位置(※スキャン方向(図 7)に注意)に XY の微調整ノブで調整する(図 8)。ス

テージ天板を回転させて回転角θを調整する。

(※ステージを大きく移動させる時は「Tower Up アイコン 」でタワーを上昇させてから

XY 調整ツマミで調整する。調整後に再度「Tower Down アイコン 」をクリックする。)

図 5. テーブルタップ

図 6. 装置本体電源

図 7.触針接触後の画像

X

Y

触針 反射像

スキャン方向

図 4. レギュレータ

圧力調整ツマミ

図 8.XY ステージ(正面図)

X微調整ノブ

Y調整ツマミ 天板回転

Y微調整ノブ

Y

X

X調整ツマミ

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5.ズームカメラ、ミラーの調整

① メニューバーの「Stylus Down アイコン 」をクリックして試料表面に触針を接触させる。

② ズームカメラの焦点が触針先端と合うように焦点リングと倍率を調整する(図 9)。

③ 触針とスタイラスレチクルの中心が合っていることを確認する(図 10)。合っていない場合は

ミラーのダイヤルネジ(図 11)を回してスタイラスレチクルの中心が触針先端に合うように調

整する。

④ メニューバーの「Stylus Up アイコン 」をクリックして触針を試料表面から離す。

⑤ スタイラスレチクルの中心が計測開始点となる。再度、XY の微調整ノブ(図 8)で計測開始点

の位置合わせをする。

6.PC プログラムの設定

① メニューバーの「Scan Routines アイコン 」を

選択する。

②“Scan Parameters”中の項目をクリックして測定

条件のダイアログボックスを表示する(図 12)。

(どの項目をクリックしても同じダイアログボッ

クスが開く。)

③“Stylus Type”は使用している触針を選択する。

(※先端径 0.2μm の触針を使用する場合は、技術

職員に触針の交換を依頼すること。)

④“Length(測定距離)”、“Duration (測定時間)”を

代入する 。(この条件から“Resolution(水平分解

能)”がデータ点間ごとの間隔を表示する。)

⑤“Scan Type”は Standard Scan を選択する。

⑥“Stylus Force(触針圧)”を 1~15mg で選択する。

(※SiO2等の硬い膜は 15mg 程度。柔らかい膜は触針圧

を小さくした方が良い。)

⑦“Means Range(測定範囲)”で垂直方向の測定範囲

図 12.測定条件ダイアログボックス

図 9.ズームカメラ

焦点リング

倍率調整

図 11.ミラーの調整

ダイヤルネジ

ミラー

図 10.触針の接触とスタイラスレチクルの位置合わせ

触針 反射像

スタイラスレチクル

スキャン方向

X

Y

Page 5: 表面形状測定装置 - 東京工業大学(※ 各解析パラメータの説明はマニュアルPage6-1「解析機能」を参照してください。) ③ 計測データ画面の項目“Analytical

を選択する。

⑧“Profile”を測定したい形状に応じて選択する。

⑨“Apply”ボタンを押した後に“OK”ボタンを押して設定完了。

7.測定

① 風防ケースの扉を閉める。

② メニューバーの「Run Scan Routine アイコン 」

をクリックすると測定を開始する。

(※ 測定開始位置を確認する場合は、メニューバーの

「Sample Positioning アイコン 」で画面を切り替

える。)

③ 測定中にプロットラインが傾いている時は試料が

傾斜している (図 13)。メニューバーの「Abort アイ

コン 」をクリックしてスキャンを中止する。

⇒ 傾斜がある場合は次項目【8.試料の水平位置の調整】へ。

⇒ 傾斜がない場合は【9.データ解析】へ。

8.試料の水平位置の調整

① 図 13 のように、プロットラインが左下がりに傾斜している場合は水平調整ダイヤル(図 14)

を左方向に回す。右下がりに傾斜している場合は右方向に回す(図 15)。

② 再度、前項目【7.測定】に戻り、測定を開始する。

9.データ解析

9-1 水平調整

① 測定終了後に測定データが表示される(図 16.(a))。

② R カーソルと M カーソルを水平にする場所に移動する。水平にする基準線の範囲をカーソ

ルのバンド幅を変えて調整する。カーソルのバンド幅はカーソル下の矢印 , をドラ

ッグして変更する(図 16. (b))。

③ メニューバー上の「Level アイコン 」を選択し、測定データの水平合わせを行う。

この時、測定データは R カーソルおよび M カーソルと基準線の交点がゼロ点となる。(図

16.(c))

図 13.プロットの傾斜

傾斜している

図 14.水平方向の調整

水平調整ダイヤル

左方向 右方向

図 15. ダイヤルの調整方向

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9-2.解析機能の実行

① R カーソルと M カーソルを使用し測定で得られたデータの解析を行う。各カーソルを解析

したい位置に移動する。⇒次項「カーソル位置の調整例」を参照。

(※バンド幅をクリアするには「ツールバーの“Plot”」もしくは「 グラフ上で右クリック」か

ら“Clear Bands”を選択する。)

② メニューバーの「Display Analytical Function アイコン 」をクリックする。解析パラメ

ータにチェックを入れ“Compute”ボタンを押す。

(※ 各解析パラメータの説明はマニュアル Page6-1「解析機能」を参照してください。)

③ 計測データ画面の項目“Analytical Result”に解析結果が表示される(図 17)。

図 16.測定データの水平調整

(a) 測定データ

Rカーソル Mカーソル

バンド幅の調整

(b) 水平調整のためのカーソル位置調整

バンド幅

基準線とする位置

(c) 水平調整後の計測データ

ゼロ点となる

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【カーソル位置の調整例 】

① 平均粗さ、うねり、スロープ等の例:R カーソル、M カーソル間の測定データから解析結果

を表示する(図 17.(a))。

② 平均段差解析の例:各カーソルのバンド幅はバンド幅中の測定データの平均高さを算出する。

バンド幅がなくても平均段差の表示は可能である。目的に応じて、バンド幅を変更し R カーソル

のバンド幅中の測定データの平均高さと M カーソルのバンド幅中の測定データの平均高さから

平均段差を求めるとよい。(図 17.(b))

9-3.その他の機能

◇ゼロ点の再設定◇

R カーソルをゼロ点にする場所に移動する。「ツールバーの“Plot”」もしくは「グラフ上

で右クリック」から“Zero”を選択してゼロ点を設定する。

◇計測データの拡大◇

左クリックしながら拡大箇所を指定する。「ツールバーの“Plot”」もしくは「グラフ上で

右クリック」から“Replot”を選択すると元に戻る。

10.データの保存

①“File”から Save As を選択し名前を付けて保存する。

② メニューバーの「Export アイコン 」はデータをテキスト形式に変換できる。

11.終了

① メニューバーの「Tower UP アイコン 」をクリックしてタワーを上昇させる。

② 触針に触れないように注意をして試料を取り出す。

③ “File”から Dektak ソフトウェアを終了する。

④ 装置本体の電源(O)を落とす(図 6)。

(a)平均粗さ、うねり、スロープ等

Rカーソル Mカーソル

解析結果の表示

(Anatical Result)

解析対象とする

測定データの範囲

図 17.解析範囲のカーソル位置調整の例

(b) 平均段差

平均段差

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⑤ P C をシャットダウンする。

⑥ テーブルタップの電源を落とす(図 5)。

⑦ 圧縮空気のコックを閉じる。

⑧ 使用記録簿に記入する。

12.その他

・触針の交換は技術職員が行ないますので、半導体 MEMS プロセス技術センターまで連絡して

ください。

・不具合や故障があった場合は、半導体 MEMS プロセス技術センターまで連絡してください。

【担当者】 技術部 半導体 MEMS プロセス技術センター

技術職員 西岡 國生

所在地 :R2-A 棟 203 号室

内線番号:5074 Rカーソル M カーソル