6
岡山大学医学部保健学科紀要,11:59~64,2001 Bull Fac Health Sci, Okayama Univ Med Sch (原 著〉 股関節X線撮影時の女性生殖腺防護についての検討 中桐義忠,丸山敏則,後藤佐知子,東 義晴,澁谷光一, 田村恵里1),谷本江利子1),鳥居史子1),竹田芳弘,杉田勝彦 幼小児を含めた若年者の股関節X線撮影検査においては鉛板などで生殖腺を防護して行 うのが通常である。男性の場合は生殖腺は体外に露出しているので,それを鉛板で包むよ うにすればある程度目的は達成される。しかし,女性の場合,生殖腺は骨盤腔内に存在す るため,卯巣及び子宮を防護でき診断目的領域にかからないように鉛板を成形し,腹壁上 に置いて撮影する。X賦払真上ではグリッドで散乱線を除去しているため,鉛板の陰影が くっきりと撮影され,生殖腺は完全に防護されているように見える。しかし,体内では散 乱線によるかなりの被曝があるものと考えられる。そこで今回,鉛板下の散乱線量を鉛板 幅及び電圧を変化させ,ファントム内各深さの散乱線量を測定した。 その結果,鉛板下の散乱線量が相当量認められ,その量は深さ3~4cmでピークを形成 した。鉛板幅による変化は幅が狭いほど線量は大きくなり,電圧による変化は60kVと80kV を比べると80kVの方が多くなった。 これを鉛板なしの場合と比較すると,ファントム内意さが増すにしたがい増大した。し たがって,臨床において鉛板がずれて再撮影をすることのないよう細心の注意が必要であ ると考えられた。 キーワード:股関節X線撮影,医療被曝,X線測定,生殖腺防護 幼小児を含めた若年女性の股関節X線撮影時には 生殖腺防護を目的として,図1に示すような形の鉛 板を腹壁上に置いて撮影を行うのが通常である1)。 X線写真上では図のようにブロックの形は鮮明に投 影され,鉛部分の濃度は低く十分に防護されている ように見える。X線写真では撮影時にグリッドを使 用し,散乱線を除去した状態であるため,ブロック 部分の線量はかなり低いものになっている。しかし, 体内では散乱線のためブロック部分にも相当量の線 量があるものと推測できる。 若年者の股関節撮影の目的は主に先天1生股関節脱 臼などで,逐年的に撮影を繰り返す必要があること が多い。したがって,生殖腺が直接照射野に入るこ の撮影において,その線量を把握することは大変重 要なことと考える。しかし,生殖腺ブロック板裏側 の線量を定量的に測定した報告はまだ見ていない。 そこで今回,鉛ブロック下の線量を鉛板からの距離 鉛板幅,管電圧を変えた場合について測定し,鉛ブ ロックのX線防護効果について検討したので報告す る。 図1 股関節X線写真像 岡山大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 1)岡山大学医療技術短期大学部診療放射線技術学科 学生 59

股関節X線撮影時の女性生殖腺防護についての検討ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/1/11690/20160527190737916854/... · の線量を定量的に測定した報告はまだ見ていない。

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岡山大学医学部保健学科紀要,11:59~64,2001

Bull Fac Health Sci, Okayama Univ Med Sch

       (原 著〉

股関節X線撮影時の女性生殖腺防護についての検討

中桐義忠,丸山敏則,後藤佐知子,東 義晴,澁谷光一,

田村恵里1),谷本江利子1),鳥居史子1),竹田芳弘,杉田勝彦

                要     約

 幼小児を含めた若年者の股関節X線撮影検査においては鉛板などで生殖腺を防護して行

うのが通常である。男性の場合は生殖腺は体外に露出しているので,それを鉛板で包むよ

うにすればある程度目的は達成される。しかし,女性の場合,生殖腺は骨盤腔内に存在す

るため,卯巣及び子宮を防護でき診断目的領域にかからないように鉛板を成形し,腹壁上

に置いて撮影する。X賦払真上ではグリッドで散乱線を除去しているため,鉛板の陰影が

くっきりと撮影され,生殖腺は完全に防護されているように見える。しかし,体内では散

乱線によるかなりの被曝があるものと考えられる。そこで今回,鉛板下の散乱線量を鉛板

幅及び電圧を変化させ,ファントム内各深さの散乱線量を測定した。

 その結果,鉛板下の散乱線量が相当量認められ,その量は深さ3~4cmでピークを形成

した。鉛板幅による変化は幅が狭いほど線量は大きくなり,電圧による変化は60kVと80kV

を比べると80kVの方が多くなった。

 これを鉛板なしの場合と比較すると,ファントム内意さが増すにしたがい増大した。し

たがって,臨床において鉛板がずれて再撮影をすることのないよう細心の注意が必要であ

ると考えられた。

キーワード:股関節X線撮影,医療被曝,X線測定,生殖腺防護

        緒     言

 幼小児を含めた若年女性の股関節X線撮影時には

生殖腺防護を目的として,図1に示すような形の鉛

板を腹壁上に置いて撮影を行うのが通常である1)。

X線写真上では図のようにブロックの形は鮮明に投

影され,鉛部分の濃度は低く十分に防護されている

ように見える。X線写真では撮影時にグリッドを使

用し,散乱線を除去した状態であるため,ブロック

部分の線量はかなり低いものになっている。しかし,

体内では散乱線のためブロック部分にも相当量の線

量があるものと推測できる。

 若年者の股関節撮影の目的は主に先天1生股関節脱

臼などで,逐年的に撮影を繰り返す必要があること

が多い。したがって,生殖腺が直接照射野に入るこ

の撮影において,その線量を把握することは大変重

要なことと考える。しかし,生殖腺ブロック板裏側

の線量を定量的に測定した報告はまだ見ていない。

そこで今回,鉛ブロック下の線量を鉛板からの距離

鉛板幅,管電圧を変えた場合について測定し,鉛ブ

ロックのX線防護効果について検討したので報告す

る。

図1 股関節X線写真像

岡山大学医学部保健学科放射線技術科学専攻

1)岡山大学医療技術短期大学部診療放射線技術学科 学生

一 59

Page 2: 股関節X線撮影時の女性生殖腺防護についての検討ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/1/11690/20160527190737916854/... · の線量を定量的に測定した報告はまだ見ていない。

中桐 義忠他

        使 用 機 器

X線発生装置:島津製 HD-150B(3相全波整流装

       置)

濃度測定器:コニカ製 PDS-15

フィルム:コダックX-OMAT-TL Ready pack

自動現像機:コダックX-OMAT 5000RA

ファントム:Mix-DP

ブロック材:鉛ゴム板(鉛当量:1mm)

線量計:Ionex-2500/3

Probe:0.03cmi shallow型

        方     法

1.フィルムの線量特性曲線の作成

 鉛板ブロック下の散乱線量を測定する今回の実験

では位置の変化によって微妙に線量が変化すること

が予想される。そのため,測定器は高い空間分解能

を有することが要求される。したがって,本実験の

鉛ブロック下の線量測定はフィルムで行った。フィ

ルム濃度から線量を同定するためには,使用フィル

ムの線量特性が必要であり2),また,現像条件の微妙

な変化によって,線量に誤差が生じる懸念があるた

め,資料と線量特性用フィルムを同時現像する必要

がある。フィルムの線量特性用フィルムは使用電圧

60kVと80kVについて,管球一フィルム間距離100cm,

10mAsの撮影条件で各々階段露光法で作成した。1

ショットのmAs値を!0とし15段階とした。

2.資料の作成

 資料作成の配置図を図2に示す。図に示すように,

厚さ15cmのMix-DPファントムの表面に鉛当量1日目

の鉛ゴム板を置き,ファントム表面から深さ10cmま

で1cmごとにフィルムを1枚ずつ挟み, X線を曝射

して資料を作成した。撮影条件は電圧60kVと80kVと

し,mAs値は深さに応じて100~200の範囲とした。

曝射されたフィルムを線量特性作成用階段露光と同

時現像して資料とした2)。

100cm

1[ニヨ㌦

        Mix-DP

鉛板

渓P

MD

 その資料をマイクロデンシトメータでスキャンし,

フィルムの線量特性を用いて濃度から線量に変換し,

一頃さの散乱線の被曝線量とした。同様の実験を鉛

幅3,5,10cmについて行い,鉛幅の違いによる線

量の変化を比較した。また,鉛ブロックを置かない

場合の線量,すなわち一次線+散乱線の線量を測定

し,散乱線含有率を求め鉛ブロックの効果を判定し

た。

        結     果

1.ファントム内の深さと散乱線量の関係

 図3に鉛板下の散乱線量を示す。(a)は鉛板の中心

線東上の値で(b)は鉛板端から1cm内側の値である。

グラフの横軸は深さ,すなわち鉛ブロックからの距

離で,縦軸は散乱線量を示す。曲線は鉛幅の違いに

よる散乱線量の比較を示しているが,当然のことな

がら,鉛幅が狭いほど散乱線量は大きくなる。鉛板

端からlcm内側の線量は中心軸上の線量に比べ,特

に幅5cm,10cmで線量が増大した。また,深さすな

わち鉛ブロックからの距離による変化を見ると,鉛

直下では上からの散乱線が少ないことから低値を示

し,深さが増すにしたがい徐々に増加して,深さ3

~4cmでピークを形成しその後は緩やかに減少した。

 図4は同様にして電圧80kVの結果を示す。入射一

次X線量が違うため,60kVの値と線量の比較はでき

1.0

 O.8

零6’ O.6

三劇0.4

 0,2

o.o

80kV中央

    …鉛幅3cmI(、) L鉛幅・・ml

   Ir二鉛幅10cmi

図2 測定配置図

1.0

 O.8

零6’ O.6

E嘱0、4

 0.2

o.o

0987

6]

 m

 C

ρ0[

 さ4

3210

      60kV断端から1cm

     \           .…鉛幅3cm.1

               .一鉛幅5cmI        一一.   (b)               1ニマ鉛幅10cmI

 ノ   ヘへ/   \!                 、

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0987

6]

 m

 C

「0[

 さ4

3210

図3 電圧60kVにおける鉛板下の散乱線量

一60一

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股間節X線撮影時の女性生殖腺防護

1.0

 0.8

 δo.6

コ口0.4

 0.2

o.o

60kV中央

(a)

0987

6]

 m

 CFO[

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一・・ 舶揩R0m一回幅5cm一一 A弾10cm

1.0

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 0.2

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80kV断端から1cm

            (b) ’禽’ @       ,一一哨、  ノ                  へ

 /           、\/                     、、

/                       、

             、、

50

   

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姫10

60kV中央

(a)

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3210

0

一一 @合幅cm一合幅cm一 臼幅Ocm

一一・ 舶揩R0m一鉛幅5cm一一 舶揩P0cm

0123456789 10      深さ[cm]

 図4 電圧80kVにおける鉛板下の散乱線量

50

ド れ

崖es 30

騨20

凝10

60kV断端から1cm

(b)

   コ                ノ

,’オ三//!

ノ /

…鉛幅3cm一鉛幅5cm一一 舶揩P0cm

ないが,深部における線量の低下の度合いが緩やか

になっている。また,鉛幅10cmの値が上昇した。他

はほぼ同様の傾向を示した。

2.鉛板の有無による線量の比較

 図5,6は1.の散乱線量を鉛板なし,すなわち一

回線+散乱線と比較したもので,縦軸は散乱線含有

率を%で表した値である。グラフは深さが増すにつ

れ右上がりに上昇した。これは深さが増すにしたが

い,散乱線量の変化に比べ,一次線の減少が大きい

ためと考えられる。

o

O123456789 10       深さ[cm]

   図5 電圧60kVにおける散乱線含有率

50

” 40

邑es 30

如騒 20

最10

80kV中央

(a)

0987

6]

 m

 C

【U[

 さ4

3210

0

=一一 幅3Gm

二覆鴇

3.臨床に使用している防護板の実験結果

 現在,岡山大学医学部附属病院で使用している防

護鉛板を用い,ファントム表面に置いた場合の防護

三下の線量を測定した。鉛板は図7のような形をし

ており,照射野のほぼ中央に位置し,周囲から散乱

線が入るような設定で行った。測定点を図7に示す。

鉛板の縦軸を6等分し,上からA,B, C, D, E

の5点を深さ5cmと9cmを測定し鉛板のない場合と

比較した。結果を図8,9に示す。60kVにおける深

さ5Clnと9cmを比較すると,9cmの方が高値を示し,

電圧による変化を60kVと80kVで比較すると,80kVの

方が高値を示した。深さ9cmでの値は60kVでは約14

%~27%の間にあり,また,80kVでは約17%~33%

50

n 40S冊30

騒 20

拒10

80kV断端から1cm

       (b)

             ノ’一

ノ≧//

三郷翻

o

O123456789 10       深さ[cm]

   図6 電圧80kVにおける散乱線含有率

の間にあった。したがって,鉛板のX線防護効果は

各々86%一一 73%,83%~67%と位置による差が大き

かった。

61 一

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中桐 義忠他

 35

 30

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冊揮20く氾

縦15

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 5

 0

 35

 30

雲25濤揮20

饗15

毎10

 5

 0

図7 鉛板の形状と測定点

A

怪、剛

B c D E

60kV深さ5cm

…-  らら一

英かか

市端端

皿目■■

60kV深さ9cm

i=購ら1、m

■端から2cm

  B C D E各測定点における散乱線含有率(60kV)

        考     察

 股関節X線撮影時における女性生殖腺防護につい

て検討した。臨床の写真上では,図1に示すように

鉛板によって完全にブロックされているように見え

る。しかし,散乱線を除去する前の体内では相当量

の散乱線による被曝が考えられた(図3)。その量は

鉛板直下から徐々に増加し,3~4cmでピークを形

成した後再び減少した。これは鉛板直下では前方斜

めからの散乱線が少なく,深さが増すにしたがいそ

35

@30 25 20 15 10 5 0

    〔己冊拡佃瓢寵餐

 35

 30

F 25

濤揮20

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姫10

 5

 0

A B

A

c

B

D

c

E

80kV深さ5cm

D E

ロ中央

■端から1cm]董均三ら2cm

80kV深さ9cm

o中央■端から1cm

■端から2cm

図9 前野定点における散乱線含有率(80kV)

の量が増えてくるものと考えられる。ピークを形成

した後,減少するのは散乱線の自己吸収と一次X線

の減少で側方からの散乱が少なくなるためと考えら

れる。ピークを形成する3~4cm付近は小児の生殖

腺の位置に相当する。また,鉛板下の線量をスキャ

ンしていくと,中央で低く端になるほど線量が増加

し,いわゆる船底型を呈した。鉛幅による変化を見

ると,幅が狭いほど線量は多くなり,X線管電圧に

よる影音,.電圧が高い方が散乱線含有率は高値を示

した。この結果を臨床に当てはめると,卵巣が存在

する端の領域と子宮が存在する鉛幅中央の狭い部分

で被曝が増大することが考えられ,撮影電圧を高く

すると,鉛ブロックの幅が広いところでも被曝線量

は増大すると考えられる。

 このことは,実際のX線撮影において鉛板の位置

が悪かったり,幼小児の撮影で鉛板がずれ再撮影を

行った場合には更に被曝線量を増大することになり,

撮影に当たってブロックの位置に細心の注意が必要

である。また,診断目的を考慮し鉛板の形,大きさ

などの検討が必要であり,今後更に研究を進めて行

きたいと考える。

 (なお,本稿の主旨は岡山大学医療技術短期大学部

診療放射線技術学科の放射線技術総合研究で行った

実験結果に基づいたものである)

62 一

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股間節X線撮影時の女性生殖腺防護

         参 考 文 献

1) K. C. CLARK: Positioning in Radiography, Eighth

 Edition, Percy Humphries&Co.Ltd., London and

 Bradford. 126-128, 1967.

2)中村 実(編):医用放射線計測学.医療科学社,東京.

 89-91, 115, 2000.

一63一

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Bull Fac Health Sci, Okayama Univ Med Sch 11 : 59-64, 2001

(Original article)

A study of x-rays protection in a hip-joint

radiography examination

Yoshitada NAKAGIRI, Toshinori MARUYAMA, Sachiko GOTO,

Yoshiharu AZUMA, Koichi SHIBUYA, Eri TAMURA l), Eriko TANIMOTO l

),

Fumiko TORn!), Yoshihiro TAKEDA and Katsuhiko SUGITA

Abstract

Usually in a hip-joint radiographic examination for the youth including children,

the gonads should be well protected with an appropriate lead shield etc. Since the

male gonads are in the outside of the body, if covered with a lead shield, the shield

can protect them.

However, in the case of the female, since the gonads of exist in a pelvic cavity, the

lead shield is cut to a specific pattern so that it can protect the ovaries and the womb,

and it is set on the abdomen during the radiographic exposure. Since the scattered

radiation on an X-ray film can be removed with the grid, the image of a lead shield

is obtained clearly, and the gonads seem to be protected completely. The shield can

not protect the gonads of the female from the scattered radiation, though it protects

them almost completely from the primary X-rays beam. Therefore, the gonads have

radioactive contamination from scattered radiation.Then, in order to estimate the amount of scattered radiation under the lead shield,

the dose under the shield was measured by using a phantom in this research, changing

lead shield width, the tube-voltage, and the monitoring depth of a phantom. As a

results, the dose under the lead shield was observed considerably and showed the peak

at the depth of 3 or 4cm. Therefore, it was thought that a careful caution was required

for obviating lead shield in clinical.

Key words: Radiography Examination of Hip-joint, Patient Dose, Dosimetry, X-rays Protection

of the Gonads

Faculty of Health Sciences, Okayama University Medical School1) Student of School of Health Sciences, Okayama University

- 64-