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歯車とは
① 減速・増速運動は機械の最も重要な運動の一つ
② 歯車は機械の減速・増速を実現させる重要な機械要素の一つ
③ 歯車性能(振動・騒音・効率・伝達精度など)と寿命(強度)は機械装置の性能と寿命に直接に影響を与えている
④ 歯車の設計・製造技術は機械産業の基盤となり、極めて重要な技術の一つである
大歯車
小歯車
機械設計製図(第十二回目:伝達装置(歯車装置)
http://www.youtube.com/watch?v=N9wL7OGrGO8
http://www.youtube.com/watch?v=ytsNCpnOQhY
歯車の役割
http://www.youtube.com/watch?v=vBm-SzO3ggE
デフギア機構のYoutube映像
車の後輪駆動用デファレンシャルギア
1.車における歯車の役割
出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%AE%E5%8B%95%E8%A3%85%E7%BD%AE
2.風力発電装置における歯車の役割
出典:機械伝動(中国語)、2011年10月 第35巻
歯車増速機発電機
増速機
発電機
回転翼
10~15rpm
増速比1001000~1500rpm
3.新幹線における歯車の役割
歯車減速機
車輪
車輪
モータ
新幹線車両の台車
4.航空機における歯車の役割
三菱重工㈱様開発中のMRJ飛行機用遊星歯車装置
出典: NIKKEI MONOZUKURI May 2008 P36-39
エンジン平歯車傘歯車
主回転翼
尾部回転翼
軸
傘歯車
出典:公開特許公報、改良型ヘリコプター用トランスミッション、特開2007-10144、日本国特許庁
5.ヘリコプターの動力伝達システム歯車の役割
歯車の種類及び分類
平歯車
内歯車
はすば歯車
やまば歯車
傘歯車
フェースギヤ
まがりば傘歯車
ねじ歯車
ハイプイドギヤ
ウォームギヤ
ラック
食い違い軸の歯車交差軸の歯車平行軸の歯車はすばラック
𝜔1, 𝜔2 :角速度𝑟1, 𝑟2 :半径(ピッチ円半径)
●P
r2
r1
一対の円板による摩擦伝達:
P:ピッチ点
歯車伝達:
P:ピッチ点(接触点)
速比:
接触円
速比:
大きな力を伝達できない 大きな力を伝達できる
1.一対の平歯車のピッチ円とピッチ点
𝑖 =𝜔1
𝜔2=𝑟2𝑟1
𝑖 =𝜔1
𝜔2=𝑟2𝑟1=𝑧1𝑧2
𝜔1, 𝜔2 :角速度𝑟1, 𝑟2 :ピッチ円の半径
2.歯車の歯数とモジュール
ピッチ円、歯数とモジュールの関係:
𝑑1,𝑑2:歯車1と2のピッチ円直径;
z1、 z2:歯車1と2の歯数
モジュールの定義:
and
(1)
(2)
一対の歯車のかみあう条件:
歯車1と2のモジュールが等しくならなければならない。
モジュールはJIS規格の標準値を使用:
第1系列0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.25 1.5 2 2.5 34 5 6 8 10 12 16 20 25 32 40 50
第2系列0.15 0.25 0.35 0.45 0.55 0.7 0.75 0.9 1.75 2.252.75 3.5 4.5 5.5 7 9 11 14 18 22 28 36 45
第3系列 0.65 3.25 3.75 6.5
𝑚 =𝑑1𝑧1
𝑚 =𝑑2𝑧2
𝑑1 = 𝑚 × 𝑧1
𝑑2 = 𝑚 × 𝑧2
mm0.2
5m
1.2
5m
ピッチ円
2.2
5m
3.歯車の歯の構成(歯先円、歯元円、歯たけ)
歯底円直径=ピッチ円直径-2 ×歯元のたけ=mz-2(1.25m)=(z-2×1.25)m
歯先円直径=ピッチ円直径+2×歯末のたけ=mz+2m=(z+2)m
歯元のたけ=m+0.25m=1.25m
歯末のたけ=m
全歯たけ=(m+m+0.25m)=2.25m
頂げき:c=0.25m
有効歯たけ:he=m+m=2m
標準歯車の場合
頂げきC
4.ラックによる歯車の歯の加工(創成運動)
標準歯の加工:ラックの創成運動により歯が加工される⇒創成法
ラック
創成された歯車の歯形
ラックの直線運動
円板の回転運動
𝑽 = 𝝎 × 𝒓
𝝎𝒓
歯車
5.ラック上の点と加工された歯形上の点の対応関係
ラックの歯形 歯車の歯形
ピッチ点 ピッチ点
台形の傾斜角度 ピッチ点における圧力角度(標準の場合=20度)
歯先(Ck 部) 頂げき部
歯末のたけ(Ck部を除く) 歯元のたけ(頂げき部を除く)
歯元のたけ(m) 歯末のたけ(m)
基準ピッチ線 ピッチ円
ピッチ 円周ピッチmt 0
歯の歯末部分を加工
歯の歯元部分を加工
歯の頂げき部分を加工
6.歯車の歯形曲線:インボリュート曲線
インボリュート曲線とは:図1のように巻き付けた糸をたわませずに巻きほこしていった時、糸の先端が描く曲線a0, a1, a2…, anである。この基となる円を基礎円と呼ぶ。
図1 インボリュート曲線の発生 図2 インボリュート曲線を用いた歯車の歯形
インボリュート曲線
歯車の歯
7.インボリュート曲線の特徴
図1 インボリュート曲線
特徴:1. インボリュート曲線上の点の垂線は基礎円と接し、その点から接点までの長さ=曲率半径
2.
……………
基礎円
インボリュート曲線
糸
糸
糸糸
糸糸
糸
糸の先端
歯車の歯形はなぜインボリュート曲線であるか?
𝑎3𝑏3 = 𝑎0𝑏3
𝑎1𝑏1 = 𝑎0𝑏1
𝑎2𝑏2 = 𝑎0𝑏2
インボリュート関数
図2 インボリュート関数の導き
図2において、点Pにおける曲率半径をρとすれば、下記の式が得られる。
また、次のような式が得がれる。
ただし、𝛼 =圧力角度;
𝑟𝑔 =基礎円半径(mm)
この𝜽をインボリュート関数と呼ぶ。式(5)のように表現する。
直角三角形OIPにおいて、次式(3)が得がれる。
(1)
(2)
(3)
(2)と(3)を(1)に代入し、式(4)が得がれる。
(4)
(5)
インボリュート曲線
𝜽 = 𝐭𝐚𝐧𝜶 − 𝜶
𝒊𝒏𝒗𝜶 = 𝜽 = 𝐭𝐚𝐧𝜶 − 𝜶
𝜌 = 𝐼𝑃 = 𝐼𝐴
𝐼𝐴 = (𝛼 + 𝜃)𝑟𝑔
𝐼𝑃 = 𝑟𝑔 tan 𝛼 = 𝜌
ラックによるインボリュート曲線の創成
ラックによる歯の創成運動(動画)
ラックの直線運動
円板の回転運動
歯の創成運動(歯を形成するために)=ラックの直線運動+円板の回転運動
𝝎𝒓
𝑽 = 𝝎 × 𝒓
𝑽
8.歯の法線ピッチと円周ピッチ
法線ピッチ𝑡𝑒=法線方向に沿って測ったピッチ
円周ピッチ𝑡=円周上に沿って測ったピッチ
円周ピッチの計算式:
法線ピッチの計算式:
法線ピッチと円周ピッチの関係: 𝒓=ピッチ円半径
𝒓𝒈=基礎円半径
(1)
(2)
(4)
(3)
𝑡𝑒 = 𝑡 cos 𝛼 = 𝜋𝑚 cos 𝛼
𝑡 =2𝜋𝑟
𝑧
𝑡𝑒 =2𝜋𝑟𝑔
𝑧
𝑟𝑔 = 𝑟 cos 𝛼
9.インボリュート歯形の特徴
1. 歯車の歯形として、インボリュートの他に、サイクロイド曲線、トロコイド曲線、円弧などが使われている
2. 歯形の作りやすさ(刃物=直線歯形)と加工精度の保障(加工・精度測定の易さ)からみると、インボリュート曲線はコストパフォーマンスが一番よいので、殆どの歯車にインボリュート曲線が歯形曲線として採用されている。
3. 特殊な歯車装置にインボリュート歯形以外の曲線を使用。例:① ピン歯車装置=サイクロイド歯形②波動歯車装置=円弧歯形、直線歯形、インボリュート
ピン歯車装置の歯形:トロコイド曲線
Tooth pin
Torque pin Bearing pin
Gear and
Tooth
Case
反力ピン
トロコイド(サイクロイド)歯形歯車
中央ベアリングころ
ピン歯車外歯車
波動歯車装置の歯形
薄肉平歯車 内平歯車 楕円状のカム 薄肉ベアリング
1.円弧歯形2.インボリュート歯形3.直線歯形
10.圧力角、ピッチ円、基礎円の関係
1. ピッチ点Pを通った基礎円の接線=作用線2. 作用線の傾き角度 =ピッチ点Pの圧力角度3. 標準歯車の場合には、
𝑟𝑔1, 𝑟𝑔2:歯車1と2の基礎円半径
𝑟1, 𝑟2:歯車1と2のピッチ円半径
𝛼=ピッチ点Pにおける圧力角
(1)
(2)
圧力角、ピッチ円、基礎円の関係:
(3)
𝛼𝑐=ラックの圧力角度
𝑟𝑔1 = 𝑟1 cos 𝛼
𝑟𝑔2 = 𝑟2 cos 𝛼
𝛼 = 𝛼𝑐
11.歯のかみあい点と作用線の関係について
歯車のかみあい(接触)は作用線上に沿って行われている。即ち、一対の歯のかみあい始めとかみあい終わりのすべての過程において、歯のかみあい点(接触点)は作用線上に沿って移動している。
かみあい開始点
かみあい終了点
かみあい途中点
12.歯のかみあい長さとかみあい率
1枚歯のかみあい開始点からかみあい終了点までの作用線上の距離をかみあい長さと呼ぶ。
かみあい長さ=K1K2
(作用線上の距離)
かみあい開始点:K1
かみあい終了点:K2
ピッチ点:P
K1Pにおけるかみあい:近寄りかみあい
PK2におけるかみあい:遠のきかみあい
(1)かみあい長さLの計算:
𝑟𝑔1:歯車1の基礎円半径; 𝑟𝑘1:歯車1の歯先円半径;
𝛼:ピッチ点Pにおける圧力角;
(1)
𝑟𝑔2:歯車2の基礎円半径; 𝑟𝑘2:歯車2の歯先円半径;
𝑨:歯車1と2の中心距離;
かみあい長さを法線ピッチで除した商をかみ合い率と呼ぶ。
et
L
法線ピッチ
かみあい長さかみあい率 (2)
(2) 歯のかみあい率の計算:
(3)
𝐿 = 𝐾1𝐾2 = 𝑟𝑘12 − 𝑟𝑔1
2 + 𝑟𝑘22 − 𝑟𝑔2
2 − 𝐴 sin𝛼
𝜀 =𝐿
𝑡𝑒=
𝑟𝑘12 − 𝑟𝑔1
2 + 𝑟𝑘22 − 𝑟𝑔2
2 − 𝐴 sin 𝛼𝑏
𝜋𝑚 cos 𝛼𝑐
歯のかみあい始めからかみあい終わりまでの様子
①2対の歯のかみあい始め ②2対の歯のかみあい途中
④1対の歯のかみあい始め
① ②
④ ①⑤
⑤1対の歯のかみあい終了
③2対の歯のかみあい終わり
③
①2対の歯のかみあい始め
13.歯車諸元及びその符号
名称 符号
歯数 z
モジュール m
圧力角度 α
転位係数 x
歯先円 dk
ピッチ円 d
歯底円 dr
基礎円 dg
歯たけ h
頂げき Ck
中心距離 a
14.標準平歯車の寸法計算式の纏め
22
)( 2121 ddZZma
11 mZd 22 mZd
)2(2 1111 zmhdd kk )2(2 2222 zmhdd kk
111 2 fr hdd 222 2 fr hdd
cg mzd cos11 cg mzd cos22
歯先円直径
歯底円直径
基礎円直径
基準ピッチ円直径
中心距離
頂げき 0.25m≧kC
歯末のたけ mhk
歯元のたけ kf Cmh
有効歯たけ mhh ke 22
全歯たけ mhhh fk 25.2
歯車1 歯車2
15.歯の干渉現象と切下げ
小歯車の歯数は非常に少ない場合には(例えばZ<17)、大歯車の歯先円は小歯車のイン
ボリュート曲線の発生円である基礎円の内部に入り、インボリュート曲線は基礎円から始まり、基礎円の内部には、インボリュート曲線が形成できないので、大歯車の歯先と小歯車の歯元は干渉が発生し、この干渉で歯車加工時、小歯車の歯元を切下げる現象が発生する。
切下げると歯の根元はやせ、強度低下することになるとともに、切下げ部の滑り率が非常に大きいので、切下げる部にかみあう場合には、激しい摩耗が発生する恐れがある。従って、切下げを防がなければならない。
(別名:アンダーカット 英文:undercut)
干渉による切下げ
16.切下げしない最小歯数及び切下げ防止対策
(1)切下げしない最小歯数の計算式:
(2)切下げ防止方法:
1. 圧力角度を大きくする2. 歯のたけを低くする3. ラックを転位させて、転位歯車を作る
圧力角度α 14.5° 20° 25°
並歯 hk=m 31.9 17.1 11.2
低歯 hk=0.8m 25.5 13.7 9.0
高歯 hk=1.2m 38.3 20.5 13.4
表1 圧力角度と切下げしない最小歯数の関係
切下げしない最小転位係数の計算:
(並歯の場合)
(1)
(2)
転位前 転位後
𝑍𝑚𝑖𝑛 =2ℎ𝑘
𝑚sin2𝛼
𝑥 ≥ 1 −𝑍12sin2𝛼
17.並歯・低歯・高歯歯車の定義
低歯:歯末のたけ<m
( m=モジュール )
並歯:歯末のたけ=m
高歯:歯末のたけ>m
(スプライン締結)
(最も一般的に使用されているもの)
(航空機に使用)
18.歯車の滑り率
歯車1は微小な角度ωで回転した時、歯車1の歯形の円孤移動量を𝒅𝒔𝟏とし、歯車2の歯形の円孤移動量を𝒅𝒔𝟐とすると、滑り率は下記の式で定義できる。
歯車1の滑り率: 歯車2の滑り率:
(1) (2)
(1)滑り率の定義:
(2)滑り率の計算式:
(𝑋: 作用線上の接触
点からピッチ点までの距離、
( )
𝛼𝑏:圧力角度)
(𝑑1,𝑑2: ピッチ円直径)
𝜎1 =𝑑𝑆1 − 𝑑𝑆2
𝑑𝑆1𝜎2 =
𝑑𝑆1 − 𝑑𝑆2𝑑𝑆2
𝜎1 = ±𝑋(1 +
1𝑖)
(𝑑1/2) sin 𝛼𝑏 ∓ 𝑋
𝜎2 = ∓𝑋(1 +
1𝑖)
(𝑑1/2) sin 𝛼𝑏 ± 𝑋𝑖 =
𝑑2𝑑1
1. 歯車1と2のピッチ点における滑り率はゼロであり、ピッチ点から歯先・歯元へ離れていくと、滑り率はだんだん大きくなっていく
2. 歯先と歯元の滑り率は一番大きい
図1 歯車1と2の滑り率曲線
(3)滑り率の曲線及び特徴
19.転位歯車と転位係数
なぜ、転位歯車を作る必要があるか?
1. 転位により、歯車の軸間中心距離が自由に調整・設計できる2. 転位により、かみ合い率は大きくなり、滑り率が小さくなり、歯元が強くなり、歯
車の性能改善ができる3. 歯車転位により、歯の切下げを防ぎ、最小歯数を17枚以下にすることができる。
xm
+転位 -転位
x:転位係数xm:転位量
(1)標準歯車の加工 (2)転位歯車の加工
20.転位歯車の寸法計算
中心距離増加係数:
1
cos
cos
2
21
b
czzy
中心距離:
b
cbb mzzddmy
zzA
cos2
cos)(
22
212121
αc(α0):ラックカッターの圧力角度;
ccb invzz
xxinv
21
21tan2
αb:かみあいピッチ円の圧力角度:
21.転位平歯車の寸法計算式の纏め
歯先円直径
歯底円直径
基礎円直径
基準ピッチ円直径
中心距離
転位係数
歯末のたけ
かみあい圧力角度
歯車1 歯車2
かみあいピッチ円直径
中心距離増加係数
1x 2x
C
ccb invzz
xxinv
21
21tan2
1
cos
cos
2
21
b
czzy
b
cbb mzzddmy
zzA
cos2
cos)(
22
212121
21
11 2
zz
zAdb
21
12 2
zz
zAdb
11 mZd 22 mZd
mxzdk )}1(2{ 111 mxzdk )}1(2{ 222
cg mzd cos11 cg mzd cos22
hdd kr 211 hdd kr 222
mxhk )1( 11 mxhk )1( 22
工具圧力角度
22.歯車の設計計算と製図
(1)島根大学の開発したソフトによる歯車の設計計算
歯部寸法
マタギ歯厚とオーバピン寸法
入力部
出力部
内スプライン付きの平歯車
高歯非標準歯厚平歯車
内・外平歯車の一体化構造
(2)島根大学の開発したソフトによる歯車2Dと3D製図
駆動歯車と被動歯車は逆方向 駆動歯車と被動歯車は同方向
外歯車の場合: 内歯車の場合:
大歯車
小歯車
内歯車
外歯車
23.歯車の回転方向
モーター
負荷
入力軸側
出力軸側
1n
2n
1T2T
𝑖:減速比;
𝑧1, 𝑧2:歯車1と歯車2の歯数;
𝑛1, 𝑛2:歯車1と歯車2の回転数(rpm);
𝑇1, 𝑇2:歯車1と歯車2に作用されるトルク
(2)回転数の関係
(3)トルクの関係
(1)減速比の計算:
2000rpm
1000rpm
減速装置
400Nm
200Nm歯数20枚
歯数40枚
Z1
Z2
24.歯車の減速比、回転数と伝達トルクの関係(効率を無視した場合)
𝑖 =𝑛1𝑛2
=𝑧2𝑧1
𝑛2 =𝑛1𝑖
𝑇2 = 𝑖 × 𝑇1
モーター
負荷
入力軸側
出力軸側
𝑖:減速比; 𝑧1, 𝑧2:歯車1と歯車2の歯数;
𝑛1, 𝑛2:歯車1と歯車2の回転数(rpm) 𝑇1, 𝑇2:歯車1と歯車2に作用されるトルク
(2)回転数の関係
(3)トルクの関係
(1)減速比の計算:2000rpm
1000rpm
減速装置
400Nm
200Nm歯数20枚
歯数40枚
歯車の減速比、回転数と伝達トルクの関係(効率を考慮した場合)
𝑖 =𝑛1𝑛2
=𝑧2𝑧1
𝑛2 =𝑛1𝑖 𝑇2
𝑛2
𝑇1 𝑛1
𝑍2
𝑍1
𝑇2 = 𝑖 × 𝑇1 × 𝜂1
𝜂1:歯車対の効率;
𝜂1
Shimane University, Machine Design Lab. 2017/3
歯車4(Z4、n4)
歯車3(Z3、n3)
歯車2(Z2、n2)
歯車1(Z1、n1)
入力軸
出力側 入力側
出力軸
25.多段歯車装置の減速運動
2段式歯車装置の速比とトルク計算(効率を無視した場合)
モーター
負荷
入力軸側
出力軸側
1Z1n
2n3Z
3n4Z
2Z
2段目
1段目
(1) 1段目減速比:
(2) 2段目減速比:
(3) 総減速比の計算式:
回転数の関係式:
トルクの関係式:
出力軸の回転数=入力軸の回転数/総減速比
出力軸のトルク=入力軸のトルク×総減速比
𝑖12 =𝑧2𝑧1
𝑖34 =𝑧4𝑧3
𝑖14 = 𝑖12 × 𝑖34
𝑖14 =𝑧2𝑧1×𝑧4𝑧3
2段式歯車装置の速比とトルク計算(効率を考慮した場合)
モーター
負荷
入力軸側
出力軸側
2段目
1段目
(1) 1段目減速比:
(2) 2段目減速比:
(3) 総減速比の計算式:
𝑖12 =𝑧2𝑧1
𝑖34 =𝑧4𝑧3
𝑖14 = 𝑖12 × 𝑖34 𝑛3
𝑛2
𝑛1
𝑍3
𝑍4
𝑍2
𝑍1𝜂1
𝜂2(4) 総減速比の計算式:
𝑖14 = 𝑖12 × 𝑖34
(5) 総効率の計算式:
𝜂=𝜂1 × 𝜂2
(6) 出力軸トルクの計算式:
𝑇3=𝑇1 × 𝑖12 × 𝑖34 × 𝜂1 × 𝜂2 = 𝑇1 × 𝑖14 × 𝜂
𝜂1と𝜂2はそれぞれ1と2段目歯車対の効率
𝑇1
𝑇3
𝑇2
𝑛3 = 𝑛1/𝑖14
26.歯車設計時の注意点:
1. 歯車1のモジュール=歯車2のモジュール
2. 工具の圧力角度=20度(JIS規格)
3. 最小歯数を選ぶ時、歯元切下げの有無を確認する必要がある(標準歯車の場合には、最小歯数は17枚以上)
4. 標準歯車で軸間の中心距離が満足できない時には、転位歯車を使用する
5. 転位歯車を使用する場合には、転位係数は歯車の性能や強度に影響を及ぼすので、転位係数の妥当性検討が必要である。“+”転位の場合には、転位係数が大きすぎると、下図のように歯先が尖る現象が生じるので、要注意。
大きな“+”転位係数による歯の歯先尖り現象
27.薄肉歯車の各部の名称
リムリム
ウェブ
ウェブ
ハブ
歯幅歯幅
ハブ
Face width
Hub
Web
Rim