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人体各部の名称(大区分)
人体は頭(頭、顔)、頚、体幹(胸、腹)、体肢(上肢・下肢)に区分される。なお、胸と腹の後面を背とよぶ。
1.頭と顔:鼻根-眉-外耳孔を結ぶ線
2.頭(頭、顔)と頚:下顎骨下縁-乳様突起-外後頭隆起を結ぶ線
3.頚と胸:胸骨上縁(頚切痕)-鎖骨上縁-肩峰-第7頚椎棘突起を結ぶ線
4.胸と腹:胸骨下端-肋骨弓-第 12頚椎棘突起を結ぶ線
5.上肢と体幹:三角胸筋溝-三角筋の起始縁-腋窩を結ぶ線
6.下肢と体幹:鼠径溝-上前腸骨棘-腸骨稜-尾骨-殿裂-陰部大腿溝を結ぶ線
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頭頚部
耳眼水平面(ドイツ水平面):外耳道上縁と眼窩下縁を結ぶ。頭蓋測定の水平基準となる。
骨化点:前頭結節、頭頂結節
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体幹前面
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体幹後面
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上肢
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下肢
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採血部位は肘窩における橈
側皮静脈、尺側皮静脈、肘
正中皮静脈が主に用いられ
る。これらの静脈からの採
血が過多になり、これ以上
の採血が行い難くなる。次
の選択枝として手背の皮静
脈とくに橈側半の皮静脈か
らの採血が求められてくる。
この手背の橈側半の皮下に
は橈骨神経の浅枝が主とし
て分布し、採血時における
神経傷害に留意する必要性
がある。
手背の皮静脈の一般論
手背の皮静脈は、指の背側で指背静脈網が形成されこれが基節骨底部付近で太くなり背側中手静脈と
なる。この静脈は互いが連結吻合し静脈網または静脈弓を形成する。この静脈網/静脈弓は尺側部分
から起こり橈側皮静脈に流入する斜静脈、また中央部からおこり橈側皮静脈/尺側皮静脈に流入する
上行静脈の根となっている。
さらに背側中手静脈の貫通枝は深掌静脈に流入する。
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手背の皮神経
手背の橈側半には橈骨神経の浅枝が主として分
布し、尺側半には尺骨神経手背枝が主として分
布する。
橈骨神経浅枝と尺骨神経手背枝は多くは第3指
あたりで交通する(約 70%)。橈骨神経浅枝が尺
側半にまで支配領域をもつ例が約 8%、逆に尺骨
神経手背枝が橈側半におよぶ例は約 20%存在す
ると報告されている(Hirasawa 1931)。
尺骨神経手背枝は前腕下部で尺骨神経より分岐
し、尺骨と尺側手根伸筋腱との間を通り前腕背
側にいたり、尺骨茎状突起のあたりで筋膜を貫
いて皮下に現れる。
橈骨神経浅枝は腕橈骨筋の内面にそって走り、
橈骨動脈の外側を下行し、前腕の 2/3のあたりで
後側の皮下に出て手背に進む。茎状突起のやや
後方のあたりで太い 2 本の枝、すなわち第 1 指
内側半と第2指外側半に分布する枝と第2指内
側半と第3指外側半に分布する枝に分岐する。
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殿筋注射 (坐骨神経の走行を理解する)
Hochstetter 部位と Clark 点 4分3分法の点
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拍動を触れる動脈
動脈の大部分は深部を走行するが、一部の動脈は浅層を走行する。これらの動脈は拍動を触れることができる。
①浅側頭動脈:外耳孔の前上部(コメカミの部)、外耳孔と下顎頭 幼児の脈拍測定
②顔面動脈:下顎角の前方約2㎝から下顎底の上前方約2~3㎝
③後頭動脈:外後頭隆起の約1~2横指外側
④総頚動脈:頚動脈三角(顎二腹筋後腹、肩甲舌骨筋上腹、胸鎖乳突筋で囲まれる部分)、小鎖骨上窩(胸
鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間)
⑤鎖骨下動脈:鎖骨前凸部(内側 1/3の点)より約1㎝上方
⑥腋窩動脈:上腕の腋窩側
⑦上腕動脈:内側二頭筋溝、肘窩(血圧測定)
⑧橈骨動脈:橈骨下端外側部のすぐ内側で橈側手根屈筋腱と腕橈骨筋腱の間(脈拍測定)、第1中手骨と第
2中手骨の間の近位端
⑨尺骨動脈:手関節のやや上方で尺側手根屈筋腱と浅指屈筋腱との間
⑩大腿動脈:大腿三角(スカルパ三角)(鼡径靭帯、縫工筋、長内転筋)内で鼡径靭帯から2~3㎝下方まで
⑪膝窩動脈:膝窩
⑫後脛骨動脈:内果の後下方約2㎝
⑬足背動脈:足背の足関節部前方で長母指伸筋腱と長指伸筋腱との間
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乳腺 乳房の内部には、脂肪組織に包まれて乳腺がある。乳腺は放射状に走る結合組織(乳房提靭帯)によって、十
数個の乳腺葉に分かれる。 ①各乳腺葉は、乳頭から放射状に並ぶ複合管状胞状線である。 ②乳汁の分泌経路:終末部(乳汁を分泌する部位)→1本の乳管→乳管洞(乳管の開口直前の拡大部)→乳頭に
開口 ③妊娠時の乳腺の発達と乳汁:妊娠前は終末部は未発達であるが、妊娠すると終末部は急速に細胞分裂を起こ
し、分娩後に乳汁(カゼインや脂肪を含む)を分泌する。 ④乳管の走行と乳房切開:乳腺炎で乳房切開を行う際には、乳管を交叉切断しないために、メスで中心から末梢
に向かって放射状に切開する。