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都市緑化等による温室効果ガスの吸収源としての効果把握に関する調査・研究
都市緑化樹木の二酸化炭素固定量把握に関する調査・研究
国土交通省都市・地域整備局公園緑地課緑地環境推進室
国土技術政策総合研究所環境研究部緑化生態研究室
(発表者)緑化生態研究室長 松江 正彦
1.植生回復活動の報告と技術的課題
地上バイオマス
地下バイオマス
枯死木
土 壌
リター
国際的な吸収源対策の位置づけ-気候変動枠組条約締約国会合(COP)の流れと吸収源対策に関する決定事項-
COP3 京都議定書(1997年12月)COP3 京都議定書(1997年12月)
温室効果ガスの国別削減割当量(日本は6%削減)が示されると共に、京都議定書締約国が適用可能な吸収源対策について、第3条第3項(1990年以降の植林、再植林及び森林の減少)及び第4項(土地利用変化及び森林分野における追加的な人為的活動)の規定がなされる。
COP7 マラケシュ合意(2001年11月)COP7 マラケシュ合意(2001年11月)
京都議定書に基づく吸収源対策の定義や報告方法が明確化。
京都議定書第3条第4項の活動の種類(植生回復、森林経営、農地管理、牧草地管理)及び定義が決定。
COP10 ブエノスアイレス(2004年12月)COP10 ブエノスアイレス(2004年12月)
京都議定書の第一約束期間における計上・報告方法として、IPCCが作成した吸収源の計上方法のガイドライン「土地利用、土地利用変化及び林業に関する良好手法指針」(LULUCF-GPG)を承認。これに基づく、気候変動枠組条約及び京都議定書下での吸収源対策の詳細ルール及び報告様式が決定。
我が国における京都議定書上の都市緑化等の位置づけ
◆京都議定書において、我が国は第一約束期間(2008~2012年)の温室効果ガス排出量の平均を基準年(1990年)比6%削減することを約束。
◆都市緑化等は、京都議定書第3条第4項の対象である「植生回復」に該当。
◆都市緑化等の吸収量については、第一約束期間において年平均で、対基準年総排出量比0.06%(約74万t-CO2吸収量)が確保されると推計。(新たな国際ガイドライン:LULUCF-GPGに沿った算定。平成18年度末では約66万t- CO2 吸収量。)
出典:環境省報道発表資料(2007.11.05)
国内排出量の削減△7.0%
森林吸収源△3.8%+植生回復(都市緑化等)
京都メカニズム△1.6%
06年比12.4%の削減が必要
削減量(△6.0%)に対して1%の貢献
植生回復活動の定義の解釈
○上記解釈に基づき、2007年は、下位区分として「都市公園」、「道路緑地」、「港湾緑地」、「下水道処理施設における外構緑地」 、「緑化施設整備計画認定緑地」について、定義に合致する対象施設として抽出し、報告。
○2008年は、この他に、河川緑地、公的直接供給住宅における外構緑地、官公庁施設等における外構緑地等を追加。
【植生回復の解釈(割当量報告書より抜粋)】
『1990年以降に行われる開発地における公園緑地や公共緑地、又は行政により担保可能な民有緑地を新規に整備する活動』
【植生回復の解釈(割当量報告書より抜粋)】
『1990年以降に行われる開発地における公園緑地や公共緑地、又は行政により担保可能な民有緑地を新規に整備する活動』
1989年12月31日時点で森林でなかった都市域等(※1)において、
1990年以降2012年までの間に、樹木(高木)(※2)の植栽(=植
樹)を含めた面積500㎡以上の規模の緑化を行う事業※1 1990年以降に森林であった地域で行われる活動は、「森林減少」として計上する必要がある。※2 LULUCF-GPGで温室効果ガス吸収量の計算方法(デフォルト値)が示されているのは、高木のみ。中低木、芝生等を計上するためには、各国独自の計算方法が必要。
LULUCF-GPGに基づく京都議定書への報告方法の概要
京都議定書の下でのLULUCF活動に伴う炭素ストック変化量京都議定書の下でのLULUCF活動に伴う炭素ストック変化量
5つの炭素プールごとの炭素収支を算定し、報告する必要あり
○京都議定書への報告は様式が定められており、吸収源分野は、以下の3つについての様式と、それに伴う根拠資料を提出する必要がある。
石灰の施与による炭素排出 バイオマスの燃焼による炭素排出
LULUCF活動に関する補助的な背景データLULUCF活動に関する補助的な背景データ
【日本国の植生回復にかかわる炭素プールの定義】
地上バイオマス:高木の地上部
地下バイオマス:高木の地下部。
リター:高木から当該年に自然に地上に落下した葉・枝・実・花。落下した翌年からは、「土壌」として扱う。
枯死木:立木が枯死することにより発生する木質バイオマス。
土壌:地下部の炭素のうち、リター及びバイオマス・リター・枯死木の地下部を除いたもの。
地上バイオマス
地下バイオマス
枯死木
土 壌
リター
それぞれの算定値は、以下のような詳細データをそろえて報告し、条約事務局による審査に対応可能な整理を行う必要あり
都道府県別数値
事業実施場所の特定
現在の土地利用の把握
過去20年間に森林であった土地の除外
5つの炭素プール
土地転用を受けない開発地におけるバイオマスの炭素ストック変化量
• ΔCSSLB:土地転用を受けない開発地における生体バイオマスの炭素ストック変化量(t-C/yr)
• ΔCSSG:土地転用を受けない開発地におけるバイオマス成長に伴う炭素ストック変化量(t-C/yr)
• ΔCSSL:土地転用を受けない開発地におけるバイオマス損失に伴う炭素ストック変化量(t-C/yr)
ΔCSSLB = ΔCSSG –ΔCSSL
Tier 算定方法 活動量データ 排出・吸収係数
Tier 1 デフォルト方法
解像度の低いデータ
全国的または国際的なデータを使用
デフォルト値
Tier 2デフォルト方法(Tier 1 と同じ)
解像度の高いデータ
各国固有の気候帯別または土地利用システム別データを使用
解像度の高い各国固有データ
各国固有の気候帯別または土地利用システム別のデータ
寄与度の低いカテゴリーではデフォルト値を使用してもよい
Tier 3
各国固有の方法
モデルや統計測定システムなどを使用
解像度の高いデータ
グリッドやポリゴンに分割されたデータを使用(GISの活用など)
解像度の高い各国固有データ
グリッドやポリゴンに分割されたデータを使用(GISの活用など)
算定方法のTier構造
Tier 算 出 の 考 え 方
Tier 1a樹冠被覆面積法
樹冠被覆面積に樹冠被覆面積あたりの成長量の与えられたデフォルト値を乗じて算出する。
Tier 1b樹木成長量法
樹木本数に樹木個体当たりの炭素ストック変化量の与えられた樹種クラス別デフォルト値を乗じて算出する。
Tier 2a樹冠被覆面積法
Tier 1a と同じ。ただし樹冠面積当たりの成長量とΔCSSLの算定における吸収期間について各国固有の値を使用する。
Tier 2b樹木成長量法
Tier 1b と同じ。ただし樹木個体当たりの炭素ストック変化量とΔCSSLの算定における吸収期間について各国固有の値を使用する。
Tier 3 提示されていない。
Tier 2
Tier 1
樹幹被覆面積当たりの吸収量 デフォルト値
• 位置づけ:LULUCF-GPGにおけるTier 1a• 吸収量:2.9t-C / ha crown cover / yr
(値の範囲1.8~3.4)• 米国の8都市のサンプルに基づくもの。• 20齢以下の場合にはΔCSSL=0(成長期間は正味の炭素吸収源で概ね20年という仮定)
• 20齢を超える場合にはΔCSSG=ΔCSSL(20年以上の樹木はバイオマス炭素の増加量が剪定や枯死に伴う損出量によって相殺されるという仮定)
樹木1本当たりの吸収量 デフォルト値
• 位置づけ:LULUCF-GPGにおけるTier 1b• 吸収量:約0.01t-C/yr/本(樹種クラスにより若干異なる)(別表参照)
• 米国の都市における、10種類の樹種クラス別の1本当たり吸収量樹種クラス別の本数把握が必要だが、データに基づく按分でも可
• 20齢以下の場合にはΔCSSL=0• 20齢を超える場合にはΔCSSG=ΔCSSL
樹種クラス別の1本当たりの吸収量樹 種 ク ラ ス t-C/yr/本
Aspen ポプラ 0.0096
Soft Maple ソフトメープル (アメリカハナノキ) 0.0118
Mixed Hardwood 混交広葉樹 0.0100
Hardwood Maple 広葉カエデ(サトウカエデ) 0.0142
Juniper セイヨウネズ 0.0033
Cedar/Iarch ヒマラヤスギ/カラマツ 0.0072
Douglas fir ベイマツ 0.0122
True fir/Hemlock モミ/アメリカツガ 0.0104Pine マツ 0.0087
Spruce トウヒ 0.0092
Tier 1a と Tier 1b の用途
• Tier 1a :樹冠被覆面積法は、「樹冠被覆総面積(㎡)」 又は、
「平均樹冠被覆面積(㎡/本)×総本数(本)」がわかるときに使える
• Tier 1b :樹木成長量法は、「総本数(本)」 又は、
「平均植栽密度(本/㎡)×対象面積(㎡)」がわかるときに使える
2007年・2008年の試行版報告では、Tier 1b を活用して報告した。
Tier 1a と Tier 1b の比較
(0.01t-C/本/yrの場合)とすると• 平均植栽密度290本/ha(=平均樹冠被覆面積
34.5㎡/本)であれば、 Tier 1a と Tier 1bは共に2.9t/ha/yrとなる。
• 平均植栽密度が290本/haより高い場合は、Tier 1aでは吸収量を少なく算出。
• 平均樹冠被覆面積が34.5㎡/本以上の場合は、Tier 1bでは吸収量を少なく算出。
【吸収係数の設定手順】
北海道と北海道以外に分けてそれぞれの統合吸
収係数を求める
1)サンプル公園(約200)の樹木台帳に登場する植
栽樹種をGPGに示されている10の樹種クラスに
振り分ける
(例:ヤナギ科の種はAspenに、
広葉樹はMixed Hardwoodに 等)
2)サンプル公園(約200)の樹木台帳を集計し、1)で
分類した各樹種クラスの構成比を算定
3)樹種クラス別の吸収係数のデフォルト値に、2)で
求めた構成比を掛けて統合吸収係数を求める
樹種クラス構成比に基づいた吸収係数の統合結果(北海道)
a b a*b ∑a*b(t-C/本) (本) (%) - (t-C/本)
① Aspen 0.0096 21,793 14.43% 0.0014② Soft Maple 0.0118 0 0.00% 0.0000③ Mixed Hardwood 0.01 51,785 34.29% 0.0034④ Hardwood Maple 0.0142 7,781 5.15% 0.0007⑤ Juniper 0.0033 706 0.47% 0.0000⑥ Cedar/larch 0.0072 11,282 7.47% 0.0005⑦ Douglasfir 0.0122 0 0.00% 0.0000⑧ True fir/Hemlock 0.0104 15,796 10.46% 0.0011⑨ Pine 0.0087 7,639 5.06% 0.0004⑩ Spruce 0.0092 34,252 22.68% 0.0021
151,034 100.00% - -①~⑩の合計
構成比吸収係数×構成比
統合吸収係数
0.0097
No 樹種クラス
吸収係数(GPGデフォルト値)
サンプル公園における本数
a b a*b ∑a*b(t-C/本) (本) (%) - (t-C/本)
① Aspen 0.0096 1,519 0.28% 0.0000② Soft Maple 0.0118 0 0.00% 0.0000③ Mixed Hardwood 0.01 416,464 77.32% 0.0077④ Hardwood Maple 0.0142 10,287 1.91% 0.0003⑤ Juniper 0.0033 71,514 13.28% 0.0004⑥ Cedar/larch 0.0072 8,506 1.58% 0.0001⑦ Douglasfir 0.0122 0 0.00% 0.0000⑧ True fir/Hemlock 0.0104 9,834 1.83% 0.0002⑨ Pine 0.0087 19,521 3.62% 0.0003⑩ Spruce 0.0092 973 0.18% 0.0000
538,618 100.00% - -①~⑩の合計
構成比吸収係数×構成比
統合吸収係数
0.0091
No 樹種クラス
吸収係数(GPGデフォルト値)
サンプル公園における本数
樹種クラス構成比に基づいた吸収係数の統合結果(北海道以外)
都市公園におけるデータの作成
都市公園は供用面積データはある。
樹木本数の全国的なデータは有していない。
都市公園の樹林地部分(=樹冠被覆面積)に関するデータは有していない。
497公園の公園台帳の高木本数から、公園供用面積当たりの高木本数のモデル地を設定。
340.09本/ha(北海道)203.34本/ha(その他)
1990年1月1日以降に供用告示をした500㎡以上の公園面積
高木1本あたりの成長係数:0.0097t-C本/年(北海道)0.0091t-C本/年(その他)
3つを掛け合わせて求める
道路植栽に対するデータの作成
• 道路の都道府県ごとの高木植栽本数は、「わが国の街路樹」(国総研研究成果)で整理されている。
• 1987年と1992年の両3月31日のデータより、基準年である1990年3月31日時点における高木本数を推計。
• 2007年の本数から1990年の本数を差し引くことにより1990年4月1日以降に植栽された高木本数を推計。
• 目達計画では2002年と2007年の数値から外挿で推計。• 面積500㎡以上の規模の緑化事業の規定に関しては、樹冠の連続していない街路樹についても、 車道を除く区間について、500㎡以上連続して植栽されている箇所については対象。
• 1990年4月1日以降に植栽の樹木の平均樹齢が20齢以下であることより、生体バイオマス損出に伴う炭素変化量はゼロ。
「わが国の街路樹」の結果を用いた高木本数の推移と今後の予測
0
1,000,000
2,000,000
3,000,000
4,000,000
5,000,000
6,000,000
7,000,000
8,000,000
9,000,000
1987年1989年1991年1993年1995年1997年1999年2001年2003年2005年2007年2009年2011年2013年
一般道路計
有料道路
植生回復活動を報告するにあたっての課題(京都議定書の報告に向けて)
②高木1本当たりのCO2の吸収係数の見直し(日本独自の係数の設定)
③剪定、施肥、落ち葉かき、芝刈り等の実施頻度や実施量、枯死木の発生量等を経年的な把握と、それに伴うCO2の収支の把握
平成19年度調査により少なくとも排出源となっていないことを確認
①植栽地土壌におけるCO2 の収支の把握
Tier2bの作成・・・・・後半で紹介
予測式の適用範囲を拡げるため、樹齢30年以上の樹木を対象とした年間CO2固定量の予測式を作成
○若齢の樹木を対象としているため、予測式の適応範囲は、樹高10m 程度、胸高直径25cm程度までとなり、それ以上の大きな樹木に適用することは不可
調査研究開発の目的
○過去の研究で、樹齢30年程度までの都市緑化用樹木を対象に、ある樹高または胸高直径の木が1年間に木質部に固定するCO2の量を予測する式を開発
2.都市緑化樹木によるCO2固定吸収量の算定式の開発
○木質部の炭素(C)含有量は、樹種に関わらず木質部乾燥重量の50%程度
CO2固定量の算定方法
○ CO2固定量の算定対象は、木質化することで長期間固定が継続する幹・枝・根(木質部)
○CO2とCの分子量の比は44/12=3.67
CO2固定量=木質部乾重×0.5×3.67=木質部乾重×1.83
調 査 手 順
年輪判読用円板の採取(1m間隔) 木質部(幹・枝・根)の全生重計測
木質部の生乾比算出(サンプルより)
木質部乾重の算出幹の材積成長量の測定
年間CO2固定量予測式の作成
年輪判読による樹幹解析図の作成
木質部乾重の算出樹幹解析の実施
年間木質部乾重成長量予測式の作成
特定の樹齢における木質部乾重成長量の算出
調査対象木の伐倒・根の掘取り
※各樹齢における比重は一定と仮定※枝と根の乾重は、幹の乾重と同様の割合で成長すると仮定
※CO2固定量=木質部乾重×1.83
過去の調査データ(樹齢20年以下)
調査対象木の選定
○代表的な都市緑化用樹種であり、過去のCO2固定量予測式の算出に用いた樹種等
○樹齢30年以上と推定され、生育が良好な樹木
○自然樹形に近いこと(なるべく剪定を行っていないもの)
落葉樹4種:イチョウ、ケヤキ、プラタナス、ソメイヨシノ(ヤマザクラ)
常緑樹2種:クスノキ、シラカシ
選定条件
調査対象木(イチョウ)
場所:千葉県君津市圃場
樹高:16.5m
幹周(1.2m高):188cm
樹齢:52年
場所:千葉県君津市圃場
樹高:15.1m
幹周(1.2m高):137cm
樹齢:52年
場所:千葉県君津市圃場
樹高:17m
幹周(1.2m高):165cm
樹齢:52年
調査対象木(ケヤキ)
場所:東京都立川市圃場
樹高:17.6m
幹周(1.2m高):183cm
樹齢:52年
場所:東京都立川市圃場
樹高:18.6m
幹周(1.2m高):166cm
樹齢:34年
場所:千葉県袖ヶ浦市圃場
樹高:18.6m
幹周(1.2m高):166cm
調査対象木(プラタナス)
場所:茨城県八千代町民有地
樹高:20m
幹周(1.2m高):140cm
樹齢:39年
場所:茨城県八千代町民有地
樹高:20m
幹周(1.2m高):126cm
樹齢:43年
場所:茨城県八千代町民有地
樹高:21m
幹周(1.2m高):147cm
樹齢:41年
調査対象木(ソメイヨシノ・ヤマザクラ)
場所:千葉県袖ヶ浦市民有地
樹高:9m
幹周(1.2m高):130cm
場所:千葉県袖ヶ浦市民有地
樹高:12.6m
幹周(1.2m高):117cm
場所:千葉県袖ヶ浦市民有地
樹高:10.1m
幹周(1.2m高):139cm
調査対象木(シラカシ)
場所:栃木県茂木町圃場
樹高:12.3m
幹周(1.2m高):104cm
樹齢:30年
場所:栃木県茂木町圃場
樹高:13.1m
幹周(1.2m高):114cm
樹齢:31年
調査対象木(クスノキ)19年度調査
場所:千葉県袖ヶ浦市圃場
樹高:10.8m
幹周(1.2m高):173cm
樹齢:47年
場所:千葉県袖ヶ浦市圃場
樹高:12.9m
幹周(1.2m高):163cm
樹齢:33年
地上部の伐倒
幹と枝の分離
枝と葉の分離
幹の切断
一階層
10.2m
11.2m
9.2m
7.2m
6.2m
5.2m
4.2m
3.2m
2.2m
1.2m
0.2m
8.2m
円板の採取
一階層
10.2m
11.2m
9.2m
7.2m
6.2m
5.2m
4.2m
3.2m
2.2m
1.2m
0.2m
8.2m
掘取り作業(イチョウ)
根の拡がり(プラタナス)
掘取った根(シラカシ)
木質部の全生重計測
幹 枝
根
生乾重比の計測
乾燥
枝幹
根
木質部から採取したサンプルの生重計測
木質部乾重の算出結果(イチョウ)
木質部乾重=全生重×生乾重比
(生乾重比=サンプル部分の乾重÷その生重)
イチョウ(No1) イチョウ(No2)
生重(kg) 生重(kg)
889.3
563.2
根 2139.0 917.3 1048.0 428.9
2500.5
1544.0
2273.7
5956.7
乾重(kg) 乾重(kg)
幹 673.2 371.9
枝 1055.1 271.9
計 2645.6 1072.7
樹幹解析図の作成
幹から1m間隔で採取した円板の年輪幅を読取り、樹幹解析図を作成
樹幹解析図(イチョウ)
0 10 20 30 40
02
46
810
12
14
16
18
20
樹幹長(m)
半径(cm)
0 10 20 30 40
02
46
810
12
14
16
18
20
樹幹長(m)
半径(cm)
イチョウ(No1)樹齢:52年
イチョウ(No2)樹齢:52年
0 10 20 30 40
02
46
810
12
14
16
18
20
樹幹長(m)
半径(cm)
幹の材積成長量の算出(イチョウ)
樹齢毎の回転体の体積を算出 幹の材積成長量
回転軸
幹材積(樹幹解析より)
0
300000
600000
900000
1200000
1500000
0 10 20 30 40 50 60
樹齢(年)
幹材積(cm3)
07-No.1
07-No.2
樹齢52年129万cm3
樹齢52年85万cm3
木質部乾重成長量の算出(イチョウ)
○各樹齢における比重は一定と仮定し、樹幹解析により求めた幹の材積へ比重を乗じて、各樹齢における幹の乾重を算出
○枝と根も、幹と同様の割合で成長すると仮定
木質部乾重(樹幹解析より)
0
500
1000
1500
2000
2500
0 10 20 30 40 50 60樹齢(年)
木質部乾重(kg)
07-No.1
07-No.2
樹齢×年間木質部乾重成長量(イチョウ)
0
30
60
90
120
150
0 10 20 30 40 50 60
樹齢(年)
年間木質部乾重成長量(kg/年)
07-No.1
07-No.2
木質部乾重(樹幹解析より)
0
500
1000
1500
2000
2500
0 10 20 30 40 50 60
樹齢(年)
木質部乾重(kg)
07-No.1
07-No.2 各樹齢ごとに1年後までに増える木質部乾燥重量を
求めると、樹齢と年間木質
部乾重生長量の関係を求
めることができる。
年間木質部乾重成長量予測式の作成
個々の樹木の樹齢を確認することは、植栽時の記録が残っていなければ、伐採しない限り困難。
生育している樹木の形状寸法を計測し、その値から、簡易に年間木質部乾重を導き出せるようにすることが望ましい。
樹高
枝張
胸高直径幹周
樹齢×胸高直径(イチョウ)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0 10 20 30 40 50 60
樹齢(年)
胸高直径(cm)
07-No.1
07-No.2
年間木質部乾重成長量(樹幹解析より)
0
30
60
90
120
150
0 10 20 30 40 50 60
胸高直径(cm)
年間木質部乾重成長量(kg/年)
07-No.1
07-No.2
樹齢×年間木質部乾重成長量(イチョウ)
0
30
60
90
120
150
0 10 20 30 40 50 60
樹齢(年)
年間木質部乾重成長量(kg/年)
07-No.1
07-No.2
樹齢でなく、ある胸高直径
の樹木が1年間に増加する木質部乾燥重量を求める
年間木質部乾重成長量予測式
樹木の各器官の重量等の物理量(Y)と樹木の形状寸法(X)との間には、相対成長式( Y=aXb)が成り立つ
Y
X
Y=aXb
aとbは定数
特定の胸高直径の樹木が、その大きさになるまでに蓄積した木質部乾重を推定することができる
胸高直径×乾重(イチョウ)
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
0 10 20 30 40 50 60 70
胸高直径(cm)
木質部乾重(kg)
07-No.1
07-No.2
年間木質部乾重成長量予測式
胸高直径と木質部乾重の関係
胸高直径_木質部乾重(イチョウ)
y = 0.0369x2.7065
R2 = 0.994
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
0 10 20 30 40 50 60 70胸高直径(cm)
木質部乾重(kg)
総重量解析_樹幹解析比較(イチョウ)
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
0 10 20 30 40 50 60 70
胸高直径(cm)
木質部乾重(kg)
07-No.1
07-No.2
総重量解析累乗 (総重量解析)
2本でなく形状の異なる8本の樹木で予測式を作成
年間木質部乾重成長量予測式
年間木質部乾重成長量は、胸高直径(X)の場合における木質部乾重と、1年後の増加量(c)を加えた胸高直径(X+c)の場合における木質部乾重との差となる
Y = a(X+c)b ‒ aXb = a{(X+c)b ‒ Xb}
Y:年間木質部乾重X:胸高直径a、b:木質部乾重と胸高直径との相対成長式 から得られる定数c:胸高直径の年間成長量
年間木質部乾重成長量予測式胸高直径と樹齢の関係
樹齢_胸高直径(イチョウ)
y = 0.9907x + 0.5284
R2 = 0.9501
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0 10 20 30 40 50 60樹齢(年)
胸高直径(cm)
総重量解析_樹幹解析比較(イチョウ)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0 10 20 30 40 50 60
樹齢(年)
胸高直径(cm)
07-No.107-No.2総重量解析線形 (総重量解析)
樹齢と胸高直径の関係はほぼ直線で近似でき、胸高直径の年間成長量は、0.99cm/年
年間木質部乾重成長量予測式
胸高直径と年間木質部成長量の関係
胸高直径_年間木質部乾重成長量(イチョウ)
0
50
100
150
200
250
0 10 20 30 40 50 60
胸高直径(cm)
年間木質部乾重成長量(kg/年) y=0.0369{(X+0.9907)2.7065-X2.7065)}
胸高直径_年間木質部乾重成長量(イチョウ)
0
50
100
150
200
250
0 10 20 30 40 50 60
胸高直径(cm)
年間木質部乾重成長量(kg/年)
総重量解析
07-No.1
07-No.2
y=0.0369{(X+0.9907)2.7065-X2.7065)}
年間木質部乾重成長量予測式
胸高直径と年間木質部成長量の関係
胸高直径_年間CO2固定量(イチョウ)
0
50
100
150
200
250
0 10 20 30 40 50 60
胸高直径(cm)
年間CO2固定量(kg/年)
y=0.0675{(X+0.9907)2.7065-X2.7065)}
乾燥重量×1.83で、をCO2固定量に換算
年間CO2固定量予測式(樹齢×年間固定量)
0
50
100
150
200
250
300
0 10 20 30 40 50 60
胸高直径(cm)
年間CO2固定量(kg/年)
クスノキ(7本)
ケヤキ(12本)
シラカシ(12本)
プラタナス(7本)
イチョウ(7本)
全樹木(50本)
9.1×3.67=33.4kg/年
速報値
年間CO2固定量予測式(樹齢×年間固定量)
0
50
100
150
200
250
300
0 10 20 30 40 50 60
樹齢(年)
年間CO2固定量(kg/年)
クスノキ(7本)
ケヤキ(12本)
シラカシ(12本)
プラタナス(7本)
イチョウ(7本)
全樹木(50本)
9.1×3.67=33.4kg/年
速報値
③現在のデータは樹木別データ
今後の課題
剪定の記録の残る樹木を調査比較植栽密度の違いによる調査比較
①現在のデータは関東の平野部から丘陵部
②現在のデータは圃場で自然樹形
北海道のデータを作成する。北海道以外でも地域差がないかを調査比較
実際の樹木本数データを基に算出できるデフォルト値に加工
1.植生回復活動の報告と技術的課題国際的な吸収源対策の位置づけ�-気候変動枠組条約締約国会合(COP)の流れと吸収源対策に関する決定事項-我が国における京都議定書上の都市緑化等の位置づけ植生回復活動の定義の解釈LULUCF-GPGに基づく京都議定書への報告方法の概要土地転用を受けない開発地におけるバイオマスの炭素ストック変化量 樹幹被覆面積当たりの吸収量 デフォルト値 樹木1本当たりの吸収量 デフォルト値樹種クラス別の1本当たりの吸収量Tier 1a と Tier 1b の用途Tier 1a と Tier 1b の比較樹種クラス構成比に基づいた吸収係数の統合結果 (北海道)樹種クラス構成比に基づいた吸収係数の統合結果 (北海道以外)都市公園におけるデータの作成道路植栽に対するデータの作成「わが国の街路樹」の結果を用いた�高木本数の推移と今後の予測植生回復活動を報告するにあたっての課題� (京都議定書の報告に向けて)調査対象木(イチョウ)調査対象木(クスノキ)19年度調査年間CO2固定量予測式(樹齢×年間固定量)