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体育・部活動・スポーツ と心臓突然死 埼玉医科大学 国際医療センター 小児心臓科 住友直方 日本循環器学会関東甲信越支部主催 4回心肺蘇生法 市民公開講座 2018121日 於横浜ランドマークプラザ

体育・部活動・スポーツ と心臓突然死 · 遺症は残さなかった。Holter心電図、トレッドミル負荷心電図で所見なく、当初 見られていたV4-5誘導の陰性T波も徐々に改善した。

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  • 体育・部活動・スポーツと心臓突然死

    埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科

    住友直方

    日本循環器学会関東甲信越支部主催第4回心肺蘇生法市民公開講座

    2018年12月1日於横浜ランドマークプラザ

  • 利益相反状態の開示筆頭演者氏名:住友直方

    所属:埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科

    開示すべき利益相反状態として、

    役職・顧問職: なし

    株式保有: なし特許使用料: なし研究費受託: なしコンサルト料: なし原稿料: なし奨学寄付金: なし寄付講座所属: なし贈答品などの報酬 なし

  • 学校管理下の突然死の年次推移(給付認定年)

    日本体育学校健康センター

    295

    256242

    232

    256

    209196

    185198 196

    166 168 170

    133

    175

    145135 134

    119

    95

    119

    9282 74 75 74

    147 155

    113 119

    143123

    105 107117 111 104

    88102

    74

    107

    82 80 8365

    5670

    5745

    35 41 35

    13 11 7 12 13 1519 16 22 14 14 19 6 9

    36

    11 16 13 7 10 8 7 5 4 713

    23 20 13 14 12 9 17 11 517

    7 10 1416 12 7 7 13 10 8 6 6 5 2 9 60

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    総死亡 突然死 大動脈その他 中枢神経

    2008年で全児童の99.4%をカバーしている。

  • 学校管理下の突然死原因疾患

    387; 47%

    130; 16%

    73; 9%

    5; 0%3; 0%

    59; 7%

    16; 2%

    7; 1%2; 0%

    22; 3%

    86; 10%

    16; 2% 22; 3% AHFCHDHCMDCM心筋炎不整脈KDIHDPPHSIDS中枢神経,筋呼吸器その他

    1983−2001で突然死原因の記載のある828例の統計 日本スポーツ振興センター

  • 小児期心臓性院外心停止の原因疾患(2005-2009)

    Mitani Y, et al. Circ J, 2014; 78: 701-707

    学校管理下(n=32) 学校管理外(n=26)

    診断後(n=28)(フォロー中)

    運動関連あり n=12 n=3

    原因疾患

    肥大型心筋症 (4)先天性心疾患 (3)QT延長症候群 (3)拡張型心筋症 (3)左室心筋緻密化障害 (1)心筋炎後 (1)WPW症候群 (1)不明 (2)

    先天性心疾患 (7)肥大型心筋症 (2)QT延長症候群 (3)拡張型心筋症 (1)拘束型心筋症 (1)

    未診断(n=30)(フォローなし)

    運動関連あり n=15 n=8

    原因疾患

    冠動脈先天異常 (5)肥大型心筋症 (2)QT延長症候群 (2)特発性心室細動 (3)CPVT (2)拡張型心筋症(1)不明 (1)

    QT延長症候群 (3)冠動脈先天異常 (2)左室心筋緻密化障害 (2)急性心筋炎 (2)特発性心室細動 (2)CPVT (1)不明 (3)

  • 先天性心疾患

    突然死例は殆んどチアノーゼ性複雑型心疾患の術後例である。未手術の疾患では、中等症以上の大動脈弁狭窄にも可能性がある。

    Fallot四徴症

    心室中隔欠損

    大動脈騎乗肺動脈

    狭窄

    右室肥大

  • Fallot四徴症心内修復術

    心室中隔欠損パッチ閉鎖

    右室流出路パッチ

  • 39歳男性現病歴:

    3歳:Fallot四徴症に対し心内修復術

    14歳:心停止で某病院に長期人院、ペースメーカー植込み。脳障害残存。

    26歳:VTに対しATP、リドカインで効果なく、除細動で洞調律に回復、以後、ジゴシン、メキシチール内服。

    38歳:ジゴシン中止、メキシチール300mg 3×のみ継続。

    頻回の嘔吐・下痢が出現し、近医に通院

    朝から胸部不快感、顔色不良で動けなくなり、近医の心電図上VTが認められ、前医に紹介入院した。

  • 心電図と加算平均心電図

    RMS40 9.6 µV (39ms)C-fQRSd 219 ms (>105ms)

    LP (+)

    VT rate 220bpm, LBBB, superior axis

  • 33歳、男性、Fallot四徴症術後、心房頻拍、運動中の失神

    Bruce stage III (4min 8sec) HR 187 AT

    プレゼンタープレゼンテーションのノート神元直樹

  • 心筋症

    小児期には肥大型心筋症が70〜80%で、拡張型、拘束型、左室心筋緻密化障害、不整脈源性右室異形成症も報告される。いずれの病型も突然死の原因になり、小児や若年者の突然死の原因の20〜30%を占める。学校心臓検診で発見されフォロー中の場合と、未診断のまま予期せぬ突然死として発症し、剖検で診断される場合がある。最近はAEDを含む救急処置の普及による救命後に、ICD(植込み型除細動期)を装着し学校生活に復帰する例が報告される。

  • 心停止後のHCMの予後

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

    2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

    4 45

    6

    32 2

    4

    16

    2

    4

    2

    死亡 生存

    AEDの一般使用開始AEDの救急隊使用開始

  • 心停止時の運動強度

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5

    1 1

    1214

    2

    1

    10

    4

    死亡 生存

    レベル1:睡眠、臥位レベル2:座位、立位レベル3:歩行、日常生活レベル4:競争的でない運動レベル5:競争的運動もしくはトレーニング

  • 性別

    10, 67%

    5, 33%

    生存(15例)

    男 女

    24, 83%

    5, 17%

    死亡(29例)

  • 学校種別

    8, 53%

    7, 47%

    生存(15例)1, 3%

    3, 10%

    10, 35%15, 52%

    死亡(29例)

    幼稚園、保育園 小学校 中学校 高等学校

    14例:AED作動1例:ICD植込み

  • 学校管理下で心肺蘇生後のHCMの予後

    14

    15

    3

    12

    診断されていた

    17例 (ICD 1例)死亡29例

    診断されていなかった

    27例回復15例

    ICD植込み12例

  • 肥大型心筋症

    SAM

    ASH

  • 14歳、女性、肥大型心筋症

    Bruce stage II (3min 46sec) HR 150 bpm

    プレゼンタープレゼンテーションのノート高橋礼実

  • 急性心筋炎

    多くはウイルス感染後数時間から数日中に心筋収縮不全と重症不整脈が進行して突然死し、剖検で診断される。学校心臓検診では発見不可能だが、期外収縮の多発している児などではその存在に留意が必要である。

  • 5歳、女児主 訴:痙攣、意識消失。

    家族歴:肝炎、心疾患例なし。

    既往歴:特記事項なし。

    現病歴:入院3日前, 微熱があり, だるいと言っていた。入院2日前、発熱があり, 夜中に嘔吐した。入院前日、2回失神に続き痙攣をおこし, 紹介病院を受診。その後も2回失神に続き痙攣をおこした。心拍数が40台に低下し, その後VTが出現, 蘇生を行いながら, 当院救命センターに搬送された。

    入院時所見:体重18kg, 身長110cm, 脈拍104/分, 体温36.3℃, 血圧86/60 mmHg、全身状態不良。顔色蒼白。人工呼吸管理中で意識はない。

    胸部所見:呼吸音正常。心雑音なし。

    腹部所見:肝右季肋下に約2cm触知。四肢末端:浮腫の所見なし。

  • Marfan症候群

    高身長と長い四肢のため運動選手で活躍する場合があるが、大動脈の解離や破裂により突然死に至る。発症時は、救命処置の胸骨圧迫やAEDは無効である。定時的に病院で運動の可否について判断を受け、大動脈径が45〜50mm以上の拡大例は予防的手術が勧められる。Ehlers-Danlos症候群でも同様の報告がある。

  • Marfan症候群【概要】大動脈、骨格、眼、肺、皮膚、硬膜などの全身の結合組織が脆弱にな

    る遺伝性疾患。結合組織が脆弱になることにより、大動脈瘤や大動脈解離、高身長、側弯等の骨格変異、水晶体亜脱臼、自然気胸などを来たす。

    【原因】原因遺伝子は、フィブリリン1、トランスフォーミング(形質転換)成長(増殖)因子(TGF)β受容体1、2

    【症状】大動脈瘤破裂や大動脈解離により突然死を来たすことがある。

    大動脈弁閉鎖不全:心不全、呼吸困難

    大動脈解離:末梢臓器循環不全

    骨格病変:高身長、長指、側弯、漏斗胸水晶体亜脱臼:視力の低下

    自然気胸

    【治療】大動脈瘤、大動脈解離:人工血管置換術

    水晶体亜脱臼に対する手術

    重度の側弯、漏斗胸などに対する手術

    βブロッカー:大動脈瘤、解離に対して、降圧ならびに心拍数減少の目的アンジオテンシン受容体拮抗薬:ATGFβを抑制する作用を有する

  • Marfan症候群

  • Marfan症候群

  • 先天性冠動脈起始異常・走行異常

    もっとも多いのは左冠動脈右バルサルバ洞起始で、左冠動脈主幹部が大動脈と肺動脈の間を通過する例で、運動中の左冠動脈圧迫や左冠動脈低形成が原因とされる。単一冠動脈など他の病型も含めて、安静時の心電図検診のみで事前に発見することは困難で、強い運動負荷時に初めて発症し、剖検で判明するので、運動選手でのスクリーニング方法が課題と思われる。

  • 9歳男児【主 訴】心肺停止【既往歴】生来健康、学校心臓検診でも異常を指摘されたことはない。【家族歴】叔母が心房中隔欠損症、その他に心疾患、突然死の家族歴なし

    【現病歴】体育の授業中に突然失神し、担任の教師が心肺蘇生を行なったが、AEDは作動しなかった。近医に搬送された際の心電図はVFであり、除細動3回とアドレナリン静注2回で自己脈が再開した。心肺停止時間は10-20分程度と考えられた。3日間33℃の脳低温療法を行い2日かけて復温した。神経学的後遺症は残さなかった。Holter心電図、トレッドミル負荷心電図で所見なく、当初見られていたV4-5誘導の陰性T波も徐々に改善した。VF精査のため当科を紹介受診し、ICD適応評価目的のEPSと心臓カテーテル検査のため当科に入院した。

    DC#3 148J

    VF

  • 造影CTLCA起始異常。LCAはnon coronary sinusのLCC-NCC間commissure近傍から、急峻な角度で起始し、commisureを越えてAo壁沿いに左方に走行する。

  • 術前 術後

    Unroofing

    内腔側の壁を切開

  • 川崎病冠動脈後遺症

    川崎病の急性期治療の進歩と抗凝固療法によって、18歳以下での突然死はきわめて稀になった。しかし、すでに成人期に入った年齢層の冠動脈後遺症患者には、病院管理されていない‘ドロップアウト’例もあり、しばしば心事故を発症している。

  • 川崎病の症状

  • 心電図

    V1

    V2

    V3

    I

    II

    III

    V4

    V5

    V6

    aVR

    aVL

    aVF

  • AoLAD

    RCA

    Ao

    第8病日

    Ao

    LAD

    RCA

    Ao

    第13病日

    AoLAD

    RCAAo

    第37病日

    心エコー所見の経過

  • 冠動脈造影

    左冠動脈瘤右冠動脈瘤

  • 肺高血圧症

    特発性とされる例以外にも種々の原因で肺高血圧症が惹起されるが、治療薬や管理方法の進歩で学校における突然死例は減少している。

  • 肺動脈性肺高血圧

    RVRV

    LV LV

  • WPW症候群(副伝導路症候群)

    検診で発見される無症候性の小児では、発作性上室頻拍を

    発症する頻度は成人より少なく10〜20%とされる。上室頻拍による突然死は稀で、副伝導路の不応期が短い例で心房細

    動が合併すると、偽性心室頻拍から心室細動に移行し突然

    死が起こる。中学、高校の男子でかなり強い運動を行なって

    いる時の発症が多い。WPW症候群における学校心臓検診あるいは小児期の心電図での突然死の危険因子として明確

    な基準は確立していない。突然死の頻度は、米国の小児で

    はEbstein病や心筋症など器質的心疾患が伴う場合は突然死の頻度が高いとされる。

  • 14歳、女児、発作性上室頻拍

    2min Bruce stage III (5min 50sec) HR 141

    プレゼンタープレゼンテーションのノート山田千尋

  • 8歳、男児、運動誘発性頻拍、His束近傍の副伝導路、運動中の動悸と気分不快感

    2 min Bruce stage II (3min 6sec) HR 250 AVRT

    プレゼンタープレゼンテーションのノート福田 光基

  • 偽性心室頻拍

    症 例:14歳、男家族歴:母方の伯母がWPW症候群と診断されている。既往歴:特記すべきことなし

    現病歴:6歳時の学校心臓健診でWPW症候群と診断された。その後時々動悸を自覚することがあったが、すぐに停止し、治

    療は受けていない。

    平成14年10月22日夜間より動悸、発汗を自覚し、救急車で来院し、偽性心室頻拍と診断し、DC100Jで停止した。平成15年6月4日偽性心室頻拍が再発し、DC100Jで停止した。今回、カテーテルアブレーション目的で入院した。

    身体所見:身長168.4cm、体重69.25kg、脈拍46、血圧138/76mmHg、心雑音は聴取しなかった。

  • 入院時心電図

    DC 100J

    最短RR190msec

  • Post DC

  • QT延長症候群

    心室再分極相の遅延のために、Torsade de pointesを発症し失神や突然死を発症する遺伝性疾患で、家族にしばしば同症状の病歴がある。学校管理下では年間1−2人ずつの死亡例の報告が見られる。現時点で、16種類の関連遺伝子異常が報告されている。LQT1,2,3の3型が約90%を占め、LQT1では特に水泳中に悪化しやすいが、他の運動でもTdPは誘発され突然死の報告がある。LQT2は精神ストレス、聴覚刺激、妊娠出産での失神、LQT3はBrugada症候群と遺伝子異常が共通しており睡眠中の発症が特徴とされる。「てんかん」と診断されている児童生徒は、本疾患のことがあり心電図を確認すべきである。

  • 11歳、女児、 LQT1

    Treadmill

    QTc 0.57

  • QT延長症候群と遺伝子型サブタイプ 遺伝子座 遺伝子 蛋白 イオン電流 遺伝形式

    LQT1 11p15.5 KCNQ1 KV7.1α (KVLQT1) IKs↓ ADLQT2 7q35 KCNH2 KV11.1α (HERG) IKr↓ ADLQT3 3p21 SCN5A NaV1.5α INa↑ ADLQT4 4q25 ANK2 Ankyrin-B INCX↓, INa-K↓ ADLQT5 21q22.1 KCNE1 minKß IKs↓ ADLQT6 21q22.1 KCNE2 MiRP1ß IKr↓ ADLQT7(ATS) 17p23 KCNJ2 Kir2.1α IK1↓ ADLQT8(TS) 12p13.3 CACNA1C CaV 1.2 α1c ICa-L↑ de novoLQT9 3p25 CAV3 Caveolin-3 INa↑ ?LQT10 11q23.3 SCN4B NaV1.5 ß4 INa↑ ADLQT11 7q21 AKAP9 Yotiao IKs↓ ADLQT12 20q11.2 SNTA1 α1-syntrophin INa↑ ?LQT13 11q15.5 KCNJ5 Kir3.4 IK,ACh↓ ADLQT14 14q32.11 CALM1 CaM ICa-L↑ ADLQT15 2p21 CALM2 CaM ICa-L↑ ADJLN1 11p15.5 KCNQ1 KV7.1α Iks↓ ARJLN2 21q22.1 KCNE1 minKß IKs↓ ARAD: 常染色体優性遺伝, de novo:孤発性, AR: 常染色体劣性遺伝, ATS: Andersen-Tawil症候群, TS: Timothy症候群

  • 多発性心室期外収縮、心室頻拍

    数年に1例程度の頻度で心室期外収縮や心室頻拍でフォロー中の児童が学校管理下で突然死した報告が見られる。

  • 15歳、女性、運動誘発性心室頻拍、神経芽腫術後2min Bruce stage IV (6min 49sec) HR 155 VT

    プレゼンタープレゼンテーションのノート守屋満里菜

  • 症例 7歳男児

    主訴:心電図異常

    家族歴、既往歴:特記すべき異常なし。学校心臓検診の心電図正常

    現症、検査所見:体重20kg、胸部X線上の心拡大はなし、血清BNP値の上昇なし、心エコー検査は正常

    現病歴:2016年6月12 日に、肺炎の診断で近医に入院した際のモニターで、心電図異常が指摘され、入院中の12誘導の心電図およびホルター心電図所見でも同様な所見で、ダブルマスターでは、安静時からHR130bpmの頻脈で、負荷後8分までずっと同じ所見で、負荷後10分で、HR70bpmの洞調律に戻った。精査加療目的で紹介入院した。

  • 7歳、男児、運動誘発性心室頻拍Bruce stage II (5min)

    プレゼンタープレゼンテーションのノート山下太一

  • カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia : CPVT)

    主に7〜10 歳から若年成人まで認められ、検診の心電図では発見の難しい致死性不整脈として少なからず存在すると考えられる。不整脈源性右室異形成症と共通するリアノジン(RyR2)受容体や、カルシクエストリン2(CASQ2)遺伝子の変異が原因として判明している

  • 15歳女性

    【主 訴】意識消失発作

    【現病歴】中学の頃から運動時に気が遠のく感じがあり、繰り返すため近医受診。神経調節性失神の診断を受け運動制限のみ行われていた。父が精査を希望され当院受診。

    【既往歴】特記すべきことなし

    【家族歴】父 高血圧、高脂血症、糖尿病、祖父に癌

    【身体所見】

    心雑音なし、不整脈なし、呼吸音正常、眼瞼結膜貧血なし、その他特記すべき異常なし

  • 15歳、女性、CPVTBruce stage III (4min 27sec)

    プレゼンタープレゼンテーションのノート渡部朝日

  • カテコラミン誘発多形性心室頻拍

    a

    b

    c

    CM3

    CM3

    CM3

    プレゼンタープレゼンテーションのノート宮崎美里

  • 13歳、女児, Andersen-Tawil 症候群、propranolol 30mg

    2 min Bruce stage IV recovery (2min 29 sec) HR 169 bidirectional VT

    プレゼンタープレゼンテーションのノート伊藤麻理亜

  • 特発性心室細動

    遺伝性不整脈を含め基礎心疾患のない心停止例で、AEDが心室細動を感知して作動する例が報告される。多くは強い運動中に発症しており、その病態については解明が必要である。

  • 12歳男児【現病歴】2018年5月1日、学校にて100m走を4回走った後、整列時に突然倒れた(11 時10分) 。すぐに心肺蘇生が開始され、11 時16分にAEDによるDCショックが行われた。CPRが再開され、ドクターへリ要請。再度心室細動となり11 時18分にAEDのDCショックが行われた。11 時27分の救急隊到着時はJCS300。心拍は再開していた。11 時37分にフライトスタッフが接触し、E1V1M4 、瞳孔2/2、対光反射: +/+。気管挿管され、近医にヘリで搬送され、全身管理・原因検索目的にPICUに入院した。3日間の脳低温療法後に精査加療目的で転院した。

    【既往歴】特記すべき事なし。2018年4 月に学校健診を受けたが異常は指摘されていない。

    【家族歴】突然死無し、不整脈無し

  • AED記録

    155J

    155J

  • 冠動脈CT、冠動脈造影

    LCA RCACT

  • 心電図受診時 V1, V2のみ1肋間上

    I

    II

    III

    aVR

    aVL

    aVF

    I

    II

    III

    aVR

    aVL

    aVF

    V1

    V2

    V3

    V4

    V5

    V6

    V1

    V2

    V3

    V4

    V5

    V6

  • S-ICD

  • 心臓震盪

    野球のボール、ホッケーのパック、ときに拳など、鈍的胸部打撲により心室細動を発生する事例は毎年1−2例報告され、AEDの良い適応であり救命例も見られる。

  • Ball on Tで心臓震盪

    日本心臓財団 https://www.jhf.or.jp/bunko/mimiyori/49.html

  • Mechanically Induced Ectopy via Stretch-Activated Cation-Nonselective Channels Is Caused by Local Tissue Deformation and Results in Ventricular Fibrillation if Triggered on the Repolarization Wave Edge (Commotio Cordis), Circ EP 2017; 10(8), DOI: (10.1161/CIRCEP.116.004777)

  • その他の遺伝性不整脈

    Brugada症候群、QT短縮症候群は突然死の原因疾患として近年注目されているが、小児期での事例はまだ稀で、対策は今後の課題である。

  • 結 語

    • 小児の突然死は中学、高校生の男児に多く、運動に関連した突然死が多い。

    • 突然死を起こしやすい疾患は比較的限定される。• 学校心臓検診では、肥大型心筋症や、QT延長症候群などが検出され、予防的な薬剤服用、運動制限などで突然死を予防できる。

    • しかし、検診で発見しにくい心疾患も存在し、このような例が心肺停止を起こした場合にはAEDが非常に有効である。

    • 学校の教師、養護教員、生徒に心肺蘇生の訓練、AEDの使用方法を教えることは、小児の突然死を予防するのに非常に有用である。

    体育・部活動・スポーツと心臓突然死スライド番号 2学校管理下の突然死の年次推移(給付認定年)�日本体育学校健康センター学校管理下の突然死原因疾患小児期心臓性院外心停止の原因疾患(2005-2009)先天性心疾患 Fallot四徴症心内修復術39歳 男性心電図と加算平均心電図33歳、男性、Fallot四徴症術後、心房頻拍、運動中の失神心筋症心停止後のHCMの予後心停止時の運動強度性別学校種別学校管理下で心肺蘇生後のHCMの予後肥大型心筋症14歳、女性、肥大型心筋症急性心筋炎5歳、女児スライド番号 21Marfan症候群Marfan症候群Marfan症候群Marfan症候群先天性冠動脈起始異常・走行異常9歳男児造影CTスライド番号 29川崎病冠動脈後遺症川崎病の症状心電図心エコー所見の経過冠動脈造影肺高血圧症肺動脈性肺高血圧WPW症候群(副伝導路症候群)14歳、女児、発作性上室頻拍8歳、男児、運動誘発性頻拍、His束近傍の副伝導路、運動中の動悸と気分不快感偽性心室頻拍入院時心電図     Post DCQT延長症候群11歳、女児、 LQT1QT延長症候群と遺伝子型多発性心室期外収縮、心室頻拍15歳、女性、運動誘発性心室頻拍、神経芽腫術後症例 7歳男児7歳、男児、運動誘発性心室頻拍カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia : CPVT)15歳女性15歳、女性、CPVTカテコラミン誘発多形性心室頻拍 13歳、女児, Andersen-Tawil 症候群、propranolol 30mg特発性心室細動12歳男児AED記録冠動脈CT、冠動脈造影心電図S-ICD心臓震盪Ball on Tで心臓震盪スライド番号 63その他の遺伝性不整脈結  語