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胃ろうの管理 ~栄養剤は食事と同じ~ チームもりおか 第1回勉強会資料

胃ろうの管理 - もりおか往診クリニック栄養投与方法 経腸栄養 経口摂取 経管栄養 経鼻胃管 胃ろう 腸ろう 経静脈栄養 中心静脈栄養

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胃ろうの管理~栄養剤は食事と同じ~

チームもりおか 第1回勉強会資料

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脳梗塞、脳出血などによって食べることが出来ないと…

胃ろうはなぜ必要なの

発熱 栄養状態不良

嚥下障害

誤嚥性肺炎

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経皮内視鏡的胃瘻造設術PEG=Percutaneous

Endoscopic

Gastrostomy

口から栄養を取れない患者さんに

直接栄養を入れるため

胃に「第2の口」を造る手技

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栄養投与方法

経腸栄養

経口摂取 経管栄養

経鼻胃管 胃ろう 腸ろう

経静脈栄養

中心静脈栄養 末梢静脈栄養

自然にまかせる方法

もある

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胃瘻造設患者さんの流れ

急性期 慢 性 期

造設初日 造設後2~3週間

造設後1年以上

病院にて造設療養型病棟、在宅、

老人保健施設

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在宅でのケアのポイント

スキンケアのポイントスキンケアのポイント・胃ろう周囲の皮膚を清潔に保つ

胃ろうは 「くち」と同じ

毎日きれいに拭きます

・シャワーは、胃ろう造設後1週間を目安に開始

・入浴は2~3週間後から開始

・1日1回、胃ろうカテーテルを回します

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ストッパーと皮膚の間に1~2cmくらいの余裕

出口部をカテで圧迫しないよう皮膚面に対して垂直

理想的な瘻孔

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栄養剤投与時のポイント・患者を座位または半座位にします。

・たんがゴロゴロしている時は、取りましょう。

・注入は、200ml/時 の速度に調整します。

1秒1滴の速さ

・栄養剤注入後、微温湯を注入します。

・酢水を注入します。

・注入が終わっても、30分~1時間は

体を起こしておきます。

・ボトル・チューブ・注入器=食器と同じ

消毒は不要です。

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① 注入器に5ccの酢水を充填する

②大キャップを確実に閉める ③ 小注入口から酢水を注入する

④ 全ての酢水を注入する

⑤ 酢水注入後カテーテルをクランプする

⑥ クランプを保持したまま注入器を外す

⑦ クランプを保持したまま確実に小キャップを閉める

⑧ クランプ解除する

《チューブタイプカテーテルの酢水による管理方法》※酢水(酢:水=1:10)

※写真中の酢水は、目立たせるために着色水を使用しています。実際の酢水の色ではありません。

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トラブル時の対処方法

カテーテルがつまった時

・胃ろうカテーテルの根元を片手で押さえます。

・反対の手でカテーテルの根元から、先端に向けてしごいてみましょう。

・注入器にぬるま湯を10ml入れ、押したり引いたりしてみましょう。

・それでもダメなら、医療機関へ連絡しましょう。

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カテーテルの引っ張り防止

・カテーテルを腹帯や腹巻の下へ隠します。

・厚手の上下が続いた服を着せます。

・大きいガーゼで覆うのも効果があります。

*カテーテルで、周囲の皮膚を圧迫しすぎないよう

注意しましょう

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カテーテルが抜けた時

ルート(瘻孔)の確保が第一です。・予備カテーテルを入れてみます。

入らない時は

・細いネラトンカテーテルを入れてみます。

*スムーズに入らない時は、

無理に押し込まないこと*

瘻孔は2~3時間で閉塞します。・早めに医療機関に連絡します。

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1.ギャッジアップ1.ギャッジアップ

30度程度のギャッジアップを行いましょう。

2.ガス抜き2.ガス抜き

栄養剤注入前に胃内のガス抜きを行いましょう。

*サイズアップや締め付けはその場凌ぎの対策*

漏れ防止対策

キャップを開放して、

カップで受けて下さい。

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・一時的に経腸栄養投与を中止します。

・カテーテルを抜き瘻孔を縮小させてから、

再挿入します。

・造設部位が悪い場合は、閉鎖して再造設を検討。

・腸に直接栄養剤を投与するカテーテルもあります。

=腸ろう

それでも漏れが治まらない場合は・・・それでも漏れが治まらない場合は・・・

他の漏れ防止対策

これらは医師の検討範囲

日常ケアが困難な時は医療機関に連絡しましょう。

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空腸瘻(PEJ)

【ジェジュナルカテーテル】胃瘻チューブを介しながら、さらに奥(トライツ靭帯を越えたあたり)にカテーテルを留置することによって、消化管内の減圧と空腸への栄養投与が可能になる。

参考文献:『胃瘻からの半固形短時間摂取法ガイドブック 胃瘻患者のQOL向上をめざして』 合田文則著 医歯薬出版株式会社

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漏れ対策 番外編

栄養剤に寒天粉を混ぜ固形化

↓硬さの目安は杏仁豆腐

使用方法

1、栄養剤を37~38度程度に温めボールなどの容器に入れる

2、なべに水と粉末寒天を入れてよくかき混ぜる

(粉末寒天1gに対し栄養剤と水分合わせて200ml)

沸騰させ、二分間かき混ぜる

3、温めた栄養剤に寒天液を加え、30秒間かき混ぜる

出来上がった物を数本の注入器に吸う

4、注入器の先をラップで覆い、そのまま保管し固まるのを待つ

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スキントラブル対処法

不良肉芽瘻孔の一部組織が壊死

瘻孔部の感染圧迫による局所の血流障害

①外部ストッパーを緩める

②瘻孔部周囲を洗浄

③皮膚を自然乾燥

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カテーテルの交換について

胃瘻カテーテルの初回交換

造設後 約4ヶ月から半年 が交換時期です。

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定期的な交換 1~2カ月ごと

ボタンタイプボタンタイプ

・挿入、抜去が容易

・自己抜去の抑制

チューブタイプチューブタイプ

・挿入、抜去が容易

・管理が容易

・サイズ調整が容易

在宅で交換できるバルン型

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胃ろうの種類