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攪拌翼などの回転体のトルクを計算する方法について説明します。
計算機機能を利用して、粘性応力、圧力から境界上の各要素の 力を求め、そこからパート全体のトルクを定数変数(Constant Variable)として出力することを目的としています。
1.はじめに
2.計算方法の概要
3.各要素の粘性力
4.各要素の圧力による力
5.トルク値の算出
計算機の概要については別資料「EnSight 補足資料_計算機の利用方法」を御覧ください。
また、各関数の詳細については、UserManual を御覧ください。 i
1.はじめに
2.計算方法の概要
3.各要素の粘性力
4.各要素の圧力による力
5.トルク値の算出
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「計算機」機能 を利用して、以下の計算項目を順に実行します。 各計算項目では、計算処理をコマンドで記述しています。GUIによる操作で計算処理を行う 場合は、計算機パネルにてコマンドの計算内容を逐次実行します。
・各要素の粘性力 境界面の各要素に働く粘性応力を計算します。流体中の歪みを境界面にマッピングし、 面の法線を方向余弦として粘性応力ベクトルを計算し、各要素の面積を掛けることにより 要素毎に働く力を計算します。
利用関数:
Grad … 勾配ベクトルの計算 (各速度成分の勾配ベクトルから∇vを形成)
CaseMap … 歪みテンソル各成分の翼面へのマッピング
Normal … 境界面各要素の法線ベクトルの計算
MakeVect … 任意のスカラー変数、及び数値によるベクトル変数の作成
EleSize … 各要素の面積を計算
・各要素の圧力による力 境界面の各要素に働く圧力と、法線ベクトル、面積から力を計算します。
利用関数:
<各要素の粘性力において既出>
・トルク値の算出 境界面の各要素の位置ベクトルと力ベクトルの外積(要素のモーメント)の総和によりトルクを
計算します。
利用関数:
Moment … 各要素でモーメントを算出し、その総和を計算
1.はじめに
2.計算方法の概要
3.各要素の粘性力
4.各要素の圧力による力
5.トルク値の算出
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i. 速度勾配テンソル∇v を計算します。
コマンド: variables: evaluate velx = Velocity[X]
variables: evaluate vely = Velocity[Y]
variables: evaluate velz = Velocity[Z]
variables: evaluate grad_u = Grad (plist, velx)
variables: evaluate grad_v = Grad (plist, vely)
variables: evaluate grad_w = Grad (plist, velz)
z
W
y
W
x
W
z
V
y
V
x
V
z
U
y
U
x
U
v
GUI:
Grad関数実行の前処理として 速度の各成分をスカラーとして抽出
計算の前に、流体領域のパートを選択します。 i
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3.各要素の粘性力
4.各要素の圧力による力
5.トルク値の算出
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ii. 歪みテンソルSを計算します。
コマンド: variables: evaluate sxx = 2*grad_u[X]
variables: evaluate syy = 2*grad_v[Y]
variables: evaluate szz = 2*grad_w[Z]
variables: evaluate sxy = grad_v[X]+grad_u[Y]
variables: evaluate sxz = grad_w[X]+grad_u[Z]
variables: evaluate syz = grad_v[Z]+grad_w[Y]
TvvS
GUI:
対称テンソル6成分
計算の前に、流体領域のパートを選択します。 i
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4.各要素の圧力による力
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iii. 歪みテンソルSを境界面へマッピングします。
コマンド: variables: evaluate sxx_w = CaseMap( plist, 1, sxx, 0)
variables: evaluate syy_w = CaseMap( plist, 1, syy, 0)
variables: evaluate szz_w = CaseMap( plist, 1, szz, 0)
variables: evaluate sxy_w = CaseMap( plist, 1, sxy, 0)
variables: evaluate sxz_w = CaseMap( plist, 1, sxz, 0)
variables: evaluate syz_w = CaseMap( plist, 1, syz, 0)
S
GUI:
計算の前に、翼面のパートを選択します。 i
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iv. 境界面の各要素の法線ベクトルnを計算します。
コマンド: variables: evaluate n = Normal(plist)
GUI:
n
計算の前に、翼面のパートを選択します。 i
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v. 粘性応力ベクトルfv を計算します。
コマンド: variables: evaluate fvx = -mu*(sxx_w*n[X]+sxy_w*n[Y]+sxz_w*n[Z])
variables: evaluate fvy = -mu*(sxy_w*n[X]+syy_w*n[Y]+syz_w*n[Z])
variables: evaluate fvz = -mu*(sxz_w*n[X]+syz_w*n[Y]+szz_w*n[Z])
variables: evaluate fv = MakeVect(plist, fvx, fvy, fvz)
GUI:
計算の前に、翼面のパートを選択します。 面の法線nを方向余弦として歪みテンソル Sから粘性応力を計算しています。 mu は、粘度です。変数として登録されて いない場合は、数値を直接入力するか、 以下の式を実行して、数値を登録します。 variables: evaluate mu=<粘度>
i
Snfv
OpenFOAMなど圧力pが密度ρにより 正規化されている場合は、上式の適用に 注意が必要です。 !
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vi. 各要素の粘性力ベクトルFv を計算します。
コマンド: variables: evaluate area = EleSize(plist)
variables: evaluate Fv = area*fv
GUI:
計算の前に、翼面のパートを選択します。 EleSize関数により各要素の面積を計算 しています。
i
vv AfF
A
vf
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4.各要素の圧力による力
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各要素の圧力による力Fpを求めます。
コマンド: variables: evaluate fp = Pressure*n
Variables: evaluate Fp = area*fp
GUI:
計算の前に、翼面のパートを選択します。 計算中の法線ベクトルn 及び各要素の 面積areaは、粘性力の算出で計算済み です。
i
pp AfF
A
pf
圧力Pressureが密度ρにより正規化され ている場合は、上式の適用に注意が必要 です。 !
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i. 各要素に作用する力Fを計算します。
コマンド: variables: evaluate F = Fv+Fp
GUI:
計算の前に、翼面のパートを選択します。 i
pv FFF
vFpF
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ii. モーメント関数によりトルクを計算します。
コマンド: (回転軸がY軸の場合) view_transf: function cursor
view_transf: cursor 0.000000 0.000000 0.000000
variables: evaluate torque = Moment(plist, F, [Y])
GUI:
計算の前に、翼面のパートを選択します。 コマンドの先頭2行では、カーソルツールの位置を 設定することで、回転軸の位置を明示しています。 Momentの第2引数をFpにすると圧力ベースの トルクを計算することができます。
i
elemi
izixixiz rFrFtorque )(
Y
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