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基礎から学ぶBtoBセールス
顧客ターゲティング入門書
Copyright © Target Media Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
新規営業の成否はターゲティングで決まる!
ターゲティングを行う前に必要な準備とは
実践!ターゲティングを進めるための「6つの成功エッセンス」
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成果に繋がるBtoBセールスを行うにあたっては、適切な戦略構築が欠かせません。そして、戦略構築のフェーズにおいて最も重要であるにも関わらず、多くの企業で十分な検討が行われていないプロセスが「顧客ターゲティング」です。顧客ターゲティングの精度を高めることは、マーケティングやセールスを効率化し、その成果を最大化することにも繋がります。
本書では、顧客ターゲティングの基礎知識と、実際にターゲティングを行う際に欠かせない「6つのポイント」をご紹介しています。効果的、かつ効率的なセールス&マーケティングを組織を創り上げたいと考える経営者・営業責任者の方の一助になりましたら幸いです。
顧客ターゲティングの基礎知識
はじめに
Introduction
Essence
• そもそもターゲティングとは?選択と集中の概念
• セグメンテーションとターゲティングの違い
• ターゲティングを行う前に必要な準備
効果的なターゲティングを 行うための 「6つのポイント」
• 成功の秘訣は「ターゲットの検証サイクルを素早く回すこと」
Point1 十分な市場規模があるターゲットか?
Point2 強い競合ブランドが存在しないターゲットか?
Point3 これからニーズが増えそうなターゲットか?
Point4 口コミ波及の発信源となるターゲットか?
Point5 チャネルやメディアを通じて到達可能なターゲットか?
Point6 アクションに対する効果が測定可能なターゲットか?
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Introduction
顧客ターゲティングの基礎知識
そもそもターゲティングとは?選択と集中の概念を知る
マーケティング・セールス戦略の肝となる「STP戦略」とは?
ターゲティングを行う前に必要な準備
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そもそもターゲティングとは?選択と集中の概念を知る
営業やマーケティングを行ったことがあるビジネスパーソンであれば、一度は触れたことのあるであろう「ターゲティング」という概念。しかし、ターゲティングの議論が不十分なまま広告施策を展開したり、営業活動を始めたりするケースが散見されます。そもそもターゲットを絞ることに二の足を踏んでいる組織は想像以上に多いようです。
ターゲティングとは、自社の商品サービスを売るために、アプローチすべき顧客層を定義する(絞り込む)ことを意味します。このプロセスはマーケティング活動全体の入り口に位置するからこそ、決して曖昧にしてはいけません。ターゲットが明らかにしないままマーケティング活動を進めてしまうと、全ての戦略・戦術が噛み合わず、非効率でちぐはぐな施策展開を強いられることになります。効率的かつ効果的なセールス・マーケティングを行うためには、「ターゲティングによる選択と集中が欠かせない」という点をまずは押さえておきましょう。
BtoBマーケティングの全体像を知る
そもそもターゲティングとは、マーケティング・セールスプロセス全体のどこに位置するのでしょうか?全体のプロセスを俯瞰してみると、次のような位置づけになっています。
仮説立案データ収集
分析・戦略策定仮説検証(実行)
市場のニーズに対して仮説を立て、データを収集・分析し、マーケティング戦略を具体化していく。このプロセスからわかる通り、ターゲティングは「STP戦略」の中核に位置します。次のページでは、マーケティング・セールスに携わる方であれば必須の知識であるSTP戦略について触れて行きます。
ターゲティングとは、自社の商品サービスを売るために、アプローチすべき顧客層(=市場)を定義する(=絞り込む)こと
Point
環境分析マーケティング・セールス
(STP)戦略策定戦略実行
セグメンテーション
ターゲティング
ポジショニング
マクロ分析 ミクロ分析マーケティングセールス施策
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マーケティング・セールス戦略の肝となる「STP戦略」とは?
「セグメンテーション」とは、市場や消費者を細分化する行為を指します。BtoBマーケティングでの例を挙げると「業種:食品メーカー」「売上高:5~50億円規模」「地域:関東圏に工場を持つ」という具合です。しかし、これではまだ絞り込みが粗いため、続いて「ターゲティング」を行うことで、具体的な顧客像を明らかにしていきます。
マーケティング戦略の基本は、STP戦略を明確化することにあります。STP戦略とは、①市場細分化 ②対象顧客層の選定 ③自社独自の役割定義 の3点を行うことに他なりません。ターゲティングはこの中の②に位置する概念です。
Segmentation
セグメンテーションTargeting
ターゲティングPositioning
ポジショニング
ターゲティングとは「対象顧客層を絞ること」
「ターゲティング」とは、顧客像を絞り込むことを意味します。 例えば、「●●という課題が顕在化しており、その課題を解決することで●●という状態を目指している」という具合に、課題ベースで顧客像を明らかにしていくケースが考えられます。
BtoBマーケティングでは、企業・組織のペルソナと、複数の担当者や役職者のペルソナの、組織全体での設定が重要になります。組織体制は企業により多岐にわたりますが、既に取引のある企業数社を対象に、参考となるペルソナを試作してみることも1つの方法です。まずは、実在する顧客へのインタービュー・アンケートなどを通して、各ペルソナを設定しましょう。
Factor1
Factor2
Factor3
(市場細分化) (対象顧客層の選定) (自社独自の役割定義)
この段階で、どれだけターゲット像を深掘りできるかによって、セールスやeDMといった後のセールスアクションの精度にも大きく影響してきます。
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ターゲティングを行う前に必要な準備
3C分析
5フォース分析
効率的にターゲティングを行う上では、初期仮説の精度が高いに越したことはありません。しかし、セールスやマーケティングの経験が十分でない場合には、初めから精度の高い仮説を立てることは困難を極めます。だからこそ必要になるのは、ターゲティングを行う前準備です。
今回は、その準備段階(環境分析フェーズ)で有効なフレームをご紹介します。
環境分析マーケティング・セールス
(STP)戦略策定戦略実行
セグメンテーション
ターゲティング
ポジショニング
マクロ分析 ミクロ分析マーケティングセールス施策
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1つ目は最も基本的な「3C分析」です。「そんなフレームは当然のごとく知っている」と感じる方は多いはず。しかし意外なほどに 『①自社の強みは、どのような顧客ニーズを満たしているのか?』『②自社はどのような点で競合他社よりも優れているのか?』 という質問に即答できる人は少ないのです。
上記の観点を参考にしつつ、次章では、絞り込みを行ったターゲット顧客が適切かどうかチェックするための 「6つのポイント」 について、ターゲティングの基本フレームワークから見ていきましょう。
3Cとは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」 の3つを分析し、マーケティングやセールスのKFS(Key Factor for Success:成功要因)を発見するためのフレームです。
ここでの最大のポイントは 『Customer(市場・顧客)の定義』。顧客企業や消費者のどのような課題を解決したいのか、どのようなニーズを満たしたいのかを言語化することが重要です。この点についての仮説立てをした上で、自社の強みの定義、競合に対する優位性の定義に移ります。
「5F分析」とも呼ばれるこの手法は、5つの競争要因から業界の構造分析を行うものです。今回、詳細な説明は割愛しますが、業界を取り巻くプレイヤーの力関係は日々変化しており、3C分析で定義した内容も ”様々な脅威(5F)” にさらされる中で著しく変わっていきます。変わりゆく状況を考慮しつつターゲットとなる顧客層を定義する上で、5F分析は欠かせない手法であると言えます。
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効果的なターゲティングを行うための「6つのポイント」
成功の秘訣は「ターゲットの検証サイクルを素早く回すこと」
Point1 十分な市場規模があるターゲットか?
Point2 強い競合ブランドが存在しないターゲットか?
Point3 これからニーズが増えそうなターゲットか?
Point4 口コミ波及の発信源となるターゲットか?
Point5 チャネルやメディアを通じて到達可能なターゲットか?
Point6 アクションに対する効果が測定可能なターゲットか?
Essence
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成功の秘訣は「ターゲットの検証サイクルを素早く回すこと」
効率的にターゲティングを行う上では、初期仮説の精度が高いに越したことはありません。しかし、セールスやマーケティングの経験が十分でない場合には、初めから精度の高い仮説を立てることは困難を極めます。だからこそ、ターゲットを設定した後に、絶えず検証と改善サイクルを回すことが大切です。
適切なターゲッティングを行うためのフレーム「6R」
Realistic Scale Rival Rate of Growth
有効な市場規模 競合状況 成長性
十分な市場規模があるターゲットか?
強い競合ブランドが存在しないターゲットか?
これからニーズが増えそうなターゲットか?
Ripple Effect Reach Response
波及効果 到達可能性 測定可能性
口コミ波及の発信源となるターゲットか?
チャネルやメディアを通じて到達可能なターゲットか?
アクションに対する効果が測定可能なターゲットか?
例えば、ターゲティングを行う際に有効なフレームの一つ「6R」。このようなフレームは絶対的なツールではありませんが、セールス・マーケティングプロセスが確立されていない段階では多くの示唆をもたらしてくれるはずです。次のページからは、6Rのそれぞれの観点についてご紹介します。
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Point 1 Point 2 Point 3
Point 4 Point 5 Point 6
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Point1 十分な市場規模があるターゲットか?
商品価値と顧客のニーズがフィットしていても、自社の経営や事業全体に寄与しないレベルの利益しか確保できないのであれば、それは優れたターゲティングとは言えません。経営や事業の持続可能性を追求するならば、一定以上の規模がある市場を狙ったうえで、ターゲティングを進めていく必要があります。
自社商品の売上高の算出は、一般的には次の2つの手法で行うことができます。初めは仮説ベースで数値を積み上げ、市場のスケールを確認しましょう。
売上高の算出方法
ターゲットセグメントの市場規模 × 自社商品のシェア
自社商品の購入者(社)数 × 購入頻度 × 客単価
例)対話型AIシステム市場 100億円 × シェア 10%= 10億円
例)販促ツール発注社数 100社 × 購入頻度 年4回 × 客単価 50万円= 2億円
Point2 強い競合ブランドが存在しないターゲットか?
強力なライバル(競合)になる企業や商品が同一の市場に存在するか、という観点です。想定される市場規模に対して、市場に影響力を持ったライバルが少なければ、まだまだ新規参入の余地があると言えます。一方で、既に市場に大きな影響力を持ったリーダーがいる場合には、新規参入の再考が必要ですが、”マーケティングの4P” などの観点からライバルと異なる顧客層へアプローチができるのであれば、あきらめるのは時期尚早といえるでしょう。
参考:マーケティングの4P
Product
商品戦略
Price
価格戦略
Place
流通戦略
Promotion
プロモーション戦略
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成功の秘訣は「ターゲットの検証サイクルを素早く回すこと」
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Point3 これからニーズが増えそうなターゲットか?
ターゲットの妥当性を検証するにあたっては、市場の今を評価するだけでなく、その将来性も見極める必要性があります。例え今現在の市場規模が小さくても、経済情勢や社会構造の変化に伴い、やがて巨大市場へと変化する可能性があるのです。PEST分析などの観点は、このような市場を分析したうえで、次の一歩を踏み出すための意思決定支援ツールとして活用することができます。
Point4 口コミ波及の発信源となるターゲットか?
同程度の規模の市場が2つあるとすれば、その顧客層の中に「イノベーター」や「インフルエンサー」と呼ばれる人々が多い市場を選ぶことが望ましいでしょう。これはすなわち、波及効果の高い市場のほうが、マーケティングやセールスの効率を高めることができるということです。近年はブログやSNSが発達し、企業の導入事例を扱った講演内容もWeb上で閲覧できるようになってきました。このような環境下では、イノベーターが多い市場でいち早く成果を出したプレイヤーが覇権を取りやすいといえます。キャズム理論によれば、下記の図にある「普及率16%」をいかに獲得するかが市場を制するための鍵とされています。
参考:PEST分析
Politics
政治的要因
Economy
経済的要因
Society
社会的要因
Technology
技術的要因
参考:キャズム理論
イノベーターアーリー
アダプターアーリー
マジョリティレイト
マジョリティラガード
2.5% 13.5% 34% 34% 16%
普及率16%の論理
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成功の秘訣は「ターゲットの検証サイクルを素早く回すこと」
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Point5 チャネルやメディアを通じて到達可能なターゲットか?
Point1~4では、ターゲットが属する市場の顧客層や競合他社について述べてきました。市場規模が大きく、ライバルが少なければ、その市場には大きなチャンスが広がっていると言えるでしょう。また、成長性や波及効果が期待できるのであれば、その市場のポテンシャルは計り知れません。しかし、そこに「到達可能性(Reach)」がなければ、その市場を制することは困難を極めます。
例えば、担当部署が特定できないケースや、デジタルや対面含めて担当者への接触が困難なケースは「到達可能性に欠ける」と言わざるを得ないでしょう。人脈やメディアを駆使してもターゲットに接触できないようであれば、そのターゲティングは見直す必要が出てきます。
Point6 アクションに対する効果が測定可能なターゲットか?最後にご紹介するのは「測定可能性(Response)」です。ターゲットに対してマーケティングやセールスを行う上では、そのアクションを数値化し、何がどれだけ成果に繋がったのか検証する必要があります。そのため、測定できないようでは、施策に対する検証もできなければ改善もできません。ターゲットを設定する際には、中長期的な視点に立って「再現性のあるノウハウ」を蓄積できるようにすることが必要です。
成功の秘訣は「ターゲットの検証サイクルを素早く回すこと」
まとめ:ターゲティングがBtoBセールス&マーケティングの成否を決める
新規営業のパフォーマンス最大化を考える時、多くの人はテレアポやプレゼンの戦術やテクニックを磨くことに走りがちです。しかし、「ターゲティングの精度を1%上げれば、営業の成果は格段に向上する」という事実を忘れてはいけません。
今回ご紹介した観点を参考に、ぜひ効率的なBtoBセールスを実現してください。
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