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岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因 となります。原因として、ひとつにはコンクリート打設時のセパレーター下面部の充填不良が挙げられます。また、打設 後には、コンクリートが硬化し、それに伴って乾燥収縮が起きますが、セパレーターは型枠により取付位置が保持され るため、セパレーター下面には空隙が発生する可能性が有ります。 これらの対策として、止水リングなど漏水を防ぐための製品はいろいろと有りますが、いずれも決め手に欠けており、 根本的な解決には至っておりません。 ノンセパ型枠工法は止水性を最重要視し、コンクリート躯体内にセパレーターを残さない型枠施工方法です。もち ろん、これで完全に漏水を防止できるわけではありませんが、大きな一因を取り除くことができます。 方法としては、型枠最下部は立ち上がり部に埋め込んでおいたインサートで締め込み、上部は躯体天端より上に セパレーターを施工し、打設後に撤去します。これにより、躯体内を貫通するセパレーターは残らず、漏水対策に大き く貢献します。 打設高さ毎に3タイプある工法の概要をご説明します。 H 3.0m 打設高さが3.0m以下の場合、縦バタにワイドパネルビーム(リース品)を使用することで、ノンセパ工法が可能です。 H≦3.0m 1 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

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Page 1: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因となります。原因として、ひとつにはコンクリート打設時のセパレーター下面部の充填不良が挙げられます。また、打設後には、コンクリートが硬化し、それに伴って乾燥収縮が起きますが、セパレーターは型枠により取付位置が保持されるため、セパレーター下面には空隙が発生する可能性が有ります。 これらの対策として、止水リングなど漏水を防ぐための製品はいろいろと有りますが、いずれも決め手に欠けており、根本的な解決には至っておりません。 ノンセパ型枠工法は止水性を最重要視し、コンクリート躯体内にセパレーターを残さない型枠施工方法です。もちろん、これで完全に漏水を防止できるわけではありませんが、大きな一因を取り除くことができます。 方法としては、型枠最下部は立ち上がり部に埋め込んでおいたインサートで締め込み、上部は躯体天端より上にセパレーターを施工し、打設後に撤去します。これにより、躯体内を貫通するセパレーターは残らず、漏水対策に大きく貢献します。 打設高さ毎に3タイプある工法の概要をご説明します。

打設高さ:H≦3.0mの場合

打設高さが3.0m以下の場合、縦バタにワイドパネルビーム(リース品)を使用することで、ノンセパ工法が可能です。

設 計 例

H≦3.0m 1 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 2: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

記 号 単 位 判 定

R m/hr

T ℃

Wc kN/m3

Wc 100R kN/m2

3 T+20 t/m2

Pmax

Wc

H m

7

3000

δ mm OK

d mm

As mm2

kg

kN

σa N/mm2

TU kg/cm2

As N/mm2 OK

d mm

As mm2

kg

kN

kg

kN

σa N/mm2

TL1 kg/cm2

As N/mm2 OK

打 設 条 件 及 び 構 造 計算 諸デ ー タ

打設高さ:H≦3.0mの場合

項 目 仕 様

コ ン ク リ ー ト の 単 位 重 量

天 端 ボ ル ト(タイロッド)

使 用 材 料ボ ル ト 径 W5/8

下部アンカーボ ル ト

使 用 材 料ボ ル ト 径 W5/8(d=15.8mm)

日本建築学会『建築工事標準仕様書・・JASS5・・ 鉄筋コンクリート工事』(2009年版)第2節2.8項「部材の位置・断面寸法の精度および仕上がり状態」より

数 値

打 設 条 件コ ン ク リ ー ト 標 準示 方 書 準 拠

コ ン ク リ ー ト 打 設 速 度 1.000

コ ン ク リ ー ト 温 度 15.000

23.500

最 大 側 圧 Pmax= 1+ ≦100 Pmax

30.214

3.081

打 設 高 さ 3.000

た わ み 量JASS5

※に基づく許

容たわみ量(参考)δa=H× δa 7.000 mm

コ ン ク リ ー ト ヘ ッ ド 高 さCon. 天 端 か ら 最 大 側 圧に達する位置までの深さ

hc= hc 1.286 m

146.500

最大引張力 上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 TU

2,279.000

22.000

15.800

有効断面積 各種応力度を計算する断面積

上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 6.950

引張応力度

許 容 引 張 応 力 度 235.000

上 記 条 件 に基 づ く 計 算 値

σt= (σt≦σa) σt

1,555.631

152.555

15.800

有効断面積 各種応力度を計算する断面積 146.500

最大引張力

上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 TL0

3,176.000

31.000

横バタを介してアンカーボルトに加わる計算値 TL1

3,461.000

34.000

引張応力度

許 容 引 張 応 力 度 235.000

上 記 条 件 に基 づ く 計 算 値

σt= (σt≦σa) σt

2,362.457

231.677

H≦3.0m 2 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 3: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

打設高さ:H≦3.0mの場合

施 工 写 真

型枠地組 型枠建て込み

完成躯体

下部アンカーボルト

H≦3.0m 3 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 4: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

打設高さ:3.0m<H≦4.10mの場合

打設高さが3.0m以上、4.1m以下の場合、ワイドパネルビーム(リース品)にトラス補強部材(販売品)を取り付けた形式の縦バタを使用することで、ノンセパ工法が可能です。

設 計 例

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因となります。原因として、ひとつにはコンクリート打設時のセパレーター下面部の充填不良が挙げられます。また、打設後には、コンクリートが硬化し、それに伴って乾燥収縮が起きますが、セパレーターは型枠により取付位置が保持されるため、セパレーター下面には空隙が発生する可能性が有ります。 これらの対策として、止水リングなど漏水を防ぐための製品はいろいろと有りますが、いずれも決め手に欠けており、根本的な解決には至っておりません。 ノンセパ型枠工法は止水性を最重要視し、コンクリート躯体内にセパレーターを残さない型枠施工方法です。もちろん、これで完全に漏水を防止できるわけではありませんが、大きな一因を取り除くことができます。 方法としては、型枠最下部は立ち上がり部に埋め込んでおいたインサートで締め込み、上部は躯体天端より上にセパレーターを施工し、打設後に撤去します。これにより、躯体内を貫通するセパレーターは残らず、漏水対策に大きく貢献します。 打設高さ毎に3タイプある工法の概要をご説明します。

375 750 750 750 375

375 1500 750 375

525 1950 525

375 2250 375

1500 1500

3000

溝形鋼Ch.100×50×5/7.5

250 500 500 500 500 500 250

300

4100

4400

天端ボルト1-W5/8

縦バタWPB03

縦バタWPB39

アジャストプラグ1-W5/8

アンカーボルト1-W5/8×150

アジャストベース

縦バタWPB03

フォームタイ1-W5/8×400

3.0m<H≦4.1m 4 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 5: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

記 号 単 位 判 定

R m/hr

T ℃

Wc kN/m3

Wc 100R kN/m2

3 T+20 t/m2

Pmax

Wc

H m

7

3000

δ mm OK

d mm

As mm2

kg

kN

σa N/mm2

TU kg/cm2

As N/mm2 OK

d mm

As mm2

kg

kN

kg

kN

σa N/mm2

TL1 kg/cm2

As N/mm2 OK

44.000

日本建築学会『建築工事標準仕様書・・JASS5・・ 鉄筋コンクリート工事』(2009年版)第2節2.8項「部材の位置・断面寸法の精度および仕上がり状態」より

引張応力度

許 容 引 張 応 力 度 235.000

上 記 条 件 に基 づ く 計 算 値

σt= (σt≦σa) σt

2,098.976

205.839

横バタを介してアンカーボルトに加わる計算値 TL1

3,075.000

30.000

下部アンカーボ ル ト

使 用 材 料ボ ル ト 径 W5/8(d=15.8mm) 15.800

有効断面積 各種応力度を計算する断面積 146.500

最大引張力

上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 ( 縦 バ タ 毎 ) TL0

4,508.000

引張応力度

許 容 引 張 応 力 度 235.000

上 記 条 件 に基 づ く 計 算 値

σt= (σt≦σa) σt

2,382.935

233.686

上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 6.803

天 端 ボ ル ト(タイロッド)

使 用 材 料ボ ル ト 径 W5/8 15.800

有効断面積 各種応力度を計算する断面積 146.500

最大引張力 上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 ( 縦 バ タ 毎 ) TU

3,491.000

34.000

打 設 高 さ 4.100

た わ み 量JASS5

※に基づく許

容たわみ量(参考)δa=H× δa 9.567 mm

コ ン ク リ ー ト ヘ ッ ド 高 さCon. 天 端 か ら 最 大 側 圧に達する位置までの深さ

hc= hc 1.286 m

コ ン ク リ ー ト の 単 位 重 量 23.500

最 大 側 圧 Pmax= 1+ ≦100 Pmax

30.214

3.081

項 目 仕 様 数 値

打 設 条 件コ ン ク リ ー ト 標 準示 方 書 準 拠

コ ン ク リ ー ト 打 設 速 度 1.000

コ ン ク リ ー ト 温 度 15.000

打 設 条 件 及 び 構 造 計算 諸デ ー タ

打設高さ:3.0m<H≦4.10mの場合

3.0m<H≦4.1m 5 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 6: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

打設高さ:3.0m<H≦4.10mの場合

施 工 写 真

型枠地組 型枠建て込み

完成躯体(養生中)

3.0m<H≦4.1m 6 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 7: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

打設高さ:4.1m<H≦6.0mの場合

打設高さが4.1m以上、6.0m以下の場合、シングルトラス構造で製作した縦バタ(受注生産品)を使用することで、ノンセパ工法が可能です。

設 計 例

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因となります。原因として、ひとつにはコンクリート打設時のセパレーター下面部の充填不良が挙げられます。また、打設後には、コンクリートが硬化し、それに伴って乾燥収縮が起きますが、セパレーターは型枠により取付位置が保持されるため、セパレーター下面には空隙が発生する可能性が有ります。 これらの対策として、止水リングなど漏水を防ぐための製品はいろいろと有りますが、いずれも決め手に欠けており、根本的な解決には至っておりません。 ノンセパ型枠工法は止水性を最重要視し、コンクリート躯体内にセパレーターを残さない型枠施工方法です。もちろん、これで完全に漏水を防止できるわけではありませんが、大きな一因を取り除くことができます。 方法としては、型枠最下部は立ち上がり部に埋め込んでおいたインサートで締め込み、上部は躯体天端より上にセパレーターを施工し、打設後に撤去します。これにより、躯体内を貫通するセパレーターは残らず、漏水対策に大きく貢献します。 打設高さ毎に3タイプある工法の概要をご説明します。

ピッグテールアンカー1-W3/4×610

天端ボルト1-W3/4

滑止めアンカー1-W5/8×150

トラス縦バタ1-H.175×90×5/8

片ネジセパ1-W3/4

溝形鋼(別途)1-Ch.100×50×5/7.5

横バタ2-Ch.100×50×5/7.5

横バタ2-□.60×60×2.3

トラス垂直材1-Ch.100×50×5/7.5

トラス斜材1-Ch.100×50×5/7.5

シーボルト1-φ28(W3/4)×450

150

5000

500

300 900 600 900 300

375 750 750 750 375

300 1500 900 300

300 2400 300

1500 1500

375 750 750 750 375

4.1m<H≦6.0m 7 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 8: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

記 号 単 位 判 定

R m/hr

T ℃

Wc kN/m3

Wc 100R kN/m2

3 T+20 t/m2

Pmax

Wc

H m

7

3000

δ mm OK

d mm

As mm2

kg

kN

kg

kN

σa N/mm2

TU1 kg/cm2

As N/mm2 OK

W3/4 d mm

kg

N

kg

N

L mm

Tb N

T0 N

kg

kN

kg

N OK

※ 日本建築学会『建築工事標準仕様書・・JASS5・・ 鉄筋コンクリート工事』(2009年版)第2節2.8項「部材の位置・断面寸法の精度および仕上がり状態」より

打設高さ:4.1m<H≦6.0mの場合

最大引張力

上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 ( 縦 バ タ 毎 ) TL0

5,899.000

58.000

横バタを介してアンカーボルトに加わる計算値TL1

6,288.000

(TL1≦T0) 61,664.000

変 位 量 3mm 時 の 許 容 荷 重 L=610mm 82,400.000

許 容 引 き 抜 き 荷 重 T0=MIN[Ta,Tb] 75,500.000

Ta=Pb×0.7 Ta

7,700.000

75,500.000

σt= (σt≦σa) σt

2,058.145

201.835

ア ン カ ー ボ ル ト 埋 め 込 み 長 さ 610.000下部アンカーボ ル ト

使 用 材 料

ピ ッ グ テ ー ル ア ン カ ー 18.980

破 断 強 度 Pb

11,000.000

107,900.000

降 伏 荷 重

上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 7.594

天 端 ボ ル ト( タイロッド)

使 用 材 料ボ ル ト 径 W3/4 18.980

有効断面積 各種応力度を計算する断面積 216.700

最大引張力

上 記 条 件 に 基 づ く 計 算 値 ( 縦 バ タ 毎 ) TU0

4,184.000

41.000

横 バタ を介 して 天端 ボ ル トに 加わ る計 算値 TU1

4,460.000

44.000

引張応力度

許 容 引 張 応 力 度 235.000

上 記 条 件 に基 づ く 計 算 値

た わ み 量JASS5

※に基づく許

容たわみ量(参考)δa=H× δa 11.667 mm

コ ン ク リ ー ト ヘ ッ ド 高 さCon. 天 端 か ら 最 大 側 圧に達する位置までの深さ

hc= hc 1.286 m

最 大 側 圧 Pmax= 1+ ≦100 Pmax

30.214

3.081

打 設 高 さ 5.000

打 設 条 件コ ン ク リ ー ト 標 準示 方 書 準 拠

コ ン ク リ ー ト 打 設 速 度 1.000

コ ン ク リ ー ト 温 度 15.000

コ ン ク リ ー ト の 単 位 重 量 23.500

打 設 条 件 及 び 構 造 計算 諸デ ー タ

項 目 仕 様 数 値

4.1m<H≦6.0m 8 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx

Page 9: 岡谷建材ノンセパ型枠工法岡谷建材ノンセパ型枠工法 ボックスカルバートの側壁等、地下構造物の外壁の施工に於いては、型枠に使用するセパレーターが漏水の一因

岡 谷 建 材 ノ ン セ パ 型 枠 工 法

施 工 写 真

打設高さ:4.1m<H≦6.0mの場合

下部ハンチ型枠 完成躯体

下部アンカーボルト 上部セパレーター

4.1m<H≦6.0m 9 ノンセパ型枠説明資料150113.xlsx