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京都府保健環境研究所 理化学課
平成26年10月31日
* 残留農薬の規制及び検査計画について
* 農産物中の残留農薬の検査について
* 平成25年度の残留農薬検査結果について
本日のお話の内容
食品等の安全性に関わる主な理化学検査
-農産物、加工食品中の残留農薬検査
-柑橘類中の防かび剤検査
-放射性物質検査
-アレルギー食品検査
医薬品等の主な検査
-危険ドラッグ
理化学課の業務内容
農産物中の残留農薬とは
残留農薬(ざんりゅうのうやく)とは、農産物等に残った農薬のこと。(主に、殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の化学物質)
食品衛生法では、残留量が基準値を超えてはならないと定められている。
別に定めのない限り、残留基準値は0.01ppmとされており、これを一律基準と呼ぶ。
残留農薬の規制について
食品衛生監視指導計画
食品衛生法第24条: 都道府県知事、保健所を設置する市の市長、特別区の区長は毎年度、翌年度の当該都道府県等が行う監視指導の実施に関する計画を定めなければならない。 (抜粋)
府内で生産、製造及び流通する食品等の安全性を確保するため、生産量、流通量、過去の違反実態を勘案し、その他食品にまつわる不安や事故等社会的問題に的確に対応するため、食品等の検査計画を策定
平成26年度検査計画策定の進め方
府内で製造・生産・販売・流通する食品の安心・安
全の確保
審議会や府民の意見を聴取のうえ、年間検査計画を
策定
重点的取組事項を設定し検査を実
施
合計
750検体
農産物の残留農薬検査の目的
残留基準値評価(食品衛生法)
(農薬の適正使用評価(農薬取締法))
消費者のための食の安全性評価
残留農薬での1ppmとは
例 ほうれん草1kgに農薬が1mg含まれている量
(通常1mg/kg又は1μg/gを1ppmと表す)
農産物中の残留農薬検査の特徴
*ポジティブリスト制度 平成18年5月末 施行 全ての農産物等に対して農薬等(現在約800農薬)の残留基準値が定 められた。
ポジティブリスト制度施行前
平成18年5月以前の農産物中の残留基準値例単位:ppm
農産物 A農薬 B農薬 C農薬 D農薬きゅうり 0.5 1 - -たまねぎ - - 2 1はくさい - 3 3 10*(-)は規制がない。
ポジティブリスト施行後(現在)
平成18年5月以降の農産物中の残留基準値例単位:ppm
農産物 A農薬 B農薬 C農薬 D農薬きゅうり 0.5 1 0.01 0.01たまねぎ 0.01 0.01 2 1はくさい 0.01 3 3 10*原則全ての農産物に規制がかかる。
検体処理部位例
農産物 検査部位
米 玄米
しゅんぎく 根及び変質葉を除去したもの
ほうれん草赤色根部を含み、ひげ根及び変質葉を除去したもの
バナナ 果柄部を除去したもの
レモン 果実全体
えだまめ、未成熟いんげん及び未成熟えんどう
花梗を除去したもの
くり、ぎんなん、くるみ等 外果皮を除去したもの
↑正確には側根
試験溶液の調製①
○均一化(ホモジナイズ) 採取試料に偏りをなくすため
→
試験溶液の調製② ○抽出 有機溶媒で農薬成分等を取り出す
○精製(活性炭カラム) 農薬以外の成分をできるだけ除く
→ 試験溶液
試験溶液をガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS/MS) 及び高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS) で測定
ガスクロマトグラフ質量分析計は1試料につき、通常1回測定 測定時間約35分、180農薬
高速液体クロマトグラフ質量分析計は1試料につき、通常1回測定、測定時間約60分、60農薬
分析機器による測定
ガスクロマトグラフ質量分析計
16
クロロタロニル標準液(0.1μg/mL(ppm))
なすから検出されたクロロタロニル (0.01ppm相当:残留基準値2ppm)
m/z=266
GC/MS測定による農薬検出例
保持時間 (分)→ 保持時間 (分)→
残留農薬等の食品検査に伴うリスク
*生産者に対するリスク
残留基準値等の違反でないのに違反とした場合
*消費者に対するリスク
残留基準値等の違反なのに違反でないとした場合
→信頼性のある検査が求められる
平成25年度残留農薬検査業務実績 (年間計画に基づいて検査を実施)
検体数 項目数
府内、輸入 136 35,008 138残留基準値、
農薬の適用外使用
輸入 12 660 10
国産 17注) 17 10
注 冷凍加工食品中のマラチオンの緊急検査
冷凍加工食品中の有機リン系農薬
安全評価
試験検査内容産地等(製造)
25年度実績 26年度計画検体数
目的
農産物中の残留農薬
25年度残留農薬検査の農産物の種類及び検体数①
府内産 府外産
玄米 10
小麦粉※ 1
オレンジ 3
グレープフルーツ 3
レモン 4
バナナ 2
日本なし 4※京都府産20%、カナダ・アメリカ産80%の混合
生産地
果実
国内産品
農産物
輸入品種類区分
穀類
25年度残留農薬検査の農産物の種類及び検体数②
府内産 府外産
トマト 4
なす 8
ばれいしょ 4
きゅうり 4
とうがらし 3 1
たまねぎ 4
かぶの根 4 4
だいこんの根 4 4
黒大豆 4
野菜
区分 種類
国内産品
輸入品
生産地農産物
25年度残留農薬検査の農産物の種類及び検体数③
府内産 府外産
はくさい 4
花菜 2
キャベツ 4
みず菜 8
えだまめ 8 2
ねぎ 8 2
ほうれんそう 8 2
パプリカ 3
さやいんげん 2
茶 茶 8
87 25 24
農産物 生産地
合計
野菜
区分 種類
国内産品
輸入品
19種55検体(国内産品13種41検体、輸入品9種14検体)から35種類の農薬が延べ91件検出された。
検出率(検出検体数/検査検体数)は40%(国内産品37%、輸入品58%)であった。
厚生労働省が定める残留基準を越えるものは認められなかった。
基準値の10%未満であったものが全検出数の90%以上を占めていた。
25年度残留農薬結果まとめ
ご清聴ありがとうございました。