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2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野) 1 EMCHERA‐ZEUSにおける muon‐LFV実験に関するコメント 水野義之 京都女子大学 現代社会学部

EMCとHERA‐ZEUSにおけるsato/100223muonWS/...験(NA2, NA9, NA28) • ~1985 (最後の実験) 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野) 6 NMCはmuon‐LVF実験を検討。

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  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  1

    EMCとHERA‐ZEUSにおける muon‐LFV実験に関するコメント 

    水野義之 京都女子大学 現代社会学部 

  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  2

    もくじ

    •  簡単な自己紹介 •  この話の背景と動機・目的 

    – EMCにおけるmuon‐LFV実験はやっていない – NMCはmuon‐LVF実験を検討したがやってない – HERA‐ZEUSでは行われた 

    •  LFVの解釈:LeptoQuarkの例題 •  HERA‐ZEUS実験結果の解釈 •  まとめ 

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    簡単な自己紹介

    •  ~1982 東北大学LNSで電子散乱 •  1982‐1984 CEN‐Saclay電子散乱で交換流の発見 

    –  1983 EMC効果の発見:Quark分布関数(核子のF2構造関数)の原子核効果 

    •  1984 CERN‐EMCのHeidelbergグループに参加 •  1985 EMC最後の年、最後の実験データ収集 •  1987 偏極実験でQuark‐Spin問題を初めて指摘 •  1989 NMC、各種の原子核でEMC効果を測定 •  1990 阪大RCNP(……) •  1999 京都女子大学に新学部設置準備室 •  2000 京都女子大学、現代社会学部の発足

  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  4

    この話の背景と動機・目的 

    •  EMC(European Muon CollaboraNon)と – Muonと関係することを明示 

    •  HERA‐ZEUSにおける – ある人物がLFV実験をEMC/NMCで提案 – 高エネルギーのLFV実験をHERA‐ZEUSで実現 

    •  muon‐LFV実験に関するコメント – 「研究」ではなく「コメント」である 

  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  5

    EMCは何をやったか?•  前史:1969 SLAC、20GeV電子、深非弾性散乱、Bjorkenスケール則、クォーク・パートン模型 

    •  1971 非可換ゲージ理論の繰り込み可能性 •  1972 非可換ゲージ理論の漸近的自由性の証明(QCDの発見) 

    •  ~1974 Bjorkenスケーリングの破れとQCD •  1977 EMCの実験提案:QCDの検証、ハドロン終状態(J/ψなど)、Shadowing実験、偏極標的の実験(NA2, NA9, NA28) 

    •  ~1985 (最後の実験) 

  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  6

    NMCはmuon‐LVF実験を検討。 しかし、やらなかった。

    •  NMC = New Muon CollaboraNon – EMCの後継、別の共同研究 – 主にEMC効果の精密測定 

    •  NMCのProposal 検討中に、C.HeuschがDISのμe転換(LFV)実験を提案した – しかし共同研究のボスが反対 – 私は面白いと思った 

    •  最終的に採用されなかった 

  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  7

    NMCとNeufferのμ‐cooling (1986年に日本でも水野が紹介)

    D.Neuffer,”Principles and Applications of Muon Cooling”, FN-378(1983)

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    HERA‐ZEUSでのLFV実験の解釈: LeptoQuarkの例題を理解する

    •  C.Heuschらが参加、ついにLFV実験解析を実施 “Search for Lepton Flavor ViolaBon in ep Collisions”, ZEUS CollaboraBon, Z. Phys. C73, 613 (1997). 

  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  9

    LFVを引き起こす相互作用

    •  寄与が小さくて見えない(と考える) •  関与する「質量スケール」   が大きい •             が標準模型の に加わる •  Hga 

    Lcontact

    LSM

    Λ

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    質量スケールΛのプロパゲータ効果

    1Λ2

    λabλcdΛ2 +Q2

    =λabλcd

    Q2 + MLQ2€

    q1

    q2€

    e

    q1

    q2

    e

    λcd

    LQ

    λab

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    •  断面積は 

    の二乗に比例 

    •  断面積の測定 から 

    が直接求まる •  大  で顕著に 

    λabλcdQ2 + MLQ

    2

    LQの質量と 結合定数の上限

    λabλcdΛ2 +Q2

    =λabλcd

    Q2 + MLQ2

    Q2

  • 2010/02/23 ミューオン科学と加速器研究(水野)  12

    ZEUSでの LVF結果•  上の図は、 終状態に 電子がない イベント。 これがCCの MCと一致 

    •  よってLQは 見えなかった 

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    ZEUSでのLFV結果(2) 

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    まとめ 

    •  EMC/NMCで高エネルギーμを使ったLFV実験提案もあったが、実現されなかった。 

    •  HERA‐ZEUSでの実験解析での上限 •  高エネルギーで有利になる過程もある