東邦大学医療センター佐倉病院 市民講座

地域で考えるケアと治療

認知症とともに歩む“診断と治療”

Nov.28，15

JAAD（アルツハイマー病研究会） 作成

(万人) (％)

2001年 2006年 2011年 2016年 2021年 2026年

165 201

240

278

309 330

7.3％ 7.8％

8.5％ 8.6％ 9.3％

10.0％

＊％は65歳以上の高齢者人口に対する割合

平成9年1月の「日本の将来推計人口」をもとに、平成13年に大塚が推計したもの (大塚敏男：日本における認知症性老人数の将来推計、平成9年の「将来推計人口」をもとに. 日精協誌 20:65-69, 2001)

認知症を有する高齢者の将来推計数

0

100

200

300

400

0

5

10

15

20

65歳以上の認知症高齢者数

本日の内容

1.認知症の周辺症状のあらまし 感情・意欲の症状 人格変化 幻覚・妄想

２.行動異常 ３.行動異常への対策

key words: アルツハイマー病型認知症

生活機能の障害

• せん妄

• 抑うつ

• 興奮

• 徘徊

• 睡眠障害

• 妄想

ほか

思考・推理・判断・適応・問題解決

中核症状 周辺症状

ほか

•

失認

•

失行

•

言語障害（失語）

•

見当識障害

•

判断力低下

•

記憶障害

認知機能障害

認知症の中核症状と周辺症状

かかりつけ医認知症対応力向上研修テキスト（平成20年）より引用

認知症の経過と医療依存度 （アルツハイマー病等変性疾患の場合）

Ｍ Ｃ Ｉ 軽 度 中等度 終 末 期 高 度

看取りに向けた

全人的医療

認知症特有のリスクを

踏まえた全身管理 周辺症状をもたらす身体症状の改善

身体疾患そのものに対する適切な医療

向精神薬の投与など適切な薬物療法

による激しい周辺症状への対応

薬物療法による副作用の除去

身体に関する 医療依存度

認知症医療

抑うつ症状

いらいら感

性格変化

歩行・座位維持困難

嚥下機能低下→肺炎等リスク

呼吸不全

高齢期特有の疾患や大腿骨頚部骨折（特に中等度の場合） など一般的な身体疾患

周辺症状をもたらす水分電解質異常・便秘・発熱・薬の副作用

中核症状

会話能力の喪失

基本的ＡＤＬ能力の喪失・失禁

覚醒・睡眠リズムの不明確化

（東京都福祉保健局編資料を一部改変）

抑うつ・不眠・食欲低下等の治療

認知症（疑い含む）に関する相談（受診先等）

診察＆検査＆診断→治療方針＆生活支援方針の組み立て→症状の進行に合わせて随時見直し

中核症状の進行抑制（塩酸ドネペジル）

告知→生活方針、医療側との意識共有

他の疾患の鑑別→疾患に応じた治療

認知機能

中核症状

記憶障害、見当識障害の進行

趣味・日課への興味の薄れ

周辺症状

もの盗られ妄想・嫉妬妄想

抑うつ・不安

中核症状

記憶障害の進行、会話能力の低下

基本的ADL（着脱衣、入浴）の部分的介助

周辺症状

徘徊・多動・攻撃的言動・妄想・幻覚等

身体医療

認知症に関する 医療依存度

（ニチイまなびネットHPより）