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経済懇話会講演 経済懇話会講演 経済懇話会講演 経済懇話会講演 経済懇話会講演 経済懇話会講演 経済懇話会講演 経済懇話会講演 2016.1.23 2016.1.23 2016.1.23 2016.1.23 日中関係今後中国経済 日中関係今後中国経済 京都大学経済学研究科 京都大学経済学研究科 京都大学経済学研究科 京都大学経済学研究科 劉 徳強 徳強 徳強 徳強

日中関係と今後の中国経済 - 京都大学dosokai/konwakai45.pdf · る。最近清国紙などは、わが政府が台湾付近の清国所属の島嶼を占拠し ようとしているとの風説を掲載し、清国政府に注意を促している。この

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経済懇話会講演経済懇話会講演経済懇話会講演経済懇話会講演経済懇話会講演経済懇話会講演経済懇話会講演経済懇話会講演

2016.1.232016.1.232016.1.232016.1.23

日中関係と今後の中国経済日中関係と今後の中国経済

京都大学経済学研究科京都大学経済学研究科京都大学経済学研究科京都大学経済学研究科

劉劉劉劉 徳強徳強徳強徳強

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Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ 日中関係日中関係日中関係日中関係Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ 日中関係日中関係日中関係日中関係

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1.日中関係の現状1.日中関係の現状

・指導者が会えない、会いたくない。・指導者が会えない、会いたくない。

・国民同士の反感や憎悪が戦後最悪。

・軍事的な対立もエスカレートし、一歩間違えば、戦争に

突入。突入。

�最近、若干改善されているが、依然として非常に悪い状�最近、若干改善されているが、依然として非常に悪い状

況が続く。

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第11回日中共同世論調査(日本の言論NPOと中国国際出版集団、2015年8-9月実施)。

出所:http://www.genron-npo.net/world/archives/6011.html

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何故、このような状況になったのか

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■日本人が中国に対する悪い印象を持つ理由:

1.歴史問題などで日本を批判するから 55.1%

2.資源やエネルギー開発などの行動が自己中心的に見えるから 53%

3.国際的なルールと異なる行動をするから 47.9%

4.尖閣諸島をめぐる対立が続いているから 46.4%

5.中国のメディアが半日報道を繰り返すから 41.7%

6.軍事力の増強や、不透明さが目に付くから 39.2%

■中国人が日本に対する悪い印象を持つ理由:

1.中国を侵略した歴史についてきちんと謝罪し反省していないから 70.5%1.中国を侵略した歴史についてきちんと謝罪し反省していないから 70.5%

2.日本が魚釣島を「国有化」し、対立を引き起こしたから 68.1%

3.日本は米国と連携して軍事、経済、イデオロギー3.日本は米国と連携して軍事、経済、イデオロギー

などの面から中国を包囲しようとしているから 41.1%

4.一部の政治家の言動が不適切だから 33.4%

5.日本のメディアが中国の脅威を宣伝するから 30.4%

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私見:日中間に客観的に存在する問題2つある。私見:日中間に客観的に存在する問題2つある。

①歴史問題:かつての侵略の歴史をどう捉えるかの問題。①歴史問題:かつての侵略の歴史をどう捉えるかの問題。

②領土問題:主張の異なる領土をどう扱うかの問題。②領土問題:主張の異なる領土をどう扱うかの問題。

いずれも新しい問題ではなく、国交正常化する前から存在。

2000年頃まで、両国関係の発展を大きく妨げなかった。

�これらの問題の存在は両国関係が近年のように悪化する�これらの問題の存在は両国関係が近年のように悪化する

決定的な理由とは思えない。

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2.日中関係が悪化する本当の理由2.日中関係が悪化する本当の理由

①アメリカの対中抑止政策の影響

②日本国内における右翼勢力の台頭②日本国内における右翼勢力の台頭

③日本のメディアの偏向的な報道

④中国側の理由(?)④中国側の理由(?)

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①アメリカの対中抑止政策の影響

・冷戦時代:

アメリカは旧ソ連に対抗するため中国を必要とした。アメリカは旧ソ連に対抗するため中国を必要とした。

日本もそれに追随し、中国と国交を樹立

・冷戦終了後:

アメリカは唯一の超大国となったこと、中国が急速にアメリカは唯一の超大国となったこと、中国が急速に

台頭したことなどにより、中国を抑止するのがアメリ

カの重要な世界戦略となった。

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■パウエル元国務長官:

「中国の台頭はもはや誰も抑えることはできない。重要な

のは台頭した中国の矛先をアメリカに向かわせないこと

だ。」

では、誰に向かわせるのか。それは間違いなく日本や中国

周辺の国々だろう。周辺の国々だろう。

■ キッシンジャー元国務長官:■ キッシンジャー元国務長官:

「アメリカの外交政策の一つの重要なポイントは、日本と

中国を仲良くさせないことだ。」中国を仲良くさせないことだ。」

�2人の主張からわかるように、日中両国を対立させること�2人の主張からわかるように、日中両国を対立させること

は、アメリカの国益であり、アメリカの世界戦略である。

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・中国と周辺国の相互依存関係が強くなっている状況

の中で、お互いの関係を悪化させる最も効果的な方法

は領土問題である。は領土問題である。

日中間の尖閣諸島(釣魚島)の問題

中国とアセアンの間の南沙諸島の問題

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尖閣諸島(魚釣島)の問題尖閣諸島(魚釣島)の問題

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■尖閣諸島(釣魚島)をめぐる主張

・日本政府:・日本政府:

尖閣諸島は法的にも歴史的にも日本の固有の領土であ

る。る。

・中国政府:・中国政府:

釣魚島は法的にも歴史的にも中国の固有の領土である。

�両者の主張は真っ向から対立している。

真実はどうだろうか。

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日本側日本側日本側日本側のののの根拠根拠根拠根拠:::: 国標設置許可国標設置許可国標設置許可国標設置許可のののの閣議決定閣議決定閣議決定閣議決定日本側日本側日本側日本側のののの根拠根拠根拠根拠:::: 国標設置許可国標設置許可国標設置許可国標設置許可のののの閣議決定閣議決定閣議決定閣議決定

明治18(1885)年10月21日付で、日本側が計画していた尖閣諸島への国標建設について、当時の内務大臣山県有朋と外務大臣井上馨との間で交建設について、当時の内務大臣山県有朋と外務大臣井上馨との間で交わされた文書などが公開されている。その中で、井上氏は以下のように述べている。

『これらの島々(尖閣諸島)は清国国境に近く、清国も島名を付している。最近清国紙などは、わが政府が台湾付近の清国所属の島嶼を占拠しる。最近清国紙などは、わが政府が台湾付近の清国所属の島嶼を占拠しようとしているとの風説を掲載し、清国政府に注意を促している。この時期に公然と国標建設などの措置に出れば、必ずや清国の疑惑を招く。国標を建て開拓などに着手するのは、他日の機会を待つべき』(概訳)国標を建て開拓などに着手するのは、他日の機会を待つべき』(概訳)

外務省外務省外務省外務省がホームページがホームページがホームページがホームページ「「「「日本外交文書日本外交文書日本外交文書日本外交文書デジタルアーカイブデジタルアーカイブデジタルアーカイブデジタルアーカイブ第第第第18181818巻巻巻巻」」」」 575ページ

これは明治政府が清国と尖閣諸島との関係を認識し、譲歩した、とも受け取れます。

出典:http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-7098.html

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・1885(明治 18)年以降、古賀辰四郎氏などが尖閣諸島の開拓を数回・1885(明治 18)年以降、古賀辰四郎氏などが尖閣諸島の開拓を数回

に亘って沖縄県に申請したが、いずれも認められなかった。

・1894(明治 27)年 8 月 1 日、日清戦争が開戦し、その年末には勝

敗がほぼ決定していた12 月27 日、野村靖内務大臣は、1885(明治

18)年当時とは事情が異なるとして、「久場島及び魚釣島へ所轄標杭18)年当時とは事情が異なるとして、「久場島及び魚釣島へ所轄標杭

建設の件」の閣議提出について、陸奥宗光外務大臣の意見を求めた。

翌1895(明治28)年1月11日、外務大臣は、外務省としては別段異議が

ない旨回答した。かくして本件は、1895(明治28)年1月14日の閣議にない旨回答した。かくして本件は、1895(明治28)年1月14日の閣議に

提出され、沖縄県知事の上申通り、「久場島及び魚釣島」を同県所轄

とし、標杭建設を許可する閣議決定がなされた。出典:http://www.minusionwater.com/senkakushotou6.htm

しかし、この閣議決定は1950年まで公開しなかった。しかし、この閣議決定は1950年まで公開しなかった。

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1950195019501950年年年年にににに閣議決定閣議決定閣議決定閣議決定をををを公開公開公開公開したしたしたした理由理由理由理由1950195019501950年年年年にににに閣議決定閣議決定閣議決定閣議決定をををを公開公開公開公開したしたしたした理由理由理由理由

戦後、アメリカが沖縄と共に尖閣諸島を占領。その後、台湾に逃げた国民

党政府に返還が要求されたため、占領を正当化する根拠を日本政府に探さ

せたところ、この閣議決定を発見。これを根拠に占領を正当化した。

当時、在米中華民国の留学生たちが、釣魚台奪還をスローガンに保釣連盟

を作った。現在の馬英九中華民国(台湾)総統も、若いころのアメリカ留

学時にはそのメンバーだったそうです。

出典:吉岡英介http://www.minusionwater.com/senkakushotou6.htm

アメリカは尖閣諸島(魚釣島)の主権について、明確な立場を取らない理由はここにある。由はここにある。

�こうしたことから、中国が領有権を主張するのはそれなりの根拠があ�

ることがわかる。

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■領土問題の棚上げ

・1972年に、日中国交正常化の時に、田中首相と周恩来首相は尖閣問題に触れないことにした。に触れないことにした。

・1978年、日中平和友好条約締結のために来日した鄧小平氏は尖閣問題の棚上げを提案し、日本側からの反対もなかった。暗黙の了解となる。の棚上げを提案し、日本側からの反対もなかった。暗黙の了解となる。

・日中漁業協定日中漁業協定日中漁業協定日中漁業協定:尖閣諸島(釣魚島)を含む海域において、相手国漁民・日中漁業協定日中漁業協定日中漁業協定日中漁業協定:尖閣諸島(釣魚島)を含む海域において、相手国漁民による違法操業がある場合には、相手国に取り締まってもらうと規定。

■漁船衝突事件(2010年9月):中国船長を逮捕、主権行使に当たる。■漁船衝突事件(2010年9月):中国船長を逮捕、主権行使に当たる。

■尖閣諸島の国有化(2012年9月):日本の主権を明確化する。■尖閣諸島の国有化(2012年9月):日本の主権を明確化する。

�中国から猛反発されるのは当然�中国から猛反発されるのは当然

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南シナ海における領土問題南シナ海における領土問題

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■中国による南沙諸島に対する領有:

・清の時代に、中国政府は南沙諸島に対して測量し、管轄していた。例えば、1724年『清直省分図』の『天下総與図』、1755年『皇清各直省分図』の『天下総與図』、1767年『大清万年一統天下全図』、1810年『大清万年一統地量『天下総與図』、1767年『大清万年一統天下全図』、1810年『大清万年一統地量全図』、1817年『大清一統天下全図』などがすべて南沙諸島を中国の版図に入れている。

・民国期の1932年と1935年、中国参謀本部、内政部、外交部、海軍部、教育部及び蒙蔵委員会が共同で作った水陸地図審査委員会は、中国南海島々の名称132を査定し、西沙、中沙、東沙、南沙群島に分類していた。1933年,フランスが南沙諸島の太平島、中業島など9つの島々を占領し、中国政府が抗議。1935年,中国政府の水陸地図審査委員会が『中国南海各島嶼図』を編集し、南沙諸島を含む南海諸島の名称を具体的に記入した。諸島を含む南海諸島の名称を具体的に記入した。

・1939年、日本が南海諸島を占領した。

・1945年、中国の海防第二艦隊司令官林遵が「太平号」、「中業号」両艦艇を率いて南沙諸島を接収し、最大の島太平島に「太平島」と書いた記念碑を建てた。その後、中業島、西月島、南威島などで接収式を行い、記念碑を建てた。その後、中業島、西月島、南威島などで接収式を行い、記念碑を建てた。

http://baike.baidu.com/view/16187.htm

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■戦後処理■戦後処理

・1951年9月8日,日本が戦勝国との間で『サン・フランシスコ和平条約』が調印され、中華人民共和国と台湾の代表がいずれも参加できなかった。しか調印され、中華人民共和国と台湾の代表がいずれも参加できなかった。しかし、南沙諸島と西沙諸島に関する領土問題については、日本と中華民国の間で交渉させることにし、同会議に参加したフランスやベトナムではなかった。

・1952年4月28日,日本代表川田勇と田中華民国外交部長の葉公超が、サン・フランシスコ和平条約に基づいて、台北で日華平和条約を締結した。

第二条日本国は、千九百五十一年九月八日にアメリカ合衆国のサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約(以下「サン・フランシスコ条約」という。)第二条に基き、台湾及び澎湖諸島並びに新南群島(南沙約」という。)第二条に基き、台湾及び澎湖諸島並びに新南群島(南沙諸島のこと)及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したことが承認される。

この条約により、日本も南沙諸島の領有権は中国にあることを認めたことにある。

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中国が南シナ海において島礁を埋め立てる背景には周辺国

からの一方的な占領がある。

しかし、他の国々が南沙諸島に対する占領に対して、アメしかし、他の国々が南沙諸島に対する占領に対して、アメ

リカをはじめとする国際社会から何も言わないが、中国が

埋め立てをしたことに対して、中国脅威論、中国凶暴論が

展開された。展開された。

ここにアメリカの対中戦略がうかがえる。

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②②②②日本政治日本政治日本政治日本政治のののの右傾化右傾化右傾化右傾化についてについてについてについて

・米国の占領政策の転換により、戦争推進勢力が温存(岸信介等)

・1978年におけるA級戦犯の靖国神社への合祀

・1983年の歴史教科書の改訂・1983年の歴史教科書の改訂

・1985年における中曽根首相の靖国公式参拝・1985年における中曽根首相の靖国公式参拝

・1985年から始まる国鉄民営化�社会党潰し

・1989年における旧ソ連東欧の体制転換

�日本における左翼勢力の崩壊�日本における左翼勢力の崩壊

�自民党勢力の拡大

�旧岸派(反共親米)の勢力拡大:小泉、安倍�旧岸派(反共親米)の勢力拡大:小泉、安倍

�平和憲法の否定、侵略戦争の正当化

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・歴史問題の核心:日本はかつての侵略戦争をどう認識しているのか。・歴史問題の核心:日本はかつての侵略戦争をどう認識しているのか。

(認識の結果として、きちんと謝罪したかどうか)

・形式論:日本国の名の下で行った戦争に対して、日本国の名の下・形式論:日本国の名の下で行った戦争に対して、日本国の名の下(国会決議等)で公式に謝罪すべきだ。�これはなかった。

首相の談話のみ。

・実質論: 侵略戦争を美化したり、正当化したりするような言動を慎む

べきだ。

今日では、日本の政治は右翼一色に近い。政治家たちは競って靖国参拝今日では、日本の政治は右翼一色に近い。政治家たちは競って靖国参拝

戦争できる普通の国にしようとして、「安保法案」、憲法改正など

�日本は戦争の準備を着実に進めているというメッセージを海外に発信し�日本は戦争の準備を着実に進めているというメッセージを海外に発信し

ている。

�歴史問題に関する中国からの批判はほとんど日本の右翼政治家が招いた�歴史問題に関する中国からの批判はほとんど日本の右翼政治家が招いた

ものである。

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西西西西ドイツとドイツとドイツとドイツと日本日本日本日本のののの戦後処理戦後処理戦後処理戦後処理のののの違違違違いにいにいにいについてついてついてついて2006200620062006年年年年06060606月月月月07070707日日日日2006200620062006年年年年06060606月月月月07070707日日日日

日本の戦後はよくドイツ(正確には旧西ドイツ)と比較される。それは、

戦前戦中は同じようなファシズムの国であり、同盟を結んで侵略を続け、戦前戦中は同じようなファシズムの国であり、同盟を結んで侵略を続け、

戦後は同じ敗戦国として底辺から出発したにも関わらず、ドイツは「過去」の反省を徹底的に行い周辺国とも良好な関係を維持しているのに対し

て、日本はまったくその逆だからである。ドイツのシュミット元首相はこて、日本はまったくその逆だからである。ドイツのシュミット元首相はこ

のように言っている。

日本人と欧米人との最大の違いは、歴史の重要性を理解していないこと日本人と欧米人との最大の違いは、歴史の重要性を理解していないこと

だ。例えば、欧米で一流の政治家になろうとしたら、自分の国と世界の歴史に対する認識を明確に示さなくてはならない。ところが、日本では歴史をまともに学んでいない政治家があまりにも多い。をまともに学んでいない政治家があまりにも多い。

まさにその通りなのだが、ではなぜ戦後西ドイツは「歴史の重要性」を

理解し、国際的にも評価されるような「過去」の反省を行うことができた

のであろうか。実はそこには教科書が関係していたのである。

http://blog.livedoor.jp/happy0012/archives/50324059.html

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■戦争に対する天皇の姿勢

・昭和天皇

A級戦犯が靖国神社に合祀後、昭和天皇が一度も参拝しなかった。A級戦犯が靖国神社に合祀後、昭和天皇が一度も参拝しなかった。

昭和天皇が1988年に、靖国神社のA級戦犯合祀について強い不快感を

示し、「だから私はあれ以来参拝はしていない。それが私の心だ」など示し、「だから私はあれ以来参拝はしていない。それが私の心だ」など

と語っていた。日本経済新聞 7月20日、2006年

http://www.avis.ne.jp/~nihao/06syowa-tenno-memo.htm

・明仁天皇 2015年新年の所感

「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。・・・

この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後のこの機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の

日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思ってい

ます」。

�天皇陛下のこのような気持ちが日本の政治や外交に反映できれば、か

つての戦争は本当の意味で「過去」のものとなる。つての戦争は本当の意味で「過去」のものとなる。

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③日本のメディアの偏向的な報道

■読売新聞論 調:中道右派・親米保守発行部数:960万部。発行部数:960万部。経 営 者:正力松太郎。戦前内務官僚として戦争推進し、戦後A級戦犯に

指定されたが、CIAの協力者となり、不起訴となった。日本テレビ、読売テレビなどをも経営日本テレビ、読売テレビなどをも経営

■産経新聞論 調:親米保守・反共反中。靖国参拝支持。論 調:親米保守・反共反中。靖国参拝支持。発行部数:161万部(2014年)創 設 者:前田久吉。戦争に協力したとして公職追放。(今はネットニュースが多い)(今はネットニュースが多い)

■フジテレビ論 調:戦後、産経新聞社社長、フジテレビ創設論 調:戦後、産経新聞社社長、フジテレビ創設創設者:水野成夫。若い頃に日本共産党に入党、検挙され転向、反共へ。

�中国報道に関しては、これらに限らず、全般的に偏っている。�中国報道に関しては、これらに限らず、全般的に偏っている。�日中関係の悪化に対して、日本のメディアは大きな責任がある。

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3.中国政府の対日政策3.中国政府の対日政策

・一貫して日本を重視し、良好な関係を築こうとしている。・一貫して日本を重視し、良好な関係を築こうとしている。

理由:

・改革開放前: 旧ソ連との対抗上や日本との経済交流が重要

・改革開放後: 日本からの技術、資金、経営管理ノウハウなど

が非常に重要。

・今後: 日本の経済・社会発展や国家運営における経験が重要

私見: 中国は経済発展するほど、日本から学ぶべきものが多い。

�中国では、日本と仲を悪くしようとする政治指導者はいない。�中国では、日本と仲を悪くしようとする政治指導者はいない。

良識ある国民も日本と対決しようとしていない。

Page 29: 日中関係と今後の中国経済 - 京都大学dosokai/konwakai45.pdf · る。最近清国紙などは、わが政府が台湾付近の清国所属の島嶼を占拠し ようとしているとの風説を掲載し、清国政府に注意を促している。この

今年5月23日に、自民党の二階総務会長が率いる3000人の代表団を歓迎する式典で、中国の国家主席の習近平氏は演説を行った。それを聞いた日本大使館の方が感動したと言った。彼の演説では、以下のようなことを言っている。演説では、以下のようなことを言っている。

「中国は日中関係の発展を高度に重視しており、日中関係は歴史の風雨を「中国は日中関係の発展を高度に重視しており、日中関係は歴史の風雨を

経てきたが、中国側のこの基本方針は終始変わっておらず、今後も変わる

ことはない。我々は、道を同じくして、日中の四つの政治文書の基礎の上

に、両国の隣人としての友好と協力を推進していくことを願っている。」に、両国の隣人としての友好と協力を推進していくことを願っている。」

「我々は、日本の人民もあの戦争の被害者であると考えている。」「我々は、日本の人民もあの戦争の被害者であると考えている。」

「今日、日中双方は『歴史を鑑とし、未来に向かう』精神に基づき、平和「今日、日中双方は『歴史を鑑とし、未来に向かう』精神に基づき、平和の発展を共に促進し、共に世代にわたる友好を図り、両国で共に美しい未来を作り、アジアと世界のために協力して行かなければならない。」

私から見ると、習氏の演説では何も新しいものを言ったわけではなく、中国政府のこれまでの対日政策を繰り返しただけである。それだけ、中国の歴代政府は日本との友好関係を築こうとしている。うとしている。

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4.まとめ4.まとめ

・日中間における歴史問題や領土問題は一部の右翼政治家と米国によっ・日中間における歴史問題や領土問題は一部の右翼政治家と米国によっ

て「問題化」されたものである。

・日中両国の間には解決できない問題はない。日本の対中外交に、日本・日中両国の間には解決できない問題はない。日本の対中外交に、日本

の普通の国民の持っている相手に対する「思いやりの気持ち」があれ

ば、日中関係は必ず改善する。

・良好な日中関係は双方にとっても重要である。

・日本は米国の利益のためではなく、日本自身の利益のために対米、対・日本は米国の利益のためではなく、日本自身の利益のために対米、対

中外交を展開すべきである。

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Ⅱ.今後の中国経済Ⅱ.今後の中国経済

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1111....中国経済中国経済中国経済中国経済のののの減速減速減速減速

■最近、中国経済の減速が大いに注目されるようになっている。■最近、中国経済の減速が大いに注目されるようになっている。

■公式統計では、2012年以降、経済成長率が7%台となり、従来の10%を大

きく下回った。きく下回った。

■とりわけ、2015年第3四半期に入ると、6.9%にまで下がってしまった。

中国中国中国中国のののの経済経済経済経済成長率成長率成長率成長率 (1978(1978(1978(1978----2014, %)2014, %)2014, %)2014, %) 四半期成長率四半期成長率四半期成長率四半期成長率

14.015.016.0

中国中国中国中国のののの経済経済経済経済成長率成長率成長率成長率 (1978(1978(1978(1978----2014, %)2014, %)2014, %)2014, %)

14.0

15.0

16.0

四半期成長率四半期成長率四半期成長率四半期成長率

9.010.011.012.013.014.0

9.0

10.0

11.0

12.0

13.0

14.0

4.05.06.07.08.09.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

0.01.02.03.04.0

1978

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1982

1984

1986

1988

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0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

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対外貿易対外貿易対外貿易対外貿易のののの変化変化変化変化((((対前年同月比対前年同月比対前年同月比対前年同月比:%):%):%):%)

50.0

60.0

対外貿易対外貿易対外貿易対外貿易のののの変化変化変化変化((((対前年同月比対前年同月比対前年同月比対前年同月比:%):%):%):%)

30.0

40.0

輸出 輸入

20.0

30.0

0.0

10.0

-10.0

-30.0

-20.0

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中国経済発展の原動力となっている固定資産投資の伸び率は大幅に低下。

それ以上に、不動産投資の伸び率が激減。それ以上に、不動産投資の伸び率が激減。

25.0

固定資産固定資産固定資産固定資産投資投資投資投資((((対前年同月比対前年同月比対前年同月比対前年同月比))))

25.0

不動産開発不動産開発不動産開発不動産開発投資投資投資投資((((対前年同月比対前年同月比対前年同月比対前年同月比))))

20.0 20.0

15.015.0

5.0

10.0

5.0

10.0

0.0

5.0

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5.0

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①①①①実 質GDP 増

②②②②工 業 付加 価 値

③③③③消費財小売総

④④④④消費者物価指

⑤⑤⑤⑤都市固定資産

⑥⑥⑥⑥貿易収支

⑦⑦⑦⑦輸 出増加率

⑧⑧⑧⑧輸 入増加率

⑨⑨⑨⑨外国直外国直外国直外国直接投資接投資接投資接投資

⑩⑩⑩⑩外国直接投資

⑪⑪⑪⑪貨幣供給量増

⑫⑫⑫⑫人民元貸出残

【中国経済最新統計】

実 質GDP 増加率(%)

工 業 付加 価 値増 加 率(%)

消費財小売総額増加率(%)

消費者物価指数上昇率(%)

都市固定資産投資増加率(%)

貿易収支(億㌦㌦㌦㌦)

輸 出増加率(%)

輸 入増加率(%)

接投資接投資接投資接投資件 数件 数件 数件 数 のののの増加率増加率増加率増加率(%)

外国直接投資金額増加率(%)

貨幣供給量増加 率M2(%)

人民元貸出残高増加率(%)

2005年年年年 10.4 12.9 1.8 27.2 1020 28.4 17.6 0.8 ▲0.5 17.6 9.3

2006 11.6 13.7 1.5 24.3 1775 27.2 19.9 5.7 4.5 15.7 15.72006年年年年 11.6 13.7 1.5 24.3 1775 27.2 19.9 ▲5.7 4.5 15.7 15.7

2007年年年年 13.0 18.5 16.8 4.8 25.8 2618 25.7 20.8 ▲8.7 18.7 16.7 16.1

2008年年年年 9.0 12.9 21.6 5.9 26.1 2955 17.2 18.5 ▲27.4 23.6 17.8 15.9

2009年年年年 9.1 11.0 15.5 ▲0.7 31.0 1961 ▲15.9 ▲11.3 ▲14.9 ▲16.9 27.6 31.72009年年年年 9.1 11.0 15.5 ▲0.7 31.0 1961 ▲15.9 ▲11.3 ▲14.9 ▲16.9 27.6 31.7

2010年年年年 10.3 15.7 18.4 3.3 24.5 1831 31.3 38.7 16.9 17.4 19.7 19.8

2011年年年年 9.2 13.9 17.1 5.4 24.0 1549 20.3 24.9 1.1 9.7 13.6 14.3

2012年年年年 7.7 10.0 14.3 2.7 20.7 2303 7.9 4.3 ▲10.1 ▲3.7 13.8 15.0

2013 7.7 9.7 11.4 2.6 19.4 2590 7.8 7.2 8.6 5.3 13.6 14.12013年年年年 7.7 9.7 11.4 2.6 19.4 2590 7.8 7.2 ▲8.6 5.3 13.6 14.1

2014年年年年 7.4 8.3 12.0 2.0 15.2 3824 6.1 0.4 4.41 14.2 12.2 13.6

2015年年年年

1月月月月 0.8 600 ▲3.3 ▲20.0 2.2 ▲1.1 10.6 14.31月月月月 0.8 600 ▲3.3 ▲20.0 2.2 ▲1.1 10.6 14.3

2月月月月 1.4 606 48.3 ▲20.8 49.8 0.1 11.1 14.7

3月月月月 7.0 5.6 10.2 1.4 13.1 31 ▲15.0 ▲12.9 0.3 1.3 9.9 14.7

4月月月月 5.9 10.0 1.5 9.6 341 ▲6.5 ▲16.4 2.9 10.2 9.6 14.4

5月月月月 6.1 10.1 1.2 9.9 595 ▲2.4 ▲17.7 ▲14.0 8.1 10.6 14.3

6月月月月 7.0 6.8 10.6 1.4 11.6 465 2.8 ▲6.3 4.6 1.1 10.2 14.4

7月月月月 6.0 10.5 1.6 9.9 430 ▲8.4 ▲8.2 9.6 5.2 13.3 15.7

8月月月月 6.1 10.8 2.0 9.1 602 ▲5.6 ▲13.9 23.9 20.9 13.3 15.78月月月月 6.1 10.8 2.0 9.1 602 ▲5.6 ▲13.9 23.9 20.9 13.3 15.7

9月月月月 6.9 5.7 10.9 1.6 6.8 603 ▲3.8 ▲20.5 5.2 6.1 13.1 15.8

10月月月月 5.6 11.0 1.3 9.3 616 ▲7.0 ▲19.0 2.5 2.9 13.5 15.6

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中国経済は大丈夫か中国経済は大丈夫か

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2.中国経済発展の段階2.中国経済発展の段階

一国の経済発展の過程には様々な段階が含まれている。一国の経済発展の過程には様々な段階が含まれている。

①農業を中心とする発展段階①農業を中心とする発展段階

②軽工業を中心とする発展段階

③重工業を中心とする発展段階

④高度工業化段階

⑤サービス経済化段階⑤サービス経済化段階

�今日の中国経済は③->④に転換する過程にある。

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■重工業化の進展から見た発展段階

中国中国中国中国のののの主要重工業製品生産主要重工業製品生産主要重工業製品生産主要重工業製品生産のののの推移推移推移推移

1998年頃から中国の重工業が急速に発展するようになった。

14.0

中国中国中国中国のののの主要重工業製品生産主要重工業製品生産主要重工業製品生産主要重工業製品生産のののの推移推移推移推移

(1990=1)(1990=1)(1990=1)(1990=1)

10.0

12.0

石炭

発電量

6.0

8.0

発電量

粗鋼

セメント

4.0

6.0工作機械

エチレン

0.0

2.0

0.0

1991

1992

1993

1994

1995

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2000

2001

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2010

2011

2012

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2014

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75.0中国工業中国工業中国工業中国工業におけるにおけるにおけるにおける重工業重工業重工業重工業のののの比率比率比率比率(%)(%)(%)(%)

60.0

65.0

70.0

45.0

50.0

55.0

60.0

40.0

45.0

1978

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

75

80

85戦後日本における重化学工業化率(%)

生産額

60

65

70

75付加価値

45

50

55

40

1948

1950

1952

1954

1956

1958

1960

1962

1964

1966

1968

1970

1972

1974

1976

1978

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

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■ルイス転換点から見た発展段階一国経済の経済発展の段階を見るもう一つの重要なポイントである。一国経済の経済発展の段階を見るもう一つの重要なポイントである。労働力過剰経済�労働力不足経済

�中国経済は2002-2004年頃にルイス転換点通過

4500

生存賃金生存賃金生存賃金生存賃金とととと限界生産性限界生産性限界生産性限界生産性

(2000年基準、単位:元)

�中国経済は2002-2004年頃にルイス転換点通過

3500

4000

4500 (2000年基準、単位:元)

限界生産性 生存賃金推計

2000

2500

3000限界生産性 生存賃金推計

1000

1500

2000

0

500

1000

1984

1985

1986

1987

1988

1989

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1993

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1995

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1999

2000

2001

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2003

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2008

1984

1985

1986

1987

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

資料:筆者により作成。

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日本経済は1960年頃にルイス転換点を通過

今日の中国経済は1972年頃の日本に相当�高度成長がほぼ終了し、安定成長の時代に入った。

34,000

日米中日米中日米中日米中のののの一人当一人当一人当一人当たりたりたりたりGDPGDPGDPGDPのののの推移推移推移推移

((((PPP,1990PPP,1990PPP,1990PPP,1990年年年年ドルドルドルドル))))

26,000

28,000

30,000

32,000

34,000

China

Japan

18,000

20,000

22,000

24,000

26,000Japan

USA

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

0

1950

1952

1954

1956

1958

1960

1962

1964

1966

1968

1970

1972

1974

1976

1978

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

資料:Maddison Data, World Bank.

Page 42: 日中関係と今後の中国経済 - 京都大学dosokai/konwakai45.pdf · る。最近清国紙などは、わが政府が台湾付近の清国所属の島嶼を占拠し ようとしているとの風説を掲載し、清国政府に注意を促している。この

3.今後の経済成長3.今後の経済成長

・中国経済の高度成長は終わった。

・今後中国経済は安定成長の時代に入る。

・高度成長後の日本より高い成長率が維持できる。・高度成長後の日本より高い成長率が維持できる。

理由:先進国との格差、技術導入の余地が大

都市化の進展都市化の進展

・8%以上の高成長の可能性が薄い

理由:国際市場の制約

環境問題の深刻化環境問題の深刻化

�6%前後の安定成長がしばらく続く

Page 43: 日中関係と今後の中国経済 - 京都大学dosokai/konwakai45.pdf · る。最近清国紙などは、わが政府が台湾付近の清国所属の島嶼を占拠し ようとしているとの風説を掲載し、清国政府に注意を促している。この

ご清聴

ありがとうございました。ありがとうございました。