36
Photo. Fig. 1 ofmeasuringapparatus (1)

鋸歯の切削温度におよほ、す挽材条件の影響Sliprings and Ag-carbon brushes U 由一'』 10 .c X heat;n'l + coolin9 8 叫」ヨド吋64 LuaEU ト 2 10 20 ラo mm 40

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鋸歯の切削温度におよほ、す挽材条件の影響

I まえがき

主主三円 山 経 堆(1)

帯鋸,円鋸による挽材作業において,切削熱は切削抵抗とともに作業に大きな影響を与えるご切削虹抗

が大きくなると挽材が困難になることは明らかであるが,切削温度が高くなると鋸の座屈強度を低下させ

作業をさまたげる。また鋸の腰入れにあたっても,挽材時における切削熱を考慮して作業を行なわなけれ

ばならない。従来の研究においては切削抵抗について比較的多くの報告があるが,切削温度に関するもの

は少ない。これは切削温度の測定方法が困難であるのと,熱現象そのものが複雑であるなどの理由による

と思われる 3

また,切削熱についてもその研究は主として鋸身の混度分布などが多く,挽材条件との関係、を求めたも

のは少なかった。このため本実験においては鋸歯の切削時の温度上昇について娩材条件との関係を求め

た。また実験には円鋸を用いたけれども,鋸歯という点に注目すれば帯鋸にもその傾向はあてはまると考

えられる。鋸の挽材現象を考える場合の一つの基礎的な資料として役だてば幸いである。

なお,本試験にあたっては小倉武夫木材部長をはじめ,中村源ー加工科長,前加工科長平井信二東大教

授,鈴木寧製材研究室長,枝松信之前製材研究室長のご指導のもとに,製材研究室の方々のご協力によっ

て遂行されたもので,これらの方々に深く感謝の意を表するとともに,特に実験装置については元製材研

究室員仁賀定三技官に負うところが大であり,また実験にあたっては終始助力していただいた遠回伝技官

に厚くお礼を申し上げる。

E 試験方法

2 ・ 1 鋸歯の温度測定方法

鋸歯の切削時の温度測定には白金線ゲージを用い,その電気抵抗の変化をひずみ計によって測定した。

その概要は Fig. 1 のとおりで, Photo. 1 にその概観を示す。すなわち,白金線の抵抗が温度によって

Fig. 1 実験装置の概略 Schema of measuring apparatus

(1) 木材部加工科製材研賓室員

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- 80 林業試験場研究報告第 130 号

Photo. 1 実験装置 Experimental apparatus

変化し,ひずみ変化には敏感でない点を利用し,ひずみ測定用のストレンゲージと同じ構造で抵抗線の代

わりに白金線を薄紙にはさんだゲークで,使用した白金線は直径 0.025 刑肌抵抗 26 .0.で,ゲージの面

積は 2.2刑制 x8.0刑制である。したがって測定部は或る面積をもつので, その平均的な温度を測ること

になる。

ゲージを鋸歯に接着する場合には,ゲージおよびリード線が挽板と接触しないよう,温度を測定しよう

とする鋸歯の挽板の出る側にみぞをほり,その底面を平滑にして石炭酸樹脂で接着した。またみぞはフラ

ンジの部分まであけ, リード線をニトロセノレローズ接着剤によって埋めこんだが,特に鋸身との絶縁に注

意した。リード線はフランク表面と鋸軸に絶縁テープで固定され,軸受部では軸にあけたみぞを通したc

回転する鋸軸から電流を取り出すにはスリップリングとブラシを用いた。スリップリソグは銅製,ブラ

シはグラファイト 70 %,銀 30 %の直径 4 刑制,長さ 10mm の円筒形のもので,プラ γはスプリング

によってリングに圧しつけられるが,その状況は Photo. 2 のようである。回転した場合に接触点には摩

擦熱を生じ,接触電位差も起こるわけであるが往復の回路にあるので相殺され,それらの影響は少ないと

いう結果υ も報ぜられており,また実際に空転を長くしてもベンがふれるようなことはなかった。

白金線ゲージの抵抗変化の測定には抵抗線ひずみ

Photo. 2 スリップリングと銀グラ

ファイトブラシ

Sliprings and Ag-carbon brushes

U由一'』

10

.c X heat;n'l

+ coolin9 8

6

4

叫」ヨド吋LuaEUト

2

10 20 ラo mm 40

Deflection of record.

Fig. 2 較正曲線の一例

Example of calibration curve

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- 81 ー(青山〉鋸歯の切削温度におよぼす挽材条件の影響

計をそのまま利用し,ひずみゲージの代わりに鋸歯に接着した白金ゲージを接続し,温度補償用ゲージに

も白金ゲークを用いたが,白金ゲージは 26 n なので回路にそれぞれ 95n の抵抗を入れた。温度補償用の

ゲージは大気中に放置したので鋸歯の温度は気温からの温度差を示すことになる。ひずみ計の測定電流は

増幅してベソ書きオッシログラフに記録した。

測定ゲークの温度の較正には,ゲージを接着した円鋸をそのまま電気恒温器に入れて徐々に加熱すると

ともに,ゲージの近くにあらかじめ較正した熱電対を密着させて鋸の温度を求め,較正曲線を得た。その

一例を Fig. 2 に示す。鋸によっても異なるが大体下方にやや凸になった曲線となるが,測定範囲のせま

い場合等は計算の便宜上直線とみなしたこともある。

また,切削にともなって鋸歯は力をうけ,ひずみをおこして白金線ゲージに影響することが考えられる

ゲージをが,白金線では温度による抵抗変化に比べてひずみによるものは小さいので無視できる。実際,

接着した鋸歯に相当強い衝撃を与えてみたが,オッシログラフには現われなかった。また鋸身とは接着層

これはほとんどなかった。と薄紙によって接しているから,熱伝導による遅れが想像されるが,

供試鋸2.2

挽材には円鋸を使用し,鋸身の強度を高めることと,みぞをほる関係から比較的厚い鋸を用いた。鋸歯

の数はアサリをつけない場合は 4 枚,アサリをつけた場合は 2 枚にしたc これは材の送り速度が遅くても

切込み深さを大きくとれること,鋸歯の仕上げが容易であること,他の鋸歯の切削温度の影響を受けない

などの理由による。歯先はグラインダーおよび手やすりで研磨した後,泊砥石で仕上げた。

アサリをつける場合は振分けアサリとした3 これは振分けアサリの方がパチアサリよりアサリの条件を

きめるのが容易なためである。アサリ出しは目打ち台またはアサリ出し器によった。供試した鋸の条件を

に示す。なお,研ぎ角はいずれも 0っとした。Table 1

Saws used for tests

No.

供試円鋸

角kb

一げ

喉∞

-4i

歯H

副一

Table 1.

鋸Saw

7

12.5

10.2

18

15

2

3

No.

No.

17 9.6 17

ゲーテの接着箇所はその中心がほぼ歯底円上にくるように

1.65 4 No.

Table 2. 白金ゲージの位置

Position of gauge adhered

!みぞの深さ|歯端からの距離l hpth ぱ |Dh胸句凹悶e f仕ro

ggr'∞v刊eI tooth point l 隅刑倒| 隅隅

1 I 1.20 14

No. 2 I

No. 3

No. 4 I

した。あまり歯背に近いと,摩擦してはがれるおそれがある

のと,鋸身の座屈には歯底部の温度が問題になるためであ鋸Saw るミゲークの接着位置は大体 Table 2 のようである。

挽材条件2 ・ 3No.

材の送りにはナイフグラインダーの送り装置を利用した。15

14

14

歯高 |アサリの逃げ角Height I Side cJearance ofωoth I angle

mml 0

12.1 0

ls苦手s ¥ c皆目 i一四m

enu-'b

e

竺"004

Fdn

446

nabh一

'A

〉JH

I

:

-

2

2

1

鋸B

仙一;;

一例

r

一z

径侃w一"∞∞印

2g

332

鋸加ぱ一

1.00

0.81

0.87

挽材の位置は鋸軸の上方で材の送り方向と鋸の回転方向は互

いに逆になる。試験材の下端と鋸の中心との距離は,アサリ

をつけた場合は 76 隅m, アサリをつけない場合は 67mm で

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- 82 林業試験場研究報告第 130 号

ある。歩出しは 1 回ごとに定規を送材台にあてがって規整した。挽材によって生ずる挽板の厚さは実験の

種類によって異なるが,その平均値が 1~2 例制の範囲で,厚さは 1 枚ずつ前後端から約 10 c伽のところ

と中央の 3 箇所をノギスで測定し,平均値があまり異なるものはのぞレた。材の送り方向と鋸身面とはア

サリのある場合は平行にし,アサリをつけない場合は約 20' 傾けて鋸身と試験材とが摩擦しないようにし

たっあまり逃げをとると今度は挽材との摩擦が影響するようであった。測定は同一条件について 3"'-'5 回

ずつ行なった。

2 ・ 4 供試材料

供試樹種はアサリのある場合はスギ,アカマツ,ブナ, ミズナラの 4 樹種で,アサリをつけない場合は

スギの代わりにエゾマツを用レたっこれらは含水率の試験のほかは気乾状態で,無欠点心材部であるが多

少辺材のはし、った場合もある。

試験材は板白木取りで切削は木表から木裏の方向に行なった。厚さは挽l陪の試験以外は 10 m聞とし,

長さは大体 400 mm のものと, 1,000 m怖の 2 種類で, アサリのない場合と含水率の試験は短い方のも

のを用い,他は長い試験材を用いた。試験材は上下面をプレーナー仕上げしたが,手鈎仕上げしたものも

ある。また測定時にはその時の気温と湿度を記録した。

E 実験結果

3 ・ 1 鋸歯温度上昇曲線

3 ・ 1 ・ 1 切削温度の上昇経過

切削時の鋸歯の温度上昇の状態を観察すると Fig. 3~6 の例のようになる。 これらはいずれもアサリ

のある場合であるが,切削が始まっても温度はすぐに上昇せず,少し時聞をおいてから初めゆるやかにつ

e7l/ー20

丈ラ01 且C

Fig. 3 温度上昇の例(スギ,鋸速度 v=49.6

例/s. 送り速度 j=2.04 制/min)

矢印は切削の開始および終了を示す。Example of temperature rise (SUGI. cutting

speed v=49.6 m/s, feed rate j=2.04 刑/例in)

Marks show the start or the end of cutting.

θしィスFig. 5 温度上昇の例

(プナ , v=49.6 m/s, j=2.04例/帥in)Example of temperature rise (BUNA)

。:~/一一一寸t 10 20 +ラo ß,εc

Fig. 4 温度上昇の例

(アカマツ , v=49.6 仰/s, j=2.04 伽/min)

Example of temperatu閃 rise (AKAMATSU)

℃64

no

2

201 r .iJ.ec 之

内UW

Fig. 6 温度上昇の例(ミズナラ , v=49.6 例/s, j=3.7 伽/隅in)

Example of temperature rise (MIZUNARA)

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"・a

鋸歯の切自IJ温度におよぽす挽材条件の影響 〈青山〉

いで急激に上昇を開始する。これはゲーヲの接着場

所と歯先には多少の距離のあること,ごく初期には

熱流が定常状態になっていないなどのためと思われ

る。このことはまたゲージに切削力によるひずみの

影響がおよんでいないことを示している。

ω <J)

- 83 ー

温度はほとんど直線的に上昇するが,その上昇率

はしだいに小さくなって, Fig.3 に見られるように

一定温度に達して平衡状態となる。これを模式的に

かけば Fig. 7 のようになろう。しかし,大部分は

t T;me t Sta.rt End of of Cuttmg cu竹;n9

Fig. 7 0., 0怖の測定法The i11ustration of the temperature

rise , o. and 0蜘

平衡状態に達する前に材の切削を終了し, Fig. 5,

6 のようになる。切削を終わった後もしばらく温度上昇は続き,やがて冷却しはじめる。図の中に曲線が

瞬間的に元に戻るのは電流を切るためで,空転したままにすれば後に述べるような放冷曲線が得られる。

鋸歯の切削エネルギーの一部は熱となって温度を上昇させるわけであるが,微視的に見れば切削した瞬

間に鋸歯の温度が上昇し,空気中を 1 回転する聞に放冷し,次の切削によって温度が上昇するという過程

の繰り返しであろう。そしてこの放冷する熱量は外部との温度差が大なるほどこれに比例的に多くなると

考えられる。したがって切削初期の温度の低い聞は失われる熱も少なくて上昇も急激であるが,鋸歯の温

度が高くなると,失われる熱量も多くなって切削時の温度の上昇と空転時の下降が等しくなり,温度は平

衡に達するものと考えられる。

したがって切削温度を表わすのに,散失熱量の影響の少ない切削初期のほぼ直線に近い部分について単

位時間あたりの温度上昇。o (・C/s) をもって比較することにした (Fig. 7)。また平衡温度。闘に達したも

のについてはこれも測定したが,その数は少なかった。

得られた温度上昇曲線について観察すると,その絶対値は異なるが温度と時間の聞に一定の関係がある

ようなのでその表示を試みた。

do まず任意の時刻における温度上昇 8・C とその変化率dtを図上で求め, dt と o' との関係を調べる

と,多く lは Fig. 8 , 9 の例のように直線になった。ここでは換算が面倒なので 8 の代わりにベγのふれ z

(問問〉で示した。

この結果を一般的な式で表わすと,

11=q-hon----------------------------------------------------(1 >dt

こ之で q, k, n は常数である。前述のように do と 02 か直線的関係であるとみなせば (1) 式で n=2dt

となる。すなわち,

~=q-kO'"'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''' 曹・・・・・・・・ (2) dt

ここで叫=2 としたが, Fig. 8, 9 にも多少うかがわれるが,上方に凹の形になることが多く,これら

のことから, 1三二時三二2 の範聞にあるようで,また,後にも触れるが k, n は定数でなく 0 によっても変わ

るようで、あった。しかし実測値との差が少なく,計算上も都合がよいので骨=2 として取り扱った。

それで切削開始時には 0=0 であるから, (2) 式は

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- 84 ー 林業試験場研究報告第 130 号

0.6

I "" "'% 且5

多;(to.4@

0.3

0.2 。

。 I

06" iO 21日;(, 班7!1吉O

Fig. 8 切削温度と温度上昇率の関係の例(ス

ギ, v=49.6 刑/5, 1=2.04 伽/min)

温度の代わりにフレ Z で示す。Example of relation between temperature

and rising rate (SUGI)

Shown by displacement of pen x instead of e.

2.0

車問

00---'-40 一一--00;(,

Fig. 9 温度上昇率と切削温度との関係の例

(プナ, v=49.6 刑/s, 1=2.04 m/min)

Example of relation between temperature

and rising rate (BUNA)

主=q ........................................................ (3)

となり , q は切削初期の温度上昇度。。と同じことになる。

また,切目IJ温度が平衡状態に達した場合に比妥=0 となり,この時の平衡温度は 0什

q-ke",'=O

ゆえに e,.イ子 ・ (4)

となる。すなわち,平衡温度は q の平方根に比例することになる。また平衡温度に達しなくても q と k

から e", は推定できることになる。しかし (1 )式をとれば,

。?戸V子 (5)

となるから, n によってれるとq の関係は異なることになる。

また (2) 式において q が同じであっても , -ke2によって de は変わることになり , ~kØ2 の項は散失dt

する熱量による放冷効果を示すと考えられ, k はその効果を表わす係数とみなされる。後に述べるように

h は挽材条件によっても異なるが,また 8 によっても変わるようであった。

つぎに温度上昇曲線をうるには (1) 式または (2) 式を積分すればよい。しかし一般的な (1) 式に

ついて積分することは初等的には困難なので (2) 式について積分を行なった。

この微分方程式は変数分離型であるから容易に解くことができる。

~~ =q-k�2

dt

d� =dt q-k�2

jjrjdt

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鋸歯の切削温度におよぼす挽材条件の影響 (青山)

右辺は )d何十Cl •••••••••••••••••••••••••••••••••••••••..•••••••••••.• (6)

左辺は (JL=-Lunい (jIII)+C. ・・ ・・ー 一・(7)J q-kll' ...;一画面一 げ q'j

ただし q>O, k>O とする。 (6) 式と(7)式を等しいとおけば,

_1_ t"nh'I{.1 kll¥=f-l-r. ý王子一一" ¥'V q' / ....

これから

。=jit帥 ../qk (川) .................................... (8)

(8) 式において t=O のとき 11=0 であるからの=0,したがって

。=1言叫ゾqkt..........................................(9)

すなわち,温度上昇曲線は一般的には次のように書き表わされることになる。

。 =a tanh bt .. ...... .. .. ........ .... .. .. .. .. .... .. ... . .. .. .. .... (10)

ここで

a=lf' b=ゾqk ω

- 85 一

(10) 式では定数は a, b の 2 個であるから, (10) 式は曲線上の 2 点から得られるこそして a, b から

(11) 式によって q, k も計算することができる。まずこ (10) 式で t=∞になると tanh bt=l になり σ

は向にほぼ該当する。

以上の実験式について,アサリをつけた場合の鋸速度,送り速度の実験においてスギ,プナ, ミズナラ

について計算してみた。アカマツは試験材の材質のためか滑らかな曲線が得られなかったので除いた。ま

たアサリのない場合は摩擦のせいか曲線が非常に不規則になったので適用できなかった。なお,計算の場

de 合 t は切削開始時を原点とせず,一ーが最大のときの接線と 11=0 の線との交点を tニ O とした。例として

dt

写s

e.

。。

メヌ

‘C ノ戸〆

Fig. 10 測定値 110 と計算値 q との比較(スギ〉

Comparison between 110 obtained from records

and q calculated (SUGI)

10

'c

14

12

1('¥

e",

E

Spec.es � SU白 l, BUNA 十円I:?UNARA

e eJ〆@

� 8 10 12 14 ・C 1。

a

Fig. 11 測定値 11",と計算値 a との比較

Comparison between 11叫 obtained from.

records and a calculated

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- 86 ー 林業試験場研究報告第 130 号

Fig. 3, 5, 6 にその計算値を点で示したが,実験曲線とほぼ一致していた。

また計算によって得た q と図上から求めたれとの関係、をスギについて示せば Fig. 10 のようになり,

大体一致している。プナ, ミズナラについても同様で

あったっさらに G 色。肌についても Fig. 11 のよう

Q

1) - 49.6 句会A

lJ"‘ 42.0

。。 10 20 .�ec

Fig. 12 空転中の温度降下の例Examples of cooling of saw tooth

at different rotation

-b

m胃L-~ � ~・ 0 吟"回!ワ 9

~ 28.ぅ

x 42.0

... 49.6

-5

4

μ一叫2

400 600 800 1000 1200 川00x.2 mm~

Fig. 13 空転中の温度降下率と温度との

関係の例

Examples of relation between the temュ

perature on saw tooth and its depression

rate at the rotation in the air

でほぼ似た値を示す。これらのことから (10) 式はお

おむね妥当であると考えられる。

以上のような結果から q は eo に大体等しいとみな

せるので,前に述べたように切削温度については図上

から求めた e. によって比較することにし必要に応

じて 8m" k を求めることにした。

3 ・ 1 ・ 2 鋸歯の冷却

鋸歯の温度は切削の進行とともに高くなるが,逆に

温度の高くなった鋸を空転させるとしだいに冷却して

くる。そこでこの放冷状態を観察するため次のような

実験を行なってみた。

鋸歯の歯喉面を電気ゴテによって加熱し,一定温度

に達したならば直ちに鋸を回転させ,その温度降下の

状況を記録した。鋸速度は鋸 No. 3, No. 4 では 0-

49.6制/s, No. 2 では 0-60.9隅/s の範囲で 5 段階に

かえた。温度降下曲線の例を Fig. 12 に示す。これか

ら温度の降下は鋸速度が速いほど著しく,空気中に放

置した場合が最も少なかった。これは鋸身に接触する

空気量が多いほど熱量が多く奪われるためであろう。

温度上昇の場合と同じく与とがとの関係を求めると, Fig. 13 の例のようになってほぼ直線となる。

すなわち,

de --=一例-ke' ・・・・・・・・・・・・ (12) dt

で表わされる。これは慨を小さいので無視すれば(2)

式の右辺の第 2 項と同じで,先にこの項が放冷効果を

示すものと述べたことと一致している。 しかし Fig.

13 の各点は直線から少しずれて上方に凸になった感

じで,また直線は原点を通らない。したがってより厳

密には

de -ー=-ken ...... .......... (13) dt

で示されるようで, n は大体 1三二時三二2 の範囲で,。に

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鋸歯の切削温度におよぼす挽材条件の影響 (青山) - 87 ー

よっても変わり , e が低いときは"は小で 8 が

大きくなると 2 に近くなるようで, k も 0 が小

なれば大きく, 。が高くなると小になるようで

あった。これが先に (1 )式について n, k が

一定でないと述べた一つの理由である。

計算の便宜上 (12) 式が成立するとして,図

上から k, 削を求めると Fig. 14 のようにな

り , k, m は鋸速度に対して直線的に増大した。

なお,鋸 No.2 では隅キ0 であった。これか

ら鋸速度が速いほど,冷却効果は大となり,こ

れは他の報告仰とも一致する。放冷曲線は

(12) または (13) 式を積分することによって

得られる。 (12) 式について積分してみると,

e=/~…

s..w 唾 m

NO.2 0

Na.3 x 来 "."〆No.4 +・ "

.〆〆〆

/・ノ/

〆/

/

~ r 〆,

ノ〆 寸 m, 〆〆

ノノ./

〆〆 y ~ 斗且1

〆〆

20 40 60 ち言 。Rota.tmg veloc:ty

Fig. 14 空転における k, m と鋸速度の関係Re!ation of k or m to rotating ve!ocity

without cutting

となる。ここで 0α は t=O のときの温度で, m>O, k>O とする。この計算値の例を Fig. 12 に点で示

す。

(12) 式が成立するとすれば (2) 式によって表わされる q は,冷却の影響がはレっていると考えられ

る。しかし両方の h が等しし、かどうか不明であり,またれは式には無関係に記録曲線から得た値である

から,比較値としてよいであろう。ただしれにも冷却の影響がはいることは考えられる。

3' 2 送り速度および鋸速度の影響〈アサリのある場合〉

挽材作業においては鋸および挽材材料は多くの場合与えられるから,鋸速度と送り速度が一般的な調整

条件となる。これらの切削温度に対する影響を実験した。

供試鋸は No.3 を用L、,アサリの出はゲージをつけた方は 0.54 m桝,っけない方は 0.57 mm であっ

た。鋸速度は 17.9, 28.3, 42.0, 49.6m/s とし,送り速度は 2.04 , 2.66, 3.70, 4.92, 6.25 刑/min の 5

段階に変えた。供試材はスギ,アカマツ,プナ, ミズナラの 4 樹種で,その材質は Tab!e 3 に示すよう

である。試験材は挽幅10 m刑,挽材長は約

1, 000 m畑であった。

3 ・ 2 ・ 1 送り速度の影響

材の送り速度とれの関係は Fig. 15 ........

18 のようになった。 これらの結果から次

のことがし、える。

(1) どの樹種においても鋸速度が同じな

らば, e。は送り速度とともに増加した。

これは他にも同様な報告"があるc 送り速

度の増加によって切込み深さが大となり,

切削抵抗も増大して仕事量もふえるために

Tab!e 3. 供試材料の性質(アサリのある場合〕

Properties of tested materia! (spring.set)

樹 種 | 気乾比重 | 平均年輪幅I Specific I Mean width

Species I gravity lof annua! ring 骨色"色

(0スγ'YPtomギe,,uSUjaGpIonica〉|l 0.33 5.14

アカマツ AKA乱1ATSUêPin~s ;;;;;;i}i;;~5 ~~ I 0.51 3.47

プ ナ BUNA(Fagus crenata) 0.62 2.23

ミズナラ MIZUNARA(Quercus cri~抑ia)"'1 0.69 1.44

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88 ー 林業試験場研究報告第 130 号

このようになると考えられる。鋸速度の遅い場合に,送りが早いと切削抵抗が大きくなるためか挽材がで

きないことがあり,測定していない樹種もある。挽材長を短くすれば可能であるが, 0。は低く現われた。

(2) 00 の増加の状態をみると,鋸速度の速い場合にはほぼ直線に近いが, 遅い鋸速度では送り速度が

大になると高めになる。これは鋸歯の強度が影響してくるもの日と想像される。

(3) 切削温度上昇の原因となる熱エネノレギーについて考えてみると,電動機の電気エネノレギーから機械

的エネノレギ}となり,さらに熱に変換するのであるから,切削機構があまり変化しなければ切削所要動力

と切削温度との閣に何らかの相関関係があることが推察される。それで切削所要動力と送り速度との関係

をみると,温度と大体似た傾向が報告され引引,両者が平行的な関係にあることが予想される。

3 ・ 2 ・ 2 鋸速度の影響

鋸速度とれの関係は Fig. 15~22 の示すとおりであった。

(1) 各樹種とも送り速度一定の場合には, 80 は鋸速度の増加とともに減少するが, その減少率はしだ

いに小となるc そして 49.6 刑/s では逆に増大する場合もある。これ以上鋸速度が早くなるとどうなるか

不明であるが,上昇する傾向になるのではないかと想像される。

同じ送り速度で鋸速度が増すと,切込み深さは小さくなって切削抵抗は減ずるであろうが,同一時間内

の切削回数は多くなるから全体としての仕事量はあまり変化しないであろう。しかし鋸速度を増すと冷却

が激しくなるからそのためにれは減少するとみられる。 摩擦熱は鋸速度とともに増すと考えられるか

ら,高い鋸速度ではその影響もうけるものと推定される。

また,この結果から切削熱についてのみ考えると,鋸速度が大なる方がよいことになるが,プナなどで

は 40 桝/s くらいで最低となり,あまり鋸速度が速すぎても不適当なことを示している。このことは広葉

樹では針葉樹より鋸速度を落とした方がよいといわれる円ことにも合致している。

(2) 挽材所要動力の場合と比較してみると,挽 三

白。

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+ 49.6

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4

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Fig. 15 8,と送り速度〔スギ,振分けアサリ〉

Relation between 80 and feed rate

(SUGI, spring.set)

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o v ~I ワ 9γ事,;

~ 28.ち

42.0

+ 49.6

2 4 Feed rate

。 うぞl1¥.n

Fig. 16 o. と送り速度との関係(アカマツ,

振分けアサリ〕Relation between 00 and feed rate

(AKAMATSU , spring.set)

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鋸歯の切削温度におよぽす挽材条件の影響 〈青山〉 - 89-

1.0

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0.6

白。

日41-

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o 1.r ~ 17.9 ''Y-> A 28τ

d 2.0 + 49.6

2 4 6πレFeed rate -min

Fig. 17 8. と送り速度の関係(プナ,振分けアサリ〉Relation between 8. and feed rate

0.8

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0.6

日。

0.4

0.2

(BUNA, spring-set)

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4.92

6.25

20 40 弘

Cuttin9 speed lJ" -"'

Fig. 19 8. と鋸速度との関係(スギ,振分けアサリ〕Relation between 8. and cutting speed

(SUGI, spring-set)

0.8

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白.

0.6

0.4

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06 2 4

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42.0

49.6

Feed r,,:tε 6 ~弘山

Fig. 18 8. と送り速度の関係〈ミズナラ,

振分けアサリ〕

0.8

Relation between 8. and feed rate

(MIZUNARA, spring-set)

弓ζ

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0.6

白。

且4

• 6.25

00 20 <'10 ':%; b口、仁 Utti nq speeユ

Fig. 20 8. と鋸速度との関係(アカマツ,ー振分けアサリ)

Relation between 8. and cutting speed'

(AKAMATSU, spring-set)

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- 90 ー 林業試験場研究報告第 130 号

1.0

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0.6

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20 40 Cutt , n守 5peed.

刷 60ペ4タ

Fig. 21 80 と鋸速度の関係(プナ,振分

けアサリ〉

Relation between 80 and cutting speed (BUNA, spring-set)

3 ・ 2 ・ 3 切込み深さの影響

0.8

句'c,'L>

06

白。

且4

o f -2.04 型仮'^02ト"" 2.66

x 3.70

+ 4.92

・ 6.25

。。 20 40 靴~ (:)0

Cu村 :nq speeJ. ~

Fig. 22 。。と鋸速度の関係(ミズナラ,

振分けアサリ〉Relation between 80 and cutting speed

(MIZUNARA, spring-set)

材所要動力は鋸速度とともに増加する5)8) といわれ

る。この点はご80 と逆になっていて相違が認められ

る。これは前に述べたように放冷効果の影響がはい

るためと想像される。しかし挽材動力についても鋸

速度の遅い方が高くなる報告9' もある。

切削抵抗についてはその大きさは切込み深さによって決まる5)10) 山と考えられているが,切削温度につ

いても切込み深さとどのような関係になるか求めてみた。切込み深さは鋸速度,送り速度,歯数から計算

し,また挽材位置による補正を行なった。この結果は Fig. 23"-'26 に示す。

(1) 各樹種ともれは切込み深さに対してほぼ直線的で,鋸速度,送り速度にかかわらず,切込み深さ

によって決まるような傾向がある。しかしプナでは鋸速度によって多少差があるようであった。スギ,ア

カマツでは極端に切込み深さが大になると高くずれるようである。これは前に述べたように鋸歯の強度が

影響するのであろう。また,この直線は原点を通過しないG 以上の関係は挽材所要動力についても認めら

れる"山が,動力では鋸速度の差が明りようで 80 の場合とは異なっている。

3 ・ 2 ・ 4 切削ごとの温度上昇れと切込み深さ

。。は切削初期の 1 秒間の鋸歯の温度上昇を示すが,その時間内に鋸歯は何回も切削を行なっている。

それでれば 1 回の切首IJの温度上昇の和と考え,切削ごとの温度上昇。c ('C) を求めた。すなわち,

80 7CD Oη~ _-:_V_~..:.:-=.. 80 ...............;...............................・ (15)叫 U

ここで n: 1 秒間の回転数 (r. p. sよ D: 鋸直径(例), v: 鋸速度〔刑/めよれと切込み深さとの関係を

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鋸歯の切削温度におよぼす挽材条件の影響 (青山〉

0.8

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...。

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白。

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.. 28.3 x 42.0

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0.2 )( +,(/ ~ 0

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B;te ot tooth "'.. :;

Fig. 23 80 と切込み深さの関係(スギ,

振分けアサリ〉Relation between 80 and bite of tootb

(SUGI, spring-set)

'" 1.0

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Bite 01 tooth 2 mm

Fig. 25 80 と切込み深さとの関係(プナ,

振分けアサリ〉Relation between 80 and bite of tootb

(BUNA, spring-set)

- 91-

x

0.8

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42.0

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0.4

0.2 o l)" -17.9 笈!ð"i),. 28.3

B;te 0+ tooth

Fig. 24 80 と切込み深さの関係(アカマツ,

振分けアサリ)Relation between 80 and bite of tootb

(AKAMATSU, spring-set)

0.8

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Jkf きょ 0 l) -17.9~'

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+ 49.6

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Fig. 26 80 と切込み深さの関係、(ミズナラ,

振分けアサリ〉Relation between 80 and bite of tooth

(MIZUNARA. spring-set)

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ー- 92 ー 林業試験場研究報告第 130 号

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Fig. 27 8 c と切込み深さの関係(スギ,

振分けアサリ〉Relation between 8c and bite of to�h

(SUGI. spring骨t)

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Fig. 29 8 c と切込み深さの関係〈プナ,

振分けアサリ〕Relation between 8c and bite of tooth

(BUNA, spring-set)

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Bl'te ot tooth Fig. 28 8c と切込み深さの関係(アカマツ,

振分けアサリ〕Relation between 8c and bite of t刀oth

(AKAMATSU, spring-set)

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・C Iφ2.0 + 49.6

'"

自ι

2 mm Blte 01' tooth

Fig. 30 8c と切込み深さの関係(ミズナラ,

振分けアサリ〉Relation between 8c and bite of tooth

(MIZUNARA, spring-set)

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鋸歯の切首IJ温度におよぼす挽材条件の影響 (青山) - 93 ー

見ると, Fig. 27~30 のようになった。

(1) 各樹種ともに 8{) は切込み深さに対して直線的に増加するが,スギ,アカマツでは切込み深さが大

になると増加率は急激に大きくなる。これは切込み深さが大になると切削抵抗が増し,鋸歯の強度が影響

されるのであろう。この限界は鋸速度が大なる方が高いようで,これは円鋸の座屈強度が鋸速度とともに

増加する山ためと想像される。

(2) 8 cーと切込み深さの関係は鋸速度によって異なり,同じ切込み深さでも鋸速度が遅い方が高い値と

なる。また,鋸速度の早い 42.0, 49.6 畑Is ではプナを除いて同一直線で表わされるようであった。切削

抵抗では鋸速度の影響がないといわれるので,その点が異なっている。

また,これらの直線はどれも原点を通らず,切込み深さ 0 で正になっている。

3 ・ 2 ・ 5 a, b, k について

スギ,プナ, ミズナラについて (10) 式が成立するとして a, b を求め,さらに h を計算した。

7〆

卜「「トl卜l「l「ll「

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回日Mμ

244

Fig. 33 a とれの関係

(きズナラ〉Relation between a and 80

(MIZUNARA)

(1) a とれのと関係を Fig. 31~33 に示すc 先に述べたように G寺内と考えてよい。またれキq と

10

。 1 Qち

Q 。

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Fig. 31 a とれの関係(スギ) Fig. 32 a とれの関係(プナ)Relation between a and 8。

(SUGI)

Relation between a and 80

(BUNA)

1Q ・ Qろ 回目万白。

みなせば, k が一定であればれるはゾ 80 に比例するわけであるが,図から見られるように, 8。の 1'"

1/2 乗に比例するような傾向であった。

信) b についてみると,鋸速度一定の場合に送り速度が速くなると多少大になる傾向があるが,大体同

じであった。鋸速度との関係は Fig. 34 に示すようになり , b は

.;石にほぼ比例するようであった。 (10) 式から分かるように bは

平衡温度に達する時聞に逆比例するとみなせるから,鋸歯が平衡

温度に達する時間は鋸速度の平方根に逆比例すると考えられる。

(3) 先に述べたように h は挽材条件によっても異なるようで,

h と送り速度との関係を Fig. 35"'37 に示す。 鋸速度が同じ場

合には h は送り速度が大になると減少する傾向がある。しかしス

ギでは鋸速度が大きいときは不規則になっているが,変化は小さ

くなっている。また鋸速度が速い方が klì大となり,大体送り速

度に対して平行的になってし、る。

内,anu

-odA2

x

o SUG 1

X BUNA +門 IZUNARA

blJ ヂ

10 ラo 50 ワO~Cu廿ln骨 speed.

Fig. 34 b と鋸速度の関係Relation between b and

cutting speed

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- 94-

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林業試験場研究報告第 130 号

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Fig. 35 k と速り速度の関係(スギ〉

Relation between k and feed rate (SUGI)

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Fig. 37 k と送り速度との関係(きズナラ〉Relation between k and feed rat怠

(MIZUNARA)

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。。 A

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Fig. 36 k と送り速度との関係(プナ〕

Relation between k and feed rate (BUNA)

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)( BUNA

+門 IZUNARA

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4

ob

Fig. 38 k と鋸速度の関係

Relation between k and cutting speed

h を鋸速度ごとに平均してみると Fig. 38 のようになった。これから h は鋸速度に比例的とみなされ,

空転の場合と同じであるが絶対値は高くなっている。これは h が Fig. 14 からもみられるように,。が小

さい方が大となるためと考えられる。図から見ると,プナ, ミズナラは同じような値になり,スギはこれ

より高い値となった。また,この直線は横軸と交わり,有限鋸速度で h が 0 になるが,おそらく鋸速度が

小さくなると平行に近くなるものと思われる。

先の冷却試験における h がそのまま成立するとすれば, k は鋸速度のみの関係となるが, Fig. 35"'31'

に見られるように挽材条件によって異なるが,これは h は 0 によって変化し,。は挽材条件によって異な

るからその関係は間接的なものとも考えられる。

3 ・ 3 送り速度および鋸速度の影響〔アサリのない場合〉

鋸歯にアサリをつけない場合についても,送り速度,鋸速度と切削速度の関係を求めた。実際には初め

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鋸歯の切削温度におよぼす挽材条件の影響 (青山〉 - 95 ー

にアサリのない場合を実験し,摩擦の影響

が認められたので前に述べたようにアサリ

をつけてふたたび実験したのである。

供試樹種はエゾマツ,アカマツ,ブナ,

ミズナラで,その材質は Table 4 のとお

りである。使用鋸はエゾマツでは No.1.

他は No.2 であっtc. o アサリをつけない

代わりに鋸身を送り方向に対し約 20' 傾け

て試験材から逃げをとった。送り速度はア

Table 4. 供試材料の性質(アサリのない場合)

Properties of tested material (no set)

樹 種 気乾比重 || M平e均an年w輪id幅th Specific Species gravity lof annual ring

エゾマツ EZOMATSU勿1m

(Picea jezoensis) 0.04 1.30

アカマツ AKAMATSU 0.52 2.20

フ ナ BUNA 0.61 1.65

ミズナラ MIZUNARA 0.70 2.12

サリをつけた場合と同じく 2.04""6.25 隅/min の範囲で 5 段階に変え,鋸速度は鋸直径が異なるので前と

違い. 22.0, 34.6. 51.7. 60.9m/s の 4 段階になった。

なお,アサりをつけない場合は温度上昇も大きく,その上昇曲線も複雑で (10) 式をあてはめることが

できないのでれのみについて測定した。

3.3 ・ l 鋸速度および送り速度の影響

Fig. 39""42 に 110 と鋸速度の関係を示す。

(1) 110 と鋸速度の関係は樹種によって多少差があるようで, エゾマツ, アカマツでは鋸速度が速くな

ると 11,はやや大となるがその差は少ない。これに対してプナ, ミズナラでは送り速度によっても違うが

鋸速度とともに急激に増加する。また,プナではその増加率は送り速度とともに大きくなるが, ミズナラ

では大体同じようである。なお, ミズナラで送りの速い場合に鋸速度が大で 110 が低くなっているのは,

試験片の長さが短いためと考えられる。

(2) アサリのある場合に比べてみると,鋸速度とともにれが大になることは著しい相違である。また

鋸や供試材が異なるから直接比較することは無理であるが,その絶対値もはるかに高く. 10 倍近くにな

る。これらはアサリのない場合やはり摩擦の影響があるものと思われ,特に挽板が摩擦するようであっ

た。しかし図から v=34.6 刑/s で最低値を示すような傾向もある場合にはうかがわれる。

(3) 鋸速度が一定の場合各樹種ともれは送り速度が大になるにつれて比例的に高くなるc これはアサ

りのある場合と同様である。ただエゾマツ,アカマツでは鋸速度が異なってもほぼ平行であるが,プナ,

ミズナラでは鋸速度が大になるとともに送り速度による差が大きくなる。

3 ・ 3 ・ 2 切込み深さの影響

110 と切込み深さとの関係は Fig. 43""46 のようになった。

(ωIυ) 各樹種とも鋸速度一定の場合, 11仇0 は切込み深さに比例的に増大する C この関係は挽材所要動力5l叩

のそれに似ている。また,切込み深さは鋸速度が同じであれば送り速度に比例するから,この結果は同時

tこれが送り速度に対し直線的に増加することを示している。

(2) 同じ切込み深さでも鋸速度が大になるほどれは高くなる。これは鋸速度に比例して切込み回数が

ふえること,摩擦も多くなることなどによると思われるc アサリのある場合は鋸速度による差が少なかっ

たが,この点は異なっている。

(3) プナ, ミズナラでは鋸速度の低い 22.0m/s で,切込み深さの小さい場合はれは高くなっている 3

この理由は明らかでないが,遅い鋸速度では切込み深さがあまり小さい主,切込みが円滑にいかないこと

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- 96- 林業試験場研究報告第 130 号

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Fig. 39 80 と鋸速度の関係(エゾマツ,

アサリなし〉Relation between 80 and cutting spe氾d

(EZOMATSU, no set)

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Fig. 41 80 と鋸速度の関係(プナ,アサリ

なし〉Relation between 80 and cutting speed

(BUNA, no set)

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4

Q。

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20 40 Cu 廿in守 speed

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Fig. 40 80 と鋸速度の関係(アカマツ,

アサリなし〉Relation between 80 and cutting speed

(AKAMATSU, no set)

-'ca -

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4

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f), ラワO

x 4.92

+ 6.25

20 40

Cu竹 in守 speed刊 60/ρ

Fig. 42 80 と鋸速度の関係(ミズナラ,

アサリなし〕Relation between 8, and cutting speed

(MIZUNARA, no set)

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鋸粛の切削温度におよぽす挽材条件の影響 〈青山〉 - 97-

勾cr泊

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A ラ 4. ワ

x. 51.6

十 60.9

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Bit e ot tooth

Fig. 43 80 と切込み深さの関係(エゾマツ,

アサリなし)Relation between 80 and bite of tooth

(EZOMATSU, no set)

0.4 0.6 0.8 n、n1 1.0

Bite of 十 ooth

Fig. 45 80 と切込み深さの関係(プナ,アサリなし〕

Relation between 80 and bite of tooth (BUNA, no set)

も想像される。

3 ・ 3 ・ 3 8" と切込み深さ

'C づd

A

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X. 51.6

十 60.9

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Bit.e ot tooth

Fig. 44 80 と切込み深さの関係,アカマツ,

アサリなし〉

10

'C /_�

B

Relation between 80 and bite of tooth

(AKAMATSU, no set)

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x 51.6 + 60.9

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4

2

00 0.2一可証 0五 人m 1.0

Bi 十 εof 100tl1

Fig. 46 80 と切込み深さの関係(ミズナラ,アサリなし〉

Relation between 80 and bite of tooth (MIZUNARA, no set)

切削 1 回ごとの温度上昇 8c と切込み深さとの関係を求めた。これらを Fig. 47"-'50 に示す。

(1) この結果は樹種によって異なり,エゾマツ,アカマツでは el~ は切込み深さとともに増大するが,

鋸速度に関係なく大体 1 つの直線で表わされるようである。また原点を通らず正の値となる。これらは切

削抵抗と切込み深さと同じような関係である5)山口30

(2) プナ, ミズナラではれは切込み深さが増すと同じく直線的に大きくなるが,鋸速度によって異な

る直線となる。そして同じ切込み深さでは鋸速度が早くなるほど高くなり,また増加率も大きい。

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- 98 林業試験場研究報告第 130 号

20 ら

一 2)(10

'CI 0V~22.0 均。/'。~6卜企 ラ4 ワ

x 51.6 十ゐ0.9

JlJ 7

/ Gb 0.2 0.4 0.6 0.6 一一 1.0

日;十 e 0十 t 口 oth 凶川

Fig. 47 8 c と切込み深さの関係(エゾマツ,

アサリなし〉Relation betweert 8" and bite of tooth

(EZOMATSU, no set)

16 -2

)(10

℃ 12

Qc 8

4 企 34.7

x 51.6 + 60.9

。2 0.4 0.6 0.8 __J.O mm'

Bi古e of tooth

仔O

Fig. 49 8 c と切込み深さとの関係(プナ,

アサリなし〉Relation between 8ιand bite of t�th

(BUNA, no set)

20 -2

xlO

-C 。 V 畠 22.0 ぢ'"A ラ4. ワ

x 51.6 + 60.9

16

12

日c空込

v/ OL O 0.2 0.4 0.6 0.6 刊rn 1.0

日;1:己 of 1: 00十 h

Fig. 48 8,と切込み深さの関係〈アカマツ,

アサリなし〉Relation between 8" and bite of tooth

(AKAMATSU, no set)

mfocは山

11

VA

12

Gc 1-

81 。 v-= 22.0'~ A 34.7 x 51.6 + 60.9

4

% 0.2 0.4 0目 6 0.8 ~~I.O 宵!m

B �e of tooth

Fig. 50 8,と切込み深さの関係(ミズナヲ,

アサリなし〕Relation betw巴en 8c and bite of tooth

(MIZUNARA, no set)

3 ・ 4 挽板の厚さの影響

挽板の厚さとは挽材によってできた製品の板の厚さで,試験材の板の厚さではない。この実験は主とし

て実験条件を定める目的で行なったので,系統的ではなく範囲もせまい。

アサリのある場合とない場合について行ない,供試鋸はそれぞれ No. 4, No. 2 を用いた。 試験材は

Table 3 と同じスギとプナである。アサリのある場合は鋸速度 49.6 刑/s, 送り速度 2.04 間/間{刊で,ア

サリのない場合は送り速度は同じで鋸速度を 34.7 削/s と 60.9 附/s にかえたが, 樹種はスギだけであっ

た。挽板の厚さは前後端から 10 c例の位置と中心の 3 箇所を測定し平均した。

この結果を Fig. 51, 52 に示す。

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鋸歯の切削温度におよぽす挽材条件の影響 (青山) - 99 ー

0.5 。 SUGI

万 入 BUNA

04

0.3 。雪日。

3く

x 。。,。

x 。。。

。 。

。 。Q2 。

0.1

。 1 . 2 mm 3

Thickness of So.Wt1 strip

Fig. 51 60 と挽板厚さの関係〔振分けアサリ〉

Re!ation between 60 and thickness of

sawn strip (spring-set)

o \T~ 60 守う£l� x \T~ 34.7

-ノ~~ノ。

1.2 。 。

、、

80 。

x

0.8 。

。 。。

O,j 。

0 o 相m 2

Thickness 口 f saw門 s!rip

Fig. 52 80 と挽板厚さの関係〔アサリなし)

Re!ation between 6,) and thickness

of sawn strip (no set)

(1) アサリをつけた場合は挽板の厚さ 0.5-3 mm の範囲でれはあまり変化しないようであった。し

かし 3mm になると少し高めになるようである。

(2) アサリのない場合はバラツキが大であるけれども, 鋸速度が 34.7 削Js では 1 抑制まで急に増加

し. 1 mm から 2 例帥まではあまり変化がないようであった。 60.9 隅is では 1 mm より厚くなっても少

し増加するような傾向であった。また,アサリのある場合に比べてバラツキが多く,これは摩擦が多いの

で,材質など挽材条件のわずかな変化にも影響されやすいのではないかと思われる。

以上の実験から挽板の厚さは 1-2mm のー範囲とし, 同一系列の実験では士0.2 問問の誤差は許容し

た。

3 ・ 5 挽幅の影響

挽幅主は慣習上,挽いている木材の鋸歯が切削している部分の長さをいい,本実験では試験材の板の厚

さにあたる。挽幅が大になると切削抵抗も増し挽材作業に大きな影響を及ぼす。それで挽幅と切削温度に

ついて実験した。

供試鋸は No.4 でアサリの出を 0.8 隅隅と 0.4mm にした。供試樹種はスギ,アカマツ,プナ, ミズ

ナラで,その材質は Tab!e 3 と同じである。 なお,プナ, ミズナラでアサリの出 0.4mm の試験は鋸

No. 3 を用レた。 鋸速度は 49.6 mJs, 送り速度は 2.04mJm初である。挽材長は約1,000 伽聞で,挽

幅は 5-30 刑問の範囲で 5 隅隅間隔とした。

この結果は Fig. 53-56 に示す。

(1) 各樹種ともアサリの出が 0.4, 0.8mm のいずれの場合も, 80 は挽幅にほぼ比例して増加する。こ

れは他の実験結果針とも一致し,挽材所要動力とも似ている目山。 プナ, ミズナラではアサリの出が 0.8

mm の方が 0.4 抑制より小きくなって,スギ, アカマツと逆であるが, これはプナ, ミズナラでは使用

鋸がアサリによって異なるためとも考えられる。

(2) 挽I隔が大になると鋸歯の切削時聞が多くなり,空転時間が減ずるから冷却に影響するものと考えら

れる。それでアサリの出 0.8mm について h を求めてみた。その結果は Fig. 57 のようである。

図からわかるように, k は挽幅が厚くなるほど小さくなる。しかしその減少率はしだいに低くなるよう

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-100 ー 林業試験場研究報告第 130 号

Settiれ口5忠10 dime 代

21 Se凶nJ.。 0βmm

ゾ/dime�卲 l1

/ x 0.4

。 0.8 mm

x 0.4

。‘6 ト / / 0.6

。o L / , / 日。

。井

グ0,2ト

〆"

10 2.0 mm 30

DepHt 01 cut

Fig. 53 80 と挽幅の関係(スギ〉

Relation between 80 and depth of cut (SUGI)

10 20 mrtl 30 Depth of cut

Fig. 54 80 と挽幅の関係(アカマツ〉

Relation between 8� and depth of cut

(AKAMATSU)

'c 4

/ん

礼叫ι問叩

UU

Qυ4

JUmnua

Fbzqoua

川はもふ

Setti 門ι

dìmel1sio 凡。 0.8 m.m

)( 0.4 1.0 1.0

O~

R

U

P

D

oao

10 20 mm 30

D巴 pt f't of cut

Fig. 55 80 と挽幅の関係〈プナ〕

Relation between 80 and depth .of cut (BUNA)

10 20 mm 30 D巴pt h. of cut

Fig. 56 80 と挽幅の関係(きズナラ〕

Relation between 80 and depth of cut (MIZUNARA)

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鋸歯の切削温度におよぽす挽材条件の影響 (青山〉

である。樹種による差はパラツキがあるけれどもスギ

が大で,プナがし、ちばん低く,アカマツ, ミズナラは

その中聞になっている。

3 ・ 6 含水率の影響

切削における材料の条件としてその含水率は大きな

影響をもっているが,含水率と切削熱との関係につい

て実験を行なった。

使用鋸は No. 3 でアサリの出は 0.6 隅m, 鋸速度

49.6 畑/s, 送り速度 2.04 m/min である。試験樹種は

スギ,アカマツ,プナ,ミズナラで,材質は Table 5

に示す。試験材は厚さ 10mm, 長さ 400 mm で幅は

300 隅隅前後の板目板で,これを平衡含水率 8, 12,

19, 25 %の恒温恒湿の部屋に 1 年以上放置した。ま

た,高含水率の試験は,材料を水中に浸潰して十分吸

-101ー

lMふ旧

B

。 SUGI

'" AKA門ATSU

、 BUNA

+門IZUNARA

4

2

。o 10 20 mm 30

Depth. ot cut

Fig. 57 k と挽幅の関係

Relation between k and depth of cut

水させた後,大気中において乾燥させ,そ

の過程中で適当な時期に切削試験を行なっ

た。全乾状態は,恒湿器中で 100.C に材料

を加熱しておき,実験時に取り出し放冷後

試験した。このほか気乾状態のものについ

ても試験した。気乾含水率を除いてはいず

れも保存場所から取り出すときはピニーノレ

の袋に入れ,試験時に出して装置に取り付

けた。

含7](率の測定は 1 回ごとの挽板の重量をすぐに測り,後に恒温器に入れて求めた。試験片内部には当然

Table 5. 供試材料の性質(含水率試験用〕

Properties of tested material for moisture content

樹 種 I s気pg乾erca比ivki重ty |i |of M平aen均ann年uaw幅l idrtih ngs Species

背開n

ス ギ SUGI 0.45 2.75

0.52 2.02

プナ BUNA 0.63 1.08

ミズナラ MIZUNARA 0.60 1.11

合水率の差があるが,水漬材以外は少なかった。 30 %以上の高含水率では著しい差が認められたので,

その測定は 1 点について挽材 1 回だけとなった。また,繊維飽和点以上では Fig.58 に示すように,鋸歯

の視度は逆に低下しれは負となり,また,ある値まで下がると平衡状態になるようであった。しかし,

さらに挽材を続けると温度はふたたひ・上昇を始めるようである。それで 80 のほかに平衡温度を鳥山と

して測定した。

これらの結果は Fig. 59"'62 のようである。

(1) 各樹種ともれ は含水率 30 %を境として傾向が異

なり,繊維飽和点以下では正で切削温度は上昇するが,以

上では負になって低くなる。ただし, ミズナラでは 33 %

で正になったが,その値は低くなっている。

(2) 繊維飽和点以下についてみると,アカマツを除いて

含水率が高くなるにつれてれは増大している。そして全

乾に近くなると少し高くなっている。スギの 5%で特に大

tlme 5 10 JIIec 。

-2

-4r BUNA lJ.= 118 % 白

-2 SUGI は=M%

n

例・闘

の山田

下戸低お度

U

mR

のUnh

新加日

品川吋tv

合一1加

干旦問A山a

渇白山

E

-p

m

F

m

E

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-102ー 林業試験場研究報告第 130 号

Si {ス eLiV1

η4

nuo

nu,

白川

-2

日 80 120 ;主4D

門oistLLre cOl1tent

Fig. 59 80, 8"'in と含水率の関係(スギ)

Relation of 80 or 8 ,nin to mdisture content

(SUGI)

0.4

。。

6.in

勺二ロ:-2

ー40 40 80

Mo�tu.re coηte口t

120 ,%

Fig. 61 80• 8'min と含水率の関係(プナ)

Relation of 80 or 8",如 to moisture content (BUNA)

2

n

n

u

o

m

nU

円。

匂張、二二ご-2

。 40 80 /. 120

Moisture co円tent.

Fig. 60 80, 8",in と含水率の関係(アカマツ)

Relation of 80 or 8,nin to moisture conte:p.t

(AKAMATSU)

凡-1

0

m

aU

円。

o

x

fl<lEK

0.2

8. 。

81l1�

-2

o 4D 80 .% 120

阿oisture content

Fig. 62 80, 8"仰と含水率の関係(ミズナラ)

Relation of 80 or 8制同 to moisture content

(MIZUNARA)

きくなっているが,その理由は明らかでない。全乾近くでれが高くなっているのは,恒温器中で加熱し

たので冷却が完全でないことも考えられるが,切削抵抗についても 0%近くで大になることも報告されて

し、る 1831430

(3) アカマツは他樹種と異なり,合水率が高くなると 80 は小さくなるようである。この理由は明らか

でないが,樹脂が多いためであろうか,切削抵抗についても同様な報告5)がある。

(4) 繊維飽和点以上では 80 は大体負となり,鋸歯の温度は気温より低くなり一定値で平衡状態となっ

た。さらに挽材を続けると温度上昇する場合もあったが,その度合は 30 %以下に比べればゆるやかであ

った。

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鋸歯の切削温度におよぼす挽材条件の影響 (青山〉 103 ー

そして 90, 9ndn ともに含水率が

高くなるとその絶対値はやや大きく

なるが,プナをのぞいて 50 %以上

ではこの場合あまり差がないようで

ある。アカマツも他樹種と同様な傾

向であった。

このように切削温度が高含水率で

は気乾材より低くなることは挽材作

業について報告山されている。

このことは試験材自体が気温より

低下しており,また,含有水分が冷

却効果を示すのではなし、かと考えら

れ,乾燥中の高含水率の木材が気温

より低いという報告1引もある。

いずれにしても切削温度が低いこ

とは挽材には都合がよく,この点で

は生材の方がよいことになる。

(5) この実験によって得た挽材片

は含水率によって特徴があるので

Photo. 3 にスギとプナについて示

す。すなわち,全乾に近いと材質は

スギ

(SUGI)

プナ

(BUNA)

Photo. 3 含水率の異なる場合の挽板の例

Examp!es of sawn strips of various moisture contents

非常にもろくなっているようで,切削による衝撃によって割れや,下部にかけを生じたりした。含水率が

高くなるとこのようなことはなく,靭性をますような感じであった。ただ含水率が高くなると挽肌は多少

むしれたようになり,けば立ちが多くなった。また,気乾より高い含水率では歯喉面に鋸屑の付着するの

が目だった。このように合水率は切首IJそのものばかりでなく製品の品質にも影響するようであった。

3.7 アサリの出の影響

切削温度に対しては鋸歯の幾何学的な条件が影響することは当然であるが,特にアサリは直接切削熱と

関連があるので,アサリの出について実験を行なった。他の歯角条件などについては,今まで述べたよう

に切削動力からある程度類推できるのではなし、かと考える。

使用した鋸は No.4 で,鋸歯は 2 枚で振分けアサリとした。アサリの出は 0""1 隅隅の範囲で 0.1 mm

間蒲としたが,特にアサリの小さい 0.05 隅隅を加え, 12 種類とした。アサリは初め 1 抑制に出して研

磨によって減じながら実験した。これは同一鋸でないと比較できないためである。このため歯高が低くな

り鋸速度に影響するが,その量は小さいので無視できる。鋸速度は 49.6 m/s, 送り速度は 2.04m/min に

した。供試材はスギ,アカマツ,プナ, ミズナラで Tab!e 3 と同じである。試験材は厚さ 10 抑m, 長さ

1 , 000 隅m くらいであるが,アサリの出が 0.1 m隅以下では挽材困難なので短くした。

プig. 63,-.,.,66 に実験結果を示す。

(1) 各樹種ともアサリの出が 1 mm から小さくなるにつれてしだいにれは減少するが, 0.4 mm 付近

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-104- 林業試験場研究報告第 130 号

(1.8)

0.2

0.6

a

0.8 OC/ 中(1.8) /,ð

0.6

80 04

乱2

。 o O.Z 0.4 0.6 0.8 mm lO

SettinCl- ditr町1sio l1.

Fig. 63 00 とアサリの出の関係(スギ)

Relation between 00 and setting dimension (SUGI)

00 Q2 0,4 0.6 0.8 mm 1.0 Setting-dim巴t1siO r1

Fig. 64 00 とアサリの出の関係(アカマツ〉

Relation between 00 and setting dimension

(AKAMATSU)

同【2.28】

whwω

1.0

%• ifm

80 041-

0.2 0.2

且2 O!l- Ob O゚ 111m 1.0

Settin:J-dimen.sion

Fig. 65 00 とアサリの出の関係(デナ〉

Relation between 00 and setting dimension

(BUNA)

。』 I I I

o 0.2 0:4 0.& 0.8 mm 1.0

Settin:J-dimension

Fig. 66 00 とアサリの出の関係(きズナラ〉

Relation between 00 and setting dimension

(MIZUNARA)

で最小となりこれよりアサリの出が小さくなるとやや増加し 0.1 例制以下では急増する。 この状態は挽

材所要動力の場合5) 17) とおおむね一致する。-

包) ミズナラでは他樹種と異なって最低値は 0.2mm に現われている。

(3) 摩擦の影響を調べるため,挽材中に試験材のほぼ中央で送りを停止させてその冷却状態を求め,ふ

たたび挽材して終了後の空転時における冷却状態と比較した。冷却速度は温度によって異なるから大体同

de .}_ ... .1.h_.J....J../..&....... de ー温度で比べ,送りを中間で停止した時のdtから挽材後のdtを引いた値 Of を求めた。一般に途中で

停止すると温度は下がるlけれども,アサリの出が小さくなると,送りを止めても温度があがることがあっ

た。なお,アサリの出 0.2, 0.4, 0.6, 0.8, 1.0 刑制について行ない, 0 ,4, 0.8 隅隅では挽幅も変えた。

アサリの出がこれ以上小さい場合は送りを止めた場合温度上昇が著しく測定できなかった。

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鋸歯の切削温度におよぽす挽材条件の影響 (青山)

Table 6. 8f とアサリの出の関係

Relation between 8f and setting dimension x 10-' C.C/s)

LZLの出|挽 幅|ス ギ|アカマツ|プ ナ|きズナラdimension IDepth of cutl SUGI I AKAMATSU 1 BUNA I MIZUNARA

1.0 mml 10 仰I 1 1 17 I 3 I 0

0.8 5 - 8 - 8 6 - 4

10 15 12 3 2

15 24 -35 - 6 7

20 - 6 -13 - 3 20

25 - 5 12 15 2

30 15 54 84 - 8

0.6 10 3 21 20 -62

0.4 5 。 - 5 11

10 。 30 7 - 9

15 2 44 45 18

20 3 60 - 3 53

25 26 78 89 77

30 64 79 73 65

0.2 10 480 430 700 510

。f/80 x 100 (,%)

0.2 10 80 74 52 71

これらの結果について Table 6 に示す。

105

各樹種ともアサリの出が 0.4 抑制以上ではあまり影響がなく . Of=O とみなしてよい。しかしアサリア

が大きくても挽幅が大になると摩擦があるようである。これは歯先と材との接触距離が長くなるためと考~

えられる。アサリの出が 0.2mm になると 8f も大となる。表からも分かるように 00 に対し 8 割にも

達している。

3 ・ 8 側面摩擦と鋸歯温度

鋸身側面と木材とが接触して摩擦することは実際作業においてもしばしば見られる。また,切削する鋸

歯は多少とも材と接触し摩擦しているであろうっこのような影響を知るための参考として,円鋸側面に木

片をあてて摩擦させその温度上昇を調べてみた。

鋸 No. 2 について歯底線のすぐ下の部分に 10 mm 角の木片をあてたc 木片は金属の棒の一端に固定

し,棒の中心はベアリソグの支点とし他端に荷重を与えた。樹種はエゾマツ,アカマツ,プナ, ミズナラ

で接触面は柾目商で鈎仕上げしたa 接触圧力は大体 0.8. 1.6. 2.6 kg で,接触部の鋸速度は 19.8. 31.2.

46.5. 54.7 刑/s である。

この結果は Fig. 67~70 のようである。

(1) 00 は各樹種とも圧力にほぼ比例して増加するι ただエゾマツでは鋸速度の速い場合振動を生じて

不規則になった。

(2) 90 は鋸速度が大になるとともに高くなるが,その関係は比例的ではない。 これは鋸速度によって:

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-106ー 林業試験場研究報告第 130 号

。匂Cノ。 V=19.B 勿:ð'" 3 卜 2〉ぐ 46.S

/ 1.6卜+ 54. 7

/ゐ/グ

。。 1 2 kQ. 3

Pres.sure -

Fig. 67 60 と接触庄の関係〈エゾマツ〉

Relation between 00 and pressure of contact

(EZOMATSU)

5

万|。h191;/% 8 31. 4 ト x 46.

+ 54.

自~/2ト

A

。/〆。μ/。 1_ 2. k~ 4

Pressure

Fig. 69 00 と接触圧の関係(プナ〉

Relation between 60 and pressure of contact

(BUNA)

放冷効果や摩擦係数が変化するなどによると思われる。

øV=19.8 移oA 31.2 'i. 46.5

+ 54.7 。。

21 +

1 2 kQ. 3

PreSSLlre U

Fig. 68 60 と接触圧の関係(アカマツ〉

Relation between 60 and pressure of contact

(AKAMATSU)

4 。似C〆

3

2

日。

Jグ Jt/A。J/

。 2

Pressu.re 1<} 3

Fig. 70 60 と接触圧の関係(ミズナラ〕

Relation between 60 and pressure of contact

(MIZUNARA)

(3) 樹種による差は鋸速度によっても異なって明りようでないが,プナが多少高くでている。

3 ・ 9 実検式の作製と切削所要動力との比較

おのおのの実験結果についてはそれぞれ考察を述べてきたが,ここではれについて鋸速度と送り速度

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鋸歯の切削温度におよぽす挽材条件の影響 (青山〉 107

に関して実験式を作製し,また挽材所要動力との関係について考えてみた。

3.9 ・ 1 実験式の作製

。。と鋸速度,送り速度の関係を数式的に表わすため Fig. 27--30,および Fig. 47--50 についてれと

切込み深さとの関係を直線とみなしてその実験式を求めた。これを一般的に示せば,

O,, =æ+ βB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (16)

ここで 11 :切込み深さ (mm) , æ , β は定数であるが鋸速度によって異なる。なお,切込み深さが大き

いとれは直線からずれるが,これは鋸の強度が影響するものとして除外し,アサリをつけた場合のアカ

マツでは低い鋸速度ではパラツキがはなはだしいのでのぞいた。

æ , β と鋸速度との関係は Fig. 71--74 のようであった。 これらから実験式を作ったが,簡単のため

2 本の直線で表わしたので鋸速度の範囲によって数式が異なる。

Fig. 71-74 から次のようなことがいえるc

(1) アサリのある場合には, æ, β ともに大体鋸速度にともなって減少するが, 40 m/s 付近から一定

の値となるようである。しかしプナでは a は 49.6 m/s で高くなっている。

(2) アサリをつけない場合では,エゾマツ,アカマツは円 β ともに鋸速度に関係なく一定であった。

40旧

B

刻。

c

4

2

氏6

。 10 20 30 40 % 50

Cutt�g-Sp巴ed

Fig. 71 日と鋸速度の関係(振分けアサリ〉

Relation between 出 and cutting speed

(spring-set)

-2

"'0 I 0 EよOMATSU4トム AKA門ATSU

.C 1 X BUNA

+門IZUNARA

-4

/こ非合。命

GX+

十'A喧muVA吋

\『て

。 20 40

Cu tt; nq speeJ 伺 60ペρ

Fig. 73 æ と鋸速度の関係(アサリなし〉

Relation between � and cutting speed

(no set)

ば山Jo

一酬ほ

V

A

f

L

/

x

o SUGI

x BUNA + MIZUNARA

F 8 X一一一一-)(

4 下一手二二二

。 10 20 30 40 % 5.0 Cuttinj-speeci

Fig. 72 β と鋸速度の関係(振分けアサリ〉

Relation between βand cutting speed

(spring-set)

60

叶ιI 0 EZαMATSU -c_ r 企持叫門ATSU

---;~L x ~U~~ r+ 門 i士UNARA + ;.

戸卜 ノ/

20ト '"ムーー____L三正二二二三三三三三五三三竺竺丈

//「

。占 20 40 Cutt;nq speeJ.

帽。o

Fig. 74 β と鋸速度との関係(アサリなし〉

Relation between βand cutting speed

(no set)

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-108 ー 林業試験場研究報告第 130 号

プナ, ミズナラでは四は不規則で負になることもあり, β は初め鋸速度とともに増加し, 35 m/s くらい

で一定となるようであった。

一般に切込み深さと鋸速度,送り速度の聞には次のような関係がある。

0=-'乙.互主旦. cosψ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (17) v 60 ・z

f: 送り速度(隅/min) , v: 鋸速度(隅/s) , D: 鋸直径(隅隅), z: 鋸歯数, ψ: 挽幅の中心を通る直径と

材の送り方向のなす角度っ (15) , (16) , (17) 式により 90 の式が求められる。この結果は Table 7 に示

すようになった。これらの形は挽材条件によって異なるけれども一般的には次のように示される。

。0=(出+βv)v+('y+Ev)f ..........................................・・・・・・ (18)

Fig. 23'"'-'26 で見られるように, 8。が鋸速度に関係なく 1 つの直線となるためには, (16) 式の町 β

が u に逆比例しなければならないが, このことは Fig. 71 , 72 からもうかがわれるが,計算の簡便のた

め直線とした。

Table 7. 80 の実験式

Empirical formula of 8。 (.C/s)

アサリ|Set !樹種 Species v~ 40 削/s 世> 40 隅/s

x 10-' ス ギ SUGI (6.46-0. 139v)v+ (70. 75 ー 0.5v)f 6.34v+51. 7f

振分け

アサリ アカマツ AKAMAT叫 5.29f

Spring プ ナ BUNA I (19.8-0.4制川町-4 同f I (ーlμ+ωゆ+1げ

set

ミズナラ M町NARA I (19.4ー 0.392v)v+59.4f 2.54V+59.4f

v<35m/s p二三35削/s

X 10-2 X 10-2

アサリ0.95v+64. ミF //

なし アカマツ AKAMAT叫 1.48v+56.8f //

No set プP ナ BUNA 1(4 ・ 11 ー 0.179ゆ+(-46.1+3.85v)f I (-8.4山 l川山5.3f

ミズナラ MIZUNARA I (山一O 山v+(-46.4+5 同if I (-12.65+0

3.9 ・ 2 切削温度と切削所要動力について

前にも述べたように切削熱は切削動力の一部が変化したと考えられるから,両者の聞には比例的な関係、

があることが推定され,また実験結果についても,このような傾向がみられたc したがって数式的にも向

ーであるか考察してみた。

切削抵抗については多くの実験が行なわれているが,電動機の消費動力から切削抵抗を求めている場合

ば次式が成りたつ9)。

hz=1023Z(同

Psz: 鋸歯 1 枚あたりの切削抵抗 (kg) , Ns: 切削所要動力 (kw) , z: 同時に切削している鋸歯数。多

くの実験結果によると P

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鋸歯の切商IJ混度におよぽす挽材条件の影響 〈青山〕

Psz=a+b� .. .. .. .. .. .. . . , . .・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (20)

これに (17) 式を入れると,

Ns=a'v+bア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (21)

之なる 18) 。

-109-

切削熱、については, 0。は単位時間の温度上昇であるから切削所要動力加に相当するもので,切削抵

抗 Psz に対応するものはfJc である。切削熱と切削動力は類似した式で示されるが,切削動力の (20) ,

(21) 式では a, b, a' , b' は鋸速度に無関係であるが,切削熱では Fig.71"'-'74 および Table 7 に示さ

れるように係数が鋸速度によって変化することが異なっている。

fJr.についてみると,切込み深さが同じであれば, アサリのある場合は鋸速度が早い方が低くなり,ア

サリのない場合にはスギ,アカマツでは鋸速度に関係なく,プナ, ミズナラでは高い鋸速度で高くなって

いる。アサリのある場合よりない方が,また針葉樹より広葉樹の方が摩擦が大であると考えると,摩擦の

少ない場合は鋸速度の増加による冷却効果の方が現われ,摩擦の大なる場合は摩擦熱の影響が強くなるの

ではないかと推定される。切削抵抗から考えてれが鋸速度を増すと低くなることは理解しにくいが,本

実験においては温度を測定した箇所は鋸歯の底辺で歯端とは多少距離があるから,伝導中に鋸速度の影響

を受けて変化し,歯端部の発熱量と必ずしも比例しないのではないかと思われる。

町摘 要

鋸歯の切削温度におよぽす挽材条件の影響について実験を行なった。鋸歯の温度は鋸歯側面に白金線ゲ

ージを接着し,その抵抗の変化をひずみ計によって測定して求めたc 供試鋸は円鋸を用い振分けアサリを

つけたが,鋸速度,送り速度の実験ではアサリをつけず鋸身に逃げをとった場合も試験した。供試樹種は

スギ,アカマツ,プナ, ミズナラの 4 種類で,アサリのなし、場合はスギの代わりにエゾマツを用いた。

この実験結果は次のようであった。

1. 鋸歯の切削混度上昇の状況

(1) アサリのある場合その温度上昇は Fig. 3"'-'6 の例のようになり, 一般的には Fig. 7 のように示

されたっそれでれをもって切削温度の比較値とした。また,この温度曲線は (10) 式で表わされる。

(2) 鋸を空転させた場合,その冷却状態は大体 (12) 式のようになる。鋸速度が速いほど冷却速度は大

となり , k は鋸速度に直線的に増加する。

2. 送り速度および鋸速度の影響

(1) 鋸速度の一定の場合, fJ。 は送り速度の増加とともに直線的に高くなる。しかし,送り速度が極端

に大きくなると増加率が大になる。

(2) 送り速度が同じで鋸速度が変化する場合,アサリがついているときはれは鋸速度とともに減ずる

が,その減少率はしだいに小さくなり,プナでは 42mfs で最低値を示し,さらに鋸速度が速くなると高

くなったc 他の樹種でも条件によってそのような傾向が見られた。

アサリのない場合は針葉樹では鋸速度の増加に対しfJo は多少高くなる程度であるが,広葉樹では急激

tこ増大し,鋸速度の影響が著しかった。

(3) 00 は切込み深さに比例的に増し,アサリのある場合は鋸速度による差が小さいが,アサリのない

場合は同じ切込み深さでも鋸速度の速い方が高かった。

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林業試験場研究報告第 130 号

(4) 切削 1 回あたりの温度上昇。,は切込み深さとともに直線的に増加するが,同じ切込み深さでもア

サリのある場合は速い鋸速度の方が低く,アサリのない場合は針葉樹では鋸速度に関係なく同じ値となり

広葉樹では遅い鋸速度の方が低かった。

(5) 110 と鋸速度,送り速度との関係を実験式によって表わすと Table 7 のようになる。

(6) (10) 式における a は平衡温度 8111, を示すと考えられ,形式的には a は、1---0;-に比例するわけであ

るが,実際には 1/2~1 乗に比例するようであった。

(7) (10) 式における b は平衡温度に達する時間に逆比例するが, b はほぼ鋸速度の平方根に比例し

た。

(8) k は鋸歯の放冷速度を示すと考えられるが,挽材条件によっても異なり,送り速度は遅い方が,鋸

速度は速い方が大であった。

3. 挽板厚さの影響

(1) アサリのある場合は板挽厚さ 0.5~3mm の範囲で,アサリのない場合は鋸速度によって多少異な

るけれども, 1~2 mm の範囲であまり変化しなかった。

4. 挽幅の影響

(1) 110 は挽幅にほぼ比例して増加した。また. k は挽幅が大になるにつれて小さくなった。

5. 含水率の影響

(1) れ は繊維飽和点以下では含水率が多くなるとともに増加した。しかし全乾近くではまた高くなる

傾向がみえたη アカマツは他樹種と異なって含水率の増加とともに 110 は減少するようであった。

(2) 繊維飽和点以上では鋸歯の温度は気温より低くなり. 110 は負となった。その低下の度合は含水率

の高いほど大きくなった。

6. アサリの出の影響

(1) アサリの出が 1 mm から減じていくにつれて. 110 は低くなるが, 0.4 mm 付近で最低となり,そ

れから増していって 0.1 mm 以下では急激に高くなったコしかしミズナラでは 0.2 隅隅で最低値を示し

た。

(2) 摩擦の影響をみるため挽材中に送りを停止してその温度降下の状態を求め,空転時のそれと比較し

た。この結果,アサリの出が 0.4 刑問以上では摩擦熱は無視できるくらいであった。アサリの出 0.2制隅

以とでは発熱は大きくなった。しかし,アサリの出が大きい場合でも挽帆が 25 刑制以上では多少発熱す

るようであった。

7. 鋸身の側面摩擦について

(1) 挽材時の参考資料にするため,鋸身の側商に木片をあてて摩擦による発熱状況を調べた。これによ

るとれは各鋸速度とも圧力に比例して大きくなった。

(2) 同じ圧力では鋸速度が速い方がれは高いが,その関係は比例的ではなかった。

8. 切削温度と挽材所要動力との関係

(1) 切削温度と挽材条件との関係は挽材所要動力の場合と大体傾向が似ている。したがって,切削温度

はある程度挽材所要動力によって類推できょう。

(2) しかしながら,鋸速度については両者は平行的ではなかった。これは鋸速度の冷却効果によるもの

と考えられる。

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鋸歯の切削温度におよぽす挽材条件の影響 〈青山〉

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林業試験場研究報告第 130 号

Temperature Ri~ on a Sawtooth in Cutting'

Tsuneo AOYAMA

(R駸um�)

The heat generated on a sawtooth in cutting has a great influence on the sawing operaュ

tion. In this experiment the t鑪perature rise on a sawtooth in cutting was investigated in

re!ation to various sawing conditions. The temperature rise on a sawtooth was obtained by

measuring the electric resistance of Pt wire gauge secured at the grooved r.∞t of a sawt∞th,

which corresponded to the variation of temperature. The gauge was connected to the strain

meter by means of copper sliprings on a saw spindle and Ag-graphite brushes. The schema

of measuring apparatus is shown in Fig. 1. The circular saws shown in Table 1 were

used for tests.

No. 1 and No. 2 saws had no set, and No. 3 and No. 4 were spring-set. The experiments

were carried out on saws with spring-set except the test for feed rate and cutting speed.

where both saws with and without set were used.

Test species were SUGI, EZOMATSU, AKAMATSU, BUNA and MIZUNARA, whose

properties are indicated in Tables, 3, 4, 5. The prepared materials were flat-sawn boards 10 mm thick and 400 or 1, 000 椀m long

except test for depth of cut.

The results of this experiment are as follows:

1. Temperature rise on a sawtooth

(1) Som巴 examples of temperature recorded are shown in Figs. 3"-'10. 00, the temュperature rise at the beginning of cut for a s担cond. was adapted as an evaluating value to

compare the heat generated on a sawtooth (Fig. 7). 。怖 was also obtained, but rarely.

because in most cases cutting was completed before the temperature reached maximum.

The temperature rise on a sawtooth appeared to be written in formula of (1). Though

n and k were likely to be variable in relation to O. the temperature rise on a sawtooth. the

formula (2) was used for calculations be氾ause of its simplicity and good approximation ω

measured values. From Eq.(2) the curve of temperature is given in E冶.(9) or Eq.(10).

The calcu!ated va!ues agreed fair1y well with measured ones (dots in Figs. 3, 5, 6, and E?igs. 10, 11).

k in Eq.(2) seemed to indicate cooling effect.

(2) In order to obtain cooling e妊ects of air in rotation without cutting, the saw was

revolved in the air after the sawt.∞th was heated. The examples of cooling at di晶rent

rotation speeds are shown in Fig_ 19, and it was written approximat疋ly in Eq.(12). k became

larger with increasing rotation (Fig. 21).

2. Effect of feed rate and cutting speed

(1) 00 increased in every species as feed rate became higher (Figs. 15"-'18).

(2) Figs. 19-22 show 00 versus cutting speed relation. 00 decr回sed with increasing

cutting speed, but the depression diminished gradually, and in some cases 00 rose at higher

cutting speed.

(3) The relation between 00 and bite of sawt∞th is almost linear except at larger bites

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鋸歯の切削温度におよぼす挽材条件の影響 (青山) -113 ー

(Figs. 23'""'26).

(4) 9c , the temperature rise at one cutting, increased line泡rly as the bite of a sawt,∞th

became deeper (Figs. 27'""'30).

(5) The relations between 90 and a calculated from Eq.(10) are shown in Figs. 31'""'33.

And b is nearly proportional to the square r∞t of cutting speed (Fig. 34).

(6) Figs. 35'""'37 indicate the relations between k and feed rate, and Figs. 38 the relation between k and cutting speed.

(7) 80 on a sawtooth without set increased either gradually (Figs. 39, 40) or steeply (Figs. 41. 42) , when the cutting speed was raised, and this tendency di能rs from a sawtooth

with spring-set.

The relations between 80 on a sawt∞th without setting and bite are shown in Figs. 43'"'"

46, and the relations of 8 r, and bite in Figs. 47'""'50.

3. E妊'ect of thickness of sawn strips

(1) 80 was almost consぬnt in the range of 1'""'3 間m thickness of strip by a sawtooth

with spring-set and 1 '""'2 m刑 thickness by a sawtooth without set (Figs. 51, 52).

4. Effect of depth of cut

(1) 80 increased almost in proportion to depth of cut (Figs.53,"",56). The relation

between k and depth of cut is shown in Fig. 57.

5. Effect of moisture content

(1) Below the fiber saturation point the temperature rose with cutting, but over that point lowered to reach a cons匂nt temperature (Figs. 58).

This is probably due to the cooler test specimens in drying.

The relations of 80 or 8,ni匁 to moisture content are shown in Figs. 59'""'62.

(2) The sawn strip varied in mechanical property with its moisture content, being brittle and breakable at lower moisture content but pliable at higher (Photo. 3).

6. Effect of set dim巴nsion

(1) 90 decreased gradually with diminishing of set dimension and was minimum at 0.4

隅m except, MIZUNARA. Then it increased abruptly at less than 0.1 例制 (Figs. 63"-'66).

(2) The effect of friction when feed was stopped in workpiece was investigated. 9/,.

the di丘'erenc巴 between the temperature depression in stopped workpiece and in the air, was

negligible at set dimension of more than 0.4 刑m, but became high at 0.2 mm (Table6).

7. Effect of side friction

(1) To obtain the e任問t of the side friction of saw blade, wood pieces were contacted with the side of saw blade under various pressures and rotations, and the temperature rises

were measured. In this test 90 rose proportionally as the pressure increased (Figs. 67'""'70).

8. Empirical formulae of 90 and comparison with power requirement

(1) When 9" was assumed to be given by Eq.(16). the relations of a: orβωa bite

of a sawtooth are shown in Figs. 71'""'74, where 1� (隅隅) is a bite of a saw t∞>th.

From these results the empirical formulae of 80 in respect to feed rate and cutting speed

were obtained for each species (Table 7).

(2) The relations of temperature on sawtooth to the cutting conditions tended to be

similar to that of power requirement, so the heat generated appeared to be almost proportional to power.

However, as to the cutting speed, 8, decr伺sed with increasing speed, though power

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林業試験場研究報告第 130 号

incr偲sed proportionally on the contrary. Accordingly, the empiricaI formulae d禛fered from

that of 伊'wer (Eq. 21). This difference is probably due ωcooIing e能ct � cutting s問d.