10
28 きゅう りょう地に広がるビニールハウス(御坊市名田町付近) (4)野 さい を作る農家 まめ の産地をたずねて ぼう 市から印 なみ 町にかけての海岸ぞいには,小高い 山のふもとから海の近くまでビニールハウスがならん でいるところがあります。 「ビニールハウスが,とてもたくさ んならんでいるね。」 「中では,何を作っているのかな。」 まきおさんたちは,中を見せても らうために,御坊市名 町で農業を している芝 しば さんをたずねました。 えんどうの生産量 〈2013年 近畿農政局和歌山地域センター調べ〉 和歌山県 3,350 2012年 全国生産量 25,800 t鹿児島県 4,670 か ごしま 北海道 867 ほっかいどう 愛知県 1,430 あいち 福島県 1,350 ふくしま その他 14,133 御坊市 名田町

まきおさんの豆作りレポート わかなさんの野菜作りレポートhukudokuhon.sakura.ne.jp/fukudoku/pdf/140417_04.pdf · 2014. 4. 17. · まきおさんの豆作りレポート

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28

丘きゅう

りょう地に広がるビニールハウス(御坊市名田町付近)

(4)野や

菜さい

を作る農家豆まめ

の産地をたずねて

 御ご

坊ぼう

市から印い

南なみ

町にかけての海岸ぞいには,小高い

山のふもとから海の近くまでビニールハウスがならん

でいるところがあります。

「ビニールハウスが,とてもたくさ

 んならんでいるね。」

「中では,何を作っているのかな。」

 まきおさんたちは,中を見せても

らうために,御坊市名な

田だ

町で農業を

している芝しば

さんをたずねました。

えんどうの生産量〈2013年 近畿農政局和歌山地域センター調べ〉

和歌山県3,350

2012年全国生産量25,800(t)

鹿児島県4,670

かごしま

北海道867

ほっかいどう

愛知県1,430

あいち

福島県1,350

ふくしま

その他14,133

御坊市名田町

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29

集しゅうか

荷・選せんべつさぎょう

別作業

7月 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6

ハウス

ろ地10a きぬさやえんどう

きぬさやえんどう

オランダえんどう

うすいえんどう

・土作り・たい肥作り 40aひ

植えつけ 収かく

収かくする芝さん

きぬさやえんどう

芝さんの1年間の仕事(2012〜2013年)

 わたしは, 50aの畑で,うす

いえんどうやきぬさやえんどう

などの豆を作っています。

 豆作りは,収しゅう

かくに手間がかかります。

とくにきぬさやえんどうは, 2個こ

ついた

まま収かくするのでたいへんです。そこ

で,いそがしい時じ き

期が重ならないように,

品種のちがう豆を組み合わせたり,作さく

付つけ

面めん

積せき

を考えながら,計画を立てて植えつ

けたりしています。

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まきおさんの豆作りレポート わかなさんの野菜作りレポート

京阪神の市場へ

土地と気候

■ 年平均気温16.7℃

しもの害が少ない

■ 年降水量1,733mm 6月と9月に多い

■ 海岸の丘りょう地

水の苦労

生産を高める努力

■ 畑へのかんがい施設(県の仕事)

日高川から水をひく

■ ビニールハウス

風・雨・寒さの害を防ぐ

・台風の時はビニールをはずす

・寒い時はボイラーであたためる

■ 病害虫を防ぐ

■ 連作しょう害を防ぐ

薬と太陽熱で

手間のかかる仕事

■ 収かくの時期

10月から5月まで続く

はさみでとる

■ 家でより分ける

■ JAの集出荷場へ

ど りょく

へいきん

こうすいりょう

きゅう

し せつ

ひ だか

ふせ

れんさく

しゅう じ き

ジェイエイ しゅうしゅっかじょう

けいはんしん

箱づめ

かんがい施設の工事

土の消毒

芽が出はじめる

収かくがはじまる

集出荷場の箱づめ機械

むかし

昭和41年

47年

平成8年

■ けし

■ 除虫菊

《夏作》いも・すいか《冬作》えんどう・むぎ

 かんがい施設完成

レタス・すいかがふえる

 ビニールハウス

すいか・えんどう

えんどうへ

じょちゅうぎく

芝さんの家の作物の移り変わりうつ

 みなさんの近くでは,どんな野菜を作っていますか。調べてみましょう。

き こう

 海南市では「美味房」

 御坊市では「甘えんぼう」

 印南町では「赤糖房」

などの名前をつけたミニトマト

が作られています。生産量は,

年々ふえています。

かいなん おいしんぼう

ごぼう

いなみ

あま

あかとんぼ

 和歌山市内で,砂地を生かし

て,ビニールハウスでたくさん

作られています。

 温暖な気候を生かして,和歌

山県各地で作られています。緑

黄色野菜の代表選手です。

おんだん

りょく

おう

30

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まきおさんの豆作りレポート わかなさんの野菜作りレポート

京阪神の市場へ

土地と気候

■ 年平均気温16.7℃

しもの害が少ない

■ 年降水量1,733mm 6月と9月に多い

■ 海岸の丘りょう地

水の苦労

生産を高める努力

■ 畑へのかんがい施設(県の仕事)

日高川から水をひく

■ ビニールハウス

風・雨・寒さの害を防ぐ

・台風の時はビニールをはずす

・寒い時はボイラーであたためる

■ 病害虫を防ぐ

■ 連作しょう害を防ぐ

薬と太陽熱で

手間のかかる仕事

■ 収かくの時期

10月から5月まで続く

はさみでとる

■ 家でより分ける

■ JAの集出荷場へ

ど りょく

へいきん

こうすいりょう

きゅう

し せつ

ひ だか

ふせ

れんさく

しゅう じ き

ジェイエイ しゅうしゅっかじょう

けいはんしん

箱づめ

かんがい施設の工事

土の消毒

芽が出はじめる

収かくがはじまる

集出荷場の箱づめ機械

むかし

昭和41年

47年

平成8年

■ けし

■ 除虫菊

《夏作》いも・すいか《冬作》えんどう・むぎ

 かんがい施設完成

レタス・すいかがふえる

 ビニールハウス

すいか・えんどう

えんどうへ

じょちゅうぎく

芝さんの家の作物の移り変わりうつ

 みなさんの近くでは,どんな野菜を作っていますか。調べてみましょう。

き こう

 海南市では「美味房」

 御坊市では「甘えんぼう」

 印南町では「赤糖房」

などの名前をつけたミニトマト

が作られています。生産量は,

年々ふえています。

かいなん おいしんぼう

ごぼう

いなみ

あま

あかとんぼ

 和歌山市内で,砂地を生かし

て,ビニールハウスでたくさん

作られています。

 温暖な気候を生かして,和歌

山県各地で作られています。緑

黄色野菜の代表選手です。

おんだん

りょく

おう

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32

印南町津井

 わたしは,19歳さい

から父親の農業を手伝っています。

そのころは,えんどうとすいかを中心に作っていまし

た。花作りはせまい土地でも収しゅう

益えき

があがり,生活が安あん

定てい

するので,近所で花を作る農家がだんだんふえてきました。

そこで,新しい農業にちょう戦したいと考えて,花作りを始め

て24年になります。

ビ ニ ー ル ハ ウ ス

ス タ ー チ ス (40a)

花 (60a)

う す い (25a)か す み 草(20a)

え ん ど う(30a)

露 地

ブロッコリー(10a)

きぬさや(5a)

ろ  じ

木村さんの家の土地利用(2013年)

ビニールハウスで育つスターチス

(5)花を作る農家①「こんな花を作っているんだ。」

 印い

南なみ

町津つ

井い

の木き

村むら

さんをたずねたわかなさんたち

を,元気な声がむかえてくださいました。

「どうして花を作ろうと思ったのですか。」

「いつから花を作っているのですか。」

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33

宿根かすみ草の出荷量〈2013年 近畿農政局和歌山地域センター調べ〉

その他10,360

和歌山県12,500

2012年全国出荷量59,400(千本)

熊本県23,700

くまもと

北海道3,700

ほっかいどう

愛知県3,550

あいち

福島県5,590

ふくしま

しゅっこん

かすみ草の収かく

 木村さんのビニールハウスに案内

してもらったわかなさんは,一面の

花におどろきました。

 「これは,何という花ですか。」

 1本1本をていねいに調べて,より分けていきます。

 ここで育てているのは,かすみ草という花です。

いろいろな品ひんしゅ

種があって,わたしが育てているのは,

「アルタイル」というかすみ草です。白い花のくき 

を薬やくひん

品につけて,出しゅっ

荷か

することもあります。

 上から電でんきゅう

球がぶら下がっていますね。夜に点てんとう

灯して,花の 

さく時じ き

期を調ちょうせつ

節しているのです。

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34

② 花の出しゅっか

「花は,いつごろ収しゅう

かくできるのですか。」

「どうして,バケツのような容よう

器き

に入れる

 のですか。」

集しゅうかじょう

荷場での花の検けん

査さ

バケットに入ったかすみ草

 花の出荷は,10月から翌よく

年の 6月まで続きます。お

正月や,母の日の前には,朝早くから夜おそくまで仕

事をすることもあります。収かくした花を長さや花の

さきぐあいでわけて,箱はこ

やバケットにつめていきます。少しで

もよい花をとどけたいので,バケット出荷(バケットに水を入

れて,そこへ花の切り口をつける方法)を始めました。こうす

ると花をていねいにあつかってくれるし,いつまでも花がいき

いきしています。それにバケットは,何度も利用できて,資し

源げん

をたいせつにすることにもつながります。

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35

 育てた花の育ちがよくないときは心配します。台風

でビニールハウスに被ひ

害がい

が出て困こま

ったこともあります。

でも,苦労して育てた花がきれいにさいたときは,と

てもうれしいです。

紀き

の川かわ

市では,“葉は

ぼたん”がたくさん出荷されています。

植えつけ 収かく

かすみ草

スターチス

品種 月 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6

・土を調べる

・土作りをする

水やり・点灯・除草・温度管理てんとう じょそう おんどかんり

③ やりがいのある花作り

「花作りはたいへんではないですか。」

 木き

村むら

さんは, 1日に何回もビニールハウスに行っ

て花の世話をしています。毎日の水やりや気温の管かん

理り

には,特に気をつけているそうです。

木村さんの花の作業ごよみ(2012~2013年)

 和歌山県ではほかにどんな花を育てているんだろう。調べてみよう。お正月の門

かどまつ

松や,クリスマスのリース,玄

げんかん

関に飾かざ

る切り花などに使われます。

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36

柯さんの牛舎

(6)家か

畜ちく

をかう農家和わ

牛ぎゅう

を育てる柯か

さん

「あそこに見えるのが,わたしの牛ぎゅうしゃ

舎だよ。

 そのとなりは放ほうぼく

牧用の農地なんだ。」

 つり橋をわたりながら,柯さんが指さす

方向を,まきおさんたちは見ました。

 ここは,田たなべ

辺市下しもかわかみ

川上です。まきおさん

たちは柯さんといっしょに牛舎に入りまし

た。まきおさんたちを出むかえてくれたの

は,10頭の和牛でした。まきおさんたちは,

和牛にせっせとブラシをかけはじめた柯さ

んにお話をうかがいました。

田辺市下川上

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37

 ここの市場では,生まれてから10か月くらいの子牛の

せりをしています。 1年に 4回開かれる市場には,たく

さんの子牛が集められて

きます。ここから出荷された子牛

は,大きく育てられて,「熊くま

野の

牛」

という名で再び市場に出されます。

柯さんの1日の仕事(8月のある1日)

8時30分

5時30分

えさやり(子牛にミルク)

朝食休けい

昼食休けい

( )

12時30分

9時30分畑へ行って,えさ用の草かり

おから・もみがらをもらいに行く

18時30分

16時00分

14時00分えさの準備ブラシかけ

牛舎のそうじえさやり

10日に1回くらい床がえ

 柯さんのお話をうかがってから,田辺市にある

和牛の市場へ行きました。

 わたしがかっているのは,黒くろ

毛げ

和わ

種しゅ

という和牛です。今は, 7頭

の親牛と 3頭の子牛をかっていま

す。親牛から生まれた子牛を10か月くらい

育てて大きくします。そのために,牛のえ

さになる草を畑で育てています。それをか

ってほしたものに,おからや外がい

皮ひ

(大麦の

もみがら)などを混ま

ぜて,牛に食べさせま

す。わたしが育てた子牛は,田辺市にある

市場に出しゅっか

荷しています。

 将しょうらい

来は親牛を30頭まで増ふ

やして,毎年30

頭の子牛を出荷したいと思っています。ま

た,放牧も取り入れたいと考えています。

 みなさんの近くで牛をかっているところはありませんか。