28
東京港中央防波堤外側地区 国際海上コンテナターミナル整備事業 平成29年12月21日 国土交通省 関東地方整備局 資料5-3- 事業評価監視委員会 (再評価)

東京港中央防波堤外側地区 国際海上コンテナターミナル整備 …東京港中央防波堤外側地区 国際海上コンテナターミナル整備事業 平成29年12月21日

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東京港中央防波堤外側地区国際海上コンテナターミナル整備事業

平成29年12月21日

国土交通省 関東地方整備局

資 料 5 - 3 - ①

平 成 2 9 年 度 第 4 回

関 東 地 方 整 備 局

事 業 評 価 監 視 委 員 会

(再評価)

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Page 3: 東京港中央防波堤外側地区 国際海上コンテナターミナル整備 …東京港中央防波堤外側地区 国際海上コンテナターミナル整備事業 平成29年12月21日

目 次

1.事業の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.事業の進捗状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

3.事業の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

4.事業の見込み等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

5.関連自治体等の意見 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

6.今後の対応方針(原案) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

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1.事業の概要(1) 事業位置図

横浜港

東京都

千葉県

神奈川県

川崎港

埼玉県

東京港

1

事業箇所:コンテナターミナル:航路、泊地:臨港道路

港湾区域

京浜港(国際コンテナ

戦略港湾)

東京港

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1.事業の概要

2

○京浜港(東京港、川崎港、横浜港)における外貿コンテナ取扱量は、686万TEU(2016年速報値)で全国の約4割を占める。

○コンテナ船の大型化や船社間の連携による基幹航路の再編等、海運・港湾を取り巻く情勢が変化する中、我が国に寄港する基幹航路が減少傾向。

○京浜港3港では、各港の特性を活かした機能分担を図り、国際基幹航路の我が国への寄港の維持・拡大を図るため、国際コンテナ戦略港湾政策を推進。

「横浜港」東日本をはじめ広域からの集貨に

よる輸出拠点

超大型コンテナ船に対応し欧米基幹航路を維持・拡大

「川崎港」冷凍・冷蔵倉庫の集積等背後の

物流拠点を活かしたアジア貨物への対応

「東京港」大消費地を背後に持つ輸入拠点

2020年東京オリンピック・パラリン

ピックへの対応

東京港

約30km

川崎港

横浜港

(2) 京浜港の概要

出典:港湾管理者調べをもとに国土交通省港湾局とりまとめ資料をもとに関東地方整備局作成(2016年速報値)

TEU:Twenty-foot Equivalent Units 20ft.(コンテナの長さ)換算のコンテナ取扱個数の単位

京浜港

686万TEUその他

1,070万TEU

我が国の外貿コンテナ取扱量

39%

61%

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○ 国際基幹航路の我が国への寄港を維持・拡大することにより、企業の立地環境を向上させ、我が国経済の国際競争力を強化 ⇒ 雇用と所得の維持・創出

政 策 目 的 : 国 際 基 幹 航 路 の 我 が 国 へ の 寄 港 を 維 持 ・ 拡 大 す る こ と政

※国際基幹航路の我が国への直接寄港が少なくなると、本来 も安価で短時間の直接寄港ルートが減るというサービス水準の直接の低下に加え、我が国立地企業の輸送が海外トランシップを経るルートを選択せざるを得なくなり、我が国立地企業が直接寄港ルートとの比較による価格交渉力を失い、海外トランシップルートの料金高騰等立地環境の悪化を招く。また、積み替え時の積み残し等による遅延リスク、荷傷みのリスク等も懸念される。

国際コンテナ戦略港湾に寄港する欧州基幹航路を週3便に増やすとともに、北米基幹航路のデイリー寄港を維持・拡大する。また、アフリカ、南米、中東・インドといった、現状で我が国への寄港が少ない航路の誘致も進める。

国際コンテナ戦略港湾において、グローバルに展開する我が国立地企業のサプライチェーンマネジメントに資する多方面・多頻度の直航サービスを充実する。

平成26年から、概ね5年以内

平成26年から、概ね10年以内

国際コンテナ戦略港湾への「集貨」

国際コンテナ戦略港湾背後への産業集積による「創貨」

○国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社が行う国内外からの集貨活動に対する支援

○国際コンテナ戦略港湾背後に立地する物流施設の整備に対する支援

国際コンテナ戦略港湾の「競争力強化」

○コンテナ船の大型化や取扱貨物量の増大等に対応するための、大水深コンテナターミナルの機能強化

○AI、IoT、自働化技術の組み合わせによる、世界 高水準の生産性を有し、労働環境の良いコンテナターミナル(「AIターミナル」)の実現

○国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社に対する国の出資

1.事業の概要(3) 国際コンテナ戦略港湾政策の概要

3

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4※東京都港湾局 PORT OF TOKYOに加筆

東京タワー

234

1

56 7

9

121314

国際放送センターメインプレスセンター

選手村

11

8

10

品川区

中央区

江東区

大田区

荒川

:競技会場

事業箇所

1.事業の概要(4) 臨海部における東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場

オリンピック パラリンピック

1 有明アリーナ バレーボール(インドア) 車椅子バスケットボール

2 有明体操競技場 体操 ボッチャ

3 有明BMXコース 自転車競技(BMX) -

4 有明テニスの森 テニス 車いすテニス

トライアスロン トライアスロン

水泳(マラソン10km) -

バレーボール

(ビーチバレーボール)

スケートボード 5人制サッカー

スポーツクライミング -

8 大井ホッケー競技場 ホッケー -

馬術 総合馬術

(クロスカントリー)

ボート ボート

カヌー(スプリント) カヌー

11 カヌー・スラローム会場 カヌー(スラローム) -

12アーチェリー会場

(夢の島公園)アーチェリー アーチェリー

13 オリンピック   アクアティクスセンター

水泳(競泳、飛込、シンクロナイズドスイミング)

水泳

14 東京辰巳国際水泳場 水泳(水球) -

7 青海アーバンスポーツ会場

9 海の森   クロスカントリーコース

10 海の森水上競技場

№ 会場競技(種別 )

5 お台場海浜公園

6 潮風公園 -

自転車競技(BMX)、スケートボード

バスケットボール(3×3)

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1.事業の概要

■東京港の主な定期コンテナ航路と輸出入額(2016年)

(5) 東京港の概要

5

出典:国際輸送ハンドブック(2017)

輸出 (合計:5.8兆円)輸入 (合計10.6兆円)

国際コンテナ戦略港湾の一翼を担う東京港は、外貿貨物のうち96%がコンテナ貨物であり、世界の主要港湾と定期コンテナ航路(週94便)によって接続。

国内の港湾のうち、外貿コンテナ貨物取扱量(425万TEU)は19年連続、貿易額(16.4兆円)は3年連続で第1位。

産業機械、自動車部品、電気機械等の高付加価値製品を輸出し、食料品、衣類、家具等の生活に必要な物資を輸入

輸入総額約10.6兆円

輸出総額約5.8兆円

(単位:億円)

(単位:億円)

36,500

17,900

10,200

10,600

2,100

28,400

33,760

6,280

4,770

1,0401,040

11,350

■東京港の輸出入品目(2016年)

食料品(肉類・魚介類)

原料別製品(金属製品)

化学製品(医薬品)

原料品(木材)

機器類・輸送用機器(事務用機器・半導体等 等)

その他(衣類・家具・科学光学機器)

食料品

化学製品(プラスチック 等)

原料品

その他(科学光学機器 等)

原料別製品(金属製品・ゴム製品 等)

機器類・輸送用機器(事務用機器・自動車部品 等)

主な定期コンテナ航路

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■整備施設岸壁 : 2バース(Y2、Y3)、 耐震 、水深16m、延長800m附帯施設 : ガントリークレーン、コンテナヤード、上屋等航路 : 水深16m泊地 : 水深16m臨港道路 : トンネル、橋りょう等(延長6.6km)

■事業期間 : 平成19~36年度

■事業費 : 2,944億円

(6) 事業の目的と計画の概要

コンテナターミナルの能力不足を解消するため、新たなコンテナターミナルを整備。

基幹航路におけるコンテナ船の大型化に対応するため、大水深の岸壁を整備。

現状の交通渋滞及び将来増大する交通需要に対応するため、臨港道路を整備。

大規模地震時における物流機能を確保するため、耐震強化岸壁と緊急輸送道路を整備。

目的

1.事業の概要

断面図

計画の概要

泊地 航路

10号地その2中央防波堤外側地区

コンテナヤード

中央防波堤内側地区

第二航路 東西水路

水深16m

臨港道路 岸壁

ガントリークレーン

第一航路

平面図

第二航路海底トンネル

10号地その2

中央防波堤外側地区

第二航路

東西水路

中央防波堤内側地区

南北線

※中防外CT(Y2・Y3):中央防波堤外側コンテナターミナルの略称

6

臨海道路

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265 

0

100

200

300

400

500

600

H13 H17 H21 H25 H29 H33 H37

大井ふ頭その2

1.事業の概要(7) -1 事業の必要性(コンテナ貨物増加への対応)

東京港のコンテナ貨物取扱量は、青海コンテナターミナル全岸壁供用後の15年間で190万TEU増加(約1.7倍)。

既存コンテナターミナルの処理能力は限界であり、コンテナターミナルのゲート前ではコンテナを搬出入する車両による渋滞が発生。(コンテナの搬出入に要する時間は平均で約1時間半)

新たなコンテナターミナル整備により、東京港全体のコンテナターミナルの処理能力が向上。

7

出典:東京港ポータルサイト(H29.7)

■コンテナターミナルのゲート前の主な渋滞箇所

コン

テナ

取扱

量(万TEU/年

■東京港のコンテナ貨物取扱量の推移

■コンテナターミナルのゲート前の渋滞状況

N :渋滞箇所

中防外CT(Y2・Y3)

大井CT 青海CT

458

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4,000TEU級(14m)

1.事業の概要(7) -2 事業の必要性(コンテナ船大型化への対応)

8

Hapag-Lioyd FRANKFURT EXPRESS積載量:8750TEU 喫水:14.5m 全長:335m

■東京港に寄港するコンテナ船大型化の推移

8,000TEU級(16m)

※( )内は必要な岸壁水深

6,000TEU級(15m)

2009~現在1999年~

49% 47% 44% 39% 33% 26%16%

20% 21% 23%20%

19%

13%

11%

23% 25% 24%32%

33%40%

49%

3% 2% 5% 7% 13% 18% 23%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

18% 14% 10% 9% 5% 3% 3%

28%20%

12% 9%7% 4% 1%

33%

29%

31%27%

21%

12%9%

21%37%

47%55%

67%81% 87%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

■基幹航路の船型別船腹シェアの推移

出典:国際輸送ハンドブック(2017)

欧州航路

北米航路8000TEU級以上

7割

8000TEU級以上

9割

>10,000 8,000‐10,000 6,000‐8,000 4,000‐6,000

国際海上コンテナ貨物の増加に伴い、各船社はスケールメリットを享受するためコンテナ船の大型化を推進。

その結果、基幹航路では、16mの岸壁水深を必要とする8000TEU級以上のコンテナ船の割合が、北米航路で7割以上、欧州航路で9割以上に増加。

東京港では16m岸壁の整備により、8000TEU級以上のコンテナ船の寄港に対応。

1990年~

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0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23

大型車

小型車

11

357

1.事業の概要(7) -3 事業の必要性(周辺道路交通混雑への対応)

青海地区と中央防波堤地区を結ぶ青海縦貫線では、コンテナ車両等の集中により交通量が容量を大きく上回る状態。

中央防波堤外側地区では新たなコンテナターミナルと物流拠点の整備が計画されており、コンテナ車両等が更に増加

する見込み。

臨港道路の整備により、青海縦貫線の混雑を緩和し、背後圏との円滑な交通ネットワークを確保。

■中央防波堤地区周辺の整備計画

■中防大橋北詰交差点の渋滞状況

撮影:H29.7

青海ふ頭

中央防波堤外側地区

9

新木場

東雲JCT

■青海縦貫線の交通状況(第二航路海底トンネル観測地点)

交通容量1,500台/時

容量オーバー7:30~11:30 13:00~16:30

コンテナターミナルゲートオープン

:交通集中による渋滞

:コンテナターミナル

お台場中央

中防大橋北詰

:CT及び物流拠点の整備計画

(時刻)

(台/時)

撮影:H29.10

第二航路海底トンネル出口

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首都圏

38%

中部圏

13%

その他

33%

近畿圏

16%

首都圏

34%

中部圏

14%

その他

37%

近畿圏

15%

1.事業の概要(7) -4 事業の必要性(大規模地震時における幹線貨物輸送機能への対応)

東京港の既存のコンテナターミナル(17バース)の中で、耐震強化岸壁は4バースであり、大規模地震時におけるコン

テナ取扱能力が不足。 このため、GDPの約4割を占める首都圏の経済活動に大きな影響を与えることが懸念。

耐震強化岸壁と緊急輸送道路の整備により、首都圏の経済活動への影響を緩和。

首都圏 4,400万人(人口の3割)

首都圏 197兆円(GDPの4割)

全国514兆円

全国1億2,700万人

10

写真提供:神戸市

大規模地震への対応

耐震強化岸壁(大井CT)

耐震化未整備(阪神淡路大震災の事例)

施設が被災し、緊急支援物資一般貨物の荷役困難

震災直後から経済活動の維持が可能

コンテナターミナルの耐震化の状況

緊急輸送道路

コンテナターミナルの耐震化の状況 (計 画13バース)

(整備済 4バース)

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H29.8時点

ガントリークレーンの設置状況

2.事業の進捗状況(1) 事業の経緯及び進捗状況

中防外CT(Y2)

11

南北線(沈埋函)

立坑の施工状況

H29.7時点

立坑

南北線(10号地その2)

沈埋函のコンクリート打設状況

H29.7時点

沈埋函

H29.9時点

泊地浚渫の施工状況

グラブ浚渫船

中防外CT(Y2)

H19年度 :中防外CT(Y2)事業化 ・・・(進捗状況)岸壁・臨港道路整備完了、コンテナヤード整備中

H25年度 :中防外CT(Y3)事業化 ・・・(進捗状況)臨港道路整備中

H26年度 :臨港道路南北線事業化 ・・・(進捗状況)沈埋函製作中、立坑・陸上トンネル・橋りょう整備中

H27.10時点

岸壁上部のコンクリート打設状況

中防外CT(Y2)

南北線(沈埋函)H28.9時点

沈埋函鋼殻の大組立状況

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2.事業の進捗状況(2)事業期間見直しの要因

中防外CT(Y2)については、借受予定者の意向を踏まえヤードを整備する必要があるが、借受予定者である韓進海

運が経営破綻したため、ヤードの整備が遅延。

中防外CT(Y3)については、青海縦貫線等の混雑が激しく、東京2020大会期間中においても物流機能を確保する必

要があるため、南北線を先行して整備した上で現地工事に着手。

南北線については、設計段階での地震動の見直しに加え、現地着手後に土壌汚染対策法に基づく土砂処分や地中

支障物の撤去が必要となることが判明し、工事工程に遅延が生じたため、トンネルの供用に影響しない復旧工事等

をH32年度に実施。

以上より、事業期間は平成31年度から平成36年度となる見込み。

12

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36

今回評価時

年度

中防外CT(Y2)

中防外CT(Y3)

臨港道路(南北線)

前回評価時

年度

中防外CT(Y2)

中防外CT(Y3)

臨港道路(南北線)

社会的な背景●東京2020大会開催●東京2020大会開催決定

●韓進海運破綻

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2.事業の進捗状況(3)事業費増加及びコスト縮減の概要

■事業費増加の要因

事業費は794億円増加。

臨港道路南北線において、レベル2地震動の見直しに伴う設計変更等に加え、現地工事着手後に土壌汚染対策法に基づく土砂処分や地中支障物の撤去が必要となることが判明したことなどから980億円増加。設計・施工段階における様々なコスト縮減を図り186億円縮減。

13

事業費増加項目 増額

①事業採択後に判明した要因に伴い実施する事項 約290億円

沈埋函の構造に関して、東日本大震災を踏まえたレベル2地震動の見直しに伴い、強固な構造に変更する必要が生じた。 約170億円

東西水路の横断橋に関して、既設護岸への影響等に関する詳細な検討の結果、橋台位置の変更に伴い橋長が増加するとともに架設方法を変更する必要が生じた。

約48億円

盛土構造に関して、事業化後に実施した土質調査の結果、廃棄物埋立地盤の不等沈下対策を行う必要が生じた。 約42億円

臨海道路とランプの接続に関して、交通安全に係る関係者協議の結果、構造を変更する必要が生じた。 約30億円

②工程短縮のために実施する事項 約188億円

沈埋函の製作に関して、造船会社の工事量の増加に伴い、ドック内での施工期間に制約が生じたため、工程短縮が可能な構造に変更する必要が生じた。

約131億円

立坑の工法に関して、事業化後に実施した土質調査の結果、当初想定していた開削工法から、工程短縮が可能なニューマチックケーソン工法に変更する必要が生じた。

約57億円

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2.事業の進捗状況

事業費増加項目 増額

③現地工事着手後に判明した要因に伴い実施する事項 約480億円

地中支障物に関して、過去の資料等から確認出来なかった旧仮護岸等が地中から見つかり、撤去及び処分を行う必要が生じた。

約73億円

地中障害物の撤去等に伴い工程遅延が生じたため、プレキャスト化等により工程回復を図る必要が生じた。 約51億円

工事箇所の土砂に関して、地歴調査では汚染は確認されなかったが、土質調査の結果、土壌汚染対策法上の基準超過土(自然由来)が確認されたことから、土砂処分費用が必要となった。

約215億円

東西水路の横断橋に関して、土質調査の結果、橋梁上部工を組立てるヤードの地盤改良等を実施する必要が生じた。 約30億円

そのほか新たに既設護岸の防護のための地盤改良など現場状況に応じた対応が必要となった。 約115億円

④対外調整の結果、実施する事項 約18億円

既存航路の安全確保を図るため、関係者からなる航行安全委員会等を開催し、調整を行った結果、航行安全情報管理室を設置するとともに一般船舶と工事用船舶を一体的に支援する新たなシステムの運用を行う必要が生じた。

約18億円

コスト縮減項目 縮減額 縮減額合計

トンネル延長に関して、対外調整の結果短縮が可能となった。 Δ約10億円

Δ約186億円

沈埋トンネルに関して、設計や施工の工夫により、トレンチ浚渫土量及び埋戻土量の削減が可能となった。 Δ約30億円

掘削土砂に関して、対外調整の結果、新たな処分先を確保ができたことから、土壌汚染対策法上の基準超過土の処理費用について低減が可能となった。

Δ約80億円

土壌汚染対策法上の基準超過土等に関して、仮置場の確保や工事工程の調整により有効活用が可能となった。

Δ約26億円

仮設工に関して、現場状況に応じた構造の詳細検討を実施した結果、見直しが可能となった。 Δ約34億円

東西水路の横断橋に関してライトアップを取りやめ等。 Δ約6億円

■事業費増加の要因

■コスト縮減の取組み

14

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2.事業の進捗状況

地震動見直しによる沈埋函構造強化(約170億円)

東北地方太平洋沖地震(H23年3月)

レベル2地震動見直し(H26年3月)

設計の実施(H26年度)

内蔵式可撓継手の追加

壁厚増加・鉄筋量・コンクリート量の増加

大きな変形を吸収するとともに、沈埋函本体に断面力が発生しない構造とする。(内蔵型継手として沈埋函内部に設置)

当初設計

「オープンサンド式構造」函体外面を鋼板で製作したあと、内側に鉄筋を組みコンクリートを打設して一体構造にする方式。

「フルサンド式構造」函体外面・内面すべてを鋼板で造り鋼板の間にコンクリートを打設して一体にする方式。

構造変更により必要となった事項

ドック利用制約による沈埋函構造変更(約130億円)

(4)主な事業費増加要因

鋼殻鋼殻

鋼殻鋼殻

鋼殻

鋼殻

15

②浮遊打設①浮遊打設場所への曳航

③浮遊打設場所での付帯工

例)函外昇降設備

④高流動コンクリート

東日本大震災をうけた、レベル2地震動の見直しにより、沈埋函をより強固な構造とし、内蔵式可撓継手の導入が必要となった。

造船会社の工事量の増加により、ドック内でのコンクリート打設の期間が確保できないことが判明した。このため、ドック外(海上)でのコンクリート打設が可能な構造に変更となった。

変更設計

当初設計

変更設計

鉄筋

鉄筋鉄筋鉄筋

鉄筋鉄筋

鉄筋

鉄筋鉄筋

鉄筋

鉄筋鉄筋

鉄筋

鉄筋鉄筋

鉄筋

鉄筋鉄筋

当初地震動

変更地震動

※加速度大

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地歴調査では汚染は確認されていなかったが、現地着手後に実施した土質調査の結果、土壌汚染対策法上の基準超過土(自然由来)が確認されたことから、土砂処分費用が必要となった。

2.事業の進捗状況自然由来による基準超過土の処分(約215億円)

開削トンネル部における土砂の掘削状況

土壌汚染対策法による基準超過土(自然由来)の処分

立坑と沈埋函の接続部をプレキャスト化(鋼殻)することで工程を短縮

未確認の地中支障物撤去(約70億円)

接続部の設置状況

16

接続部(鋼殻)起重機船

基準超過土位置(土壌汚染対策法)

適正処分(処理業者)

掘削土

過去の資料等から確認出来なかった埋立時の旧仮護岸(松杭と割栗石)とコンクリート殻・鉄くず・木くず等が現地着手後、地中から見つかり、撤去及び処分が必要となった。

10号地側で確認された旧護岸由来の松杭、割栗石

割栗石

松杭

地中障害物の撤去等の対応に伴い、ニューマチックケーソン等の工程に遅延が生じたため、沈埋函接続部のプレキャスト化等工程回復を図る工法を採用した。

工程遅延に対する工程回復策の実施(約50億円)

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沈埋函の沈設深度に関して近年の浚渫精度を踏まえ再検討を行った結果、薄層浚渫が可能となった。

照明設備の設置位置を工夫することにより天井高を下げることも可能となった。これにより、沈埋函の沈設深度を40cm浅くすることが可能となり、トレンチ浚渫土量及び埋戻土量を削減することが可能となった。

2.事業の進捗状況

トンネルの縦断勾配に関して、当初は10号地側にあるフェリーふ頭駐車場の現状回復を前提として3.6%としていたが、関係者と調整の結果、代替駐車場を整備することで、4.0%に変更することが可能となった。これにより、トンネル延長を約300m短縮することが可能となった。

変 更 計 画

8.4m

航路水深(AP‐12.0m)

土被1.8m (0.2m縮減)

8.6m

航路水深(AP‐12.0m)

土被2.0m

浚渫・埋戻土量の縮減

沈埋函 断面図

第二航路

10号地その2 中央防波堤内側

延長2,134.5m(約300m縮減)

第二航路

10号地その2 中央防波堤内側

延長 2,437m

臨港道路(南北線) 縦断図

臨港道路(南北線) 縦断図 沈埋函 断面図

(5)コスト縮減の取組み

対外調整の結果によるトンネル延長の短縮(Δ約10億円)設計や施工の工夫によるトレンチ浚渫土量及び埋戻土量の削減(Δ約30億円)

当 初 計 画

17

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2.事業の進捗状況

東京都と調整した結果、周辺の用地を借用することが可能となったため、新たに掘削土砂の仮置き場を設置し、埋め戻し時に有効活用することが可能となった。

工事工程の調整を行った結果、発生する掘削土砂を埋め戻し時に有効活用することが可能となった。

工事箇所から発生する土壌汚染対策法における基準超過土の本事業での有効活用(約26億円)

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掘削土砂(基準超過)発生場所:

掘削土砂(基準超過)仮置場所:

掘削土砂(基準超過)埋戻場所:

ニューマチックケーソン掘削沈下

掘削土

(基準超過)

掘削

事業敷地内一時仮置

埋戻材として有効活用

陸上トンネル埋戻し

ニューマチックケーソン掘削沈下

掘削土(基準超過)

掘削

(処理業者)

適正処分

有効活用例

工事工程の調整(埋戻し箇所へ直接運搬)

第二航路

10号地その2地区 中央防波堤内側

第二航路

埋戻材として活用

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3.事業の評価(1) 費用対効果分析

※割引後は社会的割引率等を考慮した値。

■総便益(B)「港湾整備事業の費用便益分析マニュアル」に基づき以下の便益を計上した。

① ターミナル新設による輸送コスト削減(国内他港利用回避)② 大水深岸壁整備による輸送コスト削減(大型コンテナ船寄港による海外トランシップ回避)③ 臨港道路整備による輸送コスト削減(走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少)④ 大規模地震時の輸送コスト削減

■総費用(C)当該事業に関わる建設費(事業費)と維持管理費を計上した。

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基準年次 平成29年度

事業期間 平成19年度~平成36年度

分析対象期間 供用後50年間

事業費 2,944億円

総便益(割引後)※ 12,109億円

総費用(割引後)※ 3,004億円

費用便益比(B/C) 4.0

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3.事業の評価①便益の計測 ターミナル新設による輸送コスト削減(国内他港利用回避)

②便益の計測 大水深岸壁整備による輸送コスト削減(大型コンテナ船寄港による海外トランシップ回避)

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整備あり(With ) : 東京港を利用整備なし(Without) : 代替港を利用

整備あり(With ) : 東京港を利用

東京港

整備なし(Without) : 海外トランシップによる輸送

トランシップ

海上輸送(大型コンテナ船)

海上輸送

輸送コスト削減額 419億円/年

釜山港欧州・北米

東京港

大型コンテナ船寄港

欧州・北米

海上輸送(大型コンテナ船)

東京港

北米 等

釜山港

東京港背後圏

海上輸送

海上輸送陸上輸送(距離:長)

他港

他港

他港

陸上輸送(距離:長) 東京港

北米 等

東京港背後圏

海上輸送

他港

他港

他港

陸上輸送(距離:短)

輸送コスト削減額 191億円/年

直航

コンテナ取扱能力が増強され、国内他港を利用した非効率な輸送を回避でき、輸送コストが削減される。

欧州及び北米航路における大型コンテナ船の寄港が可能となり、海外での積み替えによる非効率な輸送を回避することができ、輸送コストが削減される。

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3.事業の評価

④便益の計測 大規模地震時の輸送コスト削減

※地震発生確率考慮後、単年での 大値であるH42の値を記載している。

③便益の計測 臨港道路整備による輸送コスト削減(走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少)

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整備あり(With ) : 東京港を利用整備なし(Without) : 代替港を利用

臨港道路 整備なし(Without) 臨港道路 整備あり(With )

東京港

北米 等東京港背後圏

海上輸送

海上輸送陸上輸送(距離:長)

他港

他港

他港

陸上輸送(距離:長) 東京港

北米 等

東京港背後圏

海上輸送

他港

他港

他港

陸上輸送(距離:短)

被災

輸送コスト削減額 9億円/年

輸送コスト削減額 104億円/年

耐震化 直航

交通分散化により交通混雑解消

大規模地震時における輸送機能を維持することができ、代替港を利用した非効率な輸送が回避できることで輸送コストが削減される。

慢性的な渋滞

コンテナターミナル稼働に伴い、発生・集中する交通量が分散されることで、陸上輸送コストが削減される。

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3.事業の評価

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(2)費用便益分析

注1)便益・費用については、平成29年度を基準年とし、社会的割引率を4%として現在価値化した値。注2)費用及び便益額は整数止めとしている。注3)費用及び便益の合計額は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。

■事業全体

■残事業

項目 内容 金額 B/C

便益(B)

ターミナル新設による輸送効率化便益 3,141 億円

総便益12,109

億円4.0

海外トランシップ回避による輸送コスト削減便益 6,887 億円

道路の混雑解消による輸送コスト削減便益 1,906 億円

震災時の輸送コスト削減便益 126 億円

残存価値 49 億円

費用(C)事業費 2,873 億円 総費用

3,004億円維持管理費 131 億円

項目 内容 金額 B/C

便益(B)

ターミナル新設による輸送効率化便益 3,141 億円

総便益12,109

億円7.9

海外トランシップ回避による輸送コスト削減便益 6,887 億円

道路の混雑解消による輸送コスト削減便益 1,906 億円

震災時の輸送コスト削減便益 126 億円

残存価値 49 億円

費用(C)事業費 1,403 億円 総費用

1,534億円維持管理費 131 億円

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中防外CT(Y2)については、岸壁は完成しており、早期供用開始に向けた対応を図る。

中防外CT(Y3)については、南北線を先行して整備した上で現地着手する。

南北線については、施工に着手しており、東京2020大会までの供用を目指す。

(1)事業進捗の見込みの視点

(2)事業の実施状況と今後の予定

4.事業の見込み等

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37

測量・調査・設計

岸壁(耐震)

航路、泊地

ターミナル・荷役機械

臨港道路

測量・調査・設計

岸壁(耐震)

航路、泊地

ターミナル・荷役機械

臨港道路

用地補償

測量・調査・設計

臨港道路

※完成年度は、費用便益比算定上設定した年次である。 評価年次

年   度

南北線

中防外CT

(

Y3

)

中防外CT

(

Y2

)

23

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(1)都県・政令市への意見聴取(結果)

本事業は、東京港の物流機能の強化に向け、増大する貨物需要への対応を図るとともに、東京港内の道路ネットワークの充実や東京2020大会会場へのアクセス道路として活用されるなど、極めて重要な事業である。 このため、本事業の継続が不可欠であり、着実な進捗を図られたい。 なお、本事業の実施にあたっては、引き続き東京都と連携してコスト縮減に取り組むとともに、厳格な工程管理を実施されたい。

5.関係自治体等の意見

24

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(1) 事業の必要性等に関する視点

(2)事業の進捗の見込みの視点

●既存コンテナターミナルの処理能力は限界であり、コンテナターミナルのゲート前ではコンテナを搬出入する車両による

渋滞が発生していることから、新たなコンテナターミナルの整備が必要である。

●基幹航路ではコンテナ船の大型化が進んでいることから、大水深岸壁の整備が必要である。

●青海縦貫線ではコンテナ車両等の集中により交通量が容量を大きく上回る状態であり、また新たなコンテナターミナル

等の整備によりコンテナ車両等が更に増加する見込みであることから、南北線の整備が必要である。

●大規模地震時におけるコンテナ取扱能力が不足することから、耐震強化岸壁と緊急輸送道路の整備が必要である。

中防外CT(Y2)については、岸壁は完成しており、早期供用開始に向けた対応を図る。

中防外CT(Y3)については、南北線を先行して整備した上で現地着手する。

南北線については、トンネル部、橋りょう部の施工に着手しており、東京2020大会までの供用を目指す。

(3)対応方針(原案)

6.今後の対応方針(原案)

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事業継続とする。

事業の必要性・重要性は高く、着実な効果発現を図ることが適切である。