4
2 化 学 工 学 21.対象とするプロセス:充填塔によるガ ス吸収 ガス吸収操作は充填塔中の気液向流接触により分離目的 成分を気相から液相に移動させるプロセスである。このプ ロセスでは成分濃度が塔高さ方向に連続的に変化すること および気液接触面積が不明である点が特徴である。 2.モデル式の作成 2014 8 25 日受理 Excelで解く化学工学10大モデル 伊東 章 第2回 ガス吸収の2重境膜説 図 2 ガス吸収操作の 2 重境膜モデル 連載 図 1 充填塔内のガス吸収 デル」 2 重境膜説) 1である。 N A k y y y i )= k x x i x1ここで,k y が気相境膜物質移動係数,k x が液相境膜物質移 動係数,y i が気相界面濃度,x i が液相界面濃度であり,y i x i は平衡関係にある。 次に微小塔高さ dz を考える。ここでは GL を単位塔断 面積あたりで取り扱っているので, dz が充填層容積である。 充填層単位容積あたりの気液接触面積 am 2 /m 3 ]を用いる と, a dz)がdz あたりの気液接触面積である。 dz 部分での(ガ ス本体流れの吸収成分変化量)=(気液界面を通しての吸収 量)なので, Gdy =- N A a dz2であり,式(1)の N A を用いると次式となる。 液側も同様に考えて次式である。 ここで k y ak x a mol/ m 3 s)]が物質移動容量係数である。 k a をまとめて 1 つのパラメーターとして扱うのもこの モデル解析の特徴である。 基礎式(3)を塔底の y 1 から塔頂の y 2 まで形式的に積分す ると次式となる。 この式を用いると(G/k y a)を気相側移動単位高さ HTU積分項を移動単位数 N G として個々に求めて,その積とし て充填塔高さ Z を求めることができる。この方法が教科書 に載っている普通の取り扱いである。 3.モデル式の解法 ここでは 2 重境膜モデルの基礎式(3),(4)を直接積分す る解法を試みる。先ず,界面平衡関係を y i mx i として式(1を用いて界面濃度 y i x i を消去すると,式(3),(4)が次式 伊東 章氏のプロフィール等は,78 11 号●ページを参照してください。 充填物 (パッキング) 吸収液 混合ガス 被吸収ガス y x x i y i L G G L y1 y2 x1 x2=0 dz Gy G(y+dy) NAa(dz) 吸収速度 充填層によるガス吸収塔内の流れと被吸収成分の濃度を モデル的に示したのが図2 である。添字 1 が塔底,2 が塔 頂である。気液の塔単位断面積あたりの流量を LG mol/ m 2 s)],yx をガス中および液中の被吸収成分のモル分 率とする。被吸収成分は希薄として,LG は一定とする。 気液界面を通してのガス吸収速度(物質移動流束)N A mol/ m 2 s)]を気液 2 層の境膜で考えるのが次式の「2 重境膜モ G =- k y a y y i 3dy dz L =- k x a x i x4dx dz Z =- y2 y1 5G k y a dy y y i

excelce model 02 - FC2Excelで解く化学工学10大モデル 伊東 章 第2回 ガス吸収の2重境膜説 図2 ガス吸収操作の2重境膜モデル ... 0.00 0.02 0.04 0.06

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  • 2 化 学 工 学(2)

    1.対象とするプロセス:充填塔によるガス吸収

     ガス吸収操作は充填塔中の気液向流接触により分離目的

    成分を気相から液相に移動させるプロセスである。このプ

    ロセスでは成分濃度が塔高さ方向に連続的に変化すること

    および気液接触面積が不明である点が特徴である。

    2.モデル式の作成

    2014年8月25日受理

    Excelで解く化学工学10大モデル� 伊東 章

    第2回 ガス吸収の2重境膜説

    図2 ガス吸収操作の2重境膜モデル

    連載

    図1 充填塔内のガス吸収

    デル」(2重境膜説)1)である。

      NA=ky(y-yi)=kx(xi-x) (1)

    ここで,kyが気相境膜物質移動係数,kxが液相境膜物質移

    動係数,yiが気相界面濃度,xiが液相界面濃度であり,yiとxiは平衡関係にある。

     次に微小塔高さdzを考える。ここではG,Lを単位塔断

    面積あたりで取り扱っているので,dzが充填層容積である。

    充填層単位容積あたりの気液接触面積a[m2/m3]を用いる

    と,a(dz)がdzあたりの気液接触面積である。dz部分での(ガ

    ス本体流れの吸収成分変化量)=(気液界面を通しての吸収

    量)なので,

      Gdy=-NAa(dz) (2)

    であり,式(1)のNAを用いると次式となる。

    液側も同様に考えて次式である。

    ここでkya,kxa[mol/(m3・s)]が物質移動容量係数である。

    kとaをまとめて1つのパラメーターとして扱うのもこの

    モデル解析の特徴である。

     基礎式(3)を塔底のy1から塔頂のy2まで形式的に積分す

    ると次式となる。

     この式を用いると(G/kya)を気相側移動単位高さ(HTU),

    積分項を移動単位数NGとして個々に求めて,その積とし

    て充填塔高さZを求めることができる。この方法が教科書

    に載っている普通の取り扱いである。

    3.モデル式の解法

     ここでは2重境膜モデルの基礎式(3),(4)を直接積分す

    る解法を試みる。先ず,界面平衡関係を yi=mxi として式(1)

    を用いて界面濃度yi,xiを消去すると,式(3),(4)が次式*伊東 章氏のプロフィール等は,78巻11号●ページを参照してください。

    充填物

    (パッキング)

    吸収液 混合ガス

    被吸収ガス

    図2ガス吸収操作の2重境膜モデル

    y

    xx i y i

    L G

    GL

    y1

    y2

    x1

    x2=0

    dz

    Gy

    G(y+dy)

    NAa(dz)

    吸収速度

     充填層によるガス吸収塔内の流れと被吸収成分の濃度を

    モデル的に示したのが図2である。添字1が塔底,2が塔

    頂である。気液の塔単位断面積あたりの流量をL,G [mol/

    (m2・s)],y,xをガス中および液中の被吸収成分のモル分

    率とする。被吸収成分は希薄として,L,Gは一定とする。

    気液界面を通してのガス吸収速度(物質移動流束)NA[mol/

    (m2・s)]を気液2層の境膜で考えるのが次式の「2重境膜モ

    G =-k y a(y-yi) (3)dy

    dz

    L =-k x a(xi-x) (4)dx

    dz

    Z=- ∫ y2y1 (5)Gkyady

    (y-yi)

  • 第 78 巻 第 12 号 (2014) 3(3)

    となる。

    このy,xに関する連立常微分方程式を塔底(z=0)から積

    分し,y2が設定条件となる zが必要な塔高さZである。

    【例題3】アンモニア吸収塔の高さ

     アンモニアを5 mol%含む排ガスを水で洗浄して95%除去

    したい。塔単位断面積あたりガス流量G=100 kmol/(m2・h),

    水流量L=148.2 kmol/(m2・h)としたとき,必要な塔高さZ

    [m]を求めよ。kya=200 kmol/(m3・h),kxa=2840 kmol/(m3・

    h),m=0.78とする。

    (解)設定条件はy1=0.05,y2=0.0025である。塔底での水

    中のNH3濃度x1が次式より得られる。(G14)

      G(y1-y2)=L(x1-x2) (8)

     図3の「常微分方程式解法シート」で,セルG2:G14に以

    上の各定数の値を書く。B5:C5に式(6),(7)を記述する。

    このときy,xはB3,C3を指定する。積分区間と積分の刻

    み幅Δ zをB7:B9に,初期値y1,x1をB12:C12に設定する。

    シート上のボタンをクリックすることで,Runge-Kutta法

    プログラムが実行される。

     積分結果が塔底からの高さ z [m]におけるy,xの値とし

    て得られる。(各々12行からのA列,B列,C列)yがy2=0.0025

    に等しいところの zが求める塔高さZとなる。ここではZ

    =2.6 mが得られた。図のシートでは参考のため界面濃度

    yi,xiも計算した。(D列,E列),塔内の濃度分布を図4に示

    す。

    4.微分方程式モデルの抽出,蒸留への応用

     以上の連立常微分方程式モデルによる解析は教科書に

    載っていない本稿独自のものである。この解析法は微分接

    触式の他の分離プロセスにも応用できる。抽出と蒸留での

    応用を紹介する。

     塔型装置で原溶媒を抽剤(軽液)と向流接触させて,原溶

    媒中の溶質を抽剤中に抽出する操作を考える(図5)。原溶

    媒が連続相,抽剤が分散相とする。原溶媒の塔断面積あた

    り流量をR[kg/(m2・s)],抽剤流量をE,原溶媒,抽剤中

    の溶媒(被抽出成分)組成をx,y [質量分率]とする。x,y間

    の液液平衡はy=mxで表せるとする。位置zは塔頂から測り,

    塔頂が添字2,塔底が添字1である。

     抽出量R(x2-x1)が指定されていると,最小抽剤量Eminは,

      R(x2-x1)=Emin y*2 , y*2=mx2 (9)

    である。抽剤流量はこれのCL倍とする。(E=CLEmin)とす

    るとy2は物質収支より次式である。(y1=0)

      y2=R(x2-x1)/E (10)

     吸収操作と同様に,抽出塔の微小高さdzについて2重境

    膜モデルにより物質移動速度を記述すると次式である。(図5

    (b))

    図5 塔型抽出プロセス,(a)抽出操作例,(b)2重境膜モデル

    図3 積分による吸収塔高さの計算法

    図4塔内濃度分布の計算結果

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    0.00 0.02 0.04 0.06y, x

    z [m

    ]

    yyixix

    塔底

    塔頂

    図4 塔内濃度分布の計算結果

    図5塔型抽出プロセス, (a)抽出操作例, (b)2重境膜モデル

    z

    原溶媒 R

    x 1

    x 2

    y 2

    y 1

    抽剤 E

    カテキン水溶液

    酢酸エチル

    x

    x i

    y i

    y

    NA

    dzdy

    E

    dzdx

    R

    (a)(b)

    =- (y- )(D=-(kxa/kya) (6)dydz k yaG m(Dx-y)(D-m)

    =- ( -x) (7)dxdz k xaL (Dx-y)(D-m)

  • 4 化 学 工 学(4)

    ここでkxa[kg/(m3・s)]は原溶媒側(連続相側)物質移動容量

    係数,kya[kg/(m3・s)]は抽剤側(分散相)側物質移動容量係

    数である。この連立常微分方程式を z=0(2:塔頂)から z=

    Z(1:塔底)まで積分することで塔内濃度分布が求められる。

    【例題4】向流抽出塔によるカテキン抽出

     向流抽出塔で茶葉抽出水溶液中のカテキン(多糖類)を酢

    酸エチルを抽剤として抽出する(図5(a))。原料液中の濃度

    をx2=0.01[質量分率]として,カテキンを90%抽出するた

    めの塔高さを求めよ。R=0.23 kg/(m2・s),抽剤は最小抽

    剤量のCL=1.5倍,m=2.0,kxa=2.0 kg/(m3・s),kya=6.6

    kg/(m3・s)とする。

    (解)のシート(図は省略)で抽剤流量E(G7),y2(G8)を求め,xi,yiをセルG12,G13に設定して,微分方

    程式(11),(12)をB5,C5に書く。積分を実行して,y=0(=

    y1)となるzが求める塔高さである。z=0.62 mと求められた。

    このときの塔内濃度分布を図6に示す。

    qFである。濃縮部(図7の①境界)について低沸点成分の物質

    収支をとると,

    であり,濃縮部操作線の式である。これを yから xを求め

    る式に変形しておく。

    低沸点成分の物質移動を蒸気相支配の境膜モデルで考える

    と,充填塔の微小高さdzについての収支は次式である(図8)。

    ここでKyaは気相基準総括物質移動容量係数である。y*は

    同じ z位置の液本体濃度 xに平衡な組成であり,理想溶液

    を考えると,相対揮発度αを用いて次式で表せる。

    以上により,y*は式(17)によりxで表せ,xは操作線の式(15)

    よりyから得られるので,式(16)はyに関する常微分方程

    式となる。これを yqから xDまで積分して,濃縮部の高さ

    ZRが求められる。

     蒸留塔の回収部(図8の②境界)についても同様に取り扱い,

    図7塔型抽出プロセスの濃度分布,操作線

    0.0

    0.1

    0.2

    0.3

    0.4

    0.5

    0.6

    0.7

    0.000 0.005 0.010 0.015 0.020y, x

    z [m

    ]

    yyixix

    塔底

    塔頂

    (a)

    原溶媒 抽剤

    図6 塔型抽出プロセスの濃度分布,操作線

     次に充填塔における蒸留操作を考える(図7)。気液組成

    は低沸点成分のモル分率で表し,蒸気組成をy,液組成を

    xとする。原料は流量F,組成 zF,液割合q,で供給され,

    留出液,缶出液,還流の流量,還流比が各々D,W,L,R

    (=L/D)である。指定の分離をおこなうに必要な濃縮部の

    充填塔高さZRおよび回収部の充填塔高さZSを求める問題(設計型問題)として考える。

     塔内流量一定と仮定すると,濃縮部の蒸気流量V,液流

    量L,回収部の蒸気流量 V'=L+qF-W,液流量 L'=L+

    図7充填塔による2成分系蒸留モデル

    D, xD

    W, xW

    y =x =xD

    濃縮部 (R) 留出液

    F, zF

    原料

    缶出液

    q

    リボイラ

    V, x

    全縮器

    回収部 (S)

    L

    L, y

    L’ = L+qF, x

    V’ = L+qF – W, y

    zR

    zS

    還流比 R = L/Dx q

    y q

    図7 充填塔による2成分系蒸留モデル

    図8充填塔蒸留の微分モデル

    z

    L V

    yx

    y*

    V, y

    L, x

    dzdy

    V

    )*(A yyaKN y -=

    充填塔の気液混合流れ 境膜モデル物質移動流束

    濃度変化

    図8 充填塔蒸留の微分モデル

    R =-kxa(x-xi) (11)dx

    dz

    E =-kya(yi-y) (12)dy

    dz

    xi= , yi=mxi , D=- (13)Dx-yD-m

    kxa

    kya

    y= x+ xD (14)L

    L+DD

    L+D

    x= y- xD (15)L+D

    L

    D

    L

    V =Kya(y*-y) (16)dy

    dz

    y*= ,x= (17)αx

    1+(α-1)xy*/α

    1+(1/α-1)y*

  • 第 78 巻 第 12 号 (2014) 5(2)

    原典1)Whitman, W.G.:Chem. Metall. Eng., 29, 146(1923)

    化学工学トリビア HETP

     充填物の物質移動性能の指標がHETP( height equivalent

    to a theoretical plate)(理論段相当高さ)であり,充填物のカタ

    ログに示されている。このHETPをうまく説明してい

    る教科書があまりないようである。

     今回の常微分方程式モデルで吸収塔内の高さ方向濃度

    分布を示したが,この図を使うとわかりやすい。図10

    に別の吸収塔内濃度分布を例示するが,この図で例え

    ば位置z=1.5 mの界面濃度xi-yiに関して,yiに等しい

    yの位置z=1.8 m,およびxiに等しいxの位置z=1.0 m

    を決めることができる。するとこの間のZE=0.8 mの

    高さの充填塔区間を去るガス濃度 yと液濃度 xは平衡

    である。よってこの高さZEが「段を去る気液が平衡に

    ある」という理論段に相当するといえる。これが理論

    段相当高さ(HETP)の考え方である。

    回収部の操作線の式が次式である。

    (18)

    微小高さdzについての収支が次式である。

    回収部についても,このyに関する常微分方程式をyqから

    xWまで積分することで回収部の高さZSが求められる。なお,

    原料供給部蒸気,液組成yq,xqは2つの操作線(式(14),(18))

    の交点から次式である。

    本解析の積分の初期値としてこの値が必要である。

    【例題5】充填塔による2成分系蒸留

     充填塔でα=2.5の2成分系蒸留をおこなう。原料はF=

    1 kmol/(m2・h),zF=0.5,q=0.5で,塔頂でD=0.5 kmol/(m2・h),

    xD=0.93,塔底でW=0.5 kmol/(m2・h),xW=0.07,還流比

    R=3とする。濃縮部および回収部の高さZR,ZSを求めよ。

    物質移動容量係数はKya=4.9 kmol/(m3・h)である。

    (解)のシート(図は省略)で濃縮部および回収部

    の蒸気組成yR,ySに関する常微分方程式(16),(20)を同時

    に積分する。濃縮部を添字R,回収部を添字Sで表し,B

    列が濃縮部の yR,C列が回収部の ySである。E-J列で諸定

    数および,B3のyRおよびC3のySからx,y*を計算する(H6,

    H7,J6,J7)。B5に式(15)を,C5に式(20)を書き,式(21)

    で求めたyqを初期値として積分をおこなう。塔頂,塔底で

    指定の濃度xD,xWになったZが充填塔高さである。

     計算結果の塔内濃度分布を図9(a)に,操作線を(b)に示

    す。この結果よりZR=1.8 m,ZS=1.2 mと得られた。

    (例題のファイルは化学工学会のホームページに掲載されています。

    ダウンロードしてお試しください。)

    図9 充填塔による2成分系蒸留, (a) 塔内濃度分布と充

    填層高さ,(b)操作線

    -1.5

    -1.0

    -0.5

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    0 0.2 0.4 0.6 0.8 1y, x

    z [m

    ]

    y

    x

    塔底

    塔頂

    (a)

    R= 3

    原料供給位置

    zF

    xD

    xW

    xq

    yq

    ZR

    ZS

    0.0

    0.2

    0.4

    0.6

    0.8

    1.0

    0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0x

    y 濃縮部操作線

    平衡線 α=2.5

    塔底

    塔頂

    (b)

    xD

    xW

    回収部操作線

    zF

    y

    y*

    (xq , yq)

    図10 吸収塔における理論段相当高さ

    0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01

    0

    1

    2

    3

    4

    0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1

    x

    Z [m

    ]

    y

    y

    yi

    xi

    xx

    yi

    xi

    y

    塔内濃度分布

    L

    G

    y

    x

    理論段相当高さ

    ZE

    気液平衡

    図9 �充填塔による2成分系蒸留,(a)塔内濃度分布と充填層高さ,(b)操作線

    図10 吸収塔における理論段相当高さ

    y= x- xW= x- xWL+qF

    L+qF-WW

    L+ qF-WL'

    V'

    W

    V'

    x= y+ xW (19)L'

    V'

    W

    V'

    V' =-K y a(y*-y) (20)dy

    dz

    (xq , yq)=( ,xD /(R+1)+ zF /(q-1)q/(q-1)-R/(R+1)

    ) (21)zF/q+xD /R(R+1)/R-(q-1)/q