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Agilent EZJIT Plusソフトウェアによるジッタの解析
Application Note 1563
はじめに
RJ/DJ解析は、信号の全ジッタをランダム・ジッタ(RJ)成分とデターミニステック・ジッタ(DJ)成分に分離します。成分を分離すると、非常に低いビット・エラー・レート・レベルにおけるピークツーピーク・ジッタ値を、そのまま測定する場合よりもはるかに短時間に予測することができます。この技術は、ジッタの原因解析にも有効です。
RJ/DJジッタ解析にはさまざまな製品を使用することができます。解析にタイム・インターバル・アナライザからのジッタ測定値を使用する製品もあれば、サンプリング・オシロスコープやリアルタイム・オシロスコープのジッタ測
目次
はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1
タイム・インターバル・エラー . . . . . . . 2
ジッタのdual-Diracモデル . . . . . . . . . 3
ジッタ分離モデル . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
ジッタ分離方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5周期対任意データ・パターン解析 . . . . . . . . 5
DDJをRJとPJから分離する方法 . . . . . . . . 5
PJをRJから分離する方法 . . . . . . . . . . . . . 7
dual-DiracモデルをPJとDJに
適用する方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
ジッタ測定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9一般セットアップ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
信号源タイプ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
測定セットアップ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
クロック・リカバリ . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
しきい値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
その他のセットアップ・オプション . . . . . 12
グラフの解析 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13DDJ対ビット
(周期データ・モードのみ). . . . . . . . . . . . 13
ISIフィルタ
(任意データ・モードのみ). . . . . . . . . . . . 14
DDJヒストグラム . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
RJ,PJヒストグラム. . . . . . . . . . . . . . . . . 15
TJヒストグラム. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
RJ,PJスペクトル . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
BERバスタブ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17
測定結果の解析. . . . . . . . . . . . . . . . . . 18RJ(rms)、DJ(d-d)、TJ(p-p). . . . . . . . 18
DDJ(p-p)、ISI(p-p)、DCD. . . . . . . . . . 18
PJ(d-d)とPJ(rms). . . . . . . . . . . . . . . . 18
まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19
定値を使用する製品もあります。製品が多様である分、レポートされる結果も多種多様です。
EZJIT Plusソフトウェアは、AgilentのInfiniium DSO80000リアルタイム・オシロスコープ用のジッタ解析ソフトウェアで、Agilent DCA-Jの高速、高確度の解析機能を利用しています。本アプリケーション・ノートでは、 EZJITPlusソフトウェアの用途と動作原理について説明します。
2
タイム・インターバル・エラー
EZJIT PlusソフトウェアのRJ/DJ解析は、指定した時間基準に対する、シリアル・データ波形の電圧遷移の時間変位の変動に基づいて行われます。簡単に言えば、EZJIT Plusソフトウェアは、タイム・インターバル・エラー(TIE)を解析します。TIE(位相ジッタとも呼びます)は、タイム・エラー対時間の離散時間関数です。
TIE測定に使用する時間基準(クロック基準)は、さまざまな方法で定義できます。TIE測定に一般的に使用される時間基準の1つは、測定の信号源波形に一番適した周波数と位相を持つ定
図1. EZJIT Plusソフトウェアは、シリアル・データ波形とクロック波形のTIE(タイム・インターバル・エラー)を解析します。(c)のTIEは、(b)の信号源波形の遷移と(a)の指定した時間基準間のタイム・エラーです。
周波方形波です。その他に信号源波形の電圧遷移を時間基準として用いる場合もあります。
測定でほんとうに知りたい情報がレポートされるためには、各アプリケーションに対して適切な時間基準を選択することが重要です。例えばソフトウェアPLL(フェーズ・ロック・ループ)クロック・リカバリ基準を使用すると、レシーバ回路に伝えられた残留PLLジッタのみがレポートされます。
(a)クロック基準
(b)信号源波形
(c)タイム・インターバル・エラー(TIE)
時間
時間
時間
測定しきい値
3
ジッタのdual-Diracモデル
ジッタのdual-Dirac1モデルを使って、TIEのPDF(確率密度関数2)をモデリングします。dual-Diracモデルは、TJ(全ジッタ)と呼ばれる全TIEを2つの成分、RJ(ランダム・ジッタ)とDJ(デターミニステック・ジッタ)に分離します。RJがガウスPDFを、DJが2モードPDFを持ち、2つを一緒にコンボリューション3したときに低確率でTJのPDFに非常に適合する新しいPDFが得られるように定義します。図2に、dual-Diracモデルが、TJヒストグラムの低確率
「テール」で測定されたTJヒストグラムにいかに一致するかを示します。
ランダムとデターミニステックは、これら2つのジッタ成分に対する適切な名称とはいえません。RJカテゴリに入るジッタは、必ずしもランダムではありません。定義では、RJは、ガウスPDFを示すジッタです。同様に、DJは、必ずしもデターミニステックではありません。定義では、DJは、ガウスPDFを示さないジッタです。
図2. EZJIT Plusは、dual-Diracモデルを使用して測定ジッタ・ヒストグラムを非常に低い確率まで外挿します。
1 dual-Diracという名称は、DJの2モードPDFを形成する2つのDiracデルタ関数から来ています。
2 ヒストグラムは、ジッタの実際のPDFの小サンプル測定尺度です。
3 TJは、技術的にはRJとDJの相互相関ですが、RJとDJは対称であるためコンボリューションが可能です。
モデルが測定を近似
モデルが測定を近似
-タイム・エラー +タイム・エラー
4
ジッタ分離モデル
ジッタのdual-Diracモデルは、そのまま測定するよりもはるかに短時間にさまざまな確率でのピークツーピーク・ジッタを見積り、システムに対するジッタの影響を高い信頼性で予測できます。EZJIT Plusを使用すると、TJをすばやく予測できるばかりでなく、ジッタの考えられる原因も簡単に識別できます。
この複雑なジッタ・モデルでは、DJをさらにPJ(周期ジッタ)、DDJ(データ依存ジッタ)、ISI(符号間干渉)、DCD
図3. EZJIT Plusソフトウェアは、TJをパターン相関成分(DDJ、ISI、DCD)と非パターン相関成分(RJとPJ)に分離します。
(デューティ・サイクル歪み)に分解します。このモデルでは、データ・パターンに相関するジッタ(DDJ、ISI、DCD)とデータ・パターンに相関しないジッタ(RJとPJ)も区別します。これらのジッタのサブ成分に対する理解を深めるため、次の「ジッタ分離方法」でEZJIT Plusソフトウェアが各サブ成分を互いに分離する方法について説明します。
全ジッタ(TJ)
デターミニステック・ジッタ(DJ)
ランダム・ジッタ(RJ)
周期ジッタ(PJ)
データ・パターンに非相関
データ・パターンに相関
データ依存ジッタ(DDJ)
符号間干渉(ISI)
デューティ・サイクル歪み(DCD)
5
ジッタ分離方法
周期対任意データ・パターン解析
EZJIT Plusソフトウェアは、データにどんなバイナリ・シーケンスが存在するかに関係なく、クロック波形またはNRZシリアル・データ波形でジッタを解析できます。EZJIT Plusソフトウェアはクロック波形を解析するとき、クロック波形を交互1/0データ・パターンを持つデータ波形として処理します。EZJIT Plusソフトウェアでは、指定したデータ・パターンが周期的であるか非周期的であるかによって使用する解析技術が異なります。周期的なデータの解析手法は、非周期的な解析手
法に比べてかなり高速であるため、周期データには周期的解析手法を推奨します。ただし、周期的解析手法には、最大パターン長に制限があります。
DDJをRJとPJから分離する方法
周期データ・モードデータ・パターンに相関するジッタの成分を分離するため、EZJIT Plusソフトウェアでは、最初にジッタのTIE関数を計算して、各TIE値を信号源波形の論理ビット・シーケンスの特定ビットと関連付ける必要があります。これには、信号源波形から論理ビット・シ
ーケンスを抽出し、周期パターンのビット長を決定します。次に、元のTIE関数を間引きして、すべての値がパターン内の特定ビットに対応しているサブサンプルTIE関数を生成します。間引きのときに元のサンプルをいくつ飛ばすかは、選択したRJ帯域幅モードによって異なります。狭帯域(ピンク)RJ帯域幅モードを選択すると間引きの割合が増加し、広帯域(白)を選択すると間引きの割合が減少します。「ジッタ測定」の説明を参照してください。
図4. EZJIT Plusソフトウェアは、元のTJ TIE(b)を(c~e)の個別TIEに間引きします。これらのTIEは、信号源波形の繰り返しビット・パターン(a)の各ビットに対応します。
(a)シリアル・データ・シーケンス
(b)完全なTIE
(c)TIE:ビット0
(d)TIE:ビット1
(e)TIE:ビット3
パターン1 パターン2 パターン3 時間
時間
時間
時間
時間
6
ジッタ分離方法(続き)
これらの各サブサンプルTIE関数を、FFT(高速フーリエ変換)を使って周波数ドメインに変換します。これにより、DDJが残りのジッタから簡単に分離できるようになります。各ジッタ・スペクトル(DC成分)の最初の値が、繰り返しビット・パターンの特定ピットのDDJに等しいからです。
任意(非周期)データ・モード任意データ・モードでは、EZJIT Plusソフトウェアは、ビット・シーケンス内の特定の位置に関連付けられたTIE値を単純に平均することはできません。代わりにEZJIT Plusソフトウェアは、ある範囲のデータ・ビットから
図5. 各ジッタ・スペクトルの最初の値が、信号源波形の繰り返しビット・パターンの各特定ビットのDDJと等しくなります。
DDJを計算するための公式を決定します。EZJIT Plusの公式とは、遷移ISI(符号間干渉)フィルタです。このフィルタは、従来型のFIR(有限インパルス応答)デジタル・フィルタと同様に機能しますが、各遷移のDDJ値を、その遷移を囲む遷移の極性から計算する点が異なります。ISIでは、「アグレッサ*」遷移(エッジ)に含まれるエネルギーが「ヴィクティム*」エッジのタイミングに影響を与えると仮定します。EZJIT PlusソフトウェアのISIフィルタは、実際には4つの重み付き係数(立ち上がりヴィクティムと立ち上がりアグレッサ、立ち上がりヴィクティムと立ち下がりアグレッサ、立ち下が
りヴィクティムと立ち上がりアグレッサ、立ち下がりヴィクティムと立ち下がりアグレッサ)から成ります。EZJIT Plusソフトウェアは、4つの異なる係数を使ってDDJの非リニアな影響に対応します。
ISIフィルタに含める進み係数と遅れ係数の数を指定できます。次に、EZJIT Plusソフトウェアが、測定されたTJと計算したDDJ間のニ乗誤差を小さくするフィルタ係数値を計算します。図9に、26係数ISIフィルタの例を示します。
(a)ビット0のスペクトル
(b)ビット1のスペクトル
(c)ビット3のスペクトル
周波数
周波数
周波数
* 影響を与えているほうをアグレッサと呼び、影響を受けているほうをヴィクティムと呼びます。
7
ジッタ分離方法(続き)
PJをRJから分離する方法
周期データ・モードすべてのTJスペクトルからDDJを取り除くと、残りのジッタ・スペクトルは、RJとPJだけになります。PJをRJから分離するには、まず、残りのすべてのRJ/PJスペクトルのPSD(パワースペクトル密度)を計算します。全部の個別RJ/PJスペクトルを一緒に平均し(前の収集からのスペクトルとも平均し)、APSD(averaged PSD)を計算します。
大きな振幅を持つAPSDの周波数成分にはPJが含まれている可能性があるため、この時点で、すべて除去します。APSDの残りの周波数成分を結合して、RJのRMS値(実効値)を計算します。
図6. 平均PSDから明らかにとび出たスペクトル成分をTJスペクトル成分から除去します。次に残りのスペクトル成分からRJ RMSを計算します。
任意データ・モード周期データ・モードと同様、DDJをTJから取り除きます。任意データ・モードでは、タイムドメインでRJとPJからのみ構成されるTIE関数を生成します。次にこのRJ,PJ TIE関数をRJ帯域幅モードに応じてセグメント化、または間引きしてから、RJ,PJ TIE関数のPSDを計算します。狭帯域(ピンク)RJ帯域幅モードの場合はTIE関数を間引きし、広帯域(白)の場合はTIE関数をセグメント化します。
任意データ・モードでも、PJをRJから分離するため、RJ,PJスペクトルのスパイクをPJ周波数成分として取り除きます。ただし任意データ・モードでは、1つのPJ周波数成分が、複数のスパイクとして現われます。こうしたことが
起きるのは、PJが、測定されたTJのTIE関数の「ホール」(以下のRJ,PJスペクトルのホールの説明を参照)によって変調されるためです。これらの変調スプリアスは、しきい値との単純な比較によってRJから区別するには小さすぎるので、任意データ・モードでは、シリアル・データ・パターンからそれらの値を計算し、値を元のRJ,PJスペクトルから取り除きます。この処理は、大きな振幅を持つ残りのPSDの周波数成分がすべてなくなるまで、反復されます。次にPSDの残りの周波数成分を結合して、RJのRMS値(実効値)を計算します。
周波数
8
ジッタ分離方法(続き)
dual-DiracモデルをPJとDJに適用する方法
DJ(d-d)とPJ(d-d)はどちらも、上記で説明したdual-Diracモデルを測定ヒストグラムに適合させることによって求めます。dual-DiracモデルをPDFに適合させる方法はさまざまです。多くの方法では、ガウス成分と2モード成分の解を同時に求めます。EZJIT Plusの場合、すでにガウス成分(RJ)がわかっているので、必要なのは2モード成分の幅を解くことだけです。EZJITPlusは、この幅を得るため、dual-Diracモデルのn番目の百分位数が測定ヒス
トグラムのn番目の百分位数に一致する2モードPDFの幅を見つけます。
PJの検出に使用する百分位数は累積的です。百分位数は、約0.1%から開始し、累積された収集の総数が増加するにつれて減少します。DJの検出に使用する百分位数も累積的ですが、TJヒストグラムを形成するためRJ,PJヒストグラムの分散がDDJヒストグラムとの相互相関によってどれだけ減少したかに応じて、開始値は約0.1%と0.1%を1パターン当たりのエッジ数で割った値とのあいだになります。
図7. EZJIT Plusソフトウェアは、dual-Diracモデルのn番目の百分位数を測定ヒストグラムのn番目の百分位数に適合させます。
確率
-タイム・エラー +タイム・エラー
n番目の百分位数 n番目の百分位数
9
ジッタ測定
ジッタ解析はかなり高度な解析プロセスであるため、ジッタ測定のセットアップはやっかいです。しかしEZJITPlusソフトウェアにはセットアップ・ウィザードが用意されているため、セットアップの5つの主要ステップ(一般セットアップ、信号源セットアップ、測定セットアップ、クロック・リカバリ、しきい値のセットアップ)が簡単に行えます。
一般セットアップ
ジッタ測定のセットアップの最初のステップとして、正しい波形収集を行うため、オシロスコープのサンプリング・レート、メモリ長、垂直軸を設定します。
サンプリング・レート通常、サンプリング・レートが高いほど、ジッタ測定の確度が上がります。ジッタ測定に必要な測定帯域幅は、シリアル・ビット・レートの約2倍です。これは、シリアル・ビット・レートの8倍のサンプリング・レートを意味します。ただし、必要以上のサンプリング・レートでオーバサンプリングした後、デジタル・フィルタリング(波形演算またはソフトウェア帯域幅リミット)を使って測定帯域幅を狭めると、オシロスコープのジッタ測定フロアが改善します。
ジッタ測定フロアを下げるよりも信号源波形の収集時間レンジを広げる方が重要な場合もあります。こうしたケースでは、メモリ長を増やす代わりにサンプリング・レートを減少させる方法も有効です。
メモリ長通常ジッタ解析は、一度に1波形(トリガ・サイクル)だけ収集して、実行されます。統計データでは、何度もデータが収集され、オシロスコープの設定が変更される(例えば、垂直軸が変更される)まで累積されます。主要設定を変更すると、累積統計がリセットされます。各トリガ・サイクルで収集する信号源波形の時間レンジを設定するには、収集メモリ長を変更します。
EZJIT Plusソフトウェアでは、周期的方法を使用するとき、各個別波形収集に信号源波形の繰り返し論理ビット・パターンのインスタンスが最低数含まれる必要があります。したがって周期的方法では、解析できる信号源波形テスト・パターンの最大パターン長が制限されます。
通常、ジッタの低周波成分を解析するときには、信号源波形の時間レンジを長くします。ただし、非常に長いメモリ長でクロック・リカバリを使用するときには、注意が必要です。通信システムのクロック信号源は、オシロスコープのタイムベース基準ほど安定しておらず、オシロスコープのタイムベースと比較して変動する可能性があるからです。
垂直軸ジッタ測定に用いる信号源波形の垂直軸(ボルト/目盛り)として、常に、表示波形がオシロスコープのフル・スケール表示レンジ(8目盛り)内に納まる値を選択する必要があります。これにより、オシロスコープでクリッピングによって波形に歪みが生じることなく、測定S/N比(SNR)が上がります。立ち上がり時間が遅い信号源波形で低ジッタ測定を行うときには、信号源波形のスロープで電圧ノイズがタイミング・ジッタに変換されるため、電圧SNRをできるだけ高くすることが重要です。
10
ジッタ測定(続き)
信号源タイプ
信号源タイプ・ステップでは、RJ/DJ測定のソース・チャネルを選択できるばかりでなく、解析を周期データ方法で実行するか、任意データ方法で実行するかも選択できます。テスト対象のシリアル・データ波形が周期的で、パターン長が使用している波形メモリ長に対して十分短い場合は、周期データ方法を推奨します。
周期モードでは、パターン長を手動で設定できます。または、パターン長をEZJIT Plusソフトウェアによって自動的に決定することもできます。通常は、自動パターン長設定を推奨しますが、シリアル・データ波形に時々ビット・エラーが生じる場合は、手動設定を推奨します。自動パターン長モードでは、ビット・エラーにより累積測定統計がリセットされますが、手動モードではリセットされません。
任意データ・モードでは、ISIフィルタで用いる係数の数を指定する必要があります。「ISI Filter Lead」は、フィルタ内の進み係数の数をさします。「ISI Filter Lag」は、フィルタ内の遅れ係数の数をさします。アプリケーションに適したISIフィルタのサイズは、信号源波形に存在するDDJに依存します。係数を必要数より多く選択すると、EZJIT Plusソフトウェアの実行速度が必要以上に遅くなります。係数を必要数より少なく選択すると、DDJの一部がRJとして解釈されてしまいます。
アプリケーションに対して適切な数のフィルタ係数を選択するには、これまでに得た信号源波形のDDJの出所に関する知識が役立ちます。例えば、進み係数は、特定の遷移のDDJが時間的に後から発生する他の遷移によって影響を受ける場合にだけ必要となります。ISIフィルタの最小必要サイズを決定する1つの方法として、多くの係数を
使って測定を実行し、測定結果に影響を与えない数まで、係数の数をじょじょに減らしていきます。
測定セットアップ
測定セットアップ・ステップでは、表示結果に関連した各種オプションを設定します。これらのオプションは、RJ/DJ解析に固有で、レポートされたTJのBER(ビット・エラー・レート)レベル、ジッタ結果の時間対単位インターバル・スケーリングなどの設定を含みます。このステップには、データTIE補間制御も含まれます。この場合、ジッタ・スペクトル・グラフの計算前にTIE関数のホールを補間するかどうかを選択します(以下のRJ,PJスペクトルを参照)。
11
ジッタ測定(続き)
クロック・リカバリ
すべてのTIE測定(RJ/DJ解析を含む)は、指定クロック基準に対する波形遷移の時間位置を測定します。このクロック基準の選択が、測定しようとするジッタの特性を測定する上で非常に重要です。EZJIT Plusソフトウェアのクロック・リカバリ・セットアップ・メニューからジッタ測定用のクロック基準を選択します。クロック・リカバリ・セットアップ・メニューには、次のクロック・リカバリの選択肢があります。
● Intel® PCI Express(1.0a)
● Intel® PCI Express(1.1)
● Fibre Channel
● First-Order PLL
● Second-Order PLL
● Constant Frequency
● Explicit Clock
● Explicit First Order
これらのクロック・リカバリのうち、2つの方法では、1つの信号の電圧遷移間のジッタを、2番目の信号の遷移を基準として測定します。その他の方法では、波形の電圧遷移と、波形から抽
出された基準クロックの遷移間のジッタを測定します。
これらのクロック・リカバリの一部は、測定ジッタに対してハイパス・フィルタ効果を持つPLL技術を採用しています。自動周波数抽出機能によるクロック・リカバリは、オシロスコープの内部タイムベースを基準としてジッタを測定します。この方法を大きな収集メモリ長で使用するときには注意が必要です。これらのジッタ測定では、信号源波形のクロック基準とオシロスコープの内部タイムベース間に低周波の微分位相雑音(ワンダ)が含まれるからです。
RJ/DJ解析の代表測定値は、ジッタの高周波成分に限定されます。ほとんどのシリアル・データ・システムに採用されているPLLが、低周波のジッタとワンダを補正するからです。ただし、EZJIT Plusソフトウェアを、メモリ長とサンプリング・レートによってのみ制限される明示的クロックまたは手動一定クロック・リカバリと一緒に使用する場合、EZJIT Plusソフトウェアで低周波数ジッタも測定することができます。
しきい値
すべてのジッタ測定は、電圧しきい値の時間に基づきますが、測定に異なるしきい値を使用するようオシロスコープを設定できます。通常、信号源の50%の電圧しきい値を使用します。ヒステリシス値は通常、信号源波形振幅の約5%に設定します。ただし、信号源波形が変曲点を持つ場合には、ヒステリシスを増やします。信号源波形の垂直アイ開口が過度のISIや電圧ノイズによって著しく小さくなる場合、ヒステリシスを小さくする必要があります。
目的のレシーバがDC結合で、固定しきい値を持つ場合、そのしきい値を使用すると、測定するジッタが、レシーバのジッタと同じになります。多くの高速データ信号は差動です。この場合、クロスオーバ(ゼロ電圧)が、しばしばレシーバのスイッチングしきい値となります。
12
ジッタ測定(続き)
その他のセットアップ
RJ/DJセットアップ・ウィザードで示されない2つのセットアップ・オプションがあります。1つは、グラフで使用されるデフォルト・カラー・スキームです。もう1つはRJ帯域幅モードです。
RJ帯域幅モード上記で説明したように、EZJIT Plusソフトウェアは、PJからRJを分離するためスペクトル技術を使用します。ジッタ・スペクトルのベースラインの上に突き出た狭帯域幅スパイクは、PJを含んでいると見なし、残りのベースラインは、RJのみを含むと仮定しています。この技術は、広帯域幅ランダム・ジッタに対して非常に有効です。広帯域幅RJは、ジッタ・スペクトル全体に渡って一様なPSDを持ちます。ただし測定対象のRJが一様なPSDを持たない場合もあります。これは、実際の通信システム・アプリケーションではあまり起こりませんが、研究室のテスト機器を
使って生成したジッタ・ソースには頻繁に発生します。逆に、PJ成分のジッタ・スペクトルに、非常に周期的な狭スパイクのジッタ成分ではなく、はるかに幅の広いジッタが現われる場合もあります。こうした広帯域幅PJ成分も稀ですが、単にジッタ・スペクトルを調べただけではRJから区別するのが難しい場合があります。
こうした理由から、EZJIT Plusソフトウェアでは、ジッタ・スペクトルの「広帯域のかたまり」をRJとして処理するかPJとして処理するか指定することができます。RJ帯域幅モードをwideに設定すると、RJがフラットで、ジッタ・スペクトルのすべての広帯域のかたまりがPJであると見なされます。デフォルトで、RJ帯域幅モードはnarrowに設定されています。このモードは、RJがフラットの場合もフラットでない場合もあること、およびジッタ・スペクトル内のすべての広帯域のかたまりをRJとみなします。
13
グラフの解析
DDJ対ビット(周期データ・モードのみ)
DDJ対ビット・グラフ(図8を参照)は、信号源波形の繰り返しビット・パターンの各ビットに関連付けられた平均タイム・エラーを表示します。DDJの正の値は、これらのビットに先立つ遷移が、予定よりも後に到着することを示します。このグラフを調査すると、伝送エラーの原因となった可能性の高いパターンとパターン内のビットがわかります。
図8. このDDJ対ビット・グラフは、27-1データ・パターンの各ビットによりどれだけのジッタが発生するかを示しています。
14
グラフの解析(続き)
ISIフィルタ(任意データ・モードのみ)
ISIフィルタ・グラフ(図9を参照)は、ISIフィルタの係数をFIRデジタル・フィルタのインパルス応答に似たグラフ形式で表示します。このグラフには、アグレッサ極性とヴィクティム極性のそれぞれの組み合わせに1つずつ、合計4つの個別トレースがあります。「立ち上がりヴィクティムと立ち上がりアグレッサ」のトレースと「立ち下がりヴィクティムと立ち下がりアグレッサ」のトレースの正の係数値は、これらの相対ビット位置における遷移によって全DDJに正の遅延が追加されることを示します。他の2つのトレースの正の係数値は、これらの相対ビット位置における遷移によって全DDJから正の遅延が減算されることを示します。
4つのトレース間の違いを比較すると、DDJの出所に関する情報が得られま
す。例えば、位置0にある正の立ち下がり指数パルス形状は、データ波形のローパス・フィルタリングを示します。位置0からずれた、フィルタ形状内の突然の不連続性は、伝送チャネル内の伝送ライン反射による可能性があります。4つのトレース間の隔たりは、立ち上がり遷移と立ち下がり遷移がDDJに異なる影響を与えることを示します。実際、位置0での立ち上がりトレースと立ち下がりトレース間の隔たりは、DCD(デューティ・サイクル歪み)に等しくなります。ゼロでない進み係数は、パターンの特定の遷移におけるDDJが、シリアル・データ・パターンのその遷移に続く他の遷移によって影響を受けていることを示唆します。ゼロでない進み係数は、実際には稀ですが、バッファやパイプラインを採用するシステムで発生する可能性があります。
図9. ISIフィルタは、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの間のヴィクテム(影響を受けている側)-アグレッサ(影響を与えている側)の関係を示しています。
ISIフィルタは測定信号でのDDJのモデリングに常に有効であるものの、ISIフィルタ・グラフの上述の解釈は、信号源波形のシリアル・データ・パターンのランダムさに依存します。ISIフィルタ・グラフで特定の遷移のDDJと、そのDDJを生成した遷移間の真の相関を表示するには、シリアル・データ・パターンが(単に任意であるだけではなく)ランダムである必要があります。例えば短い周期パターン(27-1PRBSなど)を使用すると、遷移の特定の組み合わせがテスト波形で発生せず、得られるISIフィルタは、存在すればDDJに影響を与えるこれらの係数に対してもゼロ値を示します。逆に、2つの異なる遷移が常に一緒に発生し、1つの遷移の実際のDDJがISIフィルタ・グラフの両方の場所に現われる可能性もあります。
15
グラフの解析(続き)
DDJヒストグラム
EZJIT Plusソフトウェアは、3つの異なるDDJヒストグラムを計算して表示します。1つは立ち上がり遷移用、1つは立ち下がり遷移用、1つは立ち上がりエッジ/立ち下がりエッジ用です。これらのヒストグラムはすべて、DDJ対ビット関数から直接計算され、全測定ジッタ内のISIとDCDがグラフでわかります。
RJ,PJヒストグラム
RJ,PJヒストグラムは、DDJが除去された測定TIE関数のヒストグラムです。ヒストグラムは、PJと相互相関4されたRJから成ります。RJ,PJヒストグラムがガウス形状の場合には、信号源波形に無視可能なPJが存在することを示しています。図11に示すコンポジット・ヒストグラムには、RJ,PJヒストグラムが含まれています。
図10. コンポジットDDJヒストグラムは、立ち上がり遷移、立ち下がり遷移、両方の遷移のDDJヒストグラムを同時に表示します。
図11. コンポジット・ヒストグラムを使用すると、DDJとRJ,PJヒストグラムの全TJヒストグラムに対する相対的影響を比較できます。
4 コンボリューションと似ていますが、いずれかの関数の「フリップ」がありません。
16
グラフの解析(続き)
ール」が含まれます。これらのホールに対応する時間ではジッタに関する情報が欠けているため、真のRJ,PJスペクトルを決定することは不可能です。
EZJIT Plusソフトウェアには、RJ,PJスペクトルを表示するための2つのオプションがあります。RJ/DJセットアップ・メニューのデータTIE補間モードをnoneに設定した場合、ホールをすべて値0に設定してスペクトルが計算されます。この場合、得られたスペクトルは、データ・パターンによって変調されている(周波数ドメインではコンボリューションされている)ように見
えます。RJ/DJセットアップ・メニューのデータTIE補間モードをlinearに設定した場合、リニア補間でホールを決定しスペクトルが計算されます。この2番目のケースでは、得られたスペクトルは、時間変動ローパス・フィルタによってフィルタされたかのように見えます。図12に、TIE関数のホールの補間がRJ,PJスペクトル・グラフに与える影響を示します。
図12. EZJIT Plusソフトウェアは、(下)TIEホール補間を行ったRJ,PJと(上)TIEホール補間を行わないRJ,PJを表示します。
TJヒストグラム
EZJIT PlusソフトウェアのTJヒストグラムは、TJのPDFの測定尺度です。信号源波形のTIE関数のヒストグラムに非常に似ていますが、全く同じというわけではありません。EZJIT Plusソフトウェアは、DDJヒストグラムをRJ,PJヒストグラムと相互相関することにより、TJヒストグラムを計算します。この技術により、ヒストグラムをTIE関数から直接累積することにより生成される分散に比較して、ヒストグラム関数の分散が減少します。
RJ,PJスペクトル
RJ,PJスペクトル・グラフは、結合されたRJとPJのDFT(離散フーリエ変換)を示します。表示された振幅スペクトルは、各収集波形に対して独立に計算され、前の収集からの振幅スペクトルと平均されます。RJ,PJスペクトルを使用して、信号源波形内のジッタのPJ成分を識別できます。ジッタのPJ成分は、ノイズのあるRJベースラインの上に突き出したジッタの離散インパルスとして現われます。
クロック信号の場合、DFTは、等間隔のRJ,PJ時間レコードから計算されます。ここで、RJ,PJ時間レコードの各値は、クロック波形の電圧遷移に対応します。NRZデータタイプ信号の場合、RJ,PJ時間レコードは、等間隔のジッタ値から構成されません。これらの信号の場合、RJ,PJ時間レコードには、連続する論理1または0に起因する「ホ
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BERバスタブ
BERバスタブ・グラフ(図13を参照)は、シリアル・データ信号(水平軸)対ビット・エラー・レート(垂直軸)のデータ有効ウィンドウの幅をプロットします。バスタブ・プロットの2つのサイドはそれぞれ、測定されたセクションと外挿されたセクションから成ります。上部セクション(ハイBER)は、測定TJ TIEから直接計算されます。TJの場合、下部セクション(ローBER)は、EZJIT Plusソフトウェアのdual-Diracモデルの外挿によって計算されます。
グラフの解析(続き)
BERバスタブ・グラフは、希望のBERがデータ有効ウィンドウにどう影響するか、あるいは逆に、希望データ有効ウィンドウからどんなBERを期待できるかを視覚化する際に有効です。プロットされた曲線の上部セクションと下部セクション間の交点を調べると、dual-Diracモデルが測定ジッタ・データにいかに良く適合するかがわかります。
図13. BERバスタブ・グラフは、予測TJ値が、dual-Diracジッタ・モデルを使って測定TJからどのように外挿されているかを示します。
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測定結果の解析
RJ(rms)、DJ(d-d)、TJ(p-p)
ランダム・ジッタRJ(rms)は、信号源波形のジッタのランダム部分のRMS値です。ランダム・ジッタは、信号源波形のシリアル・データ・パターンと非相関で、通常、ガウスPDFを示すと見なされます。デターミニステック・ジッタDJ(d-d)は、信号源波形の全ジッタのdual-Diracモデルの2モードPDF成分の幅です。全ジッタTJ(p-p)は、dual-Diracジッタ・モデルを使ってRJ(rms)とDJ(d-d)から計算されたときの、指定BERレベルにおける信号源波形の全ジッタの予測ピークツーピーク・レンジです。
DDJ(p-p)、ISI(p-p)、DCD
データ依存ジッタDDJ(p-p)は、信号源波形のシリアル・データ・パターンに相関するタイム・エラーのピークツーピーク・レンジに等しくなります。符号間干渉ISI(p-p)は、立ち上がりエッジからのDDJのレンジと、立ち下がりエッジからのDDJのレンジの、どちらか大きい方です。デューティ・サイクル歪みDCDは、立ち上がりエッジからのDDJと立ち下がりエッジからのDDJの平均の差の絶対値です。
DDJ値とDCD値は、慎重に解釈する必要があります。DDJにはISIとDCDの両方が含まれているものの、ISIとDCDは互いに排他的でないからです。実際、DCDは符号なし差であるため、必ずしもリニアに加算されません。さらに、DCDは、測定しきい値の選択に大きく依存します。ISIは通常、ジッタの内在する原因を理解する上でDDJより有効です。DCDの複雑な特性によってDDJの感度が低下するからです。
PJ(d-d)とPJ(rms)
EZJIT Plusソフトウェアは、周期ジッタを、デルタ-デルタ値のPJ(d-d)とRMS値のPJ(rms)としてレポートします。PJ(d-d)は、RJ,PJヒストグラムに適合するdual-Diracモデルのデターミニステック成分に対応します。PJ(d-d)は、PJの全ジッタに対する相対的影響を比較する際には有効ですが、実験で確認することは困難です。PJ(rms)は、PJの全ジッタに対する相対的影響の比較には有効ではありませんが、実験ではるかに簡単に確認できます。
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まとめ
AgilentのEZJIT Plusソフトウェアは、信号の全ジッタをランダム・ジッタ成分とデターミニステック・ジッタ成分に分離するためのソリューションです。非常に低いビット・エラー・レート・レベルにおけるTJを、そのまま測定するより短時間で予測することができます。また、アプリケーションと
関連カタログ
カタログのタイトル カタログの種類 カタログ番号
EZJIT/EZJIT Plusジッタ解析ソフトウェア Data Sheet 5989-0109JAJP
Infiniium 80000Bシリーズ・オシロスコープ Data Sheet 5989-4604JAJPInfiniiMaxシリーズ・プローブ
86100C DCA-Jを用いた正確なジッタ解析 Product Note 5989-1146JA
Comparison of Different Jitter Analysis White Paper 5989-3205ENTechniques With a Precision Jitter Transmitter
PLLベース・ジッタ測定のさまざまな組み合わせで使用できます。さらに、リアルタイム・オシロスコープのパワフルなトラブルシューティング機能により、個別ジッタ・ソースの内在する原因を簡単に診断し、理解することができます。
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April 28, 2006
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