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新しい情報管理~電子ブック・ペーパーの主流となる新しいファイル・ツールの動向~
2011年7月15日アンテナハウス株式会社
小林徳滋www.antenna.co.jp
Copyright © 2011 Antenna House, Inc.
会社概要
1984年設立 事業所:東京本社、伊那支店(長野県伊那市)、名古屋支店(名古屋市)
米国:デラウエア州に100%子会社 中国:北京市に100%子会社 社員数:日・米・中国合計で約90名 主な事業内容:PDF関連製品とXML関係
PDF関係のデスクトップ製品
PDF変換はおまかせ。PDF作成・逆変換ツール!
PDF作成ツール!PDFへの記入ツール「書けまっせ」「瞬簡リッチ」統合版
本セッションの話題
①リフロー型電子文書の時代
②EPUB2からEPUB3への進展③EPUBの課題-表示(EPUBリーダ)-流通・DRM-制作
従来のデジタル文書の種類
• 電子化文書(書面をスキャンして作成)– TIFF–透明テキスト付PDF
• 電子文書(アプリから出力して作成)– PDF– DocuWorks– SWF(Flash)
紙に印刷した文書(書面)を模倣するデジタル文書
書面を模倣するデジタル文書
• 用紙の大きさが固定• 本文テキストの大きさが固定• テキストと図版のレイアウトが固定• WYSIWYGで制作する
– 1980年代中頃から30年間の潮流– DTPソフト、Officeソフトなどを使って–画面の上において–印刷出力を想定してレイアウトする
リフロー型文書
• ダイナミック・レイアウト–画面の大きさに応じて変わる–ユーザーが文字の大きさを変更できる
• Webと共にリフロー型文書が登場– Web(HTML)は典型
• (米国では)EPUBが既にデファクトに• 日本では、これから・・・
なぜリフローなのか
• 画面のサイズがまちまち–スマートフォンの画面~PCの画面–固定サイズではない
• アスペクト比がまちまち
ICONIA TAB A500
iPad/iPad2
Galaxytab
ディスプレーのサイズ
Optimus Pad
ICONIA TAB A500
iPad/iPad2
Galaxytab
ディスプレーのサイズ
Optimus Pad
紙はA系列、B系列とも縦横比ほぼ一定
拡大縮小では対応できない
リフロー型出版物形式:EPUB
• IDPF(International Digital Publishing Forum)という米国のフォーラム団体が策定している標準
• XMLとWeb標準に基づく、電子出版物の配布と交換の形式
EPUB2.0の内部: XHTML+CSS
• XHTMLとナビゲーション用のコンテンツをZIPで圧縮したもの
Web と同じXHTML
CSS
ondeck_2011_2_24.epub
EPUB2
• EPUB前史– 1999年OEB(Open eBook Publication Structure)
• 2007年にEPUB2.0策定– Adobe Digital Editions, Sony Reader
• 2009年– Sony Store, B&N,Google
• 2010年– iBooks (iPad)が採用して大ブレーク
EPUB2.0と米国電子出版環境
• 電子書籍販売プラットフォームで取り扱い– Sony Store、B&N、AppleのiBookStore、
Google eBooks(有償電子書籍)• 無料EPUBリーダソフト
– Windows用• Adobe Digital Editions、FireFox Plug-in
– Apple iOS• iBooks, Stanza (O’Reillyのコンピュータ技術書籍)
– Android• EPUB作成ソフト
– Sigil(無料)など• EPUB作成サービス• Amazon:KindleGen
– EPUBからKindle形式への変換
EPUB3.0仕様策定
• IDPFに仕様策定グループが結成http://idpf.org/epub/30/wg-charter
– 2010年5月24日 EPUB2.1→EPUB3.0– 14項目の課題を認識日本から提出した、EPUB日本語テキストレイアウトに関する要求仕様が含まれた。
• EPUB Enhanced Global Language Support (EPUB_EGLS) (リーダ:村田真氏)
世界のEPUBリーダーに日本語を
• EPUB日本語拡張仕様策定プロジェクト–総務省2010年度ICT利活用プロジェクトの一つ–イースト株式会社が主提案者
• JEPAとアンテナハウスが共同提案者– IDPFにおけるEPUB3.0の策定と同期
• W3CのCSS3仕様策定との連携• 2011年3月22日成果発表会
– http://www.epubcafe.jp/egls/epubseminar3• 6月27日~28日に総務省で評価会議
W3CのCSS3との関係
• EPUBは、独自に仕様を書き下ろすのではなくて、外部の仕様を参照している部分が多い
• レイアウトはW3CのCSSを利用する– EPUB2は、CSS2.0でレイアウト指定–日本語テキストレイアウトを強化するにはCSS3を策定する必要がある
• 日本語レイアウト上は次の二つが重要– Writing Modes Module Level3– CSS Text Level3
EPUB3.0で増えるコンテンツ力
• コンテンツの表現力– HTML5丸ごと (JavaScript は限定的に)– SVGを文書本体で使えるようになる– MathML(数式)を標準として使える
• 音声の同期でオーディオブック機能強化– TTS (Text to speech)– MediaOverlays
• ナビゲーションの変更– NCX方式からHTML5のnav要素へ
ちから
EPUB3.0で高まる日本語組版力
• レイアウト指定能力の向上–縦組指定(writing-mode)
• 縦中横(text-combine)–日本語テキスト組版指定
• 禁則処理 (改行位置の制限, line-break)
–テキストの飾り• 圏点(emphasis marks)
–ルビ• HTML5のルビでマークアップ (ruby)
ちから
EPUB3仕様策定作業の道程
• 2月15日にFirst Public Draftを公開• 5月15日に勧告提案(IDPF Proposed
Recommendation)• 8月にIDPF会員投票を予定• EPUB3は既に実装が始まっている• 将来、ISOデジュール国際標準を目指す
–但し、参照先のW3C・CSS3がPRになることが前提
EPUB情報源• IDPF
• http://idpf.org/• EPUB 3.0 First Public Draft (2011/2/15)
– http://idpf.org/epub/30
• epubcafé– http://www.epubcafe.jp/
• W3C– http://www.w3.org/TR/css3-text/– http://www.w3.org/TR/css3-writing-modes/– http://www.w3.org/TR/jlreq/ja/
• Antenna House– http://www.antenna.co.jp/EPUB/
EPUBの活用例ーeトリセツ
• NTTドコモのAndroid端末用アプリケーション• EPUB形式のマニュアルを表示• 従来のPDFマニュアル・ダウンロードと比べて
– OSのアップデートと連動させやすい–機器とマニュアルが一体化–マニュアルから操作へのリンクが可能– TELリンクの埋め込み
• ドキュメントと操作が連動できる
EPUBの活用例ー広報誌
• 平塚市「広報ひらつか」(月2回刊)• タブロイド(1世帯1枚)とPDFによる配布から• EPUB版のダウンロードを開始(2011/3~)
–昼間人口、市外からの通勤者への広報–若い世代への広報–スマートフォンで広報を閲読可能に
☆現状は、話題先行で市民への浸透は未だ
• 『OnDeck』インプレスが12月22日創刊の電子雑誌
EPUBによる電子雑誌
リフロー iBooks
EPUB電子出版の拡大要件
• 電子書籍閲読機器の普及• EPUBリーダソフト• EPUB書籍の流通市場の形成• EPUBの制作
タブレット端末
• 電子書籍専用端末:タブレット型• Kindle、Sony Reader (E-ink)• Galapagos (液晶)
• エンターテインメント端末:タブレット型(液晶)• iPad (iOS4) 7インチ• GALAXY Tab (Android2.3) 7インチ• Optimus PAD (Android3) 8.9インチ• XOOM (Android3) 10.1インチ
スマートフォン
• iPhone (iOS4)• GALAXCY SII, XPERIA, MEDIAS, Optimus,
Aquos (Android2.3)• HTC EVO (Android2.3)
2011年2,000万台超
http://wirelesswire.jp/Mobile_Market_Survey/201101191800.htmlMMI総研の資料による
Android のEPUB/PDF Reader
協力: (有)ラング・エッジhttp://www.langedge.jp/
• Aldiko Book Readerhttp://jp.androlib.com/android.application.com-aldiko-android-qpiC.aspx
– Androidマーケット評価 4.42 / 5.0、表示:EPUB、PDF– 少しレイアウト崩れあり– Storeが用意されており洋書購入可能– Androidでは定番アプリのようだ
• CopperReaderhttp://jp.androlib.com/android.application.jp-cssj-android-jxCti.aspx
– Androidマーケット評価 3.15 / 5.0、表示はEPUBのみ– 日本で開発、”ブログ出版局” http://print.cssj.jp/– ルビもちゃんと表示、縦書き表示、多段組表示できる– 日本では比較的定番アプリのようだ
• CopperReader(続き)
• FBReaderhttp://jp.androlib.com/android.application.org-geometerplus-zlibrary-ui-android-xwz.aspx
– Androidマーケット評価 4.73 / 5.0– 表示:EPUB、mobi(説明には無いが読めている)、OEB、FB2(ZIP)– 動作が軽い点が評価されている– 海外では人気があるようだ– Networkから検索または指定してダウンロードも可能
• Moon+ Readerhttp://jp.androlib.com/android.application.com-flyersoft-moonreader-jtnFz.aspx
– Androidマーケット評価 4.42 / 5.0– 表示: txt、html、epub、umd、fb2、zip、OPDS– URLで指定して読み込み(Net Library)も可能– ページめくり以外にスクロールも可能な点が使いやすい– 広告が入らず読み上げ機能等があるプロ版(130円)も販売している
• StarBookshttp://jp.androlib.com/android.application.com-lanteanstudio-ibook-jAwxE.aspx
– Androidマーケット評価 3.85 / 5.0、表示はEPUBのみ– ルビの処理がおかしい(ちゃんとルビ表示しようとしている?)– 最初の画面がiBooks風、言語で中国語が選択できるが日本語は非サポート– ページ送りがやや遅いか(特にブロックの移動)
• Adobe® Reader®http://jp.androlib.com/android.application.com-adobe-reader-Fimz.aspx
– Androidマーケット評価 4.31 / 5.0– 表示はPDFのみ– Adobe純正であり定番アプリとなっている
• BeamReader PDF Viewerhttp://jp.androlib.com/android.application.com-slgmobile-beamreader-zDwA.aspx
– Androidマーケット評価 3.88 / 5.0– 表示はPDFのみ– 表示品質は定評があるようだ– 凝った表示をしているようだが表示速度は遅い
EPUB3のリーダはいつ登場するか
• Apple iOS 5のiBooks (2011年秋以降)• Android 4 標準(Icecream Sandwich)は?• Webkitベースの3rdパーティEPUB3リーダは?
– Android用、iOS用、Windows7用
• Adobe Reader Mobile SDK9ベースの読書専用端末の登場は?
• 独自開発のEPUB3リーダは? 今年の秋!
EPUB 販売ルートは?
• 日本の電子書籍は出版社→印刷・取次系の流通網が整備されつつある– XMDF, .Bookが2強。– Sony Reader 2010年12月発売
• SonyのShopではXMDFの書籍を販売
• EPUBで電子書籍を作っても、出版・販売チャネルがまだ確立していない• 電子書籍チャネルでのEPUB版取り扱い開始は?• Apple iBookstore, Google eBooksはいつ日本に?
流通とDRMの問題
• 電子書籍はDRMが最大の問題–互換性のないDRMサイロが繁栄している–諸経路で購入した電子書籍の統合管理が困難–機器から機器に内容を移せない–機器とともに内容を失う–面倒なアクティベーション
• DRM問題の解決策は見つかっていない• IDPFでは秋にワークショップを開催する予定
紙版とEPUB版制作の両立
• DTPベースのEPUB制作ワークフローは不適切– DTPデータはシームレスにEPUBにできない– EPUBの制作は、現在、手作業が中心である– Web(EPUB)ファースト→PDF自動制作は未開拓
• コンテンツとレイアウト分離の制作が必要だ– (レイアウト指定のない)コンテンツを制作する–レイアウトは別に指定する
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7月25日18:30~発表会