5
映像学科/課題・表現力試験について AO入試Ⅰ期・Ⅱ期では「課題」を出します。 表現力試験の種類は「創作力/企画力」「身体表現力(朗読)」「論述」です。 課題 〈AO入試Ⅰ期・Ⅱ期〉 評価のポイント 課題①[論述]  映像を学ぶにあたっての動機・意欲と、論理的思考力・文章表 現力を評価します。 課題②[作品]  創作経験の実態、個人または集団で行う表現活動への適応 力を評価します。 企画力 〈自己推薦入試〉 出題意図 新聞やウェブサイトなどの記事を読んで、そこから特定の テーマに関するプロジェクトやイベントを企画立案し、その内 容を他人に伝えるために工夫した表現を選択できるかを問 います。 試験の方法 試験時間:90分 ・持参用具 鉛筆またはシャープペン・消しゴム (色鉛筆は不可) ・配付物  問題用紙(資料が添付されることがあります) 解答用紙(B4判) 下書き用紙 評価のポイント 自分の生きている社会に十分な関心を抱き、その社会を豊か にするための独創的な発想力と具体化へ向けての企画表現 力を備えているかを評価します。文章表現のみならず、イラス トレーションや図表などを加えることも可能です。 ※「創作力」と「企画力」はどちらかを選択して解答していただ きます。 創作力 〈自己推薦入試〉 出題意図 映画やTVドラマなどのシナリオ(脚本)の一部を抜粋したも のを読み、そこに描かれた登場人物や事件について解釈し、 文章形式で解答する表現力が備わっているかを問います。 (800字以内) 試験の方法 試験時間:90分 ・持参用具 鉛筆またはシャープペン・消しゴム (色鉛筆は不可) ・配付物  問題用紙 解答用紙(800字詰め原稿用紙) 下書き用紙 評価のポイント シナリオに描かれた物語内容(ストーリー)に対する理解力、 登場人物の心理や感情に対する想像力、自分の考えを他人 に伝える文章表現力を総合的に評価します。 11 department of imaging art

映像学科/課題・表現力試験について AO入試Ⅰ期 …...課題①:〈論述〉 あなたが映像学科を目指そうと思うきっかけになった映像作品(映画・TV番組・プロモーションビデオなど)

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 映像学科/課題・表現力試験について AO入試Ⅰ期 …...課題①:〈論述〉 あなたが映像学科を目指そうと思うきっかけになった映像作品(映画・TV番組・プロモーションビデオなど)

11

映像学科/課題・表現力試験について

AO入試Ⅰ期・Ⅱ期では「課題」を出します。表現力試験の種類は「創作力/企画力」「身体表現力(朗読)」「論述」です。

課題

〈AO入試Ⅰ期・Ⅱ期〉

●評価のポイント

課題①[論述] 

映像を学ぶにあたっての動機・意欲と、論理的思考力・文章表

現力を評価します。

課題②[作品] 

創作経験の実態、個人または集団で行う表現活動への適応

力を評価します。

企画力

〈自己推薦入試〉

●出題意図

新聞やウェブサイトなどの記事を読んで、そこから特定の

テーマに関するプロジェクトやイベントを企画立案し、その内

容を他人に伝えるために工夫した表現を選択できるかを問

います。

●試験の方法

 試験時間:90分

・持参用具 鉛筆またはシャープペン・消しゴム

      (色鉛筆は不可)

・配付物  問題用紙(資料が添付されることがあります)

      解答用紙(B4判)

      下書き用紙

●評価のポイント

自分の生きている社会に十分な関心を抱き、その社会を豊か

にするための独創的な発想力と具体化へ向けての企画表現

力を備えているかを評価します。文章表現のみならず、イラス

トレーションや図表などを加えることも可能です。

※「創作力」と「企画力」はどちらかを選択して解答していただ

きます。

創作力

〈自己推薦入試〉

●出題意図

映画やTVドラマなどのシナリオ(脚本)の一部を抜粋したも

のを読み、そこに描かれた登場人物や事件について解釈し、

文章形式で解答する表現力が備わっているかを問います。

(800字以内)

●試験の方法

 試験時間:90分

・持参用具 鉛筆またはシャープペン・消しゴム

      (色鉛筆は不可)

・配付物  問題用紙

      解答用紙(800字詰め原稿用紙)

      下書き用紙

●評価のポイント

シナリオに描かれた物語内容(ストーリー)に対する理解力、

登場人物の心理や感情に対する想像力、自分の考えを他人

に伝える文章表現力を総合的に評価します。

11

department of im

aging art

映像学科/課題・表現力試験について

Page 2: 映像学科/課題・表現力試験について AO入試Ⅰ期 …...課題①:〈論述〉 あなたが映像学科を目指そうと思うきっかけになった映像作品(映画・TV番組・プロモーションビデオなど)

1312

映像学科〈自己推薦入試〉〈一般入試Ⅰ期・Ⅱ期〉

●出題意図

 詩、散文または脚本の一部を読み、描かれた人物、情景、心情

などの内容を理解して、朗読をしてもらいます。文章の読解力

と朗読をとおして、演技者としての身体表現力を問います。

●試験の方法

 試験時間:1人 10~15分

 試験場で課題(詩、散文または脚本の一部)の印刷された用

紙を渡し、試験官の前で朗読してもらいます。 

 ※朗読後、簡単な質疑応答を行います。

・持参用具 なし

・配付物  課題の印刷された用紙

●評価のポイント

発声法(エロキューション)の技能ではなく、文章に描かれた

人物、情景、心情などの内容を具体的にイメージしながら、そ

の文章の内容に相応しい表現の工夫を凝らした朗読ができ

ているかを評価します。

〈留学生入試Ⅰ~Ⅲ期〉〈社会人・帰国子女入試〉

●出題意図

 映像に対する基本的な関心の度合いをはかりながら、定めら

れた字数の中で論理的に文章をまとめることができるかを問

います。

●試験の方法

 試験時間:90分

 ・持参用具 鉛筆またはシャープペン

       消しゴム

       (色鉛筆は不可)

 ・配付物  問題用紙

       解答用紙(800字詰原稿用紙)

       下書き用紙

●評価のポイント

 ①留学生:映像学科の学生として相応しい日本語の作文能力

      を有すること。

 ②社会人:映像を学ぶにあたっての動機・意欲と、論理的思考

      力・文章表現力を評価します。

 ③帰国子女:映像を学ぶにあたっての動機・意欲と、論理的思

       考力・文章表現力を評価します。

身体表現力(朗読)

映像学科/課題・表現力試験について

論述

映像学科

department of im

aging art

映像学科/課題・表現力試験について

department of im

aging art

課題(AO入試Ⅰ期・Ⅱ期) 

課題 平成25年度 AO入試Ⅰ期・Ⅱ期

課題①:〈論述〉 あなたが映像学科を目指そうと思うきっかけになった映像作品(映画・TV番組・プロモーションビデオなど)についての論述:市販の 400 字詰原稿用紙(3枚程度)で表現してください。

課題②:〈作品〉あなたが自分で制作した、もしくは制作に関わった映像・デジタルコンテンツ・デザイン・絵画・写真・文芸・演劇・放送などの作品:市販のCD-R もしくはDVD-R(1 枚)に収めてください。・使用OS、再生フォーマットとソフトのバージョンを明記してください。

*②については任意提出とします(提出された場合、合否の選考にて考慮します)。

○リリィ・シュシュのすべて(監督・脚本 岩井俊二 二〇〇一年) この映画はとある中学校を舞台に、主人公の少年にとって生きていく上で特別な存在であるアーティスト「リリィ・シュシュ」を通じて、思春期特有の感情が独特な表現方法で映像化されており、監督の岩井俊二は「自分で遺作を決めることができるならこの映画」と語っています。 私がこの映画を初めて見たのは十七歳の時で、その時の衝撃は未だに忘れることができないほどです。私が中学生だった頃に感じていた理由のない不安感、虚無感のような言葉には表現しにくい感情がそこに映像化されていたのです。ごく普通の中学校に通う登場人物たち、ありふれた日常風景、それは私が見ていた世界とほとんど変わらないものであるのに、まるで別世界のように美しく、切なく、しかも残酷に描かれていました。 映画を見ていて強く感じたのは映像の美しさでした。しかし画質などが目立って良いというわけではなく一見美しくは感じないのですが、なぜかとても美しいのです。何気ない田畑の風景や学校の教室が少し褪せた色で画面に現れ、それらは思春期の頃の不思議な感覚を連想させ、まるで記憶の中の映像を見ているかのようでした。そしてその映像をより印象的にしているのが音楽であると感じました。映画のストーリーはいじめや家庭崩壊、援助交際、そして死を時には過激な描写で描いており、内容としてはとても暗いものとなっていますが、その内容とは対照的なリリィ・シュシュの優しい歌声とドビュッシーの美しいピアノの旋律が流れ続けます。その美しい音楽により、何気ない風景や人物の心境、内容がより際立ち、音楽によってここまで印象的な表現ができるのかと感じました。そして何よりも、暗い内容の映画に対照的な美しい音楽を流すことで作られる不思議な美しさを持つ世界観に強い印象を受けました。 劇中では度々、文字やセリフが画面上にタイピング音とともにインターネット掲示板の書き込みとして打ち込まれ、物語の進行や登場人物の心理描写などの役割を担っています。私が注目したのは二〇〇一年にこのようなインターネットを用いた表現をしているということです。今でこそインターネットは誰もが気軽に利用していますが、二〇〇一年ではインターネットの日本国内普及率は五十パーセント程度であり、まさに流行し始めた頃だったと思われます。その頃こういったインターネットを使った表現は、新しい試みだったのではないでしょうか。 それまで映画は私にとってストーリーや演技を楽しむものでした。しかしこの映画を見てからは、映像表現や音楽、撮影方法などにも目が向くようになり、全く違った視点でも映画を楽しむことができるようになりました。そしてそれは映画だけでなく、普段何気なく見ている映像や日常風景の見方までも変えてくれました。そのような素晴らしい作品をこれからもたくさん見たいと思うと同時に、私が感じたように人の心に響く映像作品を作りたいと思うきっかけを与えてくれた、特別な作品です。

課題①《作品 A》

 私が映像学科に進もうとしたきっかけになった理由は、日本テレビで日曜午後八時から放送されている「世界の果てまでイッテQ」という番組を観て感動したからである。 この番組は、日曜の夜、家族団欒の時間で常識的には夕食中の、いわゆるゴールデンタイムに放映されている。私はこの番組について、旬のアイドルや芸人が出演していない、出演者が地味な番組であると思っていた。 「世界の果てまでイッテQ」は、当初はクイズ番組であったが、現在は世界各国の行事、不思議な現象、生き物を分かり易く説明、解説し、紹介するコーナーがある。また、視聴者から疑問を募集し、その謎を解いていくことも行なっている。それから、番組の中で出演者が過酷な挑戦をしていく様子をドキュメントで伝えるコーナーもある。 私は、この番組の出演者やスタッフの視聴者に向ける「熱い思い」に感動した。出演者による様々な挑戦を放映してきたこの番組は、視聴者に勇気と感動を数多く伝えて来たのだ。 私が観た、「流氷の上でイナバウアー」と「アコンカグア登頂」という二つの挑戦は、どちらも成功まであと一歩のところで天候が悪くなり、失敗に終わってしまった。しかし、この二つの挑戦から伝わって来たものは、失望ではなく、感動であった。 編集次第で成功も演出できるテレビ界の中で、いわゆる「ヤラセ」ではなく、失敗したときの悔しい気持ちが伝わって来たのである。 あと一歩のところであったが失敗は失敗であり、視聴者に成功したところを伝えることは出来なかった。しかし、この番組は失敗したままを放映し、そのときの出演者全員が涙を流した様子を伝えたのだ。その涙は悔し涙であり、視聴者に申し訳ないという涙、頑張ったけれど出来なかった労いの涙でもある。出演者、スタッフ、挑戦に協力した人たち全員が全力で取り組み、団結し助け合って来たのだ。事前に調査、分析を行い、簡単なことではない挑戦を本気でする。その姿から私は、結果ではなく大事なのは過程であり、やってみせるという気持ちであると学んだのである。「挑戦すること」がいかに「難しく大変なこと」で、また、それが「貴重なこと」であり、たとえ成功できなかったとしても、「全力で取り組む姿勢」が大事であるということだ。 私は、この番組から伝えられたこと、学んだことを生かして今後は私が番組を企画、制作し、多くの人たちに感動してもらいたいと思った。 私の将来の目標は、番組制作会社に就くことである。そうして、そこで、事実のありのままを伝えるドキュメンタリー番組を制作し、視聴者の心に残る番組を放映したい。そのためには、貴学の映像学科でたくさんの知識と経験を積み、将来のために大きく成長する必要があるため、私は貴学の映像学科に進むことに決めたのだ。

課題①《作品 B》

筆者がリアルタイムで経験している思春期における言葉では表現できない虚無感や不安感が、取り上げた映像作品によって的確に表現できていることが分かります。ひとつの映像作品に非常に衝撃を受けた筆者が、どのような映像を制作するのか楽しみです。

筆者が取り上げたテレビのバラエティ番組の概要を的確に説明している点が評価できます。また、番組内容のどのような点で映像学科に進むきっかけになったのかを整然と記述できている点も優れています。

Page 3: 映像学科/課題・表現力試験について AO入試Ⅰ期 …...課題①:〈論述〉 あなたが映像学科を目指そうと思うきっかけになった映像作品(映画・TV番組・プロモーションビデオなど)

15

映像学科 映像学科

department of im

aging art

創作力(自己推薦入試) 試験時間

1時間30分

department of im

aging art

創作力(自己推薦入試) 試験時間

1時間30分

14

《解答A》 《解答B》

悦子の心情の変化を 3 段階に分析しています。その段階ごとに具体的なシーンを取り上げて説明しており、分かりやすくて説得力があり優れています。

ボート部の練習ができなくなった悦子の心情を、「不安」をキーワードに説明しています。どのシーンで「不安」が高まり、どのシーンでその状態から脱却するのか、見事な分析です。

創作力 平成25年度 自己推薦入試

○病院・診察室

診察台に両手を上げた形で横たわる悦子、手足には器具が取り付けられ

ている。医師が器具を調整して、悦子の身体が引っ張られる。

悦子「痛ッ・・・」

医師「リハビリならええけど、無理な運動しとりゃせんやろな?」

悦子「しとりません、ほやけど、いつ治るんでしょうか?」

医師「半年位かなぁ・・・治ってもボートはいかんぞ」

悦子「(不満)・・・」

○艇庫・表

悦子がやって来る。

海上にボートが見える。

ヒメの掛け声の下、仲間達が練習している。悦子の代わりに新入生の真

理子が漕いでいる。

悦子、なんだか近づきにくくて、遠くからそれを見ている。

悦子、帰っていく。

○港山・駅

ホームに向かう悦子。

降り立った客の中に、関野(同級の男子学生)の姿。

悦子、気が付くが、気まずくて知らんぷり。

関野、悦子に気付いて声をかけた。

関野「オイ、ヤバネェ」

悦子、立ち止まり振り返る。

関野「(笑って)ギックリ腰・・・なんやって?」

悦子「(ムッとして)ほっとけや」

関野「もう帰るんか、新入の代りが出来て用無しやな」

悦子「(返す言葉が見つからなくて)・・・おまえなんかモモコとヘラヘラしとっ

たらええんじゃ」

関野「?・・・な、何言いよんぞ」

○伊予鉄線・車内

客がほとんどいない車内。

ポツンと一人座っている悦子。

悦子は唇を噛み締めていた。涙が出てくる。

○悦子の家・店先

健作(悦子の父)と里子(悦子の母)が忙しく働く。

悦子「ただいまぁ」と入ってくる。

里子「遅いねぇ、またボート行っとんたんと違うんじゃろな」

悦子「アタシ、もうボートやめる」

里子「ほう(と驚き)そりゃええ、そりゃええわい。貧血やら、ぎっくり腰やら、

心配で心配で。そりゃはよやめた方がええわい」

悦子、さっさと中に入っていく。

○バッティングセンター

晶子(女子部コーチ)がバットを持っている。

ボールが飛んで来る。

金網越しに、それを見ている悦子。

晶子「(悦子に)代わる?」

悦子、首を振る。

晶子「意外と根性なしやなぁ」

悦子「えっ?」

晶子「私は腰痛めて苦しむ漕ぎ屋、何人も見てきたんよ。みんな減量や治療に

苦労しても、何とか戻って来た」

悦子「・・・」

晶子「バットぐらい振れるやろ、やってみい」

悦子、バットを持って構えた。

ボールが飛んで来る。

恐る恐る振るが空振り。

再びボールが来る。

今度は思い切って振ったが、空振り。

晶子「どうしたん?も一度振ってみ」

悦子「(振り返り)アタシ・・・アタシ、ボートがないと何もないんです」

晶子、悦子を見た。

悦子、うつむいたまま。

二人の前を白球が通り過ぎる。

晶子「ほら、次の球来るよ」

悦子、構えて思い切り振った。

カーンと音を残して、白球が飛んでゆく。

○艇庫・表

ヒメ達が準備体操をしている。

悦子がやって来る。

気付いたヒメ達が「悦ネェ!」と体操を止めて、悦子を見た。

○艇庫・2階

ベランダで、悦子が晶子の指導の下に別メニューでリハビリ中。

悦子、チラッと海を見た。

海では他のメンバーが漕いでいる。

(「がんばっていきまっしょい」

脚本・磯村一路 抜粋、一部改変)

問 題

 

一九九八年公開「がんばっていきまっしょい」 

脚本・監督・磯村一路。

 

高校に入学した悦子は友人と女子ボート部を設立する。上手くいかな

い練習、勝てない試合。

 

そんな中、悦子は腰痛によりボートが漕げなくなる。

 

課題の文章を読んで悦子の心情の変化を800字以内で説明しなさい。

注:艇庫・ボートを保管する小屋。この作品ではボート部の部室にもなっている。●補足/注意・解答は解答用紙(B4 判)に記入のこと。用紙の裏面を使うことはできない。用紙は縦位置、横書きで使用すること。・文章のみにて、解答のこと。色鉛筆などを使用してはならない。

Page 4: 映像学科/課題・表現力試験について AO入試Ⅰ期 …...課題①:〈論述〉 あなたが映像学科を目指そうと思うきっかけになった映像作品(映画・TV番組・プロモーションビデオなど)

1716

映像学科

「手の平講座」というタイトルで、高校生である自分自身に役に立つ番組を発想した点が優れています。その内容をポイントを押さえて分かりやすく説明している点も、素晴らしいです。

department of im

aging art

企画力(自己推薦入試) 試験時間

1時間30分

企画力 平成25年度 自己推薦入試

 2012年4月からスマートフォン向けの新しい放送が始まりました。

 スマートフォンで映像を見るということは、従来の映画館で映画を見ることや、家のリビングでテレビを見ること

とは異なった点があります。例えば、画面が小さいことや、どこでも視聴できるということが考えられます。

「スマートフォン向けの番組の企画を考えよう」

問  題

 そこで、スマートフォン向けの番組の企画を考えてください。

 その際、以下の内容を含めてください。

・番組のタイトル

・視聴者のターゲット

・スマートフォンのどのような特徴を活かそうとしているのか。

・その特徴をどのように番組で活かしているのか。

●補足/注意・解答用紙は縦・横自由に使用しても良いですが、裏面は使用しないでください。・図や絵を加えることは構いませんが、黒の鉛筆あるいはシャープペンシルのみ使用してください。定規は使用しないでください。・文章表現のみの場合、字数は特に指定しません。

■参考資料出典「日経新聞」2012 年 3 月 27 日付記事

映像学科

department of im

aging art

企画力(自己推薦入試) 試験時間

1時間30分

スマホ放送開局、多用途で差異化アップルなどに対抗

2012/3/27付

 スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)出荷の拡大で関連するサービスやソフト市場も活性化しそうだ。

 NTTドコモが民放各社などと共同出資で設立したmmbi(東京・港)が1日始める携帯端末向けの放送「NOTTV(ノッティービー)」。名称は「NOTテレビ(テレビにはないものを)」を旗印としており、スマホ時代に合わせた放送のあり方を提案していく考えだ。

 テレビと同じく時間ごとの番組表に従って放送するが、7時間にわたる生放送を週5日放送するほか、24時間ニュースや野球中継などの番組も充実させる。「週284時間という圧倒的な生放送の量」(mmbiの小牧次郎常務)が売り物だ。

 シャープなど国内の携帯電話メーカーもスマホの同機能の搭載で米アップルなどの海外勢との差異化につなげる。

 スマホは個人などが開発したアプリと呼ばれる応用ソフトをダウンロードすることで、自由に機能を追加できるのが特徴。グーグルやアップルのスマホ用アプリ配信サイトの登録数も計100万本以上に達した。スマホをカーナビゲーションシステムとして活用したり、体重計などの測定機器と通信して健康管理サービスとして活用したりといった周辺サービスが多様化している。

 「小さなパソコン」であるスマホが1人1台の端末となれば、新たな用途開発が一段と加速しそうだ。

映像学科

Page 5: 映像学科/課題・表現力試験について AO入試Ⅰ期 …...課題①:〈論述〉 あなたが映像学科を目指そうと思うきっかけになった映像作品(映画・TV番組・プロモーションビデオなど)

1918

映像学科

department of im

aging art

身体表現力(朗読)例題

身体表現力(朗読) 例題 論述 平成25年度 留学生入試

 あなたにとって映像とは何でしょうか。

 あなたが映像を学んでみたいと志望する動機として、今までの人生の中で何か心に引っかかる映像がある筈です。

それは子供の時に観たテレビ番組かもしれませんし、最近に観た映画かもしれません。

 あなたの映像志望の原点となっている作品について、800字以内で解説してください。

 日本の作品でなくても構いません。原題とその日本語訳を明記してください。

 重要な事は、あなたがその作品のどんなところに興味を持ち、そこから何故、映像を学びたいと思ったかという点

です。

●補足/注意・解答は解答用紙(B4 判)に行うこと。用紙の裏面を使うことはできない。用紙は縦位置、横書きで使用すること。・文章のみにて、解答のこと。色鉛筆などを使用してはならない。

映像を制作することにより人々の助けとなりたいとの自分の夢を実現するために、映像について学習したいという動機が明確に分かる文章です。

department of im

aging art

論述(留学生入試) 試験時間

1時間30分

映像学科

《問題例 1》

萩原朔太郎「竹」(『月に吠える』より) 

光る地面に竹が生え、青竹が生え、地下には竹の根が生え、根がしだいにほそらみ、根の先より繊毛が生え、かすかにけぶる繊毛が生え、かすかにふるえ。

かたき地面に竹が生え、地上にするどく竹が生え、まつしぐらに竹が生え、凍れる節節りんりんと、青空のもとに竹が生え、竹、竹、竹が生え。

宮沢賢治「風の又三郎」より

さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光は運動場いっぱいでした。黒い雪

ゆきばかま

袴をはいた二人の一年生の子がどてをまわって運動場にはいって来て、まだほかに誰も来ていないのを見て「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大

おおよろこ

悦びで門をはいって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ともまるでびっくりして棒立ちになり、それから顔を見合せてぶるぶるふるえました。がひとりはとうとう泣き出してしまいました。というわけは そのしんとした朝の教室のなかにどこから来たのか まるで顔も知らないおかしな赤い髪の子供がひとり一番前の机にちゃんと座っていたのです。そしてその机といったらまったくこの泣いた子の自分の机だったのです。もひとりの子ももう半分泣きかけていましたが、それでもむりやり眼をりんと張ってそっちの方をにらめていましたら、ちょうどそのとき川上から「ちょうはあかぐり ちょうはあかぐり。」と高く叫ぶ声がしてそれからまるで大きな烏

からす

のように嘉か す け

助が かばんをかゝえてわらって運動場へかけて来ました。と思ったらすぐそのあとから佐太郎だの耕助だのどやどややってきました。

《問題例 2》