15
228 第4巻 Fe-Si系 合 美*村 孝* Atomi Osawa and Takasi Murata.: The Equilibrium Diagram of the Iron and Silicon System. In order to improve the equilibrium diagram of the iron and silicon system,the authors studied alloys between 0 and 65 per cent of silicon by means of dilatometric, thermal, magnetic and X-ray analyses. The new diagram thereby established is given in Fig. 2. The following conclusions are drawn from the results of the present investigation ; 1. The phase (Fe. Si, a super-structure of iron already .found by Westgren and Phragmen) is forined at a tem- perature of 1250° by the followingperitectic reaction, 1. A new super-lattice phase a", Fe11Si5, found by the authors, is formed at a composition of 18.6% Si and a temperature of 1200° probably by the peritectic reaction, as follows, This phase reacts eutectically with •¬ phase at 22 per cent of silicon and at 1200•‹ and it is stable only at temperatures above 1030•‹, below which it decomposes into a' and e phases. 1. The space group adopted for this phase is T1h and 16 atoms included in its unit cell have the following 8 point symmetries, *東 北帝 國大 學 金 屬材 料 研 究所

Fe-Si系 合 金 の 研 究 · 第8號 Fe-Si系 合 金 の 研 究 229 1. The chemical composition of the e phase is determined exactly as Fe5Si3 (23.14 % Si) and not Fe3Si2 (25,12%

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

228  研 究  第4巻

Fe-Si系 合 金 の 研 究

大 澤 與 美*村 田 孝*

Atomi Osawa and Takasi Murata.: The Equilibrium Diagram of the Iron and Silicon System. In order to improve the equilibrium diagram of the iron and silicon system,the authors studied alloys between 0 and 65 per cent of silicon by means of dilatometric, thermal, magnetic and X-ray analyses.

The new diagram thereby established is given in Fig. 2. The following conclusions are drawn from the results of the present investigation ;

1. The phase (Fe. Si, a super-structure of iron already . found by Westgren and Phragmen) is forined at a tem-perature of 1250° by the following peritectic reaction,

1. A new super-lattice phase a", Fe11Si5, found by the authors, is formed at a composition of 18.6% Si and a temperature of 1200° probably by the peritectic reaction, as follows,

This phase reacts eutectically with •¬ phase at 22 per cent of silicon and at 1200•‹ and it is stable only at temperatures

above 1030•‹, below which it decomposes into a' and e phases.

1. The space group adopted for this phase is T1h and 16 atoms included in its unit cell have the following 8

point symmetries,

*東 北帝 國大學金屬材料研究所

第8號 Fe-Si系 合 金 の 研 究 229

1. The chemical composition of the e phase is determined exactly as Fe5Si3 (23.14 % Si) and not Fe3Si2 (25,12%

Si). this phase is formed by the following reaction, " + •¬ƒÃ

The curie point of this compound is measured to be 85•‹and the crystal structure established is a hexagonal

one containing 4 molecules of FebSi3, in its unit cell, with lattice constants

I. The lattice constant vs. concentration curves of u and phases are shown in Fig. 8. 1. The curie point vs. concentration curves of a, and e phases are given in Fig. 6.

1, Homogeneous region of the compounds,FeSi and FeSi2, estimated by X-ray methods is about 1 and 5 per

cent of silicon respectively.

(Received February 17, 1940)

Ⅰ.緒 言

Fe-Si系 合 金 の 平 衡 状 態 圖1-16及 びX線 的 研 究13・23

は非 常 に 澤 山 あ る.平 衡状 態 圖 に關 す る数 多 くの 内 よ り

Fig. I The Equilibrium diagram of

the Fe-Si System,

Fig. 1 (a) T. Murakami(4)

代表 的 の もの を

Fig.1a,b,cに

掲 げ た.X線 的

研 究 の 多 くは斷

片 的 で あ る が

Pkragmen(13)の

み は全 系 に亘 り

研究 して居 り状

態 圖 に存 在 す る

三 つ の 化 合 物

Fe3Si2(ε),FeSi

(ζ),FeSi2(η)の

存 在 を確 認 し後

者 の 二化 合 物 の

結 晶構 造 を明 か

に して居 る.而

して α相 の 中 に

(1) W.,Guertler, G. Tammann, Z. anorg. alig. Chem., 47 (1905), 173.

(2) G. Gontermann, Z. anorg, allg. Chem., 59 (1908), 385. (3) A. Saufourche, Rev. Met, Mein, 16 (1919), 217. (4) T. Murakami, Sci. Rep. Tohoku Imp. Univ., 10 (1921) ,

79. Sci. Rep. Tohoku Imp. Univ., 16 (1927 ), 475.

(5) N. S. Kurnakow, Urasaw, Z. anorg. allg. Chem., 123 (1922),89.

(6) W. Guertler, Stahl u. Eisen, 42 (,1922), 667. (7) F. Wever, P. Giani, Mitt. K-W-I. Eisenforsch.

Dusseldorf, 7 (1g25), 59. (8) P. Oberhoffer, Stahl u. Eisen, 44 (1925), 979. (9) H. Hanemann, H. Voss, Cen. HUtt. -u. Walzwerke 31

(1927), 259. (10) N. 13. Pilling, G. P. Halliwell, Westinghouse Electric

a. Manufactory Co., Techn. Rep., 2(1924), 612. (11) E. Gumlich, Wiss. Abh. Phys. Techn, Reichsanstalt,

4 (1918), 267. (12) B. Staughton, E. S. Greiner, Trans, Am. Inst. Min.

Met. Eng., 90 (1930), 155. (13) G. Phragmen, J. Iron and Steel Inst., 114 (1926),397;

Stahl u. Eisen, 45 (1925), 299. (14) P. Oberhoffer, d. Kreutzer, Arch. Eisenhuttenwes.,

Fig. 1 (b) Staughton, Greiner(16)

Fig. 1 (c) Haughton-Becker(1s)

Fe3siな る重格

子の存在を發見

して居 るがその

獲生の原因及び

その存在する範

圍に就ては研究

されて居ない.

著者等はFe3

Si相(α')の發生

の原因とその存

在する範圍の研

究 を主 眼 と し

Fe3Si2の 結晶構

造を究 め更に各

相σ)均一範圍を

決 定 せ ん とし

た.然 るに熱分

析,熱 膨張,磁氣

分析,X線 分析,

顯微鏡組織等の

方法により研究

の結果は豫想外

複雑なる平衡状

態圖を得た.以

下各研究方法の

項目に就て説明

する.

2 (1928-1929), 449. (15) M. G. Corson, Trans, Am. Inst. Min. Met. Eng., 80

(1928), 249. (16) T. L. Haughton, M. L. Becker, J. Iron and Steel

Inst., 121(1930), 315. (17) P. Paglianti, Metallurgic, 9 (1912), 217. (18) M. von Schwarz, Ferrum, 1l'(1913--1914), 80;112. (19) C. Kreutzer, Z. Phys., 48 (1928), 556. (20) M. L. Becker, J. Iron and Steel Inst., 117 (1928), 553. (21) Z. Nishiyama, Sci. Rep. Tohoku Imp. Univ., 18 (1929),

359. (22) E. R. Jette, E. S. Grein2r, Am. Inst., Min. Met. Eng.

Contribution, 8 (1933), 15. (23) F. Wever, H. Moller, Z. Krist., 75(1930),362; Natur

wiss, 18 (1930), 734.

230

Ⅱ.平 衡 状 態 圖

研 究

Fig.2は 本研究の結果より得られた状態圖である,

●印は熱分析,破線は磁氣分析,× 印はX線 分析,○ 印

は熱膨脹測定結果を示したものである.又 ■印は顯微鏡

組織に於て二相の存在を示し口印は均一相 を示す.

第4巻

この 反應 は敏 速 に行 はれ 且 共 析點 は α'に 非 常 に接 近

し て居 る故 冷却 に 際 してa"は 直 ち に α'と な り α'よ り

εを析 出 す る.α'の 溶 解 度 は900。,で17.2%Si,800。,

で16.3%Si,700。 で16.4%Siと 次 第 に 減 少 す る.

純 鐵 のA2點 は珪 素 の増 加 と共 に 直 線 的 に 低 下 し700°

7.5%Siで α'と の 境界 に達 す それ より 急に 減 少 して

525。261%SIで α'+ε との境 界 まで 大 膿 直 線 的 に減 少

す る.(Fe3Siで 一 寸 上 る如 し)而 して ε相 は村 上教 授 の

研 究 で はFe3Si2(25'12%Si)で あつ た が 著 者 等 の 研 究

に よ りこれ はFe5Sl3(23・19%Si)で あ る事 が判 つた.こ

の 化 合 物 は1030° に 於 い て ε〓 α'+ξ な る包 析 反應 に よ

つ て 生 じ常[ョ .では殆 ん ど均 一範 圍 は な い.こ の化 合 物 麺

は85。 に磁 氣 變 態 が あ る.

FeSi(ξ 相)化 合 物 は1400° で 融 體 よ り晶 出 し1200°

で α''と共 晶 を造 り他 方1215。 で η と も共 晶 を造 る.こ

の 化 合物 の 常 温 に 於 け る 均 一 範 嗣 はz%位 で あ る.叉

FeSiL化 合 物 も1220。 で 直 接 融 體 よ り晶 出 しFeSiと も

共 晶 を造 り又他 方珪 素 と も1208。 で 共 晶 を造 る.こ の化

合 物 は 常 温 で約4'5%の 均 一範 圍 を有 す る,

Ⅲ.試 料 の 製 作

Fig.2 The New Fquaibrium Diagram of Fe-Si System Proposed by the Authors.

圖 に お い て 見る 如 くFe3Si化 合 物 は1250°,14'4%Si

に お い て α+melt〓a′ な る 包 晶 反 鷹 に よつ て生 成 され

る,包 晶點 は非 常 に 融 體 に接 近 せ るた め この 包晶 反應 は

容 易 に1完結 す る.而 して こ の 溶 解 度 曲 線 は14・4%Si,

1250° よ り7・5%Si,700。 に 下 り常 温 で は約5%Siで

あ る.又 α+α'範 圍 は非 常 に狹 く0'5'%位 で 冷 却 速 度

に よ り多 少常 温 にお け る位 置 を變 化 す る,

a'を 初 晶 とす る液 相 及び 固相 線 は 接 近 し 又 珪 素 濃 度

が變 化して も20%Si迄 は餘 り變 化 せ ず 大 膿 水 平 の 温

度 を 示 す

a"(Fel1Si5)化 合 物 は1200。,18.6%Siに お い て α'+

melt〓 α"な る包 晶 反 應 に よ り生 成 し22%Si迄 初 晶 と

し て α"を 出 す22%Siで ξ相 と共 晶 を作 る が この 共

晶組 織 は見 られ,ない故 に共 品 點 は12000に お け る α"の

溶 解 度線 と一致 してお る と考 へ られ る.こ の轍 よ りも温

度 が 降れ ばSiの 溶 解 度 を 増 し1030° に お い て は23%

のSiを 溶 解 す ε相 は1030° に於 て次 の 包 析 反 應 に依

て生 ず

α に封 して は α'+a"の 二相 範 圍 狹 小 で1000。 に達

して20%Siと な り α"は α′と εに 分 解 す る,即 ちa'

〓u'十 ε

用ひた材料は次の分析結果がrす 様な珪素と電解鐵と

である.

酸これをアル ミナ坩堝を用ひて水素氣中で タンマン爐で

熔解 し長さ20cm徑5mmの 鐵型に鋳造 し眞空 中にて

長時間焼鈍後 これ を適宜に切つて示差熱膨脹測定磁氣分

析,顯微鏡試験並びにX線 分析等の試料にした.

又これと別にX線 の試料 として完全 に炭素或はその

他瓦斯 の影響を避けんが爲に高周波電 氣爐にて手早く眞

空熔解せ しものに就いて も實驗 した.又 各試料は注意し

て十分に熱處理 した.

Ⅳ.熱 分 析

珪素量5~33%に 亙る15種 の合金 について普通の

方法 によつて水素氣中にて熱分析を行つた.

全量20gの 試 料をタンマン爐 にて 熔解 し豫め1000°

に上昇してゐる幕クローム抵抗爐に移 し白金一 白金 ロヂ

ウムの熱電 對を用ひて融體 よりの冷却曲線をとつた.

そ の結 果 はTable 1に 示 しFig.3に そ の 代 表 的 な

ものを示した.

そ の各試料の析點を圖示するとFig.4● 印の如 く鐘

素量が増加するに隨つて初晶點は14%Si迄 急 に降下し

第8號   Fe-Si 系 合 金 の 研 究

珪 素量14~15%Si,1250° に於 いて 固 相 線 は 水 平 と な

りα相 と融 體 とが包 晶 反 應 に よ りFe3Siな る化 合 物 を

Table l The result of Thermal Analysis.

Fig.3 Typical Thermal C皿VOS.

Fig.4 Thermal Arrests.

生 ず と考へ らる.

更 に14%よ り

16%Si迄 は 融 體

よ りのFe3Si化 合

物 の 晶 出 す る初 晶

點 は徐 々に 降下 し

16%よ り22"5%

Si迄 の 闇 は 一定 温

度 に起 る.22・5%

Si以 上 に て は 初

晶 點 は急 激 に上 昇

し始 め初 晶 と して

η 相(FeSi)を 晶 出

す る.

又13%Siに お

い て は 微 弱 なが

ら α固 溶 體 よ り

Fe3Siへ の 生 成 點

が1155° に認 め ら

れ る.

Ⅴ.磁 氣 分 析

磁氣秀析に用ひた 試料 は0よ り17%Si迄 は1000°

に10時 間焼鈍 後徐 冷せるもの17・5%以 上25%Si迄

は950°に88時 間何れ も眞空 中で十分焼鈍 後に徐冷せ

るものである.

この試新について磁力計法によつて磁氣―温度曲線を

231

求めた.Fig.5は この結果を表は した もの であつて圖

における各曲線は重なる事を遜けんが爲に0點 を少しづ

Fig.5 nlagnetization-Temperature Curves.

ゝ下げて描いた.

これ等の曲腺に於いて

縦軸は磁氣の強さに比例

する處の磁力計の鏡の振

れの大 さを示 し横軸は温

度を示す.

圖に於いて0~17%Si

間では磁氣變態は唯一で

あるが17'5%よ り22%

Si迄 は二つの變 態が現

れ何 れ も525° と85° と一定温度を示す 而して

17"5%よ り珪 素量が増

加するに隨ひ後者の變態

は大 きく現れ約22%Si

にて最大となる.こ れに

反して前者は漸次小さく

なり25%Si にては全 く

Table 2 The Results of Magnetic Analysis.

hig.6 The Results of

Magnetic Analysis.

認 め られ な い 。

Table 2は こ

れ等 の 變 態點

を表 示せ る も

の でFig.6

は村 上 教 授(4)

に よ り測 定 さ

れ た もの と同

時 に 圖 示 し

て あ る.尚 こ

のA2の 變 態

の 研 究 に は

Haughton-

Becker(16),

Gumlich(11),

Pilling-Halliwell(10)等

の研 究 が あ る.圖 示 せ る

如 くFeのA2點 は 珪 素

量 と共 に徐 々に略 直 線 駒

に 變 化 し8%Siで 折 點

を示 しそ れ よ り梢 急 に 降

下 す る事 が認 め られ る.

これ は α固溶 體 よ りa'相

(Fe3Si)に 變 化 す る 結 果

で あ る,面 して17.5%Sl

以上 に 於 て はA2變 態 は

232  研 究  第4巻

5250で 一 定 とな るが 新 た に85° の新 變 態 が 同 様 に 一定

温度 に現 れ る.こ の 變 態 は ε相(Fe5Si3) に歸因 す る も

の で あ る.以 上 の 曲線 よ り判 る 如 く折 點 は α と α'との

境 界 看8%Si,710° ε相 の現 れ た の は17%Si 525。 で

あ る.17%Si以 上33%Si迄 は 不 均 一 範 圍 で17%~

23%Si間 は α'+ε,23%~33%Si間 は ε十 ηで あ る.

Ⅵ.示 差熱膨脹測定

この研究に用 ひた試料は磁氣分析に用ひた もの と同一

である.適 當な中性體 を發見出來なかつたので0~14%

(a)

(c)

(e)

(b)

(a)

Fib.7 Typical Differential Dilatation Curves,

Si迄 は6%~7%Si,8%~10%Si,12%~14%Srで

示 差 曲線 を取 つ た.Fig・7a, b,cが この 結 果 を示 した

もの で縦 の 矢 印 は矢 の 方 向 が そ の試 料 の 膨 脹 方向 で矢 の

健 の 數 字 は%及 び 温 度 を 示 す (a)曲 線 で は α〓a'

變態 は 非 常 に 小 さい もの で あ るが(b)で は可 成判 然 と認 み

られ る.(c)で は14%Siに 變 態 は無 い,い づ れ の場 合 に

て もα'→αは膨 脹 を示 すが 其量 は餘 り大 き くない.Table

3こ の結 果 を示 す。

Table 3 The Results

of Differential Dilato

metric Mea urment.

次 に17・5%~25%Si間

は14%Siを 中 性 體 と し示

差 膨 脹 曲 線 を 取 つ た.こ れ

等 の 曲線 の 代 表 的 の も の は

Fig.7a~jで あ る.

こ れ 等 の 曲 線 を 見 る と

17'5%~19%Si, 2o%~

23%Si,24%~25%Siと

大 體 三 大別 す る事 が 出來 る.

即 ち第 一 の 場 合 は 温 度 に對

す る α'の 固 溶 線 の 變 化 が 著 し く曲線(d)に 示 すが如 く

加 熱 の 際 には830° 附 近 ま で著 しい 収 縮 が 起 り1000。 附

近 にて 膨 張 に轉 ず る.こ の 二 つ の變 化 は珪 素量 の 多い程

著 しい.冷 却 の 際 は速 度 が 十 分遲 くな けれ ば相 當不 可逆

性 を 示 すが 大體 同 一 の變 化 を示 し α'の 固 溶 限 迄 は牧縮

し それ よ り俄 然 大 膨 脹 を起 し大體730° 附 近 で この 變 化

は終 了 す る.そ の 加 熱 の 際,大 収 縮 を 示 す の は α'にεが溶

解 して α'が 著 し く増 加 す る爲 で1000。 附 近 で 膨 脹 を示

す の は變 化 したaが 再結 晶(勿 論 雫 衡 状 態 に達 せ ん とす

る擴 散 現 像 を含む)を 起 す に 由 る もの と考 へ られ る.而

して 冷却 の 際 α'の 固溶 限 迄 の大 収 縮 は(一 部 は 未だ εの

溶 解 が 繼續 中 と見 るべ きで あ るが)主 と し て α'の膨 脹係

数 が 中性 體 よ り断然 大 な るに よ る収 縮 で あ る,17・5%~

19%Si間 は1050~1100。 よ り空 中放 冷 して も 大體 均

一 組 織 を示 す .こ れ を示 差 膨 脹 計 に て 再 加 熱 し 所謂 焼戻

曲線 を求 む る とFig.7(d)(17・5%Si)に 示 す 如 く大體

550° で εは析 出 し始 め680。 で最 も 著 し く800° 附 近で

正 常 化 され る.こ の 燒 入及 び 燒 戻 の 組織 は.Photo.14~

9に 見 る如 くεは主 と して α'の粒 界 に連 續 して 析 出して

居 る.

19%Siに て は 曲 線(f)に 示 す が 如 く 加 熱 の際1060。 酸

に て折 點 が 見 られ る.こ れ は 過 飽 和 な α'が一部 分 存在

して α'への εの 擴 散 不 完 全 に 由 る これ が 次 の 第 二の場

合 に 述 べ ん とす る1020° 附 近 の α"(Fe11Si5)〓a'+ε の

反 應 を起 す もの と見 ら れ る.最 後 に 第 二 の 場 合 即 ち

20%~23%Siに 於 て 加 熱 の 際 現 れ る1000~1080°

に互 る大 膨 脹 が あ る.こ れ は 冷 却0)際 に は1040~980間

に起 り大 體 加 熱 冷 却 共 王可逆 的 で あ る.而 して そ れは

第8號   F←Si系 合 金 の 研 究

20%Siに 於いて最大でみる,こ れを説 明するには此處

に次の如 く共析變化を起す α"を考へなければならない。

次 に α"な る相 の化 學 成 分 と これ の 存 在 す る範 圍 に就

い て ゞあ るが21~23%Si迄 は 如 何 に し て も 燒 入 が

効 か ず してa"+ε を 示 す,然 し20%Siは 燒 入 が 効 き

高温 の 組織 を槍 す る事 が 出 來 る,又23%Siの もの も燒

入が 効 き少量 の ξを伴ふ が 高 温 の 組 織 を検 す る事 が 出

來た.21~23%Si迄 の 燒 入 の 効 か ぬ 組 織 に 於 て も

1150~1060。 迄 は 均 一 なa"を 示 す 如 く α"の 粒 界 が

殘 さ れ て 居 る の が 見 られ る.故 に α"の 存 在 す 事 は

確 實 で これ が 大 體1000。 附 近 で α'+ε に分 解 す る と考 へ

られ,而 し て そ の 共 析 點 はa'に 接 近 し て 居 る爲 この

共 析組 織 は先づa"→ α'に變 化 しa'よ りεが 析 出 した る

如 き模 様 を呈 し,更 に 温 度 の 低 下 と共 に a'よ りεが 析 出

す る.故 に 常 温 に 於 け る20~23%Siの 試 料 の 組 織

には二種 の εの 状 態 が 存 在 すべ く特 に20%Siに 於 て

雨者 の顯 著 な 組 織 を 見 る 事 が 酸出 來 る.(Photo・ Ⅰ-17,

18)尚 α"の 化 學 組 成 及 び 發 生 の理 由 及び 原 子 構 造 に就

ては後 に改 めて述 べ る事 とす る.

最 後 の24~25%Si問 で は 加 熱 の 際1060。,冷 却 の

際1040° に 析點(加 熱 で小 さい膨 脹)を 見 る 丈 で著 しい

變化 は 見 られ な い.又 ε〓 α"十 ξの 變 化 は 余 程 緩 漫 で ε

は相 當 高溜 に 上げて もなか な か 分解 しな い.

Ⅶ. X線 分 析

この合 金 のX線 分 析 は最 初Phragmen(13)に よ り行 は

れた.そ の結 果 α相 は17%Si迄 で14%SiにFe3Siな

る重 格子 の 存 在 す る事 を 發 見 して居 る.FeSi化 合 物 は

單結 晶 に よ り研 究 した 結 果 こ れ は 立 方 結 晶 でSpace

groupはT4, a=4・48, Z=4分 子,又 FeSi2 は Space

group Cl4んで正 方格 子 でz=i分 子 を軍 位 格 子 中に 含有

す る,又 ε相 は確 認 して 居 るが そ の 原 子 構 造 は決 定 して

ない.

酸次 にKreutzer(19)は γroopを 高 温X線 寫 眞 に よ り

淡 定 した.

又 α相 のX線 的研 究 はPaglianti(17)von Schwarz(18),

Phragmen(13)Becker(20), Nishiyama(21), Jette-Grei-

ne「(22)等に よ り爲 され て居 る,

著 者 等は 特 に 試料 の調 製 に當 つ て不 純 物 の侵 入 を 防 ぐ

爲 に(I)高 周 波電 氣爐 に よ り眞 空 中 で 手 早 く試料 を融 合

した.而 して(Ⅱ)Tammann爐 で製 作 し た 試 料 と比 較

して 見た.前 者 の場 合 は其 の ま ゝ爐 中冷 却 したが 後 者 の

場合 は5mm直 徑 の鐡 金 型 に 鋳 造 した.(1)の 方 法 に よ

る試料 は0~60%Si迄23箇,(Ⅱ)の 方 法 に よ る試 料 は

30簡 余 りで何 れ も1100。 で1先づ7時 間 塊 の ま ゝ加 熱 し

233

檢 鏡 後a+ξ 〓 εの 反 應 中の もの を除 き 平 衡 状 態 に あ る

もの は 錨 又 は金 槌 に よ り粉 と し これ を 石 英 管 に封 入 して

(1)の 方 法 に よ る 試 料 は1000。(8時 間b650。(24時 間)

→550『30時 闇)→400。(40時 間)→ 常 温 の熱 處理 を した.

(Ⅱ)の 方法 に よる 試 料 は1000。(10時 「旧)加 熱 後 徐 冷 し

た.(1)の 試 料 で は20~23%Si 間 の酸もの は 約10OO° で

100時 間 力"熱す る もなか な か α十 ξ〓 εの 反 應 が 進 行 しな

い.こ れ は(Ⅱ)の 方法 の もの も 同 様 で あ つ たが が 前者

よ り早 く冷 却 され た 爲 ξが 小 さい の で 前者 よ り も割合 早

く平衡 態状 に達 せ しめ得 た.印 ち980。 に て150時 間 を要

した.特 に εの 成分 を決 定 す る爲 に23・2%23.5%23.8%

Siの 試料 は 強 く冷 鑄 造 して 出 來得 る 丈 ξを微 細 に して

980°(112時 闇)→900。(17時 闇)→800。(24時 間)→700°

(7時 間)→650。(40時 間)→ 徐 冷 した る 處 最 初 の もの は

a'+ε 次 は大 體 均 一 な る ε,後者 は ε十 ξで あつ た.故 に

εはFe3Si2(25%Sl)で は な くFegSi3(23・1g%Si)で あ

る.

この 實驗 に 使 用 し た カ メ ラは4種 類 で52mm直 徑 の

Debye-Schemer型 カ メ ラ,入 射X線 に 對 し反 射 角度 の

異 な る2種 の100mm直 徑 のSeemann-Boh]in型 カ メ

ラと200mm直 徑 でIX射 角 の 小 さい 處 を撮 るSeemann-

Bohlin型 カ メラ と6あ る.試 料 は 塊 の ま ゝの もの は

600。 で3時1間 位加 熱 して歪 を徐 去 し た 後 酸 で表 面 を腐

蝕 して 用 ひ,粉 の もの は セ ル ロ イ ド液 で 板 状 にか た め て

用 ひた.又 塊 で眞 空 燒入 した もの は 十分 表 面 を腐 蝕 して

用 ひ た.

(a)α 相 のX線 分 析

使 用 したX線 の 波 長 は 鐵 で あ る.1~20%Si迄 の合

金 は 入射 角 の 大 きい100mm直 徑 のSeemann-Bohlin型

カ メ ラで撮 影 し その フ イル ム に 表 はれ た(220)線 のK91

よ り格 子 常 數 を計 算 した.Table 4は そ の 計算 の結 果

でFig.8は それ を 圖 示 した もの で あ る.圖 に於 い て は

Tammann爐 變 の もの も高 岡 波 製 の もの も 大 體 似 た 曲

線 を示 して ゐ る,即 ち6%Si迄 は徐 々に減 少 し14'4%Si

迄 は直 線 的 に急 に減 少 し それ よ り17%Si迄 は前 よ り徐

か に減 少 しそれ よ り先 は一 定 の 値 を保 つ.兩 者 の 曲線 を

比 較 す る とTammann爐 製 の もの は高 周 波 爐 製 の もの

に比 し格 子 常 數 の 高 い の はSiの 一部 分 が 酸 化 し固 溶 體

をなせ るSiの 量 が 少い に よる.兩 者 の 曲 線 よ り εの 現

れ る境 界 を 求 め る とTammann爐 製 で は17%Si高 周

波 爐 製 で は16.5%Siと な る.又 α と α'の境 界 は 判然

と しな いがTammann製 では 約5%Siで 高 周 波 製 で は

約6%Siで あ る.

重格 子 の線 は 極 く薄 弱 で は あ る が 高 周 波 爐 製 では

5%Siよ りTammann爐 製 では6%Siよ り認 め られ

14%Si附 近 に 於 て最 も鮮 明 に な る(Photo .Ⅱ―A.K).

234  研 究  第4巻

Table 4 Lattice Constant of a phase

Sample I (melted by high frequency vacuum furnace)

Sample II (melted by Tammann's furnace)

依 て 重 格 子 は14.4%Siに 於 て 生 成 し 常 温 に て は高

周 波 爐 製 にて5%Siよ り16'5%Si迄Tammann爐 製

Fig.8 Lattlce ConstanトCon

centration Curve.

にて6%Siよ り

17%Si迄 に亙つ

て居 りFe3Siに 鐵

が溶 けた 状 態 と

珪素が溶けでゐる

状態により斯 く格

子常數曲線上折點

を見 る も酸のであ

る.

尚 又 この 合金

にては試料を高温

にて可成永 く加熱

せるに拘らずα固

溶體 の干渉線の他 に高 周波爐製 には

3%Siよ り6%Si迄 に,Tammann』 爐

變には2%Siよ り8%Siに 亙つて純鐵

と同じ又はそれよ り酸少し格子常數の大き

い體心立方格子 の線 が混在 して來る.

(Photo. II-1)こ の干渉線は鑄造のま ゝ

において最 も張くこれ を粉末にすればな

ほ一層明瞭に表はれた.こ の不明の干渉

線は試料 中の樹状組織(顯 微鏡下では見

えず)に よると考へて1050° にて48時 間

次に550° で8時 間加熱 した處全 くこめ

干渉線は消失 した.然 しこの不平衡が完

全な平衡状態に達せし爲の當然起るべき

格子常數の變化は少しも認められなかつ

た.

故にこの原因を一概 に不平衡 と論斷

する事は出來 ない様 に思 はれる.さ り

とて外に何によつてか ゝる不明 の干渉

線が現れるかは種 々考察 を試 みたが判

然 しない.

次にa'と(a'+ε)及 び(α"+ξ)の 境

界をX線 的に求める爲燒 入試料を用ひ

た.試 料は18%,20%23.5%Si(後 の

二つは鑄造のま ゝである一 十分加熱せる

ものではεは高温に熱 しても完全に分解

しない故)をTable 5の 様な熱處理の後

燒入した.

a"(Fe11Si5)は18・6%Siに 於て融體

+α〓 α"酸なる包晶 反應 に よ り生成す

るもこの相は又αの重格子でその格子常

數 α'の珪素濃度による格子常數の變

化 と同 一 で α'の 延 長 上 に あ る.Table 5の 最 後 の 桁 は

X線 分析 の駅 得 られ た 格 子 常 數 で16%,18%,及 び

20%Si,酸 試 料 の1000。 よ り燒 入 せ る もの はFig .9aに

圖 示 せ る如 く 14347is Si 即 ちFe3Siよ り引 け る直線上

に あ る.こ の 線 と燒 入 して 得 ら れ た 格 子 常 數 と よ り燒

入温度 に 相 當 す る濃度 を求 め る とTable 6の 如 くな る.

これ を圏 示 す る とFig.9bの 如 くな る.こ れ を 見ると

α'は700。 で16.4%Siを 溶 解 し800。 以 上 よ り温 度の上

昇 と共 に急 に そ の固 溶 度 を増 加 して900° に て17.5%,

950。 で18.5%1000。 で は20%の 珪 素 を 固溶 す る.

(b)α'相(Fe3Si)

この相 域 は 常 温 で6%Siよ り1000。 で20%Siに 及

び この格 子常 數 の 變 化 は α=5・7030Aよ りa=5'631611

に 及 びFe3Si即 ち1435%Siで は そ の 格 子 常 數 は

α=5・64351で あ る.而 し て 格 子 常 數 ― 濃 度 の 變 化 は

第8號

Table 5

Fig:9(a)Lattice constant of a'and a'phasesquenched from hightemePraturse;these results are the

basis of solubility limit determination of those phases.

Fig.9(b) Solubility limitsestablished by X-ray analysis.

Fe-Si系 合 金 の 研 究

14・34%Siを 折 點

と す る二種 の直 線

で あ る.こ の結 晶

は α の 二 倍 の 格

子 常數 を有 す る α

結 晶 の 重 格 子 で

Fe3A1と 同 様 に そ

のSpace groupは

Oh5で8Fe原 子 の

鐵 の 對 稱 はOん 又

はPd,4Fe+4Si

原 子 の 對 稱 はTd

又 はOhで あ る.

Table 7 は

Debye-Scherrer

型カメラに よるX線 分

析結果を表はす 各線の

二乗式は

とな る

次 にFe3Siに 對 す る鐵 又

は 珪 素 の 固溶 に よ り重 格

子 の 線 が 如 何 に 影 響 さ

る ゝか を見 る 爲 に 直 徑

200mmのSeemann-

Bohlin型 カ メ ラに よ り

(111)+(200)β,(200),

235

(220).の 三線の珪素濃度に對する各干渉線の黒 さの推移

観 た.上 の3線 の内言ふ迄 もな く(220)線 を除 く2線

が重格子に依る線であつて鐵又は珪素濃度の増加の爲重

格子の線は次第に薄 くなる.

(c)α"相(FeⅡSiδ)

Table 6

Table 7a'phase 15.98%Si

こ の 相 は

18%Si附 近

に お い て 融

體 と の 反 應

melt+α'〓 α′'

よ り生 成 され

る もの と見 ら

れ,而 し て こ

の化 合 物 は約

1000。,20%Si

に 誌 い てa"

〓a'+ε に 分

解 す る,そ の共 析 點 は.

a'相 に非 常 に接 近 して

居 り分 解 せ る εは 直

ち に α'に 變 る.18~

23'5%Si迄 の 冷 鑄 造

せ る 試 料 を 高 温 度 に

保 ち種 々の 温 度 よ り燒

入れ を 行 ひX線 と顯

微 鏡 的 研 究 を行 つ た.

Seemann-Bohlin型

カ メ ラに よ り格 子 定 數

を測 定 した 結 果 18%

及 び20%SiはFe3Si

よ り の 延 長 に 乗 り

21州23%Si迄 は 何

れ も20%Siと 略同 一

の格 子 常 數 で あ つ て23'5%Siに 於 てTable 5に 示 し

た 如 き 多 少 の 變 化 を見 た.こ れ は 即 ち20%Siを 境 と

し鐵 側 に お い て は燒 入が 効 き,珪 素 側 に お いて は燒 入

れ に よる α"の 均一 相 が 得 ら れ な い で α"+ε を 見 る.

これ 等 の試 料 の 顯 微 鏡 組 織 は20%Si迄 は 均 一 に して

21~22%Si迄 の もの は α"固 溶 體 と εで あ つ た.然

し α"は α"+ξ の 混 相 區域 で は 燒 入 が 効 く 例 へ ば

23'5%Si一 に お いて は 大 部 分 のa"固 溶 體 と ξで 燒 入れ

温 度 に よつ て ξの 量 は變 る.即 ち燒 入れ 温 度 の高 い程 ξ

は増 加 して居 る.こ れ は α"が 温 度 の 低 い 程 ξを固 溶 す

る事 を示 して ゐ る.

α"區 域 の珪 素 濃 度 に對 す る格 子常 數 の變 化 は α の そ

れ と同一 と し23・5%Siの 燒 入れ せ る もの に就 い て格 子

236  研 究

常 數 を 求 め て α"と α"+ξ の 境 を 求 め る と1150。 ―

22・0%1100° ―22'4%1060。 一22.6%Siと な る.こ の

境 界線 の 實 在 を證 明 す る爲 に23%Siを 燒 入れ て鏡 檢 し

た.即 ち 顯 微 鏡 寫 眞(Photo.I-28,29,30)は こ れ を

裏 書 き して 居 る.Photo. Ⅱ-Cは21%Siを1140。 よ り

燒 入れ した もの で α"の 外 に 少 量 の ξを含 ん で居 る.こ

の フ ィル ム に現 れ て 居 る α"の 線 の み に 就 て それ 等 の 線

の 黒 さ を計 算 して み た.α'と α"と は略 同一 の原 子 配 列

を示 す故 α'の 原子 配 列 を一 寸 變 へた もの で あ ら う事 は

容 易 に想 像 され る處 で あ る.α'結 晶 め原 子配 列 は 前述 の

如 くOhS, 〓'で その 原 子配 列 は結 局

で あ る この 内 で鐵 群 の1/21/21/2に居 る原 子 が 珪 素 で 置換 さ

れ た とす る とそ のSpace-groupは7'7hで 各 原 子 の對 稱

は次 の 如 くなる.

これ 等 の鐵 原 子 の 位 置 に は變 數(Parameter)が 對 稱8C3

に 一箇 存 在 す るがu=1/4と すれ ば上 記 の鐵 療 子 の 位 置 と

Table8

a"phase

第4巻

のSpace GroupはTheで 原 子 移 動 基 形(Translations

gruppe)はrで あ る.

(d)ε 相(FesSi3)

この化n物 は1030° にお いてa'+ξ 〓 εな る包 析 反應

に よつて 生 ず る.但 し この 反應 は非 常 に遲 い の で この相

の 均 一 な組 織 を得 る に は融 體 を急 冷 して ξを 出來 る丈 小

さ く昂 出せ し め1040。 附 近 で100時 間 以 上加 熱 す るζ

とが 必 要 で あ る.こ の 均一 組織 は 寫 眞(Photo.Ⅰ-34)に

見 られ る.こ の結 晶 は 寫 眞(Photo.Ⅱ-19)に 見 る 如 く六

角 の柱 状 で あ る.寫 眞(Photo.1-35)は23.8%Siで 同

様 に高 温 で永 く熱 處理 した もの で あ るが この組 織 は 大部

分 εで 少 量 の ξの 外部 分 的 に εの地 に或 粒 には 層状 組織

が 見 られ るが これ は腐 蝕 像 で あ ら う.こ の 試 料 をX線 分

析 の結 果 ε線 の 外 に 弱 く α及び ξの線 が認 め られ み 顯

微鏡 で は組 繼 が 小 さい の で εの 地 に 混 在 す る αが 認 め難

いの で三 相 混 在せ る干 渉線 を示 す の で あ る と も考 へ られ

る.23』2%Siに も23.5%Siに にも εは分 解 して 居 な い

の にに23・8%Siの εの み が部 分 的 に分 解 す る とは考へ ら

れ な い故 組 織 に 見 え る共 析模 様 は腐 蝕 像 であ ら う.例 へ

ば寫 眞(Photo.Ⅰ-21)も 地 は α'で共 析 に 見え るが これ も

腐 蝕 像 で あ ら う.

Table 9

εphase 23・63%Si

一 致 す る.こ の 様 な原 子 配 列 を とろ もの と しで 回析 線 の

黒 さを計 算 し(220)を1と し て 黒 さ を 比 較 し た ものは

Table 8で あ る,表 に 於 て × 印 の み が フ イル ムに一表

はれ て 居 り良 く観 測 の 黒 さ と 一 激 し て 居 る.故 に.α" 、

この 試料 を化 學分 析 す る と23酸63%Siで これ をDebye-

Scherrer型 カ メ ラ に よ りX線 分 析 す る と そ の結 果は

Table 9の 如 くで あ る,こ れ 等 の 各 線 を滿 足 す る 自乗式

は次の如 く六方格子を満足する.

第8號 Fe-Si系 合 金 の 研 究  237

と な りSeemann-Bohlin型 酸カ メ ラに て は

二ッの恒數 より格子常數を求めると 躍=4・4770A と な る

平 均 原 子 量 は41・96測 定比 重 はp=6.05で 原 子 數 は

又 これ をSeemann-Bohlin型 カ メ ラにて(334'),(308),

線 のKa1よ り格 子常 數 を求 め る と

この試 料 の測 定 比 重 は ρ=6'41で 平 均 源 子 量 は45'27で

あ る故 この 單 位 格 子 中 の原 子 の數 は

即 ち單 位 格 子 中 に4分 子 のFe5Si3が 含 ま る ゝ

事 とな る.こ の 組 成 は23'19%Siで あ る.こ

の相 の 固溶 範 圍 を決 定 す る爲 に23'2%23'5%

23・8%Siに 就 い て εの 格 子 常 數 を 求 め た が

Tab1e10に 示 す如 く何 れ も大 體 同様 で7の 相

の均 一範 圍 は非 常 に狹 小 で あ る事 が 判か った.

(e)ξ 相(FeSi)

この 合金 は直 接 融 體 よ り晶 出 し融點 は1400。

られ た.

Table io Lattice Constant Qfεphase.

Table 11

ξphase 33.30%Si

で あ る.こ の

結 晶 構 造 は

Phragmen(9)

が 決 定 した も

の で 結 晶 形

は 立 方 結 晶

Space Group

はT4でa=

4.474.48A

單 位 格 子 中に

4分 子 のFeSi

を含 有 して居

る.Table 11

は33.30%Si

の計 算 結 果 を

示 す もの で次

の 式 よ り求 め

即 ち4分 子 のFeSiを 含 有 す る.

常 温 にお け る この 根 の 均 一範 園 を 決 定 す る爲(421)線

のKa1及 びKa2の 平 均 値よ りTable 12に 示 す 如 き格

子 常數 を得 た.こ れ を圖 示 す る とFig.10の 如 くな り

これ よ り均 一範 圍 を 求 め る と32・7%よ り34.8%Sip

Table l2 Lattice Constant ofξphase.

Fig.10 Solubilitq

range ofζphase.

Table 13

ri phase 56.88%Si

即 ち 約2%の 均

一範 圍 が あ る .

(f)η 相(FeSi2)

FeSi2結 晶 は融

體 よ り直接 晶 出 す

る安 定 な 化合 物 で

あ る.こ の 化合 物

のX線 的 研 究 も

phragmenに よつ

て 爲 され この結晶

の原 子 配 列 は正 方

晶型 でC14&で1

分 子 のFeSiが 單

位 格 子 中 に存 在 す

る.Table.13

は5688%Siの

Debye-Schemer

型 カ メ ラに よるX

線 分 析 結 果 で あ

る.各 干 渉 線 を満

足 す る 自乗 式 は

で上式より格子常

數 を求めるとと

とな る.54.90%Siの 試 料 の(212),(114),(203)の 線 の

238  研 究

Ka1,Ka2よ りSecmann-Bohlin型 カ メ ラ に て 求 め た 格

子 常 數 は

と な る

この 試料 の平 均原 子量 は35φ22で 測 定 比 重 は ρ=4610

で あ る故

即 ち單 位格 子 中 に1分 子 のFeSi2を 含 有 す る.

この相 の均 ― 範 圍 を決 定 す る爲 にTable 24に 示 す如

Table l4 Lattice Constant ofηphase.

Fig.11 Solubility

range ofηphase.

き合 金 をX線 分 析 した.

而 して(212),(114)及 び

(203)線 のKa1とKa2よ

り求 め た 夫 々 の1/d2hkl

第4巻

この 圖めc/aと 濃 度 と の 關 係 よ り η相 の 均 一 範 圍

見 る と53~57・4%Si迄 で 約4・4%の 固 溶 範 圍 が

あ る.

以上 用 ひた 試 料 の 化學 分 析結 果 はTable 15の 如 し.

Ⅷ.顯 微 鏡 的 研 究

各 試 料 はCorson試 藥(グ リ セ リ ン40%,弗 酸40%,

硝 酸20%)又 は その 稀薄 液 を 用 ひ て腐 蝕 した.

Photo.1は8%Siの 燒 鈍 せ る もの で上 記 の 稀薄 液 を

用 ひ て腐 蝕 した.か くの如 酸き.再結 晶 組 織 は α.〓α"に よ

Table 25 Results of Chemical Analysis.

の平均値 を最小自乗法 にか けてa軸 及びc軸 を計算し

た.と れを圖示するとFig.11の 如 く均一範 圍ではa

及びc軸 とも珪素濃度に對 して減 少を示 すがc/aの 値

はこれに反し増加する即ち珪素が増加するとa軸 とc軸

との増加の割合はc軸 の方が大である事を示して居 る.

る もの で6~12%Si迄 に 、め られ る、

又 罰 試料 を 濃 厚液 に て腐 蝕 せ る場 合に は

Photo.2の 如 く5~12%Siに お い て

特 に 麻 留 田 状 の 組 織 が 見 られ る.こ れ

はCorsonの 發表 に か ゝ る もの と同 一で

腐 蝕 時 間 を永 くす る と多 くな り且 明瞭 に

な る故 腐 蝕 に よ る像 で あ ら う. 3Z33%

Siに も同様 な組 織 を認 めた. 9

Photo.3は17%Siの 燒 鈍 せ る もの

で 冷却 に際 し て 析 出 した ε(Fe5Si3)は 珪

素 量 の増 加 に 隨 ひ 漸 次 多 くな る.こ の地

は α'(Fe3Si)固 溶 體 で あ る.

Photo.4~9は17・5%Siを1100° にて

燒 入れ これ を700°,750°,800。,840°,930°

及び990。 で それ ぞ れ20分 燒 戻 し再燒 入

した もの で あ る.

又Photo.10~14は5箇 の18%Siの

試 片 を同 時 に1100。 に 加 熱 し冷 却 の際 そ

れ ぞれ1000。,900。,800。,700。600。 の

各 温度 よ り燒 入れ した もの でPhoto.15

は これ を燒 鈍 せ る組織 を示 す.

これ に依 て 溶 解 度 の變 化 を知 る事 が 出

來 る.Photo.4~9の 燒 戻 組 織 にお いて

700°,750° に て は α'よ りの εの 析 出は

kし た 變 化 な く僅 か の εを見 るだ け で剃

るが800。 に お い て は そ の 量 増 加 し最 も

多 く εが 析 出 す る.そ れ よ り840°830°

と温 度 が 高 くな るに隨 つ て εの量 次 第 に

減 少 し990。 にて は 均 ~ な る α'相 にな る

又冷 却 時 の燒 入組 織(Photo.10~14) ,に、

於 て はl000° に て 均 一 α 相 で あ るが

900。、800° と温 度 が 事 る に從 ひ漸 次 εが 増 し,700° 以 下

の 燒 入れ に は 大 し た増 加 が な い .帥 ち α'相 にお け る ε

の溶 解 度 は1000~800° 迄 急 激 に 減 少 す るが800。 以下

常 温 迄 は殆 ど變 化 が な い 事が 知 られ る.

注 意 すべ き は燒 戻 の際 で も又 冷 却 の 場 合 で も εが α'

第8號   Fe-Si系 合 金 の 研 究

の粒 界 に容 易 に 大 き く晶出 す る事 で あ る.

Photo. 17は20%Siの 鑄 造 組 織 で ε相 は連 續 せ る大

き な結 晶 と共 晶 の如 く見 え る もの との2種 あ る.前 者 の

εは α'の溶 解 度 變 化 に よ り粒 界 に 析 出 し もの で 後 者 は

過 飽 和状 態 よ り急 に 析 出 した もの7と考 へ られ る.

Photo.18,19は 同 試料 を燒 鈍 せ る もの で α'の溶解 度

減 少に よ り析 出せ る εが長 時 闇 の 燒 鋏 に よ り柱 状 又 は六

角形 に なつ た もの で あ る.

Photo.20~23は 冷 鑄 造 試 料 を再 熱 し燒 入せ る もの で

前の 二つ の 寫 眞 に 見 え る 不 明 瞭 な 白 地 は 加 熱 に よ り ε

が α'に溶 け 入 つた 跡 で完 全 に 平衡 に 達 せ ざ る 爲 で未 だ

溶 け きれ ぬ ε 見 え る.然 しX線 分 析 で は大 體 α′′ の線

の み見 られ る.地 の共 晶 に 見 え るは α"の 腐 蝕 像 で あ り

後 り二 つ の寫 眞 は析 出 され た εが 温度 の上 昇 と共 に溶 解

度 に よっ て如 何 に ε,が變 化 するか を示 す もの で あ る.

Photo.25は22%Siを1100。 よ り燒 入れ した 組 織 で

この εは高 温 度 に於 て 一度 均一 な α"糟 か ら 冷 却 の際 に

出た もの で 白地 は α"固 溶 體 で あ る、〔これ の 鑄 造 の ま ゝ

の ものはPhoto.24の 如 く大 部 分 εで あ る.

Photo.26は22'5%Siの 試 料 を融 體 よ り空 冷 した組

織 で三 角形 の 初 晶 は ξ(FeSi)で その周 りに あ る包 晶 は初

晶即 ち液相 との 反 應 に よ り生 じた&相,白 地 は α"で 共 晶

状 の εは急 冷 の 際析 出 した もの で あ る.

Photo.27は23%Si試 料 を鋳 造 し た ま ゝの も の で

Photo.28~30は これ を 再 熱 し1140°,1 100°,1060° の

各温 度 よ り燒 入 れ せ る もの で あ る.1140° に お いて は

α"÷ ξの二 相が 共 存 し1144。,1060° の もの は 大 體 均 一

α′’相 で極 く僅 少 の εが 粒 界 に見 え る.こ れ に よつ て α"

相 に於 け る ξ相 の溶 解 度 は温度 の低 い方 が 大 なる事 が 知

られ る.

Photo.31は23.5%Siの 急 冷 鑄 造 した もの で これ を

再 熱 し1060° に て燒 入れ す れ ばPhoto.32の 如 く α'′+ξ

な る二 相 に な る.

α'+ξ〓 εな る包 析 反應 を完結 せ し む うに は 長 時 間 を

要 する爲 に23'2%,23.5%,2368%Siを 強 く冷 鑄 造 を

し これ を980° にて100時 間以 上 加 熱 し た 結 果Photo.

33,34,35!_示 す 如 く23'2%Siは α'+ε,23'5%Siは

均 一 ご相 、酸23・8%Siは ε+な る 組 織 を得 た.尚

Photo.35の 上 端 に 見 え る共 析組 織 は 腐 蝕像 で あ る.

Photo.36は25%Siを 熱 分 析 後 徐 冷 せ る もの で斯 く

の如 く ξが成 長 せ る時 は包 析 反 應 の 完結 は 長 時 間 の加 熱

で もなか なか 進 行 し難 い.

以 上 の檢 鏡 結 果 はX線 的 研 究 の 結 果 と よ く一 致 す る.

結 論

1.33%Si迄 のFe-Si系 合 金 に就 て 熱 分 析,磁 氣 分

239

析,膨 脹測 定,顯 變 鏡 組 織 及びX線 的研 究 を な し,從 來 の

状 態 圖 を訂 正 した.

2.從 來 發 見 され て ゐた 重格 子 を示 す14.4%Si(Fe3

Si)は これ を α'とす る と α'〓α+melt

な る 包 晶 反 應 に よ り1250° で生 ず る もの で こ の 反 應

は直 ぐ完 了す る もの と考 へ られ る.α'の 範 圍 は1250°

14'4%Siよ りα相 に 對 して は5%Si迄(常 温)鐵 を溶

解 し α"(Fe11Si5)側 で は20%Si(1000。)又 ε(Fe5Si3)に

對 して は16%Si(常 温)迄 擴 が つ て居 る.

3.鐵 のA2點 は 珪素 量 の 増 加 と共 に700。,8%Si迄

直 線 的 に温 度 を性 下 し更 に α'に 入 っ て又 直 線 的 に16%

Si,550° 迄 大 體 直 線 的 に 降下 す る.16% .よ り23・5%Si

闇 は珪 素 濃 度 に對 して一定 で あ る.

4.本 研 究 に よ り18.6%Si,12000に お い て生 域 す る

新 な る重 格 子 α"(Fel1Si5)を 發 見 した.生 成 反應 は 明 か

で は ない が これ もお そ ら くa"〓a'+meltな る 包晶 反應

で あ ら う.

この相 は1200。,22%Siで ξ相 と共 晶 を造 り23%Si

1030。 に 至 つ て α"+ ζ〓 ε 反 應 を,20%Si lOOO。 に 於

て α"〓 α'+ε な る共 析 反應 を起 す

5.ε 相 は 從來Fe3Si2(25,12%Si)な る組 成 と され て

居 た が 本 研 究 の 結 果FesSi3(23・14%Si)で あ り α〃+ξ

〓'εな る包 析 反 應 に よつ て生 ず る 事 が 判 つ た.又 この磁

氣 變 態點 は85。 で あ る.

6.格 子 常 數 の 變 化 は鐵 の2・8610Aは 珪 素 量 と共 に

徐 々に減 少 して6%Siに 達 し これ よ り α'に 入 る とFe3Si

の14.4%Si迄 直 線 的 に 急 に 減 少 し この 點 を 析 點 と し

で16%Si迄 前 よ りも緩 か に減 少 す る.

7.ε 相 は六 方 結 晶 で β=6'7275A, c=9・4112A ,6/α

=1.398,9て 單 位 格 子 中にFe5Si3の4分 子 を含 有 す る.

8.FeSi及 びFeSi2は 夫 々1%及 び4.4%の 均 一 範

圃 を有 す る.

9.α 相 の範 圍 の合 金 を1000°,10時 間 位 加 熱 した も

の に は鐵 と同一 父 は これ よ り少 し大 き い 格 子常 數 を有 す

る體 心 格 子 の線 が現 れ る.こ の 成 因 につ い て は 十分 判 ら

な いが 長 時間 の加 熱 に よ り消 失 した.然 し この消 失 に よ

り當 然 起 る濃 度 變 化 に よる格 子常 數 の變 化 を認 め な い.

10.Tammann爐 水素 氣 中融 合 試 料 と 高 周 波 眞 さ融

合試 料 で は約0.5%Si位 の 濃度 の差 が 格 子 常 數 濃 度 曲

線 に あ る前 者 が 珪 素 側 に ず れ る.

この差 異 は タン マ ン爐 製 試料 に於 て はSiの 一一部 がSiO2

となつ て 居 るた め と著 へ らる.

終 りに のぞ み 本 研 究 を御 指 導 下 され た 所長 村 上 教 授 に

謝 意 を表 す る と共 に 本 多 東 北 帝 大 総長 の 御 教 示 を厚 く感

謝 す.又X線 分 析 に 當 られ た 支倉 哲 夫 君 と化 學 分 析 室

諸 氏 に 厚 く其 の労 を感 謝 す る次 第 で あ る.

240 研 究 第4巻

(1)8 % Si, 1000•‹/10 hrs.

Ann. •~50

(2)8 % Si, 1000•‹/l0hrs.

Ann. •~200

(3)17 % Si, 1000•‹/5hrs.

Ann. •~100

(4)17.5 % Si, 1100•‹/1hr.w.

q. and after tempered at

700•‹/20 min. before quen

ching.1100•‹-700•‹Q •~400

(5)17'5% Si, 1100•‹/lhr.w.

q. and after tempered at

750•‹/20 min. before quen

ching. 1100•‹-750•‹Q •~8)

(6)17'5%Si, 1100•‹/lhr.w.

q.and after tempered at

800•‹/20min. before quen

ching. 1100•‹-800•‹Q •~80

(7)17'5% Si, 1100•‹,/hr.w.

q.and after tempered at

840•‹/20 min. before quen

ching. 1100•‹-840•‹Q•~80

(8)17•E5%Si,1100•‹/l hr. w.

q. and after tempered at 930•‹/20 min. before quen

ching. 11•‹-930•‹Q •~80

(9)17.5% Si, 1100•‹/1hr.w.

q. and after tempered at

990•‹/20min. before quen

chin. 1100•‹-9900 •~80

(10)18 / Si, 1000•‹/2hrs.w.

q.1000•‹Q•~80

(11)-18%Si,1000•‹/2hrs.

ann. after 900•‹/3hrs3w.

q.900'Q •~80

(12)13% Si, 1000•‹/2hrs.

ann.after 800•‹/2.5hrs.

w.q.800•‹Q•~80

(13)18%Si,1000•‹/2hrs.

ann. after 700•‹/2.5hrs.

w.q.700•‹Q•~80

(14)18%Si,1000•‹/2hrs.

ann. after 600•‹/2•E5hrs.

w.q.600•‹Q •~80

(15)18% Si,950•‹/88hrs.

slowly cooled to 700•‹/107

hrs.Ann, •~200

(16)19%Si,950•‹/88hrs.

slowly cooled to 700•‹/107

hrs. Ann. •~100

第8號 Fe-Si系 合 金 の 研 究 291

(17) 20% Si As cast •~200 (18) 20 % Si, 950•‹/88hrs.

slowly cooled to 700•‹/107

hrs. Ann. •~ 400

(19) 20% Si, 950•‹/88hrs.

slowly cooled to 700•‹/107

hrs. Ann.•~400

(20) 20%Si, 1100•‹/1•E5hrs.

w. q.1100•‹Q •~400

(21) 20%Si,1100•‹/1•E5hrs.

ann. after 1060•‹/30min.

w. q. 1060 Q •~150

(22) 20% Si, 1100•‹/1•E5hrs.

ann. after 1000•‹/30min. w

. q. 1000•‹Q •~400

(23) 20%Si, 1100•‹/1•E5hrs.

ann. after 950•‹/30 min w.

q. 950•‹Q •~ 400

(24) 22% Si As cast •~400

(25) 22% Si, 1140•‹/2hrs2

ann, after 1100•‹/30 min.

w. q. 1100•‹Q •~400

(26) 22-5% Si rapid-cool

•~ 200

(27) 23% Si As cast •~400 (28) 23 % Si, 1140"/2 hrs.w.

q.1140•‹Q •~400

(29) 23% Si, 1140 /2hrs.

ann. after. 1100•‹/30 min.

w.q.1100'Q •~100.

(30)23%Si, 1140•‹/2hrs.

ann. after 1060•‹/30min.

w.q.1060•‹Q •~100

(31)23.5 % Si As cast

•~100

(32)23'5%Si, 1150•‹/2hrs.

ann. after 1060•‹/30 min.

w. q. 1060•‹ Q •~100

242  研 究  第4巻

(33)23.2Si.980°/112hrs.

slowly cooled to 900。/17

hrs.Ann.×800

(34)23:5%Si,9SOー/112hrs.

slowly cooled to・900。/17

hrs. Ann.×100

(35)23.8%Si,980°/112hrs.

slowly cooled to 900°/17

hrs. Ann.×800

(36)25%Si, Furnace cooled

Ann.×100

(A)

(B)

(C)

(D)

(E)

(F)

(G)

(H)

(1)

(J)

(K)

(T)

(M)

(N)

(O)

(P)

α'14%Si

1000°/10hrs.ann.

α'+ ε 18%Si

950°/88hrs. s1owly cooled

to 7000/107 hrs. ann

α"+(ε) 21%Si

1140°/2hrs.w,q.

α′'+ε 22%Si

11400/2hrs. ann . after

1100°/30min. w.q.

ε 235%Si

980。/112hrs. slowly roofed

to 900°/17hrs. ann .

4"十.ζ 23・5%Si

1150°/2hrs. ann, after

1100°w.q.

ζ34%Si

1000。/1Ohrs . ann.

η 58%Si

1000°/10hrs. ann.

α'+x6%Si

As cast.

α'6%Sj

l000°/10hrs. ann.

α'14%Si

1000°/10hrs. ann .

α'+ε18%Si

950。/88hrs .slowly cooled

to700°/107hrs. ann.

ε 723.5%Si

930°/112hrs.slowly cooled

to900°/17hrsann.

α"+.ζ 23・5%Si

1150°/2hrs. ann , after

1100°w.q.

ζ 34%Si

1000°/10hrs. ann.

η 58%Si

1000°/20hrs. ann.