24
1 オゾン分解性共重合体,そのオゾン 分解法及び表面改質フィルム 大阪府立大学大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 教授 松本 章一 [email protected], TEL/FAX: 072-254-9292 平成26年度 関西公立3大学 新技術説明会,20141121日,東京

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1

オゾン分解性共重合体,そのオゾン

分解法及び表面改質フィルム

大阪府立大学大学院工学研究科 物質・化学系専攻

応用化学分野 教授 松本 章一

[email protected], TEL/FAX: 072-254-9292

平成26年度 関西公立3大学 新技術説明会,2014年11月21日,東京

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2

研究室で取り組んでいるテーマ

透明耐熱材料

カラムナー 液晶

サーモクロミック 高分子結晶

易解体性接着材料 分解性ポリマー

環境調和型化学

精密高分子合成

機能材料化学

精密重合

光酸発生剤

クリックケミストリー

立体規則性制御

機能材料設計

有機トランジスタ

リビングラジカル重合

微細加工

リサイクル・ リワーク・リペア

易解体性接着技術

有機結晶材料

液晶材料

定序配列ポリマー

フォトレジスト

光機能性高分子

分解性ポリマー

透明耐熱材料 有機無機ハイブリッド

フォトポリマー

現在の研究室で取り組んでいる研究分野とキーワード

固体物性

環境低負荷材料

アダマンタン

ディスプレイ用ポリマー材料

Temperature

E’

tan d

High modulus High Tg 耐熱性ポリマー

Conversion

MW

リワーク型光硬化樹脂

定序配列 ポリマー

ブロックコポリマー

リビング重合

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3

松本章一研究履歴(技術背景)

2020 2010 2000 1990 1980

ESR(B)

イニファーター(M)

ポリフマル酸 エステル(D)

ポリマレイミド(1985-)

アダマンタン (1990-)

トポケミカル重合(1993-)

インターカレーション (1998-)

ポリペルオキシド(2000-)

易解体性接着(2010-)

ポリジアセチレン(2008-)

有機結晶(2001-)

ラジカル反応(1994-)

材料志向

反応志向

透明耐熱 ポリマー(2007-)

位置特異性・ 定序配列

有機FET材料

自己修復・リワーク材料

立体制御 溶媒効果/ルイス酸(1998)

新ポリマー合成・ ラジカル重合制御

クリスタルエンジニア リング(ジエンモノ マー・結晶・光反応)

高性能ビニル系ポリマー (耐熱・透明・分解・導電性)

反応制御 × 物性設計 = 機能材料

固相反応制御

光機能材料

ポリジエンスルホン(2010-)

超耐熱透明材料

分解性・反応 性ポリマー

~2013 大阪市立大学 2013~ 大阪府立大学

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4

従来技術:耐熱透明材料の開発

CO2Ad

TERP TERP

nBA/2EHAn

CO2Ad CO2R

m

CO2R

CO2R CO2R

m/nCO2R

RO2CCO2R

+

+ SO2

RR S

R

R

O

O n

配列制御重合による超耐熱性マレイミド系ポリマー アダマンチル基を含む高Tgアクリレート系ポリマー 置換ポリメチレン系剛直ポリマー(フマル酸エステル) 位置特異的ジエン系ポリマー(ポリジエンスルホン)

配列制御(1:1 & 2:1)

超高耐熱化(ポリイミド代替)

有機無機ハイブリッド化

広温度領域でTg制御(-70~210℃)

リビングラジカル重合

高分子量化・極性官能基導入

シクロアルキル基導入

シークエンス制御

Tg制御・低流動粘弾性挙動

ポリマー鎖低屈曲性

分解性・耐熱性ポリマー

高機能化(官能基導入)

1,4-位置特異的成長反応

高屈折率透明ポリマー

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5

従来技術:耐熱透明材料の開発

分解開始温度 > 350 C 透過性 (380 nm) > 95% 曲げ強度 > 130 MPa 曲げ弾性率 > 4.5 GPa

かさ高いオレフィンと2:1 定序配列共重合

電子供与性モノマーと高い交互共重合性

RMI IB Poly(RMI-alt-IB)

DIB Poly(RMI-per-RMI-per-DIB)

AABくり返し構造 による耐熱性向上 側鎖置換基の選択で Tg可変 (–70~210 oC)

NO O

R

+ NO O

R n

NO O

R NO O

R

N

R

OO

n

RMI

sequence-controlled copolymerization

alternating copolymerization

M. Hisano, A. Matsumoto et al., Macromolecules, 46, 3314, 7733 (2013); Macromol. Chem. Phys., 214, 1612 (2013); A. Matsumoto, ACS Symp. Series, Vol. 1170, Chapter 20, pp. 301-312 (2014)

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6

従来技術:耐熱透明材料の開発

「マレイミド系重合体」 特許公報 第4724843号(特願2005-200302); 第5565177号(特願2010-174774)

Tg = 152 C 178 C 198 C 212 C 213 C

【ガラス転移温度, Tg 】

Wavelength (nm) 200 400 600 800

Tran

smit

tan

ce (

%)

0

20

40

60

80

100

【UV/vis 吸収スペクトル】

Transmittance@380 nm >95% ( ) PMMA ( ) poly(BMI-alt-BC5) ( ) poly(EHMI-alt-BC5) Film thickness: 60 µm

RMI BC5 (m = 5) BC6 (m = 6)

Mw×10-4 Tg (C) Mw×10-4 Tg(C)

EMI 8.5 200 1.0 229

BMI 16.6 158 2.0 194

EHMI 21.7 116 1.9 146

R = - CH2CH3(EMI)

-(CH2)3CH3 (BMI)

-CH2CH(CH2)3CH3(EHMI)

CH2CH3 m = 5,6

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7

従来技術:耐熱透明材料の開発

超耐熱マレイミドポリマーは、アクリルポリマーの高透明性、ポリイミドの熱安定性、

エポキシ樹脂の汎用性を兼ね備えた高性能ポリマー材料をラジカル重合で設計可能に

将来の応用が想定される分野:FPD材料、屈折率・光学特性制御材料、高耐熱ポリマー

材料全般、CFRP関連材料、アクリル接着・金属接着材料、OLED用封止・接着剤など

「高耐熱・透明性の新材料:マレイミド系コポリマー、シリカ粒子に固定」 化学工業日報, 2014年10月9日掲載

N

N

R

R

OO

O O

n

OO

O

Si

R'

SH

OO

O

Si

R'

S

N

O

O

エン・チオール反応

PAED-X PAED-X/SNP Hybrid

SH修飾シリカナノ粒子

SNP

マレイミドポリマーとシリカナノ微粒子のハイブリッド化

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8

従来技術:耐熱透明材料の開発

環状共役ジエンと位置特異的ラジカル共重合

MCP

+

RMI

regiospecific copolymerization

環状エキソメチレン型ジエンモノマーと交互ラジカル共重合

高度に位置選択的成長

D. Yamamoto, A. Matsumoto, Macromolecules, 46, 9526 (2013); 「マレイミド系重合体」 特開2013-237753

マレイミドとジエン化合物は、選択的に

Diels-Alder付加物を生成するため、共

重合体は得ることができない

上記の反応は、環状ジエン化合物のコン

フォメーションがs-トランス型に固定さ

れるためにDiels-Alder反応を抑制、そ

の結果、重合が選択的に進行

NO O

R5

+R1

R2 R3

R4

NO O

R5

R1

R2

R4

R3

NO O

R5

n

R1

R2 R3R4

DA addition

copolymerization

R1 = R2 = R3 = R4 = H or CH3, R5 = Ph

ディールスアルダー反応と重合反応の競争

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9

従来技術:耐熱透明材料の開発

アダマンチル基を含む高Tgアクリレート系ポリマー

アダマンタンの特徴 ・歪みエネルギーが小さく、高い熱安定性

・シクロヘキサン環が安定な構造で固定化

・融点は269℃と炭化水素としては最高値

・分子間力が小さく、潤滑性や昇華性が大

・構成元素が炭素と水素で脂溶性大(疎水的)

・橋頭位が容易に置換でき誘導体化が容易

PAdA Tg = 150 oC, Td5 > 300 oC High transparency

PAdA segment

(high Tg, hard)

PnBA segment

(low Tg, soft)

P(AdA-b-nBA)

without HEA with HEA

random

homo

homo

block

crosslinked

block

引張試験(破断強度の変化)

ブロックポリマーは相分離構造(高Tg /低Tgの両方を発現)

HEA AA

極性基(ヒドロキシ、カルボン酸)を導入すると破断強度が向上

high Tg

low Tg

AFM Images DSC curves

ミクロ相分離構造

「 (メタ)アクリル系樹脂組成物及び光学部品」 特開2012-233041

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10

従来技術:耐熱透明材料の開発

Wavelength (nm)

Tran

smit

tan

ce (

%)

PDiPF P(DiPF-co-AdA)-37/63

UV/vis

0

20

40

60

80

100

200 400 600 800

Polymer nD nD (アッべ数)

PDiPF 1.464 52

P(DiPF-co-AdA)-37/63 1.478 43

P(DiPF-co-BoA)-28/72 1.479 40

PAdA 1.491 45

◆光学特性(透過度・屈折率・アッべ数)

1.4

1.2

Mw / M

n

1.5

Mn ×

10

-3

11

7

13

9

0 20 40 60 Conversion (%)

80 100

1.3

1.6

15

17 : theoretical Mn

: Mn : Mw / Mn

2EHA, AIBN

60 oC, toluene PDiPF-DB

PDiPF-b-P2EHA-DB

◆ブロックコポリマー合成(RAFT重合)

優れた光学特性, 剛直性(配向性), リビング

ラジカル重合法の適用(RAFT, TERPなど)

「フマル酸エステル系ブロック共重合体及びその製造方法」 特許公報 第5590486号 (特願2010-161114)

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11

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

高選択的なラジカル交互共重合

(ジエンモノマーの分子設計)

無水環を利用する架橋反応

(エポキシによる熱硬化など)

オゾン分解による再可溶化、低分子量化、表面改質など

OOO

DMPD MAn

A. Tsujii, M. Namba, H. Okamura, A. Matsumoto , Macromolecules, 47, 6619 (2014); 「オゾン分解性共重

合体、そのオゾン分解法及び表面改質フィルム」(特願2014-094731, 出願日 平成26年5月1日)

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新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

OO O

R4

R2 R3

R1+

MAnDiene

OO O

R2

R1

R3

R4

OOOR1

R2 R3 R4

n

交互共重合

OO O

+

OO O

n

Diels-Alder反応

+ OO O

OO O

//

教科書に記載の古典的な反応 O. Diels, K. Alder, Ann., 460, 98 (1928)

新技術

ラジカル交互共重合

Diels-Alder反応

非環状ジエン化合物(置換ブタジエン)

高機能性ポリマーの前駆体や原料として有用(表面処理剤、抗がん剤ポリマードラッグなど)例えば、H. Maeda et al., J. Control. Release, 74, 47 (2001)

これまでの反応

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1,3-HD DMPD IP PD Radical Copolymerization of MAn with Various 1,3-Diene Monomers ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― Diene [AMVN] Temp Time MAn Product Yield (%) Mn/104 Mw/Mn (mmol/L) (oC) (h) Conv. (%) DA Adduct Copolymer ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――DMPD 0 40 5 26 25 0 DMPD 10 40 5 66 10 51.6 1.0 1.5 DMPD 50 40 5 77 11 61.3 0.3 1.4 IP 10 30 1 89 65 17.1 n.d. n.d. PD 10 30 24 81 39 31.2 2.6 1.8 1,3-HD 10 30 5 82 46 30.9 2.0 2.4 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― [MAn] = [Diene] = 0.50 mol/L, AMVN: 2,2’-azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile).

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

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新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

0

20

40

60

80

100

0 5 10 15 20 25

Convers

ion,

yie

ld /

%

Time / h

0

20

40

60

80

100

1,3-HD DMPD

Convers

ion,

yie

ld /

%

[MAn] = [Diene] = 0.50 mol/L, [AMVN] = 0.01 mol/L in CDCl3 at 30 oC for 5 h

■MAn conversion ■Copolymer yield ■DA adduct yield

1,3-HD DMPD

[MAn] = [DMPD] = 0.50 mol/L, [AMVN] = 0.05 mol/L in CDCl3 at 40 oC

MAn conversion

Copolymer yield

DA adduct yield

ラジカル共重合 vs Diels-Alder反応

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15

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

s-trans

47.2°

DMPD (E)-1,3-HD

32.9° 0.0°

BD

s-cis

ΔE = 14.6 kJ/mol ΔE = – 4.5 kJ/mol ΔE = 16.7 kJ/mol – 0.46

– 0.47

– 0.42

– 0.44

– 0.41

– 0.43

DFT calculations at B3LYP/6-311G* level

立体反発によりDiels-Alder反応に不利なコンフォメーション

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16

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

OO

OH

O

O

O

OH

O

R

N

R

N

O O

O O

O

R

OH

O

O

OH

O

NH

NH

アルコールによる架橋

エポキシによる架橋 アミンによる

架橋

NH2-R-NH2

HO-R-OH

OOO

OO

O

R'

ROO

OO O

n

D

イミド化

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17

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

Polymer/epoxy solution

Blended film

Curing of the film

Determination of insoluble fraction based on a change in the insoluble film thickness

Spincoated

Heating for 1 h

N

OO

OR'

OO O

OO OO

, Δ, 1 h

NDMBA (3 wt%) Poly(MAn-alt-DMPD) Mn = 1.3-2.1×104, Td5 = 280 oC, Tg = 94 oC

BADGE (1 eq. )

OOO

n

0

20

40

60

80

100

50 100 150 200

Insolu

ble

fra

ction

/ %

Curing temperature / oC

Epoxy-cured Poly(MAn-alt-DMPD) Td5 = 301 oC; No Tg was observed

Soaking in acetone

Tg 以上に加熱すると 架橋(硬化)が進行

エポキシによる架橋

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18

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

0

20

40

60

80

100

0 5 10 15

Rem

ain

ing thic

kness / %

Ozonolysis time / min

エポキシ硬化フィルム (Si板上) 180oC, 1 h硬化 (不溶化率 ~100%) 膜厚: 0.8-0.9 μm

恒温槽 (0 oC)

Ph3P溶液後処理 (5 wt%, 10 min) 膜厚比から 残膜率を算定

O3 in air

オゾン分解後の膜厚変化

OOOO

OX

O

アセトン(O3気液平衡, ca.0.1 mmol/L)

O3, Ph3P

X = H or OH

Poly(MAn-alt-St)

Poly(MAn-alt-DMPD)

エポキシ架橋体の再可溶化

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19

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

Change in molecular weight distribution during ozonolysis of poly(MAn-alt-DMPD) in THF at 0 oC for (a) 0, (b) 1, (c) 5, and (d) 15 min.

(●) poly(PhMI-alt-DMPD) (●) poly(PhMI-alt-2,4-HD) (●) poly(MAn-alt-DMPD) (●) poly(MAn-alt-PD) (●) poly(MAn-alt-St)

2345

RI / a.u

.

log M

a

b c d

ozonized for 0-15 min

0

5

10

15

0 5 10 15N

um

ber

of

degra

dation

Ozonolysis time / min

MAn/St

PhMI/DMPD

MAn/DMPD

分子量変化の追跡(SEC)

ポリマー鎖あたりの切断数 オゾン分解によるポリマー鎖切断

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新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

オゾン分解による表面親水化

O3 in air

78.5° 69.6°

O3, Ph3P

エポキシ硬化フィルム(Si板上) 180 oC, 1 h硬化 (不溶化率 ~100%) 膜厚: 0.7-0.9 μm

Ph3P溶液で後処理 (5 wt%, 10 min) 膜厚比から 残膜率を算定

Ozonolysis time / min

Wat

er c

on

tact

an

gle

/ d

egr

ee

Poly(MAn-alt-DMPD)

Poly(MAn-alt-St)

水接触角測定

Ozonolysis time (min)

Water contact angle (degree)

Poly(MAn-alt-DMPD) Poly(MAn-alt-St) 0a) 78.5±1.5 74.8±1.7

0 77.9±1.2 73.6±1.5 1 74.0±0.7 5 71.5±0.7 74.0±1.5 10 71.4±0.4 30 69.6±0.4 73.5±1.9

a) Before Ph3P treatment.

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21

新技術の特徴:オゾン分解性共重合体

OOO

OO

O

R'

ROO

OO O

n

OO

O

R'

OO O

O

XO

O3

エポキシ硬化 オゾン分解

X = H or OH

DMPD

オゾン分解が可能な新規熱硬化性樹脂を設計することに成功

立体障害による捻じれ構造をもつジエンモノマーを用いて高収率でMAnとの共重合体を合成

MAn/ジエン共重合体と多官能化合物との後重合反応で容易に架橋

エポキシ架橋体は、オゾン分解により短時間で再可溶化や表面の親水化が可能

リワーク樹脂や表面改質ポリマーとしての利用に期待

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新技術の特徴:想定される用途

硬化性樹脂の再可溶化を利用して・・・

リワーク型接着剤・封止剤、易解体性接着剤、フラット

パネルディスプレイ用粘接着剤など

表面改質特性を利用して・・・

フラットパネルディスプレイ用透明ポリマー材料、透明

樹脂用粘接着シート、表面改質材、加工処理材など

耐熱透明樹脂材料と複合化して・・・

高機能光学材料、高機能性フィルム、各種光学部品など

の表面処理・表面改質など

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本技術に関する知的財産権

「オゾン分解性共重合体、そのオゾン分解法及び

表面改質フィルム」

発明者:松本章一, 岡村晴之

出願人 :公立大学法人大阪府立大学

出願番号:特願2014-094731

出願日: 平成26年5月1日

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本技術に関する問い合わせ先

大阪府立大学産学官研究連携推進センター

リエゾンオフィス

TEL: 072-254-9872

FAX:072-254-7475

E-mail:[email protected]