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仙台市中心部商店街将来ビジョン 平成22年10月 仙台市

仙台市中心部商店街将来ビジョン4 1-2.仙台市中心部商店街将来ビジョンの構成 中心部商店街の現状と課題 中心部商店街の基本的な状況を把握するとともに、これを踏まえて求められる中心部全体への利

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仙台市中心部商店街将来ビジョン

平成22年10月

仙台市

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はじめに

豊かな自然環境と風趣ある歴史・文化をもつ本市は、東北地方の中枢都市として、

また杜の都の名で親しまれる都市として着実な発展を遂げてまいりましたが、本市が

将来にわたって都市間競争の中で選ばれ続ける都市として、持続的に発展していくた

めには、都市の魅力づくりが重要となっており、本市のブランド力の向上が求められ

ています。

本市中心部においては、東北や都市圏交流の拠点として、商業・業務機能や国際交

流機能、文化芸術機能、居住機能などの多様な都市機能と交通環境が調和して、様々

な相乗効果が生まれてきました。このような中、中心部の商店街は本市のみならず東

北の商業の中心的存在として、都市としての賑わいや魅力的な都市空間の創出に寄与

してきたところです。

この仙台市中心部商店街将来ビジョンは、中心部商店街を今後の中心市街地の活性

化を図る上での重要な柱のひとつとして捉え、まちとしての総合的な魅力を高め、活

力ある街づくりを目指し、将来の実現すべき方向性を示したものです。

その実現には、中心部の各商店街が取り組む具体的な事業を盛り込んだアクション

プランの策定や、従来の商店街組織の枠組みを超えて中心部商店街全体のエリアマネ

ジメント行っていくための新たな仕組みを構築することが重要となります。このよう

な取組みを着実に実行し、中心市街地としての賑わいや魅力を高めていくことにより、

将来的な本市のブランド力向上につなげていくことができると考えます。

今後とも、商業者、関係団体、市民の皆様方と力を合わせ、中心部商店街の活性化

に取り組んでまいりたいと存じますので、多くの方々のより一層のご理解、ご協力を

賜りますことをお願い申し上げます。

平成 22 年 10 月

仙台市長 奥山 恵美子

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2.中心部商店街の現状と課題

2-1.仙台商圏における仙台市中心部 ・・・・・・・・ 6

2-2.仙台市中心部の動向 ・・・・・・・・ 8

2-3.中心部商店街の内部状況 ・・・・・・・・10

2-4.仙台の中心部が持つ“強み” ・・・・・・・・12

2-5.仙台市中心部への利用者ニーズ ・・・・・・・・14

2-6.駐車場需給の現況 ・・・・・・・・16

2-7.歩行環境整備の現況 ・・・・・・・・18

2-8.居住地としての仙台市中心部 ・・・・・・・・20

2-9.観光地としての仙台市中心部 ・・・・・・・・23

2-10.現状と課題の整理 ・・・・・・・・26

1.仙台市中心部商店街将来ビジョンについて

1-1.仙台市中心部商店街将来ビジョンの概要 ・・・・・・・・ 2

1-2.仙台市中心部商店街将来ビジョンの構成 ・・・・・・・・ 4

3.個別商店街の方向性

3-1.個別商店街の現状と課題 ・・・・・・・・28

3-2.個別商店街の方向性の検討 ・・・・・・・・39

4.中心部商店街将来ビジョンの内容

4-1.中心部商店街の目指す基本的な方向性 ・・・・・・・・42

4-2.戦略的な取り組みの実施方策 ・・・・・・・・44

4-3.中心部商店街に必要な取り組み ・・・・・・・・46

4-4.実現に向けた仕組みづくり ・・・・・・・・54

仙台市中心部商店街将来ビジョン 目 次

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1仙台市中心部商店街

将来ビジョンについて

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策定の趣旨

1-1.仙台市中心部商店街将来ビジョンの概要

仙台市が将来にわたって都市間競争の中で選ばれ続ける都市として、持続的に発展していくためには、

中心市街地の活性化が不可欠であり、その一つの柱となるのが中心部商店街である。

一方、中心部商店街を取り巻く環境は、郊外型大型店との競合、中央資本の進出、全国展開のチェーン

店の増加に加え、地下鉄東西線整備や民間の再開発の動向など、ここにきて大きく変化している。

そこで、中心部商店街の魅力をさらに高め、集客力の向上を図ることにより、中心市街地の活性化に寄

与することを目的に、将来の実現すべき方向性を示した仙台市中心部商店街将来ビジョン(以下「将来ビ

ジョン」という。)を策定する。

対象となる商店街

対象となる中心部商店街は、一番町四丁目商店街、一番町一番街商店街、サンモール一番町商店街、

おおまち商店街、クリスロード商店街、名掛丁商店街、仙台駅前商店街、仙台朝市商店街及び本町商

店街の9商店街とする。一方、都市基盤整備の進展により商業集積の進む仙台駅東口や面的な波及効

果・回遊性創出が期待できる周辺部についても、将来に向けた連携の可能性等を考慮する。

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3

基本的位置づけ

○ 将来ビジョンは、新たな仙台市総合計画の下位に位置づけられるものとする。

○ 地下鉄東西線開業予定の平成 27 年度を当面の目標とし、具体的な取り組みの進展等に応じて適宜必要

な見直しを行っていくものとする。

将来ビジョンの実現に向けて

仙台市中心部商店街

将来ビジョン (主な内容)

① 中心部商店街の現状と課題

② 中心部商店街の目指す基本的な方向性

③ 商店街・行政の担うべき役割

④ 中心部商店街に必要な取り組み

⑤ 実現化に向けた仕組み

アクションプラン

アクションプラン

個別商店街

アクションプラン

将来ビジョンで想定した中心部商店街の活性化に必要な取り組みを実効性あるものとしていくため

には、各商店街において、将来ビジョンに基づき具体的に取り組むべき事業を整理したアクションプラ

ンを策定し、取り組みを進めていくことが必要となる。

仙台市が策定する将来ビジョンと商店街が策定するアクションプランの2つを合わせて仙台市中心

部商店街活性化プラン(以下、「活性化プラン」という。)と位置づけると共に、進行管理を行うための

委員会を設置する。

アクションプラン部分については、各商店街と仙台市が意見交換等を実施しながら素案を作成する。

サンモール一番町商店街

一番町四丁目商店街

一番町一番街商店街

中心部商店街全体の将来ビジョンを規定する

個別商店街の具体的な実施計画を記載する

・・・

調整・整合

(主な内容)

① 各商店街が目指す方向性

② 取り組むべき事業リスト(ハード事業・ソフト事業)

③ 実施スケジュール

仙台市中心部商店街活性化プラン

仙台市

基本構想

仙台市

基本計画

分野ごとの個別計画

仙台市中心部商店街

将来ビジョン・・・ 整合を図る

新仙台市総合計画改定作業中

① 商店街と行政が共有する将来ビジョン

② 商店街と行政の役割分担の明示

③ 進行管理のための委員会設置

④ 商店街ごとの具体的なアクションプラン

特色

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1-2.仙台市中心部商店街将来ビジョンの構成

中心部商店街の現状と課題

中心部商店街の基本的な状況を把握するとともに、これを踏まえて求められる中心部全体への利

用者ニーズを把握し、対応を検討する。同時に、仙台中心部の持つ魅力、優位性を改めて検証する。

個別商店街の方向性

中心部商店街の中で、それぞれ個々の商店街が最も魅力を発揮できる

方向は何であるのか。商店街相互の特性と個別の状況を把握し、中心

部の中で果たすべきマーケット上の対応、都心機能向上のための対応

方針について検討する。

中心部商店街将来ビジョンの内容

中心部商店街全体の目指すべき基本的な方向性のもと、構造的な課題に効果をもたらしうる、活

性化を実現する仕組みを構築することが必要となる。

そのために、中心部商店街に関わる主体の役割分担と、取り組むメニューを内包したプログラム

を検討する。また、中心部の活性化に取り組む実行組織について検討する。

仙台商圏における仙台市中心部

仙台市中心部の動向

中心部商店街の内部状況

仙台の中心部が持つ“強み”

仙台市中心部への利用者ニーズ

駐車場需給の現況

歩行環境整備の現況

居住地としての仙台市中心部

観光地としての仙台市中心部

個別商店街の現状と課題

個別商店街の目指す方向性の検討

中心部商店街の目指す

基本的な方向性

戦略的な取り組みの

実施方策

中心部商店街に必要な取り組み

実現に向けた仕組みづくり

商業環境からの視点 活かすべき点・求められる点

市内買い物客以外に対する視点中心部商店街の都市基盤

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2中心部商店街の現状と課題

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6

大規模小売店舗件数・面積

142149154

163 168173 177

185193668,872

715,722751,431

797,184810,701855,928

907,315967,504

1,044,832

100

120

140

160

180

200

220

240

H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

-

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

総店舗数 総店舗面積

※大規模小売店舗立地法に基づく届出状況より作成

(小売店舗面積1,000㎡以上の店舗)

※「仙台の商業の現状」仙台商工会議所(H20)をもとに作成

郊外型の大型施設の急増

「まちづくり三法」施行直前に計画された郊外

型の大型商業施設が急増し、中心部に大きな影

響を与えている。

仙台市中心部の商圏は大幅に縮小

・平成 11 年度から 20 年度にかけて、仙台市中心部の商圏は大幅に縮小。中心部に買い物に来る人が減って

いる。

・青葉区でさえ一次商圏から二次商圏に移行している。

[ 平成20年度 ]

(資料:「宮城の商圏」 県内消費購買動向調査)

吸引率 30%以上(一

次商圏)〃 15~30%(二

次商圏)〃 5~15%(三

次商圏)

〃 3~ 5%

宮城野区

若林区

太白区

青葉区

泉区

旧南

郷町

旧松山町

旧中新田町

[ 平成11年度 ]

吸引率 30%以上(一

次商圏)〃 15~30%(二

次商圏)〃 5~15%(三

次商圏)

〃 3~ 5%

宮城野区

若林区

太白区

青葉区

泉区

[ 平成17年度 ]

吸引率 30%以上(一

次商圏)〃 15~30%(二

次商圏)〃 5~15%(三

次商圏)

〃 3~ 5%

宮城野区

若林区

太白区

青葉区

泉区

七ヶ宿

大郷町

旧田

尻町

旧石越町

旧築館町旧鶯沢町

旧一迫町

県内だけでなく山形、福島ほか隣接県から買い物客を集め広範囲の商圏を誇っている仙台

市中心部商店街の、仙台商圏における現状を把握する。

2-1.仙台商圏における仙台市中心部

イオン利府SC

約38,000㎡

仙台市中心部

三井アウトレット

パーク仙台港

約19,000㎡

イオン富谷大清水SC

約34,000㎡プレミアムアウトレット他

合計約30,000㎡

イオンモール名取エアリ

約55,000㎡

ザ・モール仙台長町

ララガーデン長町

合計約75,000㎡

店舗面積:

10,000㎡以上

店舗面積:

30,000㎡以上

アウトレットモール

10㎞圏 5㎞圏

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7

年間販売額

25%

21%

24%

27%28%

34%31%

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

S63 H3 H6 H9 H14 H16 H19

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

中心部商店街 それ以外 中心部シェア

(億円/年) (対全市割合)

中心部以外で買物をする人の増加

・中心部に買回品を買いにくる人が大きく減っている。

・太白区ほか周辺部に商圏が生まれている。市外の名取、富谷等への流出もみられる。

・郊外のショッピングセンターでまとめて買い物をして、一日過ごすようなライフスタイルが増えつつある。

(平成20年-平成8年)買い物先割合の増減

買回品 (単位:%)

仙台中心部

青葉区内

宮城野区内

若林区内

太白区内

泉区内

仙台市計

青葉区 -21.4 13.5 2.3 0.1 1.5 0.1 -4.0

宮城野区 -22.8 0.2 16.7 -0.2 0.9 -5.1 -10.2

若林区 -23.5 0.5 2.7 -8.4 18.8 -5.3 -15.2

太白区 -39.0 -1.7 -0.4 -1.2 36.5 -4.3 -10.3

泉区 -12.5 1.0 0.1 -0.1 0.1 3.3 -8.2

仙台市計 -23.6 2.9 3.4 -1.8 10.8 -0.4 -8.7

買物先

居住地

最寄品 (単位:%)

仙台中心部

青葉区内

宮城野区内

若林区内

太白区内

泉区内

仙台市計

青葉区 0.4 -3.9 1.5 -0.1 0.4 0.9 -0.9

宮城野区 -0.6 0.4 4.6 -0.6 0.0 -0.5 3.2

若林区 -0.7 2.1 -5.3 -0.8 3.3 -0.6 -2.0

太白区 -2.1 1.2 0.2 -0.8 0.3 -0.4 -1.6

泉区 -0.2 -0.7 0.0 0.0 0.0 -3.5 -4.5

仙台市計 -0.7 -1.4 0.1 -1.2 0.9 0.9 -1.4

買物先

居住地

中心部の売場面積、販売額シェアの減少

※「宮城県の商圏:消費購買動向調査」(H20)より作成

売場面積、年間販売額とも、中心部は横ばい傾向。郊外部は大きく増加し、相対して中心部のシェアは減少

している。

売場面積

31%

35%

28%27%

21%

19%

24%

0

200

400

600

800

1,000

1,200

S63 H3 H6 H9 H14 H16 H19

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

中心部商店街 それ以外 中心部シェア

(千㎡) (対全市割合)

中心部シェア中心部シェア

※商業統計調査(立地環境特性)より作成

「買回品」:衣料品、靴・バッグ・アクセサリー、スポーツレジャー用品、CD/書籍/文房具、玩具・ゲーム、家具・インテリア品

商品を選択し購買する過程において、予算や好みと照らし合わせて、価格や品質などをもとに特性の比較検討を行う商品を指す。

「最寄品」:食料品、日用雑貨品、医薬品、化粧品

購入にあたり消費者が特別な努力を払わずに頻繁に購入する商品を指す。

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2-2.仙台市中心部の動向

仙台駅周辺に開発が集中する傾向

不動産開発は仙台駅西口エリアを強く指向している。ファンド等の不動産開発スキームの変化に伴って、開発案

件は投資リスクの小さい駅西口エリアへの指向が強くみられる。

商業施設も、駅西口エリアへ集積する傾向を強めている。

中心部商店街の歩行者通行量は減少傾向

商店街を通行する歩行者の総通行量は減少傾向を続けている。その中でも、一番町通りでは減少傾向が強く出ている。

まだ一定量は保っているとはいえ、仙台駅と地下鉄新駅周辺の間の通過するだけの場所となっていく不安がある。

2

3

4

5

6

H17 H18 H19 H20 H21

仙台駅前 中央通り

一番町通り 全体平均

(万人/日) H21/H17

(85%)

(83%)

(76%)(87%)

(比

平均通行量(日曜日)

※仙台市・仙台商工会議所「歩行者通行量調査」より作成

前年比通行量増加

前年比通行量減少

(太さは概略の通行量)

平成20年-平成21年 通行量の増減(日曜日)通り別の休日の通行量の推移

投資型の大型開発が進み、あわせて既存の大型店等のリニューアル・増床が続いている

仙台市中心部での開発と商業の動向、利用者の状況を把握する。

■駅西口エリア、一番町エリアの大型店一覧

立地 店舗名売場面積(㎡)

開設年月

さくら野百貨店仙台店 23,330 1946.6

仙台駅ビル(エスパル) 21,219 1978.3

駅 読売仙台ビル(ダイエー仙台) 20,212 1975.9

西 EBeanS(イービーンズ) 16,775 1964.3

口 仙台駅前開発ビル(仙台ロフト) 9,972 1982.4

AER(アエル) 9,577 1998.3

仙台TRビル(ヤマダ電機LABI仙台) 14,854 2007.2

エスパルⅡ 2,644 2008.6

パルコ 18,974 2008.8

計 137,557

三越仙台店・定禅寺通り館・ABビル 31,218 1933.4

一 藤崎本館・藤崎アネックス大町 28,983 1932.2

番 仙台フォーラス 14,455 1998.3

町 藤崎ファーストタワー館 10,000 2009.7

計 84,656

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仙台発着高速バス年間輸送人員

0

50

100

150

200

H15 H16 H17 H18 H19

(万人)

青森県 秋田県 岩手県 山形県

福島県 その他

広域購買層も仙台駅西口エリアへの志向が強い

超広域商圏として、長距離バスによる隣接県からの買物客を多く集めているが、その行き先は概ね仙台駅近隣の

大型店が中心となっている。

※出典:国土交通省東北運輸局「管内高速バス輸送実績」

※出典:「高速バス利用動向調査」(H20 )地域産業支援課実施

<高速バス利用者アンケート>ここ1年で買い物に訪れた店舗 (複数回答)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

エス

ォー

の百

崎エス

ルⅡ

イー

ンズ

アウ

ット

パー

ク仙

エー仙

イオ

ンモー

エア

レミ

アウ

ット

・モー

ル仙

パー

ンタ

ルバ

・イ

トー

ヨー

ドー仙

いず

駅西口エリアの大型店

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2-3.中心部商店街の内部状況

土地・建物の所有と使用の分離が進む

・流通構造・不動産構造の変化が、商店街の内部構造に大きな影響を与えている。

・全国展開するナショナルブランド、ワールドブランドのショップを中心にテナント営業化が急速に進行している。

(地元店営業→テナント営業→地元はビルオーナー化)

昭和62年 平成18年

<一番町三丁目でのケーススタディ>

全国チェーンテナントの増加

・地元企業等で所有する建物の割合は約2割減となっている。

・全国チェーンのテナント営業は、約2割から約7割へと大幅に増加している。

営業

所有

長い歴史を持つ仙台市中心部商店街に、物販を中心とする流通構造の変化等が与えた影響

を把握する。

<一番町三丁目でのケーススタディ> ※営業形態は1階部分で判断。比率は店舗の間口の長さによる。

昭和62年

地元所有

87.2%

全国所有

12.9%

自己営業

5.5%テナント営業

7.4%

テナント営業

(全国)

10%

テナント営業

(地元)

6%

自己営業

71.1%

平成18年

地元所有

71.7%

全国所有

28.4%

自己営業

24.9%

テナント営業

(地元)

3.4%

テナント営業

28.4%

テナント営業

(全国)

43%

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※出典:「宮城県商店街空き店舗実態調査」

市内空き店舗率の推移

8.27% 8.31% 8.65%

9.80% 9.84%10.33%

10.78%

11.82%

4.75%5.43%

4.58%

6.19%5.41% 5.75% 5.90%

8.21%

1.64% 1.57%

4.21%

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

全市 中心市街地区域内 中心部商店街

商店街の売上と販売効率も減少傾向

・中心部商店街の多くで売上が漸減傾向にある。

・特に、おおまち商店街周辺地区、本町商店街周辺地区で、減少傾向が強く出ている。

年間商品販売額

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

H14 H16 H19

(億円) 売場面積当り販売額

0

50

100

150

200

250

300

350

H14 H16 H19

(万円/㎡)

一番町四丁目

一番町一番街

サンモール

おおまち

仙台駅前

朝市・中央四

本町

クリスロード

名掛丁

従業員当り販売額

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

H14 H16 H19

(万円/人)

※商業統計調査(立地環境特性)より作成(H14、H16、H19)

・不動産スキームの変化(グローバル化、証券化)の

影響が拡大し始めている。

・ファンドスキーム等により大型物件を中心に、地域

経済とは関わりなく、開発の進展・中断が発生して

いる。

・開発スキームの影響もあり、出店希望があっても条

件が合わず出店につながらないなど、空き店舗が目

立ち始めている。

空き店舗の増加

平成 19 年から平成 20 年にかけて中心部商店街における空き店舗数の割合は 1.57%から 4.21%へと増加している。

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2-4.仙台の中心部が持つ“強み”

歴史的な骨格を引き継ぎ、『杜の都』というグランドコンセプトのもとにまちづくりが進め

られてきた中心部の持つ強み、またはポテンシャルについて把握する。

仙台市中心部の持つ都市的魅力

地方中枢都市である『仙台』には、買物客だけでなく、市内外を問わず多様な人々そして観光客等を惹きつける

魅力が備わっている。

都市『仙台』の持つ魅力・ポテンシャル

定禅寺通り・青葉通りが景観軸

要素を結びつけうる都市構造

市民主導の伝統

商業のあり方は大きく変化

教育・研究・開発の場

施設もイベントも充実

杜の都

学都

アート(楽都・劇都)

市民

活動

コンパクトな

都市構造

商業

都市

仙台市中心部には、多くの大学や

専門学校、研究施設があり、IT・

医療・バイオなどの先端産業も多

く、高度な情報・知識に携わる人

が集まっている。

ホールやライブハウス、メディアテー

クやギャラリーが存在するだけでな

く、定禅寺通りなど都市空間を舞台に

したイベントも増加している。

流通・販売形態の変化により、物販・小売

の場としての中心部商店街の優位性は大き

くゆらいでいる。

仙台では市民の自主的な活動から、定禅寺

ストリートジャズフェスティバルをはじめ

多くのイベントが発展してきている。

緑豊かな自然と共生する街並みの中で

も、定禅寺通り・青葉通りのケヤキ並木

がイメージの軸となっている。

多様な魅力の拠点となる場所同士が

都心軸に沿って配置されることで、

コンパクトな結びつきを生み出して

いる。

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中心部におけるイベントの開催

ホール等に加え、屋外での都市型イベントも多数開催されている。

商店街・アーケードでのイベント開催には、申請・許可手続きが必要である。

錦町公園

情報・産業

プラザ

ZEPP

仙台

電力ホール

ライブハウス

ライブハウス

ライブハウス

エルパーク

戦災復興

記念館

東京エレクトロン

ホール(県民会館)

勾当台公園

市民広場

ライブハウス東北工業大学

一番町ロビー

市民会館 メディアテーク

定禅寺通緑地

一番町買物公園

各種イベント

ぶらんどーむ一番町:

仙台コレクション他 クリスロード

ハロウィン他

JR仙台駅

コンコース

西公園

コンパクトな都心軸を形成する中心部商店街

・仙台は地方中枢都市の中でも、最もコンパクトで複合性の高い都心空間を形成している。

・歴史的な骨格を引き継ぐT字型の中心部商店街が、そのまま都市サービスをコンパクトに結びつける都心軸とし

て機能しうる構造となっている。

仙台 広島

福岡札幌

※図:地方中枢都市4都市における中心部構成の比較

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中心部商店街の状況・課題

利用者が実感する欲求

(ニーズ)

利用者の潜在的な欲求

(ウォンツ)比較検討

(ギャップのチェック)

中心部商店街に求められるもの

(活性化ニーズ)

商店街の取り組み・個店の対応

(シーズ:提供したいもの)

中心部商店街に求められるもの

・利用者の単純な改善の要望に対応するだけでは、中心部商店街への集客減の歯止めにしかならない。

・新たに提示して初めて気づかされるような潜在的なニーズを掘り起こすことで、新たな集客の増加につながると

考えられる。

2-5.仙台市中心部への利用者ニーズ

利用者が実感している要望

現状では、仙台市中心部商店街は「買い物」を目的とする利用者が多く、まちの利便性、快適性、安全性について

の改善ニーズが高い。

【中心部商店街に来る目的】(複数回答)

買い物80.0%

食事・喫茶37.5%

ウィンドーショッピング16.5%

仕事13.3%

【中心部商店街に望むもの】(複数回答)

駐車場・駐輪場の増設 60.2%

街のホスピタリティの向上

(無料休憩所、清潔なトイレなど)32.3%

町の安全、防犯の向上 31.1%

商店の個性、独創性、専門性 28.2%

公共交通の改善(バス路線や便数) 26.5%

娯楽施設の充実(映画館、テーマパークなど) 23.8%

子供や高齢者が楽しめる施設の充実 23.4%

※「中心部商店街における消費動向調査(H19)」(財)仙台市産業振興事業団より作成

地方中枢都市として、様々な都市サービスに広範囲な利用者が集まってくる仙台市中心部

へのニーズを把握する。

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潜在的なニーズの把握

全国調査等により、都市中心部に求められる潜在的な要望を把握する。

生活者ニーズ

○ 一度に用事をすませたい

××ができて、ついでに買い物

・ 商業機能、公共機能、サービス機能を使いやすく集積させ、一度に

用事を済ませられる。

・ 「買い物」プラスアルファの魅力づくり。

○ アクセス性や利便性、快適性を求める

・公共交通アクセスの改善。

・子ども連れで来やすい商店街。

・高齢者が毎日長くいられる商店街。

・働く人へのサポート機能の充実。

消費意識のトレンド

○ 消費の指向は変化してきている「イエナカ消費」 :夕飯の食材、インテリア、CD・DVD、家電な

ど自宅で家族と過ごす部分にお金をかける。

「メリハリ志向」 :欲しいものにはお金をかける。それ以外はなるべ

く安く。最初に削減するのは、外食、ファッショ

ン・アクセサリー。

「モノから関係性へ」:何を買うか、よりも、どこでどう購入するか、

を重視する。居心地の良いショップ、その道を知

り尽くした売り手など、自分が感じる価値を重視。

○ 人との関係性・コミュニケーションを

魅力として重視している

・専門性を持ち、顧客との関係性を演出する店舗が望まれる。

・売り手・買い手が一方的でない参加型の商店街。

・中心部に「誇り」や「愛着」を持てるような魅力。

※「 H20国土交通白書」 国土交通省 (H20)より

※「電通総研レポート2007」より

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駐車場・駐輪場の立地状況

2-6.駐車場需給の現況

駐車場の不足が唱えられる中心部商店街の、実際の需給状況について把握する。

利用者の実感

中心部商店街利用者の実感としては、駐車場・

駐輪場の増設を望む声が多く挙げられている。

【中心部商店街に望むもの】(複数回答)

駐車場・駐輪場の増設 60.2%

街のホスピタリティの向上

(無料休憩所、清潔なトイレなど)32.3%

町の安全、防犯の向上 31.1%

商店の個性、独創性、専門性 28.2%

公共交通の改善(バス路線や便数) 26.5%

娯楽施設の充実(映画館、テーマパークなど) 23.8%

子供や高齢者が楽しめる施設の充実 23.4%

0台

5,000台

10,000台

15,000台

20,000台

H15(実績値)

H27(予測値)

駐車供給量 H11~15平均的な伸び率の場合

駐車供給量 H6~15平均的な伸び率の場合

駐車需要量 平日 駐車需要量 休日

供給

需要

出典: H15仙台市駐車場施設整備方針検討業務報告書(その2)

既往調査の駐車場需要予測

平成 15 年に本市が行った調査では、都心部とその周辺の駐車供給量は需要を大きく上回っており、

将来推計についても同様としている。

平成 19 年には付置義務駐車台数の緩和を行っている。

駐車場の立地状況をみると、100台以上の駐車施

設も25箇所程度あり、500台以上の駐車施設が

2箇所存在する。

駐輪場については、地下駐輪場等が7箇所あり、

路上駐輪場が4箇所存在するが、路上での不法

駐輪が各所で問題視されている。

※「中心部商店街における消費動向調査」 (財)仙台市産業振興事業団(H19)より作成(再掲)

将来駐車需給バランス(駐車場整備地区)

H11~15平均的な伸び率の場合

H6~15平均的な伸び率の場合

平日 休日

H15(実績値)

14,061台 14,061台 6,168台 4,331台

H27(予測値)

15,113台 15,838台 6,840台 4,803台

H37(予測値)

15,573台 16,902台 7,143台 5,015台

駐車供給量 駐車需要量

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駐車場・市営駐輪場の立地状況

17

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2-7.歩行環境整備の現況

<商店街の舗装整備>

仙台朝市商店街・・・舗装整備でベビーカー等の買い物も便利に

<歩道の整備・バリアフリー等>

国分町通り・・・歩道拡幅、電線地中化(荷さばきスペースの設定、一方通行化)

東三番丁通り・・・歩道拡幅、バリアフリー化

東四番丁通り・・・歩道整備、バリアフリー化

市民広場脇、杜の都信金前・・・共同荷さばき

<まちなかの公園・憩いの場>

南光院丁通り・・・アーケードに面した一部を通行止めして、ポケットパーク化

新伝馬町公園 (クリスロード商店街北側)

市民広場・勾当台公園 (イベント開催が多い)

定禅寺通り (緑道公園)

西公園・肴町公園・元鍛冶丁公園

<民間敷地内での対応>

仙台ファーストタワーの公開広場・アトリウム

宮城交通仙台高速バスセンターのデッキ及び通り抜け通路

仙台市ガス局ショールーム「ガスサロン」脇の通り抜け通路

東二番丁スクエア(中央警察署跡地)の通り抜け通路

文化横丁入り口の公園

利用客の安全で快適な滞在の前提となる、中心部商店街の歩行環境について把握する。

中心部商店街の環境整備

歩行環境の現況

・歩道が整備されていても、放置自転車により安全に歩けない

場所がみられる。

・アーケードは通行量が非常に多く休むところも少ないため、

高齢者やゆっくり歩くのに適した環境とはいえない面もあ

る。

・中心部商店街の基本構造は T 字型のアーケードであるが、近年アーケードに交差する道路や平行

に走る道路の整備が徐々に進んでいる。

・街の中で人々の憩いや活動のスペースとなる可能性のある場所が増えつつある。

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(南光院丁通)ポケットパーク化

(晩翠通)歩道バリアフリー

自転車通行帯

歩道整備

照明灯設置

(国分町通)歩道整備

(イービーンズ脇)側溝整備、舗装補修

(朝市商店街) 舗装整備

(市民広場) (ガスサロン)公開空地

(新伝馬町公園 北側)

(新伝馬町公園 南側)

(東三番丁通)歩道拡幅バリアフリー

(青葉通)ベンチ、照明灯

(青葉通)再生計画

(国分町通)歩道拡幅、電線地中化

(元鍛冶丁公園)改修工事 地下駐輪場

(本町)コミュニティロード

(公園)公開空地

(東四番丁通)歩道整備バリアフリー

(宮交高速バスセンター)バスベイ

(仙台ファーストタワー)アトリウム空間

共同荷さばき

歩行空間、憩いの場等の環境整備事業

19

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2-8.居住地としての仙台市中心部

広域よりの集客だけでなく近隣の居住者への対応を検討するため、中心部商店街周辺

および、中心市街地の居住動向を把握する。

<人口データの算出根拠>

住民基本台帳:各年10月時データより、

集計範囲にあたる町丁目別人口を合算。

「中心市街地」の範囲

仙台市中心市街地活性化基本計画において

計画区域として画定した範囲とした。

「中心部商店街周辺」の範囲

中心部商店街に隣接する町丁目をまとめた範囲

とした。

仙台市中心部の人口推移

・現在、中心市街地に4万人弱、中

心部商店街周辺には5千人弱の人

が住んでいる。

・中心部の居住人口の傾向としては、

平成に入ってからも減少傾向が続

いていたが、平成 13 年以後は増加

に転じている。

仙台市の人口は、この 10 年の間に減

少をはじめ、10 年後の平成 32 年に

は 103 万人弱になり、その後も緩や

かに減少すると見込まれることか

ら、将来的に中心部の人口の比重は

増すものと想定される。

(平成 22 年 9 月 仙台市基本計画

(中間案)より)

(住民基本台帳:各年10月時データより、

範囲にあたる町丁目別人口を合算)

仙台市中心部の人口推移

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

H01 H04 H07 H10 H13 H16 H19 H21

(人)

中心市街地

中心商店街周辺

(H21)

約38,500人

(H21)

約4,500人

(H13)

約31,500人

(H13)

約3,600人

仙台市中心部の人口増減率

50%

60%

70%

80%

90%

100%

110%

120%

H01 H04 H07 H10 H13 H16 H19 H21

(対平成元年比)

中心市街地

中心商店街周辺

仙台市

(中心市街地)

対平成1年比

103%

(中心商店街周辺)

対平成1年比

87%

(仙台市)

対平成1年比

113%

H01 H04 H07 H10 H13 H16 H19 H21

仙台市 (人) 892,673 923,110 950,736 975,580 990,909 1,001,201 1,007,437 1,012,000

(H1年比) 100% 103% 107% 109% 111% 112% 113% 113%中心市街地 (人) 37,537 34,656 33,821 31,986 31,474 33,009 35,797 38,585

(H1年比) 100% 92% 90% 85% 84% 88% 95% 103%中心商店街周辺 (人) 5,213 4,454 4,042 3,703 3,591 3,629 3,962 4,514

(H1年比) 100% 85% 78% 71% 69% 70% 76% 87%

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中心部における年齢別人口の動向

世代別の人口構成をみると、最近 5 年間では全ての世代において増加傾向にある

が、特にマンション購入層と考えられる「20 歳~39 歳」の増加が目立っている。

中心市街地 人口構成の推移(人)年齢 H01 H4 H7 H10 H13 H16 H19 H210~19歳 8,817 7,635 6,793 5,640 5,097 4,787 4,982 5,238

20~39歳 13,115 11,544 11,234 10,744 10,657 11,474 12,860 14,14240~59歳 10,320 10,095 10,114 9,598 9,443 9,792 10,324 10,76260~79歳 4,595 4,606 4,803 5,069 5,271 5,786 6,199 6,843

80歳~ 690 771 877 935 1,006 1,170 1,432 1,600

中心部商店街周辺 人口構成の推移(人)年齢 H01 H4 H7 H10 H13 H16 H19 H210~19歳 1,097 837 681 547 491 421 452 518

20~39歳 1,545 1,242 1,153 1,087 1,070 1,140 1,340 1,63140~59歳 1,562 1,389 1,214 1,080 1,036 1,037 1,114 1,24260~79歳 867 818 823 812 803 831 840 882

80歳~ 142 168 171 177 191 200 216 241

中心市街地 世代別人口の推移

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

H01 H4 H7 H10 H13 H16 H19 H21

(人)

0~19歳

20~39歳

40~59歳

60~79歳

80歳~

中心部商店街周辺 世代別人口の推移

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

H01 H4 H7 H10 H13 H16 H19 H21

(人)

0~19歳

20~39歳

40~59歳

60~79歳

80歳~

・中心市街地の人口は、近

年では全ての世代におい

て増加傾向にある。

・少子化で減少が続いてい

た「0 歳~19 歳」の人口

も率は低いものの増加傾

向にある。

・中心部商店街周辺では、

特に「20 歳~39 歳」の転

入が増えている。

・中心市街地全体と比べる

と、「60 歳~79 歳」の増

加率は低くなっている。

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町丁目別人口の動向

町丁目別にみると、中心部商店街周辺よりも、ひと回り外側の地区に多く居住している。

特に五橋や木町通り付近のエリアで、近年のマンション立地による人口増が顕著となっている。

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2-9.観光地としての仙台市中心部

東北の玄関口として、歴史と風土に恵まれた観光目的地として、多くの来訪者を迎える

仙台市中心部商店街の現況を把握する。

観光客・宿泊客の動向

※平成20年度 観光統計より作成

平成20年 観光客入込数

465万人1,108万人

376万人

732万人旧仙台市地区 中心部

5大イベント時中心部5大イベント時

その他

その他仙台市内

仙台市全体:1,573万人

H11 H16 H20 H11 H16 H20

宮城県 44,749,700 50,988,358 56,788,646 7,386,600 7,937,109 8,043,908

対H11増加率 - 113.9% 126.9% - 107.5% 108.9%

仙台圏 23,776,900 27,087,307 29,532,556 4,475,000 5,108,815 5,563,698

対H11増加率 - 113.9% 124.2% - 114.2% 124.3%

仙台市 13,821,200 14,486,417 15,731,418 3,485,900 4,068,983 4,627,603

対H11増加率 - 104.8% 113.8% - 116.7% 132.8%

旧仙台市地区 8,873,300 9,376,941 11,083,466 2,105,100 2,580,208 3,333,874

対H11増加率 - 105.7% 124.9% - 122.6% 158.4%

中心部5大イベント時 6,776,000 7,315,000

旧仙台市区に占める割合 72% 66%

※H20年10月~12月:JR東日本DCキャンペーン実施

観光客入込数 (人) 宿泊客数 (人)

「旧仙台市地区」:現在の仙台市より、旧泉市、旧秋保町、旧宮城町を除いた範囲。

「仙台圏」:仙台市を中心とした都市圏であり、仙台市、塩竈市、名取市、多賀城市、岩沼市、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、

利府町、大和町、大郷町、富谷町、大衡村からなるエリア。

「中心部5大イベント」:SENDAI 光のページェント、仙台七夕まつり、仙台・青葉まつり、定禅寺ストリートジャズフェスティバル、

みちのく YOSAKOI まつりの5つのイベント。

・平成 20 年における旧仙台市地区への観光客入込数

は、約1,100万人であり、仙台市全域に対して70%、

仙台圏域に対しても 38%を占める。

・中心部5大イベント時の観光客入込数は、平成 20

年で約 700 万人であり、これは旧仙台市地区の年

間入込数の 66%を占めている。

・平成 20 年における旧仙台市地区での宿泊客数は、

約 330 万人であり、年々増加の傾向となっている。

・ここ数年間の宿泊客数の増加率は、観光入込客数の

増加率を上回っており、その傾向は駅周辺を中心に

してビジネスホテル等が増加していることからも

うかがえる。

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仙台中心部におけるホテルの立地動向

・平成 10 年から平成 21 年までの間に新規オープン

したホテルの客室数は、およそ 3,300 室となってお

り、 この 10 年間で約 60%の増加があったといえ

る。

・増加する観光客やビジネスマンの滞在に対し、商店

街でどのようなサービスが提供可能か検討が求め

られている。

・支社支店の撤退が、ビジネス宿泊を増やしていると

いうことも考えられる。

※事務局調査より作成

※平成20年度 観光統計より作成

観光客入込数 (人)

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

旧仙台市地区 8,873,300 7,333,300 8,114,900 8,722,200 8,893,988 9,376,941 10,559,674 10,141,059 10,493,294 11,083,466

対前年増加率 - 82.6% 110.7% 107.5% 102.0% 105.4% 112.6% 96.0% 103.5% 105.6%

宿泊客数 (人)

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

旧仙台市地区 2,105,100 2,149,600 2,327,700 2,317,000 2,394,258 2,580,208 2,836,726 2,955,696 3,121,332 3,333,874

対前年増加率 - 102.1% 108.3% 99.5% 103.3% 107.8% 109.9% 104.2% 105.6% 106.8%

観光客入込数

0

2,000,000

4,000,000

6,000,000

8,000,000

10,000,000

12,000,000

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

(人) 宿泊客数

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

3,000,000

3,500,000

4,000,000

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

(人)

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25

仙台中心部におけるホテルの立地動向 (H21 年時点)

25

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26

2-10.現状と課題の整理

商業環境からの視点

仙台商圏における仙台市中心部 消費者はマイカー等で行きやすい郊

外店へ流れている。

中心部へ買い物で訪れる機会は減少

している。

郊外のショッピングセンターで一日

過ごすようなライフスタイルが増え

つつある。

駅東側の JR 東日本を含む構想中の

開発等を考えると、仙台駅近隣への商

業集積は一段と進む。

物販のみのまちづくりが進んだ場合、

駅西口エリアへの集中が進行し、中心

部エリア内で同質間競争になる。

仙台市中心部の動向

中心部商店街の内部状況

活かすべき点・求められる点からの視点

仙台の中心部が持つ“強み” 広範な都市サービスを支える中枢的

都市機能がコンパクトに集積した都

市構造。

物販・飲食のみでなく、文化・イベン

トなど広範な都市サービスを提供し

ている。

ただ、買物するためだけの商店街は望

まれていない。

仙台市中心部への利用者ニーズ かつての商店街=最寄品を買う場所、

買回品を買う場所、外食する場所。

中心部へ求めるもの=安全性・利便性

の向上、目的プラスアルファの楽し

み、品揃えだけではない関係性を重視

した魅力づくり。

全国チェーン店によるテナント増加。

不動産スキーム等の変化による空き

店舗の増加。

中心部商店街で所有と使用の分離が

急速に進行。

商店街活動の中核となる後継者の人

材不足など構造的な問題。

物販・飲食など商業としての中心性の低下が顕在化

郊外部と中心部の商業上の吸引力は拮抗しつつあるとみるべき

一番町方面から仙台駅周辺への商業集積のシフトが進む傾向。

地区毎に特色のある商業展開による中心部全体の魅力向上が必要。

ひとつの商店街組織で対応していくには限界がきており、各組織間の一層の連携強化が必要。

商店街の構造変化に適確に応えうる戦略的な施策が必要。

商業以外にも仙台市中心部には人が訪れる目的となるポテンシャルがある。

多様な都市サービスの提供拠点に、商店街としてどう関わっていくか。

普段づかいにプラスアルファの楽しみが得られる商店街が求められている。

利用者との関係性・コミュニケーションをいかに構築していくか。

物販・飲食など商業としての中心性の低下が顕在化。

郊外と中心部の商業上の吸引力は拮抗しつつあるとみるべき。

市内買い物客以外に対する視点

居住地としての仙台市中心部 中心部の人口は若い世代を中心に回

復傾向にある。

商店街周辺の人口は減少傾向にある

が、隣接する上杉、木町通、五橋など

で増加している。

仙台市全体の人口は平成 32 年に

103 万人弱になり、その後も緩やか

に減少すると見込まれる。

観光地としての仙台市中心部 観光客に加え、ビジネスでの宿泊客も

増えつつある。

増加する観光客やビジネスマンの滞

在に対し、商店街でどのようなサービ

スが提供可能か検討が求められてい

る。

増えつつある近隣居住者の普段使いへの対応も必要。

中心部居住者の定住を促進する居住環境のあり方を検討する必要がある。

増加する観光客、宿泊客をどのように商店街で受け入れられるか。

地元の人が楽しめる場所が観光客も楽しめる場所と考える。

中心部商店街の都市基盤からの視点

駐車場需給の現況 駐車場の整備要望が多く寄せられる

が、本市の調査では駐車場の供給量は

充分との考えも示されている。

利用者が停めたい駐車場、用事のある

場所に近い便利な駐車場が利用でき

ていない状況にある。要因としては、

駐車場の案内情報不足などが考えら

れる。

歩行空間整備の現況 近年アーケードに交差する道路や平

行に走る道路の整備が徐々に進んで

いる。

アーケードは非常に通行量が多く、休

むところも少く、ゆっくり歩く環境で

はない。放置自転車等も問題。

まちの中で人々の憩いや活動のスペ

ースとなる可能性のある場所が増え

つつある。

駐車場の総量は足りているが、停めたい時に停められない状況。

利用者が求める交通アクセスの利便性の向上を図っていく必要がある。

歩道整備だけでは、歩きやすい環境とは言えない。

使われ方を含めて質の高いパブリックスペースが求められる。

26

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個別商店街の方向性

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3-1.個別商店街の現状と課題

仙台市中心部商店街を構成する9つの商店街それぞれについて、取り組みのコンセプト、

現状と課題の分析、周辺環境の状況、商店街組織の状況の把握を行った。

Page 33: 仙台市中心部商店街将来ビジョン4 1-2.仙台市中心部商店街将来ビジョンの構成 中心部商店街の現状と課題 中心部商店街の基本的な状況を把握するとともに、これを踏まえて求められる中心部全体への利

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一番町四丁目商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト「一番町買い物公園」として、大人の上質な買い物空間を目指す

主な利用者(顧客)

○通勤・通学客○周辺オフィス就労者○比較的高い年齢層が多い

主な販売品目・サービス

○各種物販・飲食

商店街の強み(資源)

○三越の立地○店舗数が多く、継続的に営業して

いる店も多い○年間を通じてイベントを多く開催し、集客を図っている

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○商店の間口が狭く、建物も老朽化○アーケード老朽化による維持

管理費の増加○比較的大きな空き店舗が増加し

ている

歩行者空間の環境

○開放型アーケード、植栽が多くベンチもあり、ゆったりとした印象

○七十七銀行付近等に路上駐輪が多く歩行・交通の妨げとなっている

周辺環境など周辺のコア要素

後背地区の特徴

○三越○定禅寺通り○市民広場○国分町・稲荷小路の飲食街○地下鉄勾当台公園駅○東京エレクトロンホール(県民会館)○せんだいメディアテーク

東京エレクトロンホール

せんだいメディアテーク

国分町・稲荷小路の飲食街

一番町四丁目商店街

市民広場

勾当台公園

三越定禅寺通り

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一番町一番街商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト

にぎわいや市民交流活動の中心地であり続けるような

魅力的な都市空間の提供、一体感のある回遊性のあるまちの創出

主な利用者(顧客)

○東北一円からの買物客○通勤・通学客○周辺オフィス就労者

主な販売品目・サービス

○ブランド系物販○若者向けのアパレル、古着等

商店街の強み(資源)

○ブランド系店舗の立地○「まちづくり協議会」の取り組み○商店街運営の駐車場を持っている

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○若手商業者の参入促進

歩行者空間の環境

○高さのあるアーケードによる開放的な印象

○広瀬通沿いの歩道上に駐輪が多く歩行の妨げになっている周

辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○フォーラス○藤崎○高速バスの広瀬通一番町停留所○電力ホール○芭蕉の辻

一番町一番街商店街

フォーラス

藤崎

電力ホール

芭蕉の辻

高速バス停留所

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サンモール一番町商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト

全蓋アーケードによりまちをロビー化し、常にイベントの実施が可能な

観光性のある、人々が楽しく集まるまちを創る

主な利用者(顧客)

○近隣の居住者○学生○周辺オフィス就労者

主な販売品目・サービス

○ファストフード、喫茶店等の飲食が中心

商店街の強み(資源)

○横丁には、飲食を中心とした個性ある店舗が並んでいる

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○アーケード老朽化による維持管理費の増加

○集客力の高い店舗が少ない○店舗の入れ替えが多い○丸善跡地の利活用

歩行者空間の環境

○全蓋アーケードによるロビー的な空間づくり

周辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○野中神社○文化横丁、いろは横丁○東北大学・東北学院大学○地下鉄東西線新駅(予定)○一番町二丁目四番地区の再開発(予定)○仙台トラストシティ

サンモール一番町商店街

文化横丁

いろは横丁

東北大学片平キャンパス

野中神社

藤崎

一番町二丁目四番地区再開発(予定)

芭蕉の辻

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おおまち商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト快適なショッピングの空間、潤いとゆとりのある商店街を目指す

主な利用者(顧客)

○東北一円からの買物客○通勤・通学客○周辺オフィス就労者○女性客

主な販売品目・サービス

○アパレル中心

商店街の強み(資源)

○藤崎という代表的な集客施設と老舗を中心とした店舗構成

○一軒ごとの間口が広い。店舗の入れ替えも比較的少ない

○アーケード内のスペースを活用した音楽イベントを開催

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○若手商業者の参入促進

歩行者空間の環境

○ウィンドウショッピング的な要素が強い

○南光院丁通の通行止めによる歩行者空間化を行っている周

辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○藤崎○仙台ファーストタワー○平和不動産ビルの開発

(佐々重跡地)

おおまち

商店街

ファーストタワー藤崎

(開発計画)

南光院丁通

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クリスロード商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト

商店街を単なる買い物の場として捉えるのではなく、

人の交流の場として捉え、楽しく安心して遊べる

ショッピング・コミュニティ・ゾーンをつくる

主な利用者(顧客)

○東北一円からの買物客○通勤・通学客○周辺オフィス就労者○若者

主な販売品目・サービス

○各種物販

商店街の強み(資源)

○市内で一番の歩行者通行量がある

○商店街運営の駐車場を持っている

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○テナントの入れ替え頻度が高く、同一業種のテナント増加が顕著

歩行者空間の環境

○街区内部の市道に若者向けのセレクトショップやブランドショップが数多く出店してきている

○東三番丁通り、東四番丁通りの歩道整備、バリアフリー化を行っている

周辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○ダイエー○三瀧山不動院

三瀧山不動院

クリスロード商店街

ダイエー

若者向けのショップ等

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名掛丁商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト

多様な価値観を持つ生活者に対応すべく、快適でゆとりのある商店街を

目指す

主な利用者(顧客)

○通勤・通学客○周辺オフィス就労者○出張ビジネスマン

主な販売品目・サービス

○アミューズメント系(カラオケ、ゲームセンター等)

○飲食店

商店街の強み(資源)

○ビジネス客等を対象とした飲食店舗の立地

○横丁が多く、飲食店を中心に様々な業種が軒を連ねている

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○集客力のある小売業が少なく、通行するだけの人が多い

○ジャンジャン横丁の取り壊し等があり、店舗の連続性が失われ、全体として街並みの統一感に欠ける

歩行者空間の環境

○駅西口に面したアーケードが歩行者を呼び込む玄関口となっている

周辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○さくら野百貨店○宮交仙台高速バスセンター○アエル○パルコ○大塚家具

名掛丁商店街

宮交仙台高速バスセンター

パルコ

アエル

さくら野

大塚家具

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仙台駅前商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト

仙台市の顔としての玄関口の機能を持ち、大型店を中心とした

金融等の中心地区

主な利用者(顧客)

○東北一円からの買物客○出張ビジネスマン○観光客

主な販売品目・サービス

○ファッション○アミューズメント○飲食業

商店街の強み(資源)

○大型店を中心とした商業や金融などの中心地区

○西口は飲食テナントの増加により、夜は賑わいがある

○駅の近辺にはホテル等宿泊施設も多く集まってきている

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○大型店、不動産ビルを中心に形成される商店街であるため、商店街全体としての事業等を実施することが比較的少ない

○慢性的な交通渋滞○仙台の顔として相応しい景観の

形成が課題

歩行者空間の環境

○駅周辺の歩道上に駐輪が多く、歩行の妨げになっている

周辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○仙台駅(JR、地下鉄)○大型商業店舗(パルコ、エスパル、

アエル、さくら野百貨店、ロフト、イービーンズ、ヤマダ電機)

○仙台駅東口側(ヨドバシカメラ・ゼップ仙台・K スタ)

○地下鉄東西線新駅(予定)

仙台駅前商店街

パルコ

アエル

さくら野エスパルⅡ

ロフト

イービーンズ

ヤマダ電機

エスパル

仙台駅東口地区

ZEPP仙台

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仙台朝市商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト仙台の台所として、親しみを持たれ活気ある市場づくりを目指す

主な利用者(顧客)

○市内全般の居住者○観光客

主な販売品目・サービス

○生鮮食品

商店街の強み(資源)

○新鮮で質の良い生鮮品を提供し、集客力は高い○観光の面での集客も期待が持てる

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○施設の老朽化が進んでいる

歩行者空間の環境

○長年の懸念であった道路の改修が行われ、ベビーカー等の通行がしやすくなった

○地区全体では道路が狭く、放置自転車が多いために、歩行者や車両通行の妨げとなっている

周辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○仙台駅(JR、地下鉄)○五橋などのマンション○地下鉄東西線新駅(予定)○仙台トラストシティ

仙台朝市商店街

仙台駅

五橋などのマンション仙台トラストシティ

イービーンズ

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本町商店街

現在の商店街の

取り組みコンセプト

「家具の街」

「ほっとタウン本町」として温かみのある街並みを目指す

主な利用者(顧客)

○市内全般の居住者○学生

主な販売品目・サービス

○家具○若者向けアパレルショップ

商店街の強み(資源)

○「家具の街」として、仙台のひとつの顔であった

○専門学校や予備校があり若者が多い

商店街の現状分析

商店街の弱み(課題)

○「家具の街」の機能を維持しているが、店舗数、面積は減少している

歩行者空間の環境

○コミュニティロードが整備されている

○朝夕は、仙台駅と県庁・市役所方面との通勤経路になっている周

辺環境など

周辺のコア要素後背地区の特徴

○錦町公園○県庁・市役所○地下鉄広瀬通駅○専門学校、予備校

本町商店街

錦町公園

県庁・市役所

専門学校予備校

家具の街

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個別商店街の状況 一覧

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個別商店街の目指す方向性(キーワード)

三越を核に「一番町買い物公園」として昔から営業してい

る地元店が多い。間口が狭く、建物の老朽化などが課題で

あるが、周辺の環境や施設立地に優位性がみられる。

会話を

楽しむ街一番町四丁目

サンモール一番町

一番町一番街

おおまち

クリスロード

名掛丁

仙台駅前

仙台朝市

本町

文化横丁などの独特な雰囲気を有するものの集客力のあ

る店舗が少なく、通行量も減少傾向。留学生をはじめとす

る学生の存在や仙台トラストシティ、地下鉄駅新設などの

新たな開発への期待がかかる。

●開放型のアーケード ●地元店 ●地産地消

●周辺住民 ●昼間も含めた国分町との共存

●けやき並木・メディアテーク・市民広場・元鍛冶丁公園

などでのイベントとの連携

●高層アーケードの利活用

●高級路線と若者向け ●観光客戦略

●フォーラス・高速バス停周辺の整備

●電力ビル・芭蕉の辻・裏路地との回遊性強化

カルチャーの街

藤崎を核にブランドショップや老舗を中心とした高級感

のある雰囲気を持つ商店街である。最近は小路の歩行者空

間化を図り、周辺には若者向けの店舗が増加しつつある。

●仙台の老舗・高級路線 ●観光客戦略

●イベントの仕掛けとの拠点形成

●芭蕉の辻・裏路地との回遊性強化

現状分析のまとめ

アーケードの玄関口にあたり、通勤通学を含めた朝夕の通

行量が多い。近年、不動産ファンドの進出があり、店舗は

カラオケなどのアミューズメントやチェーン店系飲食が

増えつつある。

●朝夕の通勤通学客 ●帰り際の総菜

●“食”に特化した話題性 ●出張ビジネスマン

●昼・夜の飲食の充実 ●交流人口対応

●仙台駅東口地区との交流・連携

新鮮な生鮮品を提供する市場として集客力は高く、観光客

の利用も見込まれる。最近、舗装整備を行い、ベビーカー

などの買物客に好評であり、商店街の運営も若い世代が中

心となり活動している。

●駐輪場対策 ●老朽建物の更新 ●休憩機能の確保 ●日

曜営業 ●高齢者サービスの充実 ●飲食店連携 ●食文化

の発信 ●ネット販売 ●観光客戦略

「家具の街」としての特色があったが、近年は専門学校や

予備校が立地し、若者の街に変化しつつある。朝夕は、仙

台駅と県庁・市役所方面との通勤経路となっている。

●「家具の街」のイメージ ●若者向けの店

●チャレンジショップ ●起業家支援

●歩行系ネットワーク ●出張ビジネスマン

最も通行量が多いが、テナント入替えの頻度が高く、同一

業種が増加傾向にある。北側の通りに若者向けの店舗が集

積し、公園や通り抜け通路の利用など、新たな動線が形成

されている。

仙台の

フラッグシップ

仙台の

フラッグシップ

仙台の

フラッグシップ

アーケードの

玄関口

仙台の

台所

●国際化対応 ●東北6県の大学のブランチオフィスや

専門学校などの集積 ●コンドミニアム

●個性のある飲食店 ●周辺住民への食材提供

●地産地消 ●チャレンジショップ ●ネット販売

●バラエティ感から上質感へ ●観光客戦略

●イベント広場の拠点形成

●裏路地店舗との共存・回遊性強化

大型商業施設や金融機関が立地し、仙台市の顔として玄関

機能を持つ。新規開業に加え、再開発の動きもあるが、看

板など都市景観や慢性的な交通渋滞などの問題を抱えて

いる。

●観光客・出張ビジネスマンへの情報提供

(コンシェルジュ) ●仙台駅東口地区との交流・連携

●大型店の連携 ●広告物の適正配置 ●都市景観の向上

仙台の

若者の街

フォーラスを核に若者の集まる店と昔からの地元店が共

存している。高さのあるアーケードの快適さを活かしたイ

ベントなどが注目を集めている。

3-2.個別商店街の方向性の検討

現状分析を基に、個々の商店街が

将来目指すべき方向性について検

討する。

個別商店街の特徴を活かすととも

に、中心部商店街全体を見据えた

バランスを考慮し、方向性の手が

かりとなるキーワードを列挙し

た。

39

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中心部商店街の基本的な方向性(イメージ)

個別商店街の方向性の検討と中心部商店街の現状から、中心部商店街が目指す

街としての全体イメージを作成した。

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4中心部商店街将来ビジョンの内容

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中心部商店街が人を惹きつける魅力的な場所となるために目指す基本的な方向性と、その

ために必要な取り組みの方向性を提示する。

4-1.中心部商店街の目指す基本的な方向性

基本的な方向性

人人をを惹惹ききつつけけるる魅魅力力、、訪訪れれるる目目的的ととななるる既既存存ののスストトッッククををアアピピーールルすするるととととももにに、、

市市民民・・来来訪訪者者がが求求めめてていいるる新新たたなな愉愉ししみみをを加加ええるる

目目的的ががああっってて中中心心部部にに来来たた人人にに、、目目的的地地のの周周辺辺ででもも愉愉ししんんででももららうう

ままちちづづくくりりにに継継続続的的にに関関わわるる人人達達をを増増ややしし、、一一緒緒ににななっってて中中心心部部商商店店街街をを活活性性

化化ささせせるる

中心部商店街の商業環境

郊外と中心部の商業上の吸引力は拮抗し

つつあり、地区毎に特色のある商業展開に

よる中心部全体の魅力向上が必要。

商店街の構造変化に、個々の商店街組織で

対応していくには限界がきており、各組織

間の一層の連携強化が必要。

活かすべき点・求められる点

中心部商店街の現状と課題のまとめ

個別商店街との関わり

個々の商店街の特徴を活かすとともに、

中心部商店街全体をみすえたバランスを

考慮し、総合的なまちの魅力づくりにつ

なげていく必要がある。

商業以外にも、中心部には人が訪れる目

的となるポテンシャルがある。

買い物目的プラスアルファの楽しみや品

揃えだけでない関係性をいかに構築して

いくか。

中心部商店街の都市基盤 買い物客以外にとっての中心部

駐車場の案内情報不足への対応等を含め、

利用者が求める交通アクセスの利便性の

向上を図っていく必要がある。

アーケード等を含む空間利用と快適な周

辺環境への取り組みが求められる。

増加する中心部居住者の定住を促進する

居住環境のあり方を検討する必要がある。

増加する観光客・宿泊客に対し、商店街で

どのようなサービスが提供可能か検討が

求められている。

基本的な方向性

中心部商店街の現状と課題の整理(2章)と、個別商店街の現状と課題、方向性の検討(3章)に基づき、

中心部商店街を活性化させるために目指す基本的な方向性を検討する。

現状で不足した部分を改善しつつ、人を惹きつける総合的な「まちとしての魅力」を高めていくためには、

商店街単独ではなく、行政や民間等の外部の協力を得て、一緒になって活性化を進めていく必要がある。

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43

情報と交通の改善

既存資源の活用

新たな魅力の付加

実施体制の構築

人人をを呼呼びび込込むむ

魅魅力力ををわわかかりりややすすくくすするる

地地元元力力をを活活かかすす

仙台の中心部には商業以外にも人が訪れるきっかけとなるポテン

シャルがある。来訪者を惹きつける魅力、中心部商店街を訪れる目

的となる要素など、既存の資源を強化、発掘してアピールしていく。

その4地元の人が楽しめる場所が、来訪者にとっても魅力的な場所であ

る。商店街だけでなく、地元のあらゆる人が一緒になって関われる

ようにする。

仙台の中心部商店街に不足していた部分、来訪者が本当に求めてい

るサービスや愉しみを、新たな魅力として付加していく。

ままちちのの魅魅力力をを高高めめるるその3

その2

その1まずは来てもらうところからを“おもてなし”と捉え、中心部商店

街へ足を運びたくなるような情報を広く届けること、交通アクセス

の利便性向上への対応を進めていく。

取り組みの方向性

取り組みの方向性

基本的な方向性に基づき、中心部商店街の活性化を実現させるためにどのような取り組みが重要、または

必要と考えられるのかを、4つの取り組みの方向性として整理する。

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4-2.戦略的な取り組みの実施方策

中心部商店街の活性化を実現するための、戦略的な取り組みの実施方策を検討する。

中心部商店街に

必要な取り組み

(想定されるメニュー)

実現へ向けた

優先度

役割分担と

パートナーシップ

商店街を越えた

実現の体制

取り組みの実施方策の概略

4つの取り組みの方向性

実現へ向けた優先度

取り組みを実施していく前提となる、優先して行うべき重要度を仮説的に設定する。

できるものから実施するという視点だけでなく、難しくとも本当に必要なことには時間

と労力を注ぐという視点が重要となる。

4-3章で示す「早期に検討に着手するもの」のなかには、今後、社会実験等を通じて、

実現の可能性を検討し、取り組みの可否を判断していくものも含まれている。

◎ 取り組みを強化するもの又は実施に向けて取り組んでいくもの

○ 早期に検討に着手するもの

◇ 長期的な課題として検討していくもの

誰が行うべき、もしくは誰が行

うことが出来る取り組みなのか

を分類する。

単独では無理なもの、協力によ

り実現可能なものなど、取り組

みの実施主体を想定する。

4つの取り組みの方向性に基づき、

中心部商店街全体の活性化のために

必要な取り組みについて、実施の参

考となるようなメニューとして整理

する。(4-3章)

4-4章において、実現のた

めの仕組みづくりとして検討

を行う。

取り組みの中で、特に重要で早

く実施する必要があるもの、周

辺への波及効果が高いと思われ

るものなど、優先的に取り掛か

るべき取り組みを想定する。

中心部商店街に必要な取り組みを検討すると同時に、実現に向けた戦略的な実施方策を合せて検討していく。

「取り組みの優先度」の凡例

Page 49: 仙台市中心部商店街将来ビジョン4 1-2.仙台市中心部商店街将来ビジョンの構成 中心部商店街の現状と課題 中心部商店街の基本的な状況を把握するとともに、これを踏まえて求められる中心部全体への利

45

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

役割分担とパートナーシップ

商店街、行政が、それぞれ役割分担をして取り組みにあたるとともに、企業や市民組織

等の外部との協働によってこそ、活性化の取り組みが実現可能となると考えられる。

「取り組みのパートナーシップ」の凡例

商店街を越えた実現の体制

商店街 ・・・(中心部9商店街、商店街の連携)

行 政 ・・・(仙台市関係部局)

その他の民間主体・・・(企業、市民組織、教育機関、個人など)

商店街が広範囲にわたる活性化の取り組みを、行政、民間主体とのパートナーシップにより

実施していくためには、従来の商店街組織を越えた新しい枠組みを検討していくことが必要

となる。

商店街関係者、テナント営業者などを中核としながら、不動産関係者、大型店舗、アーティ

スト、市民、NPO法人などが自発的に関われる体制を構築していくことが求められる。

新たなパートナーシップの担い手に対し、行政による組織・体制への支援だけではなく、将

来的には商店街組織からの事業委託についての検討も望まれる。

これらを踏まえ、4-4章において「実現へむけた仕組みづくり」として検討を行う。

中心部に関る

全体で推進する

取り組み

商店街と行政の

パートナーシップにより

可能となる取り組み

商店街と民間主体の

パートナーシップにより

可能となる取り組み

行政が担当すべき

取り組み商店街自身で

行える取り組み

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46

4-3.中心部商店街に必要な取り組み

◎ 街ナビプレスは特集記事がメインであり、イメージ戦略、ブランド力

アップに効果がある。仙台市内への配布だけでなく、市外、県外から

の高速バスの乗客やツアー客への配布等、積極的な活用促進

○ 出かけるきっかけとなる無料のシティイベント情報の強化を検討。普

段の生活で役に立つイエローページ的な特集も検討

◇ 携帯サイトには、駐車場情報やクーポン券等があるが、実際の利用状

況を調査し、街ナビプレスとの連携・分担・デザイン等を再検討

仙台中心部の情報を適切な媒体で来訪者に届ける

○ 仙台市内の大学、専門学校の新入生ガイダンスで仙台の歴史、中心部

商店街の情報提供を検討

○ ラジオ局、テレビ局、雑誌でのシティイベントの告知を検討

○ 駅構内における、沿線や駅周辺のイベント情報等の提供を検討

今まで届いていなかったターゲットへ届ける

届けるべき情報と届ける相手を整理する

観光と商店街のタイアップをはかる

○ 商店街の共同荷さばき場を検討するとともに、タイムシェアにより観

光バスの停車場としての活用を検討

○ 民間が持つ未活用土地等で、観光バス・ショッピングバスの駐車場と

して使える場所の活用を検討

○ 休日の幹線通り等について、観光バス向けの駐車帯としての使用を検討

民間地の一時使用で

観光バスが停められる場所を用意する

観光客の楽しい滞在を商店街で支援する

○ ホテルと協力し、宿泊客、外国人旅行者へのお店、見所の情報提供を

検討

○ 地域の豊かさ、仙台の暮らし・文化をみてもらう観光情報提供を検討

○ 仙台市中心部観光の提案(老舗めぐり、神社めぐり、仙台四郎を探せ

等)を検討

人を呼び込む 役割分担により、まちぐるみでの“おもてなし”を行う

取取りり組組みみのの方方向向性性 そそのの11

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

想定される取り組みのメニュー

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誰でも安心して来られる場所にする

○ 車椅子の方、目や耳の不自由な方などへの補助、荷物の預かりや宅配

等、ハードではなくソフトで対応できるサービス導入の検討

◇ 商店街の空き店舗を活用した託児所の検討

お年寄りや子供連れ、障害者への配慮を打ち出す

安心して歩ける環境を整備する

○ 商店街のアーケードについて、効果的な維持・管理手法等の検討

◇ バリアフリー対応のトイレについて、店舗内のもの、公共のものを合

せ数十メートル置きに利用できる体制の整備検討

◇ 自動車を気にせず安心して歩ける歩道、歩行空間の整備検討

交通アクセスの利便性向上

○ 公共交通利用と中心部での買い物を結びつける仕組みの検討

◇ 地下鉄出入り口やバス停周辺の環境づくり、広場スペース化の検討

◇ 地下鉄駅から一番町への地下通路の接続検討やバリアフリー化の検討

○ 路上駐輪が発生する場所を確認し、駐輪スペースの増設を検討

○ アーケード街の一部に駐輪スペースの確保を検討

○ 附置義務駐輪場の利用について商店街で相互融通を検討

◇ 附置義務駐輪場のMAPだけでなく、サイン等の設置による利用促進

を検討

自転車を利用しやすいまちづくりを全体で支援する

協力して公共交通を利用しやすくする商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

◎ 取り組みを強化するもの又は

実施に向けて取り組んでいくもの

○ 早期に検討に着手するもの

◇ 長期的な課題として検討していくもの

「取り組みの優先度」の凡例「取り組みのパートナーシップ」の凡例

着色

二重丸

取り組みにあたり、

協働する主体

想定される取り組みのメニュー

○ 各商店街と大型店で共通の駐車券化、駐車場1時間無料化の仕組みづ

くりの検討

○ イベント時や休日等、来訪者が多いときの業務系駐車場の活用を検討

○ 効果的な駐車場情報の提供方法の検討

商店街と大型店、企業で協力した駐車場サービスを行う商店街

その他の

民間主体行 政

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屋外型大型イベントの観光客を取り込む

○ 大型店と商店街が連携したイベントの実施を検討

既存のコア施設の活用・イベントとの連携

都市“仙台”の持つブランド力を高める

◎ 映画ロケ地としての積極的協力(フィルムコミッション)

◎ イーグルス、ベガルタ、89ERSのホームタウン協力の強化

◎ 杜の都を意識したまち並みづくり、敷地内の植樹ルールの共有、路上

広告の規制などの推進

○ 劇場都市、アートのまちとして、ストリートイベントの強化を検討

◇ 東北6県の大学のブランチオフィスや複数大学の共同施設の誘致を検討

◎ 都市の青空市場・マルシェと店舗の連携。市場や店舗で買った野菜等

を食べられるレストランなどの開設支援

◇ 工業製品の地産地消、商店街の空き店舗の宮城産工業製品のショール

ーム化を検討

◇ 新商品、新製品の開発の検討

中心部全体の環境づくりにブランドイメージを取り込む

“地消⇒地産”、需要に合うものを地元で作り出す

大型店舗等との連携をより強化する

公共施設の利用者にプラスアルファを提供する

○ コンサートや展覧会に来た人を商店街へ引き込むため、劇場やホール、

ギャラリーに帰りの寄り道情報の発信を検討

◇ 子育てふれあいプラザや市民活動サポートセンターの周囲に、利用者

に利便性のある店舗の誘致を検討

○ 市内外の旅館、ホテルの送迎バスの発着拠点としての連携の検討

○ 映画やアートに関連する「食」の提供を検討

◇ 商店街等の駐車場の有効活用を検討

文化戦略にもとづいた公共ホール等の運用を行う

○ 中心部にある公共のホール等について、地元文化やアートの情報発信

等、都市の魅力向上につながるような戦略的な運営の検討

魅力をわかりやすくする 既存のストックを活かし、

仙台中心部のポテンシャルを鮮明にする

取取りり組組みみのの方方向向性性 そそのの22

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

想定される取り組みのメニュー

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個別商店街の魅力の鮮明化

◎ 商品知識とコミュニケーション能力の高い販売員の育成

○ 店員の接客力アップ、商品知識の向上、サービス精神の向上の取り組

みや共同研修に大型店への協力要請を検討

コミュニケーションを重視した店舗づくりを進める

それぞれ商店街が持つ特徴を表現する○ 姉妹都市、留学生の母国などをとりあげた○○○フェアの開催を検討

○ 老舗を守る、老舗を活かす取り組みの検討

○ 学生に優しい商店街。学割サービス。留学生への住居・生活相談の実

施を検討

○ レジ袋削減・簡易包装によるごみの発生抑制や紙類等の資源物の分

別・リサイクル推進等、エコ活動の取り組みを検討

◇ 大型空き店舗に魅力的なテナント誘導を検討

◎ ニーズ+こだわりの商品提供

○ 魅せる店舗づくりのためのパフォーマンス等の取り組みを検討

◇ 買い物ポイントカードの共通化と、ポイントで得られるサービスの充

実を検討

顧客サービスの充実

まちのインフォメーションセンターを設ける

○ まちなか観光の拠点、情報の拠点として「まちの駅」の設置を検討

○ おすすめを教えてくれる、まちかどコンシェルジュの配置を検討

○ ボランティアガイドによる中心部の観光案内を検討

○ 仙台を基点にした県内外の観光情報の提供を検討

◇ 海外からの旅行者への対応強化として、数カ国語での案内板やメニュ

ーづくりを検討

来訪者が知りたいまちの情報に応えられるようにする

東北全域のゲートウェイとしての役割を担う

○ 中心部商店街で、東北の物産、食事に出会えるお店の紹介を検討

◇ 東北6県の窓口・玄関口として、東北全域の物産や観光情報を提供す

る施設設置の検討

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

「取り組みの優先度」の凡例「取り組みのパートナーシップ」の凡例

着色

二重丸

取り組みにあたり、

協働する主体

想定される取り組みのメニュー

◎ 取り組みを強化するもの又は

実施に向けて取り組んでいくもの

○ 早期に検討に着手するもの

◇ 長期的な課題として検討していくもの

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まちの魅力を高める 今まで不足していた魅力を付加して、

まちを豊かにする

取取りり組組みみのの方方向向性性 そそのの33

◎ 公園等の利活用の推進

○ 案内板やサインを多言語化し、まち並みに合わせた分かりやすいデザ

インを検討

◇ 各種施設の環境・空間の質の向上。イベントのやりやすいポケットパ

ークの整備。快適な空間維持のための清掃・管理。

◇ ポケットパークをブロックごとに配置しネットワーク化を検討

パブリックな空間の質を向上させる

歩行者が楽しく歩ける環境をつくる

○ 目につきやすい位置に設置するストリート広告+まちの情報の提供を

検討

○ ポケットパークや民間の空き地、駐車場を利用したミニイベントの開

催を検討

◇ からくりオブジェ、噴水など、コミュニケーションスペースの整備検討

都市開発に連携して面的な広がりを持たせる

歩行者優先を徹底させる

公共施設の環境性向上

○ 公開空地のポケットパーク化(ミニイベント等でも活用)の検討

◇ セットバック部分の活用方法の協議(オープンスペース、駐輪スペース)を検討

◇ 建物内でもパブリックスペースとして使える場所の公開要請の検討

民地をセミパブリックな空間として開放してもらう

歩いている途中で出会う、仕掛けを用意する

○ 民間の空き地等を利用した、路上駐輪のコントロール方法の検討

◇ 訪れる人が「ちょっと休めるところ」の整備推進を検討

○ 地下鉄東西線の新駅整備に関る都市空間づくりでの連携を検討

○ 仙台市中心部での拠点開発、再開発計画との早期からの調整を検討

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

想定される取り組みのメニュー

商店街

その他の

民間主体行 政

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○ 面的なショッピングゾーンの環境づくり。裏通りの店舗利用の促進、

歩行環境の改善を検討

○ 横丁フェス、市場フェスの開催やギャラリーを巡るスタンプラリーの

実施を検討

○ 国分町や稲荷小路との連携強化を検討

◇ 仙台駅東口地区との交流・連携の推進検討

◎ 9商店街全てで同じ日に屋外イベントを開催し、大規模化

○ イベント開催における道路管理者、交通管理者などとの手続きの簡素

化と円滑な対応の仕組みの検討

○ 帰りの通勤・通学客をねらった「夕市」「夜イベント」の実施を検討

○ パレードやキャンペーンの「舞台装置」として商店街への誘致を検討

◇ 休日は大通りを含めて歩行者天国にすることにより、祝祭空間の拡大

化を検討

◇ 路上パフォーマンスを行う登録アーティスト制度の導入と活用の検討

◎ 空き地やアーケード内を利用したワゴンショップ、フリーマーケット

など屋外店舗による休日の賑わいづくり

○ いろいろな人が集まれる場所の確保。空き店舗などを利用し市民が自

分たちのやりたいことが出来る場所の整備検討

◇ 滞在型店舗の誘致。カフェと本屋・CDショップや各種スクールなど

時間消費型店舗の組み合わせの検討

新たな魅力・活力の源泉づくり

市民が集まる場、活動するための場を提供する

シティイベントを充実させる

T字ゾーン以外のアピール

“食”の部分を強化する

◇ 東北6県を表現する食の提供。東北うまいもの横丁の検討

◇ 地元産、東北産の食材を調理するシェフレストランの検討

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

「取り組みの優先度」の凡例「取り組みのパートナーシップ」の凡例

着色

二重丸

取り組みにあたり、

協働する主体

想定される取り組みのメニュー

◎ 取り組みを強化するもの又は

実施に向けて取り組んでいくもの

○ 早期に検討に着手するもの

◇ 長期的な課題として検討していくもの

Page 56: 仙台市中心部商店街将来ビジョン4 1-2.仙台市中心部商店街将来ビジョンの構成 中心部商店街の現状と課題 中心部商店街の基本的な状況を把握するとともに、これを踏まえて求められる中心部全体への利

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地元力を活かす 誰かがやるのを待つのではなく、

やりたい人を探し、支える

取取りり組組みみのの方方向向性性 そそのの44

商店街を越えた実現のための仕組みづくり

中心部商店街の外部のファン、サポーターを増やす

◎ 七夕かざりを市民にも手伝ってもらう

◎ 小中学校の総合学習の積極的な受け入れ

◎ 仙台中心部を案内するボランティアガイドの導入

○ 高齢者のボランティアを募り、ボランティアポイントによる買い物制

度導入を検討

◎ 地域課題の解決に取り組む検討の場の設置

○ 情報の集約化と普段の環境づくりを行う新組織の整備を検討

○ 新たなプロジェクトを行う外部人材を活かしたチーム編成。不動産業、

イベント関係、芸術家、NPOなど、専門的知識を持つサブメンバー

の活用を検討

○ イベントの実行委員会等、外部への窓口となる商店街全体の調整部隊

の設置の検討

全体をエリアマネジメントしうる組織体を育てる

人材と財源の確保を図る

中心部商店街へ関わるきっかけをつくる

外部の人材と一緒になって活性化を行う

◎ イベント運営に関する外部人材との協働

○ 学生とコラボレーションするイベント開催(学園祭の出張等)を検討

○ 外部モニター制度を導入してマーケティングのための情報収集を行える仕

組みづくりの検討

○ 人材のリストアップと仕組みづくりの検討。市民活動サポートセンタ

ーとの連携を検討

○ 広告などのアーケード空間利用による財源確保の検討

◇ 行政による支援やまちづくりファンドの導入を検討

◇ ポイントカード、失効ポイントの有効活用による財源の確保を検討

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

想定される取り組みのメニュー

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○ 仙台駅東口地区との連携、仙台市中心部やその周辺の住民の呼び込み

を検討

○ 地元の人の普段使いに応える工夫の検討

◇ こちらから提案する御用聞き型の業態開発の推進を検討

「地元」の再構成

テナント更新の仕組みづくり

○ 賃貸条件とテナント意向の調査、マッチングを検討

○ バランスのとれたテナント構成、活性化に資するビル活用の提言、ビ

ル所有者へのテナント誘致の協力要請を検討

◇ 魅力的なテナントを誘致するための支援を検討

◇ 商店街内に発生した空き地の活用に対する支援検討

中心部とその周辺の住民を呼び込む

○ 適正な都心居住のあり方の検討にあわせ、居住環境を整える施策の検

◇ 空き地等を活用した都市型居住立地の促進を検討

◇ 東西線沿線の開発と連携した施策の検討

○ 新規テナントの組合加入促進策の検討

○ 営業者だけでなく土地所有者、ビル所有者も含めた組織づくりの検討

◇ 若い世代の育成、継承を検討

商店街組織の再構成をはかる

居住者の増加する環境を整える

所有と使用の分離への対応

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

商店街

その他の

民間主体行 政

「取り組みの優先度」の凡例「取り組みのパートナーシップ」の凡例

着色

二重丸

取り組みにあたり、

協働する主体

想定される取り組みのメニュー

◎ 取り組みを強化するもの又は

実施に向けて取り組んでいくもの

○ 早期に検討に着手するもの

◇ 長期的な課題として検討していくもの

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4-4.実現に向けた仕組みづくり

エリアマネジメントの必要性

商店街、行政、その他の民間主体による中心部商店街に必要な活性化の取り組みが実施さ

れるために必要な仕組み、体制について検討する。

前述の通り、中心部商店街の活性化のためには、個別の商店街、テナント、企業、

住民、地元組織、その他の民間組織など様々な主体が協働して取り組む必要がある

が、一方で商店街振興組合等の商店街組織は組合員たる事業者以外の関係者の参加

や組合の地区を越えた全体的な取り組みを行うことを想定した組織となっておら

ず、全ての取り組みを商店街組織だけで行う、あるいはコントロールすることは困

難となっている。

実際に他都市では、商店街組織とは別にNPO法人等を立ち上げ、多様な主体が関

われる体制を構築し、エリア一帯のマネジメントに取り組んでいる事例が見受けら

れる。

そこで、中心部に関わる取り組みについて、総合的かつ機動的に活動できるエリア

マネジメントの考えを織り込んだ組織を主体とすることが望まれ、その主体は従来

の商店街組織を越えた新しい枠組みで検討していくことが必要とされる。

ここでは、エリアマネジメントを担う主体を仮に『中心部商店街活性化パートナー

シップ』と呼ぶこととする。

「エリアマネジメントの定義」

地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・

事業主・地権者等による主体的な取り組み。

「良好な環境や地域の価値の維持・向上」には、快適で魅力に富む環境の

創出や美しい街並みの形成、資産価値の保全・増進等に加えて、人をひきつ

けるブランド力の形成、安全・安心な地域づくり、良好なコミュニティの形

成、地域の伝統・文化の継承等、ソフトな領域のものも含まれる。

<エリアマネジメントとは>

「エリアマネジメントの特徴」

特徴1. 「つくること」だけではなく「育てること」

特徴2. 行政主導ではなく、住民・事業主・地権者等が主体的に進めること

特徴3. 多くの住民・事業主・地権者等が関わりあいながら進めること

特徴4. 一定のエリアを対象にしていること

※「エリアマネジメントのすすめ パンフレット」国土交通省土地・水資源局、より

「エリアマネジメントの事例」

天神地区(福岡県福岡市)・・・既存の商店街組織を母体にエリアマネジメント

組織として協議会(任意団体)を立ち上げ、関係団体との調整、イベ

ントの実施、将来ビジョンの作成等を実施

大手町・丸の内・有楽町地区(東京都千代田区)・・・地権者によって構成され

る協議会、行政と協議会が協議する場である懇親会、就労者や来街者

が参加することができるNPO法人、という3つの組織により多様な

関係者を巻き込みエリアマネジメントを実施

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エリアマネジメント組織の考え方

個別商店街組織やまちづくりに取り組んでいる既存の組織との関係や役割の整理、行

政・商工会議所などの公的機関との位置づけを調整するための期間を要することから、

『(仮称)中心部商店街活性化パートナーシップ』の立ち上げに先立ち、助走期間を設

ける。

平成22年度から数年間の助走期間については、『(仮称)中心部商店街活性化戦略研

究会』を立ち上げ、詳細の検討と先行した取り組みによる実績づくりを行っていく。

助走期間 活動開始

(仮称)

中心部商店街活性化

戦略研究会

(仮称)

中心部商店街活性化

パートナーシップ

エリアマネジメントの実施主体エリアマネジメント事業の検討と、

先行的取り組みの実施を行う組織

エリアマネジメントの対象範囲は面的な波及効果や回遊性を考慮し、中心部商店街周辺の区域と

するが、仙台駅東口等の取り組み状況や中心部商店街との連携の進捗によっては、将来的に中心

市街地の区域まで対象エリアを拡大する可能性も考えられる。

※中心部商店街周辺・・・中心部商店街に隣接する町丁目をまとめた範囲

※中心市街地・・・仙台市中心市街地活性化基本計画において計画区域として画定した範囲

<対象範囲の検討>

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エリアマネジメント主体のイメージ

助走期間は、商店街関係者、まちづくりNPO関係者、学識経験者などからなる『(仮称)中

心部商店街活性化戦略研究会』を中心に検討と準備を進めるものとする。

研究会が実施するプロジェクトによっては、コアメンバーにイベントやパフォーマンス等を

含めた多様な専門家が加わる形も考えられる。

研究会では、行政、商工会議所などの支援を受けながら、最終的には運営財源や参画方法の

詳細など、エリアマネジメント主体立ち上げに向けた課題を検討する。

『(仮称)中心部商店街活性化パートナーシップ』が立ち上がって以降は、中心部商店街にお

けるまちづくりの仕組みに関して、様々な業務の委託を受けて実施するイメージとなる。

個別商店街のイベント事業については、全体で実施する方が効果が高いイベントなどの仕分け

を行い、この組織が中心部商店街を舞台としたイベント事業を引き受けることも想定される。

七夕祭りや定禅寺ジャズフェス等の実行委員会など市民に認知された民間団体や、百貨店、大

型店、企業などとは積極的に協力・連携を図っていくイメージとする。

組織体としては、株式会社、NPO法人、一般社団法人等の法人組織が考えられるが、発足当

初は多様な団体が連携する協議会のような組織として活動していくことが想定される。

<エリアマネジメント主体=(仮称)中心部商店街活性化パートナーシップのイメージ><推進組織=(仮称)中心部商店街活性化戦略研究会のイメージ>

仙台市(仮称)中心部商店街活性化戦略研究会

コアメンバーの参加

支援

参加 助言・支援参加

まちづくり

NPO商店街 学識

経験者

専門家・

アーティスト

仙台商工

会議所

支援

新組織体の検討、実績づくり

中心部商店街のエリアマネジメント方針の作成

情報のマネジメント、中心部の各団体の動き、取り組みなど情報の集約化

イベントなど重点プロジェクトの企画、対外窓口、実施の中核

将来ビジョンの視点に基づく、各団体が実施する取り組みへの提言、調整

自主財源に貢献する事業の実施

活性化に資する取り組みへの支援

仙台市

(仮称)中心部商店街活性化パートナーシップ

参加

支援

参加 参加

サービス提供

取り組み実施

情報管理、調整、計画策定、協働

参加 参加

百貨店

大型店

商店街 民間団体

・企業

土地・建物

所有者

専門家・

アーティスト

仙台商工

会議所

支援

地域住民・市民・観光客

サービス提供

取り組み実施

サービス提供

取り組み実施

取り組み実施

<(仮称)中心部商店街活性化パートナーシップに期待される役割>

街ナビを基幹とした戦略的な情報提供の再構築

民有地等の一時使用による観光バス駐停車の社会実験

まちのインフォメーションセンター(まちの駅)の社会実験

中心部商店街を歩行者空間化したシティイベントの企画・実施

<(仮称)中心部商店街活性化戦略研究会で早期に検討する主な取り組み>

中心部商店街の方向性(スローガン、全体コンセプトの設定等)

エリアマネジメント主体の位置づけと体制イメージ

中心となって活動することの出来る人材の確保

運営資金の検討(行政支援から自主財源への移行プロセスの組み立て)

商店街振興組合、行政等との役割分担

企業、市民組織等の参画方法

<(仮称)中心部商店街活性化戦略研究会で検討すべき内容・課題>

助走期間 活動開始

立ち上げには、関係主体とのパートナーシップ体制、中核となる人材の確保、運営資金の調達等についての見通しが不可欠

※(仮称)中心部商店街パートナーシップは組織を立ち上げるだけでなく、様々な課題を解

決しながら継続的に活動していくことが重要であり、運営にあたっては行政だけでなく、

多くの住民・事業主・地権者等の主体的な関わりあいがなければ、その実現は困難である。

エリアマネジメント組織の立ち上げにあたっては様々な課題があり、組織として機能して

いる事例は全国的にも少ない。戦略研究会では課題の検討にとどまらず、エリアマネジメ

ント組織の実現に向けた具体的な方法を示す必要がある。

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想定される『(仮称)中心部商店街活性化パートナーシップ』の立ち上げまでの行程

助走期間の初年度は、組織そのものの位置づけや体制イ

メージ、組織運営における財源等についての勉強会を行

うと共に、先進事例の調査を実施し、組織の基本的方針

を定める。

また、街ナビを基幹とした戦略的な情報提供の再構築な

どの取り組みや実施可能な取り組みの社会実験を行い、

準備期間における実績づくりを徐々に進めていく。

エリアマネジメント主体のあり方の検討と、

重点的取り組みによる実績づくり

助走期間の実績づくりを踏まえ、商店街関係者や市民に認

知してもらえる活動を目指し、その有効性を検証してい

く。

その上で組織の事業内容、運営財源、法的位置づけなど

の骨格を定め、エリアマネジメント実施主体となる組織の

立ち上げを目指す。

エリアマネジメントに対する社会的認知の獲得と

組織の立ち上げ

組織立ち上げ後は、行政の支援体制、市民サポーターの参

画や民間企業・NPO等とのパートナーシップ体制を構築

し、組織の強化・拡充を行う。

地下鉄東西線開業に照準を合せた活性化事業を実施し、本

格活動開始の節目と位置づける。

パートナーシップ・支援体制の確立と、

東西線開業に合せた事業推進

助走期間 本格活動

(仮称)中心部商店街活性化戦略研究会 (仮称)中心部商店街活性化 パートナーシップ

実績づくり 社会的認知

組織体

活 動

達成目標パートナーシップ、

支援体制の確立

地下鉄東西線開業に

関連する活性化事業

中心部エリアマネジメントの推進

本格活動

組織の

立ち上げ

社会実験

勉強会

シティイベント

実施

社会実験

検証・行政協議

シティイベント

実施

プレオープン

イベント実施

プレオープン

事業

組織の強化・拡充

活動開始

商店街振興組合との役割分担の協議 役割分担による商店街振興組合との連携

活動財源 行政等の支援自主財源の確保

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仙台市中心部商店街活性化プラン検討委員会 委員名簿

(仙台市中心部商店街将来ビジョン)

(敬称略・順不同)

氏 名 所 属

柳井 雅 也 東北学院大学 教養学部 地域構想学科 教授<委員長>

田代 久 美 宮城大学 事業構想学部 助教<副委員長>

三田 惠 介 一番町一番街商店街振興組合 理事長

浅野 久 太 一番町四丁目商店街振興組合 副理事長

藤 原 直 サンモール一番町商店街振興組合 理事長

松 澤 等 クリスロード商店街振興組合 常務理事

土屋 勝 裕 おおまち商店街振興組合 専務理事

岩﨑 一 夫 名掛丁商店街振興組合 理事長

渡邉 博 之 仙台駅前商店街振興組合 理事長

入間田 博 仙台朝市商店街振興組合 理事長

鈴木 心 一 本町商店街振興組合 理事長

千葉 久 美 財団法人 仙台観光コンベンション協会 常務理事

深井 勝 美 株式会社 日本政策投資銀行東北支店 次長

佐々木 悦子 特定非営利活動法人 仙台・みやぎ消費者支援ネット 理事

横山 英 子 街角仕事人くみあい 代表

大志田 典明 財団法人 仙台市産業振興事業団 ビジネス開発ディレクター

佐藤 盛 雄 仙台商工会議所 理事兼事務局長

林 洋 二 宮城県百貨店協会 事務局長

検討経過

平成21年11月 2日 第1回仙台市中心部商店街活性化プラン検討委員会

【中心部商店街の現状と課題】

平成21年12月 2日 第2回仙台市中心部商店街活性化プラン検討委員会

【中心部商店街の現状と取り組み、問題点等について】

平成22年 2月 5日 第3回仙台市中心部商店街活性化プラン検討委員会

【将来ビジョンと戦略的な取組について】

平成22年 3月26日 第4回仙台市中心部商店街活性化プラン検討委員会

【将来ビジョン実現に向けた仕組みづくりについて】

平成22年8月1日~31日 パブリックコメントの実施

平成22年 9月21日 第5回仙台市中心部商店街活性化プラン検討委員会

【将来ビジョン最終案について】