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ディスレクシア 就労ガイドブック ディスレクシア 就労ガイドブック 福祉医療機構助成事業 特定非営利活動法人

ディスレクシア 就労ガイドブック - CANPANblog.canpan.info/npoedge/img/WAM20FINAL-45929.pdf3 <ノート> DX就労ガイドブック はじめに 読み書きができなくても就労できる!どうやって?5名のディスレクシアを持つ個性豊か

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ディスレクシア就労ガイドブックディスレクシア

就労ガイドブック

福祉医療機構助成事業

特定非営利活動法人

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DX就労ガイドブック

DX就労ガイドブック

NPO法人 EDGEWAM事業実行委員会

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DX就労ガイドブック

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INDEXはじめに ...page 3

第1章 ”自分を知る1” ...page 5

第2章 ”自分を知る2” ... page 11

第3章 ”自分を表現する” ... page 17

第4章 ”就職活動1” ... page 24

第5章 ”就職活動2” ... page 30

第6章 ”企業の見方” ... page 38

第7章 ”就職に関わる制度” ... page 44

資料集 ... page 50

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はじめに

 読み書きができなくても就労できる!どうやって?5名のディスレクシアを持つ個性豊かな青年たちを中心に就労に関するそれぞれの経験や希望、疑問をワークショップ形式にして分かち合い、まとめる作業をした。

プログラムの目的

ディスレクシア(読み書きの困難)を持つ人は就職ができないのではないかという思い込みが雇う側、保護者、そして本人にも恐怖感と共に広がっている。片や、成功しているディスレクシアの人は幾つかの共通点がある。それは幼いころから好きだったこと、興味を持っていたことに関連する道に進んでいること、自分の苦手な部分を知った上でそれをカバーする方法を知っていること、周りの人に自分のことをうまく伝えて支援を求めることができる等があげられる。今回のプログラムではディスレクシア当事者と共にプログラムを組みながら、就労に向けて「読み書きが不得意でも幸せな就労ができる」ために必要ないくつかの要素をワークショップという形をとって検証した。まずディスレクシア当事者が使いやすいものという視点を確保しつつ、就労するに至るまでのプロセスで自分達が困難さを感じたポイントに焦点をあてながら前進するプログラムとした。是非、本人だけではなく、雇用側、まだ就労に至らない年代のディスレクシアの人たちの保護者、そして学校の教員にも理解してもらいたい。

プログラムのなり立ち

プログラムは当事者を中心に6回のワークショップを通して分かったことをガイドブックになるように組み立てた。まずは自分を知る、自分を表現する、履歴書の書き方、就職活動、企業の見方、そしてプログラムを組むなかで就職にかかわる制度も取り入れた。

NPO EDGE会長 藤堂榮子

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~ディスレクシアとは、現状~ EDGE(Extraordinary Dyslexic Gifted Eclectic)は、「がけっぷちの」「先端の」という意味がありディスレクシアの人が置かれている状況を表しています。EDGEはディスレクシアに関する啓発・サポート・関連団体とのネットワークを目的としています。ディスレクシアの人は…・知的は問題がない・読み書きに困難さがある・空間認知、創造性、想像力、社会性が強い・人口の約10%はいる・適切な支援、理解、配慮で充分に社会で活躍できる・建築家、作家、運動選手、起業家、俳優等

ディスレクシアのメカニズム音と記号が結びつかない。あるいは記号と意味が結びつかない。日本語の場合は漢字があるので意味理解をしているために発見が遅れることがあります。音と記号を結びつけることが困難。この上で記憶に問題があることがあるため、せっかく教えてもらった意味だとか記号だとかが抜けてしまってとどまらない、ということですごく大変さが生まれる。

現在の状況・発達障害者支援法(2005年発効)で位置づけられています。・特別支援教育の実施(2007年4月)によって、小中学校における対応は進んできています。幼稚園、高等教育などでも対応が始まったところです。

就労における困り感としては、・ 本人が自分がディスレクシアであることに気が付いていない。不全感だけを持っている。・ 傍目から見てもわからない。・ 自分の適性がわからない。・ 小さいころがダメだといわれ続けて自信を失っている人もたくさんいる。・ 保護者の希望と自分の希望が合わないということがある。・ 教育と就労に必要な要件に隔たりがある。・ 資格がとれない。(運転免許や仕事に必要な能力はあっても試験にとおらない)・ 自己の表現方法が身についていない。・ ディスレクシアであることを隠さなければならなくなる。・ 社会の問題として支援体制が出来ていない・ 成人にディスレクシアの診断ができるところがほとんどない。・ 障害者枠での就労が困難(手帳をとることが困難)・ 企業の無理解。手書きの履歴書でなければならない・ 企業の期待と本人ができることのミスマッチ

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第1章 自分を知る1 ~自分を見つめる~

***この章のポイント***

書く・描く事と話すことで、自分を見つめる

説明

☆ 自分を一番知っているのは誰☆ 自分を探る☆ 過去を振り返る☆ 将来を描く☆ 大事なものは何 ~価値観

自分を知る1

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自分を知る1

【やってみよう】自己紹介シートを書いて・描いてみる

テーマ「夏休みにしたいこと」をA4あるいはB4の用紙にクレヨンで描いてみましょう。

※ テーマは「連休にしたいこと」、「お昼に食べたいもの」、「子どもの時どんなあそびをしましたか」等々何でも良いです。

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自分を知る1

【やってみよう】このシートを使って、周りの人と自己紹介をしてみましょう

*突然自己紹介をしてください、と言われると慌てて何も言えなくなったりします。でも、こういうシートを書いて、書いた・描いたことについて話すと話しやすいのではないでしょうか。

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【やってみよう】自己紹介シートを使って、自己紹介した感想を書いてみよう<感想>

自分を知る1

*友人や家族と自己紹介をしてましょう。何度かやってみると、突然自己紹介をする場合に楽です。

【工夫しよう】自己紹介カードのかわりに、自分で思いつく事、関心のあること、自分が好きなことを書いて・描いて、自己紹介をしてみましょう。自己表現が段々楽に出来るようになります。また、新たな自分を発見する事も多々あります。

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自分を知る1

    一番の喜び・誇り

    家族

    印象的な人

    出来事

高等学校中学校小学校~6歳時期

    一番の喜び・誇り

    家族

    印象的な人

    出来事

高等学校中学校小学校~6歳時期

【やってみよう】1.下の表に自分のこれまでの体験の中で、印象的だったことを時代毎に書いてみましょう。2.書いた中から一番印象的、誇らしい、大事な事を一つだけ選びます。3.選んだ事を誰かに話してみてください。

*一つ何か書いたら、その事に関連する事を思い出します。例)小学校1年生の時の遠足→最初に仲良くなった友だち→友人とどんな遊びをしたか・・・・・*振り返りについては資料集を参照にして下さい。

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自分を知る1

【当事者の声】

今野さん(仮名)

「自分が就労のことを考えていたので、自分を知るワークショップが役に立った。それから他人の話を聞き、それをまとめて話すのは難しかったが、自分自身を知るためにも参考になった」

★★第1章のまとめ★★

・話す前に1度書いて・描いてみること・自分像を書いて・描いてみること・過去は宝の山

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第2章 自分を知る2 ~仕事と結びつける~

***この章のポイント***

見つけた自分と仕事を結びつける

説明

☆ 自分の強みは何か☆ 客観的に自分を知るために☆ 資格についても考えよう☆ 困ったことを再認識する

自分を知る2

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自分を知る2

【やってみよう】自分の得意なこと、特技を書き・描きだしてみよう。

※注意・世界一とか日本一である必要はありません・「好きなこと」はたいてい「得意なこと」です

気楽に思いつくまま書いてみましょう☆これが君の強みですよ。遠慮無く書き・描きだしてみよう

例) 大阪弁が話せる、針に糸を通すのが得意、英語は不得手なのに外人の友人がいる、サッカーをしている、そろばん1級、活字が大好き、週に一本映画を見る、旅行の計画を立てるのが得意等々何でもありです。

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自分を知る2

客観的に自分を知るためにアセスメント(心理的な検査)を使って自分を知る方法もあります。

今回のワークショップでは、TA(Transactional Analysis)理論に基づく「エゴグラム」というアセスメントをしてみました。

DXにとってアセスメントは・・・・

DXは文字を読んだり、理解する上で障害を感じる。だから、アセスメントは苦手な分野である場合が多い

ワークショップでも当事者からこれまで、就職時のアセスメントでの体験を訴える声がありました。

アセスメントそのものを受ける事が難しいということを理解してもらう必要がある..

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自分を知る2

【やってみよう】1)これまでやってきた自分探しから、自分の特徴や強みを書いて・描いてみましょう。2)そして、それと資格(資料集参照)を結びつけてみましょう。3)何故その資格を選んだのかも書いて・描いてみましょう

☆あなたに合った資格はどれでしょうか。あなたが関心のある資格はどうれでしょうか。

☆自分の強みを更に強化するためにあるのが「資格」

ただし、資格があれば大丈夫ということではないですよ

・資格をどう使うか・自分が何をしたいから、その為に資格を取る

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自分を知る2

 この章の最後に、日々の生活やこれまでの学校体験、就労体験の中で、自分が困ってしまったことについてかんがえてみましょう

【やってみよう】

1)これまでの体験で、あなたが困ったことをあげてください。2)そして、その困ったことは、どうしたら、どんな援助があったらできるようになるかを、周りの人と一緒にかんがえてみましょう。

あなたは、ちょっとした助けがあれば、いろいろなことが出来るということを理解してください。そうしたら、あなたの可能性は大きく広がるのではないでしょうか。その事が分かると、解決はちかいですよ。

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自分を知る2

【当事者の声】

深川さん

「直前まで、就職運動をしていたので、自分を知るテストは興味を持った。就職した後、定期的にやってみてもいいのではないか」

★★第2章のまとめ★★

・得意なこと、長所をたくさん見つけよう・不得意なこと、短所も、得意や長所に変わる・資格についても1度かんがえてみよう

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第3章 自分を表現する ~履歴書・エントリーシート~

***この章のポイント***

履歴書・エントリーシートと面接対策

説明

☆ 決まった内容☆ 自分自身を表現する☆ 面接のシナリオ☆ 素の自分を表現する☆ パソコンに基本形を作っておこう

自分を表現する

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自分を表現する

★履歴書・エントリーシートの書き方の基本(資料P○○のシートを参照)※エントリーシートと履歴書はほぼ同じ内容です。ここでは履歴書で話を進めます。履歴書は書く事が決まっている部分(氏名や住所、学歴など)と内容が変わる部分(志望動機、自己PRなど)に分かれます。まずは、それぞれについて簡単に説明します。

1.書くことが決まっている部分→これは調べれば書ける部分です ・氏名 ・性別 ・生年月日 ・現住所 ・電話、携帯番号、e-mail等連絡先 ・学歴、職歴、賞罰2.内容が変わる部分→これは自分で考えて書きます こちらは誰もが書くのに苦労しますよ ・志望動機 ・自己PR ・学生時代にやったこと ・自分の夢 ・最近関心を持ったニュース  等々

★★工夫してみよう★★

・ 履歴書は手書きが当たり前と思っている人が多いようですが、別に決まっているわけ  ではありません、手書きでなくても大丈夫です。・ パソコンで書いた方が楽な人は、時間のある時にがんばって書いておけば、それを時々  更新するだけで何回でもプリントアウトして使えます。・ 友達や周りの人と作ることも出来ます。

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1.定型の部分(氏名や住所、学歴など) ・ほぼ決まってることなので、パソコンに作っておく  (資料集参照)

自分を表現する 【エントリーシートや履歴書の書き方の基本】

【やってみよう】下記に自分の事を書き込んでみましょう。

 緊急の連絡先

 e-mail

 携帯電話

 電話番号

現住所

西暦・昭和・平成         年      月      日生年月日

  氏名

性別 ふりがな

 緊急の連絡先

 e-mail

 携帯電話

 電話番号

現住所

西暦・昭和・平成         年      月      日生年月日

  氏名

性別 ふりがな

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自分を表現する 【エントリーシートや履歴書の書き方の基本】

1.定型の部分(氏名や住所、学歴など) ・ほぼ決まってることなので、パソコンに作っておく (資料集参照)

【やってみよう】下記に自分の事を書き込んでみましょう。

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 賞罰西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 資格西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 職歴西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 高校卒西暦  年  月

中学校卒西暦  年  月

小学校卒西暦  年  月

学歴年   月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 賞罰西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 資格西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 職歴西暦  年  月

 西暦  年  月

 西暦  年  月

 高校卒西暦  年  月

中学校卒西暦  年  月

小学校卒西暦  年  月

学歴年   月

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自分を表現する【エントリーシートや履歴書の書き方の基本】

2.志望動機、自分の長所あるいは自己PR、学生時代にやったこと、最近関心のあること ・自分を知るで見いだした自分を書く  (資料集参照)

【やってみよう】下記の3点について、巻末の資料のページにある原稿用紙に書いてみましょう。400字前後で書いてください。1)志望動機2)自己PR3)学生時代にやったこと4)最近関心をもったニュース5)将来の夢

◇書く前にためしてみよう◇書く前に誰かと話をしてみましょう。・話をすると考えがまとまります・話をすると新しい考えが生まれてきます・話をすると相手があなたのことを教えてくれることがあります

★★工夫してみよう★★400字の文章なんて書けない、という人はこんな工夫はどうでしょう。

1)志望動機や関心を持ったニュースなどを書くのではなく、話してみましょう。それをテープやICレコーダに録音しましょう。その録音を聞いて、自分で書いたり、誰かに書いてもらいましょう。2)文字を書く前にまず、絵やマインドマップなどで表現してみましょう。書きやすくなるかも知れません。3)付箋に書き留めて後からまとめる方法もあります。4)フローチャートの方が得意は人はそっちを利用してみましょう。

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自分を表現する

【やってみよう】→このワークはペアでします1)自分の苦手や、不得意なことを書いて・描いてください。2)ペアのもう一人は、その苦手や、不得意なところを良い意味に言い換えて、その人を誉めてあげてください。

☆誉めて、自信をつけることはとても素敵ですね。

【やってみよう】第2章の感想を書いてみましょう<感想>

★★工夫してみよう★★履歴書を手書きする場合、人に書いてもらってもいいですよね。Mさんは自分の履歴書を友人に書いてもらって、それをコピーして使っています。Mさんは文字を書くのがとても苦手なのです。自分の苦手な事をどのような工夫で軽減しているのかリストにしておこう。

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自分を表現する

【当事者の声】

砂長さん

「お互いに、自分の特徴や欠点を述べていくうちに、だんだん新しい発見があった。そして、当事者自身が世間に啓発する運動を積極的に企画したほうがいいと、思った」

★★第3章のまとめ★★

・得意なこと、長所をたくさん見つけよう・不得意なこと、短所も、得意や長所に変わる・資格について検討してみよう・自分の不得意な事をどう伝えるか・自分の不得意な事をどのような工夫で乗り越えているのか

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第4章 就職活動1 ~就活をはじめる~

***この章のポイント***

就活の仕方を考えてみる

説明

☆ まずは入り口、スタートライにはどんな  ものがあるか☆ 企業セミナーにも顔を出してみよう☆ 得意な仕方でアプローチしよう☆ いろいろ工夫してみよう

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就職活動の流れを確認してみましょう

1)企業を探す ①自分の関心をはっきりさせる ②企業の情報を収集する2)エントリーする ①エントリーシートや履歴書を書く3)就職試験を受ける ①筆記試験 ②面接試験4)内定をもらう

【【やってみよう】まずは気楽に出来ることから動いてみよう1)就職情報誌を買ってみる2)インターネットの就職サイトをのぞく

★★工夫してみよう★★日本にはたくさんの会社があります。どんな会社があるか、どんな業種があるか、どんな仕事があるか

注)企業セミナーに行く時は服装や髪型に気をつけよう。企業セミナーでも人事は選考の眼でみていますよ。

就職活動1

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就職活動1

日本にはたくさんの会社があります。どんな会社があるか、どんな業種があるか、どんな仕事があるか1度調べてみましょう。

*明治製菓はお菓子の会社ですが、一番の売上は薬品です。*新聞の株式欄を見てみましょう。上場企業だけでこんなにたくさんあります。*株式会社だけで約114万社 (うち上場企業は4000社)

【やってみよう】まずは気楽に出来ることから動いてみよう1)就職情報誌を買ってみる2)インターネットの就職サイトをのぞく3)気になる企業の事をインターネットで調べる4)勤めている人に企業の様子を聞く

★★工夫してみよう★★<会社探しのひと工夫>新聞の株式欄を見ると、日本の上場企業がズラッと並んでいます。下記のようなことをしてみましょう。1)その表を見て、自分が知っている企業名に線を引いて消します。2)家族や知人に頼んで、知っている企業を消してもらいます。3)そうすると、消し残った企業は、上場企業(比較的優良な企業)でしかも、あまり人に知られていない企業です。                 

これらの企業について、「会社四季報」(東洋経済新報社刊の企業情報誌)を見て内容を調べるのも、会社さがしの一つの方法です。

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就職活動1

企業セミナーとは

・企業セミナーは、企業が新規に社員を採用するために、自分の会社を知ってもらうために開催するものです。・昨今は、複数の(場合によっては数100社の)企業が合同で行う合同企業セミナーが主流です。・これらの合同企業セミナーは就職情報会社や自治体・官庁などが主催しています。・企業セミナーの情報は就職情報会社に会員登録したり、自治体や官庁のホームページに掲載されます。・企業セミナーへの参加は無料が基本です。・企業セミナーはセミナーと称していますが、既に採用の場となっています。参加する場合も、そのような心構えや服装が大事です。

【やってみよう】1)就職情報誌のホームページを見てみよう2)会員登録して、中に入ってみよう   ※注)会員登録すると、登録を破棄するまで、登録した情報会社から就職情報      が届けられます。3)どんな記事や情報が掲載されているか調べてみよう

【やってみよう】就職情報誌のホームページを見て感じたことや発見したことを書いておきましょう。<感想・発見>

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就職活動1

実際の活動での注意点

服装:基本的にスーツが良いですね。クリエイティブな仕事の場合は私服と指示されている場合もあります。白いワイシャツの下にカラーや柄のTシャツ、スーツに白のスポーツ靴下、スーツに黒いスニーカーは×です。ネクタイもスタンダードな色・柄のものを用意しましょう。

時間:仕事においては時間の観念が重要視されます。特に、面接の場合などは、遅刻は致命的です。事前に会社やセミナー会場、面接が行われる場所を下見するのも方法です。

【やってみよう】1)就職活動の服装をして、外を歩いてみよう。2)自分が受けようと思う会社の近くにスーツ姿で下見をしよう3)予定の時間の30分前につくように時間に合わせて予行練習をしよう

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就職活動1

【当事者の声】

柴田

「お互いに誉め合いをすることにより、前向きの気持ちになれたのが良かった。積極的な行動がよい就職につながると思った」

★★第4章のまとめ★★

・入り口が大事です・まず動いてみよう・就職するという姿勢も大事です

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第5章 就職活動2 ~当事者の体験から学ぶ~

***この章のポイント***

みんな自分の問題を工夫で乗り越えている

 第5回目のワークショップは当事者5名によるパネルディスカッションが下記の通り行われました。

パネリスト:A(男: 障害者施設職員)B(女:外資系秘書など歴任、現在、保険営業、料理教室講師)C(男:食品関係の企業)D(男:NPO職員)E(男;サニタリーの営業職)

コーディネーター榎本達彦(事務局)

 テーマは5名の当事者が実際就職活動をどう行ったか、就職活動で苦労したことは何か、その問題を実際にどのように工夫し、克服したかが話し合われました。 第5章では「工夫」ということに焦点を当てて考えていきます。

就職活動2

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就職活動2

Aさんの場合・・・

Aさんは、専門学校卒業後、ゲーム制作会社にデザイナーとして就職しました(正社員)。会社の中は活気があり、ザワザワしていてAさんは昼間事務所で仕事をするのが困難でした。そこで、仕事を夜する事にしました。その為に、電気釜を持ち込んでみたり、ソファを持ち込んだり、机の前ではなく、床にゴザを敷いて床で仕事をしたりしました。でも、これらの行為が会社で認められず、苦労しました。そんな時、AさんはEDGEに出会い、相談しました。そこで、藤堂さんが会社の総務を通して、どうしてAさんがこういう行為をするのかをきちんと説明したのです。その結果、セキュリティーの問題など会社側の状況を説明した上で会社は働き易い環境の整備をしてくれました。

<工夫1> 1人で悩んだり、考え込むのではなく、誰か人に相談したり、力になってもらう。弱点とか障害と言われる物を、きちんと相手に分かってもらうことで、社会で生きやすくなるのではないでしょうか。

<ノート>

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就職活動2

<考えて見よう> Aさんの、体験や工夫を見てきましたが、あなたならどんな工夫をしますか。下記に私だったらこうする、 これまでの自分を振り返ってこんな工夫をしたなという工夫を書いてみましょう。また、Aさんの体験から感じたこと、考えた事、学んだことを書いておきましょう。

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就職活動2

Aさんが就職した会社はその後、事業縮小の為会社の都合で彼は退職しました。そして、Aさんは新しい仕事、今の仕事に就きました。就職活動は、web上の就職サイトで今の仕事を見つけ、書類選考、面接を経て内定を得ました。

 <工夫2> 今の仕事を得る時も、以前もAさんにとっての課題は履歴書を書くことでした。Aさんは書くのが苦手で、自分1人では履歴書を書けないと思い、友人に書いてもらったのです。彼が話し、それを友人が履歴書に書いてくれたわけです。Aさんは見事それで内定を獲得したのです。

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就職活動2

Dさんの場合・・・

Dさんは、大学卒業後、教育に関心があったので、塾・予備校関係の業界に仕事を探していました。ですが、この業界はやはりペーパーテストが出題され、文字の読みが苦手のDさんはことごとく落ち続けます。しかし、面接重視の会社があり、(Dさんの言い方では)うまく潜り込めたのです。しかし、仕事自体はなんとかなるのですが、周りと同調して動くのが苦手だったり、読むのが苦手だったりすることで、結局その会社は退職してしまいます。 その後、DさんはNPOの職員となります。NPOでは周りの理解もあり、またやり甲斐のある仕事であり、一生懸命仕事をするのですが、メモが出来なかったり、短期記憶に難があったりで、ミスが多発します。 Dさんはある時「マインドマップ」について知り、それをノート取りに活用します。そうしたら、物忘れやミスが少なくなったそうです。 マインドマップは文字は使いますが、書き方を絵のように描くのでディスクレシアの彼には使いやすい方法だったようです。

<コラム> そういえば、DX会では感想や意見を文字だけでなく、絵で描くのもOKとなっています。むしろ今は、みんなが絵で自分の事を表現しています。そうすると、文字の時よりも全体が活性化するのです。とても楽しいですよ。

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<ノート>

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就職活動2

Eさんの場合・・・

 Eさんは、今サニタリー関係の営業マンをしています。営業マンの仕事は結構楽しいのですが、自分では人と話をすることに劣等感を感じていました。そこでEさんはその劣等感を克服するためにお芝居を始めます。芝居を通して自分を表現したり、しゃべりの技術を身につけようと考えたのです。その結果、彼は営業マンを6年間し続ける事ができ、今もがんばっているのです。

<考えてみよう>Eさんが活用している、マインドマップはいろいろ本も出ています。Eさんのメモ取りの工夫についてどう思いますか。もしあなたが何か不得手なことがあったとしたら、どんな工夫や支援があるとうまくいくと思いますか。少し考えて、気づいた事を下記に書いておきましょう。

<ノート>

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【当事者の声】

砂長さん

「毎回、ワークショップをするうちに、当事者が驚く程多くの共通項を持っている事に気がつきます。みんな共通して自動車免許を取るのに苦労した様です。それでも、周囲が分かってくれれば、重要な仕事が出来るようになりました。」

★★第5章のまとめ★★

・いろいろな人の体験や工夫を参考にする・自分がこれまでにして来た工夫を振り返る・「出来ないこと」を直すだけでなく、工夫によってそれを乗り越える事も大事です。

就職活動2

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<ノート>

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カラム ~海外の場合~ 海外でも成人ディスレクシアだけの団体はありませんが、英国では成人ディスレクシアの会がドナルド・シュロス氏のイニシアティブで政策提言やディスレクシアにやさしい職場での対応などを推進しています。2009年10月に来日したドナルドさんとロス・クーパー氏(サザンプトン大学教授)はDX会のメンバーとのワークショップに参加ました。言葉は違っても同じような悩みを持ち、それでも制度を変え、社会を動かす活動をしている同志として活発に意見を交換しました。

成人ディスレクシアに対してできること「合理的な配慮」配慮:コーディネーターが職場のニーズと本人のニーズのコーディネーションをする。また、日常生活のサポーター(アシスタントとしてメモを取る、書類などを書くときに同行する)の育成をして必要に応じて派遣しています。組合:パン屋組合ではまず組合がディスレクシアについて研修して、雇用者から不当な扱いを受ける組合員に対して後押しをしています。行政:Access to workという部署がさまざまな障害を持つ人に対する仕事をするうえでのコーディネーションをしています。給与の一部をはじめの5年間補填する。先進機器やソフトで必要なものを吟味した上で供与します。メーカーなどはディスレクシアの人に意見を聞いて物つくりをしています。時計、携帯、ソフト、OSなど。ADOはコンサルティングをしています。

スウェーデンの協会ではパソコン教室やわかりやすいマニュアル作りなどを実践しています。

http://www.adult-dyslexia.org/

<ノート>

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第6章 企業のニーズ ~企業研究~

***この章のポイント***

いろいろな会社を見てみよう

説明

☆ 君を必要としている会社が必ずある☆ 気持ちよく、楽しく仕事をしよう☆ 視点を変えてみよう☆ 時には我慢も必要だ

企業のニーズ

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<ノート>

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企業のニーズ

【やってみよう】今書き出した興味・関心、強みと合いそうな候補企業を捜してみよう。Webサイトや会社四季報を見たりやハローワークに行って捜してみよう。

<候補企業>1)

2)

3)

★★★当事者の体験から→

第5章で登場したAさんは、以前IT系の仕事をしていましたが、会社の都合で退社しました。その後次の仕事を捜していましたが、DX会に数年前から出ていて、障害者の施設での仕事に関心を持ち、webサイトでその関係の求人に応募をして、見事採用となりました。Aさんは仕事は大変だけど、やり甲斐もあり、楽しい、と言っています。

<ノート>

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企業のニーズ

【やってみよう】6-3で書き出した企業が何故自分に合っていると考えたか、その理由を書いてみましょう。

<理由>1)

2)

3)

自分の選択や行動の根拠や理由を明確にする、という作業です。この明確化は、具体的な就職活動に自信をもたらし、面接などでもきちんと自分の意見が言えるようになります。

【やってみよう】6-3で書き出した企業がどういう人材を求めているかを調べて書いてみましょう。

<ニーズ>1)

2)

3)

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<ノート>

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企業のニーズ

【やってみよう】今の自分の興味関心と強みを一つずつ書き出してみよう。第1章、第2章でやった自己分析が役立ちます。★興味

★関心

★好きなこと

★強み

★やってみたいこと

企業研究とは

・企業研究とは、就職情報やwebサイトを使って、業績や企業理念を調べたりする事です。・細かい数字や理念よりも、大雑把にその会社がどういう会社でどういう事をしているのか、を知れば足りることです。・要は、自分の方向性と企業の方向性が合っているかどうかです。大きな方向性で考えましょう。・企業が求めている人材像も大事です。その人材像と自分の興味関心、強みが合うことが大事です。

<ノート>

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企業のニーズ

【当事者の声】

今、障害者施設に勤めているAさんは、EDGE主催のDX会に参加していて、障害者施設でいろいろな人の話を聴いたり、世話をしたりする仕事も良いな、と思い、就職活動をしたそうです。

そういう自分のしたいことを仕事にしたこともあり、日々の仕事は大変だけど、楽しいしやり甲斐があるといっていました。

★★第6章のまとめ★★

自分のしたいこと、大事にしていることを発揮できる仕事が探せたら素晴らしい!

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<ノート>

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カラム ~IBMのニーズ~障害者雇用促進ポリシー

・積極的な採用:雇用機会は均等にもうけ、すべての人材を平等に評価。「障害者雇用枠」はありません。・就労環境のバリアフリー推進:障害のバリアは会社がその解決を支援。「障害者(PwD)カウンセル」活動・BAATなど。・IT支援ツールの研究開発と提供:ホームページリーダー・読み上げソフト(JAWS)・Easy Web Browsingの開発など。

IBMの採用方針

・社員はスペシャリスト集団・求める人材像は自らを高め、大きく成長しようという意思のある方・キャリア採用は即戦力となるスキル・経験があること

障害のある方々に求めるもの

・自立していること(他の人の助けを基本的に必要としないこと)・チャレンジする気持ちをもちつづけることができる・他人に誇れる得意分野を持つこと(他人に迷惑をかけてしまって申し訳ないという気持ちを持ってしまうのであれば、こういった分野をもってそれで補完するのだという意識で働いてほしい)

<ノート>

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第7章 就職先チェック ~最終確認をする~

***この章のポイント***

いろいろな制度や条件をチェックする

説明

☆ いろいろな制度を知る☆ 厚生・待遇についてチェックする☆ 諸条件チェック

就職先チェック

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就労については、法的にいろいろ規制があります。労働者に取って必要な規制について考えましょう。

就労のさまざまな条件について、最終確認をしないと、仕事を始めて見て、「え!そんなこと聴いていない」「そんなこと知らなかった」ということが起こることがあります。

「私は本当はこういう事がしたかったのに、全然違う」というのは良く聴く話です。職場は数年~数十年、1日8時間以上いて、自分の生活の糧を得る場です。より快適な条件がほしですよね。

第7章ではそういう諸条件についての最終チェックをします。

就職先チェック

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就職先を最終決定する前に、あるいは就職活動をしている時に、下記のチェックをしてみましょう。

就職先チェック

 使用期間が明確にされているか19) 給料日はいつか18) 変則業務かどうか17) 業務時間は明確か16) 実際にする仕事内容は理解できているか15) この会社で働きたい、という気持ちは14) 会社のHPはあるか、見た感想は13) 会社の事業ははプライドの持てる内容か12) ここ数年の売上・利益業績はどうか11) 有給休暇制度はあるか10) 休日の規定はどうか9) 残業代・休日出勤は支給されるか8) 賞与はあるか7) 社会保険は加入できるか6) 厚生年金は加入できるか5) 社長や人事担当者の人柄4) 通勤時間は通勤可能範囲か3) 給与は想定内か2) 自分がしたい仕事か1)

○△×を記入チェック項目 

 使用期間が明確にされているか19) 給料日はいつか18) 変則業務かどうか17) 業務時間は明確か16) 実際にする仕事内容は理解できているか15) この会社で働きたい、という気持ちは14) 会社のHPはあるか、見た感想は13) 会社の事業ははプライドの持てる内容か12) ここ数年の売上・利益業績はどうか11) 有給休暇制度はあるか10) 休日の規定はどうか9) 残業代・休日出勤は支給されるか8) 賞与はあるか7) 社会保険は加入できるか6) 厚生年金は加入できるか5) 社長や人事担当者の人柄4) 通勤時間は通勤可能範囲か3) 給与は想定内か2) 自分がしたい仕事か1)

○△×を記入チェック項目 

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諸条件チェックの解説 ①

給与関係;給与は一番の関心事です。しっかり確認し、納得してください。

①給与があまりに安い(月出勤日数で給与を割ると時給がでます。その時給が1000 円以下は問題外、1500円あたりが基準です。

②給与が基本給+実績の場合、基本給が生活をする上での最低基準を越えているか どうかチェックしましょう。また、実績の内容が具体的になっているかどうかも確認 ポイントです。

③給料日をしっかり確認しましょう。

④交通費の支給は、全額か、条件があるか、支給されないのかを確認しましょう。基本 的には全額支給です。

⑤賞与(ボーナス)の有無と平均的な金額或いは月数を確認しましょう。

⑥昇級があるかどうかは大事な事です。最初ちょっと高めでも、昇級が無いと結婚した り、子どもが出来たりすると、生活が出来なくなることもあります。

⑦残業代の至急についても大事です。残業代が付かないと、会社は雇用を条件にサー ビス残業を強いることがあります。残業時間数の最大値を設定しているきぎょうも ありますから、その点もチェックですよ。

★注意チェック解説は文字が多くて読みにくい人がいるかも知れません、必ず周りの人に読んでもらうなどして、自分で確認しましょう。

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諸条件チェックの解説 ②

厚生年金と社会保険の有無および内容についてきちんと確認しましょう。国民年金や国民健康保険よりもずっと有利なので、この有無は大事な事です。

 社会保険にはさまざまな種類があるということで、主なものは、労働者災害補償保険(労災保険)、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、国民健康保険、介護保険などです。

①年金 国民年金(負担・支給共に定額)がベースにあり、厚生年金に加入している会社の社員は、支給が国民年金分+厚生年金分ということになります。また負担は会社と折半になります。

②健康保険 国民健康保険は全額本人負担です。また、扶養家族も自分の分を払う義務があります。

サラリーマンが入っているのが組合保険や協会保険です。この保険の負担は本人と会社が折半になります。また、扶養家族分は払う必要がありません。

★注意チェック解説は文字が多くて読みにくい人がいるかも知れません、必ず周りの人に読んでもらうなどして、自分で確認しましょう。

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就職先チェック

実際に就職活動をしたり、内定をもらって、会社の諸条件について疑問があったら、そういうことを良く知っている人に聴いてみましょう。 

★★第6章のまとめ★★

仕事をする上で関係してくる制度や規制、諸条件を知らないで就職して働いている人がたくさんいます。しっかり、そういうこともチェックしてみましょう。

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資料集 ~議事録~

WAM 第1回ワークショップ2009年6月28日講師 根本先生記録 木村綾子

「自分を知る」・自分を知る→自分の事は自分が一番知っている、けど自分を語るのは難しい・自分を表現する=伝える→いろいろな伝え方がある:自分に合った、自分なりの伝え方・同時に、人の事も気にしてみよう、人の良い所発見

「椅子活」・会場の後ろに椅子がランダムに並んでいます。・これから、合図をしたら好きな椅子を見つけて座ってください。・同じ椅子だけど、よーく観察すると個性があるのです。・ひょっとしたら、あなたに呼びかけている椅子があるかもしれません。

「グループ作り」☆それでは、これからグループ作りをします。☆皆さんが座っている椅子の座板の裏を見てください。☆数字の書いてあるポストイットが貼ってあります。その数字があなたのグループです。

「夏休みにしたい事」・今年の夏休みにしたい事、する予定の事を「夏休みにしたい事」シートに描いてください。・文字で書いても、絵で描いても、マークでも、何でも良いです。・条件は1つ、描く道具はクレヨンです。

「自己紹介」・これから、いま出来たばっかりのグループのメンンバート同士で自己紹介をしてもらいます。・今描いた「夏休みにしたいこと」シートを発表しながらら、名前その他自己紹介をしてください。・持ち時間は1人1分とします。・よーく相手の話を聴きましょう。・質問は自己紹介の後の時間にします。

「過去の振り返り」・印象的な事を思い出そう・過去の振返りシートに記入してください。

「最高の思い出を選ぶ」今書いた、過去の印象的な事の中から、自分がもっとも印象的だったり、誇らしかったり、是非人に伝えたい事を1つだけ選んでください。

「発表!私の宝物」・今選んだ最高の出来事をグループ内でペアを作って発表してください。・この時、相手の顔を見て話す事をちょっと意識してください。ズーっと見てなくてもいいですから、時々相手の顔を見てください。・聴く人も相手の話を一生懸命聴きましょう。

「宝物」・今皆さんが話した事は、皆さんの最高の体験、最高の瞬間です。・これは皆さんのこれまでの人生の宝物です。・その宝物はあなたしか持っていません。・その宝物は今のあなたのコアを形作っています。・宝物は「力」でもありますよ。

棚卸・強みを書き出す事を棚卸しと言います。・これから棚卸しをします。・強み=あなたが出来る事です。・出来る事は無数にあります。・強み=特技=出来る事は、世界一である必要はありません。「あなたが出来る」という事実が大事です。

・強みを書き出す事を棚卸しと言います。・一覧表を埋めよう・皆にも聴いてみよう・皆も意見を言って挙げよう

「私の強み・長所」では、今棚卸ししたあなたの長所を整理して、「私の長所強み一覧」シートにまとめておきましょう。

「振り返りと課題」・今日のワークの事を振返ってみましょう・頭に浮かんだ事をシートに書きましょう・ワークをして自分の課題を考えましょう・自分で決めた課題を書きましょう

「チェックアウト」・今日の感想を一言ずつお願いします。

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資料集 ~議事録~

WAM 第2回ワークショップ講師 根本先生記録 木村綾子

1 エクササイズ(輪になっての話し合い。)・Yes Noクイズ 根本先生に関わるクイズ・私は千葉県に住んでいる どこでそう思うのか?・小学校の教員です。 なぜ?そう思うのか?・英語科の教員です。 何の教員ですか? 社会科の教員・柴田さん→物事を総合的に話すためそう思った。・社会科のどの分野だと思いますか? 日本史の教員 なんとなくそう思った。・私は野球部の顧問である。 サッカーの顧問・浦和レッズのサポーターです。 オシム監督とも仕事をしていた。 今日の取り組みは、特別なことは特になにもない。高校の中で普段やっていることをするのと変わりない。

2 席についてのWS就労に関して、今まで経験している負の部分を一人ひとり書き出す

(ポストイットに)(振り返ってみて、自分を表現することはとても大きなこと)

東京成徳大学 今中教授とグループを組むことによって、成功談を共有することは大きなステップになる。失敗や成功をさらけ出すことも大切

そもそも、今先生のことを皆さんはどう思っているのか。 →先生に対して負の意識があれば、壁を作ってしまう。先生が素の自分を出すことによって、聞く側も壁を作らずに話すことができる。

【皆さんから出た意見】・変わり者と言われ敬遠されてしまった。・自分の簡単な間違えを指摘されて、積み重なり、嫌になってしまった。・他者が自分たちのことを理解してくれない。↓※TA行動分析 (約50問程度の質問)〇、 △、×を入れていく(〇2点、△1点、×0点)数値化して、表にしていく。(折れ線グラフ)

自分たちのような溢れてしまう人間は、相手が(就職したい会社が)求めるように答えてしまう。就職口で何度も答えてきた。本当の答えを書くことが出来ない。何度もやるたびに別の自分を作り上げてしまう。初めての人でも、「こんなので何が分かるのか。」という反応もある。

CP 批判的な人間の様子を表したもの。(お父さんの面。厳格なイメージの人間性。)FC 母親の面AC大人の神経を伺う様子(子どもの面)現時点での気持ちを方言することが出来る。

※この分析から何がわかってくるのか。これから人間関係をどう組み立てていけばいいのかをいうものが見えてくる。自分にはどういったところが足りないのかということを知ることによって、必要なエクササイズを見つけることが出来る。

※自分の強みと弱みを言うことはできるのか。理解してもらえるためにはどういったことをすればいいのか。会社にとって必要とされる人材になるためにはどういったステップを踏めばいいのか。→仕事がパーフェクトにできることであることが必要。自分のことを考える。自分の中にある力を上手く表現できるようにする力をつける

※言葉で潜在的な力を高めるエクササイズひじを床につける→真ん中で止める→左右に動けと心の中で繰り返す→真ん中で止める→前後に動け→真ん中で止まれ→ぐるぐる回すこれは暗示による力→言霊 自分の中で何度も唱えることによって力になる。メンタルトレーニング 課題に対して、具体的に書いてみたり口に出すことによって、ステップアップしたり、具体的に考えたれる力を養うことが出来る。

※昼寝をする 自律訓練法 自分の心を抑えるエクササイズ、自分を上手にコントロールする訓練自分を信用する。自分が頭の中で先生が言ったことを繰り返す。→手足が鉛のように重くなってきた。どんどん重くなってくる。→重くなっていた手足がぽかぽか温かくなってくる。→手をゆっくりおなかに当てる。→手を当てたおなかが温かくなってくる。→体全体が重くなってきて、床に入ってきます。体の力は抜けています。どんどん気持ちよくなってきます。→ゆっくり大きく呼吸をしている。→自分の心臓の鼓動を感じることはできますか?→大きく呼吸をします。→ゆっくり起き上がる→背伸びをする。

嫌なことがあったり、人に理解されなかったり、違うと思いながらストレスを溜めたりしたときに自分をコントロールするエクササイズ何かにぶつかった時、自分が何かしら解き放つ、合図、信号を持っていればその場を乗り越えることが出来るかも知れない。

1人1人違う中で、自分の弱み、強みを理解すること。それを避けて通らないほうがいい。世の中の仕組みのや会社のせいにしてしまうのは自分のためにならないのではないだろうか。一番は、会社との関係の作り方。→会社は理解を進め、自分自身がやりたいことに関して上手にアプローチできるように、自分の弱み、強みを理解すること。そして、自分のやりたいことを職業適正が合っていないのではないだろうか。

自分の強みをアピールして、就労のための活動、その先も上手くやっていくために、どうすればいいのか。資格はどうか?説明しやすい。免許があれば早く説明することが出来る。

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資料集 ~議事録~

資格の中にはローカルライセンスもある。しかし、何かしらの資格を持っていれば受け入れる側も理解しやすい。自分に弱みの分野の資格を取ることは無い。

物事を受け入れることに退位して苦手意識があるのではないだろうか。→理解されない苦しみなどの経験より。

こういう弱みが邪魔してしまっていうるというところまで自分自身なので、理解したほうがいいのでは無いだろうか。

就労するのが大変なのではなくて、自分たちが続かないことが辛い。この術がディスレクシアにどのように繋がってくるのかが分からない。履歴書だって履歴書の書き方が分からないのではなくて、物理的に完成させることが出来ないことに困っている。

正解は無い。個別にはあるかも知れないが、大まかな正解は無い。この一年間で色々な面、色々な世界で支援している人たちの話を聞いて、少しずつ自分に活かせることを見つけていければいい。

WAM 第3回ワークショップ平成21年8月29日

WAM合宿一日目 WS《履歴書の書き方》履歴書というものをどう作り上げていくのか。

1)自己分析;自分がどういう人間化を探る→自分の好きなこと、大切なことを発見する2)強み:自分の「好き」から強みを引っ張りだすということをしました。

講師  木村 志義当事者 柴田 章弘砂長 宏子今野 清史郎前川 千尋深川  猛

困り感・・・アポは取れても、なかなか書けないと、アポに間に合わない現状がある。

1・就労に関して今まで、困った経験は?【前川】 字が汚いことがある。現在、ファッションセンターしまむらで働いている。精神障害の手帳を持っている。バックヤードでの仕分けが出来ない。自分の障害を知らない人とやったりすると、理解してもらえず、迷惑をかけてしまう。接客も大変。会社も配慮はしてくれるが、しまむらの方針として、障害のある人も無い人も、同じ条件の中で働いてもらおうという考えのため、配慮とはいえない。

【今野】 営業の仕事に就いている。マイペースでやっているが、数字を挙げなければならないのが、大変。新しい商品のマニュアルを読んで、それを説明しなければならない。以前いた会社で、商品が説明できずに、トラブルになったことがある。会社の人には、「なぜ、わからなかったことを言ってくれなかったのか」と言われたが、何が分からないのか、分からない状態。仕事はしんどいことが多い。為にはなっていると思う。会社の募集要項には、試供品配りとなっていたが、入ってみたら違った。

【砂長】 メイクの仕事と保険の仕事をしている。個人事業主。2ヶ月に1回は首になっていた。履歴書はうそを書いていた。企業が欲しがるような内容を書いていた。データ打ちから始まるが、データ打ちが一番苦手だったため、毎日間違っていた。上司との人間関係がどんどん悪くなっていた。 東芝で働いていた時は、なるべく写す仕事を避けていた。その後、就職活動をしたが、2ヶ月見つからず、今の保険の会社が見つかり、今に至る。今の仕事はパソコンを使うことが少なく、接客が多いため、今までの仕事よりは合っていると思っている。今まで言ったことは無かったが、初めて自分がディスレクシアだということを伝えた。しかし、会社のかたがたは、自分の間違えを障害のせいとしていると受け取られる。言い訳にすぎないと思われている。皆、それぞれ間違いはあるといわれてしまった。一番はメイクの仕事をしたい。しかし、なかなか食べてはいけないので、英語の仕事もし

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Chapter 11. 資料集

ていきたい。 一日の報告書を手書きで書かなければならない。しかし、枠からはみ出していると怒られたり、赤で直されたりする。今は香港にて、英語で渋谷のギャルメイクをレクチャーすることもしているので、こういったことを仕事にしていきたいが、個人でビジネスをしていくことは苦手なのでできない。履歴書を書くときは、順番を間違ってしまう。(時系列で書いていくため、分からなくなる。)

【深川】現在は手帳を持っている。書くことがとても苦手。エントリーはネットできるが、履歴書を送ってくださいと連絡が来た時に、時間がかかってしまうので、期日までに間に合わなかったことが何度もあった。手帳を取るまではなかなか仕事が決まらなかったが、手帳を取得してから、3ヶ月で決まった。 数字入力は時間がかかることを前提としてやらせてもらっている。また、間違って入力すると赤字ででることになっているから分かりやすい。報告書は字数が少なく、写真が多いようにして言いといわれているため、作成自体は大変だが、配慮はして頂いていると思う。

【柴田】 履歴書を書く際、字をとばして書いてしまう。7と9も分からなくなる。自分の出身校も間違って書いてしまう。履歴書を書くときは鉛筆で書いて、なぞるようにしている。筆記試験はいつも落ちてしまう。筆記試験が無かった予備校には受かったのでそこで働いていた。集団での移動等も苦手。カバンの中から、お金を出したり、切符を出したりということにとても時間がかかる。今の職場は

(EDGE)は完全にオープンなためとても仕事がしやすい。【木村】 履歴書は手書きでなくても、PCでも今は大丈夫。しかし、新卒の場合は手書きのほうが言い→気持ちが込めてあると思ってもらえる。履歴書はひとつのツールでしかない。自分がディスレクシアだということを言って、パソコンで書いたことを伝えることも一つの策。又、事務職で受ける場合は、むしろ、パソコンきれいに作成すれば、パソコンが使えるということの証明にもなる。 現在の教育では、中学で特別なニーズを要するお子さんに関して、高校に申し送りをすることになっている。高校から大学へも同様。しかし、大学から企業へはまだシステムができていない。WAIS(WISCの大人バージョン)を取れば、どんなところに困難さがあるのかを証明できる。 企業はハーローワーク雇用にすると、100万くらいは入る。障害者の方々は社長が一番あっているのではないか→ADHDの方はフットワークも軽いため合っているのではないか。自分の好きな分野に進んでいってもらいたい。

【深川】始めは1ヶ月の雇用。過ぎた時点で、1年間の雇用にしてくれた。

【木村】手帳は重要。特に大きな企業は法律をとても気にする。企業自体が障害者枠を設けているため、雇わなければならない。発達障害支援法で認められている、学習障害等のかたがたが手帳を取れば、企業にも就職しやすくなるのではないだろうか。

【藤堂】手帳がある人が、二人で一人分とカウントされることがあるのでは?

【木村】精神の手帳を持っている人は、長時間働けない人もいる。その場

合、0.5人分とカウントされることがあるが、そうではない人は1人分としてカウントしてもらえる。

【木村】砂長さんならではの強みは履歴書にどのように書いているのか。

【砂長】人との関わり合いは得意とは書くが、なかなか無い。

【榎本】美んちゃんは売り上げがいいと聞いているが、それはとても強みではないだろうか。

【藤堂】とてもタイミングがいい。それもとてもいい天性。

【木村】それはとても大切なこと。大事にして欲しい。

【砂長】上司はとてもいやみを言ってくる。字が汚いのに、どうして他の事は速いのかと言ってくる。

【木村】色々なことにチャレンジしてみて、自分に合ったことがわかってくる。

【砂長】しかし、それは日本の企業ではできない事。どうにかして、悪いところを直させようとする。

【柴田】学校もそう。どうにかして、平均に持っていかせようとする。

【砂長】コーチングなどを受けて考え方を変えてきた。落ち込んでいたら進んでいかない。自分はこういう性格のため、まだまだ良い例だと思う。

【木村】当たって砕けろと言うほうはとても簡単なこと。でも失敗経験を重ねることも大切なこと。

【砂長】チラシを配るなりして、ひとりでも多くの方々に理解してもらいたい。一人の先駆者として、広げていかなければ、苦労する人が減っていかない。

【木村】中小企業でも障害者雇用をしているところが多い。小さい企業は上の考え方次第。

【深川】前に働いてた企業では、SPIの点数が今までに無いくらい悪い点数といわれた。しかし、社長がとても変わった考え方の方が雇うといってくれたが、副社長が要らないといい、社長と副社長が言い合いになったほど。

【木村】精神障害の方々の雇用は増えている。NPO等が就職支援をしている。入った後も、アフターケアをしている。

【藤堂】村松くんが以前仕事をしていた企業は藤堂が一緒に企業に理解を求めに言った。働いている中で、2つ問題があった。   1つ目・自分の机でご飯を炊いてしまう。       →お金が無いため、自分のご飯がいいため。       →給湯室でならいいとなった。   2つ目・ソファベットを会社に持ち込んでいた。会社の中で、インテリアのコーディネートもしていたため、会社の中で困っていた。

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資料集 ~議事録~

       →上司も昼寝をしているというと、OKになった。

企業に理解してもらうために、EDGEでケアしていこうとしている。現在は有名な方々がカミングアウトしているため、理解もしされやすくなっているのではないか。美んちゃんの会社にも藤堂が行って話すこともできる。

事務局 藤堂 栄子    榎本 達彦    藪  巧一撮影  谷光  章記録  木村 綾子

第4回WS

WAM就労に必要な資質とは

所沢市教育委員会阿部利彦先生所沢市教育委員会健やか輝き支援室心理士埼玉県特別支援教育委員会副委員長

“ハートをつなごう”“いいところ応援計画”北海道や沖縄でも講演出演 サラッとツール、ふわっとサポート

ジョブコーチ 就労を支援する仕事ジョブ高知の具体的支援 職業センターにてSST等を行うが役に立たない中に入ってからが一番大変(現場でのこと)

自己紹介タイム 好きな食べ物、理由 etc.・・・【砂長】仕事を変えたくないのに変えなくてはならない現状 → 継続できるようにしたい

【○○】人と話をする力をつけていきたい (変えたいところ)

【前川】我慢できる(良いところ)自分を抑えてしまうところ

【藤堂】ジャック・ニコルソン お奨めの映画「カッコーの巣の上で」何を、どこを変えたら世の中は変わっていくのかヴィジョンを持って、色々なところにチャレンジ出来る(良いところ)勘違いが多いイメージやヴィジョンはたくさんあるが、人に伝えていくことが苦手

こんなサポートで助かったことこれまでの就労経験の中で助かった、嬉しかったサポート阿部先生の経験 事前働いたところで男性の先輩に嫌がらせをされた<eg>心理をしていた先輩のために、その都度行動を分析してきた                ↓    女性の先輩が「止めなさいよ」と言ってくれた

付箋に書く → ペアで話し合う → みんなで話し合う       (代表者を決めて)

【○○・柴田ペア】できること、できないことを伝えていく人間関係をうまくやっていくこと ; お客様からのサポートで商品を買っていただいたナチュラルサポート←これにつなげるような声かけをしてほしい苦手なことは、サポートしてくれる人がいて欲しい数字に関することもサポートして欲しい

【深川・前川ペア】医者が誰にでも分かるように(自分の状態を)書いてくれた                     ↓この書面から試験の際、電子辞書を使用してもよいことにしてくれた(支援ツールの使用)藤堂さんがNETに載せていたディスレクシアの記事

【藤堂・砂長ペア】ハローワークの方々がサポートしてくれた

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資料集 ~議事録~

・過集中のとき声をかけてくれた ・失敗して落ち込みそうなとき、声かけをしてくれた(大丈夫?など)失敗 橋本龍太郎 言い忘れがあった時何も言わずに、次に話す時、組み込んでくれた困った時に必要なサポート 違う色の付箋に書く  ← あったらいいなというサポート・箇条書き・時間のサポート色々なことがあるが、まずは理解してもらうことが一番のサポート

【阿部先生】理解してもらうためにはどういう事をすればいいのか?

【砂長】新聞の(ディスレクシアの記事などの)切り抜き、冊子などを渡す

【深川・前川ペア】・試験時間の延長・会議の議事録を(書けないので)代わりに書いてくれる人・マニュアルを読めないのに、新しいマニュアルを読ませられる・回覧板を読むのが遅いので、回覧を最後にして欲しい・電話対応が苦手・病院探し【○○・柴田ペア】  ・銀行、郵便局が苦手→分かりやすい書式にして欲しい・就労のサポートケア・疲れやすいので昼寝の時間が欲しい・大きなプロジェクトの場合、チェックする人を決めて欲しい・電話で住所を聞くのが苦手リフレーミング 言葉を言い換えて表現する<eg>ADHD 落ち着きがない→活動的相手を誉める 見方を変えて相手の良いところを見つける           ↓こころのストライクゾーンをみつける         嬉しかった→         恥ずかしかった→自信ができた→自分も他人の良いところを見つけられた

<振り返り>【前川】少しでも広がっていけばいい

【深川】各自でどんな工夫をしているかをあげる時間があれば良かった

【○○】学生時代は分からない事が分からなかった;どこでつまずいているか言って欲しかったすべて説明しなくても良い、教えられ過ぎると逆に分からなくなる苦手なところだけポイントで言って欲しい

【柴田】自信をつけること;自分自身が自信を持てるようなことを見つけていきたい。学校では失敗への批判が多かった

【砂長】大人は周りの人に頼ってばかりいられない自分で自分を守ることを自然に身につけてしまっている→サバイバルスキル、失敗をどう活かすか

【藤堂】電卓が使えたらだいぶ違う 仕事をするのはどういう事なのかを教育の現場で伝えて欲しい学校で受けた支援は仕事の現場では活かしていける「就職で嫌われる10か条」(ハローワーク)に「メモが取れない」があった、まさにメモが取れないことが困り感なのに。

以上

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第5回WS平成21年11月22日参加当事者今野さん砂長さん深川さん柴田さん村松さんコーディネーター 榎本さん

※ 就労において必要なこと※ 自分たちに必要なこと

各当事者の方々から自己紹介Q・現在どのような仕事に就いていますか?玉田・・・トイレ周りの商品の営業砂長・・・生命保険の営業・料理教室の先生深川・・・食品会社に勤務 生のハーブを取り扱う柴田・・・EDGEの事務局村松・・・障害者の福祉施設 支援員

【今野】面接の予約をして就職試験を受ける

【砂長】貿易の仕事をしていた。経済危機で転職する。保険営業をしている方から声をかけられる。お母様母が元々保険の会社で働いていた。就職試験でディスレクシアのだということを打ち明ける。会社は戸惑いもあったが、お母様母が保険会社で成功していたため、DNAが有るかも知れないということから、雇ってもらう。今までは、カミングアウトしたことは無かった。むしろ、隠していた。以前外資系の社長秘書をしてたことはあるが、北海道行きの切符を間違って沖縄で購入してしまったりということもあったため、首になる。

【深川さん】一時鬱になったこともあり、手帳を取得。書くことがとても困難→履歴書を書くこと 期限に間に合わない。現在の仕事は障害者枠で就職活動→履歴書をPCで作成。障害者専用の就職セミナーに参加。新人・中途採用が合同で説明会を行ってくれる。専用でない説明会では新人・中途別途行う。自分はどちらにも属さないため、混乱した。

【柴田】今まで沢山のリストラにあう。パートで働いていた。あるNPOでボランティアをしていて、同じ建物にあったNPOがEDGEであった。自分のやりたいことと非常にあっていたため、自分から藤堂さんのところへ挨拶に行く。当時はボランティアとして協力。教育に関する教材会社で働く→他にも就職活動をしていたが、試験で落とされていた。試験といってもペーパーテスト。NPOで働くということ→以前某大学の就職担当の方が来室して、給与の面等を聞いていったが、「学生に勧められない」といわれた。→NPOで働くと言うことはそれなりの覚悟が必要。

【村松】履歴書を書くことがとても苦手。面接はOK。今の仕事を得たときは、履歴書を他の人に書いてもらった。面接にも着物で行く→就職先の方々は着物でも受け入れてくれた。障害福祉の施設だったため、履歴書に識字障害があるということが書いた。EDGEでの活動のことも書いた。→面接で「引継ぎの時に文字を使用するが、大丈

資料集 ~議事録~

夫か」と聞かれた。「やってみないとわからない」と答える。難しいものに関しては同僚に聞いている。履歴書を書く上で、何年に入学したかなど数字が伴うことはとても困難。

【IBM・飯塚】履歴書は書くことが決まっているが、本当は違うことを書きたいなと思うことは無いか。

【砂長】日本の履歴書というのは自我が強いと思われがちではないか。3つ以上の話があるととても混乱する。面接ではシンプルな内容の質問しか来ないため、乗り越えられてきた。

【村松】以前の会社は作品選考だった。

【榎本】以前性格診断テストをやりたくないと言ったことがあったが、どうしてだったのか。

【砂長】自分を作り上げてしまう。何度も同じことをしても、企業に気に入ってもらおうという自分を作り上げてきた。

【木村】今の仕事を選んだ理由と自分はどんな仕事をしていきたいか。

【村松】EDGEで当事者として話している中で、福祉のほうへ興味を持ち始めた。文字の無い時代に行きたい。

【柴田】自分を飾らなくていいため、藤堂さん初め、気を遣わなくていい。台本を書く書くことが好き。インターネットラジオの台本を書きたかった。そう思っていたときに、そういう仕事が来たため、天職だと思っている。

【深川】元々植物が好き。金銭面を気にしなくてもよければ、園芸店をやりたい。

【木村】園芸店を経営したいのか、働きたいのか。

【深川】お客様との関わりを持ちたい。植物を育てる上でアドバイス等もしたい。今の園芸店では接客の時間は無い。行政で行っている植物の相談業務をやりたい。今は退職した方がやっているため、生計を立てていくことは困難だが、そういった仕事もしていきたい。

【砂長】今の仕事は選択の余地もなかったため、採用してくれるところに入った。今後していきたいことは、自分は人をオーガナイズすることが上手だと思う。そういった仕事。社長などもやってみたい。

【今野】気がついたら今の仕事に就いていた。ずっと旅行をしていたい。田舎で暮らしたい。

【飯塚】理科、数学が好き。国語、社会が苦手。生物は苦手だった。記憶しなければならないことがとても多かったため。深川さん深川産はどうして生物が得意だったのか。

【深川】小さい頃は家では勉強せずに、外で遊んでばかりしていた。その中で、自然に植物を覚えていたため、学問としては困難なことは無かった。

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<ノート>

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資料集 ~議事録~

【榎本】得意科目、不得意科目は?

【村松】生物が大好きだった。小学校の時に買ってもらった亀を今でも飼っている。反対に国語が苦手。

【柴田】国語が苦手。試験はできなかったがうまくすり抜けてきてしまったこともある。そのため、履歴書を見ては企業の人は期待をしてしまう。図形も苦手。立体的にものを見ることが苦手。社会はできた。

【砂長】勉強は好きだった。小さい頃に親に頼んで、2つの塾に通っていた。しかし、高校試験には対応できなかったため、偏差値のとても低い高校に入った。勉強は好きなため、試験で時間延長をしてもらいたい。時間さえあれば大丈夫。

【今野】社会が好きだった。国語は手も足もでないことがあった。数学の図形問題も、形を捉えられなかった。

【深川】具体的にイメージできるものであれば大丈夫。だから図形の問題も好きだった。学生の時は現代文もできなかったが、社会に出るようになって、もう一度受験勉強するようになり、現代文を勉強したら、得意になっていた。→イメージできるようになっていたためだと思う。

【榎本】柴田さんは小説をよく書いているが、ディスレクシアなのにどうしてかけるのか。

【柴田】小説を書くときは特に考えていない。自然に出てくる。インターネットラジオの台本も会話をイメージして、こう話したら、こう返答があるだろうとイメージしていると書ける。

【飯塚】企業側にして欲しいこと、こういて欲しいということがあるか。知ってて欲しいこと。

【柴田】はっきりと言って欲しい。こういう人材を欲しいを具体的に言って欲しい。社会に相応しい人と言っても抽象的すぎて分からない。

【村松】以前の会社では、長時間座ってする仕事だったため、畳をしいて床で作業をしていた。最初は会社の方々には変な目で見られていたが、周りも対応してくれるようになった。

【榎本】その分野に関してのスペシャリストというのも雇って欲しい。一つのことがとても得意だということであれば、その分野での採用枠をいうことも作ってほしい。

社労務士・照山さん・・・保険証はどうなっているのか。(みんなすぐにはわからない。調べて、または人に見てもらってわかる。)玉田さん・国民健康保険砂長さん・社会保険深川さん・社会保険柴田さん・国民健康保険村松さん・社会保険

【藤堂】免許をへ持っているか。取得するまでにどのくらいの時間がかかったか。

【今野】合宿で取得。裏講習のようなものがあり、試験問題も知ることができたため、その講習を受けて取得できた。

【砂長】2年かけて取得。2回教習所に支払う。200万くらい支払う。左右が分からない。東西南北も苦手。講習の授業を受けていたが、期限切れをしてしまったため、長期間かかった。

【深川】教官がとても怖く、トラウマになってしまった。期限切れになってしまったため、次の教習所では教官を選べたため、優しい女性にしてくだいと頼み、受かった。

【柴田】以前の仕事で取得しなければならなかったため、教習を受ける。昔はマニュアルしかなかったため、とても困難だった。協調性運動障害だったためなので、前を見ながら左手でギアチェンジをしなければならないということがとても難しかった。教官からの一言で今でも傷になっているのが、「お前、生まれたときは正常だったか」ということである。

【榎本】夏の合宿でTOEICの試験で時間延長の話になった。

【砂長】アメリカでは時間延長しているため、日本でもして欲しいと協会に問い合わせる。一回目は×。二回目はアメリカの制度を調べてOKとしてくれた。1.5倍~2倍の時間延長可。(会場の関係により、1.5倍まではできる。)しかし、証明書が必要。

【藤堂】日本では成人の方々の証明書は取得できない。東京大学の先端研ではデジタルペンを使用して調査。書字障害の方々は時間を要するということを証明している。

【渡辺】みなさんはとても明るくてお話が面白い。自分がだれにも負けないもの。自分の強みを教えて欲しい。

【村松】人を褒めることが得意。よって人間関係がとれやすい。

【渡辺】コミュニケーションが得意なんですね?

【村松】以前はとても苦手だった。DVDを観て会話を覚えた。

【柴田】生き方がとても上手。痛い思いは沢山してきていると思うが、生き方が上手。少しずついい方向へ考えるようになってきた。

【渡辺】考えるというよりも、閃くというのは研究開発に活かせるのではないか。

【柴田】今はそれを活かせていると思う。

【深川】発想力の豊かな人が多い。

<ノート>

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資料集 ~議事録~

【砂長】小さい頃から、面白いねといわれてきたが、自分は面白いことをしようと思ってしているわけではなかった。でも今は自分には面白いところが沢山あると良く捉えられるようになってきている。鉛筆の持ち方も、ハサミの持ち方も細かいことができない→悪いところをなおすのでは無くて、いいところを伸ばす教育をして欲しかった。今もいいところを伸ばす仕事をしていきたい。

【玉田】この先どうなるかなと思うこともあったが、ここに来ると大丈夫!と思えるようになってきた。自分はとてもゆっくり話すので、内線で聞き取ってもらえる。気配を消すのも得意。仕事で新しい場所に行っても、警戒心を与えることが無い。自然体で入ることができる。

【渡辺】社会に出ている人たちはディスレクシアであるということは明かしていないのか。募ってこういった場を増やしていくことがいいと思う。

【砂長】自分はここに出てこられるだけでとても幸せなこと。周りには打ち明けられずに、大変な思いをしている人は沢山居る。自分達は明るく育ったが、今、ディスレクシアで大変な思いをしている子ども達が将来明るく働いていけるように、学校教育で対応してほしい。

WAM 第6回WS平成22年1月31日

講師 社会保険労務士 照山 惠子さん・行武 久美子さん

①国民健康保険前年度の住民税によって、全額自分が支払っていく

②・③協会健保・組合健保半分は会社が負担し、残りの半分を自分で支払っていく。

商業手当金例・病気になって1年間働けなくなった。→協会健保・組合健保はお給料の3分の2は出るが、国民健康保険の場合は出ない。

①→例として月20万円のお給料の場合、約1万5千円の負担。②・③→同じように月20万円のお給料の場合、約1万5千円の負担だが、その1万5千円でもその中に厚生年金、国民年金が含まれているため、安定している。

※年金で重要なこと何か病気になってしまった時、②協会健保・③組合健保に入っている間に初診を受けていることが大切。もし、どちらかに入っていて、初診を受けていた場合、その後国民年金に移ったとしても年金が下りる。

年金を写したい場合、年金手帳を持って区役所、又は市役所に行って手続きをする。

※会社を辞めるとき辞職(自己都合退職)する場合と解雇(会社都合退職)では待遇が違ってくる。辞職の場合は3ヶ月間所得がストップするので、会社の都合で辞める事にこじつけて欲しい。※自分は辞めるつもりは無かった。※会社の総務課の方に言っていただく。→会社都合退職

教育訓練給付・・・雇用保険に入っていて、資格学校などの勉強をしたい場合所得を継続できる制度

育児給付・・・出産、育児のために休む場合でも、所得を継続できる制度介護給付・・・家族の介護のために休職しなければならない場合、所得を継続できる制度

ハローワークに行った場合、会社から挙がってくる書類→自己都合退職しかし、自分で記入する書類もあるので、それには会社都合退職と書くこと。自分で判断はせずに、自分はやめたくなかった。しかし辞めなければ無かった。ということをハローワーク側へ話して欲しい。

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<ノート>

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資料集 ~議事録~

※企業側がとても怖がっていること→ユニオン

※就労する時点で、協会健保・組合健保に加入されているか確認することが大切。入社する時点で、どういった保険に加入しえいるかどうか、必ずマニュアルを頂くこと。

試用期間→法律上は2週間企業の中には試用期間中は(2週間以上の試用期間の場合)社会保険料は支払わないことがあるが、これは違法になる。

※ボイスレコーダーに録っておくことも大切なこと

付加年金国民健康保険の方の場合、月400円で入れる付加年金があるため、これに加入したほうが良い。

ディスレクシアの方は障害年金は出るのか→手帳の有無なので、手帳がなければ出ない。

《例・海外で仕事をしていた場合》海外にいた1年間は国民年金を支払っていない。帰国して2ヶ月も支払っていない。この期間にもしも障害者になってしまった場合は、障害者年金は支払われない。→早く加入することが大切

精神で障害者手帳を取得した場合、生命保険に加入しにくい→鬱になりやすいと勝手に判断されているため。

厚生年金はご夫婦のどちらかが早く他界されても下りるが、国民年金の場合は、奥様が早くに他界された場合、年金は下りない。条件として、旦那様が早くに他界され、尚且つ、お子さんが18歳以下の場合。

<休憩>

日本IBM人事部 人事 ダイバーシティ  奥川佳代子さん

日本IBMの概要 

Smarter Planet - 今のIBMのコーポレートビジョン。世の中を効率よくするだけではなくて、地球のためになることをやっていこう。

ダイバーシティはIBMの重要な人事施策のひとつ。人材の多様性による様々な価値観はIBMの競争力の原点。

2009年日本IBMから全盲の日本人女性研究員がIBMテクニカルエンジニア最高峰のフェローに任命。NHKの「プロフェッショナル」などで話題に。障害者と一緒に働くということはIBMにとっては当たり前。

2005年から5年連続で法定雇用率を達成。今は1.81%。年齢構成としては40代が最多。車椅子などの方が多い。知的障害、技術セン

ター(パソコンを解体する工場)などに勤務。ただ、現在、解体とか事務職などIBMのコアの仕事とは思われないものについては事業分割して他社に委託し、スリム化している。技術センターもなくなった。41%の人がITサービスを提供する部門にいる。

障害者雇用促進ポリシー・積極的な採用:雇用機会は均等にもうけ、すべての人材を平等に評価。「障害者雇用枠」はありません。・就労環境のバリアフリー推進:障害のバリアは会社がその解決を支援。「障害者(PwD)カウンセル」活動・BAATなど。・IT支援ツールの研究開発と提供:ホームページリーダー・読み上げソフト(JAWS)・Easy Web Browsingの開発など。

IBMの採用方針・社員はスペシャリスト集団・求める人材像は自らを高め、大きく成長しようという意思のある方・キャリア採用は即戦力となるスキル・経験があること

障害のある方々に求めるもの・自立していること(他の人の助けを基本的に必要としないこと)・チャレンジする気持ちをもちつづけることができる・他人に誇れる得意分野を持つこと(他人に迷惑をかけてしまって申し訳ないという気持ちを持ってしまうのであれば、こういった分野をもってそれで補完するのだという意識で働いてほしい)

いまIBMではプロジェクト単位で動く仕事がほとんど。プロジェクトをクライアントから請けて、そのためにいろいろな人材を集めて動かしていく。営業系、コンサルタント系、ITエンジニア系。

新卒採用でも障害者採用枠というのは無いので、通常のプロセスでエントリーシートを書いてグループワーク、個人面接を経て内定に至る。このプロセスにあたって、障害が問題になるのであればそこは個別に対応。(例えばグループワークが困難であればそこを個別の面接で対応するなど)。

社内Diversity委員会には5つの委員会がある。Women(1998), Work/Life(2008), People with disabilities (1998), GLBT(2004), Multiculture。この中の3つ目が、障害のあるひとの委員会。常務執行役員がリーダー。四半期に1回の定例ミーティング。活動としては、社内への障害者の状況・重要性の周知確認、障害のある社員の職場環境に関するニーズの把握、障害のある学生への就職支援。今後はさらに障害者の継続的雇用、Smarter IBMを象徴するような社内の仕組みの実践。

どういった支援があるのか。勤務形態としてはホームオフィス制度、在宅制度、フレックスなどがある。マニュアルの整備も行っている。産業医による個別フォローもあり、就労上の相談。ハード面については、助成金の申請を行っていて、環境整備をすすめている。バリアフリー化をすすめている。

障害の種類別の支援。視覚障害:ラージスクリーン、読み上げソフトの貸与など。

<ノート>

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資料集 ~議事録~

BAAT (Building accommodation assessment team)

リフレッシュルーム(社内マッサージ)もある。社員のリフレッシュということもあり、障害のあるヘルスキーパー(HK)を雇用することによって障害者雇用率をあげる。今は14名のヘルスキーパーがいる。

障害のある社員の声「人並みの仕事を経験してみたかった」などで入社した人もいる。優遇されることもない。公平に平等に障害を持った人も仕事をしていける環境がそろっている。

講演は以上。以下Q&A。

渡辺:マニュアルは他社に出せるのであればコピーさせてほしい。IBM:コミュニケーションガイドなどはお出しすることはできます。

藤堂:学校で、読み書きができないとろくな仕事がない、って言われたりするけれど、みんながプロフェッショナルという考え方がそういうところに下りていけばいいかなと思う。得意なところを伸ばしていけばいいんだと。

びんちゃん:シスコシステムズにつとめていて、出張のチケットを目的地を間違えてかってしまったりしてすごく怒られたり。本当は自分の特性を活かして、適材適所な仕事につきたい。そういうものを見抜いて、ほめて、使っていただければ、協力して貢献していいものができるような世の中になるのではないかと思う。紙のテストですべてを判断して足きりをしないでほしい。会社は最初は簡単な仕事をさせる。データ入力とか。それが自分にとって一番大変な仕事なので、そこでくじけてしまう。人前で話しているほうが楽なのに。だれにでもできるようなことができないといわれていじめられる。

IBM:ダイバーシティが当たり前ですよ、と口をすっぱくしていってきた。こういった多様性を大事にしている会社です、ということを社員教育として言ってきている。

柴田:三大障害に関してはすばらしく対応されているのはわかるが、いわゆる発達障害という範疇に入るような社員が実際にいらして、もし活躍しているような例があればお話していただきたい。

IBM:知的障害の人は去年まではいたのだけれども、さっき話したように、コアな仕事ではないということできられた。IBMのコアな仕事ではないので別会社に業務移管された。

藤堂:法定雇用率じゃなくていい。ダイバーシティという考え方の中で。GLBTのような位置づけで。

深川:「自立していること」というものの「自立」とはどういう意味か。

IBM:障害があるからなんとかしてもらえるだろう、と思っている人が多い。そうじゃなくて、あるけれども、自分はそれを自分でなんとかするんだと考えてもらいたい。それは大学とか高校までの教育によるものかもしれないけれど、自分でなんとかすると考えてほし

い。第一に考えてほしい。

藤堂:精神障害の場合は、時短勤務でないと働けない場合があるので、半分の時間であっても一人とカウントする、ということがある。それを発達障害者で自閉系やADHDの人は二人で一人の法定雇用率にカウントできると拡大解釈することもできる。

柴田:得意分野を作るというのは、どういうふうに作って、それをどういうふうにいかしているんでしょうか。

IBM:英語とかITとか、どういったものでもいい。ウェブ制作、テストとか。

深川:「自立していること」というのは、IBMに限らず、就職活動をしているといろいろなところで求められていると感じる。

IBM:日本の会社では、特例子会社を作っているところが多い。そこの中の仕事に限られてしまう。その場合は仕事が限られてしまうことが多い

渡辺:特例子会社は本社とは社長も違い、完全に隔離してしまっている。それはちょっと違うんじゃないかと思う。中野区と組んで、中野区の障害者を雇用しようとしている。職業訓練をやっている。今年から実際の企業に採用してもらおうとしていて、二人採用された。

配慮があるところで働きたいというタイプの人もいて、そういう意味では特例子会社という選択肢があるのも良いことではないか。

藤堂(高直):イギリスではディスレクシアであるということは日本でいう血液型みたいな感じで、それを個性として受け止めてくれる土壌がある。困ったときにはいろいろな人が手伝ってくれる。

IBM:自分の仕事の状況をまわりに話してもらって、話した上で一番いい仕事にアサインしていくという方向。

IBM:採用試験は差しさわりがある場合には別にやることもあるけれども、基本的には一緒。応募のときにどういう支援をしてもらえればできるのかっていうのを言ってもらい、それに応じて支援をしていく。

村松:もう今の仕事にうつって1年ぐらい。前の職場を会社都合でやめ、その後人の助けを得て新しい仕事を探し、面接でアピールして受かった。自分で手続きしなくても、会社で手続きしてもらって協会健保にはいっている。最近は職場の日中活動で陶芸班のリーダーなどをやって幅が広がっている。

藤堂:チェックリストがあるといい。仕事をはじめる際に、「これはチェックしましたか」みたいなリストがあって、それで段階的に自分がやりたい仕事にうまくめぐり合えて、上手に入っていき、やめるときにも悲しい思いをしなくて済むように。

今野:総務省の外郭団体で、役所をIT化するようなプロジェクトにかかわっていたことがあって、IBMがそのチームの中にいて、障害

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<ノート>

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資料集 ~議事録~

者に力を入れていることがとてもよくわかった。

深川:良いと思ったことが二つあって、ひとつは産業医と相談ができるということ。ふたつめは、日本社会全体が障害の話をしにくい環境やまわりの空気があって、そういう理解があるというのが良いと思った。発達障害やディスレクシアに限ったことではなくて何の障害でもそうだけれども、そういうものがあるということがとても良いとおもう。聴覚障害の人で、普通に話しているぶんには問題ないけれども、電話だと補聴器がハウリングしてしまって聞こえないのに、それを周りにいえないとかいったことがある。発達障害も電話しながらメモをとったりすることが苦手。そういうことを普通に話せるのがとても良い。

柴田:社会保険に関する知識というのは、社員にどの程度説明しているのか。

IBM:IBMの人事は何百人もいて、自分は退職していく人たちのケアというのは担当したことがないので実態はわからない。ただ、ご説明はしているはずだし、障害のある人についてはご自分で「1回言われてもわからないからもっとちゃんと説明してほしい」などのように要請してもらえればやっている。なんでも言うというのがIBMの風土なので、それでうるさいなどとは思われない。

柴田:今日の話を全体的に聞いてみて、制度というのはとても難しいので、痛い目にあわないように何度も話を聞きたい。

藤堂:本人が自分を理解していなくて、怒りになってしまう人がいっぱいいる。「そんな説明は受けたことがない!」などといって。会社のほうはもう言ったとか渡してあるとかいうけれども。そのへんをどうしていくのか。

3月28日に発表会があります。詳細はメールにて連絡。

WAM 第7回 WS2010年3月28日 於個別支援室WAM報告会

【藤堂】EDGE(Extraordinary Dyslexic Gifted Eclectic)は、「がけっぷちの」「先端の」という意味がある。ディスレクシアの人が置かれている状況を表している。EDGEはディスレクシアに関する啓発・サポート・関連団体とのネットワークを目的としている。ディスレクシアの人は…・知的は問題がない・読み書きに困難さがある・空間認知、創造性、想像力、社会性が強い・人口の約10%はいる・適切な支援、理解、配慮で充分に社会で活躍できる・建築家、作家、運動選手、起業家、俳優等

EDGEの支援は・キッズ&ティーンズクラブ―子供たち一人一人にあった形を模索しながら、対応している・デイキャンプ―読み書き以外の表現力を育てる目的で、ボディパーカッションなど。・DX会―大人のディスレクシアの人たちの会。・相談・港区との協働―LSAを234名育成して、公立学校に入ってもらっている。

ディスレクシアのメカニズム音と記号が結びつかない。Phonological awarenessが大変である。あるいは記号と意味が結びつかない。これは日本語の漢字はすごく楽。もうひとつ、音と記号を結びつける。この上で記憶に問題があることがあるため、せっかく教えてもらった意味だとか記号だとかが抜けてしまってとどまらない、ということですごく大変さが生まれる。

現在の状況・発達障害者支援法・特別支援教育(いまは幼稚園から大学まで、ひとりひとりのニーズに合わせた合理的な配慮をしなければならないということになってはいるが、罰則規定がない。都道府県の教育委員会までは降りていくが、そこでフィルターがかかってしまう。そのあと各市町村におりていったときにそこでまたフィルター。それぞれの学校に何ができるか、それぞれの担任に何ができるかということになると、特別な配慮はできないといわれることもある。それでも小中学校は進んできている。大学入試でも来年から読み上げてもらうことが可能になる。なので進んではいるけれども、まだまだ。アメリカではハーバードの学生の10%、イギリスでも8%程度に学習のそういった難しさがあるとされているが、日本はまだまだ遅れている。

就労における困り感としては、・本人が自分がディスレクシアだと知らないということがある。ほかの人と違うけれど何なんだろうと思いながら育ってきて、不全感だけを持っている。・傍目から見てもわからない。・自分の適性がわからない。

<ノート>

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資料集 ~議事録~

・小さいころがダメだといわれ続けて自信を失っている人もたくさんいる。・保護者の希望と自分の希望が合わないということがある。親はできるだけ安定して親がいなくなっても生きていけるような仕事についてほしいと思うけれど、子供はもっと冒険をしたい、というようなところで希望が合わないということがある・教育と就労に必要な要件に隔たりがある。自閉系の人などは勉強はできて、ドクターをとっている人もいたりするけれども、それがなかなか仕事に結びつかないということがある。大学の中で、会社に入って何をしなければいけないのかを教えてくれる部門がない。海外ではギャップイヤーというものがあって、1年ぐらい自分で旅行をしたりする。それを勲章のごとく自分の履歴にかける。生きていくための力をこういうふうにつけました、ということを評価してもらえる。日本の会社も社会もそれがないんじゃないか。高校を卒業して浪人しないで入れることのほうが大事。日本のシステムの問題としてここに隔たりがあることがディスレクシアの問題としても辛い。・資格がとれないということがある。免許をとることが困難であったり。これは、文科省に伝えたら、筆記試験を口頭試問に変えてもらうこともできるようになった。・自己の表現方法が身についていない。・ディスレクシアであることを隠さなければならなくなる。隠すのはつらいこと。・社会の問題・支援体制が整わない・成人にディスレクシアの診断ができるところがほとんどない。・障害者枠での就労が困難・企業の無理解。手書きの履歴書でなければならない・企業の期待と本人ができることのミスマッチ

ワークショップの組み立て・自分を知る1,2・自分のことを伝える・どんな仕事が合うのか・表現する・企業の話・社会の仕組みこれらを7回のワークショップで行ってきた。当事者5人の若者に手伝ってもらったが、全員それぞれ違っていて、それが面白かった。どうやって困っていることを克服するのか、ということについてのそれぞれの知恵をいっぱい出してもらった。講師のかたたちもいろいろな視点をつぎ込んでくださって、単に上から目線で「こういう支援をしてあげればよいんでしょ」、というのではなく、本人たちがこういうふうにしてほしいんだ、ということができてきた1年間だったと思う。

【榎本】明星大学で教えていて、そこで学生たちが抱えている問題と、ここで抱えている問題はすごく近いというふうに、EDGEに関わるようになって感じてきた。今回のプロジェクトは、研究するようなものではなくて、対話の中で作ってきたもので、とても面白かった。第1回のワークショップは去年の6月頃。そのときは私が講師をして、自分発見の1をやった。素の自分を知るというような観点。2回目は7月に黎明高校の教頭先生が講師で行った。心理的なゲームや、アセスメントなど。3回目と4回目は8月の29日30日で行った黒姫

合宿中。3回目はジョイコンサルティングの木村さんによる、履歴書を書くワークショップでは、いろいろな工夫がなされた。4回目は所沢市役所教育委員会のあべさんから、制度的なものも含めてお話をいただいた。マイナスをプラスにするような表現の大事さを学んだ。第5回目のワークショップは、5人の当事者に自分たちのこれまでの就職活動の体験を語ってもらうというシンポジウム。第6回目はIBMの人事の奥川さんから、企業がどういうふうに人を採用していくかということを知るきっかけになった。第7回は社会保険労務士の行武さん、照山さんから健康保険などの制度の話。今回のガイドブックの次の段階として、就労したあとのことを考えていきたいという具体的な目標が出てきている。ガイドブックのつくりについては、私が内容を書き、藤堂くんがデザインを行っている。第1章ができあがっているものをお配りしているが、こんなふうに、中に実際に書き込めるように、そしてメモをとる部分を設けて作成している。60ページ程度の冊子になる予定で、4月末に完成予定。

【藤堂】ガイドブックの表紙にはに迷路がある。迷い道、ディスレクシアの人だけでなく、今は若い人みんなそうなのだろうと思う。ただし、オレンジの部分をたどっていけばゴールに辿りつける、そういうデザインにしてある。

<休憩>

ディスカッション【今野】レンタルの商品の営業の仕事をしている。6年ぐらいやっている。時代がら、かなり厳しいので門前払いをくらうことも多いけれど、なんとか首にならずにやっている。

【村松】障害福祉の支援員として働いていて1年ぐらいやっている。イラストが得意で描いたりしている。

【柴田】EDGEの事務局の柴田です。6年やっています。裏方でいろいろな仕事をやっています。DX会関係ではネットラジオというのをやっていて、ワークショップ6回分の当事者のインタビューを番組にして3月17日に完成しましたのでどうぞ聞いてください。アクセス1万件こえました。読み書きというより音で勝負しようと思っている。

【深川】食品関係の会社でハーブの生産に関わる仕事をしています。社会人になってから大学に入り、去年卒業してから入社してそろそろ1年になる。手帳をもっていて、障害者枠での採用で、契約社員であり、もう1年更新が決まった。

【砂長】保険の営業の仕事をしていて1年半続いています。そのおかげで土日が充実していてとても楽しい。1年前にこちらに関わるようになり、100%楽しかったのが200%楽しくなるようになった。充実してきた理由には、自分一人じゃなかった、ということに気付いたという経験があった。これからはどう人の役に立てるのかということで視点を変えて活動していきたい。

【榎本】6回のワークショップを思い出して感想を。

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<ノート>

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資料集 ~議事録~

【柴田】自分さがし、自信をつけるという二点にしぼって最初のころはやっていた。それができるようになったら今度は技術論になっていって、履歴書を書くのがみんな辛いと。私もそうで、履歴書の書き方を教わった経験もなかったので、非常に役に立った。そして自信がついたところで、みんなでこの場に集まって討論をして、就労問題というのがだんだん見えてきた。自分だけの経験で何かやるのではなくて、みんなで意見を出し合ってやっていくと、よりよい就労のガイドブックができるんじゃないかと思って今日来ている。

【深川】ちょうどこれをやるという話を聞いたころには私はまだ仕事が決まっていなくて、はじめたころには仕事が決まってはいたけれど、もうちょっと早い段階でこれがあれば良かったと思う。自分が一番印象に残っているのは、合宿のときにお互いの良いところをほめましょうということをやったこと。普段から就労に関わらずああいうことをやってもいいのではないか。

【今野】ふりかえってみるとどれもとても大事なこと。やってよかった。その中でも、自分を知るとかそういったことはためになった。それが整理できていなかったのでもがいたりしていたが、良い機会になり、自信になった。合宿で相手のことを褒めあうということをやったのとか、榎本さんのワークの他己紹介がよかった。

【村松】一回も言われた時間に来ていないのが申し訳なかった。柴田さんから連絡がいろいろ来るけれど、来てみてから今日は何の日だったということがわかって、前に出てしゃべるときだったりして焦った。そういうときに地味な格好できたりして。(笑)

【砂長】この1年で変わったのは、自分がディスレクシアだということを人に言うようになりました。まわりの反応を見てアンケートをとるように。自分が広報担当にならないと広まっていかないと思って。やっぱりまだまだ外に出ると、間違いが多いねとかいう人には実はディスレクシアなのというと、えーごめんね、障害者だったの、といわれて、時間があれば10分ぐらい御説明して。(笑)前は変ってるねとか言われて、中学や高校のときはそれがすごく嫌だったんだけれど、今は変ってなきゃいけないと思ってそれで改革をしていくのだと。自分を主張して、自分を嫌いにならずに。良い1年だったと思う。カレンダーを自分たちで作ろうというワークが一番面白かった。

【榎本】それDX会だね。笑

【砂長】まぁ全部よかったということで。笑

【榎本】就職する際のことについてコメントを。

【村松】以前はゲームの会社で働いていたけど開発部がなくなってしまって。障害にも興味があったんで、そっちのほうにいってみようかと。いま行っているところは重度の知的障害の人に関わる仕事だけれど、つながりもあるかと思って。自分の場合は探し方がわからなかったけど、EDGEの事務局の藪さんに教えてもらって、おしごとセンターに行って、ネットで求人を調べて、見つけた。履歴書を書いたりなどは自分のパートナーに頼んでやってもらった。送ったら面接があって、けっこうすんなり決まった。不安は、時間どおり迷わず

そこに行けるかということで、今でも1時間前ぐらいにはつくようにしている。

【深川】大学時代にアルバイトをしていた一部上場の会社から、当然うちに就職するんだよねと言われていたのだけれど、実は障害があって、と打ち明けたのだけれど、就職試験を書くときに電子辞書を使ってよいという以外の配慮をしてもらえなくて(時間の延長と、小論文を書くときにパソコンを使いたいということをお願いしていた)、実際に試験を受けたらごめんなさいと言われたが、そのあとアルバイトだったらいてくださいと言われ、都合がよいなと思った。条件が悪かったのでお断りして、そのあと60社以上受けたが、不眠不休で履歴書を書くので疲れて翌日の面接に間に合わなかったりとか。あと、SPIも苦手で、計算問題や四字熟語が大変。文章を読んでいたら時間に間に合わないとか。就職活動自体がうつになるような状態だった。知り合いの障害者が、そのとき同じような状況にあって、途中で手帳をとって就職が決まった。それを見て、そのとき発達障害支援センターに出入りしていたのでそこの手助けで手帳を取得した。障害者枠に切り替えて30-40社受けた。大学生のエントリーだと手書きで履歴書を書かなければならなかったけれど、障害者枠では手で書けない人がいるのも当然ということだったので、パソコンで作ってもよいということで、たくさん印刷して合同面接会で配るようなことができた。日本って、新卒で働いたことのない人をとりたがるという傾向があって、自分が新卒のところにいくと、新卒じゃないんじゃないといわれ、中途のほうにいくと、だって中途でしょといわれる。障害者枠のほうはそういったことがなくて新卒も中途も一緒だったのがよかった。ディスレクシアを知らない人は多かった。途中からディスレクシアの宣伝活動だと思って話していた。それで今の仕事に決まった。

【吉田泉】村松さんのいってたなんとかおしごとセンターというのは何ですか。

【村松】飯田橋にある就職の支援センターです。東京都の就労支援の施設。でも最終的にはネットで求人情報を調べたので。

【榎本】2回目のワークショップのアセスメントの感想を。

【今野】最初はあてにならないと思っていたが、ある程度はあたっている部分もあるのかなと思った。

【砂長】性格診断テストが義務になっている会社もあり、採用試験を受けるたびに合否に応じて「あそこに答えをこうすればよかった」などといって変えてしまう。何回もやっており、どんなふうな人間がほしいですかと逆に質問してそれに応じて答えられるようになってしまっているので、私にはあれをやってもしょうがないし、あれをやることには意味はなかったと思う。今の保険の仕事についたときもやった。責任感があって時間を守って求められるタイプ、っていう結果が返ってきて、私すごいと思った。今の会社は、自分はディスレクシアだといって、それでも入れてもらえますかと問い合わせたら、会社側は三日間ぐらいいろいろ調べたあと、お客さんの前でわーっとなることがないということがわかったので、業務上問題ないのであれば良いということだった。前職のシスコシステムズなどにいたときはIT業界で数字と係わらなければならず、社長のチケットを北海道でなくて沖縄でとってしまったりといったこともあった。そんな間違いは今は起こらなくて済むので今は良い。最終的な契

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資料集 ~議事録~

約はお客様が書くので、私が書くことはないのでセーフだと思う。来年も同じ仕事ができるかは未知数。

【柴田】就職活動のときは何をやっていいのかわからなかった。教育関係のことをやりたかったけれど、教職をとるか…。あのころは塾や予備校にいくのであれば学歴勝負だった。それをごまかす方法などを考えていたが、それ以前に筆記試験で落ちることが多かった。やればできるっていうのは嘘だというのがそこでわかった。どんなに努力してもペーパーテストは才能のある人間でないとできない。何をやりたいというんじゃなくて、とにかく入れるところを探して入ったというのが正直なところ。学校教育は無理だということもわかったし、予備校の講師もできないとわかった。何かほかにできるかと思って、いろんな学校を受けにいった。受かったところを考えてみると、はじめに面接試験があるところか、ペーパーテストのないところで誰でもいいから人がほしいというようなところだった。履歴書もかなり苦労して書いていた。字がずれているということもあったと思う。

【今野】自分は求人誌を見て見つけた。小さい会社で人が足りてなかったのかもしれない。面接にいってその場でいつから来れる、と。あまりSPIや性格診断のような大きな会社がやるようなことは全然経験がない。それまでに勤めた会社も小さいところばかりだったからそこまでなかった。入ってからのほうが大変でトラブルがあったりとか、ひととうまくいかなくなったりとか。クビになったりしたこともあるので。

【片岡】筆記の問題が大変ということだが、パソコンの画面で文字の大きさを変えられたりできたら負担はかなり減るのかどうか。

【砂長】一番良いのは読み上げだけれど、それでも負担は軽いと思う。

【深川】図形を見てどういうものがはまるのか直感で答えろというようなものは自分は受かった。SPIは今はパソコンの画面で受けることはできるけれど、パソコンが読み上げればよいかということでもない。漢字などは読み上げてしまったら答えになってしまうし。SPIというのは、リクルート社が作っているけれど、LD差別だと思う。問題を見ただけでLDの人には無理だということがわかる。

【柴田】SPIのような、問題があって五択などだったら助けになると思うけれど、そういうものではない問題もある。それはパソコンの補助があっても時間が追い付かないと思うし、問題自体を変えないとだめだと思う。

【村松】常識の問題などは前の会社のときにやった。いちいちまわりの人に

「これどうやるんですか」って聞いて良いのならパソコンでもよいと思う。

【今野】選ぶだけのものだったら筆記でもパソコンでもどちらでもよいのかなと思う。パソコンがあったほうが助けになるひとがいるのならそういうのも取り入れたほうが良いとは思うけれど。文章が長い問題があるんだったら、時間の延長とかそっちのほうがやってほしい。

【深川】自分が受けておもしろかった試験は、直感ですべて答えてください、という問題。難しい数学の問題などもあって、計算できないよう

な時間制限があって、直感でどれが正しいのかを選択問題にしているもの。左脳的なものを見ているんだと思う。逆にそういうのが不得意な人にとっては不利になるということもあるのかもしれないけれど、まじめにそのまま考えないでくださいという内容だった。レービン・マトリックス検査というのがあって、それを受けたときも100点だったけれど、感覚としてはそれに近かった。

【藤堂】レービン・マトリックス検査というのは言語を使わないテスト。ディスレクシアの人はこのテストではすごく点数が高い。でも日本では読み書きを重視したテストが多い。

【榎本】SPIは公務員試験の一般教養の仕事がベースになっている。

【深川】大学に入る前に2-3年いた会社があって、社長と知り合いになって採用されたけれど、いちおうしきたりとしてSPIを受けさせられたもののあまりに点数が低かったので人事部長と社長とが喧嘩になってしまった。それで契約社員からはじめたのだけど、SPIと実際の仕事はちょっと違うと思う。最初の段階でSPIを受けるので、そのあと面接があっても、その前に足きりされてしまう。そこの会社は最初に社長と知り合っていたのでよかった。面接試験自体は苦労しない。

【砂長】面接では通っちゃう。そこからが問題。しゃべることには問題がないし。

【吉泉】視覚障害者で厚生労働省の職業訓練にかかわるところにいます。ディスレクシアと視覚障害者はいろんな意味で違うところはあると思うけれど、国家公務員の試験は、普通の字を読めない人は受験させないということをずっとやってきた。視覚障害者は読めないんだったら受験させないということは差別だということをずっと運動してきて、20年以上かかってやっと点字の受験ができるようになった。今度はそれを点字だけでいいのかという問題が別にあって、子供のころから点字を使っている人は良いけれど、はじめるのが遅ければ遅いほど、スピードがおそくて不利になってしまう。音声で口頭試問とか対面じゃなくても録音したものとかそういったものを使ってできるようにならないかという話があるんだけれどもなかなかそこまで踏み切れないところがある。そのへんどうクリアしていけるのかというのが、中途失明の人にとってどう求めていくのかが問題になっている。国家公務員試験でひとつ認めさせると、次 と々追従するかというとそういうわけでもないけれども、ほかで求めていくときに「国はもうやっていますよ」というのはひとつの根拠にはなる。音でも受験できるように求めていくというのはひとつのやりかたなんじゃないかと思った。それからもうひとつ、点字の場合には漢字がなくて表音文字なんだけれど、漢字の問題というのは採用試験の中に出てくる。そうすると漢字ではもうどうしようもないのでその部分を除いて比例配分にしてもらう方法がひとつ、あるいは代替問題にしてもらうというのがある。それではどれぐらい時間延長をしたら、どういった配慮をしたらよいのかということを実証的に研究しているのが大学入試センター。そういう根拠を求めていくということは必要だろうと思う。学習障害や発達障害についてそういう研究があるかどうかはわからないが、視覚障害については研究レベルではそういうことはやられている。そういうことも今後必要だと思う。実際の仕事では、回覧文書は紙だけじゃなくてメールで来たりPDFなどのファイルで来たりするので、昔に比べるとかなり自分で読

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<ノート>

DX就労ガイドブック

資料集 ~議事録~

めるようになってきた。どうしても紙だけの場合は人の手を借りて読んでもらうようにしている。

【藤堂】入試センターについてはLD学会の上野先生が入られて、いま研究をはじめているところです。ディスレクシアの、入試を受ける年齢の人を対象に検査をしています。普通に読むとどれぐらい時間がかかるのか、それが読み上げだったらどの程度理解が早くなるのかということを見てくださっていて、実際には申し出れば配慮をしてくれるんですね、今年でも。その制度がわかられていないがために、その制度をまだ使う人がいない。来年からは制度を使えるようにということがおおっぴらになります。いま高校にいるひとたちはそれ用に育ってきていないので、センターは受けないだろうと思う。推薦とかほかの方法を選ぶと思う。でもそれができるということがシンボルとして私立の学校に対して「センターでできることがなぜここでできないんですか」ということができる。いまのお話で、比例配分、あるいは代替問題を提案していくのはすごく良いお話で、ディスレクシアに関してもこちらから学校に提案していけばよいのかなと思った。

【榎本】講師の方からも少しずつ。

【木村】第3回講師を8月の合宿中に。障害者の就職支援の会社をやっている。まずはどんなことでみなさんが就職に困られていて、入ったあとどんなことで困られていたり、どんなことで活躍をしたりしているのかということをまず知りたいと思ったので、合宿でざっくばらんにみなさんの体験を聞いた。履歴書については、会社によっては手書きというところもあるけれど、事務職を希望しているのだとしたら逆にパソコンで見やすい履歴書を書くのもひとつのやり方だし、そもそも全盲の方は手書きで書けないのでそれを伝えるためにもパソコンで書くというのも手だと思うので、ディスレクシアのかたがそれを明確に伝えるためにも、自分は考え方としてはオープンで就職活動をしたほうが良いと思うので。クリエイターであれば履歴書がクリエイティブでもよいと思う。面接というのはひとつのプレゼンテーションの場なので、自分の土俵ですすめていって、その土俵にのれなかったら入ってから苦労する会社だということなので、相手側の土俵でのってしまうと入ってからも大変なので。あとはディスレクシアの啓もう活動も必要なので。そういうことを感じたワークショップで非常に勉強になりました。

【阿部】所沢市の教育委員会におります。東京障害者教育センターでジョブコーチをしていたとき、発達障害者の就職先を探していた。こういう職業だと強みを発揮できます、こういう場だと集中力を発揮できます、というふうなことをいって仮就労してもらい、実際の就労につなげていくということをやってきた。今回のワークショップでは自分のいいところを振りかえってもらったり、リフレーミングといって、自分の弱点だけじゃなくてその人の特性をいろいろな視点で見ていくということをやってみた。どういったサービスが学校であったら就労によかったんじゃないかということなども考えてもらった。自分たちがなぜ就労をキープできているのか、その秘訣を支援者じゃなくて当事者のかたにアイデアを出していただいてまとめていくと、ほかの人にも「自分にもできる」と思えるようにまとめていけるのではないかと、いつかそういうことをしたいと思っている。一緒に作り上げていくということができてよかった。

【飯塚】第5回をやったが、参加しなかったので議事録を見ながら言いま

す。三大障害についてはやっているんだけれども、発達障害についてうちの会社がまたまだ全然やっていないということがわかるよくわかった。柴田さんから「発達障害について対応している例があれば教えてほしい」という問いが出たが、それに対して知的障害の話をして答えている。よくわかってなかったと思った。いまそれに対していま答えると、営業にはADHDぽい人がいる。営業というのは10やって8も成功する必要はなく、1つ大きな成功をすればいい。また、自分に対するセルフ・エスティームが高くないとできない。提案書を書いたりといった文字仕事もあるけれども、うまいこと上にいけば下の人にやらせるということもはできると思う。開発の人は、専門性が高くて一つひとつのことにのめり込んでのめりこんでいくタイプがいる。不器用さはあるけれども、そちらではなくて、自分の器用さの方向に仕事をもっていけている人が良い成果をおさめているようだ。研究所にもけっこう、独り言をぶつぶつ言いながらやっている人がいたりするがて、研究所の中では一番その人が認められている人だったりすることがある。最近はセキュリティが厳しくうるさくて机をチェックするが、ぐちゃぐちゃな人でものほうが普段活躍している認められている人だったりすることはある。ぐちゃぐちゃな人というのは、単にだらしない人と、本人の中ではどこに何があるのかが頭にちゃんと入っている人がいる。営業・開発・研究にいる発達障害者にひとつ共通してあるのは、全員自分に対して自信をもっている。ちょっと思いすぎなぐらいに。うちの研究所で最高レベルにいったフェローといわれる全盲の女性は音声で全部やってきたという実績があるので、ディスレクシアの人も(支援技術なども活用して) 活躍そうやっしてほしいと思う。

【行武】第6回の講師で社会保険労務士。会社に入ってから、やめなければならないときに会社都合でやめるか自己都合でやめるか、自己都合でやめると不利になるというような話をした。いまの仕事をつづけていただいて、転職などを考えるときにはぜひとも会社都合で、という。仕事の上で困ったこととか嫌なことなどの相談については、会社をやめる前であれば労働基準監督署、やめたあとではハローワークになる。相談するところはいろいろあるので自分で判断しないように。

【照山】入社のときに健康保険と厚生年金にセットで加入することについて第6回で話した。本当にちょっとしたところで年金がもらえなくなったり一時金がもらえなくなったり、障害になった場合にもちょっとしたところで大きな差が出てくるので、動く前に一呼吸おいて、調べるなり何なりしてほしいと思う。国民年金の納付は60%を切っている。納付は義務。義務と権利があるということをふまえて、これからの人生をより豊かに過ごされていくことを願いながらお手伝いをさせていただきたい。それから砂長さんの質問、ちょっと調べたら、自分が保険料としてお金を出したものについては所得制限というのはない。たなぼたでもらえるようなものについては所得による給付制限があるものもあるが、自分が出したものは大丈夫。

<休憩>

【榎本】今後の課題、次のステップについて話したい。

【砂長】いまの仕事はノルマ式なのでやらなきゃクビ。先は見えない。エッジでは子供たちのことをやっていきたい。私たちはもう育っていて、わかってくれる人たちにこういうふうに出会えているけれど、地方

<ノート>

DX就労ガイドブック

66

資料集 ~議事録~

は特に、ちょっとおちこぼれている子供たちを助ける先生たちに対して、その人にあった助け方や伸ばし方があるんじゃないかっていうちゃんとした教育ができるようなことを、自分のあいてる時間にできたらいいなと思う。極端な天才的な才能をもった人たちをもっと伸ばしていけたらなと思っているので、次の課題としては隠れた才能をどんどん発掘していきたい。もちろん自分もどうにかしていきたいけど。笑 もうちょっと収入が増えたらいいなとか。楽しくしてるんでいいですけど。

【深川】自分は障害者雇用で入っているけれど、まわりがわかっているのか微妙なところがあって、それで若干トラブルになるところがあるので、普段どういうところで困っているのかを共有する機会が少ないので、もうちょっとそういう機会があったらいいなと思う。最初は写真でレポートを出すのでいいといっていたのに、最近は文字になってきたりとか。相違がだんだん出てきているような感覚はある。表面的にしかわかっていないのかなということ。さきほど吉泉さんがレポートとかPDFとかで来るものを、読み上げソフトを使われているんですかね。最初は自分は仕事が少なかったのでゆっくり読んでいたんだけど、最近忙しくて未読のメールがたまったりしていて、読み上げソフトがほしいんだけれど、期間限定で試せるようなものがほしいんだけれど、スクリーンリーダーは自分には煩わしくて、入れてみたら逆に使いづらくなってしまった。長い文章だけをよんでほしいので。ディスレクシアの人に使いやすいようなものが出てくるといいなと。あと値段が高い。5万から10万ぐらいする。会社が買ってくれるともいってくれたけれど、値段相応の使い勝手があるとは感じなかった。

【柴田】一番の課題は啓蒙するということ、少しでも多くの人にわかってもらうということ。見た目がわからないというのがネック。ふざけているのではなくて本当に苦しんでいて。苦手なことがあるということ、そのかわりにいいところもあるというPRが必要だと思う。私の場合はエッジの活動を続けるということ、ネットラジオを使って何かできないかなと思っている。

【村松】支援してあげたいんだけど、どこまでやってあげればいいのかなと不安になっている人が多いと思う。そういう、支援したいと思っている人を支援していきたい。こういう癖のある人たちにどう接してどう扱っていったらいいのかを教えていきたい。

【今野】自信を少しずつ取り戻してきているので、やっぱり引いちゃう部分が多いので、もっと自信をもってやっていきたい。自分のまわりに統合失調症やうつの人がいたりして、そういう発達的な部分とつながりがあるんじゃないかと思うこともあって、そういう人ってかなり薬を飲んでいて副作用がすごい。眠くなったり。人それぞれなんだろうけど、発達障害的な部分があるんじゃないかと思ったり。薬を減らして原因的な部分をさぐっていくお医者さんがいる。そういう動きができればいいなと思う。困っているって相談を受けたら、こういう考え方もあるんじゃないかって言ってあげたりとか、サポートしてあげたい。

【榎本】ほかの人に履歴書を書いてもらったりするのもひとつの工夫だし、マインドマップでメモをとったりといった柴田さんみたいなメモのとりかたも一つの工夫。このワークショップではないけれど、ある研究会に行ったらすごく遅刻の多い女性がいて。彼女は朝起きたら何をするかがリストになって書いてある。私たちはなんとなく自

分をコントロールしながら何時何分に家を出るということをやっているけれど、彼女の場合はリストを見ながらいま自分がどこをやってるかを見て確認している。そういう工夫みたいなものをガイドブックの中にもどんどん盛り込みたいと思っている。ディスレクシアと一言ではいっても全然違うキャラクターだし、それぞれに工夫していることがあって、それをお互いに活用しあうというようなことができたら面白いんじゃないかなと思った。

【高橋】自分たち以外の人のために、という話が出たけれども、早期発見が非常に難しいということが言われている。当事者の皆さんが学校にいって話していくことで、このお兄さんになら話してもいいかなって思うような子供が出てくるかもしれない。それは時間もかかるし労力もかかるけれど、みなさんがそうやって汗をかいていただくような仕事っていうのは、どういうふうにしたらできるのか。

【砂長】それはできるけれど、親にいったほうがいいのか。子供に理解できるのか。

【藤堂】エッジでいまやっているのは、子供も親も。子供には、異年齢の人から「それってこうやればできるんだ」っていうことを習ってできるようになっていく、それはちょっとだけの年の差で、そういうお兄さんが今度は大学に入ったんだ、よかったね、というようなことが良いと思う。保護者や小学校・中学校の先生方は、立派な大人になるための基礎を作らなきゃというようなことで、自分たちは一生懸命いい大人にしようとしてあげながら実際は虐待しているというようなことがある。大丈夫ですよ、字がかけなくてもこれぐらいの大人になりますから、っていうのをぜひ先生に見ていただきたいと思う。息子は高機能自閉とかADHDとかいろいろあって本当に大変だった。そういう人たちもちゃんと大人になって自信をもって好きなことをきちんともって大事にしていけば、それから良い行動を身につけていけば大人になっていくよというのを見ていただければよいかなと思う。

【深川】1IQ84などにのって、知名度は出たが、あれによって特殊な障害だというイメージが強まった。それをもう少しかえていかないとということと、日本の障害者のイメージが悪い。かわいそう、触れちゃいけないんだ、というかんじがアメリカと比べるとあるので、言いたくても言いづらい空気があって、そういう価値観がもうちょっとかわってくればと思う。また、知り合いで親戚がディスレクシアっぽいということがあるけれども親が認めなくて、腫れものに触るような感じになっている。ディスレクシアでもいいんだっていう感覚がもうちょっと広まればよいかなと思う。そういえばおのずと手帳をもっていなくても就労のときにディスレクシアってよくわからないからやめとこう、というふうにはならないんじゃないか。

【砂長】イギリスで学校に通っていたときに、ディスレクシアだといったらえーいいなぁ、って言われた。絵が上手でいいねとか。エッセイの部分では外国人っていうのもあったけれども配慮をもらえた。それもすごく簡単で、説明する必要もないし、驚くこともない。もう40年も知られているので。市役所からコンピューターをもらえたりとか。そのぐらいに日本でも認知度が広がったらどんなに楽なのかなと。それが最近に問いかけ。

【飯塚】職場に、こういうところにちょっと特徴があるなという人がいる。上司は無理なことをその人に言う。時間管理をしっかりしろとか。受

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<ノート>

DX就労ガイドブック

資料集 ~議事録~

けてる彼は殻に閉じこもってしまっていて、できるともできないとも言わない。そういうときはどういうふうに対応したほうがいいのか。周りの人とお互いに認め合うといいんだけど、かたくなになって壁ができちゃってる状態なので。職場において、例えば時間管理をすることが難しい人はいると思う。上司が指示しても、なかなか対応することが難しい人もいるようだ。どのように伝えると、その人に自分自身のそうした特徴を理解し、対応してもらえるようになるか、良いアイデアはありますか?

【柴田】放っておいたらどうか。注意しても治らない。その人の癖を認めてあげて。

【村松】まわりが、あいつはすごいすごいといいところを持ち上げてあげたらどうか。あるいは阿部さんのリフレイミングのように。

【阿部】本人の援助を求めるスキルというのは重要。ほどよく人から助けてもらうスキル。就労支援の中で大事なポイントは適切に人から援助を求められたり、できない仕事をうまくお断りするスキルを教えてあげるということ。でもすごく劣等感の強いひとが多いので、これ以上みじめな思いはしたくないからということで援助を求めない人がおおい。それは日本の文化でもあるけれども。人は不完全で大丈夫、助けを求められることが大切。さっきの話もそうだけど、みなさんが学校をまわって教員とか保護者に話をすることがいいと思う。それが障害があっても大丈夫だっていうことで社会に還元されていくのではないか。

【行武】有名人で、日本でいったらどういう人がいるのか。

【藤堂】黒柳徹子さんがご自分の本の中でいっている。彼女のアシスタントディレクターに聞いたらまさにそのとおりで、計算ができないと。発達障害フォーラムに出てくださるという話があって、でも3か月前にキャンセルになった。その理由を聞いてみると、ひとに言われるのはいいけど自分で言うのはいやだと。自分のイメージとか。もうひとりは片岡鶴太郎さん。息子が出たテレビの番組のモデレーターとして、自分もそういうことがあったとはっきり言ってくれたので、お御頼みしたらそういうことで自分は仕事をしているのではないと。ディスレクシアの片岡鶴太郎として売るつもりはないと。その程度の認識。愛子さまはどうなんだという書き込みがJDDネットの掲示板にあった。それをずっと消していたら、「前立腺のがんならよくて、発達障害はダメなのか」と書き込みをしていた人が怒った。そのとおりだと思う。あと、市川たくじさんというインターネット小説家の方は自分がそうだといっている。ただ、そこまで知名度の高い方ではない。世の中をぐーっと動かすような。そうかなと思うひとはたくさんいるけど。麻生太郎氏とか。タケシとか。ジミー大西とか。研究者は、上野先生とか、自分はそうだとおっしゃっているけれど。

【柴田】逆に、どんなことを学んだかということを聞きたい。先入観とかもあったかと思うけれど。

【藤堂】渡辺社長は、最初に見えたときに、前に当事者たちが並んでいて、どの方が障害を?と私に聞かれた。全員ですと答えると、信じられないと。

【渡辺】いますごくITで危機感を感じる。材料があって半製品があってそ

れを組み立ててるんだけど、最終的な製品になるとアップルとかにもっていかれる。そういう才能が日本はない。同じような製品をどこも使っているのに、日本は画一的な人しかとってなくて同じようにまわしているから差別化がはかれない。だから、出番ですよ。同じようなひとばかりいるから問題なんだと。いろんな人がいて、いろんなアイデアを出しあうように変わっていかないといけないと思う。

【藤堂】私は日本の社会がかわっていくのは企業がかわるのが一番だと思う。企業がかわれば大学がかわり、大学がかわれば学校がかわり。みんな一緒にやらないといけないというのがこびりついているけれど、一緒にできない人たちというのが社会に彩を与える。

【渡辺】日本は会計基準があって、3か月に1回結果を出していかなきゃいけない。それをかえていかなきゃいけない。バングラディッシュの銀行が、貧しい女性にお金を渡して、といった社会的企業が増えている。世界的にのびている。企業はそういったムーブメントがあって、大学生の中でも社会的起業家になりたいという人はふえている。

【深川】ところで法定雇用率を達成していない企業のリストが新聞に出たけれど、あんなに少ないものなのか。もっとあるのでは。

【木村】それは法定雇用率を達成していない企業に対して政府がいろいろなことをやるけれども、そういういろんな勧告に対して何もやらない悪質な会社のリスト。実際に達成していないというだけの企業なら全体の4割。

【藤堂】今日感じたのは、ディスレクシアとは何かというのをガイドブックに入れなきゃいけないということ。本人たちの声も入れていくということ。今日は長時間、ありがとうございました。

(了)

(議事録:照山絢子)

<ノート>

DX就労ガイドブック

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DXステーション:第4回(ー1)DXステーションの放送もようやく軌道に乗ってきました。今回から3回、「ディスレクシアの成人就労支援事業」のワークショップの後、興奮が冷めやまないうちにインタビューをいたしました。講師と受講者(ディスレクシア当事者)の方々の気持ちが皆さまのお耳に達することを願っています。

第一回ワークショップ2009年6月28日、第一回ワークショップ「自分発見1」は地域活動室で行われた。講師は榎本達彦さんで、受講者8名、オブザーバー4名、カメラマン1名で少し緊張した様子で始まった。行われたワークショップは

「自己紹介」「ペアの相手を紹介」「わかりやすく自分を伝える/できるだけ他人の話を聞く」でした。

DXステーション:第4回1オープニング 出演:柴田 章弘    木村 綾子2インタビュー    出演      講師:榎本 達彦     受講者:玉田 哲也     インタビュアー:照山 絢子     放送時間:7分50秒

    独立行政法人福祉医療機構助成金事業

音楽  牧野 紀子     編集  篠崎 隆志     台本  柴田 章弘     総監督 榎本 達彦 敬称略 DX会有志 

DXステーション:第4回のアドレスは下記です。お聴きください。 http://www.voiceblog.jp/dx_station/957299.html

DXステーション:第4回(ー2)、(3)

2009年7月26日、第二回ワークショップ「自分発見2」は地域活動室で行われた。講師は根本明彦さんで、受講生6名、事務局4名、カメラマン2名で行われました。

ワークショップは

「EQテスト」

「ヒモにつるした5円玉を使った集中」

「資格について考えよう」です。

講師と受講者はどんなことを考え

ワークショップをしたでしょうか。どうぞお聴きください。

DXステーション:第4回    1インタビュー     出演      講師:根本 明彦     受講者:深川 猛     インタビュアー:木村 綾子

     放送時間:11分1秒

http://www.voiceblog.jp/dx_station/956364.html    2インタビュー

    出演      講師:根本 明彦     受講者:深川 猛     インタビュアー:木村 綾子

   3エンデイング

     出演        柴田 章弘        木村 綾子          放送時間:6分50秒

http://www.voiceblog.jp/dx_station/955693.html

独立行政法人福祉医療機構助成金事業

どうぞ、お聴きください。

資料集 ~ネットラジオ~

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<ノート>

DX就労ガイドブック

DXステーション:5回(ー1)  黒姫合宿一日目

成人ディスレクシア事業では長野県の黒姫で、二日間泊まり込みで夏の合宿を行いました。

1オープニング 出演:柴田 章弘    木村 綾子

2インタビュー

第三回ワークショップ2009年8月29日(土)、15:00~17:00、講師は木村志義さんで行われた。今回は「履歴書をどのように書くにはどうしたらよいか」だった。当事者、5名とも履歴書を書き、すでに職を得ている。内容は

「履歴書の書き方」と「就労後の配慮」

    出演      講師:木村 志義     受講者:砂長 宏子     インタビュアー:木村 綾子

     放送時間:7分59秒

    http://www.voiceblog.jp/dx_station/967688.html     独立行政法人福祉医療機構助成金事業     音楽  牧野 紀子     編集  篠崎 隆志     台本  柴田 章弘     総監督 榎本 達彦 敬称略 DX会有志 

DXステーション:5回ー(2)黒姫合宿二日目第四回ワークショップ

2009年8月30日(日)、10:00~12:00、講師は阿部利彦さんで行われた。今回は当事者6名がペアになり、三組で意見を出し合った。

1インタビュー

ワークショップ

「気分がよかったサポート」

「困ったときして欲しかったサポート」

「欠点の見方を変え、誉め合う」

を終えた直後

    出演      講師:阿部 利彦     受講者:柴田 章弘     インタビュアー:照山 絢子2エンデイング 出演:柴田 章弘    木村 綾子

放送時間:11分00秒

         http://www.voiceblog.jp/dx_station/967681.html

     独立行政法人福祉医療機構助成金事業

資料集 ~ネットラジオ~

<ノート>

DX就労ガイドブック

70

DXステーション:第6回ー(1)1オープニング 出演:柴田 章弘    木村 綾子2インタビュー

第5回ワークショップは

2009年11月22日に実施

されました。

内容は下記です。「当事者の就労体験/企業との

意見交換」 後インタビュー    出演      講師:木村 志義     受講者:砂長 宏子     インタビュアー:榎本 達彦敬称略独立行政法人福祉医療機構の助成金事業

放送時間:10分4秒 http://www.voiceblog.jp/dx_station/1078732.html

DXステーション:第6回ー(2)1インタビュー

第六回ワークショップは

2010年1月31日に実施されました。

内容は下記です。

「社会保険と企業での取組

(日本IBM)」

の講演 の後

出演 講師:照山 惠子(社会保険労務士)    行武 久美子(社会保険労務士)   奥川 佳代子(日本IBM人事部           人事 ダイバーシティ)当事者:藤堂 高直インタビュアー:柴田 章弘

《敬称略》2エンデイング 出演   柴田 章弘   木村 綾子音楽  牧野 紀子編集  篠崎 隆志台本  柴田 章弘総監督 榎本 達彦 敬称略 DX会有志 

独立行政福祉医療機構の助成金事業緊急事態発生、音声混乱、調整注意

放送時間:10分10秒 http://www.voiceblog.jp/dx_station/1078023.html

資料集 ~ネットラジオ~

71

<ノート>

DX就労ガイドブック

資料集

過去の振り返り=無意識をかき回す

・人は生まれてから様々な体験をして、今の自分になる・体験はドンドンたまり、古い体験は無意識の奥に沈殿する・その無意識の沼に、沢山の宝物が埋まっている・それをどうやって掘り出すか

思い出(体験)が沈殿し、固まってしまう。

その無意識をかきまわして、思い出を意識化する。

攪拌すると=過去を振り返ると、宝物が見つかります。

体験

意識

無意識

1/1

提出日 年 月 日

フリガナ 男・女 氏 名 印

ローマ字 生年月日 年 月 日

大学・高専

学部・研究科

学科・専攻

写真 (3cm×4cm)

現住所(フリガナ) 〒

TEL(携帯可) ( ) ―

休暇中の(フリガナ) 連絡先 〒

TEL ( ) ―

E-mail アドレス(選考結果を連絡します)

年 月 学歴

高校入学 高校卒業

2/2

免許・資格

◆志望動機

◆研究テーマ・ゼミ(内容・指導教官)・学校で勉強したこと

指導教官:

◆性格など

性格(自覚する長所) アピールできること

3/3

得意科目

趣味

特技

サークル

経験したアルバイト等

◆語学力・取得資格(英検・TOEICなど)

◆希望配属先

第1希望:◎ 第2希望:○ 第3希望:△

4/4

<配属希望業務> 材料開発 ( ) デバイス・機器開発・設計 ( ) 生産技術、製造プロセス開発( ) 生産設備設計 ( ) 営業(国内、海外) ( ) 事務系部門( ) ( )

<配属希望分野> 【技術・開発】 二次電池 ( ) コンデンサ ( ) ICカード・ICタグ ( ) リレー ( ) 磁性デバイス応用製品 ( ) 圧電セラミクス応用製品( ) 生産設備設計 ( ) 【営業・事務】 営業・マーケティング ( ) 事業企画 ( ) 法務知財 ( ) 経理財務 ( ) 資材購買 ( ) 人事総務 ( ) その他( ) ( ) 未定・どこでも可 ( )

<配属地> 配属地は約束できるものではありませんが、参考といたしますので、もし希望があれば記入して下さい(何ヶ所でも結構です)

希望配属先の詳細・希望理由(できるだけ具体的に記入して下さい) 第1希望

第2希望

第3希望

海外勤務希望

5/5

<配属希望業務> 材料開発 ( ) デバイス・機器開発・設計 ( ) 生産技術、製造プロセス開発( ) 生産設備設計 ( ) 営業(国内、海外) ( ) 事務系部門( ) ( )

<配属希望分野> 【技術・開発】 二次電池 ( ) コンデンサ ( ) ICカード・ICタグ ( ) リレー ( ) 磁性デバイス応用製品 ( ) 圧電セラミクス応用製品( ) 生産設備設計 ( ) 【営業・事務】 営業・マーケティング ( ) 事業企画 ( ) 法務知財 ( ) 経理財務 ( ) 資材購買 ( ) 人事総務 ( ) その他( ) ( ) 未定・どこでも可 ( )

<配属地> 配属地は約束できるものではありませんが、参考といたしますので、もし希望があれば記入して下さい(何ヶ所でも結構です)

将来、海外での勤務を希望しますか? (生産、設計、SE、営業、事業計画等)

★ 入社して、当社を舞台に取り組んでみたい仕事、夢を貴方の学生生活の成果(誇

れるもの・資格・スキルなど)を基にお書きください。

6/6

履歴書 2010年6月6日現在

ふりがな

氏 名

鈴本 二郎

生年月日 西暦

1980年9月14日生 (満30歳)

男 ・ 女

携帯電話番号 090-0000-1111 E-MAIL [email protected]

ふりがな とうきょうとみなとくはまつちょう 電話(03)

4444―3333 現住所〒888-7777

東京都港区浜松町66-55

FAX (03)

4444―3332

ふりがな 電話( )

― 連絡先〒 (現住所以外に連絡を希望する場合のみ記入)

FAX ( )

年 月 学歴・職歴(各項目ごとにまとめて書く)

学歴

1992 3 小金井市立東田小学校卒業

1995 3 三鷹市立武蔵中学校

1995 4 都立第一高等学校入学

1998 3 都立第一高等学校卒業

1999 4 EDGE 大学工学部機械工学科入学

2003 3 EDGE 大学工学部機械工学科卒業

職歴

2003 4 株式会社 DX 入社

2008 12 株式会社 DX 退社

2009 2 いろは株式会社入社

2010 3 いろは株式会社退社

賞罰

なし

以上

記入上の注意 1:鉛筆以外の黒または青の筆記具で記入。2:数字はアラビア数字で、文字はくずさず正確に書く。

3:※印のところは、該当するものを○で囲む。

写真を貼る位置

1. 縦 36~40 mm

横 24~30 mm

2. 本人単身胸から上

3. 裏面にのりづけ

4. 裏面に氏名記入

年 月 免許・資格

1987 10 珠算初段

1999 8 普通自動車免許

2003 3 高等学校教諭一種免許状(物理)

特技・趣味・得意科目等

珠算・暗算

釣り

数学

本人希望記入欄(特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入)

通勤時間 約 0時間 45分

最寄り駅 線 駅

扶養家族数

(配偶者を除く) 0人

配偶者

有 ・ 無

配偶者の扶養義務

有 ・ 無

志望の動機

電機メーカーの品質保証部で、約 3年間、情報機器向け商品のクレーム処理・解析、品質改善

業務に携わってきました。その後、○○工場生産管理課主任として、情報機器向け製品の生産管

理のマネージメントを行いました。5名のメンバーのリーダーとして生産工程・出荷・物流管理

のとりまとめ及び、生産計画立案、新製品生産準備などの業務を担当しました。今後、生産管理

のエキスパートを目指し、さらなるステップアップを図りたいと御社への転職を希望しました。

現在所属する会社では、主に情報機器メーカー向けの部品を扱っていますが、できれば、御社の

ような、アッセンブリ品・最終製品の生産管理もぜひ経験したいと考えています。チャンスをい

ただけましたら、これまでの品質質管理業務の経験や工業簿記の知識を活かして、生産現場を多

角的に捕捉・管理し、効率的に稼動させていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申

し上げます。

保護者(本人が未成年者の場合のみ記入)

ふりがな

電話( )

氏 名

住 所〒

FAX ( )

発行者 特定非営利活動法人 エッジ

実 行 委 員

藤堂 栄子 柴田 明弘 榎本 達彦 照山 恵子 (社会労務士) 行武 久美子(社会労務士) 新堀 和子

木村 志義 (ジョイ・コンサルティング) 飯塚 慎司 (IBM)

砂長美ん 村松 洋一 今野 清史郎 (仮名) 深川 猛 藤堂 高直

講師 阿部

事務局 木村 綾子 照山 絢子

DVD作成 谷光 章

カヴァーデザイン+レイアウト 藤堂 高直

イラスト 村松 洋一

発行 平成22年3月

福祉医療機構助成事業

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ディスレクシア 就労ガイドブック

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