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実用事例(27例) 技術開発事例(2例) バイオマス利活用事業事例 マテリアル利用 (17例) エネルギー利用 (10例) たい肥化 (8例) 鶏糞ボイラー(発電、発熱) (1例) 飼料化 (4例) メタン発酵 (5例) 炭化 (1例) 直接燃焼(発電、発熱利用) (1例) パーティクルボード (2例) ペレット燃料製造 (2例) 木質-プラスチック複合素材 (1例) バイオディーゼル燃料製造 (1例) 生分解性プラスチック (1例) 資料

バイオマス利活用事業事例 - maff.go.jp · 製品堆肥の利用者の拡大の必要性 2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策 【経緯】

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実用事例(27例)

技術開発事例(2例)

バイオマス利活用事業事例

マテリアル利用(17例) エネルギー利用(10例)

たい肥化(8例) 鶏糞ボイラー(発電、発熱)(1例)

飼料化(4例) メタン発酵(5例)

炭化(1例) 直接燃焼(発電、発熱利用)(1例)

パーティクルボード(2例) ペレット燃料製造(2例)

木質-プラスチック複合素材(1例) バイオディーゼル燃料製造(1例)

生分解性プラスチック(1例)

資料5

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目 次

実用事例

<マテリアル利用>

たい肥化(8例) 1.京都中央農業協同組合(樹木剪定枝、ビールかす等) … 1 2.生活協同組合コープこうべ(食品加工残さ、牛糞、もみがら) … 3 3.盛岡・紫波地区環境施設組合(生ゴミと樹皮) … 5 4.栃木県高根沢町(生ゴミと牛糞尿、もみがら) … 7 5.宮崎漁業協同組合(水産廃棄物) … 9 6.滋賀県浅井郡びわ町(集排汚泥) …11 7.山形県長井市レインボープラン(生ゴミ、畜糞、もみがら) …13 8.郡山市(脱水下水汚泥、コーヒー豆かす) …15 飼料化(4例) 1.西薩クリーンサンセット事業協同組合(焼酎かす) …17 2.長崎漁港水産加工団地協同組合(水産加工残さ) …19 3.北九州食品リサイクル協同組合(食品廃棄物) …21 4.札幌生ごみリサイクルセンター(食品廃棄物) …23 炭化(1例) 1.アイオーティーカーボン株式会社(廃木材) …25 パーティクルボード(2例) 1.東京ボード工業株式会社 …27

2.セイホク物流、セイホク株式会社 …29 木質―プラスチック複合素材(1例)

1.エコファクトリー株式会社(建築廃材等) …31

生分解性プラスチック(1例) 1.(財)北九州産業学術推進機構(食品廃棄物) …33

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<エネルギー利用>

鶏糞ボイラー(発電、発熱)(1例)

1.南国興産株式会社 …35 メタン発酵(5例)

1.中空知衛生施設組合(生ゴミ) …37 2.横浜市下水道局(下水汚泥) …41 3.八木バイオエコロジーセンター(家畜ふん尿) …43 4.富山グリーンフードリサイクル株式会社(食品廃棄物、剪定枝) …45 5.ジャパン・リサイクル株式会社(有機性産業廃棄物) …47

直接燃焼(発電、発熱利用)(1例)

1.能代森林資源利用協同組合(樹皮、チップ屑、ボード屑、端材等) …49 ペレット燃料製造(2例)

1.葛巻林業株式会社(樹皮等) …51 2.大阪府森林組合(間伐材、剪定枝、伐採木等) …53

バイオディーゼル燃料製造(1例)

1. 滋賀県愛東町(廃食油) …55

技術開発事例

1.循環型社会システムの屋久島モデルの構築 …57 2.都市エリア産学官連携促進事業(青森、山形、茨城) …59

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 樹木剪定枝 6.9t/日2. ビールかす等 6.8t/日 (その他食品関係排水処理汚泥含む)3.4.5.

小計 (たい肥供給量) 4.6t/日種類

1. 樹木剪定枝2. ビールかす等3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

地域資源リサイクル推進整備事業京都中央農業協同組合

施設設置場所京都市

事業名事業主体

1 事業概要

キリンビール,サントリービール(月桂冠,山崎パン)

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

地域内で主に焼却処分されていた樹木剪定枝,食品関連有機残さ等の未利用資源を活用したコンポスト製造施設を設置し,安価で良質なコンポスト製造を行っている。

(1)全体概要

(2)変換対象物

樹木剪定枝  12.1t/日ビール滓等  12.1t/日

平成5年度:建設工事着工平成6年度:完成,事業開始

単年度黒字達成:事業開始後5年目累積赤字解消:平成17年度見込み

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

堆 肥 化:株式会社日本製鋼所のスクープ式堆肥化システム(日鋼式)

構成機器:破砕機,粉砕機,横型発酵槽,攪拌機,養生槽,脱臭設備,廃液処理設備等要素技術:異物を除去した剪定枝を破砕機を用いて細片化,1:1の重量比でビールかすを投入後,攪拌し約20日間強制発酵(1次発酵)を行う。その後,養生槽に移し切り返しを行いながら   約5ヶ月養生(2次発酵)を行う。選別し,製品へ。

発酵期間の短縮が課題・強制発酵槽での発酵期間及び水分の調整が課題。製品の質については,堆肥熟成度は良い。剪定枝の破砕の大きさに問題(20ミリ以下にする必要がある)。

総事業費: 466,935,630円財  源:総事業費の45%が国庫補助,約5%が京都府補助,      約40%が京都市補助,残りの財源は農協負担。

【総事業費とその費用構成】

【事業収支】

事業収入:剪定枝処理費(一般廃棄物)10,000円/t     24,000千円       食品工場処理汚泥(産業廃棄物) 6,000円/t  14,000千円       堆肥販売                       20,000千円事業支出:減価償却費・借地料・燃料・電気光熱費    20,000千円       人件費・管理費                   35,000千円

【施設整備事業費とその財源】

建設工事費(造成費,建設工事費)       259,257,560円機械設備費(機械設備工事費,機械器具費) 179,277,900円設計管理費                       15,686,980円消 費 税                       12,713,190円

該当対象物の集荷エリア京都市内の造園業者

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-たい肥化1-1

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(1)事業化の経緯とポイント

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題・スクープ式撹拌機による一次発酵及びショベルローダー撹拌による2次発酵・臭気の低減対策及び汚水の処理対策が課題であり,臭気については撹拌方法,水分調整等で一定の低減効果が見られた。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  堆肥:公共事業や市内農家へ供給。  未発酵粉砕剪定枝:土壌改良材として果樹農家へ供給

(6)施設整備などの財源の確保方策  農水省「地域資源リサイクル推進整備事業」の補助対象として,府費,市費を上積み,施設建設費の  90%を補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  事業としては,採算見通が立っている。  ・材料受入におけるポイント・課題 剪定枝の安定的受入と受入単価…行政焼却場の処理単価の変動                         排水処理汚泥の受入処理価格の引き上げを検討する。  ・製品堆肥販売におけるポイント・課題  製品価格の見直しによる利用拡大                             品質特性のPR方法の検討・推進(8)現行事業経営面での課題と対応方向  処理能力と採算性のバランスを検討する。  製品堆肥の利用者の拡大の必要性

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経緯】   平成3年度:京都市における有機農業推進の一環として堆肥製造施設の設置に向けて検討開始。   平成4年度:グリーンコンポスト設置調査委託を実施平成5~6年度:施設の建設 【ポイント】:有機農業ブームで堆肥が不足していたこと。剪定枝が清掃工場で焼却処分されていたこと。

(2)変換対象物の集荷の仕組み 樹木剪定枝:市内の造園業者が有料で持ち込み ビールかす等:市内ビール工場等が有料で持ち込み

(3)事業化に至る関係者の意思形成

・京都北農協(現:京都中央農協),京都市による研究会の開催(平成3年度~):事業化に向けて協議・アンケートの実施(平成5年度):市内全造園業者に啓発を兼ねた利用意向アンケートの実施・説明会の開催(平成5年度):施設設置場所付近の住民に対して説明会を開催

剪定枝

破砕機

貯 蔵

ビールかす等

貯 蔵

強制発酵

(約20日)養 生 (140日)

選 別 混 合

ショベルローダー による切り返し

(スクープ式攪拌機)

オーバーサイズはリサイクルする

脱臭機 製 品

-たい肥化1-2

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 生鮮食品加工残さ 5.4t/日2. 牛糞等 2.4t/日3. もみがら 1.5t/日4.5.

小計 (たい肥化) 9.3t/日種類

1. 生鮮食品加工残さ

2. 牛糞等3. もみがら4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

施設整備費の他に減価償却、維持管理費に年約38,000千円

該当対象物の集荷エリア神戸市、三木市内のコープこうべ店舗(33店

事業収入:堆肥販売約300万円 ※処理費は徴収なし       バラ堆肥2,500円/350kg、袋入り堆肥370円/21㍑事業支出:減価償却費38%、人件費35%、その他27%

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

堆 肥 化:株式会社日本製鋼所のスクープ式堆肥化システム(日鋼式)

構成機器:破砕機、撹拌発酵槽、養生槽、微生物脱臭槽等要素技術:スクープ式攪拌機による発酵促進方式

長崎県他の先進事例により技術熟度を確認するとともに、小型プラントにおける堆肥化試験を実施

施設建設費:約3.8億円財     源:施設建設費の50%が国庫補助(補助対象外を除く)        残りの財源は、コープこうべ自己資金により充当

【総事業費とその費用構成】

【事業収支】

(2)変換対象物

平成10年4月着工、同年10月完成、同年11月事業開始

近隣地域の農業協同組合ライスセンター

事業名事業主体

1 事業概要

地域の肥育農家(1戸)

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

コープこうべの店舗から回収した有機物残さ(野菜、肉、魚の加工くず)と地域で発生する牛ふんやもみがらを活用し、堆肥生産を行う。

(1)全体概要

コープこうべ環境共生型農園構想の推進生活協同組合コープこうべ

施設設置場所兵庫県三木市

【施設整備事業費とその財源】

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-たい肥化2-3

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(1)事業化の経緯とポイント 【経緯】   平成7年度:コープこうべ「環境共生型農園構想」の策定及び事業化検討開始。   平成8~9年度:土づくりセンター設置に向けて堆肥化や試作堆肥の効果確認、残さの分別回収            試験を実施。また農園の運営主体となる地元農業者による農業生産法人の設立。   平成10年度:コープこうべ土づくりセンター建設

(2)変換対象物の集荷の仕組み コープこうべ自らによる自主収集を実施。

(3)事業化に至る関係者の意思形成 ・コープこうべ「環境共生型農園構想」の発表(H7) ・コンポストセンター設置に対する地元農家との協議(H8~9):計20回以上 ・地域リサイクルシステム協議会の開催(H8~9):学識経験者、地元農家、行政、消費者、農協の  代表により構成 計6回

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題 ・スクープ式撹拌機の採用による自動化 ・微生物脱臭槽導入による周辺環境への配慮

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み 堆   肥:みずほ協同農園及び地域内農業者において土づくり資材として利用。

(6)施設整備などの財源の確保方策 農水省「地域リサイクルシステム確立事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 ・採算面については改善策を講じているが、あくまでコープこうべにおける環境活動の一環として  位置づけ、推進している。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 ・コープこうべにおける環境活動として組合員並びに全国に対する啓蒙普及を目的としており、経営  面においては環境活動事業の一部として運営している。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

-たい肥化2-4

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 一般家庭生ごみ 17t/日2. 樹皮 3t/日3.4.5.

小計 (たい肥供給量) 20t/日種類

1. 一般家庭生ごみ 

2. 樹皮3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

施設建設費472,770千円に加え、施設維持管理費など年間約75,000千円を要する(但し、減価償却費を除く)。

該当対象物の集荷エリア盛岡市「都南地区」、紫波町、矢巾町の一般家庭

事業収入:再生品売上   約10,500千円(H13年度実績)事業支出:施設維持管理費 約75,000千円 ( 〃 )

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

堆 肥 化:横型(箱型)スクープ式撹拌方式

構成機器:発酵槽、攪拌装置、篩別装置、脱臭設備、半自動運転袋詰め装置要素技術:一般家庭生ごみをごみ集積所に配置したバケツコンテナに各家庭が持っていき、       バケツコンテナを収集車が回収。その生ごみを樹皮と混合して発酵させるもの

全国に広く採用されている方式であり、長年の実績が蓄積されている。

施設建設費:472,770千円財源:施設建設費は補助対象事業費の約5割が国庫補助      国庫補助:186,355千円      起   債:190,400 〃      一般財源: 96,015 〃

【総事業費とその費用構成】

【事業収支】

(1)全体概要

(2)変換対象物

一般家庭生ごみ 17t/日樹皮         3t/日

平成4年度 建設工事着工~完成平成5年度 事業開始

事業収入:食品廃棄物処理費が約8%(処理費30円/10kg)、再生品売上が約92%(売たい肥       価格350円/15kg・袋、20,000円/t・バラ)事業支出:人件費など維持管理費が       約92%、その他経費が約8%(但し、減価償却費を除く)

事業名事業主体

1 事業概要

県内近隣の製材所

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

地域資源リサイクル推進整備事業盛岡・紫波地区環境施設組合

施設設置場所岩手県紫波郡矢巾町

一般家庭から出る生ごみと林産廃棄物である樹皮を混合・発酵させ、たい肥化し地域の農業者等へ供給することにより地力の増強を図り、野菜・果樹の増産と品質向上に努める

【施設整備事業費とその財源】

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-たい肥化3-5

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(1)事業化の経緯とポイント

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組みたい肥:管内(盛岡市(都南地区)、紫波町、矢巾町)の地元農業者や一般家庭における家庭菜園等の     土壌改良材として利用

(6)施設整備などの財源の確保方策 農水省「生産高度化基礎条件整備推進対策事業」の補助対象として、施設建設費助のうち、補対象事業 費の約1/2を補助

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 現況はたい肥の有効利用を中心として、自己完結できる資源循環システムが軌道に乗っており、今後も 継続してたい肥を供給。しかし、採算面での黒字達成は難しい状況にあるため、たい肥の販路拡大と 販売価格等の検討が急務。また、食品廃棄物の処理手数料の見直しも必要。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 ・施設処理能力に余裕がなく今後の増加量への対応に迫られているため、生ごみの自家処理等を住民  に周知して生ごみの減量化を図る。・たい肥製品の品質向上をめざし、付加価値の高い良質な製品を  造るため、家庭における分別を徹底させる。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

【経  緯】: S53年 :生ごみの分別収集開始 S54年度:たい肥処理施設稼働(20t/日) S63年度~H3年度:岩手大学・岩手県・盛岡紫波地区環境施設組合の学・官共同研究で「都市ごみ      コンポスト化技術調査研究事業」実施 H4年度:国庫補助事業を活用したたい肥処理施設建設着工(20t/日)【ポイント】:生ごみの分別収集、生ごみの汚水処理、発酵臭気対策、たい肥活用の販路

(2)変換対象物の集荷の仕組み  一般家庭からの生ごみを入れるポリバケツを指定し、ごみ集積所に設置したバケツコンテナに生ごみを入れる。  生ごみ収集車両は設置されたバケツコンテナを回収し、たい肥処理施設へ搬入。

・S63年度岩手県バイオテクンロジー推進指針に基づく、学、官による共同研究(H63~H3)・H3年度に県、関係市町、組合が高速たい肥化施設整備事業について協議。また、先進地視察等を経て事業実施計画を作成。

横型(箱型)スクープ式撹拌方式により適度な混合撹拌が行われ、微生物が活発に活動できる好気性発酵の条件を整える。技術的には一方向への撹拌なので、双方への撹拌技術が望まれる。

残 飯

樹 皮

分別収集

撹拌発酵 選 別(篩別)

脱 臭

汚 水

製 品

残 さ

既設焼却炉等へ

-たい肥化3-6

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 牛糞尿 17.0t/日2. 生ゴミ 3.0t/日3. もみがら 4.0t/日4.5.

小計 24.0t/日(たい肥化) 8.5t/日(液肥) 6.4t/日種類

1. 牛糞尿2. 生ゴミ3. もみがら4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

畜産再編総合対策事業地域有機性廃棄物再生施設整備事業栃木県塩谷郡高根沢町

施設設置場所

栃木県塩谷郡高根沢町

事業名

事業主体1 事業概要

主に市街化区域を中心に収集

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

家庭より排出される生ゴミと牛糞尿と籾殻を原料として有機質堆肥製造事業、さらには生産された堆肥を利用した農産物の地域内流通事業を推進している。

(1)全体概要

(2)変換対象物

原材料:7,200t/年稼働日数:300日/年

平成10年度~平成11年度:建設工事着工~完成 平成12年度:事業開始

農業協同組合カントリーエレベータ・町内耕種農家等

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

堆 肥 化:株式会社荏原製作所製のパドル式撹拌高速堆肥化方式

構成機器:発酵設備、脱臭設備、液肥化設備、製品保管庫等要素技術:原材料と水分調査剤の籾殻を投入し、パドル撹拌を行い発酵促進を行う。

平成13年度は、年間1,780tの堆肥を町内農家へ出荷。山形県長井市において同じパドル式撹拌による生ゴミ、畜ふん、籾殻のたい肥化を平成9年2月から取り組まれている。

施設建設費:約6億6千万円財   源:国庫 約50%・県費 約16.5%       町費 約33.5%(起債等)

【総事業費とその費用構成】

【事業収支】

施設建設費の他に土地購入費、備品整備費あり。さらに、年間約3,700万円の運営経費を要する。

該当対象物の集荷エリア町内酪農家より収集

事業収入:牛糞尿等処理 500円/t、堆肥販売 4,000円/t       堆肥散布 1,000円/t事業支出:人件費委託費で約57%、光熱水費で約24%、他経費が約19%

【施設整備事業費とその財源】

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-たい肥化4-7

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(1)事業化の経緯とポイント

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 当面は赤字経営が予想される。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 堆肥を利用した農産物の高付加価値化(ブランド化)や、地域内農産物流通への方策が検討されて いる。

 【経緯】   平成10年頃から生ゴミの減量化と畜産農家の環境対策に加えて環境保全型農業に対する機運が  高まり、先進地視察並びに現地説明会等を実施して平成10年度、平成11年度において建設着工・  竣工を迎えた。

(2)変換対象物の集荷の仕組み 牛糞尿:町内酪農家で組織を立ち上げて収集。家庭生ゴミは、現在収集している業者をそのまま活用。 籾殻は、主にJAカントリーを中心に直営で収集。

(3)事業化に至る関係者の意思形成 ・視察の実施:建築に際しての先進地視察を実施。 ・説明会の開催:建設地周辺住民に対する説明会を開催。

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題 先進事例を調査し、脱臭装置と堆肥化施設を特に注目して今回の施設整備を行った。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み 堆肥・液肥:主に町内耕種農家及び園芸農家で利用。一部家庭菜園用にも利用されている。

(6)施設整備などの財源の確保方策 農水省「環境保全型畜産確立対策事業」及び環境省「地域有機性廃棄物再生施設整備事業」の 補助対象として、施設建設費約50%補助。県費上乗せ約16%

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

牛糞受入ホッパー

牛糞尿受入槽

トラックスケール

籾殻受入ホッパー 籾殻粉砕機

生ゴミ受入ホッパー

固液分離機

牛尿槽

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液肥化装置

選択破砕分別装置

残渣

液肥

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薬液洗浄塔 生物脱臭装置

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残渣 堆肥

袋詰め機

パ ド ル 式 発 酵 槽

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バラ製品

磁選機

堆肥

篩い

-たい肥化4-8

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 事業系生ゴミ 150kg/日2.3.4.5.

小計 (たい肥化) 15kg/日種類

1. 事業系生ゴミ2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

施設設置場所宮崎市

漁獲物の水揚げによって生じる残滓を対象に水産廃棄物等処理施設を整備することにより、残滓処理コストの削減を図るとともに残滓の堆肥としてのリサイクル事業を実施する。

事業名事業主体

1 事業概要

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

沿岸漁業漁村振興構造改善事業宮崎漁業協同組合

(1)全体概要

(2)変換対象物

事業系生ゴミ 150kg/日

平成12年度:建設工事着工~完成平成13年度:事業開始

事業支出については、再生産品販売と漁協一般会計繰入にて処理するため当該事業収支としては赤字も黒字も発生しない。

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

堆肥化;ヤンマー農機株式会社      多槽式自動排出事業用生ゴミ処理システム

構成機器: 生ゴミ処理機(水脱臭シャワータンク,紫外線光脱臭装置)要素技術: 多槽式にすることにより、効率的かつ短時間で生ゴミを堆肥化する。

下記の施設にて、類似の当該システムが採用され安定した運転実績を有する。  宮崎県山之口町;学校給食センター(処理能力 50kg/日)

施設建設費:約28,000千円(実施設計費含む。)財     源:施設建設費の50%が国庫補助、7.5%が宮崎県補助         7.5%が宮崎市補助、残りの財源は事業主体の自己資金

【総事業費とその費用構成】

【事業収支】

施設建設費の他に、減価償却費、維持管理費などに年間約2,000千円を要する(事業期間で平均的に試算)。

該当対象物の集荷エリア宮崎漁業協同組合の組合員

事業収入:漁協一般会計からの繰入費が約98.5%、       再生品売上が約1.5%(堆肥販売価格10円/kg)事業支出:減価償却費が約65%、人件費など維持管理費が約35%

【施設整備事業費とその財源】

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-たい肥化5-9

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(1)事業化の経緯とポイント

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 ・当該施設は、漁獲量の増減に左右されるため、当初見込んでいた残滓処理量を下回るような場合  には、状況を見ながら近隣の漁業協同組合からの集荷等も検討。

 【経  緯】:  平成11年度:残滓処理経費が組合員の負担となっていることから、漁協での事業化検討開始。  平成12年度:建設工事着工。 【ポイント】:  組合員からの強い要望を基礎に、近年の産業廃棄物等の環境問題への関心の高まりから漁業協同  組合として取り組んだ。

(2)変換対象物の集荷の仕組み 組合員から集荷を行う計画。

(3)事業化に至る関係者の意思形成 ・組合員からの要望(平成11年度):事業化の検討。 ・漁業協同組合理事会の開催(平成11年度):理事会を開催し、事業化を検討・了承。

多槽式の処理システムを採用し、残滓の効率的かつ短時間での堆肥化処理が可能となり、漁業者の残滓処理に伴う経費の削減が図られた。

(6)施設整備などの財源の確保方策 農水省「沿岸漁業漁村振興構造改善事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。 その他、施設建設費に対して、県7.5%,市7.5%を補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 組合員の利便向上対策及び環境問題への対応策として実施しているため、収益事業としての位置付け はしていない。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  堆   肥:主に所属組合員(農業兼業者)等に販売

 混獲未利用魚

(水産廃棄物処理施設)原料(混獲未利用魚)搬入

種菌を混合

処理機(粉砕及び発酵)

脱臭装置

製 品(堆肥)

↓販 売

-たい肥化5-10

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 集排汚泥 5.76m3/日 (含水率98%)

2.3.4.5.

小計 (コンポスト化) 5.76m3/日種類

1. 集排汚泥2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

施設設置場所滋賀県東浅井郡びわ町

町内8施設の農業集落排水処理施設から発生する汚泥をコンポスト化し、農地還元する。

事業収入:びわコンポ売上金約50万円、不足分は一般財源で補填事業支出:修繕費が約500万円、人件費が約600万円、       光熱費・消耗品費が約300万円

事業名事業主体

1 事業概要

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

農業集落排水事業滋賀県東浅井郡びわ町

(1)全体概要

(2)変換対象物

集排汚泥 0.45m3/日      (含水率35%)

平成元年度:建設工事着工~完成平成2年度:供用開始

・収入は、一般会計繰入金と諸収入で約1500万円となる。・支出は、修繕費約500万円、人件費約600万円、光熱費・消耗品費等約300万円

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

コンポスト化:ユニチカ株式会社のユニチカ式汚泥コンポストシステム(多段矩形落とし戸式)

構成機器:混合機、回転棚3段式発酵乾燥機、造粒機、汚泥ホッパー、モミガラホッパー、       ブロア、ヒーター等要素技術:脱水助剤に植物に有益なキトサンを使用している。さらに肥料としての効果を上げる       ために油粕を副資材として使用している。

平成2年4月より、12年以上の安定した運転実績を有する。

施設建設費:約1億9000万円財   源:施設建設費の50%が国庫補助、県費15%補助       残りの財源は、市町村35%

【総事業費とその費用構成】

【事業収支】

施設建設費約1億9000万円の他に、維持管理費などに年間約1500万円を要する。 (事業期間で平均的に試算)

該当対象物の集荷エリア町内の農集排処理施設

【施設整備事業費とその財源】

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-たい肥化6-11

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(1)事業化の経緯とポイント

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

(6)施設整備などの財源の確保方策  農水省「農業集落排水事業」の補助対象として、施設建設費の50%国費補助、15%県費補助である。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  生産量が需要に追いつかない状況であり、広域的な施設の拡大整備が課題である。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  事業対象量を拡大した場合の設備増強。(発生汚泥量が計画時より多く発生し、又、施設の  運転日数の減少により、全量を処理することができないため。)

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経  緯】:  ・昭和56年に農村基盤総合整備事業に基づき8地区(23集落)を選定し、同年「美浜地区」を着手、   平成4年10月に「難波地区」が最後に完成した。  ・昭和63年度に汚泥処理施設の実施設計をし、平成元年度に工事に着工、同年度末に完了した。 【ポイント】:  汚水処理施設やコンポスト施設の管理を町直営で行っている。

(2)変換対象物の集荷の仕組み 移動脱水車により脱水した脱水ケーキを2tダンプで搬入する。

・町内に設立委員会を設立し、立地位置を検討(昭和60~61年度)・説明会の開催(昭和60~62年度):事業への理解と協力を目的に周辺住民を対象に説明会を開催。

多段矩形落とし戸式汚泥コンポストシステムを採用。脱水助剤に植物に有効なキトサンを使用し、また肥料としての効果を上げるために油粕を副資材として使用している。

コンポスト製品は造粒機でペレット状にして袋詰めし、10キロ詰め1袋150円で販売している。予約制であるが、希望者が多く、生産が追いつかない状況である。

ライスセンター モミガラホッパー

(1攪拌5kg)油 粕

処理場 汚泥ホッパー

凝集剤 高分子キトサン使用脱水機 多重円盤型脱水機

攪拌機(混合機)

醗 酵乾燥槽

乾燥コンポストホッパー

造粒機

袋詰め

出 荷

混合比汚泥 3モミガラ 1返送コンポスト

第1醗酵槽 3~4日第2醗酵槽 3~4日乾燥室    3日

返送コンポスト

現況汚泥処理フロー

-たい肥化6-12

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 一般家庭生ゴミ 1,500t/年2. 畜糞 500t/年3. 籾殻 500t/年4.5.

小計 2,500t/年種類

1. 一般家庭生ゴミ

2. 畜糞3. 籾殻4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

事業収入:畜糞処理手数料232千円、コンポスト販売収入3,393千円事業支出:施設ランニングコスト29,670千円(他に生ごみ収集経費12,680千円)       ランニングコスト内訳:       施設管理に係る人件費8,948千円、ゴミ投入・堆肥袋詰・籾殻収集運搬等に係る       人件費5,030千円、光熱水費3,736千円、修繕費7,000千円、その他経費4,956千円

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

株式会社荏原製作所の高速堆肥化システム(横型パドル式発酵槽)

構成機器: 横型パドル発酵槽、精選設備、土壌脱臭棟、汚水処理設備要素技術: 堆肥化原料を撹拌する事で通気性を良くし、好気性菌の活動を促すことに       よる高速堆肥化技術

実績のある複数の高速堆肥化技術の中から入札により導入された技術であるが、性能発注方式をとり施設稼動開始から2ヵ年間施工業者に対し性能保証を課し、技術の熟成を行ってきた。現在、施設稼働開始から6年目

施設建設費:約629百万円(補助事業分約497百万円)財   源:補助事業分の50%が国庫補助、一部に9%の山形県補助、       残りの財源は、起債及び市一般財源

【総事業費とその費用構成】

事業収入: 畜糞処理手数料が約6%(500円/㌧)、        コンポスト販売収入が約94%(袋売320円/15kg、計量販売4,000円/㌧)事業支出:施設ランニングコスト

(1)全体概要

(2)変換対象物

2.(1)参照

長井市内のカントリーエレベーター・稲作農家

長井市中心市街地の5,000世帯対象

たい肥生産量 500t/年

事業名事業主体

1 事業概要

長井市内の畜産農家

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

施設建設費約629百万円の他に、維持管理費などに年間約30百万円を要する(事業期間で平均的に試算)。

【事業収支】(平成13年度実績)

レインボープラン

【施設整備事業費とその財源】

山形県長井市 (事業推進母体)レインボープラン推進協議会

該当対象物の集荷エリア

施設設置場所:山形県長井市

一般家庭から出る生ごみや畜糞、籾殻を堆肥化し、それを利用した農産物を域内流通させることにより、地域資源循環型の社会システムの構築を目指す事業である。

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-たい肥化7-13

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(1)事業化の経緯とポイント

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

(6)施設整備などの財源の確保方策  農水省「地域資源リサイクル推進整備事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  まちづくりの観点から、農地を豊かに回復させ健康を保ち、安心して食べられる農作物を学校給食や  市民の食卓に還元するとともに、環境に対する負荷を軽減するということを考慮すれば、単なる数値  では計り知れない効果があるものと考えている。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  施設の修理修繕に係る費用が年々増加してきており、また、施設の機能をさらに増進するための  増改築、機械設備の更新等も近々必要になってくるものと思われる。

 【経  緯】:  平成元年度:市民有志による「快里デザイン研究所」において環境保全と結びついた          農業の模索がスタート。  平成3年度:事業実現化のため市民主体の調査委員会を市に設置。市民アンケートなどを実施。  平成5年度~7年度:中心市街地を対象に生ごみ分別のモデル事業を4回実施。  平成7年度:リサイクルコンポストセンター建設開始。  平成8年度:センター完成。事業開始。 【ポイント】:市民が主体となり幅広い市民の合意形成づくりに務め、行政がそれに応えた。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  一般家庭生ごみ:週2回、227カ所の収集ステーションから回収し、センターに運ぶ。  畜糞:畜産農家が搬入  籾殻:カントリーエレベーター、稲作農家から収集

発酵槽への原料投入時の水分調整が課題

堆 肥:山形おきたま農業協同組合に販売を委託。農産物:レインボープラン推進協議会では独自の認証制度を設け、レインボー堆肥を活用し栽培された     農産物に対して認証シールを交付し、レインボー農産物のブランド化による農業の振興を図って     いる。

市民:アンケートの実施、生ごみ分別モデル事業の実施、地区公民館毎の説明会、シンポジウムの    開催等。農家:アンケートの実施、有機農産物栽培研究事業の実施等

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

-たい肥化7-14

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郡山市【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 脱水下水汚泥 16.6t/日 含水率75%2. コーヒー豆かす 7.0t/日3.4.5.

小計 (コンポスト化) 23.6t/日種類

1. 脱水下水汚泥2. コーヒー豆かす

3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

郡山市

浄化センター下水処理施設の脱水下水汚泥のコンポスト化施設を建設し、コンポスト化事業を実施する。

【施設整備事業費とその財源】

該当対象物の集荷エリア

事業名事業主体

1 事業概要

地元飲料水メーカー

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【事業収支構造】

郡山市浄化センターコンポスト化事業

【総事業費とその費用構成】

施設設置場所

【事業収支】

(1)全体概要

(2)変換対象物

 10.6t/日(含水率75%)  13.0t/日(含水率75%)

1期:昭和57年度 建設工事着工・完成2期:平成 4年度 増設改造工事着工・完成

郡山市浄化センター(下水処理場)

1)事業収入:下水道事業特別会計諸収入 汚泥肥料製品売却代(平成13年度         約170万円)として収入2)事業支出:維持管理費(平成13年度約47百万円(なお、市職員人件費、水道料を         含まない。また、施設運転維持業務は、委託とする。)

上記のとおり赤字事業であり、下水道使用料、一般会計繰入金も財源としている。

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

コンポスト化:西原環境式横型スクープ式コンポスト化

構成要素:ブレンド装置、解砕機、発酵槽、ブロワ装置、乾燥機投入定量フィーダー、       ロータリーキルン式乾燥機、選別機、ショベルローダー、搬送装置、脱臭装置等要素技術:好気性二段発酵(発酵温度80度~90度)、発酵日数14日間)、乾燥、粒径調整

含水率20~30%、粒径5mmのコンポストを安定して得られている。

施設建設費:502百万円(1期)、457百万円(2期)財   源:施設建設費の2/3が国庫補助、その他は県補助金、起債、一般財源

・施設建設費約9億6千万円の他に、毎年起債の償還、維持管理費等を要する。・平成13年度維持管理費は、概算額47百万円であった。

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-たい肥化8-15

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(1)事業化の経緯とポイント

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経  緯】:  昭和48年度から昭和57年度:埋立処分を行っていたが、地区住民の反対と処理コスト高騰により                     コンポスト化事業に移行。  昭和58年度:1期事業のコンポスト施設の完成と同時に稼働し、直営でコンポスト化事業を開始する。           また、肥料取締法による特殊肥料の届出。  昭和62年度:販路ネットが確保出来なかったことから生産から販売までの一貫経営技術を所有する           業者への委託事業に移行。  平成 4年度:コンポスト化製品の品質向上から副資材コーヒー豆かすの添加による生産方式を導入。  平成 5年度:2期事業のコンポスト施設増設改造工事完成、委託によるコンポスト化事業を継続。  平成12年度:肥料取締法の一部改正により普通肥料「郡山コンポスト」」として登録。

(2)変換対象物の集荷の仕組み ・脱水下水汚泥は脱水施設からコンベヤ設備により搬送し、副資材コーヒー豆かすは委託業者が 排出先から集荷を行う。

・コンポスト化製品:高分子系脱水下水汚泥をコンポスト施設で普通肥料のコンポスト化製品に変換。・コンポスト化製品販路:普通肥料の法的手続きをとり、販売専門業者に販売し、商社を通し、エンド・ ユーザの農家に供給し、緑農地の肥料として使用。

・当初埋立処分事業として開始したが、住民の反対と処分費用の高騰から汚泥処理事業の見直しを 行い、その結果、緑農地有効利用によるコンポスト化事業を行うこととなった。

(6)施設整備などの財源の確保方策  公共下水道事業として、左欄の2の1)施設建設費及び財源を以て実施した。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  コンポスト化施設の維持管理費が高く、事業収支をみると赤字となるが、下水汚泥を埋立処分するより  安価である。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  下水汚泥を埋立処分するより安価となること、製品の需要があることから、コンポスト化事業のみの  事業収支が赤字であっても、継続して行うこととしているが、事業収支の改善が少しでもできないか、  その方策について検討中である。

-たい肥化8-16

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 有機系産業廃棄物 170t/日2.3.4.5.

小計 (たい肥化) 20t/日種類

1. 有機系産業廃棄物

2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

事業名事業主体

1 事業概要

食品廃棄物 170t/日

単年度黒字達成:事業開始後2年目(見込み)累積赤字解消 :事業開始後4年目(見込み)

真空蒸発乾燥:小豆アサヒエンジニアリング株式会社の真空蒸発乾燥技術

構成機器:減圧蒸留缶、再留塔、ろ過装置、排水処理施設等要素技術:焼酎かすの固液分離を必要としない焼酎かすの真空蒸発技術。  蒸発の際生じる凝縮水からアルコールを再留し,仕上げ乾燥のエネルギーとして       利用し、残りの水分は,施設の冷却水として利用。

下記の実証試験施設で、焼酎かすの飼料化の回転実績を有する。 ・ 通商産業省 平成6年度技術改善費等補助金           (焼酎かす乾燥設備の試作):0.5t/バッチ

施設建設費:約7億円 財    源:施設建設費の50%が国庫補助、25%が日本酒造組合中央会からの補助金,        残りの財源は、銀行からの借入金により充当

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

施設建設費約7億円の他に、減価償却費、維持管理費などに年間約1億円を要する(事業期間で平均的に試算)。

事業収入:食品廃棄物処理費が約77%(処理費5,000円/t予定)、       再生品売上が約23%(製品価格10,000円/t予定)事業支出:減価償却費が約18%、人件費など維持管理費が約72%、       用地賃借費などその他経費が約10%

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

【施設整備事業費とその財源】

(1)全体概要

(2)変換対象物

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

日置地区内の酒造メーカー7社

鹿児島県の特産である焼酎の製造過程で発生する事業系生ごみ、有機系産業廃棄物を対象にバイオガス化事業を行う。また、バイオガス化事業に伴い発生する発酵廃液を利用して、剪定枝等の堆肥化事業も実施する。

西薩クリーンサンセット事業協同組合施設設置場所鹿児島市

【基本変換技術】

平成14年度:飼料化施設機械 建設工事着工~完成平成15年度:排水処理施設 建設工事着工~完成 (飼料化事業開始)

該当対象物の集荷エリア

焼酎かす飼料化事業

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-飼料化1-17

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(1)事業化の経緯とポイント

(2)変換対象物の集荷の仕組み

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

(6)施設整備などの財源の確保方策

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題

(8)現行事業経営面での課題と対応方向

真空蒸発乾燥システムを採用。固液分離の必要が無く,排水も排水処理施設(再生水精製装置)で処理後,施設内で再利用する計画であり,施設外への排出がないゼロエミッション的方式である。

焼酎かす乾燥品:飼料原料として活用。

農水省「流通飼料対策事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。

事業開始後2年目で単年度黒字達成、4年目で累積赤字解消を見込むが、事業性向上のためには、処理単価及び再生品売上単価の引き上げが課題。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経  緯】:  平成12年度:食品リサイクルの一環として焼酎かすの飼料化の事業化検討開始。           協同組合の設立検討会の開催。  平成13年度:西薩クリーンサンセット事業協同組合の設立。          串木野市西薩工業団地内に用地の確保          飼料化施設等の工事着工  平成14年度:排水処理施設建設工事着工。 【ポイント】:事業参加者の酒造工場の近隣に用地を確保可能であった。       串木野市の立地企業としての取扱いが受けられる。

地域内の廃棄物収集運搬事業者の委託集荷を行う計画。

酒造組合が中心となり協同組合の設立検討会、近隣畜産農家等を交えた事業化検討会を開催。

-飼料化1-18

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 事業系生ゴミ 20t/日2.3.4.5.

小計種類

1. 事業系生ゴミ2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

水産物産地流通加工施設高度化対策事業 のうち無廃棄型水産加工団地基盤整備事業長崎漁港水産加工団地協同組合

施設設置場所

長崎県長崎市

事業名

事業主体

水産加工場や魚市場・鮮魚小売業者店等から排出される魚腸骨残滓を加熱殺菌・脱脂脱水処理後(又は乾燥後)発酵処理を行う。発酵した魚粉は養魚用飼料の魚粉原料としての利用を行う。

(1)全体概要

(2)変換対象物

平成14年度:建設工事着工~完成平成15年度:事業開始

1 事業概要

発酵飼料化:独自で開発した技術による発酵

構成機器:混合攪拌機、発酵機(発酵と乾燥)要素技術:発酵性の高い菌の開発、及び発酵技術、養殖魚への利用技術

魚腸骨残滓を加熱殺菌し、発酵菌、米ぬか他を加えて発酵させた発酵魚粉を利用した配合飼料で、ハマチ等の無投薬養殖に成功するなど良好な成果を収めており、完成度の高い技術と考える。また、養殖した魚を多数の店舗に流通させ、肉質、味の高評価を得る。

施設建設費:約4億円財     源:施設建設費の50%が国庫補助、20%は長崎県補助。        残りの財源は、長崎市から借入。

該当対象物の集荷エリア県内の水産加工業者、魚市場、鮮魚小売店等

(3)変換プロセス

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

土地・建物の取得に1.5億円を要した。全額銀行から借入。

事業収入:100千円/トンで販売事業支出:原料46.6% 人件費11.1% 燃料費5% 原価償却費9.9%

単年度黒字達成の見込み

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-飼料化2-19

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(1)事業化の経緯とポイント

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

(6)施設整備などの財源の確保方策

(8)現行事業経営面での課題と対応方向

平成11~12年度にハマチの試験販売を行い高評価を得る(無投薬、味、肉質とも)。よって平成13年度にブランド魚として販売することを決め名称を「長崎健康ハマチ」とする。

・独自の発酵菌の開発を行う。(長崎県工業技術センターの協力)・発酵プラントの開発(プラントメーカーの協力)・養殖技術の蓄積(長崎市水産センターの協力)・無投薬養殖の成功(免疫力測定に長崎大学水産学部の協力)

魚の試験養殖による高品質化に成功し、養殖業者の使用希望が多数ある。又、養殖した魚をブランド化して共同で販売すること等で飼料の販路を自動的に確保する計画。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経  緯】:平成5~6年度:発酵魚粉を試作し、マダイ、イサキの養殖試験を行う。         平成8~9年度:ハマチ、アジの養殖試験を行う(無投薬養殖に成功)         平成11年度 :小型発酵プラントを設置し、発酵魚粉の生産を行う。         平成12年度 :発酵魚粉の量産化による事業化を計画し、                   土地建物を取得する。         平成11~13年度:ハマチの試験販売を行い高評価を得る。         平成12~13年度:トラフグ、イシダイの養殖試験を行う。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  地域内の廃棄物収集運搬事業者の協力を得て集荷を行う計画。

水産庁の平成14年度水産物産地流通加工施設高度化対策事業の無廃棄型水産加工団地基盤整備事業等で施設補助を50%、長崎県の補助が20%、長崎市の融資30%。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  発酵魚粉飼料のみの販売は行わず、配合飼料の販売、養殖魚の共同販売等で総合的に1年目より 黒字化を計画。

県外の大消費地への養殖魚の販売ルートが整備されていないため、運賃が高くつき(船でなくトラック便)価格競争率がやや弱い。養殖業者のレベルアップやハマチ以外の魚のブランド化。

培養乾燥装置

発酵と乾燥

製品タンク

発酵魚粉

トランスバックで出荷

混 合 機

種  菌

増殖装置

コンベア

+米糖ほか+加水

加熱した

魚腸骨残滓

-飼料化2-20

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 食品廃棄物 7t/日2.3.4.5.

小計 (飼料化) 7t/日種類

1. 食品廃棄物2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

福岡県北九州市

食品廃棄物 12t/日

事業名事業主体

食品製造業の製造プロセスから排出される、各種排出物(おから、食品残渣など)の成分を劣化させることなく乾燥させることにより、食品原料、飼料原料へリサイクルする。

(1)全体概要

(2)変換対象物

おから・食品残さリサイクル事業北九州食品リサイクル協同組合 (出資事業者)(有)木原商店、異島電設(株)、          (有)飯田商店、(有)西村商店

施設設置場所

1 事業概要

おから・食品残渣の乾燥:異島電設㈱開発のおから乾燥機

構成機器:おから乾燥機要素技術:おからを焦がすことなく蒸気で乾燥させる技術

乾燥したおからは、食品価値のあるものとしてリサイクルされ、クッキーなどの食品原料として使用。また、飼料、肥料としても販売。 おから乾燥機はこれまでに数台の販売実績がある。

施設建設費:約4億5,200万円財    源:施設建設費の50%が国庫補助、2.5%が北九州市補助        残りの財源は、資本金、銀行からの借入金により充当

平成13年度:建設工事着工~完成、事業開始

該当対象物の集荷エリア

北九州市及びその近隣

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設建設費用約4億5,200万円、その他維持管理費、人件費に約6千万円を要する(14年度見込)

(3)変換プロセス

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

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-飼料化3-21

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2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策(1)事業化の経緯とポイント 【経  緯】:  電気工事業を営む異島電設㈱に、豆腐製造業者が生おからの処理に苦慮している話があり、  福岡県豆腐協同組合と共同でリサイクルの研究に乗り出し、試行錯誤を重ね、「おから乾燥機」  を共同開発する。  その成果をベースに平成12年8月から、北九州エコタウン・実証研究エリアで、事業化を見据えた  実証研究・技術開発に励み、事業化に踏み切ることを決定し、平成13年1月に、「北九州食品リサ  イクル協同組合」を設立する。  平成13年10月より操業開始。

(2)変換対象物の集荷の仕組み 北九州一円の食品製造業者・食品加工業者の生おから、食品残渣をトラックで収集。

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題 蒸気で乾燥させることにより、生のおからを焦げ付かせることなく、その栄養成分を変質させずに再び 食品原料として使用できる状態にできる。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み 乾燥おから:食品原料(パン・クッキー・お茶など)         飼料(牛、豚、鶏)         肥料(きのこの培地、土壌改良)

(3)事業化に至る関係者の意思形成 ・北九州エコタウン・中小リサイクル団地への進出企業募集説明会(平成11年8月):   異島電設が進出意向を表明 ・響リサイクル団地への進出企業内定(平成11年10月):   異島電設が内定企業のうちの1社として決定。

(6)施設整備などの財源の確保方策 農水省「食品リサイクル施設先進モデル実証事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 生おからの量の確保と乾燥機の設置販売により採算面の向上を図る。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 BSE以降、畜産用飼料などにおからの需要がたかまり、原料となるおからの確保が難しい状況。 今後新たな仕入れ先の開拓が必要。また、おから以外の食品残渣の受け入れやそれに伴う新た な商品開発、販路の拡大が必要。

-飼料化3-22

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 事業系生ゴミ 50t/日2.3.4.5.

小計 (飼料化) 50t/日種類

1. 事業系生ゴミ2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

札幌市

食品廃棄物 35t/日 50t/日(H11~)

事業名事業主体

事業系一般廃棄物のうち、学校、ホテル、食品工場等から排出される、比較的夾雑物が少なく良質な生ごみについて油温減圧脱水方式による飼料化事業を実施。

(1)全体概要

(2)変換対象物

札幌生ごみリサイクルセンター三造有機リサイクル株式会社

施設設置場所

1 事業概要

飼料化:油温減圧式乾燥システムで、生ごみと食用油を混合して加熱し、減圧下の約100℃にて短時間で脱水・乾燥する。

構成機器:前処理(破砕)、油温減圧式乾燥装置、油分分離装置、製品粉砕機、脱臭施設、排水処理施設等要素技術:クッカー内では、減圧下、撹拌しながら加熱する事により、混合された油が熱媒体として有効に働くため、低温かつ短時問で効率的に水分が除去される。このため原料が持つ水溶性蛋白質成分が溶出することなく製品に残り、高品質な飼料が生産される

施設建設費:10億円(建屋,公害防止付帯設備含む)財    源: 全額事業主体が負担(補助金なし)         土地はリサイクル団地内の区画を賃借

平成10年1月:事業開始平成12年4月:飼料安全法に基く数値認定を取得,飼料配合材料の生産・販売を本格化

該当対象物の集荷エリア

札幌市内の給食・外食・食品製造業等234事業所

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

約10.5億円(運搬機材含む)

事業収入:(処理手数料)15,000t/年×10,000円/t=1億5,000万円/年       (販売収入) 3,000t/年×15,000円/t=4,500万円/年事業支出:(運転費)  15,000t/年×7,000円/t=1億500万円/年         内訳:人件費2,000円/t,光熱水費4,000円/t,その他1,000円/t

(3)変換プロセス

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

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-飼料化4-23

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(1)事業化の経緯とポイント

(2)変換対象物の集荷の仕組み

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

【経  緯】: 平成6年~:札幌市では,リサイクルのための多分別収集などに対応するため、従来7業者に付与して         いた事業系一般廃棄物の収集運搬の許可を(財)札幌市環境事業公社に一元化 平成6~8年:札幌市リサイクル団地造成 平成9年度:生ごみリサイクルセンター建設着工,12月に実証運転を実施 平成10年1月:完成・稼動【ポイント】:札幌市は,悪臭等の公害防止の観点から、開放空間での堆肥化は困難と判断し、密閉空間で短時間で処理ができ、製品の付加価値が高い飼料化事業に許可を付与。飼料化に適した生ごみだけを回収するため、事業者の分別を徹底。生ごみリサイクルセンターでは,分別のインセンティブが働くよう、焼却の受入料金(11,000円/t)より安い10,000円/tで分別生ごみを受け入れている。

・事業主体と環境事業公社との間で夾雑物の許容範囲を決めている(5w%以内)。 ただし,これまでの夾雑物の実際の混入実績は2%以下である。・生ごみ原料中に混入するビニル袋等が処理工程途上で機材にからまる等の障害があったため,前処 理工程にシュレッダーを設置し,ごみ袋の一定細分を図った結果,解決した。・最終的なビニル等の残さは市の清掃工場で処分している。

・飼料安全法に基づく飼料成分の公定規格における数値認定を取得し、製品名は「フライドミール」,飼料名は「食品副産物」と定められ、飼料配合材料として全量を北海道内の飼料配合会社に販売している。・月1回の成分分析,油分の酸化チェックを実施

(3)事業化に至る関係者の意思形成   ・排出源における分別に関しては,市の清掃事業部,環境事業公社が指導徹底を図っている。

・札幌市で唯一の一般廃棄物収集運搬許可業者である(財)札幌市環境事業公社が、市内の学校,スーパー,レストラン,ホテル,食品工場等計234ヶ所から分別した生ごみを回収。・収集方法としては,袋に入れた状態で収集するものと,容器にそのまま入れたものを収集する場合とがある。比率としては,袋収集が7割程度を占める。

(6)施設整備などの財源の確保方策   全額自主財源(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 (8)現行事業経営面での課題と対応方向  ・原料中に含まれるビニル類(年間260t)の処理に関する行政支援。  ・その他事業全般に係る行政等による財政的支援。

挟雑物の分離

-飼料化4-24

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1.特定建設資材廃木材 7,880t/年2.諸産業廃木材 1,500t/年3.ダム流木他廃木材 800t/年4.木質系一般廃棄物 720t/年5.

小計 10,900t/年種類

1.特定建設資材廃木材

2.諸産業廃木材3.ダム流木他廃木材

4.木質系一般廃棄物

5.計画規模 第1期: 第2期:

木質系廃棄物リサイクル事業アイオーティカーボン株式会社

施設設置場所富山市

事業名事業主体

富山地区における木質系廃棄物のリサイクル事業として、廃木材の炭化及び木炭ボードの製造を行う。

(1)全体概要

(2)変換対象物

木質系廃棄物10,900t/年

平成14年度:建設工事着工~完成、15年4月から事業開始予定。

事業収入:木質系廃棄物処理費が約37%、再生品売上が約63%事業支出:減価償却費が約13%、人件費など維持管理費が約74%、       用地賃借費などその他経費が約13%

単年度黒字達成:事業開始後3年目累積赤字解消 :事業開始後8年目

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

1 事業概要

ダム流木、剪定枝は「低温炭化装置」を用いて炭化物を製造、建築廃材は「高温炭化装置」を用いて炭化処理。さらに、炭化物を原料に木炭ボードを製造。

構成機器:破砕機、磁選機、低温炭化装置、高温炭化装置、炭化ボード製造装置等要素技術:ダム流木、剪定枝は300~550℃程度の過熱蒸気で炭化を行う新型低温炭化装置       を用いて良質木炭を製造。建築廃材は還元雰囲気の炭化炉を用いて高温炭化処理       (600~800℃)。さらに一部は、粒子状の炭化物を特殊バインダーと混合して       圧縮脱水成型後、乾燥し木炭ボードを製造。

低温炭化装置 :実証試験で良質木炭の製造を確認済み。高温炭化装置 :類似装置が多数存在。木炭ボード製造:多孔性機能を損わない木炭ボード製造技術を確立済み。

施設建設費:約11億円 (補助対象額10億円)財   源:施設建設費の50%が国庫補助、1%が富山市補助       残りの財源は、資本金、借入金により充当

富山地区のダム流木、間伐材、林間残材等富山地区の街路樹等剪定枝、竹等

富山地区の製材工場の木屑、木製品工業の木屑等

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設建設費約11億円の他に、減価償却費、維持管理費などに年間約2億円を要する。

該当対象物の集荷エリア富山地区の家屋解体等廃木材、コンクリートパネル等

-炭化1-25

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(1)事業化の経緯とポイント

(2)変換対象物の集荷の仕組み

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題

(8)現行事業経営面での課題と対応方向

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

【経  緯】: 平成12年度:富山市エコタウン構想の一環として研究会を立ち上げ。事業化検討開始。 平成13年度:出資事業者を中心とする研究会を立ち上げ。 平成14年度:富山市エコタウン地域認証。建設工事着工。【ポイント】:用地賃借費が440円/m2・年と安価であったこと。

富山市内の中間処理業者(=出資事業者)が中心となって集荷を行う計画。

事業開始後3年目で単年度黒字達成、8年目で累積赤字解消を見込むが、事業性向上のためには、再生品売上量及び売上単価を適正なレベルで維持することがポイント。

・製薬原料炭としての利用等、再生品利用先開拓のための新技術開発。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  木炭ボード:調湿・脱臭機能付きの壁材、天井材等として利用。  木   炭:土壌改良材、水質浄化材、調湿材、脱臭材、高炉還元材等として利用。  木 酢 液:農業用、園芸用として利用。

(6)施設整備などの財源の確保方策  施設建設費の1/2が国庫補助(「ゴミゼロ型地域社会形成推進施設整備事業」:環境省)。

・富山市エコタウン研究会の開催(平成12年度):木質系廃棄物リサイクル事業等が検討対象。・出資事業者を中心とする研究会の開催(平成13年度):   出資事業者及び事業協力者の意見交換や意識啓発を目的に研究会を開催。・説明会の開催(平成13~14年度):   事業への理解と協力を目的に周辺住民を対象に説明会を開催。

低温炭化装置は、①省エネルギー、②低価格、③作業安全(最高550℃の低温運転)という特徴を有し、高品質の炭化物を低コストで製造できる新技術。課題であった木炭ボードの多孔性維持についても、特殊バインダーを用いる製造技術により実現。

特定建設資材廃木材

諸産業廃木材

ダム流木他廃木材

木質系一般廃棄物

分 別破 砕選 別

炭 化(高温)

炭 化(低温)

炭化ボード製造

 ・炭化ボード

 ・木   炭

 ・木 酢 液

-炭化1-26

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【事業内容】

【事業実施計画】

チップ化  種類 量 製品化  種類 量1. 建設廃材 5,100t/月   1. 家具・木工用  500t/月2. 廃棄パレット 1,700t/月   2. 床下地用 8,000t/月3. 解梱材他 1,700t/月   3.4.   4.5.   5.

小計 8,500t/月 小計 8,500t/月種類

1. 建設廃材2. 廃棄パレット3. 解梱材他4.5.6.

計画規模 第1期: 第2期:

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

該当対象物の集荷エリア

(2)変換対象物

自社(子会社)運搬あり

再生木質チップ化;破砕機(富士鋼業(株)他)パーティクルボード化;パーティクルボード製造機(ティッヘェンヴァッファー社他)

(3)変換プロセス

昭和58年:工場設立、製造開始

  廃材排出地域は、関東、関西、中部(北陸・東海)、九州、中国、東北

 構成機器:破砕機、パーティクルボード製造機 要素技術:建設廃材、廃棄パレットなどの廃木材を粉砕して小片(チップ)化し、       接着剤を添加して積層、成型した後、熱圧プレスで製板。

【副産物の処理方法】 ・チップ状又は半製品以上のものは、再度原料に戻す ・ダスト状のものは、ボイラーにてサーマルリサイクルを行う(現状の技術ではマテリアルとして の再利用は不可能の為、カスケード型利用の最終としてサーマルリサイクルを行っている)。

【技術の熟成度】パーティクルボードは、昭和20年代後半に西欧から技術が導入され量産が始まった。現在、全国で15工場(13社)が稼働しており、年間生産量は7,972万m2(平成11年)。

事業名事業主体

・パーティクルボード製造業・一般廃棄物・産業廃棄物・収集運搬業・処分業

(1)全体概要

1 事業概要

完全電話予約制持ち込み多数

東京ボード工業株式会社施設設置場所東京都江東区

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

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-パーティクルボード1-27

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(1)事業化の経緯とポイント

(2)変換対象物の集荷の仕組み

(3)事業化に至る関係者の意思形成  工場設立に当たっては、環境アセスメントを実施(民間企業では東京都で最初の事例)。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

(6)施設整備などの財源の確保方法

 リサイクル先の確保として、総合建設請負業者から発生する廃木材を全量優先的に受け入れる代わり に、総合建設請負業者では床工事発注の際、東京ボードの製品を積極的に使うような「グリーン協定」 を結んでいる。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 ・「リサイクル」と一言で言っても、リサイクルする工程で多大な環境負荷をかければ、たとえ「枯渇資源の 有効利用」であっても、循環型社会形成推進基本法の精神に反することとなる。 ・利益第一主義では、この事業は根本的に意味をなさない危険性を含む。いかに環境に対するポリシー やマインドが高いかが重要。 ・また、利用者に対し経済性も付加しながら、いかに実践し、経営を維持するか、という点に多大な労力 が必要。 ・この為に、利用者に基本的理念を理解してもらい、共に歩める姿勢を常に整える事が必要不可欠。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 ・パーティクルボードの用途開発と市場拡大・ 安易な木くずのサーマルリサイクルは環境的には再考 すべきである事を一般社会に浸透させないと、いずれはCO2の排出面から問題になるのではないか。 ・特に木材については、サーマルリサイクルがカスケード型利用の最終段階に位置していないと、CO2 の面から環境負荷(温暖化)は進んでしまうのではないか。

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題  塩ビなどのシートを貼ってあるものについても原料として活用できるようにするための分離技術  の確立

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

【経  緯】:  S58 新木場工場設立、近隣製材・合板工場の副産物の有効利用の為、パーティクルボード製造   H1 製材・合板工場減少の為、原料枯渇に直面、首都圏から発生し野焼されていた      木質建設廃棄物の再資源化する技術の開発に着手し、成功   H3 新木場工場にて、一般・産業廃棄物の処分業及び収集運搬業の許可取得し、      収集から製造・販売まで一貫したリサイクリングシステム確立

リサイクル先の確保として、総合建設請負業者から発生する廃木材を全量優先的に受け入れる代わりに、総合建設請負業者では床工事発注の際、東京ボードの製品を積極的に使うような「グリーン協定」を結んでいる。

破砕機→異物除去→削版機→乾燥機→接着剤塗布装置→成型機→熱圧機

→養生冷却機→切断機→梱包機→出荷

-パーティクルボード1-28

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【事業内容】

【事業実施計画】

再生チップ工場  種類 量 PB工場    種類 量1. 型枠合板 4,000t/月 1. 再生チップ 6,000t/月2. 住宅解体材 2,000t/月 2. 合板工場廃材 3,000t/月3. パレット、梱包材 1,200t/月 3.4. その他 300t/月 4.5. 5.

小計 7,500t/月 小計 9,000t/月種類

1. 型枠合板2. 住宅解体材3. パレット、梱包材4. その他5. 再生チップ6. 合板工場排材

計画規模 第1期: 第2期:

単年度黒字達成:事業開始後 4年目累積赤字解消 :事業開始後 7年目

チップ製造:セイホク物流(株)セイホク環境テクノセンターPB製造:セイホク(株)石巻PB&MDF工場

施設設置場所宮城県石巻市

パーティクルボードは、昭和20年代後半に西欧から技術が導入され量産が始まった。現在、全国で15工場(13社)が稼働しており、年間生産量は7,972万m2(平成11年)。

事業名事業主体

コンクリート型枠合板、住宅解体材、プレカット端材、梱包廃材、間伐材などの廃木材を受け入れてチップ化(再生チップ工場)。これら再生木質チップやセイホク合板工場の廃材を原料として、パーティクルボード、MDF(中質繊維板)を製造、販売。

(1)全体概要

1 事業概要

  〃

環境テクノセンターセイホク合板工場(宮城県石巻市潮見町)

  〃

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

(3)変換プロセス

平成 2年   :パーティクルボード工場設立、生産開始平成12年10月:再生チップ工場建設開始平成13年 7月:再生チップ工場操業開始平成13年 8月:パーティクルボード工場において、再生チップの使用開始

  〃

構成機器: チップ製造:破砕機、ローラースクリーン、磁選機、集塵装置、トラックスケール PB製造:トラックスケール、トラックダンパー、チッパー、チップスクリーン、チップサイロ、       フレーカー、ドライヤー、リファイナー、グルーブレンダー、フォーミングマシン、       コンテニュアスプレス、カットソー要素技術: チップ製造:コンクリート型枠合板、住宅解体材、プレカット端材、梱包廃材などの廃木材        を破砕してチップ化。 PB製造:チップを乾燥、篩い分けし、接着剤を添加して積層、成型した後、熱圧プレスで       製板。

施設建設費: チップ製造:4.2億円  PB製造:57億円

(2)変換対象物

東北、関東

再生チップ化;破砕機(富士鋼業(株))PB製造:フォーミング機(Schenck社)他

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

該当対象物の集荷エリア

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-パーティクルボード2-29

Page 33: バイオマス利活用事業事例 - maff.go.jp · 製品堆肥の利用者の拡大の必要性 2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策 【経緯】

(1)事業化の経緯とポイント

(2)変換対象物の集荷の仕組み

(3)事業化に至る関係者の意思形成

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

【経  緯】: PB工場  平成2年(1990年)パーティクルボード工場設立、生産開始。  平成13年(2001年)8月より、セイホク環境テクノセンターの廃木材による再生チップ使用開始。 再生チップ工場  建設リサイクル法の完全施行を踏まえ、木質廃材も貴重な森林資源としてとらえて再利用する  再資源化施設をつくり、資源循環型社会の実現を目指すため、平成11年(1999)市場調査開始、  平成12年(2000)10月工場建設開始、平成13年(2001)7月操業開始。

東北、関東エリアから、型枠合板、住宅解体材、プレカット端材、梱包廃材等を集荷し、再生チップ工場において、チップ化。 この再生チップとセイホク合板工場の排材(剥き芯や端材等)を原料として活用。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  ① 再生チップ ・処理能力以上の受け入れが要求される。            ・追加処理場か他の処理方法の研究開発が必要。  ② パーティクルボード ・低ホルムアルデヒド製品の製造コスト削減                 ・多機能化による高付加価値製品の製造

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題  既に確立した技術である。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  再生木質チップ;セイホク(株)PB&MDF工場  パーティクルボード;東北、関東、東海、中京エリアに出荷用途は下地材等の建築、家具等

(6)施設整備などの財源の確保方策

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  ① 再生チップ ・ 日産処理能力450トン、月産処理能力10,000トン。            ・ 産業廃棄物中間処分業許可番号0428076071  ② パーティクルボード   ・ 現在の生産量:8,000トン/月

(チップ製造) (パーティクルボード製造)

廃木材の受け入れ チップ受け入れ

↓ ↓

一次破砕 チップ一次選別

↓ ↓

一次磁力選別 チップ乾燥

↓ ↓

手選別(プラスチック、紙など除去) チップ等級別選別

↓ ↓

二次破砕 フォーミング

↓ ↓

二次磁力選別(非金属、異物などを除去) 熱圧、調湿

↓ ↓

チップ選別 仕上げカット

-パーティクルボード2-30

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 廃木材等 2.6 t/日2. 使用済廃プラスチック 2.5 t/日3.4.5.

小計 5 t/日種類

1. 廃木材等2. 使用済廃プラスチック

3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

建屋:0.8億円  プラント設備:6.2億円

事業収入:Mウッド2製品販売が100% 平均400円/kg事業支出:主要要素比率   減価償却:人件費:光熱費:原料費=1:1:0.5:0.1

単年度黒字達成:事業開始後 4年目累積赤字解消 :事業開始後 7年目

1 事業概要

廃木材・廃プラスチックを微粉砕し、配合・成形・仕上げ加工により、木再生建材等(M-Wood2)を製造するミサワホームが開発したシステム

構成機器:粉砕機,選別機,計量・混合・造粒システム,押出成形機,2次加工機,塗装機要素技術:廃木材・廃プラスチックを原料とした溶融混練技術,金型成形技術,2次加工, 塗装による製品化技術

現在、当事例の他に2企業にて生産ラインが稼働中。

施設建設費:7億円 財   源:リース

中間処理業者

(3)変換プロセス

(1)全体概要

(2)変換対象物

廃木材 2.6t/日廃プラスチック 2.5t/日

平成13年度:建設工事着工~完成平成13年度:事業開始

該当対象物の集荷エリア長野県内の中間処理業者等

施設設置場所長野県小県郡丸子町

事業名事業主体

MK-MWoodプラントエコファクトリー株式会社

廃木材など(建設解体木材、間伐材等)と使用済みプラスチック(廃プラスチック)を建築建材等に再利用する、ミサワホームの開発技術によるマテリアルリサイクル事業。

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

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-木材-プラ複合素材1-31

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(1)事業化の経緯とポイント

(3)事業化に至る関係者の意思形成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経  緯】:  平成12年度:事業化検討開始  平成13年度:工場見学、プレ販売等市場調査を経て事業化決定  平成13年度:建設工事着工

 【ポイント】:家電リサイクル法廃プラスチック等、潤沢な原料のマテリアルリサイクル(高付加価値)

(2)変換対象物の集荷の仕組み 廃木・廃プラスチックとも中間処理業者等の協力を得て集荷

・稼働中プラントの見学、新会社の立ち上げ

 ・廃木材と廃プラスチックを原料とした100%リサイクル素材を標榜し、ミサワホームによる一貫した技術開発を  実施している。 ・使用する原料の配合及び成形ノウハウを更に開発していく。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  ・官公庁等での活用及びミサワホーム等住宅メーカー・建材メーカーでの活用

(6)施設整備などの財源の確保方策  ・事業者の方針としてリースを選択、採用した。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題   ・官・民レベルでのグリーン購入意識の高まりとともに、Mウッド2製品の需要は増加している。   また、原料入手も各リサイクル法整備を背景に容易となってきた。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  ・事業立ち上げ時のイニシャルコストの償却までは、利益確保が困難であり、Mウッド2が補助対象と   なれば新技術の開発等に注力できる。

原  料 製造プロセス 用  途

間 伐 材

各種チップ

廃   材

簡単分別

粉   

配   

成   

仕 

上 

配合品 加 工

成 形

バイオマス

エネルギー

農ビフィルム

堆 肥 袋

そ の 他

廃木材等

廃プラスチック

建 材

農 業

林 業

漁 業

日用品

その他

園芸品

車 輌

家 電

観賞用

素材料

港 湾

河 川

公 園

景 観

(中

M-Woodプラント

原  料 製造プロセス 用  途

間 伐 材

各種チップ

廃   材

簡単分別

簡単分別

粉   

粉   

配   

配   

成   

仕 

上 

配合品 加 工

成 形

バイオマス

エネルギー

農ビフィルム

堆 肥 袋

そ の 他

廃木材等

廃プラスチック

建 材

農 業

林 業

漁 業

日用品

その他

園芸品

車 輌

家 電

観賞用

素材料

港 湾

河 川

公 園

景 観

(中

M-Woodプラント

-木材-プラ複合素材1-32

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 食品廃棄物 1t/日2.3.4.5.

小計 1t/日種類

1. 食品廃棄物2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設建設費約7億円の他に実証実験費用、施設の維持管理費等に約1億6千万円を要する。

(3)変換プロセス

平成13年度:建設工事着工~平成14年度:完成、事業開始

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

該当対象物の集荷エリア

北九州市内の食品関連事業者等

糖化技術:酵素によるでんぷん質の糖化発酵技術:嫌気性または好気性発酵による糖の乳酸化精製技術:蒸留精製による乳酸の回収

構成設備:糖化設備(糖化槽、加熱槽等)、発酵設備(発酵槽、シード槽等)、       精製設備(蒸留塔等)等要素技術:糖化技術、発酵技術、精製技術等

事業名事業主体

食品産業廃棄物から発酵工程を経て乳酸を回収、精製し、脱石油代替プラスチックであるポリ乳酸製造原料として「精製乳酸」を生産し、食品廃棄物のリサイクルを促進させる。

(1)全体概要

(2)変換対象物

食品廃棄物 1t/日

1 事業概要

実験室規模から実証施設規模へ移行する段階

施設建設費:約7億円財   源:施設建設費の50%が国庫補助       残りの財源は、出資事業者の資金により充当

食品廃棄物生分解性プラスチック化実証研究事業(財)北九州産業学術推進機構 (出資事業者)㈱荏原製作所、㈱武蔵野化学研究所  環境テクノス㈱、オルガノ㈱、電源開発㈱、帝人㈱

施設設置場所北九州市

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-生プラ1-33

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(1)事業化の経緯とポイント

(8)現行事業経営面での課題と対応方向

 【経  緯】:  平成10年:北九州エコタウンにおいて、地元の九州工業大学と民間企業数社が共同で生ゴミから         ポリ乳酸を作り出す技術開発に着手(科学技術庁(文部科学省)科学技術振興調整費を 措置)。  平成11年:生ゴミから10%の乳酸が取れることが実証され、事業化への検討着手。  平成12年:事業化に向けて、もう一段のスケールアップした実証研究と採算シミュレーションが         必要であると判断し、以下の作業を開始。         (1)1t/日の食品ゴミが処理できる実証工場の計画を策定。         (2)食品リサイクル法の制定にあわせて支援制度創設を農水省に要望。         (3)農水省の事業として(財)食品産業センターが行った「資源循環型食品産業モデル          展開事業」の中で、大都市モデルケースとしてポリ乳酸化によるリサイクル事業の          採算性等を検討。  平成13年:食品リサイクル施設先進モデル実証事業の創設を受け、実証工場の建設について         補助申請を実施。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  精製乳酸。(販路確保未定)

(6)施設整備などの財源の確保方策  農水省「食品リサイクル施設先進モデル実証事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 ○実証設備建設以外の外部収入は一切なく、共同研究参画企業の拠出金により事業を推進する  実証研究事業である。 ○生ゴミだけを原料としてポリ乳酸を製造することは採算面からして、事業化が極めて困難。  ・木質廃棄物のセルロースを糖化し、生ゴミから得られる糖とあわせて利用する等により収率を  上げ、製造コストを引き下げる必要あり。  ・生ゴミの収集、精製した糖の輸送等、要素技術で製造工程を分割し、効率を上げることも重要。

○商業化を目的とした実証研究事業である。 ・事業化を前提としたエネルギーバランスの達成、プラントエンジニアリング技術の確認。 ・食品廃棄物を用いて精製乳酸を製造し、ポリ乳酸を試作、改質。製品の加工。 ・公開によるリサイクル技術の普及。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

  (参考)【事業化に向けた研究開発の経緯】:文部科学省科学技術振興調整費により、産学官連携((財)北九州産学連携推進機構、九州工業大学、関係企業等)による生ゴミからの生分解性プラスチック製造実用化に向けた研究開発を実施。(主な実施担当機関は、九州工業大学)・都市ゴミの生分解性プラスチック化による生活廃水・廃棄物処理システムの構築(平成10~12年度)・「都市ゴミの高付加価値資源化による生活排水・廃棄物処理システムの構築」(平成13~15年度) (平成14年度:2億7000万円)・「生ゴミからの高光学純度乳酸の高速製造法」(平成14年度)(平成14年度:1300万円)

(2)変換対象物の集荷の仕組み (3)事業化に至る関係者の意思形成 (4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題  特許「食品ゴミからの糖液の製造」、「食品ゴミを用いて乳酸を製造する方法」  (何れも九州工業大学・白井教授取得)を利用。

-生プラ1-34

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 鶏糞 約312t/日2.3.4.5.

小計 約312t/日種類

1. 鶏糞2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

本県では、鶏糞ボイラー施設方式について平成6年度から検討しており、その中の試験で良好な成績の焼却方式を採用。

施設建設費:約22億円財    源:施設建設費の50%が国庫補助、16.6%が県補助    残りは政策投資銀行から借入金

資源循環型畜産確立対策事業南国興産株式会社

施設設置場所宮崎県北諸県郡高城町

事業名事業主体

県内の養鶏農家から排出される約9万トンの鶏ふんを燃料として利用する鶏ふんボイラー施設を整備し、農家の家畜排せつ物の不適切な管理を防止するとともに、発生する熱源は化製工場で利用するリサイクル体系を構築した。

(1)全体概要

(2)変換対象物

鶏糞 約312t/日

1 事業概要

(3)変換プロセス

平成12年度:建設工事着工平成13年度:工事完了

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

該当対象物の集荷エリア県内全域

鶏糞ボイラー:田熊プラント株式会社の流動床燃焼方式ボイラー灰造粒施設:ヤマト機販㈱の焼却灰造粒施設

構成機器:ボイラー本体、灰排出装置、給水装置、集塵装置、鶏糞供給装置    蒸気タービン発電施設他要素技術:鶏糞の焼却可能なボイラー処理技術。

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設建設費約22億円

事業収入:焼却灰約50%(約25,000円/t)    注:施設整備により従前の電気料金、ボイラー重油代が軽減され、これを収入として      評価すると電気料金138,259千円/年(約32%)、重油ボイラー(蒸気用)の重油代      77,065千円(約18%)に相当。事業支出:燃料費(鶏糞)約24%、九電基本料金等約12%、人件費約12%修繕費等約13%、      灰造粒費約18%、減価償却及びその他経費約21%

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-鶏糞ボイラー1-35

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(1)事業化の経緯とポイント

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

(6)施設整備などの財源の確保方策農水省「資源循環型畜産確立対策事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経  緯】:  平成6年度:畜ふん発電実用化の検討開始。  平成12年度:事業化検討開始。建設工事着工。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  農家搬入。

(3)事業化に至る関係者の意思形成  平成6年度から:畜ふん発電実用化のための各種調査を実施。  平成10年度:児湯地域と北諸県地域で検討していたものを県下で統一。           畜ふん発電システム検討調査の実施。  平成11年から12年度:畜ふん発電システム検討会の実施。  平成12年:国との事業計画協議。

流動床炉を採用。水分含量の高い鶏ふん処理が課題であるが、農家段階で水分調整することで解決可能。

発生蒸気:化製工場内の熱源として利用。 発   電:工場内で消費。 焼却灰:造粒してリン酸・カリ肥料として販売。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  従来、重油ボイラーにより得ていた工場内使用蒸気と九電から購入していた電力を、  今回の施設で供給可能。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  特になし。

南国興産鶏ふんボイラー施設概要

ボイラー

駆動タービン

工  場

蒸気タービン(発電)

蒸気(27.3t/h)

一部発電

蒸気(6.8t/h)

蒸気

電力 電力

電力 130kw

蒸気(41t/h)

蒸気(20.5t/h)460kw(駆動分330kw)

1,500kw

550kw 950kw

(13.5t/h)

ボイラー周辺機器

鶏ふん(

約9万トン/年)

蒸気

(0.2t/h)

-鶏糞ボイラー1-36

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 生ごみ 55t/日 (家庭系・事業系)2.3.4.5.

小計 (メタン発酵) 55t/日

種類1. 生ごみ2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

構成機器:【メタン発酵設備】破砕選別装置(パルパー)、可溶化貯留槽、メタン発酵槽      【エネルギー回収設備】脱硫塔、ガスホルダー、発電機(コジェネレーション)、蒸気ボイラ        【汚泥堆肥化設備】消化汚泥貯留槽、脱水機、乾燥機、熟成貯留場        【その他】排水処理設備等要素技術:負荷変動に強くエネルギー効率の良い完全中温発酵方式。ガス圧力による       無動力攪拌方式(BIMA発酵槽)により省エネルギー化を図っている。

家庭系・事業系生ごみ(一般廃棄物)を対象にバイオガス化事業を行う。メタンガス発電によるエネルギー回収(電気・熱)を行い、処理汚泥は堆肥として再利用を図る。

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設建設費(上記)の他、維持管理費等で年間約1億5千万円を要する。

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

55t/日(計画年次:平成22年度)

メタン発酵:三井鉱山㈱の中温メタン発酵システム(REM)堆 肥 化:三井鉱山㈱の汚泥処理システム

事業名事業主体

1 事業概要

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

(1)全体概要

(2)変換対象物

下記の実証試験施設で、バイオガス化に係る実績を有する。 ・東蒲原広域衛生組合(新潟県) 3.5t/日(生ごみ、下水汚泥) ・八木バイオエコロジーセンター(京都府八木町)46.5t/日(家畜ふん尿等)

施設建設費:1,722,483千円財     源:国庫補助金 296,777千円  起債 1,296,200千円         一般財源(市町負担)129,506千円

メタン発酵によるバイオガス化事業中空知衛生施設組合(滝川市、芦別市、赤平市、 新十津川町、雨竜町)

施設設置場所北海道滝川市

【基本変換技術】

平成14年3月~平成15年7月:工事着工⇒完成平成15年8月:事業開始

該当対象物の集荷エリア組合構成自治体(3市2町)内の一般家庭及び事業所

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-メタン発酵1-37

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(1)事業化の経緯とポイント

 【経  緯】:  平成9~10年度 北海道の「ごみ処理広域化計画」策定             中・北空知地域ごみ処理広域化検討協議会の設置  平成11~12年度  協議会において「基本計画」の策定  中・北空知ブロックの16市町を3つの小ブロックに分け、焼却施設以外の施設については  小ブロックごとに設置することとする。  平成13年度    プラント技術説明会開催(15社参加)              プラントメーカー入札、決定              建設工事着工(H14.3) 【ポイント】:広域化計画に基づく国・道との連携、各自治体間の調整

(2)変換対象物の集荷の仕組み  構成市町の委託収集による。分別収集により生ごみ単品で収集。

(3)事業化に至る関係者の意思形成  ・国、道との連携      ・中ブロック構成市町との協議  ・住民、事業者説明会(13~14年度 各構成市町による)

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題  中温メタン発酵システムを採用。食用油等についてはメタン発酵後の排水処理が困難となるため受入  不可、また、可溶化が困難となる有機物(堅固なもの等)については軽量物として排出されてしまう。  原料精度を確保するための受入規制にも限界があることから、技術的な対策が必要である。    ・河川放流水の水質保持 ⇒異物除去システムの確立    ・原料精度の確保    ⇒生ごみ選別技術の向上

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み   バイオガス⇒ 発電(コジェネレーション利用:400kW/時)による施設内電力確保          ⇒ 熱(施設暖房、堆肥乾燥、ロードヒーティング等施設内利用)          ⇒ 余剰ガスはガスボイラーとして利用可能    堆   肥⇒ 生成堆肥(3.2t/日)の販売 ※詳細未定 ※品質の確保が課題

(6)施設整備などの財源の確保方策  環境省「廃棄物処理施設整備費国庫補助金」対象事業費25%

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 ・生成堆肥の品質確保と販路の検討 ・バイオガス発電に係る経費バランスの調整(設備経費)

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

-メタン発酵1-38

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堆肥

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エネルギー回収設備

放流

汚泥堆肥化設備

パッカー車

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破砕装置

破砕選別装置

(BIMA発酵槽)

ガスホルダー

脱水機

乾燥機

熟成貯留場

袋詰設備

発電機

ストックヤード

脱窒素槽

曝気槽

第二脱窒素槽

再曝気槽

沈殿槽 膜処理水槽

混和凝集槽 活性炭原水槽

活性炭吸着塔

生ごみ搬入

破砕選別装置

(パルパー)

発酵不適物

可溶化貯留槽

メタン発酵槽

メタンガス

安全装置

消化汚泥貯留槽

脱硫装置

電力

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ボイラー

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受入供給設備

メタン発酵設備

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排水処理設備

中空知衛生施設組合

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-メタン発酵1-39

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(空白です)

-メタン発酵1-40

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 下水汚泥 5,440m3/日 (濃度5%)

2.3.4.5.

小計 5,440m3/日種類

1. 下水2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

・汚泥消化タンクへの投入汚泥濃度約5%、固形物減少率約50%、ガス発生倍率約20倍 で安定した消化ガス発生量が得られている。・本市の北部及び南部の2カ所の汚泥処理センターにて、安定した運転実績を有する。 (運転実績:約15年)

施設建設費: - (汚泥処理における一つのプロセス)財   源:施設建設費の2/3(H4まで)、5.5/10(H5以降)が国庫補助       残りの財源は市単独費

下水汚泥消化ガスの有効利用事業横浜市下水道局

施設設置場所横浜市

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

事業名事業主体

1 事業概要

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

【技術の熟成度】

メタン発酵:卵形消化タンクによる嫌気性汚泥消化により、主にメタンガス及び炭酸ガスを生成。

(1)全体概要

(2)変換対象物

下水汚泥 5,440m3/日

北部汚泥処理センター:ガス発電 昭和62年~、 燃料電池 平成11年~、南部汚泥処理センター:ガス発電 平成元年~、ごみ焼却工場利用 平成13年~、

該当対象物の集荷エリア横浜市内全域

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

汚泥処理センター建設費:117,955百万円 (北部、南部汚泥処理センターの合計)

事業収入:下水道使用料としての収入(ガスの有償供給はしていない)事業支出: -

消化ガス有効利用のプロセスのみについての収支は行っていない。

機器構成:受泥設備、濃縮設備、汚泥消化タンク、脱硫設備、消化ガスホルダ、要素技術:下水汚泥(濃度約5%)の一段消化(中温消化約36℃)

(濃度5%)

下水汚泥の処理過程で発生する嫌気性消化ガスを、ガス発電設備、レンガ焼成炉燃料及び汚泥焼却炉補助燃料等に利用。  北部汚泥処理センター:ガス発電 4,780kw、燃料電池 200kw,  南部汚泥処理センター:ガス発電 2,400kw、ごみ焼却工場利用

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-メタン発酵2-41

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(1)事業化の経緯とポイント

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  ・下水汚泥の処理工程の一プロセスとしての扱いで、単独のバイオガス化事業としていない。  ・発電単価が高く、買電電力料金との比較では、コスト面での採算が厳しい。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  ・ガス発電単価が高く、また、ガス発電設備が更新時期に来ている。   このため、ガス発電以外の消化ガスの有効利用及び事業運営の検討が急務である。  ・消化ガスの有効利用について、PFI事業の視点での導入の可能性を検討する。

 【経  緯】:  下水汚泥の集約処理において嫌気性消化の工程を採用し、汚泥の減量化、質の安定化により、  その後の脱水、焼却等の処理設備容量の縮小化を図ると共に、生成する消化ガスを燃料として  有効利用することとした。  昭和62年に汚泥集約処理に伴う嫌気性消化設備稼働。(北部汚泥処理センター)

(2)変換対象物の集荷の仕組み  市内11カ所の下水処理場で発生する汚泥を、パイプラインにより南北2カ所の汚泥処理センター  までポンプ圧送し、受泥(貯留タンク)している。

(3)事業化に至る関係者の意思形成  ・当初は公共下水道事業として実施しており、特段の意思形成はなされなかった。

技術開発課題:  ・消化ガス中の有害成分シロキサン(ガス発電設備燃料として利用)の除去方法  ・消化ガス脱硫設備より発生する硫黄の有効利用

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  ・消化ガス:主に汚泥処理センターで、発電、燃料(レンガ焼成、汚泥焼却)として利用している。   余剰ガスについては隣接するごみ焼却工場へ燃料として供給している。 また、発電時に生じる熱を消化タンクの加温に利用している。

(6)施設整備などの財源の確保方策  ・単独公共下水道事業として施設建設費の2/3(平成4年まで)、5.5/10(平成5年以降)の補助

-メタン発酵2-42

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 乳牛ふん尿 40t/日2. 豚ふん尿 9t/日3. おから 10t/日4. わら・おがくず 1t/日5. 管理排水 5t/日6, 廃牛乳・乳製品 3t/日7, 肥育牛・肉牛 32t/日

計 100t/日種類

1. 乳牛ふん尿2. 豚ふん尿3. おから4. わら・おがくず5. 管理排水6. 廃牛乳・乳製品

7. 肥育牛・肉牛計画規模 第1期: 第2期: 合計

家畜ふん尿 46t/日その他     7t/日

家畜ふん尿 87t/日その他     13t/日

八木町内の畜産農家八木町内の畜産農家

BIMA消化槽はヨーロッパを中心に世界70ヶ所以上で実績有り。

施設建設費:約17億2千万円 平成8年度事業(メタン施設5億7千万円、堆肥施設5億2千万円) 平成12・13年度事業(メタン施設4億8千万円、堆肥施設1億5千万円)財   源:   メタン施設;施設建設費の50%が国庫補助、5%が京都府補助   堆肥施設;施設建設費の67%が国庫補助          両施設ともに残りの財源は、町費により充当

家畜ふん尿メタン発酵処理事業八木町 (施設管理者) 財団法人 八木町農業公社

施設設置場所京都府船井郡八木町

家畜ふん尿 42t/日その他     5t/日

【施設整備事業費とその財源】(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

(2)変換対象物

八木町内の畜産農家等

該当対象物の集荷エリア

【事業収支】

八木町内の畜産農家等八木町内に食品会社

事業収入:廃棄物受入費が約28%、堆肥販売費が約20%、       堆肥散布手数料などその他収入が約15%事業支出:運営費のうち排水処理コストが約39%、労務費が約18%、       電気料金などその他経費が約43%

事業名事業主体

家畜ふん尿処理を単なる堆肥製造のみという従来の方法にとどまるのではなく、嫌気性発酵させることで「消化ガス」を発生させ発電を行う。併せて、残渣の堆肥化及び液肥利用を図る。

(1)全体概要

平成 9年度:建設工事着工平成10年度:事業開始平成13年度:売電開始平成13年度増設工事着工・完成

1 事業概要

施設建設費約17億2千万円(増設後)の他に、運営費等に年間約5,850万円(増設前)を要する。

構成機器:BIMA消化槽、脱水機、排水処理施設、発電機、発酵棟、堆肥舎等要素技術:BIMA消化槽は無動力攪拌であるため槽内部に攪拌装置がなく、メンテ       ナンスが容易であり、高濃度の有機物を直接メタン発酵できる点が特徴。

(3)変換プロセス

【事業収支構造】

八木町内の食品会社

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

メタン発酵:BIMA消化槽(消化ガス圧力を利用した無動力攪拌)堆 肥 化:ロータリー式発酵装置(1日1回ロータリーの回転で攪拌)

八木町内の畜産農家等

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-メタン発酵3-43

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(1)事業化の経緯とポイント 【経  緯】:  家畜ふん尿処理に困窮していた畜産農家からの処理施設建設の要望を受けて事業化に踏み切った。  計画当初は堆肥化を検討していたが、前町長がヨーロッパを視察した際に、エネルギー自給を実現す  る家畜ふん尿のメタン発酵が普及していることに啓発され、八木町へも地域内エネルギー自給という  コンセプトを重視したメタン発酵処理施設を導入した。  【ポイント】:平成12年度より消化液の液肥利用実験を、平成13年度より関西電力への余剰電力の売電        を実施しており、事業性の向上に努めている。

(2)変換対象物の集荷の仕組み 八木町内の畜産農家が家畜ふん尿を自己搬入。

(3)事業化に至る関係者の意思形成 周辺市町村の畜産農家から家畜ふん尿を収集するには、八木町と収集先双方の自治体から家畜ふん 尿の搬出・搬入の許可を得なければならず、手続きが非常に煩雑になるため、対象廃棄物を町内の 畜産農家から発生する家畜ふん尿等に限定。

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題  BIMA消化槽を採用。残渣の処理処分が課題であるが、インジェクターを備えた特殊車両による液肥  の散布を検討するなど、残渣処理に係る負担軽減を模索中。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  バイオガス:発電後電力として利用。施設内必要電力約3,700kwh/日のうち、電気負荷が大きい日中          には電力会社から約700kwh/日を買電、電気負荷が小さい夜間には電力会社及び下水          処理場へ約400kwh/日を売電。  堆   肥:周辺農家で利用。  液   肥:周辺農地で液肥として利用(2003年度実施予定)。(6)施設整備などの財源の確保方策 ・農水省「畜産再編総合対策事業」「畜産振興総合対策事業」の補助対象として、メタン施設の施設建設費  1/2補助。また、京都府が施設建設費の5%を補助。 ・農水省「農林漁業同和対策事業」「小規模零細地域営農確立促進対策」の補助対象として、堆肥施設の  施設建設費2/3補助。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 ・排水処理コストの削減(液肥利用方法の開発、河川放流から下水道放流への移行) ・売電価格の適正化(隣接する下水処理場へ約29円/kwhで売電(実施済)) ・周辺市町村からの家畜ふん尿の受入実施

-メタン発酵3-44

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 事業系生ごみ 12.2t/日2. 有機系産業廃棄物 14.2t/日3. 剪定枝等 4,000t/年4.5.

小計 (メタン発酵)(たい肥化)

24.4t/日2t/日

種類1. 事業系生ごみ2. 有機系産業廃棄物

3. 剪定枝等4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設建設費約15億円の他に、減価償却費、維持管理費などに年間約1億円を要する(事業期間で平均的に試算)。

事業収入:食品廃棄物処理費が約97%、再生品売上が約3%事業支出:減価償却費が約40%、人件費など維持管理費が約48%、       用地賃借費などその他経費が約12%

施設建設費:約15億円財     源:施設建設費の50%が国庫補助、1%が富山市補助        残りの財源は、資本金、銀行からの借入金により充当

(1)全体概要

(2)変換対象物

食品廃棄物 26.4t/日剪定枝    4,000t/年

富山市内の食品製造業者等

平成14年度:建設工事着工~完成平成15年度:事業開始

該当対象物の集荷エリア富山市内の小売・外食事業者等

事業名事業主体

1 事業概要

(3)変換プロセス

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

メタン発酵:鹿島建設株式会社の固定床式高温メタン発酵システム(メタクレス)堆 肥 化:株式会社日本製鋼所のスクープ式堆肥化システム(日鋼式)

単年度黒字達成:事業開始後4年目累積赤字解消 :事業開始後11年目

富山式食品廃棄物バイオガス化事業富山グリーンフードリサイクル株式会社

施設設置場所富山市

事業系生ごみ、有機系産業廃棄物を対象にバイオガス化事業を行う。また、バイオガス化事業に伴い発生する発酵廃液を利用して、剪定枝等の堆肥化事業も実施する。

下記の実証試験施設で、生ごみのバイオガス化に長期の安定した運転実績を有する。 ・大型商業施設 マイカル明石 (明石市):1t/日 ・環境省地球温暖化実施検証事業(神戸市):6t/日

富山造園業協同組合のネットワークを活用

構成機器:分別機、スラリータンク、メタン発酵槽、脱硫塔、排水処理施設等要素技術:高濃度の有機性廃棄物に対応可能な高温発酵型のメタン発酵技術。       発酵槽内に活性の高い高温メタン菌を高濃度で保持。

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-メタン発酵4-45

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(1)事業化の経緯とポイント

(3)事業化に至る関係者の意思形成

 【経  緯】:  平成12年度:富山市が事業化研究会を立ち上げ。事業化検討開始。  平成13年度:財団法人食品産業センターが地区委員会を立ち上げ。           事業化詳細調査及び堆肥化実証試験を行う。  平成14年度:建設工事着工。

 【ポイント】:用地賃借費が440円/m2・年と安価であったこと。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  地域内の廃棄物収集運搬事業者の協力を得て集荷を行う計画。

 ・事業化研究会の開催(平成12年度):食品廃棄物リサイクル事業等が検討対象。 ・富山地区ゼロエミッション推進委員会の開催(平成13年度):   富山市周辺における事業関係者の意見交換や意識啓発を目的に計4回の委員会を開催。 ・説明会の開催(平成13~14年度):   事業への理解と協力を目的に食品廃棄物排出事業者や周辺住民を対象に説明会を開催。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題  固定床式高温メタン発酵システムを採用。残渣の処理処分が課題であるが、堆肥化工程に  おける脱離液の有効利用や、高分解のメタン発酵処理機能の導入により、一定程度残渣処  理に係る負担を軽減。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み  バイオガス:近隣の木質系廃棄物リサイクル施設へ燃料として供給。  堆  肥:緑地整備や地元農業法人で肥料等として利用。  液  肥:一部を堆肥化工程の発酵促進材として活用。

(6)施設整備などの財源の確保方策  農水省「食品リサイクル施設先進モデル実証事業」の補助対象として、施設建設費1/2補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  事業開始後4年目で単年度黒字達成、11年目で累積赤字解消を見込むが、事業性向上の  ためには、食品廃棄物のさらなる確保と処理単価及び再生品売上単価の引き上げが課題。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向 ・残渣の処理処分及び資源化再利用に係る技術開発、及び、関係主体間の連携体制の構築。

食品廃棄物

異物(発酵不適物)

を排出

バイオリアクタ

(固定床式

高温メタン発酵)

処理水

二次処理槽

(浸漬膜活性汚泥)

脱硫塔

バイオガスバイオガス利用

(ボイラー、発電など)

P P

粉砕ポンプ

分別機

スラリタンク

循環ポンプ

-メタン発酵4-46

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 有機性廃棄物 30t/日2.3.4.5.

小計 (メタン発酵) 30t/日

種類1. 有機性廃棄物2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

メタン発酵:デンマークBIGADAN A/S社のビガダン方式メタン発酵システム技術を導入。

食品廃棄物 30t/日

メタン発酵ガス化事業ジャパン・リサイクル株式会社

施設設置場所千葉市

事業名事業主体

1 事業概要

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

(1)全体概要

(2)変換対象物

平成14年10月着工平成15年 3月竣工、4月稼動開始

該当対象物の集荷エリア千葉県下等の食品関連事業者等

【施設整備事業費とその財源】

【技術の熟成度】山梨県の畜産ふん尿処理施設において実証試験済み(川崎製鉄が実施、5t/日)。また、欧州17カ所で同システムの導入実績あり。

施設建設費:約12億円財   源:施設建設費の50%をゴミゼロ型地域社会形成推進施設整備費補助金(環境省)       により国庫補助。残りの財源は、千葉市からの補助金及び借入金により充当。

構成機器:前処理設備、加温設備、発酵処理設備、ガス処理設備、脱水処理設備等要素技術:・発酵工程では熱交換器により有機性廃棄物を高熱(70℃)処理することで改質、        メタンガス発生量が従来技術より10%増大。       ・熱交換器はスクリュー構造で、乱流効果により閉塞が生じず長期間メンテナンス        フリーで処理が可能。・ 機械攪拌式単段消化槽を導入し、スカムの堆積を防止。

食品加工業等から排出される有機性廃棄物を受け入れ、高温で前処理することにより高効率のメタン発酵が可能となるバイオガス化施設であり、発生したガスは製鉄所内で燃料として利用される。

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

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-メタン発酵5-47

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(1)事業化の経緯とポイント 【経  緯】:  平成12年度:千葉市、建設省の「千葉市臨海地域」都市・居住環境整備基本計画において、          製鉄所跡地約40haをリサイクル拠点として位置付け。  平成13年度:蘇我特定地区内のリサイクル機能ゾーンにメタン発酵ガス化事業を織り込み。          都市再生本部ゴミゼロ協議会が、蘇我臨海部を先行整備すべきリサイクル拠点に指定。  平成14年度:山梨県で実証プラント試験。メタン発酵ガス化施設をエコタウン事業とするエコタウンプ          ラン変更承認。千葉市が同事業への補助を予算化。 【ポイント】:メタン発酵ガス化施設と既設ガス化溶融施設の組合せで、有機性廃棄物のハイブリッド・        カスケード処理が可能となり、再資源化率100%が達成可能。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  廃棄物収集運搬事業者の協力を得て千葉市内、千葉県内を中心に集荷を行う予定。

(3)事業化に至る関係者の意思形成 ・千葉市エコロジーパーク構想策定検討委員会の開催(平成13年度)   千葉市、千葉県、省庁、学識経験者、地権者がリサイクル拠点形成を目的に構想を協議。   また、各種リサイクル企業、再資源化組合等の分科会において、立地可能性を検討。 ・説明会の開催(平成14年度)   事業への理解と協力を得るべく、周辺住民及び企業を対象に説明会を開催。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題 メタン発酵工程において有機性廃棄物を高熱処理(70℃)して改質することにより、従来施設に比べメタン ガス発生量を約10%増大させる事が可能となった。また処理に伴って発生する残さは、隣接する既存の 廃棄物溶融ガス化施設でガス化して製鉄所内で燃料にして利用するため、埋立処分等はゼロとなる。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み バイオガス:全量(200Nm3/h)をJFEスチール(株)の東日本製鉄所千葉地区へ供給。 残   さ:隣接するガス化溶融施設でガス化処理され、製鉄所の燃料として供給。

(6)施設整備などの財源の確保方策 環境省「ゴミゼロ型地域社会形成推進施設整備補助金」の対象として、施設建設費1/2補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題

(8)現行事業経営面での課題と対応方向

売却

千葉県 ・千葉市エコタウンプラン有機性廃棄物高効率メタン発酵ガス化事業の概要

食品残さ等有機性廃棄物

メタン発酵ガス化施設(新設 )

受入 ・前処理設備

メタン発酵施設

固液分離設備

食品加工業外食産業食品流通業 等

発酵残さ不適物

排水

消化ガス

発酵残さ ・不適物

固液分離排水

発電設備

ガス化溶融施設(既設)

廃水処理設備

電力

スラグ ・メタル

処理水

売却

海域放流

消化液

≪ 製 鉄 所 内 ≫

バイオガス 精製合成ガス

 燃  料 電力等

-メタン発酵5-48

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 原木市場残材 3,008m3/ 年2. 製材工場端材等 33,094m3/ 年3. チップ工場チップ 26,618m3/ 年4. ボード工場屑 48,000m3/ 年5.

小計 (発電用) 110,720m3/ 年(55,360t)

種類1. 原木市場残材2. 製材工場端材等

3. チップ工場チップ

4. ボード工場屑5.

計画規模 第2期:第1期:110,720m3/年     (55,360t/年)

森林組合の原木市場(構成員)

  蒸気タービンボイラー発電 (電力:3000KWH、蒸気:24t/h)  総合効率85%、発電効率14~15%

構成機器:粉砕機、乾燥機、ボイラー、タービン、発電機

ボード生産企業(構成員)

該当対象物の集荷エリア

地域林業経営確立林業構造改善事業能代森林資源利用協同組合

施設設置場所秋田県能代市

(3)変換プロセス

蒸気タービンボイラー発電は、秋田プライウッド(株)で平成元年から稼働している。

施設建設費:約14.4億円財    源:管理棟の50%国庫補助、発電施設の50%国庫・10%県・1億円能代市補助、       残り財源は、借入金により充当

チップ工場(構成員)

平成14年度:建設工事着工~完成(12月)平成14年度:供用開始(平成15年2月)

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

単年度黒字達成:事業開始後3年目累積赤字解消 :事業開始後5年目

事業名事業主体

スギ樹皮、製材工場の廃材等を粉砕加工し、ボード等の原料など再資源化・燃料化を行うとともに新たな製品の企画開発を行う。また、発電タービンを備えた木屑焚きボイラーでエネルギー化(電気・蒸気)を行い、供給する。

(1)全体概要

(2)変換対象物

能代製材協会・銘木センター(構成員)

1 事業概要

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設建設費約14.4億円の他に、減価償却費、維持管理費などで年間約1.7億円を要する。

事業収入:組合運営費11%、電力販売56%(7.5円/KW)、蒸気販売32%(500円/t)、       ボード原料販売1%(1000円/t)事業支出:人件費26%、保守点検費28%、燃料購入費8%、一般管理費13%、       減価償却費16% 、支払利息9%

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-直接燃焼1-49

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(1)事業化の経緯とポイント

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題 ・木質バイオマス発電の場合は、ボイラーやタービン、発電機等の設備自体が大きく、また設備  費用も大きいため、太陽光発電のように簡単には設置できない。 ・木質バイオマス発電の燃料となる樹皮や端材等を、効率的、安価、かつ安定的に収集できるか  どうかが重要。 ・特に秋田県のような北国では、積雪のために冬季のバイオマス原料の収集と確保が困難になる  ため、大規模な貯留施設の整備が必要になる。 ・熱と電気の両方を利用する安定的な需要(24時間稼動する需要が好ましい)を確保することが  重要である。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向

 【経  緯】:  平成11年度:米代川流域林業活性化協議会内に廃材処理事業化推進プロジェクトチームを設立。           スギ樹皮・木質廃材の実態、活用方法の検討。  平成12年度:実行性の高い能代・山本地域に絞込をし、ズギ樹皮・製材端材等集荷体制確立検討。           会を再編設立し、事業化に向けた検討を開始。  平成13年度:能代森林資源利用協同組合を設立。バイオマス発電施設等設置のための実施。           設計書の作成。 平成14年度:建設工事着工。 【ポイント】:当地域は製材工場も多く、残材の発生量もある程度あったことと、蒸気を大量に使用する        ボード会社やチップ会社との連携がうまくいったこと。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  地域内の廃棄物収集運搬業者の協力を得て集荷を行う。   ・組合員が持ち込む樹皮等に関しては1(円/t)でシステム側が購入。    利用量に応じて組合賦課金を組合員が支払う。   ・組合員以外は秋木運輸に処理費用として3,000(円/t)を支払う。   ・組合員分は運輸業者に粉砕・乾燥作業を委託し、運輸業者は施設を利用する。   ・組合員以外の樹皮等は秋木運輸が粉砕乾燥し、生産された燃料は全量を組合    が購入する(1,000円/t)

(3)事業化に至る関係者の意思形成  ・プロジェクトチームによる検討会2回開催(平成11年度)  ・ズギ樹皮・製材端材等集荷体制確立検討会3回開催(平成12年度)  ・木質資源の循環的利用検討会に参加検討2回(能代市が開催、平成13年度)  ・市と連携し利用推進活動として「森林バイオマスの活用」リフレット作成

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題  特になし

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み 電 力:粉砕・乾燥処理施設での消費分(650KWH)を除き残りは、組合員であるボード企業へ販売。 蒸 気:組合員であるボード企業へ販売(20t/h分)。      スギ樹皮:粉砕乾燥した樹皮(1200t)を樹皮ボード用原材料として販売。

(6)施設整備などの財源の確保方策  農水省「地域林業経営確立林業構造改善事業(資源循環利用推進事業)」の補助対象  設置建設費1/2補助。

-直接燃焼1-50

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 樹皮等 t/日2.3.4.5.

小計 t/日種類

1. 樹皮等2.3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

葛巻林業(株)葛巻工場ペレット工場施設設置場所岩手県岩手郡葛巻町

既に実用化された技術である。

全て自主財源による。

事業名事業主体

自社で発生する樹皮を利用し、ペレット燃料化し、これを近隣のペレットボイラー設置者に販売している。

(1)全体概要

(2)変換対象物

1 事業概要

(3)変換プロセス

1982年11月(開発着手:1981年11月)

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

該当対象物の集荷エリア

木質バイオマス資源の圧縮・乾燥(ペレット燃料製造)技術

前処理工程(粉砕・おが粉製造装置)、ペレタイザー(成型器)、乾燥機等

(4)事業の枠組み

【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

収入に関し、ペレット燃料の販売単価は以下の通り設定。 ・操業~5年目:18円/kg。 ・その後、20円/kg、25円/kgに価格変更。   ※いずれも工場渡し価格。

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-ペレット燃料1-51

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(1)事業化の経緯とポイント

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み

(6)施設整備などの財源の確保方策  本工場では全て自社財源で確保。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

 【経  緯】:  木材チップ工場では剥皮工程があり(木質部と樹皮を分離)大量の樹皮が発生している。当初、  樹皮は山林等にそのまま捨てられていたが、自然発火による火災が発生する危険性が指摘さ  れていた。当時、葛巻工場では工場敷地内に焼却炉を設備して焼却していた。その樹皮を原料  として木材燃料の製造開発に大手商社と提携し着手した。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  自社のチップ化工程で発生する樹皮を活用。

(3)事業化至る関係者の意思形成  ペレット燃料製造については自社のみで事業化。一方、ペレット燃料利用(ボイラー、ストーブ)と  一体となった推進が不可欠であり、近隣にこうした施設が立地していたことも成功要因。

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

 スイミングスクール(温水ボイラー2基、給湯を暖房)2カ所、水耕栽培ハウス(温風ボイラー、暖房)、 温泉(温水ボイラー)。また、国民宿舎(温水ボイラー2基、給湯と暖房、ペレット使用量20~40トン /月)、ブロイラー施設(温水ボイラー、暖房用)は設備老朽化のためペレット利用を中止。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  本工場は既に減価償却が終了しており、採算面では問題ない。ただし、同種の施設を新規に  立ち上げる際にはイニシャルコスト面、ペレット燃料需要先確保面で課題が存在。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  最盛期には林野庁及び通産省が各々助成制度をつくりペレットの普及に努めたこともあり、数年  の間に約30工場のペレット工場が建設された。その動きとともに国内メーカー各社がペレット用  ボイラー、ストーブを開発していった。しかし、為替の変動、石油価格の値下がりが続き、徐々に  石油の対してのコストの優位性を失っていった。1984年頃から急激に需要が低下し、年間3,000  トン以上出荷していた葛巻林業(株)のペレットも約3分の1の1,000トンに減量していった。  経済的なメリットをユーザーに十分に与えることが出来なかった事が急激に需要が低下した原因  と考えられる。今後は、信頼性のある高性能なペレット燃焼機の開発・普及、及び燃焼灰のリサイ  クルシステム確立等も課題となってくる。

原料: 広葉樹樹皮

バーカー 破砕機 定量供給 フィーダー

ロータリー ドライヤー

粉砕機 振動篩

一時 貯留槽

定量供給 フィーダー

ペレタイザー回転式 スクリーン

冷却装置

(空冷)

製品 貯留槽

木屑焼却炉

未粉砕物

製品 ストック 出荷

温風 樹皮・端材

-ペレット燃料1-52

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 間伐材等 600m32. 剪定枝等 100m3 (未定)3. 伐採木等 4,500m34.5.

小計 5,200m3種類

1. 間伐材等2. 剪定枝等3. 伐採木等4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

【技術の熟成度】

該当対象物の集荷エリア高槻市域(~北摂エリア)

木質ペレット加工:川鉄商事㈱による製造ライン

構成機器:タブグラインダー、カッターミル、ハンマーミル、ペレットミル等

【事業収支構造】

【事業収支】

事業名事業主体

(未定)

地域の森林で間伐され、林内に放置されてきた未利用森林資源である間伐材や、公園・街路で剪定された枝条等を、木質ペレット・堆肥等に加工して、活用するための施設整備事業。

(1)全体概要

(2)変換対象物

1 事業概要

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

H12 活用施設着工 ~ H13 完成、稼動H13 加工施設着工 ~ H14 完成、稼動

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【総事業費とその費用構成】

【施設整備事業費とその財源】

施設整備費約550,000千円の他に、施設運営費に年間約14,000千円を要する。

年間700t生産で、自家施設(同事業で整備)のペレットボイラーにて活用。

  全体事業費:615,250千円  うちH12活用施設:233,100千円     H13加工施設:318,675千円  財   源:国庫補助金47%、大阪府4.8%、高槻市19.0%、補助残 森林組合

北摂エリア

地域林業経営確立林業構造改善事業大阪府森林組合(旧高槻市森林組合)

施設設置場所大阪府高槻市

高槻市域

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-ペレット燃料2-53

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(1)事業化の経緯とポイント

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み 木質ペレットについては、現状森林組合運営施設の樫田温泉(木質ペレットボイラー)で利用。 堆肥については、土壌改良材として、地域の農家に配布。

(6)施設整備などの財源の確保方策 農水省「地域林業経営確立林業構造改善事業(資源循環利用推進事業)」の補助対象 設置建設費1/2補助。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  開発の縮小に伴い、収入が減少するため、材料の収集システムを、地域のボランティアと 連携したシステムの構築が重要。  生産量の増大により生産コストが下がるため、森林組合施設での利用以外に木質ペレット 利用施設の導入促進を図ることが重要。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  地球温暖化対策に有効な新エネルギーとしての木質ペレット利用促進のため、利用者に対して、 化石燃料との価格差を助成する制度が必要と考える。

 【経  緯】:  H8 さとやまMORIMORI構想として検討開始  H12 事業計画を策定し、事業化 【ポイント】:未利用森林資源(間伐材、開発伐採木)の有効活用が求められる背景があった。

(2)変換対象物の集荷の仕組み  現状は、山林所有者の持ち込み受入と、森林組合による収集によっているが、今後はボラン ティアを活用した搬入システムの構築を図る。

(3)事業化至る関係者の意思形成  H8~H12にかけ、林野庁、大阪府、高槻市、森林組合で協議を続け、事業化合意。

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術開発課題 木質ペレット加工技術が日本ではあまり普及しておらず、先進国である欧米の技術を取り入れるべく 検討し、最終的にはデンマーク、アメリカ製の機械を導入。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

-ペレット燃料2-54

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 一般家庭廃食油 500㍑/月2. 学校給食廃食油 200㍑/月3.4.5.

小計 700㍑/月種類

1. 一般家庭廃食油

2. 学校給食廃食油

3.4.5.

計画規模 第1期: 第2期:

(4)事業の枠組み 【総事業費とその費用構成】

【事業収支構造】

【事業収支】

【施設整備事業費とその財源】

施設整備費 製造プラントのみ 450万円を要した。200㍑タイプを周辺機器を含めて購入すると約1800万円必要

事業収入:0円(軽油利用額に換算すると700㍑で49,000円/月)事業支出:約22,000円/1ヶ月(メタノール代10,800円 水酸化カリウム代1,000円 保守点検料10,000円)

施設整備費:450万円(100�タイプ)H7年度導入財   源:1/3国庫補助(環境省:生活排水重点地域指定事業)、1/3滋賀県補助、 1/3愛東町 ※今後200㍑タイプのプラント一式を導入する計画を持っている。

廃食油回収費用:0円 メンテナンス委託料:120,000円/1年イニシャルコスト:450万円 ランニングコスト約3,000円/100㍑ (現在所有の100㍑タイプ:平成7年導入)

(3)変換プロセス

1.4t/月

平成14年度:菜の花作付面積規模拡大のための国、県等と調整平成15年度:拠点施設「エコステーション(仮称)」建設工事着工時に、廃食油燃料        再生プラントの200㍑タイプを導入する計画。

【基本変換技術】

【構成・要素技術】

【技術の熟成度】

該当対象物の集荷エリア現在は愛東町のみ、今後近隣の市町に拡大する計画

メチルエステル交換:有限会社エルフの「廃食油燃料化プラント」

構成機器:反応層、一次タンク、二次タンク、貯留層、真空ポンプ、加熱ヒーター要素技術:メタノールと脂肪酸のメチルエステル交換反応を利用。      燃料と副産物は、自然沈殿により分離する。      附属の加熱ヒーターにより、120℃まで加熱して燃料の水分を除去する。

事業名事業主体

琵琶湖の水質保全を目的に、家庭からでる廃食油を完全回収しBDF化を行う。休耕田に菜の花を栽培し、エネルギーの地域内循環のモデル地域づくりを目指す「イエロー菜の花エコプロジェクト」を推進する。

(1)全体概要

(2)変換対象物

0.7t/月

現在は愛東町のみ、今後近隣の市町に拡大する計画

1 事業概要

平成10年より公用車へBDFの利用を本格的に開始。3回エンジントラブルになる。平成13年5月よりBDF100%使用車両を1台に限定し運行。現在公用車のトラブルはないがBDFの品質が均一でないためリスクを伴っている。

愛東町廃食油燃料化事業滋賀県愛知郡愛東町

施設設置場所滋賀県愛知郡愛東町

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-バイオディーゼル1-55

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(1)事業化の経緯とポイント

(4)主要要素技術とその制度面での対応/技術課題

   近隣のガソリンスタンドや市町村と協議して供給。(6)施設整備などの財源の確保方策

補助制度の活用

 【経  緯】:  昭和56年度:廃食油の回収が始まる。  平成 7年度:全国の自治体で初めて廃食油燃料化プラントを設置する。  平成10年度:あいとうイエロー菜の花エコプロジェクトが始まる。 【ポイント】:廃食油の回収システムがプラント導入前に確立していたこと。

(2)変換対象物の集荷の仕組み 愛東町内では、集落単位で町集積所まで搬入する「あいとうリサイクルシステム」が確立。 今後、近隣市町村や、廃棄物収集運搬業者等と調整を行い、廃食油の収集を計画する。

(3)事業化に至る関係者の意思形成 廃食油燃料化学習会の開催(平成6年):滋賀県環境生活協同組合理事長藤井絢子氏を 講師に招き、廃食油の燃料化について区長、議員、住民を対象に開催。

(5)変換製品の種類とその販路(利用先)確保の仕組み BDF:町の公用車に利用     営農組合で使用されているトラクターにも販路を拡大し、環境調和型農業の展開を図る。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

副産物として「グリセリン」と「アルカリ水」ができるため処理が必要になる。BDF100%利用以外での、軽油引取税課税により、価格競争力に欠ける。BDFは、使用済みの油を原料とするため、品質基準の確立が必要になる。

(7)事業経営見通しと採算面でのポイント・課題  ・現段階では採算がとれず自治体運営が主体となっている。  ・BDFと軽油混合時の軽油引取税の非課税あるいは減税により、価格競争力を高まり、   需要が増加する可能性が高い。

(8)現行事業経営面での課題と対応方向  ・残渣の処理処分及び資源化再利用に係る技術開発及び関係主体間の連携体制の構築。  ・BDF利用者に対する優遇措置の検討。  ・廃食油回収範囲拡大及び菜の花関連施設の整備に伴う設備増強。

触媒

メタノール

廃食油

ろ過

メチルエステル交換

分離

洗浄

加熱

分離

洗浄水 グリセリン

洗浄水

BDF精製プラント

分離・ろ過

反応層

-バイオディーゼル1-56

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【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 植物性廃棄物2. 有機系廃棄物3. 廃食油4. 廃水5.

小計計画規模 第1期: 第2期:

1 事業概要

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

科学技術振興調整費「先導的研究等の推進」 平成13年度 約2.6億円 平成14年度 約2.6億円

循環型社会システムの屋久島モデルの構築 施設設置場所:鹿児島県熊毛郡屋久町、上屋久町

・平成13年度   ・屋久島モデル第1次案の作成  ・屋久島モデル第1次案にもとづく内外調査における調査項目の決定と調査   ・屋久島情報ツールの設計と製作着手・平成14年度   ・内外調査(継続)   ・前年度及び今年度の内外調査結果に基づく屋久島モデルの第2次案の作成   ・屋久島環境情報ツールのプロトタイプ製作と試験運用   ・屋久島モデル方法論の設計・平成15年度   ・屋久島モデル方法論の作成   ・屋久島環境情報ツールの完成   ・住民に対する事業説明と意見聴取の結果と各サブテーマの成果を踏まえた    屋久島モデルの最終案の作成

鹿児島大学(中核機関)、豊橋技術科学大学、東京工業大学、東京大学、鹿児島県工業技術センター、国際連合大学、株式会社鹿児島頭脳センター、ジーイーネット株式会社

以下の技術開発を行う ・長寿命植物の繁殖と利用技術・ 森林廃棄物 ・農産廃棄物・未利用植物等から精油やヘミセルロースやオリゴ糖の生産を行い、  機能性食品や吸着性能素材の開発 ・メタン発酵によるバイオガス高度利用と廃水電気分解による水素ガス・塩素ガス利用 ・メタン発酵残渣の炭化と工業用・建築・農業用資材の製造

【財源】

事業名事業主体

屋久島をプロトタイプとして、地域活性化と自然環境の保全両立できる循環型社会システムの設計・導入の手法を構築する。これを幅広く他地域に適用することで、狭隘な資源小国日本の持続的発展に貢献する。 1) 地域自然エネルギーと共役する物質循環システムの設計手法を提案して、屋久島モデル  を構築する。 2) 持続的活性社会としての資源循環を支え、かつ新産業創生に貢献する再資源化技術を  開発する。 3) 循環型社会を推進する経済システムを構想し、実現に向けた政策手法を提案する。

(1)全体概要

(2)変換対象物

技術開発であり、事業計画なし

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-技術開発事例1-57

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【期待される具体的な成果】屋久島は平成5年世界自然遺産に指定され

てから,自然と共生することを目標とし,ゼロエミッション構想に基づいた行動がとられている。屋久島は離島であるため,特殊な希少植物種の増殖技術の確立,これらを活用した各種の高機能性物質の生産が求められている。

一方,屋久島は外海離島であることから,インプット・アウトプットに加えて島内における物質移動,エネルギーおよび経済の流れの把握が比較的容易である。エネルギー源の大部分は水力発電,化石燃料により賄われているが,化石燃料の削減が求められている。

この地にある廃棄物等をはじめとする未利用物質の資源化,さらにこのプロセスで発生するエネルギー変換技術を活用することにより,他地域にないゼロエミッション構想を導入した地域産業の創生が期待される。これは廃棄物処理に貢献するだけでなく,地域の自然と共生できる企業の創生に伴い,地域における雇用の場が生まれるなど経済の活性化も期待される。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策【研究の新規性】 物質循環・経済構造の把握しやすい離島を研究の場とし、当初から住民合意形成や社会的な受け入れ可能性を考慮に入れていること。

【本研究における資源の有効活用と廃棄物のリサイクル化のための技術開発の目的】 屋久島をケース・スタディーとして,ゼロエミッション思想にもとづいた自然環境と調和した未来社会の形成を目指している。すなわち,屋久島における森林資源や地域特有の希少植物種の増殖技術,未利用バイオマス資源および埋立てや焼却処分されてきた有機質系廃棄物から,有用な成分の抽出と再資源化の構築をめざし,これまでに存在しない高付加価値の物質を創生し,地域経済の活性化、ベンチャービジネスを狙った技術開発を目指す。

【技術開発の目標】 目的を達成するために以下の項目の成果を目標とする。 1)長寿命を有する希少植物種の増殖技術ならびにその利用技術の確立。 2)屋久島に存在する利用度の低い廃棄物を含むすべてのバイオマス資源から有用成分を抽出し,機能  性食品ならびに医薬品への技術を確立。 3)有機系廃棄物を資源として乾式および湿式メタン発酵技術による発生バイオガスの高度利用と廃水  電気分解処理により発生する水素ガスの燃料化技術の開発。 4)複合廃棄物を活用したメタン発酵残さの炭化技術、廃食油のエステル化技術による噴霧燃焼燃料化  技術を確立する。さらにメタン発酵残さ由来の炭化物の再資源化を目指す。 ここに、環境に優しい高付加価値物質を生産する起業化を狙い,これらの成果を他地域に公開すること とする。

 上記の目的を達成するために, 1)長寿命を有する希少植物種の増殖技術ならびに利用技術を開発する。 2)屋久島に存在する利用度の低い廃棄物を含むあらゆるバイオマス資源の有用成分から機能性食品  ならびに医薬品を開発する。 3)複合廃棄物由来のバイオマス・エネルギーのガス燃料化ならびに高純度メタンガス化技術,さらに各種  のエネルギー変換技術を導入し,燃料電池(水素電池)の創生を目指す。 4)複合廃棄物を活用したメタン発酵残さ物の炭化技術、家庭用廃食油を活用した重油代替材として  クリーンなエネルギー化、創生された炭化物の活用技術の開発を行う。 地域の自然と共生し,しかも環境に優しい高付加価値物質を生産し,以上の成果を統合した地域経済の 活性化を目指すと共に,起業化を狙った技術開発を行う。

循環型社会システムの屋久島モデルの構築

循環型社会システムの屋久島モデル

資源・エネルギーインプット最少化

環境負荷最少化

再資源化技術

有価物・エネルギー

未利用物質・廃棄物

再生可能自然エネルギーリサイクルエネルギー

循環型経済社会システム

地域物質循環システム

情報入力・活用

データベース未利用物質・再資源化技術

合意形成システム

サブテーマⅡ(1),(2)

サブテーマⅡ(1),(2)サブテーマⅢ(2)(3)

サブテーマⅢ(1)

-技術開発事例1-58

Page 62: バイオマス利活用事業事例 - maff.go.jp · 製品堆肥の利用者の拡大の必要性 2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策 【経緯】

【事業内容】

【事業実施計画】

種類 量1. 木質バイオマス

2. 農業系資源 米ぬか、籾米等3. 家庭生ゴミ4. 家畜排せつ物5.

小計計画規模 研究開発プロジェクトであり、変換対象物の取扱い規模は未定。

1 事業概要

【財源】

以下の技術開発を行う ・低温熱源回収システム、木質バイオガス生成(青森県 八戸エリア) ・米ぬかセラミックスの開発とメカトロニクスへの展開(山形県 山形・米沢エリア) ・籾米起源の炭素材料を用いた高速充電リチウムイオン二次電池(山形県 山形・米沢エリア) ・生ゴミと家畜排泄物を混合した廃棄物の効率的な嫌気発酵により発生するメタンガスを燃料と  する熱電併給(コジェネレーション) (茨城県 霞ヶ浦南岸新興都市) ・メタン発酵残渣物の炭化処理と有効活用(茨城県 霞ヶ浦南岸新興都市)

(4) 実施地域 平成14年度は19地域を選定。うち、バイオマスの利活用に関連するものは次の3地域。 ・青森県 八戸エリア:地域リサイクルエネルギー高度利用システム ・山形県 山形・米沢エリア:農業系資源利用型マテリアル ・茨城県 霞ヶ浦南岸新興都市エリア:生ゴミ・家畜ふん尿バイオマスのエネルギー化システム  の開発

事業名事業主体

(1) 目的・趣旨: 個性発揮を重視して都道府県等(政令指定都市を含む)の都市エリアに着目し、大学等の「知恵」を活用し新技術シーズを産み出し、新規事業等の創出、研究開発型の地域産業の育成等を目指すもので、都市エリアにおける産学官連携事業の促進を図る。(2) 事業計画: 地域が主体的に立案した事業計画の提案を公募し、本事業の実施地域を選定。(3) 事業概要: ・個性発揮、地域特性を重視し、特定領域への分野特化 ・都道府県及び政令指定都市の指定する中核機関を事業の実施主体として補助 ・各都市エリアの事業目標、産学官連携実績等に応じて、産学官の連携基盤整備から研究  成果育成まで幅広いメニューで対応   平成14年度当初予算額 25億円(新規)

(1)全体概要

(2)変換対象物

(3)変換プロセス

(4)事業の枠組み

文部科学省「都市エリア産学官連携促進事業」平成14年度 約25億円 ・1エリア当たり6千万円~1億千万円程度と弾力的に運用(平成14年度は19地域を選定)

都市エリア産学官連携促進事業 施設設置場所:鹿児島県熊毛郡屋久町、上屋久町

・平成14年度   7月 事業実施地域決定   9月 事業開始・平成14~16年度 事業の実施

・青森県 八戸エリア:   株式会社八戸インテリジェントプラザ(中核機関)、八戸工業大学、八戸工業高等専門学校、   青森県機械金属技術研究所・山形県 山形・米沢エリア:   (財)山形県企業振興公社(中核機関)、山形大学、東北大学、山形県・茨城県 霞ヶ浦南岸新興都市エリア:   (財)茨城県科学技術振興財団(中核機関)、筑波大学、独立行政法人国立環境研究所、   独立行政法人農業技術研究機構、茨城県畜産センター

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-技術開発事例2-59

Page 63: バイオマス利活用事業事例 - maff.go.jp · 製品堆肥の利用者の拡大の必要性 2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策 【経緯】

【茨城県 霞ヶ浦南岸新興都市エリア】

 「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」や「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(家畜排泄物法)」の施行にあわせ、焼却や埋立処分が困難になってきている家庭の生ごみと河川や湖沼の汚濁原因の一つとなっている家畜排泄物を混合した廃棄物(バイオマス)を効率的に嫌気発酵させ、発生するメタンガスを燃料とする熱電併給(コジェネレーション)を行う技術開発を行おうとするものである。 さらに、発酵残液については低コスト・高効率な電気化学的高速廃水処理法により浄化するとともに、発酵残渣物については炭化処理し、その有効活用を図ることで、有機系廃棄物の低コスト・トータル処理及び再利用システムとして開発する。 これにより、霞ヶ浦の水質浄化、地場産業(畜産業)の振興、バイオマスから発生する温室効果ガスCH4(メタン)の有効利用等によるCO2の排泄抑制(地球温暖化の防止)、混住地域における生活の質の向上を図る。 本事業の成果については、廃棄物に対応する新規技術として早急な実用化を図るとともに、この新技術は、ごみ、廃水処理全般にも応用でき、循環再利用型社会の構築のための基盤技術となることから、環境分野における新規産業の育成に資するものとなる。 なお、茨城県としては、平成16 年の竣工を目指し整備を進めている水環境についての調査研究・技術開発、環境学習、市民活動との連携支援、交流・情報発信の総合的な拠点(地域COE)である「霞ヶ浦環境センター(仮称)」へ、本事業で培われた要素技術のシーズや省を超えた人的・組織ネットワークなどの成果を引き継いでいくこととしている。

【青森県 八戸エリア】

 八戸工業大学に蓄積された技術シーズと青森県の豊富な未利用資源を基に、「低温熱源回収システム」と「木質バイオガス生成」の二つの研究テーマを設定するとともに、それぞれが連携したエネルギーシステムを評価する「全体システム評価」をサブテーマとして設定し、共同研究を実施することにより、八戸地域における「地域リサイクルエネルギー高度利用システム」を構築する。

【山形県 山形・米沢エリア】

 特定領域として掲げた「農業系資源利用型マテリアル」は、21 世紀のエレクトロニクス産業の事業コンセプトと製品展開を大きく変貌させるキーテクノロジーとなる。また、山形県の特徴である米を始めとした農業系資源を素材に、地域の特性を活かした産業振興を図ることを目的として、機能性有機材料工学のシーズ活用を図るものである。具体的には、有機エコマテリアルとして、米ぬかセラミックスの開発とメカトロニクスへの展開を図るとともに、籾米を起源とする炭素材料を用いた高速充放電リチウムイオン二次電池に関する基盤技術を開発し、動力システムへの応用を行う。

2 事業化および事業展開面での課題や同種事業の促進方策

-技術開発事例2-60