8
記念講演 演題 ヒマラヤ000m峰 14座への軌跡 講師 近藤 和美 こんどう かずよし 日本勤労者山岳連盟名誉会員、日本山岳・ スポーツクライミング協会 国際委員 参加費:500円(資料代等) ■主催:九州登山情報センター “山の図書館” ■後援:太宰府市 日本山岳会 福岡支部 ■協賛:福岡県山岳連盟 福岡県勤労者山岳連盟 2018年5月1日 九州登山情報センター ニュース 第60号 水田に映える富士山 平岡 (油彩30) ページ 第14回 通常総会 ハッピーハイカーズweb版 福岡登山フォーラム 2~3 「『氷壁』を越えて」に学ぶ ザイル切断事故 なぜザイルが切 れたか 事故が事件になった ザイルの安全基準策定 4~5 筑紫路の霊峰・宝満山 山の図書館 掲示板 広告 アルパインツァー・編集後記 ■【申し込み・お問合せ先】 「山の図書館」 太宰府内山708 電話/FAX 092-928-2729 E-MAIL:[email protected] ☆開館時間 11時~16時 (水、木曜 休館) 第14回 通常総会 案内 記念講演会と創立15周年祝賀会開催 日 時:6月17日(日) 13時~13時40分 総会 ※会員のみ ・・・・・・・ ・・・・・・ 14時~15時30分 記念講演会 15時45分~17時30分 祝賀会 会 場:太宰府館 まほろばホール 太宰府市宰府3-2-3 電話 092-918-8700 西鉄太宰府駅から徒歩2分 記念講演会&祝賀会.どなたも参加 できます。大勢ご参加下さい。 ※チラシ記載の参加申込書をご利用ください。 K2峰

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記念講演 ●演題

ヒマラヤ000m峰 14座への軌跡

●講師 近藤 和美こんどう かずよし

日本勤労者山岳連盟名誉会員、日本山岳・ スポーツクライミング協会 国際委員

■ 参加費:500円(資料代等)

■主催:九州登山情報センター “山の図書館”

■後援:太宰府市 日本山岳会 福岡支部

■協賛:福岡県山岳連盟 福岡県勤労者山岳連盟

2018年5月1日

九州登山情報センター

ニュース 第60号

水田に映える富士山 平岡 浩 (油彩30号)

目 次 ページ

第14回 通常総会 ハッピーハイカーズweb版 福岡登山フォーラム

2~3

「『氷壁』を越えて」に学ぶ ザイル切断事故 なぜザイルが切 れたか 事故が事件になった ザイルの安全基準策定

4~5

筑紫路の霊峰・宝満山 6

山の図書館 掲示板 7

広告 アルパインツァー・編集後記 8

■【申し込み・お問合せ先】 「山の図書館」 太宰府内山708

電話/FAX 092-928-2729 E-MAIL:[email protected]

☆開館時間 11時~16時 (水、木曜 休館)

第14回 通常総会 案内 記念講演会と創立15周年祝賀会開催

日 時:6月17日(日)

13時~13時40分 総会 ※会員のみ ・・・・・・・ ・・・・・・

14時~15時30分 記念講演会

15時45分~17時30分 祝賀会

会 場:太宰府館 まほろばホール 太宰府市宰府3-2-3 電話 092-918-8700

西鉄太宰府駅から徒歩2分

記念講演会&祝賀会.どなたも参加

できます。大勢ご参加下さい。

※チラシ記載の参加申込書をご利用ください。

K2峰

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山の図書館ニュース Page 2

第14回 通常総会 2017年度の活動と218年度の計画

2017年度は記念講演「グレートヒマラヤ

トレイル(GHT) 1700㎞を行く」(山口千絵

子氏 )の大きな反響で開けた。3年前のネ

パール地震災害支援として取り組まれた山

旅は、被災地ばかりではなく、寒冷、高所など

厳しい自然とそこに暮らす人たちの生活に

視線を向けた報告で感動を呼んだ。

しかしこれは同時に、自然と文化を改めて

問われた体験と山口さんはまとめられた、

その一つに、この秘境の地を踏査した先達の

記録や研究が山の図書館の蔵書に含まれて

ハピーハイカーズは、2年前、ここで産声をあげた若者たちのコミュニ

ティ。山を愛するすべてのハイカーにと増殖中‼ 国内外の活動は、登山、ボルダリング、スキーと展開され圧倒的で心地よい。メンバーの交流も活発な様子が覗える。 そのweb版(月刊1~3月)で、山の本を語る山の図書館の歩みが暖かく紹介された. この上は、登山の文化に親しみ、山の図書

館への熱い視線、ますます拡散して‼ 館内の紹介、本棚、玄関と外観、スタッフ

おり、事前に一端でも把握できていればさ

らに充実した体験になったはずと。

振り返って、情報化の指摘の中で、その情

報が登山の課題をどれだけ克服しているか

という分析は重要な問題。

現代の情報の概念を創出した川喜田二郎

は、情報の集積が発想を創ると指摘してい

る。情報の関連性や組み合わせ、干渉が豊

かな発想を生み出す。情報は消費するもの

ではなく、創造を促すもの。

山の図書館の蔵書や資料は、尽きない情

報源であろう。一人々々の登山者に確かな

情報が届く仕組みが必要になっている。

15年の活動の成果の普及を

山の図書館は創立15周年を迎えることに

なり、従来の活動を踏まえた取組を行う。

1.ナイロンザイル事件の資料展示の取組

み。我が国の山岳遭難防止活動の原点で

あり、その教訓を現在の事故増加対策の基

礎として普及する。

その資料展示はこれまでの活動の経過の

なかで関係機関(者)の協力を得ることがで

きることとなった。

2.記念講演「ヒマラヤ 8000m峰 14座の軌

跡」については、高峰登山の到達点といえ

る近藤和美氏の成果を、次世代に伝える機

会としたい。

HAPPY HIKERS Web版に紹介

2017年度の活動報告

5月14日 第13回通常総会 記念講演「グレートヒマラヤトレイル」

7月~9月 「『氷壁』を越えて」展協力 資料展示「ナイロンザイル事件」

子どもたちの登山支援 10月28日 学童クラブ 金山 11月1日 保育園児 久住山登山 園児130名

編集制作 支援 県連通信 12回

レインボーハイク 4月26日 背振山 5月11日 市房山 6月1日 九重平治岳 9月14日 鞍岳 11月1日 九重扇ヶ鼻 12月7日 二丈岳

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Page 3 第60号

山の文化遺産めぐり 第4回“山の図書館”の紹介

全国誌の連載企画に、“登山者が設立し運営する”山の図書館のあゆみを紹介。この連載には、植村直巳記念館、大町山岳博物館、韓国山岳博物館などが紹介されます。

「『氷壁』を越えて」展 (上高地)を観る 8月

今年の冬は寒かった 薪ストーブの懐かしい炎が来館者を優しく迎えた冬

カリキュラム(講師・テーマ)

1月15日 講師 田上和弘氏 世界のBCからジャパニについて思うこと

2月19日 講師 浦 一美氏 福岡の岳人達の情熱

3月12日 講師 浦 一美氏 先人から学んだこと

4月16日 講師 首藤耕一郎氏 老いて山と接する

5月21日 講師 大矢統士氏 河口慧海の歩いた道

6月18日 講師 近藤和美氏 ヒマラヤ放談

7月9日 講師 田上和弘氏 K2へ

8月20日 映画 MOUNTAIN OF STORMS

今しかない! 今こそ聴こう、話そう! 山のアレコレ 冬山や海外登山、トレッキング、ハイキング、山旅をしたいけど身近に教わる人がいない…

そんな方々に、講師の実体験を踏まえた色々な話題を1年間かけてお話します。高峰から低山まで。山の初心者から経験者まで、山の好きな方なら資格、所属団体を問いません。どなたでもお気軽にご参集下さい。

♣ 講座日:毎月1回・第3月曜日 19:00~21:00 ※変更になる場合もあります

♣ 場所:福岡市健康づくりサポートセンター

あいれふ 福岡市中央区舞鶴2-5-1 ☎092-751-7778 ♣ 受講料:1回¥500 (資料・会場代)

ふくおか登山フォーラム 開催 登山の各分野の豊富な経験者の 話を聞く集会を開催

交流コーナーの模様替えするとベンチに座り本を読む人が多くなった

登山時報 5月号

寄贈図書の増加 昨年末から今年にかけてたくさんの本が届いたが、整理が間に合わずにちょっと雑然。10周年の折、隣室に書庫を増設したがまだ足りない。 届いてきた本はもちろん寄贈いただいたもので、相当のものはすでに所蔵されているが、初めて目にするものも当然少なくない。こんな本との出会いがなんとも嬉しいもの。たしかに“山の図書館”は充実度を増している事になるが、整理(登録)が追い付いていない。追加で寄贈予定のA氏には,リストの作成をお願いしている状況。 その一方でH氏は、文芸誌「アルプ」全号 (1~300号)を読破しようと取り組んでいる。10号づつ程を借りて行かれるが、新しい発見があるという毎回の感想。

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1955年元旦早朝6時、石原國利、澤田

榮介、若山五朗のパーティは奥又白池・宝の木付近のベースキャンプを出発、7時30分にB沢上部でアンザイレン(お互いをザイルで結び合うこと)して、傾斜60度の北壁にとりつきました。雪が固まっておらず、非常に悪い状況の中、15時50分にAフェース下に到着します。昼食後、高

さ 80m、 傾 斜 65 度 の Aフェースにとりつきましたが、17時30分には視界がなくなり、頂上まで30mほどの地点の斜面でビバーク(緊急的な野営)しました。 明けて2日、パーティは行動を開始しましたが、それまで先頭だった石原が疲れのため岩を乗り越せなかったため、若山が先頭となります。そこで転落事故が起ったのです。

若山五朗は、石原が先に念のために頭上に突き出した岩に掛けたザイルをそにままに、右側を登ろうとし

た。その時足を滑らせて50㎝ほど滑落した。ザイルが頭上の岩に掛かっているので若山は停止するはずであったが、ザイルが切れ若山は墜落行方不明となった。ザイル切断時のショックは全くなかった。

Page 4

ザイル切断事故に際し、岩角欠陥を見抜き再発防止の情報発信をした。登山者の命を守る活動の先進性に学ぶ

山の図書館ニュース

「ナイロンザイル事件」資料展

「『氷壁』を越えて」 に学ぶ(仮題)

位置図

鈴鹿工専公開実験 1973年(昭48) 3月11日

公開実験は全面的に石岡の主張を証明し、登山用ロープの安全基準策定へと繋がった。

岩角欠陥の証明 小規模な実験 1955年

石岡は、1月中旬から小規模な実験にとりかかりました。実験用の木製架台で、エッジを付けた台の上にザイル上端を結んで固定し、他の端におもりの石を結んで落下させると、直径8㎜のナイロンザイルは、わずか15㎏余りの石の高さ60~70㎝の落下ですら、エッジ部分で切断することが分かったのです。

現地調査に基づく実験 巨木実験 1955年9月1日

石岡は、遭難現場の調査によって事故の正確な再現が可能になったことをうけて、鈴鹿市の神戸城跡で再検証実験をおこないました。松の巨木の枝に遭難現場の岩角に似た岩石を固定し、それを支点として、60kg の砂袋のおもりを落下させるというもの。その結果、ナイロンザイルは落下距離50cm でもあっけなく切断したのに対し、麻ザイルは落下距離1m でも三つ撚りの一本が切れただけでした。

切断面を解析

ザイル切断 事故発生

何が起き たのか

ザイルはなぜ 切れたのか

岩角欠陥の証明と 切断原因の究明

事故前日のパーティ

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るまでに20年の歳月を要し、その間にもザイ

ル切断事故は多くの犠牲を生んだ。

作家・井上靖は当事者の若者(石原國利)の

主張を信じて小説

「氷壁」を書き、社会

的に広く関心を呼ぶ

ことになった。

ナイロンザイルの岩角欠

陥を指摘し再発防止を呼

び掛けた岩稜会の主張は、

ザイルメーカーの欺瞞の公

開実験によって否定され、

同会は虚言者扱いとなり、

社会的制裁を受ける立場に

追い込まれた。

石岡らは事故の科学的な

解明を進め、報告書、資料

(右写真)を山岳、報道機関に届け、“真実”

を社会を問い続けた。その主張が認知され

Page 5 第60号

1955年4月29日、東京製綱蒲郡

工場でナイロンザイルの切断

実験が公開された。篠田軍治

大阪大学教授の指導により、報道関係者など

が見守る中で行われた実験は、ナイロンザイ

ルは麻ザイルよりも岩角に強く切れ難いと

いう結果になった。

新聞はその結果を報道し、石岡らの主張し

た岩角欠陥は否定され、前穂高事故はザイル

に原因はないものとされた。(後日、その実

験にはエッジが丸められた事が発覚し偽装

の実験だったと判明)

新聞を目にした石岡は「インチキだ」と叫

び「ナイロンザイル事件発生す」と記した。

事故が事件になった

通産省は安全基準の制定作業を進め、「通商

産業省関係特定製品の安全基準等に関する

省令」の一部を改正、通商産業省令第五十五

号として、ザイルの安全基準が定められた。

1975年6月6日 生活用品安全法

登山用ロープの安全基準 策定

1.引張り強さの試験 2.エッジでの強度試 験→世界唯一 3.ロープ1本1本に Sマーク+エッジの 警告書…エッジ強 度 150 kgf

1/2 マーク

岩角での切断警告Sマーク安全マーク

引っ張り衝撃

860 kgf

切れない

切れる値150 kgf

2本で使う

実験結果を報じる 新聞(中部日本新聞)

蒲郡実験

設備(

東京製綱蒲郡工場)

登山の問題から 社会問題へ

実験に使われた花崗岩(エッジが丸められた)

石岡繁雄

(2006年没)

掲載した資料は名古屋大学(博物館、大学文書資料室)、石岡繁雄の志を伝える会からのデー

タ提供。誌面の都合で一部省略箇所があり、展示品とは異なることをご了承ください

安全基準 の策定

石岡と遭難防止

石岡は山岳雑誌や各地の山岳会の機関紙に発表をしてきた「安全な登山」のための著述の集大成ともいえる「遭難防止論」(全278頁)を執筆しました。また、文部省登山研修所で委員を務め遭難防止の普及に努力しました。 通商産業省製品安全協会登山用ザイル安全基準調査研究委員を務め、消費生活用品安全法の制定に貢献し、PL法(製造物責任法)の生みの親といわれるようになりました。

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ていた。 彼らが定住、妻帯し、世襲である事

にも驚いた。旧い山中絵図や地誌から判明

した西院谷9坊、東院谷16坊。

西院は百段ガンギ手前から左右に始ま

る。正面登拝道を外れブッシュを分け入る

と忽然と平坦地が現れる。基壇や倒壊した

五輪の塔、梵字の刻まれた苔生す石が

点々と転がるさまに、一瞬で異界にタイ

ムスリップし深閑とした気に息を呑

む。そこは静謐で、私が今迄知っていた

騒々しい宝満山ではなかった。

西院谷には「雪室」と仮称される方

形の囲い跡があるが、他所の「氷室」と

比し広過ぎるので、共同の貯蔵所の様なもの

かも知れないとの岡寺先生の見解だった。

西院谷はここ、雪室より上には坊が無い。地

形が急峻なため東院谷に比べ坊数が少なく

基本的には行き止まりとなる。

女道を上がる途中の右側から東院谷に入

る。平坦地が得られ易く坊と坊とがつな

がっている。伊万里か有田か、呉須の食器片

が落ちている。廃絶して150年位なので、ま

だ生活の痕跡が残る。先生は「いずれ発掘

調査等、来るべき時のために、拾ったり動か

したりしないように。そのままにしておく

よう。」と仰有る。

そして中宮跡手前に在る芭蕉句碑の右横

から右上した所に在るのが浄土院。滅罪寺

とも言い、山伏よりも下の地位にある者が営

む寺で、山伏が死んだ時に葬式を行うという

事だった。愛敬岩の裏側に矢穴(楔)の打ち

込まれた見上げる巨岩がある。矢の大きさ

で年代が分かると言うが、この岩は割る事が

出来なかったようだ。

二十五坊は先達に従い、説明して貰いなが

ら辿ると面白い。人跡絶えて久しい住坊の

痕跡に佇むのは、心洗われ滋味溢れる珠玉の

体験で、別世界の宝満山を知る事になる。

引用・参考文献:森弘子著

「宝満山歴史散歩」葦書房2000年 p11

■はじめに■

福岡県下でも登山者数の多さを誇る宝満

山(829.6m)は、かつては旧い順に「御笠

山」「竈門山」、そして現在の「宝満山」

へと呼称が変遷した。

“この山に神祭が行われた始まりは、天智

天皇の御代、大宰府が現在の都府楼

跡の地に置かれた時、この山が東北

方にあり鬼門にあたるので、真榊を

たて、端出縄をひいて八百万の神を

祀ったのが最初”1)と言う。

そんな事さえ知らなかった私にと

り、宝満山は小屋泊入門、歩荷、長距

離縦走のトレーニングの為の近場の低山と

して、キツイだけの存在でしかなかった。

■二十五坊■

昨秋、宝満山から英彦山への峰入り古道

を歩き重藤館長から「宝満山弘有の会」を

教わった。会名の弘有とは、南北朝から戦

国時代に戦乱で荒廃した宝満山の復興に活

躍した江戸初期の座主、平石坊弘有の名。

この会の催しで三月某日、九州歴史資料

館学芸員・岡寺良先生を先達に、二十五坊

の跡を探訪する7時間弱の、ピークを踏まな

い山中巡りが面白くてツボにハマった。山

で崩れかけた石積みを見たら、それは全て

炭焼きの跡と思っていた無知な私。歴史や

建築に通暁している人が見ると住坊のサイ

ズまで蘇る。

また役小角に代表される山伏は、烏天狗

の様に石に枕し大和中の峰々を疾風の如く

渡り荒行を為している者だと勝手に想像し

筑紫路の霊峰・宝満山~磐座と神泉湧く修験の山を見直す 1~ 山口千絵子(フェニックスM.T. )

山の図書館ニュース Page 6

東院谷地区 西院谷 地区

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1911年11月19日、パリ-東京間の100時間の懸賞飛行に挑んでいたフランスの飛行家・アン

ドレ・ジャピーは低気圧に見舞われ背振山に墜落した。脊振村の地元民に救出され翌年3月に負傷も癒えて帰国した。 これを機に、箱根、鈴鹿と三大難所の山頂に気象観測所が設置されたという。

新着本 こんな本が届きました 寄贈者 書名 (著者) 発行年

岡 元紀 花の山旅 百名山(加藤三郎著) 萩生田 浩 山と過ごした一日 (自著)

西日本文化協会 西日本文化 足達禮子 小澤観一 “山”わが道をゆく(自著)

和井田一雄 飯豊(わらじの仲間 創立50年誌)他

太田 硯学の人

徳澄正照 せつなさの山(畦地梅太郎著)他

重藤秀世 Fifty Classic Climbs of North America

☆ブログ・山の図書館日記 山の図書館HPからリンク、アクセス可

英彦山

第60号 Page 7

栄西禅師像 栄西は1168年(仁安3年)宋(中国)に渡り天台山に至り禅宗を我が国に伝えた。また茶を持ち帰って

背振山麓の霊仙寺にまいた種が一山に繁茂したといわれる。後に聖福寺にも移された。

役の行者像 背振山は山岳宗教の拠点として栄えたという。脊振山頂下に修験道の開祖といわれる役行者像がある。残念ながら、基地内にありフェンス越しに見るが…。冬至に宝満山麓から見る日没は背振山頂に落ちる。

新着本 こんな本が届きました 寄贈者 書名 (著者) 発行年

※敬称略

山の図書館 掲示板

平岡 浩 絵画展 富士山を描く

彼の葛飾北斎は富岳36系を発表したの

が72歳、私も戌年で今年は72歳。昨年5月

に水田に映える富士山をスケッチ、実り

の10月には稲架のある山麓風景を取材し

て油彩で描きました15点と阿蘇、九重山

麓の田園風景、屋久島の原生林など18点、

それに細密ペン画の藁葺き民家7点を展

示。

3月 村岡屋ギャラリー(福岡 新天町)

背振山頂 界隈

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Page 8 山の図書館ニュース

「山の図書館」に、車で来館の皆さまへ 山の図書館前の駐車場は「山公(蕎麦屋)専用駐車場」です。車で来館される場合は事前にご相談ください。「山の図書館」専用3台分が増設されました。

スタッフ・仲間募集 山の図書館の活動に共に取り組む方を求めています。空いた時間を利用して活動できる方も歓迎。

愛称 “山の図書館” ・開館 11時~16時 ・休館 水,木曜

九州登山情報センター

E-mail:[email protected] ホームページ http://www.geocities.jp/ yamano_tosyokan/

太宰府市内山708番地 〒818-0115 ℡・fax 092(928)2729

郵便振替 01780-8-78365 加入者名 山の図書館

☆創立15周年を迎える機に、大きな事業二つが同時進行で進むことになった。これも巡りあわせと取組む

ことに。ともに参加する人に、有意義な体験となることを期待して進行。 ☆いろいろな分野で「遺産」「資産」化の風潮があるが、次世代に継承するということか。登山には仲間という繋がりがある。 ☆ガストンレビュファ(仏)の言葉を贈ろう。 “スポーツ(登山)の美しさは、その実践のみにあるのではなく、たとえ同じジェネレーションに属していようといまいと、これを実行する人々を気付かれないままに、がっちりと固く団結させる共有の信仰の内にあるのだ。”「モンブランからヒマラヤへ」

編集 後記

当年度更新

のお願い

2017年4月から創立14年目に入ります。節目の年、引続き会員更新を願いします。

山の図書館ニュースの

送付

このニュースは季刊で発行しています。また経費節減のために「山の図書館」ホームページを利用いただける方、「HPを利用するので送付不要」のご連絡ください。