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新たなテーマ1「学校・家庭・地域の役割分担と 教育力の充実について」に関する参考資料 参考資料1

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新たなテーマ1「学校・家庭・地域の役割分担と

教育力の充実について」に関する参考資料

参考資料1

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○教師の業務 ・教師の業務について(主な経緯) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・教師の多忙化の主な要因について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○「学校」の在り方の国際比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○学校に期待する役割についての教師と保護者の意識の相違・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○家庭・地域の教育力 ・家庭教育支援に係るこれまでの主な経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・家庭教育支援に係る主な施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・地域と学校の連携に係るこれまでの主な経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・地域と学校の連携に係る主な施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○教師の現状 ・公立小中高等学校における年齢別教師数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・教師の勤務時間の国際比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・教師の勤務時間の経年変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・平均残業時間(職種別) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・管理職(副校長)選考の倍率(東京都) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・教員に関する労働法制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○専門スタッフとの連携 ・教員以外の専門スタッフの配置状況等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・「チーム学校」像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・「チーム学校」の実現による学校の教職員等の役割分担の転換・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○部活動 ・部活動の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・部活動指導手当・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・部活動における課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(参考)家庭・地域の教育力向上に向けた取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

目次

1

5 7

12

21 22 23 24

27 28 29 30 31 32

35 36 37

39 41 42

44

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教師の業務

2

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教師の業務について(主な経緯) 50~90年代

部活・課外活動・学校安全等 生徒指導・保護者対応等 現代的課題への対応等

50・ 60年代

70年代

80年代

90年代

教師の業務

3

運動部活動加入率(55年):中46%、高34%

運動部活動加入率(77年):中61%、高39%

活動日数(96年):週6日前後

活動日数(55年):週4日前後

活動日数(77年):週4日前後

運動部活動加入率(96年):中74%(最高値)、高49%

・特別活動内に必修クラブ活動を設置(68・69年小・中学校学習指導要領改訂)

同活動の延長として部活動を位置づける学校も増え、加入率も増加

・開かれた運動部活動と外部化の推進 ・運動部活動に代わる総合型地域スポーツクラブの育成の模索(90年代)

・学校が常に通学路の状況に留意し、適切な対策を講じるなど、通学路の安全確保を教師が担うように(70年文部省通知)

児童・生徒の交通事故被害が多発

・学校週五日制の趣旨を踏まえた休養日の設定と適切な練習時間とするよう要請(98年文部省通知)

・教師のかかわり増(↔地域住民のかかわり減) ・教師が顧問に就くことが通例化、技術指導のできない顧問教師の出現 ・部活動中の事故の責任と不十分な手当てが問題化

・非行防止手段としての部活動を扱うことの是非の議論 ・教師のかかわりがより一層強く(80年代)

顧問でも指導・管理・引率を引き受けない教師も少なく なかった(↔地域住民のかかわりがあった)(~50年代)

神戸市中学生連続殺傷事件(97年)

「落ちこぼれ」の存在などが注目される

少年非行、校内暴力、いじめ、 登校拒否(不登校)の増加が社会問題化 (3年B組金八先生(79年)、積木くずし(83年))

児童生徒の問題行動の責任は 学校にあるとの批判の増加

・校内暴力、いじめ対応、不登校対応等に対する生徒指導の充実(81年文部省通達等) (例) 校外パトロール、登下校の態度の観察・指導

いじめを苦にしたとされる自殺事案が全国で相次ぐ 中野富士見中学いじめ自殺事案(86年)

・スクールカウンセラーの導入。学校におけるカウンセリング機能の充実(95年文部省通知)

「学級崩壊」や保護者からの クレームが社会問題化

・進路指導の一層の強化(57年中教審答申)

・進路指導を学級活動に新たに位置づけ(58年学習指導要領改訂)

・職場体験活動の開発(98年学習指導要領改訂)

・発達段階に応じたキャリア教育(99年中教審答申)

主体的に進路を学び取る能力の育成に 向けたキャリア教育への関心の高まり

・自然体験、ボランティア体験の積極的導入 (98、99年学習指導要領改訂)

第一次産業就業者の減少・ 第二次産業就業者の増加など、産業・就業構造の変化

中教審答申「完全学校週5日制の実施に当たり、家庭や地域の教育力の充実が必要」(96年)

高校進学率(55年):51.5%

高校進学率(65年):70.7%

高校進学率(74年):90.8%

・災害対策基本法(61年)※防災教育について規定

・科学技術振興法(95年)※科学技術に関する教育について規定

・ものづくり基盤技術振興基本法(99年) ※ものづくり基盤技術に関する教育について規定

・進路指導を学校の教育活動全体を通じて行うことを明示(78年高校学習指導要領改訂)

学校が「将来の職業生活」の準備を実施(教師が 進学先の選定・就職の世話を担うように)

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教師の業務について(主な経緯) 00年代~現在

部活・課外活動・学校安全等 生徒指導・保護者対応等 現代的課題への対応等

00年代

10年代以降

教師の業務

・不審者対策として、学校の出入り口での確認や校内巡回など、子供の安全確保及び学校の安全管理の対応がより求められるように(01年文科省通知)

大教大附属池田小学校事件(01年)

・学校評価(自己評価の実施義務、関係者評価の努力義務等)の導入(07年)

子どもの読書活動推進法(05年) ※同法に基づく基本計画では、学校における読書指導充実、学校図書館の機能強化について規定

学校週5日制での教員の部活動指導に係る負担問題 (土曜日の指導等)(00年代)

・過疎化に伴う小規模化、年齢構成の変化(高齢化)により、教師への負担が増加

「モンスターペアレント」が社会問題化(07年)

児童虐待防止法(00年) (学校に早期発見、防止のための教育・啓発を義務付け)

教育再生会議「保護者が率先し子供をしつける」(06年)

・幼児期からの基本的生活習慣の確立を目指した 「早寝早起き朝ごはん」運動を開始(06年)

「学校裏サイト」での深刻ないじめの 実態が明らかに(07年)

・発達段階に応じた情報モラル教育の提供を求められるように(07年有識者会議提案)

いじめ防止対策推進法(13年) (いじめの早期発見、道徳教育及び体験活動等の充実など義務付け) ※同法に基づく基本方針では、学校いじめ防止基本方針の策定、学校におけるいじめ防止対策のための組織設置などについて規定

子どもの貧困対策推進法(13年) ※同法に基づく対策大綱にて「学校をプラットフォームとした貧困対策の推進」について規定

子供の貧困の深刻化 (子供の貧困率16.3%)(12年)

発達障害のある子供の増加 (発達障害の可能性のある児童生徒が6.5%)

(12年文部科学省調査)

中学校の不登校者数が91年度以降過去最高の112,211人(01年度)

・「食育」の促進・充実、食に関する指導の推進 (02年骨太の方針、08年学校給食法改正)

BSE問題など食に係る問題の顕在化

環境教育等促進法(03年) ※同法に基づく基本方針では、発達段階に応じた環境教育の実施、学校における全体計画の策定、体験活動の促進等を規定

食育基本法(05年) ※同法に基づく計画では、食に係る指導の充実、学校給食の充実等を規定

消費者教育推進法(12年) ※同法に基づく基本的方針では、「発達段階に応じた消費者教育の推進」について規定

日本語指導が必要な外国人児童生徒の増加 (94→14年で約1.6倍(約35,000人)に)

教育改革国民会議「教育の原点は家庭」(00年)

教育基本法改正(06年)

4

少子化社会対策基本法(03年) ※家庭生活に関する教育等について規定

知的財産基本法(02年) ※知的財産に関する教育について規定。

(「部活・課外活動・学校安全等」は以下の出典を基に内閣官房にて作成) ・中澤篤史「学校運動部活動の戦後史(上)」(2011) ・中澤篤史「学校運動部活動の戦後史(下)」(2011) ・文部省通知「中学校及び高等学校における運動部活動について」(1998年) ・文部省通知「児童・生徒等の登下校における安全の確保について」(1970年) ・文部科学省通知「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理に関し緊急に対応すべき事項について」(2001年) ・日本児童教育振興財団・編「学校教育の戦後70年史(小学館)」(2016年)

(「生徒指導・保護者対応等」は以下の出典を基に内閣官房にて作成) ・広田照幸「日本人のしつけは衰退したか(講談社)」(1999年) ・日本児童教育振興財団・編「学校教育の戦後70年史(小学館)」(2016年) ・文部省通知「生徒の校内暴力等の非行の防止について」(1981年) ・文部省通知「いじめの問題の解決のために当面取るべき方策等について」(1995年) ・文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」 ・油布佐和子「現代日本の教師-仕事と役割-(」一般財団法人放送大学教育振興会)」(2015年) ・文部科学省・子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議まとめ【第2次】」(2008年) ・厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査」 (「現代的課題への対応等」は以下の出典を基に内閣官房にて作成) ・文部科学省「学校基本調査」 ・農林環境課(森田倫子)「食育の背景と経緯-「食育基本法案」に関連して-国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 457(Oct.29.2004)」 (P.7「教師の多忙化の主な要因について」のうち「③事務的な業務」は以下の出典を基に内閣官房にて作成) ・神林寿幸「教員の業務負担に着目した生徒指導・特別活動」(2015年) ・ベネッセ教育総合研究所「第4回学習指導基本調査」(2007年) ※その他①②④はP.5、6と同様の出典を基に作成

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○ 多忙化の主な要因:①児童生徒が抱える課題の多様化、②学校教育・教師の役割の拡大。 ○ 勤務時間が増加した主な業務は「生徒指導等」「部活等」「事務的な業務」「保護者対応等」。

教師の多忙化の主な要因について

休憩

残業時間

授 業

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

主研

授 業 生徒指導等

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

事務的な業務

(学校経営等)

月約8時間

月約

時間

34

●昭和41年度調査

●平成18年度調査

事務的な業務(学校経営等)

休憩

授 業 生徒指導等

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

残業時間

授 業

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

自主研修

事務的な業務

児童・生徒の指導に間接的にかかわる業務

児童・生徒の指導に直接的にかかわる業務

休憩

外部対応

学校の運営にかかわる業務及びその他の校務

月約8時間

月約

時間

34

(出典:昭和41年度教員勤務状況調査・平成18年度教員勤務実態調査)

■昭和41年度教員勤務状況調査

■平成18年度教員勤務実態調査

残業時間

【校内暴力・少年非行】≪70~80年代:校内暴力や少年非行の多発≫

・生徒の校外生活指導として校外パトロールや登下校の態度の観察・指導等を教師が実施。

【いじめ】≪80年代:いじめ自殺事案の多発≫

・児童生徒との日常的な触れ合いを通じた早期発見/児童生徒の社会性の涵養や豊かな情操を培うための奉仕活動・生活体験の積極的導入等。

【安全対策】≪70年代:児童生徒の交通事故被害の多発≫

・学校は常時通学路の状況に留意し、適切な対策を講じる必要。 ・01年大教大附属池田小事件後、不審者対策として、学校の出入り口での確認、校内の巡回などの対策を実施。

【進路指導】≪50~70年代:高校進学率急上昇、産業・就業構造の変化≫

・教師が個々の生徒の能力・適正等を的確に把握し、計画的・組織的な進路指導を実施。

【キャリア教育】≪90年代:主体的進路選択に向けキャリア教育への関心の高まり≫

・キャリア教育の充実に向け、教師が職場体験活動の開発を実施。

勤務時間の経年変化

① ② ③ ④

①生徒指導等 ②部活等

④保護者対応等

③事務的な業務

・60~70年代:部活動加入率の増加/教師のかかわり強化。 ・教師の負担と保障問題(技術指導のできない顧問、事故時の責任、不十分な手当て等)。

・80年代:非行防止手段としての部活動を扱うことの是非の議論。教師のかかわりは部分的なものから全面的なものとなった。

・00年代:学校週5日制での教員の負担問題(土曜日指導等)

・「校務に関する事務処理」が多忙の原因と回答した教師が最多( 80年代調査)、教師の悩みとして「作成しなくてはならない書類が多い」との回答が8割強(2007年)。

・事務作業は負担感の多い業務として、多忙化の要因の一つに。

・70年代以降:保護者の高学歴化を背景に学校批判が常態化。 ・90年代後半:保護者からのクレームが増加。 ・00年代後半;理不尽な要求をする「モンスターペアレント」が社会問題化

●昭和41年度調査

●平成18年度調査

事務的な業務(学校経営等)

休憩

授 業 生徒指導等

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

残業時間

授 業

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

自主研修

事務的な業務

児童・生徒の指導に間接的にかかわる業務

児童・生徒の指導に直接的にかかわる業務

休憩

外部対応

学校の運営にかかわる業務及びその他の校務

月約8時間

月約

時間

34

教師の業務

5

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「学校」の在り方の国際比較

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○ 日本の「学校」は、諸外国の「スクール」と在り方が大きく異なる。

確かな 学力の育成 【教科等】

豊かな 心の育成

【道徳・特別活動等】

健やかな 体の育成

【体育・部活動等】

日本

諸外国

教会・家庭等 地域

(スポーツクラブ等)

学 校

スクール

(日本の教師) ・教科指導、道徳、部活動等を通じ、知・徳・体を一体的に指導 ・児童生徒の学校外の問題行動への対応や通学路の安全確保等に ついても学校が担う

(諸外国の教師) ・主に授業に特化

「学校」の在り方の国際比較①(イメージ) 「学校」の在り方

7

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授業

38%

授業準備・

成績処理 32%

生徒指導、

保護者対応等

13%

学校運営等

12%

研修等 5%

授業

22%

授業準備・

成績処理

21%

生徒指導、

部活動、

保護者対応等

37%

学校運営等

17%

研修等 3%

○ 英国の場合、教師の職務内容は、関係者間の合意の下で政府が定める、「教員給与及び勤務条件に関する文書」において規定。

(英国Department of Education "School Teacher's Pay and Conditions Document"を基に、内閣官房にて作成)

(具体例)

授業以外の 業務

授業以外の 業務

(出典)日本:文部科学省委託調査「教員勤務実態調査」(平成18年度) イギリス:Department for Children, Schools and Families, “Teacher’s Workloads Diary Survey 2009”

<参考:実際の授業以外の業務の割合の比較>

日本 約6割

英国 約3割

・ 昼食時の生徒指導は求められないこと。

・ 授業準備中に他の仕事に従事することは求められないこと。

・ 教師としての専門性を必要としない事務作業を行うことは求められない

こと。

「学校」の在り方の国際比較②(英国の事例) 「学校」の在り方

8

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○ 日本の教師は、学力の育成以外にも多くの役割が求められる。

豊かな心の育成 【道徳・特別活動等】

健やかな 体の育成

【体育・部活動等】

通学路等の 安全確保

諸外国

【給食】

• 給食スタッフや補助職員が担当。(英)

• 専任スタッフが盛りつけ、配膳、片付けを実施。(伊)

• 子供が食べたいものを選び、食べ残すことも自由。(米)

【その他】

• 知育は学校、徳育(しつけ)は家庭・教会の区分が厳格。(仏)

• 掃除は清掃員が実施。(独、米)

• 体育は、週に1時限のみで、スポーツ団体と連携。(伊)

• 放課後のスポーツ活動は、地域のサッカークラブ等で実施。(独・仏)

• 子供たちはスクールバスで登下校。(米)

• 学校の登下校は必ず保護者やベビーシッターが付き添い。(伊・仏)

日本

• 給食、掃除や学校行事その他一連の活動が、豊かな心の育成にも貢献。

• 部活動の実施が一般的。

※ 約半数の指導者が 競技経験のない 部活動指導に従事。

• 通学路等の安全確保に教員が参画。

(出典) ・外務省HP・・・(イタリア)ピステッリ小学校(2013年)、(米国)クラレンドン小学校(2014年)、エルマリノ・ランゲージスクール(2014年) ・「新版 世界の学校」2014年 二宮皓編著、学事出版 ・公益財団法人日本体育協会調べ「学校運動部活動指導者の実態に関する調査」(平成26年7月)

「学校」の在り方の国際比較③(諸外国との相違点) 「学校」の在り方

9

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学校に期待する役割についての

教師と保護者の意識の相違

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○ 教師と保護者などの間の意識や認識のズレは、これまでの種々の調査において指摘されている。 ○ 【文部科学省委託調査】 「しつけを誰が担うべきか」について、教師と保護者の間に認識の差があると指摘されている。

「しつけをすること(礼儀やマナーなどを含む)」については、保護者は教員がするべきと認識しているのに対し、教員は保護者や地域の方々が主に担うべきと認識していることがみてとれる。

しつけに対する意識は、 保護者は、「教員以外がするべきこと」(15.1%)よりも、「教員がするべきこと」(18.5%)の割合が高い、 教員は、「教員がするべきこと」との回答が一定割合(25.6%)あるものの、「教員以外がするべきこと」との回答(75.8%)が高い、との結果となっている。

(出典・引用:「平成18年度文部科学省委託調査「教員意識調査」「保護者意識調査」」(平成19年2月))

しつけに対する教員の意識 しつけに対する保護者の意識

教員以外がするべき 教員がするべき 教員以外がするべき 教員がするべき

75.8% 25.6% 15.1% 18.5%

学校に期待する役割についての教師と保護者の意識の相違① 教師と保護者の意識の相違

11

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平成18年度文部科学省委託調査「教員意識調査」「保護者意識調査」(平成19年2月) 「教員としての役割」についての教員・保護者それぞれの回答

(調査方法) 教員の行っている18項目の業務のうち、 ・「教員として教科指導以外にやるべきこと」として考えるもの ・「教育委員会や保護者、地域の方々などが主に担うべきこと」として考えるもの をそれぞれ最大で3つ回答。教員と保護者の各項目ごとの回答の多さ(回答率)により比較。

参考

教員意識調査の結果

12

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保護者意識調査の結果

(参考)社会のマナー等や、規則正しい生活習慣などを学校で教えることを期

待する保護者の割合が年々増加していることを示す調査結果もある。

(出典:Benesse教育研究開発センター・朝日新聞社共同調査「学校教育に対する保護者の意識調査」(平成25年4月))

平成18年度文部科学省委託調査「教員意識調査」「保護者意識調査」(平成19年2月) 「教員としての役割」についての教員・保護者それぞれの回答

参考

13

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質問項目 回答者 主に学校 どちらともいえない 主に学校以外

規則を守ること 校長 12.8% 60.1% 27.2%

国民一般 58.1% 29.6% 12.3%

努力すること 校長 11.5% 75.1% 13.4%

国民一般 43.4% 41.4% 15.2%

必要に応じて協力すること 校長 17.7% 67.8% 14.5%

国民一般 47.6% 35.6% 16.8%

物やお金を大切にすること 校長 2.5% 36.1% 61.4%

国民一般 24.4% 38.4% 37.6%

生命を大切にすること 校長 12.9% 66.0% 21.2%

国民一般 35.0% 35.2% 29.8%

○国民一般が校長よりも「主に学校で身につけさせるべき」と考えているポイントの差が大きい項目

(出典:国立教育研究所「学校観に関する調査研究 中間報告書3 校長の意識調査」(平成12年3月))

○「学校でもしつけや生活習慣の育成を重視すべきである」との意見に賛成する割合

回答者 小学校 中学校

校長 38.4% 34.9%

国民一般 60.5% 55.5%

○ 【国立教育研究所調査】 「学校で身につけさせるべきこと」や「学校が重視すべきこと」について、校長と国民一般の認識に差がみられることが指摘されている。

※ 本調査における「国民一般」とは、各自治体の選挙管理委員会が作成・管理している選挙人名簿(平成9年10月1日時点)を基に無作為抽出した者

学校に期待する役割についての教師と保護者の意識の相違②

14

教師と保護者の意識の相違

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大学や民間機関における類似の調査①

■ 「勤務時間以外でも生徒指導をすべき」について、保護者は賛成が約40%(反対約8%)なのに対し、教師は反対が約30%(賛成約15%)。

「先生は、勤務時間以外でも、 生徒指導をすべきである。」

賛成 どちらともいえない 反対

教師 14.8% 53.5% 31.6%

保護者 38.5% 52.8% 8.7%

「社会生活のルールを守るように、 生徒に対してもっときびしく

指導する方がよい。」 賛成 どちらともいえない 反対

教師 41.8% 53.1% 5.1%

保護者 60.7% 35.1% 4.2%

■ 「社会生活のルールを守るための厳しい生徒指導」について、保護者の約60%は賛成している一方、教師は約40%の賛成に留まる。

(出典:髙旗正人・國吉久美子「生徒・教師・保護者の規範意識と学校観に関する実証的研究」(平成13年))

■ 家庭でのしつけや教育が十分に行われているかどうかについて、教師と保護者の間の認識には差がみられる。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

保護者

教師 そう思う

どちらかというとそう思う

どちらともいえない

どちらかというとそう思わない

そう思わない

わからない

無回答

19.2%

42.9% 17.0%

46.1%

(出典:神奈川県教育委員会「平成25年度 教育に関する意識調査 調査報告書」(平成26年3月))

「家庭ではしつけや教育が十分に行われている」

参考

15

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■ 学校や教師に求める教育内容の充実等については、教師の意識よりも保護者のニーズが高い様子が伺える。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

保護者

教職員 あてはまる

ややあてはまる

あまりあてはまらない

あてはまらない

わからない

無回答

(出典:増田博俊「保護者の学校参加に関する一考察」(平成21年))

「休日であっても、学校は部活動や講習などの課外活動を積極的に行うべきだと思う」

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

保護者

教職員 あてはまる

ややあてはまる

あまりあてはまらない

あてはまらない

わからない

無回答

「ある程度教師の負担になっても、授業時間を増やしたり、就職・進学対策などの講座を設けたりするなど、教育内容の充実を図ってほしい」

保護者に協力してもらいたい(協力してもよい)と思う活動

項目 教職員 保護者

「総合的な学習の時間」などの講師 125 29

クラブ活動・部活動などの指導 109 34

休日や放課後に行う体験活動や学習活動の指導 91 36

※数値は「協力してもらいたい(してもよい)」と答えた人数

大学や民間機関における類似の調査② 参考

■ 保護者に協力してもらいたい(保護者が協力してもよい)と思う活動のうち、教師は保護者に協力してもらいたいと思っているが、「協力してもよい」と考える保護者が少ないという項目があり、意識の差がみられる。

56.8%

68.6%

38.4%

26%

44.6%

52.3%

49.2%

39.9%

16

Page 18: 新たなテーマ1「学校・家庭・地域の役割分担と 教 …新たなテーマ1「学校・家庭・地域の役割分担と 教育力の充実について」に関する参考資料

世帯構造別に見た世帯割合の年次推移

18.2 20.0 21.8 22.6 23.9 24.1 23.4 25.0 24.9 24.9 25.5 25.2 25.2 26.5 27.1 26.8

14.4 16.0

17.2 18.4

19.7 20.6 21.9 22.1 22.4 22.3 22.6 22.7 22.8

23.2 23.3 23.6

41.4 39.3

37.0 35.3 33.6 32.6 32.7 31.3 30.7 31.0 30.7 30.9 30.5

29.7 28.8 29.4

5.1 5.0 4.8 5.2 5.3 5.7 6.0 6.3 6.7 6.7 6.5 7.0 6.9 7.2 7.1 7.2 15.3 14.2 13.1 12.5 11.5 10.6 9.7 8.4 8.8 8.4 7.9 7.4 7.6 6.6 6.9 6.5

5.7 5.5 6.1 6.1 6.0 6.4 6.3 6.9 6.5 6.7 6.8 6.8 7.0 6.7 6.8 6.5

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

昭和61

平成元

4 7 10 13 16 19 20 21 22 23 24 25 26 27 (年)

その他世帯

三世代世帯

ひとり親と未婚の

子のみの世帯

夫婦と未婚の子

のみの世帯

夫婦のみの世帯

単独世帯

17

注:1)平成7年の数値は、兵庫県を除いたものである。

2)平成23年の数値は、岩手県、宮城県及び福島県を除いたものである。

3)平成24年の数値は、福島県を除いたものである。

参考

出典:厚生労働省「平成27年 国民生活基礎調査」

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家庭・地域の教育力

18

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家庭教育支援に係るこれまでの主な経緯 家庭・地域の教育力

○しつけなど、本来家庭教育の役割であると考えられるものまで学校にゆだねようとする傾向 ○無責任な放任や過保護・過干渉、保護者のモラルの低下など、家庭の教育力の低下 などを指摘 その上で、完全学校週5日制の実施を見据え、 ○学校が本来の役割をより有効に果たすため、学校・家庭・地域における教育のバランスをよりよくして

いくことや、家庭や地域が積極的に役割を担うよう促すこと などを提言

○「どの家庭でもしつけに当たって考えるべき基本的な事項」として家庭教育の具体的な方法 ○家庭教育手帳の作成・配布 などを提言

→ 平成11年から家庭教育手帳を母子健康手帳交付時や小学校入学時などに保護者に配布 (平成22年度以降は文部科学省HPに掲載。全国の教育委員会やPTA等における家庭教育の学習機会等での活用を促している)

○家庭と教育機関と地域がそれぞれの使命・役割を認識し、連携して子供と親を支援すべき ○教育の原点は家庭であることを自覚する などを提言

平成18年: ○幼児期からの基本的生活習慣の確立を目指した「早寝早起き朝ごはん」国民運動を開始

同年: 教育基本法改正

・ 保護者は子の教育について第一義的責任を有する(第10条) ・ 学校・家庭・地域はそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携・協力に努める(第13条)

○家庭は教育の原点 ○保護者が率先し、子供にしっかりしつけをすること などを提言

○地域人材を中心にきめ細かな支援を組織的に行う仕組みとして家庭教育支援チーム型支援の普及を提言

○家庭訪問等により、直接家庭に働きかける訪問型家庭教育支援を提言

(平成22年版家庭教育手帳より)

【家庭教育支援チームの在り方に関する検討委員会「審議の整理」(平成26年3月)】 平成26年:

平成23年: 【家庭教育支援の推進に関する検討委員会「つながりが創る豊かな家庭教育」(平成24年3月)】

平成19年:

【教育再生会議「第一次報告」(平成19年1月24日)、「第二次報告」(平成19年6月1日)】

平成12年:

【教育改革国民会議報告「教育を変える17の提案」(平成12年12月22日)】

平成10年:

【中教審答申「幼児期からの心の教育の在り方について」(平成10年6月30日)】

平成8年:

【中教審答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第一次答申)」(平成8年7月19日)】

19

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家庭教育手帳 (最新は平成22年度版) 「早寝早起き朝ごはん」国民運動

訪問型家庭教育支援 家庭教育支援チーム

家庭・地域の教育力 家庭教育支援に係る主な施策

○ 乳幼児編、小学校(低学年~中学年)編、小学校(高学年)~中学生編の三編。しつけや生活習慣づくりなどの「子育てのヒント」を記載。

○ 早寝早起きや朝食をとるなど、子どもの基本的生活習慣を育成するための全国的な普及啓発活動。

○ 文部科学省では、平成18~20年度まで、「子どもの生活リズムの向上プロジェクト」として、普及啓発活動を実施。平成24年度より文部科学大臣表彰制度を創設。

○ 民間主導の国民運動としての全国展開を目的とする「早寝早起き朝ごはん」全国協議会(平成18年4月~、PTA、経済界、メディア等が参加)が、全国フォーラムの実施や教材製作等を通じ、啓発を続けている。

○ 元教師・元保育士、民生委員等を含む地域の人材で構成され、保護

者の学習機会の提供や、親子参加型行事の実施、訪問型家庭教育支援等の業務を実施。

○ チーム員は20名未満が9割。週1、2~月1回程度の頻度で活動。女性と40代以上が多い。

○ 文部科学省では、平成21年度より、補助事業を実施。平成23年度には、各地域の取組状況の把握や、効果的な事例の収集・情報発信のため、登録制度を創設。

(登録数:535チーム(平成27年度末時点))

○ 平成29年度概算要求では、情報提供や相談対応を専任で行う家庭教育支援員の増員などを要求。

(平成27年度2547人、平成29年度は3600人要求)

○ 地域社会から孤立しているおそれのある保護者に対し、家庭教育支援チーム員が家庭を直接訪問。 ・個別の相談対応 ・家庭教育に関する情報提供 ・問題に応じた専門機関への情報共有 などを実施。

○ 文部科学省では、平成20年度より委託事業を開始し、平成21年の「事業仕分け」により廃止。平成26年度より孤立

した家庭に対する新たな支援手法の開発を実施。

○ 平成29年度概算要求では、貧困、不

登校等の支援が必要な家庭の類型ごとに効果的な支援モデルを開発するための事業を要求。

【配布方法】 (平成11年度~) 母子健康手帳の交付時や、小学校

などを通じ、国から保護者への直接配付。 (平成19年度配布部数:524万部)

(平成20 年度~) 教育委員会等に対する電子データの配布に変更。 (平成21年度配布枚数:1829枚)

※現在は、文部科学省ホームページ等で提供を行っている。

○ 平成29年度概算要求にて、「家庭教育啓発資料」の作成を要求中。

20

○ 小学校6年生の朝食摂取率が改善 (平成13年度74% → 平成28年度87%) (出典:文部科学省「全国学力・学習状況調査」)

○ 2歳児の夜10時以降の就寝割合が減少 (平成12年59% → 平成22年35%) (出典:(社)日本小児保健協会「幼児健康度調査報告」)

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地域と学校の連携に係るこれまでの主な経緯 家庭・地域の教育力

○都市化や過疎化の進行、地域における人間関係の希薄化等から、地域社会の教育力の低下 などを指摘

○完全学校週5日制への移行等に向けた地域社会の活性化と地域の教育力向上の必要性 などを提言 → 平成14年4月から完全学校週5日制。

平成16年: ○「地域子ども教室推進事業(地域教育力再生プラン)」を開始。地域の大人の教育力を活かし、子供たちの放課後や週末における体験活動や地域住民との交流活動を支援。

平成18年: 教育基本法改正

・ 学校・家庭・地域はそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携・協力に努める(第13条)

○地域の信頼に応える学校づくりを進めるため、積極的な情報公開によって地域への説明責任を果たすことや、学校評議員制度などによる地域住民の学校運営への参加 などを提言

平成19~21年:

○幅広い地域住民等の参画により子供の成長を支える「地域学校協働活動」の推進。地域と学校が連携・協働して地域学校協働活動を推進する体制として「学校支援地域本部」等を「地域学校協働本部」へ発展。

○地域住民や学校との連絡調整等を担う地域コーディネーターの配置の促進等 などを提言

○地域の子供を地域ぐるみで育むこと、子育て家庭や親の学びを地域で支援すること などを提言

~28年

平成27年: ○「地域未来塾」を開始。中高生を対象に、学生や元教員等の地域住民の協力による原則無料の学習支援を実施。

平成8年: 【中教審答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第一次答申)」(平成8年7月19日)】

平成10年: 【生涯学習審議会答申「社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について 」(平成10年9月)】

平成12年: 【教育改革国民会議報告「教育を変える17の提案」(平成12年12月22日)】

平成19年: 【教育再生会議「第一次報告」(平成19年1月24日)、「第二次報告」(平成19年6月1日)】

○「学校・家庭・地域の連携・協力を強化し、社会全体の教育力を向上させる」 同年: 【第一期教育振興基本計画(閣議決定)(平成20年7月1日)】

○「放課後子供教室」「学校支援地域本部」等を順次開始。

平成27年:

【中教審答申「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」(平成28年12月21日)】 【「次世代の学校・地域」創生プラン(文部科学大臣決定)」(平成28年1月25日)】

21

平成26年: ○放課後子供教室と放課後児童クラブ(厚労省)の一体的な取組を推進する「放課後子ども総合プラン」を厚労省と共同で策定。

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○ 民間等により行われていた、いわゆる「学童」が、平成9年に「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」として法制化(児童福祉法第6条の3第2項)

○ 仕事等で保護者が家庭にいない児童に対し、授業の終了後等に余裕教室や児童館等を利用して遊び及び生活の場を与え、健全な育成を図る。

【実施主体】市町村、社会福祉法人、父母会など

【設置状況】 全国22,608か所(公営8,631か所、民営13,977か所) 登録児童数 1,024,635人 (平成27年5月1日現在:厚生労働省調べ)

学校支援地域本部(地域学校協働本部)

家庭・地域の教育力 地域と学校の連携に係る主な施策

放課後子供教室 放課後子ども総合プラン

地域未来塾

○ 全ての就学児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動

を行うことができるよう、同一敷地内で「放課後子供教室」「放課後児童クラブ」共通プログラムを実施するなど、一体的に推進

○ 平成31年度末までの目標 ・全小学校区(約2万か所)で一体的に又は連携して実施 ・そのうち1万か所以上を一体型で実施 ※取組の加速化を図るため、平成30年度末に前倒して実施するための方針を策定

○ 地域住民等の参画により、学校の教育活動を支援する仕組み(本部)をつくり、様々な学校支援活動を実施(平成20年度より文部科学省委託事業)

【活動の例】学習支援、授業補助、部活動支援、通学路の見守りなど

○ 子供たちの学びを支援するだけでなく、活動を通して地域のつながり・絆を強化し、地域の教育力の向上を図る

○ 平成27年度の実施状況は4,146本部(全公立小・中学校の30%)

○ 平成28年度より、従来の学校支援地域本部や放課後子供教室等を

基盤に、幅広い地域住民等の参画により子供の成長を支える「地域学校協働活動」を推進する新たな体制として「地域学校協働本部」への発展を促進

○ 家庭での学習習慣が十分に身についていない中・高校生等を対象と

した、大学生や教員OB等の地域住民の協力による原則無料の学習支援(平成27年度より開始)

【支援者の例】 ・教員を志望する大学生などの地域住民 ・学習塾などの民間教育事業者 ・NPO法人 など

○ 平成31年度末までの目標数 ・平成28年度 3,000中学校区 新たに高校生の支援に着手 ・平成29年度 4,000中学校区 高校生支援の促進 ・平成31年度 5,000中学校区 高校生支援全国展開

(公立中学校の約半数)

放課後子供教室(文科省事業) 放課後児童クラブ(厚労省事業)

対象 すべての児童 留守家庭の児童

提供内容 学習、運動、交流活動等の機会 遊びや生活の場

指導者 地域の協力者等 放課後児童支援員等(専任)

H28予算 52.5億円の内数 582.7億円

箇所数 14,392教室 (平成27年8月現在) 22,608か所 (平成27年5月現在)

22

○ すべての児童を対象として、放課後や週末等に、地域住民の協力を得て、多

様な体験・活動プログラム(学習支援、地域の伝統文化、芸能活動、自然体験、スポーツ等)を提供。

【実施主体】 主に市区町村の教育委員会(社会教育担当)

【実施状況】 14,392教室(平成27年8月現在)

学童保育(放課後児童クラブ)

学童だけでなく、文科省施策の放課後子供教室も追加いただければと思います。

右ハコの放課後子ども総合プランも、放課後子供教室と放課後児童クラブを一体的にやっていくものですので、両者記載があった方がよいかと思います。

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教師の現状

23

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公立小中高等学校における年齢別教師数

○ 公立小中高等学校の教師の約4割が50歳以上。

教師の現状

118 11152

12937 13689

14183 12979

12503 11625

10995 10650

10419 9688

8988 9646

8654 7781

7419 7547 7447

7219 7046

6765 6692

7289 7833 8126 8220 8216 8533 8794

8535 8555 8415

8856 8542

7794 7020

6211 4802

19 3

0

43 5112

5798 7021

7765 8154

8076 7994

7955 7269

6946 5838

5214 5664

5270 4784

4800 4843 5027

4860 4654

4325 4097

4241 4346

4208 4347 4623

4610 4817

4768 4843

4753 5039

4968 4264

3564 2621

1782 1 2 0

38 4960

5435 5640

5646 5886 6978

7251 7165

6450 6344

5511 4343

4471 4106

3704 4017

4263 4396

4095 3951

3680 3510

3302 3298 2969 2938 2723

2674 2710

2563 2533

2518 2728

2498 2197

1747 1131

793 4 0 0

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000

61歳以上 60歳(平成27年度退職) 59歳(平成28年度退職) 58歳(平成29年度退職) 57歳(平成30年度退職) 56歳(平成31年度退職) 55歳(平成32年度退職) 54歳(平成33年度退職) 53歳(平成34年度退職) 52歳(平成35年度退職) 51歳(平成36年度退職) 50歳(平成37年度退職) 49歳(平成38年度退職) 48歳(平成39年度退職) 47歳(平成40年度退職) 46歳(平成41年度退職) 45歳(平成42年度退職) 44歳(平成43年度退職) 43歳(平成44年度退職) 42歳(平成45年度退職) 41歳(平成46年度退職) 40歳(平成47年度退職) 39歳(平成48年度退職) 38歳(平成49年度退職) 37歳(平成50年度退職) 36歳(平成51年度退職) 35歳(平成52年度退職) 34歳(平成53年度退職) 33歳(平成54年度退職) 32歳(平成55年度退職) 31歳(平成56年度退職) 30歳(平成57年度退職) 29歳(平成58年度退職) 28歳(平成59年度退職) 27歳(平成60年度退職) 26歳(平成61年度退職) 25歳(平成62年度退職) 24歳(平成63年度退職) 23歳(平成64年度退職) 22歳(平成65年度退職) 21歳(平成66年度退職) 20歳(平成67年度退職)

小学校

中学校

高等学校

【小学校】 341,905人 43.5歳 【中学校】 199,306人 43.9歳 【高校】 151,166人 45.6歳 【合計】 692,377人 44.1歳

※平成27年5月1日現在で在職する正規教員の数(校長,副校長,教頭,主幹教諭,指導教諭,教諭,助教諭,講師(非常勤講師を除く。))

※年齢は、平成27年度末時点 出典:文部科学省調査

50歳以上 27.6万人 (39.9%)

40~49歳 16.9万人 (24.4%)

30~39歳 15.5万人 (22.4%)

20~29歳 9.2万人 (13.3%)

24

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教師の勤務時間の国際比較 教師の現状

○ 日本の教師の勤務時間は国際的に見て非常に長い。 ○ 授業時間は平均程度だが、課外活動(スポーツ・文化活動)の指導時間が特に長い。

1.6

2.9

2.9

2.1

7.1

19.3

38.3

3.0

3.9

5.5

7.7

8.7

17.7

53.9

日本

参加国平均

勤務時間の合計

指導(授業)

事務業務

授業計画・準備

<1週間あたりの勤務時間>

同僚との共同作業/話し合い

学校運営業務

課外活動 (スポーツ・文化)

(出典)OECD 国際教員指導環境調査(TALIS2013)

↑ 34カ国/地域中

で最長

←参加国平均の 3倍以上

25

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教師の勤務時間の経年変化 教師の現状

○ 残業時間が大幅に増加している。事業準備・成績処理等、本来業務時間中に行うべき仕事が残業時間に行われている。

●昭和41年度調査

●平成18年度調査

事務的な業務(学校経営等)

休憩

授 業 生徒指導等

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

残業時間

授 業

学校行事授 業 準 備成績処理等

(校

自主研修

事務的な業務

児童・生徒の指導に間接的にかかわる業務

児童・生徒の指導に直接的にかかわる業務

休憩

外部対応

学校の運営にかかわる業務及びその他の校務

月約8時間

月約

時間

34

(昭和41年度教員勤務状況調査・平成18年度教員勤務実態調査・平成18年度教員意識調査) 26

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平均残業時間(職種別) 教師の現状

○ 教頭・副校長の平均残業時間がその他の職種と比べても圧倒的に多い。

【校長】

平成18年度調査 約36時間(勤務日・休日) ※ 約31時間(勤務日)

【教頭・副校長】

平成18年度調査 約63時間(勤務日・休日) ※ 約55時間(勤務日)

【教諭】

平成18年度調査 約42時間(勤務日・休日) ※ 約34時間(勤務日)

(昭和41年度調査 約 8時間(勤務日・休日))

【講師】

平成18年度調査 約41時間(勤務日・休日) ※ 約34時間(勤務日) ※成績処理や授業準備などの持ち帰りの業務は含まれない。

※1か月平均

(参考)30人以上の事業所規模の月間所定外労働時間:12.9時間(早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等) (出典)厚生労働省勤労統計調査(平成19年1月分)

(出典)文部科学省「教員勤務実態調査」(平成18年度)

27

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管理職(副校長)選考の倍率(東京都)

○ 東京都では、副校長の選考倍率が1倍程度で推移しており、なり手が見つかりにくくなっている。

(倍率)

(出典) 東京都「東京都人事行政の運営等の状況」(各年度) 教員任用制度あり方検討委員会「教員任用制度あり方検討委員会報告について」(平成18年度3月) を基に内閣官房作成

5.5

4.7

3.8 3.6

1.3 1.2 1.1 1.2 1.1

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

教師の現状

28

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教員に関する労働法制① 教師の現状

○ 地方公務員法等において、教員の勤務時間その他の勤務条件は、各都道府県の条例で定めることとなって

いる。

○ ただし、教員に対しても、一般企業の労働者と同様に、労働基準法第32条が適用され、条例の内容は、これ

を下回らないようにしなければならない。

(関連条文) ○地方公務員法(昭和25年法律第261号) 第24条 1~4(略) 5 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。 ○労働基準法(昭和22年法律第49号) 第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。 2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。 第33条第3項 公務のために臨時の必要がある場合においては、第1項の規定にかかわらず、別表第1第12号に掲げる事業(注:教育、研究又は調査の事業)に従事する国家

公務員及び地方公務員については、第32条から前条まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。この場合において、公務員の健康及び福祉を害しないように考慮しなければならない。

○職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(平成7年条例第15号)(東京都) 第2条 職員の正規の勤務時間は、休憩時間を除き、1週間について38時間45分とする。 2~4 (略) 第3条 任命権者は、暦日を単位として月曜日から金曜日までの5日間において、1日につき7時間45分の正規の勤務時間を割り振るものとする。(以下略) 2~3 (略)

29

○ 教員の勤務時間については、各都道府県条例で定められることとなっている。

すなわち、労働基準法第32条に規定する「1週間について40時間」「1日について8時間」を超えないよう、

各都道府県の勤務時間条例で「1週間について38時間45分」「1日につき7時間45分」と規定されている。

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教師の現状

○ 教員の時間外勤務については、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(通称、給特法)等を受けて各都道府県において定める条例により、特定の業務(超勤4項目)について、やむを得ない場合に限り、命じることができることとされている。

<超勤4項目> ①校外実習その他生徒の実習に関する業務 ②修学旅行その他学校の行事に関する業務 ③職員会議に関する業務 ④非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

○ 教員の勤務は、通常の授業のような学校内で行われるもののほか、修学旅行や遠足といった学校行事のような学校外で行われるものもある。また、家庭訪問のような教員個人の独特の業務もある。

○ そのため、給特法において、一般の公務員のように時間外勤務手当を支給する代わりに、教員に対しては、勤務時間中の勤務と勤務時間外の勤務を包括的に評価するものとして、一律に本俸の4%に当たる教職調整額が支給されることとなっている。

(関連条文) ○公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和46年法律第77号) 第3条 教育職員(校長、副校長及び教頭を除く。略)には、その者の給料月額の100分の4に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければ

ならない。 2 教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。 第6条 教育職員(管理職手当を受けるものを除く。略)を正規の勤務時間(略)を超えて勤務させる場合は、政令で定める基準に従い条例で定める場合に限るものとする。 2 前項の政令を定める場合においては、教育職員の健康と福祉を害することとならないよう勤務の実情について十分な配慮がされなければならない。 ○公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令(平成15年政令第484号) 1 教育職員(略)については、正規の勤務時間(略)の割振りを適正に行い、原則として時間外勤務(略)を命じないものとすること。 2 教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすること。 イ 校外実習その他生徒の実習に関する業務 ロ 修学旅行その他学校の行事に関する業務 ハ 職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務 二 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

教員に関する労働法制②

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○ 教員の時間外勤務は、やむを得ない場合に限り、命じることができる。

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専門スタッフとの連携

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教員以外の専門スタッフの配置状況等 専門スタッフとの連携

○ 現在、学校現場において、様々な専門スタッフが教職員と連携し、教育活動に当たっている。

職務内容等 資格 配置状況等【H26】 財政措置(国)

スクールカウンセラー臨床心理等の専門的な知識・技術を用いて児童生徒へのカウンセリング、教職員・保護者への助言・援助等を実施

臨床心理士精神科医 等

7,344人(※補助金対象者)

予算補助(1/3)

スクールソーシャルワーカー

社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて児童生徒の置かれた環境に働きかけて支援

社会福祉士精神保健福祉士 等

1,186人(※補助金対象者)

予算補助(1/3)

医療的ケアを行う看護師特別支援学校等において、たんの吸引・経管栄養・気管切開部の衛生管理等を実施

看護師准看護師保健師助産師

特別支援学校:1,460人(うち、補助金対象者:429人)公立小・中学校:379人

予算補助(1/3)〔特別支援学校のみ〕

特別支援教育支援員食事、排泄、教室移動の補助等、学校における日常生活の介助や学習支援等医療的ケアを実施

なし 49,706人 地方交付税措置

言語聴覚士(ST)、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)等の外部専門家

特別支援学校等において、医学・心理学等の視点による専門的な知識・技術を用いて、指導の改善や校内研修を実施

言語聴覚士作業療法士理学療法士 等

公立特別支援学校:1,380人(地域の公立小・中学校への巡回も実施)

委託事業を実施

就職支援コーディネーター特別支援学校高等部及び高等学校において、ハローワーク等と連携し、就労支援を実施

なし全国40地域において、計57人を配置

委託事業を実施

ICT支援員 教員のICT活用(授業、校務支援等)を支援 なし 約2,000人 地方交付税措置

学校司書 学校図書館の日常の運営、管理、教育活動等の支援 ※今後検討 21,294人 地方交付税措置

部活動外部指導員 部活動における技術指導 なし 40,739人※運動部活動の外部指導者数(中体連・高体連調査)

なし

外国語指導助手(ALT)

小学校の外国語活動や中・高等学校の外国語の授業等の補助

なし 4,101人※JETのみ(H26.7.1現在)

地方交付税措置(JET)予算補助(1/3)(non-JET)

サポートスタッフ 放課後や土曜日における学習、補充学習等の支援 なし 8,000人(※予算積算上人数)

予算補助(1/3)

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なし 21,302人

委託事業を実施

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「チーム学校」像 専門スタッフとの連携

○ 「チーム学校」には、これまでの学校とは異なり、校長のマネジメントの元、多様な専門スタッフが責任を伴って学校に参画し、教員はより教育指導や生徒指導に注力できるような組織運営体制が求められる。

・変化する社会の中で、新しい時代に 必要な資質・能力を身に付ける必要

地域社会

授業

学校組織 運営体制

教員の業務

管理職像

地域との 連携

・鍋ぶた型の教職員構造 ・担任が「学年・学級王国」を形成

・学習指導、生徒指導等が中心

・教員の延長線上としての校長

・地域に対して閉鎖的な学校

・主幹教諭の導入等の工夫 ・学校教職員に占める教員以外の専門スタッフ の比率が国際的に見て低い構造

・学習指導、生徒指導等に加え、複雑化・多様化 する課題が教員に集中し、授業等の教育指導に 専念しづらい状況。

・主として教員のみを管理することを 想定したマネジメント

・地域に開かれた学校の推進

・カリキュラム・マネジメントを推進 ・多様な専門スタッフが責任を持って 学校組織に参画して校務を運営

・専門スタッフ等との協働により 複雑化・多様化する課題に対応しつつ、 教員は教育指導により専念

・多様な専門スタッフを含めた 学校組織全体を効果的に運営するための マネジメントが必要

・コミュニティ・スクールの仕組みを活用 ・チームとしての学校と地域の連携体制を整備

従来 現在 チーム学校

・自己完結型の学校 鍋ぶた型、内向きな学校構造 「学年・学級王国」を形成し、 教員間の連携も少ない などの批判

・学校教職員に占める教員以外の専門スタッフの比率が国 際的に見て低い構造で、複雑化・多様化する課題が教員 に集中し、授業等の教育指導に専念しづらい状況。 ・主として教員のみを管理することを想定したマネジメン ト。

・多様な専門人材が責任を伴って学校に参画し、 教員はより教育指導や生徒指導に注力 ・学校のマネジメントが組織的に行われる体制 ・チームとしての学校と地域の連携・協働を強化

地域社会

・教員による一方的な 授業への偏重

・アクティブ・ラーニングの 視点からの不断の授業改善

校長

学 級

学 級

学 級

教頭

学 級

学 級

学 級

主として教員を 想定した職員構造

校長

副校長・教頭

教育の質向上 いじめ・不登校 特別支援教育 の充実

小学校英語 学校安全 事務負担

教諭 主幹教諭

教諭 教諭 教諭

教諭

(注)「従来」「現在」の学校に係る記述は,学校に対するステレオタイプ的な批判等を表しているものであり, 具体の学校、あるいは,全ての学校を念頭に記述しているものではない。

校長

副校長・教頭 事務長

主幹教諭

指導教諭

教諭

養護教諭

部活動指導員(仮称)

連携・ 分担

連携・ 分担

連携・分担

栄養教諭

専門スタッフ スクールカウンセラー

スクールソーシャルワーカー

事務職員 教諭

地域社会 組織的に連携・協働

(注)専門スタッフとして想定されるものについては、答申の22ページを参照。また、 地域社会の構成員として、保護者や地域住民等の学校関係者や、警察、消防、保健 所、児童相談所等の関係機関、青少年団体、スポーツ団体、経済団体、福祉団体等 の各種団体などが想定される。

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「チーム学校」の実現による学校の教職員等の役割分担の転換 専門スタッフとの連携

○ 教員が、学習指導や生徒指導等の本来的な業務により専念できるような環境整備が求められている。

教員に加え、専門スタッフ、地域人材等が連携・分担することで、より効果を上げることができる業務

・授業・学習指導 (授業計画・準備、採点、 通知表作成等)

・学級経営 (学級担任等)

・生徒指導 (面談、進路指導等)

・学校行事 (入学式・卒業式・ 修学旅行・遠足等)

・子供の心理的サポート

・家庭環境の福祉的ケア ・部活動指導

教員

スクールカウンセラー

スクールソーシャルワーカー 部活動指導員(仮称) 事務職員 学校司書 ICT支援員 など

・通級指導など特別支援教育 ・小学校英語等の専科指導 ・いじめ・道徳対応の強化 ・アクティブ・ラーニングの視点 からの不断の授業改善

新たな教育課題への対応のために必要な業務

現在の役割分担 「チームとしての学校」における役割分担

教員以外の職員が連携・分担することが効果的な業務

・学校運営事務 ・学校図書館業務 ・ICT活用支援業務

理科の実験支援員 学習サポーター など

教員

多様な経験を有する地域人材等が担うべき業務

・指導補助業務 (土曜日の活動支援等)

サポートスタッフ

教員が行うことが期待されている本来的な業務

上記以外の業務

新たな課題への対応に必要な教員の体制の充実が必要

授業・学級経営・生徒指導に 一層専念

専門スタッフ

教員

教員が多様な 業務を担っている

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部活動

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部活動の位置づけ(現行学習指導要領) 部活動

○ 部活動は、教育課程外ではあるが、学校教育の一環。

中学校学習指導要領 平成20年改訂(抜粋)

第1章 総則

第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項

2 (13) 生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツ

や文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等

に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られ

るよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協

力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上

の工夫を行うようにすること。

中学校では、228万名(65.7%)、高校では、146万名(41.8%)の生徒が運動部活動に参加 (出典)公財日本中体連、公財全国高体連及び公財日本高野連調べ(平成27年度)

※高等学校学習指導要領(平成21年3月)にも同様の記載がある。

36

かん

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【次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(平成28年8月26日中央教育審議会教育課程部会)のポイント(抜粋)】

部活動については、現行学習指導要領における位置付けを維持しつつ、将来にわたって持続可能な在り方を検討し、活動内

容や実施体制を検討していくことが必要。少子化が進む中で、部活動の実施に必要な集団の規模や指導体制を持続的に整えて

いくためには、一定規模の地域単位で運営を支える体制を構築することが長期的には不可欠。教員の負担軽減の観点も考慮し

つつ、地域の人々の協力、社会教育との連携など、運営上の工夫を行うことが必要。

部活動も学校教育活動の一環であることから、関係教科等と関連付けた「主体的・対話的で深い学び」を実現する視点が重要。

例えば保健体育科の運動領域においては、運動やスポーツを「すること」のみならず「する・みる・支える・知る」といった多様な関

わり方を学ぶよう指導。こうした考え方に基づき、運動部活動においても、スポーツに関する科学的知見や多様な関わり方を学ぶ

ような指導が重要。このように、部活動の指導については、スポーツや文化、科学等それぞれの分野に関する科学的知見や、指

導者や仲間との言語活動を重視した指導者教育が重要。

また、部活動の教育的意義として指摘される人間関係の構築や自己肯定感の向上等は、部活動の充実の中だけで図られるの

ではなく、学校の教育活動全体の中で達成されることが重要。部活動の時間のみならず、子供の生活や生涯全体を見渡しなが

ら、短期的な学習成果のみを求めたり、特定の活動に偏ったりするものとならないよう、休養日や活動時間を適切に設定するな

ど、バランスのとれた生活や成長に配慮することが重要。

部活動の位置づけ(次期学習指導要領に向けた検討状況) 部活動

○ 次期学習指導要領の検討に当たっても、現行学習指導要領における位置づけを維持しつつ、持続可能な在り方を検討していく方向で議論がなされている。

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部活動指導手当 部活動

○ 公立学校の教員が土日等に4時間程度の部活動指導を行った場合、日額3,000円の手当が支給される。

区 分 単 価 等

昭和52年12月 日額 500円の新設(5時間程度の業務に従事)

昭和53年 3月 部活動手当の支給要件の緩和(5時間程度の業務に従事→4時間程度の業務に従事)

平成 元年 4月 日額 620円(4時間程度の業務に従事)

平成 5年 1月 日額 750円(4時間程度の業務に従事)

平成 8年 4月 日額1,200円(4時間程度の業務に従事)

平成16年 4月 国立大学法人化に伴い、公立学校教員給与の国立学校準拠制が廃止となる <義務教育費国庫負担金上 日額1,200円(4時間程度の業務に従事)>

平成20年10月 <義務教育費国庫負担金上 日額2,400円(4時間程度の業務に従事)に倍増>

平成26年10月 <義務教育費国庫負担金上 日額3,000円(4時間程度の業務に従事)に増額>

○人材確保法(昭和49年2月)による給与改善の中で,昭和52年に新設。 ○教員特殊業務手当の1つであり,公立学校の教員が土曜日,日曜日等に4時間程度, 部活動指導業務に従事した場合に支給。 具体的な支給要件や支給額は各都道府県の条例等において規定。 ○平成29年度概算要求において、現行の日額3,000円から3,600円への引き上げを要求。

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部活動における課題① 部活動

○教員の長時間労働 ・国際調査によると,日本の中学校教員の勤務時間は参加国・地域中最長であり,その中でも, 課外活動の指導時間が特に長い。

○部活動指導手当の現状 ・現在手当額は4時間程度の指導に対して3,000円であり,十分な額とはいえない。

○生徒の健康上の問題 ・スポーツ障害やバーンアウトの予防の観点,生徒のバランスのとれた生活と成長の確保の 観点などを踏まえると,行き過ぎた活動は望ましくなく,適切な休養日等の確保が必要。 (文部科学省「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」(平成9年)) ・学期中の週当たり活動日数は,中学校において6日以上の実施が6割超※など十分な休養日 が設定されていない状況。 (文部科学省「学校現場における業務の適正化に向けて」(平成28年)) ※文部科学省「運動部活動の実態に関する調査研究報告書」(平成14年)

(参考)中学校教員1週間あたりの平均課外活動指導時間 参加国地域平均2.1時間 日本 7.7時間(参加国地域34か国中最長)

(出典)平成26年度 OECD国際教員指導環境調査(TALIS)

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○ 長時間労働の要因であり、手当も十分とは言えないとの課題が指摘されている。

(参考)全国平均最低賃金(平成28年度) 823円/時

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部活動における課題② 部活動

(出典)(公財)日本体育協会調べ「学校運動部活動指導者の実態に関する調査」(平成26年7月)

【部活問題対策プロジェクトについて】

○30代の公立中学校教員ら男女6人が設立。部活の顧問を引き受けるかどうかの選択権を求めて、平成27年12月よりインターネット上にて、署名を開始。(9月7日現在28,570人が賛同) 平成28年4月には、生徒が部活動をするかどうかの選択権を求める署名も開始。 (9月7日現在 12,839人が賛同)

○平成28年3月3日、平成28年8月5日に文部科学省へ署名を提出

○ 中学校・高等学校ともに、約半数程度の部活動指導者が、競技経験のない部活動の指導を行っている。 ○ 「教師に部活の顧問をする・しないの選択権」等を求めるネット署名が行われている。

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(参考)

家庭・地域の教育力向上に向けた取組

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◆スマイル・サポートチーム ~サポーターが家庭と学校をつなぐ潤滑油に~

【構 成 員】家庭教育支援チームリーダー、家庭教育支援サポーター

【活動の拠点】泉大津市教育支援センター

【支援体制】

【活動内容】 教育支援センターを拠点に、学校園や福祉部局からの依頼を受け、ケース会議で支援の役割連携を確認した上で、家庭教育支援サポーターが家庭に訪問する。サポーターはカウンセリングスキルを生かして子育てに関する不安や悩み等の本音を引き出し、保護者のエンパワーメントを図ります。

【成 果】 保護者を支援することで子供が落ち着きを取り戻し、問題行動等の改善につながっている。平成26年度から平成27年度に関わった家庭の不登校児童生徒の約4割に学校復帰等の改善が見られた。また、サポーターが家庭と学校(先生)をつなぐ潤滑油となり、関係が改善された事例も数多くあった。

《サポーター会議の様子》

○ 教育支援センターを拠点に、家庭訪問による相談支援を行っている。 (大阪府泉大津市家庭教育支援チーム)

各自治体における家庭の教育力向上に向けた取組 家庭・地域の教育力

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◆「釧路市家庭教育支援チーム」~「早寝早起き朝ごはん」を推進します~

【構 成 員】 保健師、指導主事、社会教育主事、家庭教育推進員、教育相談員、スクールカウンセラー、 スクールソーシャルワーカー、福祉・教育行政職員 【活動の拠点】 釧路市教育委員会 【活動内容】 ○生活習慣啓発のためのリーフレット、クリアファイルの作成。 ○毎日の生活習慣をチェックする「早寝・早起き・朝ごはんカレンダー」の研究・作成。 ○「早寝・早起き・朝ごはんシンボルマーク」、「くしろっ子共に育てる10か条」等を活用し、家庭における 生活習慣定着を啓発する資料の研究・開発。 ○保護者の学習・情報交流機会の場として、参加型・カフェスタイルの家庭教育講座「ほわっと」を実施。 ○不登校等教育的課題を抱える家庭への訪問支援や相談支援を実施。

【成 果】 ○啓発資料を活用した家庭教育に対する意識向上及び家庭教育講座の実施により、家庭における子供 の生活習慣づくりの大切さや生活習慣と体力や学力の関係性などについて保護者の意識や理解が深 まってきている。 ○学習機会・方法を多様化することにより、家庭教育講座への参加や教育相談窓口の周知が進んだ。 ○訪問支援を行うことで、課題を抱える家庭に対するきめ細やかな対応ができてきている。

幼稚園での体力づくり 講座の様子

○ 福祉部局と連携し、望ましい生活習慣づくりの定着を推進している。 (北海道釧路市)

家庭・地域の教育力 各自治体における家庭の教育力向上に向けた取組

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★朝先生・・・平成19年度から続く、授業開始前の朝の時間に地域住民が全クラスの朝学習に参画し、計算チャレンジや百人一首を指導。

★すぎっ子くらぶ・・・平成16年度から続く、放課後子供教室。学校の施設を利用し、毎日17時まで実施、約200名の子供の居場所となり、日本の昔遊び、路地裏遊び等を実施。スタッフは子育て経験の豊かな地域の住民。

★オープンキャンパス・・・幼保小(※)のスムーズな接続を目指した、小学1年生の担任による国語や算数の授業等を実施。

○「地域」を「杉一小の子供たちのために活動している人たち」「杉一小の教育活動に興味・関心をもっている人たち」と捉え、「地域」におけるネットワークをより充実させることで、学校をサポートする「地域」を育成することができた

○近隣の学校支援本部と人材・施設等を含めた多角的な視点から連携し、「地域とともに歩む学校づくり」を目標に掲げる学校を支援しながら、子供のための取組を今後も実践していく

〈杉一プラン 組織図〉

取組の成果

※・・・幼稚園、子ども園、保育園から小学校への接続を意味する

【オープンキャンパスの風景】

取組内容(例)

杉並第一小学校 【地域運営学校】

学校運営協議会

幼少連携

学校支援本部【杉一プラン】

・朝先生 ・講師派遣 ・漢字検定 ・中学生になって こまらない英語 教室 等

放課後の 居場所活動

自然と歴史 校外学習

親子学習

サマー スクール

PTAの在り方 検討会

学習支援

・自然体験 ・ものづくり体験

・オープンキャンパス 等

・親のための講座 ・親子教室 等

・宿泊山村体験 ・化石掘りと史跡見学 等

○杉並第一小学校を支援するために設置された、地域の人たちの学校応援団

○地域から信頼される「力のある学校」づくりの支援

○「わが街阿佐谷、ふるさと杉一」を意識し、学校・地域・保護者が一体となって多様な学校支援活動や放課後支援活動を行う仕組みを構築

○杉一プラン独自の発想と協力体制による教育活動の更なる充実

目的

【朝先生と百人一首】

※すぎなみHPより抜粋

○「ふるさと杉一」を意識し、学校・地域・保護者が一体となった協働活動を実施している。 (東京都杉並区立杉並第一小学校)

各自治体における地域の教育力向上に向けた取組 家庭・地域の教育力

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○ 保護者や地域住民による学校支援活動が、学校との連携・協働に関する

認識の深まりから、より活性化してきている

○ 生徒が地域の行事に積極的に参加したり、地域の高齢者福祉施設を訪問

すること等により、生徒が地域貢献をしている。

☆ 平成18年度の発足当初より双方向の地域のボランティア活動に尽力している。

主な活動は

・総合的な学習の時間を活用したキャリア教育

(福祉施設訪問、疑似体験活動(車いす体験)、職場体験学習 等)

・生徒が学校の行事やお祭りなど地域の行事へ積極的に参加

・地域のゲストティーチャーによる授業の協力

・土曜学習会における地域住民による補充学習支援 等

☆ コミュニティ・カレンダーの作成や社会福祉協議会との連携を強めることで

高齢者福祉施設訪問など多くの取組ができるよう工夫している

☆ 様々な学校の教育活動を機能的・実践的にしていくため、PTA関係者や

学校関係者(校務分掌に位置づけ)も参画して活動内容等を検討している

取組の概要・特色

取組の成果

【高齢者福祉施設を訪問している様子】

【かかし村まつりにて演劇を実施している様子】

○ 地域と学校が互いに支え合い高め合う、ボランティア活働を実施している。 (宮崎県都城市立山田中学校)

家庭・地域の教育力

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各自治体における地域の教育力向上に向けた取組

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放課後や休日の活動は、教員、アソシアシオン(association)と呼ばれる非営利団体(※2)の社会教育指導者(※3)やボランティア等が担っている。

※1:余暇センター(centre de loisirs)

労働時間短縮に伴う余暇政策、女性の社会進出といった社会的背景を受けて、子供が余暇活動を行う場として1970年に設立され、全国に広がった。

保護者が働いている間の預かり保育の場と同時に、あらゆる子供に文化やスポーツ活動に参加する機会を基本的権利として保障する場、集団の中で子供が社会化していく場として存在しており、地域の要請に応じて学習支援などの教育支援も実施。

主に都市・青少年・スポーツ省が管轄する社会教育として、小学校の設立主体である市町村が、小学校や余暇センター(※1)などの社会教育施設等において、地域の実情に応じた子供の放課後や休日の活動を組織的に実施している。

(出典)文部科学省「諸外国の初等中等教育」(平成28年)、「諸外国の生涯学習」(平成23年)、明石要一・岩崎久美子ほか「児童の放課後活動の国際比較」(平成24年、福村出版)

※3:社会教育指導者 アニマトゥール(animateur)と呼ばれる生涯学習や社会教育を支援する専門家。人々の学習活動の場

において中心的な役割を担っている。国家資格であり、文化センターや社会センター、青年の家等の社会教育施設等で活動している。

※2:アソシアシオン(association)

2人以上の人が非営利活動を行うために組織する団体。組織は自由で登録は必須ではないが、申請された場合は県庁に法人として登録される。教育やスポーツ、文化等の多様な活動を実施している。

子供たちの余暇センターでの放課後活動の様子(フランスボルドー市HPより)

○ フランスでは、地域の特徴を踏まえた社会教育が充実しており、地域の団体等による放課後や休日における教育活動が実施されている。

海外における家庭や地域の教育力向上に向けた取組 家庭・地域の教育力

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文部科学省「教育調査第143集『諸外国の生涯学習』」(平成23年8月)より作成

韓国

・初等中等教育機関に在学する児童・生徒の保護者を対象に、家庭教育や学校教育、進路指

導に関する相談及び情報提供などを行う機関として、2016年10月現在、中央に1か所、全国

に92か所「保護者支援センター」が設置。中央の全国保護者支援センターにおいては、保護

者の需要度が高い情報を発信するウェブサイトの紹介、各地方保護者支援センターの案内、

家庭教育に関連する動画の配信などを行っている。

ドイツ

・家庭における生活や教育の支援を行う成人教育施設である「家庭教育センター」においては、

親、子供を対象とした多様なプログラムが提供されており、家庭教育関連のプログラムについ

ては、教会系の施設、就学前施設、青少年福祉関連施設等で共同実施されることが多い。

(プログラム例)誕生準備コース、家庭準備コース、親子プログラム、栄養コース 等

アメリカ

・連邦政府による「ヘッドスタート事業」や「タイトルⅠ事業」などにおいて、小学校入学前の乳幼

児を抱えた家庭の親に対して、親として必要な知識・技能を身に付けるための教育や訓練の

機会も提供。

・メリーランド州では、親が帰宅する夜間にワークショップ等を開催し、学校での取組や家庭で

の子育てに関する情報提供、意見交換の場を設けている。

家庭・地域の教育力 海外における家庭や地域の教育力向上に向けた取組

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一億総活躍社会、 地方創生を実現

【地域学校協働活動推進事業】(7,541百万円)

地域と学校を繋ぐコーディネーターが中心となり、地域と学校の連携・協働の下、幅広い地域住民等が参画し、地域全体で未来を担う子供たちの成長を支え、地域を創生する「地域学校協働活動」を全国的に推進。

【コミュニティ・スクール導入等促進事業】(230百万円)

学校と地域住民・保護者が力を合わせて学校の運営に取り組む「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」の導入により、地域との組織的・継続的な連携・協働体制を確立する。

◆地域の実情に応じて、柔軟に事業を実施することができるよう、関連施策によるプランを推進。 ◆学校を核とした地域力強化のための仕組みづくりや地域の活性化に直結する様々な施策等を地域の特色に応じて組み合わせて推進。

【地域を担う人材育成のためのキャリアプランニング推進事業】(26百万円)

「キャリアプランニングスーパーバイザー」を配置し、地元への愛着を深めるキャリア教育の推進等を通じ、地元に就職し地域を担う人材を育成する。また、高校中途退学者等への就労等支援についても、サポステ等関係機関と連携した取組を実施する。

【地域における家庭教育支援総合推進事業】(163百万円)

地域人材の養成を通じて家庭教育支援チームの組織化、家庭教育支援員の配置等を行い、身近な地域における保護者への学習機会の提供や親子参加型行事の実施、相談対応等の支援活動を実施することで、家庭教育支援を総合的に推進。

【地域提案型の学校を核とした地域魅力化事業】(11百万円)

学校を核とした地域の魅力を創造する取組として、地域が提案する創意工夫のある独自で多様な取組を支援することにより、独自の地域の活性化を図る。

(前年度予算額:6,832百万円)

29年度要求額:8,247百万円

学校を核として、人づくり・地域づくりの好循環を創出

少子化・高齢化の進展

共働き世帯、一人親世帯、独居老人の増加

地域のつながり の希薄化

地域格差、経済格差の拡大

子供たちを 取り巻く

地域力の衰退

学校を核とした地域 とのつながりの形成

地域資源を生かした子供 たちの豊かな学びの実現

子供たちの地域への愛着、地域の担い手の増加

子育て環境の整備、 人口流出の抑制、地域の活性化

学校を核とした 地域力強化のための 仕組みづくりの推進

コミュニティ・ スクール

様々な施策の 展開により、 教育の充実、 地域も活性化

学校を核とした地域力強化・将来を担う子供たちの育成を通じて、一億総活躍社会、地方創生を実現

地域力強化プラン

【地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業】 (88百万円)

「スクールガード(学校安全ボランティア)」の活用等により、地域ぐるみで子供の安全を見守る体制を整備し、地域社会と連携した学校安全に関する取組を通じて、地域力の強化を図る。

地域の特色ある取組を 柔軟に支援

家庭教育の困難さ

【地域と連携した学校保健推進事業】 (10百万円)

養護教諭の未配置校等に対し、経験豊富な退職養護教諭をスクールヘルスリーダーとして派遣し、学校、家庭、地域の関係機関等の連携による効果的な学校保健活動の展開を図り、地域力の強化につなげる。

【健全育成のための体験活動推進事業】 (99百万円)

農山漁村等における体験活動において、地域人材や地域資源を活用することにより、異世代間交流や都市農村交流を図り、地域の活性化につなげる。

地域学校 協働活動

家庭教育 支援

キャリア

教育

地域連携

学校保健

地域提案

型事業 農山漁村

体験

子供の

安全

地域連携の 基盤づくり

学校を核とした地域力強化プラン

○ 学校を核として地域住民等の参画や地域の特色を生かした事業を展開することで、まち全体で地域の将来を担う子供たちを育成するとともに、一億総活躍社会と地方創生の実現を図る。

家庭・地域の教育力

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Page 50: 新たなテーマ1「学校・家庭・地域の役割分担と 教 …新たなテーマ1「学校・家庭・地域の役割分担と 教育力の充実について」に関する参考資料

地域の教育資源を活用した教育格差解消プラン~親子の学び・育ち応援プラン~

○ 教育格差解消には、地域の多様な教育資源を効果的に活用し、困難を抱える親子双方へアプローチしていくことが重要であり、地域の特色を生かした事業を展開することで、地域全体で困難を抱える親子が共に学び・育つことを応援し、教育格差解消に向けた取組を推進する。

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【困難を抱える親子を対象とした自然体験活動推進事業】(28百万円) 児童養護施設、母子生活支援施設等の子供を含む困難な状況の親子等を支援するため、青少年教育施設における自然体験活動の機会を提供するなど、体験活動の格差解消を支援。

【図書館資源を活用した困難地域等における読書・学習機会提供事業】(291百万円) 困難地域等における読書格差解消の取組を推進するため、図書館資源を活用した読書・学習機会提供(親子の読書支援のためのアウトリーチ活動の実施、図書館における学習支援の実施等)に関する取組を実施。

◆困難を抱える親子の状況等に応じて、多様で特色ある地域発の取組モデルを構築することができるよう、教育格差解消に資するプランを推進。

【学びを通じたステップアップ支援促進事業】(23百万円) 学力格差の解消及び高校中退者等の進学・就労に資するよう、高校中退者等を対象に、高等学校卒業程度の学力の習得を目指し、学習相談(進学・就労に対する保護者の理解促進の観点から、保護者を含めた相談も可能。)及び地域の生涯学習施設を活用した学習支援を実施。

困難を抱える親子が共に学び・育つことを応援する 地域発の教育格差解消の取組を推進

共働き世帯、一人親世帯の増加、核家族化

教育格差の拡大(親の経験が子の機会に影響) 親の孤立化(悩みを相談する相手が不在)

地域格差・経済格差の拡大、貧困の連鎖

貧困の連鎖解消のため、親子が共に学び・育つ環境整備

困難を抱える親子の状況等に応じた

きめ細かな アプローチ

子供の貧困問題等の課題解決に向け、地域総掛かり

の 取組を促進

多様な地域の教育資源の発掘・ 効果的な活用

読書格差 家庭教育格差 体験活動格差

困難を抱える親子が共に学び・育つための地域発の取組を支援することを通じて、一億総活躍社会を実現

多様で特色ある 取組モデルを構築 地域の教育資源を活用した教育格差

解消プラン~親子の学び・育ち応援プラン~

学習格差

親子を取り巻く困難な環境

地域の教育資源の活用

福祉部局等多様な関係者との連携

【先駆的家庭教育支援推進事業(訪問型家庭教育支援の実施)】(47百万円) 問題を抱え孤立した家庭に対する効果的な支援手法としてニーズが高い訪問型家庭教育支援の実施を推進するため、保護者を学びの場や地域とのつながりの場につなぎ、保護者の教育力を高めることを重視しつつ、貧困、不登校等の様々な課題を抱えた家庭に対する類型別の効果的な支援モデルを開発。

◆プランの推進に当たっては、例えば以下のような教育格差解消に資する関係施策とも連携しつつ実施することを推奨。

○地域における家庭教育支援総合推進事業(家庭教育支援チーム、家庭教育支援員) ○地域未来塾など地域学校協働活動推進事業 ○学校における教育格差解消の取組 など

○ニッポン一億総活躍プラン(平成28年6月2日閣議決定)

生活困窮世帯等の子供に対し、学習支援や親の養育支援等を含めた包括的な支援を提供するため、高校中退防止や家庭訪問の取組強化を含め、学習支援事業を充実・強化する

( 新 規 ) 2 9 年 度 要 求 額 402百万円

困難を抱える親子へのアプローチ

家庭・地域の教育力