22
新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセットクレジットメカニズム 二国間オフセット クレジットメカニズム の排出削減効果等の分析 環境経済の政策研究 平成24年度成果報告会 34研究代表者 早稲田大学・有村俊秀 1

新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

新たな市場メカニズムの国際比較及び二国間オフセット・クレジットメカニズム二国間オフセット クレジットメカニズム

の排出削減効果等の分析

環境経済の政策研究平成24年度成果報告会 3月4日

研究代表者早稲田大学・有村俊秀

1

Page 2: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

研究の背景と目的 CDMの問題点

新しい国際的な排出量取引の制度の必要性

各国及び国連で議論・動向 各国及び国連で議論 動向

二国間オフセット・クレジットメカニズム(JCM/BOCM:Joint Crediting Mechanism/Bilateral Offset Crediting Mechanism)

欧州のセクタ 別クレジ トメカニズム(以下 SCM S t l C diti 欧州のセクター別クレジットメカニズム(以下、SCM: Sectoral Crediting Mechanism)

REDDプラス:JCM/BOCMとしての可能性も

企業レベルの新しい排出量の把握(スコープIII) 政策・研究課題

排出削減効果は?排出削減効果は?

経済・雇用への影響は?

イノベーションへの影響は?技術移転効果は?

企業の参加インセンテ ブは?(出所)新メカニズム情報プラットフォーム

企業の参加インセンティブは?所 情

(http://www.mmechanisms.org/initiatives/index.html)

2

Page 3: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

二国間クレジット分析

(1)経済影響分析

(早稲田大学)

(2)排出削減効果分析

(高崎経済大学)(5)REDD+分析(上智大学)(早稲田大学) (高崎経済大学) (上智大学)

(6)技術移転効果分析(獨協大学)

(8)新メカニズム・制度/インセンティブ研究・各種メカニズム比較

(7)各種新メカニズ

ムの分析(スコープIII等)(跡見学園分析(獨協大学) 各種メカニズム比較

(早稲田大学)プIII等)(跡見学園

女子大学)

Nori Tarui(University of 

H ii)セクター別クレジットメカニズム分析

Hawaii)クタ 別ク ジッ 分析

(3)経済影響・排出削減分析 (4)CGE構築海外での報告

( 月 豪州(京都産業大学) (名古屋大学) (3月・豪州 DCCEEにて)

Page 4: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

研究分担者研究分担者

早稲 大学 有村俊秀 片山東 (杉野誠)• 早稲田大学・有村俊秀・片山東・(杉野誠)【1】【8】

• 高崎経済大学・岩田和之【2】• 跡見学園女子大学・井口衡【7】跡見学園女子大学 井口衡【7】• 獨協大学・浜本光紹【6】

京都産業大学 武田史郎【 】• 京都産業大学・武田史郎【4】• 名古屋大学・山崎雅人【3】【 】

• 上智大学・堀江哲也【5】

4

Page 5: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

本研究の3年間に渡る全体像本研究の3年間に渡る全体像二国間クレジット削減効果・経済分析

産業連関分析(1)【早稲田】削減効果分析(2) 【高崎】BOCMの費用対効果を分析

(最終目標)

SCM分析CGE分析(3)【京産大】

企業調査(7)【跡見】

制度分析(8)(最終目標)

JCM/BOCMを中心とする新メカへの提案

【京産大】モデル拡張(4)

【名古屋】SCMの経済効果を

【早稲田】

企業参加インセンティブや制度的課題を分析 提案 明らかにする題を分析・提案

技術移転分析(5)【獨協】

新メカニズムが技術移転

REDD+の分析(6)【上智】

JCM/BOCMとしての可 新 カ が技術移転を促進する方法を模索

/能性を明らかにする

Page 6: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

二国間オフセット・クレジット制度の経済・削減効果分析(1)(2)

ベ スモデル構築(産業連関分析)

1年目

• ベースモデル構築(産業連関分析)

• 分析対象品目と輸出先の特定

• 経済・雇用効果のシミュレーション分析

GHG削減量の試算

産業連関(IO)分析がベース1年目 • GHG削減量の試算

• データのアップデート

2年目• 産業連関表の細分化(環境財の考慮)

• 分析対象品目および輸出先の拡張

• GHG以外の副次的便益の計算

• 細分化した産業連関表を用いたシミュレーション分析

3年目• 対象品目および輸出先の拡張

• 完成モデルでのシミュレーション分析

6

Page 7: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

今年度の分析内容今年度の分析内容

C / OC を導入した際• JCM/BOCMを導入した際、

1. ①工業炉(CDQ)、②ボイラ、③照明機器(LED)、④蓄電池 ⑤エア ン ⑥冷蔵庫 洗濯機 ⑦電気自動蓄電池、⑤エアコン、⑥冷蔵庫・洗濯機、⑦電気自動車のうち、経済・雇用効果が高いのは?

2 どの品目・技術の排出削減効果が高いのか2. どの品目・技術の排出削減効果が高いのか。

3. インド、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム(FS実施国)のうち どの国を対象とするのが望ましいか施国)のうち、どの国を対象とするのが望ましいか。

国内産業連関表(401部門)及び電気の排出係数を• 国内産業連関表(401部門)及び電気の排出係数を用いた試算

億円の予算を / に用いるシナリオを分析7

700億円の予算をJCM/BOCMに用いるシナリオを分析工業炉・家電製品も同金額の輸出増を想定。

Page 8: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

表1経済・雇用効果(2005年国内IO)(700億円の輸出シナリオ)

単位:1億円および人

工業炉 ボイラ 照明機器 蓄電池 エアコン冷蔵庫

洗濯機

(電気)

自動車

国内生産額の変化

1,778 1,632 1,552 1,943 2,010 1,873 2,480

国内生産額 9,720,146

増加率(%) 0.018% 0.017% 0.016% 0.020% 0.021% 0.019% 0.026%

雇用の変化 7,799 6,358 6,766 6,857 6,294 7,459 7,260

雇用者数 66,700,532

増加率( )増加率(%) 0.012% 0.010% 0.010% 0.010% 0.009% 0.011% 0.011%

8

Page 9: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

表2 GHG削減量の試算結果表2 GHG削減量の試算結果貿易データから、4品目、5カ国へ省エネ品目が輸出された場合のGHG削減量を試算(700億円分を貿易額に応じて案分、各国製品価格も反映)

電源係数( 億 分を貿易額 案分、各国製品価格 反映)

品目:工業炉、冷蔵庫、洗濯機、照明機器国:インド、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン

3.004.00 5.00 6.00 

2.10  2.81  2.62 4.08 

5.21 地域不均衡是正

電源係数

工業炉 洗濯機 冷蔵庫 照明機器ベトナム 0  257,879  21,836  18,006 

0.00 1.00 2.00 3.00 

タイ 0  865,448  48,241  140,711 フィリピン 0  6,781  43,107  2,343 インドネインドネシア

0  25,200  31,142  5,134 

インド 853,659  661  12,969  233 CO2‐t/年合計 853,659  1,155,969  157,295  166,426 

GHG削減量は洗濯機>工業炉>照明機器>冷蔵庫

品目によって、削減量が異なることから、削減効率の高い品目の選定が必要

*家電製品は平均耐久年数を想定して、総削減量を導出9

Page 10: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

JCM/BOCMの経済効果・排出削減量JCM/BOCMの経済効果・排出削減量• 耐久年数を用いて、製品の総削減量を算出

経済効 削減効 を確認• 経済効果・削減効果を確認

• 工業炉の1億円当たり排出削減量が最も高い

工業炉 照明機器 洗濯機 冷蔵庫

表3:国内産業連間表を用いた経済効果及び削減量

工業炉 照明機器 洗濯機 冷蔵庫

経済効果(億円) 1,778.0 1,552.0 1,873.0

削減量(CO2-t/年) 853,659 166,426 1,155,969 157,295

耐久年数(年) 20 0 16 0 9 8 10 7耐久年数(年) 20.0 16.0 9.8 10.7

総排出削減量(CO2-t) 17,073,180 2,662,816 11,328,496 1,683,057

経済効果 (自動車) 洗濯機 冷蔵庫 (蓄電池) 業炉• 経済効果:(自動車)、洗濯機・冷蔵庫、(蓄電池)、工業炉の順• 雇用効果:工業炉、洗濯機・冷蔵庫、(自動車)の順• 削減効果:工業炉、洗濯機の順

10

より多くの技術の評価が必要二国間クレジット: 経済効果と削減効果に

基づくプロジェクト選定が重要

Page 11: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

応用一般均衡モデルによるSCMの分析(3)(4)応用 般均衡モデルによるSCMの分析(3)(4)

• 電力部門の細分化(GTAPでは火力、水力、原子力の発電は一部門)

1年目

電 部門 細分 ( 火 、 、原 発電 部門)

• 第I期作成のCGEモデルによるSCMの分析

• GTAPデータベースを利用した多部門・多地域の動学的CGEモデルで、SCMの日本経済への影響(CO2排出量、GDP、各部門の生産等)を定量分析年目 の日本経済 の影響(CO2排出量、GDP、各部門の生産等)を定量分析

• 発電部門を細分化したCGEモデルを構築し、SCMを分析 (再生可能エネ

2年目

構ルギーを用いた発電を考慮したデータの作成)

• データのアップデート(GTAP8に変更)

• SCMのシナリオを増やした分析SCMのシナリオを増やした分析

3年目• 太陽光、風力などの再生可能エネルギーを導入したCGEモデルを構築し、SCMを分析

11

Page 12: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

シミュレーションのためのCGEモデル構築シミュレーションのためのCGEモデル構築

• 電力部門を対象としたSCMの詳細評価に向け、電力部門を細分化したCGEモデルを構築。• GTAPデータで1つに集約されている電力部門を IEAデータに基づき既存発電技術別に分割

電力

• GTAPデ タで1つに集約されている電力部門を、IEAデ タに基づき既存発電技術別に分割。• 火力系発電が需給調整を行い(ピーク・ミドル電源)、原子力・水力は一定出力のモデル(ベース

電源)。

∞電力

発電量可変的

その他

石炭火力発電

F

ガス火力発電

油火力発電

発電量固定的

原子力

水力

その他

特殊要素(資本)

中間投入財 労働 石炭

r 石油火力発電

中間投入財、労働 石炭

CO

特殊要素(資本)

中間投入財、労働

12

CO2

電力部門の生産関数のイメージ

Page 13: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

SCM分析のモデルとシナリオSCM分析のモデルとシナリオモデル

– 昨年度のモデルを拡張(SCMを追加)

• SCM– セクター別に削減目標を設定

追加)

• 12地域・22部門

• GTAP7データ

年 デ タ

– 途上国が削減目標を設定

– 途上国での削減を投資国(先進国)の削減と認定

– 2004年のデータ

• 逐次動学モデル

– 2004~2020年、1年1期シナリオ

• SCMの対象部門

国)の削減と認定

– 貯蓄率一定

• 完全競争・規模に関して収穫一定

• 代表的家計

SC の対象部門

– 鉄鋼、電力

• SCMの相手国

– 「中国」と「その他アジア」「中国」と「その他アジア」

シナリオ 説明

NSCM SCMはなし。日本は独力で削減する。

SCM1 「中国」の鉄鋼部門と日本の鉄鋼部門でSCMSCM2 「中国」の電力部門と日本の電力部門でSCM

13

SCM5 「その他アジア」の鉄鋼部門と日本の鉄鋼部門でSCMSCM6 「その他アジア」の電力部門と日本の電力部門でSCM

Page 14: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

表4 日本に対する影響(BAUからの変化率%)

NSCM SCM1 SCM2 SCM5 SCM6NSCM SCM1 SCM2 SCM5 SCM6CO2排出量(MtCO2) ‐303.7 ‐276.9 ‐223.5 ‐286.7 ‐238.5

CO2排出量 ‐27.90 ‐25.44 ‐20.53 ‐26.33 ‐21.91排出枠輸入量(MtCO2) 0.0 26.8 80.2 17.0 65.2

厚生 ‐0.47 ‐0.46 ‐0.44 ‐0.47 ‐0.45GDP 1 22 1 18 1 16 1 19 1 16GDP ‐1.22 ‐1.18 ‐1.16 ‐1.19 ‐1.16消費 ‐1.39 ‐1.38 ‐1.26 ‐1.38 ‐1.27投資 ‐0.69 ‐0.59 ‐0.70 ‐0.61 ‐0.70投資

輸出 ‐3.39 ‐2.93 ‐3.12 ‐3.02 ‐3.14輸入 ‐1.94 ‐1.61 ‐1.62 ‐1.67 ‐1.67S(鉄鋼) 7 6 2 1 7 2 3 1 7 2I_S(鉄鋼) ‐7.6 ‐2.1 ‐7.2 ‐3.1 ‐7.2

ELE(電力) ‐4.3 ‐3.8 ‐1.1 ‐3.9 ‐1.5

①日本 排出枠輸入国 ②電力部門が 対象だと輸入大( )①日本:排出枠輸入国 ②電力部門がSCM対象だと輸入大(SCM2)③日本のマクロ経済にはプラスの効果(小)。④エネルギー集約産業⇒負担は大幅減⑤SCMの相手国 必ずしもSCMで得をするわけではない

14

⑤SCMの相手国:必ずしもSCMで得をするわけではない厚生ではほぼプラスの効果。ただし、 SCMの導入でGDP 悪化ケース多し

Page 15: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

REDDプラスに関する不確実性の分析(5)REDDプラスに関する不確実性の分析(5)•JCM/BOCMプロジェクト候補であるREDDプラスについて先行研究レビュー

プ ク ジ 価格•REDDプラス・クレジット価格

•2011年EUETSオフセット・クレジット価格相当額($10~$20)の限界費用によって、森林からのGHGガスを60~

減90%以上削減可能

•潜在的な問題

•リーケージ:文献によるが平均的に高い(約40~90%)1年目

リ ケ ジ 文献 よる 平均的 高 (約 )

•資金の提供とクレジットの配分のタイミングが生む不確実性が、出資国と途上国の参加に影響がある可能性

•出資形態とクレジットの配分方法を考慮したモデル作成

•モデルを用いたシミュレーション分析

•理論モデルの拡張•理論モデルの拡張

•JCM/BOCMとしてREDDプラスに注目し、途上国への参加インセンティブを促進する制度整備の検討2~3年目

15

Page 16: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

新メカニズムの技術移転効果に関する研究(6)

• GHG削減プロジェクトを通じた気候変動緩和技術の移転に関して、技術移転の観点からCDMの機能や成果に関する検討を加えた研究のレビ を実施えた研究のレビューを実施

• 成果:①CDMを通じた技術移転に関するデータ利用可能性や分析方法などについての情報獲得どについての情報獲得②技術移転に影響を及ぼす諸要因(プロジェクト規模、タイプ、ホスト国の属性等)に関して、CDMプロジェクトの全般的傾向についての知見が得られた

1年目知見が得られた

技術移転の仕組みとしてJCM/BOCMが備えるべき要件の検討• 技術移転の仕組みとしてJCM/BOCMが備えるべき要件の検討• 日本的特質や課題について検討• 環境援助として実施された様々な事業の事例を調査分析• 補完的機能を果たしうるその他の制度のあり方について検討• 補完的機能を果たしうるその他の制度のあり方について検討

2~3年目

16

Page 17: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

スコープⅢ等その他新メカニズムの経営学的分析および制度分析(7)(8)

事業実施企業を中心 グ 査・FS事業実施企業を中心にヒアリング調査

・郵送サーベイ調査の実施国内上場企業のス プⅢ排出量把握の動向の整理

最終製品より製造技術に可能性

・国内上場企業のスコープⅢ排出量把握の動向の整理・JCM/BOCMへの参加インセンティブ及び同制度の実施に向けた論点整理

1年目

・追加インタビュー調査(FS未参加企業の実態調査)・サーベイ調査結果と企業属性をもとに、スコープⅢ排出量把握・JCM/BOCMへの参加インセンティブを検討JCM/BOCM の参加インセンティブを検討・サーベイ調査を用いた定量分析・企業の温室効果ガス排出量把握を促進する要因を検討・ JCM/BOCM及びSCM

年目/ 及び

・ JCM/BOCM及びSCM、REDD+等の分析結果に基づく、各種メカニズムの比較および総括

2~3年目

17

Page 18: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

JCM/BOCMの企業調査:政策ニーズの検討

2.2%

はい

JCM/BOCMを知っているか?(右)

・50.9%は「知っている」と回答

50.9%

46.9%

はい

いいえ

無回答

・46.9%は「知らない」と回答・ JCM/BOCMのさらなる広報活動が有用

2.7%5.4%

2.2%

FSに参加したことがある

JCM/BOCM関与度合(左)FSに参加したことはない

が検討したことはある

検討もしたことはないが

JCM/BOCM関与度合(左)

・2.7%は「 FSに参加した」と回答

42.3%

47.3%

知っている

知らない

無回答

・5.4%は「FSに参加していないが検討した」と回答

上場製造業を中心に

18

上場製造業を中心に407社から回答(回答率23.6%)

Page 19: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

表5 JCM/BOCMの制度設計に求められるもの(%)

BOCMについて

FS参加企業

FS未参加

検討有

FS未参加

検討無

BOCMについて

知らないと回答した企業

取引費用を低下させ、企業参加インセンティブ増進のためには、国、国際的な枠組みが重要。 ?

(11社) (22社) (171社) (191社)

現地カウンターパートからの投資 81.8 86.4 51.5 38.7

国、国際的な枠組み 重要。

ホスト国政府からの補助金 100.0 86.4 62.0 43.5クレジットの前払いでの獲得 81.8 50.0 51.5 36.6日本政府による公的資金の直接投入 100 0 95 5 59 6 50 3日本政府による公的資金の直接投入 100.0 95.5 59.6 50.3

年金基金・機関投資家によるインフラファンドの設立・投資支援

72.7 68.2 47.4 35.1

ポリティカルリスクに対応した保険制度 90.9 72.7 50.3 40.3政府系機関や民間企業によるファンドの構築 90.9 72.7 48.5 40.3ホスト国における技術情報の提供 100.0 86.4 58.5 46.6国際的な枠組みとの連携 100.0 90.9 66.1 48.219

Page 20: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

スコープIIIの把握状況2012年度:企業調査より

1.6 1.07 6フランチャイズ(n=384)

1.0

1.3

2.6

0.8

9.3

8.8

7.6

上流のリース資産(n=389)

下流のリース資産(n=388)

フランチャイズ(n=384)

はい 部分的 検討中

2.6

1.8

1.8

3.3

4.1

2.8

12.3

9.8

8.5

出張(n=391)

資本財(n=389)

投資(n=389)

現状の排出量の把握は、従来 環境取り組み 延長線

4.6

4.1

2.8

10.0

7.8

4.6

10.7

10.9

14.8

販売した製品の廃棄後の処理

(n=391)

販売した製品の加工(n=387)

従業員の通勤(n=392) 来の環境取り組みの延長線上にあるカテゴリーに焦点

6.4

2.8

7.4

15.8

17.3

12.3

12.2

11.2

9.5

上流の輸送・流通(n=392)

購入した物品・サービス(n=393)

販売した製品の使用(n=391)

(n 391)

21 6

21.1

16.0

6.4

15 3

13.4

17.0

15.8

9 4

9.5

8.1

12.2

事業から発生する廃棄物( 393)

燃料・エネルギー関連の活動

(n=389)

下流の輸送・流通(n=393)

流の輸送 流通( )

21.6 15.3 9.4

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

事業から発生する廃棄物(n=393)

Page 21: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

まとめ(今後の予定)まとめ(今後の予定)

JCM/BOCM経済分析 経済 削減効果確認でき• JCM/BOCM経済分析:経済・削減効果確認できたが、技術・製品により効果が大きく異なる可能性(分析の拡張+最新データのアップデート)性(分析の拡張+最新デ タのアップデ ト)

• SCM分析:日本のメリットの一方、途上国には?(電力部門精緻化、途上国インセンティブ)(電力部門精緻化、途上国インセンティブ)

• 技術移転・REDDプラス分析: CDMと国連提案の課題を検討 (JCM/BOCMの制度設計への反映)課題を検討 (JCM/BOCMの制度設計 の反映)

• 各種メカニズム比較・制度研究:国際的な位置付の重要性を確認(インタビュー調査及び企業付の重要性を確認(インタビ 調査及び企業サーベイデータの計量分析により、JCM/BOCM促進策の検討、メカニズムの比較)

21

Page 22: 新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフ …...新たな市場メカニズムの国際比較及び 二国間オフセット二国間オフセットクレジットメカニズム・クレジットメカニズム

ご静聴有り難うございました。

22