8 16 アスリートに聞く! 〜スポーツとカラダづくり〜 使Photo By Yoshi Yokoyama プ日本代表選手。< 主な戦績 > ○デビスカップ代表 2006・2010 年 ○アジア大会代表 2006 年(銀メダル)・2010 年(銅メダル)○全日本選手権 単 準優 勝 2006年 ○全日本選手権 複 優勝 2005・2007・2008・2009年 ○日本リーグ 優勝 4回 MVP2回 ○ウィンブルドン予選準決勝 2006年  8

アスリートに聞く! の秘訣を探りました。 使する …...勝 2006年 全日本選手権 複 優勝 2005・2007・2008・2009年 日本リーグ 優勝4回 MVP2回

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Page 1: アスリートに聞く! の秘訣を探りました。 使する …...勝 2006年 全日本選手権 複 優勝 2005・2007・2008・2009年 日本リーグ 優勝4回 MVP2回

「異色の選手」と呼ばれる理わ

け由

 

ジュニア時代の僕は、全くの無名。千葉県で

ベスト8が精一杯だったので、当時インターハ

イなどで活躍していた選手たちは「まさかあい

つがプロになるとは!」と驚いたと思います。僕

の名前を聞いたことのない人も多いはず。僕自

身、日本のプロテニス界で、自分以外にこん

な選手は知りませんから(笑)。

 

テニスを始めたのは小学4年の時。まわり

は3歳とか5歳から始めた子ばかりなので、そ

れまで運動なら何でも一番だった僕が、テニス

ではなかなか勝てるようにならない。それが

悔しくて、どんどんテニスにハマっていきまし

た。

 

しかし、中学受験で私立の学校へ入学して

からの僕は、やんちゃ坊主に変身(笑)、高校の

時は「このままじゃ将来ないぞ」という危機感を

常にもっていました。

 

テニスの力もトップ選手たちとはかけ離れて

いたため「このまま人と同じことをやっていたら

追いつけない。人とは違うことをやってみたい」

と考えるようになりました。そこで16歳の時、

単身カナダのトロントに留学。テニスの奨学金

を得て、ハワイにあるブリガムヤング大学に入学

しました。奨学金を得るためには、テニスはもち

ろん学力も一定レベルに達しないとダメ。英語の

読み書きで試験をパスするのは相当大変で、卒

業するまでの間は、人生で一番勉強しましたね。

世界で身についたメンタルタフネス

 

留学時代、当時は、ランキングが高くても、

海外で活動している選手は、ジュニアや学生の

代表選考会には、何故か候補にさえも選ばれ

ない厳しい状況でした。焦りもあったし、練習

をしない日々を送った事もありました。

 

でも、国際トーナメントで世界中を回り、メ

キシコで強盗に身ぐるみはがされ死にそうに

なったり、インドでやせた子供や赤ちゃんのミ

ルク代がないお母さんたちと出会ったりしてい

世界育ちの

タフさを武器に

無名からの逆転劇!

プロテニスプレーヤー

松ま

い井

俊としひで英

さん

アスリートに聞く! 〜スポーツとカラダづくり〜

 スポーツの中でも、爽やかで上品なイメージ

が強いテニス。しかしその実態は、「芝上の格闘

技」という異名を持つほどに、カラダを激しく酷

使するスポーツだといわれています。

 今回は、柏市出身の国内屈指のプロテニスプ

レーヤー

松井俊英選手にお話を伺い、その強さ

の秘訣を探りました。

Photo By Yoshi Yokoyama

プ日本代表選手。< 主な戦績 > ○デビスカップ代表 2006・2010 年 ○アジア大会代表 2006 年(銀メダル)・2010 年(銅メダル)○全日本選手権 単 準優勝 2006 年 ○全日本選手権 複 優勝 2005・2007・2008・2009 年 ○日本リーグ 優勝 4 回 MVP2 回 ○ウィンブルドン予選準決勝 2006 年 

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ないよ」なんて決め付けがち。そして、そう言わ

れると本人も「一回戦負けしている自分なんか

じゃ、やっぱりプロなんて無理なんだ」と信じ込

んでしまう。

 

でも、12歳の頃に一回戦負けしていたって、

18歳で勝てばいい。そこでもダメだったら大学

で勝てばいいし、そこでもダメだったら実業団

に行ってからでもチャンスはある。僕みたいに

大学でもさして伸びず、プロになっても2〜3

年はパッとせず、25〜26歳から活躍しだした選

手もいるわけですから。僕の場合は遅過ぎです

が(笑)。ジュニアは、プロになりたいという強

い気持ちさえあれば、みんなプロになれる可能

性がありますよ。どんな選手を見ても本当に

そう思います。

強くなりたいなら「急がば回れ」

 

僕は今年で33歳。疲れをためこまないよう、

マッサージ、ストレッチや食事(試合中のバナナ

や、毎日のサプリメント補給)など、体のケ

るうちに、テニスのことくらいでイライラして

いる自分の小ささがバカげて思えるようになっ

たんです。そして「せっかく生きているんだか

ら、テニスも人生も思いきり楽しんで笑いなが

ら生きていこう」と思うようになりました。 

 

テニスは個人競技ですし、プロならなおさら

自立心が大事。野球やサッカーなどの団体競技

なら、みんなで合宿し、みんなで練習できます

が、テニスは全て自分次第。僕は、スポンサー探

しやマネージメント、ホテルや飛行機の手配ま

で、なんでも自分でやりながらプロとして生活

しています。そういうたくましさがなきゃ、ほ

とんどの日本のプロテニスプレーヤーはやって

いけない。自然と、旅行代理店の店員さんに対

してもサポートチームスタッフと同じくらい感

謝しています。

ジュニアはみんな、

プロになれる可能性がある!

 

今のジュニアの選手たちも中・高生くらいに

なったら、親やコーチ任せではなく、色んなこ

とをもっと自分で決断していった方が良いと思

います。自分で決めれば後悔しないし、自分で

決めたことならやるしかないと頑張れますか

ら。それに、ジュニアの世界でも、優勝者以外は

みんな負け組みたいな感覚になってしまってい

るのは勿体ない。とかく人は、「全日本ジュニア

チャンピオンでもなきゃ、プロになんてなれっこ

■松井 俊英 (まつい としひで) 所属:ライフ・エヌ・ピー株式会社(テニスを通じてのイベントや、ジュニア育成などの社会貢献を会社と選手が協力し合い、テニス界を盛り上げていこうという高いモチベーションのある会社です。) ○生年月日:1978 年 4 月19日(33 才) ○出身地:千葉県柏市○身長:180cm ○体重:77kg ○2000 年にプロ転向。現在は千葉県柏市のTTC(吉田記念テニス研修センター)を拠点に、積極的に国内・海外の大会を転戦。2006/2010 年デビスカッ

応募方法は、医師会インフォメーションをご覧下さい。

読者プレゼント

アにはかなり気を遣っています。特に力を入れ

ているのは、コンディショニングトレーニング。

練習の30〜45分くらい前に来て、ゆっくりスト

レッチをしてから、チューブなどを使ってコアな

筋肉を鍛えるトレーニングをして、余裕があ

れば5〜10分ランニング。こういったコンディ

ショニングトレーニングを練習前に行うと、

その後の練習を濃く、質が高いものにでき、パ

フォーマンスが変わります。だから、面倒なよ

うでもこれは絶対クセにした方が良い。強くな

りたいなら「急がば回れ」です。

 

今後の目標は、全日本選手権での優勝。そ

して、テニスをやっている限り、夢はやっぱり

グランドスラムです。中でも、一回だけ出たこ

とがあるウィンブルドンは憧れ。あの芝のコー

トにもう一度立てるよう、走り続けたいです。

・サイン入りシャツ(アジア大会出場ユニフォーム)

2名様

・選手限定バッグ(アジア大会2010)

1名様

・ドールバナナ小物入れ

1名様

・サイン色紙

1名様

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