13
l ネット コールマ l モロデ その起源 ー運指・実音・名と オーネット・コールマンのハーモロディクス、その起源と発想 はじめに 1930 |) l ネット・コ l ルマン は、アメリカ・テキサス 州出身のジャズ・ミュージシャンである。彼は、 一九五 0 年代の ほとんどをロサンゼルスで過ごし、そこで演奏活動を行って 一九五九年、彼が二十九歳のときに、 ニューヨークへ移り住み、そ の街のジャズ・クラブ、 ファイブ・スポットと専属契約をかわす。 彼がそこで演奏活動を開始すると、ニューヨークのジャズ界に一大 センセーションが巻き起こった。このセンセーションは、単純に称 賛だけがあったのではなく、 コールマンの演奏スタイル l 一般的に フリ 1 ・ジャズと呼ばれるスタイル|に対する拒絶や否定をも含ん でおり、所謂「オ I ネット・コールマン論争」と呼ばれている。 さらに、 一九七二年、 コールマンは、「ハ l モロディクス」なる ものを提唱する。「ハ 1 モロディクス」とは、コールマンによれば、 彼の演奏と作曲のための音楽理論である。それ以後、彼は、インタ ビュ I 等で、再三にわたってハ l モロディクスについて言及してき た。彼はその中で、 l モロディクスという理論を体系的にまとめ たものを書籍として公刊するとの発言を繰り返してきた がら、書籍は未だ公にされることなく、半ば秘教化されたま 19 に至っている。 このような状況のため、我々は、 コールマンや彼の共演者による 断片的な発言から、 I モロディクスを理解するより他ない。 っかの先行研究が、奏者の発言に基づいて、この謎めいた音楽理論 の本質を明らかにしようとしてきお。本稿もまた、コールマンや彼 の共演者たちの発言を根拠にし、 l モロディクスを明らかにする というアプローチをとる。 しかし、本稿は、これまでの先行研究が十分にハ l モロディクス を理解してきたとは考えない。その理解の不十分さは、 コールマン がハ l モロディクスを着想するに至るきっかけを捉えきれていない

コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

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オlネット

コールマンの

ハlモロディクス、

その起源と発想

ー運指・実音・名という視点から|

オーネット・コールマンのハーモロディクス、その起源と発想

はじめに

1930|)

オlネット・コ

lルマン

は、アメリカ・テキサス

州出身のジャズ・ミュージシャンである。彼は、

一九五

0年代の

ほとんどをロサンゼルスで過ごし、そこで演奏活動を行っていた。

一九五九年、彼が二十九歳のときに、

ニューヨークへ移り住み、そ

の街のジャズ・クラブ、

ファイブ・スポットと専属契約をかわす。

彼がそこで演奏活動を開始すると、ニューヨークのジャズ界に一大

センセーションが巻き起こった。このセンセーションは、単純に称

賛だけがあったのではなく、

コールマンの演奏スタイル

l一般的に

フリ

1・ジャズと呼ばれるスタイル|に対する拒絶や否定をも含ん

でおり、所謂「オIネット・コールマン論争」と呼ばれている。

さらに、

一九七二年、

コールマンは、「ハ

lモロディクス」なる

ものを提唱する。「ハ

1モロディクス」とは、コールマンによれば、

彼の演奏と作曲のための音楽理論である。それ以後、彼は、インタ

ビュ

I等で、再三にわたってハ

lモロディクスについて言及してき

た。彼はその中で、

ハlモロディクスという理論を体系的にまとめ

たものを書籍として公刊するとの発言を繰り返してきた。しかしな

がら、書籍は未だ公にされることなく、半ば秘教化されたまま現在

19

に至っている。

このような状況のため、我々は、

コールマンや彼の共演者による

断片的な発言から、

ハIモロディクスを理解するより他ない。

っかの先行研究が、奏者の発言に基づいて、この謎めいた音楽理論

の本質を明らかにしようとしてきお。本稿もまた、コールマンや彼

の共演者たちの発言を根拠にし、

ハlモロディクスを明らかにする

というアプローチをとる。

しかし、本稿は、これまでの先行研究が十分にハ

lモロディクス

を理解してきたとは考えない。その理解の不十分さは、

コールマン

がハ

lモロディクスを着想するに至るきっかけを捉えきれていない

Page 2: コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

妻術研究第 24号 2011

」とに起因する、と本稿では考える。

本稿は、

コールマンがハ

lモロディクスを着想するに至るきっか

けとなった二つのエピソードを取り上げる。そして、そのエピソ

l

ドを、運指・実音・名という三つの項を導入し考察する。特に、運

指という問題は、かつてガンサl・シユラlが、「技術的に言、っと、

コールマンは、耳によるのと同じ程度、『彼の指から」演奏を行っ

ている」と、その重要性を灰めかしてはいたにもかかわらず、これ

まで注意を払われることがなかった。しかし、本稿は、この運指と

いう問題こそコ

lルマンがハ

lモロディクスを着想するきっかけと

なったと考える。

以上の考察を通して、

ハlモロディクスという発想の起源を明ら

かにすることが、本稿の目的である。

ハIモロディクスはどこからきたのか

「運指の一致」という発想

コールマンは、自らがハ

lモロディクスを着想するに至るきっか

けについて語っている。

「私がテナl・サックスで演奏していた事をアルト・サックスで

演奏する時、全く調を変える必要がない、と私は思った。

テナー

で演奏した事がアルトでも使える・・・なぜならば、テナ!とア

ルトは主音が一致しているからである。私が現在ハ

lモロデイク

スと呼んでいるものに出会ったのは、このときがはじめてであ

る」。JH5F5mmF間同円当

gu-喜一口

moD仲町巾同巾口。

n者}

HBH立

出]件。円昨日戸。己向日同伴円色一門日ロ-HUM凶〈巾件。門町田口ぬ巾

r巾可師一↓町内同町一口問団][円)]印可巾門同

。ロ宮口。門司。円}向。乱。口出ぎ--

HBEPσ巾

25mF巾片

225FmgE門

。同岳巾国一件。ー笹山な項目月

DH出円民間同国立

Emm丹江口

mESFm弓B。

ZEE-

出印同門田一--H

ロ。S1・3

コールマンは、現在に至るまで、

アルト・サックスを主に演奏し

20

てきた。しかし、

叩代後半の彼は、仕事の都合で、

1946年から

1949年にかけて、テナl・サックスを吹いていたことがあった。

先の引用は、演奏する楽器をテナl・サックスから再びアルト・サツ

クスに戻した時のことを、

コールマンが回想したものである。

テナl・サックスから再びアルト・サックスに演奏する楽器を一民

したことが、ハ

lモロディクスを着想するきっかけとなった、とコ

I

ルマンは語る。そこで、我々は、「テナl・サックスで演奏してい

た事をアルト・サックスで演奏する時、全く調を変える必要がない」

というコ

lルマンの主張の意味するところを考えてみたい。この主

張は、

一見とても不可解に思えるからだ。しかし、この主張を考察

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する前に、テナl・サックスと

アルト・サックスとの関係性に

ついて、基本的なことを抑えて

おこ、っ。【譜例1

はテナ1・サック

スとアルト・サックスとの関係

性を、運指・実音・名という視

オーネット・コールマンのハーモロディクス、その起源と発想

点から整理したものである。

移調楽器は、サックスなどの

管楽器に多く見られる。テナー

サックスとアルト・サックスは、

音E楽が器異のな天

る3しがか黒

~ ~ 両会者ぺ

は基

楽器の基本構造(どこにどうい

う部品がついているか、など)

が同じである。例えば、テナー

サックスの基音は

Bbで、

アyレ

ト・サックスの基音は

Ebだが、

それぞれの基音を出すときの運

指は共に同じである。(テナー

サックスが実音の

Bbを出すと

車需

アルト・サックス

Eキ

テナー・サックス

実藷

D c B~ Ab G F El> A G F El> D c Bb

きの運指とアルト・サックスがEbを出すときの運指のポジション

と呼称が同じであることを、{譜例1

で確認できる)。

最初に移調楽器を手にして音楽を学ぶ人にとっては、その楽器の

基音をCとして学ぶというケlスが多い。例えば、

Bb管(テナI・

サックスなど)

の場合は、実音の

Bbを出す運指をCと呼ぴ、

E b

管(アルト・サックスなど)

の場合は、実音の

Ebを出す運指をC

と呼ぶ、というのが一般的である。

基音を基準に運指に名をつける理由の一つとして、楽器の持ち替

えの際の利便性を挙げることができる。

アルト・サックスとテナl・

[譜例 1l

サックスのような基本構造が同じ楽器同士は、

一人の奏者が持ち替

えて演奏をするケlスがある。その際、実音と対応させて運指に名

21

がつけられるよりも、基音を出す運指をCと呼び、そこを参照点に

各運指に名をあてるほうが、奏者は持ち替えて演奏するときに勝手

が良川o

しかし、基音を基準に運指に名を当てる結果として、「実音の名」

と「運指の名」とが一致しないという事態が生じる。この「実音の

名」と「運指の名」の聞のずれ方は、各移調楽器がどのような基音

を持っているかによって異なる。例えば、テナl・サックスの場合、

「実音の名」と「運指の名」とは、長二度(短七度)のずれとなるが、

アルト・サックスの場合、長六度(短三度)

のずれとなる。

以上の移調楽器に関する基礎知識を踏まえ、「テナl・サックス

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萎術研究第 24号 2011

で演奏していた事をアルト・サツ

クスで演奏する時、全く調を変え

る必要がない」というコ

lルマン

の主張の意味するところを考察し

ょう。まず、「私がテナi・サツ

クスで演奏していた事L

を「私が

テナl・サックスで演奏していた

実音」と解釈し、【譜例2】を使つ

て考えてみよ、っ。

今、下段に書かれた音階をコ

l

ルマンがテナi・サックスで演奏

していた事(フレーズ)だとしょ

ぅ。これと同じ事(フレーズ)を、

テナl・サックスではなくアルト

サックスで出そうと思えば、

ト・サックスの運指は右側中段の

ょうでなければならない。この場

合、テナlはD調で演奏されてい

るのに対し(左側上段)、

アルト

はA調で演奏されることになる

(右側上段)oつまり、「テナl・サツ

アル

アルト・サックス

じ令

テナ←・サックス

車鎗

必骨F

lpiv

必aw

BEEs

-,

c

持品別F

il

爽膏

B A G F E D c B A G F E D c

クスで演奏していた実音をアルト・サックスで演奏する時」、

コー

ルマンは調を変える必要がある。したがって、「全く調を変える必

要がない」というコ

lルマンの発言は、「演奏していた事」を「演

奏していた実音」と理解する限りでは、辻棲が合わないこととなる。

しかし、ここで、「調を変える必要がない」というコ

lルマンの

主張の理由となっている「テナlとアルトは主音が一致している」

という発言に注目しよう。こちらの発言もにわかには理解しがたい。

しかし、テナl・サックスとアルト・サックスで一致しているもの

としてまず思いつくのは、各楽器の運指である。

では、「テナlで

[譜例2]

演奏した事がアルトでも使える・・・なぜならば、

テナlとアルト

は主音が一致しているからである」というコ

lルマンの発言を、「テ

22

ナ!とアルトでは運指が一致しているがゆえに、テナlで演奏して

いた事がアルトでも使える」、と理解するならば、どういうことに

なるであろうか。

再度、{譜例1】を見てほしい。【譜例1】では、

テナl・サック

スとアルト・サックスの運指は同じになっている。そして、

テナl・

サックスの演奏もアルト・サックスの演奏も、ともに、その楽器に

とってのC調で演奏されている。このように考えると、確かに、「全

く調を変える必要がない」o

また、

テナl・サックスとアルト・サツ

クスは楽器の基本構造が同じなので、確かに「テナlで演奏した運

指がアルトでも使える」。このように、「演奏していた事」を「演奏

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していた運指」と理解すると、

コールマンの発言は辻棲が合う。以

上から、テナl・サックスからアルト・サックスへ演奏する楽器を

持ち替えたときにコ

lルマンが発見したのは、テナl・サックスと

アルト・サックスの間での「運指の一致」であったということがで

え亨命。「

移調楽器と非移調楽器を混在させる」という手法

オーネット・コールマンのハーモロディクス、その起源と発想

続いて、我々は、「運指の一致」が、

いかにしてハ

Iモロデイク

スへとつながっていくのかをみたい。我々は、運指の一致に関連す

る発言を、『アメリカの空』

のライナー・ノ

Iツの中に見出すこと

ができる。

コールマンは、

一九七二年に、

ロンドン・シンフォニー

交響楽団とともに『アメリカの空』という作品を録音した。このレ

コードのライナー・ノlトには、

コールマン自身が書いたテキスト

が含まれている。

ハlモロディクスという言葉は、このテキストの

中で初めて登場する。その中に、以下の文章がある。

「進行は、調の束縛が無く書かれである。また、それらの進行は、

同じ音程をもちいる移調楽器と非移調楽器を、みな一緒に混在さ

せることを利用する」

E

vmg。〈由同国内ロ広田円巾当ユ芹ゆロ同円。巾。同宵巾可、白ロ門同己的

opmgz-

no--mn昨日JNOσ

-mロ門出ロ

mo同己MO同一円曲ロ凹UO印ゆ仏国ロ仏ロ。ロ・同一『田口田℃。凹伺【同

7)

日ロえ

EBBZ己包括岳町田回目立ロ件。

2同町・

3

コールマンの説明、「同じ音

程をもちいる移調楽器と非移調

楽器を、みな一緒に混在させる」

という点に関して、

ウィルソン

は、「移調楽器と非移調楽器に

同じ譜面を読ませること」とよ

り簡潔に定義してい説。【譜例

3】は、この手法のメカニズム

を、運指・実音・名という視点

から整理したものである。

左側に書かれている記譜音

を、テナl・サックスとアルト・

サックスとピアノで、それぞれ

演奏したとしよう。その場合、

互いに異なる実音が、右側のよ

うに鳴り響く。このようにして

演奏されると、別々の調が同時

に存在することとなる。(この

場合、

Bb調・

Eb調・

C調で

寓音

灘指

テナ← zサックス

---------A B 。

B

A

G

3ιpjF

、lf

「修丞戸ぜ凧U

E

、f

hfb段、B

r

heミ紅白h

h

c

犯筒音

2・,., - H ・

' .. v -

~~~h

Eアノ

B

門川づA

日間出。譜

「・一F

23

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審術研究第24号 2011

構成される多調となる)。このような多調は、

るテlマ部に比較的早い時期からみられ、彼の作曲上の特徴の一つ

として指摘されている。

コールマンが作曲す

ここで注目したいのは、基音の違い、また移調楽器・非移調楽器

の違いはあるが、一二つの楽器はすべて記譜音上の

Cをその楽器にお

けるCと捉えて演奏していることである。【譜例1】で確認したのは、

コールマンがテナ1・サックスからアルト・サックスに持ち替えた

とき、継時の関係において運指の一致が見られた、ということであっ

た。

一方、{譜例3】では、同時の関係において運指の一致が見ら

れる。

つまり、テナl・サックスからアルト・サックスに持ち替え

たときに気がついた「運指の一致」という発想が、この手法におい

て応用されているのである。

「運指上のユニゾン」か「実音上のユニゾン」か

さらに理解を深めるために、今度は、【譜例2】も同様に同時の

関係に置き換えてみよう。{譜例2】を同時の関係に置き換えたも

のが、【譜例4】である。

【譜例4】lま

いわゆるユニゾンという事態と同じことをあらわ

している。

ユニゾンとは、異なる楽器で同一の音高を同時に演奏す

ることを言う。

【譜例4】のケIスでは、

二つの楽器はすべて、実

音上、右側の音を演奏している。右側のメロディーを、テナi・サツ

クスとアルト・サックスで演奏

しようと思えば、各楽器におけ

る運指は

【譜例4】中央のよう

になり、各々の楽器のために楽

譜は、{譜例4】左側のように、

移調して書きなおさなければい

けない。

次に、【譜例3】と

【譜例4】

を比較してみよう。【譜例

3】

の「同じ音程をもちいる移調楽

器と非移調楽器を、

みな一緒に

れて混には在応 、 さじ運、せて指、る実、の、」音、一、との、致、ぃ多、がう様、見手がら法みれにら 、 おれそい

見ゾらンれに、お

そいれてには【応、譜じ実、例て音、 ι運、の、一指、一、の、致、多、カf

る。対して、

のニL

様がみられる。

両者は互いに反

転した関係にある。つまり、コー

一般的なユニ

ゾ ルンマを ンあ、のべ、手こ、法べ、は

したものだと

盟指12繕音

主健審

テナー・サックス

B C謡E F# 0

罪主云孟

---------ピアノ~-~-~fj

24

A

Page 7: コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

言える。

再度【譜例3}をみよう。ここでは三つの楽器において同時の関

係における運指の一致が見られた。実音上の一致をユニゾンと一言う

のであるから、この運指上の一致を運指上のユニゾンといってもよ

いであろう。「移調楽器と非移調楽器を混在させる」という手法は、

つまるところ、運指上のユニゾンであり、この運指上のユニゾンは、

実音でなく運指を中心に音楽を捉えると言う発想から生じるもので

オーネット・コールマンのハーモ口ディクス、その起源と発想

ある。以上から、

コールマンのハ

1モロディクスの源泉には、「指

で考える」というアイデアがある、と言うことができる。

2

コールマンの誤解とハlモロディクス

コールマンの「誤解」とそこから発見された「理解」|音は多

面的に捉えうる

一章で扱った移調楽器のエピソードのほかに、

のちにハ

lモロ

ディクスへとつながるとされるエピソードがある。それは、

1レ

マンが犯していた名についての勘違いのエピソードである。評論家

ジョン・リトワイラ!とのインタビューで、

コールマンは、自らの

勘違いについて、次のように語っている。

「本に書いであったのだが、

ABCDEFGとい、つアルファベツ

トの最初の七文字が、音楽でもおなじだと思っていた。だから、

私がサックスで吹いていた私のCは、

Aであった」

0

JEBE】σ2匹grzm-SF巾σcows-PF巾出門田

Z22-022∞C同

片町内田一℃町田

σ24司mw叶内岳町出吋印叶印巾〈巾ロ-

2昨日由。問自己印一円・〉∞(リロ何司の・

∞。

HHFocm山宮白山刊わ岳民阿君

Bus-口問。口同町内田同一同(}匂宮口巾考回目〉唱

口町内同日戸田H・H

・-ぬFH引

V3

この箇所は、

のちにハ

lモロディクスを着想するきっかけとなっ

たエピソードゆえ、何度も引用され参照されてきた。しかし、本稿

は、この勘違いの真相は、これまで正しく理解されてこなかったと

考える。そこで、本章では、この勘違いを、再び運指・実音・名と

25

いう視点から考えてみたい。

【譜例5}は、読譜に関するコ

lルマンの勘違いを運指・実音・

名という視点から整理したものである。

一般的に、管楽器奏者は、各運指(指使い)に対して、名を当て

る。例えば、

アルト・サックスを演奏する者は、【譜例1】最上段

の運指(指使い)に対して、それぞれCDEFGABと名を当てる。

しかし、引用文から察するに、

コールマンは、これらの運指に対し

て、

ABCDEFGという名を当てていたことになる。「私がサツ

クスで吹いていた私のCは、

Aであった」という発言は、【譜例l】

に照らし合わせると、「一般的にCという名で呼ばれている運指を、

Page 8: コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

事術研究第 24号 2011

Aという名で呼んでいた」、とい

う意味に理解できる。このように、

コールマンは、運指と名の対応関

係に関して誤解をしていた。

しかしながら、

コールマンは、

先の引用に続けて、次のように言

、叶ノ。

「私は後に、

Eb管のアルト・

サックスというだけの理由で、

このようなこと[CがAである

こと]が起きたのだと気がつい

た。

chを演奏する時に、それ

はAである。だから、私はある

意味で正しかったし、ある意味

, . !値冊)6

-’

、縛勾,, . . 酢. 1

F

信・1・・んをe

・iノ

JLザ

'・

.. ,, 、),

-・

. 2・3・.

省時. 同

'・.. 般的な名

コールマンにおけQ名

実肯

D c Ab Bb

[譜例5]

G Eb

兵!

E

B

--’

で間違っていた。

つまり、実音という意味では、私は正しかった」

0

A

F

--’

G

E

i

t+

F

D

l

l+

EClti

nUBI--v

C

A

t--v

H2R。口同守口口門HF巳芹庄内H2円一色岳山仲田

JE可。ロ守

σ巾門出口出巾任巾

ω。同者出回コ

m宮円ロ

。ロ巾老若山口内山者

5ロぬ円ロ山口

OF24

-52ロ・由。ロロ巳・H

d司自己ぬ宮・

3

同白山片山]H0・者}戸市ロ可。己

UEM刊の口三己

E---H

2

〉・

]内は、筆者による補足)

先ほど見たとおり、

コールマンは、運指の名に関して誤解をして

いた。しかし、ここで、「私はある意味で正しかったし、ある意味

では間違っていた。

つまり、実音という意味では、私は正しかった」

と言っている。

コールマンの「実音という意味では、正しかった」

という主張は、何を根拠に言われているのであろうか。

一章で確認した移調楽器のメカニズムをもとに、コールマンの「実

音という意味では、正しかった」という主張を次のように理解でき

る。「運指上の

Cを運指上のAと言ったら間違いであるが、実音上

のCを運指上のAと一言うのは、

アルト・サックスの場合には、正し

い」、と。移調楽器を使用する際には、

一つの鳴り響く音の現象に

対して、「実音の名」と「運指の名」というこ重の名付けがなされる。

26

そのため、同一レベル上では成り立たない

CHAという等式が、

ベルを異にする際に成り立つことがある。例えば、「運指のCは運

指のAである」という等式は成立しないが、「実音の

Cは運指のA

である」という等式は成立するのである。

コールマンは、先の引用に続けて、次のように言っている。

「その後、私は、何故こんなことが起きるのか、その理由を分析

し始めた。今日、ますます理解を深めているのは、厳密な論理で

設計されたすべてのことは、何かあるものに対してのみ当てはま

るに過ぎない、ということである。何かがなされる方法は一つで

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はない。言い換えると、あなたが楽器を手にし、手に取った楽器

を自己表現のための方法だと思うならば、あなたの楽器が、自ら

にとっての法則となる」

E

叶日戸巾口同印門出円円巾門日出口出

qNSmt司Fu--件。一阿佐広仲町田片山者白羽田口門

H552

〈巾ミ

EM刊同月山口N巾目。門町出口仏

B025山片山]-

FEm凹片町田仲田円巾

門田何回-

mR門目当

EHEm可一円

HEm-円。ロ]可出℃℃]可申阿国一口

28BmMHE口問一円叶{印

ロ。丹

Fmoロ]可者宅再-出仏。口市

ECF245E少広

gr巾出ロ

オーネット・コールマンのハーモロディクス、その起源と発想

E2258仲田口己可

C己EH)宮

2ご

g口町同日)吋何回印

H)

Maz門田町民-

Fσ巾

252504司ロ]担当・30

コールマンの発言の意味を理解するために、

440hの周波数を

持つ音について考えてみよう。

440胞の周波数を持つ音は、実音

上はAと理解される。しかし、

アルト・サックスを通してみた場合、

それはF#と理解される。

440臨

HAというのは、実音という面

からみた場合に当てはまるに過ぎない。そのため、実音を中心にし

た音楽の理解も成立し得るし、運指を中心にした音楽の理解も成立

し、つる。

また、

440bの音を出す方法は一つではないともいえる。ピア

ノの

Aという名でよばれる鍵盤を弾いて、

440bの音を出すこと

もある。アルト・サックスのようなEbの移調楽器の運指上のF#を

用いて、

440bの音を出すこともある。その意味で、「あなたの

楽器が、自らにとっての法則となる」ということもできよう。

この発言においては、

コールマンは、音はそもそも多重化されて

いると、理解しているのである。運指の音は見かけの音であって実

際に鳴る実音だけが本当の音である、とコ!ルマンは理解しない。

ある一つの音の現象は、運指という視点から捉えることも、実音と

いう視点から捉えることも可能である。ある一つの音の現象は、ピ

アノ奏者とサックス奏者で捉え方が異なる。ここでコ

lルマンが発

見したことは、音は多面的に捉えうる、という事実であった、と一百

うことができよう。

-章においては、

コールマンの「運指を中心に考える」という発

想を見た。ここに本章で明らかになった「音を多面的に捉える」と

27

いう発想が加わる。このことがハ

lモロディクスに深みを持たせた

ょ、つに思、っ。

つまり、「音を多面的に捉える」という発想が、「運指

を中心に考える」という発想を相対化し、「様々なものが中心とな

りうる」という発想へと発展した、と考えられるのである。そのこ

とを示す例として、「移調楽器と非移調楽器を混在させる」という

方法以外のものを見ておこう。

キーによる転調

以下の引用は、

1960年代前半に共演していたベ

lス奏者のジ

ミl・ギャリソンの発言である。

Page 10: コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

事術研究第 24号 2011

「その理論では、

Cのような音を捉えることが、欠かせない。

Cは、

C調におけるトニツク

[一度]だ

oAb調においてなら、長三度

oF調においてなら、完全五度だOBb調においてなら、長9

度だ。あらゆる音符が、全範囲にわたる音符の一部分であること

を知るならば、今言ったような仕方で、考えられるようになる」。

」口一行巾ぬ門出]℃回一三一。町一昨日印己岡田仲可。ロ叶白}内巾出口。件巾口町巾の・(リ円山口ぴの門町内

Z巳円。同[同34h一一昨門出口

σmHUmBmy」。吋

F-E02同31]〉『宮叶一芹円山口

σ巾己見出PFC][{聞ハ巾可]司・-Hn何回ロ

σ巾己戸内巳ロHFC][[旧内巾一ユ∞出向巳・

関口C当Em笹山片山口可口。

zgロσ巾出Uhw円仲良国当日5-町田匂巾2250円

ロOR少可。口同門包ロヨ己門出巾REF-ロ}ユロ吾出昨日山口口巾門出口色白由同門巾田口一昨

日10己円。BmEUtiFB巾]。【日目巾印可。己島区色丹W口。者巾H2RP3

]内は発表者が補足)

0

ギャリソンの発言内にある、音符(口三巾)という言葉には、二通

りの意味がある。すなわち、実音

ZEE-ロ関口O丹市)を意味する場合と、

記譜上の記号(者三丘町ロロ。広)を意味する場合とがある。しかしこ

こでは話の便宜上、音符という言葉を、実音の意味に限定して用い

る【譜例6}を見てほしい。

これは、ギャリソンの発言内容を、図示したものである。実音の

Cが、左から、

F調、

Bb調の中で、順に捉えられ

C調、

Ab調、

ている。

C調における主音は、

Cである。し

たがって、実音のCは、主音Cと完全一度の

関係にある

oAb調における主音は、

Abで

ある。したがって、実音のCは、主音

Abと

長三度の関係にある。

F調における主音は、

Fである。したがって、実音のCは、主音F

と完全五度の関係にある。以下同様、実音の

Cは、すべての調において、その調の主音と

の音程関係を変化させる。

ギャリソンが述べている手法は、任意の実

音を選ぴ、その音と主音との音程関係を変更

することによって、主音の位置を動かし、転

調を引き起こす、というものである。この手

法は、

コールマンの共演者の間では「キlに

よる転調

E

富。巳己主5ロ

FgEmu-ぉ

33」とよ

ばれている。

一般的には、先ずキ!ないし主音が固定さ

れ、それとの音程関係から、任意の実音の調

さ許ニニーへ長)L度す」一一子三土斗

主音

B b調

音声一F調

[譜例6]

性一度軽君子一

28

A b調C調

性における位置づけが決まる。しかし、「キーによる転調」の場合は、

任意の実音が選ばれ、その音符の調性における位置づけが変更され、

それとの音程関係から、逆算的に、キ!ないし主音の位置が決まる

Page 11: コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

のである。

つまり、この手法においては、実音が中心におかれ、そ

れが、様々な音程関係の中で捉えられることで、多様な調が生じる

こととなる。

まとめよう。

コールマンが、

テナl・サックスからアルト・サツ

クスへ演奏する楽器を変更した際、運指の一致ということの発見を

通して、運指を中心に音楽を捉えると言う理解が形成された。さら

に、運指につけるべき名前を間違っていたという経験から、ある一

オーネット・コールマンのハーモロディクス、その起源と発想

つの音の現象は、様々な視点から捉えることが可能であり、しかも

それはどちらかが間違いというものではなく、捉え方は多重化して

いるということに気がついた。ここから、中心をどこに置くのか(対

象をどこに設定するのか)ということと、視点をどこに置くのかと

いうことのヴァリエーションに従って、様々な方法が生じることと

なった。例えば、運指を中心に据え、同じ運指を用いて、様々な移

調楽器で演奏し、多様な実音を生むと言う手法。例えば、実音を中

心に据え、同じ実音を様々な音度の中で捉え、多様な調を生むと言

う方法。本稿で見た組み合わせ以外にも、この条件を満たすものの

パターンは考えることができるであろう。このように、ハ

lモロデイ

クスという方法は、多中心化と多重化という発想に基づいて構造化

されている、と結論付けることができる。

結び本

稿は、

ハIモロディクスという方法論の起源を明らかにするこ

とを目的とし、議論を展開してきた。そのために、

ハlモロデイク

スを着想するに至るきっかけとなった二つのエピソードを取り上

げ、運指・実音・名という視点から考察した。

-章では、

コールマンがテナ1・サックスからアルト・サックス

へ演奏する楽器を持ち替えたときのエピソードを取り上げた。そこ

では、楽器を持ち替えた際に「運指の一致」というものが発見さ

れ、この発想が後に「移調楽器と非移調楽器を混在させる」という

手法へとつながっていくことを確認した。また、その手法は、運指

を中心に考えるという発想から導かれたものであることを明らかに

29

した。2

章では、

コールマンが名に関して犯していた勘違いのエピソl

ドを取り上げた。そこでは、

コールマンがその勘違いを通して、あ

る一つの音の現象は、多面的に捉えうるということを発見したこと

を確認した。さらに、「音を多面的に捉える」という発想が、「運指

を中心に考える」という発想を相対化し、「様々なものが中心とな

りうる」という発想へと発展したということを、「キーによる転調」

という手法を例に考えた。

以上の考察から、

ハ1モロディクスという方法の根底には、以上

二つのエピソードから導かれた多中心化と多重化という発想が存す

Page 12: コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

2011

る、と結論付けた。これ以後、この根底にある発想への理解を基礎

とし、さらに深くハ

1モロディクスを考察することができよう。

萎術研究第 24号

これまでコ

lルマンが演奏してきた音楽また作曲してきた作品に

つまり各奏者における経時的な多調

性および奏者聞の同時的な多調性は、このような発想とそこから生

見られる実際に見られる特徴、

じる独自の手法に基づいて実現されていると考えられる。今後は、

こうした方法論が実際どのように演奏に生かされているのか、具体

的な演奏を取り上げて検証する必要があるだろう。また、本稿の視

点の一つとして取り上げた「名」|つまり、あるものを中心にそえ、

また自らが媒介となって多様な文脈へと接続される「名」の問題を、

さらに深めて考えていく必要がある。しかし、これらの課題は、稿

を改め、取り組むこととする。

キ+目-

m

=目(1)。門口巾芹巾(UO]巾HHM即HY--口市門口O丹市出沙門句。hyhbHb-回目コロCE門出門\〈巾叶〈巾・出品

日一凶]{申]{品’N.日。叶∞.

(2)例えば、ピ件当巾口巾吋・』。FP。ミミ『町内ミミ諸白詰-

h同ミ、さと。忌円忠志-H

)国

(リ白UOHUBE-呂志-者一

zoppg円呂EE-。3hH同町内ロ言語白昌・恩師

h志向ミ

ミ量的民円・∞巾円}丘町一可目=出回

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(3)∞円宮口町円。

55R∞-〈-

Eho}mB2・052片クョ同コをう『司臣、のさ足。凡円虫色諸白ミ

口、-hbNiF〈。}一「巾【日・月内21口問巾-【戸切出コJFNOON-U-A

H

∞]{・

(4)ピプそ包ぽ門-H甲山YFH)・ω申・

(5)基音とは、振動体の基本振動数にあたる立日を意味する。

(6)例えば、テナl・サックスで実音の

Bbを出すときの運指を

Bbとし、

アルト・サックスで実音の

Ebを出すときの運指をEbとしたならば、

同じ運指に二つの名がつくことになって、持ち替えるときに煩雑にな

る。

(7)

nc-巾門出向HYS叶UPU-印-

(8)当医

8・53・UH)・3ー討

(9)例えば、

HO見守君。E出ロョ(EMd時めぎもなミなたな向。遣戸〉汁SEW-

ωロ・5HH53・)や同日σ52与貯

CZ3(日ロ昌弘伺凡的。君、ミSR-〉HSEW-

ωU’

za.58.)など。

(叩)例えば、回白吋片山「同町『口町内-P田・〈-

E

REo-C門出円汁町内CミV

Mコ』な弓同さわさミ

同)片足喜一白ミも\hbNN-〈o--N-NOON-など。

(日)ピ件当巴rw円-H甲山

yr℃-N印・

(ロ)「私は後に、

Eb管のアルト・サックスというだけの理由で、この

ようなこと[CがAであること]が起きたのだと気がついた。

cbiを

演奏する時に、それはAであるoH220口HFCロ己

FR芹佳門戸巾自己

昨日同町民担当310ロ守寸町内山口印何己戸内開ーロ虫色件。ョ当}H

巾ロ可。己主白山可。口出件ZE--一片岡印

{円。ロ門町ユ]〉{可出ロ∞℃。∞邑ー]・

3

」というコ

lルマンの発言に、リトワイラー

は、{

gRR4と

τ55℃。∞旦]という注記をつけている。リトワイラlは、

2ロ門町三]〉ョと述べているので、ここでの。AOを実音の

Aと理解し

ていると言える。しかし、宮司FEu-C戸USM-nロ同庁口同国-z

の片ロ白門口門出-3

を運指上のCHHと考えた場合、実音は

Ebとなり、整合性が取れない。

また、Ed〈町内口可OE

℃-

anE昨日目つの

chをコ

lルマンが間違って名づ

けていた運指上の

ch(つまり本来の運指上の

E)と考えた場合、実

音は

Gとなり、やはり整合性が取れない。このように、リトワイラl

の補足のラインで、この箇所を理解すると、一般的な楽典と辻棲が合

わないだけでなく、コールマンの発言の中ですら辻棲が合わなくな

る。したがって、ここにもし補足をつけるならば、EJ

司宮口可CZ玄白山刊わ

口出

Hzg二回出師也君昌弘者五戸田口問ーロ虫色丹C

由同一同デ芹{H江戸市印O戸口門日(リ]訪〉{。ロ

仲町巾冶語、、shopZH山l口白仲間-

z・3

とすべきであろう。

(日)志一色・

(HH)ピ門司企庁nSAVP℃-N印・

(日)

zo-山口・国27ebBBM刊の山門江田Cロー回国∞∞-2

E

5巾司5口同巴口巾.唱匂。さ詰

30

Page 13: コールマンの...妻術研究第24号 2011 」とに起因する、と本稿では考える。本稿は、 コールマンがハ l モロディクスを着想するに至るきっか

オーネット・コールマンのハーモロディクス、その起源と発想

NW司bF]ロロ巾φ

]石叶kp]{∞山口円山山円)・

MN)

H428p目FE--nE江一巾国邑

SF82局者ンロロミとミミF

ZG・\\【目。52出向吾・3d告白色・

gg\告白\-ロZ25手当-

Fa円Zユ51町田門田巾ロ

日比

Br(円。ロ出口出巾門目。ロ尽岳〉同)門戸

NCHH)

(口)例えば、本稿で挙げた手法とは別の手法として、ハ

lモロデイツク・

モデユレlシヨンという手法を挙げることができる。この手法は、『ア

メリカの空」ライナーノlツの中で、「調を変えることなく、音域のな

かで転調すること」(わ。-2HHEPS芯-

u・伊)とコ

lルマンによって説明

されている。簡潔にいうと、五線譜上の同一の位置にある音符を中心

とし、それを様ム?な音部記号の中で読み、多様な音名を生みだす、と

いう手法である。

(凶)コ

lルマンにおける多調性を指摘した研究としては、

ω喜三-

R

。ロロ

52・h

n-三百四円足。昌也」ミ岳町内包遺骨色白弘之。誼巴」司。遣問叫叫町内。なさ白柏戸冨』。

ζ5RHロ門・

52やポ吉田

S-呂志等がある。

(ささき・まさし/京都精華大学)

31