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1 宮津市バイオマスタウン構想 1.提出日 平成 22 年3月 30 日 2.提出者 宮津市企画環境室地域振興係 担当者名:小西正樹 〒626-8501 京都府宮津市字柳縄手 345 番地の1 電話:0772-22-2121(代) FAX:0772-25-1691 メールアドレス:[email protected] 【日本三景天橋立と宮津市】 3.対象地域 京都府宮津市 4.構想の実施主体 京都府宮津市 5.地域の現状 日本三景「天橋立」を有する本市は、古くは大陸と の窓口として栄え、古代には丹後国府も置かれ、ま た、戦国時代には織田信長の命を受けた丹後国主 細川藤孝・忠興親子によって宮津城下町が形成され た。これが後の丹後の拠点地域として発展させる礎 となり、「海の都」として特色ある文化を育みながら 発展してきた。 近年は、若者を中心に人口が減少し、産業も製造品出荷額や卸売・小売業の販売額は 20 年前の水準を下回り、市全体として、税収の減少、地域力の衰退という構造的なマイナス連 鎖の中にある。 こうした危機を打開するため、平成 18 年に「行政改革大綱 2006」を策定し、財政の建て直し を行うとともに、市民協働を機軸におき「元気な宮津づくり」を目指して、「環境・健康・観 光(3K)」の三分野を中心に、地域の自給力と創富力を高めるため、地域資源活用型の「自立 循環型経済社会」構造へのダイナミックな転換を進めている。 (1) 地理的特色 本市は、東経 135 度 12 分、北緯 35 度 32 分、京都府北西部の日本海(若狭湾)沿岸に、丹 後半島の付け根、宮津湾をぐるりと囲むように位置している。 日本海に面する海岸や高原などの一部は、丹後天橋立大江山国定公園に指定され、特別 名勝 日本三景「天橋立」に代表される豊かな美しい自然景観、歴史に育まれた文化、温泉や

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宮津市バイオマスタウン構想

1.提出日 平成 22 年3月 30 日

2.提出者 宮津市企画環境室地域振興係 担当者名:小西正樹 〒626-8501

京都府宮津市字柳縄手 345 番地の1

電話:0772-22-2121(代)

FAX:0772-25-1691

メールアドレス:[email protected] 【日本三景天橋立と宮津市】

3.対象地域

京都府宮津市

4.構想の実施主体

京都府宮津市

5.地域の現状

日本三景「天橋立」を有する本市は、古くは大陸と

の窓口として栄え、古代には丹後国府も置かれ、ま

た、戦国時代には織田信長の命を受けた丹後国主

細川藤孝・忠興親子によって宮津城下町が形成され

た。これが後の丹後の拠点地域として発展させる礎

となり、「海の都」として特色ある文化を育みながら

発展してきた。

近年は、若者を中心に人口が減少し、産業も製造品出荷額や卸売・小売業の販売額は 20

年前の水準を下回り、市全体として、税収の減少、地域力の衰退という構造的なマイナス連

鎖の中にある。

こうした危機を打開するため、平成 18 年に「行政改革大綱 2006」を策定し、財政の建て直し

を行うとともに、市民協働を機軸におき「元気な宮津づくり」を目指して、「環境・健康・観

光(3K)」の三分野を中心に、地域の自給力と創富力を高めるため、地域資源活用型の「自立

循環型経済社会」構造へのダイナミックな転換を進めている。

(1) 地理的特色

本市は、東経 135 度 12 分、北緯 35 度 32 分、京都府北西部の日本海(若狭湾)沿岸に、丹

後半島の付け根、宮津湾をぐるりと囲むように位置している。

日本海に面する海岸や高原などの一部は、丹後天橋立大江山国定公園に指定され、特別

名勝 日本三景「天橋立」に代表される豊かな美しい自然景観、歴史に育まれた文化、温泉や

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海の幸などを通じて、年間約 260 万人が訪れる北近畿有数の観光都市である。

鉄道はJR山陰本線、福知山線及び北近畿タンゴ鉄道を利用し、京都・大阪からともに

約 120 分の距離にある。市内の幹線道路は、国道 176 号、178 号、また高速道路網は、京

都縦貫自動車道の終点(宮津天橋立IC)にあり、同自動車道が全線開通(平成 26 年度予定)

すれば、京都市内から約1時間での移動が可能となる。また、平成 22 年度には、宮津以北

へ延伸する鳥取豊岡宮津自動車道の宮津野田川道路が供用開始の予定となっている。

市域は、東西に 13km、南北に 24km と南北に縦長の形で、面積は 169.32km2、天橋立を挟

んで市域が南北に分かれており、地目別土地面積では、山林が 47.0%と も多く、次いで

田の 20.5%、宅地の 9.7%、原野の 9.5%となっており、その他は畑、雑種地、池沼とな

っている。

気候は、日本海型気候に属し、年間降水量は比較的多く、夏季は高温多湿で晴天の日が

続き、冬季には、日本海特有の「うらにし」と称されるしぐれがみられ、雨や雪など不安定

な天候となる。

【丹後天橋立大江山国定公園】

本公園は、丹後半島海岸地区、世屋高原地区及び大江山連峰地区の3つの景観区からなる。丹後半島海

岸地区は、海食崖、海岸段丘、天橋立に代表される砂州、良好な砂浜などの変化に富んだ海岸地形が続き、

優れた海岸景観を呈している。世屋高原地区は、標高 600m内外の山々に囲まれた地域であり、近畿地方

では有数の規模を持つ落葉広葉樹林が見られ、四季の変化に富んだ森林景観を呈し、希少な野生生物の生

息地も分布している。大江山連峰地区は、標高 600mから 800mの山々が連なり、海原のような雲海など

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多様な自然景観を望むことができるとともに、希少な野生生物の生息地も分布している。また、これらの

地域は、優れた自然環境に加え、棚田などの農地を含む山村、社寺等といった歴史的・文化的景観も有し

ている。このように、3つの景観区は、それぞれ独自の景観的特徴を有し、いずれも我が国における傑出

した自然の風景地である。丹後半島を中心とした海岸から山地に至る景観の連続性、利用の一体性を確保

するため、これら地域一帯が国定公園に指定されている。

指定日:平成 19 年8月3日

(京都府の地名を冠した初の国定公園。新規の国定公園としては 17 年ぶり。)

公園面積 = 19,023 ha

(内訳:旧若狭湾国定公園分 = 3,762ha、新規指定分 = 15,261ha)

(2) 社会的特色

宮津の地は、古代には国府、国分寺、中世には国衙(こくが)、守護所が置かれ丹後地域の

政治、文化の中心として繁栄し、また近世には宮津藩の城下町、日本海海運の港町として発

展した。明治維新以後は、宮津県、豊岡県などを経て京都府に編入され、明治 22 年に町村

制施行とともに宮津町ほか 10 村が誕生、そして、昭和 29 年に町村合併により宮津市が誕生、

昭和 31 年に由良村を編入し、今日に至っている。

本市の平成21年の総人口は1万9,942人で、昭和30年に比べ1万6,258人(45%)減少し

ており、年齢別構成割合は、生産年齢人口が約55%、老齢人口が約32%となっている。

市制施行以降、5次にわたる総合計画を順次策定し、日本三景天橋立に代表される美

しく豊かな自然を大切にしながら、生活や産業に関わる社会基盤の確立や心豊かな暮ら

しを支える福祉社会の実現など総合的な発展に努めている。

(3) 経済的特色

本市の基幹産業は観光産業で、これを機軸として産業の振興を図っている。

平成 17 年の産業別就業人口割合は、第1次産業が 10.0%、第2次産業が 22.8%、第3次

産業が 67.2%となっている。これを業種別にみると、卸売・小売業が 21.6%で も多く、

飲食店・宿泊業、サービス業、製造業、建設業が続いている。

表 1 産業別就業者数

平.12 17

就業者数(人) 構成比(%) 就業者数(人) 構成比(%)

第1次産業 1,074 9.3 1,040 10.0

第2次産業 2,987 26.0 2,373 22.8

第3次産業 7,442 64.7 6,998 67.2

合 計 11,503 100.0 10,411 100.0

資料:国勢調査

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ア 農 業

平成 17 年の総農家数は 1,045 戸で、うち販売農家数は 559 戸であり、専兼別割合は、

専業農家 146 戸(26.1%)、第1種兼業農家 73 戸(13.1%)、第2種兼業農家 340 戸(60.8%)

となっている。

ほ場整備率は約 60%で、中山間地域が多く、販売農家の経営耕地面積は、8割以上が1

ha 未満となっている。耕地面積は約 830ha で、主な作物は、水稲、野菜である。なお、丹

後産コシヒカリが(財)日本穀物検定協会の「米の食味ランキング」で平成 19 年産から3年

連続で特Aに選定されているほか、京のブランド産品である「やまのいも」、生花の小菊、

ストックが主な特産物である。

課 題

○ 後継者不足

○ 農業従事者の高齢化

○ 耕作放棄地の増加

表2 耕作放棄地の状況 (単位:ha)

田 畑 合 計 耕作放棄率(%)

平.17 78.0 54.5 132.5 18.4

20 100.7 56.2 156.9 21.7

注:調査対象は、農業振興地域内の農用地 資料:宮津市農業委員会資料

○ 鳥獣害の増加

図1 樹種別森林面積

イ 林 業

本市の林野面積は 13,379ha で、市域

の 79%を占めており、このうち 54.1%

を広葉樹が占めている。また、林野面積

のうち 88.5%が民有林で、全体の 67%

が天然林となっている。

宮津地方森林組合以外にも山林事業

者が存在するが、木材価格の低迷等によ

り、適正な間伐が行えていない状況にあ

る。平成 16 年の台風 23 号の被害で顕著

化した山林の荒廃は、自然災害を引き起 資料:京都府丹後広域振興局資料

こすだけでなく、有害鳥獣問題や河川・ 海洋への栄養分供給機能を低下させ、生態系にも悪影響を及ぼしており、早急に適切な管

理を行う必要がある。

無立木地/

竹, 5.9%

広葉樹,

54.1%

スギ, 10.3%

マツ, 14.5%

ヒノキ,

15.2%

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課 題

○ 林家の減少

○ 林業従事者の高齢化

○ 間伐の未実施

荒廃した竹林

ウ 水産業

本市の平成 19 年の漁獲量は 2,812tで、漁獲高は7億5千万円となっている。漁業経営

体数は 193 戸で、個人経営が 188 戸、法人等経営団体が5件であり、個人経営のうち専業

は 47 戸(25%)となっている。

食を活かした誘客推進事業として、「宮津の海の恵みブランド化推進協議会」などが中心

となり、とり貝、干ものをはじめとする豊かな海の幸をブランド化する取組を行っている。

丹後とり貝 宮津干もの

課 題

○ 漁業従事者の高齢化

○ 担い手の育成

エ 畜産業

市内の家畜飼養戸数及び飼養頭羽数は、表3のとおりである。

表3 家畜飼養戸数及び飼養頭羽数 (単位:戸、頭、羽)

乳用牛 肉用牛 豚 採卵鶏

戸数 頭数 戸数 頭数 戸数 頭数 戸数 羽数

平.17 2 80 4 60 0 0 1 3,847

20 1 9 2 28 0 0 1 5,800

資料:宮津市産業振興室資料

課 題

○ 従事者の高齢化

○ 担い手の育成

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オ 商工業

本市では、衣服、食料品、繊維、ニッケル精錬、海産物の加工製造などが行われている。

また、卸売業では、年間商品販売額の減少が顕著であり、小売業においても、市域外への

大型店の立地が相次ぎ、中心市街地への買物客流入量が減少し、年間販売額が減少してい

る。

表4 商業の状況

卸 売 業 小 売 業

事業所数 従業者数

(人)

年間商品販売額

(千万円) 事業所数

従業者数

(人)

年間商品販売額

(千万円)

平.16 96 525 1,416 404 1,777 2,324

19 80 445 1,105 371 1,573 2,212

資料:宮津市統計書

表5 工業の状況

従業者数(人)

工場数 総 数 常用労働者

個人事業主及び

無給家族従業者

製造品出荷額等

(千万円)

平.16 44 673 647 26 1,088

19 37 605 586 19 1,030

注:従業者数4人以上の工場 資料:宮津市統計書

カ 観 光

「天橋立」を中心とする観光業は比較的安定しているが、観光入込客数及び観光消費額と

も横ばい状態が続いている。

現在、「天橋立」以外の新たな宮津の魅力づくりとして「宮津まちなか」を第2の観光エリ

アとし、その相乗効果で地域経済を活性化しようとする計画を立案し、市民参画をコンセ

プトに効率的・戦略的に観光資源の活用を図る取組を実施している。

表6 観光入込客数及び観光消費額 (単位:千人)

平.16 17 18 19 20 21

入込客総数 2,659 2,448 2,672 2,673 2,694 2,708

府外客 2,050 1,901 2,072 2,082 2,083 2,099府内/府

外別 府内客 609 547 600 591 611 609

宿泊客 546 493 550 549 519 501宿泊/日

帰り別 日帰り客 2,113 1,955 2,122 2,124 2,175 2,207

観光消費額(百万円) 8,713 8,124 8,943 8,973 8,852 8,400

資料:宮津市統計書・宮津市産業振興室資料

(4) 行政上の地域指定

都市計画区域、半島振興対策実施地域、農村地域工業導入地域、豪雪地帯、積雪寒冷特別

地域(積雪のみ)、地域力創造推進地域、総合保養地域、地方拠点都市地域、特定農山村地域

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6.バイオマスタウン形成上の基本的な構想

(1) 地域のバイオマス利活用方法

ア 全体像 ~位置付けと目指すべき方向~

本市では、市内に賦存するバイオマス(生物資源)を有効に活用し、「自立循環型経済社

会・低炭素型のまちづくり」を進めることとしている。地域を「自立循環型経済社会」構造

へ転換・発展させていくためには、産業界や経済界が地域と一体になって、地域資源活用

型の新産業の創出、新たな仕組みの構築、新たな価値付けなどを行い、産業の再生、とり

わけ「環境」「健康」「観光」の三分野での「産業ルネッサンス」の実現が重要と考えている。

具体的には、竹や木質資源のエネルギー化や製品開発、学校のストーブを薪ストーブ等

に置き換え、その燃料を地域の奉仕活動で調達する仕組み、廃食用油を回収、燃料化し、

公用車や農機具運行に使用、生ごみやし尿などをメタン発酵処理し、液肥を農地に還元し、

生産された作物を流通させる仕組みづくりなど、子どもから大人まで全市民の理解と参加

を得て、エネルギーを自ら生み出していく「エネルギーの自給自足」「農林水産業の活性化」

「新たな産業起こしによる雇用創出」を図ることとしている。

また、これらの取組が新たな環境教育のスポットとなり、天橋立や豊かな自然を守り育

てる気運を高め、さらに郷土愛を育むこととともに、NPO法人やボランティア団体など、

各団体と連携を深め、面的なつながり、広域的な連携を強化していくことで、バイオマス

に着目した新たな観光事業の創出が期待されるものである。

なお、本構想は、5か年間の指針として策定し、今後の技術革新、社会動向の変化によ

って必要に応じ、見直しを行うものとする。

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本市のバイオマス利活用の基本スキームは次のとおりであり、7つのバイオマスを

主体として本構想の実現を目指す。

図2

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イ 地域のバイオマスの現状と利活用方法

① 木質(製材残材、建築端材、間伐材、林地残材)

本市の総面積の 79%を占める森林は、大きなエネルギー源であると同時に適正な保全が極

めて重要であることから、豊かな森や海を守り育てていく仕組みを構築する。

【現 状】

・製材残材、建築端材 a 製材残材 製材残材は、1製材所で 400t発生し、チップ化され、パルプ原料として利用されてい

る。また、おが粉は 48t発生し、農協等に引き渡し、敷料として利用されている。 b 建築端材 建築端材は、1,776tの発生と推計され、現在は、産廃として処分されている。

・間伐材、林地残材

間伐未利用材を含む林地残材は、そのほとんどがその場に放置されている。 【利活用方法】 民間事業者、森林組合、市等で構成する「宮津市バイオマス利活用推進協議会」に「森のバイ

オマス利活用推進部会(仮称)」を設置し、利活用方法の検討・具体化を図る。 ○ 間伐未利用材等の放置状況を詳細に把握し、効率的かつ効果的な収集・搬出ルート及び

集積所等について検討を行う。 ○ ペレットなどの燃料製造から、これを用いたストーブ、ボイラーの販売までを行う体制

を整備し、燃料を地域で賄えるシステムの構築を目指す。 ○ 建築端材や間伐材を、ブリケット、ペレット、チップ、薪に加工し、ストーブやボイラ

ー燃料として市内の公共施設や学校、旅館や事業所等への利用を促進するとともに、一般

家庭を対象に利用促進支援制度等を検討する。 ○ 木材のカスケード利用を目指し、ナノカーボンなどの新技術を活かした事業の導入・検

討を行う。 ○ 火力発電所の石炭の代替燃料としての木質資源の利活用について検討を行う。 ○ 材料供給を円滑に行うため、山林所有者との調整を図り制度設計する。

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図3

② 竹資源(間伐材、林地残材) 本市には、約1,100万本の竹があると推計されている。

孟宗竹(モウソウチク)は、針葉樹との共存が困難であり、放置竹林では雨水が浸透せず、

水源かん養機能の低下を引き起こすとともに、土砂災害も危惧される。

一方で、竹はCO2の吸収量が多いとされており、自然災害防止と資源の有効利用の観点

から竹林の整備・再生が必要である。また、農村部では鳥獣害に悩まされているが、森林と

里山の間の緩衝地帯を整備することで、鳥獣害が軽減できることが実証されており、放置竹

林の伐採(間伐)による緩衝地帯の確保も課題となっている。

【現 状】 化学製品の流通等により、竹材利用の機会が減り、現在は、ほとんど利用されていない。

【利活用方法】

「宮津バイオマス・エネルギー事業地域協議会」「宮津地方竹林再生協議会」「宮津環境産業

創出研究会」での調査・検討を行うほか、「宮津市バイオマス利活用推進協議会」に「森のバ

イオマス利活用推進部会(仮称)」を設置し、利活用方法の検討・具体化を図る。

また、総務省の緑の分権改革推進事業により、賦存量、竹林所有者等の調査を行い、竹

林再生整備計画を作成する。

○ エネルギー利用(チップ、ペレット、ボイラー、ガス化発電等)やマテリアル利用に必

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要な竹材の効率的な生産・伐採・集荷・運送・管理システムを構築していく。

○ 素材の特徴を活かした変換技術を用いたマテリアル化(バイオマスプラスチック、内装、

外装、家具、竹炭・肥料、テキスタイル(織物・布地)、和紙、工芸品、竹箸など)、チッ

プ化、粉化、炭化などに関する調査・検討を行い、本市独自の商品開発、産業起こしを

目指す。

○ 木質バイオマスのエネルギー化に向け、農林バイオマス3号機の導入などの事業化を

進める。

竹フローリング 適正に管理された竹林

図4

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図5

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③ 廃食用油(家庭・事業所)

平成 13 年頃から市域の一部でNPO法人による廃食用油のBDF化の取組が行われて

いるが、多くは可燃ごみとして廃棄されていることから、全市的な広がりとしていく必要

がある。 【現 状】

市内の一般家庭から排出される廃食用油は、約 70 か所で拠点回収が行われ、NPO法人

により年間6t がBDF化されている。また、学校給食や保育園等から年間3t、事業所

から年間 20tがNPO法人でBDF化されている。このうち宮津天橋立観光旅館協同組合

では、9tを回収する取組が実施されている。

回収された廃食用油は、BDF化された後、B100 で市のマイクロバスや農機具で使用

されている。

【利活用方法】

「宮津市バイオマス利活用推進協議会」に「廃食用油利活用推進部会(仮称)」を設置し、利

活用方法の検討・具体化を図る。

○ 変換施設はNPO法人が設置、運営しており、今後は、普及・啓発により回収量の増加

を図る。そのため、BDF使用車輌等を媒体として取組をPRし、早期定着を目指す。

○ 学校給食で発生する廃食用油は、BDFへの変換工程を環境教育に活用し、地域ぐるみ

で取組を進める。

○ 200か所の回収拠点を目標として、市民、事業者、行政の役割を明確にし、継続性のある

取組となるよう制度設計について検討を行う。

図6

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④ 生ごみ・食品廃棄物・し尿・浄化槽汚泥等

昭和 39 年建設の宮津市し尿処理施設は、耐用年数が経過し、新施設の早期整備が必要と

なっている。施設整備に当たっては、資源化施設としてごみゼロ社会を目指し、一般廃棄

物を有機資源としてとらえ、バイオガス発電及び液肥の農地還元により、地域資源循環型

で持続可能なまちづくりを進める。

【現 状】

市内で発生する可燃ごみは年間 6,802t、このうち生ごみは 1,701tで、宮津市清掃工場

で焼却処分している。

し尿・浄化槽汚泥は 16,475t発生し、宮津市し尿処理施設で好気性消化、活性化汚泥法

で処理している。

下水道汚泥は 1,086t発生し、京都府の宮津湾浄化センターで処理後、脱水汚泥は、敦

賀市のセメント工場で焼成されている。

【利活用方法】

「宮津市バイオマス利活用推進協議会」に「メタン発酵システム推進部会(仮称)」を設置し、

利活用方法の検討・具体化を図る。施設整備に当たっては、民間手法を活用した効果的・

効率的な手法も検討する。

○ し尿処理施設の更新のあり方について「メタン発酵施設」を視野に、早期具体化に向けた

検討を進める。

○ 液肥の安全性や効用、生産された農作物の収量や食味等について調査・研究を行う。ま

た、散布経費、散布時期、体制などについての制度設計を行うとともに、液肥の利用によ

り地力を回復させ、生産された農作物の地域内・外での流通システムを構築する。 ○ 家畜排せつ物やアオサについても、メタン発酵施設での利活用を検討する。

図7

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⑤ 海洋資源 水産資源は、本市に多くの恩恵を与えているが、発生する残さは有効利用されていない。

また、近年、天橋立の阿蘇海では、汚濁物質が流入し、水質が悪化している。 本市には、京都府農林水産技術センター海洋センターがあり、関係機関と連携し、水産

バイオマス資源の利活用を図る。 【現 状】 ・水産系廃棄物 かにがら・貝がらなどの残さは、現在ほとんどが廃棄処分されている。 ・水産系未利用バイオマス

ホンダワラ類の養殖技術は既に確立されており、現在も食用やたい肥化等の試験研究が

続けられている。藻場の整備・管理により磯焼けの進行を防ぐことができるとともに、海

水中の富栄養化を低減することができる。アオサは、一部を除き、大半が利活用されてい

ない。

【利活用方法】

「宮津市バイオマス利活用推進協議会」に「海のバイオマス利活用推進部会(仮称)」を設置

し、関係団体と連携し、利活用方法の検討・具体化を図る。

○ 関係機関と連携し、水産資源の保全とバイオマス利活用に向けた調査・研究を進める。

○ かにがらや貝がらについてもたい肥化だけでなく、かにがらからキトサンを抽出し、健

康食品や抗菌性のあるテキスタイルとしての利用を検討する。

○ ホンダワラ類については、たい肥化のほか、バイオエタノールとしての利活用に向けた

調査・研究を進める。

○ アオサについては、たい肥化の手法以外にメタン発酵施設による利活用を検討する。

図8

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⑥ その他

・農業系廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物は、メタン発酵施設などでの利活用に向け、今後、調査・検討を行う。

・農業系未利用バイオマス

稲わら、もみがらについては、今後利活用に向けて調査・検討を行う。

ウ バイオマス関連施設の概要

本市のバイオマス利活用で想定される施設(システム)の概要は、次に示すとおりである。

① メタン発酵施設 ② BDF製造施設 ③ 竹資源等木質バイオマス利活用システム ④ 農林バイオマス3号機

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図9

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(2) バイオマスの利活用推進体制

バイオマスの利活用を推進するため、「宮津市バイオマス利活用推進協議会」(以下、「推

進協議会」)を設置し、具体的な利活用方法や資源の収集、地域住民参加方法などに関する

意見交換や検討を行う。

「推進協議会」は、地域住民や各種団体代表者、NPO法人、学識経験者、市等で構成し、

推進部会として「メタン発酵システム推進部会(仮称)」「廃食用油利活用推進部会(仮称)」

「森のバイオマス利活用推進部会(仮称)」「海のバイオマス利活用推進部会(仮称)」を設置し、

バイオマスタウンの早期実現を目指す。

また、市役所内部に庁内関係室の連携組織として「庁内バイオマス企画調整会議」を設置

し、利活用の推進や具体の方策を検討し、「推進協議会」及び各部会と連携し、普及・啓発

に努める。

図 10

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(3) 取組工程

平成 21

年度 22 23 24 25 26 以降

宮津市バイオマス利活用推進協議会

①バイオマスタウン構想策定

②バイオマス利活用推進協議会の設立

③事業化に向けた調査・検討・進捗状況確認

メタン発酵システム

①対象バイオマスの利用可能量に関する調査

②需要先、需要量の定量的把握(発電・液肥)

③実証試験に関する調整

④適地選定、原材料等の搬入システムの構築

⑤施設規模、施設内容の具体的検討

⑥事業計画の作成及び実施計画

⑦実施設計

⑧建設工事

廃食用油利活用システム

①対象バイオマスの利用可能量に関する調査

②公用車での試験運転

③回収システムの検討

④事業計画の作成及び実施計画

⑤普及・啓発、活動支援

竹資源等木質バイオマス利活用システム

①対象バイオマスの利用可能量に関する調査

②伐採、集積、搬出に関する詳細調査

③需要先・需要量の定量的把握

④変換技術の検討・調査

⑤システム内容及び規模の具体的検討

⑥事業適地選定 ●

⑦事業計画の作成及び実施計画

⑧実施設計

⑨建設工事

海のバイオマス利活用システム

①対象バイオマスの利用可能量に関する調査

②変換技術の研究

注:竹資源等木質バイオマス利活用システムには農林バイオマス3号機を含む。

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7.バイオマスタウン構想の利活用目標及び実施により期待される効果

(1) 利活用目標

ア 廃棄物系バイオマスの利用率:11% → 92%

イ 未利用バイオマスの利用率 :3% → 34%

賦存量 利活用目標

湿潤量

(t/年)

炭素換算

(t/年)

湿潤量

(t/年)

炭素換算

(t/年) 今後の変換•処理方法

利用率

(%)

廃棄物系バイオマス

廃食用油

(学校•保育園) 3 2 3 2 100

廃食用油(家庭) 21 15 18 13 87

廃食用油(事業所) 58 41 41 29

燃料(BDF)化

71

生ごみ

(家庭・事業所) 1,701 75 1,701 75 100

し尿 11,559 896 11,559 896 100

浄化槽汚泥 4,916 381 4,916 381

メタン発酵、液肥(た

い肥)、電力•熱利用

100

生活系

下水道汚泥 1,086 104 1,086 104 焼成(セメント工場) 100

乳用牛 ふん尿 118 7 94 6 86

肉用牛 ふん尿 273 16 218 13 81

採卵鶏 ふん尿 295 18 295 18

たい肥化、農地還元

100

農業系

果樹剪定枝 107 24 86 19 燃料化 79

製材残材 448 100 448 100 敷料、製紙原料 100林業系 建築端材 1,776 782 1,421 626 燃料化 80

水産系

かにがら 400 18 200 9たい肥化、テキスタイ

ル、健康食品 50

廃棄物系バイオマス計 2,479 2,291

92

未利用バイオマス

稲わら 2,203 631 220 63 10農業系もみがら 523 150 52 15

農業利用 10

間伐材 1,108 241 332 72

集成材(ベニア板)原料、

ナノ複合素材、燃料(ブリケ

ット、ペレット、チップ、

薪)

30

林地残材 27 6 5 1 燃料化 17林業系

竹 18,000 3,214 7,200 1,286

ガス化発電、燃料化(メタ

ノール、チップ等)、たい肥

化、バイオマスプラスチック、

内装、外装、家具、竹炭・テキ

スタイル、和紙、工芸品、竹箸

40

未利用バイオマス計 4,242 1,437 34

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(2) 期待される効果

① 木質・竹資源 ・ 林業、建設業、運送、製材などの地域産業の活性化につながり、地域での新たな雇用

の創出につながる。 ・ 森林や竹林が適正に管理・保全され、自然災害の防止や土砂の流出防止、水源かん養

の効果を高める。 ・ 景観の保全や鳥獣害の拡大を防止できる。 ・ 京都府が推奨している木材認証制度(ウッドマイレージCO2認証制度)等の活用により

地元産材を活用した製材、建築が行われ域内流通が期待される。 ② 廃食用油 ・ 地域ぐるみの取組が地域の連帯・協働を深め、コミュニティーが形成される。 ③ メタン発酵システム ・ 従来の施設の更新に比べ建設費を大幅に削減することができる。 ・ 廃棄物処理費用及び維持管理費の軽減につながるとともに、CO2の排出抑制に貢献

できる。 ・ バイオガスによる発電で場内電力が賄える。 ・ 液肥の利用により地力が回復するとともに、生ごみの分別から液肥利用まで、市民、

事業者、行政が一体となって取り組むことで、地域の連帯感が増し、地域資源活用型の「自

立循環型経済社会」の形成につながり、さらに活きた環境教育を推進できる。 ④ 海洋資源 ・ 漁業への就業の機会が増え、産業の活性化につながる。 ⑤ 全体を通して ・ 環境保全に対する意識の醸成が図られ、世界遺産登録を目指す天橋立など郷土の自然

を守り育てる活動が熱心に展開されるとともに、ライフスタイルを見直す契機となる。 ・ 資源の有効利用に加え、環境教育の機会が創出され、資源を大切にする心が養われ、

持続性のある地域資源循環型社会が形成される。 ・ 施設の整備やそれぞれの取組がバイオマスツアーやエコツーリズムなどの新たな観光

資源への結びつきが期待される。 ・ 環境産業の創出に向けた気運が高まり、既存事業者の新たな産業起こしや異業種間の

交流など、新たなビジネスチャンスが期待される。 ・ 高齢者などが地域のリーダーとして活躍できる機会が創出される。

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8.対象地域における関係者を含めたこれまでの検討状況

平成 21 年度に「宮津市バイオマスタウン構想検討会議」を設置し、3回の会議を経て意見集

約を行い構想書を策定した。

22 年度からは、事業の具体化に向けて、詳細な調査・検討を行い「宮津市バイオマスタウ

ン構想」の実現を図る。 (1) 構想検討会議等の経過

会 議 開催日時・場所 内 容

第1回

宮津市バイオマスタウン

構想検討会議

平成 22 年2月 19 日(金)

場所:宮津市役所第5会議室

•バイオマスタウン概説

•バイオマスタウン構想の目指すもの

•宮津市バイオマスタウン構想の位置付けと

活用資源について

•宮津市におけるバイオマスの賦存量について

第2回

宮津市バイオマスタウン

構想検討会議

平成 22 年3月 23 日(火)

場所:宮津市役所第5会議室

•宮津市バイオマスタウン構想(案)について

第3回

宮津市バイオマスタウン

構想検討会議

平成 22 年3月 31 日(水)

場所:宮津市役所第5会議室

•宮津市バイオマスタウン構想(案)について

•バイオマスタウン構想の推進について

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9.地域のバイオマス賦存量及び現在の利用状況

賦存量 現在の利用状況

湿潤量

(t/年)

炭素換算

(t/年)

湿潤量

(t/年)

炭素換算

(t/年) 変換•処理方法

利用率

(%)

廃棄物系バイオマス

廃食用油

(学校•保育園) 3 2 3 2 100

廃食用油(家庭) 21 15 6 4 27

廃食用油(事業所) 58 41 20 14

燃料(BDF)化

34

生ごみ

(家庭・事業所) 1,701 75 0 0 焼却(清掃工場) 0

し尿 11,559 896 0 0 0

浄化槽汚泥 4,916 381 0 0焼却(し尿処理施設)

0

生活系

下水道汚泥 1,086 104 1,086 104 焼成(セメント工場) 100

乳用牛 ふん尿 118 7 94 6 86

肉用牛 ふん尿 273 16 218 13 81

採卵鶏 ふん尿 295 18 295 18

たい肥化、農地還元

100

農業系

果樹剪定枝 107 24 0 0 焼却 0

製材残材 448 100 448 100 敷料、製紙原料 100林業系建築端材 1,776 782 0 0 焼却(清掃工場ほか) 0

水産系

かにがら 400 18 0 0 焼却(清掃工場) 0

廃棄物系バイオマス計 2,479 261

11

未利用バイオマス

稲わら 2,203 631 220 63 10農業系もみがら 523 150 52 15

農業利用 10

間伐材 1,108 241 250 54集成材(ベニア板)原

料、燃料(薪) 22

林地残材 27 6 0 0 切捨て 0

林業系

竹 18,000 3,214 0 0 放置、切捨て 0

未利用バイオマス計 4,242 132 3

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10.地域のこれまでのバイオマス利活用の取組状況

(1) 経 緯

ア 生ごみのたい肥化 平成5年度から 20 年度までの間に延べ 849 人、

1,008 個の生ごみたい肥化容器と、18 年 10 月から

20年度までの間に185件の電気式生ごみ処理機の購

入補助を実施し、ごみの減量と資源化への取組を促

進してきた。 ペレットストーブ

イ エコリング 平成 21 年度から、市内NPO法人等が中心となり、旅館、料理店等から発生する食品

残さを新型たい肥化装置でたい肥化し、変換たい肥で栽培した野菜等を、観光客や市民

に還元する「宮津エコの環(エコリング)」のシステムづくりに取り組んでいる。 ウ ペレットストーブの普及啓発 平成 20 年度に「宮津市木質バイオマス活用ビジョン」を策定し、木質ペレットを燃料と

するストーブ、ボイラーの普及方針を打ち出すとともに、庁舎市民ホール、ユースホス

テル、公民館にペレットストーブを順次設置し、普及・啓発に努めている。 エ 竹資源等木質バイオマスエネルギー化システムの事業化可能性調査 平成 21 年度、経済産業省の「バイオマス等未活用エネルギー事業調査」を活用し、宮津

市竹資源等木質バイオマスエネルギー利活用調査委員会を設置して、竹資源等木質バイ

オマスの事業化に向けた採算性調査を行った。 オ 宮津環境産業創出研究会 平成 21 年度、市内の事業所等で構成する「宮津環境産業創出研究会」が設置され、市内

に賦存する竹資源を原材料とする新製品の開発や販売について、市場性、採算性調査を

含めた調査・研究を行っている。 カ 宮津地方竹林再生協議会 平成 21 年度、22 年度の2か年間で、国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」

の採択を受け、竹林の路網整備と伐採(間伐)、さらに竹の建築資材などへの商品化と販

路の開拓など、建設業界を中心に活路の開拓、雇用機会の創出を図る取組を進めている。

(2) 関連事業・計画

ア 宮津市地球温暖化防止計画(平成 12 年6月策定)

イ 宮津市地域省エネルギービジョン(平成 13 年3月策定)

ウ 宮津市地域新エネルギービジョン(平成 20 年2月策定)

エ 宮津市木質バイオマス活用ビジョン(平成 21 年2月策定)

オ 宮津市竹資源等木質バイオマスエネルギー化システムの事業化可能性調査

(平成 22 年2月報告)

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本市では、平成 19 年度に低炭素社会に向けた環境負荷の少ないエネルギーの導入を図る

ため、「宮津市地域新エネルギービジョン」を策定し、太陽光、風力、木質バイオマス、バ

イオディーゼル等のエネルギー資源の導入方針を示している。

特に総面積の 79%を森林が占める本市にとって、木質バイオマス(間伐材や竹)の早期の

新エネルギー化を図るため、20年度に「宮津市木質バイオマス活用ビジョン」、21年度に「宮

津市竹資源等木質バイオマスエネルギー化システムの事業化可能性調査」を実施し、竹資

源等木質バイオマスを活用した宮津の新たな魅力づくり、まちづくり、雇用創出に積極的

に取り組んでいる。

(3) 既存施設

BDF製造施設

本市に隣接する与謝野町の「NPO法人丹後の自然

を守る会」の施設では、日 395L、月 6,000LのBDF

製造が可能で、BDFは、市町の公用車、ごみ収集車、

福祉施設の送迎バス、コミュニティーバス、農機具等

の軽油代替燃料として使用され、地域資源循環型の取

組が実践されている。

BDF製造施設