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アルミニウム合金の成形性と機械的特性の向上に関する研究
2007年 2月 石黒 農
1.緒論2.Al-Mg-Si合金板の通電熱処理による短時間溶体化処理3.Al-Mg-Si合金板の通電熱処理と人工時効による
プレス成形性と製品強度の向上4.通電加熱を用いたアルミニウムの金型内発泡成形5.アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工
における成形性の向上と鋳造欠陥の改善6.アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工
における表面割れの予測と低減
1995 2000 2005 2010 2015 20200
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
規制開始年
二酸化炭素排気量
/ g/k
m
日本車の平均二酸化炭素排出量
欧州自動車工業会平均二酸化炭素排出量
目標値 (2015-2020)
欧州における自動車排気ガス規制
稲葉隆 : 次世代の自動車パネル用アルミニウム板材料, R・D神戸製鋼技報, 52-3 (2002), 79-82.
70 75 80 85 90 95 000
102030405060708090
100
年度
構成要素の割合
/ % 鋼材
その他 特殊鋼プラスチック
アルミニウム
車の構成要素の割合
梶尾義明 : 第2回軽金属フォーラム資料自動車のアルミ化とLCA, 11 (1998), 21-27, 軽金属奨学会.
フード
ルーフ
フロントフェンダー
ドア
トランクリッド
アルミニウム合金板材およびホイールの適用部
アルミニウムホイール
サイドメンバー
バンパー補強部材
エンジン周り遮音板
ボンネット内板
発泡アルミニウムの適用部
バンパー
超軽量素材アルポラスカタログ, 神鋼鋼線工業株式会社
高速道路架橋
研究目的研究目的
第2章 Al-Mg-Si合金板の通電熱処理による短時間溶体化処理
板の成形性r値,伸び,限界絞り比,エリクセン高さ,n値
板の強度
降伏応力,引張強さ
既存研究
自動車用板材 ⇒ プレス成形性良好,製品強度大
結晶組織微細化 ⇒ 強度の向上
圧延工程における塑性加工
目標項目
加工集合組織制御 ⇒ 深絞り性
ECAP, ARB,温間異周速圧延
強度向上,伸び小
誘導加熱処理,通電加熱処理
バッチ式熱処理
連続焼鈍処理
溶体化処理での組織粗大化防止
(3) 通電熱処理
(1) 冷間圧延 (2) 溶体化 (4) プレス (5) 塗装焼付け
(a) 現行法
強度小
(6) 塗装焼付け
強度大
(5) 人工時効(4) プレス
(b) 本法
成形メーカーアルミニウムメーカー
短時間再溶体化
(3) 予備時効
第3章 Al-Mg-Si合金板の通電熱処理と人工時効による
プレス成形性と製品強度の向上
材料歩留まり小加工コスト大複雑形状困難
複雑形状適用
金型内通電発泡
電極
圧粉体
ダイス
水素化チタン粉発泡剤
電気炉
アルミニウム合金溶湯
攪拌
(a)鋳造法
第4章 通電加熱を用いたアルミニウムの金型内発泡成形
大きな気泡 表面に気泡
通電
水素化チタン
アルミニウム
(b)粉末法
電気炉内加熱発泡
金型加熱長時間
(a) インゴット (b) 溶解 (c) 鋳造
(e) ブラスト処理 (f) 切削 (h) 塗装
(d) 熱処理
(g) 空気漏れ検査
第5章 アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工に
おける成形性の向上と鋳造欠陥の改善
鋳造欠陥→強度低
有効性の確認最適加工条件の検討
熱間しごきスピニング加工による成形性と鋳造欠陥の改善
気孔 100µm
ローラー
マンドレル
ブランク
マンドレル
ローラー
ブランク
θz
送り方向
自転方向
r
表面クラック
100μm
a
外観不良のため完全に切削加工条件によって切削代変動 表面割れの発生度合いの予測と低減
公転方向
第6章アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工における表面割れの予測と低減
(e) 冷間圧延(c) 熱間圧延 (d) 溶体化 (f) 通電熱処理
A B通電加熱 水冷
(d) 冷間圧延(c) 熱間圧延 (e) 溶体化
結晶粗大化
結晶粗大化抑制
(a) 鋳造 (b) 均質化
高温
第2章 Al-Mg-Si合金板の通電熱処理による短時間溶体化処理
現行プロセス
提案プロセス
通電熱処理による短時間溶体化プロセス
温度
溶体化処理540ºC,14.4ks
時間冷間圧延
通電熱処理(室温~ 620ºC, 2s)水冷 0.1 s以内
冷間圧延, 0.5ks総圧下率 90 %
(a) 現行プロセス (b) 提案プロセス
温度
溶体化処理
時間
対象材 : A6061 Mg 0.74, Si 0.60, (1.15 Mg2Si) , 残部Al
溶体化処理3 s以内に水冷
通電熱処理後の結晶組織
圧延方向
板圧方向
(a)従来法 ( T=540ºC )d = 30 µm
(b) 提案法 ( T=470ºC )d = 18 µm
50µm
(c) 提案法 ( T=540ºC )d = 25 µm
0
100
200
300
400引張強さ
/ MPa
100 200 300 400 500 6000
10
20
加熱温度 T / ˚ C
破断伸び
/ %
T 4
T 6
O
T 4
T 6
O
破断伸び引張強さ50
150
250
350
450 25
5
15
加熱温度による引張強さと破断伸びの変化
4
rr2rr 90450 +×+
=
r 値
加熱温度 T / ˚ C
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2-
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.2
100 200 300 400 500 6000
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
O
T4 T6
加熱温度によるr値の変化-
(a) 390 ˚ C
(b) 420 ˚ C
(c) 620 ˚ C
10mm
100 200 300 400 500 6001.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
限界絞り比
2.2O T4
T6
加熱温度 T / ˚ C
加熱温度による限界絞り比の変化
結言
(1) 短時間の加熱によって溶体化を行うことができた.
(2) 短時間溶体化によって,従来粒径30μmに対し,約25μmに粗大化を抑制することができた.
(3) 加熱温度480-560ºCにおいて,引張強さおよび伸びはT4に相当し,限界絞り比はT4,T6,O材に比べて5%向上した.
通電加熱と水冷を組み合わせた通電熱処理法による短時間溶体化処理を行い,熱処理型A6061合金板に適用し,以下の結果を得た
(3) 通電熱処理
(1) 冷間圧延 (2) 溶体化 (4) プレス (5) 塗装焼付け
(a) 現行法
強度小
(6) 塗装焼付け
強度大
(5) 人工時効(4) プレス
(b) 本法
第3章 Al-Mg-Si合金板の通電熱処理と人工時効によるプレス成形性と製品強度の向上
成形メーカーアルミニウムメーカー
短時間再溶体化
(3) 予備時効
T4
50 100 150 200 250 300 350 4000
25
50
75
100
125
焼鈍材
溶体化処理材
0
25
50
75
100
125
ビッカース硬さ
/ HV
通電熱処理からの経過時間 / ks
溶体化処理材と焼鈍処理材の通電熱処理による再溶体化
通電熱処理温度
溶体化処理通電熱処理
焼鈍処理
時間
605 ks 605 ks
溶体化処理
塗装焼付け
予備時効(100 ºC, 7.2ks)
室温
溶体化処理(540 ºC, 15 ks)
塗装焼付け(175 ºC, 1.8ks)
人工時効(175 ºC, 7.2 ks)
~~
再溶体化処理 ( 540 ºC, 2 s)
T4板材
T4 板材 605 ks605 ks
605 ks
プレス成形
~~
605 ks~~~~
(b) 現行法
(a) 本法
プレス成形 (圧延模擬, ひずみ = 0-0.22)
通電熱処理によるプレス成形前再溶体化処理プロセス
引張試験 硬さ試験
0
50
100
150
200
250
300引張強さ 現行法
降伏応力と引張強さ
/ MPa
降伏応力
10 20 30 40 50
本法
通電熱処理からの経過時間 / ks
現行法
本法
通電熱処理後の降伏応力と引張強さ
50
n 値
10 20 30 400
0.05
0.10
0.15
0.20
0.25
0.30
0
10
20
30
40
50
通電熱処理からの経過時間 / ks
破断伸び
/ %
破断伸び
n 値
通電熱処理後のn値と破断伸び
現行法
本法
現行法
本法
0.05 0.10 0.15 0.20 0.250
25
50
75
100
125
150
-10
0
10
20
30
40
50
塗装焼付け硬化量
/ HV
ビッカース硬さ
/ HV
相当塑性ひずみ
硬さ 硬化量
成形体の硬さ分布と塗装焼付け硬化量
現行法
本法
現行法
本法
結言
Al-Mg-Si合金板の製品強度とプレス成形性の向上を目的として,プレス成形直前での通電熱処理と人工時効を行い,以下の知見を得た.
(1) プレス成形直前に通電熱処理による再溶体化を行うことによって板材の変形抵抗が低下し,プレス成形性が向上した.
(2) プレス成形直後に人工時効を行うと,塗装焼付け処理後の製品強度が向上した.
(3) 溶体化処理材では通電熱処理によって再溶体化が行えたが,焼鈍材では析出物が粗大化しており,溶体化が行えなかった.
第4章 通電加熱を用いたアルミニウムの金型内発泡成形
通電
電極
圧粉体
(b) 金型内通電発泡
ダイス
材料歩留まり小加工コスト大複雑形状困難
複雑形状適用
水素化チタン粉発泡剤
電気炉
アルミニウム合金溶湯
攪拌
大きな気泡 表面に気泡
(a)鋳造法
通電加熱によるアルミニウムの金型内発泡
熱電対
~ ~
銅圧盤電極圧粉体
円筒金型
断熱ディスク
~ ~
加圧
~ ~
通電
~ ~発泡
通電電圧 / V
初期圧力 / MPa
圧粉体温度 T / ℃
保持時間 th / s
5-7
10
650-700
通電加熱によるアルミニウムの金型内発泡実験条件
通電実験条件
水素化チタン量 αa/ mass %
1.0 - 3.0
金型剥離材 ボロンナイドライド
0 ‒ 30
断熱ディスク φ30,5t
SUS304
ダイス φin16, 8h, 1tSUS304
圧粉体 φ10,10h
50
φ20
熱電対
~ ~
電極 φ20,10h
7
φ22φ16
3圧粉体
(a) 円筒ダイス
(b) カップダイス
断熱ディスク
t=9sの加熱発泡成形
th=20s,αa=1.0mass%,温度制御における発泡体
円筒ダイス内径
(a) Tf = 650 ºC,ρf = 0.82, F = 80 %
(b) Tf = 660 ºC,ρf = 0.56, F = 96 %
10mm(b) Tf = 670 ºC,
ρf= 0.52, F = 94 %
充満率F / %
650 660 670 680 690 7000
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
0
20
40
60
80
100
ρf
F
相対密度ρ
f
th=20s,αa=1.0mass%における加熱温度による充満率と相対密度
加熱温度 T / ˚ C
10mm
T=675℃,th=10s,αa=1.0mass%,負荷電圧7Vにおける発泡体断面の気泡分布
A A
結言
通電加熱による複雑形状のアルミニウム発泡体の
作成を目的に金型内発泡成形を行い,以下の知見を得た.
(1) 通電加熱による混合圧粉体の金型内発泡が可能であり,発泡成形温度での保持が有効である.
(2) 発泡成形温度Tf = 660 ºC,保持時間th = 20 s,水素化チタン添加量 αa = 1.0 mass %において,発泡体相対密度ρf = 0.56,充満率F = 96%の発泡体が得られる.
(3) 複雑形状の発泡体の成形が可能である.
第5章 アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工における成形性の向上と鋳造欠陥の改善
鋳造アルミホイール 鋳造欠陥→強度低
気孔
塑性加工ローラー
マンドレル
ブランク
100µm
有効性の確認最適加工条件の検討
熱間しごきスピニング加工による成形性と鋳造欠陥の改善
NCサーボモーター
モーター
熱風発生機
マンドレル
ブランク
サーボモーターによるローラー軌道・速度制御
ローラー
熱間しごきスピニング加工試験装置
10cm
赤外放射温度計
ローラー
マンドレル
ブランク
鋼製ケース
熱風
160
140
120rpm
熱間しごきスピニング加工加熱部近傍
700℃,20min
φ11
0
35
120°
2
φ98
φ78
2017 10
45°
5
R10
ブランク マンドレル
傾斜部
平行部
R9
R5
残部0.060.000.010.570.020.050.187.36AlTiCrZnMgMnCuFeSi
ブランクの化学組成 / mass%
ブランクおよびマンドレル形状
角部
350 - 400加工温度 Ts/ ℃
0-55しごき率R / %
0.1-0.5-1.0ローラー送り速度V/ mm·rev-1
2, 3, 4ローラー先端
丸み半径ρR / mm
ローラー先端丸み半径
ρR
ローラー
φ85
熱間しごきスピニング加工条件
100t
ttR
0
0 ×=t0
t
ローラー
マンドレル
ブランク
しごき率R:
-
熱風装置側
赤外線温度計400℃
0
ブランクの温度分布
℃500
400
300
200
100
0
測定原点からの距離 / mm
温度/ ℃
400℃に加熱されたブランクの温度分布
5 10 15 20 250
50
100
150
200
250
300
350
400
450
(c) Ts=400℃(b) Ts=350℃
破断
(a)成形前
加工温度上昇による加工性向上ρR =2mm, R=40%
50 100 150 200 250 300 350 400 450 5000
255075
100125
150175
200
5
10
15
20
25
30
引張試験温度 / ºC
引張強さ
/ MPa
破断伸び
/ %
引張強さ,破断伸びの試験温度との関係
0
(a) ブランク外観
(b) R=0%
(c) R=40%
割れ
熱間しごきスピニングによる鋳物の表面改善
しごき加工による板厚中央の鋳造欠陥改善
鋳造欠陥
(b) R=16% P=0%
(c) R=27% P=0% (d) R=55% P=0%
100µm
(a) 鋳造材, P=0.2% (b) R=16%, P=0%
(c) R=27%, P=0% (d) R=55%, P=0%
しごき加工による結晶粒の微細化
結晶粒の長さd / mm
300
a
b
d
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 600
50
100
150
200
250結晶粒径: d = a×b
しごき率 R / %
鋳造材
時間 / h
鋳造材AC4CH
しごきスピニング
均質化
溶体化
人工時効
540
400
175
9 16.5 25
引張試験
0.5
ホイールの製造工程を模擬した加熱履歴
10
板厚 1 mm
5
3R1 1
1
マンドレル
温度 / ℃
10mm
各しごき率における成形体の引張強さと破断伸び
10 20 30 400
50
100
150
200
250
300
350
400引張強さ/ MPa
しごき率R / %
破断伸び
引張強さ
0
5
10
15
破断伸び/ %
20
鋳造材 T6
結言
アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工を行い.成形性,鋳造欠陥および組織の改善について,しごき率,成形温度の影響を検討し以下の知見を得た.
(1) 成形温度を400 ºC以上にすることによって,割れ発生が抑制され,しごきスピニング加工が可能になった.
(2) しごきスピニング加工を行うことによって,鋳造欠陥および鋳造組織を改善できた.
(3) しごき率R=20%以上で結晶粒径が50%微細化する.
(4) しごき率R=30%以上で引張強さが15%,破断伸びは約2倍に向上している.
マンドレル
ローラー
ブランク
θz
送り方向
自転方向
r
表面クラック
100μm
a
外観不良のため完全に切削加工条件によって切削代変動 表面割れの発生度合いの予測と低減
公転方向
第6章アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工における表面割れの予測と低減
R=40%における表面クラック発生分布
角部の表面の位置l / mm
発生頻度
-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 50
20
40
60
クラック長さa / µm
0
3
6
9
12
l=-5
5
角部中心部
しごき率R / %
クラック長さa / µm
R=40% ,l = - 0.5 ㎜におけるしごき率によるクラック長さ
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 600
25
50
75
100
125
150
(a) 軸方向断面材料流れ (b) 円周方向 (l = - 0.5 ㎜)
R=40%における材料流れ
1.0mm
0.1mm
α
Direction of feeding
Roller side
Mandrel side
α
送り方向
ローラー側
マンドレル側1.0mm
0.1mm
4板厚分割数
50+0.01ε変形抵抗 / MPa(AC4CH, 400℃)
剛体ローラー,マンドレル
126円周方向分割数
LS – DYNAVer. 970ソフトウェア
ソリッド
6面体要素ブランク
0.5送り速度 v / mm·rev-1
0.1摩擦係数
3次元有限要素法シミュレーション条件
マンドレル
ローラー
ブランク
公転方向
θz
送り方向
自転方向
r
℃500
400
300
200
100
0
0s 1s 2s 3s
加工発熱による温度上昇
計測点
設定温度に対する計測点の温度上昇は約10℃程度
熱間しごきスピニング加工の変形挙動
ローラー
マンドレル
ブランク
加工時間7-8秒角部の相当ひずみ
3.0
2.7
2.4
2.1
1.8
1.5
1.2
0.9
0.6
0.3
0.0
マンドレルブランク
R=40%,ρ=2㎜におけるブランク断面の相当ひずみ分布の計算結果
ローラー
マンドレル
ブランク
1.0 2.0 2.7
ε = 0-
角部表層でのひずみの集中とクラック発生
100µm
ρ=2mmにおける角部相当ひずみとクラック長さの関係
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 600
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
0
25
50
75
100
125
150
クラック長さ
/m
m
相当ひずみ
しごき率R / %
相当ひずみ計算結果
クラック長さ実験結果
しごきスピニング加工におけるブランク表面の応力分布
27
27
4545 45
-9-27
-9-9
-99
9
9276345
82
(a) 静水圧応力 / MPa
2727
(b) ミーゼス相当応力 / MPa
(c) 円周方向
-63.6-45.5
-9-9-27.3
9
9 27.3
45.5
-63.6
9
9
(b) マンドレル軸方向
-9
9 -9-27.3
-45.5-63.6
27.3
45.5
27.3
27.3
99
-81.8
-27.3
-81.8
-45.5-27.3
-9
9
(a) 半径方向
各方向でのブランク表面の応力分布
R=40%におけるブランク断面内ひずみ速度変化
12.5 s12.0 s
3
69
0 12
3
963
1215
182124 0
13.0 s
6
963
1215
角部で相当ひずみ速度増大
角部近傍の送り速度の低下によるクラック長さの低減
0.25 0.50 0.75 1.000
25
50
75
100
125
150
175
2000.5 mm·rev-1
0.3 mm·rev-1
角部減速
0.5 mm·rev-1
0.3 mm·rev-1
クラック長さ
a / µ
m
送り速度 / ㎜・rev-1
先端丸み半径増加による角部付近クラックの低減R=40%,ρ=4㎜における相当ひずみ分布の計算結果
R=40%,ρ=2,4㎜における角部の相当ひずみの計算結果
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 600
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
ρ=4mm
相当ひずみ
しごき率R / %
ρ=2mm
ローラー先端丸み半径増加によるクラック長さ
1 2 3 4 5
25
50
75
100
125
0
150
ローラー先端丸み半径 ρ / mm
クラック長さa / µm
175
200
結言
アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工を行い.成形体の表面割れの改善について,しごき率,ローラー先端丸み半径,ローラー送り速度の影響を検討し,以下の知見を得た.
(1) しごき加工によって,ローラーと接触する面がせん断変形を受け表面割れが発生する.
(2) 3次元有限要素シミュレーションによって計算された相当ひずみとクラック長さの関係はよく対応しており,シミュレーションによってクラックが大きく発生する場所をある程度予測することが可能である.
(3) ローラー送り速度を低下,ローラー先端丸み半径を増大することによって,成形体の表面割れ発生を抑制でき,角部のみ送り速度を低下させた場合でも同様に割れの発生を抑制できる.
論文リスト
J. Materials Processing Tech.,177 (2006), 444–447.
Thermo-mechanical treatment using resistance heating for production of fine grained heat-treatable aluminum alloy sheets
Seijiro Maki, Minoru Ishiguro,
Ken-Ichiro Mori, andHiroyasu Makino
3
Advanced Technology of Plasticity
(2005), CD-ROM.Grain refinement of heat treatable aluminum
alloy sheets by resistance heat treatmentM. Ishiguro, S. Maki,
and K. Mori2
塑性と加工, 2月号掲載決定,(2007).アルミニウム合金鋳物の熱間しごきスピニング加工
における成形性と表面欠陥
石黒農,磯村勇太, 森謙一郎, 野中孝之, 杉山大吾, 海老原治
6
Int. J. Mach. Tools Manufact.,46 (2006) 1966–1971.
Improvement of product strength and formability in stamping of Al–Mg–Si alloy
sheets having bake hardenabilityby resistance heat and artificial aging
treatments
K. Mori, S. Maki, and M. Ishiguro
5
軽金属
56-6 (2006), 313-316通電熱処理と人工時効によるAl-Mg-Si合金板の
プレス成形性と製品強度の向上
石黒農,牧清二郎, 森謙一郎
4
学会,雑誌タイトル著者No.軽金属,
55-3 (2004),562-566.
通電熱処理によるAl-Mg-Si系合金板の機械的特性の向上
石黒農,牧清二郎, 森謙一郎1
鶴岡工業高等専門学校機械工学科 入学鶴岡工業高等専門学校機械工学科 卒業豊橋技術科学大学工学部生産システム工学課程3年次編入学豊橋技術科学大学工学部生産システム工学課程卒業豊橋技術科学大学大学院工学研究科修士課程
生産システム工学専攻 入学豊橋技術科学大学大学院工学研究科修士課程
生産システム工学専攻 修了豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程
機械・構造システム工学専攻 進学豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程
機械・構造システム工学専攻 修了見込
平成 7年4月平成12年3月平成12年4月平成14年3月平成14年4月
平成16年3月
平成16年4月
平成19年3月
履 歴年 月
富山工業高等専門学校機械工学科 助教 内定平成19年4月
職 歴年 月
平成15年度 日本塑性加工学生奨励賞
日本塑性加工学会 優秀論文講演奨励賞
平成16年2月
平成19年2月
受 賞年 月
略歴