第87号 発行日:平成30年12月19日 発行者:医学研究科広報委員会 印 刷:やまと印刷株式会社 題字 前弘前大学長 遠藤正彦氏筆 1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53 の活性化変異が原因で起こ る「新たな先天性骨髄不全症」を発見/医学研究科長・医学 部長寄稿、教授就任の挨拶 3面:教授就任の挨拶/教育に 関して優れた業績を上げた教員を受賞して/Poster Award を受賞して 4面:Young Investigator Award を受賞して /最優秀演題賞を受賞して/ドイツ脈管学会の名誉会員に推 戴されて 5面:日本胸部外科学会研究助成を受賞して/ポ スター賞第二席を受賞して/優秀演題 6面:展示Gold Medal受賞報告/優秀演題賞を受賞して/櫻井記念医学研究 賞授賞式/中学生と医師との交流プログラム 7面:弘前大 学医学部医学科スクーリングを開催して/秋季学位記授与式 /解剖体慰霊祭/実験動物慰霊式 8面:医学研究科学内公 開講座「心と体の緩和ケア」開催報告/医学展2018を終え て/青森あずまし温泉紀行 9面:学生だより 解剖学実習 を終えて 10~11 面:留学だより ハワイ大学/東日本医 科学生体育大会夏季競技を終えて 12 面:留学だより 三 沢空軍病院/名城大女子駅伝部 初の2連覇 13 面:若手教 員・医師だより 14 面:部活動紹介 バドミントン部・ソ フトテニス部・漢方医学研究会/写真コラム 衛生昆虫研究 室 15 面:研究室紹介 小児科学講座・分子生体防御学講 座 16 面:書籍発刊 日常診療のエッセンス下肢/人事異動 2.0 調西小宮山先生 渡辺氏 サントリー 西本氏 クラシエ 岩倉氏 中路先生 浜内氏 松尾文部科学省 科学技術・学術政策局長 JST 白木澤理事 佐藤学長 参画機関ポスターセッションの様子 会場の様子

ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

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Page 1: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

第87号発行日:平成30年12月19日

発行者:医学研究科広報委員会

印 刷:やまと印刷株式会社題字 前弘前大学長 遠藤正彦氏筆

1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム2018 2面:癌抑制遺伝子TP53 の活性化変異が原因で起こる「新たな先天性骨髄不全症」を発見/医学研究科長・医学部長寄稿、教授就任の挨拶 3面:教授就任の挨拶/教育に関して優れた業績を上げた教員を受賞して/Poster Awardを受賞して 4面:Young Investigator Awardを受賞して/最優秀演題賞を受賞して/ドイツ脈管学会の名誉会員に推戴されて 5面:日本胸部外科学会研究助成を受賞して/ポスター賞第二席を受賞して/優秀演題 6面:展示Gold Medal受賞報告/優秀演題賞を受賞して/櫻井記念医学研究賞授賞式/中学生と医師との交流プログラム 7面:弘前大学医学部医学科スクーリングを開催して/秋季学位記授与式/解剖体慰霊祭/実験動物慰霊式 8面:医学研究科学内公開講座「心と体の緩和ケア」開催報告/医学展2018を終えて/青森あずまし温泉紀行 9面:学生だより 解剖学実習を終えて 10~11面:留学だより ハワイ大学/東日本医科学生体育大会夏季競技を終えて 12面:留学だより 三沢空軍病院/名城大女子駅伝部 初の2連覇 13面:若手教員・医師だより 14面:部活動紹介 バドミントン部・ソフトテニス部・漢方医学研究会/写真コラム 衛生昆虫研究室 15面:研究室紹介 小児科学講座・分子生体防御学講座 16面:書籍発刊 日常診療のエッセンス下肢/人事異動

 

弘前大学と青森県、弘前

市は、科学技術振興機構(J

ST)共催のもと、平成三

十年九月十四日㈮、「弘前

大学COI 

ヘルシーエイ

ジング・イノベーション

フォーラム2018」を一

橋講堂(東京都千代田区)

で開催しました。

 

まずは本フォーラムにご

協力いただいた学内外の先

生方や参画機関、そしてス

タッフとして運営にご協力

いただいた皆様にお礼を申

し上げます。おかげ様で、

東京での開催も四回目とな

り、当日は雨天にも関わら

ず北は北海道、南は沖縄県

から多くの大学や研究機

関、企業、一般の方々、メ

ディア関係者など約七百名

のお客様を迎え、今回も大

盛況となりました。過去三

回に比しても充実したプロ

グラム内容で、ご来場の皆

様からもあたたかいお言葉

を頂戴しました。あらため

て感謝申し上げます。

 

フォーラムでは、市民を

巻き込んだ真のオープンイ

ノベーション2.0の追求、S

DGsへの貢献を目的とし

た弘前大学COIの取組に

ついて、最先端の研究成果

等を紹介したほか、社会実

装の進捗状況など、産学官

民各界の第一線で活躍して

いる関係者が参集し、熱心

な議論が展開され、またご

来賓より激励のお言葉を頂

戴しました。

 

開会にあたり、弘前大学

長 

佐藤敬先生、青森県副

知事 

佐々木郁夫氏、弘前

市長 

櫻田宏氏が挨拶しま

した。共催者として、(国

研)科学技術振興機構(J

ST)理事 

白木澤佳子氏、

来賓を代表して、文部科学

省 

科学技術・学術政策局

長 

松尾泰樹氏、COI 

TREAMビジョン1ビ

ジョナリーリーダー(元協

和発酵キリン㈱社長)

松田

譲氏よりご挨拶を頂戴しま

した。

 

基調講演では、弘前

大学COI拠点長・研

究統括(RL)・弘前

大学大学院医学研究科

特任教授 

中路重之先

生が「弘前から世界人

類の健康づくりへ」と

題し、最新の研究や取

り組みについて発表し

ました。

 

特別講演では三人の

演者が登壇し、クラシ

エホールディングス㈱

代表取締役社長執行役

員の岩倉昌弘氏が「冷

え改善でQOLを向上

する」、サントリー食品イ

ンターナショナル㈱常務執

行役員の西本正三氏が「『水

と健康』を科学する」、料

理研究家の浜内千波先生が

「次世代への健康意識の伝

え方を考える」と題して、

それぞれ熱のこもったご講

演をいただきました。

 「健康ビッグデータ解析

研究最前線」では、京都大

学 

奥野恭史先生、東京大

学 

井元清哉先生、名古屋

大学 

中杤昌弘先生が研究

の進捗等について詳細な発

表、続いての「データ連携

最前線」では、京都府立医

科大学 

的場聖明先生、和

歌山県立医科大学 

竹下達

也先生、名桜大学 

砂川昌

範先生が、研究の最先端に

ついて紹介しました。

ヘルシーエイジング・

  

イノベーションフォーラム2018

弘前大学COI

弘前大学 

COI研究推進機構 

教授・COI副拠点長(戦略統括) 

村 

下 

公 

一小宮山先生渡辺氏

サントリー 西本氏クラシエ 岩倉氏中路先生

浜内氏

松尾文部科学省科学技術・学術政策局長JST 白木澤理事佐藤学長

 

また発表の中間には、ご

来賓でJST未来社会創造

事業 

事業統括、トヨタ自

動車㈱元副会長、COI

STREAMガバニング委

員会委員の渡辺捷昭氏より

ご挨拶ならびにご助言を頂

戴しました。

 

参画企業による社会実装

リレーでは、花王㈱安川

氏、ライオン㈱河上氏、㈱

ローソン残間氏、イオン㈱

家坂氏など、合計十五社か

ら登壇、それぞれの社会実

装の状況についてプレゼン

テーションが行われまし

た。

 

閉会前には㈱三菱総合研

究所理事長およびプラチナ

構想ネットワーク会長で、

東京大学第二十八代総長を

務められた小宮山宏先生か

らも激励のお言葉を頂戴し

ました。

 

閉会にあたり、弘前大学

副学長(COI担当)医学

研究科長の若林孝一先生が

挨拶し、大盛況のうちに幕

を閉じました。

 

弘前大学COIは今後

も、参画機関、ご関係の皆

様、学内外の先生方のご指

導・ご協力を賜りながら、

本事業のさらなる推進、真

の健康オープンイノベー

ションの実現、SDGsへ

の貢献を目指し、躍進して

まいります。引き続きご指

導の程どうぞよろしくお願

い申し上げます。

参画機関ポスターセッションの様子

会場の様子

Page 2: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日 

今回我々は、京都大

学医学部腫瘍生物学講

座の吉田健一助教、小

川誠司教授らとの共同

研究により、新たな先

天性骨髄不全症を発見

しました。

 

先天性骨髄不全症

は、造血幹細胞が先天

的に障害される疾患の

総称です。その中で赤

血球の産生だけが障害

されるダイアモンド・

ブラックファン貧血

(DBA)は最も頻度

の高い先天性造血不全

症です。我々は十年ほどか

けて本症の原因遺伝子の検

索を進めてきました。今回

は、臨床的にDBAと診断

された患者さんの中に、癌

抑制遺伝子T

P53

の活性化

変異が原因で起こる先天性

骨髄不全症を発見しまし

た。本研究成果は、米国学

誌「T

he Am

erican Journal of H

uman Genetics

(103

(3

) : 440-447

(2018

))

に掲載されました。

【研究の背景】

 

DBAは、貧血の他に奇

形が約四〇%で認められる

ことや、癌や白血病を発症

しやすくなるといった特徴

があり、原因遺伝子のほと

んどがリボソームタンパク

質であることから、リボ

ソーム病という新しい概念

の疾患であることが分かっ

てきました。我々は、百八

十例のDBA症例の原因遺

伝子を検索し、新しい原因

子 RPL27, R

PS27,

RPS15A

を発見してき

ました。しかし、日本で

はまだ四〇%ほどの症例

において原因遺伝子が分

かっていません。一方

で、DBAの病態には

TP53

が重要な役割を果

たしている可能性が以前

から指摘されてきまし

た。しかし、T

P53

がど

のような役割を果たして

いるのか、詳細なところ

は明らかになっておらず

仮説として論じられて来

ました。

【研究成果の概要】

 

今回我々が調べた症例の

中に、典型的なDBAとは

少し異なる二名の患者さん

が含まれていました。二人

の患者さんは、貧血に加

え、低ガンマグロブリン血

症、小頭症、高度の成長障

害などの特徴がみられまし

た。本研究では、両症例で

TP53

に変異があることを

みつけ、DBAに類似した

新しい先天性骨髄不全症が

引き起こされることを明ら

かにしました。みつかった

変異は、T

P53

で初めて見

つかった活性型変異で(図

1)、これまで癌などで報

告されてきたものとは性質

の異なるものでした。本研

究ではゼブラフィッシュ・

図1. 正常 TP53遺伝⼦産物 p53因⼦(上)と変異p53因⼦(下)の⽐較

図1.正常TP53遺伝子産物p53因子(上)と   変異p53因子(下)の比較

tp53変異      あり         なし      

受精後 48時間

図2. ゼブラフィッシュ・疾患モデル図2.ゼブラフィッシュ・疾患モデル

医学部入試の現状と課題

医 学 研 究 科 長医 学 部 長 寄 稿

医学研究科長 

若 

林 

孝 

 

最近、日本のいくつかの

医学部で入試において公平

性を欠く事案のあったこと

が問題になっています。弘

前大学医学部では過去にも

現在も入試制度に大きな問

題があるわけではありませ

んが、少子化が進む中、優

秀な学生の確保は大学に

とって大きな命題となって

います。今回は医学科の入

試制度について考えてみた

いと思います。

 

現在、医学科の入学定員

(一年次)は一一二名であ

り、二年次から全国最大規

模の学士編入学生二〇名が

加わりますので計一三二名

となります。入試形態とし

ては学士編入学に加え、A

O入試と一般入試がありま

す。AO入試(定員四七名)

は東北六県と北海道の高校

の卒業生(現役または一

浪)を対象としており、卒

業後は本学医学部またはそ

の関連施設で一二年以上勤

務することを確約できる者

としています。AO入試四

七名のうち三〇名は青森県

内出身者を選抜していま

す。一般入試(定員六五名)

のうち一五名は青森県定着

枠であり、全国どこの出身

であっても受験できます

が、AO入試と同様に卒業

後は本学医学部またはその

関連施設で一二年以上勤務

することを確約できる者と

しています。さらに、学士

編入学二〇名のうち最大五

名は県内枠(青森県内の高

校または大学の卒業生)と

しています。

 

AO入試は平成二一年度

入試から導入しましたので

今年で一一年目となりま

す。AO入試による入学者

はすべて地域定着枠です

が、地域定着枠の使命は地

域医療だけではありませ

ん。山に例えれば、裾野で

ある地域医療と頂に相当す

る研究や先端医療を同じ人

間が経験し成長してゆく。

それが弘前大学医学部が目

指す循環型医師育成です。

さらに言えば、地域医療に

も国際化を含めた「外に開

かれた眼」が必要であると

思います。初期研修の終了

後も専門医の取得と大学院

進学(学位)の両方をしっ

かりとやることが求められ

ています。つまり、地域定

着枠の理念は高度医療人の

育成です。

 

現在、学部の入試だけで

もAO、一般、学士編入学

があり、その評価は面接や

模擬講義、ワークショッ

プ、ケーススタディなど多

面的な評価が行われていま

す。医学教育センターのI

R部門長である佐々木教授

の分析では医学部卒業時の

成績と最もよく相関するの

は一年次の成績であること

が明らかになりました。こ

 

平成三十年十月一日付で

輸血・再生医学講座教授を

拝命いたしました。皆様の

ご支援に心から御礼申し上

げます。就任にあたり自己

紹介を兼ねてご挨拶申し上

げます。

 

父方の先祖は二戸(南部

藩)、母は稲垣(津軽藩)

出身であり、八甲田を境に

青森県を二分する南部と津

軽の両親のもと、三人姉弟

の次女として八戸市で生ま

れ育ちました。軟式テニス

に明け暮れた中学・高校時

代を経て、弘前大学医学部

に入学後は心を入れ替えて

真面目に学業に励みました

ので、中学・高校の知り合

いと大学の知り合いが思い

描く私の印象は大きく異な

るかもしれません。大好き

な友人に誘ってもらって途

中入部した茶道部では、飛

内宗邦先生「弘前のお母さ

ん」の温かさに部員一同で

甘えっぱなしでした(先

生、ご無沙汰ばかりで申し

訳ありません!)。親戚縁

者は誰も医業に携わってい

なかったので、「医者」=

「一

般内科」のイメージのま

ま、卒業後は吉田豊先生の

第一内科に入局し、棟方昭

博先生、福田眞作先生と継

承される現在の消化器血液

内科学講座で長きにわたり

温かくご指導を賜っており

ます。また、第一内科に入

局後、生涯の師と仰ぐ高見

秀樹先生に出会えたこと

は、くじ運の良くない人生

の中にあって大きな幸運と

感謝しております。

 

入局後は、血液グループ

で血小板機能(特に一次止

血血栓)領域について研究

致しました。研究に興味を

持てずにいた私に、「臨床

に直結する研究の面白さ」

を教えていただきました。

現在も先進の基礎研究から

癌抑制遺伝子TP53

の活性化変異が原因で

起こる「新たな先天性骨髄不全症」を発見

小児科学講座 

講師 

土 

岐   

教授 

伊 

藤 

悦 

P

図3. ヒトiPS細胞疾患モデル図3.ヒト iPS細胞疾患モデル

のような解析を学部入試に

おいても行い、どのような

評価法が有効かつ合理的な

方法であるかの検証が必要

です。

 

学士編入学は平成一五年

度入学が第一期生ですの

で、導入から一五年以上が

経過しました。この制度は

他学部を卒業あるいは社会

人を経験した学生が医学部

に入学することで多様性が

生まれることを期待して導

入されたと理解していま

す。ただ、全国的に学士編

入学を目指す母集団が減っ

たせいか、学士編入学の定

員を減らし、AO入試また

は一般入試に振替えること

が議論されることがありま

す。しかし、編入学の定員

は入学定員に含まれないた

め、学士編入学の定員を減

らすことはできても、それ

をAO入試または一般入試

に振替えることはできませ

ん。したがって、学士編入

学に関しては入試のあり方

を含めて、今後の議論が必

要であると思います。

輸血・再生医学講座 

教授 

玉 

井 

佳 

教授就任に際してのご挨拶

は遠く離れていますが、臨

床で「?」と思ったことか

ら伸展させる臨床研究を継

続しております。臨床で

は、第一内科の「generalist

& specialist

」「恕のこころ」

の重要性を、先達自らの背

中で見せていただきまし

た。多くの同門(月水会)

の先生方からは、医療に関

するご指導のみならず、温

かい励ましのお言葉や叱咤

激励も頂戴いたしました。

第一内科では先輩も後輩

も、実に沢山の女性医師が

活躍しており、血液内科で

は主に河村節子先生に、輸

血医療では木村あさの先生

に導いていただいておりま

す。自分が、後輩たちにそ

の姿勢を十分に示せていな

いことは反省しております。

 

浅学菲才の身ではござい

ますが、初心を忘るること

なく医学科と附属病院の発

展のために努力してまいり

ます。今後とも変わらずご

指導ご鞭撻を賜りますよ

う、宜しくお願い申し上げ

ます。

モデル(図2)やヒトiP

S細胞モデル

(図3)を作

成し、この変異により赤血

球造血が障害されることを

示しました。

【今後の展開】

 

本研究はT

P53

の活性型

変異が骨髄不全症を引き起

こすことを証明しました。

今後、先天性骨髄不全症の

新規治療法や癌の予防法の

開発に結びつく可能性があ

ります。

Page 3: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号 平成 30 年 12 月 19 日 

二〇一八年八月より、岐

阜大学大学院医学研究科病

態制御学講座泌尿器科学分

野・腎移植外科を担当する

こととなりました。お世話

になった先生方に御礼申し

上げますとともに、ご挨拶

の機会をいただきましたこ

とを感謝申し上げます。

 

私が弘前大学に入学した

のは昭和六十三年で、翌年

昭和天皇が崩御され平成が

始まった年であります。岩

木山嶽温泉での新入生歓迎

会の際に、バレー部に入る

といった同級生がたまたま

近くにいて、じゃあ自分も

やってみようかという感じ

で始めたバレーボールでし

たが、おかげでとても充実

した六年間を過ごすことが

できました。その間北奥羽

二部で全学のバレーボール

部と公式試合をすることが

でき、また北医体優勝三

回、東医体ベスト8を二回

経験し、全医体にも参加す

ることができました。部の

先輩・後輩と朝まで酒を酌

み交わしながら、バレーの

話を熱く語っていたことが

一番の思い出です。素晴ら

しい先輩・後輩に囲まれ

た、とても幸せな学生生活

でした。

 

卒業後の進路については

色々と思い悩みましたが、

泌尿器科学教室にお世話に

なることとしました。大学

院は、衛生学(現、社会医

学講座)にお世話になりま

した。菅原和夫教授、中路

重之助教授のご指導の下、

好中球の活性酸素種産生能

に関する研究を行い、学位

を取得させていただきまし

た。この間、別府・大分マ

ラソン大会や、日大相撲

部、講道館などに足を運

び、検体を採取していたこ

とが懐かしく思い出されま

す。今思うと、この経験の

おかげで血管確保の技術が

向上したように思います

(相撲部の選手たちは血管

が見えないので‥)。

 

泌尿器科に戻ってから

は、主に筋層浸潤膀胱癌や

前立腺癌などの、骨盤臓器

に関する仕事をさせていた

だきました。特に、鈴木名

誉教授が考案した新膀胱

(現在、弘前膀胱として認

知されている術式ですが)

の仕事に携われたことは、

私の医師人生の中の大きな

ターニングポイントの一つ

でした。この手術は、術後

自分で排尿可能となる術式

で、舟生名誉教授の時代か

ら取り組んできた弘前大学

泌尿器科の重要テーマの一

つでした。大山教授ご指導

の下、その排尿機能に関す

る研究で二〇〇九年に日本

泌尿器科学会総会賞を受賞

させていただくことができ

ました。さらに、二〇一一

年より弘前大学でも開始し

たロボット手術に本術式を

導入し、二〇一四年にも再

岐阜大学大学院医学研究科病態制御学講座          

泌尿器科学分野・腎移植外科 

教授 

古 

家 

琢 

教授就任に際してのご挨拶

度日本泌尿器科学会総会賞

を受賞することができまし

た。二〇一八年には、大山

教授のご尽力によりロボッ

トによる膀胱全摘除術が保

険収載となり、手術を行う

施設も徐々に増加してきま

した。しかし、多くの施設

でロボットによる新膀胱造

設術を行えるようにするた

めには、越えるべきハード

ルがいくつもあります。術

式の標準化に向けて、岐阜

大学でもこの仕事を継続し

ていきたいと考えていま

す。

 

末筆となりましたが、弘

前大学の益々のご発展を心

よりお祈り申し上げるとと

もに、弘前大学の名に恥じ

ぬよう、岐阜の地で誠心誠

意尽力していく所存です。

今後ともご指導・ご鞭撻の

ほど、何卒よろしくお願い

いたします。

 

尊敬とか本物という言葉

は生涯を通して出会った人

に取っておくものだと思

う。私にとっては三つの分

野でそれを知る事ができ

た。弓道の師稲垣源四郎先

生は日置当流免許皆伝、そ

の射術は傘寿を超えてなお

九割の的中を維持し人格高

潔、武道を極めながら考え

は合理的で、監督を務める

早大道場を訪れた時試合を

前にした学生達に「足を崩

しなさい。足の痛いのを我

慢しながらでは人の話は聞

けませんから」との言葉は

今なお耳に響く。登山は近

藤邦彦氏。世界的記録を持

ちながらメディア嫌いで一

般には無名、身体の一部を

失ってまで記録を求めるも

のではなく「登山は遊び」

と徹底した哲学を持つ。病

理の分野は複数居るがその

一人は平野朝雄先生であ

る。学問の卓越は言うに及

ばず、謦咳に接した人は悉

くその優しさに心底惹き込

まれてしまう。本物は山の

頂上に至る道を示してくれ

る。良き師に出会わなけれ

ば実は行き止まりの道であ

りながらそうと知らずに山

の裾野で彷徨いつつ偽ピー

クを頂上と錯覚したまま生

涯を終わる、そのような愚

には陥りたく

ない。道元も

言う、師の正

邪によりて悟

りの偽と真と

あり、と。

 

本物は必ず

謙虚である。

本物はその道

以外の世俗、

徒党に興味を

示さない。ス

ポーツでも学問でも、最初

は純粋な動機から発した集

団は必ず幹部の地位権力の

保全のための集団に化して

くるものである。

 

いずれの道も未だ一合目

に達しないが、おかげでそ

の本質的面白さを識ること

ができた。病理学では今ま

で、がん細胞の遺伝子異

常、培養細胞での細胞周期

の制御、DNA傷害を研究

し、臨床面では病理診断の

臨床医療への貢献に努めて

来たが、「細胞増殖とその

異常」「脳腫瘍の臨床病理」

「病理診断学総論」と、自

分が紆余曲折を経ながらも

取り組んで来たテーマを学

生教育で担当できるのは有

難い。何によらず教育とは

井の中の蛙に広い世界の存

在を教えることである。何

か少しでも田舎(地理的田

舎をいうのではない)の学

生に大海を知りそこに羽ば

たく役にでも立てばと思う

のである。

 

この度は、教育に関して

優れた業績を上げた教員と

して表彰をいただき大変嬉

しく、光栄に思っておりま

す。まずは、私の講義に対

し、関心を持って聞いてく

ださった学生さん方に感謝

したいと思います。

 

私の担当は、主に腎炎・

ネフローゼで

す。国家試験

への出題も多

く、皆さんが

必ず一度学習

する領域であ

ります。これ

らの病気は、

それぞれ非常

にユニーク

で、実際の診

断治療におい

ては日々ワクワクしながら

生検前の予想と、実際の結

果を照合したり、薬への反

応などを見ていきますが、

概念の理解が不十分である

と、ただただ苦痛な暗記の

連続になってしまいます。

私は、本を読めば三十分で

済むところを九十分かけて

授業する意味って何だろ

う。と率直に思っていま

す。ただ、臨床実習の学生

さん方と話していると、選

択式試験の弊害なのかキー

ワードの海でおぼれている

な、という印象を持ちます

ので、できるだけ、ストー

リーを捉えてもらえるよう

にしています。また、「腎

臓病は難しいな。」ではな

く、「それぞれこんなに違

うんだな、自分も診断でき

るかも。」と思ってもらえ

るように努めています。

 

腎臓は、日常の保険診療

で電子顕微鏡検査を施行で

きる数少ない臓器の一つで

あります。私は、電顕像を

十分理解できるようになる

のに何年もかかりました

が、その後、腎臓病に対し

て飛躍的に理解が深くなっ

たという思いがあり、電顕

の世界もできるだけご紹介

するようにしています。そ

れでも、知識のオンパレー

ドで九十分間は大変ではな

いかと思いますので、少し

ばかりのすきまに、日常診

療で私たちがどのように患

者さんと向き合っているの

か、ご紹介するようにして

います。実際の臨床では、

特別な腎疾患のない、加齢

や高血圧、糖尿病などを基

礎とした腎機能障害が大変

多く、そのような患者さん

にも、いかに目をそらさ

ず、適正な危機感を持って

もらい、絶望ではなく希望

をもって前向きに治療に向

き合ってもらえるようにサ

ポートしていくか、そうい

うお話をもお伝えしていま

す。未来ある若い皆さん

が、私の話を九十分聞いて

くださることは、とても大

きなチャンスであると思っ

ています。ひとりでも多く

の患者さんによりよい腎臓

病診療が届くように、そし

て、全国に羽ばたいていく

皆さんも含め一人でも多く

の方に腎臓内科を目指して

もらえるように、今後とも

一層頑張っていきたいと思

います。

 

最後に、この賞にご推薦

いただきましたことに、こ

の場を借りて改めて御礼申

し上げます。また、教授を

はじめ当科の皆様、特に腎

グループの皆様の支えと励

ましに心から感謝いたしま

す。

教育に関して優れた業績を上げた

教員を受賞して

平成30年度

病理診断学講座 

教授 

黒 

瀬   

附属病院 

循環器内科,腎臓内科    

講師 

島 

田 

美智子

Poster Award

を受賞して

American-Sino Joint Meeting of Reproductive Immunology

女性の健康推進医学講座 

助手 

當 

麻 

絢 

 

六月二十八日から七月一

日に開催されたA

merican-

Sino Joint Meeting of

Reproductive Imm

unology

でPoster Aw

ard

を受賞い

たしましたのでご報告いた

します。

 

Am

erican-Sino Joint M

eeting of Reproductive

Imm

unology

はアメリカ生

殖免疫学会と中国生殖免疫

学会が合同で開催した学術

講演会です。上海での開催

ということもあり、中国か

らの参加者が多い印象でし

たが、そのほかアメリカ以

外にも日本、ヨーロッパ、

アフリカ、インドなど、世

界各国から様々な演題が発

表されていました。

 

今回私はA

bility of cyto-kines production by uterine N

K cell stim

ulated by

(次ページへ続く)

Page 4: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日

法を使って検査し、検査結

果の一致率と診断精度を比

較検討する研究に関するも

のでした。感染のカットオ

フ値を10 U

/mL

とした場

合は、いずれの検査も高い

一致率を示しますが、測定

下限の3.0 U

/mL

から9.9

U/m

L

に関しては感染・非

感染が混在することが知ら

れています。今回の研究で

は、少なくとも一つの検査

で3.0-9.9 U/m

L

の中間値を

示した検体を、便中 H.

pylori

抗原測定法を用いて

追加で感染診断を行いまし

た。3.0-9.9 U

/mL

の中間値

をとった群で、便中抗原検

査での陽性率に差はありま

せんでしたが、E-plate

で3.0 U

/mL

未満かつLZ test

3.0-9.9 U/m

L

を示した六十

九症例では全例で便中抗原

検査陰性となりました。

 

LZ test

は簡便な検査で

はありますが、中間値を示

した場合には偽陽性率が高

く、信頼性はE-plate

の方

が高いという結果となりま

した。

 

本研究は、岩木健康増進

プロジェクトの一環として

行われた大規模研究です。

この研究結果は、岩木地区

のみならず青森県のH

. pylori

感染診断、ひいては

胃癌予防に大きな意義を有

していると考えられます。

 

最後に、ご指導いただい

た下山克先生、福田眞作教

授をはじめとした消化器血

液内科学講座の先生方、中

路重之特任教授をはじめと

した社会医学講座の皆様に

厚く御礼申し上げます。

 

二〇一八年六月二十九日

〜七月一日に大分県大分市

で開催された第二十四回日

本ヘリコバクター学会学術

集会と同時開催された、第

十五回韓日合同H

. pylori

ジョイント・シンポジウム

でYoung Investigator

Aw

ard

を受賞したので報

告させていただきます。

 

日本ヘリコバクター学会

はその前身である日本消化

器H. pylori

研究会の時代

から日本のH

. pylori

研究・

治療をリードしてきた学会

で、学術集会には内科・外

科を問わずに国内外の研究

者が集まります。

 

Young Investigator

Aw

ard

は、日本と韓国で

一年ごとに交互に開催され

ている日韓ジョイント・シ

ンポジウムで若手研究者か

ら選ばれる賞であり、この

ような名誉ある賞を受賞で

きたことは、大変光栄に存

じます。

 

受賞した演題は、「V

alid-ity of E-plate and LZ test to check up patients w

ith H.

pylori infection in mass

survey

」です。

 

E-plate

もLZ test

も血清

中のH

. pylori

に対するIgG

抗体を検出する方法であ

り、E

-plate

はEIA

法、LZ

testはラテックス凝集法で

検出を行います。LZ test

の方が簡便かつ迅速であ

り、現在は広く利用されて

います。

 

今回の発表は、岩木健康

増進プロジェクトの集団検

診で集めた検体を二つの方

 

二〇一八年七月二十一日

に仙台市で開催された第六

十六回日本耳鼻咽喉科学会

東北地方部会連合学術講演

会において、『嗅覚と認知

機能

岩木プロジェクトの

結果から』というテーマで

発表し、最優秀演題賞を獲

得することができましたの

で、ご報告いたします。

 

アルツハイマー型認知症

やパーキンソン病などの神

経変性疾患では発病前から

嗅覚障害が認められるとい

うことが注目を集め多数の

報告がありますが、嗅覚障

害を自覚している人は少な

いといわれています。そこ

で、非侵襲的な検査である

嗅覚同定能検査で認知症な

どをスクリーニングする方

法を検討するために、我々

耳鼻咽喉科学講座では岩木

健康増進プロジェクト健診

において、においを嗅いで

何のにおいかを判定する嗅

覚同定能検査という検査を

二〇一六年から行っていま

す。検査キットを用いて参

加者の皆さんに様々なにお

いを嗅いでもらい正解数を

調べ、同時にプロジェクト

健診で実施されているM

ini M

ental State Examination

(MMSE)の結果との関

連を解析し、発表しました。

 

日本で市販されている嗅

覚同定能検査のキットは十

二種類の嗅素を用います

が、認知症などのスクリー

ニング検査として用いるに

は十二種類は多すぎますの

で、今回は三種類の嗅素を

用いました。その結果はこ

semen

という題でポスター

発表を行いました。今まで

も不育症患者におけるカッ

プル特異的な免疫異常の検

査法(患者子宮内膜NK細

胞刺激物質としてパート

ナー精液を使用する方法)

の可能性について研究し報

告してまいりましたが、今

回はさらに踏み込み、実際

の不育症患者カップルの検

体を使用し対照群とのサイ

トカイン産生の比較を行い

ました。当科では不育症検

査の際に一般的なスクリー

ニングに加えNK細胞活性

や子宮内膜のCD

56dim/

CD16+

細胞の割合も測定

しておりますが、これらの

検索でも異常を指摘されな

かった不育症患者の群では

従来の試薬による細胞刺激

とは異なり、対照群よりも

抗炎症性サイトカインであ

るIL-4

やIL-10

の産生が少

なくなることがわかりまし

た。簡単に申し上げます

と、今までリスク因子不明

不育症とされてきた症例の

中には、カップル間の免疫

学的相性により生じる隠れ

た免疫異常があるかもしれ

ない、さらにそれにより流

産が惹起されている可能性

がある、ということです。

これは免疫学的異常の新た

な概念であると思っており

ます。今後症例数を増や

し、子宮内膜だけでなくよ

り簡便に採取できる末梢血

NK細胞での検討も行って

いきたいと考えています。

 

今回の開催地である上海

は下町と都会の魅力が組み

合わさった素敵な町でし

(前ページより)

Young Investigator Award

を受賞して

国際シンポジウム

附属病院 

消化器内科,血液内科,膠原病内科   

医員 

新 

井   

最優秀演題賞を受賞して

第66回日本耳鼻咽喉科学会東北地方部会連合学術講演会

附属病院 

耳鼻咽喉科 

医員 

三國谷 

由 

れまでの他の報告と同様

に、嗅覚同定能検査の点数

が低くなるとMMSEの点

数も有意に低くなるという

ものでした。しかし、今回

用いた三嗅素では感度、特

異度、陽性尤度比の観点か

らはスクリーニング検査に

は適さないと考えられまし

たので、最適な嗅素の組み

合わせや数を考えるべく、

これからも研究を継続して

いきたいという内容で発表

しましたところ、その私の

発表が表彰されました。

 

受賞は講演会の後に開催

された懇親会会場で発表さ

れたのですが、懇親会を欠

席した私に後輩の野村先生

がメールで教えてくれまし

た。他にも耳鼻咽喉科に関

する詳細で独創性にあふれ

た研究の発表がたくさん

あった中で、自分が賞を獲

得できるとは思ってもおり

ませんでしたので、知らせ

を聞き大変驚きました。こ

れはご指導ご協力いただき

ました耳鼻咽喉科学講座の

先生方や社会医学講座の先

生方、そして「においはわ

からなくて苦手なんだよ

な」と言いながらも嗅覚検

査をやり遂げてくださった

岩木プロジェクト健診参加

者の皆さんのおかげです。

この研究を認知症の早期発

見に実際に使える検査の一

部として確立させ、社会の

役に立てたいと考えており

ますので、引き続き研究を

行って参ります。

 

このたび、ドイツ連邦共

和国の旧首都であるボンで

開催された第三十四回ド

イツ脈管学会(D

euthchen G

esellschaft für Geäß

chi -rurgie und Geäßm

edizin

において同学会の名誉会員

に推戴されました。

 

私とドイツとの関わり

は、二〇一二年に第七回日

独血管外科学会学術集会

を主催させていただいた

ことから始まります。日

独血管外科学会は、神戸

大学名誉教授の岡田昌義

先生、N

uremberg

大学の

Dieter Raitherl

教授が中

心になって、日本とドイ

ツの血管外科医の交流を

促進するために一九九八

年に設立されました。第

一回日独血管外科学会学

術集会は、阪神淡路大震

災復興途上の神戸市で開

催され、その後日本とドイ

ツで二年ごとに交互に開催

されています。私が主催し

た第七回学術総会では、ド

イツから二十名以上の高名

な先生方が来日され、そこ

から交流が始まりました。

特にErlangen

大学のW

erner Lang

教授とFeriburg

大学

Karlsruhe

のMartin

ドイツ脈管学会の

名誉会員に推戴されて

胸部心臓血管外科学講座 

教授 

福 

田 

幾 

Störck

教授には大変お世話

になり、当講座から七名の

外科医が研修をさせていた

だいています。また、私が

理事を務めている日本血管

外科学会のD

istal Bypass W

orkshop

で、複雑な末梢

血管へのバイパスの知識と

技術を習得した日本全国の

若い外科医二十名を、この

五年間の間にドイツ各地の

血管外科の施設に紹介して

おり、両国の血管外科の交

流に務めてきました。ま

た、日独血管外科学会の日

本側の窓口も務めておりま

す。この間に私はFreiburg

大学の客員教授にしていた

だき、ドイツ国内で講演を

する機会を何回かいただき

ました。おかげさまで、ド

イツ国内でも知己が増え、

弘前大学の名前を広めるこ

とができました。さらに、

Freiburg

大学心臓血管外科

教授で欧州胸部外科学会雑

誌編集委員長を務めておら

るFreidhelm Beyesdorf

教授からは、同学会の会誌

であるInteractive Cardio-

Vascular and T

horacic Surgery

のassistant editor

にも、日本人としてただ一

人、任命していただきまし

た。このような関係で、ド

イツ血管外科学会との交流

を深めた事、特に若い血管

外科医の育成に務めた事を

評価していただいたことで

あり、大変名誉な事だと思

います。

 

今回第三十四回の学術集

会では、日本血管外科学会

事業で、若手の血管外科医

を対象に行っているD

istal Bypass W

orkshop

とその意

義に関して講演をする機会

をいただき、ドイツの若い

血管外科医の教育をどのよ

うにしていくかを討議して

まいりました(図1)。

図1 講演の様子

(次ページへ続く)

た。中でも有名な川沿いの

夜景は素晴らしかったで

す。表彰が行われたGara D

inner

は船上で開催され、

川上の涼しい風が吹く中夜

景を満喫することができま

した。お金も労力も段違い

に必要な国際学会参加です

が、味わうことができる特

別感は格別でした。準備中

は英語が苦手なため大層苦

労しましたが、それでも頑

張ってまた参加したいとい

う前向きな気持ちで帰って

くることができました。

 

最後にご指導・ご協力い

ただきました当教室の先生

方や、研究にご参加いただ

きました被検者の方々に御

礼申し上げます。本当にあ

りがとうございました。

Page 5: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号 平成 30 年 12 月 19 日

用いて遺伝子解析を行って

います。今回受賞した内容

は、日々の業務の中で、

Glioma

について、二〇一

六年に改訂されたWHO分

類に基づく遺伝子情報から

出された統合診断と、従来

の病理所見から出される組

織診断の比較を行い、また

Glioma

の一種であるO

ligo-dendrogliom

a

で診断に必要

とされる1p-19q

共欠失に

ついて、FISH

、MLPA

で比較した結果をまとめて

報告しました。この内容を

評価していただけたことを

大変嬉しく思っています。

最後に、病理診断学講座の

黒瀬顕教授、正確な遺伝子

解析を行ってくださった鎌

滝章央先生、加藤哲子准教

授、多大なご協力・ご助言

をいただいた脳神経外科学

講座、浅野研一郎先生をは

じめとする諸先生方に深く

御礼を申し上げます。

 

日本胸部外科学会は心臓

大血管、肺臓、食道を含む

三大外科領域の外科医が集

まる全国学会で、本年は第

七十一回学術総会が、東京

グランドプリンスホテルで

行われました。二〇一八年

初めて日本胸部外科学会

研究助成JA

TS Research

Project Aw

ard

が設立され、

私は『大動脈弁石灰化の原

因細胞であるCD

34

陰性幹

細胞における高発現する骨

吸収調節タンパク質

(Wnt5a

)の石灰化抑制機

序』をテーマとして応募

し、受賞いたしました。と

ても光栄に存じます。

 

私は中国医科大学を卒業

した後二〇〇六年十月に来

日し、福田幾夫教授より大

動脈弁石灰化メカニズムの

解明という研究テーマを渡

されました。それ以来、福

田教授を含め、当講座の大

徳先生、病態薬理学講座の

古川先生、脳血管病態学講

座の瀬谷先生の指導のもと

 

学会中のPresidential

Dinner

で、Frankfurt

大学

のThom

as Shmitz-Rixen

授(ドイツ血管外科学会理

事長、ドイツ外科学会会

長)から推戴状をいただき

ました(図2)。本会の国

際名誉会員に日本人として

推戴されたのは、岡田昌義

先生、古森公浩

教授(名古屋大

学血管外科、日

本血管外科学会

理事長)に次い

で三人目という

事で、大変名誉

なことと思って

おります。

 

私のように、

海外留学の経験

がないものがこ

のような国際的

な交流を進める

ことができたの

(前ページより)

も、弘前大学からの援助が

あったからであり、心から

感謝申し上げます。今後

も、外科の領域で海外との

交流を深め、弘前大学の国

際的な評価を高めるため

に、残り一年半の任期では

ありますが全力を尽くして

まいりたいと思います。

図2 �Presidential�Dinner での表彰式。向かって左、Thomas�Shmitz-Rixen 教授、向かって右、Werner�Lang 教授

日本胸部外科学会研究助成

(JATS Research Project Award

)を受賞して

高度救命救急センター 

助教 

于   

在 

で研究を続けています。二

〇一一年三月に学位を取得

し、二〇一二年に医師国家

試験もパスして日本の医師

免許を取得し、同年六月よ

り医師として日本の医療現

場で働き始めました。二〇

一七年には外科専門医を取

得、今年に至って来日十二

年目になりましたが、現在

も基礎研究を続けながら、

心臓血管外科専門医を目指

して励んでいます。

 

石灰化が起こることに

よって、大動脈弁狭窄症や

冠動脈狭窄などが進行して

患者の命を脅かします。そ

して心臓血管の手術に入る

度に、必ず石灰化した組織

に直面するようになりま

す。縫合する際に針が通れ

ないぐらい硬い組織を切除

せざるをえま

せん。その時

だけではない

ですが、人の

大動脈弁や血

管などの組織

はなぜ石灰化

が起こるか、

もっと良い治

療方法がない

かいつも頭の

中に飛び込ん

できます。

 

現在、我々

は大動脈弁か

ら分離培養し

たCD34

陰性

幹細胞に注目

し、大動脈弁石灰化のメカ

ニズムを解明し続けていま

す。この研究を通じて、漢

方薬を含めて石灰化の進行

を抑制できる化合物を探索

しております。もし石灰化

のメカニズムが解明できれ

ば、より数多くの患者さん

の命を救うことができま

す。これは我々研究グルー

プの原動力になっていま

す。いつか将来、石灰化に

対する薬物治療法を確立

し、患者さんが侵襲の大き

い開心術を回避できること

を期待しております。これ

からも、先生方の指導の下

で、実験室の環境を整えつ

つ、より多くの学生や大学

院生を誘いながら、研究を

続けて行きたいと考えてい

ます。

大北裕日本胸部外科学会理事長(神戸大学名誉教授)より表彰状を授与されました。

今回の受賞者とともに。

ポスター賞第二席を受賞して

第36回日本脳腫瘍病理学会

附属病院 

病理部 

医員 

小 

川   

 

この度、第三十六回日本

脳腫瘍病理学会においてポ

スター発表第二席を受賞い

たしました。脳腫瘍病理学

会は脳腫瘍の治療と研究に

携わっている脳神経外科

医、病理医が中心となり、

さらに神経内科医、神経放

射線科医、脳腫瘍の研究者

達が参加し、脳腫瘍の形態

学的研究・組織化学的研

究・分子遺伝学的研究、な

らびに画像を用いた脳機能

解析などにより、脳腫瘍の

正確な診断法と治療法を確

立することを目的として行

われている会です。今回は

平成三十年九月二十五日㈫

から二十七日㈭までの期間

で、京王プラザホテルにて

開催され、第十九回国際神

経病理学会(ICN

2018

)と

の同時開催でした。このよ

うな大規模の学会でポス

ター賞第二席を受賞でき、

大変光栄に思っておりま

す。当講座では、当院のほ

ぼ全ての科の手術・生検検

体を取り扱っています。ま

たいくつかの症例では、検

体の切り出しの際に、臨床

医に立ちあってもらい、臨

床からの情報を共有しなが

ら、病理医からみて気に

なっている点や、臨床医が

標本化して確認してほしい

点などを話し合い、共同で

切り出しを行っています。

そして標本ができ次第、病

理医が診断を行い、臨床の

各科に報告しています。ま

た病理医と臨床医による合

同カンファレンスを行うこ

ともあります。このような

カンファレンスを行ってい

る科の中でも、当講座では

脳腫瘍に関して、脳神経外

科とより密な話し合いを

行っています、その理由と

しては、当科ではシークエ

ンシングを用いた遺伝子解

析を行っているのですが、

二〇一六年に改訂されたW

HO分類において、特に

glioma

について、遺伝子情

報が、最終的な診断のため

に非常に重要となっている

からです。当講座では平成

二十八年以降、日常的に、

脳腫瘍病理診断において脳

神経外科学教室と協力し、

手術や生検での新鮮検体を

優秀演題賞を受賞して

第56回日本癌治療学会

産科婦人科学講座 

准教授 

二 

神 

真 

 

癌治療学会は、日本最大

の癌の臨床家の集まりで

す。今回私が主任研究者と

して行ったJGO

G9002S

験の成果が優秀演題に選出

されたことをご報告します。

 

JGOGは婦人科悪性腫

瘍研究機構の略称で、婦人

科癌の臨床試験を行ってい

るグループです。私は二〇

一五年からJGOGの支

持・緩和医療委員会委員と

して活動しております。ま

たJSGPMという婦人科

がんの緩和医療を考える会

の理事も務めてお

り、その会で緩和医

療の全国調査を行っ

たことが研究の契機

でした。またJGO

Gから依頼をうけ

て、〝婦人科治療医

の婦人科癌患者の

QOLへの寄与〟と

題した論文(Curr

Oncol Rep, 2017

)を

発表したことがさら

なるステップとなり

ました。

 

今回のタイトル

は、〝T

he survey concerning the dead

cases of gynecological m

alignancies.

(JGOG 9002S

Study

)〟です。以下内容を

ご紹介します。調査の最大

の目的は、最終化学療法投

与日から死亡日までの日数

(以下A値)が短い症例の

特徴を検討し、化学療法を

含めた積極的介入を行わな

いほうがよい症例を探るこ

とです。二〇一二-

一四年

の婦人科がん患者死亡例に

対し、倫理委員会承認の

下、カルテベースの情報を

入手し、データを後方視的

に検討しました。

 

二十七施設、千六十五例

について検討しました。平

均年齢五九・一歳、癌の発

生部位は卵巣三九%、子宮

頸部及び体部がそれぞれ二

八%、二四%、その他九%

でした。進行期は、Ⅰ期一

七%、Ⅱ期一二%、Ⅲ期三

七%、Ⅳ期三三%でした。

再発六百五十五例、再燃遺

残が四百十例でした。BS

Cを主治医が勧めた症例は

八一%で、その生存期間の

中央値は一・八か月でし

た。緩和的化学療法を受け

た症例は二百九十二例(二

七・四%)あり、その症例

において、A値は全体で六

十九日でした。A値が十四

日、三十日以内の症例は、

それぞれ全体の七・九%、

二〇・六%でした。A値が

三十日以内の特徴は、子宮

頸部扁平上皮癌で初回手術

治療を受けていた症例が多

かったです。

 

この結果は全がんにおい

て考えなければならないこ

とと思います。BSCを勧

めた症例のその後の中央値

がわずか一・八ヶ月という

ことは、BSCを勧める時

期が遅い可能性がありま

す。抗がん剤をいつまで継

続したらよいかという答え

はないのかもしれませんが、

今回のデータもふまえ、患

者さんにBSCを含めた選

択肢を早めに提示すること

は重要であると思います。

 

なお、私実はこれが日本

癌治療学会の二回目の優秀

演題賞受賞となりました。

前回は寄稿しませんでした

のでタイトルだけのご紹

介ですが〝Investigation of

the clinicopathological features of the squam

ous cell carcinom

a of the vulva.

〟です。今後さらに

研鑽を積みたいと思います。

Page 6: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日

がいや喜びが中学生に伝え

られた。終了後のアンケー

トでは全員が医療職への興

味や理解を深めることがで

きたと回答していた。参加

した中学生の瞳が輝いてい

る様子が印象的であった。

 

我々は二〇〇三年から皮

膚科の先生方と共に皮膚悪

性腫瘍例におけるセンチネ

ルリンパ節(sentinel lym

ph node, SLN

)の核医学的検

出に関する診療を行ってま

いりました。そして判定

法、診断能、結果等を検討

し、それらの研究結果は幸

いにして二〇一一年の第七

十回日本医学放射線学会総

会Cypos Gold Medal

、二〇

一四年の第五十回日本医学

放射線学会秋季臨床大会展

示Silver Medal

受賞、など

としてご評価を頂きまし

た。

 

今回、SLNの核医学的

検出が行われた皮膚悪性黒

色腫症例で、全身CT、頭

部MRI、F-18 FD

G PET/

CT

といった経過観察の画

像検査が行われた九十七例

を、放射線診断学の報告で

はめったに見かけない

Kaplan-M

eier

法などを用い

て解析しました。そしてS

LN転移の有無、SLN転

移陽性の場合は廓清時の転

移の有無で、再発や転移の

頻度に有意差がある、SL

N転移陰性の場合、血行性

と思われる転移が多く、廓

清で転移陽性例は全例リン

パ節再発で

あるものの

次々と遠隔

転移も出現

する例があ

る、再発や

転移の部

位、画像診

断上の限

界、等々の

結果を得ま

した。

 

これらを二〇一八年十月

五日から七日に福岡市にお

いて開催された第五十四回

日本医学放射線学会秋季臨

床大会にてポスター発表さ

せて頂きました。三度目の

受賞など想像つかず、不謹

慎ですが、中洲や天神の屋

台で酒や美味しいものが頂

ければいいな、といったノ

リでした。

 

それがなんと受賞、しか

もGold Medal

を頂いてし

まいました。放射線診断医

による画像診断上の病変検

出という、従来の予後解析

ではあまりなかった視点か

ら検討したのが評価された

のかな(?)、と想像してお

ります。

 

今、放射線科医でSLN

関連の発表をしているのは

国内で数名のみのようで

す。領域が違うもののうち

二名が本学!(藤田環先生

と小生)です。多くの放射

線科医にとってSLNは関

心の対象外のようですが、

我々の仕事を評価して下さ

る方も多くいらっしゃるの

も確かです。これらは治療

の低侵襲化という面でも非

常に重要であり、今後も続

けたいと思います。

 

平成三十年十月二十七日

に宮城県仙台市で開催され

た第百三十九回日本医学放

射線学会北日本地方会にお

いて、優秀演題賞を受賞い

たしました。受賞報告と発

表内容の紹介をさせていた

だきます。

 

演題名は「CTリンフォ

グラフィーを用いた乳腺セ

ンチネルリンパ節とリンパ

流の解剖学的分類」です。

センチネルリンパ節(SL

N)は「最初に転移するリ

ンパ節」を指しますが、腫

瘍に最も近いリンパ節とは

限りません。乳癌において

SLN転移がない場合、そ

の先にも転移がないとみな

すため腋窩リンパ節郭清は

不要です。一方、転移があ

る場合はその先にも転移の

可能性があるため、腋窩郭

清が必要なことがありま

す。SLN転移の有無で腋

窩郭清の適応が変わるた

め、現在の乳癌手術でSL

N生検は標準的手法です。

このため、SLN・リンパ

管の位置や個数を術前に把

握することが重要です。

 

SLN同定に色素法や核

医学法が一般的に施行され

ていますが、今回の研究で

用いた「CT

-lymphography

(CT-LG

)」も以前から行わ

れている確立した手法で

す。手術時と同様の姿勢で

患側の乳頭下に少量の造影

剤を注入、その後にCTを

撮影してSLNを描出しま

す。空間分解能に優れてい

るためリンパ管も描出され

ます。このため、詳細な形

態や局在についても評価可

能です。また、CTさえあ

れば簡便かつ低侵襲に施行

可能です。

 

有用なCT

-LG

ですがこ

れまでの研究報告は少ない

ため、SLN・リンパ管の

解剖学的分類について今回

検討を行いました。研究対

象は四百六十四件(全例女

性)で、この中で描出が良

好であった四百三十四件

(九三・五%)で以下①〜

④の分類を行いました{①

SLN・リンパ管が各々単

数か多数か・これらの組み

合わせによる四分類、②リ

ンパ管分岐の有無とその局

在(乳房側か腋窩側か)に

ついて①を細分類、③乳腺

のリンパ流

方向の分

類、④肋骨

をランド

マークとし

た腋窩リン

パ節の局在

分類}。こ

の結果、S

LN・リン

パ管の数、

解剖学的形

 

櫻井記念医学研究賞は株

式会社丸大サクラヰ薬局

(代表取締役社長

櫻井清

氏)からのご寄附を原資と

して設立された研究助成で

ある。平成三十年一月の研

究推進委員会において募集

要項を定め、特別賞は一件

三百万円以内、若手奨励賞

は二件百万円以内とした。

選考にあたっては、これま

での国際共同研究の実績だ

けでなく、今後の計画、そ

して、研究論文を成果とし

て求めることにした。四月

に公募を開始し、特別賞に

は三名、若手奨励賞には一

名の応募があった。研究推

進委員会における選考の結

果、特別賞の受賞者として

脳血管病態学講座の松宮朋

穂助教(研究課題

抗ウイ

ルス自然免疫応答における

脂肪酸代謝の意義)を、若

手奨励賞には先進移植再生

医学講座の米山徹助教(研

究課題

PSA糖鎖構造を

標的とした新規前立腺癌診

断法の国際多施設臨床試

験)を決定した。

 

将来の医療職を目指す弘

前市内の中学生を対象とし

た「医師との交流プログラ

ム」がスタートして今年で

五年目となる。この事業は

弘前市教育委員会が主催

し、医学研究科が共催と

なっている。今年は市内の

八つの中学校から十九名が

参加した。プログラムは全

二回で、弘前大学医学部を

会場とし、平成三十年八月

四日には中学生と医学生と

の交流を、八月八日には中

学生と医師との交流を行っ

た。八月八日は、医学研究

科長と吉田健教育長の挨拶

の後、午前中は附属病院屋

上のヘリポート見学を行

い、保健学科のオープン

キャンパスに参加し、いく

つかの実習を体験した。午

後は附属病院腫瘍内科の陳

豫医師と整形外科の岩崎宏

貴医師が中学生の質問に答

えた。両先生からは自らの

経験をもとに、「患者の背

景が見えること」「コミュ

ニケーションの重要性」が

語られ、医師としてのやり

優秀演題賞を受賞して

第139回日本医学放射線学会北日本地方会

附属病院 

放射線診断科 

医員 

藤 

田   

櫻井記念医学研究賞

授賞式医

学研究科長 

若 

林 

孝 

中学生と医師との交流プログラム

医学研究科長 

若 

林 

孝 

展示G

old Medal

受賞報告

第54回日本医学放射線学会秋季臨床大会

附属病院 

放射線診断科 

講師 

三 

浦 

弘 

行 

今回の受賞は金子高英先

生、花田勝美前教授や澤村

大輔教授をはじめとする皮

膚科学講座の先生方、放射

線診断学及び放射線腫瘍学

講座の皆様方の多大なご協

力、ご理解があってのもの

と深謝申し上げます。また

支えてくれた家族にも感謝

です。ありがとうございま

した。

 

今後とも宜しくお願い申

し上げます。

態、リンパ流の方向は複雑

であることが分かりました

が、CT

-LG

はこれらを簡便

に把握できる手段で、乳癌

〝SLNイメージング〟で

非常に有用であることが示

されました。今後はCT

-LG

の画像からSLN転移の有

無の予測が可能かについて

も検討していきたいと思い

ます。

 

今回の受賞にあたり、本

研究をご指導いただきまし

た放射線診断学講座の小野

修一准教授、三浦弘行講

師、放射線腫瘍学講座の青

木昌彦教授、国立青森病院

の清野浩子先生、また、消

化器外科学講座の袴田健一

教授、西村顕正先生、青森

新都市病院の西隆先生、放

射線診断学講座の皆様に厚

く御礼申し上げます。

 

平成三十

年十月十五

日に医学研

究科大会議

室において

第一回櫻井

記念医学研

究賞授賞式

が、櫻井清

様、雅子様

ご夫妻、佐

藤敬学長ご

列席のもと

行われた。

医学研究科

長の挨拶の

後、今回の

受賞者に助

成金が贈呈

され、選考

経過の報告

があった。

佐藤学長、

櫻井清氏からお祝いのこと

ばがあり、受賞者から挨

拶と受賞対象となった研

究に関する説明がなされ

た。最後に参加者全員で記

念撮影を行い、式は終了し

た。

 

研究の継続にはアイデア

と研究環境と研究費が必要

である。この賞が設立され

たことを契機に弘前大学医

学研究科における国際共同

研究が益々発展することを

期待したい。

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医学部ウォーカー第 87 号 平成 30 年 12 月 19 日

秋季学位記授与式医学研究科長 若 林 孝 一

 

弘前大学秋季学位記授与

式(学部および大学院)が、

平成三十年九月二十八日に

大学会館大集会室で行わ

れ、大学院医学研究科六名

を含む四十三名に学位が授

与されました。佐藤学長の

お祝いの言葉の後、学部卒

業生および大学院修了者に

学位記が授与されました。

 

引き続き、大学院医学研

究科秋季学位記伝達式が行

われました。医学研究科で

は三月に加え秋季にも学位

授与者がコンスタントに出

ています。これには二つの

理由があります。一つは、

四年の修業年限内に修了で

きる学生が減少したことで

す。大学院が部局化された

平成十九年度から、学位論

文はすべて査読制のある雑

誌に採択されていることが

義務づけられた結果、論文

の採択までに時間がかか

り、学位論文の採択を待っ

ている四年生が以前よりも

増えました。二つ目の理由

は、修業年限短縮制度を用

いて修了する学生が増えて

いることです。医学研究科

では、優れた研究業績を上

げた学生については、三年

あるいは三年半で修了する

ことができる制度を設けて

います。したがって、春季

入学で半年早く修了する学

生と秋季入学で一年早く修

了する学生は、秋季に学位

を授与されることになりま

す。今回の医学研究科の秋

季修了生は六名であり、そ

のうち一名は修業年限短縮

制度を利用して修了された

方でした。

今回の学位

論文は何れ

も素晴らし

い内容であ

り、学位授

与者の今後

の活躍を期

待したいと

思います。

今年度の秋

季学位記伝

達式には四

名が出席

し、研究科

長から学位

記が授与さ

れました。

 

平成三十年度は、従来二

回行っていたスクーリング

を、内容的に重なる部分が

多いため、弘前大学オープ

ンキャンパスに合わせ八月

七日のみとしました。今後

も開催は一回の予定です。

スクーリングでは四コマの

講義1)医学部長の若林孝

一先生から

「弘前大学医学

部の歩みとこれから」、2)

附属病院長 

福田眞作先生

より「躍進を続ける弘前大

学医学部附属病院」、3)

学務委員長 

鬼島宏先生よ

り「弘前大学医学部医学科

の教育」4)入試専門委員

長 

上野より「弘前大学A

O入試選抜の概要」を行っ

た後、青森県健康福祉部よ

り「医師修学資金貸与制度

について」を紹介いただき

ました。最後に質疑応答の

時間としました。質疑応答

でも、医学部入試における、

不公平な扱いが話題となり

ました。弘前大学医学部も

その後、文科省からの調査

も入っていますが、問題な

しとの判断を受けています

のでご安心ください。今回

スクーリング参加人数は百

四十四名でほぼ例年通りで

あり、参加者は青森県をは

じめとして、北海道、およ

び東北各県より高校生、保

護者、高校関係者でした。

このスクーリングはAO入

試(アドミッション・オ

フィス入試)の目的、意図

を説明し、理解を得ること

が目的ではありますが、同

時に弘前大学医学部の歴

史、使命、方針を示し、『郷

土を愛す医師の育成』とい

う目的遂行への足がかりと

考えています。現在弘前大

学医学部では、学力だけで

はない多様な評価を取り入

れる方針のもと、AO入

試、一般入試および、学士

編入学といった入試形態の

多様化を導入しています。

平成二十年度より始まった

AO入試も十年を超え、入

試形態としてもなじみある

ものになりました。またA

O入試枠は、入試要件とし

て北海道、東北六県の受験

者を対象とし、卒後の義務

年限も定められた〝地域定

着枠〟としての募集です。

既にその卒業生は医師とし

て青森県を中心に活躍して

います。最後に円滑な運

営、実施を担った事務の

方々、さらに講義担当の教

員のみなさまに深謝いたし

ます。

入試専門委員長 

上 

野 

伸 

(脳神経生理学講座 

教授)

弘前大学医学部医学科

スクーリングを開催して

平成30年度

 

弘前大学医学部および同

附属病院において系統解

剖、病理解剖、ならびに法

医解剖のためにご遺体を捧

げられました三百四十七柱

の御霊に対して弔意を捧げ

るため、平成三十年度弘前

大学医学部解剖体慰霊祭が

十月二日午後一時三十分よ

り弘前市文化センター一階

大ホールで挙行されまし

た。慰霊祭にはご遺族九十

六名ならびに本学白菊会会

員六十六名の方々にご臨席

賜り、また各方面から多く

のご来賓をお迎えし、医学

科および保健学科の教職員

と学生が参列してしめやか

に執り行われました。式に

先立ち、弘前大学医学部管

弦楽団による献体者慰霊の

ための演奏が行われ、会場

全体が厳かな空気に包まれ

ました。まず初めに医学の

教育と発展のために本学に

ご献体いただきました御霊

に参列者全員による黙祷を

捧げ、ご冥福をお祈りいた

しました。続いて、昨年か

ら本年の慰霊祭までにご献

体されました方々のご芳名

が奉読されました。そし

て、若林孝一医学部長より

祭詞が述べられましたのに

引き続き、医学科二年生の

相内一郎さんが学生代表と

して、ご献体いただきまし

た諸霊に対する深い感謝と

ご遺族への御礼の意のこ

もった弔辞を捧げました。

その後、若林医学部長、福

田眞作附属病院長、齋藤陽

子保健学科長、医学科二年

生の加福陽子さん、保健学

科四年生の金子周磨さん、

林朋子白菊会理事長による

代表献花が行われ、福田附

属病院長よりご参列いただ

きました方々へ御礼の言葉

が述べられました。最後

に、参列者全員が献花を行

い、慰霊祭は滞りなく終了

いたしました。

 

慰霊祭終了後、医学部教

職員はご遺族ならびに白菊

会会員の方々ととともに弘

前市墓地公園にある弘前大

学慰霊施設に参拝し、長期

納骨施設に献体者名簿を納

めました後、黙祷を捧げ、

医学部長による代表献花を

行いました。その後、埋骨

施設にて黙祷と医学部長、

白菊会理事長、続いて参列

者による献花を行いまし

た。最後に筆者よりご参列

頂きました方々に御礼のご

弘前大学医学部

解剖体慰霊祭

平成30年度

生体構造医科学講座 

教授 

下 

田   

挨拶を述べさせていただ

き、参拝式は無事終了い

たしました。

 

前日までの台風の到来

により天候や交通が大変

心配されましたが、幸い

当日は雨風ともに穏やか

になり、慰霊施設参拝時

には青空が覗いていまし

た。ご参列頂きました

方々の帰路における笑顔

と明るいお声が温かな陽

の光となって公園の樹木

を照らしているように感

じられる午後でした。

 

平成三十年度実験動物慰

霊式を六月十五日に執り行

いました。幸いお天気にも

恵まれ、また多くの方に献

花いただき感謝いたしま

す。慰霊式の後、東北大学

名誉教授 

笠井憲雪先生よ

り「動物実験の倫理」〜実

験にあたって最小限知って

おくべきこと〜のタイトル

にて記念講演を行いました。

 

笠井先生は、日本実験動

物学会会長として、また国

立大学の実験動物および動

物施設の検証委員としてご

活躍されています。弘前大

学の平成二十四年度および

二十九年度における動物実

験施設、動物実験に関する

外部検証の際にも検証委員

長としてご協力いただきま

した。また研究面のみなら

ず、「人と動物の関係を考

える」、「ありがとう実験動

物たち

(ノンフィクショ

ン・生きるチカラ)」といっ

た単行本の共著及び監修者

として、動物実験の倫理を

一般、児童のためにわかり

やすく紹介する活動も精力

的に行われています。

 

本記念講演では、医学部

三年次学生のため、実験に

おける動物実験倫理面を中

心に、ご紹介いただきまし

た。実験倫理教育として、

学生にとっても貴重な体験

となったと思います。今後

も、実験動物慰霊式に合わ

せ、動物実験倫理を中心と

した講演会を開催しますの

で、多くの教員の方にも参

加をお願いします。

平成30年度

実験動物慰霊式

附属動物実験施設長 

上 

野 

伸 

(脳神経生理学講座 

教授)

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医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日

で様々な新しい取り組みを

行いました。救急ブースで

は、脳血管症状が起こった

際に、病院に到着するまで

の時間の重要性や、救助の

際の体位変換の方法の大切

さを知ってもらいました。

精神科ブースでは、最も名

が知れている精神科疾患の

一つである「うつ病」につ

いて、知ってもらうために

うつ病の発見を目的として

使用するCES-D

を行いま

した。健診ブースでは、よ

り自分の健康について知っ

てもらうために、説明する

ためのスペースを広く取

り、丁寧に来場者に説明を

行いました。このように各

ブース様々な取り組みを行

いました。

 

来場者のアンケート結果

では、「スタッフの対応に

満足できましたか?」とい

う項目で、「とてもそう思

う」と答えた人の割合が、

八五・六%でした。医学展

2018を行った成果が見

て取れ、我々スタッフも大

変喜ばしい結果となりまし

た。

 

私自身としても、本当に

スタッフに恵まれたと思っ

ています。自分の盾になっ

てくれた幹部、「廣兼さん

が代表なら…」とブースの

リーダーを受けてくれた

リーダー・サブリーダー、

身を削ってシフトを埋めて

くれたスタッフ、様々な人

たちに感謝しています。彼

らがいなかったら医学展は

成り立たなかったと思って

います。

 

大きなことを為すには一

人では為しえないというこ

とを深く感じました。これ

からチーム医療に携わるも

のとして、相手のことをき

ちんと考える思いやりのあ

る医療者を目指していきた

いと思います。

病、甲状腺疾患などが含ま

れていた。緩和ケアをもう

一度という意見も多く、実

際の緩和ケアチームの活動

状況が分かるような内容で

との要望もあった。

 

総じて、今回の公開講座

は、受講者が興味を持って

聴いてくれたため、演者と

の良いコミュニケーション

がとれたと思われる。

 

佐藤教授、古郡准教授、

分かりやすく示唆に富んだ

内容の講演をありがとうご

ざいました。医学研究科事

務部、広報委員会の皆様、

しっかりとした準備おつか

れさまでした。次回以降も

学内公開講座が充実した内

容で、市民の皆様のために

なることを願っておりま

す。

ケアに対する理解を深めて

いただこうと工夫を凝らし

た。

 

講演後のアンケート結果

では、よく理解できた三十

九名、ほぼ理解できた二十

七名、難しかった三名であ

り、おそらく木村の新規オ

ピオイドに関する話あたり

が分かりづらかったと思わ

れる。受講者からの感想の

中には、古郡准教授の睡眠

に関するお話が非常に参考

になった、佐藤教授の温か

いお話に心を打たれた、と

いった充実した内容を示す

ものが多かった。

 

受講者の中には、石戸谷

忻一先生のようなベテラン

医師、医学部一年生、看護

師なども含まれていたが、

多くは一般市民で、ご自身

やご家族が現在闘病中とい

う方もおられた。講演後の

意見交換でも様々な質問が

出たが、「有害事象なく苦

痛を取り去ってほしい」と

いう内容のものがあり、緩

和における放射線治療の話

なども、もう少し詳し

く紹介できれば更に良

かったと感じた。

 

来年度以降に取り上

げてほしいテーマとし

ては、「メンタルヘル

ス・発達障害に関する

もの」が十三件で最多、

認知症六件、脳卒中三

件、心疾患・熱中症・

依存症が各二件、その

他、災害時の医療対応、

感染症、更年期、アレ

ルギー、整形疾患、皮

膚疾患、呼吸器疾患、

腎疾患、高血圧、糖尿

 

平成三十

年度弘前大

学大学院医

学研究科公

開講座「心

と体の緩和

ケア」が九

月七日十八

時から二十

時に弘前大

学医学部コ

ミュニケーションセンター

で行われた。例年、様々な

テーマで市民の皆様に分か

りやすい内容を目指してお

り、今回は腫瘍内科学講座

の佐藤温教授、神経精神医

学講座の古郡規雄准教授、

麻酔科の木村太が担当し

た。金曜の夕方という時間

帯であったが、八十七名の

受講者が集い、熱心に耳を

傾けてくれた。佐藤教授は

「緩和ケアって何だぁ?」、

古郡准教授は「がん診療に

おける精神・心理的問題」、

木村は「がん疼痛への対

処」というタイトルで、そ

れぞれ違った側面から緩和

 

十月十九日〜二十一日に

行われました弘前大学文化

祭において、今年も医学科

は医学展を開催しました。

一年生から四年生まで実に

多くのスタッフが参加しま

した。今年の医学展のコン

セプトは「わどな弘大医学

展」です。「わどな」は青

森県の方言で「私とあな

た」の意味です。医学展は

医学生だけでは成り立たな

いし、来場者だけでは成り

立たない。私たち学生が来

場者と関わる企画を行うこ

とで、医学生が来場者から

何かを受け取ったり、来場

者が何かを得たりする、そ

んな場であってほしいとい

う願いが込められていま

す。医学生が来場者に提供

するコンテンツが、医学生

の独りよがりではなく、来

場者のニーズに合わせたも

のを提供していきたいとい

う思いも込められていま

す。

 

各ブースについて

は、外科・救急・健

診・精神・産科・臓

器の全六ブースを行

いました。

 

今年は、一般市民

の方に医療リテラ

シーをより持っても

らいたいという思い

医学研究科学内公開講座

「心と体の緩和ケア」開催報告

附属病院 

麻酔科・緩和ケア診療室     

 

講師 

木 

村   

医学展2018を終えて

医学部医学科4年 代 表:廣兼 正明副代表:真鍋 光輪

 

前回に続き、青森県内の歴

史街道(医学部ウォーカー第

八十~八十三号、他)界隈の

温泉で、今回は田名部街道を

辿ります。この街道は、奥州

街道野辺地から横浜を経由し

田名部に至るまでの脇街道

で、藩政時代は北方警備のた

めに盛岡藩の代官所が置かれ

ていました。

 

恐山温泉(第七十三湯

つ市田名部宇曾利山

五月~

十月・十八時迄)は、日本三

大霊場のひとつ、恐山菩提寺

の境内にあります。数多の温

泉がある中、冷抜・古滝・薬

師・花染という四つの湯小屋

を有する社寺は極めて稀で

しょう。恐山境内というパ

恐山温泉

奥薬研温泉

斗南温泉

小川温泉寿湯

鬼 

島   

(病理生命科学講座・教授)

ワースポットで、熱めの硫黄

泉(硫化水素含有酸性緑ばん

HP下北ナビ参照)に入

れば、ぐっと身が引き締まる

気持ちになります。

 

奥薬研温泉(第七十四湯

むつ市大畑町奥薬研

男女入

替制

四月初旬~十一月

初旬・十七時迄)は、廃

業旅館の露天風呂を市が

管理・無料開放している

という(問合せ先

大畑

庁舎産業振興課)。自然

に囲まれた中、単純泉の

しっとりとした湯に入る

のは素晴らしいの一言に

尽きます。

 

斗南温泉(第七十五

むつ市田名部下道

二十三時迄)は、むつグラン

ドホテル内の施設である。ホ

テルHPにも掛け流しが明示

されており、「美人の湯」に

恥じないアルカリ性単純泉

で、地元の方々にも好評のよ

うです。

 

小川温泉・寿湯(第七十六

むつ市田名部

月曜休・

二十一時迄)は、旧田名部町

中にある昭和の渋さあふれる

温泉浴場です。無色透明なが

ら、ナトリウム・塩化物泉の

ためしっかりと体が温まりま

す。

 

湯坂温泉・しゃくなげ荘

(番外

むつ市田名部宇曾利

山)は、恐山三途の川の手前、

小地獄釜の湯近くにあった温

泉民宿である。民宿に至高の

湯ありの表現がぴったりの硫

黄泉でしたが、閉館となり極

めて残念です。

 

この他、旧・大畑町の中心

には、温泉ならずとも昭和の

雰囲気があふれる銭湯が数件

あります。八戸の銭湯と並ん

で、昭和の銭湯文化を残して

いる感じで、今後も時代の波

に流されずに営業し続けてほ

しいと願わんばかりです。

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医学部ウォーカー第 87 号 平成 30 年 12 月 19 日

学生だより

解剖学実習を終えて

解剖学実習を終えて

医学部医学科二年 

鈴 

木 

咲 

 

まず初めに、ご献体頂き

ましたご本人様とそのご家

族様に心よりお礼申し上げ

ます。本当にありがとうご

ざいました。

 

実習初日、私は初めてご

遺体と対面しました。ご遺

体を目にするまでは、生き

ておられた方のお身体をお

借りして実習していくこと

に少し不安を感じていまし

た。しかし、実習室でご遺

体にお会いしたとき、その

不安は消え失せ、強い責任

を感じている私がそこにい

ました。畏れ多い気持ちに

なり、ご本人の意志とその

ご家族の同意の下に今ここ

にご遺体があると思うと、

これからの実習は少しも無

駄にしてはならないと思い

ました。私が解剖学実習を

受けられるのは私たちのた

めにご献体されたという尊

いご意志があるからこそで

あり、この方から学ばせて

頂くことが、医師を目指す

上での基盤になり、一生懸

命に取り組むことがこの方

への一番の恩返しになると

考え、絶えず感謝し、実習

をしていこうと決心しまし

た。

 

実習を通して印象に残っ

ていることは人の体は外見

が違うように、内面の構造

も決して同じではないとい

うことです。特に血管や神

経の走行は人によって大き

解剖学実習を終えて

医学部医学科二年 

加 

藤 

隼 

 

私は二年生になる前から

解剖学実習がとても興味深

いものだと思っていまし

た。医学部に合格した者し

か立ち入ることができない

特別感、実際にご遺体に触

れることで体の構造を立体

的に自分の目で見て理解で

きる緊張感、そして将来医

師以外のどの職業でもな

く、本当に自分が医師にな

るのだと言う使命感、かな

りやりがいがあると感じて

いました。

 

実習が始まると、メスを

持つ緊張感があったことを

今でも覚えています。

術の様子を見ても実際に手

を動かしてみなければどの

ような厚さでどのような感

触でどのくらい力を入れた

ら良いかわかりませんでし

たが、実習を積み重ねるに

つれ自然と手つきが慣れ、

手さばきもスムーズに行え

るようになりました。臓器

を持ってみた感じや仕組

み、構造について知れば知

るほど人体の不思議さに驚

くばかりであり、人体が無

駄のない精巧な作りをして

いると実感しました。他の

科目の授業を受けている時

も解剖学実習で行ったこと

を思い浮かべることが多

解剖学実習を終えて

医学部医学科二年 

三 

澤 

明 

 

解剖学実習の初日、防腐

剤の独特の臭いのする実習

室に入室すると、そこには

各班の実習台の上に白布で

包まれた数々のご献体が静

かに置かれていました。入

口で深く礼をし、白布に包

まれたご献体の脇を歩きな

がら、自分の実習台に一歩

一歩近づいた時、不安感と

感謝の入り混じった特別な

感覚が体中に走りました。

自分の実習台に辿り着き、

かつては自分と変わりのな

い人生を生きてきた一人の

ご遺体が白布に包まれてい

るのを目にしたとき、「自

分が解剖なんてして良いの

だろうか。この方のご遺志

にお応えできるのだろう

か。」とその特別な感覚が

さらに高まりました。この

感覚を早く取り除きたいと

思う一方で、亡くなった自

分の祖父母のことをふと思

い出したり、もし自分が死

んだらどんな気持ちになる

のだろうか、この方のご家

族はどんな気持ちで同意さ

れたのだろうと、ご遺体や

そのご家族だけでなく、自

分の家族や自分自身の死生

観も考えていました。

 

医学部での専門課程にお

ける最初の基盤は、この解

剖学だと思います。倫理観

や人格形成においては、自

分が意識した分だけ成長

し、その基礎を確立できた

と思います。下田教授から

「この解剖に取り組む姿勢

が、君たちの医師としての

人格を決めます。そして、

その確立された人格という

のは、簡単には変えられま

せん。」

と実習の各要所で

ご指導いただいたように、

自分が医療人として、「真

摯にヒトと向き合うんだ」

という気持ちを何度も確認

することができました。

 「解剖」。実習を終えた今

解剖学実習に向き合うということ

医学部医学科二年 

新 

田 

祥 

 「たいへんなことをして

しまった」というのが、実

習初日を終えたあとの感想

でした。覚悟はできている

つもりでしたが、実際に御

献体を目の当たりにする

と、畏れのような感情が大

きく湧いてきました。家で

湯船に浸かっても、ご遺体

の冷たさがずっと手に残っ

ているような感覚になった

ことを覚えています。しか

し感傷的になるのではな

く、多くのことを学ぶこと

がご遺志に最も報いること

だと考え、その後の実習は

頭のスイッチを切り替える

ようにして臨みました。腕

神経叢の神経や血管がどれ

も同じに見えて思考が停止

したり、暗記量の多さに圧

倒されることもありました

く違うため、ご遺体の特徴

をしっかりと理解したいと

思いました。そのために私

はスケッチに一生懸命に取

り組みました。今見ている

ものはこの方の個性である

ので記録として正確に残し

たいと思ったからです。ス

ケッチをすることにより、

ご遺体の特徴を理解し、構

造を正確に理解できまし

た。記憶にも深く残り、ス

ケッチしたことは今でも立

体的に鮮明に思い出すこと

ができます。

 

また、私は実習において

先生方と実習班メンバーに

恵まれました。先生方は私

たちの作業の補助だけでな

く、一つ質問すると十教え

てくださいました。私たち

は見ている部分について

しっかりと理解し、知識を

増やしながら実習を進めて

いくことができました。実

習班についてはそれぞれが

作業を行う中で、何かを発

見するとその度に全員で知

識を共有し、確認してから

次の工程を進めていまし

た。意識の高いメンバーた

ちのおかげで毎回実習時間

はあっという間に過ぎ、い

つも充実した時間を過ごす

ことができました。

 

解剖学実習を終え、本当

に貴重な経験をさせて頂い

たと強く実感し、ご献体頂

きました方とそのご家族に

対してただただ感謝の気持

ちしかありません。また、

実習時間をより有意義なも

のにして下さった先生方、

同じ班の仲間たちにも本当

に感謝しています。ありが

とうございました。解剖学

実習で学んだことを忘れ

ず、これからも医学の道に

精進し、立派な医師を目指

していきます。

す。献体にご協力してくだ

さったみなさんの思いに恥

じないよう、日々努力して

立派な医師になれるよう勉

学に精進したいと思います。

 

解剖学実習を通して、医

師になるという責任感と勉

強に努めなければならない

という使命感を持つように

なりました。この三ヶ月間

の解剖学実習は忘れること

のない人生の大きなイベン

トとなりました。解剖学実

習で学んだことを活かし

て、今後も良医となれるよ

う頑張りたいと思います。

改めて実習に関わってくだ

さった全ての方に感謝を申

し上げたいと思います。あ

りがとうございました。

が、そのたびに自分を叱咤

してやってこられたのは、

誰でもないご遺体のお陰で

した。

 

また、解剖学は非常に知

的好奇心が刺激される学問

でもありました。人体は緻

密に設計された機械のよう

です。予習した複雑な構造

が現れたときは、眼を輝か

せ実習書と照らし合わせま

した。人体は美しいです。

その素晴らしさを知ること

が許されている我々医学生

は、本当に貴重で光栄な機

会を与えて頂いたと思いま

す。

 

実習では、人体に関する

知識と同じくらい、医学生

としての義務感や心構えを

学べたのではないかと考え

ています。実習の不出来か

ら、能力や性格的に医師に

向いていないのではないか

と足取り重く帰路につく日

後援会のご案内会長 石戸谷 忻 一

 弘前大学後援会では、学生の学業、課外活動への助成、学生の進路指導に必要な助成等学生生活の多岐にわたる分野の助成を行っております。つきましては、何卒本会の趣旨にご賛同頂きまして、各位の格別のご高配、ご支援を賜りますよう、切にお願い申し上げます。 なお、入会方法等の詳細については、弘前大学総務部総 務 広 報 課(Tel:0172-39-3012、E-mail:[email protected])までご連絡いただくか、弘前大学後援会ホームページ(http://www.hirosaki-u.ac.jp/kouen/index.html)をご覧ください。

弘前大学

く、かなり自分のためにな

りました。

 

次に、献体してくださっ

た方に感謝を書き留めたい

と思います。医学の進歩だ

けではなく、私たちが良い

医師となるために、亡くな

られた自らの身を捧げてく

ださったことに感謝してい

ます。また、ご遺族の方々

が献体登録を了承してくだ

さったことにも感謝してい

ます。他の科目の授業を受

けている時も解剖学実習の

大切さを実感するばかりで

では、この言葉を「生きた

知識と人格形成」という意

味で捉えています。実習前

に抱いていた不安感や、実

習初日に感じた特別な感覚

を大切にしながら、

この実

習を通じて学んだ知識と倫

理観を糧に、今後の大学生

活や医師としての人生に活

かしていきたいと思います。

 

終わりに、献体という崇

高な志を通してこのような

貴重な経験を与えて頂きま

した方々とそのご家族、な

らびに白菊会の皆様に紙面

をお借りして深く感謝を申

し上げます。また、この実

習の間、我々に知識と倫理

観をご指導いただいた下田

教授、講師やスタッフの

方々、そして不器用な自分

に対して嫌な顔一つせず、

切磋琢磨

してくれた班員

に御礼申し上げます。

も少なくありませんでし

た。しかしいま思うこと

は、反省を積み重ねながら

も、一人前の医師になろう

と常に努力することが大事

なのではないかということ

です。解剖学実習は、ご遺

体と真剣に向き合うことを

通して、医師になろうとす

る自分と真剣に向き合う時

間だったのではないかとも

感じます。

 

最後となりましたが、尊

い御体を我々のために献体

してくださいました方、そ

してそれを了承くださった

ご遺族の方々に深く感謝申

し上げます。また、長い間

ご指導してくださった先生

方、一緒に実習を行った同

級生のみなさんに感謝申し

上げます。皆様のおかげで

実習を終えることができま

した。本当にありがとうご

ざいました。

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医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日

ハワイ大学医学部に留学して

医学部医学科三年 

鈴 

木 

夏 

 

平成三十年八月、ハワイ

大学医学部の研修に参加し

ました。ハワイ大学では全

人的医療 H

olistic care

を提

供するための考え方が

Problem Based Learning

どを通して訓練されてお

り、今回はその一部を体験

させていただきました。各

症例について考え、学生同

士で議論し、発表するプロ

セスを踏むPBLによって

日本で学んだ内容が多角的

に理解できておもしろかっ

たです。また、ビデオ判定

でフィードバックがいただ

ける医療面接試験は技能だ

けでなくコミュニケーショ

ンを取る楽しさや自覚が芽

生え、学習意欲に直結する

有意義なものでした。

 

実習の合間には裸足でフ

ラダンスのレッスンを受

け、ハワイ語や独特の足腰

の使い方を教わりました。

巨大ハリケーンが接近する

間も陽気に進行するレッス

ンは、非日常的でとても心

地良かったです。

 

また、現地の学生の自宅

に招いてもらい将来への

思いを共有したことが心

に残っています。目先の

試験ではなくその先の人

生を見据えて毎日勉強し

ているというリアリティ

や覚悟の点で自分との大

きな差を感じました。

 

英語で行われる医学教

育に自分がどこまでつい

ていけるか試すことや、

海外の医学生の友達を作

ることなどの目標をもっ

て参加しましたが、こう

してアメリカの医学生の

意識の水準に触れることが

できたのが私にとって何よ

りの収穫でした。将来的に

彼らと同じ土俵に立って遜

色なく働けるよう、研鑽を

積みたいと強く考えていま

す。

 

大きなチャンスを与えて

くださった弘前市、弘前大

学、先生方と学務の方々に

心から感謝しています。

ハワイ大学での夏期研修で

感じたこと

医学部医学科三年 

藤 

原 

悠 

 

私は八月二十日から二十

五日の五日間、ハワイ大学

での夏期研修に参加させて

いただきました。何か新し

いことに挑戦してみたいと

思っていたときにこのプロ

グラムを知り、迷わず応募

しました。研修は日本の他

大学とハワイ大学の医学生

が参加し、PBLや現地の

模擬患者さんへの禁煙指

導、聴診器を用いた問診な

どを行いました。PBLで

は、自分の医学知識の未熟

さを感じましたが、日本の

医学生もハワイの医学生も

医学に関して同じような事

を学んでいて、こうして英

語を使って症例について話

し合えることにうれしさを

感じました。大学の研修以

外にも、参加した仲間た

ちと食事や観光を楽しん

だり、フラダンスを教え

てもらったり、現地でで

きた友人の家に遊びに行

かせてもらったりして、

ハワイの文化に触れるこ

とができました。この研

修に参加できて一番よ

かったことは、海外や国

内の他の大学に、同じ医

師を志す仲間ができたこ

とです。帰国してから

も、ハワイで出会った仲

間も違う場所で頑張って

いると思うととても活力

がわいてきます。今回こ

のような貴重な機会を与え

てくださった先生方、学務

の方々、そしてハワイ大学

の方々に心より感謝申し上

げます。本当にありがとう

ございました。

ハワイ大学夏季研修に参加して

医学部医学科三年 

蝦 

名   

 

はじめに、貴重な機会

を下さった先生方、学務

の皆様に心より御礼申し

上げます。

 

ハワイ大学では主に①

PBL、②医療面接、③

聴診の研修を受けまし

た。いずれも初めての経

験で、しかも全て英語な

ので不安でしたが、なん

とか乗り切ることができ

ました。医療面接は模擬

患者を用いて行い、ハワ

イ大学の先生からフィー

ドバックを頂けたので非

常にためになったと感じて

います。また、四年生後期

にはPBLがあるので、そ

の時には本研修の学びを還

元できるよう務めたいと思

います。

 

研修の他に、ハワイ大学

の医学生との交流を通し

て、彼・彼女らの学生生活

も知ることができました。

米国ではU

SMLE

(米国医

師国家試験)の点数で進む

科が絞られてしまうため、

希望の科に進めるよう夜遅

くまで勉強しているようで

す。ただ、勉強一辺倒では

なく、遊びや恋愛もあり、

精神面の健康も大切にして

いるようでした。また、長

期休暇中には基礎研究、希

望する科の臨床実習、留学

などに積極的に参加する学

生が多いことも印象的でし

JABSOM留学について

医学部医学科四年 

小 

又   

 

私は八月二十日から二十

四日の五日間、ハワイ大学

で夏季研修に参加させてい

ただきました。去年と同様

にPBLや医療面接を中心

に行うということで、去年

の参加者から話を聞き研修

内容やハワイに行けるとい

う事実に心が躍り、参加し

ました。

 

あいにく、ハリケーン直

撃のニュースが流れ、学校

や店が閉まり、研修自体は

水曜日の午前で終わってし

まいました。しかし、短い

間で行った研修はとても濃

女子バレーボール部 主務 内 山 慈 子 東日本医科学生体育大会、通称東医体は東日本医科学生体育連盟が主催する大会です。各加盟校には参与、理事、評議員が存在します。本学の参与は若林孝一医学部長、理事は今泉忠淳教授で、評議員は代々バレーボール部の主務が務めさせていただいております。評議員として60年以上続く伝統のある大会に携われることを大変光栄に思います。評議員の仕事としては、評議員会に参加することです。次の評議員会は11月3日に福島県にて行われる予定です。 平成30年度の第61回東日本医科学生体育大会夏季競技は、福島県立医科大学の代表主管で、例年通り8月に開催されました。本学からも多くの学生が参加し、個人・団体とも全力を尽くして戦ってきました。本学の主な好成績を取りまとめましたので、下の表をご覧ください。なお、冬季競技のスキーは3月に秋田県の田沢湖で行われます。 東医体は医科学生にとって最も大きな目標とする大会です。今後も各部とも勉学に励むと共に、冬季競技に向けて、また来年度の夏季競技に向けて練習に励んでまいります。ご声援のほどよろしくお願い致します。

東日本医科学生体育大会夏季競技を終えて第61回

(表) 平成30年度 第61回東日本医科学生体育大会夏季競技の主な好成績ゴルフ部 男⼦ 個⼈ ⼋尾 祥吾(6年) 3 位陸上競技部 ⼥⼦ 円盤投 浦⽥  ⾵(5年) 3 位ソフトテニス部 ⼥⼦ 個⼈ 市川 歩美(4年)

岩渕 那海(1年)組 2 位⽔泳部 ⼥⼦ 400m⾃由形 岩下  葵(2年) 2 位ラグビー部 準優勝空⼿道部 男⼦ 個⼈形 横⼭理久⽃(1年) 優 勝

⼥⼦ 団体組⼿ 優 勝⼥⼦ 総合 3 位

た。

 

最後に、本研修に少しで

も興味を持った方はぜひ来

年度の研修に応募してみて

ください。国境を越えて高

い志を持った仲間に出会う

ことができ、人生の財産に

なると思います。

いものとなりました。

 

行われた研修内容とし

ては、PBL・医療面接・

聴診・マネキンを用いた

実習・フラの練習でし

た。実技的な研修・アロ

ハランチ・レイ作り・フ

ラの発表などはできず、

非常に残念でした。

 

この研修のメインとな

るPBLは、日本語での

経験がなく、医学知識も

浅く、しかも英語で行う

ということで、不安で

いっぱいでした。しかし

調べながら一生懸命取り組

み、何とかやり遂げること

ができました。皆で英語で

意見を出し合い、調べ、発

表することで、知識面、言

語面、コミュニケーション

面、プレゼンテーション面

などあらゆる方面におい

て、レベルアップできたの

ではないかなと感じまし

た。

 

授業外の時間では、JA

BSOMや他大学の学生

と、ダイヤモンドヘッドに

登山したり、ご飯や飲みに

行ったりと交流を深めるこ

とができ、とても楽しかっ

(次ページへ続く)

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医学部ウォーカー第 87 号 平成 30 年 12 月 19 日(前ページより)

たです。

 

長いようで短い一週間で

したが、研修を通して新し

い知識や語学力を身に着け

るだけでなく、外国の方の

考えや街の様子、日本の他

大学の様子などを知り、と

ても感化されました。ハワ

イの良さ、日本の良さ、弘

前の良さを改めて確認する

ことができたような気がし

ます。

 

最後に、このような貴重

な機会を与えてくださった

先生方、学務の方、ハワイ

大学の方々に心より感謝し

ております。本当にありが

とうございました。またこ

のような機会がありました

ら、ぜひ参加させていただ

きたいです。

ハワイの地から学んだこと

医学部医学科四年 

工 

藤 

珠 

 

ハワイ大学の研修では、

当初思っていたよりもはる

かに多くの経験が出来まし

た。

 

大学での研修自体も、講

義や実習、PBL、模擬患

者さんとの医療面接といっ

た多様な学習をさせていた

だきました。現地の学生の

方々の意識の高さや知識の

深さに圧倒され、自らの力

不足を痛感しながらも課題

を見つけることが出来まし

た。ハワイ大学や日本の他

大学の学生の方々という、

普段大学の中だけにいては

会えなかった多くの人と学

内外で交流できたことや普

段と違う学習環境に居られ

たことで非常に楽しく充実

した時間を過ごせました。

このことについては他の方

も詳しく書いているでしょ

うから、他に私が気づいた

ことを紹介します。

 

日本ではオアフ島にハリ

ケーンが接近すると報道さ

れたようですが、その時の

オアフ島は清々しいほどの

晴天でこれからハリケーン

が近づくとはとても思えな

い空模様でした。

 

しかし数日前に大学は閉

鎖を決定、さらにほとんど

の店が最接近予報の前日か

ら閉店するという対策を

取っていました。

 

海沿いであることも影響

したのかと思いますが、毎

度ハリケーンで何かしらの

被害が起きているのかと現

地の学生に聞くと「結局は

ほとんど来ない」とのこと

でした。正直なところ、店

が閉まっていたので行きた

いお店に入れなかったこと

は残念でしたが、街全体が

万が一に備え出来うる対策

をとる光景を目の当たりに

するのは初めてで、とても

印象深く感じました。

 

最後にこのような貴重な

経験を頂いた弘前大学の先

生方、学務の皆様、ハワイ

大学の関係者の方々に感謝

いたします。

ハワイ大学夏期セミナーに参加して

医学部医学科四年 

下 

鳥 

泰 

 

八月二十日から二十四日

にかけてハワイ大学John

A. Burns School of M

edicine

で行われた夏期セミナーに

参加させていただきまし

た。ハリケーンの影響でP

BLが中心の研修になって

しまいましたが、非常に有

意義な体験をすることがで

きました。

 

PBLとはProblem

Based Learning

の略で、臨床的な

シナリオから自ら課題の発

見・解決を行っていくグ

ループ学習です。これまで

の座学で与えられる知識と

異なり、自発的に課題を見

つけ学習していくため、非

常に知識が定着しやすいの

が長所だと感じました。実

際、身に着けるべき医学知

識のレベルに関してはさほ

ど差はないのでは?と感じ

る一方で、その定着度や理

解度に関してはハワイ大学

の学生と圧倒的な差を感じ

ました。

 

今回の研修では多くのこ

とを学ぶことができました

が、その中でも勉強に対す

る姿勢を改めることができ

た点が最大の収穫だと感じ

ています。医学に限らずそ

れ以外の知識も機会があれ

ば吸収していき、そして自

発的に知識を求める姿勢を

身につけていくことが、今

後役に立つことだと強く感

じました。今回得られたこ

の感覚や考え方を忘れず

に、今後の人生に生かして

参りたいと思います。

 

最後に、この素晴らしい

機会を与えてくださった先

生方、学務の皆様、ハワイ

大学の方々に心より感謝申

し上げます。

留学だより(ハワイ)

医学部医学科四年 

廣 

兼 

正 

 

ハワイ大学でのPBLで

は、ハワイ大学の生徒が

チューターで、僕たち日本

の学生が話した内容につい

て、適切なところで誉めた

り、アドバイスを行ったり

していました。日本の学生

が意見を言いやすい環境に

してくれたので、積極的に

発言することができまし

た。自分もハワイ大学の生

徒のように場を盛り上げる

ためのコミュニケーション

スキルを磨かなければなら

ないと感じました。

 

また、患者さんに禁煙を

勧めるための診察方法を学

び、ボランティアの方の前

で模擬診察を行う機会があ

りました。驚いたのが、そ

こでそれぞれの生徒に向け

てフィードバックをしてく

れることでした。実践を交

えて自分のコミュニケー

ションのどこに問題があっ

たのかを学ぶことができる

ので、自分の改善点が明確

に解り、モチベーションを

保ちやすいシステムだと思

いました。

 

ハワイ大学での研修を通

して思ったことは、人と人

との関わりの中で医学を学

ぶ機会が多く、アウトプッ

トの機会がとても多い、と

いうことです。

 

海を隔てた遠い場所で、

医師を目指す学生がいると

いうのは自分にとって高い

モチベーションになりまし

た。今後彼らと再び会った

時に恥ずかしくないように

しっかりと医学と英語の勉

強を続けていきたいと思い

ました。

ハワイ大学夏季研修に参加して

医学部医学科五年 

小 

野 

海 

 

二〇一八年八月二十日

より、ハワイ大学にて行

われた夏季研修に参加し

ました。問診・診察・禁

煙外来の英語での進め

方、そしてPBLに関し

てハワイ大学の先生方並

びに学生から指導を頂き

ました。

 

滞在中最も驚いたこと

はハワイ大学の医学生の

勉強量です。テスト期間

ではない時も、授業以外

に一日八時間勉強するそ

うです。そんな中、私た

ちに多くの時間を割いてく

れました。昼休みは学校の

近くのレストラン、夜は観

光ガイドブックには決して

載っていないであろう地元

民ならではのお店に連れて

行ってもらいました。その

ため毎日が新鮮で本当に楽

しむことが出来ました。

 

今回の研修は日本全国か

ら八校の医学部、総勢二十

五名が参加しており、他校

の医学生と出会えたことも

貴重な体験でした。ある大

学では医学英語を四年生ま

で毎年学ぶようで、確かに

群を抜いて医学英語の知識

が豊富でした。日頃他大学

の医学生と関わる機会がほ

とんどないため、お互いの

大学等のことを語り合うこ

とで良い刺激になりました。

 

ハリケーンの影響で五日

間の研修の予定が三日間に

なってしまいましたが、ア

ロハな人々に囲まれとても

有意義な時間を過ごすこと

が出来ました。このような

素晴らしい機会を頂いたこ

とへの感謝の気持ちを忘れ

ず、これからも日々精進し

て行きたいと思います。

ハワイ大学のプログラムの感想

医学部医学科五年 

米 

田 

晃 

 

平成三十年

八月二十日か

ら二十五日の

間、ハワイ大

学に行かせて

いただきまし

た。大学のプ

ログラムで印

象的だったの

は、模擬医療

面接とプレゼンテーション

の二つでした。海外で短期

間の授業をうけた経験は、

将来研究、学会で海外に

いっても、自分の意見を伝

えることにつながると思い

ました。

 

模擬医療面接では、現地

の人が模擬患者さんにな

り、英語で病状を聞き取り

一緒に模擬患者さんと治療

方針を話し合う形式でし

た。ネイティブの人と一対

一で話したのは初体験でし

た。模擬患者さんにおおま

かなことは理解してもらえ

たと思うのですが、適切な

言い回しや表現が不十分

だったので、自分の詳細な

考えを伝えるのが難しかっ

たです。例えば、模擬患者

さんが禁煙したい場合、ニ

コチンを含む禁煙パッチや

ガムを英語で勧められまし

た。しかしパッチとガムの

それぞれのメリットやデメ

リットを英語で模擬患者さ

んに伝えることができませ

んでした。

 

プレゼンテーションで

は、指定の疾患を調べて、

その内容を他の学生達に説

明する形式でした。少ない

ながら医学の知識はあるの

で、調べたことをおおまか

に説明できたのですが、模

擬医療面接と同様に細部ま

では伝えられませんでした。

 

これら二つを通じて、英

語で自分を表現する能力が

不足していることに気づき

ました。将来研究や学会に

いくのであれば、英会話の

経験を積んで、状況にあっ

た英語で自分の考えを伝え

られるようにしたいです。

JABSOM夏期研修に参加して

医学部医学科六年 

石 

橋   

 

私はこの夏、八月二十日

から二十四日の五日間、ハ

ワイ大学JABSOMの夏

期講習に参加させていただ

きました。入学前から医学

留学は夢だったのですが、

今年この研修の存在を知

り、学生生活最後の挑戦の

ような気持ちで応募しまし

た。

 

研修ではPBLを中心に

(次ページへ続く)

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医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日

討論を行い、加えて効果的

な医療面接法や基本的な身

体診察について学びまし

た。私が研修期間中最も驚

いたことは、JABSOM

の学生の医学的知識の完成

度の高さです。JABSO

Mは二年生が多い中、円滑

な討論法や系統的な病態生

理に基づいた知識を持って

おり、とても良い刺激を受

けることが出来ました。生

憎ハワイに台風が接近した

ため、四日目・五日目の研

修は無くなってしまいまし

たが、それでも十分に学ぶ

ことが出来たと思います。

 

また、他大学の学生も多

数参加しており、JABS

OMや他大学の学生と国際

三沢空軍病院での研修

医学部医学科五年 

石 

井 

伯 

 

八月二十日から二十四日

の五日間、三沢米軍病院に

て研修をさせていただきま

した。

 

研修の志望理由として

は、青森県でありながらア

メリカの医療に触れられる

という魅力と英会話を上達

させたいと思ったからです。

 

三沢米軍病院での研修で

感じた日本と一番異なる点

としては医師と看護師の他

にPA(Physician A

ssistant

という職種があるという点

です。PAとは日本で言う

と医師と「看護師」の中間

に当たる職種で、医師の監

督の下、診察やカルテの記

入、問診、手術の補助など

をします。PAの存在によ

り医師は高度な臨床判断や

高度な技術を要する医療行

為に専念できます。

 

ホームステイ先には先述

のPAのGronsky

という方

に泊めていただきました。

とても気さくな方で独身で

すが毎日友人を呼んでバー

ベキューをしたり、ビリ

ヤードしたり、ある日は人

生初のサーフィンにも挑戦

したりと楽しく過ごすこと

ができました。

 

全体を通して言えること

は三沢で出会えた全ての人

が僕の拙い英語に耳を傾け

コミュニケーションを取っ

てくれたこと

で、また英会

話に関しては

自分の目指し

たいレベルが

明確に定まっ

たので、今後

この機会を決

して無駄にせ

ず精進してい

きたいと思い

ます。

 

最後になりましたが、こ

のような貴重な機会を与え

てくださった先生方、関係

者の皆様厚く御礼申し上げ

ます。 三

沢米軍基地での実習を経て

医学部医学科五年 

田 

村 

麻里子

 

医学科五年の田村麻里子

です。八月の五日間、三沢

米軍基地内の病院で実習さ

せていただきました。昨年

三沢の実習に参加した先輩

からのお話を聞き興味を持

ち参加を決めました。これ

まで英会話を習っていたこ

ともなく、海外旅行も台湾

のみだったため英語で話す

という経験はほぼ0の状態

でした。三沢に行く直前に

なって駅前留学をしてみた

り医学英語で単語を予習し

てみたりしましたが実際に

行ってみると、毎日自分の

勉強不足を痛感するばかり

でした。当たり前ですが自

分の周りには英語を話す人

ばかり、医療用語も飛び交

います。理解するよりも速

く流れていく会話について

いけない私に易しい英語で

話してくれたスタッフの

方々には感謝とともに申し

訳なさを感じました。ホー

ムステイ先の女性もとても

優しく私の話も聞いて会話

してくれました。英語で会

話ができるようになるため

には単語や文法を知ること

も必要ですが、とにかく話

してみるというのも大事な

のだと感じました。病院実

習としては診察や手術を見

学させていただきました

が、日本とは異なる体制や

方法を知ることができまし

た。今回の実習を経て、もっ

と勉強しよう、英語で話せ

るようになりたいという意

欲が高まり有意義な経験を

得ることができたと思いま

す。 

電車で行けるアメリカ

医学部医学科五年 

並 

木 

沙奈実

 

五日間とい

う短い期間で

したが、夏休

みを利用して

三沢米軍病院

で夏季研修を

させて頂きま

した。

 

毎日、異な

る科を回らせ

て頂きました

が、中でも一番印象に残っ

ているのは小児科です。私

の志望科の一つが小児科で

あることを考慮して下さ

り、実際に患者さんの診察

を一からやらせて貰いまし

た。私の拙い英語に対し

て、指導医が優しくフォ

ローして下さり、また患者

さんのご家族も温かく見

守って下さって、とても嬉

しかったです。出来は決し

て良いと言えるようなもの

ではありませんでしたが、

自分の反省点に気付くこと

が出来ました。それは、思

うように出来なかった理由

は、「英語という言語の壁

があったから出来なかった

のではなく、まだ根本的な

基盤をしっかりと作れてい

ないからだ」ということで

す。あれだけOSCEでも

練習したのに、まだ私は

「型」を作れていないのだ

と感じ、自分のあり方を見

直すきっかけになりまし

た。

 

また、期間中は病院実習

だけでなく、ホストファミ

リーと素敵な時間を過ごす

ことが出来ました。元気

三沢研修医

学部医学科五年 

光 

岡 

明日香

 

八月二十日~二十四日に

三沢基地内の病院にて、見

学・実習させていただきま

した。印象に残っているこ

とが二つあります。一つは

アメリカの病院の診察の仕

方です。医師は個室が与え

られ、そこでカルテを書い

たりしていて、患者さんは

その隣のexam

ination room

(診察室)に入ります。そ

こは診察、処置するための

部屋という感じで、パソコ

ンもなく診察中は基本的に

看護師も入らないため必然

的に患者さんと医師は完全

に一対一で向き合って話を

することになります。日本

のように医師がパソコンば

かり見て患者を診ないとい

う状況には絶対になりませ

ん。もう一つは、医師が診

察室に入る前に医療スタッ

フが患者さんから話を聞

き、基本的な問診は全て済

ませていたことです。その

 「名城大学、十二年ぶり

二回目の優勝!」昨年度こ

のニュースが流れてから早

一年。昨年に続き今年も十

月二十八日仙台市にて開催

された全国大学女子駅伝

(杜の都駅伝)に、サポー

トチームの一員として応援

に行って参りました。結果

はタイトル通り「初の二連

覇!」。今年も選手たちに

大きな感動をいただいたの

で、今年度の私たちの活動

を報告させていただきます。

 

前回(第八十四号、

今年

三月発行)本紙で優勝報告

した際に、平成二十二年か

ら開始した弘前大学医学部

社会医学講座(梅田孝元准

教授、現名城大学薬学部教

授)と整形外科学講座(石

橋恭之教授)による名城大

学女子駅伝部(米田勝朗監

督)のメディカルサポート

について、報告させていた

だきました。今年度も、五、

七、九、十月と駅伝部の寮

を訪問し、体組成や骨密

度、採血検査に加え、個別

に選手の状態を確認しなが

ら疼痛部位の診察やタイト

ネス評価などを行ってきま

した。これらのメディカル

チェックの主目的は、女性

アスリートの三主徴(利用

可能エネルギー不足、無月

経、骨粗鬆症)と貧血の予

防・改善です。そのなかで、

いっぱいの子供達と一緒に

ゲームで遊んだり、聖書を

使ったキリスト教のセミ

ナーに参加したり、ホスト

マザーに発音のコツを教え

て貰ったりと、毎日が充実

していてとても楽しかった

です。

 

こうして振り返ってみる

と、医学、英語でのコミュ

ニケーション、文化の違い

など、様々なことを学んだ

五日間でした。このプログ

ラムは、大学病院のBSL

とは一味違った経験をする

ことが出来ると思います。

少しでもこのプログラムに

興味を持っている方は、是

非参加してみて下さい。

情報を頭に入れたうえで医

師がさらに診察していきま

す。これは医師の負担が減

るけどその分医師はより高

度な診察が求められるだろ

うなと思いました。他にも

かっこいい美人女医さんが

たくさんいたり(しかも皆

すごく優しくてノリが良く

て何でも褒めてくれる)、

ご飯が多すぎたり、病院の

廊下を歩いているだけで

ドーナッツをもらえたり、

ホームパーティしがちだっ

たり、仕事が終わるとサー

フィンしに行ったり、最終

日の外来は全て休診でビー

チパーティの予定だったり

五日間で今まで経験したこ

とのないことがたくさんあ

りました。とても良い夏休

みになりました。ありがと

うございました。

名城大女子駅伝部、

初の2連覇!

~サポートチームの立場から~

(次ページへ続く)

(前ページより)

整形外科学講座(現 

独立行政法人国立病院機構

弘前病院 

医師) 

藤 

田 

有 

交流を経験することが出来

ました。大学内はもちろ

ん、大学外でも食事や観光

を共にし、ハワイの明るい

文化を体感できました。国

際医療に興味のある私に

とって、在学中に貴重な経

験を出来たことをとても幸

運に思います。

 

最後になりますが、この

ような研修の機会を与えて

くださった弘前大学の先生

方をはじめ、学務の方、そ

してJABSOMの先生や

学生、関係者の皆様に厚く

お礼申し上げます。本研修

で得たものを今後生かして

いけるよう精進したいと思

います。本当にありがとう

ございました。

Page 13: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号 平成 30 年 12 月 19 日

疼痛を訴える選手のなかに

は私達が専門とする整形外

科的ケアをすれば練習が続

けられるような選手もいま

すが、なかには疲労骨折の

前症状のような選手もお

り、目標とする大会に調子

を合わせられるよう練習量

の調整などをアドバイスし

てきました。弘前から名古

屋のチームをサポートする

ため、いつでも診察ができ

るわけではありませんが、

検査結果や携帯アプリなど

で選手一人一人のコンディ

ション状況を監督やコーチ

と一緒に把握しながら、問

題点や改善方法を電話でや

り取りをすることで、少し

でも適切なアドバイスがで

きるように心がけています。

 

選手のなかには東京五輪

を目指し日本代表として世

界で戦っている選手もいま

す。また、選手たちを間近

で見ていると、選手たちは

常に如何にパフォーマンス

を落とさず健康を維持して

いくかを念頭に置きなが

ら、自らを極限まで追い込

み、厳しいトレーニングを

日々行っていると感じま

す。このためサポートチー

ムでは私たちだけでなく、

名古屋学芸大学管理栄養学

部による栄養管理、婦人科

による月経に関する問題へ

の対策など、多方面からサ

ポートしています。これら

の人たちが連携し、選手が

疲労骨折や貧血等のオー

バートトレーニングで長期

にわたり競技を離脱しなく

ていいように、予防や改善

策を考究・指導し、より適

切なコンディショニングを

選手にしてもらえるようサ

ポートしています。また、

現在は選手が引退した後も

女性として健康な生活が維

持できるよう、選手の引退

後の調査にも取り組んでい

ます。

 

今年は昨年までと違い、

「追う立場」から「追

われる立場」とな

り、監督・コーチ・

選手の例年以上の強

い思いをひしひしと

感じてきました。駅

伝当日、順当にいけ

ば名城大が二連覇と

いうプレッシャーの

なか、私たちも現場

で一緒に応援させて

いただき、優勝の

ゴールテープを切っ

た時は感動をいただ

くとともに安堵感を

感じました。

 

今年は年末に開催

される全日本大学女

子選抜駅伝(富士山

これまでを振り返って

附属病院 

産科婦人科 

助教 

伊 

東 

麻 

若手教員・医師だより

 

平成十八年に弘前大学を

卒業し、青森市民病院で初

期研修を終了後、弘前大学

医学部産科婦人科学教室に

入室しました。医師となり

早十三年、教室の名札も上

から数えた方が早くなりま

した。

 

学生時代から産婦人科に

興味を抱いてはおりました

が、初期研修中は他の診療

科にも興味を惹かれ、自分

の専門とする診療科の選択

に迷った時期もありまし

た。しかしながら学生時代

から当時の教室長の横山先

生(現教授)を中心にお声

掛けして頂き、また初期研

修当時の青森市民病院産婦

人科の先生方の人柄と働き

ぶりに心を奪われ入室を決

めました。

 

初期研修終了と同時に入

学した大学院では、切迫早

産治療における基礎的研究

というテーマでヒト子宮頸

管線維芽細胞を用いてプロ

テオグリカン及びプロゲス

テロンの抗炎症効果につい

て検討しました。産婦人科

医としてまずは臨床経験を

積みたいとの不安や焦りも

ありましたが、長い医師生

活の中で基礎研究に打ち込

める貴重な時間だと考え、

不器用ながら休日や夜間に

も実験を続け、無事に博士

号を取得することができま

した。この研究成果をアメ

リカでの国際学会で発表す

る機会にも二度恵まれまし

た。

 

話は前後しますが、大学

卒業後、産婦人科を専攻し

た同級生は皆県外で働く道

を選択した中で、当教室に

入室したのは私ひとりのみ

でした。同期がおらず心細

く寂しさはありましたが、

先輩方に懇切丁寧に指導し

て頂き、日々充実した生活

を送ることができました。

専門とする周産期の研究グ

(前ページより)

ループについては、今では

メンバーが増えてきました

が、指導医である田中幹二

先生と二人のみという時代

もありました。そのような

環境の中でも臨床経験を積

むことができ、周産期専門

医も取得できました。近

年、産婦人科に入室してく

れる後輩も増えており、複

数人いる学年が羨ましくも

あり、また頼もしくもあり

ます。

 

私生活では二児の子育て

に奮闘する日々を送ってお

ります。教室のご理解があ

り、しっかり育児休暇を取

ることができ、育児休暇中

は子供と濃密な時間を過ご

すことができました。育児

は思い通りにいかないこと

ばかりですが、昨日できな

かったことが今日できるよ

うになったとか、「ごはん

おいしい」と言ってくれた

りとか、小さな喜びを幸せ

に感じています。産婦人科

医として、自身の身体で妊

娠、出産を経験できたこと

も非常に貴重で、妊婦さん

の気持ちをより理解でき寄

り添えるようになったと感

じています。また、産婦人

科には仕事と育児を両立さ

せている女医さんが多く、

目標としておりますが、実

際、ひとりではどう頑張っ

ても限界を感じます。家族

や教室員の皆様、子供たち

がお世話になっているひろ

だい保育園、周囲の方々の

ご理解とご協力があってこ

そで、日々感謝していま

す。この場を借りて感謝申

し上げます。

 

最後に、少しでも産婦人

科に興味のある方は気軽に

教室にいらして下さい。

生命の誕生に関わる

産婦人科の魅力

附属病院 

産科婦人科 

講師 

福 

原 

理 

若手教員・医師だより

 

私は平成十三年に弘前大

学医学部を卒業し、弘前大

学産科婦人科学教室に入室

し産婦人科医として働いて

十七年目となります。思え

ば、中学生の頃にNHKス

ペシャル「人体」で卵子と

精子の受精から生命の誕生

に至る映像を目にしてその

神秘さに感動したことが、

医学に興味をもったきっか

けでした。その後、大学時

代の産婦人科での実習で、

卵細胞に精子を注入して受

精させる顕微受精や、その

不妊治療により妊娠された

患者さんが出産し赤ちゃん

が誕生するところを目に

し、生命の誕生にたずさわ

ることができる産婦人科医

になることを決意しまし

た。

 

産婦人科の中でも生殖医

学・内視鏡手術を専門とし

ていますが、大学院では「加

齢女性の胚の質をいかにし

て改善させることができる

か」ということをテーマに

研究し、学位を取得いたし

ました。いまや体外受精胚

移植を主体とする生殖補助

医療により生まれるお子さ

んは十八人に一人となり、

非常に重要な治療となって

います。女性の社会進出に

よりお子さんを希望する年

24 公益

[email protected]

公益社団法人 青森医学振興会

齢が高齢化していることに

より、女性の加齢による不

妊症患者さんや様々な合併

症をもつ患者さんが増加し

ており、産婦人科医単独で

は対処することは困難であ

り、他科の先生方、胚

培養士、看護スタッフ

など様々な方々との連

携で診療することがで

きています。産婦人科

医として、不妊治療で

授かった命が無事、こ

の世に誕生する喜びを

感じる一方で、非常に

難しい症例も多く存在

し、日々、命が授かる

ことの奇跡を実感して

います。

 

もともと手先が器用

ではない私が、産婦人

科医としてなんとか働

くことができているの

は、教室の諸先輩方の

おかげです。胚や精子

をあつかう細かい作業

や、鉗子を用いた内視

鏡手術は、入室時から非常

に興味があったものの、当

初は自分でも呆れるくらい

できない状態で、このまま

産婦人科医として働くこと

ができるのかと不安になっ

女子駅伝)との二冠を目標

に今も練習を重ねていま

す。選手が少しでも日ごろ

の練習成果を発揮し、また

最高の感動を私たちや多く

の人に与えてくれるよう、

今後も全力でサポートさせ

ていただきたいと思います。

たことも多々ありました。

そんな私にも温かくも厳し

く、あきらめず指導し続け

てくれた教室の先輩方に支

えられ、大好きな産婦人科

の仕事を日々することがで

き、感謝しております。ずっ

と新人の気持ちで仕事をし

てきましたが、幸せなこと

に、今では多くの頼れる後

輩もできました。産婦人科

教室は、横山教授のもと、

研究・教育・診療に没頭す

る先生、育児と両立しなが

ら仕事に邁進する先生、な

どなどみな様々な立場であ

りながらも仕事に真摯に取

り組み、プライベートな面

でも支え合う仲間がいるあ

たたかい教室です。この教

室で、生命の誕生に関わり

次の世代へつながっていく

産婦人科ならではの医療を

共に頑張る仲間を男女問わ

ず、募集中です!

Page 14: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日

部活動紹介

 

弘前大学医学部バドミン

トン部は、卒業生が引退

し、現在男子十六名、女子

十名の計二十六名で活動し

ています。毎週火、木、

土、日の週四回、文京地区

の第二体育館で練習に励ん

でいます。また、土日の練

習後には自主練を行ってい

るのですが、多くの部員が

自主練に参加し、アドバイ

スをしあいながらお互いの

技量の向上に努めています。

 

バドミントンと言えば、

男子シングルスの桃田賢人

選手や女子ダブルスの福

島・廣田ペアを始め、日本

人選手の国際大会での華々

しい活躍が注目を集めてい

ます。多彩なラリーや巧み

なショットで相手を翻弄

し、体格差がある選手とも

互角以上に渡り合えるのが

バドミントンの最大の特徴

の一つです。

 

医学部バドミントン部に

は大学からバドを始めた人

も多数在籍しています。初

心者はじめの部員には先輩

が丁寧に指導するなどして

技術の向上を図り経験者に

引けをとらないほど活躍し

ている部員もいます。この

ように先輩後輩を問わず部

員同士で気軽にア

ドバイスをしあう

雰囲気があるのも

バドミントン部の

魅力の一つです。

 

主な大会は五月

に行われる北医

体、八月に行われ

る東医体(医学

科)、九月に行わ

れる北保体(保健

学科)があり、す

べての大会で部員

全員が出場可能

で、経験者未経験

者問わず練習の成

果を発揮すること

が出来るのもま

た、バドミントン

部の一つの魅力で

す。その他に、秋

田大学、山形大学

との三大学合同定

バドミントン部

医学部医学科三年 

檜 

山   

期戦や岩手医大、東北大学

との定期戦も毎年開催して

いて、他大の学生とも親交

を深めることが出来ます。

 

その他にも部員一同で

キャンプをしたり、また、

部内班として、野球班やス

イーツ班、スパイシー班、

米部などがあり、それらの

活動を通したりして、部員

同士の親睦をより一層深め

ています。

 

現在私たちは、北医体の

団体戦男女優勝、各部員の

個人戦入賞を目標に練習に

励んでいます。今までの大

会での悔しさをバネに、目

標達成に向かって、部員一

丸となって取り組んでいき

たいと思います。

ソフトテニス部

医学部医学科三年 

中 

村 

宙 

 

弘前大学医学部ソフトテ

ニス部は、現在男子二十六

名、女子二十三名、計四十

九名で活動しています。現

在は、今年度の大会がすべ

て終わり、次のシーズンに

向けて体力づくりや基礎練

習に励んでいます。今年度

は、北医体で男子団体第三

位、女子団体第四位、東医

体では男女とも準決勝トー

ナメント敗退、その後引退

生がぬけた新チームで戦っ

た秋季リーグでは、男子団

体第三位、女子団体準優勝

という成績を収めることが

できました。

 

ソフトテニス部には、経

験者だけではなく初心者も

数多く在籍しています。経

験者、初心者関係なく教え

合い、互いに切磋琢磨しな

がら練習に励んでいるの

で、初心者でもどんどん打

てるようになります。部員

は、医学科だけでなく保健

学科の学生もいます。個性

的な面々がそろっており、

部活外でも先輩後輩関係な

く、部員で集まっておいし

いものを食べたり、遊んだ

り、釣りしたり、旅行した

りなどプライベートでもと

ても仲が良いです。だか

ら、何か辛いことがあって

も誰かが誰かの支えとな

り、みんなで励まし合って

乗り越えられるのかもしれ

ません。

 

ソフトテニスにはシング

ルスもあるのですが、ダブ

ルスが主流で、私たちが出

ている大会も団体戦個人戦

すべてダブルスで行いま

す。そのため、ペアの信頼

関係が重要となります。ラ

リーの中では、様々な駆け

引きが繰り広げられます。

その中で、二人で一本とる

のは簡単なことではありま

せんが、それができ、勝利

をつかんだときの喜びは、

なにものにも代えられませ

ん。そして、その勝利を一

緒に喜んでくれる仲間がい

ます。毎回、どの大会も白

熱した戦いが多く、プレー

も応援も全力です。これか

らも過去の実績に満足する

ことなく、勝利のために

日々精進していきたいと思

います。 漢

方医学研究会

医学部医学科三年 

工 

藤 

千 

 

漢方医学研究会は現在

四十名が在籍し、日本の伝

統医学である漢方医学を学

んでいます。漢方医学は、

中国医学が日本に伝わり、

国内で独自に発展した学問

です。活動は毎週月曜日の

定例会を主とし、定例会で

は部員が調べたことを発表

する形をとっています。今

年度は、生薬のひとつ〝麻

黄〟を生で食べて動悸や発

汗といった作用が出るか試

したり、インドを旅した部

員が(中国医学とともに世

界三大伝統医学のひとつで

ある)アーユルヴェーダ体

験話をしたりと、エンター

テインメント性に富む会が

多くありました。定例会だ

けでは物足りない部員は

種々の講演会・勉強会に参

加し、より体系的に学んで

います。基礎概念はもちろ

ん、近年は薬理作用が科学

的に明らかになった漢方薬

もあり、臨床での実践的な

使い方も学ぶ貴重な機会と

なっております。

 

もちろん、勉強だけの集

団ではありません。多くの

運動部には北医体がありま

すが、東北・北海道の東洋

医学系研究会が集まる〝合

写真コラム (2)

衛生昆虫研究室脳血管病態学講座教授 今 泉 忠 淳

 昭和30年(1950年)代以前には、日本⼈の多くが寄生虫に感染しており、医学上重要な問題でしたが、弘前大学医学部には、昭和41年(1966年)に寄生虫学講座が設置されました。寄生虫学講座には、衛生昆虫研究室という研究室もあったようです(写真:耐震工事前の2007年撮影)。しかし、寄生虫の感染率は、衛生状態の改善や学校での検診などで激減し、1970年代以降は「ゲテモノ食い」や「海外旅行」などでの感染を除くと寄生虫疾患は殆ど見られなくなりました。そういう流れに沿うように、弘前大学医学部では、平成18年(2006年)に細菌学講座と寄生虫学講座とを改組し、感染生体防御学講座が設置されました。一方では、寄生虫の感染が激減したころから、反比例するようにアレルギー性疾患が激増しています。はっきりとした証拠はありませんが、寄生虫の感染激減がアレルギー性疾患の増加を引き起こした、という有名な学説があります。寄生虫の激減が日本⼈の寿命の延長に寄与したことは間違いないと思いますが、そもそも、数百万年前に⼈類が地球上に現れてから1970年頃まで、⼈類は寄生虫と共存してきた訳ですから、寄生虫を目の敵にしてほぼ撲滅してしまったことは果たして良かったことかはわかりません。

同学習会〟が毎年行われて

います。ここでは各団体の

活動発表や交流会が行われ

ます。他大学の団体と関わ

りが少ない私たちにとっ

て、合同学習会は貴重な交

流の場であるとともに、部

員の意欲向上にもつながっ

ています。

 

勉強会で得た知識を外に

発信する活動もしていま

す。弘大祭では漢方喫茶を

出店し、生薬に関連したお

茶やお菓子を提

供したり、実物

の生薬を展示し

たりと、地域の

方々に漢方薬に

親しみを持って

いただけるよう

工夫していま

す。今年度は〝大

棗〟の生薬名で

知られるナツメ

などのお菓子、

杏仁のお茶が大

人気でした。

 

従来、いわゆ

る東洋医学は科

学的根拠がなく、西洋医学

からみると胡散臭い学問

だったと思います。徐々に

東洋医学の謎が明らかとな

り、現在は東洋・西洋両者

の長所を生かそうとする医

療への移行期と呼べるで

しょう。この時代に学生と

して学べることへの感謝、

加えて部活動を支えてくだ

さる皆様への感謝を忘れ

ず、これからも日々研鑽を

積んで参ります。

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医学部ウォーカー第 87 号 平成 30 年 12 月 19 日 

小児科学講座は七十年以

上の歴史があり、地域医療

を支えながら多くの優秀な

小児科医を輩出してきまし

た。青森県の小児医療は、

大学病院を中心に青森県内

の関連病院が有機的に結び

ついて全体として機能的な

小児病院群を形成して行わ

れています。最近、この病

院群に八戸市民病院が加わ

り、さらに充実したシステ

ムになってきました。弘前

大学医学部附属病院は、小

児科領域の各種専門家を有

する県内唯一の医療機関と

して、県内外の医療機関か

ら紹介される重篤な患者さ

んの診療を行っています。

小児医療は、血液・腫瘍、

循環器、腎、神経疾患、ア

レルギー、代謝・内分泌な

どの全ての内科疾患に加

え、未熟児・新生児疾患を

カバーすることが求められ

ています。弘前大学小児科

には、血液・悪性腫瘍、循

環器、腎臓・アレルギー・

免疫、神経、新生児の五つ

のグループがあり、優秀な

専門医が各々の専門診療、

研究、教育を担当していま

す。なお、新生児グループ

は青森県立中央病院にス

タッフを集約させ、県全体

として効率的に診療が行え

る体制を整えています。

 

臨床においては最高の医

療を提供す

ることを目

指して教室

員一丸と

なって診療

に励んでい

ます。しか

し、その努

力にも関わ

らず、残念

ながら難病

を抱える子

どもたちが

すべて健康

を取り戻せ

るわけでは

ありませ

ん。我々は

小児の難病

の治療成績

を上げるた

めに、基礎

研究・臨床

研究に積極

的に取り組

んでいま

す。以下に

当科の臨床

と研究を研

究分野に分

けて紹介し

ます。

 

血液グループでは、血液

疾患、小児がん、免疫不全

症を中心に診療を行ってい

ます。小児がんは比較的稀

な疾患であるため、より良

い治療法を開発するために

は、多施設が協力して臨床

試験を行う必要がありま

す。私たちは、日本小児が

ん研究グループ(JCC

G)に所属し、白血病など

の造血器腫瘍も神経芽細胞

腫などの固形腫瘍もJCC

Gの臨床試験に参加し、治

療に当たっています。ま

た、当科は、ダウン症の一

過性異常骨髄増殖症と急性

巨核芽球性白血病のJCC

Gの中央診断施設の役割も

果たしています。最近、ダ

ウン症の白血病に起こって

いる遺伝子異常の全貌を明

らかにすることに成功しま

た(N

ature Genetics

2013

)。

 

難治性血液疾患の治療の

ため、造血幹細胞移植を用

いた治療研究を積極的に

行っています。現在までに

延べ二百例以上の造血幹細

胞移植を行ってきました。

最近では、HLA半合致血

縁者間移植、KIRリガン

ドミスマッチ臍帯血移植、

難治性固形腫瘍に対する同

種造血幹細胞移植などにも

取り組んでいます。世界に

先駆けた新しい移植にも成

功しており、二〇〇六年に

は、世界で初めてNEMO

遺伝子異常による先天性免

疫不全症の患者さんに対す

る造血幹細胞移植に成功し

ました。

 

心臓グループでは、先天

性心疾患や川崎病などの後

天性心疾患の診療・研究を

行っています。先天性心疾

患をはじめとする小児の心

臓病の治療には、診断から

治療そして治療後の管理ま

で、患者さんの必要に応じ

た内科的外科的な総合的な

チーム医療が不可欠な分野

です。心臓病の子供たちが

胎児から成人まで、その一

生を通して最良の生活がで

きるように少しでもお手伝

いすることを目標にしてい

ます。手術において先進的

な治療方法を開拓し、胎児

診断にも積極的に取り組

み、最適な治療計画を考え

ることで、重症な赤ちゃん

も数多く助けることができ

るようになりました。ま

た、最新のカテーテル治療

の導入も積極的に行い、治

療の選択枝を広げる努力を

しています。基礎研究とし

ては、心筋病理学的知識に

基づいた不整脈解析、川崎

病、特に冠動脈病変を有す

る症例の急性期及び遠隔期

における心筋病変、並びに

微小血管病変の解析、各種

心筋症における遺伝子解

析、心不全と神経体液因子

の関連、心拍変動の臨床応

用等、小児循環器疾患に関

する研究に幅広く取り組ん

でいます。

 

腎臓グループでは、小児

腎臓病、自己免疫性疾患、

アレルギー性疾患を対象と

して診療、研究を行ってい

ます。特に、腎疾患・自己

免疫性疾患のより非侵襲的

かつ有効な免疫抑制療法の

開発を一貫して行っていま

す。基礎的な研究として

は、培養ヒトメサンギウム

細胞を用いた自然免疫系経

路を介した炎症機構の解明

とその制御に関する研究、

腎疾患の非侵襲的検査法の

開発を目的とした尿沈渣細

胞を用いた各種機能分子

mRN

A

発現の研究を行っ

ています。さらに新たな

テーマとして、難治性ネフ

ローゼにおけるPodocyte

 

分子生体防御学講座は、

高度先進医学研究センター

(以下、高度先進)の研究

部門講座として二〇〇六年

一月に新設講座として開設

されました。国立大学が法

人化され、大学への運営交

付金も年に一%ずつ減少し

ていく中、医学部の特に基

礎系講座は人件費削減と言

うことで、むしろ講座の統

合が進もうとしていた頃で

した。こうした状況の中、

当時の兼子直医学部長を中

心に作られた医学部の構想

に敬意を表するとともに感

謝しております。その期待

を肌身に感じてはや十二年

を数えますが決して満足で

きる業績を残せておりませ

ん。ともに研究部門を構成

する糖鎖工学講座とともに

高度先進の掲げた〝ポスト

ゲノム研究〟を推進するこ

とにより基礎と臨床の架け

橋になるような研究セン

ターに成長させることが当

講座の使命です。

 

生体防御というと非常に

幅広いですが、私共の講座

では主に「酸化ストレスに

対する防御機構」特にその

中でもN

rf2

ストレス応答

 

本庶佑先生のノーベル生

理学・医学賞受賞は、まこ

とに慶ばしいニュースで、

本庶先生が本学医学部の客

員研究部門の教授もされて

いたという御縁もあるとい

うことで、たいへん素晴ら

しい。ぜひ、医学生諸君も、

大いに刺激を受けて基礎研

究にも興味を持ってくれる

と嬉しいですね。

 

しかし、運営費交付金の

減額など、国、特にZ省(セ

クハラで事務方トップが辞

任)やM省(幹部が子供の

裏口入学を依頼)が進める

「日本の科学殲滅計画」が

着々と成果を挙げつつあ

り、国内の研究者を取り巻

く環境は厳しさを増してい

ることから、近年のノーベ

ル賞ラッシュも、日本の科

学の最後の輝きとなる可能

性が高い。

 

本庶先生もおっしゃって

いたが、基礎研究ではどの

萌芽が将来花開くかを予測

することは不可能なため、

ある程度総花的に研究費を

ばら撒くことは不可欠であ

り、また、ある程度以上の

成果を挙げている研究者に

はポジションを保証すると

いった施策も必須だと考え

る。ノーベル賞受賞者は優

秀な研究者ということは誰

でも分かるが、問題は、未

来の本庶先生や大隅先生を

どう見つけるか、で、これ

は極めて難しい。しかし、

お役人はうまく「選択」で

きると信じているようだ。

筆者は、以前、某研究拠点

近くにいたのだが、「集中」

している研究室では、使い

切れないような研究費が与

えられる結果、半年は使え

る消耗品も一回使っただけ

で廃棄、というような事例

をよく耳にした。そもそも、

「集中」している研究者は

科研費等のシステムでも潤

沢な研究費が与えられてい

るので、追加してもあまり

意味はないのである…。

 

ということで、今回の「こ

ぼれ話」にオチはありませ

ん。

小児科学講座

小児科学講座 

教授 

伊 

藤 

悦 

分子生体防御学講座

分子生体防御学講座 

教授 

伊 

東   

上のSM

PDL3b

の役割につ

いて腎生検組織、尿検体を

用いた解析を行っていま

す。以上の研究の成果は国

外の専門誌に継続して報告

されており、内科領域を含

む国内外から広く注目され

ています。

 

神経グループでは、小児

神経疾患、筋疾患、一部の

代謝疾患の診断・治療なら

びに早産児の成長発達、発

達障碍児のフォローアップ

を対象として診療・研究を

行っております。小児神経

疾患では、急性脳症、自己

免疫性脳炎のような集中治

療を要する疾患や、難治て

んかん、大脳白質変性症、

ギランバレー症候群、水頭

症、二分脊椎等、幅広い疾

患の診療を行っておりま

す。また、進行性筋ジスト

ロフィー、先天性ミオパ

チー等の筋疾患についても

遺伝子検査、筋生検による

診断、治療を積極的に行っ

ております。臨床研究とし

ては、自己免疫に伴う神経

疾患、難治てんかんに関し

て他施設と連携して研究を

行っております。基礎研究

としては、次世代シークエ

ンサーを用いた神経皮膚症

候群に関する遺伝子解析に

取り組んでおります。

 

小児科学講座の研究の基

本理念は、臨床から得られ

たアイディアに基づいて研

究を発展させ、弘前から世

界に発信できる独創的な研

究を展開することです。「臨

床日本一、研究世界一」が

目標です。いずれのグルー

プも将来臨床に還元できる

基礎研究、臨床研究に取り

組んでいます。これらの研

究成果は医学の発展に貢献

することはもちろんです

が、研究を自ら行うこと

が、深い洞察力をもつ優れ

た小児科医を育てるために

も役立っていくと思われま

す。

(次ページへ続く)

Page 16: ヘルシーエイジング・ イノベーションフォーラ …1面:ヘルシーエイジング・イノベーションフォーラム 2018 2面:癌抑制遺伝子TP53の活性化変異が原因で起こ

医学部ウォーカー第 87 号平成 30 年 12 月 19 日

経路を主題に研究していま

す。その防御機構の破綻が

加齢による疾患などの種々

の疾患につながっているも

のと考えられます。活性酸

素の主要な発生源であるミ

トコンドリアの機能異常に

対する恒常性維持機構など

も重要な研究対象です。転

写因子A

TF4

はこの恒常性

維持機構に重要な役割を果

たしますが、ミトコンドリ

ア異常がA

TF4

を活性化す

る詳細な分子機構などにつ

いて研究しています。ミト

コンドリア機能低下・異常

は加齢を促進すると考えら

れますので、これらはアン

チエイジング研究につなが

る大事なものであると考え

ています。現在は、中路特

任教授を研究リーダーとす

る文部科学省のCOI拠点

でアンチエ

イジング研

究を推進す

るとともに

野菜生命科

学講座とも

連携して健

康寿命の延

伸に取り組

んでいま

す。さらに

は、高度先

進一丸と

なって、医

学研究科共

通機器セン

ターの運営

にも取り組

んでいま

す。将来的

には、健康

未来イノ

ベーション

センターを

拠点に、疾

患の予兆を

基盤にした

個別化予防

附属病院 整形外科 講師 和 田 簡一郎

日常診療のエッセンス下肢

 

日本は超高齢社会を迎

え、健康寿命の伸延が国を

あげた重要なテーマとなっ

ています。加えて、仕事、

社会での役割から趣味に至

るまで、健康であるための

目的も多様化がすすんでい

ます。運動器診療では、高

齢者の骨粗鬆症性骨折や退

行性疾患に加えて、乳幼

児、小児疾患、若年期のス

ポーツ損傷、外傷まで幅の

広い疾患の知識、診療技術

が求められます。

 

競技スポーツにおける低

年齢化や高度化、健康維持

のための健康スポーツの普

久は、スポーツ損傷に対す

るアプローチも変化させて

きています。その治療に

よって単に疾患を治すだけ

ではなく、競技復帰から再

発予防、生活習慣予防まで

目指すゴールの幅も広がっ

ています。小児のスポーツ

障害は増加している一方

で、内反足のような小児疾

患を一般診療で診る機会は

減少しました。しかしなが

ら、先天性疾患であれス

ポーツ障害であれ、小児疾

患の初期治療の重要性は変

わるものではありません。

二〇一六年から学校保健法

施行規則が改正され、運動

の研究に貢献して行ければ

と考えております。講座と

しては、教授の私とスタッ

フ三名、技術補佐員が一

名、秘書一名、そしてハン

ガリーからの大学院留学生

が一名の小所帯ですが、臨

床講座からの大学院生、国

内他大学からの研究生、中

国医科大学からの大学院生

さらには野菜生命科学講座

のスタッフなど多くの方が

当講座で活動するようにな

りました。この場を借りて

共同研究をしていただいて

いる医学研究科の各講座の

先生方に御礼を申し上げた

いと思います。ようやくフ

ルスロットルで走り出した

分子生体防御学講座に皆様

の温かいご指導・ご鞭撻を

いただきますよう、どうぞ

よろしくお願い申し上げま

す。

書籍発刊

器検診が学校検診に取り入

れられ、小児における整形

外科疾患も予防の時代に

入ってきています。また、

整形外科領域においては、

今も骨折・脱臼などの外傷

治療が基本ではあります

が、骨粗鬆症に伴う脆弱性

骨折や変形性関節症といっ

た退行性疾患を扱う機会が

増えています。この様に、

社会の変化によって、整形

外科疾患が増加するばかり

ではなく、求められる整形

外科医の役割が益々多様化

することになり、結果とし

て、整形外科医に求められ

る技術は高度なものとなっ

ていきます。日本の整形外

科医は運動器の専門家とし

て、初期診断、保存治療か

ら手術治療、そして疾患の

予防にまで広く携わってい

かなければなりません。

 

本書には、運動器の中で

も下肢疾患を中心に日常診

療のエッセンスをまとめら

れています。特徴として

は、股関節、膝関節、足関

節・足部と解剖学的な部位

毎に小児疾患から、外傷、

退行性疾患、スポーツ損

傷、脊椎疾患、末梢神経障

害などがまとめられてお

り、さらに疾患の理解に必

要な運動器の解剖からバイ

オメカニクスも確認できる

ことです。各分野の専門家

により執筆されており、単

に疾患の診断と治療の解説

にとどまらず、実診察にお

ける基本姿勢から診断、保

存治療、そして手術治療に

いたる過程が分かり易く解

説されています。整形外科

専門医を目指す先生方を対

象に企画された本書ではあ

りますが、医学部学生や理

学療法士、専門医の先生方

のお手元においていただ

き、ご活用いただけますと

幸いです。

(前ページより)

⃝医学研究科【昇任】

発令日 所 属 職 名 氏 名 前所属

H30.10.1 先進移植再生医学講座 准教授 米山 高弘 泌尿器科 講師先進移植再生医学講座 講師 村上 礼一 循環器腎臓内科学講座 助教

【採用】発令日 所 属 職 名 氏 名 前所属H30.9.1 病理生命科学講座 助手 後藤 慎太郎 病理部 医員

H30.10.1

泌尿器科学講座 助教 藤田 尚紀 青森労災病院産科婦人科学講座 助教 石原 佳奈 国立病院機構弘前病院救急・災害医学講座 助手 川口 純 麻酔科 医員地域救急医療学講座 助手 小野 浩弥 弘前市立病院

H30.11.1 食と健康 科学講座 助手 安藤 雅峻 横浜勤労者福祉協会 汐田総合病院健康と美 医科学講座 助教 鄭 松伊 国立長寿医療研究センター

【配置換】発令日 所 属 職 名 氏 名 前所属

H30.10.1 泌尿器科学講座 准教授 橋本 安弘 先進移植再生医学講座 准教授H30.11.1 産科婦人科学講座 助教 赤石 麻美 産科婦人科 助教

【辞職】発令日 所 属 職 名 氏 名 異動先等

H30.9.30

泌尿器科学講座 助教 得居 範子 大館市立総合病院産科婦人科学講座 助教 追切 裕江 国立病院機構弘前病院救急・災害医学講座 助手 竹川 大貴 麻酔科 医員地域救急医療学講座 助手 太田 聖也 公立野辺地病院

⃝附属病院【昇任】

異動日 診療科等 職名 氏  名 採用前・採用後H30.11.1 周産母子センター 講師 阿部 和弘 産科婦人科学講座 助教

【採用】異動日 診療科等 職名 氏  名 採用前・採用後H30.9.1 集中治療部 助手 赤石 真啓 琉球大学

H30.10.1

内分泌内科,糖尿病代謝内科 助教 綿貫 裕 板柳中央病院整形外科 助教 飯尾 浩平 国立病院機構弘前病院泌尿器科 助手 相馬 理 鷹揚郷腎研究所弘前病院泌尿器科 助教 鈴木 裕一朗 青森市民病院泌尿器科 助手 小西 栄 鷹揚郷腎研究所弘前病院高度救命救急センター 助手 野坂 匡史 弘前脳卒中・リハビリテーションセンター

H30.11.1 循環器内科,腎臓内科 助手 工藤 奈津美 弘前脳卒中・リハビリテーションセンター麻酔科 助手 竹川 大貴 麻酔科 医員

【配置換】異動日 診療科等 職名 氏  名 採用前・採用後

H30.10.1 泌尿器科 講師 今井 篤 先進移植再生医学講座 講師

【配置変更】異動日 診療科等 職名 氏  名 採用前・採用後

H30.11.1 産科婦人科 助手 小山 文望恵 周産母子センター 助手

【任命】異動日 診療科等 職名 氏  名 採用前・採用後

H30.10.1 輸血部長 玉井 佳子

【辞職】異動日 診療科等 職名 氏  名 採用前・採用後

H30.9.30

内分泌内科,糖尿病代謝内科 助教 村澤 真吾 東北大学整形外科 助手 武田 温 つがる総合病院泌尿器科 助教 日下 歩 鷹揚郷腎研究所弘前病院泌尿器科 助教 細越 正吾 青森市民病院高度救命救急センター 助手 川村 陽介 青森県立中央病院

H30.10.31 循環器内科,腎臓内科 助手 成田 憲紀 弘前脳卒中・リハビリテーションセンターH30.11.30 集中治療部 助手 太田 大地 八戸市立市民病院

称 号 名 氏  名 現  職  名 称号付与期間臨床教授 鎌田 孝篤 弘前脳卒中・リハビリテーションセンター 副院長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床教授 長谷川 一志 八戸市立市民病院 循環器内科部長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床教授 久留島 徹大 市立函館病院 外科主任医長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床教授 梅原 実 市立函館病院 外科主任医長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床教授 佐藤 隆弘 市立函館病院 外科主任医長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床教授 橋本 哲司 青森市民病院 産婦人科部長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日

臨床准教授 及川 広一 八戸市立市民病院 臨床研修センター副所長兼 循環器内科医長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日

臨床准教授 萩井 譲士 弘前脳卒中・リハビリテーションセンター 内科部長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床准教授 中島 菊雄 市立函館病院 整形外科科長・主任医長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床准教授 西村 祥二 市立函館病院 泌尿器科部長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床准教授 冨浦 一行 十和田市立中央病院 副院長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床准教授 谷口 綾亮 つがる総合病院 産婦人科科長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床准教授 葛西 剛一郎 八戸市立市民病院 産婦人科内視鏡外科部長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日臨床准教授 葛西 亜希子 八戸市立市民病院 産婦人科部長 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日

臨床教授・臨床准教授称号付与者(平成30年10月1日現在)

 

二〇一八年最後の医学

部ウォーカーも無事発行

となりました。いよいよ

年の瀬を迎え、今年も終

わろうとしております。

今年は暖冬で、十二月に

入っても関東などでは夏

日であったと報じられて

おりました。しかしなが

ら、残念ながら気温は順

調に下がり、結果、弘前

も銀世界となっておりま

す。最近は道路に根雪が

積もるまでの状態には

なっていなかったので、

このままどうなるやら先

行き不安です。弘前大学

に入学するとともに弘前

の冬を初めて経験し、は

や二十五年くらい過ぎま

した。当初は冬が来るの

が憂鬱で、大雪が降ると

雪掻きの大変さに毒づい

ておりました。しかしな

がら、最近は〝ああ、雪

がたくさん降ったな〟程

度になりました。二十五

年を経てようやく北国の

冬に慣れたかと思いまし

たが、よく考えてみれば

そうではありません。何

のことはない、日中の家

の雪掻きは妻がしている

ため、雪掻きの回数が著

しく減ったためではない

かと気がつきました。私

達がいつも仕事に集中で

きるのも、家族を含めた

多くの方々の協力があれ

ばこそです。今年一年も

医学部ウォーカー発行に

際し、お忙しい中多くの

方々に原稿を書いていた

だき、本当に感謝してお

ります。来年一年もどう

ぞよろしくお願いいたし

ます。

(水上 

記)

称  号 氏  名 所    属 期    間診療准教授 三浦 和知 リハビリテーション科 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日診療講師 上里 涼子 整形外科 平成 30 年 10 月 1 日~平成 33 年 9 月 30 日診療教授 北山 眞任 手術部 平成 30 年 11 月 1 日~平成 33 年 10 月 31 日診療准教授 久保田 耕世 歯科口腔外科 平成 30 年 11 月 1 日~平成 33 年 10 月 31 日

診療教授等新規称号付与者(H30.9 ~H30.11)

人 事 異 動(H30.9.1 ~H30.11.30)