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ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援 誌名 誌名 高知県工業技術センター研究報告 ISSN ISSN 09168729 巻/号 巻/号 43 掲載ページ 掲載ページ p. 5-10 発行年月 発行年月 2012年9月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援 誌名 高知県工業技術センター研究報告

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Page 1: ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援 誌名 高知県工業技術センター研究報告

ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援

誌名誌名 高知県工業技術センター研究報告

ISSNISSN 09168729

巻/号巻/号 43

掲載ページ掲載ページ p. 5-10

発行年月発行年月 2012年9月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

Page 2: ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援 誌名 高知県工業技術センター研究報告

ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援

超音波照射によるショウガのジンゲロール抽出

森山洋憲松本泰典*

Development of new food contaInIng gIngerol from gInger

PreparIng the gInger extract contaInIng gIngerol by usIng ultrasonIc IrradIatIon

HIronor I MORI}j雌~ Yasunor I M4 TSUMOJlぴ

新規に組み立てた超音波照身す装置を用いてショウガから 6ージンゲ、ローノレ抽出を行った。比較のためにラボ用装置も使

用し、同様の実験を行った。ラボ用装置よりも新規装置の方が高い抽出率を示した。新規装置の発援周波数を28kHz(出

力400W)、または45kHz(出力 600W)に設定した抽出実験を行ったところ、 45凶zの方が28kHzに比べて高抽出率を示

す傾向が見られた。一方で、装置内の超音波強さが一様で、ないこと、効果的に抽出できる位置が偏在することも分かった。

1 . 目的

高知県の、ンョウガ生産量は全国1位である。高知県

産の、ンョウガは生鮮物の囲いショウガ、新、ンョウガと

して、あるいは、加工されてすりおろし品、刻み品、

平切り、官官責け品として県内外に出荷されてし唱。一

方で、ショウガ辛味成分であり、機能性脳]'で、もある

ジンゲロール1)が注目されている。この成分に着目し

た冷え性対策商品は冬の寒い季舗のみならず、冷房に

よって冷えすぎ、たオフィス環境などから 1年を通して

の需要があり、季節を間わず人気商品へと成長してい

る2)。

本車問では、県特産品であるショウガの新しし、加工

方法にっし、て基礎的な知見を得るために、超音波照射

によるジンゲ、ロールの抽出について検討した。

2.方法

2. 1 試料

側あさの(高知県香美市)で製造された業務用の摺

り下ろし品を入手し、超音樹由出実験用ショウガとし

て{吏用した。

2. 2 超音波照身様置

ショウガジンゲ、ローノレの抽出には2種類の装置を使

用した。ひとつは実験室用装置で、あるアズ、ワン製

US-3R (発関司波数40凶z、出力 12W、写真1)であり、

もうひとつは高知工科大判E当で組み立てた新規装置

* 高知工科大学

である。新規装置は発振機(写真2) と水槽(写真3)

で構成されており、発樹司波数を28凶z(最大出力400

W)と45kHz(最大出力600W)とに切り替えて使用で

きる。

2. 3 ジンゲロールの分析

ジンゲ、ロールの分析には日本分光(株)製日目£超

高速液体クロマトグラフ X-LCシステムを用いた。本シ

ステムの分析剣牛と分析例を図 lに示す3¥8ージンゲ

ロールと 10-ジンゲ、ローノレは痕跡量しカ検出されず、

写真1実験室用超音波装置

6ージンゲ、ローノレのみが定量的に検出された。 したがっ

て本報告書で汚すジンゲロール量とは6ジンゲロー

ノレのイ直で、ある。

3 結果と考察

3. 1 超音波処理条件の検討

3. 1. 1 装置2f.重類によるジンゲローj吋由出

-5-

Page 3: ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援ショウガジンゲロールを用いた新規食品開発支援 誌名 高知県工業技術センター研究報告

写真2新規装置(発振機)

写真3新規装置(水槽)

水抽出用サンプルとして、ショウガ摺り下ろし品に

対する水の混合比率を変化させたものを7区分用意し

た。 7つのサンプノレとは、ショウガ摺り下ろし品の重

量1に対して l、2、4、8、12、16、20f音体積量のMQ

水をそれぞれお訪日混合したもので、ある。はじめに7つ

問 (A)

1.0 LS 2,0 2.5 3.0 3.5 ~弘0

融加齢T附抽]

(8) 三@官.... d

の抽出区分 (1:1、1:2、1:4、1:8、1:12、1:16、1:20)

サンフツレを実験室用の超音波装置(アズワン製US-3R)

に設置し、 20分間の抽出を行った。抽出後のサンフ。ル

上部の液体を採取し、 UHPLC分析に供した。抽出液中

のジンゲ、ロール濃度を調べたところ(図2)、最も高い

抽出液当たり濃度は 1:1抽出区分の54.1μg/札、最低

値は 1:20抽出区分の 10.0μg/mLであった。これら抽

出液濃度を用いてショウガ 1gから抽出されたジンゲ

ロール量(固形分当たり濃度)を算出したところ、最

も低し、ジンゲ、ローノL量は 1:1抽出区分の 54.1/-l g/g、

最高値は 1:20抽出区分の201μg/gであった。抽出液

中のジンゲ、ロール濃度はショウガに対する水の混合比

率が高くなるに従って低くなるのとは反対に、ショウ

ガ固汗ちま当たりの濃度は高くなることを確認した。ま

た 1:1"-'1:8までの抽出区分で、は、水の混合比率が高く

なるに従って固汗あ士当たりの抽出率も高くなったが、

1:12以上の区分ではほぼ一定の固形分当たり濃度約

200μg/gを示すことが分かった。ショウガに対して

12倍量以上の水を加えて抽出しても、固形分から抽出

される成分の割合はほとんど変化しないと樹則した。

実験室用装置による水抽出の傾向を確認した上で、

続いて新規装置による抽出誤験を実施した。超音波処

理を行うための水槽には、高知工科大学製作の脱気水

準出量装置で処理された脱気水を用し九この水は30

分間の脱気処理で溶存酸素量1.2昭/mLに調製された

ものである。先の実験と同様に7つの抽出町長(1:1

4.5 5.0

超高速型HPLC分析条件流速:O.5mL/min

溶媒A:30%ACN, O.05%T臥溶媒8:90%ACN,O四 %TFA

グラジエント条件 100%A,Ominーう65%A,O.5minーラ25o/oA,4.0min-70%A,5.0min カラム AgilentZorbax Eclipse

Plus C18 Rapid Resolution HT

600bar, 50x3.0 mm I.D

カラム温度:300C

検出波長 228nm

注入量:1μL

LD Iい.急.0 2.5 3.0 ).5 ol!舎、. s.o .. 出制す叫醐}

図1ショウガ苦手昧成分のUHPLCクロマトグラム(A)ー標品のクロマトグラム。 (8)ショウガ読料抽出液のクロマトグラム。

-6-

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+03Bユ)耐えlaロ'士三Hh訓A

A

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60

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0

4

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23

2

1

刷会1lロト入門MPHh那国慣習課

混合比率(ショウガ/水、 w/vJ

':1 1:2 ':4 1・8 , : , 2 , : , 6 " 20

図2ショウガジンゲ、ロールの水抽出試験結果

~OO

450 (

J

t判。:::L

)

型3S0

E soo λ

三250

.,!! 訓横 200

語 150

100

50

1:1 , :2 1:4

混合比率(ショウガ/工事ノール、 wlvl

-

+

+

soo 宮:::L

咽ーミ

600 ロトλ :九三、

40(1 ~ 当官余絵画

200

1:6 1 :8

図3ショウガジンゲロールのエタノール抽出試験結果

'""'"'1 :20)サンフツレに対して28附z、20分間の超音波処 効で、あったことから、引き続き本装置による抽出条件

理を行った。処理後の各抽出区分サンプルのジンゲ、ロ を詳しく検討する必要があると判断した。

ール量を分析したところ、抽出液当たり 11.3'""'"'53. 4

μg/札、ショウガ固形分当たり 53.4'""'"'260μg/gの値が

それぞれ得られたゐ

新規装置による抽出傾向は、真験室用機器によるも

のと類似していた。すなわちショウガへの水の混合比

率が低い区分では抽出液濃度は高くなるものの、固形

分当たりの抽出濃度は減少、混合比率の高い区分では

抽出液濃度は低くなるものの固形分当たり濃度は増加

することを確認した。また 1:12以上の区分ではほぼ一

定の固形分当たり濃勝守250μg/gを示し、 12倍量以

上の水を加えて抽出しても固形分当たり抽出率はあま

り変化しないとし、う傾向も一致していた。一方、新規

装置で得られたそれぞれの値は、 1:1抽出区分を除く

1:2'""'"'1:20の各区分において、実験室用機器による各

値を全て約1.1'""'"'1.4倍上回った。このように新規装置

がショウガからのジンゲ、ロール抽出率向上において有

新規装置を用しサヴjくによるジンゲローノレ抽出率向上

が、エタノールによる抽出においても有効で、あるのか

参考のために調べた(図的。水抽出誤験と同様に2つ

の装置、 5つの抽出区分サンプル(ショウガ重量lに

対して99.同エタノーノレを 1'""'"'8倍備賓量添加したも

の)を用意して実験を行った。その結果、水による抽

出と同様の傾向が観察された。また新規装置で得られ

た5つの区分の値は、実験室用装置による各値を全て

約1.5'""'"'2. 1倍高かっTこ。このようにエタノーノレ抽出に

おいても新規の超音波処理装置が有効であること、水

抽出時よりも効率性がアップすることが明らかlこなっ

た。

3. 1. 2 超音庇照射条件による抽出量変化

実験室用機器に比べて新規に組み立てた装置の方が

高いジンゲローノレ抽出率を示すことが分かった。次に

-7-

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(」

Eるユ)耐えllE'bλへい

PHh矧刷甲山召課

言。

10分間処理

_2事妙1:_45k純Z

20分間処理30分間処理

.2紋Hl・.45kHz • 28kHZ鍵45kHz

も円 1 ~ 2 1 ~4 1t$ ‘:12 1:意書歩 雪Z怠0 τn 1:2' 1:‘ ':8 ,~‘~ "君事 司'W l'、1:2 1:4 1:$ 1U;a ln~ H議。

混合比率(ショウガ/水、w/v) 混合比率(ショウガ/水、w/v) 混合比率(ショウガ/水、 w/v)

図4 新規超音波装置によるジンゲ、ロールの水抽出結果

新規装置の発閥司波数包8凶z、45凶z) と抽出時間

(10、20、30分間)とを変化させた場合の抽出率変化

を調べることにした。前項 13. 1. lJ と同様に7

つの水抽出区分を用意し、まず28kHzの発関司波数

に設定し、 10、20、30分間抽出後、抽出物上清のジン

ゲ、ロール量をUHPLC分析した(図4)。この周波数によ

る 7 つの抽出区分において、 10 分間処理では 1 1. 1~

54.4μg/mL、 20分間処理では 10.0~54. 1μg/札、 30

分間処理では 13.4~54. 7μg/mLの各値が得られた。

次に28凶zによる詐精食と同様に、 45kHzによる抽出

詐織を行ったところ、 10 分間の処理物は 10.6~52. 7

μg/I札、 20分間の処理物は10.5~61. 7μg/mL、 30分間

の処理物は 12.5~65.4μg/mLの各値を示した。 28 と

45の両周波数による 10分間処理を比較したところ、

1 :4、1:8、1:12、1:16の4つの区分では45kHz処理

品の方が28kHz処理品よりも高し、値を示し、他3つの

区分は45凶z処理品の方が低し、値を示した。両周波数

による 20または30分間処理で得られわ結果を比較す

ると、全ての区分で45kHz処理品の方が28凶z処理

品よりも高し司直を示した。以上のように 10分間の短い

処週時間では周波数特性による抽出効率向上は明確で、

はなかったものの、20分間以上の長い処理時間では45

凶zの方が、ジンゲ、ロールの効率的な水抽出に有効で、あ

ることが分かった。

3. 1. 3 ジンゲロールの一斉抽出試験

これまで、の実験において、新規に組み立てた超音波

装置による処理法(発栂司波数、抽出時間)を検討し、

効率的にジンゲロールを抽出するための知見を得た。

しかし装置の水槽内に超音波振動が均一に伝播してし、

なければ、間斗の設置場所によってジンゲ、ローノレ抽出

を効率的に行えないことが考えられる。このことを確

認するために、同じ揖合比率で調整したサンフツレを多

数準備し、装置内に等間隔で配置して一斉抽出を行う

写真4等間隔で設置した試料の一斉試験

-8-

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表128Hz30min抽出条件におけるジンゲ、ロール一斉抽出試験結果(μg/mL)

10.4 明一 一叫ん1仇も湖

11.7

H一些川

G 10.1 10.7 13.1 13.5

盟ユ12.6 11.3

F

12.4 12.7 12.9 13.4 11.1 11.6 11.9

D E 10.6 11.7 12.5 12.2

四 lira九;λ 14.8 <片1(5が

13.0相九ぷ1!tLぷ9.1 13.1 12.2 11.9

C 10.6 12.5 13.0 13.2 11.5 10.2 11.7

4tntqd凋斗

rDP口守I

C D E

1 9.8 10.0 7.4 2 10.2 9.0 10.4 3 8.4 L豆 11.54 2.5 9.6 5.8

5 1日 む紙ツ 1E6 12.6 11 .5 13'.2 7 12.4 ぺおヂ私 J'3.3'

ことにしt~ まず写真4に示すように、水槽内に①~

⑦の7列 (28mm間隔)、 A'"'"'Kの11列 (30mm間隔)、

合計77箇戸府つサンブツL設置位置を用意した。これら

77箇所の内、超音波の振動が十分に作用すると予想さ

れる中央49箇所(①~⑦の横7列XC'"'"'Iの縦7歩的

をサンブ9ル設置位置と決定し、 28kHzまたは45kHz

で30分間の一斉抽出を行った。また一斉抽出の混合比

率として、固形分当たりの水抽出率がほぼ最大値であ

ると予想される 1:12の比率を濁Rした。

まず28kHZ、 30分間処理で得られた抽出物49サン

プルを調べたところ、それらのジンゲロール量は8.5

'"'"'14.8μd札であり、平噺直土標準偏差を計算したと

ころ 12.2::!::1. 5μg/mLであった(表 1)。表を視覚的

に瑚手しやすくするために平均値:から標準偏差を差し

引し叱値 (10.7μg/i札)以下の値を下線付き、平均値

に標準偏差を加えた値 (13.7μg/mL)以上の値を網掛

けにし九すなわちT線付きの区分は抽出率州酌、こ

と、網掛けの区分は抽出率が高いことを意味する。区

分分けした表を確認したところ、抽出率¢低し、位置は

主に l列、5列、6列の外{矧寸近に分布していた。一方、

高し抽出率を示す位置は3'"'"'4列のDおよびEに集中し

ていること、 3'"'"'4列についてはDとE以外のイ立置lこつ

いても全て平均値12.2μg/mL以上の高し呼直であるこ

とも分かった。サンブツLイ立置と超音波強さとの関係を

調べた結果では、 4列のD斗が 15'"'"'17mVの高強度で

あることを確認している。以上のようにジンゲロール

抽出量と超音波強さの分布傾向を併せて検討したとこ

ろ、装置中央の横列方向に効果的な超音波抽出を可能

にする位置が栴主すると判断した。

次に45kHzで同様に処理した49サンプルについて

表245Hz30min抽出条件におけるジンゲ、ロール一斉抽出試験結果(μg/mL)

H 1

9.2 7.4

9.1 L主7.3 7.5

ね 悦弘ふ 12.9 11.8 9.1

8.3 12.8

11.3 8.3 11.1 13.0

も調べた。これらサンフツレ中のジンゲロール量は2.5

'"'"'16.8μg/mLであり、平均値±標準偏差を計算したと

ころ 10.7土2.7μg/mLで、あった(表2)。再ひ理解し

やすくするために7.7同/mL以下の値を青色、 13.1

μg/mL以上の値を桂色で塗りつぶした。すると抽出率

の低し、位置は 1'"'"'3列の外側 (C、D、H、I)に分布し、

抽出率の高し、位置は5'"'"'7列の中央付近 (D'"'"'F)に集中

していることが分かった。

、,nonununo

G一日

2

1

0

1

11

1

1

1

10.6

28同zおよび45凶zによる抽出誤験において、抽

出率の低い位置は装置外側に分布し、中央部に高抽出

率を示す位置訓告認された。45同zによる抽出誤験は、

15.9および16.8μg/mLとし、う 28kHzで断専られない

高濃度サンプノレが得られた一方で、 2.5および5.8

μg/mLとしりた著しく低濃度のサンフ。ルも柄生し九

先の実験おいて、 20分間以上の長し、処理時間では45

kHzの方がジンゲローノレの効率的な水抽出に有効で、あ

ることが分かつ丸しかしながらこの発掘司波数は位

置によって抽出率が大きく受けると考えられ、今後の

試験では試料位置による影響を十分に考慮する必要が

ある。

まとめ

ショウガ重量1に対して水を 1'"'"'20倍量添加混合し

た試験管を試作装置の水槽に設置し、超音波照射後、

各拍出物中の 6-ジンゲ、ロール濃度を測定した。水を2

倍量以上添加した抽出物については、ラボ用装置によ

る抽出物よりも1.1'"'"'1.4倍高い 6-ジンゲロール濃度

を示した。同様にエタノーノレ抽出物についても、試作

装置によるものの方が1.5'"'"'2.1倍高い濃度を示すこと

が分かった。超音波装置の発振周波数を28妊也、また

4.

9-

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は 45kHzに設定し、水を納目した前科の抽出話験を

それぞれ行った。両周波数で得られた結果を比較した

ところ、 45kHzの方が28kHzに比べて高抽出率を示

す傾向が見られた。ジンゲ、ローノレ抽出への開ヰ設置位

置の影響を確認するために、ショウガと水とを 1:12

の害恰で混合した 49サンフ。ルを試作装置の水槽内に

縦7x横7列の等間隔で配置し、一斉に抽出試験を行っ

た。その結果、装置内の超音波強さが一様でないこと、

効果的に抽出できる位置が偏在することが分かった。

梓陪の超音波照射装置、濃縮装置、食品納日用の

界面樹生斉附獣按定剤を組み合わせることにより、

ショウガからの効率的なジンゲ、ロールの抽出と高濃度

化について検討を進める。

-10

5.参考文献

1)西川研次郎監修:食品機能性の科学、産業討姉サー

ビスセンター、 (2008)335-336

2)食品と開発、 47(2)、(2012)78

3)森山洋憲:犀抹産物・加工食品中の健康機能性成分

類の分析マニュアル集食品機能性の科学、四園地域イ

ノベーション協議会、 (2010)227-235