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マイクロ波・ミリ波帯誘電体基板の複素誘電率測定システム BCDR平衡型円板共振器法ソリューション PS-XSN-100 IEC 63185 準拠 誘電体基板の垂直方向の複素誘電率を高確度に測定 適応周波数範囲 約 10GHz から最大 120GHz (接続コネクタタイプに依存) TM 0m0 高次モードを利用した多点共振周波数測定機能 専用計測ソフトウェア、キーサイトPNA シリーズと連動し、多点周波数を一気に測定 製品の概要・特長 一般的に、フィルム状フレキシブル基板は、圧延または延張成形工程で平面方向と垂直 方向の誘電率が異ります(異方性)。しかし、基板の公称値(カタログ値)には、測定の際 の印加する電界の向きを明記していない物がほとんどです。 一方、基板上の伝送線路に信号を通すと、電界の生じる向きは、伝送線路のタイプに よって、平面方向か垂直方向か、その混在した方向になります。 このような誘電率の値を信じて、伝送線路設計を行うと、インピーダンスマッチングに 支障が生じる可能性があります。 従って、回路設計する際には基板の垂直方向および面方向の複素誘電率を正確に知る ことは、設計マージンを最小にする上で大変重要です。 また、一般的に共振器法では、ある特定の共振モードを利用するため、原則 1 つの共振 器で 1 点の周波数測定となります。よって、広い周波数範囲で測定したい場合は、複数 の共振器を用意しなければなりません。 本共振器法では、上記の問題点を解決します。その特筆すべき特長は、 11 個の測定用治具のみで共振周波数の異なる複数の共振モードを用いることにより、 周波数依存性を簡便に測定できる点 2. ほとんどの共振器が試料の面方向の誘電率を求めるのに対し、垂直の誘電率測定が できる点 3測定不確かさを個々の共振周波数毎に求める機能がある点にあります。 垂直方向の比誘電率はマイクロストリップ構造の設計に有用です。 平衡形円板共振器法に基づき、ネットワーク・アナライザからの測定データ(共振周波数 f0 ・無負荷 Q, Qu)をパソコンに自動取得し、それらの値を用いて誘電体平板の垂直方向 (厚さ方向)の複素比誘電率(比誘電率・誘電正接)と測定不確かさを、「厳密解析」に 基づいて高精度に計算し、表示、保存します。 共振器外観 共振器外観、寸法、仕様は、今後の品質改善の為、 変更される場合があります。

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  • マイクロ波・ミリ波帯誘電体基板の複素誘電率測定システムBCDR平衡型円板共振器法ソリューション PS-XSN-100

    - IEC 63185準拠 誘電体基板の垂直方向の複素誘電率を高確度に測定

    - 適応周波数範囲 約10GHzから最大120GHz(接続コネクタタイプに依存)

    - TM0m0高次モードを利用した多点共振周波数測定機能

    - 専用計測ソフトウェア、キーサイトPNAシリーズと連動し、多点周波数を一気に測定

    製品の概要・特長一般的に、フィルム状フレキシブル基板は、圧延または延張成形工程で平面方向と垂直方向の誘電率が異ります(異方性)。しかし、基板の公称値(カタログ値)には、測定の際の印加する電界の向きを明記していない物がほとんどです。一方、基板上の伝送線路に信号を通すと、電界の生じる向きは、伝送線路のタイプによって、平面方向か垂直方向か、その混在した方向になります。このような誘電率の値を信じて、伝送線路設計を行うと、インピーダンスマッチングに支障が生じる可能性があります。従って、回路設計する際には基板の垂直方向および面方向の複素誘電率を正確に知ることは、設計マージンを最小にする上で大変重要です。また、一般的に共振器法では、ある特定の共振モードを利用するため、原則1つの共振器で1点の周波数測定となります。よって、広い周波数範囲で測定したい場合は、複数の共振器を用意しなければなりません。

    本共振器法では、上記の問題点を解決します。その特筆すべき特長は、1. 1個の測定用治具のみで共振周波数の異なる複数の共振モードを用いることにより、周波数依存性を簡便に測定できる点

    2. ほとんどの共振器が試料の面方向の誘電率を求めるのに対し、垂直の誘電率測定ができる点

    3. 測定不確かさを個々の共振周波数毎に求める機能がある点にあります。 垂直方向の比誘電率はマイクロストリップ構造の設計に有用です。

    平衡形円板共振器法に基づき、ネットワーク・アナライザからの測定データ(共振周波数 f0・無負荷 Q, Qu)をパソコンに自動取得し、それらの値を用いて誘電体平板の垂直方向(厚さ方向)の複素比誘電率(比誘電率・誘電正接)と測定不確かさを、「厳密解析」に基づいて高精度に計算し、表示、保存します。

    共振器外観

    * 共振器外観、寸法、仕様は、今後の品質改善の為、変更される場合があります。

  • 測定範囲・測定精度(代表値)周波数 f: およそ10GHz~120GHz*基本モードはおよそ15GHz前後で、加えてその整数倍付近でも測定可能、

    円板サイズ15mmΦの場合、但し最大周波数は、誘電率と厚さで異なります。

    * 円板電極サイズは3種用意することができます。それに伴い、共振周波数も変動します。

    比誘電率 εrn:1.1~10

    測定確度: εrn=2の場合

  • TM0m0 mode 共振周波数(GHz) vs.比誘電率

    測定ソフトウェアGUIとシステム外観

    測定可能最大周波数(GHz) vs.試料厚さ、比誘電率

    計算結果例(電極サイズ(Φ15mm)使用時)

    Resonant Freq. vs. Permittivity @ discdiameter 15mm

    120.00

    100.00

    80.00

    60.00

    40.00

    20.00

    0.002 4

    MUT permittivity

    TM010

    TM050

    TM090

    TM020

    TM060

    TM100

    TM030

    TM070

    TM040

    TM080

    Res

    onan

    t Fr

    eq G

    Hz

    6 8 10

    110

    100

    90

    80

    70

    60

    50

    40

    30

    20

    10

    0

    2

    3

    4

    6

    0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

    MUT thickness(mm)

    er'

    Max

    . Fre

    quen

    cy (

    GHz)

    Limited Max. freq. (GHz) vsthickness(mm) and permittivity

    www.keysight.co.jp 3

  • 測定試料の注意点測定に適した試料- 樹脂製の板状誘電体・シート状誘電体

    測定に適さない板状試料- 表面にざらつき、突起があるもの(表面ラフネス:20µm以下が望ましい)

    - 硬めの基板で反っているもの

    - 硬く割れやすいもの(上下電極を強く挟み込むため)

    - 銅張り基板 または、銅電極が残っている基板

    - 試料厚さが、0.1mm以下の薄膜試料や、1mm以上の厚い試料 (試料によっては、0.1mm以下でも測定できますが、SN比が低くなり、測定再現性が低下します。)

    *電極と試料との間に隙間・空気の層ができないようにしなければなりません

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    詳細情報:www.keysight.co.jpキーサイト・テクノロジー株式会社本社 〒192-8550 東京都八王子市高倉町9-1計測お客様窓口受付時間 9:00-12:00 / 13:00-17:00 (土・日・祭日を除く) TEL:0120-421-345(042-656-7832)| Email:[email protected]

    本書の情報は、予告なしに変更されることがあります。 © Keysight Technologies, 2020. Published in Japan, December 08, 2020. 7120-1214.JA 0000-08cS