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第49回日本呼吸器学会 中国・四国地方会 第52回日本肺癌学会 中国・四国支部会 プログラム・抄録集 会 期 2013年7月19日(金)・20日(土) 会 場 アルファあなぶきホール 会 長 第49回日本呼吸器学会 中国・四国地方会 山地 康文 (三豊総合病院 内科主任部長) 第52回日本肺癌学会 中国・四国支部会 横見瀬裕保 (香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科学 教授)

プログラム・抄録集 · ご発表セッション開始10分前までには発表演台付近にあります「次演者席」へご着席ください。 4)発表データ作成について

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第49回日本呼吸器学会 中国・四国地方会第52回日本肺癌学会 中国・四国支部会

プログラム・抄録集■ 会 期 2013年7月19日(金)・20日(土)■ 会 場 アルファあなぶきホール■ 会 長 第49回日本呼吸器学会 中国・四国地方会

山地 康文 (三豊総合病院 内科主任部長)

第52回日本肺癌学会 中国・四国支部会

横見瀬裕保 (香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科学 教授)

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第49回日本呼吸器学会中国・四国地方会開催にあたって「ようこそ香川へ」

会長 山地 康文三豊総合病院 内科

 この度、第49回日本呼吸器学会中国・四国地方会を9年ぶりに香川県において、日本肺癌学会

中国・四国支部会と合同で開催させて頂くことになりました。伝統ある本会を担当させて頂くこ

とになり、大変光栄に思います。またその責任の重さを実感しております。

 さて、呼吸器学の扱う領域は非常に多岐に渡っており、各方面で進歩が見られるとともに複雑

になってきております。全ての領域を一定のレベルでキャッチアップしていくのも大変なことに

なっていますが、この呼吸器学会が学会員皆様の学びの場になって頂ければ嬉しく思います。

 呼吸器セミナーでは、日常臨床で日頃問題になっている最近の話題に関して「呼吸器疾患の

Controversy −Pros & Cons−」を企画致しました。昨年暮れの本学会で初めて導入された携帯ゴ

ングを利用して、参加の皆さんと双方向の議論ができればと思っております。

 また今回も研修医、学生演題が多く集まりました。優秀な演題に対しまして公正な評価を行い

表彰する予定です。この学会を機会に呼吸器学に興味を持ち、我々と一緒に仕事をして頂ける若

者が増えることを期待しております。

 さらにこの学会では珍しいco-medicalの演題発表も行われることになりました。大いに議論し、

情報交換をして友情を深めあい有意義な時間を過ごして頂ければ幸いに存じます。

 香川にはうどん以外にも美味しい食べ物、歴史的・文化的名所が目白押しです。時間の許す限

りしっかりと楽しんで頂きたいと心から願っております。

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第52回日本肺癌学会中国・四国支部会開催にあたって

会長 横見瀬 裕保香川大学 呼吸器・乳腺内分泌外科

 第52回日本肺癌学会中国・四国支部会を平成25年7月19日、7月20日に四国高松で開催させて

頂くことになり、心から感謝するとともに身の引きしまる気持ちで一杯です。肺癌の診断、治療

は近年目覚ましい進歩を見せています。PET、EBUS、IMRT、IGRT、分子標的治療薬、新しい

抗癌剤の出現など数えきれません。しかし、現実の治療成績はまだまだ満足出来るものではなく、

若い優秀な呼吸器専門医が斬新で途方もない診断法、治療法を開発してくれる必要があります。

そのためには貴重な一つ一つの臨床経験の積み重ね、検討が必要です。指導医の先生がたは研修

医の先生にどしどし発表をさせていただき、次世代の呼吸器科医を育てていきましょう。高松は「青

い海と青い空」の街です。多くの皆様のご参集を心から願っております。

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高松港

至高松空港

琴電片原町駅

琴電高松築港駅

琴電瓦町駅

高松市役所 ●

中央公園 ●

玉藻公園

城内中学校 ●

JR高松駅

アルファあなぶきホール

さぬき浜街道

香川県庁 ●

国道11号

水城通り

中央通り

フェリー通り

N

サンポート高松●

● 香川県歴史博物館

全日空ホテルクレメント高松●

400200

m

0

・高松中央インターから車で15分・高松西インターから車で20分・JR高松駅より徒歩8分・琴電高松築港駅より徒歩8分・高松空港より車で約30分

交通案内

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2F

北館

本館

WC

WC

WC

WC

WC

第1会場小ホール第1会場小ホール

総合受付

4F 5F

北館

WC

北館

WC

第3会場玉藻B

第2会場玉藻A

第3会場玉藻B

第2会場玉藻A

第4会場大会議室第4会場大会議室 PC受付

PC受付PC受付

PC受付

クローク

会場案内図

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1.参加受付【第1日目:19日(金)】 受付時間 10:30~ (開始時間 11:30~)【第2日目:20日(土)】 受付時間 08:30~ (開始時間 09:00~)場 所:アルファあなぶきホール 2F ロビー参加費:2,000円(初期研修医、メディカルスタッフ、学生は参加無料)プログラム・抄録集:1,000円<ネームカード>受付時にお渡しするネームカード(兼出席証明書・領収書)に所属・氏名をご記入ください。会期中は必ずご着用ください。参加証を着用しておられない方のご入場はお断りしたします。

2.参加登録について日本呼吸器学会員の方は、会員カードをご持参ください。 今年度よりカードのバーコードを読み込んで参加登録を行うこととなりました。 3月以降に入会された場合は未発行ですので、登録受付で申し出てください。 *日本呼吸器学会専門医の方は地方会出席で5単位+演者には更に3単位加算されます。

3.呼吸器セミナー第20回呼吸器セミナーでは、「第20回呼吸器セミナー受講証明書」を配布いたします。日本呼吸器学会研修単位認定の申請時に必要となりますので、必ずお受け取りください。再発行はいたしません。携帯電話、iPhone、iPad、スマートフォンを使用して、各テーマに対するPro. Con.どちらの意見に賛同するかを投票していただきます。なお、簡単な事前登録が必要です。登録方法等の詳細は、当日、資料をお配りいたします。

4.開催予定●合同幹事会日 時:第1日目 7月19日(金) 10:00~11:00会 場:小ホール棟 4F 大会議室(第4会場)●合同代議員・評議員会日 時:第2日目 7月20日(土) 11:40~12:10会 場:小ホール棟 5F 玉藻A(第2会場)●懇親会学会1日目に懇親会を行います。お誘い合わせのうえ、是非ご参加ください。日 時:第1日目 7月19日(金) 18:40~会 場:JRホテルクレメント高松 21F スカイバンケット「シエロ」参加費:1,000円

5.クローククロークは、2F ロビーに設置いたします。

6.企業展示会場企業展示は、5F 第2・3会場前に設置しております。

参加者へのご案内

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7.紛失物忘れ物、落し物は、2F ロビー『総合受付』にてお預かりいたします。

8.その他注意事項会場内での携帯電話のご使用はご遠慮ください。入場の際は電源を切るか、マナーモードの設定をお願いいたします。会場内でのビデオ・写真撮影はお断りいたします。館内は禁煙となっております。会場内での呼び出しは一切行いません。

9.お問い合わせ先≪主催事務局≫●第49回日本呼吸器学会 中国・四国地方会 三豊総合病院 内科 〒769-1695 香川県観音寺市豊浜町姫浜708 TEL:0875-52-3366 FAX:0875-52-4936●第52回日本肺癌学会 中国・四国支部会 香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科学 〒761-0793 香川県木田郡三木町池戸1750-1 TEL:087-891-2191 FAX:087-891-2192

≪運営事務局≫ 株式会社メッド 〒701-0114 岡山県倉敷市松島1075-3 TEL:086-463-5344  FAX:086-463-5345 E-mail: [email protected](第49回日本呼吸器学会) [email protected](第52回日本肺癌学会) URL: http://www.med-gakkai.org/jrs-cs49/(第49回日本呼吸器学会) http://www.med-gakkai.org/jlcs-cs52/(第52回日本肺癌学会)

≪会期中のお問い合わせ先≫ アルファあなぶきホール 〒760-0030 香川県高松市玉藻町9-10 TEL:087-823-3131

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1)発表時間について座長の進行のもと、時間厳守をお願いいたします。<呼吸器学会>・一般演題        (発表5分・質疑応答3分)・研修医演題       (発表5分・質疑応答3分)・メディカルスタッフ演題 (発表5分・質疑応答3分)・学生演題        (発表5分・質疑応答3分)<肺癌学会>・一般演題        (発表5分・質疑応答3分)・研修医演題       (発表5分・質疑応答3分)

2)発表データ受付場所:各会場前時間:1日目(19日)/10:30~   2日目(20日)/08:30~*ご発表時間の30分前までにデータ受付、試写をお済ませください。*受付にて試写は可能ですが、データの修正はできません。

3)会場内での待機についてご発表セッション開始10分前までには発表演台付近にあります「次演者席」へご着席ください。

4)発表データ作成について●発表形式ご発表はPowerPointによるデジタルプレゼンテーションのみとなります。35mmスライドやビデオは使用できませんのでご注意ください。また、発表中のスライド操作に関しましては演台上にモニター、マウス、レーザーポインタを設置いたしますので、発表者ご自身により操作をお願いいたします。

●PC環境事務局ではPCを下記環境でご用意いたします。OS:Windows PowerPoint 2003以降※規定外のバージョンで作成された発表データは、表示に不具合が生じる可能性があります。 ソフトの問題で生じた不具合につきましては全て自己責任となりますので、ご了承ください。※Macintoshはご用意しておりませんので必ずご自身のパソコンをお持込ください。◎ファイル名は「演題番号演者名.ppt」としてください。

●発表データ持込① 発表データはUSBメモリ及びCD-Rに限ります。それ以外のメディアはご遠慮ください。発表データを

CD-Rにコピーする際には、ファイナライズ(セッションのクローズ・使用したCDのセッションを閉じる)作業を行ってください。この作業が行われなかった場合、データを作成したPC以外ではデータを開くことができなくなります。また、パケットライト方式のCD-Rは使用できません。

② メディアの中には当日ご発表分のデータのみ入れてください。③ Macintoshで作成したもの、または、発表データに動画を含む場合、必ずPC本体をお持込みください。

発表者へのご案内

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●PC本体持込① 会場でご用意するPCケーブルのコネクターの形状は、D-Sub mini 15pinです。(図参照) この出力端子を持つパソコンをご用意いただくか、この形状に変換するコネクターを必要とする場合に

は必ずご持参ください。② 外部ディスプレイ出力が可能であることを必ず事前にご確認くだ

さい。③ バッテリー切れを防ぐ為、必ず電源アダプターをご持参ください。④ スクリーンセーバー、省電力はOFFの状態でお持込みください。⑤ 再起動の可能性がございますので、パスワード入力が不要な状態

でお持込ください。⑥ 発表データは、作成に使用されたパソコン以外でも必ず動作確認

してください。⑦ 念のため、CD-Rもしくは、USBメモリにてバックアップ用の発表データをお持ちください。

●動画、音声の利用について① 音声はご利用できません。動画はPowerPointのスライド上でご使用ください。② 動画のデータはWindows Media Playerで再生できるものを推奨いたします。③ 動画をご使用の場合は必ずご自身のPCをお持込ください。

●作成推奨フォント、文字サイズ文字化けを防ぐこと及びスライドの見易さを考慮し、下記フォントと文字サイズを推奨いたします。フォント:日本語……MSゴシック/MS Pゴシック/MS明朝/MS P明朝     外国語……Century/Century Gothic文字サイズ:28ポイント以上

●データの取り扱いについて各発表者からお預かりした発表データは、事務局の責任において学会終了後に破棄いたします。

◎一般演題・メディカルスタッフ演題 座長の先生へのお願いご担当いただくセッション開始10分前までに会場内の「次座長席」にご着席ください。発表時間 呼吸器学会:発表5分・質疑応答3分     肺 癌 学 会:発表5分・質疑応答3分運営上、時間厳守でお願いいたします。

◎研修医演題・学生演題 座長の先生へのお願い総合受付にて採点用紙をお渡しいたしますので、第2日目(7月20日(土))13:00までに総合受付にお越しください。ご担当いただくセッション開始10分前までに会場内の「次座長席」にご着席ください。発表時間 呼吸器学会:発表5分・質疑応答3分     肺 癌 学 会:発表5分・質疑応答3分運営上、時間厳守でお願いいたします。

ディスプレイ接続コネクタ

(図)

演者のPCD-SUB mini 15pin (メス)

会場で用意するケーブルD-SUB mini 15pin (オス)

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卒後1~3年目の研修医及び医学生を対象にエントリーいただきました演題の中から、優れた演題について表彰いたします。

評価方法:以下の3点につきそれぞれ総合的に評価を行います。1)内容(臨床の参考になるか、今後応用できるか)2)演者の理解度3)発表力(まとめ方、話し方、時間配分)

評価、選考は以下の選考委員で行います。

呼吸器学会研修医・学生優秀演題賞選考委員委員長 山地 康文 (三豊総合病院 内科)    池田 敏和 (国立病院機構 松江医療センター)    伊東 亮治 (愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学)    尾形 佳子 (国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科)    岸本 伸人 (高松市民病院 呼吸器科)    窪田 哲也 (高知大学医学部 血液・呼吸器内科)    中西 徳彦 (愛媛県立中央病院)    堀田 勝幸 (岡山大学病院 血液・腫瘍内科)    宮原 信明 (岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科)    吉岡 弘鎮 (公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院)

肺癌学会研修医優秀演題賞選考委員委員長 横見瀬裕保 (香川大学 呼吸器・乳腺内分泌外科学)    木浦 勝行 (岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科)    滝沢 宏光 (徳島大学大学院 胸部・内分泌・腫瘍外科)    中村 廣繁 (鳥取大学医学部 胸部外科)

◎表彰式:7月20日(土)閉会式にて行います。 ご発表の先生方は第1会場へお集まりください。

研修医・学生セッションについて

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第1会場2F 小ホール

第2会場5F 玉藻A

第3会場5F 玉藻B

第4会場4F 大会議室

呼吸器学会 呼吸器・肺癌学会 呼吸器・肺癌学会 呼吸器学会11:10 11:10

開会の辞(呼) 開会の辞(肺)11:15 11:1511:15 11:15

一般演題(呼) 肺腫瘍1

K-01〜K-04 座長:坂東 修二

一般演題(肺) 診断、画像診断 H-01〜H-06

座長:佐藤  功

一般演題(肺) 胸腺・胸膜疾患 H-27〜H-31

座長:三﨑 伯幸

一般演題(呼) 間質性肺炎1 K-35〜K-38

座長:服部  登11:47 11:47

11:55

12:03

12:15 12:1512:15ランチョンセミナー1(肺) NSCLCに対する最新の治療戦略 〜維持療法の

実践と展望〜 座長:岡 三喜男 演者:吉岡 弘鎮

共催:日本イーライリリー㈱

ランチョンセミナー2(肺) 肺がんの

Bone Management 座長:合田 文則 演者:武田 晃司

共催:アストラゼネカ㈱ 第一三共㈱

ランチョンセミナー3(呼) NPPVの新たなSolution 〜iVAPSモード〜

座長:森  由弘 演者:門脇  徹

飛梅  亮/梶原浩太郎共催:帝人ファーマ㈱    帝人在宅医療㈱

 レスメド㈱13:05 13:0513:05

13:15日本呼吸器学会

将来計画委員会からの報告

13:35 13:35 13:35 13:35

一般演題(呼) 肺腫瘍2

K-05〜K-09 座長:上月 稔幸

一般演題(肺) 多発癌・重複癌 H-07〜H-11

座長:井岸  正

一般演題(肺) 集学的治療

H-32〜H-37 座長:佐野 由文

一般演題(呼) 間質性肺炎2 K-39〜K-42

座長:大串 文隆14:07

14:15 14:15 一般演題(呼) 感染症1

K-43〜K-46 座長:石田  直一般演題(呼)

縦隔腫瘍・胸膜疾患 K-10〜K-16

座長:上岡  博

一般演題(肺) 化学療法1

H-12〜H-16 座長:瀧川奈義夫

14:23

一般演題(肺) 外科療法

H-38〜H-43 座長:青江  基

14:39一般演題(呼)

感染症2 K-47〜K-50

座長:沖本 二郎

14:55

一般演題(肺) 化学療法2

H-17〜H-22 座長:礒部  威

15:11 15:11 15:11一般演題(呼)

自己免疫性肺疾患 K-17〜K-20

座長:濱田 泰伸

一般演題(肺) 遺伝子解析など H-44〜H-47

座長:西岡 安彦

一般演題(呼) サルコイドーシス・

稀な疾患1 K-51〜K-54

座長:埴淵 昌毅15:43 15:43 15:43 15:43

一般演題(呼) 喘息・アレルギー

K-21〜K-24 座長:春田 吉則

一般演題(肺) 高齢者肺癌

H-23〜H-26 座長:上田 和弘

一般演題(肺) その他

H-48〜H-51 座長:岡部 和倫

一般演題(呼) 稀な疾患2

K-55〜K-58 座長:小畑 秀登

16:15 16:15 16:15 16:15

一般演題(呼) COPD・呼吸不全・

睡眠時無呼吸 K-25〜K-30

座長:國近 尚美

一般演題(呼吸器) テーマ:その他 K-31〜K-34

座長:田端 雅弘

一般演題(呼) 稀な疾患3

K-59〜K-62 座長:河崎 雄司

16:47 16:47

17:03

17:1017:10

イブニングセミナー(呼) 重症喘息の治療戦略

-抗IgE抗体療法の可能性- 座長:横山 彰仁 演者:金廣 有彦

共催:ノバルティスファーマ㈱

イブニングセミナー(肺) 肺癌治療におけるパラダイムシフト

-分子標的療法を中心に- 座長:坂東 修二 演者:木島 貴志共催:中外製薬㈱

18:00 18:00

懇 親 会 18:40〜  会場:JRホテルクレメント高松 21F スカイバンケット「シエロ」

※合同幹事会 10:00〜11:00  会場:第4会場(4F 大会議室)

日 程 表  1日目 7月19日(金)

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第1会場2F 小ホール

第2会場5F 玉藻A

第3会場5F 玉藻B

第4会場4F 大会議室

呼吸器学会 肺癌学会 呼吸器・肺癌学会 呼吸器学会9:00

日本呼吸器学会中国・四国地方会

第20回呼吸器セミナー呼吸器疾患のControversy

-Pros & Cons-座長:山地 康文   藤田 次郎

1) Pro:佐藤  功Con:小倉 高志

2) Pro:藤田 次郎Con:佐藤 圭路

3) Pro:埴淵 昌毅Con:瀧川奈義夫

11:30

11:40

合同代議員・評議員会

12:10

12:20 12:2012:20

ランチョンセミナー4(肺) 非小細胞肺がん 〜薬物療法の新たなる展開〜

座長:西岡 安彦 演者:上月 稔幸

共催:大鵬薬品工業㈱

ランチョンセミナー5(肺) EGFR-TKIの現状と展望

座長:野上 尚之 演者:田中 文啓

共催:アストラゼネカ㈱

ランチョンセミナー6(呼) 特発性間質性肺炎の

治療を考える 座長:横山 彰仁 演者:吾妻安良太共催:塩野義製薬㈱

13:10 13:10 13:10

13:15 13:15 13:15 13:15

研修医演題(呼) 肺腫瘍1

KT-01〜KT-05 座長:吉岡 弘鎮

研修医演題(肺) 化学療法など

HT-01〜HT-06 座長:木浦 勝行

研修医演題(呼) 感染症

KT-20〜KT-25 座長:池田 敏和

メディカルスタッフ(呼) 肺腫瘍、COPD・

呼吸不全、稀な疾患 KM-01〜KM-06 座長:岸本 伸人13:55

研修医演題(呼) 肺腫瘍2・縦隔腫瘍・

胸膜疾患 KT-06〜KT-10

座長:窪田 哲也

14:03 14:03 14:03研修医演題(肺) 集学的治療など HT-07〜HT-10

座長:中村 廣繁

研修医演題(呼) 気道・気管支、サルコイ

ドーシス、稀な疾患 KT-26〜KT-30

座長:中西 徳彦

学生演題(呼) 胸膜疾患、感染症、その他

KS-01〜KS-03 座長:宮原 信明

14:27

14:35 14:35研修医演題(呼)

自己免疫性肺疾患・喘息・アレルギー KT-11〜KT-15

座長:堀田 勝幸

研修医演題(肺) 外科療法

HT-11〜HT-15 座長:滝沢 宏光

14:43

研修医演題(呼) 稀な疾患

KT-31〜KT-36 座長:尾形 佳子15:15 15:15

研修医演題(呼) 間質性肺炎

KT-16〜KT-19 座長:伊東 亮治

15:31

15:47

一般演題(呼) 抗酸菌症

K-63〜K-67 座長:阿部 聖裕

16:27閉会・表彰式

16:45

日 程 表  2日目 7月20日(土)

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日本呼吸器学会将来計画委員会からの報告

7月19日(金) 第2会場 (13:15〜13:35)

「呼吸器科勤務医増加を目指して」

1) 将来計画委員会 女性医師支援の活動報告と今後の展望山口赤十字病院 内科 國近 尚美

2) 呼吸器科医増加のための医学部学生および研修医に対する活動に関する提案

島根大学 呼吸器・臨床腫瘍学 礒部  威

日本呼吸器学会中国・四国地方会 第20回呼吸器セミナー

7月20日(土) 第1会場 (9:00〜11:30)

「呼吸器疾患のControversy −Pros & Cons−」座長 三豊総合病院 内科              山地 康文

琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科学 藤田 次郎

1) 肺気腫合併肺線維症(CPFE)の肺線維症はUIPに限定すべきか?Pro:香川県立保健医療大学 看護学科 佐藤  功

Con:神奈川県立循環器呼吸器病センター 小倉 高志

2) 重症肺炎にステロイドは必要か?Pro:琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科学 藤田 次郎

Con:岡山大学病院 高度救命救急センター 佐藤 圭路

3) 高齢者肺癌にベバシズマブは必要か?Pro:徳島大学 呼吸器・膠原病内科 埴淵 昌毅

Con:川崎医科大学 総合内科学4 瀧川奈義夫

※ 携帯電話、iPhone、iPad、スマートフォンを使用して、各テーマに対するPro. Con.どちらの意見に賛同するかを投票していただきます。なお、簡単な事前登録が必要です。登録方法等の詳細は、当日、資料をお配りいたします。

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ランチョンセミナー

7月19日(金) 第2会場 (12:15〜13:05)

日本肺癌学会

座長 川崎医科大学 呼吸器内科学 岡 三喜男

1) NSCLCに対する最新の治療戦略 ~維持療法の実践と展望~倉敷中央病院 呼吸器内科 吉岡 弘鎮

共催:日本イーライリリー株式会社

7月19日(金) 第3会場 (12:15〜13:05)

日本肺癌学会

座長 香川大学医学部附属病院 腫瘍センター 合田 文則

2) 肺がんのBone Management大阪市立総合医療センター 臨床腫瘍科 武田 晃司

共催:アストラゼネカ株式会社/第一三共株式会社

7月19日(金) 第4会場 (12:15〜13:05)

日本呼吸器学会

座長 KKR高松病院 呼吸器内科 森  由弘

3) NPPVの新たなSolution ~iVAPSモード~    基調講演:iVAPS ~idealな換気モードになりうるか?~

独立行政法人国立病院機構松江医療センター 呼吸器内科 門脇  徹

    臨床報告1:NPPV導入に難渋しiVAPSが有効であった1例高知赤十字病院  呼吸器内科 飛梅  亮

    臨床報告2:モニタリングを用いたiVAPS適応疾患の検討松山赤十字病院 呼吸器内科 梶原浩太郎

共催:帝人ファーマ株式会社/帝人在宅医療株式会社/レスメド株式会社

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16 17

ランチョンセミナー

7月20日(土) 第2会場 (12:20〜13:10)

日本肺癌学会

座長 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 呼吸器・膠原病内科学分野 西岡 安彦

4) 非小細胞肺がん ~薬物療法の新たなる展開~四国がんセンター 呼吸器内科 上月 稔幸

共催:大鵬薬品工業株式会社

7月20日(土) 第3会場 (12:20〜13:10)

日本肺癌学会

座長 四国がんセンター 呼吸器内科 野上 尚之

5) EGFR-TKIの現状と展望産業医科大学 第2外科 田中 文啓

共催:アストラゼネカ株式会社

7月20日(土) 第4会場 (12:20〜13:10)

日本呼吸器学会

座長 高知大学医学部 血液・呼吸器内科学 横山 彰仁

6) 特発性間質性肺炎の治療を考える日本医科大学 内科学呼吸器・感染・腫瘍部門 吾妻安良太

共催:塩野義製薬株式会社

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16 17

イブニングセミナー

7月19日(金) 第2会場 (17:10〜18:00)

日本呼吸器学会

座長 高知大学医学部 血液・呼吸器内科学 横山 彰仁

1) 重症喘息の治療戦略 -抗IgE抗体療法の可能性-岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科 金廣 有彦

共催:ノバルティス ファーマ株式会社

7月19日(金) 第3会場 (17:10〜18:00)

日本肺癌学会

座長 香川大学医学部附属病院 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科学 坂東 修二

2) 肺癌治療におけるパラダイムシフト -分子標的療法を中心に-大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学 木島 貴志

共催:中外製薬株式会社

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18 19

呼吸器学会・一般

7月19日(金) 第1会場肺腫瘍1 11:15〜11:47

座長 坂東 修二(香川大学医学部 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科)

K-01 乳癌患者に生じた気管気管支原発悪性リンパ腫の1例1)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 胸部・血管外科、3)鳥取大学医学部 分子制御内科学

山下ひとみ1)、上田 康仁1)、冨田 桂公1)、小勝負知明1)、大野 貴志2)、鈴木 喜雅2)、清水 英治3)

K-02 限局性肺アミロイドーシスの1例NHO愛媛医療センター 呼吸器内科

佐藤 千賀、渡邉  彰、植田 聖也、市木  拓、阿部 聖裕

K-03 肺癌と鑑別を要した肺糸状虫症の1例国立病院機構松江医療センター 外科

目次 裕之、足立 洋心、松岡 佑樹、大野 貴志、徳島  武

K-04 胸部放射線同時併用化学療法中に高安動脈炎を発症した限局型小細胞肺癌症例の1例1)独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 呼吸器内科、2)医療法人社団康心会湘南東部総合病院

原田大二郎1)、上月 稔幸1)、北島 寛元1)、大橋 圭明1)、山本将一朗1)、野上 尚之1)、新海  哲2)

7月19日(金) 第1会場肺腫瘍2 13:35〜14:15

座長 上月 稔幸(四国がんセンター 呼吸器内科)

K-05 突然の右眼視力低下を来した肺癌、髄膜癌腫症の1例広島赤十字・原爆病院 呼吸器科

古玉 純子、舟木 洋美、橋本 和憲、池上 靖彦、山崎 正弘、有田 健一

K-06 多発肺内転移を生じた胃原発T細胞性リンパ腫の1例1)松江赤十字病院 呼吸器内科、2)鳥取大学医学部 分子制御内科学講座

矢内 正晶1)、中崎 博文1)、徳安 宏和1)、清水 英治2)

K-07 メトトレキサート関連肺リンパ増殖性疾患の1例国立病院機構松江医療センター 呼吸器内科

多田 光宏、神田  響、西川恵美子、岩本 信一、門脇  徹、木村 雅広、小林賀奈子、池田 敏和、矢野 修一

K-08 関節リウマチに合併し、診断困難であった肺悪性リンパ腫の1例公立学校共済組合中国中央病院 内科

三宅 剛平、妹尾  賢、栗本 悦子、久保 寿夫、岡田 俊明、張田 信吾

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18 19

呼吸器学会・一般

K-09 胸膜プラークを合併した肺癌の64例の検討1)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 胸部外科

中西 将元1)、梅野 貴裕1)、能島 大輔1)、久山 彰一1)、下田 篤志2)、杉本龍士郎2)、片岡 和彦2)

7月19日(金) 第1会場縦隔腫瘍・胸膜疾患 14:15〜15:11座長 上岡  博(国立病院機構山口宇部医療センター)

K-10 術前化学療法にて完全切除し得た縦隔浸潤を伴った胸腺癌の1例1)安芸市民病院 内科、2)国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科、3)国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器外科、4)国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 病理診断科

難波 将史1,2)、中野喜久雄2)、山下 芳典3)、北原 良洋2)、吉田  敬2)、原田 洋明3)、齊藤 彰久4)、倉岡 和矢4)、谷山 清己4)

K-11 Micronodular thymoma with lymphoid stromaの3切除例広島市立安佐市民病院 呼吸器外科

荒木洋一朗

K-12 S1が奏功した既治療進行胸腺癌の1例1)松江赤十字病院 呼吸器内科、2)松江赤十字病院 呼吸器外科、3)鳥取大学医学部 分子制御内科学

中崎 博文1)、矢内 正晶1)、徳安 宏和1)、岡部  亮2)、磯和 理貴2)、清水 英治3)

K-13 陳旧性胸膜炎との鑑別を要した悪性胸膜中皮腫の1例川崎医科大学 総合内科学1

加藤  幹、内田 孝一、田中 久貴、林  敏清、栗原 武幸、宮下 修行、沖本 二郎

K-14 胸水貯留を契機に発見され、胸腔鏡で診断し得た胸膜原発悪性リンパ腫(DLBCL)の1例1)山口宇部医療センター 呼吸器内科、2)山口宇部医療センター 血液腫瘍内科

村田 順之1)、近森 研一2)、宇都宮利彰2)、坂本 健次1)、原田 千尋2)、大石 景士1)、岸野 大蔵2)、青江 啓介2)、前田 忠士2)、上岡  博1)

K-15 高齢者に発症した胸壁発生骨外性Ewing肉腫の1例1)国立病院機構松江医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構米子医療センター 整形外科、3)国立病院機構松江医療センター 臨床検査科

岩本 信一1)、門脇  徹1)、南崎  剛2)、長岡 三郎3)、神田  響1)、西川恵美子1)、多田 光弘1)、木村 雅広1)、小林賀奈子1)、池田 敏和1)、矢野 修一1)

K-16 気胸に対し胸腔鏡下ソフト凝固焼灼術が効果的であった4例高松赤十字病院 胸部・乳腺外科

監崎孝一郎、法村 尚子、環  正文、三浦 一真、吉澤  潔

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20 21

呼吸器学会・一般

7月19日(金) 第1会場自己免疫性肺疾患 15:11〜15:43

座長 濱田 泰伸(広島大学大学院 生体機能解析制御科学)

K-17 血漿交換が有効であったびまん性肺胞出血を伴うANCA関連血管炎の1例高松赤十字病院

真弓哲一郎、林  章人、六車 博昭、山本 晃義

K-18 肺非結核性抗酸菌症の治療中に発症した全身性エリテマトーデスの1例岡山赤十字病院 呼吸器内科

西井 和也、佐久川 亮、深松 伸明、豊田 容介、小田 尚廣、細川  忍、堀内 武志、別所 昭宏、渡辺 洋一

K-19 潰瘍性大腸炎に合併し、気管・気管支に多数の白色小結節を形成したgranulomatosis with polyangiitisの1例香川大学医学部 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科

田所  明、金地 伸拓、喜多 信之、渡邊 直樹、石井 知也、坂東 修二、松永 卓也

K-20 脳死肺移植後の急性細胞性拒絶と考えられた1例1)国家公務員共済組合連合会呉共済病院 呼吸器内科、2)国家公務員共済組合連合会呉共済病院 呼吸器外科

清重  昇1)、譲尾 昌太1)、藤原 寛樹1)、堀田 尚克1)、塩田雄太郎1)、今井 茂郎2)、松本 理恵2)

7月19日(金) 第1会場喘息・アレルギー 15:43〜16:15座長 春田 吉則(広島大学大学院 分子内科学)

K-21 SACRA質問票がオマリズマブ継続判定に有用であった重症気管支喘息の1例広島アレルギー呼吸器クリニック

保澤総一郎、寺田 満和、保澤 真紀

K-22 みかん農家に発症した過敏性肺炎の1例1)徳島県立海部病院 総合診療科、2)徳島大学 総合診療医学分野

湯浅 志乃1)、坂東 弘康1)、小幡 史明1)、田畑  良1)、森  敬子1)、谷  憲治2)

K-23 気管支喘息患者とCOPD患者における強制オシレーション法による呼吸機能評価住友別子病院 呼吸器内科

勝田 知也、洲脇 俊充、伊藤明日香、二宮  崇、亀井 治人

K-24 気管支喘息に合併する副鼻腔炎の臨床的検討1)岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科、2)岡山大学病院 耳鼻咽喉科、3)国立病院機構本部、4)国立病院機構南岡山医療センター 呼吸器・アレルギー科

谷本  安1)、早稲田公一1)、藤井 詩子1)、谷口 暁彦1)、古賀  光1)、宮原 信明1)、木浦 勝行1)、岡野 光博2)、岡田 千春3)、片岡 幹男1)、宗田  良4)、谷本 光音1)

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20 21

呼吸器学会・一般

7月19日(金) 第2会場COPD・呼吸不全・睡眠時無呼吸 16:15〜17:03

座長 國近 尚美(山口赤十字病院 内科)

K-25 当院におけるPMX-DHPを活用したARDS診療実績1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 画像診断科

大石 景士1)、尾形 佳子1)、村田 頼之1)、坂本 健次1)、大藤  貴1)、神徳  済1)、宇都宮利彰2)、原田 千尋2)、岸野 大蔵2)、片山 英樹2)、近森 研一2)、青江 啓介2)、前田 忠士2)、松本 常男3)、上岡  博1)

K-26 COPDに対するインダカテロールマレイン酸塩使用による運動量改善効果の解析医療法人北室内科医院

北室 知巳

K-27 心臓リハビリテーション外来患者における潜在的COPD併存率の検討1)KKR高松病院、2)粟井内科医院

菊池  宏1)、市川 裕久1)、荒川裕佳子1)、森  由弘1)、粟井 一哉2)

K-28 1年5ヵ月の長期人工呼吸管理後に脳死両肺移植が可能であった閉塞性細気管支炎の1例1)岡山大学病院 呼吸器外科、2)鳥取県立中央病院 血液内科

原  暁生1)、大藤 剛宏1)、田中 孝幸2)、中谷  文1)、三好健太郎1)、岡田 真典1)、平野  豊1)、山本 寛斉1)、杉本誠一郎1)、葉山 牧夫1)、宗  淳一1)、山根 正修1)、豊岡 伸一1)、三好新一郎1)

K-29 鼻マスクCPAPにて改善した、無呼吸の軽度な肥満低換気症候群の1例国立病院機構浜田医療センター 呼吸器内科

柳川  崇、酒井 浩光

K-30 10年以上の長期CPAP治療患者の臨床経過KKR高松病院 睡眠・呼吸センター

荒川裕佳子、菊池  宏、市川 裕久、森  由弘、厚井 文一

7月19日(金) 第3会場その他 16:15〜16:47

座長 田端 雅弘(岡山大学病院 腫瘍センター)

K-31 Short hydration法を用いたシスプラチン+ぺメトレキセド+ベバシズマブ併用化学療法の検討市立三次中央病院

粟屋 禎一、高尾  俊、実綿  慶

K-32 TS-1+カルボプラチンと同時放射線療法により組織学的に完全奏効を確認した1例高松市民病院 呼吸器外科

三崎 伯幸、喜田 裕介

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22 23

呼吸器学会・一般

K-33 サルコイドーシス合併肺癌の1手術例倉敷中央病院 呼吸器外科

山科 明彦、栢分 秀直、藤原 敦史、松岡 智章、亀山耕太郎、奥村 典仁

K-34 特発性肺線維症に合併したAFP産生肺癌の1例香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科

伊藤 公一、池田 敏裕、加藤  歩、徳永 義昌、松浦奈都美、笠井 由隆、垂水晋太郎、中野  淳、奥田 昌也、後藤 正司、劉  大革、呉  哲彦、横見瀬裕保

7月19日(金) 第4会場間質性肺炎1 11:15〜11:47座長 服部  登(広島大学大学院 分子内科学)

K-35 生来健康な男性に発症し、再発を繰り返したAcute fibrinous and organizing pneumoniaの1例1)愛媛県立中央病院 呼吸器科、2)松山市民病院 病理部

中西 徳彦1)、大朏 祐治2)、佐伯 和彦1)、山本 千恵1)、橘 さやか1)、塩尻 正明1)、井上 考司1)、森高 智典1)

K-36 慢性関節リウマチ治療中に急性発症した間質性肺炎の2例三原市医師会病院 内科

平本 博文、川崎 広平、江草玄太郎、森田 好美、檜井 俊英、奥崎  健

K-37 2年連続して季節型インフルエンザ罹患により急性増悪をきたした特発性肺線維症(IPF)の1例

1)特定医療法人仁生会細木病院 呼吸器内科、2)特定医療法人仁生会細木病院 臨床工学室小林  誠1)、弘瀬 祥子1)、森  勇樹2)、白神  実1)

K-38 玉葱農家に発症した過敏性肺臓炎の1例鳥取大学医学部 分子制御内科学

阪本 智宏、小谷 昌広、山崎  章、北浦  剛、倉井  淳、矢内 正晶、唐下 泰一、渡部 仁成、井岸  正、清水 英治

7月19日(金) 第4会場間質性肺炎2 13:35〜14:07座長 大串 文隆(国立病院機構高知病院)

K-39 間質性肺炎治療中に発症した続発性肺胞蛋白症の1例1)岡山赤十字病院 呼吸器内科、2)国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター

深松 伸明1)、細川  忍1)、西井 和也1)、豊田 容輔1)、小田 尚廣1)、佐久川 亮1)、堀内 武志1)、別所 昭宏1)、渡辺 洋一1)、井上 義一2)

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22 23

呼吸器学会・一般

K-40 徳島大学病院における胸腔鏡(VATS)下肺生検症例の検討1)徳島大学病院 呼吸器・膠原病内科、2)徳島大学病院 呼吸器外科、3)日本医科大学 解析人体病理学

是松 麻美1)、岸  昌美1)、青野 純典1)、竹崎 彰夫1)、東  桃代1)、木下 勝弘1)、阿部 秀一1)、埴淵 昌毅1)、吉田 光輝2)、先山 正二2)、福田  悠3)、西岡 安彦1)

K-41 麦門冬湯による薬剤性間質性肺炎の1例松山赤十字病院 呼吸器センター

仙波真由子、濱口 直彦、梶原浩太郎、伊藤 謙作、三浦奈央子、兼松 貴則、横山 秀樹

K-42 Lenalidomideによる薬剤性肺障害を呈した2例1)公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器内科、2)神戸大学大学院医学研究科 遺伝学分野

横山 真一1)、池田  慧1)、有田真知子1)、三島 祥平1)、高岩 卓也1)、福田  泰1)、古田健二郎1)、田中 麻紀1)、時岡 史明1)、石田  直1)、國政  啓2)

7月19日(金) 第4会場感染症1 14:07〜14:39

座長 石田  直(倉敷中央病院 呼吸器内科)

K-43 Reversed halo signを呈し、C.pneumoniaeとの重複感染も疑われたマイコプラズマ肺炎の1例1)村上記念病院 内科、2)愛媛大学医学部 病態情報内科学

森  公介1)、西野圭一郎1)、高岡 洋子1)、岩政喜久恵1)、村上 重人1)、村上 匡人1)、村上 凡平1)、伊東 亮治2)

K-44 アルベカシンを用いた胸腔内洗浄が奏効したMRSA膿胸の1例独立行政法人国立病院機構岡山医療センター 呼吸器科

槇本  剛、佐藤  賢、亀山 伸久、時政 雄平、肥後 寿夫、頼  冠名、藤原 慶一、柴山 卓夫、米井 敏郎、佐藤 利雄

K-45 喀痰LAMP法が有用であった重症化マイコプラズマ肺炎の1例JA高知病院 内科

吉田 成二、富本 英樹、本淨 晃史、住友 賢哉、中山 正、曽根 三郎

K-46 成人期に発見された原発性免疫不全症候群の1例広島大学病院 呼吸器内科

塩谷咲千子、村井  博、中島  拓、岩本 博志、石川 暢久、藤高 一慶、春田 吉則、服部  登、河野 修興

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呼吸器学会・一般

7月19日(金) 第4会場感染症2 14:39〜15:11

座長 沖本 二郎(川崎医科大学 総合内科学 1)

K-47 当院のインフルエンザA院内発症時におけるオセルタミビルの予防投与についての検討高松市民病院 呼吸器科

河野 洋二、喜田 裕介、三崎 伯幸、岸本 伸人

K-48 孤立結節影で見つかり4年の経過を観察し得たアスペルギローマの1例1)島根大学 呼吸器・化学療法内科、2)島根県立中央病院 呼吸器科

濱口  愛1)、須谷 顕尚1)、木庭 尚哉1)、沖本 民生1)、三浦 聖高1)、津端由佳里1)、本田  健1)、濱口 俊一1)、大江 美紀1)、竹山 博繁1)、久良木隆繁2)、礒部  威1)

K-49 細菌検査外部委託病院での感染症診療1)坂出市立病院 内科、2)坂出市立病院 検査部、3)坂出市立病院 小児科

中村 洋之1)、丸山理笑子2)、谷本 清隆3)

K-50 特徴的な画像所見を示したHaemophilus influenzae市中肺炎を発症した1例JA高知厚生連JA高知病院 内科

住友 賢哉、本浄 晃史、富本 英樹、吉田 成二、中山  正、曽根 三郎

7月19日(金) 第4会場サルコイドーシス・稀な疾患1 15:11〜15:43

座長 埴淵 昌毅(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 呼吸器・膠原病内科学分野)

K-51 縦隔リンパ節腫大による反回神経麻痺のため嗄声を来たしたサルコイドーシスの1例公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器内科

堺  隆大、伊藤 明広、古田健二郎、田中 麻紀、時岡 史明、吉岡 弘鎮、橘  洋正、有田真知子、橋本  徹、石田  直

K-52 胸水貯留を認めたサルコイドーシスの1例1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 血液腫瘍内科、3)国立病院機構関門医療センター 病理部

宇都宮利彰1)、大石 景士1)、村田 順之1)、坂本 健次1)、尾形 佳子1)、大藤  貴1)、前田 忠士2)、青江 啓介2)、上岡  博2)、村上 知之3)

K-53 横隔膜ヘルニア手術の3例1)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 呼吸器外科、2)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 心臓血管外科、3)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 呼吸器内科、4)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 外科、5)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 病理診断部

小川 正男1)、浦田 康久2)、石黒 眞吾2)、酒井 浩光3)、柳川  崇3)、栗栖 泰郎4)、長崎 真琴5)

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呼吸器学会・一般

K-54 下垂体機能低下症、尿崩症、肺病変を認め診断に苦慮したErdheim-Chester病の1例高知医療センター 呼吸器内科

浦田 知之、中島  猛、轟  貴史、寺澤 優代

7月19日(金) 第4会場稀な疾患2 15:43〜16:15

座長 小畑 秀登(山口県済生会下関総合病院 呼吸器科)

K-55 診断に苦慮した悪性胸水の1例国立病院機構高知病院 呼吸器センター

香西 博之、畠山 暢生、中野万有里、岡野 義夫、町田 久典、篠原  勉、大串 文隆

K-56 右中葉分岐部および右B4入口部に発生した神経鞘腫の1例鳥取県立中央病院

田中那津美、澄川  崇、浦川  賢、陶山 久司、杉本 勇二

K-57 健診にて発見された良性転移性肺平滑筋種の1例徳島県立中央病院 外科

広瀬 敏幸、住友 正幸、松岡  永、河北 直也、松下 健太、杉本 光司、近清 素也、大村 健史、八木 淑之、倉立 真志

K-58 繰り返す気胸に対し手術を行いBirt-Hogg-Dube症候群と診断した1例国立病院機構松江医療センター 外科

松岡 佑樹、足立 洋心、目次 裕之、徳島  武

7月19日(金) 第4会場稀な疾患3 16:15〜16:47座長 河崎 雄司(津山第一病院 呼吸器内科)

K-59 ステロイド長期投与,骨髄異形成症候群患者に発症した播種性Mycobacterium kansasii症の1例倉敷中央病院

曽根 尚之、田中 麻紀、伊藤 明広、橋本  徹、堺  隆大、三島 祥平、高岩 卓也、福田  泰、池田  慧、丹羽  崇、西山 明宏、時岡 史明、吉岡 弘鎮、橘  洋正、有田真知子、石田  直

K-60 慢性期の呼吸管理としてBCVを導入した全身性強皮症の1例1)国立病院機構松江医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構松江医療センター 臨床工学室

西川恵美子1)、門脇  徹1)、笠置 龍司2)、神田  響1)、森澤  翠2)、小林 賀奈子1)、木村 雅広1)、岩本 信一1)、多田 光宏1)、池田 敏和1)、矢野 修一1)

K-61 研修医教育としての香川胸部CT症例検討会の活動1)KKR高松病院 呼吸器科、2)粟井内科医院、3)亀井内科呼吸器科医院、4)高松市民病院 呼吸器科、5)香川県保健医療大学 看護学科

森  由弘1)、菊地  宏1)、市川 裕久1)、荒川裕佳子1)、厚井 文一1)、粟井 一哉2)、亀井  雅3)、岸本 伸人4)、佐藤  功5)

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呼吸器学会・一般

K-62 設立3年目の呼吸サポートチーム(RST)における問題点とその対策1)香川県立中央病院 呼吸器外科、2)香川県立中央病院 呼吸器内科、3)香川県立中央病院 看護部、4)香川県立中央病院 臨床工学科、5)香川県立中央病院 理学療法科

青江  基1)、坂井健一郎2)、中村 明世3)、村井 由佳3)、松田  彩3)、橋本 真理3)、山下 和良4)、堀井 孝弘4)、入谷 信行4)、山田 耕平5)、桑嶋 博史5)、多田 善則5)

7月20日(土) 第1会場抗酸菌症 15:47〜16:27

座長 阿部 聖裕(国立病院機構愛媛医療センター)

K-63 非結核性抗酸菌症を合併した原発性シェーグレン症候群の1例マツダ病院

中西  雄、河内 礼子、大成洋二郎

K-64 LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法が有用であった肺結核再発の1例高知赤十字病院

飛梅  亮、竹内 栄治、田宮 弘之

K-65 舌癌末期で肺結核と診断された1例1)山口県済生会下関総合病院 呼吸器科、2)産業医科大学 呼吸器内科

小畑 秀登1)、松嶋  敦1)、畑  亮輔1)、内村 圭吾1)、迎   寛2)

K-66 QFT-TBと胃液結核菌PCR検査が診断に有用であった肺結核の1例1)山口県下関済生会総合病院 呼吸器科、2)産業医科大学病院 呼吸器内科

畑  亮輔1)、高木  努2)、内村 圭吾1)、松嶋  敦1)、小畑 秀登1)、迎   寛2)

K-67 当院における肺非結核性抗酸菌症の現況1)独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター 内科、2)独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター 呼吸器科

市木  拓1)、植田 聖也2)、渡邉  彰2)、佐藤 千賀2)、阿部 聖裕2)

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呼吸器学会・研修医

7月20日(土) 第1会場肺腫瘍1 13:15〜13:55

座長 吉岡 弘鎮(公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院)

KT-01 化学放射線療法後、7年目に急性呼吸不全にて死亡した肺扁平上皮癌の1例福山医療センター 呼吸器内科

西井  豪、丸川 将臣、米花 有香、八杉 昌幸、玄馬 顕一

KT-02 肺腺癌に副腎褐色細胞腫を合併し診断に苦慮した1例広島大学病院 呼吸器内科

山路 貴之、檜垣 直子、大月 鷹彦、中島  拓、岩本 博志、石川 暢久、藤高 一慶、春田 吉則、村井  博、服部  登、河野 修興

KT-03 化学療法が長期に奏効したstageⅣ ROS1陽性肺癌の1例香川大学医学部 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科

喜多 信之、石井 知也、田所  明、渡邊 直樹、金地 伸拓、坂東 修二、松永 卓也

KT-04 各転移臓器において単独の組織像を呈した混合型小細胞肺癌(小細胞癌および扁平上皮癌)の一剖検例1)社会医療法人近森会近森病院 内科、2)社会医療法人近森会近森病院 呼吸器内科、3)社会医療法人近森会近森病院 消化器内科、4)社会医療法人近森会近森病院 病理診断部

大川 良洋1)、梅下  仁1)、荒川  悠2)、中岡 大士2)、青野  礼3)、橘  知佐4)、円山 英昭4)

KT-05 経過中に頭蓋内出血をきたした肺絨毛癌の1例1)独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器外科

荒木 佑亮1)、吉田  敬1)、難波 将史1)、北原 良洋1)、坪川 典史2)、原田 洋明2)、山下 芳典1)、中野喜久雄1)

7月20日(土) 第1会場肺腫瘍2・縦隔腫瘍・胸膜疾患 13:55〜14:35

座長 窪田 哲也(高知大学医学部 血液・呼吸器内科)

KT-06 肺の炎症性偽腫瘍の1症例1)国立病院機構独立行政法人岩国医療センター 胸部外科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科、3)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 臨床検査科

高橋 里沙1)、杉本龍士郎1)、片岡 和彦1)、下田 篤史1)、久山 彰一2)、能島 大輔2)、中西 将元2)、梅野 貴裕2)、山崎 理恵3)

KT-07 primary pulmonary follicular lymphoma with marginal differentiationの1例1)愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター、2)愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座

松本 清香1)、片山  均2)、加藤 高英2)、濱田 千鶴2)、加藤 亜希2)、三好 誠吾2)、伊東 亮治2)、大蔵 隆文2)、檜垣 實男2)

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呼吸器学会・研修医

KT-08 原発性肺癌との鑑別に苦慮した末梢性孤立性肺乳頭腫の1切除例1)香川県立中央病院 初期研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科、3)香川県立中央病院 呼吸器内科、4)香川県立中央病院 病理部

杉野 友亮1)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、青江  基2)、上田  裕3)、坂井健一郎3)、宮脇 裕史3)、間野 正平4)

KT-09 下気道感染症状の出現を契機に診断されたGood症候群の1例1)岩国市立本郷診療所 内科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科、4)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科

田中瑛一朗1)、大石 景士2)、村田 頼之2)、坂本 健次2)、大藤  貴2)、尾形 佳子2)、宇都宮利彰3)、岸野 大蔵3)、片山 英樹3)、近森 研一3)、青江 啓介3)、前田 忠士3)、林  達朗4)、田尾 裕之4)、岡部 和倫4)、上岡  博1)

KT-10 局所麻酔下胸腔鏡による掻爬とドレナージが有用であった癌性胸膜炎の1例1)愛媛大学医学部附属病院 臨床研修センター、2)愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学

武内三希子1)、伊東 亮治2)、加藤 高英2)、濱田 千鶴2)、加藤 亜希2)、三好 誠吾2)、片山  均2)、大蔵 隆文2)、檜垣 實男2)

7月20日(土) 第1会場自己免疫性肺疾患・喘息・アレルギー 14:35〜15:15

座長 堀田 勝幸(岡山大学病院 血液・腫瘍内科)

KT-11 肺野病変が先行したIgG4関連疾患の1例1)倉敷中央病院 教育研修部、2)倉敷中央病院 呼吸器内科、3)倉敷中央病院 病理検査科

横田恵里子1)、池田  慧2)、有田真知子2)、能登原憲司3)、石田  直2)

KT-12 TBLB、CTガイド下肺生検では確定診断に至らず、外科的肺生検にて診断し得たWegener肉芽腫症の1例独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科

田原 正浩、荒木 佑亮、難波 将史、北原 良洋、吉田  敬、中野喜久雄

KT-13 経皮膚感作による米依存性運動誘発アナフィラキシーの1例川崎医科大学 呼吸器内科

吉原 史矩、尾長谷 靖、松田 宗也、八十川直哉、堅田 洋佑、橘高  誠、黒瀬 浩史、池田 征樹、阿部 公亮、清水 大樹、大植 祥弘、毛利 圭二、加藤 茂樹、小橋 吉博、岡 三喜男

KT-14 両側部分無気肺を合併したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の1例1)鳥取大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター、2)鳥取大学医学部 分子制御内科、3)鳥取大学医学部 病態検査学

川谷 冴子1)、藤井 政至1)、岡崎 亮太2)、舟木 佳弘2)、岡田 健作2)、唐下 泰一2)、長谷川泰之2)、鰤岡 直人3)、清水 英治2)

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呼吸器学会・研修医

KT-15 再 発 し た ス エ ヒ ロ タ ケ(Schizophyllum commune)に よ る ABPM(allergic bronchopulmonary mycosis)の1例1)県立広島病院 呼吸器内科・リウマチ科、2)高知大学医学部 血液・呼吸器内科学、3)千葉大学真菌医学研究センター 臨床感染症分野

奥本  穣1)、岩村 紋子1)、吉岡 宏治1)、谷本 琢也1)、前田 裕行1)、土井 正男1)、桑原 正雄1)、宮本真太郎2)、亀井 克彦3)

7月20日(土) 第1会場間質性肺炎 15:15〜15:47

座長 伊東 亮治(愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学)

KT-16 薬剤性血管炎として経過観察中、間質性肺炎増悪と尿潜血陽性を契機に顕微鏡的多発血管炎の診断に至った1例1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科

篠原 孝宏1)、大石 景士1)、村田 頼之1)、坂本 健次1)、大藤  貴1)、神徳  済1)、尾形 佳子1)、宇都宮利彰2)、原田 千尋2)、岸野 大蔵2)、片山 英樹2)、近森 研一2)、青江 啓介2)、前田 忠士2)、上岡  博1)

KT-17 ダサチニブが原因と考えられた薬剤性肺障害の1例1)高知大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター、2)高知大学医学部附属病院 血液・呼吸器内科

荻野 慶隆1)、穴吹 和貴2)、高岡 誠人2)、金  月恵2)、酒井  瑞2)、河瀬 成穂2)、宮本真太郎2)、大西 広志2)、窪田 哲也2)、横山 彰仁2)

KT-18 防水スプレー吸入により発症したFibrinofibrous organizing pneumoniaの1例住友別子病院

伊藤明日香、二宮  崇、勝田 知也、洲脇 俊充、亀井 治人

KT-19 Hermansky-Pudlak症候群と考えられた一剖検例独立行政法人国立病院機構岡山医療センター 呼吸器科

松浦 郁子、頼  冠名、槇本  剛、亀山 伸久、渡邉 洋美、佐藤  賢、藤原 慶一、柴山 卓夫、米井 敏郎、佐藤 利雄

7月20日(土) 第3会場感染症 13:15〜14:03座長 池田 敏和(松江医療センター)

KT-20 当科にて経験したインフルエンザウイルス感染後の二次性肺炎の検討広島市立安佐市民病院

香川真由子、菅原 文博、小川 喬史、渡部 雅子、風呂中 修、北口 聡一

KT-21 肺放線菌症の1手術例 -当科自験例4例の検討-1)倉敷中央病院 教育研修部、2)倉敷中央病院 呼吸器外科

中園 千晶1)、奥村 典仁2)、入江 真大2)、山科 明彦2)、栢分 秀直2)、松岡 智章2)、亀山耕太郎2)

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呼吸器学会・研修医

KT-22 fluconazole耐性であった肺クリプトコックス症の1例JA広島総合病院

林  晴奈、徳毛健太郎、山岡 千尋、若林  優、河野 秀和、近藤 丈博

KT-23 胸腔鏡下肺部分切除術により診断された肺犬糸状虫症の1例1)国立病院機構岡山医療センター 呼吸器科、2)国立病院機構岡山医療センター 呼吸器外科

中須賀崇匡1)、藤原 慶一1)、渡邉 洋美1)、槇本  剛1)、亀山 伸久1)、松下 瑞穂1)、頼  冠名1)、奥谷 大介2)、佐藤  賢1)、柴山 卓夫1)、米井 敏郎1)、安藤 陽夫2)、佐藤 利雄1)

KT-24 細菌性肺炎との鑑別が困難であった、A型インフルエンザに合併した致死的肺胞出血の1例独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科

小田 真司、荒木 佑亮、難波 将史、北原 良洋、吉田  敬、中野喜久雄

KT-25 急速に増大する腫瘤影を呈した肺M.avium症の1例川崎医科大学附属病院 呼吸器内科

岡本 公志、橘高  誠、小橋 吉博、堅田 洋佑、松田 宗也、八十川直哉、池田 征樹、黒瀬 浩史、阿部 公亮、清水 大樹、大植 祥弘、毛利 圭二、尾長谷 靖、加藤 茂樹、岡 三喜男

7月20日(土) 第3会場気道・気管支、サルコイドーシス、稀な疾患 14:03〜14:43

座長 中西 徳彦(愛媛県立中央病院)

KT-26 発育障害による短身長の症例における気管切開呼吸補助の問題点とその解決策1)香川県立中央病院 初期臨床研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科、3)香川県立中央病院 呼吸器内科、4)香川県立中央病院 看護部、5)香川県立中央病院 臨床工学科、6)香川県立中央病院 理学療法科

瀬戸  司1)、須藤 雄也1)、小林 泰幸1)、青江  基2)、坂井健一郎3)、中村 明世4)、村井 由佳4)、松田  彩4)、橋本 真理4)、山下 和良5)、堀井 孝弘5)、入谷 信行5)、山田 耕平6)、桑嶋 博史6)、多田 善則6)

KT-27 アトピー素因を有し血清IgE高値を呈したサルコイドーシスの1例広島大学病院 呼吸器内科

大道和佳子、福原 和秀、益田  健、石川 暢久、藤高 一慶、春田 吉則、村井  博、服部  登、河野 修興

KT-28 サルコイドーシスの経過観察中に肺腺癌を合併した1例1)徳島大学病院 卒後臨床研修センター、2)徳島大学病院 呼吸器・膠原病内科、3)徳島大学病院 呼吸器外科

長瀬 紗季1)、豊田 優子2)、阿部 秀一2)、岸   潤2)、河野  弘2)、手塚 敏史2)、吉嶋 輝実2)、埴淵 昌毅2)、池田真由美3)、先山 正二3)、西岡 安彦2)

KT-29 左肺底動脈大動脈起始症の1例1)鳥取県立中央病院 内科、2)鳥取県立中央病院 胸部外科心臓血管外科

山本 章裕1)、陶山 久司1)、澄川  崇1)、浦川  賢1)、杉本 勇二1)、万木 洋平2)、前田 啓之2)

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呼吸器学会・研修医

KT-30 喀血で救急外来を受診した左肺底区動脈大動脈起始症(PryceΙ型肺分画症)の1例1)徳島県立中央病院 臨床研修医、2)徳島県立中央病院 呼吸器内科、3)徳島県立中央病院 外科、4)徳島県立中央病院 病理診断科

飯間  努1)、葉久 貴司2)、田岡 隆成2)、稲山 真美2)、米田 和夫2)、松岡  永3)、広瀬 敏幸3)、住友 正幸3)、廣瀬 隆則4)

7月20日(土) 第3会場稀な疾患 14:43〜15:31

座長 尾形 佳子(国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科)

KT-31 CTで異常なく低酸素を伴った血管内リンパ腫の1例1)労働者健康福祉機構中国労災病院 臨床研修センター、2)労働者健康福祉機構中国労災病院 呼吸器科、3)労働者健康福祉機構中国労災病院 循環器科

仲田 恭平1)、塩田 直樹2)、藤村 憲崇3)、泉  祐介2)、風呂中 誠2)

KT-32 当院で経験したBirt-Hogg-Dubé症候群の肺機能検査成績1)広島赤十字・原爆病院 呼吸器科、2)広島赤十字・原爆病院 泌尿器科、3)広島赤十字・原爆病院 病理診断科

工藤 千春1)、橋本 和憲1)、舟木 洋美1)、古玉 純子1)、池上 靖彦1)、山崎 正弘1)、有田 健一1)、作間 俊治2)、藤原  恵3)

KT-33 終日NIPPV導入により在宅加療が可能となった慢性II型呼吸不全合併ムコ多糖症IV(Morquio病)A型長期生存例福山市民病院 内科

小林 由佳、高田 一郎、三谷 玲雄

KT-34 肺全摘後に残存肺の過膨張による呼吸不全をきたした1例1)中国中央病院 呼吸器内科、2)中国中央病院 呼吸器外科

妹尾  賢1)、久保 寿夫1)、栗本 悦子1)、三宅 剛平1)、岡田 俊明1)、大亀  剛2)、鷲尾 一浩2)、張田 信吾1)

KT-35 妊娠・出産に伴い病態の増悪と改善を認めた肺リンパ脈管筋腫症の1例愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座

加藤 高英、三好 誠吾、濱田 千鶴、加藤 亜希、片山  均、大蔵 隆文、檜垣 實男、伊東 亮治

KT-36 悪性胸膜中皮腫を疑われた肺外原発小細胞癌の1例1)岡山労災病院 呼吸器内科、2)岡山労災病院 腫瘍内科、3)岡山労災病院 内科

松本 晋作1)、藤本 伸一2)、浅野美智子1)、淵本 康子1)、小野勝一郎1)、北村 賢一1)、小崎 晋司1)、岸本 卓巳3)

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呼吸器学会・メディカルスタッフ

7月20日(土) 第4会場肺腫瘍、COPD・呼吸不全、稀な疾患 13:15〜14:03

座長 岸本 伸人(高松市民病院 呼吸器科)

KM-01 腎機能低下患者におけるペメトレキセドの使用経験について1)香川県立中央病院 薬剤部、2)香川県立中央病院 呼吸器内科、3)香川県立中央病院 呼吸器外科

仲川 三春1)、鎌田 瑞菜1)、宮川 真澄1)、坂井健一郎2)、上田  裕2)、宮脇 裕史2)、吉川 武志3)、三竿 貴彦3)、青江 基3)

KM-02 COPD患者における急性増悪回避に関連する因子の検討1)KKR高松病院 リハビリテーションセンター、2)KKR高松病院 呼吸器科

宮崎慎二郎1)、片岡 弘明1)、石川  淳1)、北山奈緒美1)、菊池  宏2)、市川 裕久2)、荒川裕佳子2)、森  由弘2)

KM-03 在宅酸素療法を導入した慢性呼吸不全患者に対する退院後訪問指導の取り組み1)三豊総合病院企業団 リハビリテーション科、2)三豊総合病院企業団 内科、3さぬき市民病院 内科

津川 義弘1)、木村 啓介1)、南木 伸基3、山地 康文2)

KM-04 増悪を繰り返す肺結核後遺症患者にiVAPSが著効した1例1)KKR高松病院 臨床工学科、2)KKR高松病院 睡眠・呼吸センター

山本 晃市1)、入谷 拓也1)、広瀬 卓哉1)、岩田 康伸1)、塩見  基1)、菊池  宏2)、市川 裕久2)、荒川裕佳子2)、森  由弘2)

KM-05 喉頭がん治療5年6カ月後に二次原発気管癌で発症した慢性咳嗽の1例川崎医科大学 呼吸器内科

堅田 洋佑、尾長谷 靖、松田 宗也、八十川直哉、橘高  誠、池田 征樹、黒瀬 浩史、清水 大樹、阿部 公亮、大植 祥弘、毛利 圭二、加藤 茂樹、小橋 吉博、岡 三喜男

KM-06 胸腔鏡下肺切除術の周術期における身体活動の変化について1)香川県立中央病院 リハビリテーション部、2)香川県立中央病院 呼吸器外科

山田 耕平1)、本田  透1)、青江  基2)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、玉木久美子1)、木曽 靖彦1)、塩田 和輝1)、桑嶋 博史1)、多田 善則1)

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呼吸器学会・学生

7月20日(土) 第4会場胸膜疾患、感染症、その他 14:03〜14:27座長 宮原 信明(岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科)

KS-01 肺葉切除術による慢性期呼吸機能の変化について -術式別の検討-1)愛媛大学医学部 医学科4年生、2)愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター、3)愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター

井原 康輔1)、井上 翔太1)、佐野 由文2)、坂尾 伸彦3)、岡崎 幹生2)、重松 久之2)、三好 誠吾2)、片山  均2)、伊東 亮治2)

KS-02 外科的切除後に診断された肺クリプトコッカス症3例の検討愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター

井上 翔太、重松 久之、井原 康輔、岡崎 幹生、坂尾 信彦、伊東 亮治、片山 均、三好 誠吾、佐野 由文

KS-03 抗生剤で異常陰影が消退し確定診断に苦慮したnodular lymphoid hyperplasiaの1例1)島根大学医学部 医学科、2)島根大学医学部 内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学

兒玉 明里1)、津端由佳里2)、木庭 尚哉2)、堀田 尚誠2)、濱口  愛2)、沖本 民生2)、三浦 聖高2)、本田  健2)、濱口 俊一2)、大江 美紀2)、須谷 顕尚2)、竹山 博康2)、礒部  威2)

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肺癌学会・一般

7月19日(金) 第2会場診断、画像診断 11:15〜12:03

座長 佐藤  功(香川県立保健医療大学 看護学科)

H-01 CT画像において1年以上の術前経過が追跡可能であった肺癌切除症例の検討1)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 胸部外科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科

杉本龍士郎1)、片岡 和彦1)、下田 篤史1)、國友 知義1)、久山 彰一2)、中西 将元2)、梅野 貴裕2)、能島 大輔2)、高橋 里沙1)

H-02 臨床病期N0肺腺癌における潜在的リンパ節転移予測因子の検討岡山大学病院 呼吸器外科

平野  豊、宗  淳一、豊岡 伸一、三好健太郎、山本 寛斉、杉本誠一郎、山根 正修、大藤 剛宏、三好新一郎

H-03 小型肺癌に対する術前気管支鏡検査の現況と今後について1)高知医療センター 呼吸器外科、2)高知医療センター 呼吸器内科、3)高知医療センター 病理診断科

張  性洙1)、岡本  卓1)、中野 貴之1)、米田 浩人2)、轟  貴史2)、中島 猛2)、浦田 知之2)、岩田  純3)

H-04 当院におけるエコーガイド下経胸壁生検の有用性についての検討国家公務員共済組合連合会吉島病院

佐々木啓介、折村 多恵、出口奈穂子、西野 亮平、山野上直樹、宮崎こずえ、山岡 直樹、倉岡 敏彦

H-05 術前診断し得た無症候性・機能性後縦隔傍神経節腫の1切除例岡山大学病院 呼吸器外科

入江 真大、山本 寛斉、諏澤  憲、岡田 真典、三好健太郎、杉本誠一郎、宗  淳一、葉山 牧夫、山根 正修、豊岡 伸一、大藤 剛宏、三好新一郎

H-06 ダブルバルーン小腸内視鏡にて空腸転移が判明した肺未分化大細胞癌の一例KKR高松病院 呼吸器内科

市川 裕久、菊池  宏、荒川裕佳子、森  由弘、厚井 文一

7月19日(金) 第2会場多発癌・重複癌 13:35〜14:15

座長 井岸  正(鳥取大学医学部付属病院 呼吸器内科 /膠原病内科)

H-07 結腸癌の転移性肺腫瘍切除後の標本で偶発性甲状腺癌肺転移が明らかになった1例島根県立中央病院 呼吸器外科

山本 恭通、戸矢崎利也、小阪 真二

H-08 剖検時に小細胞肺癌を認めた肺腺癌の一例1)愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学、2)愛媛県立中央病院 呼吸器内科

山本 千恵1,2)、片山  均1)、加藤 高英1)、濱田 千鶴1)、加藤 亜希1)、三好 誠吾1)、伊東 亮治1)、大蔵 隆文1)、檜垣 實男1)

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肺癌学会・一般

H-09 左上葉肺癌に対して施行した放射線化学療法にて2年間寛解が得られている同時多発右上葉肺癌の1例鳥取大学医学部 分子制御内科学

泉  大樹、唐下 泰一、阪本 智宏、伊藤 静香、山口 耕介、倉井  淳、小谷 昌広、井岸  正、清水 英治

H-10 原発性肺癌と乳癌原発の転移性肺癌を合併した1症例1)松山赤十字病院 呼吸器外科、2)松山赤十字病院 呼吸器内科

伊藤 謙作1)、仙波真由子2)、梶原浩太郎2)、三浦奈央子1)、濱口 直彦2)、兼松 貴則2)、横山 秀樹1)

H-11 甲状腺癌多発肺転移に原発性肺癌を合併した1例1)徳島大学大学院 胸部・内分泌・腫瘍外科、2)徳島大学大学院 臨床腫瘍医療学

森下 敦司1)、滝沢 宏光1)、坪井 光弘1)、梶浦耕一郎1)、中川 靖士1)、吉田 光輝1)、川上 行奎1)、先山 正二1)、近藤 和也2)、丹黒  章1)

7月19日(金) 第2会場化学療法1 14:15〜14:55

座長 瀧川奈義夫(川崎医科大学 総合内科学 4)

H-12 進行NonSq-NSCLCに対するCDDP/DOC/BEV後のBEV/PEM維持療法:OLCSG09031)岡山労災病院、2)倉敷中央病院、3)岡山大学病院、4)川崎医科大学附属川崎病院、5)四国がんセンター、6)中国中央病院、7)岡山肺癌治療研究会

藤本 伸一1,7)、岸本 卓巳1,2)、吉岡 弘鎮2,7)、國政  啓2,7)、西山 明宏2,7)、岩破 将博2,7)、佐藤 晃子3,7)、瀧川奈義夫4,7)、田端 雅弘3,7)、野上 尚之5,7)、上月 俊幸5,7)、新海  哲5,7)、張田 信吾6,7)、谷本 光音3,7)、木浦 勝行3,7)

H-13 進行非小細胞肺癌に対するCDDP+DOC併用療法へのCPTの上乗せ効果を検証する第3相試験1)NHO福山医療センター 呼吸器内科、2)岡山肺癌治療研究会

玄馬 顕一1,2)、八杉 昌幸1,2)、丸川 將臣1,2)、藤本 伸一2)、岡田 俊明2)、畝川 芳彦2)、別所 昭宏2)、亀井 治人2)、柴山 卓夫2)、青江 啓介2)、瀧川奈義夫2)、田端 雅弘2)、松尾恵太郎2)、谷本 光音2)、木浦 勝行2)

H-14 当院でのALK陽性肺腺癌に対するペメトレキセドの使用経験市立三次中央病院 呼吸器内科

実綿  慶、高尾  俊、粟屋 禎一

H-15 癌性胸水貯留肺癌に対してベバシズマブレジメンを使用した5症例の検討広島赤十字・原爆病院 呼吸器科

山崎 正弘、舟木 洋美、橋本 和憲、古玉 純子、池上 靖彦、大橋 信之、有田 健一

H-16 EGFR-TKI治療後に組織型が変化し、耐性を示した肺癌の1例公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院

福田  泰、吉岡 弘鎮、堺  隆大、曽根 尚之、池田  慧、丹羽  崇、西山 明宏、伊藤 明広、古田健二郎、時岡 史明、田中 麻紀、橘  洋正、有田真知子、橋本  徹、石田  直

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肺癌学会・一般

7月19日(金) 第2会場化学療法2 14:55〜15:43

座長 礒部  威(島根大学医学部 内科学講座 呼吸器・臨床腫瘍学)

H-17 ベバシズマブを含む一次治療中に消化管穿孔を来した非小細胞がんの2例川崎医科大学附属病院 呼吸器内科

松田 宗也、池田 征樹、尾長谷 靖、八十川直哉、堅田 洋祐、橘高  誠、黒瀬 浩史、阿部 公亮、清水 大樹、大植 祥弘、毛利 圭二、加藤 茂樹、小橋 吉博、岡 三喜男

H-18 徳島大学病院におけるBevacizumab長期維持投与例の検討徳島大学病院 呼吸器・膠原病内科

尾崎 領彦、柿内 聡司、手塚 敏史、西條 敦郎、大塚 憲司、山子 泰斗、後東 久嗣、埴淵 昌毅、西岡 安彦

H-19 進行肺多形癌におけるEGFR遺伝子変異の治療前診断の試み1)国立病院機構東広島医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構東広島医療センター 呼吸器外科

村上  功1)、吉光 成児1)、増田 憲治1)、花木 英明2)、柴田  諭2)、重藤えり子1)

H-20 肺癌脳転移に対する定位放射線治療後のペメトレキセド有効例1)川崎医科大学附属川崎病院 総合内科学4、2)川崎医科大学附属川崎病院 初期研修医

越智 宣昭1)、山根 弘路1)、山岸 智子1)、福田 直樹2)、瀧川奈義夫1)

H-21 ゲフィチニブ内服中にネフローゼ症候群を合併した肺腺癌の1例住友別子病院がんセンター 腫瘍内科

二宮  崇、伊藤明日香、勝田 知也、洲脇 俊充、亀井 治人

H-22 黄疸を主訴に診断された高ビリルビン血症を伴った肺小細胞癌の一例島根大学医学部 内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学講座

本田  健、木庭 尚哉、沖本 民夫、濱口  愛、津端由佳里、三浦 聖高、濱口 俊一、大江 美紀、須谷 顕尚、竹山 博泰、礒部  威

7月19日(金) 第2会場高齢者肺癌 15:43〜16:15

座長 上田 和弘(山口大学大学院 器官病態外科学・呼吸器外科)

H-23 胸腔鏡下左肺上区域切除を行った超高齢者肺癌の2症例鳥取大学医学部 胸部外科

荒木 邦夫、城所 嘉輝、細谷 恵子、若原  誠、高木 雄三、松岡 祐樹、春木 朋広、三和  健、谷口 雄司、石黒 清介、中村 廣繁

H-24 肺癌術後に脳梗塞・間質性肺炎急性増悪を来たすも迅速な診断と治療により救命しえた高齢者肺癌の1例倉敷中央病院 呼吸器外科

藤原 敦史、奥村 典仁、山科 明彦、栢分 秀直、松岡 智章、亀山耕太郎

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肺癌学会・一般

H-25 緊急気管支鏡下腫瘍焼灼切除術にて救命できた高齢者肺多形癌の2例島根県立中央病院 呼吸器外科

小阪 真二、戸矢崎利也、山本 恭通

H-26 眼窩内転移を来した原発性肺癌の1例高松赤十字病院 呼吸器科

六車 博昭、真弓哲一郎、林  章人、山本 晃義

7月19日(金) 第3会場胸腺・胸膜疾患 11:15〜11:55座長 三﨑 伯幸(高松市民病院 呼吸器外科)

H-27 術前には指摘困難であった微小胸腺腫を含む多発胸腺腫の1手術例1)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 胸部血管外科、2)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 呼吸器内科

大野 貴志1)、鈴木 喜雅1)、山下ひとみ2)、上田 康仁2)、冨田 桂公2)、小勝負知明2)

H-28 低肺機能のため横隔神経を温存した巨大胸腺腫の一例1)高松市民病院 呼吸器外科、2)高松市民病院 呼吸器内科

喜田 裕介1)、三崎 伯幸1)、河野 洋二2)、岸本 伸人2)

H-29 自然気胸にて発見された縦隔原発滑膜肉腫の1手術例鳥取県立厚生病院 外科

児玉  渉、吹野 俊介、窪内 康晃、倉敷 朋弘、大田里香子、田中 祐子、内田 尚孝、浜崎 尚文

H-30 肺癌術後の間質性肺炎急性増悪から回復後に発症した難治性気胸に対する手術経験岡山大学病院 呼吸器外科

岡田 真典、杉本誠一郎、諏澤  憲、西川 仁士、三好健太郎、山本 寛斉、宗  淳一、葉山 牧夫、山根 正修、豊岡 伸一、大藤 剛宏、三好新一郎

H-31 両側同時発症と思われる胸膜中皮腫の1例1)岡山労災病院 呼吸器内科、2)岡山労災病院 外科

渊本 康子1)、浅野美智子1)、小野勝一郎1)、藤本 伸一1)、小崎 晋司1)、岸本 卓巳1)、西  英行2)、平山  伸2)

7月19日(金) 第3会場集学的治療 13:35〜14:23

座長 佐野 由文(愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター)

H-32 導入同時化学放射線療法と肺全摘術後、5年間無再発生存中のc-T3N2M0肺腺癌の1例1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 放射線科

岡部 和倫1)、松田 英祐1)、田尾 裕之1)、田中 俊樹1)、高萩 亮宏1)、林  達朗1)、吉田久美子1)、上岡  博2)、松本 常男3)

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肺癌学会・一般

H-33 切除不能局所進行期非小細胞性肺癌に対するシスプラチン/S1放射線同時照射II相試験:全生存期間追加報告1)愛媛県立中央病院、2)岡山肺癌治療研究会

井上 考司1,2)、森高 智典1,2)、野上 尚之2)、畝川 芳彦2)、新海  哲2)、近森 研一2)、青江 啓介2)、上岡  博2)、張田 信吾2)、柴山 卓夫2)、武本 充広2)、瀧川奈義夫2)、田端 雅弘2)、谷本 光音2)、木浦 勝行2)

H-34 当院における肺大細胞神経内分泌癌切除例の検討1)独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 呼吸器外科、2)独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 病理科

河本 宏昭1)、山下 素弘1)、上野  剛1)、末久  弘1)、澤田 茂樹1)、寺本 典弘2)、高畑 浩之2)、西村理恵子2)

H-35 脳転移で発見され、開頭腫瘍摘出術および全身化学療法後にサルベージ手術を施行した原発性肺癌の1例1)松江赤十字病院 呼吸器外科、2)松江赤十字病院 呼吸器内科

磯和 理貴1)、岡部  亮1)、矢内 正晶2)、福嶋 健人2)、中崎 博文2)、徳安 宏和2)

H-36 肺癌脳転移に対するガンマナイフ治療後2年以上生存の14症例の報告脳神経センター大田記念病院 脳神経外科

中崎 清之

H-37 脈絡膜転移をきたした肺腺癌の一例1)国立病院機構高知病院 呼吸器センター、2)国立病院機構高知病院 眼科

中野万有里1)、香西 博之1)、岡野 義夫1)、町田 久典1)、畠山 暢生1)、戸田 祐子2)、篠原  勉1)、大串 文隆1)

7月19日(金) 第3会場外科療法 14:23〜15:11

座長 青江  基(香川県立中央病院 呼吸器外科)

H-38 左主気管支を閉塞する気管支平滑筋腫の1切除例山口大学大学院 器官病態外科学呼吸器外科

佐野 史歩、溝口 高弘、村上 順一、林 雅太郎、上田 和弘、濱野 公一

H-39 肺癌術後に乳糜胸を併発した4例の検討広島市立広島市民病院 呼吸器外科

西川 仁士、松浦 求樹、藤原 俊哉、小谷 一敏

H-40 胸腔鏡下肺切除術における区域間同定のための経気道的ICG注入の有用性について香川大学医学部付属病院 呼吸器乳腺内分泌外科

徳永 義昌、呉  哲彦、伊藤 公一、加藤  歩、松浦奈都美、笠井 由隆、中野  淳、奥田 昌也、後藤 正司、横見瀬裕保

H-41 1秒量790mlの低肺機能患者に対して術前包括的呼吸リハビリを施行し区域切除を行い得た1例国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器外科

半田 良憲、原田 洋明、山下 芳典

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肺癌学会・一般

H-42 発熱と著明な炎症反応にて発見され、感染症との鑑別に難渋したG-CSF産生肺癌の一切除例1)倉敷中央病院 呼吸器外科、2)倉敷中央病院 呼吸器内科、3)香川大学医学部附属病院 呼吸器・乳腺内分泌外科

栢分 秀直1)、中野  淳3)、鷲尾 康圭2)、池田  慧2)、藤原 敦史1)、山科 明彦1)、松岡 智章1)、亀山耕太郎1)、奥村 典仁1)

H-43 気管支平滑筋腫の1例川崎医科大学 呼吸器外科

保田紘一郎、野島 雄史、前田  愛、湯川 拓郎、最相 晋輔、沖田 理貴、清水 克彦、中田 昌男

7月19日(金) 第3会場遺伝子解析など 15:11〜15:43

座長 西岡 安彦(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 呼吸器・膠原病内科学分野)

H-44 EGFR遺伝子変異陽性肺癌に悪性リンパ腫を合併した一例1)岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科、2)岡山大学大学院 血液・腫瘍・呼吸器アレルギー内科

二宮貴一朗1)、市原 英基1)、萱谷 紘枝1)、後藤田裕子1)、森近 大介1)、田村 朋季1)、佐藤 晃子1)、堀田 勝幸1)、宮原 信明1,2)、谷本  安1)、金廣 有彦1)、谷本 光音2)、木浦 勝行1)

H-45 多発肺嚢胞を呈した肺MALTリンパ腫の1例鳥取県立中央病院 呼吸器・乳腺・内分泌外科

万木 洋平、前田 啓之

H-46 呼吸器外科領域におけるQuantiFERON-TB検査の医療安全面からの有用性徳島大学 胸部内分泌腫瘍外科

吉田 光輝、先山 正二、森下 敦司、西野 豪志、坪井 光弘、梶浦耕一郎、鳥羽 博明、中川 靖士、川上 行奎、滝沢 宏光、近藤 和也、丹黒  章

H-47 非小細胞肺癌細胞のFOXP3発現とIL-6産生の関係1)国立病院機構山口宇部医療センター 臨床研究部、2)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科

三村 雄輔1)、田尾 裕之2)、青江 啓介3)、山本 寛斉2)、松本 常男1)

7月19日(金) 第3会場その他 15:43〜16:15

座長 岡部 和倫(国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科)

H-48 術後早期に再発死亡した肺多形癌の一例JA尾道総合病院 外科

竹井 大祐、則行 敏生、山木  実、中原 雅浩、福田 敏勝、天野 尋暢、吉田  誠、佐々田達成、寿美 裕介、山口 恵美、河島 茉澄

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肺癌学会・一般

H-49 肺原発リンパ上皮腫様癌に対しカルボプラチン・ペメトレキセドを使用し長期間病勢が制御できている1例島根大学医学部 内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学

沖本 民生、津端由佳里、木庭 尚哉、濱口  愛、三浦 聖高、本田  健、濱口 俊一、大江 美紀、須谷 顕尚、竹山 博泰、礒部  威

H-50 子宮筋腫術後に多発肺腫瘤を認めた1例川崎医科大学 呼吸器外科学

沖田 理貴、保田紘一郎、野島 雄史、前田  愛、湯川 拓郎、最相 晋輔、清水 克彦、中田 昌男

H-51 様々な原因で発生した外傷性横隔膜ヘルニアの3例広島市立広島市民病院 呼吸器外科

松浦 求樹、西川 仁士、藤原 俊哉、小谷 一敏

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肺癌学会・研修医

7月20日(土) 第2会場化学療法など 13:15〜14:03

座長 木浦 勝行(岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科)

HT-01 甲状腺原発悪性リンパ腫と肺小細胞がんの同時性重複悪性腫瘍の1例1)高知医療センター 初期研修プログラム、2)高知医療センター 呼吸器内科、3)高知医療センター 血液内科

森  信明1)、浦田 知之2)、中島  猛2)、轟  貴史2)、上村 由樹3)

HT-02 乳癌術後経過観察中に発生した肺カルチノイドの1例1)香川県立中央病院 初期臨床研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科

小林 泰幸1)、須藤 雄也1)、瀬戸  司1)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、青江  基2)

HT-03 ALK陽性肺腺癌に対してCrizotinibで治療を行った2例広島市立安佐市民病院 呼吸器内科

宇治宮 蕗、香川真由子、小川 喬史、渡部 雅子、風呂中 修、菅原 文博、北口 聡一、江川 博彌

HT-04 EML4-ALK融合遺伝子陽性であった肺扁平上皮癌の一例1)川崎医科大学附属川崎病院 臨床研修センター、2)川崎医科大学付属川崎病院 腫瘍内科学

福田 直樹1)、越智 宣昭2)、山根 弘路2)、山岸 智子2)、瀧川奈義夫2)

HT-05 ベバシズマブを含む化学療法を42コース投与し得た一例1)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 胸部外科

梅野 貴裕1)、中西 将元1)、能島 大輔1)、久山 彰一1)、下田 篤志2)、杉本龍士郎2)、片岡 和彦2)

HT-06 肺癌化学療法中に発熱を来たし診断に難渋した1例1)公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 教育研修部、2)公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器内科

名部 彰悟1)、堺  隆大2)、吉岡 弘鎮2)、曽根 尚之2)、福田  泰2)、池田  慧2)、丹羽  崇2)、西山 明宏2)、伊藤 明広2)、古田健二郎2)、田中 麻紀2)、時岡 史明2)、橘  洋正2)、有田真知子2)、橋本  徹2)、石田  直2)

7月20日(土) 第2会場集学的治療など 14:03〜14:35座長 中村 廣繁(鳥取大学医学部 胸部外科)

HT-07 活動性結核に合併した対側肺癌の手術の一例鳥取大学医学部 胸部外科

城所 嘉輝、細谷 恵子、若原  誠、高木 雄三、松岡 祐樹、春木 朋広、三和  健、荒木 邦夫、谷口 雄司、石黒 清介、中村 廣繁

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肺癌学会・研修医

HT-08 導入療法が奏功した肺大細胞神経内分泌癌(LCNEC)の1切除例1)高知医療センター 呼吸器外科、2)高知医療センター 呼吸器内科、3)高知医療センター 病理診断科

小井土耕平1)、岡本  卓1)、張  性洙1)、中野 貴之1)、米田 浩人2)、轟  貴史2)、中島  猛2)、浦田 知之2)、岩田  純3)

HT-09 cT3N2M0肺癌に対して術前CBDCA+TS-1による化学療法を外来で3コース施行し、根治手術が可能であった肺癌の一例1)香川県立中央病院 初期臨床研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科、3)香川県立中央病院 呼吸器内科

須藤 雄也1)、瀬戸  司1)、小林 泰幸1)、青江  基2)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、坂井健一郎3)、上田  裕3)、宮脇 裕史3)

HT-10 サルコイドーシスを合併した肺紡錘細胞癌の1手術例1)福山市民病院 呼吸器外科、2)福山市民病院 内科

宮本 陽介1)、吉岡  孝1)、室  雅彦1)、三谷 玲雄2)、高田 一郎2)

7月20日(土) 第2会場外科療法 14:35〜15:15

座長 滝沢 宏光(徳島大学 胸部内分泌腫瘍外科)

HT-11 Grunenwald Approachに後方アプローチを併用して切除し得た上縦隔悪性腫瘍の一例1)愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター、2)愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター

坂尾 伸彦1)、佐野 由文2)、岡崎 幹生2)、重松 久之2)、伊東 亮治2)、片山  均2)、三好 誠吾2)

HT-12 肺原発リンパ上皮腫様癌の1切除例広島市立安佐市民病院

木村  央、向田 秀則、池田 拓広

HT-13 短期間で急速に増大した粘液産生腺癌の1手術例広島大学 腫瘍外科

鈴木 江梨、吉屋 智晴、坪川 典史、笹田 伸介、見前 隆洋、宮田 義浩、岡田 守人

HT-14 検診で発見され、Ib期と診断して手術を行ったが腹膜播種を認めた悪性胸膜中皮腫の一切除例鳥取大学医学部附属病院 胸部外科

門永 太一、三和  健、窪内 康晃、若原  誠、高木 雄三、藤岡 真治、荒木 邦夫、谷口 雄司、中村 廣繁

HT-15 胸腺MALTリンパ腫の一例公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器外科

木村 賢司、亀山耕太郎、山科 明彦、栢分 秀直、藤原 敦史、松岡 智章、奥村 典仁

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日本呼吸器学会将来計画委員会からの報告

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1将来計画委員会 女性医師支援の活動報告と今後の展望

山口赤十字病院 内科國近 尚美

呼吸器学会将来計画委員会では呼吸器科医師支援活動として各支部会ごとに対策を考える方針であり、各地方会にてアンケートやシンポジウムが行われている。各支部会間の比較では専門医数、専門施設の数、労働環境も異なることがアンケート調査で示されている。女性医師だけでなく呼吸器科医師が、呼吸器専門医を取得後も、生涯にわたり志をもち専門とできる呼吸器病学、呼吸器臨床の実践を目指せる環境整備が早急に実施されることが望まれる。将来計画委員会の女性医師支援としての活動報告と今後の取り組みについて提案したい。

2呼吸器科医増加のための医学部学生および研修医に対する活動に関する提案

島根大学 呼吸器・臨床腫瘍学礒部  威

将来計画委員会では、呼吸器科勤務医の勤務環境に関するアンケート調査を実施し、その結果、我が国全体で呼吸器科医が不足している現状が明らかとなった。学会として、呼吸器科医を増加させるための施策が早急に必要と考えられるが、その具体的な活動の一つとして、医学部学生および研修医に対する呼吸器科への勧誘活動がある。今後は日本呼吸器学会の各種委員会と共同して、各地方会支部や各大学を中心とした活動を展開していくことが望まれる。

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日本呼吸器学会中国・四国地方会第20回呼吸器セミナー

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佐藤 功(さとう かたし)香川県立保健医療大学 看護学科・副学長、教授

学歴・職歴 1976年:弘前大学医学部卒業 1976年:岡山大学医学部附属病院放射線科医員 1978年:星と嵐の会カラコルム遠征隊において高所医学登山研究(単なる山登りです) 1982年:香川医科大学医学部放射線科助手 同 上:札幌医科大学医学部内科学第3講座訪問研究員(呼吸器病学) 1989年:米国ハーバード大学マサチューセッツ総合病院(MGH)リサーチフェロー 1990年:香川医科大学医学部附属病院放射線科講師 1998年:香川医科大学医学部附属病院放射線部助教授 2003年:香川医科大学・香川大学統合 香川大学医学部放射線部助教授 2006年:香川県立保健医療大学看護学科教授 2012年:香川県立保健医療大学副学長、看護学科教授     (現在に至る)著書(分担執筆) 胸部のCT(メディカル・サイエンスインターナショナル) 胸部画像診断の勘ドコロ(メジカルビュー) 病理像との対比と参考症例に学ぶ胸部の画像診断(ベクトル・コア) 他

小倉 高志(おぐら たかし)神奈川県立循環器呼吸器病センター 副院長兼呼吸器科部長

学歴・職歴 1983年 :自治医科大学卒業 1985年 :横浜市民病院 初期研修 1988年4月 :神奈川県立青野原診療所 医師 1992年6月 :神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科医長 2002年4月 :同 部長 2011年11月 :同 副院長兼務(現在に至る)

 日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器学会(専門医・指導医、びまん性肺疾患学術部会委員評議員) 日本呼吸器内視鏡学会(専門医・指導医、編集委員、評議員) 日本結核学病会評議員 日本肺癌学会評議員 日本画像医学会評議員・監事 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会評議員 NPO法人「胸部腫瘍臨床研究機構」理事 東京びまん性肺疾患研究会代表世話人 自治医科大学・東北大学非常勤講師 神奈川県社会保険診療報酬審査委員 神奈川県地方労災医員 横浜市感染症診査協議委員

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藤田 次郎(ふじた じろう)琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科学(第一内科) 教授同済大学(Tongji University)附属上海市肺科医院 客員教授 他

学歴・職歴 1981年3月:岡山大学医学部卒業 2005年5月:琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)教授 2007年7月:琉球大学医学部副学部長(兼任) 2010年4月:琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科学(第一内科)教授所属学会 日本内科学会 Intern Med 編集副主任 日本呼吸器学会 和文誌編集委員会副委員長 日本結核病学会 理事 日本感染症学会 監事 他多数学会に所属受賞歴 平成13年度American College of Chest Physician(ACCP)日本部会賞受賞 平成14年度日本結核病学会今村賞受賞主な著書・その他 感染症診療ゴールデンハンドブック(編集者,南江堂,2007) 肺炎の画像診断と最新の診療(編集者,医薬ジャーナル,2008) 呼吸器レジデントマニュアル(編集者,医学書院,2008) 院内感染対策パーフェクトマニュアル(監修者,学研,2008) 呼吸器感染症のすべて(編集者,南江堂,2009) フレイザー呼吸器病学エッセンス(監訳者,西村書店,2009) 間質性肺疾患診療マニュアル(編集者,南江堂,2010) インフルエンザ診療のポイント(編集者,南江堂,2010) 新しい診断と治療のABC 17 肺炎(編集者,最新医学社,2011) 目からウロコの感染対策(編集者,南江堂,2012) 抗菌薬の選択と使い方 呼吸器領域(編集者,医薬ジャーナル,2012) 今日の治療指針 感染症(編集,2009,2010,2011,2012,2013) ドクターズマガジン表紙(2010年10月号)

佐藤 圭路(さとう けいじ)岡山大学病院 高度救命救急センター

学歴・職歴 1989年:島根医科大学(現 島根大学医学部)卒業 1995年:日本麻酔科学会麻酔専門医 1996年:日本救急医学会救急科専門医 1999年:医学博士(島根医科大学) 2005年:日本麻酔科学会指導医経歴 1989年4月 :島根医科大学麻酔学教室入局、以後医局関連病院に勤務 2003年10月 :岡山大学救急医学教室 2003年12月 :福山市民病院救命救急センター副センター長 2006年5月 :岡山大学救急医学教室 2009年4月 :脳神経センター大田記念病院救急部長 2013年6月 :岡山大学病院高度救命救急センター著書 『薬剤師のための救急・集中治療領域標準テキスト』各論、呼吸器疾患

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埴淵 昌毅(はにぶち まさき)徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 呼吸器・膠原病内科学分野 准教授

学歴 1993年3月 :徳島大学医学部卒業 1998年3月 :徳島大学大学院医学研究科博士課程(内科系専攻)修了職歴 1993年6月 :徳島大学医学部附属病院(第3内科)医員(研修医) 1999年4月 :国立療養所刀根山病院内科 2001年8月 :徳島大学医学部助手(第3内科) 2003年7月 :徳島大学医学部附属病院講師(第3内科) 2005年10月 :徳島赤十字病院呼吸器科 2007年1月 :徳島大学病院講師(呼吸器・膠原病内科) 2009年5月 :M.D. Anderson Cancer Center, Visiting Associate Professor 2011年3月 :徳島大学病院講師(呼吸器・膠原病内科) 2012年2月 :徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部准教授(呼吸器・膠原病内科学分野) (現在に至る)専門医 日本内科学会認定内科医・指導医 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構認定医・暫定教育医学会活動 日本呼吸器学会代議員 日本呼吸器学会中国・四国支部代議員 日本内科学会四国支部評議員受賞 三木康楽賞(1997年度)

瀧川 奈義夫(たきがわ なぎお)川崎医科大学附属川崎病院 総合内科学4 教授

学歴・職歴 1988年:岡山大学医学部卒業 1992年:岡山大学大学院医学研究科博士課程終了 1992年:国立療養所山陽荘病院内科(現、NHO山口宇部医療センター) 1994年:国立病院四国がんセンター内科(現、NHO四国がんセンター) 2000年:岡山大学医学部附属病院第2内科 2000年:Cleveland Clinic Foundation, Cancer Center 2002年:国立療養所南岡山病院呼吸器科(現、NHO南岡山医療センター) 2005年:岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科 2011年:川崎医科大学附属川崎病院 総合内科学4認定医・専門医・指導医 1993年:日本内科学会認定医 1994年:日本内科学会認定内科専門医(現、総合内科専門医) 1997年:日本呼吸器学会専門医 1998年:日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 2003年:日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医 2004年:日本呼吸器学会指導医 2006年:日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 2011年:日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法指導医

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呼吸器学会一般演題

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呼吸器学会・一般

K-01乳癌患者に生じた気管気管支原発悪性リンパ腫の1例

1)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 胸部・血管外科、3)鳥取大学医学部 分子制御内科学山下ひとみ1)、上田 康仁1)、冨田 桂公1)、小勝負知明1)、大野 貴志2)、鈴木 喜雅2)、清水 英治3)

症例は93歳、女性。2008年より左乳癌を他院で指摘されていたが、高齢でもあり経過観察の方針となっていた。2012年9月、乳房腫瘍が長径10cm以上に増大し自壊の恐れが出現したため、手術目的で当院胸部外科へ紹介となった。その際の全身検索目的のCTにて、気管および左主気管支に限局した壁肥厚を認め、気道狭窄を伴っていた。乳癌手術の際に気管支鏡にて観察を行ったところ、気管内に乳頭状に隆起する病変を複数認めた。同部位の生検を行い、Mucosa-Associated Lymphoid Tissue(MALT)lymphomaと診断し、他の検査と合わせて気管気管支原発悪性リンパ腫と考えられた。また、乳癌は充実腺管癌(pT4N0M0 stageIIIB)であった。気道狭窄が高度であり喘鳴を認めていたため乳癌の手術後にステロイド内服加療を開始したところ、病変の縮小を認めた。気管気管支原発悪性リンパ腫は希な疾患であり、重複癌の報告も少ないため文献的考察を含め報告する。

K-02限局性肺アミロイドーシスの1例

NHO愛媛医療センター 呼吸器内科佐藤 千賀、渡邉  彰、植田 聖也、市木  拓、阿部 聖裕

症例は86歳、男性。COPDなどのため当院に通院中であった。定期検査目的で行われた胸部X線写真で右上肺野に結節影を認めた。胸部CTで右S2に1.8cm大の分葉状の結節を認め胸膜陥入像も認めた。腫瘍マーカー上昇は認めなかった。気管支鏡検査は2回行ったが確定診断に至らなかった。胸部CTでは徐々に陰影の増大を認め、またFDG-PET検査では結節へのFDG集積を認めたため肺がんを強く疑い胸腔鏡下肺部分切除を行った。病理組織検査ではコンゴーレッド染色陽性の好酸性無構造器質の沈着を認め、悪性所見は認めなかった。全身疾患は認めず、限局性肺アミロイドーシスと診断した。比較的稀な症例であり、若干の文献的考察を加え報告する。

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K-03肺癌と鑑別を要した肺糸状虫症の1例

国立病院機構松江医療センター 外科目次 裕之、足立 洋心、松岡 佑樹、大野 貴志、徳島  武

32歳女性。検診にて右下肺野に異常陰影を指摘された。CT上は肺過誤腫などの良性腫瘍を疑ったが、6年前の検診では異常を指摘されておらず、肺癌も否定できなかった。術前の腫瘍マーカーはCEA 1.7、シフラ 0.7、Pro-GRP 44.4と、いずれも正常範囲であった。手術は胸腔鏡下に実施し、術中に針生検を行い病理診断に提出したところ、虚血による壊死組織との結果であった。悪性所見はないため部分切除で終了した。術後の最終的な病理診断は、犬糸状虫の肺動脈末梢への迷入による塞栓病変、及び周囲の肉芽組織による病変であった。

K-04胸部放射線同時併用化学療法中に高安動脈炎を発症した限局型小細胞肺癌症例の1例1)独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 呼吸器内科、2)医療法人社団康心会湘南東部総合病院原田大二郎1)、上月 稔幸1)、北島 寛元1)、大橋 圭明1)、山本将一朗1)、野上 尚之1)、新海  哲2)

症例は66歳男性。2ヶ月前から両下肢のしびれ、疼痛を感じ、1ヶ月前から上肢にもしびれ感、疼痛を自覚した。近医受診し右肺S10に腫瘤影が認められ当院紹介となった。当院にて精査を行い限局型小細胞肺癌(cT4N3M0,cStage IIIB)と診断し、シスプラチンとエトポシドによる化学療法と加速過分割胸部放射線同時併用療法を開始した。Day 14にgrade 4の好中球減少を認め5日間、GCSF投与を行った。Day 20から38.2℃の発熱、両側胸鎖乳突筋周囲の自発痛と圧痛が出現した。全身精査を行ったが感染症や肺臓炎を示唆する所見は認めず、腫瘍熱を疑いナプロキセン投与を行った。Day 28には37.0℃まで解熱したが、造影CTにて両側総頸動脈の肥厚、頸動脈エコーにて血管内中膜複合体肥厚像を認め高安動脈炎と診断した。Day 34には頸部痛も軽快し炎症反応も改善した。化学療法やGCSF投与が高安動脈炎発症の誘因と考えられたためプレドニゾロン(0.5mg/kg)投与を開始した。その後は再燃なく経過し4コースの抗がん剤治療と予防的全脳照射を完遂した。化学療法中に発症した高安動脈炎の報告は稀であり、文献的考察も含め報告を行う。

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K-05突然の右眼視力低下を来した肺癌、髄膜癌腫症の1例

広島赤十字・原爆病院 呼吸器科古玉 純子、舟木 洋美、橋本 和憲、池上 靖彦、山崎 正弘、有田 健一

症例は60歳女性.200X-2年6月に肺腺癌(cT4N0M0 Stage3B)(EGFR遺伝子変異陰性)の診断で化学療法を開始した.化学療法継続中の200X年9月に突然の右眼視力低下を自覚した.視野検査では右眼の著しい視野狭窄を認め視神経障害が示唆された.頭部MRIでは左三叉神経に結節影を認めた他,前頭葉や側頭葉に複数の点状濃染域,延髄腹側硬膜に濃染を認めた.髄液細胞診は陰性であったが,髄液所見(細胞数,蛋白増加,髄液中CEA高値)とMRI所見より髄膜癌腫症と診断した.エルロチニブを投与したが症状は改善しなかったため,全脳全脊髄照射を行った.照射終了後も右眼視力は回復しなかったが,PS2程度で経過したため自宅退院可能であった.徐々に下肢筋力低下,膀胱直腸障害,嚥下障害などが出現し髄膜癌腫症発症より6ヶ月後に永眠された.視神経障害で発症した髄膜癌腫症の報告は少なく文献的な考察を含めて報告する.

K-06多発肺内転移を生じた胃原発T細胞性リンパ腫の1例

1)松江赤十字病院 呼吸器内科、2)鳥取大学医学部 分子制御内科学講座矢内 正晶1)、中崎 博文1)、徳安 宏和1)、清水 英治2)

症例は73歳女性。胸部レントゲンで多発肺内結節影、胸部CTで両側肺内に多発する結節影を認め、20XX年3月に当科紹介受診。Gaシンチで、結節影に一致して集積亢進を認めた。CTガイド下生検を施行し、病理所見ではリンパ増殖性疾患が疑われた。確定診断のため、VATS生検を施行。病理所見から、T細胞性リンパ腫の診断となった。その後、上部消化管内視鏡検査で、前庭部前壁の隆起性病変を認め、同部位の生検からもT細胞性リンパ腫が指摘。胃原発T細胞性リンパ腫および多発肺内転移と診断。CHOP療法を施行し、胃内腫瘤および肺内結節影は縮小を認めた。肺悪性リンパ腫において、原発性肺悪性リンパ腫は稀で、他臓器からの転移再発による続発性肺悪性リンパ腫が多いとされており、本症例に矛盾しない。しかし、その頻度は、非Hodgkinリンパ腫の約4%と少なく、そのほとんどはB細胞性リンパ腫である。本症例は、T細胞性リンパ腫の肺内転移であり、非常に稀な症例であるため、文献的考察を含めて報告する。

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K-07メトトレキサート関連肺リンパ増殖性疾患の1例

国立病院機構松江医療センター 呼吸器内科多田 光宏、神田  響、西川恵美子、岩本 信一、門脇  徹、木村 雅広、小林賀奈子、池田 敏和、矢野 修一

症例は66歳の女性,慢性関節リウマチ(RA)にて2年前よりメトトレキサート(MTX)4mg/週を内服中,咳嗽と微熱が出現したため当科を受診.胸部CTで両下葉の多発浸潤影と右胸水を認めた.入院にて広域抗菌薬を投与したが,症状や画像所見の改善を認めず,RAに合併した器質化肺炎や,腺癌,悪性リンパ腫なども疑い,気管支鏡検査を実施した.左下葉よりTBLBを実施し,病理組織では肺胞構造を埋める密なリンパ球浸潤を認め,リンパ腫の可能性が示唆された.確定診断のために,CTガイド下生検を実施し,病理組織では大型のlymphoid cellの増生を認め,免疫染色ではCD3(-),CD20

(+),CD5(-),CD10(-),EBER-ISH(-)であり,diffuse large B-cell lymphomaの像であった.左胸水中のリンパ球比率は96%でIGH遺伝子再構成は陽性であった.MTX内服歴より,メトトレキサート関連肺リンパ増殖性疾患と診断した.入院時よりMTXを休薬していたが陰影の改善は認めておらず,診断確定後,プレドニゾロン60mg/日の投与を開始し,両下葉の陰影,左胸水ともに改善傾向を認めた.メトトレキサート関連肺リンパ増殖性疾患は比較的稀な疾患であり,文献的考察を加えて報告する.

K-08関節リウマチに合併し、診断困難であった肺悪性リンパ腫の1例

公立学校共済組合中国中央病院 内科三宅 剛平、妹尾  賢、栗本 悦子、久保 寿夫、岡田 俊明、張田 信吾

肺原発の悪性リンパ腫は多彩な画像所見をきたし,診断に難渋することが多い。今回我々は、関節リウマチに合併し、診断に難渋した悪性リンパ腫の1例を経験した。症例は71歳女性。平成15年に関節リウマチを発症し、平成18年より両肺に淡い斑状・結節影を指摘された。関節リウマチのコントロールも悪く、メソトレキセート、生物製剤、プログラフなどを使用され、肺陰影も増悪した。平成23年には中葉舌区などに浸潤影の増悪を認め、また陰影は自然増悪、軽快があり、肺非結核性抗酸菌症や器質化肺炎も鑑別に上がった。平成24年には左頬皮下腫瘤、肺陰影のさらなる増悪があり、肺陰影も一部腫瘤形成性となり、MTX関連リンパ増殖性疾患も疑われた。気管支鏡検査、経気管支肺生検にてリンパ増殖性疾患を疑わせる像を認め、MTX中止を行ったが軽快せず、最終的に縦隔リンパ節生検にて悪性リンパ腫と診断した。多彩な肺陰影を呈し、診断に苦慮した肺悪性リンパ腫の症例であり、若干の文献的考察を交え、報告する。

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K-09胸膜プラークを合併した肺癌の64例の検討

1)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 胸部外科中西 将元1)、梅野 貴裕1)、能島 大輔1)、久山 彰一1)、下田 篤志2)、杉本龍士郎2)、片岡 和彦2)

石綿曝露によって生じる疾患としては肺病変としての石綿肺、肺癌、胸膜病変として、胸膜プラークや胸膜中皮腫などが知られている。当院で2003年から2011年12月までに放射線科の所見にて胸膜プラークの存在指摘された979例中、組織学的に肺癌と診断された64例について検討した。症例は男性 63例、女性 1例。組織型では腺癌 23例、扁平上皮癌 22例、非小細胞肺癌 11例、小細胞肺癌 8例であった。病気ではIA期 16例、IB期 8例、IIB期 3例、IIIA期 8例、IIIB期 6例、IV期 23例であった。全症例の生存期間中央値は 23ヶ月で1年生存率は56.0%、2年生存率49.0%、5年生存率は23.7%であった。初回治療は手術療法 28例、放射線療法 4例、放射線化学療法 5例、化学療法 21例,Best supportive care(BSC)6例であった。治療別の生存期間中央値は手術療法群 96.0ヶ月、放射線療法群 40.9ヶ月、放射線化学療法群 6.3ヶ月、化学療法群 8.4ヶ月、BSC群 3.0ヶ月であった。胸膜プラークともに石綿肺を疑われる陰影を伴った症例は6例であった。治療としては、手術5例、化学療法1例行われていたが、全生存期間中央値は6.5ヶ月と短期であった。予後の改善には早期発見が必要と考える。

K-10術前化学療法にて完全切除し得た縦隔浸潤を伴った胸腺癌の1例

1)安芸市民病院 内科、2)国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科、3)国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器外科、4)国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 病理診断科難波 将史1,2)、中野喜久雄2)、山下 芳典3)、北原 良洋2)、吉田  敬2)、原田 洋明3)、齊藤 彰久4)、倉岡 和矢4)、谷山 清己4)

症例は41歳男性.生来健康であった.検診で胸部異常影を指摘され,前医紹介受診.胸部CTにて,前縦隔から左肺門にかけて72×56×64mm大の不整形腫瘤を指摘され,経皮下針生検で胸腺癌と診断された.加療目的に当院紹介となったが,画像上心膜浸潤も疑われ,病期は正岡分類3期と診断した.完全切除を目的とするため,術前にcarboplatinとpaclitaxelによる化学療法を3コース施行した.3コース施行後の胸部CTでは,原発巣は著明に縮小し,浸潤を疑う所見も不明瞭化した.そのため,拡大胸腺摘出術および心膜合併切除を施行.切除断端は顕微鏡的にいずれも陰性であり,完全切除し得た.現在は術後放射線療法を行っており,再発は認められていない.胸腺癌は,その生存期間の延長のために,完全切除が望まれる.今回我々は,正岡分類3期と診断された胸腺癌に対して施行した術前化学療法が奏功し,完全切除し得た1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

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K-11Micronodular thymoma with lymphoid stromaの3切除例

広島市立安佐市民病院 呼吸器外科荒木洋一朗

【はじめに】Micronodular thymoma with lymphoid stromaの3例を経験したので報告する.【症例1】66歳女性.関節リウマチの加療中.定期フォローCTで前縦隔に1.6cmの円形境界明瞭な充実性腫瘤指摘.半年後のフォローCTで腫瘍やや増大傾向のため当科紹介受診.胸腺腫の疑いで胸腔鏡下胸腺摘出術を行った.【症例2】80歳女性.膀胱腫瘍術後にてフォロー中,CTで前縦隔に1.8cm大,楕円形のlow density areaを認めた.周囲がややenhanceされており,内部にも一部充実性成分を認め,胸腺腫の可能性も否定できないため,胸腔鏡下胸腺摘出術を行った.【症例3】68歳男性.検診で胸部X線写真上異常陰影を指摘.CT撮影し前縦隔に5cm大の扁平な多房性のlow density areaを認めた.内部に一部周囲がenhanceされる嚢胞を認め胸腺腫も否定できないため,胸腔鏡下胸腺摘出術を行った.【結語】Micronodular thymoma with lymphoid stromaは全胸腺腫瘍のうち1-5%といわれる比較的稀な疾患であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

K-12S1が奏功した既治療進行胸腺癌の1例

1)松江赤十字病院 呼吸器内科、2)松江赤十字病院 呼吸器外科、3)鳥取大学医学部 分子制御内科学中崎 博文1)、矢内 正晶1)、徳安 宏和1)、岡部  亮2)、磯和 理貴2)、清水 英治3)

胸腺癌は前縦隔腫瘍の1~4%程度を占めるにすぎない「希少がん」であり,大規模臨床試験ができないため標準的化学療法は確立していない。特に2nd line以降の化学療法については症例報告が散見される程度である。我々は3rd lineでS1を使用し,治療効果を認めたため報告する。症例は70歳女性。1ヶ月前より呼吸困難感を主訴に近医受診。胸部レントゲンにて左胸水貯留を認めたため当科紹介受診となった。胸部CTでは前縦隔に腫瘤影と無数の胸膜播種病変を認めた。その後,気管支鏡では診断がつかず,胸腔鏡下胸膜生検を行い胸腺癌の診断となった。全身検索の結果肝転移を認め正岡分類IVbであった。治療経過は1st lineでCBDCA+PTXを行い7ヶ月でPD,2nd lineでCBDCA+VP16を行い治療効果なく2コースで中止,そして3rd lineでS1単剤療法を行ったところ,原発巣,転移巣ともに縮小を認めた。特に希少がんの場合は一例一例の症例の積み重ねが大切であり,若干の文献的考察を加えて報告する。

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K-13陳旧性胸膜炎との鑑別を要した悪性胸膜中皮腫の1例

川崎医科大学 総合内科学1加藤  幹、内田 孝一、田中 久貴、林  敏清、栗原 武幸、宮下 修行、沖本 二郎

陳旧性胸膜炎との鑑別を要した悪性胸膜中皮腫の1例を経験したので、報告する。症例は、75歳の女性である。糖尿病の治療経過中に、胸部異常陰影を指摘された。職歴に石綿暴露はないが、ご主人が製鉄所勤務であった。胸部CTでは、左胸膜の部分的な肥厚のみであり、胸水貯留は認めなかった。陳旧性胸膜炎と考え、精査不要との意見も出たが、ご主人に石綿暴露歴があることより、CTガイド下生検を行ったところ、悪性胸膜中皮腫との診断を得た。悪性胸膜中皮腫の多くは、胸水貯留で発見されるが、本例のように、たとえ胸膜の部分的な肥厚のみでも、また患者本人に石綿暴露の職歴がなくても、積極的にCTガイド下生検を行えば、早期発見できるものと考えられた。

K-14胸水貯留を契機に発見され、胸腔鏡で診断し得た胸膜原発悪性リンパ腫

(DLBCL)の1例1)山口宇部医療センター 呼吸器内科、2)山口宇部医療センター 血液腫瘍内科村田 順之1)、近森 研一2)、宇都宮利彰2)、坂本 健次1)、原田 千尋2)、大石 景士1)、岸野 大蔵2)、青江 啓介2)、前田 忠士2)、上岡  博1)

症例は72歳女性.入院2カ月前から咳嗽と体重減少があり,入院3日前に近医を受診した.胸部X線で右胸水を指摘され当院に紹介,入院となった.滲出性胸水で胸水細胞診は3回とも陰性であった.抗酸菌塗抹や結核菌PCRは陰性であったが,ADA 50.1IU/l,リンパ球優位であることから結核性胸膜炎を疑った.しかし抗結核薬を開始後も胸水減少はなく,血清可溶性IL-2受容体 3030IU/lと高値で,造影CTで右下葉縦隔側に腫瘤様陰影を認めたため,悪性リンパ腫を疑って入院38日目に全身麻酔下胸腔鏡を施行した.胸膜面に顆粒状の結節,右下葉に手拳大の腫瘤を認め,同部位を生検した結果,CD20陽性,びまん性大細胞型リンパ腫と診断された.化学療法としてR-CHOPを施行したところ,胸水は減少し腫瘤も縮小した.現在,R-CHOPを施行中である.PET-CTでは胸膜の腫瘤や胸膜肥厚部位に加え,縦隔リンパ節,右眼瞼付近にも集積を認めたが,他臓器には明らかな集積は無く,胸壁原発と考えた.胸壁原発の悪性リンパ腫の報告は少ない.悪性リンパ腫では細胞診が陰性でADA高値になる症例もあり,結核性胸膜炎との鑑別が困難なこともあるため,積極的な胸腔鏡検査が診断に重要である.

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K-15高齢者に発症した胸壁発生骨外性Ewing肉腫の1例

1)国立病院機構松江医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構米子医療センター 整形外科、3)国立病院機構松江医療センター 臨床検査科岩本 信一1)、門脇  徹1)、南崎  剛2)、長岡 三郎3)、神田  響1)、西川恵美子1)、多田 光弘1)、木村 雅広1)、小林賀奈子1)、池田 敏和1)、矢野 修一1)

症例は76歳男性。X年10月に右腋窩部痛、右胸部腫脹が出現し某整形外科医院を受診した。胸部造影CTでは右胸壁を中心として右肺上葉へ進展し、heterogeneousな造影効果を受ける7cm大の腫瘤を認めた。近接する肋骨の骨破壊は認めなかった。同年11月に精査目的で当院に入院し経胸壁針生検を施行したが、組織の挫滅が強く診断が困難であった。ただし、細胞診でnon-Hodgikin lymphomaが疑われた。小開胸下に腫瘍生検を施行し、免疫染色の結果骨外性Ewing肉腫と診断した。他院で化学療法

(vincristine、ifosfamide、doxorubicin)施行中である。高齢者の骨外性Ewing肉腫は稀であるため、文献的考察を加えて報告する。

K-16気胸に対し胸腔鏡下ソフト凝固焼灼術が効果的であった4例

高松赤十字病院 胸部・乳腺外科監崎孝一郎、法村 尚子、環  正文、三浦 一真、吉澤  潔

【はじめに】近年、気胸に対する手術療法として様々な術式が存在する。今回我々が経験した、胸腔鏡下にソフト凝固による切除や縫縮を行わない簡便で効果的な方法を報告する。【ERBE;VIOシステム】低温ソフト凝固(約80度)、低温熱を組織深部まで浸透させ蛋白融解を誘導1)40歳代男,左。非喫煙者,大畑V型気腫性肺嚢胞。2)70歳代男,左。心不全,腎不全,右下葉切除後,肺気腫。3)60歳代男,左。右肺放射線照射後,肺気腫。4)60歳代男,右。脳梗塞,間質性肺炎,肺気腫。2),3),4)は、喫煙者で、多発気腫性肺嚢胞(大畑II,III型)を認め、木下法(フィブリン糊大量胸腔内注入療法)を施行していた難治性気胸症例であった。【結果】全身麻酔分離肺換気下に手術を施行した。全例リークポイントが確認でき、胸腔鏡下ソフト凝固焼灼術を行った(嚢胞壁凝縮)。リークなきことを確認後PGAシート保護+フィブリン糊塗布行った。平均手術時間;0:40(0:35-0:47)であった。翌日にはドレーンを抜管でき、効果的であった。【考察】胸腔鏡下ソフト凝固焼灼術は、通常の自然気胸だけでなく、肺コンプライアンスが悪い為に切除や縫縮が困難な多発気腫性肺嚢胞症例にも対応でき、良好な結果を得ることが出来た。

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K-17血漿交換が有効であったびまん性肺胞出血を伴うANCA関連血管炎の1例

高松赤十字病院真弓哲一郎、林  章人、六車 博昭、山本 晃義

症例は61歳女性。両下肢浮腫を主訴に当院受診。上室性頻拍と左肺浸潤影を認め入院。入院後、肺陰影は両肺に広がり呼吸状態も急速に悪化。血痰を認め肺胞出血が疑われステロイドパルス療法を開始するも効果乏しく人工呼吸管理となった。その後、MPO-ANCA 326IU/ml、PR3-ANCA 4086IU/mlと著明高値が判明し、挿管下の気管支鏡検査にて肺胞出血を確認。ANCA関連血管炎に伴うびまん性肺胞出血と診断し、シクロホスファミド大量静注療法を追加するもさらに呼吸状態悪化。膜型人工肺

(ECMO)併用下に血漿交換を開始したところ、両肺陰影と酸素化の改善を認め膜型人工肺(ECMO)から離脱。その後、抜管可能な状態まで回復した。ANCA関連血管炎による肺胞出血に対し血漿交換が有効であった症例を経験したため若干の文献的考察を加えて報告する。

K-18肺非結核性抗酸菌症の治療中に発症した全身性エリテマトーデスの1例

岡山赤十字病院 呼吸器内科西井 和也、佐久川 亮、深松 伸明、豊田 容介、小田 尚廣、細川  忍、堀内 武志、別所 昭宏、渡辺 洋一

【症例】60歳、女性。2010年10月より他院にて肺非結核性抗酸菌症(NTM:M. avium)加療中(CAM、RFP、EB)であった。2012年10月より発熱、呼吸状態の悪化を認め、在宅酸素療法が導入された。同年12月に意識障害、呼吸状態の更なる悪化を認め胸部CTでは心嚢水、両側胸水が認められた。意識障害はうつ病、呼吸状態の悪化は低栄養に伴う胸水貯留によるものと診断され、電気痙攣療法、経管栄養などが施行されたが、その後も心嚢水、胸水が増加しCO2ナルコーシスを呈したため12月某日当院へ救急搬送された。気管内挿管、人工呼吸管理を開始した。胸水は滲出性で心嚢水は血性であった。細胞診、抗酸菌培養は陰性であった。第40病日に両上肢に紅斑、関節炎症状が出現し血液検査にて抗核抗体5120倍、抗DSーDNA抗体308IU/ml、低補体血漿を認め、原発性全身性エリテマトーデス(SLE)と診断した。その後ステロイドを開始し、胸水減少を認め、人工呼吸器離脱が可能となった。

【考察】NTMの治療中に発症し診断治療に難渋したSLEの一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

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K-19潰瘍性大腸炎に合併し、気管・気管支に多数の白色小結節を形成したgranulomatosis with polyangiitisの1例香川大学医学部 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科田所  明、金地 伸拓、喜多 信之、渡邊 直樹、石井 知也、坂東 修二、松永 卓也

症例は41歳女性。20年前より潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジンで治療されていたが、約1年内服を自己中断していた。2か月前より咳嗽、呼吸困難が出現したため当科を受診した。胸部CTでは肺野に病変は認められず、気管および両側気管支の壁肥厚が認められたため気管支鏡検査が施行された。気管から区域気管支粘膜にかけて白色小結節が多数認められ、同部位の生検では壊死組織とともに一部に類上皮細胞性肉芽腫が認められた。P-ANCAおよびC-ANCAともに陰性であったが、サルコイドーシスや抗酸菌症などの疾患が否定されたことからgranulomatosis with polyangiitis(以下GPA)と診断された。プレドニゾロンとシクロフォスファミドで治療を行い、症状は改善が認められている。潰瘍性大腸炎の呼吸器合併症としてGPAの報告が散見される。このような症例ではメサラジンの使用がGPAの誘因となるとしているが、本症例では1年前から内服を中止しており、メサラジンとGPAの関連性はないと考えられた。潰瘍性大腸炎とGPAの関連性およびGPAにおける気管・気管支病変について文献的考察を加えて報告する。

K-20脳死肺移植後の急性細胞性拒絶と考えられた1例

1)国家公務員共済組合連合会呉共済病院 呼吸器内科、2)国家公務員共済組合連合会呉共済病院 呼吸器外科清重  昇1)、譲尾 昌太1)、藤原 寛樹1)、堀田 尚克1)、塩田雄太郎1)、今井 茂郎2)、松本 理恵2)

症例は57歳女性。41歳で間質性肺炎とされ,皮質ステロイドによる加療開始された。57歳で脳死両肺移植術施行,プレドニン,セルセプト,プログラフにより免疫抑制。移植後184日目に転院。37.6°までの発熱は毎日あり,胸腹部単純CT,胸腰椎MRでも胸腰椎の圧迫骨折以外に異常所見が乏しく呼吸状態は良好で,血清CRPは常に0.45mg/dl以下であった。末梢血サイトメガロウイルス抗原は低値陽性がみられたが経過観察すると移植後198日目には陰性化し,移植後224日目に退院。その翌日から38.6°に発熱し,血清CRP 2.0mg/dlと陽性化,発熱は毎日続き,移植後242日目に安静時SpO293%,体動時にはSpO286%の低酸素血症がみられ入院。胸部聴診は広範にcrackle聴取,胸部画像は胸膜肥厚像,小葉間隔壁の肥厚像,すりがらす影がみられた。翌日の画像所見は増悪し呼吸状態も悪化,急性細胞性拒絶と診断しステロイドパルス施行した。解熱は得られたが37°以下になることは殆ど無かった。移植後246日目に得たTBLBは肺胞壁に2~3走までの小リンパ球浸潤がみられ,免疫染色ではCD3陽性であった。比較的稀な症例であり報告する。

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K-21SACRA質問票がオマリズマブ継続判定に有用であった重症気管支喘息の1例

広島アレルギー呼吸器クリニック保澤総一郎、寺田 満和、保澤 真紀

【背景】演者らは、SACRA質問票の鼻炎VASが喘息末梢気道病変と相関していることを報告している。一方、重症喘息では末梢気道病変が著明である。今回、SACRA鼻炎VASがオマリズマブ継続判定に有用であった重症喘息の一例を経験したので報告する。【症例】72歳、男性。45歳喘息発症。喫煙歴:20本・25年、45歳より禁煙。IgE 580IU/mL RAST-Class:MITE3 HD3 カンジダ2。アレルギー性鼻・副鼻腔炎、嗅覚障害の合併あり。オマリズマブ開始前の喘息長期管理は、FP/SM250エアゾール4吸入/日、モンテルカスト10mg/日であり、FEV1,%Pred 50%前後、SABA prn 2-4回/日程度で推移。オマリズマブ375mg・2週毎皮下注を開始したが、継続効果判定16週時点では、ACQ、スパイロメトリー、IOS、呼気NOなどの喘息評価は不変であった。しかし、SACRA鼻炎VASは、オマリズマブ開始後12週から改善してきていた。そこでオマリズマブを16週以降も継続したところ、開始6か月目から著明な抗喘息効果を示した。【考察】オマリズマブ継続効果判定は一般的には投与開始後16週であるが、16週以降の継続判定にSACRA鼻炎VASが寄与する症例が存在する。

K-22みかん農家に発症した過敏性肺炎の1例

1)徳島県立海部病院 総合診療科、2)徳島大学 総合診療医学分野湯浅 志乃1)、坂東 弘康1)、小幡 史明1)、田畑  良1)、森  敬子1)、谷  憲治2)

【背景】過敏性肺炎は,特定の抗原を繰り返し吸入して感作され,3型,4型アレルギーの機序により発症するびまん性肉芽種性間質性肺炎である.過敏性肺炎は日常の生活環境にある抗原の吸入によって発症する疾患でありまれな疾患ではないが,みかん農家に発症した過敏性肺炎の報告は少ない.【症例】59歳,男性.過去喫煙者.2010年から毎年2月から3月に過敏性肺炎の発症を繰り返し,抗原不明でフォローされていた.2013年3月X日に呼吸困難,発熱,咳嗽を訴え当院を受診した.胸部CT検査で両側に小葉中心性粒状影と汎小葉性すりガラスを認め,低酸素血症を伴っていた.気管支肺胞法洗ではリンパ球の増多を認めた.血清Trichosporon asahii抗体陰性.生活環境について詳細な問診を行ったところ,みかん農家で過敏性肺炎の発症している時期だけ徳島県に在住し,自宅は他県でリフォーム済みであり,持参したみかんの青かびを培養したところPenicillium italicumが検出された.環境誘発試験は試行しえていないが,選果作業による真菌が原因抗原である可能性が高いと思われた.【結語】選果作業を行う時期に環境真菌が原因の過敏性肺炎を発症する可能性があり,注意が必要である.

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K-23気管支喘息患者とCOPD患者における強制オシレーション法による呼吸機能評価住友別子病院 呼吸器内科勝田 知也、洲脇 俊充、伊藤明日香、二宮  崇、亀井 治人

気管支喘息(BA)やCOPD患者の長期管理のための客観的評価法として呼吸機能検査が有用である。近年,国産の強制オシレーション法による呼吸機能測定機としてモストグラフ(チェスト社,東京)の臨床応用が進んでいる。今回は臨床的に安定したBA患者とCOPD患者におけるモストグラフの測定値の意義と有用性を検証した。【方法】平成24年11月に来院し臨床的に安定したBA患者37名(60.9±13.9歳 女性21名 男性16名)、COPD患者36名(73.2±8.5歳 女性1名 男性35名)にモストグラフ,スパイロメトリーが同時もしくは前後3ヶ月以内に測定しこれらの関係を評価した。【結果】モストグラフ測定値に関してBA群とCOPD群で比較した。Wilcoxon検定ではBA群のほうがR5,R5-R20,RRES,X5,X20,X5-X20,Xresが有意に高くCOPD群ではR20,Fresが高値であった。次にFEV1,FVC,FEV1/FVC,V25,V50とモストグラフの測定値について相関を見てみたがいずれの項目においても強い相関は得られなかった。スパイロメトリーの測定値のモストグラフ測定値との重回帰分析ではR5とFresが有意に強い影響を認めた。【結語】モストグラフにおけるR5,Fresは呼吸機能の指標になる可能性が考えられた。

K-24気管支喘息に合併する副鼻腔炎の臨床的検討

1)岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科、2)岡山大学病院 耳鼻咽喉科、3)国立病院機構本部、4)国立病院機構南岡山医療センター 呼吸器・アレルギー科谷本  安1)、早稲田公一1)、藤井 詩子1)、谷口 暁彦1)、古賀  光1)、宮原 信明1)、木浦 勝行1)、岡野 光博2)、岡田 千春3)、片岡 幹男1)、宗田  良4)、谷本 光音1)

【目的】気管支喘息に合併する副鼻腔炎の臨床的特徴を明らかにする。【方法】外来通院中の成人喘息患者(81例)を対象に、診療録から副鼻腔炎の有無と治療について、症状、画像、耳鼻科受診の実態を後ろ向きに調査した。【成績】X線やCT検査、耳鼻科受診により副鼻腔炎の有無が診断されている症例は48%であり、特に鼻炎症状のない症例では低率であった。副鼻腔炎の症状としてはアトピー型喘息、非アトピー型喘息ともに嗅覚障害が主体であった。また、アレルギー性鼻炎のある喘息症例より、非アレルギー性鼻炎のある喘息症例で副鼻腔炎合併率が高かった。非アトピー型喘息に合併した好酸球性副鼻腔炎は重症喘息症例に多かった。しかし、副鼻腔炎の有無は喘息コントロール状態との間に相関を認めず、喘息に対する治療内容が副鼻腔炎のコントロールにも影響しているものと考えられた。【結論】鼻炎症状のない成人喘息では副鼻腔炎が見逃されていることも多く、副鼻腔の画像検査や耳鼻科受診による積極的な診断が必要と考えられた。

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K-25当院におけるPMX-DHPを活用したARDS診療実績

1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 画像診断科大石 景士1)、尾形 佳子1)、村田 頼之1)、坂本 健次1)、大藤  貴1)、神徳  済1)、宇都宮利彰2)、原田 千尋2)、岸野 大蔵2)、片山 英樹2)、近森 研一2)、青江 啓介2)、前田 忠士2)、松本 常男3)、上岡  博1)

【背景】ARDSは重篤な呼吸障害を呈する予後不良な病態であり,有効な治療法は確立されていない.近年ARDSに対するPMX-DHPの効果が報告されている.【目的】ARDSに対するPMX-DHPの有効性を明らかにする.【対象】2008年4月から2012年10月までに当院に入院した患者で,ARDSと診断し治療を行った患者19例(PMX-DHP施行例(PMX群):13例,PMX-DHP未施行例(Non-PMX群):6例).

【結果】2群間における患者背景(年齢,性別,APACHII score,SOFA score,P/F ratioなど)に有意差なし.90日生存率はPMX群69.2%,Non-PMX群33.3%とPMX群で良好であった(Kaplan-Meyer法,ログランク検定p=0.0175).次にARDS全19例を対象に,各臨床的指標に対してCox比例ハザード回帰を用いて単変量解析を行った.その結果,年齢,PMXの施行,APACH IIスコア,SOFAスコア,P/F ratioで有意な結果が得られた.これらを用いて多変量解析を行った結果,年齢とSOFA scoreが有意な結果として残り,PMXの施行については有意差はなかった.【考察とまとめ】PMX-DHPによりARDSの改善が期待できる可能性はあるものの,その効果・有効性に関しては様々な因子に左右されると考えられた.

K-26COPDに対するインダカテロールマレイン酸塩使用による運動量改善効果の解析医療法人北室内科医院北室 知巳

【目的】インダカテロールマレイン酸塩は長時間作用性交感神経β2刺激薬であり、1日1回の吸入により速やかに気管支拡張効果が発現し、その作用が長時間持続することが報告されている。今回、当院に通院中の9例のCOPD症例に対して、従来使用してきた交感神経β2刺激薬(サルメテロール/フルチカゾン配合吸入剤3名、ホルモテロール/ブデソニド配合吸入剤2名、ツロブテロール貼付剤4名)をインダカテロールマレイン酸塩に変更することによって、歩数計で測定した1日の総歩数がどのように変化するかを解析した。【成績】インダカテロールマレイン酸塩への薬剤変更により、一秒量が平均130mL、最大吸気量(IC)が平均90mL改善した。また、1日の総歩数は平均454歩増加し、3METs以上の運動強度の歩数も平均156歩増加した。総歩数の変化率は、一秒量の変化よりも最大吸気量の変化と相関する傾向が認められた。【結論】COPDに対してインダカテロールマレイン酸塩を用いることによって一日の運動量や運動強度が向上する症例があり、特に最大吸気量(IC)が改善する場合には良い効果が期待できることが示された。

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K-27心臓リハビリテーション外来患者における潜在的COPD併存率の検討

1)KKR高松病院、2)粟井内科医院菊池  宏1)、市川 裕久1)、荒川裕佳子1)、森  由弘1)、粟井 一哉2)

【目的】当院では2009年度より非監視型の心臓リハビリテーション(以下心リハ)外来を行っている。今回、循環器疾患と共存することが多いとされる慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)の合併頻度を検討した。

【方法】2010年4月10日~2012年12月30日の期間中に、心リハに通っている患者251名(平均年齢68±9.8)に対して呼吸機能検査を施行した。【結果】心リハ通院中の患者251名のうち47名(18.7%)の患者がCOPDに合併していた。これに対して2008年4月1日~2009年3月30日の期間中の当院人間ドック4125名のうち喫煙歴に回答があった3578名(平均年齢48.3歳)のCOPD合併頻度は151名(4.2%)であった。【結論】COPDは、軽症から中等症の場合は労作時息切れなどの呼吸器症状を呈さない症例が多く発見が遅くなることが多い。心リハを施行中の患者のCOPDの潜在的合併頻度は、通常の母集団に比べ明らかに多いことが示された。循環器疾患患者に潜在的なCOPD患者は多いことが推定され、循環器内科、呼吸器内科との科科連携が潜在的COPD患者の早期発見につながる可能性が示唆された。

K-281年5ヵ月の長期人工呼吸管理後に脳死両肺移植が可能であった閉塞性細気管支炎の1例1)岡山大学病院 呼吸器外科、2)鳥取県立中央病院 血液内科原  暁生1)、大藤 剛宏1)、田中 孝幸2)、中谷  文1)、三好健太郎1)、岡田 真典1)、平野  豊1)、山本 寛斉1)、杉本誠一郎1)、葉山 牧夫1)、宗  淳一1)、山根 正修1)、豊岡 伸一1)、三好新一郎1)

症例は21歳女性。18歳時に急性リンパ球性白血病に対し骨髄移植を施行され再発なく経過していたが,19歳時に骨髄移植後肺GVHDによる閉塞性細気管支炎と診断された。以降内科的治療に反応せず2型呼吸不全が急速に進行し,人工呼吸管理が開始された時点で肺移植の適応評価のため当科を紹介受診した。当初両親からの生体肺移植を検討したが、リンパ球クロスマッチ試験が陽性であったため断念し、脳死肺移植登録を行い,待機を開始した。待機期間中気道感染および腎機能など他臓器の慎重な管理に加え、下肢筋力維持を中心とした理学療法を継続した。1年5ヶ月の人工呼吸管理下の待機期間を経て臓器提供に至り、21歳時に両側脳死肺移植を施行した。移植肺機能は良好であり,術後6日目で人工呼吸器を離脱,術後31日目には酸素投与中止可能となり,移植後2ヵ月の現在ほぼ自立した日常生活が可能となっている。移植前の人工呼吸管理は,肺移植後急性期の最大の予後不良因子のひとつとされている。本症例では、長期人工呼吸管理下での理学療法を含めた積極的な移植前の全身管理が移植後の良好な経過に寄与した。肺移植待機中の管理についての考察を加えて報告する。

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K-29鼻マスクCPAPにて改善した、無呼吸の軽度な肥満低換気症候群の1例

国立病院機構浜田医療センター 呼吸器内科柳川  崇、酒井 浩光

67才女性 147cm 81.5kg BMI 37.7 喫煙歴なし。高血圧、気管支喘息、自律神経失調症で開業医で治療を受けていた。周囲から睡眠時のいびきは指摘されていたが、無呼吸の指摘はなかった。2013年3月咽頭痛、鼻汁などの感冒症状に引き続いて喘鳴、呼吸困難が生じ当院救急外来を受診、心不全などが否定され肥満低換気症候群の気道感染合併による呼吸不全と考えられ呼吸器内科入院となった。入院時room airではsPO2は68~72%、動脈血液ガスpH 7.378 PaCO2 69.0 PaO2 42.0 HCO3 39.7 A-aDO2 21.75と著明な低酸素血症と代償された呼吸性アシドーシスを認めた。肺機能検査ではVC 960ml %VC 43.4% FEV1.0 0.66 %FEV1.0 41.5% FEV1.0% 92.96% DLco 9.60ml/min/mmHgと拘束性障害、拡散能低値を認めた。気道感染の改善後ポリソムノグラフィーを行ったがAHI 8.8 平均sPO2 75% 全睡眠時間がsPO2<90%とAHIが低値の割に著しい睡眠中の低酸素血症を認めた。二相式陽圧呼吸器は不快なため使用できなかったが、n-CPAPのみで平均sPO2は85%まで改善、PaCO2は64~65と軽度改善した。昼夜在宅酸素療法を併用し退院とした。無呼吸の軽度な肥満低換気症候群について文献的考察を加え報告する。

K-3010年以上の長期CPAP治療患者の臨床経過

KKR高松病院 睡眠・呼吸センター荒川裕佳子、菊池  宏、市川 裕久、森  由弘、厚井 文一

【目的】当院では1999年~1977名にCPAP治療を導入し、現在975名のCPAP指導管理中、受診時に毎回CPAPアドヒアランスデータのチェック、血圧・体重・腹囲計測も行っている。今回10年以上の長期CPAP治療患者の臨床経過を調査した。【対象と方法】CPAP治療歴10年~12.5年の14名(男性12名、女性2名)平均年齢63.7歳(42~82歳)のCPAP治療効果とアドヒアランス、体重や腹囲の変動、合併症、患者満足度等を調査した。【結果】AHI平均は治療前後57.4→3.1と効果良好。平均使用率95.6%、平均使用時間5.5時間とアドヒアランスも良好。BMI平均は治療前後29.9→30.0、体重平均+0.5Kg、腹囲平均+2.6cmで減量はできていない。治療前からの併存症として高血圧症10名、糖尿病3名、高脂血症3名、狭心症1名は現在も治療継続中であるが、CPAP開始後に新たに心血管病の発症はない。大半はこのままCPAP継続希望だが、CPAPを買い取りたい、CPAP以外の根治療法の開発を期待するという要望もある。【考察】長期CPAP治療患者は効果もアドヒアランスも良好で、肥満や生活習慣病合併者が多い中10年間で新たに心血管病の発症はなかったが、減量が難しく減量指導にもさらに努めなければいけない。

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K-31Short hydration法を用いたシスプラチン+ぺメトレキセド+ベバシズマブ併用化学療法の検討市立三次中央病院粟屋 禎一、高尾  俊、実綿  慶

【背景】AVAPERL 試験では,非扁平上皮非小細胞肺癌に対して CDDP+PEM+BEV 療法後のPEM+BEVによる維持療法を行い,PFS中央値が10.2カ月と良好な成績であった.当院ではshort hydration法を用いてCDDP+PEM+BEV併用化学療法を行ったので,その有効性と安全性を検討した.

【対象】対象症例は9例.性別は男/女:7/2例,年齢中央値:66歳(55-76歳),PSは0/1:5/4例,病期は4期/術後再発:4/5例,組織型は全例腺癌,治療ラインは1st/2nd:7/2例であった.【成績】治療効果はPR/SD:5/4例,奏効率56%,病勢コントロール率100%と良好であった.有害事象は,grade3の悪心が2例と尿路感染症が1例であり,grade3以上の血液毒性は認めなかった.1例で腸管穿孔があったが緊急手術で救命可能であった.short hydration法を用いて行ったが,全例で腎障害は認めなかった.外来化学療法に移行できたのは7例で,移行できなかった2例では悪心のため導入治療は入院で行なった.【結論】CDDP+PEM+BEV併用化学療法は有効性が高く,short hydration法を用いることで外来でも安全に治療可能であったが,当院で経験した腸管穿孔のようにBEVに特徴的な副作用には注意が必要である.

K-32TS-1+カルボプラチンと同時放射線療法により組織学的に完全奏効を確認した1例高松市民病院 呼吸器外科三崎 伯幸、喜田 裕介

進行肺癌では集学的治療が必要であり、放射線化学療法により奏効する症例も少なくない。近年、扁平上皮癌で、TS-1+カルボプラチン(CBDCA)の良い結果が報告されており、放射線を併用することにより局所進行肺癌において高い効果が期待できると考えられる。56歳男性で、咳と体重減少を主訴に近医を受診した歳に、胸部レントゲンで右肺門部の結節を指摘された。胸部CTでは、右下葉を原発としB6を完全に閉塞する径6.7×5.9cm大の腫瘤と、腫大した気管分岐部リンパ節を認めた。気管支鏡検査では、中間気管支管より狭窄を認め、原発性肺扁平上皮癌で、cT3N2M0 stage 3Aと診断した。集学的治療の適応と考え、TS-1:80mg/m2の2週間投与とCBDCA:5AUCの4週毎で化学療法を行い、縦隔および腫瘍に同時放射線治療:50Gyを行った。放射線化学療法による副作用も無く、2コース施行後に著明な腫瘍縮小効果を得、根治的切除が可能と考え、Salvage手術として右下葉切除術を施行した。組織学的効果はEf3であり、腫瘍の残存は認めなかった。従来の化学療法に比べて副作用が一般的に軽いTS-1+CBDCAのレジメンにより、放射線化学療法においても高い認容性と効果が得られた1例を経験した。

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K-33サルコイドーシス合併肺癌の1手術例

倉敷中央病院 呼吸器外科山科 明彦、栢分 秀直、藤原 敦史、松岡 智章、亀山耕太郎、奥村 典仁

症例は72歳男性。2012年7月、検診で胸部異常影を指摘され、胸部CTで縦隔リンパ節腫大及び、右上葉の結節を指摘された。FDG-PET/CTで同部位へのFDG集積及び右鎖骨上窩リンパ節への集積を認めた。また、同時期より盗汗、微熱、体重減少を認めていた。精査の結果、原発性肺癌、cT1aN0M0,c-StageIA及びリンパ節腫張の診断となり、精査目的で2013/2当科紹介受診となった。原発巣の大きさに比べ、リンパ節腫大が高度であり、サルコイドーシスや悪性リンパ節の合併を疑い、2013/2縦隔鏡下リンパ節生検施行。非乾酪性類上皮肉芽腫を認めた。ブドウ膜炎、両側肺門リンパ節腫張を認め、サルコイドーシスと診断した。栄養状態不良であったが手術可能と判断し、2013/3胸腔鏡下右上葉切除術及びリンパ節郭清ND2a-1施行した。手術の結果は、原発性肺癌(腺癌)、pT1aN0M0,p-StageIAで、累々と腫張したリンパ節はいずれも非乾酪性類上皮肉芽腫であり、リンパ節転移を認めなかった。サルコイドーシス合併肺癌ではリンパ節の評価が困難であり、文献的考察を加え、報告する。

K-34特発性肺線維症に合併したAFP産生肺癌の1例

香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科伊藤 公一、池田 敏裕、加藤  歩、徳永 義昌、松浦奈都美、笠井 由隆、垂水晋太郎、中野  淳、奥田 昌也、後藤 正司、劉  大革、呉  哲彦、横見瀬裕保

症例は63歳、男性。B型肝炎で近医通院中にAFPの上昇(437ng/ml:基準値13ng/ml以下)を指摘され、当院消化器内科紹介となった。腹部CTで肝臓にSOLを認めず、胸部CTで右肺S2に67mm大の腫瘤影を認め、継時的に増大傾向を認めた。FDG-PETでは腫瘤影に一致してSUVmax5の異常集積を認め、肺癌が疑われた。気管支鏡下肺生検を施行するも悪性所見はなく確定診断に至らなかった。低肺機能により手術適応はないと考えたが、特発性肺線維症の合併もあり化学療法、放射線療法が共に施行不能であった。また確定診断に至っていないことから、患者自身がリスクを含めた上での治療を希望されたため、診断・治療目的に手術を行う方針となった。開胸下に腫瘤の穿刺吸引細胞診を行ったところ腺癌との診断を得た。LN#12uが術中病理組織診で陰性であることが確認できたため、消極的術式としての区域切除でもR0切除が期待できると判断し、S2区域切除を施行した。病理組織診断では免疫組織学的に癌細胞の一部がAFPに陽性で、AFP産生肺癌(pT2bN0M0,stage2A)と診断された。術後55日目にはAFPが11ng/mlと基準値以下まで低下した。AFP産生肺癌は稀な疾患であり、若干の文献的考察を加え報告する。

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K-35生来健康な男性に発症し、再発を繰り返したAcute fibrinous and organizing pneumoniaの1例1)愛媛県立中央病院 呼吸器科、2)松山市民病院 病理部中西 徳彦1)、大朏 祐治2)、佐伯 和彦1)、山本 千恵1)、橘 さやか1)、塩尻 正明1)、井上 考司1)、森高 智典1)

症例は43歳男性。初診の3週間ほど前より咳嗽が続き、2日前より38℃の発熱あり。痰はほとんど出ない。Hugh-Jones2程度の労作時息切れを自覚する。改善傾向ないため当院を受診した。既往歴に特記事項なし。生活歴でも喫煙なし、飲酒なし、ペットなし、羽毛布団使用なし。KL-6は正常でSP-D 256.3ng/mlと上昇を認めた。胸部X線、CTでは良側肺の広範な浸潤影を認めた。TBLBの所見は、広範な線維素の気腔内析出が見られ、fibrin ballから時間の経過とともに線維芽細胞や筋線維芽細胞による気腔内線維化が進行したと考えられ、AFOPに合致すると考えられた。気管支鏡施行後よりステロイド治療を開始した。自覚症状、胸部陰影ともに改善した。しかし、ステロイド漸減に伴い、6ヶ月後に再発した。ステロイドを増量して陰影は改善したが、漸減に伴い、9ヶ月後に2回目の再発を起こしている。近年、AFOPの報告が散見される。文献的考察を加えて報告する。

K-36慢性関節リウマチ治療中に急性発症した間質性肺炎の2例

三原市医師会病院 内科平本 博文、川崎 広平、江草玄太郎、森田 好美、檜井 俊英、奥崎  健

【症例1】81歳女性。慢性関節リウマチにてプレドニゾロン5mgの内服治療がされていた。以前より両肺に軽度の線維化像は指摘されていた。外来にてトシリズマブ(300mg/body:1/4w)が開始され、2回目投与の翌日より呼吸困難が出現した。【症例2】69歳女性。慢性関節リウマチにて3年前より外来でインフリキシマブを投与(300mg/body:1/8w)されていた。経過中、肺に線維化や感染症は認めなかった。最終投与日の6週間後に労作時呼吸困難が発症した。2症例とも、身体所見やCT所見などから急性間質性肺炎と診断し、酸素療法、ステロイド投与、シベレスタット投与などで改善した。慢性関節リウマチに生物学的製剤が投与されている症例に間質性肺炎が発症した場合は、原因として、リウマチ肺の発症または増悪、治療薬による副作用、感染症などの可能性がある。また、免疫力低下状態が想定されるために、その治療過程での日和見感染にも特に留意する必要がある。文献的考察を加えて報告する。

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K-372年連続して季節型インフルエンザ罹患により急性増悪をきたした特発性肺線維症(IPF)の1例1)特定医療法人仁生会細木病院 呼吸器内科、2)特定医療法人仁生会細木病院 臨床工学室小林  誠1)、弘瀬 祥子1)、森  勇樹2)、白神  実1)

症例は 72 歳の男性。2010 年から IPF で経過観察中であった。2012 年 2 月インフルエンザ B に罹患。PaO2 33mmHg と低下をきたし入院。リザーバーマスク O2 10L/min で SpO2 90% 台に改善。直ちにperamivir点滴と同時にミニパルス療法(mP)を1コース施行後、次第に改善をみ、PSL10mg+azathioprine 50mg/日、O2 1L/分で維持していた。2013年2月下旬ワクチン既接種にも拘らずインフルエンザAに罹患。Peramivir点滴後IPFの増悪なく経過していたが3月に入り発熱と呼吸困難が増強、胸部CTでGGOが拡大し急性増悪と考えられた。今回はリザーバーマスク8L/分で安静時SpO2は90%前後、労作時での低酸素血症が著しく、NPPV(ASV)を開始しEPAP8cmにして日中と夜間に施行した。Cyclosporinを併用しつつmP 3コース後には経鼻O2 4L/分でSpO2 96%前後と呼吸状態の著明な改善をみた。IPFのインフルエンザウィルスによる急性増悪に対し、peramivirの予後改善効果が窺われた。さらに急性増悪時におけるASVによるNPPVの有用性が示唆された。

K-38玉葱農家に発症した過敏性肺臓炎の1例

鳥取大学医学部 分子制御内科学阪本 智宏、小谷 昌広、山崎  章、北浦  剛、倉井  淳、矢内 正晶、唐下 泰一、渡部 仁成、井岸  正、清水 英治

【症例】62歳,男性.【現病歴】生来健康な玉葱農家の男性.某年1月初旬より咳嗽と労作時呼吸困難を自覚し,近医を受診し処方を受けたがその後も改善せず,2月中旬当科受診.胸部レントゲン,胸部CTで両側肺野にスリガラス陰影を認め,間質性肺炎を疑って精査入院とした.BAL中のリンパ球が87%と著明に増加し,CD4/8比0.5と低下,肺の生検組織で非乾酪性肉芽腫を認めた.入院後に症状および画像所見,血液ガス所見等の改善を認めたことから過敏性肺臓炎を強く疑い,環境調査を行った.自宅の各部屋,玉葱の皮を剥く作業場,玉葱の皮の全てよりAspergillus fumigates,Aspergillus nigarが培養された.また,入院時の血清アスペルギルス抗原,およびアスペルギルス沈降抗体が陽性であったことから,これらを抗原とした過敏性肺臓炎と診断した.さらに2度の帰宅誘発試験を行い,自宅でエアーコンプレッサーを用いた玉葱の皮むき作業を行うことで肺炎が増悪することを突き止めた.

【結語】玉葱農家に発症した過敏性肺臓炎を経験した.本邦では多数の職業性過敏性肺臓炎の報告があるが,玉葱農家に発症した過敏性肺臓炎の報告はなかった.外泊試験,環境調査が診断に有用であった.

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K-39間質性肺炎治療中に発症した続発性肺胞蛋白症の1例

1)岡山赤十字病院 呼吸器内科、2)国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター深松 伸明1)、細川  忍1)、西井 和也1)、豊田 容輔1)、小田 尚廣1)、佐久川 亮1)、堀内 武志1)、別所 昭宏1)、渡辺 洋一1)、井上 義一2)

症例は67歳男性。咳嗽を主訴に近医受診し、両下肺野に浸潤影を認め精査加療目的に当院紹介となった。気管支鏡検査を行い特発性間質性肺炎と診断し、ステロイド治療にて陰影は著明に改善した。しかしステロイド漸減中にすりガラス影が出現し悪化したため、間質性肺炎の増悪と考えステロイドの増量や免疫抑制剤を追加した。それでも改善なく、改めて気管支鏡検査を施行し肺胞蛋白症と診断した。呼吸状態の悪化がみられたため気管支鏡下で区域洗浄を繰り返し行い、洗浄した区域の陰影は一時的に改善するものの、全体の陰影は徐々に悪化した。肺胞蛋白症の悪化と免疫抑制状態での易感染性を危惧し、ステロイドの漸減とシクロスポリンの中止をしたところ肺胞蛋白症の陰影は著明に改善した。最終的に抗GM-CSF抗体陰性であり続発性肺胞蛋白症と診断した。本症例は間質性肺炎治療中に続発性肺胞蛋白症を発症し、ステロイドやシクロスポリンが肺胞蛋白症の発症や増悪に関与したと考えられた貴重な症例であり報告する。

K-40徳島大学病院における胸腔鏡(VATS)下肺生検症例の検討

1)徳島大学病院 呼吸器・膠原病内科、2)徳島大学病院 呼吸器外科、3)日本医科大学 解析人体病理学是松 麻美1)、岸  昌美1)、青野 純典1)、竹崎 彰夫1)、東  桃代1)、木下 勝弘1)、阿部 秀一1)、埴淵 昌毅1)、吉田 光輝2)、先山 正二2)、福田  悠3)、西岡 安彦1)

【背景】びまん性肺疾患の鑑別診断のためには十分量の肺組織を採取することが望ましい。当科では、確定診断を必要とする70歳未満の患者では積極的に胸腔鏡下(VATS)肺生検を行っている。

【目的】当院でのVATS下肺生検によるびまん性肺疾患の診断状況について検討する。【方法】2000年から2012年の13年間に当院で行われた60症例のVATS下肺生検の病理診断と臨床診断について検討した。

【結果】病理組織学的パターンでは、NSIP 57%、UIP 22%、リンパ増殖性疾患 12%、その他のIIPs 7%、その他 3%であった。VATS施行後の臨床診断は、特発性間質性肺炎 65%、リンパ増殖性疾患 15%、慢性過敏性肺臓炎 12%、膠原病関連間質性肺炎 5%、その他 3%だった。病理組織学的に特発性より二次性(膠原病、慢性過敏性肺臓炎)が疑われた症例で、臨床的に診断が確定された症例が39%、疑い例が41%であった。

【考察】VATSによる病理診断は組織型の診断に加えて、原因の推定にも有用であると考えられた。

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K-41麦門冬湯による薬剤性間質性肺炎の1例

松山赤十字病院 呼吸器センター仙波真由子、濱口 直彦、梶原浩太郎、伊藤 謙作、三浦奈央子、兼松 貴則、横山 秀樹

【症例】37歳、女性。【現病歴】咳嗽と労作時呼吸困難を主訴に近医を受診した。急性気管支炎と診断され加療されたが、症状は改善しなかったため麦門冬湯が追加された。呼吸困難の増悪と発熱が出現したため、当院を紹介受診した。聴診では両側肺野でfine crackleを聴取し、胸部X線写真では両側びまん性すりガラス状陰影を認めた。問診より薬剤性間質性肺炎の可能性が示唆され、薬剤リンパ球刺激試験を施行したところ、麦門冬湯のみが陽性であった。気管支肺胞洗浄液でリンパ球は76%と増加し、経気管支肺生検にて肺胞壁の肥厚およびMasson体の形成を認めた。以上より麦門冬湯による薬剤性間質性肺炎と診断し、被疑薬の内服を中止したところ、自覚症状および画像所見は改善した。【考察】麦門冬湯は鎮咳・去痰作用を持つ漢方薬であり、感染後の遷延性咳嗽などに対する治療薬として用いられる。呼吸器症状を有する患者に投与されることが多いため、薬剤性間質性肺炎を発症した場合に発見が遅れる可能性が懸念された。

K-42Lenalidomideによる薬剤性肺障害を呈した2例

1)公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器内科、2)神戸大学大学院医学研究科 遺伝学分野横山 真一1)、池田  慧1)、有田真知子1)、三島 祥平1)、高岩 卓也1)、福田  泰1)、古田健二郎1)、田中 麻紀1)、時岡 史明1)、石田  直1)、國政  啓2)

lenalidomideは第二世代の免疫調節薬で再発性・難治性の多発性骨髄腫(MM)および5番染色体長腕欠損骨髄異形成症候群(5q-症候群)の治療薬である。今回、lenalidomideによる薬剤性肺障害を2例経験したので報告する。症例1は69歳、男性。MM再発に対しlenalidomide導入14日後に発熱し、胸部CTで右上葉に浸潤影を認め徐々に酸素化が悪化した。気管支肺胞洗浄液(BALF)中のリンパ球増加を認めlenalidomideによる薬剤性肺障害を疑い、薬剤中止とステロイド投与で改善した。症例2は88歳、女性。5q-症候群に対しlenalidomideを投与再開3日後に皮疹、6日後に乾性咳嗽・労作時呼吸困難が生じ、胸部CTで両側にGGO・浸潤影が出現した。BALF中のリンパ球増加から薬剤性を疑い、薬剤中止とステロイド投与で速やかに改善した。lenalidomideによる薬剤性肺障害の報告は少なく、若干の文献的考察を加えて報告する。

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K-43Reversed halo signを呈し、C.pneumoniaeとの重複感染も疑われたマイコプラズマ肺炎の1例1)村上記念病院 内科、2)愛媛大学医学部 病態情報内科学森  公介1)、西野圭一郎1)、高岡 洋子1)、岩政喜久恵1)、村上 重人1)、村上 匡人1)、村上 凡平1)、伊東 亮治2)

症例は65歳、女性。入院2日前から38.8℃の発熱が続き本院受診し、右肺炎を指摘されて入院した。胸部CT画像では右肺にReversed halo signを呈する円形陰影を認めた。当初からマイコプラズマ肺炎を考慮した複数の抗生剤を投与するも8日間高熱が続いたため、二次性器質化肺炎を考慮しプレドニン20mg内服を開始したところ、すみやかに解熱し、陰影も改善を認めた。マイコプラズマ抗体価(PA)は40倍未満から640倍に、C.pneumoniae IgM抗体価は0.53から3.07に増加し混合感染が疑われた。いままでにマイコプラズマ肺炎でReversed halo signを呈した報告はなく本症例が初報告と考えられる。

K-44アルベカシンを用いた胸腔内洗浄が奏効したMRSA膿胸の1例

独立行政法人国立病院機構岡山医療センター 呼吸器科槇本  剛、佐藤  賢、亀山 伸久、時政 雄平、肥後 寿夫、頼  冠名、藤原 慶一、柴山 卓夫、米井 敏郎、佐藤 利雄

症例は80歳女性,非結核性抗酸菌症にて当院通院中であった.2012年9月上旬より37度後半の発熱が出現し当院を受診し,胸部CTにて右大量胸水貯留を認めたため入院となった.右胸腔ドレナージを施行し黄白色の膿性の排液を認め膿胸と診断し,生理食塩水での洗浄およびセフタジジム,クリンダマイシンにて抗生剤加療を開始した.第3病日に胸水培養よりMRSAを検出したため,抗生剤をバンコマイシンに変更し第8病日よりアルベカシンを用いた胸腔内洗浄を開始した.炎症反応は改善し胸水培養にてMRSAは陰性化したため,第23病日でアルベカシンでの胸腔内洗浄を終了した.その後も再燃兆候は認めず,第36病日で胸腔ドレーンを抜去し,第44病日に退院となった.以後外来にて経過観察中であるが,再発は認めていない.MRSA膿胸は極めて難治性といわれており,これまで抗生剤の胸腔内投与が有用であったとの報告が散見されるるものの,確立された治療法がないのが現状である.今回我々はアルベカシンを用いた胸腔内洗浄が有用であったMRSA膿胸の1例を経験したので文献的考察を踏まえて報告する.

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K-45喀痰LAMP法が有用であった重症化マイコプラズマ肺炎の1例

JA高知病院 内科吉田 成二、富本 英樹、本淨 晃史、住友 賢哉、中山 正、曽根 三郎

マイコプラズマ肺炎は非定型肺炎の30から40%を占め、診断が遅れると生命にかかわり重症化を来す。我々は、セフェム系抗菌薬使用後に呼吸不全を来した重症化症例を経験した。【症例】21歳男性。【主訴】発熱と咳嗽。【現病歴】20XX年10月下旬から40℃発熱、咽頭痛、咳嗽あり。近医にて第4病日目にセフェム系抗菌薬を使用したが高熱が続くため、第7病日目に当院へ紹介入院。胸部X線で右下肺野に均等影を認め、左中下肺野に索状影が新たに出現。胸部CT上、左右肺に小葉中心性粒状影と斑状影の拡がりを認めた。レジオネラ肺炎も考慮し、GRNX+MINO治療を開始した。PaO2 66.2 Torrと呼吸不全状態のため、重症マイコプラズマ細気管支炎に準じてm-PSL 40mg/日を3日間併用した。入院時の血清抗体価検査でマイコプラズマ感染は証明されなかったが、経過中の喀痰LAMP法検査にてマイコプラズマ陽性が判明し、治療を変更した後、呼吸不全が改善し外来治療とした。【考察】高感度と高特異度の喀痰LAMP法検査の併用が非常に役立った。重症のマイコプラズマ肺炎の喀痰LAMP法診断とその臨床的意義について報告する。

K-46成人期に発見された原発性免疫不全症候群の1例

広島大学病院 呼吸器内科塩谷咲千子、村井  博、中島  拓、岩本 博志、石川 暢久、藤高 一慶、春田 吉則、服部  登、河野 修興

症例は40歳女性.X-8年前の子宮頸癌手術時には免疫異常は指摘されなかった.X-3年頃から気管支炎,副鼻腔炎などの感染を繰り返すようになった.X年11月10日より発熱,湿性咳嗽が出現,舌区に気管支炎を認めGRNX投与し一旦治癒した.12月5日再度熱発したため近医を受診し肺炎と診断,さらにCT検査にて縦隔・腋窩リンパ節,鼠径リンパ節腫大と脾腫を指摘され,悪性リンパ腫など悪性疾患の合併も疑われ12月7日当院入院した.肺炎はSBT/ABPC投与を開始し速やかに改善したが,血清IgG 25mg/dl,IgA<10mg/dl,IgM<10mg/dl,IgE<2.0IU/mlと低γグロブリン血症および末梢血B細胞の著減を認めた.最終的にCommon variable immunodeficiency(CVID)の細胞複合型免疫不全症と診断し,免疫グロブリン補充療法を開始した.血清IgG 500mg/dl以上を保つよう定期的にグロブリン製剤を投与することにより,現在は感染を繰り返すことなく症状は安定している.本症例は幼少期に問題なく,成人期に発見された稀な症例であるが,気道感染を繰り返す症例では鑑別に挙げるべき重要な疾患であると思われ報告する.

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K-47当院のインフルエンザA院内発症時におけるオセルタミビルの予防投与についての検討高松市民病院 呼吸器科河野 洋二、喜田 裕介、三崎 伯幸、岸本 伸人

背景:2012年に日本感染症学会から、インフルエンザ病院内感染対策の考え方についての提言が出された。それによると、院内でインフルエンザ患者が発症した場合に、抗インフルエンザ薬による積極的な予防投与が推奨されている。今シーズン、当院でも例年のように院内でインフルエンザの流行があり、オセルタミビルの予防投与を実施したので、効果などについて報告する。結果:入院患者延べ81名(8名は2回投与)にオセルタミビルの予防投与を行った。男性41名、平均年齢74歳、女性40名、平均年齢77歳、発症者と同室者が41名、同病棟者が40名で、投与期間は7日であった。基礎疾患は心不全、固形癌、肺炎、糖尿病、悪性リンパ腫などが多かった。81名中、3名がインフルエンザを発症、いずれも同室者で、24時間以内に発病した。考察:オセルタミビルの予防投与の効果は70~80%程度とされている。今回の予防投与での発症率は3.7%で、流行拡大の阻止に寄与したと考えられた。ただ、予防適応の範囲については、検討を要すると思われる。

K-48孤立結節影で見つかり4年の経過を観察し得たアスペルギローマの1例

1)島根大学 呼吸器・化学療法内科、2)島根県立中央病院 呼吸器科濱口  愛1)、須谷 顕尚1)、木庭 尚哉1)、沖本 民生1)、三浦 聖高1)、津端由佳里1)、本田  健1)、濱口 俊一1)、大江 美紀1)、竹山 博繁1)、久良木隆繁2)、礒部  威1)

症例は68歳、女性。2009年頃より血痰が出現し某病院を受診。胸部CTで結節影を認めたため気管支鏡検査を施行されるも診断に至らず、CTガイド下生検を行い肺真菌症と診断された。手術も考慮されたが相談の上、無治療で経過観察されていた。2012年末頃より血痰が増加したため、2013年2月に当科初診。採血上は炎症反応の上昇なく、CTでは左S6に20mm大の結節影と周囲にすりガラス影を認め、静脈・胸膜の巻き込みを認めた。既往歴として糖尿病、脂質異常症、緑内障、骨粗鬆症。喫煙歴なし。2013年2月時の画像から悪性も否定できず気管支鏡検査を施行した。組織検体よりアスペルギルスの菌体を検出し肺アスペルギルス症と診断。血痰が持続しており、手術適応と判断し3月に外科的切除を施行した。切除標本よりアスペルギローマとの診断に至った。【考察】肺アスペルギローマは画像上、肺上葉にair crescent signを呈する空洞性病変として認められることが多く、また既存の空洞や嚢胞、拡張した気管支内腔に続発することが多い。本症例では、既存の肺構造の変化がない下葉に、空洞影を伴わない結節影として認められており、稀な症例であると考え、若干の文献的考察を交えて報告する。

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K-49細菌検査外部委託病院での感染症診療

1)坂出市立病院 内科、2)坂出市立病院 検査部、3)坂出市立病院 小児科中村 洋之1)、丸山理笑子2)、谷本 清隆3)

【はじめに】専任細菌検査技師不在で細菌検査外注化病院での感染症診療について報告する。【方法】院内細菌検査は結核塗沫検査,グラム染色より開始し,2004年から至急対応可能となった。2005年よりBACTEC 9050を導入し,血液培養初期の24時間院内実施を開始,2006年より無償の臨床微生物検査データ解析用ソフトWHONETを導入した。【結果】グラム染色の院内迅速対応は,外来待ち時間内での起炎菌を推定し,肺炎治療へ反映可能となった。肺炎球菌陽性率は,グラム染色・外注培養・尿中抗原で93・69・90%とグラム染色が最も有用であった。「肺炎球菌」「インフルエンザ杆菌」「モラクセラ」は,93%・72%・96%の感度で推定可能であり,従来3-6日を要していた血液培養結果も,陽性例の8-9割でグラム染色結果が翌朝医師へ報告されるようになった。血液培養件数・2セット採取率は1018件・22%(2005年)から2070件・90%(2012年)に上昇した。WHONETの使用は,耐性菌株保有患者数や病棟間の広がりを容易に把握できるようになった。【結語】迅速・簡便・低コストの細菌検査業務一部院内実施は,「起炎菌を推定し適切な抗菌薬を選択する」という感染症診療と医師の意識を向上させた。

K-50特徴的な画像所見を示したHaemophilus influenzae市中肺炎を発症した1例JA高知厚生連JA高知病院 内科住友 賢哉、本浄 晃史、富本 英樹、吉田 成二、中山  正、曽根 三郎

【初めに】Haemophilus influenzae肺炎は基礎疾患を有する症例に発症することが一般的である。今回我々は通院歴のない患者でHaemophilus influenzaeによる市中肺炎を経験した。画像所見では両側下肺野に気管支に沿った広がりを示す気管支肺炎像を認め、以前から報告されているHaemophilus influenzae肺炎の画像所見に合致した。【症例】60歳、女性。既往歴:なし。喫煙歴:20本×30年間。発熱、呼吸困難、咳嗽が出現し、近医を受診した。肺炎、低酸素血症を認め当院に紹介された。胸部CT検査ではすりガラス影や気管支壁の肥厚、小葉中心性陰影、consolidationを認めた。WBC 19500,CRP 33.78。喀痰培養でHaemophilus influenzaeが培養された。抗菌剤の治療により画像所見及び低酸素血症の改善を認めた。【考察】症例は過去に呼吸器疾患の既往がなく細菌性肺炎を発症した。喫煙歴が重症の細菌性肺炎を発症した要因の一つと考えられた。また、Haemophilus influenzae肺炎は特徴的な画像所見を示し起炎菌の類推に役立つと考えられた。

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K-51縦隔リンパ節腫大による反回神経麻痺のため嗄声を来たしたサルコイドーシスの1例公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器内科堺  隆大、伊藤 明広、古田健二郎、田中 麻紀、時岡 史明、吉岡 弘鎮、橘  洋正、有田真知子、橋本  徹、石田  直

症例は基礎疾患のない38歳男性。2012年7月より微熱を認めるようになった。9月より起床時に背部痛が出現し、同時に嗄声も認めるようになった。数ヶ月で5kgの体重減少を認め、9月中旬に近医受診となった。胸部レントゲンにて両肺野に異常陰影を認めたため当科紹介となり精査加療目的に入院となった。気管支鏡検査を行い、BAL液リンパ球60%、CD4/8 5.13と高値であり、TBLBにて壊死を伴わない肉芽腫を認めた。心・皮膚には明らかな所見を認めなかったが、両眼にぶどう膜炎の所見を認め、眼・肺サルコイドーシスと診断した。また、嗄声に関してはPET/CTで縦隔リンパ節腫大を認めており、喉頭ファイバーにて左反回神経麻痺を認めた。経過観察による治療の遅れで反回神経麻痺が不可逆的になる可能性があったためPSL 0.5mg/kg/day(30mg/day)で治療を開始した。ステロイドによる副作用を認めず、嗄声も改善傾向であったため第19病日に退院した。現在、外来にてPSL漸減しているが反回神経麻痺は著明に改善している。以上、サルコイドーシスによる縦隔リンパ節腫脹にて反回神経麻痺を来たし嗄声を認めステロイド加療にて軽快した1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。

K-52胸水貯留を認めたサルコイドーシスの1例

1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 血液腫瘍内科、3)国立病院機構関門医療センター 病理部宇都宮利彰1)、大石 景士1)、村田 順之1)、坂本 健次1)、尾形 佳子1)、大藤  貴1)、前田 忠士2)、青江 啓介2)、上岡  博2)、村上 知之3)

症例は76歳男性.20XX年8月頃より全身倦怠感に気付いた.11月中旬頃より労作時息切れ認め,当院を受診した.軽度VCの低下あり,胸部CTでは両側上肺野優位の粒状影と縦隔・肺門リンパ節腫脹を認め,眼科的精査でぶどう膜炎を呈していた.サルコイドーシスを疑い気管支鏡検査行いBALで軽度リンパ球増多とCD4/8比の上昇を,同部位の生検で非乾酪性類上皮肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断した.また左優位に両側胸水貯留を認めた.心不全は認めず,胸水検査では結核性など他疾患によるものは考えにくく,サルコイドーシスによるものと考えた.プレドニゾロン30mg/日より開始,開始後速やかに胸水は消退し肺野の粒状影の改善を認め労作時息切れも改善した.その後プレドニゾロン漸減していったが胸水の再貯留,労作時息切れの再燃は見られていない.サルコイドーシスで胸水貯留などの胸膜病変を認めることは稀であると考え報告する.

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K-53横隔膜ヘルニア手術の3例

1)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 呼吸器外科、2)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 心臓血管外科、3)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 呼吸器内科、4)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 外科、5)独立行政法人国立病院機構浜田医療センター 病理診断部小川 正男1)、浦田 康久2)、石黒 眞吾2)、酒井 浩光3)、柳川  崇3)、栗栖 泰郎4)、長崎 真琴5)

 横隔膜ヘルニア手術の3例を報告する。 症例1は、21歳男性、左外傷性横隔膜ヘルニア。自動車の助手席に同乗中交通事故にて車外に投げ出され受傷、緊急手術施行。開胸開腹下に、胸腔内脱出、胃、腸管を腹腔内に還納、横隔膜損傷部を縫合閉鎖施行。術後経過良好、軽快退院となる。症例2は、54歳男性、左外傷性横隔膜へルニア。立木伐採中に受傷、右血胸、大腿頚部、骨盤骨折を合併、緊急手術施行。胸腔鏡併用開腹下に脱出腸管を腹腔内に還納、横隔膜損傷部を縫合閉鎖施行。整形外科手術は二期的に行い、軽快退院となる。症例3は、70歳女性、右側ボホダレク(Bochdalek)孔ヘルニア、多量の腸管の右胸腔内への脱出を認めた。右上腹部斜切開下に腸管を腹腔内へ還納し、ヘルニア門にはメッシュをあてヘルニア根治術を施行した。軽快退院となる。 外傷性横隔膜ヘルニアは合併外傷を有することが多く、治療の優先順位に注意を払うべきである。胸腔鏡の併用は手術の低侵襲の面で有効であった。文献的考察を加えて報告する。

K-54下垂体機能低下症、尿崩症、肺病変を認め診断に苦慮したErdheim-Chester病の1例高知医療センター 呼吸器内科浦田 知之、中島  猛、轟  貴史、寺澤 優代

【症例】42才、女性。【主訴】顔面の痺れ、多尿。【現病歴】40才頃より全身倦怠感、多尿、無月経となった。顔面の痺れが出現し、近医を受診し頭部MRIで下垂体、脳幹部に病変を認めたが原因不明であり経過観察。顔面の痺れが増悪し同院を再診、病変の増大あり当院へ紹介となった。多発性の小結節が脳、肺野に認められ、下垂体機能低下症および中枢性尿崩症と診断された。肺に多発粒状陰影を認めることより原因疾患の精査目的に当科へ紹介となった。【経過】気管支鏡検査で右B6入口部に結節性病変および喉頭披裂部に白色の隆起性病変が多発し生検では肉芽腫が疑われた。胸腔鏡下肺生検でも同様の所見であり確定診断が困難であった。病状の進行もあり原因不明の肉芽腫性疾患としてステロイドで治療を開始し結節陰影は縮小傾向であったが反応不良でありErdheim-Chester病(ECD)を疑い骨シンチを施行し両大腿骨遠位端と脛骨近位端に左右対称性に特徴的な骨病変を認めECDと診断した。ECDは非ランゲルハンス組織球症と言われ稀な疾患であり若干の文献的な考察も含め報告する。

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K-55診断に苦慮した悪性胸水の1例

国立病院機構高知病院 呼吸器センター香西 博之、畠山 暢生、中野万有里、岡野 義夫、町田 久典、篠原  勉、大串 文隆

患者は68歳女性。背部痛・呼吸困難を主訴に近医を受診し、胸部X線検査で胸水貯留を認めたため当院に紹介入院となった。胸部CTで左優位の両側性胸水を認めた。胸水は滲出性で、細胞診では核異型を伴うリンパ球を認めたが診断はクラスIIIであった。胸腹部造影CTでは肺野に腫瘤性病変を認めず、両側胸膜・傍脊椎領域、両側肩甲骨・骨盤周囲、軟部にびまん性に広がる腫瘍の形成が認められた。肺癌等の腫瘍マーカーは全て陰性、胸水中のヒアルロン酸の上昇も見られなかった。以上より悪性リンパ腫を第一に考えたが、フローサイトメトリー・免疫染色等では陽性所見を得られなかった。骨髄穿刺がドライタップであった事から検査結果を再考し、蛋白分画を提出したところMピークを認め、免疫蛋白電気泳動・骨髄生検・フローサイトメトリー等より最終的に多発性骨髄腫と診断した。多発性骨髄腫の髄外病変は肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節に好発するが、胸郭内への進展は比較的頻度が低く、肺は4.5%、胸膜は0.9%との報告がある。胸水を伴った多発性骨髄腫の予後は不良とされており、胸水貯留時の鑑別診断には、多発性骨髄腫も念頭に置く必要がある。

K-56右中葉分岐部および右B4入口部に発生した神経鞘腫の1例

鳥取県立中央病院田中那津美、澄川  崇、浦川  賢、陶山 久司、杉本 勇二

症例は84歳男性。胃癌術後、洞不全症候群、ペースメーカ植え込み後、心房細動などで当院に通院しており、1か月間続く血痰を主訴に当科紹介受診となった。血痰は週に1回程度の頻度であり、胸部CTでは以前から指摘されていた右中葉の板状無気肺を認め、明らかな腫瘤性陰影、空洞性陰影は認められなかった。当初PT-INRが高値であり、ワーファリン減量で経過をみていたがやはり血痰が続くため気管支鏡を施行した。右上葉気管支に血管増生があり易出血性であったため血痰は同部位によるものと考えられたが、他の所見として右中葉分岐部の粘膜肥厚と自家蛍光の減弱、および右B4入口部に結節様の腫瘤を認めた。B4入口部は腫瘤によりほぼ閉塞していた。同部位を生検したところ、いずれも異型の乏しい紡錘形の細胞が錯綜・増殖しておりS100陽性などの免疫染色の結果から神経鞘腫と診断した。結果を説明したところ以前に皮膚科で背部の神経鞘腫を切除したことがあるとのことであった。現在は血痰も軽快し神経鞘腫に対しては特に加療は行わず経過観察中である。肺・気管原発の神経鞘腫はまれであり、若干の文献的考察を含め報告する。

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K-57健診にて発見された良性転移性肺平滑筋種の1例

徳島県立中央病院 外科広瀬 敏幸、住友 正幸、松岡  永、河北 直也、松下 健太、杉本 光司、近清 素也、大村 健史、八木 淑之、倉立 真志

良性転移性肺平滑筋種は、組織学的には良性である子宮平滑筋種が肺転移をきたす稀な疾患である。今回、われわれは、健診における胸部異常陰影にて発見された良性転移性肺平滑筋種の1例を経験したので報告する。症例は、50歳、女性。約11年前に子宮筋腫核出術を行っている。今回、健診で胸部異常陰影を指摘され、当院紹介となった。また、同時に多発性子宮筋腫も指摘されていた。胸部X線では、右下肺野に1cm大の腫瘤陰影を認めた。胸部CTでは右肺に5個、左肺に3個の2mmから12mm大の境界明瞭な腫瘤陰影を認めた。転移性肺腫瘍を疑い、原発巣の検索も兼ねてPET検査を行ったところ、肺腫瘍には集積を認めなかったが、子宮筋腫には一部に集積を認めた。子宮肉腫などの可能性も考え子宮全摘術および両側付属器切除術を施行。同時に右肺腫瘍の2個に対して、胸腔鏡下肺部分切除を行った。病理診断にて、良性子宮筋腫および肺については細胞異型に乏しい平滑筋細胞を認め、良性転移性肺平滑筋種と診断された。後日、右肺腫瘍に関しては、8か所の部分切除を行った。現在、術後1年経過したが、左肺腫瘍はあまり変化がないために慎重に経過観察中である。

K-58繰り返す気胸に対し手術を行いBirt-Hogg-Dube症候群と診断した1例

国立病院機構松江医療センター 外科松岡 佑樹、足立 洋心、目次 裕之、徳島  武

【背景】Birt-Hogg-Dube症候群は皮膚線維毛包腫、腎腫瘍、多発肺嚢胞および気胸を主症状として呈する常染色体優性遺伝性疾患であり、FLCN遺伝子変異により確定診断される。今回われわれは繰り返す気胸にて手術を行い、遺伝子解析で本症候群と診断した1例を経験したので報告する。【症例】30歳代、男性。2012年10月初旬に前医で左気胸手術施行されたが再発したため、中旬に当院紹介受診。20歳代にも左気胸歴1回あり。兄・叔父に気胸歴あり。胸部CTでは左は肺尖部、舌区に肺嚢胞を認めた。右は肺尖部、上・中葉縦隔側の胸膜直下優位に多発する数cm大の肺嚢胞を認め、一部肺内にも嚢胞が存在した。胸腔鏡下肺縫縮術+肺嚢胞切除術を行い、1~2mm大の多発小嚢胞に対しては焼灼術を行った。同年12月に右気胸を発症し、胸腔鏡下肺嚢胞切除術および多発小嚢胞に対して焼灼術を行った。2013年1月に右気胸再発、2月に再々発し、それぞれ胸腔鏡下肺縫縮術を行った。【まとめ】本症例の肺病変は画像所見、手術所見、病理所見ともに特徴を有していた。今後気胸の診療において本症候群も念頭に置き、診断した場合には予後を規定しうる腎病変の早期発見に努めることが重要である。

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K-59ステロイド長期投与,骨髄異形成症候群患者に発症した播種性Mycobacterium kansasii症の1例倉敷中央病院曽根 尚之、田中 麻紀、伊藤 明広、橋本  徹、堺  隆大、三島 祥平、高岩 卓也、福田  泰、池田  慧、丹羽  崇、西山 明宏、時岡 史明、吉岡 弘鎮、橘  洋正、有田真知子、石田  直

症例は79歳の女性で,2005年から慢性好酸球性肺炎に対してプレドニゾロン2.5mgを内服されており,2011年10月に当院血液内科で骨髄異形成症候群と診断され無治療経過観察とされていた.2012年6月初旬から38度の発熱を認め近医を受診し,胸部レントゲンで肺炎と診断され同院に入院となった.入院後抗菌薬治療を開始されたが改善を認めない為,6月下旬当院に転院となった.CTで両側肺野のすりガラス陰影,両側胸水,左側鎖骨上窩,縦隔,右肺門リンパ節腫大の所見を認めた.当院転院後も抗菌薬治療を継続したが発熱は持続し改善を認めない為,悪性リンパ腫の可能性を考慮し転院17日目に左鎖骨上窩リンパ節生検を施行した.結果,悪性所見は認めずZiehl-Neelsen染色陽性の桿菌を認め,後日喀痰,血液,尿,胸水,骨髄,リンパ節それぞれからM.kansasiiを検出し播種性M.kansasii症と診断した.転院26日目からリファンピシン,イソニアジド、エタンブトール、ストレプトマイシンの4剤治療を開始したが,肺病変と呼吸状態は改善せず転院61日目に永眠された.播種性非結核性抗酸菌症の起炎菌はMycobacterium avium complexが多くを占めるとされ,本症例で認めたM.kansasiiによる播種性非結核性抗酸菌症は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.

K-60慢性期の呼吸管理としてBCVを導入した全身性強皮症の1例

1)国立病院機構松江医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構松江医療センター 臨床工学室西川恵美子1)、門脇  徹1)、笠置 龍司2)、神田  響1)、森澤  翠2)、小林 賀奈子1)、木村 雅広1)、岩本 信一1)、多田 光宏1)、池田 敏和1)、矢野 修一1)

53才女性.32才時に全身性強皮症と診断.全身性の皮膚硬化や消化管病変が高度で,二次性肺高血圧も合併していた.50才よりS/Tモード,IPAP/EPAP 7/4cmH2Oと低圧処方の設定でNPPV導入されたが,空気嚥下による腹部膨満感が強く在宅での施行が困難であった.安静時呼吸困難が増悪し,2012年8月に当科紹介受診.精査加療目的で9月に入院し,NPPVの再設定を試みるも,長時間の施行が困難であり,慢性期の呼吸管理目的でBCVを導入した.BCVにより一回換気量・分時換気量が増加し,短期的効果として呼吸困難感の改善,PaO2の上昇,肺高血圧の改善が認められた.患者・家族より在宅でのBCV継続希望があったため,臨床工学技士によるcuirass装着ならびにRTX操作方法の指導を夫に対し行い,在宅導入した.全身性強皮症は合併する間質性肺炎や胸郭の皮膚硬化などによる呼吸障害を呈し,慢性期の呼吸管理としてNPPVが選択されることがある.本症例は全身性強皮症による食道~腸管病変のため陽圧換気が極めて困難であったためBCVを選択した.BCVを在宅導入した極めて稀なケースであり,慢性期におけるBCVの治療効果・継続における問題点等について本症例を通じて考察したい.

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K-61研修医教育としての香川胸部CT症例検討会の活動

1)KKR高松病院 呼吸器科、2)粟井内科医院、3)亀井内科呼吸器科医院、4)高松市民病院 呼吸器科、5)香川県保健医療大学 看護学科森  由弘1)、菊地  宏1)、市川 裕久1)、荒川裕佳子1)、厚井 文一1)、粟井 一哉2)、亀井  雅3)、岸本 伸人4)、佐藤  功5)

2007年5月から原則毎月第2木曜日に、香川内科医会呼吸器部会と共催で香川胸部CT症例検討会をKKR高松病院で開催している。香川県下で研修中の研修医と病院・診療所の呼吸器指導医や一般開業医が参加している。過去61回の開催で平均9.3人(5人~14人)の指導医と開業医、平均5.3人(1人~11人)の研修医が参加した。検討時間の前半は研修医向けの区域解剖学を用いた胸部CTの読影にあてている。検討画像はできるだけ教育的で示唆に富んだ症例を選んでる。放射線科指導医とともに実際にCT・XP画像を見ながらマンツーマンで指導を受けることができる。独習の場合と違い双方向で議論できるため、読影技術のポイントを短時間でつかむことができる。これらは胸部XP・CT読影の苦手意識をなくすことに役だっている。現在、参加した研修医のうち6名が呼吸器内科、3名が呼吸器外科を専門にして活躍している。このように研修医が胸部画像の読影に興味を持ち、将来は呼吸器疾患を専門とする呼吸器内科医、呼吸器外科医、放射線科医、病理医になることを期待している。

K-62設立3年目の呼吸サポートチーム(RST)における問題点とその対策

1)香川県立中央病院 呼吸器外科、2)香川県立中央病院 呼吸器内科、3)香川県立中央病院 看護部、4)香川県立中央病院 臨床工学科、5)香川県立中央病院 理学療法科青江  基1)、坂井健一郎2)、中村 明世3)、村井 由佳3)、松田  彩3)、橋本 真理3)、山下 和良4)、堀井 孝弘4)、入谷 信行4)、山田 耕平5)、桑嶋 博史5)、多田 善則5)

2011年より当院では呼吸サポートチーム(RST)を結成し、ICU以外の病棟での人工呼吸器管理を必要とする症例の診療をサポートしてきた。3年目を向え、RSTの各メンバーが感じている問題点をアンケートにより抽出し、それに対する解決策を検討したので報告する。現在RSTのメンバーの職種は医師2名、看護師4名、理学療法士3名、臨床工学士2名の10名。回診は、メンバー+研修医、学生で週一回、ベッドサイドでの討議を中心に行ってきた。抽出された問題点としては、主治医との関係に関するものが多かった。病棟担当看護師はベッドサイド討議に参加することが多いものの主治医は時間の関係からカルテ上でRSTのアドバイスを見ることが多く、アドバイスが有効に生かされていなかった。研修医の教育としては基礎知識がない場合いきなりの臨床検討では教育効果が薄い事が問題であった。そこで、RSTチームを委員会に格上げし、RSTの指示の範囲と責任を明確化。それぞれの主治医との関係を統一、アドバイスの採用率も向上した。また、委員会が呼吸療法教育にも主体的に取り組み、座学講座も設けよりよい教育効果をもたらすようになった。

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K-63非結核性抗酸菌症を合併した原発性シェーグレン症候群の1例

マツダ病院中西  雄、河内 礼子、大成洋二郎

症例は75歳女性、X-3年頃より眼および口腔内乾燥症状が出現した。近医眼科でドライアイと診断され、人工涙液の治療を受けていた。X年7月に健康診断の胸部レントゲンで右肺野網状影を指摘されたため、9月に当院を受診した。胸部CTでは右中葉、左舌区を中心とした全肺野に粒状影と斑状影が散在、一部気管支拡張を伴い、非結核性抗酸菌症を疑う所見であった。同月に気管支鏡検査を施行したところ、気管支洗浄液では抗酸菌塗抹陽性(ガフキー5号)、培養は3週目で陽性となり、PCRではMycobacterium aviumとMycobacterium intracellulareの2種類が陽性であった。また眼および口腔内乾燥症状よりシェーグレン症候群を疑い口唇小唾液腺生検を施行したところ、腺房の萎縮およびリンパ球浸潤を認めた。乾燥性角結膜炎およびSchirmer試験陽性、gam試験陽性、抗SS-A抗体陽性であったため、原発性シェーグレン症候群と診断した。シェーグレン症候群には多彩な呼吸器合併症が報告されており、非結核性抗酸菌症発症との関連も含め、文献的考察を加え報告する。

K-64LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法が有用であった肺結核再発の1例高知赤十字病院飛梅  亮、竹内 栄治、田宮 弘之

【症例】86歳男性。【現病歴】倦怠感と食欲低下、腰痛を認め同日夜より動けなくなったため救急外来受診となった。【既往歴】73歳時に肺結核の治療歴あり、慢性腎機能障害、糖尿病。【画像】左上葉に空洞を伴う浸潤影を認め、右上葉にも胸膜直下に浸潤影を認める。両側肺に瀰漫性に石灰化を伴う小結節影が認められた。【検査】入院時提出した喀痰でガフキー4号が検出された。【経過】脊椎圧迫骨折、肺結核疑いで休日に個室へ入院となった。非結核性抗酸菌症と迅速に鑑別するためLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を行い一時間後に陽性との結果であった。肺結核と診断し結核病棟へ転棟し、腎機能を考慮しINH、RFP、EBの3剤で治療を開始した。後日喀痰培養検査より結核菌が分離培養された。【結語】今回我々は、LAMP法を用いることで迅速に肺結核と診断し治療を開始する事が出来た。LAMP法はPCR法と比較し簡易で短時間で結果が得られるため当院のように院内でPCR法を行っている施設において院内感染対策としても有用であると思われる。

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K-65舌癌末期で肺結核と診断された1例

1)山口県済生会下関総合病院 呼吸器科、2)産業医科大学 呼吸器内科小畑 秀登1)、松嶋  敦1)、畑  亮輔1)、内村 圭吾1)、迎   寛2)

【症例】80歳、男性。70歳の時に右側舌癌の診断にてA病院で60Gy放射線照射を受ける。その後は、B病院耳鼻科で数年間フォローを受けていたが、自己判断で通院を中止し、C内科で漢方薬や経口流動の処方を受けて通院していた。某年2月より経口摂取困難となり、同年同月某日(第1病日)当院口腔外科に紹介入院となる。入院時、舌運動の可動性悪く、誤嚥も時におこし、胸部XPで左下肺に浸潤影を認めた。そのため、誤嚥性肺炎と考えて、経管栄養とSBT/ABPC+CLDMの抗菌剤投与が開始された。第7病日、左自然気胸を発症しチューブドレナージ開始される。第8病日より当科転科となり、第11病日提出の胸水結核菌PCR陽性と判明し、吸引喀痰の抗酸菌染色がガフキー5号の所見であった。全身状態悪化し第16病日に永眠された。【考察】癌患者末期では緩和治療が中心で積極的な他疾病の診断検査が行われない傾向があり肺結核の合併も念頭に置くべきであると考えられる。

K-66QFT-TBと胃液結核菌PCR検査が診断に有用であった肺結核の1例

1)山口県下関済生会総合病院 呼吸器科、2)産業医科大学病院 呼吸器内科畑  亮輔1)、高木  努2)、内村 圭吾1)、松嶋  敦1)、小畑 秀登1)、迎   寛2)

【症例】38歳男性、生来健康で花屋を営んでいた。某年1月26日(第1病日)より38度台の発熱、咳嗽の症状生じ、第7病日に近医受診される。抗菌剤と解熱剤を処方されるも第10病日には胸部XPにて右上肺両下肺に浸潤影を指摘され、症状一進一退で改善を認めなかった。第12病日に当院紹介入院となりLVFX+MEPM投与開始したが、熱型、画像所見改善なく、喀痰(3日連続)、胃液の抗酸菌染色陰性であった。第20病日に胃液結核菌PCR陽性、QTF-TB検査陽性の結果が判明し肺結核と診断、第21病日より抗結核剤(RFP、INH、EB、PZA)を開始した。その後は解熱し咳嗽の症状改善し順調な結果を得た。第20病日に施行した気管支鏡検査では、擦過、洗浄液、生検組織の抗酸菌染色は陰性、洗浄液結核菌PCR陽性、組織は乾酪壊死や巨核細胞などの結核を示唆する所見に乏しかった。【考察】肺結核の診断においては抗酸菌染色、培養、組織検査が標準的検査では確定するまで時間を要したり確定できない症例もあるので、QTF-TBや分子生物学的検査も有用となる。

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呼吸器学会・一般

K-67当院における肺非結核性抗酸菌症の現況

1)独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター 内科、2)独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター 呼吸器科市木  拓1)、植田 聖也2)、渡邉  彰2)、佐藤 千賀2)、阿部 聖裕2)

【目的】肺非結核性抗酸菌症の増加は著しいとされる。当院での肺非結核性抗酸菌症の現況を報告する。【方法】主として2003年~2012年に当院で診断した肺非結核性抗酸菌症について後ろ向きに調査した。【成績】この間に診断された肺非結核性抗酸菌症の症例数は372例であり,全抗酸菌症中の37%を本症が占めている。年齢層では70歳代を中心とする高年齢層が多かった。菌種別ではM. intracellulareが最多,次いでM. aviumとなっており,全体の87%がMycobacterium avium complex(MAC)症で,ついでM. kansasii症6%であった。病型別では小結節気管支拡張型が59%と最多で女性に多く,次いで結核類似型は24%で男性に多かった。本症による死亡例は4%で結核類似型が最多で,受診一年以内の死亡例が多かった。在宅酸素療法導入例でもほぼ同様の結果であった。全体の過半数の症例で治療が開始されたが,途中での治療中断例もあった。自覚症状,胸部X線写真の経過,排菌状況からみた肺MAC症での治療に対する反応性良好例は約60%であった。【結論】全肺抗酸菌症中に占める肺非結核性抗酸菌症の比率は決して少なくないが,最適な治療方法が定まっておらず治療に対する反応が十分ではない。

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呼吸器学会研修医演題

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呼吸器学会・研修医

KT-01化学放射線療法後、7年目に急性呼吸不全にて死亡した肺扁平上皮癌の1例

福山医療センター 呼吸器内科西井  豪、丸川 将臣、米花 有香、八杉 昌幸、玄馬 顕一

【緒言】局所進展型非小細胞肺癌の治療は化学放射線療法が主体で長期生存が期待できるが、長期生存例での合併症はあまり知られていない。今回、我々は治療後7年して、急性呼吸不全にて死亡し、病理解剖を行い得た症例を経験した。【症例】72歳男性。血痰を主訴として来院。臨床診断は扁平上皮癌、ステージ3Aでシスプラチン、ドセタキセルのレジメンで、放射線治療を同時に行った。画像上CRで5年経過。その後も外来で年3回程度経過観察されていたが、7年目に入り、1週間続く咳、痰、呼吸苦で救急入院。画像にて肺炎が疑われ、入院後種々抗生剤と抗真菌剤を使用するも呼吸不全が進行し、約1週間の経過で死亡された。肺野病変と7年前の治療との関係など臨床上の疑問の解決のため病理解剖が施行された。結果は細菌、真菌による肺化膿症と原発巣の再発であった。【考察と結語】化学放射線治療後、7年目に原発巣の再発と肺化膿症にて死亡された肺扁平上皮癌の1例を経験した。文献的には、経過中の肺感染症や二次発癌が致命的となり得るとされているが、今後同様の治療にて増加するであろうサバイバーの経過を追う上で貴重な症例と考えられ、考察を加え報告する。

KT-02肺腺癌に副腎褐色細胞腫を合併し診断に苦慮した1例

広島大学病院 呼吸器内科山路 貴之、檜垣 直子、大月 鷹彦、中島  拓、岩本 博志、石川 暢久、藤高 一慶、春田 吉則、村井  博、服部  登、河野 修興

症例は76歳、男性。X−1年6月より咳嗽を自覚し、8月の検診胸部X線にて異常影を指摘された。CTにて右肺上葉に腫瘤影、右副腎腫大を認め、FDG-PETで両病変に異常集積を認めた。精査の結果cT1aN0M1b 4期肺腺癌としてCisplatin+Pemetrexed 4コース施行した。化学療法後、肺病変は縮小を認めたが、副腎は不変であった。副腎に関し、経過中に褐色細胞腫を疑わせる症候はなく、MRI(Chemical shift imaging)では腺腫を示唆する所見はなかったが、血中・尿中カテコラミンが軽度高値であったため褐色細胞腫の可能性が示唆された。二期的に手術を行う方針となり、X年2月に腹腔鏡下右副腎摘除術を行い、褐色細胞腫の診断を得た。次いで4月に右肺上葉切除術を行い、経過良好である。肺癌副腎単発転移症例については外科的切除を推奨する報告が散見される。また、本症例のように褐色細胞腫と転移性副腎腫瘍の鑑別に難渋し、切除により確定診断が得られ、良好な転帰をとり得る例もある。文献的考察を含め副腎腫瘍とその鑑別について検討する。

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呼吸器学会・研修医

KT-03化学療法が長期に奏効したstageⅣ ROS1陽性肺癌の1例

香川大学医学部 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科喜多 信之、石井 知也、田所  明、渡邊 直樹、金地 伸拓、坂東 修二、松永 卓也

症例は49歳、軽喫煙者、女性.2007年12月の検診で左下肺野に陰影を指摘され、胸部CTで舌区に不整形陰影と両肺に多発する結節影を認めたため当院に紹介となった.気管支鏡下擦過細胞診で腺癌を同定し、EGFRはwild typeであり病期はcT2aN0M1b,stageⅣと診断した.初回化学療法としてCBDCA+DTXを施行し、治療効果はPRであった.その後EGFR-TKIやDTX、GEMなどの単剤治療を行い、2010年3月からbevacizumabも使用したがいずれも短期間でPDとなった.2010年11月からはCBDCA+PEM併用療法で腫瘍の縮小が認められ、その後PEM単剤で21コースにわたり長期に維持療法が可能であった.この治療経過中に新たにALK、RETおよびROS1遺伝子異常について検索した結果、SDC4-ROS1融合遺伝子が陽性であることが判明した.これまで報告されたROS1陽性肺癌の臨床的特徴としては、組織型は腺癌であり、若年者、非喫煙もしくは軽度喫煙者が多いと報告されているが、化学療法感受性については知られていない.本症例は化学療法により5年以上の生存が認められていることから、ROS1陽性肺癌の化学療法感受性が良好である可能性が示唆された.

KT-04各転移臓器において単独の組織像を呈した混合型小細胞肺癌(小細胞癌および扁平上皮癌)の一剖検例1)社会医療法人近森会近森病院 内科、2)社会医療法人近森会近森病院 呼吸器内科、3)社会医療法人近森会近森病院 消化器内科、4)社会医療法人近森会近森病院 病理診断部大川 良洋1)、梅下  仁1)、荒川  悠2)、中岡 大士2)、青野  礼3)、橘  知佐4)、円山 英昭4)

【緒言】混合型小細胞肺癌は非小細胞肺癌の組織成分が含まれる小細胞肺癌の亜型であり、小細胞癌の2%から28%程度の頻度とされている。【症例】69歳男性。【主訴】労作時呼吸困難。【現病歴】アルコール性肝硬変にて当院に通院中であった。入院する一か月前より労作時息切れが出現し2012年4月に入院となった。入院時の胸部CTでは右胸水貯留と右胸膜肥厚を認めた。胸水穿刺とCTガイド下の胸膜針生検を施行した結果、悪性細胞は認めたが組織型の同定は困難であった。高度な肝硬変が基礎疾患として在りPS不良であったこと等から全身化学療法は適用できず、入院から約一か月の経過で死亡した。死後の病理解剖では右肺下葉に原発巣と思われる腫瘍性病変を認め、組織学的に混合型小細胞肺癌(小細胞癌および扁平上皮癌)と診断した。多臓器に転移巣を認めたが各臓器に混合型の成分である組織型がそれぞれ個別に存在する傾向が見られた。【考察】本症例のように各転移巣において個別の組織像が存在する場合は生検部位によっては非小細胞肺癌と診断され適切な治療に結びつかない可能性が示唆された。若干の文献的考察を加え報告する。

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KT-05経過中に頭蓋内出血をきたした肺絨毛癌の1例

1)独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器外科荒木 佑亮1)、吉田  敬1)、難波 将史1)、北原 良洋1)、坪川 典史2)、原田 洋明2)、山下 芳典1)、中野喜久雄1)

脳転移をきたした絨毛癌の症例は予後不良であることが知られている。今回、血痰を契機に発見された絨毛癌が多発脳転移をきたしたが、良好な治療経過をたどっている1例について報告する。【症例】30歳女性。2011年11月に帝王切開で出産。2012年1月に血痰を主訴に前医を受診。胸部CTで右上葉、左上下葉に結節影を認め、PET-CTでは同部位に異常集積を認めたため当院に紹介。気管支鏡検査では悪性所見を認めなかったが、同年4月に右上葉切除術を施行し、絨毛癌と診断された。化学療法の施行を予定していたが、5月11日にくも膜下出血をきたし、5月20日には脳出血をきたした。脳転移を疑う所見は認めなかったが血管の脆弱性が考えられ、保存的加療を行った。5月29日より化学療法

(EMACO療法)を開始。4コース施行し、hCGは低下し、原発巣は縮小傾向であったが9月にhCGの上昇と脳出血を認めた。頭部造影CTで多発脳転移が疑われた。脳転移巣に対してはガンマナイフ療法を施行し、その後も化学療法を行い、hCGは正常化し、肺病変の増大なく良好な経過をたどっている。

KT-06肺の炎症性偽腫瘍の1症例

1)国立病院機構独立行政法人岩国医療センター 胸部外科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科、3)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 臨床検査科高橋 里沙1)、杉本龍士郎1)、片岡 和彦1)、下田 篤史1)、久山 彰一2)、能島 大輔2)、中西 将元2)、梅野 貴裕2)、山崎 理恵3)

炎症性偽腫瘍とは比較的まれな疾患で、炎症細胞と間葉系細胞からなる腫瘤性病変であり、時に遠隔転移・再発を来すことがある良悪性中間型腫瘍である。今回我々は肺癌との鑑別が困難で肺切除後に炎症性偽腫瘍と診断した1例を経験したので報告する。症例は63歳、男性。2012年11月に心房細動に対するカテーテルアブレーション治療の際右肺中葉S5に21×16mmの造影効果を有する充実性の結節影を認め肺癌を疑った。気管支鏡検査を施行しB5の狭窄を来す表面平滑な病変が観察されたが生検では診断に至らなかった。頭部MRI、PET-CTでは明らかな他臓器転移を認めず、SUVmax 2.9と軽度の集積であったが肺癌も否定できず、診断的加療目的に、2013年2月手術を施行した。病変は中枢側に存在したため部分切除は困難と判断し胸腔鏡下右中葉切除術を施行した。組織学的には線維性結合織を背景に、異型性の目立たない形質細胞やリンパ球が集簇しており、免疫染色の結果と合わせ炎症性偽腫瘍と診断された。炎症性偽腫瘍は近年IgG4との関連が報告されているが、本症例では血清IgG4低値、IgG4陽性形質細胞の浸潤も少なくIgG4との関連性は示唆されなかった。

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KT-07primary pulmonary follicular lymphoma with marginal differentiationの1例1)愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター、2)愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座松本 清香1)、片山  均2)、加藤 高英2)、濱田 千鶴2)、加藤 亜希2)、三好 誠吾2)、伊東 亮治2)、大蔵 隆文2)、檜垣 實男2)

症例は40歳,女性.検診で胸部異常影を指摘され受診した.胸部CTで両肺野にすりガラス陰影を認め,PETですりガラス陰影に一致したFDGの取り込みを認めた.陰影が改善しないため初診から3か月後に胸腔鏡補助下肺生検を行った.生検組織では1mm大の腫瘍結節が散在性にみられ,結節同士はほとんどは融合傾向がなく、脈管依存性に進展していた.これらの結節では小型から中型のlymphoid cellの増生を認めた.免疫染色ではCD79a,CD10およびCD20が陽性で,Bcl-2が陰性,CD3陽性細胞は散見されるものの,CD79a,CD20陽性細胞よりも少数であった.さらにBcl-6も陽性であり,CD21ではfollicular dendritic cell network形成がみられた.以上よりprimary pulmonary follicular lymphoma with marginal differentiationと診断した.無投薬で経過観察し,6か月後の胸部CTですりガラス陰影の改善を認めた.肺原発悪性リンパ腫は肺癌の1%未満,節外性リンパ腫の3.6%を占める稀な疾患である.これまでにprimary pulmonary follicular lymphoma with marginal differentiationの報告はなく貴重な症例と考えられた.

KT-08原発性肺癌との鑑別に苦慮した末梢性孤立性肺乳頭腫の1切除例

1)香川県立中央病院 初期研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科、3)香川県立中央病院 呼吸器内科、4)香川県立中央病院 病理部杉野 友亮1)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、青江  基2)、上田  裕3)、坂井健一郎3)、宮脇 裕史3)、間野 正平4)

症例:65歳女性。2012年検診で胸部異常陰影を指摘され、近医を受診。胸部CTにて右中葉の結節影を認め当院に紹介。胸部CTでは右肺S4に血管収束像、軽度の小葉間裂胸膜陥凹を有する12mm大の結節影を認めた。気管支鏡検査では細胞診陰性で、確定診断には至らなかったが、画像所見上悪性が疑われたため胸腔鏡手術を施行。術中穿刺吸引細胞診では疑陽性であったが、位置的に楔状切除は困難であり、引き続き完全鏡視下中葉切除を施行。迅速病理組織検査では良悪性の鑑別は困難であったため、縦隔リンパ節郭清は行わず手術を終了とした。腫瘍は肉眼的に15mm×10mmの白色調の病変であり、病理組織学的に異型性の乏しい気道上皮(多列円柱上皮)の乳頭状増生と豊富な炎症細胞浸潤、粘液貯留を認め、最終的に乳頭腫、Schneiderian typeと診断した。考察:肺乳頭腫は肺の良性腫瘍であり、多発性と孤立性とに分類される。その中で末梢発生の孤立性乳頭腫は稀であり、画像所見や生検、術中所見による肺癌との鑑別は困難である。局所再発や遠隔転移の報告はないが、境界悪性を示す組織像を呈することがあり、腫瘍の完全切除を基本方針として臨むべきである。

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KT-09下気道感染症状の出現を契機に診断されたGood症候群の1例

1)岩国市立本郷診療所 内科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科、4)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科田中瑛一朗1)、大石 景士2)、村田 頼之2)、坂本 健次2)、大藤  貴2)、尾形 佳子2)、宇都宮利彰3)、岸野 大蔵3)、片山 英樹3)、近森 研一3)、青江 啓介3)、前田 忠士3)、林  達朗4)、田尾 裕之4)、岡部 和倫4)、上岡  博1)

症例は60歳代男性。200X年より発熱、湿性咳嗽、体重減少が出現し軽快増悪を繰り返していた。近医で胸部異常影を指摘され当院に紹介となった。胸部CTでは前縦隔に90mm大の腫瘤影を認め、辺縁は比較的平滑で内部に石灰化が見られた。また、両肺下葉には気管支壁肥厚や小粒状影が見られた。前縦隔腫瘍に対して生検を行い胸腺腫と診断し、胸腺摘出術を行った。病理診断ではType AB胸腺腫

(WHO分類)であり、正岡分類II期の胸腺腫と診断した。術後1カ月で放射線治療を開始したが、湿性咳嗽や発熱などの下気道炎症状を繰り返した。血清TP 5.8g/dlと減少しており、Good症候群を疑い検査を行ったところ、血清IgG,IgA,IgMがいずれも低値であり、Good症候群と診断した。また、B細胞系の表面マーカーであるCD19陽性細胞とCD23陽性細胞も低下していた。本例は、30Gyの放射線治療の後に免疫グロブリン補充療法を開始し、以後は下気道炎の増悪なく経過良好である。胸腺腫に合併した低γグロブリン血症をGood症候群と呼び、本邦では胸腺腫の0.2~0.3%に合併する稀な症候群である。今回我々は胸腺腫の術後に診断したGood症候群の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

KT-10局所麻酔下胸腔鏡による掻爬とドレナージが有用であった癌性胸膜炎の1例

1)愛媛大学医学部附属病院 臨床研修センター、2)愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学武内三希子1)、伊東 亮治2)、加藤 高英2)、濱田 千鶴2)、加藤 亜希2)、三好 誠吾2)、片山  均2)、大蔵 隆文2)、檜垣 實男2)

症例は64歳男性。1年前に中咽頭癌に対して放射線化学療法を施行された。1カ月前に労作時呼吸困難感を自覚した。近医受診し左胸水と左肺圧排性の虚脱を指摘され当院を紹介受診した。癌性胸膜炎と判断し、入院の上左胸腔ドレーンを挿入した。胸水は挿入当日400ml排液されたが、その後陰圧吸引を行ってもほとんど排液できず肺の虚脱も改善しなかった。胸腔内観察目的に入院第3日に局所麻酔下胸腔鏡検査を施行した。胸腔内はフィブリンの隔壁形成を認めた。生検鉗子を用いてフィブリン隔壁を破壊して各コンパートメント間の交通を図った。処置後、ドレナージは良好になり肺は拡張し呼吸器症状の改善を認め胸膜癒着術を施行しドレーン抜去、入院第14日に退院した。フィブリン隔壁形成による胸水排液困難例に対しては全身麻酔下で処置する事が一般的であるが、胸腔内観察を行い高度な胸膜癒着や血管増生がない場合には局所麻酔下でも安全に施行できると思われる。

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KT-11肺野病変が先行したIgG4関連疾患の1例

1)倉敷中央病院 教育研修部、2)倉敷中央病院 呼吸器内科、3)倉敷中央病院 病理検査科横田恵里子1)、池田  慧2)、有田真知子2)、能登原憲司3)、石田  直2)

症例は70歳女性。気管支喘息で当科外来通院中であり、2009年8月中旬に胸部CTで右下葉の小結節影を指摘されるも経過観察されていた。2012年11月初旬にCTで肺野の多発結節影と胸膜直下・葉間胸膜上の小粒状影、両側縦隔・肺門・左腋窩リンパ節腫大、および膵腫大が出現し、PET-CTで同部位にFDG集積を認めた。血清IgG4 950mg/dlと高値であり、2012年12月初旬より両側顎下腺腫大も出現したため、IgG4関連疾患を疑い2013年3月中旬に左顎下腺生検を施行した。唾液腺小葉へのIgG4陽性形質細胞の浸潤と花筵状の線維化を認め、IgG4関連疾患と診断した。2013年4月初旬よりプレドニゾロン25mgで治療を開始した。IgG4関連疾患は、血清IgG4の上昇と組織へのIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする全身性疾患であり、ステロイドによる治療がきわめて有効である。本症例では多発結節影と胸膜直下・葉間胸膜上の小粒状影、多発リンパ節腫大を認め、画像上、広義間質を首座とする病変との鑑別を要した。IgG4関連疾患の肺病変は、リンパ増殖性疾患などの鑑別疾患と予後や治療法・治療反応性が大きく異なるため、確定診断のために積極的に組織学的検査を検討すべきである。

KT-12TBLB、CTガイド下肺生検では確定診断に至らず、外科的肺生検にて診断し得たWegener肉芽腫症の1例独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科田原 正浩、荒木 佑亮、難波 将史、北原 良洋、吉田  敬、中野喜久雄

症例は40歳男性、現喫煙者(10本/日×26年)。2か月前より咳嗽と血痰が出現し、増悪傾向を認めたため近医を受診した。胸部単純X線写真にて異常陰影を指摘され当科紹介受診となった。胸部単純CT検査にて、両肺野に空洞を伴う多発結節影および腫瘤影を認め、病変部にはFDG-PETにてSUVmax 4.8~7.3のFDG集積を認めた。原発性肺癌を疑い、経気管支肺生検およびCTガイド下肺生検を施行したが、確定診断に至らなかった。確定診断を目的として、胸腔鏡下にて結節影の存在する右中葉部分切除を施行した。病理組織学的に地図上壊死や血管炎、柵状肉芽腫、多核巨細胞を認め、Wegener肉芽腫症に矛盾しない病理所見と考えた。PR3-ANCAは陰性であった。認定基準と照らし合わせて限局型Wegener肉芽腫症(疑い)、重症度分類1度と診断した。PSL 60mg/日とシクロフォスファミド100mg/日による寛解導入療法を開始したところ、咳嗽と血痰の改善を認め、空洞性病変も縮小した。現在PSLは20mg/日まで減量しているが、疾患の再燃は認めていない。

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KT-13経皮膚感作による米依存性運動誘発アナフィラキシーの1例

川崎医科大学 呼吸器内科吉原 史矩、尾長谷 靖、松田 宗也、八十川直哉、堅田 洋佑、橘高  誠、黒瀬 浩史、池田 征樹、阿部 公亮、清水 大樹、大植 祥弘、毛利 圭二、加藤 茂樹、小橋 吉博、岡 三喜男

[はじめに]職業性アレルギーは社会的問題の一つである。[症例]24歳女性。既往歴にアトピー性皮膚炎がある。20xx年x月x日、夕食後のウォーキング中に両側手甲の掻痒感と呼吸困難が出現し救急外来を受診した。その数日後にも同様な症状が出現した。1年前に実家の精米所勤務を始めて約4ヶ月後頃より両側手首や首周りのアトピー性皮膚炎の増悪に気づいていた。2度のアナフィラキシー症状はいずれも運動中に出現し、その約1時間前に1度目はカレーライス、2度目はハヤシライスと米食を多く摂取していた。コメ抗原皮内テストは陰性であったが、コメIgE-RASTは陽性であった。数か月のコメ食制限中には運動による症状出現は認めなかった。米食負荷後運動誘発試験は陰性であったが、自宅での米食30分後のストレッチ運動で再び全身蕁麻疹と喉頭違和感が出現し米依存性運動誘発アナフィラキシーと診断した。米食緩和(100g)と運動までの時間を4時間空けることと、職場の配置転換で再発していない。米特異的IgGおよびIgG4は経時的に上昇してきている。[考察]アレルギー抗原は多岐にわたり、経皮膚感作も近年重要視されている。コメ抗原による職業性アレルギーは比較的まれであり報告する。

KT-14両側部分無気肺を合併したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の1例1)鳥取大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター、2)鳥取大学医学部 分子制御内科、3)鳥取大学医学部 病態検査学川谷 冴子1)、藤井 政至1)、岡崎 亮太2)、舟木 佳弘2)、岡田 健作2)、唐下 泰一2)、長谷川泰之2)、鰤岡 直人3)、清水 英治2)

症例は51歳女性。49歳より気管支喘息にて近医加療されていた。2012年11月、人間ドッグで胸部異常陰影を指摘され近医で胸部CT検査施行。右中葉無気肺を認めており、同年12月当科紹介初診となった。末梢血好酸球増多および喀痰好酸球陽性。気管支鏡検査施行し、右中葉支および左上区支入口部で気道粘膜の浮腫状腫脹による気道狭窄と黄白色調の粘液栓を認めた。粘液栓の培養検査からAspergillus fumigatusが検出。ABPAが疑われたが、血清総IgE抗体上昇なくアスペルギルス沈降抗体は陰性であった。2013年1月中旬より労作時呼吸困難増強あり。同月下旬に近医受診し胸部CT検査施行すると左上葉無気肺も合併しており当科紹介入院。再度気管支鏡検査施行し、左上葉支入口部から気道粘膜の浮腫状腫脹と粘液栓を認めていた。同部位から気管支生検を行い病理学的に気道粘膜下に好酸球浸潤を認めていた。特異的アスペルギルスIgE抗体が弱陽性を示し、ABPAと診断してステロイド治療およびVoriconazole併用で加療開始したところ速やかに症状および両側無気肺は改善を示した。両側部分無気肺を合併し診断に苦慮したABPAの1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

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KT-15再発したスエヒロタケ(Schizophyllum commune)によるABPM(allergic bronchopulmonary mycosis)の1例1)県立広島病院 呼吸器内科・リウマチ科、2)高知大学医学部 血液・呼吸器内科学、3)千葉大学真菌医学研究センター 臨床感染症分野奥本  穣1)、岩村 紋子1)、吉岡 宏治1)、谷本 琢也1)、前田 裕行1)、土井 正男1)、桑原 正雄1)、宮本真太郎2)、亀井 克彦3)

症例は67歳,女性。1998年より毎年秋から冬に咳嗽、喀痰が出現した.2002年12月胸部CT検査にて右S4のmucoid impaction像が指摘され、気管支鏡下で採取した気管支洗浄液からスエヒロタケ

(Schizophyllum commune)が培養・同定された.スエヒロタケに対する特異的IgG抗体は陰性であったが,気管支洗浄液および粘膜組織所見からスエヒロタケによるABPM(allergic bronchopulmonary mycosis)を疑い経口・吸入ステロイド治療と局所・全身抗真菌剤治療を行った.同年7月末に画像所見と呼吸器症状は改善し,12月には抗真菌剤治療も終了した.2013年4月,咳と胸部異常陰影を主訴に当科を再度受診した.胸部CTにて左S1+2の浸潤影と右S4の気管支拡張像を認めた.喀痰からスエヒロタケ菌糸を検出し,血液検査ではスエヒロタケに対する特異的IgG・IgE抗体価も高値であった.左S1+2の陰影がmucoid impactionへ変化したため,スエヒロタケによるABPM再発と診断した.同年7月より経口・吸入ステロイド治療と抗真菌剤治療を開始した.同年9月には咳はなくなり,左S1+2の陰影も消失した.スエヒロタケによるABPMの再発症例はまれであるため文献的検討を加え報告した.

KT-16薬剤性血管炎として経過観察中、間質性肺炎増悪と尿潜血陽性を契機に顕微鏡的多発血管炎の診断に至った1例1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科篠原 孝宏1)、大石 景士1)、村田 頼之1)、坂本 健次1)、大藤  貴1)、神徳  済1)、尾形 佳子1)、宇都宮利彰2)、原田 千尋2)、岸野 大蔵2)、片山 英樹2)、近森 研一2)、青江 啓介2)、前田 忠士2)、上岡  博1)

77歳男性。4年前、心筋梗塞を発症し他院へ入院された際に胸部CTで両肺底部優位のGGO、網状影を指摘された。呼吸器症状は呈しておらず、肺病変は無治療経過観察されていた。1年前、両肩筋痛、微熱、体重減少が出現し血管炎が疑われ、MPO-ANCA陽性(15.3U/ml)が判明した。内服していたクロピドグレルとピタバスタチンを中止すると、症状が消失したため、薬剤性血管炎と診断され経過観察となった。2ヶ月前より咳嗽と右季肋部痛、体動時呼吸困難感が出現し、精査目的に当院紹介となった。胸部CTで新たな浸潤影が見られ、MPO-ANCA上昇(73.9U/ml)、尿潜血陽性、炎症反応上昇を認めた。経気管支肺生検を行った結果、器質化肺炎と肺出血の所見であった。以上より、薬剤性血管炎は否定的で臨床的に顕微鏡的多発血管炎(MPA)と診断し、ステロイドによる治療を開始した。本症例は当初、薬剤性血管炎として矛盾せず経過観察により改善したが症状再燃を契機にMPAの診断に至った症例である。MPAは治療介入が遅れると重篤な肺障害・腎障害に至る可能性があり、ANCA陽性で非典型的な経過を辿る症例には精査を行い診断を再考することの重要性を再認識した。非常に教訓的な症例であり報告する。

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KT-17ダサチニブが原因と考えられた薬剤性肺障害の1例

1)高知大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター、2)高知大学医学部附属病院 血液・呼吸器内科荻野 慶隆1)、穴吹 和貴2)、高岡 誠人2)、金  月恵2)、酒井  瑞2)、河瀬 成穂2)、宮本真太郎2)、大西 広志2)、窪田 哲也2)、横山 彰仁2)

【症例】65歳、女性。【主訴】労作時呼吸苦。【現病歴】1996年に慢性骨髄性白血病と診断し、化学療法を施行していた。2001年からイマチニブを導入したが、2010年に耐性化したためダサチニブに変更した。2012年7月に労作時呼吸苦を訴え、胸部CTで右胸水貯留と散在するスリガラス影を認めた。血清KL-6:555U/mlと高値、サイトメガロウイルス抗原陰性、βDグルカン陰性であった。ダサチニブによる薬剤性肺障害を疑い休薬したところ、胸水貯留は改善したが、スリガラス影は増悪した。気管支肺胞洗浄液中のリンパ球比率が78.9%と著明に上昇しており、症状も持続していたので、プレドニン0.5mg/kgで治療を開始した。治療開始後2週間でスリガラス影は軽減し、呼吸苦もなくなったので、ステロイドを漸減中止した。以降再発は認めていない。【考察】ダサチニブが原因と考えられる胸水貯留と肺障害の1例を経験した。ダサチニブによる薬剤性肺障害は、投与開始から発症までの期間が長期なものも少なくない。ダサチニブ服用中の患者は、肺障害の出現の有無を長期にわたり注意していく必要がある。

KT-18防水スプレー吸入により発症したFibrinofibrous organizing pneumoniaの1例住友別子病院伊藤明日香、二宮  崇、勝田 知也、洲脇 俊充、亀井 治人

症例は54歳,男性。平成○年7月29日の13時頃,窓を締め切った部屋でカッパに防水スプレーをかけた。その夕方頃から,咳,微熱(37.0℃),呼吸困難感を自覚。翌7月30日に38.2℃の発熱あり,近医受診。気管支炎としてCAM処方されるが,改善なく,7月31日に同医を受診,胸部単純X線にて両肺に間質影を認め,当院紹介となる。初診時,体温 36.9℃,SpO2 89%(RA),胸部単純X線,CTにて両肺びまん性に間質影を認め,入院とした。数日経過を観るも改善傾向にないため,気管支鏡検査施行。BALにてMφ 80%,Nt 7%,Eo 7%,Ly 6%,TBLBでは線維素の析出を伴う器質化肺炎の所見であり,ステロイドが有効と考え,mPSL 2mg/kg開始。酸素化,画像所見の改善は認めるものの効果不十分のため,mPSLパルス療法に変更したところ,著明な改善あり,計4コース施行後,漸減,中止とした。防水スプレー吸入によると思われる急性肺障害(Fibrinofibrous organizing pneumonia)に対してステロイドが有効であった症例を経験したので報告した。

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KT-19Hermansky-Pudlak症候群と考えられた一剖検例

独立行政法人国立病院機構岡山医療センター 呼吸器科松浦 郁子、頼  冠名、槇本  剛、亀山 伸久、渡邉 洋美、佐藤  賢、藤原 慶一、柴山 卓夫、米井 敏郎、佐藤 利雄

症例は59歳 女性。間質性肺炎として2007年から外来にて加療中であった。呼吸状態が徐々に増悪するためステロイド導入の後、2012年2月からHOT導入していたが、1ヶ月前からの呼吸困難の増悪が改善しないため来院した。来院時頸部周囲の皮下気腫、縦隔気腫を認め、O2 マスク5l/min吸入下でSpO2 92%であり、緊急入院となった。入院後、非侵襲的陽圧換気療法、ハイフロー経鼻カテーテルを用い酸素化を維持し、保存的に加療したところ、皮下気腫、縦隔気腫は改善した。間質性肺炎の緩徐な増悪をを来したため、ステロイドに加えピルフェニドンを併用したが改善に乏しく、さらに免疫抑制剤、N-アセチルシステイン内服を併用したが、ほぼ一貫して画像所見、呼吸状態ともに増悪傾向であった。内科的加療は限界であり、脳死肺移植登録を目指していたが入院約2ヶ月後に急性増悪を来たし永眠された。なお、白皮症、茶髪、弱視を認めており、両親はいとこ婚であった。剖検、組織学的所見などより本邦では稀なHermansky-Pudlak症候群と考えられたため報告する。

KT-20当科にて経験したインフルエンザウイルス感染後の二次性肺炎の検討

広島市立安佐市民病院香川真由子、菅原 文博、小川 喬史、渡部 雅子、風呂中 修、北口 聡一

背景:インフルエンザウイルス感染後に二次性細菌性肺炎が発症しやすくなることは広く知られている。2012/13シーズン、当科でもインフルエンザウイルス感染後の肺炎で入院を必要とする症例を多数経験した。対象:2013年1月~3月に当科で治療を行ったインフルエンザウイルス感染後の肺炎症例7例を検討した。結果:男性5例女性2例で、年齢は72~96歳(平均80.1歳)、在院日数は6~34日(平均14.6日)であった。全例がインフルエンザA型に感染し、5例がオセルタミビル、2例がラニナミビルを前医で投与された。うち2例は入院後ペラミビルの追加投与を行った。肺炎の原因は肺炎球菌4例、誤嚥2例、不明が1例であった。抗生剤はABPC/SBTが4例に使用され、CTRXが1例、PCGが1例 PAPM/BPが1例に投与された。うち3例でステロイドが併用された。全例で酸素投与が必要となり2例はNPPVを使用し、1例が死亡した。結論:高齢者の二次性細菌性肺炎は重篤化しやすく入院加療を要する事が多い。その原因菌は肺炎球菌が多く、高齢者ではインフルエンザワクチンの接種と供に肺炎球菌ワクチンの接種も必要である。

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呼吸器学会・研修医

KT-21肺放線菌症の1手術例 -当科自験例4例の検討-

1)倉敷中央病院 教育研修部、2)倉敷中央病院 呼吸器外科中園 千晶1)、奥村 典仁2)、入江 真大2)、山科 明彦2)、栢分 秀直2)、松岡 智章2)、亀山耕太郎2)

<はじめに>肺放線菌症は比較的稀な疾患とされ、Actinomycesを起因菌とする慢性化膿性肉芽腫性疾患である。今回我々は肺癌の疑いで手術を施行し、術後病理診断で肺放線菌症の診断を得た1例を経験したので自験例4例の検討も含めて報告する。<症例>65歳、男性。健診で胸部レントゲン異常を指摘され、血痰も見られたため胸部CTを撮像し左下葉に27mm大の結節を認めた。さらに右中葉結節と他肺葉に複数の小結節を認め、同時性多発肺癌の疑いで当科紹介となった。その後短期間でCT上右中葉の陰影は縮小しており炎症性疾患も疑われたが肺癌の可能性も否定できず、胸腔鏡下左下葉部分切除術を施行し術後病理診断の結果、肺放線菌症と診断された。現在外来にてAMPC投与を行っているが術後3ヶ月の現在再発を認めていない。<考察>当科での4例はいずれも血痰、喀血が見られていたが術後に全例消失した。画像所見は結節影であり、肺放線菌症の特徴とされるcentralLAAを2例に認めた。術前診断は1例は術前の気管支洗浄液の培養で肺放線菌症と診断されたが、その他は未診断で手術が施行され全例術後病理診断にて確定診断が得られた。4例とも術後AMPC投与が行われ再発なく経過している。

KT-22fluconazole耐性であった肺クリプトコックス症の1例

JA広島総合病院林  晴奈、徳毛健太郎、山岡 千尋、若林  優、河野 秀和、近藤 丈博

症例:70歳代男性。主訴:咳嗽。現病歴:3日前からの咳嗽・全身倦怠感を主訴に当科を受診した。尋常性天疱瘡で皮膚科通院中であり、プレドニゾロン5mg/dayを内服していた。また鶏糞を使用する職業に従事していた。胸部X線写真・胸部CTにて左中下肺野に多発性結節影を認め、クリプトコッカス抗原1024倍と高値であった。さらにBALF培養、TBLBにてCryptococcus neoformansを検出し、肺クリプトコックス症と診断した。導入治療としてF-FLCZ静注を開始したが、胸部X線写真において陰影が増悪したため、F-FLCZ無効例とし、L-AMPH-Bに変更した。治療開始8日目には腎機能障害が出現したためL-AMPH-Bを減量し、陰影改善が乏しかったため、治療開始16日目には5-FCを加えた。その後、胸部陰影は徐々に改善を認めた。治療開始31日目にVRCZによる維持治療に移行した。考察:本例は肺クリプトコックス症としては典型的で診断は比較的容易であった。FLCZに耐性を示す例は少ないと考えられているが、本例は耐性を認めた症例であり、文献的考察を加えて報告する。

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呼吸器学会・研修医

KT-23胸腔鏡下肺部分切除術により診断された肺犬糸状虫症の1例

1)国立病院機構岡山医療センター 呼吸器科、2)国立病院機構岡山医療センター 呼吸器外科中須賀崇匡1)、藤原 慶一1)、渡邉 洋美1)、槇本  剛1)、亀山 伸久1)、松下 瑞穂1)、頼  冠名1)、奥谷 大介2)、佐藤  賢1)、柴山 卓夫1)、米井 敏郎1)、安藤 陽夫2)、佐藤 利雄1)

症例は72歳男性.検診で胸部異常陰影を指摘され当科紹介受診となった.胸部X線では右中肺野外側に結節影を認め,CTでは右上葉に境界明瞭で一部分葉し,わずかに静脈の引き込み像を伴った結節影を認めた.PET-CTでは同部位辺縁部へのFDGの軽度集積が見られた.2011年11月に気管支鏡下腫瘍生検を行ったが十分な検体量が得られなかった.また,12月に施行したCTガイド下生検では悪性所見は認めず,確定診断にも至らなかった.その後結節影の大きさは不変のまま経過したが,悪性の可能性も否定出来ないため2012年12月に胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.結節は大部分が壊死からなり,中央部の動脈内に寄生虫の虫体を認めた.宮崎大学医学部に血清診断を依頼したところ,犬糸状虫に対する抗体反応が陽性であり肺犬糸状虫症と診断した.犬糸状虫症は蚊を媒体にして犬より感染するとされており肺寄生が多い.肺癌や肺結核等の疑いにて切除され,病理学的に犬糸状虫寄生によるものであると判明する例が少なくない.本症例でも内科的に診断が得られず外科的切除により診断をした一例である.フィラリア感染歴のある犬を飼育していたことがあり,発症に関与している可能性が示唆された.

KT-24細菌性肺炎との鑑別が困難であった、A型インフルエンザに合併した致死的肺胞出血の1例独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器内科小田 真司、荒木 佑亮、難波 将史、北原 良洋、吉田  敬、中野喜久雄

症例は57歳女性。精神発達遅滞にて施設入所中であったが、軽度の甲状腺機能亢進症を有する以外に特記すべき既往歴はなかった。2013年X月Y日より38℃台の発熱を認め、翌日近医を受診。A型インフルエンザと診断され、同日よりオセルタミビル内服を開始した。しかし、その後も発熱は継続し低酸素血症も認めたため、X月Y+5日に当院紹介搬送となった。来院時、38.8℃の発熱と、リザーバーマスクを用いた酸素投与(10L/min)下でPaO2 30 Torrと著明な低酸素血症を呈していた。胸部CTで両肺野に広範な浸潤影を認め、血液検査ではCRP、SP-Dの上昇を認めた。インフルエンザに合併した、両側の細菌性肺炎による急性呼吸不全と診断した。ラピアクタに加え、メロペネム、パズフロキサシンの投与を開始し、NPPVの急性期導入による呼吸管理を行ったが、両肺野の浸潤影は急速に拡大し、呼吸不全は増悪した。シベレスタットナトリウムとステロイドパルス療法も併用したが、X月Y+13日に死亡した。剖検にて、肺胞出血、びまん性肺胞障害の病理所見を認めた。肺胞出血を合併し、死亡に至ったA型インフルエンザ肺炎の一例を、若干の文献的考察を含め報告する。

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KT-25急速に増大する腫瘤影を呈した肺M.avium症の1例

川崎医科大学附属病院 呼吸器内科岡本 公志、橘高  誠、小橋 吉博、堅田 洋佑、松田 宗也、八十川直哉、池田 征樹、黒瀬 浩史、阿部 公亮、清水 大樹、大植 祥弘、毛利 圭二、尾長谷 靖、加藤 茂樹、岡 三喜男

【症例】66歳、男性。COPDとイ草塵肺で外来通院していた。6ヵ月前の胸部CTでは明らかな異常はなかったが、今回のCTで左上葉の気腫性病変の周囲に新たな腫瘤性病変を認めた。検査所見では、炎症反応が陰性で、QFT陰性、CEA上昇、アスペルギルス抗原陽性であった。気管支鏡検査を行い、M.aviumが検出されたものの、組織学的には塵肺の所見しかなく、悪性疾患や真菌感染症も否定できなかったため、CTガイド下生検を実施した。その結果、組織学的に乾酪壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫を認め、抗酸菌も陽性であったため、肺M.avium症と最終診断した。

【考察】本症例は半年間で急速に増大する腫瘤影(孤立結節型)を呈したため鑑別診断に苦慮したが、近年、こうした孤立結節型の肺非結核性抗酸菌症の症例も散見するようになっており、当施設で経験した症例をふまえ、文献的考察を加えて報告する。

KT-26発育障害による短身長の症例における気管切開呼吸補助の問題点とその解決策

1)香川県立中央病院 初期臨床研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科、3)香川県立中央病院 呼吸器内科、4)香川県立中央病院 看護部、5)香川県立中央病院 臨床工学科、6)香川県立中央病院 理学療法科瀬戸  司1)、須藤 雄也1)、小林 泰幸1)、青江  基2)、坂井健一郎3)、中村 明世4)、村井 由佳4)、松田  彩4)、橋本 真理4)、山下 和良5)、堀井 孝弘5)、入谷 信行5)、山田 耕平6)、桑嶋 博史6)、多田 善則6)

症例は、31歳女性。出生時の低酸素脳症から重度精神発達遅延、慢性呼吸不全状態で、繰り返す誤嚥性肺炎により気管食道離断術、永久気管口が造設されている。在宅で酸素療法を行っていたが、CO2ナルコーシスのため当院救急搬送された。気管切開カニューレに変更し、人工呼吸器による呼吸補助を開始したが、気管切開口−気管分岐部の距離が短く、通常の長さのカニューレでは片肺換気となる。カニューレの先端を切るとカフが使えなくなり、陽圧換気が出来なくなるため、気管切開口に褥創予防のスポンジを重ねて引いてかろうじて両肺換気を維持していた。しかし、今度はカフが気管切開口にかかり、徐々に気管切開口の拡張をきたしていた。そこで、気管切開カニューレをカフなしのものに変更し、人工呼吸器をBiPapVisonに変更。ST/T換気に変更した。気管切開口周囲より空気の漏れはあるものの換気は十分補助され、気管切開口周囲の潰瘍も軽快した。在宅用のTorilogyによるST/T換気に変更の後、在宅人口呼吸器管理に移行することが可能となり、退院することが出来た。NIPPVは、マスク換気のみだけでなく、気管切開下の換気にも有効であると思われた。

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呼吸器学会・研修医

KT-27アトピー素因を有し血清IgE高値を呈したサルコイドーシスの1例

広島大学病院 呼吸器内科大道和佳子、福原 和秀、益田  健、石川 暢久、藤高 一慶、春田 吉則、村井  博、服部  登、河野 修興

【症例】49歳 男性。【主訴】乾性咳嗽、仰臥位呼吸苦。【現病歴】幼少期からアトピー性皮膚炎と診断されていた。20歳頃からアレルギー性結膜炎、鼻炎も診断され、各科で治療を継続した。血清IgE値は異常高値(>2,000IU/ml)で推移した。2012年12月頃より乾性咳嗽が出現し、近医内科で気管支喘息として治療されたが治療抵抗性であった。同時期から仰臥位での呼吸困難が出現し、睡眠障害を呈した。2013年1月中旬に交通事故で救急治療を受けた際のCTで、両肺の多発小結節と全身性多発リンパ節腫大を指摘され、精査目的に当院を紹介受診した。【入院後経過】仰臥位呼吸困難のため、気管支鏡検査の施行は困難で、咽喉頭の観察のみ行った。咽喉頭は浮腫性に発赤腫脹し、声門の狭小化を認めた。鼠径リンパ節と皮膚の生検病理組織から、サルコイドーシスと診断した。プレドニゾロン内服を開始し、速やかに咳嗽は消失した。徐々に仰臥位呼吸困難及び睡眠障害も軽快した。強いアトピー素因を有する患者が発症したサルコイドーシスの稀な一例である。文献的考察をふまえ報告する。

KT-28サルコイドーシスの経過観察中に肺腺癌を合併した1例

1)徳島大学病院 卒後臨床研修センター、2)徳島大学病院 呼吸器・膠原病内科、3)徳島大学病院 呼吸器外科長瀬 紗季1)、豊田 優子2)、阿部 秀一2)、岸   潤2)、河野  弘2)、手塚 敏史2)、吉嶋 輝実2)、埴淵 昌毅2)、池田真由美3)、先山 正二3)、西岡 安彦2)

【症例】66歳女性。【主訴】胸部異常陰影。【既往歴】肺サルコイドーシス(X-2年)。【喫煙歴】なし。【現病歴】X-2年、検診にてBHLを指摘されて撮像した胸部CTで左S6のGGOと左S8の小結節影を認め、当院紹介となった。早期肺癌も疑われたがPET/CTでは縦隔と肺門リンパ節以外にはFDGの集積は認めず、気管支鏡にて肺サルコイドーシスと診断した。症状はなく、経過観察としていたがX年に撮像した胸部CTにおいて左S6のGGOがX-1年のCTと比較し、大きさに変わりはないが胸膜陥入像を伴う形態の変化がみられるようになった。肺癌の可能性などを考え、胸腔鏡下肺生検を行ったところ、術中迅速診断で腺癌と診断され、胸腔鏡下で左S6区域切除+左S8部分切除術が行われた。組織診断ではGGO内部のhigh density部分はサルコイドーシスの肉芽腫、その周辺の淡い陰影が肺胞を置換するように広がる肺腺癌(野口分類type B)であり、病期はpT1aN0M0 stage1Aだった。左S8の組織診断はサルコイドーシスに矛盾しなかった。

【結語】サルコイドーシスの肺病変は多彩な画像所見を示すが、本症例のように肺癌が混在する場合もあり、慎重な経過観察が必要である。

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KT-29左肺底動脈大動脈起始症の1例

1)鳥取県立中央病院 内科、2)鳥取県立中央病院 胸部外科心臓血管外科山本 章裕1)、陶山 久司1)、澄川  崇1)、浦川  賢1)、杉本 勇二1)、万木 洋平2)、前田 啓之2)

肺底動脈大動脈起始症は,正常な気管支肺胞構造を有する肺底区が,正常肺動脈を欠き,大動脈より血液供給を受け,正常肺静脈へ灌流する先天性奇形である.このような肺分画症Pryce I型の症例を肺分画症に分類せずに,肺底動脈大動脈起始症として独立した疾患ととらえるようになってきている.今回我々は大動脈から分岐した肺底動脈大動脈起始症を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する。症例は50歳代女性。くも膜下出血のため当院脳神経外科で脳動脈瘤頚部クリッピング術をうけた。術後に生じた乾性咳嗽を契機に当科紹介となり、胸部異常影を指摘された。胸部dynamic CTでは左肺下葉無気肺と大動脈から起始する異常血管を認めた。左肺底動脈大動脈起始症と診断し、当院胸部外科で左肺下葉切除術を施行した。

KT-30喀血で救急外来を受診した左肺底区動脈大動脈起始症(PryceΙ型肺分画症)の1例1)徳島県立中央病院 臨床研修医、2)徳島県立中央病院 呼吸器内科、3)徳島県立中央病院 外科、4)徳島県立中央病院 病理診断科飯間  努1)、葉久 貴司2)、田岡 隆成2)、稲山 真美2)、米田 和夫2)、松岡  永3)、広瀬 敏幸3)、住友 正幸3)、廣瀬 隆則4)

症例は75歳男性、20XX年3月、某刑務所入所中、突然喀血あり同日当院救急外来受診。気管支喘息、結核治療の既往あり。胸部XP,CT上、左下葉に腫瘤様陰影あり、肺腫瘍、肺真菌症なども疑われ、気管支鏡検査、気管支動脈塞栓術も検討されたが、造影CTにて胸部大動脈から左下葉に分岐する最大径18mmほどの血管影認め、肺分画症が考えられ、徐々に喀血も減少したため保存的に治療し、予定手術となった。開胸下に異常血管結紮、左下葉切除施行され、同部には胸部大動脈から直接分岐する血管が左下葉に流入し、肺静脈は左房に還流していた。組織学的には異常血管は動脈硬化伴う弾性動脈で、隣接する気管支に凝血塊を認めたが、明らかな分画肺は認めずPryceΙ型肺分画症と診断された。出血は異常血管が大動脈からの高圧で破綻し伴走する気管支内に及んだと考えられた。術後良好に経過し軽快退院、外来経過観察中である。当院は救命救急センターを併設しており、喀血による受診患者も多く、肺分画症も考慮し鑑別を要すると考えられた。

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KT-31CTで異常なく低酸素を伴った血管内リンパ腫の1例

1)労働者健康福祉機構中国労災病院 臨床研修センター、2)労働者健康福祉機構中国労災病院 呼吸器科、3)労働者健康福祉機構中国労災病院 循環器科仲田 恭平1)、塩田 直樹2)、藤村 憲崇3)、泉  祐介2)、風呂中 誠2)

症例は75歳男性。右脳梗の塞既往があり近医に通院していた。平成24年10月に発熱、労作時の息切れを主訴に当院を受診した。血液ガス分析にてPaO2 63torr(室内気)と低酸素血症を認め精査目的に入院した。入院後にCRP 12.5mg/dlと炎症反応の上昇及び呼吸困難、低酸素血症の増悪を認めた。全身CTを施行したが低酸素血症の原因は不明であった。また可溶性インターロイキン2レセプターは1591U/mlと上昇しており、ガリウムシンチを施行したところ両側肺野にびまん性の集積を認めた。低酸素血症のため気管支鏡検査は施行できなかったためランダム皮膚生検を行った。皮膚生検で血管内にCD20陽性の大型異型リンパ球の充満像を認めたため、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(血管内リンパ腫)と診断した。R-CHOP療法により低酸素の改善を認めた。発熱、低酸素で発症した肺血管内リンパ腫の一例を経験したため報告する。

KT-32当院で経験したBirt-Hogg-Dubé症候群の肺機能検査成績

1)広島赤十字・原爆病院 呼吸器科、2)広島赤十字・原爆病院 泌尿器科、3)広島赤十字・原爆病院 病理診断科工藤 千春1)、橋本 和憲1)、舟木 洋美1)、古玉 純子1)、池上 靖彦1)、山崎 正弘1)、有田 健一1)、作間 俊治2)、藤原  恵3)

【背景】Birt-Hogg-Dubé症候群(以下、BHDS)は皮膚病変・腎腫瘍・多発肺嚢胞/気胸を三徴とする常染色体優性遺伝疾患である。責任遺伝子はFLCN遺伝子(17p11.2)とされている。演者らは遺伝子解析にてBHDSと診断した一例を経験した。本症例の肺機能検査成績を中心に報告する。【症例】68歳、女性。【主訴】咳嗽。【生活歴】喫煙歴は認めなかった。【現病歴】58歳から持続する咳嗽と脂質異常症にて近医で加療していた。咳嗽は対症療法を行っていた。66歳時に気胸を発症し他院で加療した。2012年9月咳嗽増悪と酸素化の悪化を認め、胸腹部CTを施行した。両側肺底部縦隔側を中心に多数の卵円形の嚢胞様病変と両側多発腎腫瘍を認め、遺伝子解析からBHDSと診断した。左腎腫瘍は左腎部分切除術にて原発性腎癌と診断した。右腎腫瘍も腎癌疑いで切除予定である。皮膚病変は色素性母斑と面疱を認めた。肺機能検査では坐位のスパイログラムによる換気機能は正常で機能的残気量や肺拡散能力も正常値であったことから病的な気腫性変化はないものと考えられた。なお、仰臥位では機能的残気量や肺拡散能力は坐位の成績よりも低下する様子が観察された。

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KT-33終日NIPPV導入により在宅加療が可能となった慢性II型呼吸不全合併ムコ多糖症IV(Morquio病)A型長期生存例福山市民病院 内科小林 由佳、高田 一郎、三谷 玲雄

【症例】36歳、女性。【主訴】呼吸困難。【現病歴】以前から環軸亜脱臼を伴うムコ多糖症IV(Morquio病)A型由来の胸郭形成不全によるII型呼吸不全に対して、夜間のみ非侵襲的陽圧換気療法(NIPPV)を導入されていた。2012年2月遷延する低酸素血症にて当院小児科紹介受診し、NIPPVを夜間のみから終日にするよう勧められていたが日中は2-3時間の装着に留まっていた。2012年12月中旬より夜間NIPPV使用時でも酸素飽和度が80%前後となり呼吸困難を自覚したため当院受診。血液ガス分析にてpCO2 60.7mmHg、pO2 33.2mmHgとII型呼吸不全の悪化を認め入院となった。【入院後経過】CTにて右下肺野に肺炎像を認めた。CTRX 1g×2回/日投与とBiPAP visionによるNIPPV終日装着を開始し酸素化は徐々に改善した。その後在宅用NIPPV機に変更し第51病日退院となった。【考察】今回我々はMorquio病としては36歳という長期生存例のII型呼吸不全合併例を経験した。本疾患は高率に環軸亜脱臼を合併するため侵襲的呼吸管理が難しく、また気管切開後も肉芽による瘢痕狭窄を生じやすい。本症例のように終日NIPPV装着を粘り強く試みることがMorquio病患者の呼吸管理には適切と考えられた。

KT-34肺全摘後に残存肺の過膨張による呼吸不全をきたした1例

1)中国中央病院 呼吸器内科、2)中国中央病院 呼吸器外科妹尾  賢1)、久保 寿夫1)、栗本 悦子1)、三宅 剛平1)、岡田 俊明1)、大亀  剛2)、鷲尾 一浩2)、張田 信吾1)

【主訴】呼吸苦。【現病歴】平成23年12月に左上葉の肺腺癌に対し、左肺全摘を施行した(pT2aN1M0,stageIIA)。術後に化学療法を行い経過観察となっていたが、徐々に体動時の喘鳴および呼吸苦を認めるようになった。平成25年1月に呼吸苦の増強を認め、救急車で来院した。

【経過】術後経過で残存肺が徐々に膨張し、著明な縦隔の偏位、心臓の圧迫、右気管支の伸展を認めていたことから、肺切除後症候群と考えた。左胸腔内に空気を注入し、縦隔偏位の改善を図ったところ、呼吸状態は劇的に改善した。しかし、1か月後には空気は吸収され、再び縦隔の偏位を認めた。そこで八フッ化プロパン(C3F8)ガスを胸腔内に注入したところ、1か月の時点では縦隔偏位は認めず、経過は良好である。

【結語】肺摘除後症候群は、肺全摘後の死腔へ対側肺が過膨張、ヘルニアを起こし、それに伴う縦隔臓器の偏位とローテーションによって発生する稀な合併症である。呼吸不全の原因ともなり得るため、縦隔の偏移を伴い進行性の呼吸苦を認めた症例には、本疾患を念頭に置いて治療を行う必要があると考えられた。

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KT-35妊娠・出産に伴い病態の増悪と改善を認めた肺リンパ脈管筋腫症の1例

愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座加藤 高英、三好 誠吾、濱田 千鶴、加藤 亜希、片山  均、大蔵 隆文、檜垣 實男、伊東 亮治

症例は33歳,女性.2001年に肺リンパ脈管筋腫症および結節性硬化症,腎血管筋脂肪腫と診断され,近医で年1回のフォローを受けていた.不妊治療目的で2010年10月に当院産科婦人科への通院を開始し,2011年4月に妊娠が成立した.2012年1月,妊娠37週時点での胸部単純X線写真において両肺野のすりガラス影を認めたため,当科を紹介受診した.当科受診の翌日に出産し,数日後に胸腹部CTを撮影したところ,妊娠前と比較して両肺にびまん性の粒状影が出現し,また腎病変の明らかな増大,腎門部リンパ節腫大を認めた.出産1ヶ月後のCTでは,肺病変・腎病変ともに明らかな改善を認め,出産3ヶ月後のCTでは,腎病変はさらに縮小していた.肺リンパ脈管筋腫症は,女性ホルモンとの関連が示唆されており,特に妊娠・出産は増悪因子の一つと考えられている.本症例でも,妊娠を契機に病態が増悪したが,出産後に改善を認めた.未だ病態や治療法が明確化されていない疾患であり,症例の蓄積という点においても,本症例は貴重な症例であると考える.

KT-36悪性胸膜中皮腫を疑われた肺外原発小細胞癌の1例

1)岡山労災病院 呼吸器内科、2)岡山労災病院 腫瘍内科、3)岡山労災病院 内科松本 晋作1)、藤本 伸一2)、浅野美智子1)、淵本 康子1)、小野勝一郎1)、北村 賢一1)、小崎 晋司1)、岸本 卓巳3)

肺小細胞癌は全肺癌の約20%を占めるといわれているが、肺外原発の小細胞癌は稀だといわれている。今回、石綿ばく露歴があり、臨床的に悪性胸膜中皮腫が疑われたが、最終的に肺外原発の小細胞癌と診断された1例を経験したので報告する。症例は85歳男性。職業性の石綿ばく露歴、喫煙歴があった。既往歴に慢性C型肝炎、膀胱癌があり、膀胱癌に対して2006年より計5回経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行されている。胸部CTで増大傾向にある右胸膜の不整な壁肥厚を指摘され、2011年6月に紹介受診した。悪性胸膜中皮腫を疑い、胸腔鏡下胸膜生検を予定していたが、肺炎を発症して全身状態が急速に悪化し、2011年8月に永眠された。病理解剖では右壁側胸膜に加えて、両側肺、肝、膵に腫瘍性病変を認め、HE染色、免疫組織学的染色から小細胞癌と診断された。また、病理解剖で膀胱に移行上皮癌を認めたが、2006年に切除された膀胱標本の一部に小細胞癌を認めたため、最終的に膀胱原発の小細胞癌の再発と診断された。

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呼吸器学会メディカルスタッフ

演題

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呼吸器学会・メディカルスタッフ

KM-01腎機能低下患者におけるペメトレキセドの使用経験について

1)香川県立中央病院 薬剤部、2)香川県立中央病院 呼吸器内科、3)香川県立中央病院 呼吸器外科仲川 三春1)、鎌田 瑞菜1)、宮川 真澄1)、坂井健一郎2)、上田  裕2)、宮脇 裕史2)、吉川 武志3)、三竿 貴彦3)、青江 基3)

【目的】腎排泄型薬剤のペメトレキセド(以下Pem)は,Ccr 45mL/min未満の患者には慎重投与となっている。しかし非血液毒性が軽度のため,高齢者等の腎機能低下患者への投与を行う場合がある。今回腎機能低下患者への投与経験についてまとめたので,報告する。【方法】2011年4月から2012年9月にPemを含む化学療法実施患者を対象に,カルテ調査を行なった。なお投与量は500mg/m2 =100%とし,腎機能は体表面積非補正推算糸球体濾過量(以下eGFR)を使用した。【結果】対象45名の平均年齢は67.1歳,eGFR 40以上(以下A)42名,eGFR 40未満(以下B)9名(重複含む),平均投与量A:97.7%,B:66.5%,プラチナ併用率A;66.7% B;11%であった。グレード3(CTCAEv4.0)以上の血液毒性出現割合は,Bが有意に高かった。またBでの投与量50%以上のPem単独療法では,投与量と最低好中球数に負の相関関係を認め,投与量約74%にてグレード4の好中球減少が回避できると示唆された。減量での治療効果の減弱は,今回は認められなかった。【考察】腎機能の悪化に伴い血液毒性が増加するが,投与量を減量することで重篤な好中球減少を回避できる可能性も示唆された。今後は,全身状態も含めた検討を行っていきたい。

KM-02COPD患者における急性増悪回避に関連する因子の検討

1)KKR高松病院 リハビリテーションセンター、2)KKR高松病院 呼吸器科宮崎慎二郎1)、片岡 弘明1)、石川  淳1)、北山奈緒美1)、菊池  宏2)、市川 裕久2)、荒川裕佳子2)、森  由弘2)

【目的】COPD患者における急性増悪の回避に関連する因子について検討した。【方法】当院にて最長2年間の追跡が可能であったCOPD患者84例を対象として、後方視的に検討した。急性増悪の定義は

「日常の生理的変動を超えて呼吸器症状が急激に悪化し、入院加療が必要になった状態」とした。年齢、各種使用薬剤の有無、インフルエンザワクチン接種の有無、在宅酸素療法(HOT)の有無、%1秒量、BMI、ISWTでの歩行距離、ISWT終了時の呼吸困難感の各項目で急性増悪をend pointとした単変量解析を行った。また、急性増悪までの期間を従属変数、単変量解析にて有意差を認めた項目を独立変数として多変量解析を行った。単変量解析にはLog-rank検定、多変量解析にはCox比例ハザードモデルを用いた。【結果】単変量解析では年齢、HOT、%1秒量、BMI、ISWTでの歩行距離で有意差を認めた。多変量解析では、BMI(HR0.74、p<0.05)とISWTでの歩行距離(HR0.99、p<0.01)が急性増悪の回避に関連する有意な因子として抽出された。【考察】急性増悪の回避が重要課題であるCOPDの安定期管理では、BMIと運動耐容能を維持・向上させることをアウトカムの中心とした包括的介入の重要性が示唆される。

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呼吸器学会・メディカルスタッフ

KM-03在宅酸素療法を導入した慢性呼吸不全患者に対する退院後訪問指導の取り組み

1)三豊総合病院企業団 リハビリテーション科、2)三豊総合病院企業団 内科、3さぬき市民病院 内科津川 義弘1)、木村 啓介1)、南木 伸基3、山地 康文2)

【はじめに】在宅酸素療法(以下HOT)導入後の患者に多い要望である「日常生活動作の息切れを軽くする工夫」に対しては、HOT導入時に多職種が指導を行っている。しかし、在宅呼吸ケア白書2010では上記の要望は多く、指導内容が在宅生活に十分に反映できていない可能性が考えられる。当院では、指導内容を在宅生活に反映させる目的で、HOT導入後に理学療法士による退院後訪問指導を実施している。【対象と方法】H23年8月~H25年3月にHOTを導入し、退院後訪問指導を実施した慢性呼吸不全患者25例(男性18例・女性7例)を対象とした。平均年齢77.6±7.7歳 疾患内訳はCOPD 10例・肺結核後遺症4例・間質性肺炎11例であった。方法は、初回訪問日と1ヶ月後にNRADL(動作速度・息切れ・酸素流量)を用い、問診にて評価した。【結果】動作速度は「息切れのため休憩を要する」から「ゆっくりであれば休憩なしで動ける」へ改善する症例が多かった。息切れは「きつい」から「楽である」へ改善する症例が多かった。酸素流量に変化はなかった。【結論】指導内容を在宅生活に反映させるための退院後訪問指導は有効と考えられる。

KM-04増悪を繰り返す肺結核後遺症患者にiVAPSが著効した1例

1)KKR高松病院 臨床工学科、2)KKR高松病院 睡眠・呼吸センター山本 晃市1)、入谷 拓也1)、広瀬 卓哉1)、岩田 康伸1)、塩見  基1)、菊池  宏2)、市川 裕久2)、荒川裕佳子2)、森  由弘2)

【はじめに】肺結核後遺症において、NPPVは補助換気の第一選択と考えられており、生命予後やQOLの改善に繋がる。今回、増悪を繰り返していた肺結核後遺症患者にiVAPSモードが著効した一例を経験したので報告する。

【症例および経過】72歳、男性。2005年7月、COPD、肺結核後遺症にてNIPネーザル3を導入。以前は年1回程度の入院であったが、最近では2ヶ月毎に増悪を繰り返していた。今回、呼吸困難感、不眠を訴え入院となった。入院時設定はS/Tモード、IPAP 12cmH2O、EPAP 6cmH2O、呼吸回数20回、O2流量3l/minであった。第5病日、NIPネーザルVへ変更し、設定をiVAPSモード、肺胞換気量5.2l/min、min PS4 cmH2O、max PS 15cmH2O、EPAP 6cmH2O、呼吸回数22回、O2流量3l/minとした。変更後、自覚症状の改善、換気量の増加、呼吸回数の減少を認め、第8病日退院となった。それ以後、増悪による入院はしていない。

【考察】S/Tモードでは換気量は保証されなかったが、iVAPSモードは設定した換気量が確保されるため、低換気が改善された。そのため、呼吸状態の改善、入院数の減少に繋がった。

【結語】今回、増悪を繰り返す肺結核後遺症患者にiVAPSが有用であった症例を経験した。

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呼吸器学会・メディカルスタッフ

KM-05喉頭がん治療5年6カ月後に二次原発気管癌で発症した慢性咳嗽の1例

川崎医科大学 呼吸器内科堅田 洋佑、尾長谷 靖、松田 宗也、八十川直哉、橘高  誠、池田 征樹、黒瀬 浩史、清水 大樹、阿部 公亮、大植 祥弘、毛利 圭二、加藤 茂樹、小橋 吉博、岡 三喜男

[はじめに]咳嗽診断においては画像的異常の有無、咳嗽の持続期間、喀痰の有無、聴診所見などから鑑別するが、確定診断に難渋することも少なくない。[症例]64歳男性。喫煙歴はなし。200X年7月に喉頭癌(T1aN0M0)に対し64Gyの放射線療法を受けた。治療後5年間で再発は認めなかったが、200X+5年12月から咳嗽が出現してきた。喉頭癌の再燃を疑われたが喉頭鏡で異常は指摘できなかった。200X+6年6月に施行したPET/CTでも局所の集積を認めなかった。咳喘息が疑われたがIgE-RISTは陰性、呼気FeNOは40-50ppbと上昇していた。喀痰好酸球は採取できなかった。呼吸機能検査では正常範囲で可逆性は認めなかった。気道過敏性試験は施行していない。ブデソニド/ホルモテロールの吸入で咳嗽は軽減したが消失はしなかった。喉頭癌の再燃は否定できず同年12月にPET/CTを再検したところ、声帯直下に異常集積を認めた。気管支鏡で同部の気管内隆起の生検から二次原発の気管癌と診断した。気管癌に対する化学療法後咳嗽は完全消失した。[考察]慢性咳嗽の原因は多岐にわたり診断を治療効果の有無に頼ることも多い。治療反応性が不十分な場合には器質的疾患の存在も積極的に疑う必要がある。

KM-06胸腔鏡下肺切除術の周術期における身体活動の変化について

1)香川県立中央病院 リハビリテーション部、2)香川県立中央病院 呼吸器外科山田 耕平1)、本田  透1)、青江  基2)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、玉木久美子1)、木曽 靖彦1)、塩田 和輝1)、桑嶋 博史1)、多田 善則1)

【目的】周術期の身体活動量を把握する目的で検討した.【対象】当院で胸腔鏡下肺切除術(VATS)にて肺葉切除術および肺部分切除術を施行され,手術前後で評価が可能であった12例(男性7例,女性5例,年齢70.9±8.65歳)とした.肺葉切除5例,肺部分切除7例であった.【方法】ライフコーダ―GS(スズケン社)を使用し外来期(手術前リハ指導後),手術前期,退院前日の各期間の身体活動量を測定し術式,男女,運動習慣の有無で有意差を検討した.また,年齢,BMI,TUG,6MD,膝伸展筋力,FVC,FEV1.0,FEV1.0%,歩行開始までの日数,ドレーン留置期間,入院期間を調べ,以上の因子と身体活動量との相関関係を調べた.【結果】外来期と手術前期,退院前日において有意差が見られた(P=0.018、0.047).外来期で男女差の歩数の有意差はみられなかったが,4METS以上の活動時間は男性より女性が低い傾向であった(19.29±24.48 vs 9.64±9.8).身体活動量と評価項目で相関関係はみられなかった.

【考察】周術期において入院後は身体活動量が低下する傾向が見られた.退院前日は手術前期と有意差が見られなかったが,早期離床をチームとして介入し回復したと考えられた.

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呼吸器学会学生演題

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呼吸器学会・学生

KS-01肺葉切除術による慢性期呼吸機能の変化について -術式別の検討-

1)愛媛大学医学部 医学科4年生、2)愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター、3)愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター井原 康輔1)、井上 翔太1)、佐野 由文2)、坂尾 伸彦3)、岡崎 幹生2)、重松 久之2)、三好 誠吾2)、片山  均2)、伊東 亮治2)

【目的】肺葉切除術後の呼吸機能は、その手術適応、術式選択および術後のQOLに大きな影響を持つ。今回我々は術式別の呼吸機能変化を検討したので報告する。【方法】2011年6月から2012年12月までに当科で経験した肺葉切除症例77例のうち、術後3ヶ月目の呼吸機能測定が行われていた61例を対象とし、アプローチ法(完全胸腔鏡下手術:cVATS,n=14、ハイブリッド胸腔鏡下手術:hVATS,n=20、開胸術:Open,n=27)、および切除肺葉(RUL n=24、RML n=3、RLL n=12、LUL n=15、LLL n=7)別に、肺活量(VC)および一秒量(FEV1)の変化を検討した。【成績】アプローチ別のVCおよびFEV1減少率は、それぞれ平均cVATS 18.3%、16.2%、hVATS 21.4%、18.8%、Open 22.7%、14.3%で、統計学的に有意差は認めなかった。また切除肺葉別のVCおよびFEV1減少率は、それぞれ平均RUL21.4%、16.7%、RML 9.5%、7.3%、RLL 24.2%、17.4%、LUL 21.2%、17.3%、LLL 21.3%、16.7%で、いずれも中葉切除において有意に減少率が低かった。【結論】肺葉切除後の呼吸機能変化は、中葉切除で良好であった以外、術式によって明らかな差を認めなかったが、さらに詳細に検討を行っていく。

KS-02外科的切除後に診断された肺クリプトコッカス症3例の検討

愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター井上 翔太、重松 久之、井原 康輔、岡崎 幹生、坂尾 信彦、伊東 亮治、片山 均、三好 誠吾、佐野 由文

悪性腫瘍を否定できないFDG-PETでの異常集積を認める孤立性小結節は,術前の診断が困難で外科的切除をせざるを得ない場合が多い.そのような症例で,術後肺クリプトコッカス症と診断された3例を経験したので報告する.【症例1】50歳代,女性.多発筋炎経過観察中の胸部CTで,右上葉に8mmの結節を指摘された.PETで異常集積(SUV:2.4)を認めた.【症例2】60歳代,男性.関節リウマチ関連自己免疫性硬膜炎で加療中(ステロイド内服)に,胸部CTで右上葉に15mmの結節を指摘された.PETで異常集積(SUV:4.6)を認めた.【症例3】70歳代,男性.大腸癌,腎癌術後経過観察中の胸部CTで左上葉に8mmの結節を指摘された.PETで異常集積(SUV:4.8)を認めた.全例悪性腫瘍(原発性肺癌あるいは転移性肺腫瘍)を疑い胸腔鏡下に肺部分切除術を施行したが,迅速病理診断で悪性所見なしと診断された.症例1,2は術前に血清抗クリプトコッカス抗原価を測定していたが,陰性であった.肺クリプトコッカス症は,FDG-PETで異常集積を認めるため,悪性腫瘍との鑑別において考慮しなければならない疾患である.

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呼吸器学会・学生

KS-03抗生剤で異常陰影が消退し確定診断に苦慮したnodular lymphoid hyperplasiaの1例1)島根大学医学部 医学科、2)島根大学医学部 内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学兒玉 明里1)、津端由佳里2)、木庭 尚哉2)、堀田 尚誠2)、濱口  愛2)、沖本 民生2)、三浦 聖高2)、本田  健2)、濱口 俊一2)、大江 美紀2)、須谷 顕尚2)、竹山 博康2)、礒部  威2)

症例は80代男性。2012年6月から咳嗽が出現、同年9月に血痰が出現、かかりつけ医を受診。胸部CTで右中葉に浸潤影を認め肺炎としてトスフロキサシンを内服し、経過観察していた。経過中に他院で胸部レントゲン写真を撮影し肺癌の疑いを指摘され、精査を目的に同年10月当院を紹介受診。右中葉の陰影は改善傾向にあったため、クラリスロマイシンを内服し1ヶ月後に胸部CTを再検したところ浸潤影が残存し、PET/CTで同部位に異常集積を認め、悪性疾患を疑い同年12月に気管支鏡検査を実施。結果は細胞診陰性、培養でも有意菌を検出せず、翌年1月にCTガイド下肺生検を実施したが細胞診はclass IIIと確定診断には至らず。同年2月確定診断を目的に胸腔鏡下肺部分切除を実施し、術中の迅速病理診断では悪性所見を認めなかったが、永久標本でnodular lymphoid hyperplasia(NLH)と診断した。病変部の肺胞腔、細気管支内に多数の泡沫細胞、好中球の集簇および放線菌を疑う菌塊を認め、感染の合併が示唆された。NLHは非常に稀な疾患で、本症例は肺炎を発症の契機とした可能性もあり、貴重な症例と考え報告する。

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肺癌学会一般演題

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肺癌学会・一般

H-01CT画像において1年以上の術前経過が追跡可能であった肺癌切除症例の検討

1)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 胸部外科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科杉本龍士郎1)、片岡 和彦1)、下田 篤史1)、國友 知義1)、久山 彰一2)、中西 将元2)、梅野 貴裕2)、能島 大輔2)、高橋 里沙1)

【目的・対象】近年CTにおいて肺癌を疑わせる結節が発見される機会が増えている。中には長期間変化しないが切除すると早期肺癌である症例や、陳旧性炎症と判断されていた陰影が、経過観察後増大し後に進行癌と診断される症例も散見される。そこで当院における2009年9月~2012年12月の原発性肺癌手術症例153例のうちretrospectiveに術前1年以上の経過がCT画像で追跡可能であった38症例を対象とし、臨床病理学的特徴について検討した。【結果】観察可能期間は平均1032(399~2826)日であった。増大傾向を示したものが28例でそのうち画像上Solid patternを呈するものが22例、Mixed GGOを呈するものが6例であった。画像上変化がなかった10例のうち6例がMixed GGO、4例がPure GGOを呈していた。組織型は腺癌27例(うちBAC 7例)、扁平上皮癌7例、腺扁平上皮癌2例、小細胞癌1例、LCNEC 1例であった。【考察】Solid patternで増大傾向を示す症例は病期が進んでいる傾向が強く、気管支鏡などで診断できない症例に対しては早期から手術による確定診断が重要であると考えられた。

H-02臨床病期N0肺腺癌における潜在的リンパ節転移予測因子の検討

岡山大学病院 呼吸器外科平野  豊、宗  淳一、豊岡 伸一、三好健太郎、山本 寛斉、杉本誠一郎、山根 正修、大藤 剛宏、三好新一郎

【目的】臨床病期N0(cN0)で病理学的にリンパ節転移を認めた肺腺癌症例(pN+:潜在的リンパ節転移症例)において術前にpN+が予測可能か検討した。【対象・方法】当科において2009年1月から2011年12月末の間に、2群リンパ節郭清を伴う葉切除または区域切除を施行したcN0肺腺癌症例のうち、術前にPET-CTを行った141例を対象とした。年齢、性別、喫煙歴、腫瘍径、Consolidation/Tumor比

(C/T比)、Consolidation径、原発巣SUVmaxに関して、pN0群とpN+群(pN1またはpN2)の2群に分け、有意差検定を行った。【結果】対象症例の年齢中央値は68歳(幅32-88歳)、男女比は4/67、喫煙者/非喫煙者は72/69、最大腫瘍径中央値は22.7(8-49)mm、C/T比は0.5以下が31人、0.5を超えるものは110人、最大Consolidation径中央値は17.5(0-79)mm、原発巣SUVmax中央値は3.2(0.6-26.7)であった。pN+は16例(11.3%)に認めた。上記因子について単変量解析を行ったところ、pN+群はpN0群に比較して、C/T比(p=0.023)、最大Consolidation径(p=0.004)、原発巣SUVmax(p=0.017)が有意に高値であった。【結語】臨床病期N0肺腺癌において、C/T比、最大Consolidation径、原発巣SUV maxが潜在的リンパ節転移の予測因子となりうる。

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肺癌学会・一般

H-03小型肺癌に対する術前気管支鏡検査の現況と今後について

1)高知医療センター 呼吸器外科、2)高知医療センター 呼吸器内科、3)高知医療センター 病理診断科張  性洙1)、岡本  卓1)、中野 貴之1)、米田 浩人2)、轟  貴史2)、中島 猛2)、浦田 知之2)、岩田  純3)

【はじめに】CTの解像度の進歩でGGOパターンの肺癌手術数は増えていると思われるが、淡い陰影になれば気管支鏡などでの確定病理診断が困難なことが想定される。【目的】2cm以下の小型肺癌切除例から、術前診断の現況と精度を分析するとともに気管支鏡検査の意義を考察。【対象と方法】肺癌手術468例(2005.3~2013.1)中、2cm以下のc-T1a 101例(21.6%)から、通常型の気管支鏡検査での術前診断の現況と精度をRetrospectiveに検討した。【結果】2cm以下の小型肺癌は101例(男性44例、女性57例)、平均年齢66.5歳。0~1cm:24例、1.1~2.0cm:77例。GGO優位型:50例、結節型:51例。気管支鏡施行例:52例、未施行例:49例。確定診断:全体35/52(67.3%)、GGO優位型10/15(66.7%)、結節型25/37(70.8%)、サイズ別では0~1cm:1/4(25.0%)、1.1~2.0cm:34/48(70.8%)。【まとめ】気管支鏡検査は、小型肺癌においても施行例の60~70%程度の正診率があり、肺癌の治療前検査として意義が高い。

H-04当院におけるエコーガイド下経胸壁生検の有用性についての検討

国家公務員共済組合連合会吉島病院佐々木啓介、折村 多恵、出口奈穂子、西野 亮平、山野上直樹、宮崎こずえ、山岡 直樹、倉岡 敏彦

【背景】近年、エコー機器の性能向上により、以前は不鮮明であった末梢肺野の病変に対し、エコーガイド下での生検が容易となっている。【方法】当院では気管支鏡で診断不可もしくはハイリスクの症例でエコーにより同定可能な病変に対しエコーガイド下生検を行っている。当院で2011年10月から2013年4月に実施した10例について有用性を検討した。【結果】生検を行った10例のうち、長径が30mm以下の病変は5例であった。診断は9例が悪性腫瘍(原発性肺癌5例、腎細胞癌の肺転移2例、胸腺癌1例、悪性リンパ腫1例)、1例が慢性肉芽腫性病変であり、全例で診断ならびに治療方針が確定した。生検に伴う気胸や血痰などの有害事象は認めなかった。【考察】エコーガイド下生検は甲状腺や腹部臓器の領域においては広く行われているが、呼吸器領域においてはCTガイド下生検を実施している施設が多い。エコーガイド下の生検はリアルタイムに画像を観察しつつ穿刺を行う事ができ、簡便かつ被曝のリスクがないため、症例によってはエコーガイド下生検を考慮すべきと考えられた。

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肺癌学会・一般

H-05術前診断し得た無症候性・機能性後縦隔傍神経節腫の1切除例

岡山大学病院 呼吸器外科入江 真大、山本 寛斉、諏澤  憲、岡田 真典、三好健太郎、杉本誠一郎、宗  淳一、葉山 牧夫、山根 正修、豊岡 伸一、大藤 剛宏、三好新一郎

傍神経節腫は交感・副交感神経系の傍神経節へ進展する神経堤組織に発生する稀な腫瘍であり、褐色細胞腫と区別される。術中大量出血や異常高血圧等の可能性があり、手術手技や周術期管理には慎重を要する。今回我々は画像診断と血中・尿中カテコールアミンの測定により、術前診断し得た無症候性・機能性後縦隔傍神経節腫の1切除例を経験した。症例は72歳女性。7年前に近医で撮影されたCTで後縦隔腫瘍を指摘された。経過観察されていたが、腫瘍の増大傾向を認め、手術加療目的で当科に紹介となった。高血圧症や頻脈を認めなかったが、造影CTで後縦隔腫瘍の著明な造影効果を認め、傍神経節腫が疑われた。123I-MIBG-SPECT-CT、FDG-PET-CTで腫瘍に一致して高集積を認め、血中・尿中カテコールアミンが高値であり、機能性傍神経節腫と診断された。周術期の血圧管理のために3週間かけてα遮断薬を漸増投与し、十分な補液を行った後、胸腔鏡補助下に腫瘍を摘出した。術中一過性に収縮期血圧が190mmHgと高値となり、腫瘍摘出後は逆に低血圧を認めたが、周術期合併症を認めず術後7日目に退院された。病理組織診断で傍神経節腫と確定診断され、血中・尿中カテコールアミンは正常化した。

H-06ダブルバルーン小腸内視鏡にて空腸転移が判明した肺未分化大細胞癌の一例

KKR高松病院 呼吸器内科市川 裕久、菊池  宏、荒川裕佳子、森  由弘、厚井 文一

症例は68歳男性。20XX年2月の胸部X線で右上葉に空洞を伴う3cm大の結節性病変を指摘され当科紹介。気管支鏡検査で未分化な大細胞癌と診断した。病期診断目的でFDG-PET検査を施行したところ、左上腹部に著しいPET集積を伴う6cm大の腫瘤性病変を認めた。同年4月2日に39℃台の高熱と左上腹部の腫瘤に一致した部位に腹痛が出現した。絶食・補液、抗菌薬投与にて症状は改善し、4月7日にダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE)を施行。同部からの生検にて肺癌の空腸転移と診断した。外科転科の上、4月23日に空腸部分切除術を施行。術中の腹水細胞診でclass5を検出した。術後、肺癌に対しカルボプラチン+パクリタキセルによる化学療法を施行したが、4コース目に原発巣と腹腔内リンパ節転移の増大を認め、同年9月末よりドセタキセルを投与した。同年10月下旬より原発巣から胸腔内出血を来し、濃厚赤血球輸血を繰り返したが出血性ショックのため10月29日に永眠された。肺癌の小腸転移の頻度は低く、生前に確定診断される例は更に稀である。DBEにより小腸転移が確定した本症例の経験は貴重であると考えられ、若干の文献的考察を含め報告する。

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H-07結腸癌の転移性肺腫瘍切除後の標本で偶発性甲状腺癌肺転移が明らかになった1例島根県立中央病院 呼吸器外科山本 恭通、戸矢崎利也、小阪 真二

症例は74歳女性。1986年に他院で甲状腺硬化性濾胞癌のため甲状腺右葉切除を受けた。2010年当院消化器科受診時に甲状腺腫瘤指摘され針生検で腺腫様甲状腺腫と診断された。2010年02月に多発結腸癌IIIB期に対し腹腔鏡補助下右半結腸切除(D3)とS状結腸切除(D2)を施行した。同年8月20日より術後補助FOLFOX化学療法施行し定期的経過観察中2011年08月20日胸部CT上右中葉に7mmの単発結節を認め結腸癌肺転移と診断した。UFT治療が開始されたが次第に増大し2012年07月02日右肺部分切除を施行した。術中迅速病理診断は結腸癌肺転移であった。術後4日で退院した。永久病理組織診断で結腸癌肺転移の近傍に2×2mmの甲状腺濾胞型乳頭癌の肺転移が指摘された。2012年09月18日当院耳鼻科で残存甲状腺全摘術が施行され甲状腺乳頭癌と診断された。肺切除後6か月の現在、結腸癌、甲状腺癌とも再発転移はない。甲状腺と結腸の癌腫から同時に肺に転移を来した珍しい症例を経験したので報告する。

H-08剖検時に小細胞肺癌を認めた肺腺癌の一例

1)愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学、2)愛媛県立中央病院 呼吸器内科山本 千恵1,2)、片山  均1)、加藤 高英1)、濱田 千鶴1)、加藤 亜希1)、三好 誠吾1)、伊東 亮治1)、大蔵 隆文1)、檜垣 實男1)

【症例】87歳 男性。【主訴】呼吸困難。【現病歴】2005年に胆管癌に対し当院で膵頭十二指腸切除術を施行され、外来通院していた。2010年の胸部CTで左肺尖部結節の増大傾向を認め、CTガイド下生検にて腺癌であった。精査の結果原発性肺癌cT1bN2M0:stageIIIAと診断された。高齢であり、慢性腎臓病を合併していたため放射線単独療法を施行され、縮小傾向が認められた。しかし2012年4月に呼吸困難と左胸水貯留を認め、胸水細胞診が陽性であり、胸水コントロール目的に入院した。【経過】胸腔ドレナージ後に胸膜癒着術を施行し退院した。しかし2カ月後に再び左胸水貯留を認め、再入院した。再度胸膜癒着術を予定していたが、入院3日目に誤嚥性肺炎を発症し、徐々に呼吸状態が悪化し入院19日目に死亡した。病理解剖では左肺尖部の原発巣は線維化していたが、他に左胸膜播種、多発肝転移、多発リンパ節転移等が認められ、いずれも病理診断は小細胞肺癌であった。【考察】本症例は生前には肺腺癌と診断されていたが、剖検時には広範な検索にも関わらず腺癌の成分は確認されなかった。二重癌あるいは小細胞癌との混合型であった可能性が考えられる。

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H-09左上葉肺癌に対して施行した放射線化学療法にて2年間寛解が得られている同時多発右上葉肺癌の1例鳥取大学医学部 分子制御内科学泉  大樹、唐下 泰一、阪本 智宏、伊藤 静香、山口 耕介、倉井  淳、小谷 昌広、井岸  正、清水 英治

【症例】62歳、男性.某年1月に肺炎の診断で前医で抗生剤治療を行った.症状は改善するも胸部CTにて左上葉枝の狭窄を認め、気管支鏡検査を施行した.左上葉枝入口部にポリーブ型の腫瘍を認め、同部位の生検より肺扁平上皮癌(cT2aN1M0)と診断し、治療目的で当科へ紹介となった.気管支鏡検査を再検したところ、右上葉区域枝の分岐部に平坦型の腫瘍を認めた.同部位の生検にて肺扁平上皮癌(cTisN0M0)を認め、同時多発肺癌と診断した.左上葉肺癌に対する治療としてカルボプラチン+パクリタキセルを用いた放射線同時併用化学療法を施行した.放射線の照射範囲は左上葉の病変を標的とし、右上葉の病変は含めていない.治療終了2か月後に治療効果判定として行った気管支鏡検査にて左上葉枝入口部の病変は完全寛解(CR)と判断した.また右上葉区域枝分岐部の病変も著明に縮小しており、生検でも悪性細胞は検出されずこちらもCRと判断している.その後も慎重に経過フォローしており2年間CRを維持している.【考察】右上葉の病変は放射線照射範囲に含まれておらず、化学療法単独でCRに至った症例であり、貴重な1例と考えられた.

H-10原発性肺癌と乳癌原発の転移性肺癌を合併した1症例

1)松山赤十字病院 呼吸器外科、2)松山赤十字病院 呼吸器内科伊藤 謙作1)、仙波真由子2)、梶原浩太郎2)、三浦奈央子1)、濱口 直彦2)、兼松 貴則2)、横山 秀樹1)

原発性肺癌と乳癌原発の転移性肺癌を合併した1症例を経験したので報告する。症例は64歳女性。右乳癌の術前精査中に右肺上葉・中葉結節を認めた。悪性の可能性が否定できないため、乳癌術後(右乳房切除術、腋窩リンパ節郭清)に右肺上葉部分切除・中葉部分切除術を施行。術中迅速組織診にて結節は2つとも微小浸潤腺癌であった。術後の病理診断でも原発性肺癌(微小浸潤腺癌、野口分類type B相当)であったが、右肺上葉切除標本の原発巣近傍の脈管内に微小な腺癌を認めた。免疫染色にて、2つの肺結節はER(-)、HER2(0)であったのに対し、脈管内微小腺癌はER(+)、HER2(1+)と異なる内分泌反応性を認めた。乳癌原発組織はER(+)、HER2(2+)で、脈管内微小腺癌と同様の反応性であった。2つの肺結節がいずれも微小な浸潤しか認めない点も考慮し、原発性肺癌(二重癌)および乳癌肺転移の合併と診断された。乳癌はpT2N1aM1 stageIVの診断で化学療法を開始した。原発性肺癌と乳癌肺転移の鑑別は形態的評価では困難なケースもあるが、ホルモン受容体の免疫染色は乳癌症例に合併した肺腫瘍の評価に有用である。

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H-11甲状腺癌多発肺転移に原発性肺癌を合併した1例

1)徳島大学大学院 胸部・内分泌・腫瘍外科、2)徳島大学大学院 臨床腫瘍医療学森下 敦司1)、滝沢 宏光1)、坪井 光弘1)、梶浦耕一郎1)、中川 靖士1)、吉田 光輝1)、川上 行奎1)、先山 正二1)、近藤 和也2)、丹黒  章1)

【症例】60代男性.甲状腺乳頭癌多発肺転移の経過観察中に増大する右肺S9の腫瘤を指摘され,2013年に呼吸器外科に紹介された.CTでは右S9に20mm大の不整形腫瘤を認め,内部に一部含気を伴っており.その他末梢肺に認める7mm大までの多発する充実性小結節とは性状が異なり原発性肺癌が疑われた.既往歴:2001年甲状腺乳頭癌に対し右葉切除.2008年に多発頸部リンパ節転移を指摘され,残存甲状腺全摘後に2008年,2010年と2回のアイソトープ療法を施行された.2010年甲状腺乳頭癌肺転移に対して胸腔鏡下左肺部分切除術が行われた.手術所見:右S9の腫瘤を部分切除し迅速診断に提出したところ,肺胞上皮置換性増殖部位と浸潤癌とが混在する像で,原発性肺腺癌が強く疑われたため右下葉切除,ND2a-1を行った.

【考察】甲状腺乳頭癌は一般に増殖が緩徐で,坦癌状態であっても長期生存が可能なことが多い.一方原発性肺癌が再発・転移を来した場合長期生存は困難である.本症例では上記を考慮し原発性肺癌に対して消極的縮小手術とせず,標準術式を選択した.しかし術前術中診断は必ずしも容易ではなく,術式選択について考えさせられる症例であった.

H-12進行NonSq-NSCLCに対するCDDP/DOC/BEV後のBEV/PEM維持療法:OLCSG09031)岡山労災病院、2)倉敷中央病院、3)岡山大学病院、4)川崎医科大学附属川崎病院、5)四国がんセンター、6)中国中央病院、7)岡山肺癌治療研究会藤本 伸一1,7)、岸本 卓巳1,2)、吉岡 弘鎮2,7)、國政  啓2,7)、西山 明宏2,7)、岩破 将博2,7)、佐藤 晃子3,7)、瀧川奈義夫4,7)、田端 雅弘3,7)、野上 尚之5,7)、上月 俊幸5,7)、新海  哲5,7)、張田 信吾6,7)、谷本 光音3,7)、木浦 勝行3,7)

【目的】進行肺非扁平上皮非小細胞癌(NonSq-NSCLC)に対して、プラチナベースの化学療法にベバシズマブを加えたレジメンは標準治療の1つである。また近年ペメトレキセドによる維持療法の有効性が明らかにされつつあるが、これらを組み合わせた治療法は十分に検討されていない。【方法】化学療法未治療の進行NonSq-NSCLCに対し、シスプラチン,ドセキタセル,ベバシズマブからなる導入療法を3週間隔で計4コース実施し、PDでないことを確認後、ベバシズマブ,ペメトレキセドによる維持療法を行った。主要評価項目は無増悪生存期間で、副次的に毒性、全生存期間、奏効割合を評価した。

【成績】登録患者41例の年齢中央値:62歳;男性:76%;PS 0:32%;IV期:73%;腺癌:93%。奏効割合と病勢制御割合は82.6%と97.6%で、無増悪生存期間の中央値は10.1ヶ月であった。有害事象は血液毒性が主であり(グレード4:21例[51%])、発熱性好中球減少症は、10例(24%)で認められた。治療関連死は生じていない。【結論】本レジメンは進行NonSq-NSCLCに対して有効性は高いが、同時に毒性の管理に十分留意することが必要であると考えた。

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H-13進行非小細胞肺癌に対するCDDP+DOC併用療法へのCPTの上乗せ効果を検証する第3相試験1)NHO福山医療センター 呼吸器内科、2)岡山肺癌治療研究会玄馬 顕一1,2)、八杉 昌幸1,2)、丸川 將臣1,2)、藤本 伸一2)、岡田 俊明2)、畝川 芳彦2)、別所 昭宏2)、亀井 治人2)、柴山 卓夫2)、青江 啓介2)、瀧川奈義夫2)、田端 雅弘2)、松尾恵太郎2)、谷本 光音2)、木浦 勝行2)

【背景】未治療進行肺非小細胞癌に対するcisplatin(CDDP)とdocetaxel(DOC)療法は標準治療のひとつであるが、その成績は十分満足いくものではない。我々は先行試験でirinotecan(CPT)を含めた3剤併用療法の有効性を認めたことから、今回、同3剤併用療法と2剤併用療法との比較第3相試験を実施した。【方法】化学療法未治療の進行肺非小細胞癌症例を、3剤併用療法(CDDP 60,day 1;DOC 60,day 1;CPT 60mg/m2,day 2;3週毎)と2剤併用療法(CDDP 60,day 1;DOC 60,day 1;3週毎)にランダム割付した。【結果】2004~2009年に各群60例づつが登録された。患者背景は年齢中央値 59.5歳。男性/女性 91/29、PS 0/1 40/80、腺癌/非腺癌 82/38、III/IV期 28/92であった。全生存期間

(MST 16.8 vs 12.2か月、p=0.846)および副次的評価項目である奏効割合、無増悪生存期間に関して両群間に差は認められなかった。毒性に関しては、好中球減少が最多であった(Gr3-4;93% vs 58%;p<0.001)。発熱性好中球減少は53%と18%、下痢は17%と3%に見られたが(p<0.001)であり、治療関連死亡はなかった。【結論】3剤併用療法は2剤併用療法と比較し、生存の優越性は示されず、毒性が増強した。

H-14当院でのALK陽性肺腺癌に対するペメトレキセドの使用経験

市立三次中央病院 呼吸器内科実綿  慶、高尾  俊、粟屋 禎一

【背景】最近、ALK陽性非小細胞肺癌に対してペメトレキセドが有効であったという報告が散見される。当院にてALK陽性肺癌に対して、ペメトレキセドを含む化学療法を施行した2症例を経験したため若干の文献的考察を含めて報告する。【症例】症例1は69歳女性、非喫煙者。肺腺癌、stage4、脳転移あり、ALK陽性。1次治療として、シスプラチン+ペメトレキセドによる治療を開始した。脳転移に対してはγナイフを施行した。シスプラチン+ペメトレキセドを4コース施行後は、ペメトレキセドによる維持療法を継続中である。29コース投与を行っているが、腫瘍は増大なく経過中である。症例2は58歳女性、非喫煙者。肺腺癌、stage4、ALK陽性。シスプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブによる治療を開始、2コース終了時のCT検査ではSDの範囲内ではあるが、腫瘤は縮小傾向であった。現在4コースまで投与している。【結果】ALK陽性非小細胞肺癌に対するペメトレキセドを含む化学療法は良好な成績が報告されており、当院においても長期の病勢コントロールが得られた症例を経験した。

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H-15癌性胸水貯留肺癌に対してベバシズマブレジメンを使用した5症例の検討

広島赤十字・原爆病院 呼吸器科山崎 正弘、舟木 洋美、橋本 和憲、古玉 純子、池上 靖彦、大橋 信之、有田 健一

【目的】癌性胸水貯留肺癌に対してベバシズマブ(BEV)レジメンを使用した症例の背景、治療効果を検討する。【対象と方法】2011年5月から2013年3月の間に癌性胸水貯留肺癌に対してBEVレジメンを使用した5症例を対象とし、臨床病理学的諸因子および胸水制御効果を含めた治療効果を検討した。【結果】症例は男性4例、女性1例、年齢51-77歳(平均71歳)、PSは0、1、3が各々1、2、2例であり、全例腺癌であった。胸膜癒着術を施行した症例は1例であり、癒着による胸水制御は不可であった。胸水排液で肺の再膨張が得られなかった症例が1例存在した。1次治療が4例で、うち3例がカルボプラチン+weeklyパクリタキセル+BEV、1例がペメトレキセド+BEVであった。1例は19次治療例で、レジメンはビノレルビン+BEVであった。観察期間は50-666日(中央値268日)であった。無増悪生存期間は38-337日(中央値105日)であり、全生存期間は50-666日(中央値268日)であった。胸水増加を制御できた期間は38-391日(中央値168日)であった。【結語】BEVレジメンは肺癌癌性胸水の制御に有用であることが示唆された。

H-16EGFR-TKI治療後に組織型が変化し、耐性を示した肺癌の1例

公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院福田  泰、吉岡 弘鎮、堺  隆大、曽根 尚之、池田  慧、丹羽  崇、西山 明宏、伊藤 明広、古田健二郎、時岡 史明、田中 麻紀、橘  洋正、有田真知子、橋本  徹、石田  直

上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)は活性型EGFR遺伝子変異を有する肺癌で有効である.しかし,薬剤耐性を獲得し再発することも知られており,獲得耐性因子としてT790M遺伝子変異,Met遺伝子増幅,PIK3CA遺伝子変異などが代表的である.また非小細胞肺癌から小細胞肺癌への組織型の変化により耐性を示すこともある.我々はEGFR-TKI治療後に組織型が変化し,EGFR-TKIに耐性を示した肺癌症例を経験したので,文献的考察を踏まえ報告する.症例はC型肝硬変を基礎疾患に持つ74歳女性.CEA上昇をきっかけに,肺腫瘤がみつかり,最終的に4期の肺腺癌と診断された.EGFR遺伝子変異(L858R)を認めたことから,初回治療としてゲフィチニブ内服を行い著効した.18ヶ月後に原発巣の増大を認め,re-biopsyを施行したところ,Carcinoma with neuroendocrine differentiationと神経内分泌腫瘍の性質を認める組織型に変化していた.小細胞癌に有効と考えられる化学療法を行ったところ,著効した。その後再度進行し,3回目のbiopsyを施行したところ同様の組織型の変化が継続しており,小細胞癌に準じた治療を継続している.

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H-17ベバシズマブを含む一次治療中に消化管穿孔を来した非小細胞がんの2例

川崎医科大学附属病院 呼吸器内科松田 宗也、池田 征樹、尾長谷 靖、八十川直哉、堅田 洋祐、橘高  誠、黒瀬 浩史、阿部 公亮、清水 大樹、大植 祥弘、毛利 圭二、加藤 茂樹、小橋 吉博、岡 三喜男

[はじめに]ベバシズマブは非小細胞肺癌治療で比較的安全に使用される。【症例1】66歳、男性。20XX年4月に原発性非小細胞肺がん(cT4N2M1a)と診断。一次治療としてCBDCA+PTX+Bevを開始した。Day3に消化管穿孔を発症し緊急手術となった。穿孔部周辺への転移であった。治療前のPET/CTで同部位への集積は認めてはいなかった。【症例2】63歳、男性。20XX年12月に原発性肺腺癌(cT2aN0M1b)と診断。非感染性疣贅による脳塞栓に伴う脳浮腫に対しステロイド治療を行っていた。一次治療としてCBDCA+PEM+Bevを開始した。Day8に消化管穿孔を発症し緊急手術を受けた。穿孔部に悪性細胞は認めず、サイトメガロウイルス(CMV)が検出され、CMV腸炎による穿孔が考えられた。また、その数日後に腸管虚血により再穿孔を来した。【考察】症例1は腸管転移巣が化学療法に伴い縮小し、穿孔したと考えられた。症例2は担癌およびステロイドによる免疫抑制状態に伴う日和見感染もしくは腸管虚血が原因と考えられた。ベバシズマブを含む化学療法中の消化管穿孔は肺がん治療では極稀であるが、機序の異なる2症例を経験した。重大な有害事象であり、投与後には注意深い観察が必要である。

H-18徳島大学病院におけるBevacizumab長期維持投与例の検討

徳島大学病院 呼吸器・膠原病内科尾崎 領彦、柿内 聡司、手塚 敏史、西條 敦郎、大塚 憲司、山子 泰斗、後東 久嗣、埴淵 昌毅、西岡 安彦

【背景】2009年11月6日より扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌に対してBevacizumab(Bev)の使用が可能となった。従来の初回化学療法へのBevの上乗せにより、予後延長効果が報告されている。

【目的】当院でのBevによる治療成績と問題点を明らかにする。【方法】2009年11月~2012年12月の期間にBevの投与を行った34症例(43レジメン)についてレトロスペクティブに検討した。

【結果】症例は男女それぞれ17例、平均年齢63.8歳、組織型は腺癌31例、非小細胞肺癌3例。Bevを初回化学療法で併用した14症例では奏効率43%、病勢制御率100%、2次治療以後で併用した24症例では奏効率4%、病勢制御率92%だった。1年以上の無増悪生存期間が得られている症例が23%あったが、長期使用例では有害事象として蛋白尿が見られ、継続困難となる症例も存在した。

【結語】当院でのBev投与症例では高い病勢制御率が得られた。一部の症例においてはbeyond PDでのBevの有用性が示唆されたが、有用性と安全性については今後さらなるエビデンスの蓄積が必要である。

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H-19進行肺多形癌におけるEGFR遺伝子変異の治療前診断の試み

1)国立病院機構東広島医療センター 呼吸器内科、2)国立病院機構東広島医療センター 呼吸器外科村上  功1)、吉光 成児1)、増田 憲治1)、花木 英明2)、柴田  諭2)、重藤えり子1)

【対象と方法】進行多形癌におけるEGFR遺伝子変異の治療前診断の有用性を検討するため、当院において過去9年間に、剖検にて多形癌との最終診断が得られた13症例(男性11例、女性2例、年齢42-91歳、臨床病期IIIB/IV:3/10)を対象として、診断手技ならびにEGFR遺伝子検査が治療前に可能であったかどうかretrospectiveに検討した。【結果】診断手技:気管支鏡下の生検、細胞診にて4例は多形癌と診断されていたが、3例は他の組織型(腺癌2例、大細胞癌1例)と診断され、3例は診断に至らず、他の手技が必要であった。CTガイド下肺生検では3例、手術に至ったのは2例(原発巣1例、脳転移巣1例)であった。EFGR遺伝子変異の評価が診断時に可能であったのは13例中11例であり、うち1例で活性化変異が検出されたので、gefitinibの投与にて、11ヵ月の部分奏効を得た。またこれら11例の診断時と剖検時に得られた検体間において、EGFR遺伝子活性化変異の有無に相違はみとめられなかった。【結語】多形癌においてもEGFR遺伝子変異を有する症例が存在するため、治療前診断手技の検討が必要である。

H-20肺癌脳転移に対する定位放射線治療後のペメトレキセド有効例

1)川崎医科大学附属川崎病院 総合内科学4、2)川崎医科大学附属川崎病院 初期研修医越智 宣昭1)、山根 弘路1)、山岸 智子1)、福田 直樹2)、瀧川奈義夫1)

肺癌脳転移に対し定位放射線治療(STI)後にペメトレキセドを投与し、脳転移を含む再発を2年以上抑制している症例を経験したので報告する。症例1:52歳女性。肺腺癌(pT2N2M0、stage IIIA)左上葉切除後に左下葉へ再発した。再発病変に対してラジオ波焼灼療法を施行したが、その7ヶ月後に脳転移を発症した。脳転移に対しSTIを施行したが、2ヶ月後に肺転移を認めた。シスプラチン+ペメトレキセド併用療法4コース後にペメトレキセド維持療法を3年間施行している現在も、脳転移を含め寛解している。症例2:64歳女性。肺腺癌

(cT2N3M0、stage IIIB)に対し、シスプラチン+S-1併用放射線療法を施行したが、6ヶ月後に脳転移を認めSTIを施行した。以降3年間に脳転移再発を繰り返し、そのたびにSTI(計23箇所)を施行していたが、左腋窩リンパ節に再発した。ペメトレキセド単剤療法を開始したところ再発リンパ節は消失し、2年経過した現在も、脳転移を含め寛解を維持している。脳転移に対するペメトレキセドの有効性は報告されているが、脳転移の再発抑制にも有効である可能性が示唆された。

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H-21ゲフィチニブ内服中にネフローゼ症候群を合併した肺腺癌の1例

住友別子病院がんセンター 腫瘍内科二宮  崇、伊藤明日香、勝田 知也、洲脇 俊充、亀井 治人

【症例】77歳女性。【現病歴】肺腺癌(EGFR exon 19欠失)に対し2011年8月29日よりゲフィチニブ内服療法が開始となり、著明な縮小効果が得られ内服継続となっていた。2012年4月に入り全身の浮腫が出現し低アルブミン血症も認められたため入院となった。【経過】入院時全身の浮腫とCTにて両側胸水・腹水が認められ、腹水は漏出性だった。尿蛋白/尿クレアチニンの上昇、低アルブミン血症、高LDL血症も認められネフローゼ症候群と診断された。また、血清クレアチニンの上昇も認められた。ステロイドパルス療法が3回繰り返されたが改善は乏しく蛋白尿・クレアチニン高値は遷延した。ゲフィチニブ中止・シクロスポリンの追加にて徐々に改善した。約1ヶ月間ゲフィチニブを中止していたが肺腺癌の増悪は認められなかった。その後エルロチニブを開始しネフローゼ症候群の再燃、他の副作用が認められなかったため退院となった。ネフローゼ症候群発症時に肺腺癌の進行は認められず、ゲフィチニブの中止後に改善したことからゲフィチニブによるものと考えられた。ゲフィチニブ内服中にネフローゼ症候群を合併することはまれであることから文献的考察を加え報告する。

H-22黄疸を主訴に診断された高ビリルビン血症を伴った肺小細胞癌の一例

島根大学医学部 内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学講座本田  健、木庭 尚哉、沖本 民夫、濱口  愛、津端由佳里、三浦 聖高、濱口 俊一、大江 美紀、須谷 顕尚、竹山 博泰、礒部  威

X年10月上旬より尿の黄染、腹部膨満感あり前医に紹介され受診した。採血上ビリルビン、肝逸脱酵素高値でありCTで右上葉浸潤影、右鎖骨-縦隔LN腫大、肝腫瘤が認められ、肝生検を行い小細胞肺癌と診断した。cT2N3M1b進展型小細胞肺癌と診断され、抗癌剤治療のためにX年10月29日に当院呼吸器内科へ転院した。入院時総ビリルビン11mg/dlと高値で腎機能も推算糸球体濾過量30台ml/min./1.73m2と低下していたため、初回治療はトポテカンを選択し治療を開始し、問題となる毒性なく1コース目を終了した。1コース目終了時は肝機能、腎機能が正常化し、肝も触診上縮小していることが確認されたため、通常の抗癌剤治療を行うことになった。カルボプラチン+エトポシドの2剤治療に変更し治療を行った。その後、計4コース行い経過観察することになった。近年、患者の高齢化と悪性腫瘍以外の疾患の治療成績向上により、臓器障害を有する肺癌患者は増加傾向にある。このため臓器障害や併存疾患を理由に化学療法の適応から一概に除外することは適当ではなく、とくに小細胞肺癌は無治療での予後が著しく不良であるが化学療法や放射線治療に高い効果が期待できるため積極的な治療が望まれる。

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H-23胸腔鏡下左肺上区域切除を行った超高齢者肺癌の2症例

鳥取大学医学部 胸部外科荒木 邦夫、城所 嘉輝、細谷 恵子、若原  誠、高木 雄三、松岡 祐樹、春木 朋広、三和  健、谷口 雄司、石黒 清介、中村 廣繁

90歳を超える超高齢肺癌患者に対し,左肺上区域切除を行った2症例を提示する.症例1:91歳男性.検診異常影で他院を受診.CTで左肺尖に26mm大の不整陰影を指摘され紹介となる.経気管支鏡下生検では確定診断が得られずも,FDG-PETで肺病変部に高集積を認め,肺癌疑いcT1bN0M0,stageIAとした.症例2:92歳女性.近医での胸部X線検査で左肺異常影を指摘され紹介.CTで左肺上区に34mm大の不整陰影を認め,経気管支鏡下生検で肺腺癌と診断した.FDG-PETでは肺病変以外にFDGの集積はなく,cT2aN0M0,stageIBとした.2症例ともPS0で重篤な基礎疾患はなく,心肺機能も良好であることより手術適応と判断した.症例1,2ともに左肺上区肺尖側に病変が限局し十分な切除マージンが確保できることより,胸腔鏡下左肺上区域切除を選択した.症例2は肺動脈舌区支(A4)が中枢から分岐する部分縦隔型であり,手術の煩雑さを回避することでの手術時間短縮も目的とした.2症例とも術後経過は良好で,有意な合併症発生はなく退院となった.以上より,超高齢者肺癌であっても症例を選択した上で胸腔鏡下肺区域切除を行うことは,安全性,根治性において意義があるものと考えた.

H-24肺癌術後に脳梗塞・間質性肺炎急性増悪を来たすも迅速な診断と治療により救命しえた高齢者肺癌の1例倉敷中央病院 呼吸器外科藤原 敦史、奥村 典仁、山科 明彦、栢分 秀直、松岡 智章、亀山耕太郎

<症例>79歳男性。元々肺気腫・間質性肺炎で当院呼吸器内科外来通院中であった。2012年10月に撮影された胸部CTで右下葉に結節影を認め、原発性肺癌疑いとして当科紹介となり、胸腔鏡補助下右肺底区切除を施行した。術後2日目に右不全麻痺が出現、MRIにて左MCA領域のアテローム血栓性脳梗塞と診断された。直ちにNCUに入室、抗凝固療法・脳保護療法を施行し症状は固定した。リハビリが順調に進んでいた術後9日目に発熱・酸素飽和度の低下及びCT上両側びまん性のスリガラス影を認めた。直ちに気管支鏡およびBALを施行し間質性肺炎の急性増悪と診断した。ステロイド投与(パルス療法及び経口内服による維持療法)行い、陰影の改善と自覚症状の改善も認めた。1ヶ月間のリハビリテーションの後転院、術後5ヶ月の現在呼吸状態も改善し外来通院中である。<考察>肺切除術における周術期脳梗塞の発症率は0.6%、また肺癌術後の間質性肺炎急性増悪の発症率は9.4%と報告されており、共に致命率が高い合併症である。今回我々は高齢者で、術後短期間の間にこれら2つの合併症が生じるも、迅速な診断と治療により救命しえた1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。

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H-25緊急気管支鏡下腫瘍焼灼切除術にて救命できた高齢者肺多形癌の2例

島根県立中央病院 呼吸器外科小阪 真二、戸矢崎利也、山本 恭通

腫瘍急速増大による気道閉塞で低酸素血症をきたした高齢者肺多形癌に対し、緊急気管支鏡下腫瘍焼灼切除術試行、状態を改善できたので報告する。症例1:84歳男性、呼吸困難で当院救急外来受診。右主気管支がほぼ閉塞。10L酸素投与でSp02 90%前後と低酸素血症あり、緊急に局所麻酔下に右上葉枝から突出した腫瘍を焼灼切除、気管支を開通させた。第2病日に酸素不要となったが、第4病日に酸素化維持に酸素10L投与を必要になり、緊急気管支鏡下腫瘍焼灼切除、気管支を開通させた。第15病日全身麻酔下にDumon stentを留置。症例2:80歳男性、胸部異常陰影で近医から紹介。手術予定としたが、入院予定の2日前に咳嗽と呼吸困難で当院救急外来受診。入院当日夜、酸素10L投与でSpO2 90%前後と低酸素血症持続、ICU入室、挿管管理となった。左主気管支が閉塞、狭窄拡張術を第6病日に予定したが、第6病日未明、低酸素血症悪化、呼吸停止状態となった。ICUで緊急に左下葉から突出した腫瘍を焼灼切除、気管支を開通させた。その後全身麻酔下で気道狭窄拡張、第7病日Ultraflex covered stentを留置。

H-26眼窩内転移を来した原発性肺癌の1例

高松赤十字病院 呼吸器科六車 博昭、真弓哲一郎、林  章人、山本 晃義

症例は77歳男性。間質性肺炎のため他院で経過観察されていた。入院2ヶ月前より徐々に右眼周囲が腫脹してきたが放置していた。定期検査のため同院を受診、胸部X線で異常陰影を認めたため、当科を紹介、精査加療目的で入院となった。胸部X線、CTで右肺に腫瘤陰影、縦隔リンパ節腫大を認めた。気管支鏡を施行、肺腺癌と診断、全身検索を行い、肺転移、肝転移、多発骨転移を認めた(T2bN2M1b)。右眼周囲の腫脹に対してCT、MRIを施行、右眼窩内に腫瘤を認め、眼窩内転移と診断した。家族の希望で本人への告知は行わず、化学療法も希望されなかった。入院後、骨転移による疼痛、眼窩内転移による眼周囲の違和感が徐々に増強してきた。骨転移に対してオピオイドを使用、眼窩内転移に対しては放射線治療を行った。治療により徐々に眼症状は軽快してきたが、週末外泊した際に本人が病院へ帰院を拒否され、そのまま自己退院となった。放射線治療は50Gy/25回予定のところ42Gy/21回で終了した。自己退院後、2週間程度で状態悪化し、再入院となり、初診から約3カ月の経過で死亡された。眼窩内転移を来した原発性肺癌はまれであり報告する。

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H-27術前には指摘困難であった微小胸腺腫を含む多発胸腺腫の1手術例

1)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 胸部血管外科、2)独立行政法人国立病院機構米子医療センター 呼吸器内科大野 貴志1)、鈴木 喜雅1)、山下ひとみ2)、上田 康仁2)、冨田 桂公2)、小勝負知明2)

症例は70歳代の女性で,左胸痛を主訴に近医を受診した.胸部X線にて,胸部異常影を指摘され,当院紹介となった.胸部CTにて,上~前縦隔気管前方に,やや不均一な造影効果を呈する境界明瞭な30mm大の腫瘤を認めた.胸部MRIでは,T1WIにて低信号,T2WIにて高信号を呈し,やや不均一な造影効果を認めた.周囲組織への浸潤が疑われた.穿刺吸引細胞診を施行し,胸腺腫の疑いにて,手術の方針とした.胸骨正中切開にて,胸腺胸腺腫摘出術を施行した.腫瘤は胸腺右葉上極に位置していた.表面平滑で,周囲組織への浸潤は認められなかった.また,術前画像診断にて確認できなかった5mm大の結節を胸腺左葉中部に認めた.最終病理診断で,胸腺右葉上極の腫瘤は,40×35×20mmのType A胸腺腫,胸腺左葉中部の結節は,7×6×3mmのType AB胸腺腫であった.それぞれ皮膜を有し連続性はなく,多中心性発生の胸腺腫と思われた.画像で確認できない微小胸腺腫を認めることもあり,胸腺腫に対する術式としては従来から推奨されている胸腺胸腺腫摘出術が望ましいと考えられた.

H-28低肺機能のため横隔神経を温存した巨大胸腺腫の一例

1)高松市民病院 呼吸器外科、2)高松市民病院 呼吸器内科喜田 裕介1)、三崎 伯幸1)、河野 洋二2)、岸本 伸人2)

症例は64歳、男性で、1ヶ月前より呼吸困難感を自覚するようになり、当院を受診した。呼吸機能検査にて1秒量は0.85Lと高度閉塞性障害であった。また胸部レントゲン、CTにて、前縦隔に8.4×5.7cmの比較的境界明瞭な腫瘤を認め、胸腺腫を疑った。胸骨縦切開下縦隔腫瘍摘出術を施行した。横隔神経は腫瘍にて取り囲まれていたが、合併切除は呼吸機能的に難しく、腫瘍を割る形で横隔神経した。摘出標本は13.5×8.5×7.0cm大で、総重量は440gであった。病理組織学的に胸腺腫、Masaoka分類の3期、WHO分類typeB1と診断した。術後経過良好で術後19日目に退院された。全身状態の改善を待ちCBDCA+PACにて化学療法4クールと、横隔神経の温存による腫瘍残存の可能性が高く、放射線療法40Gyを施行した。現在、術後8ヶ月で無再発にて外来にて経過観察中である。若干の文献的考察を加えて報告する。

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H-29自然気胸にて発見された縦隔原発滑膜肉腫の1手術例

鳥取県立厚生病院 外科児玉  渉、吹野 俊介、窪内 康晃、倉敷 朋弘、大田里香子、田中 祐子、内田 尚孝、浜崎 尚文

滑膜肉腫はほとんどが四肢関節近傍に発生し,縦隔に発生することは非常にまれである。今回我々は、心膜より発生した滑膜肉腫を経験したので報告する。症例は40歳代女性。左自然気胸にてH24年9月に入院。CTで左心膜に接する4cm大の充実性成分を有する嚢胞性の前縦隔腫瘍を認めた。気胸と左前縦隔腫瘍摘出術目的に手術を行った。胸腔鏡下に手術を開始した。心嚢前面に黄色透明な内容物を含んだ腫瘤を認め、その近傍の心膜にも小結節を認めた。腫瘍を心膜から摘除し、術中迅速病理組織診断では、孤立性線維性腫瘍疑いであった。第4肋間前方腋窩開胸を追加し、心膜とともに腫瘍をすべて完全切除した。腫瘍は4×2.5×6.5cmで、永久標本にて病理所見はHE染色と免疫染色より滑膜肉腫疑いとなり、キメラ遺伝子SYT−SSX融合遺伝子陽性であり、滑膜肉腫の確定診断に至った。近傍の小結節は播種病変であった。術後AI療法を4クール施行し、現在再発なく経過している。

H-30肺癌術後の間質性肺炎急性増悪から回復後に発症した難治性気胸に対する手術経験岡山大学病院 呼吸器外科岡田 真典、杉本誠一郎、諏澤  憲、西川 仁士、三好健太郎、山本 寛斉、宗  淳一、葉山 牧夫、山根 正修、豊岡 伸一、大藤 剛宏、三好新一郎

肺癌術後の間質性肺炎(IP)急性増悪は致命的になることが多く,その回復後に肺疾患の手術が考慮されることは少ない.肺癌術後2ヶ月目にIP急性増悪を発症し,ステロイドパルス治療は奏功したが,回復後に難治性気胸をきたし手術を行った症例を経験したので報告する.症例は67歳,男性.7年前にIPを指摘されたが無治療であった.左下葉に原発性肺癌(腺癌)を認め,縦隔鏡を施行後に左下葉切除術・リンパ節郭清を施行した(pT3N0M0;pStage IIB).術後経過は良好で退院したが,術後2ヶ月目に右肺のIP急性増悪を発症し再入院となった.合計3度のステロイドパルス療法とステロイド内服でIP急性増悪からは回復したが,再入院1ヶ月後に右気胸を発症した.胸腔造影で右肺尖部のブラからmassiveな肺瘻が確認されたが,造影剤希釈フィブリン糊の胸腔内注入療法で閉鎖できた.その後も右気胸を再度発症し同様に閉鎖し得たが,IP急性増悪から2ヶ月半後に3度目の右気胸を発症した.難治性気胸であったため,再度のIP急性増悪の危険性を考慮した上で,全身麻酔下に右肺嚢胞切除術を施行した.IP急性増悪回復後の続発性難治性気胸に対する手術報告例は少なく,文献的考察を加え報告する.

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H-31両側同時発症と思われる胸膜中皮腫の1例

1)岡山労災病院 呼吸器内科、2)岡山労災病院 外科渊本 康子1)、浅野美智子1)、小野勝一郎1)、藤本 伸一1)、小崎 晋司1)、岸本 卓巳1)、西  英行2)、平山  伸2)

症例は59歳男性。建設業に従事し石綿曝露歴あり。健診にて左胸水貯留を指摘され前医を受診。左胸水中のヒアルロン酸値の上昇(130,430ng/ml)を認め、細胞診では、クラス5の悪性中皮腫細胞が同定された。胸部CTでは明らかな両側の胸膜肥厚は認めなかった。診断目的で左側の胸腔鏡下胸膜生検を施行した。HE染色では、一層に配列した中皮細胞を認め、免疫染色では中皮細胞マーカーであるcarletinin、WT-1、CAM5.2などが陽性、肺腺癌のマーカーであるCEA、TTF-1が陰性であり上皮型中皮腫と診断した。前医のPET-CTでは右背側胸膜沿いに軽度のFDG集積を認めたため右側の胸腔鏡下胸膜生検を施行し、左側と同様に上皮型中皮腫と診断した。いずれの病変も早期であり両側に同時に発症したと思われた。両側同時発症の胸膜中皮腫はまれであり若干の文献的考察を加えて報告する。

H-32導入同時化学放射線療法と肺全摘術後、5年間無再発生存中のc-T3N2M0肺腺癌の1例1)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科、2)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 放射線科岡部 和倫1)、松田 英祐1)、田尾 裕之1)、田中 俊樹1)、高萩 亮宏1)、林  達朗1)、吉田久美子1)、上岡  博2)、松本 常男3)

【緒言】導入同時化学放射線療法後の肺全摘術は、肺癌の予後を大いに改善する可能性がある。5年間無再発生存中のc-T3N2M0肺腺癌の1例と当院での成績を報告する。

【症例】患者は、手術時の年齢が50歳の男性。咳、痰のため近医を受診し、胸部X線写真で異常を指摘された。精査の結果、縦隔胸膜浸潤と気管分岐部から2cm未満への浸潤および縦隔リンパ節転移を伴うc-T3N2M0腺癌と診断された。下記の導入化学放射線療法後の2008年6月に右肺全摘術を施行した。手術時間は7時間30分で、心嚢内肺血管処理と大網による気管支断端の被覆を行った。病理診断はCRで、術後5年間無再発生存中である。

【当院での成績】当院で経験した12例の平均年齢は58歳。男性10人、女性2人。化学療法は、CDDP 40mg/m2とTXT 40mg/m2のday 1とday 8投与を1クールとし、合計2クールを標準とした。放射線療法は、原発巣と肺門と縦隔に対する46Gyを標準とした。左全摘11例、右全摘1例。心嚢内の肺血管処理を5例で行った。手術時間中央値は4時間50分で、重篤な合併症は無かった。病理学的にCRを6例に認めた。12例全例が無再発生存中である。

【結語】肺癌に対する導入同時化学放射線療法後の肺全摘術は期待できる。

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H-33切除不能局所進行期非小細胞性肺癌に対するシスプラチン/S1放射線同時照射II相試験:全生存期間追加報告1)愛媛県立中央病院、2)岡山肺癌治療研究会井上 考司1,2)、森高 智典1,2)、野上 尚之2)、畝川 芳彦2)、新海  哲2)、近森 研一2)、青江 啓介2)、上岡  博2)、張田 信吾2)、柴山 卓夫2)、武本 充広2)、瀧川奈義夫2)、田端 雅弘2)、谷本 光音2)、木浦 勝行2)

昨年本会で局所進行肺非小細胞癌に対するCisplatinとS-1併用同時放射線療法の第II相試験:OLCSG0501の有効性と安全性前回報告した。今回全生存期間を解析したため追加報告する。方法:放射線療法(2Gy/日、計60Gy)と同時に、CDDP 40mg/m2をdays1, 8, 29, 36に、S-1 80mg/m2/日をdays1-14,29-43に投与した。主要評価項目を奏効率(期待75%、閾値60%)とした。結果:48例(年齢中央値66歳:44-75、男/女:37/11、PS 0/1:23/25、腺癌/扁平上皮癌/腺扁平上皮癌/その他:21/22/1/4、IIIA期/IIIB期:18/30、喫煙者/非喫煙者:40/8)が登録。PR/SD/PD:37/10/1例で奏効率は77%(95%CI:63-88%)であった。観察期間中央値は40ヶ月で、無増悪生存期間中央値(PFS)と全生存期間中央値(OS)は9.3ヶ月と31.3ヶ月であった。結語:本療法で良好なOSとPFSが得られた。

H-34当院における肺大細胞神経内分泌癌切除例の検討

1)独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 呼吸器外科、2)独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 病理科河本 宏昭1)、山下 素弘1)、上野  剛1)、末久  弘1)、澤田 茂樹1)、寺本 典弘2)、高畑 浩之2)、西村理恵子2)

肺大細胞神経内分泌癌(LCNEC)は生物学的特徴と臨床予後の不良さから、肺小細胞癌(SCLC)と同様に低分化な肺神経内分泌癌に位置付けられているが、その治療方針についてはコンセンサスを得られていない。そこで、今回我々は2003年12月~2013年1月、当院で手術を施行したLCNEC 23例(混合型2例、類縁疾患5例を含む)について検討した。術前に11例に肺癌の確定診断がなされていたが、LCNECの診断がなされていたのは1例のみであった。術後補助化学療法は5例に施行され、UFT 3例(高齢症例、肺扁平上皮癌合併症例を含む)、CDDP+CPT-11 2例であった。また術後再発は5例(肺3例・縦隔リンパ節3例・遠隔2例)に認め、遠隔転移再発よりも局所再発が多い傾向が見られた。うち2例は病理病期IA期であった。UFT投与症例は全例再発を認め、CDDP+CPT-11投与症例は2例とも再発を認めていない。また2例は術後5年以上経過し再発していた。LCNECの術後補助化学療法としては、最近の知見にあるように非小細胞肺癌のレジメンよりも小細胞癌のレジメンが有効である可能性がある。JCOG1205/1206が始まっており、その結果が待たれる。

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H-35脳転移で発見され、開頭腫瘍摘出術および全身化学療法後にサルベージ手術を施行した原発性肺癌の1例1)松江赤十字病院 呼吸器外科、2)松江赤十字病院 呼吸器内科磯和 理貴1)、岡部  亮1)、矢内 正晶2)、福嶋 健人2)、中崎 博文2)、徳安 宏和2)

65 歳女性。めまいで発症し、MRI で脳腫瘍が指摘され、当院脳外科で開頭腫瘍摘出術が行われ、腺癌と診断された。全身検索で左肺上葉に原発巣が認められ、呼吸器内科でIV期肺癌として、CBDCA+PEMによる全身化学療法を5サイクル施行した。腫瘍は画像上縮小したが、遺残しており、脳腫瘍の再発は認められず、PET/CT上、他病変は認められなかったため、化学療法終了5か月後にサルベージ手術(左肺上葉切除術)を施行した。病理組織学的には20×15×8mm大の線維化病変の中に、5mm大のviableな腺癌病変が認められ、#10リンパ節のみに転移が認められ、pT1aN1M0であった。補助治療は行わず、術後1年10か月の現在、再発なく経過観察中である。

H-36肺癌脳転移に対するガンマナイフ治療後2年以上生存の14症例の報告

脳神経センター大田記念病院 脳神経外科中崎 清之

目的 肺癌脳転移に対するガンマナイフ治療後2年以上生存例について明らかにする。方法 2009年1月から2011年3月まで96症例に肺癌脳転移に対してガンマナイフ治療(GKS)を実施した。うち初回GKS時より2年生存し得た14症例(14.6%)の経過を詳細にする。結果 原発組織は9例が腺癌、2例が扁平上皮癌、1例が腺扁平上皮癌と肺胞上皮癌の併発、1例が不詳であった。1例は全脳照射後、5例が初回GKSは手術との併用であった。初回GKS後9例が(64.3%)が化学療法を実施。9例(64.3%)が初回GKS後新規病変、4例(28.6%)が脳転移の制御不良を経験した。11例が化学療法・薬剤療法以外の治療を要した。2年経過の時点で11例(1例不詳、78.6%)がADL自立、この時点でMMSE認知症検査がしえた12例中10例(83.3%)が3ポイント低下を回避し得た。3名が3年以上経過し現在も生存し、4名が既に死亡している。結論 脳転移は初回GKS後以後も定期的評価が重要である。適切な治療により長期にADLを維持し、神経死を回避しえる可能性がある。

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H-37脈絡膜転移をきたした肺腺癌の一例

1)国立病院機構高知病院 呼吸器センター、2)国立病院機構高知病院 眼科中野万有里1)、香西 博之1)、岡野 義夫1)、町田 久典1)、畠山 暢生1)、戸田 祐子2)、篠原  勉1)、大串 文隆1)

【症例】55歳、男性。【主訴】視力障害。【喫煙歴】20本/日×40年間。【現病歴】平成XX年4月に咳嗽、頚部リンパ節腫脹を主訴に近医を受診、胸部異常陰影を指摘され6月に当院紹介受診となった。気管支鏡検査より肺腺癌(cT2N3M1、c-StageIV、EGFR mutation(-))と診断した。平成XX年6月20日からCBDCA+PACを6コース実施し、平成XX+1年7月の時点でPDとなり、DOCの投与を開始した。2コース終了後にDOCによる薬剤性肺障害を発症し化学療法を中止した。平成XX+2年1月に左胸水貯留を認め胸膜癒着術を施行した。1月末から視力障害が出現し頭部MRIを施行したが脳転移は認められず、眼科の検査で脈絡膜転移を認めた。2月13日からMTAの投与を開始したが脈絡膜転移には効果はみられず、約1ヶ月後に死亡した。脈絡膜転移に対する治療としては化学療法を第一選択とし、眼症状が進行している場合は速やかに放射線治療が行われるべきであるとの報告がある。この症例でも放射線治療を検討したが、眼痛がなく、放射線治療による失明が避けられないため、化学療法のみで経過観察とした。視力予後のみならず生命予後も検討し治療の選択をする必要があると考えさせられる症例であった。

H-38左主気管支を閉塞する気管支平滑筋腫の1切除例

山口大学大学院 器官病態外科学呼吸器外科佐野 史歩、溝口 高弘、村上 順一、林 雅太郎、上田 和弘、濱野 公一

【症例】40歳代男性。【現病歴】発熱と呼吸苦にて近医を受診。CTで左主気管支内腔を閉塞する腫瘤性病変を認め、気管支鏡による生検にて平滑筋腫が示唆された。【血液検査】炎症反応の上昇なし。【CT検査】左主気管支および上葉支からB1+2入口部にかけて、広範囲に内腔を占拠する腫瘤性病変を認めた。また、左下葉に閉塞性肺炎を認めた。【換気・血流シンチ】左全肺野にて換気・血流ともに著しい低下を認めた。【手術】後側方開胸にてアプローチした。左上葉支根部を背側より露出し、背側の約半周を切開し、病変を確認した。B1+2とB3の分岐部に基部を有するポリープ様病変であった。型の如く左上葉切除を施行した。【まとめ】気管支内腔を広範囲に閉塞するように発育した気管支平滑筋腫を経験した。腫瘍の基部の位置が術式決定に重要である。手術ビデオを供覧しつつ、術式の妥当性などについて考察を加え報告する。

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H-39肺癌術後に乳糜胸を併発した4例の検討

広島市立広島市民病院 呼吸器外科西川 仁士、松浦 求樹、藤原 俊哉、小谷 一敏

肺癌切除後に併発する乳糜胸は0.5~3%の頻度で発症するといわれており、しばしば治療に難渋する。発症例の特徴を理解し、対策を講じることが肝要である。2012年1月~12月の当科における原発性肺癌切除症例194例中、術後乳糜胸を合併した4例(2%)を報告する。男性2例、女性2例。39~64(平均53.8)歳。4例いずれも右上葉の腺癌であった。2例は検診発見、2例は他疾患経過観察中の発見であった。3例に上葉切除、1例に上葉部分切除を施行。#4R郭清は4例すべてに行い、#7郭清は2例に施行した。pT1aが1例、pT1bが2例、pT2aが1例。手術時間は93~209分(平均170分)、術中出血量は30~80g(平均58g)。3例が術後2日目に発症し、1例は1日目に発症した。絶食とし、2例に胸膜癒着療法を施行し、うち1例にはオクトレオチドも投与した。ドレーン抜去まで術後平均20日、退院まで術後平均26日を要した。上縦隔特に#4Rの郭清に際しては、索状物をこまめにクリッピングするなどの対策を要すると思われた。

H-40胸腔鏡下肺切除術における区域間同定のための経気道的ICG注入の有用性について香川大学医学部付属病院 呼吸器乳腺内分泌外科徳永 義昌、呉  哲彦、伊藤 公一、加藤  歩、松浦奈都美、笠井 由隆、中野  淳、奥田 昌也、後藤 正司、横見瀬裕保

【背景】CT画像診断の向上による小型肺癌発見の増加に伴い,区域切除を初めとした縮小手術も増加している.一方,区域切除での区域間同定に難渋することがある.当科では静注ICGを用いた赤外線胸腔鏡による区域間同定をこれまでに行ってきたが,赤外線胸腔鏡の商業化の遅れ,使用時の装置交換が必要なことから,簡便な代替法として経気道的ICG注入による区域染色を試みている.【目的】経気道的ICG注入による区域間同定の有用性を検討する.【対象と方法】2010年2月~2013年4月までに完全胸腔鏡下に区域切除-肺葉切除を行った肺癌171例中,区域切除が行われた39例のうち4例で(3例は切除区域,1例は隣接区域)経気道的ICG注入による区域染色(全身麻酔後気管支鏡にて50%ICG 20mlを目的区域亜区域気管支に直接注入)を行った.【成績】内訳は男性2例,女性2例.術前HRCT上腫瘍径は9.0±3.2mm,肺表面からの距離は15.6±3.1mm.全例区域間同定は可能で病変の完全切除がなされた.病理組織型は全て原発性肺腺癌(いわゆる野口A/B/C;1/1/2例)で,ICG関連合併症は認めず,ドレン留置期間は平均4日であった.【結論】区域間同定のための経気道的ICG注入は有用となる可能性がある.

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H-411秒量790mlの低肺機能患者に対して術前包括的呼吸リハビリを施行し区域切除を行い得た1例国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 呼吸器外科半田 良憲、原田 洋明、山下 芳典

症例は70歳男性。30年間のアスベスト暴露歴がありその影響で胸膜肥厚などの石綿関連胸膜疾患を罹患し近医にて経過観察されていた。フォロー目的の胸部レントゲンと胸部CTにて左上葉舌区に24mm大の空洞性結節影をみとめ、精査の結果T1aN0M0 cStage1Aの原発性肺腺癌と診断し、手術目的に紹介となった。術前呼吸機能検査ではVC 1840ml、%VC 63%、FEV1.0 790ml、FEV1.0% 51%と混合性肺機能障害を認め、術後残存1秒量は左舌区切除後では約700mlと予測され呼吸機能の面で手術は困難と考えられた。定位照射による放射線治療が考慮されたが、本人の強い希望もあり根治術の可能性を模索し、包括的呼吸リハビリ(BCAA 6.4g/dayによる栄養療法と専門の理学療法士による週2回の呼吸理学療法)を約1ヶ月間施行した。VC 2100ml、FEV1.0 1040ml、術後残存1秒量920mlと呼吸機能の改善を認めたため左舌区切除施行した。術後合併症なく6PODに退院となった。術後7ヶ月を経過した現在も呼吸機能の大幅な低下なく良好な術後経過を得ている。今回の症例を含め、包括的呼吸リハビリの持つ可能性やその有用性に関して文献的考察もまじえて報告する。

H-42発熱と著明な炎症反応にて発見され、感染症との鑑別に難渋したG-CSF産生肺癌の一切除例1)倉敷中央病院 呼吸器外科、2)倉敷中央病院 呼吸器内科、3)香川大学医学部附属病院 呼吸器・乳腺内分泌外科栢分 秀直1)、中野  淳3)、鷲尾 康圭2)、池田  慧2)、藤原 敦史1)、山科 明彦1)、松岡 智章1)、亀山耕太郎1)、奥村 典仁1)

【はじめに】今回発熱と炎症反応高値を契機に発見され、画像上も肺感染症との鑑別が困難であったG-CSF産生肺癌の一切除例を経験したので報告する。【症例】47歳男性。発熱、全身倦怠感、食欲低下、体重減少を主訴に近医を受診。胸部異常陰影と白血球の著明な上昇、CRP高値を認め、肺感染症疑いで当院紹介。胸部CT上左S1+2に結節影および浸潤影を認め、周囲に肺嚢胞が多発していた事から嚢胞内に貯留した粘液や嚢胞内感染が疑われた。しかしFDG-PET/CTにて左肺上葉の結節に著明な集積を認めたほか、全身の骨髄にも著明な集積を認めた。血清G-CSFが高値であったためG-CSF産生肺癌を強く疑い手術を施行した。術中所見では、左上葉に多数の気腫性肺嚢胞の集族を認め、その近傍に充実性の結節を認めた。結節の穿刺細胞診にて悪性所見を認めたため胸腔鏡下左上葉切除(ND2a)を施行。免疫染色にてG-CSF陽性であり、G-CSF産生肺巨細胞癌(pT2aN0M0)と診断した。術翌日から発熱は消失し、数日でCRPも陰性化、白血球数も正常化した。【結語】発熱・著明な炎症反応を契機に発見され、嚢胞内感染との鑑別が困難であったG-CSF産生肺巨細胞癌の一例を経験した。文献的考察を加えて報告する。

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H-43気管支平滑筋腫の1例

川崎医科大学 呼吸器外科保田紘一郎、野島 雄史、前田  愛、湯川 拓郎、最相 晋輔、沖田 理貴、清水 克彦、中田 昌男

気管支平滑筋腫は主気管支から区域気管支に発生する比較的稀な良性腫瘍である。当科で経験した1例を報告する。症例は71歳女性、喘息発作で前医を受診した際に撮影した胸部CTで異常陰影を指摘され当院へ紹介となった。胸部CTでは右主気管支に13×1mmの境界明瞭な結節を認めた。気管支内視鏡検査では右上幹入口部に表面平滑な結節を認め、可動性はなく上幹末梢側の観察はできなかった。経気管支鏡生検の組織では紡錘形腫瘍細胞が錯状増生し免疫組織染色ではα-SMA陽性で平滑筋腫と診断された。手術は胸腔鏡補助下に第5肋間前側方に小開胸をおき行った。右主気管支を剥離し、術中気管支鏡で腫瘍の位置を確認すると腫瘍は右主気管支の膜様部から発生していた。右主気管支の膜様部を長軸方向へ切開し腫瘍を露出すると腫瘍と膜様部の付着部はmmであったため膜様部を含めて付着部を切離して腫瘍を摘出し気管支楔状切除とした。病理組織検査では好酸性細胞質の紡錘形細胞が錯綜増生し核異形、分裂像を認めなかった。免疫組織染色ではα-SMA,desmin陽性,Ki-67 1%以下で良性平滑筋腫と診断された。現在、術後1年間無再発生存中である。

H-44EGFR遺伝子変異陽性肺癌に悪性リンパ腫を合併した一例

1)岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科、2)岡山大学大学院 血液・腫瘍・呼吸器アレルギー内科二宮貴一朗1)、市原 英基1)、萱谷 紘枝1)、後藤田裕子1)、森近 大介1)、田村 朋季1)、佐藤 晃子1)、堀田 勝幸1)、宮原 信明1,2)、谷本  安1)、金廣 有彦1)、谷本 光音2)、木浦 勝行1)

今回、我々はEpidermal Growth Factor Receptor(EGFR)遺伝子変異陽性肺癌の加療中に悪性リンパ腫を合併した症例を経験したので報告する。症例は50代の男性で、2006年に肺腺癌(EGFR遺伝子変異陽性)にて右上葉切除術を受けている。2011年10月に多発肺転移巣が出現したため、cisplatin+pemetrexedによる化学療法を6コース行った。徐々に肺転移巣の増悪を認め、2012年6月よりgefitinibを開始したが二度にわたる肝機能障害のため同年11月よりgefitinibの投与を中止し以後経過観察となっていた。2013年3月、胸腹部CTにて肺病変の再増大を認め、さらに腹腔内リンパ節腫大および終末回腸部壁肥厚が出現していた。erlotinibによる治療を開始し、肺野病変は改善傾向であったが腹部病変は明らかな改善がなかったため他疾患の関与が疑われた。下部内視鏡検査を施行したところ回盲部末端に浅い潰瘍性病変を認め、同部位からの生検で悪性リンパ腫と診断された。本症例は、治療に対する反応性の違いから悪性リンパ腫の合併を診断し得た一例であり、教訓的症例と考えられた。

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H-45多発肺嚢胞を呈した肺MALTリンパ腫の1例

鳥取県立中央病院 呼吸器・乳腺・内分泌外科万木 洋平、前田 啓之

【緒言】pulmonary mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma(肺MALTリンパ腫)は多彩な画像所見を示すが肺嚢胞を認めることは稀である.今回我々は多発肺嚢胞を呈した肺MALTリンパ腫の1例を経験したので報告する.【症例】36歳女性.検診異常影にて受診.CTで両肺に多発する肺嚢胞と少数の腫瘤影を認め,経気管支肺生検が施行されたが診断はつかず以後受診を自己中断.2年後の再受診時,画像所見は増悪しておりCTガイド下肺生検が施行されたが診断は得られず.VATS肺生検にて肺MALTリンパ腫と診断された.肺嚢胞の中枢側の細気管支に異型リンパ球浸潤による狭窄を認め,チェックバルブ機序による嚢胞形成が推測された.【考察】肺MALTリンパ腫はしばしば腫瘤内部の気管支拡張を認めるとされるが,肺嚢胞を呈することは稀である.気管支拡張の機序として周囲肺実質の線維化による牽引が報告されているが,チェックバルブ機序の報告は我々が検索し得た限りではみられなかった.【結語】稀な多発肺嚢胞を呈した肺MALTリンパ腫の1例を経験した.腫瘤を伴った多発肺嚢胞では肺MALTリンパ腫も念頭に置く必要があると思われた.

H-46呼吸器外科領域におけるQuantiFERON-TB検査の医療安全面からの有用性

徳島大学 胸部内分泌腫瘍外科吉田 光輝、先山 正二、森下 敦司、西野 豪志、坪井 光弘、梶浦耕一郎、鳥羽 博明、中川 靖士、川上 行奎、滝沢 宏光、近藤 和也、丹黒  章

【はじめに】呼吸器外科領域では様々な肺腫瘤の診断,治療を扱い,結核腫を疑う症例も多い.結核腫の場合,迅速診断の制約,接触者に対する対応やコストなど不利益な事項が多くなる.我々は気管支鏡検査(BF)前や術前検査としてQuantiFERON-TB(QFT)検査を施行し,医療安全にも活用している.

【目的】QFT検査における医療安全面からの有用性に関して検討した.【対象と方法】最近1年間に呼吸器外科においてQFT検査を施行した65例(44-85歳)を対象とした.【結果】男性33例,女性32例.平均年齢67.3±9.8歳.QFT陽性は20例(30.8%).内訳は男性11例,女性9例で,60-70歳代が13例と多かった.陽性の15例は気管支鏡検査及び/または手術を施行しており,気管支肺胞洗浄液からの結核菌検出症例はなかった.陽性例の最終診断は胸囲結核1例,原発性肺癌9例,転移性肺腫瘍4例.加えて,QFT陰性患者では肺癌と結核腫の鑑別において有用であった.【まとめ】QFT陽性患者には必要に応じて,手術場での陰圧室の使用,検査時のN95マスクの着用等の対策をとっている.過去の検査または術後に活動性結核が判明した症例の対応に要したコストとの比較,対費用効果についても報告する.

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H-47非小細胞肺癌細胞のFOXP3発現とIL-6産生の関係

1)国立病院機構山口宇部医療センター 臨床研究部、2)国立病院機構山口宇部医療センター 呼吸器外科、3)国立病院機構山口宇部医療センター 腫瘍内科三村 雄輔1)、田尾 裕之2)、青江 啓介3)、山本 寛斉2)、松本 常男1)

FOXP3はforkhead/winged-helix family転写因子の一つで、制御性T細胞(Treg)への分化や免疫寛容に関与している。一方FOXP3はTreg以外に、乳癌、膵臓癌、悪性黒色腫細胞での発現が報告されている。最近我々は、非小細胞肺癌患者の31%(n=87)で肺癌細胞内FOXP3を免疫組織染色により検出した(Tao, et al., Lung Cancer, 2012)。また、その発現と腫瘍浸潤Treg数とを組み合わせて術後の予後予測因子となりうる可能性を示唆したが、その生物学的意義は未だわかっていない。本研究では、非小細胞肺癌細胞14株におけるFOXP3発現を調べ、IL-6などのサイトカイン分泌との関係を調べた。定量PCRとWestern blottingによりFOXP3遺伝子発現は6細胞株で強く検出された。一方、NF-kB p65サブユニットのリン酸化は大多数の細胞株で検出され、p65リン酸化の度合いが強い細胞株の培養上清にはIL-6が高く検出された。対照的に、FOXP3発現レベルが高い細胞株ではIL-6濃度は低かった。これらの結果から、FOXP3はIL-6産生に抑制的で、抗炎症性に働くと推察された。

H-48術後早期に再発死亡した肺多形癌の一例

JA尾道総合病院 外科竹井 大祐、則行 敏生、山木  実、中原 雅浩、福田 敏勝、天野 尋暢、吉田  誠、佐々田達成、寿美 裕介、山口 恵美、河島 茉澄

症例は78歳、男性。既往歴はC型肝炎、晩発性皮膚ポルフィリン症。C型肝炎フォロー中のCTで右中肺野に12mm大の結節影を指摘され当科紹介。肺癌を疑い手術:右中葉切除術を施行した。病理結果は多形癌と診断され、肺内転移巣を認めたがリンパ節に転移は認めずT3N0M0 stage2Bであった。全身状態を考慮し、術後補助化学療法は行わず経過観察したが、術後1ヶ月で創部に3cm大の圧痛を伴う腫瘤が出現、胸部CTで右側胸部の腫瘤と右肺尖部胸膜の結節、右鎖骨上窩・縦隔リンパ節の腫大と胸水を認め、肺癌再発と診断した。BSC行い、術後2ヶ月で永眠された。肺多形癌は比較的まれな悪性腫瘍であり、一般の非小細胞肺癌と比較し術後再発率が高く、一部には術後早期に再発し、不幸な転帰をとることが報告されている。確立された治療法はないため、症例の蓄積と有効な治療法の確立が期待される。今回、我々は術後早期に再発死亡した肺多形癌の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

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H-49肺原発リンパ上皮腫様癌に対しカルボプラチン・ペメトレキセドを使用し長期間病勢が制御できている1例島根大学医学部 内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学沖本 民生、津端由佳里、木庭 尚哉、濱口  愛、三浦 聖高、本田  健、濱口 俊一、大江 美紀、須谷 顕尚、竹山 博泰、礒部  威

【はじめに】肺原発リンパ上皮腫様癌は大細胞癌の特殊型に分類される本邦では稀な腫瘍である。【症例】82歳、女性。2012年5月、かかりつけ医で撮影した胸部単純X線写真で右中肺野に結節影を認めたため、肺癌を疑われ当科を紹介され受診した。2012年6月、精査の結果、肺原発リンパ上皮腫様癌cT4N0M1a stage IVと診断した。年齢、performance status、諸臓器機能などを考慮し、非扁平上皮・非小細胞肺癌の1次治療として、カルボプラチン・ペメトレキセド併用療法を開始した。併用療法を4コース後に、ペメトレキセド単剤による維持療法をこれまでに8コース行い、2013年3月現在も病勢が制御出来ている。【考察】肺原発リンパ上皮腫様癌は稀な腫瘍である。その治療に関しては、タキサン系薬剤が奏効するという報告もあるが、1次治療として勧められるほどのエビデンスはない。今回我々は、カルボプラチン・ペメトレキセドを使用し、長期間病勢が制御できている1例を経験した。肺原発リンパ上皮腫様癌に対する治療薬として、今後これらの薬剤も選択肢となりうると考え、若干の文献的考察を加え報告する。

H-50子宮筋腫術後に多発肺腫瘤を認めた1例

川崎医科大学 呼吸器外科学沖田 理貴、保田紘一郎、野島 雄史、前田  愛、湯川 拓郎、最相 晋輔、清水 克彦、中田 昌男

【症例】44歳、女性。2010年に子宮腫瘤に対し腹式単純子宮全摘術を施行された。病理診断はcellular leiomyomaであった。2年5か月後に検診胸部単純レントゲン検査で肺野に腫瘤影を指摘された。他院における胸部CT検査で両肺に複数の腫瘤、小結節影を認められたため、精査加療目的で当科紹介となった。胸部CT検査では2-43mm径の結節、腫瘤を両側肺に認めた。いずれも形状は円形~楕円形で境界明瞭、辺縁平滑な病変であった。造影CT検査では内部に軽度の造影効果を認めた。PET-CT検査ではいずれの病変にも異常集積は認められなかった。診断と治療を兼ねて、両側胸腔鏡下肺部分切除術を施行し、現在病理検査へ提出中である。本症例について病理診断、術後経過、文献的考察を加えて報告する。

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肺癌学会・一般

H-51様々な原因で発生した外傷性横隔膜ヘルニアの3例

広島市立広島市民病院 呼吸器外科松浦 求樹、西川 仁士、藤原 俊哉、小谷 一敏

打撲,肺切除,経皮的ラジオ波焼灼(RFA)後に発生した3例の外傷性横隔膜ヘルニアを報告する.症例1,86歳男性,10日前に左胸腹部打撲,昼食後突然の呼吸困難で救急搬送、左肋骨骨折と気胸を認め横隔膜ヘルニアも疑われた.胸腔ドレナージを行った所,便臭を認めたため緊急開腹,大腸を還納し人工肛門造設,横隔膜修復後に小開胸+胸腔鏡下に掻爬,洗浄,ドレナージを行った.術前から敗血症,術後に腸管穿孔を併発し術後49日で死亡.症例2,85歳男性,肺がんで左舌区・下葉切除後2カ月,呼吸苦と嘔吐で緊急入院,5日目のCTで横隔膜ヘルニアと診断され開腹,胃を還納しcomposit Meshで閉鎖,胸腔ドレナージを行った.呼吸不全で長期の人工呼吸器管理,離脱後PEG造設したが脳転移で死亡(術後9カ月).症例3,77歳女性,肝細胞がんでRFA後1年,右横隔膜ヘルニア,結腸穿孔の診断で開腹,胸腔は経横隔膜的に洗浄し縫合閉鎖した.術後4日目胸腔鏡下掻爬術を追加したが術後25日に死亡.考察,胸腔内での大腸穿孔は急速に敗血症や多臓器不全に進行するため早期に確実な診断と治療を行うことが重要である.非穿孔の症例2では徐々にヘルニアが進行し診断が遅れたことが反省点である.

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肺癌学会研修医演題

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肺癌学会・研修医

HT-01甲状腺原発悪性リンパ腫と肺小細胞がんの同時性重複悪性腫瘍の1例

1)高知医療センター 初期研修プログラム、2)高知医療センター 呼吸器内科、3)高知医療センター 血液内科森  信明1)、浦田 知之2)、中島  猛2)、轟  貴史2)、上村 由樹3)

症例は73歳女性。近医で急速に増大する頚部腫瘤を指摘され2012年10月に当院へ紹介。巨大な甲状腺腫瘍を認め、左肺門リンパ節腫大も認められた。甲状腺の生検にて悪性リンパ腫(びまん性大細胞型)CS2Aと診断された。当院血液内科にて化学療法(R-CHOP)を2コース施行し甲状腺腫瘍の著明な縮小がみられたが、3コース目の化学療法施行前のCTで左上葉の無気肺および左肺門部リンパ節の増大を認め呼吸器内科へ紹介となった。気管支鏡検査では右上葉入口部の壁外性の閉塞および左下葉入口部の壁外性の狭窄を認めた。右上葉入口部の吸引細胞診を施行し小細胞癌と診断した。小細胞癌に対して放射線療法および化学療法(CBDCA+ETP)を2コース施行しPRとなり無気肺の改善、リンパ節腫大の縮小が認められた。悪性リンパ腫と小細胞癌はともに進行が早く、同時性重複悪性腫瘍の報告は稀であり若干の文献的考察を加え報告する。

HT-02乳癌術後経過観察中に発生した肺カルチノイドの1例

1)香川県立中央病院 初期臨床研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科小林 泰幸1)、須藤 雄也1)、瀬戸  司1)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、青江  基2)

症例:71歳女性、2002年に左A領域の乳癌(1.8cm,pap-tub,f,ly0,v0,n0,NG3,ER(+),PgR(-),HER2 3(+))に対し乳房部分切除および腋窩リンパ節郭清を施行し、術後化学療法として内分泌療法を施行。その後、外来で定期的な再発チェックを受けていたが、明らかな局所再発所見は見られなかった。2011年3月胸部CTにて右肺下葉に6mmの小結節影を認めたが、乳癌の肺転移として、経過観察されていた。2012年12月、小結節影が軽度増大したにもかかわらず、他に肺内腫瘤の出現なく、原発性肺腫瘍との鑑別が困難目的で、2013年胸腔鏡下肺部分切除術を施行した。病理検査にて、免疫染色keratinAE1/AE3陽性、TTF-1陽性、NapsinA陰性、GCDFP15陰性、chromograninA陽性、synaptophysin陽性、Ki-67陽性率1%以下、の所見よりtypical carcinoidであることが判明した。乳癌術後とあわせて現在、外来にてフォロー中である。

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肺癌学会・研修医

HT-03ALK陽性肺腺癌に対してCrizotinibで治療を行った2例

広島市立安佐市民病院 呼吸器内科宇治宮 蕗、香川真由子、小川 喬史、渡部 雅子、風呂中 修、菅原 文博、北口 聡一、江川 博彌

背景:2007年に発見されたEML4-ALK融合遺伝子の阻害薬であるCrizotinibは、2012年3月に承認され一般に使用できるようになった。当院にてCrizotinibで治療を行った2例について報告する。症例1:58才男性、肺腺癌T1aN3M1bに対し化学療法計10コース施行するもPD。肝転移巣の生検標本のFISH検査によりALK陽性。2012年7月よりCrizotinib 500mgにて治療開始したが、Grade3の肝機能障害を認め休薬した。400mgに減量するも味覚障害、肝機能障害を認め再度休薬。休薬中に多発脳転移を認めた。全脳照射後250mgに減量し再開。原発巣、肝転移巣は縮小したが、髄膜播種を認め投与から9か月で緩和医療へ移行した。症例2:70才女性、肺腺癌T4N3M1bに対し化学療法計23コースを施行するも病勢は進行していた。気管支洗浄物セルブロック標本のFISH検査によりALK陽性。2012年6月よりCrizotinib 500mgにて治療を開始。CTにてPRであったが、消化器症状強く一旦休薬を要した。Crizotinib 400mgに減量し再開。視力障害を認めたが、現在も腫瘍の増大なく経過している。結論:CrizotinibはPR相当の効果を示したが有害事象により休薬を要した。投与量や有害事象への対応に関しては更なる検討が必要である。

HT-04EML4-ALK融合遺伝子陽性であった肺扁平上皮癌の一例

1)川崎医科大学附属川崎病院 臨床研修センター、2)川崎医科大学付属川崎病院 腫瘍内科学福田 直樹1)、越智 宣昭2)、山根 弘路2)、山岸 智子2)、瀧川奈義夫2)

EML4-ALK融合遺伝子は非喫煙者・非小細胞性肺癌患者の5%前後で認められる稀な癌遺伝子である。さらに肺扁平上皮癌での頻度は1%以下とされ、現在ガイドライン上はルーチンでのALK融合遺伝子検査は推奨されていない。今回、EML4-ALK融合遺伝子陽性であった肺扁平上皮癌の一例を経験したので報告する。症例は45歳女性、軽喫煙者。左下腹、背部痛あり受診。胸部X線、CTで左上肺野に大動脈弓に接する腫瘤と、左肺尖部胸膜に結節を認めた。経気管支肺生検の結果、肺扁平上皮癌と診断された。PET-CTでは第12胸椎近傍の軟部組織に単独転移を認めた。初回化学療法としてCBDCA+GEMを開始した。併行でEML4-ALK融合遺伝子検索を施行し、免疫染色にてALKタンパクの発現を認め、FISHでもEML4-ALK融合遺伝子を確認した。二次治療としてCrizotinibの投与を開始したところ、腫瘍は著明に縮小し、疼痛などの症状も改善した。肺扁平上皮癌でもEML4-ALK融合遺伝子陽性例が稀ながら存在し、本症例の如く大きな恩恵を得られる可能性があるため、患者背景などから総合的に検査適応を判断する必要がある。

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肺癌学会・研修医

HT-05ベバシズマブを含む化学療法を42コース投与し得た一例

1)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 呼吸器内科、2)独立行政法人国立病院機構岩国医療センター 胸部外科梅野 貴裕1)、中西 将元1)、能島 大輔1)、久山 彰一1)、下田 篤志2)、杉本龍士郎2)、片岡 和彦2)

ベバシズマブは2009年11月に扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発非小細胞肺癌に対して承認された抗VEGFヒト化モノクローナル抗体で、血管新生の抑制や、腫瘍への抗癌剤のデリバリーの改善、血管透過性の亢進の改善などの効果が期待されている。現在1st lineの化学療法を中心に使用されているが、そのような作用機序であるならば、2nd line以降も継続して使用することによって、効果の継続が期待される。症例は63歳、女性。胸部CTにて腫瘤影を指摘され当院へ精査加療目的にて紹介となった。肺腺癌、EGFR変異wild type、T3N3M1b Stage IVと診断された。CBDCA+PACの化学療法を4コース行ったが、増悪を認め、CDDP+PEM+BEVの化学療法を変更した。6コース施行した後にPEM+BEVの維持療法を16コース施行。その後DOC+BEVの化学療法を14コース、TS-1+BEVの化学療法を6コース施行した。現在はALK遺伝子変異を認めたために、クリゾチニブにて治療を継続している。今回ベバシズマブを含む化学療法を行い増悪した後も殺細胞性抗癌剤を変更しながら、ベバシズマブを含む化学療法を計42コース投与し得た1例を経験したので報告する

HT-06肺癌化学療法中に発熱を来たし診断に難渋した1例

1)公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 教育研修部、2)公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器内科名部 彰悟1)、堺  隆大2)、吉岡 弘鎮2)、曽根 尚之2)、福田  泰2)、池田  慧2)、丹羽  崇2)、西山 明宏2)、伊藤 明広2)、古田健二郎2)、田中 麻紀2)、時岡 史明2)、橘  洋正2)、有田真知子2)、橋本  徹2)、石田  直2)

【はじめに】肺癌化学療法中の発熱はしばしば経験され、治療継続の妨げとなる。今回、化学療法中に発熱を来たして診断に難渋した痛風の1例を経験したので報告する。

【症例】右肺門部扁平上皮肺癌stage IVの67歳男性で、CBDCA+PAC療法1コースday 11より38℃の発熱があり化学療法の延期を余儀なくされた。抗菌薬加療を行うも改善せず当初は腫瘍熱を考えたが、次第に多関節炎が出現した。Day 22にリウマチ性多発筋痛症と診断されてPSL 10mgの投与し症状改善を認めた。しかし化学療法3コース目で発熱・関節炎が再燃し、最終的には関節穿刺で痛風と診断された。

【考察】本症例は肺癌化学療法中に発熱と多関節炎を来たし、痛風の最終診断に至るまで2ヵ月以上を要した。痛風としては症状が非典型的で、リウマチ性多発筋痛症や腫瘍熱などと鑑別を要した。化学療法は腫瘍の崩壊など血清尿酸値を変動させる要因が多く、痛風は考慮すべき合併症の一つである。

【結論】化学療法中の発熱はしばしば診断に難渋する。本症例は腫瘍熱やリウマチ性疾患との鑑別が問題となり、化学療法中の発熱に対して原因検索を怠らないことの重要性を改めて示した。

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肺癌学会・研修医

HT-07活動性結核に合併した対側肺癌の手術の一例

鳥取大学医学部 胸部外科城所 嘉輝、細谷 恵子、若原  誠、高木 雄三、松岡 祐樹、春木 朋広、三和  健、荒木 邦夫、谷口 雄司、石黒 清介、中村 廣繁

左下葉に活動性結核を合併した,右上葉の肺癌に対して抗結核薬を投与後に肺癌手術を行った症例を提示する.81歳男性.嘔吐を主訴に当院救急外来を受診.全身精査の目的で施行された胸腹部CTにて右肺上葉に28mmのスリガラス影+充実影と,左肺下葉S6に石灰化を伴う15mm大の結節浸潤影を認めた.気管支鏡下肺生検が右上葉の病変に対して行われたが,確定診断が得られず,同時に行われた左B6に対する気管支洗浄液の抗酸菌培養で結核菌が検出された.右上葉の病変は画像から肺腺癌(置換性増殖優位)と推定した.比較的進行の緩やかな肺癌と考えられたため,肺結核の治療を優先した.3剤併用化学療法(HRE)を開始したところ,開始2ヶ月で抗酸菌培養が陰性化し,画像上も左S6陰影の縮小がみられた.一方右上葉病変は変化なくこれに対する切除が可能と判断.結核治療開始3ヶ月後に胸腔鏡下右肺上葉切除および肺門リンパ節郭清を行った.切除肺の病理検査で肺腺癌(置換性増殖優位),pT1bN0M0,stageIAと確定した.術後肺結核の再燃やその他の有意な合併症なく経過.術後も抗結核薬は継続した.結核合併肺癌について考察を加え報告する.

HT-08導入療法が奏功した肺大細胞神経内分泌癌(LCNEC)の1切除例

1)高知医療センター 呼吸器外科、2)高知医療センター 呼吸器内科、3)高知医療センター 病理診断科小井土耕平1)、岡本  卓1)、張  性洙1)、中野 貴之1)、米田 浩人2)、轟  貴史2)、中島  猛2)、浦田 知之2)、岩田  純3)

【背景】肺大細胞神経内分泌癌(LCNEC)は術前診断が難しく、術後早期再発も多く予後不良である。術前にLCNECと診断し、化学療法を併用し手術を施行した1例を経験した。【症例】61歳男性。喫煙歴:40本×43年間。健診で右肺に異常影を指摘された。胸部CTで右S6に2.5cm大の結節および肺門に3.2cm大のリンパ節腫大を認めた。PETでいずれも高集積を認め、気管支鏡検査でLCNEC c-T1bN1M0 IIA期と診断された。【経過】LCNECであること、根治切除として肺全摘を避けることを目的に、CDDP+CPT-11による導入療法を3クール施行した。PRとなり、主腫瘍およびリンパ節腫大も縮小し、PETでの集積も低下した。NSEも14→10.7ng/mlと低下した。後側方切開で開胸し、上葉を温存し右肺中下葉切除を施行した。p-T1aN1M0 IIA期 Ef1a完全切除であった。Stage Downには至らなかったが、腫瘍サイズの縮小(T1b→a)を認めた。術後補助化学療法2クールを追加した。術後2年半無再発生存中。【まとめ】肺癌手術468例(2005.3~2013.1)中、LCNECは11例。そのうち術前よりLCNECとして治療されたものは、本例のみであった。

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肺癌学会・研修医

HT-09cT3N2M0肺癌に対して術前CBDCA+TS-1による化学療法を外来で3コース施行し、根治手術が可能であった肺癌の一例1)香川県立中央病院 初期臨床研修医、2)香川県立中央病院 呼吸器外科、3)香川県立中央病院 呼吸器内科須藤 雄也1)、瀬戸  司1)、小林 泰幸1)、青江  基2)、三竿 貴彦2)、吉川 武志2)、坂井健一郎3)、上田  裕3)、宮脇 裕史3)

cStageIIIA症例に対しては、化学療法、手術、放射線治療を組み合わせた集学的治療が行われることが多い。また、術前抗がん剤を行った後に手術を施行することによって治療成績が向上したとする報告もある。術前に使用される抗がん剤のレジメンでは、CDDP+TXL、CDDP+GEM、CBDCA+TXTなどがある。今回、進行肺癌にて非劣性の効果が証明されたCBDCA+TS-1のレジメンを使用し、術前の入院治療期間の最短化を図り、術前腫瘍の縮小、根治手術が施行可能となった症例を経験したので報告する。症例:77歳女性。検診発見。胸部CTで右上葉に25mm大の肺腫瘤とともに同一肺葉内転移、縦隔リンパ節の腫大を認め、気管支鏡より肺腺癌、cStageIIIAと診断された。CBDCA 5AUC(450mg/body)+TS-1 120mg/bodyを3回施行。CT上著明な腫瘍、リンパ節の縮小を認め、PRと判断。2013年1月に右上葉切除術+ND2a1のリンパ節郭清を行った。縦隔リンパ節、原発巣も大部分虚脱瘢痕線維化巣となっていたが、残存細胞も認められたため、術前化学療法の効果はEf.2と診断された。術後経過は順調で、現在、外来にてフォロー中である。

HT-10サルコイドーシスを合併した肺紡錘細胞癌の1手術例

1)福山市民病院 呼吸器外科、2)福山市民病院 内科宮本 陽介1)、吉岡  孝1)、室  雅彦1)、三谷 玲雄2)、高田 一郎2)

症例は70歳代男性。1年6か月前、両側肺門縦隔リンパ節腫大を伴うサルコイドーシスと診断され、近医でフォローされていた。胸部CTで3か月前と比較して急速に増大する右肺結節影を認めたため、精査目的にて当院へ紹介された。右肺S3aに2cm大の結節影が存在、両側肺門縦隔リンパ節は腫大していたが、#7リンパ節のみが1年6か月前より増大していた。PET-CTでは、右肺S3の結節

(SUVmax=19.42)と、両側肺門縦隔リンパ節(SUVmax=7~8台)へのFDG異常集積を認めた。肺結節の気管支鏡下生検を施行し、非小細胞癌の組織診断を得た。PETでのリンパ節へのFDG集積はサルコイドーシス病変と転移の鑑別が困難と考えられた。増大を示すリンパ節が#7のみであることから、同リンパ節の生検、術中迅速病理検査で、転移陰性と確認した後に肺葉切除を行う方針とした。結果は転移陰性であり、肺葉切除+ND2a-2を行った。術後病理診断は紡錘細胞癌pT1bN0M0であった。紡錘細胞癌は肉腫様癌のうち、紡錘細胞のみからなる癌で、極めて稀な組織型である。予後不良と考えられているが、有効な補助療法は無いため、化学療法は行わず経過観察中である。

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肺癌学会・研修医

HT-11Grunenwald Approachに後方アプローチを併用して切除し得た上縦隔悪性腫瘍の一例1)愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター、2)愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター坂尾 伸彦1)、佐野 由文2)、岡崎 幹生2)、重松 久之2)、伊東 亮治2)、片山  均2)、三好 誠吾2)

Grunenwald ApproachはSuperior Sulcus Tumorに対する前方アプローチ法の一つとして知られている。今回我々は、第一胸椎および第一肋骨に浸潤する上縦隔腫瘍に対し、Grunenwald Approachに後方アプローチを併用して摘出し得た上縦隔悪性腫瘍の一例を経験したので報告する。症例は60歳台の男性、術前CT撮影にて右鎖骨上窩から肺尖部にかけて7.5cm大の内部不均一なHypervascular Tumorを認め、第一胸椎体、右第一肋骨の骨融解を伴って進展していた。FDG-PET検査ではSUVmax=9.1とFDGの高集積を認めた。手術はまず腹臥位にて背部正中切開下に、Th1の右側の椎弓とpedicleを切除、椎体の右側の部分を縦に切断、T1の神経根を切除した。次いで仰臥位に変換し、Grunenwald Approachを行い、SVCから左右腕頭静脈、さらに右鎖骨下静脈を露出、右腕頭動脈から右総頚動脈、右鎖骨下動脈を露出、Tapingを行った。幸い腫瘍の脈管浸潤は認めなかった。腫瘍の浸潤が疑われた肺尖部を部分切除、腫瘍周囲の剥離を行い、肉眼的に腫瘍は全摘出可能であった。椎体あるいは上位肋骨に浸潤した上縦隔悪性腫瘍に対する後方アプローチ併用Grunenwald Approachは、安全かつ有用な術式と考えられた。

HT-12肺原発リンパ上皮腫様癌の1切除例

広島市立安佐市民病院木村  央、向田 秀則、池田 拓広

【目的】リンパ上皮腫様癌(Lymphoepithelioma-like carcinoma:LELC)は病理形態学的に未分化型上咽頭癌に類似し、WHO分類上、大細胞癌の特殊型に分類される肺癌である。今回我々はリンパ上皮腫様癌の一例を経験したので報告する。【現病歴】患者は83歳男性。左背部打撲で近医を受診時のCTで右肺S6に16mm大の腫瘍陰影を指摘され、原発性肺癌の疑いでCTガイド下生検施行、低分化な癌腫と診断された。【現症】身体所見に特記事項なし。【生活歴】20本/日×65年の喫煙歴と被爆歴を認めた。【検査所見】腫瘍マーカー(CEA、SCC、NSE、SLX、CYFRA)の上昇を認めず、CTで右S6背側に胸膜と接する辺縁不整な18mm大の結節影あり、#7は13mm大に腫大。【手術】右原発性肺癌S6 T1a N2 M0 Stage3Aに対し、胸腔鏡補助下右下葉切除術+リンパ節郭清を施行した。病理組織では大型の異型上皮の不整胞巣状の増殖、CD3陽性のT cellのリンパ球浸潤を認め、LELCと診断した。術後1年経過も再発なし。【結語】比較的稀なリンパ上皮腫様癌の一例を経験したので報告した。

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肺癌学会・研修医

HT-13短期間で急速に増大した粘液産生腺癌の1手術例

広島大学 腫瘍外科鈴木 江梨、吉屋 智晴、坪川 典史、笹田 伸介、見前 隆洋、宮田 義浩、岡田 守人

【はじめに】HRCT上でground glass opacity(GGO)を主体とする病変は、病理学的にnon-invasive lepidic componentを主体とする高分化肺腺癌であることが多く、一般的には緩徐に増大することが知られている。この度我々は、他疾患にてフォロー中に偶然発見され短期間で急激に増大した、細気管支肺胞上皮癌主体の浸潤性粘液産生腺癌を経験したので報告する。【症例】70代、女性。2004年のCT検査で心膜嚢胞を疑う腫瘍病変を指摘。2011年6月当科初診。心膜嚢胞としてフォローとなった。2012年1月CTで左肺S6に8mm大のGGOが認められたが炎症性を疑い、心膜嚢胞とともに経過観察。2013年1月の定期フォローCTで左肺S6のGGOは25mm大のconsolidation主体の陰影に変化していた。炎症性疾患除外のため抗生剤内服で短期経過観察しが、2月頃から咳嗽、喀痰の出現を認め、3月のCTで80mm大に急速な増大を示した。気管支鏡検査で粘液産生腺癌と診断。腫瘍マーカーはPro-GRPが66.8と上昇、PET-CTでSUVmax5.7の集積認めた。以上より左下葉肺癌cT3N0M0 StageⅡBに対し、左下葉切除とリンパ節廓清術施行した。術後より湿性咳嗽消失し、第5病日に退院となった。【考察・結論】CT上GGOを呈する病変の中には本症例のように急速に増大するものも認められるため、経過観察を考慮する場合は注意が必要と考えられた。

HT-14検診で発見され、Ib期と診断して手術を行ったが腹膜播種を認めた悪性胸膜中皮腫の一切除例鳥取大学医学部附属病院 胸部外科門永 太一、三和  健、窪内 康晃、若原  誠、高木 雄三、藤岡 真治、荒木 邦夫、谷口 雄司、中村 廣繁

60歳代男性。アスベスト曝露歴なし。2年前、検診異常の精査で右胸水貯留を指摘。原因不明として経過観察となった。本年度の検診で胸水増量を指摘され、当院受診。呼吸器内科で胸腔鏡下生検を施行され、上皮型悪性胸膜中皮腫と診断された。胸部CT、FDG-PET検査で、リンパ節及び遠隔に転移を認めずcT1bN0M0 Ib期と診断し、右胸膜肺全摘術の方針となった。右後側方第6肋骨床開胸でアプローチした。壁側胸膜は極めて薄く、一部胸膜を損傷した。肺尖から縦隔側は癒着が強く、奇静脈は剥離困難であったため合併切除した。心膜合併切除し、右肺動脈本幹、上・下肺静脈、右主気管支を切離した。横隔膜筋層を切除すると黄色腹水と多数の白色結節を腹膜と肝表面に認め、結節の迅速病理で悪性中皮腫の腹膜播種と診断された。腫瘍の完全切除は困難と判断し、横隔膜は部分切除に留めた。手術時間467分、出血量820ml(胸水含む)。大きな合併症なく軽快退院した。胸膜中皮腫では腹腔鏡で確認できる腹膜播種の頻度は9.2%と報告がある。ガイドライン上は術前の全例に対する腹腔鏡検査は推奨されていない。本症例は術前Ib期と診断されていたが、腹膜播種を認め、注意を要する症例と考えられた。

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肺癌学会・研修医

HT-15胸腺MALTリンパ腫の一例

公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 呼吸器外科木村 賢司、亀山耕太郎、山科 明彦、栢分 秀直、藤原 敦史、松岡 智章、奥村 典仁

MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)lymphomaは粘膜関連リンパ組織に発生する低悪性度リンパ腫である.消化管・肺・唾液腺・甲状腺など様々な部位に発生するが,胸腺原発は稀である.我々は胸部CTで偶然発見された胸腺MALT lymphomaの1切除例を経験したので報告する.症例は47歳女性.右季肋部打撲で近医受診.その際撮影された胸部CTで12×7×3cmの前縦隔腫瘤を指摘された.明らかな自己免疫疾患の既往はなかったが,抗核抗体の上昇を認めた.PET/CTでは胸腺腫が疑われ,胸骨正中切開・胸腺胸腺腫瘍摘出術を施行した.術後経過は順調で術後6日目に退院となった.病理組織学的にMarginal zone B-cell lymphomaと診断された.遺伝子検査でAPI2-MALT1キメラ遺伝子は陰性であった.また上部消化管内視鏡検査で胃粘膜にMALT lymphoma病変を認めた.現在,術後放射線化学療法を検討中である.

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MEMO

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第49回日本呼吸器学会 中国・四国地方会第52回日本肺癌学会 中国・四国支部会 

プログラム・抄録集

発 行 平成 25 年 6 月

編 集 (呼吸器学会)三豊総合病院 内科    〒769-1601 香川県観音寺市豊浜町姫浜 708番地    TEL:0875-52-3366 FAX:0875-52-4936    (肺癌学会)香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科学    〒761-0793 香川県木田郡三木町池戸 1750-1    TEL:087-891-2191 FAX:087-891-2192

印 刷 株式会社メッド    〒701-0114 岡山県倉敷市松島1075-3    TEL:086-463-5344 FAX:086-463-5345