リカーリングビジネスを意識した問い合わせ分析の ... · 2017. 9. 27. · WingArc Singapore Pte. Ltd. 20 Collyer Quay #23-01, Singapore 049319 グループ会社

リカーリングビジネスを意識した問い合わせ分析の

フィードバックプロセスの検討

ウイングアーク1st株式会社技術本部 BI品質統括部

加藤大受

首都大学東京大学院システムデザイン研究科

石川博

SQiP 2017 ソフトウェア品質シンポジウム2017

Copyright © 2017 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. 1

会社概要

商号：ウイングアーク１ｓｔ株式会社 (WingArc1st Inc.)

所在地：〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー

創業：2004年3月

資本金：2億円

事業内容：ツール・ミドルウエア製品の開発・販売、導入支援・保守サポートサービスの提供

従業員数：連結520人／単体416人（2016年3月1日現在）

売上高：連結売上高142億8,300万円（うち単体売上高:120億5,800万円）

連結営業利益38億1,400万円（営業利益率:26.7 ％）

連結EBITDA56億2,800万円（2016年2月期）

取引金融機関：みずほ銀行三菱東京ＵＦＪ銀行三井住友銀行三井住友信託銀行

会社情報

文雅科信息技术（上海）有限公司

地址：上海市黄浦区淮海中路398号博银国际大厦15阶DE1室邮编： 200020

文雅科信息技术（大连）有限公司

地址：大连市西岗区中山路147号森茂大厦20F 邮编： 116011

WingArc Singapore Pte. Ltd.

20 Collyer Quay #23-01, Singapore 049319

グループ会社

本社オフィス（渋谷インフォスタワー）

WingArc Singapore Pte. Ltd. シンガポールオフィス

ソフトウェア品質シンポジウム2017


事業所一覧・国内拠点

仙台オフィス（東北エリア）

札幌ラボ

新潟ラボ

名古屋オフィス（東海・北陸エリア）トレーニングルーム

大阪オフィス（関西・中四国エリア）トレーニングルーム国内サポートセンター

福岡オフィス（九州エリア）

東京本社オフィス（関東エリア）トレーニングルーム国内サポートセンター

【本社】〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー

【大阪】〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-8-17 大阪第一生命ビル11F

【名古屋】〒450-6324 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋 24F

【福岡】〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1-15-20 NMF博多駅前ビル 2F

【仙台】〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央2-2-10 仙都会館ビル 6F

【札幌】〒060-0808 北海道札幌市北区北8条西3-32 8・3スクエア北ビル8F

【新潟】〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1-26-9 大和地所新潟笹口ビル 4F

札幌オフィス（北海道エリア）

新潟オフィス



事業所一覧・海外拠点

アジア・グローバルサポートセンター

文雅科信息技术（上海）有限公司上海本社オフィス

中国国内サポートセンター

文雅科信息技术（上海）有限公司北京オフィス

文雅科信息技术（大连）有限公司大連ラボ

ウイングアーク・シンガポール

文雅科信息技术（上海）有限公司上海本社オフィス

【中国】文雅科信息技术（上海）有限公司

地址：上海市黄浦区淮海中路398号博银国际大厦15阶DE1室

邮编：200020

文雅科信息技术（大连）有限公司

地址：大连市西岗区中山路147号森茂大厦20F 邮编：116011

【シンガポール】 WingArc Singapore Pte. Ltd.

20 Collyer Quay #23-01, Singapore 049319



主要ソフトウェア製品ラインナップ

“数字”が見える、次の一手が打てる

エンドユーザー志向で開発されたシェアNo.1の帳票ツール

帳票基盤ソリューション

集計・分析プラットフォーム

エンドユーザー志向に開発された高生産性な帳票デザインツールです

情報活用ダッシュボードビジネスを加速する、現場改革BI



帳票ソフトウェア製品情報

エンドユーザー志向で開発されたシェアNo.1の帳票ツール

帳票基盤ソリューション

出典：ミック経済研究所ミドルウェアパッケージソフトの市場展望 2016年度版帳票運用製品出荷金額（メーカー出荷）

2015年度出荷金額ベース

国内シェアNo.1 導入実績 19,669社

最新お客様事例

※ 19,669社にはSPAの導入実績37社を含みます。※累積社数（2017年2月末現在）

46.8%

A社 18.9%

B社 10.8%

C社 10%

D社1.8% その他 11.7％

導入実績 94社 ※累積社数（2017年2月末現在）



BIソフトウェア製品情報

“数字”が見える、次の一手が打てる

集計・分析プラットフォーム

導入実績 6,119社

※ 6,119社にはMotionBoardの導入実績を含みます。

※累積社数（2017年2月末現在）

｢日経コンピュータ2017年2月2日号パートナー満足度調査2017

情報分析・意思決定支援ソフト部門１位」

最新お客様事例



BIソフトウェア製品/クラウド

エンドユーザー志向に開発された高生産性な帳票デザインツールです

導入実績 673社導入実績 416社

※累積社数（2017年2月末現在） ※累積社数（2017年2月末現在）

ビジネスを加速する、現場改革BI

情報活用ダッシュボード｢日経コンピュータ2017年2月2日号

パートナー満足度調査2017 情報分析・意思決定支援ソフト部門１位」

最新お客様事例最新お客様事例


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リカーリングビジネスとは？




これまでのソフトウェアパッケージビジネスモデル

顧客企業

ソフトウェアパッケージ

購入依頼

販売

使用権

顧客はソフトウェア製品の使用権を購入。ソフトウェア利用許諾契約の下、製品の永続的な使用が可能。

保守を受けるには別途保守契約が必要




リカーリングビジネスモデル

顧客企業

ソフトウェアサービス

利用依頼

環境情報

期限付き利用権

顧客はソフトウェアサービスを購入。サービス利用許諾契約の下、

期限付きでソフトウェアサービスの利用が可能。ソフトウェア保守は利用権に含まれている



リカーリングビジネスを考慮したフィードバックプロセスの検討



既存の課題

サポート部門に寄せられた顧客からの製品指摘、要望はそれぞれの管理システムに登録され、迅速に製造部門にフィードバック

要望対応に1年以上の時間がかかってしまうリカーリングビジネスでは損失につながる可能性

製品指摘：次のパッチリリース以降で対応製品要望：次バージョンで検討



課題の解決策①

品質保証部門

BI製品部門帳票製品部門マニュアル

制作部門

サポート部門

BI製品部門帳票部門

BI品質統括部門

品質保証

部門

マニュアル

制作部門

サポート

部門

組織体制の変更 B I 製品に関連する品質保証部門 , マニュアル制作部門,サポート部門を一つの統括部に編成した。顧客の問い合わせを相互連携しやすい組織へ移行し、コミュニケーションを活性化



課題の解決策②

パッチリリースのスピードアップ

製品指摘の修正を早めて顧客クレームを軽減指摘報告の顧客には状況に応じて個別パッチをリリース

製品要望もパッチリリースで対応

既存機能への影響が小さい製品要望については、マニュアル改訂と同期を取り、パッチで対応

顧客満足度を常に意識



課題の解決策②

パッチ種別 A製品 B製品

個別 10 15

正式 12 7

BI製品2016年度実績(2016/03/01～2017/02/28)

B製品社内指摘顧客指摘要望

対応件数 151 245 75

問い合わせケースのクローズまでの期間は大幅改善

前年度比２倍以上のパッチリリースを実現

もちろん、品質保証部門の稼働は上がった



新しい問い合わせ分析への挑戦

スピードアップだけプロアクティブじゃない



17

問い合わせはなぜ起こる？

問い合わせは顧客にとって基本的に『問い合わせを行うことは経済損失』である

問い合わせを行う原因

機能が使い方が分からない

思いどおりに動かない

やりたいことと機能が結びつか

ない

マニュアル指摘

質問回答

FAQ作成

ソフトウェア修正

質問回答

ソフトウェア指摘

マニュアル修正

技術資料作成



基本的に

『問い合わせを行う行為は顧客の経済損失』

である

問い合わせを顧客の立場で考えれば



問い合わせ分析の着手

マニュアルベーステストで利用時の品質評価を実施

マニュアルユーザーテストで初心者（ノービスユーザー）でのマニュアル検証の実施

JIS X 25051を考慮した品質特性別でのソフトウェアの品質分析の実施

問い合わせも品質特性で分析してしまおう！

分析するなら







問い合わせも品質特性で分析してしまおう

分析するなら

SQiP 2016 C1-3 ウイングアーク1st(株) 加藤大受

『既製ソフトウェア製品開発におけるJIS X 25051:2016 に対応した品質保証プロセスの構築とその運用効果』








分析するなら

SQiP 2016 C1-2 ウイングアーク1st(株) 奥山亜耶子

『既製ソフトウェア製品の開発プロジェクト内での利用時の品質の評価手法とその導入効果』








分析するなら SQiP 2017 A2-2 ウイングアーク1st(株) 奥山亜耶子

『利用時の品質向上を目的とした利用者用文書の品質向上施策のライフサイクルモデルの検討』



従来の問い合わせ分析

これだとＱＡへのフィードバックは困難



テクニカルサポートの品質特性案

効率性信頼性共感性

応答性

時間効率性

資源効率性

経済効率性

正確性

実用性

柔軟性

満足性

テクニカルサポートの品質特性

テクニカルサポートのサービス品質を品質特性で分析



テクニカルサポートの品質特性案品質特性内容

効率性問い合わせが効率よく処理できているか

応答性問い合わせの返答時間

時間効率性問い合わせがクローズするまでにかかった時間

資源効率性問い合わせのクローズにかかった工数

経済効率性問い合わせによるユーザーの効率性

信頼性問い合わせの品質は高いか

正確性問い合わせの正答率

実用性問い合わせ回答がユーザーに的確であったか

共感性ユーザーの立場を考慮しているか

柔軟性問い合わせの回答はユーザーに適しているか

満足性問い合わせの回答に対するユーザーの満足度



問い合わせへの品質特性導入

サポート部門への品質特性の教育

分析の切り口の検討（顧客工程、原因分類）

パイロットプロジェクトの実施（１回目）ガイドラインの効果

パイロットプロジェクトの実施（２回目）作業工数の確認

導入開始



要件定義設計/ 開発

検証/ 本番

マイグレーション

問い合わせの状況から顧客システムが現在どの状況であるかを把握するため、工程の概念を導入し、次回の問い合わせに対する記録

調査評価

要件管理

設計実装検証

テスト運用運用

システム改良システム監視パッチ適用

バージョンアップ計画、作業、検証

顧客システムの工程によって問い合わせを行う利用者区分（アクター）が異なる可能性が高く、分類した情報はＦＡＱ整備などに利用。

問い合わせへの品質特性導入顧客工程の導入




原因分析に関する詳細は以下の発表を参照

SQiP 2017 A2-3 【経験論文】サポート問合せ分析による、利用時品質向上及びシステム品質向上上田和樹 (日本ナレッジ(株))



完全性・顧客要望があって、製品としてその要望を解決できていないもの。・機能的にないものは完全性にマッピングする（XXXの機能はありますか？　のような質問）

正確性・機能は実装されているが、間違った動きをしている。（不具合）・データベースの集計結果の値が間違っている。・仕様とおりに正確に動作していない。・重要なお知らせでのアナウンスが必要

適切性・実装されている機能の動作が不完全。・機能は実装されているが、バグとは言えないまでも動作が要求を満たしきれていない。（その動作が現状の仕様であれば、｢質問｣になる）・ユーザーとベンダーの仕様理解がずれている。（仕様の食い違いが発生している。）・きちんとお客様要望を満たしていないもの※利用時の有効性とここは関連する。

時間効率性・お客さんが要望している、期待している性能が出ていない。・マニュアルの記載が明確じゃないから発生する問い合わせ。・営業から案内された性能が出ていない・お客さんのサイジングによる問題時間効率性に該当する。

資源効率性製品に問題があることに起因して、資源の効率的な使用に問題が発生している。・長時間運用で、全バージョンと比較すると資源消費に差が発生している。・メモリリークが発生する。

容量満足性公開しているスペックに対して、実際の性能が満たされていない。公開した情報の少なさ、情報がないものが起因して問い合わせ。

主特性副特性

機能適合性

性能効率性

概要・判断ポイント

略して機能性。基本的に不具合が該当する。

・時間効率性はユーザーの主観（お客様が感じる）・容量満足性は担保している性能からの逸脱

概要・判断ポイント

サポート向け品質特性のガイドライン（一部）


ガイドラインの善し悪しは作業工数に影響




問い合わせ分析をヒートマップで表すことで、問い合わせの多い品質特性が一目瞭然。検証結果とのマッピングが容易

製品の使用性に対する問い合わせが多い。 UIが分かりにくい、マニュアルがフォローできていない。




問い合わせ分析結果と品質保証部門の品質分析を照らし合わせることで、次の課

題が明確に！



まとめ



リカーリングビジネスのために

従来のソフトウェアビジネスモデルと異なりリカーリングビジネスでは、製品品質だけでなく、

顧客への迅速なフィードバックが重要

迅速なソフトウェア指摘の修正迅速な顧客要望の対応

ソフトウェアを使ってもらうためには顧客が問い合わせなくても使えるソフトウェアを目指す

問い合わせ行為は顧客にとって経済損失



リカーリングビジネスのために

サポートサービスの品質特性を導入し、サービスの分析を実施

問い合わせ分析に品質特性を活用し、ソフトウェアおよびマニュアルの弱点を明確にする

弱点を強化し、顧客が問い合わせなくても使えるソフトウェアを目指す

分析と評価結果を連携

顧客からの問い合わせを活用し、プロアクティブなフィードバックプロセスでリカーリングビジネスを支える



ご静聴ありがとうございました



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