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スタティック ルートの実装 スタティック ルートは、指定のパスを通るように発信元と宛先の間でパケットを移動させるユー ザ定義のルートです。スタティック ルートは、ソフトウェアが特定の宛先へのルートを確立で きない場合に重要になることがあります。また、ルーティングできないすべてのパケットを送る ラスト リゾート ゲートウェイを指定する場合にも役立ちます。 スタティック ルートの参照, 7 ページ) では、スタティック ルートに関する追加の概念情報 を提供します。 現在は、デフォルトの VRF のみがサポートされています。VPNv4VPNv6 および VPN ルー ティング/転送(VRF)のアドレス ファミリは、今後のリリースでサポートされる予定です。 (注) このモジュールでは、スタティック ルートの実装方法について説明します。 スタティック ルートの実装に関する制約事項, 1 ページ スタティック ルートの設定, 2 ページ フローティング スタティック ルート , 3 ページ 許可できるスタティック ルートの最大数の変更, 5 ページ デフォルト VRF, 7 ページ スタティック ルートの参照, 7 ページ スタティック ルートの実装に関する制約事項 次の制約事項は、スタティック ルートの実装時に適用されます。 現在は、デフォルトの VRF のみがサポートされています。L3VPNVPNv4VPNv6 および VPN ルーティング/転送(VRF)のアドレス ファミリは、今後のリリースでサポートされる 予定です。 Cisco NCS 5000 シリーズ ルータのルーティング コンフィギュレーション ガイド、IOS XR リリース 6.0.x 1

スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

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Page 1: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

スタティックルートの実装

スタティックルートは、指定のパスを通るように発信元と宛先の間でパケットを移動させるユー

ザ定義のルートです。スタティックルートは、ソフトウェアが特定の宛先へのルートを確立で

きない場合に重要になることがあります。また、ルーティングできないすべてのパケットを送る

ラストリゾートゲートウェイを指定する場合にも役立ちます。

スタティックルートの参照, (7ページ)では、スタティックルートに関する追加の概念情報を提供します。

現在は、デフォルトの VRFのみがサポートされています。VPNv4、VPNv6および VPNルーティング/転送(VRF)のアドレスファミリは、今後のリリースでサポートされる予定です。

(注)

このモジュールでは、スタティックルートの実装方法について説明します。

• スタティックルートの実装に関する制約事項, 1 ページ

• スタティックルートの設定, 2 ページ

• フローティングスタティックルート , 3 ページ

• 許可できるスタティックルートの最大数の変更, 5 ページ

• デフォルト VRF, 7 ページ

• スタティックルートの参照, 7 ページ

スタティックルートの実装に関する制約事項次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

•現在は、デフォルトの VRFのみがサポートされています。L3VPN、VPNv4、VPNv6およびVPNルーティング/転送(VRF)のアドレスファミリは、今後のリリースでサポートされる予定です。

Cisco NCS 5000 シリーズルータのルーティングコンフィギュレーションガイド、IOS XR リリース 6.0.x

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Page 2: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

•ローカルサブネットの一部である間接ネクストホップへのスタティックルーティング(RIBによって学習されたプレフィックス。AIBではより具体的である可能性がある)では、出力インターフェイスを示すグローバルテーブルで、スタティックルートをネクストホップと

して設定する必要があります。転送のドロップを避けるには、ネクストホップ IPアドレスを示すグローバルテーブルで、スタティックルートがネクストホップになるように設定し

ます。

•通常、ルートは、グローバルテーブルのAIBから学習され、FIBにインストールされます。ただし、この動作はリークされたプレフィックスには繰り返されません。これは、転送動作

の不整合の原因となることがあります。

スタティックルートの設定スタティックルートは、すべてユーザが設定であり、ネクストホップインターフェイス、ネク

ストホップ IPアドレス、またはその両方を指示できます。ソフトウェアでは、インターフェイスが指定された場合、そのインターフェイスが到達可能であれば、スタティックルートがルーティ

ング情報ベース(RIB)にインストールされます。インターフェイスが指定されていない場合、ネクストホップアドレスが到達可能であれば、そのルートはインストールされます。このコンフィ

ギュレーションの唯一の例外は、スタティックルートに permanent属性が設定されている場合です。このときは到達可能性にかかわらず RIBにインストールされます。

現在は、デフォルトの VRFのみがサポートされています。VPNv4、VPNv6および VPNルーティング/転送(VRF)のアドレスファミリは、今後のリリースでサポートされる予定です。

(注)

ここでは、スタティックルートを設定する方法について説明します。

手順の概要

1. configure2. router static3. vrfvrf-name4. address-family {ipv4 | ipv6} {unicast | multicast}5. prefix mask[vrfvrf-name] {ip-address | interface-typeinterface-instance} [distance] [descriptiontext]

[tagtag] [permanent]6. commit

手順の詳細

ステップ 1 configure

ステップ 2 router static

Cisco NCS 5000 シリーズルータのルーティングコンフィギュレーションガイド、IOS XR リリース6.0.x

2

スタティックルートの実装

スタティックルートの設定

Page 3: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# router static

スタティックルートコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 3 vrfvrf-name

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config-static)# vrf vrf_A

(任意)VRFコンフィギュレーションモードを開始します。

VRFが指定されていない場合、スタティックルートはデフォルトの VRFで設定されます。

ステップ 4 address-family {ipv4 | ipv6} {unicast | multicast}

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config-static-vrf)# address family ipv4 unicast

アドレスファミリモードを開始します。

ステップ 5 prefix mask[vrfvrf-name] {ip-address | interface-typeinterface-instance} [distance] [descriptiontext] [tagtag][permanent]

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config-static-vrf-afi)# 10.0.0.0/8 172.20.16.6 110

アドミニストレーティブディスタンス 110を設定します。

•次に、アドミニストレーティブディスタンスが 110より小さいダイナミック情報が使用できない場合、172.20.16.6のネクストホップを介してネットワーク10.0.0.0のパケットをルーティングする方法の例を示します。

ステップ 6 commit

デフォルトのスタティックルートは、多くの場合、単純なルータトポロジで使用されます。次の

例では、アドミニストレーティブディスタンス 110でルートが設定されます。

configurerouter staticaddress-family ipv4 unicast0.0.0.0/0 2.6.0.1 110end

フローティングスタティックルートフローティングスタティックルートは、設定されたルーティングプロトコルを介して学習され

たダイナミックルートのバックアップに使用されるスタティックルートです。フローティング

Cisco NCS 5000 シリーズルータのルーティングコンフィギュレーションガイド、IOS XR リリース 6.0.x

3

スタティックルートの実装

フローティングスタティックルート

Page 4: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

スタティックルートには、バックアップしているルーティングプロトコルよりも大きなアドミニ

ストレーティブディスタンスが設定されています。このため、ルーティングプロトコルを介して

学習されたダイナミックルートは、フローティングスタティックルートよりも常に優先して使

用されます。ルーティングプロトコルを介して学習されたダイナミックルートが失われると、フ

ローティングスタティックルートが代わりに使用されます。

デフォルトでは、スタティックルートはダイナミックルートよりアドミニストレーティブ

ディスタンスが小さいため、スタティックルートがダイナミックルートに優先されます。

(注)

フローティングスタティックルートの設定

ここでは、フローティングスタティックルートを設定する方法について説明します。

手順の概要

1. configure2. router static3. vrfvrf-name4. address-family {ipv4 | ipv6} {unicast | multicast}5. prefix mask[vrfvrf-name] {ip-address | interface-typeinterface-instance} [distance] [descriptiontext]

[tagtag] [permanent]6. commit

手順の詳細

ステップ 1 configure

ステップ 2 router static

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# router static

スタティックルートコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 3 vrfvrf-name

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config-static)# vrf vrf_A

(任意)VRFコンフィギュレーションモードを開始します。

VRFが指定されていない場合、スタティックルートはデフォルトの VRFで設定されます。

ステップ 4 address-family {ipv4 | ipv6} {unicast | multicast}

Cisco NCS 5000 シリーズルータのルーティングコンフィギュレーションガイド、IOS XR リリース6.0.x

4

スタティックルートの実装

フローティングスタティックルートの設定

Page 5: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config-static-vrf)# address family ipv6 unicast

アドレスファミリモードを開始します。

ステップ 5 prefix mask[vrfvrf-name] {ip-address | interface-typeinterface-instance} [distance] [descriptiontext] [tagtag][permanent]

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config-static-vrf-afi)# 2001:0DB8::/32 2001:0DB8:3000::1 201

アドミニストレーティブディスタンス 201を設定します。

ステップ 6 commit

フローティングスタティックルートは、しばしば接続失敗時のバックアップパスの準備として

使用されます。次の例では、アドミニストレーティブディスタンス 201でルートが設定されます。

configurerouter staticaddress-family ipv6 unicast2001:0DB8::/32 2001:0DB8:3000::1 201end

許可できるスタティックルートの最大数の変更このタスクでは、スタティックルートの許容される最大数の変更方法について説明します。

はじめる前に

あるルータ上で特定のアドレスファミリに設定できるスタティックルートの数は、デフォル

トで 4000に制限されています。maximum pathコマンドを使用して、この上限を増大または減少させることが可能です。maximumpathコマンドを使用して、指定されたアドレスファミリのスタティックルートの設定済み最大許容数を、現在設定されているスタティックルート

の数よりも少なくした場合、この変更は拒否されることに注意してください。さらに、グルー

プ化されている場合にルートのバッチをコミットした結果、設定されるスタティックルート

の数が許可された最大数を超えたときは、バッチ内の最初のn個のルートが受け入れられる、という挙動も理解しておく必要があります。以前に設定されていた数が受け入れられ、残りは

拒否されます。引数 nは、最大許容数と以前設定された数との差です。

(注)

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スタティックルートの実装

許可できるスタティックルートの最大数の変更

Page 6: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

手順の概要

1. configure2. router static3. maximum path{ipv4| ipv6} value4. commit

手順の詳細

ステップ 1 configure

ステップ 2 router static

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# router static

スタティックルートコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 3 maximum path{ipv4| ipv6} value

例:

RP/0/RP0/CPU0:router(config-static)# maximum path ipv4 10000

許可できるスタティックルートの最大数を変更します。

• IPv4または IPv6アドレスプレフィックスを指定します。

•指定したアドレスファミリのスタティックルートの最大数を指定します。範囲は 1~ 140000です。

•この例では、スタティック IPv4ルートの最大数を 10000に設定します。

ステップ 4 commit

インターフェイス null 0をポイントするようにスタティックルートを設定することで、特定のプレフィックスへのトラフィックを廃棄できます。たとえば、プレフィックス2001:0DB8:42:1/64へのすべてのトラフィックを廃棄する必要がある場合は、次のスタティックルートが定義されま

す。

configurerouter staticaddress-family ipv6 unicast2001:0DB8:42:1::/64 null 0end

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スタティックルートの実装

許可できるスタティックルートの最大数の変更

Page 7: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

デフォルト VRFスタティックルートは常に VPNルーティング/転送(VRF)インスタンスに関連付けられます。VRFには、デフォルト VRFまたは指定の VRFを設定できます。vrfvrf-nameコマンドを使用してVRFを指定することで、指定の VRFの VRFコンフィギュレーションモードに入り、スタティックルートを設定できます。VRFが指定されない場合、デフォルトの VRFスタティックルートが設定されます。

IPv4または IPv6スタティック VRFルートは、デフォルト VRF用に設定されたスタティックルートと同じです。IPv4および IPV6アドレスファミリがそれぞれの VRFでサポートされます。

(注)

スタティックルートの参照次のトピックでは、スタティックルートに関する追加の概念情報について説明します。

•スタティックルート機能の概要, (7ページ)

•デフォルトのアドミニストレーティブディスタンス, (8ページ)

•直接接続されたルート, (8ページ)

•フローティングスタティックルート , (3ページ)

•完全指定のスタティックルート , (9ページ)

•再帰スタティックルート , (9ページ)

スタティックルート機能の概要

ネットワーキングデバイスでは、手動で設定したルート情報、またはルーティングプロトコルを

使用してダイナミックに学習したルート情報を使用して、パケットを転送します。スタティック

ルートは、手動で設定され、2つのネットワークデバイス間の明示パスを定義します。ダイナミックルーティングプロトコルとは異なり、スタティックルートは動的に更新されず、ネットワー

クトポロジが変更された場合は手動で再設定する必要があります。スタティックルートを使用す

る利点は、セキュリティが高まり、リソースが効率化されることです。スタティックルートで

は、ダイナミックルーティングプロトコルよりも少ない帯域幅を使用し、ルートの計算および通

信にCPUサイクルが使用されません。スタティックルートを使用する場合の主なデメリットは、ネットワークトポロジが変更された場合に自動的に再設定されないことです。

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スタティックルートの実装

デフォルト VRF

Page 8: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

スタティックルートはダイナミックルーティングプロトコルに再配布できますが、ダイナミッ

クルーティングプロトコルによって生成されたルートは、スタティックルーティングテーブル

に再配布できません。スタティックルートを使用するルーティングループの設定を回避するアル

ゴリズムはありません。

スタティックルートは、外部ネットワークへのパスが 1つしかない小規模ネットワークでは有用です。また、大規模ネットワークの場合は、より厳格な制御が必要な、他のネットワークへの特

定のタイプのトラフィックやリンクにセキュリティを提供します。一般に、大半のネットワーク

では、ダイナミックルーティングプロトコルを使用してネットワーキングデバイス間の通信を

行いますが、特殊なケース用として 1つまたは 2つのスタティックルートを設定している場合があります。

デフォルトのアドミニストレーティブディスタンス

スタティックルートのデフォルトのアドミニストレーティブディスタンスは 1です。小さい数値は、優先ルートを示します。デフォルトでは、スタティックルートは、ルーティングプロトコル

で学習したルートよりも優先されます。したがって、ダイナミックルートでスタティックルート

を上書きさせる場合、スタティックルートとともにアドミニストレーティブディスタンスを設定

できます。たとえば、OpenShortestPathFirst(OSPF)プロトコルで追加される、アドミニストレーティブディスタンスが 120のルートを設定できます。OSPFダイナミックルートで上書きされるスタティックルートにするには、120よりも大きいアドミニストレーティブディスタンスを指定します。

直接接続されたルート

ルーティングテーブルは、インターフェイスを指すスタティックルートを「直接接続されてい

る」と見なします。直接接続されたネットワークは、対応する interfaceコマンドがそのプロトコルのルータ設定のスタンザに含まれている場合、IGPルーティングプロトコルによってアドバタイズされます。

直接接続されたスタティックルートでは、出力インターフェイスだけが指定されます。宛先は、

出力インターフェイスに直接接続されていると想定されるため、パケットの宛先はネクストホッ

プアドレスとして使用されます。次の例に、アドレスプレフィックス 2001:0DB8::/32を持つ宛先すべてをインターフェイス TenGigE 0/0/0/0経由で直接到達可能と指定する方法を示します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# router staticRP/0/RP0/CPU0:router(config-static)# address-family ipv6 unicastRP/0/RP0/CPU0:router(config-static-afi)# 2001:0DB8::/32 TenGigE 0/0/0/0

直接接続されたスタティックルートは、有効なインターフェイス(つまり、アップ状態にあり、

かつ IPv4または IPv6がイネーブルになっているインターフェイス)を示している場合にかぎり、ルーティングテーブルに挿入される候補となります。

Cisco NCS 5000 シリーズルータのルーティングコンフィギュレーションガイド、IOS XR リリース6.0.x

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スタティックルートの実装

デフォルトのアドミニストレーティブディスタンス

Page 9: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

フローティングスタティックルート

フローティングスタティックルートは、設定されたルーティングプロトコルを介して学習され

たダイナミックルートのバックアップに使用されるスタティックルートです。フローティング

スタティックルートには、バックアップしているルーティングプロトコルよりも大きなアドミニ

ストレーティブディスタンスが設定されています。このため、ルーティングプロトコルを介して

学習されたダイナミックルートは、フローティングスタティックルートよりも常に優先して使

用されます。ルーティングプロトコルを介して学習されたダイナミックルートが失われると、フ

ローティングスタティックルートが代わりに使用されます。

デフォルトでは、スタティックルートはダイナミックルートよりアドミニストレーティブ

ディスタンスが小さいため、スタティックルートがダイナミックルートに優先されます。

(注)

完全指定のスタティックルート

完全指定のスタティックルートでは、出力インターフェイスとネクストホップの両方が指定され

ています。この形式のスタティックルートは、出力インターフェイスがマルチアクセスインター

フェイスであり、ネクストホップを明示的に識別する必要がある場合に使用されます。ネクスト

ホップは、指定した出力インターフェイスに直接接続されている必要があります。次の例に、完

全指定のスタティックルートの定義を示します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# router staticRP/0/RP0/CPU0:router(config-static)# address-family ipv6 unicastRP/0/RP0/CPU0:router(config-static-afi)# 2001:0DB8::/32 TenGigE 0/0/0/0 2001:0DB8:3000::1

完全指定のルートが有効である(つまり、ルーティングテーブルに挿入される候補である)の

は、指定された IPv4または IPv6インターフェイスがイネーブルで、アップ状態の場合です。

再帰スタティックルート

再帰スタティックルートでは、ネクストホップだけが指定されます。出力インターフェイスはネ

クストホップから取得されます。次の例に、アドレスプレフィックス 2001:0DB8::/32を持つ宛先すべてをアドレス 2001:0DB8:3000::1のホスト経由で到達可能と指定する方法を示します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# router staticRP/0/RP0/CPU0:router(config-static)# address-family ipv6 unicastRP/0/RP0/CPU0:router(config-static-afi)# 2001:0DB8::/32 2001:0DB8:3000::1

再帰スタティックルートが有効である(つまり、ルーティングテーブルに挿入される候補であ

る)のは、指定したネクストホップが直接的または間接的に有効な出力インターフェイスに解決

され、ルートが自己再帰型ではなく、再帰深度が IPv6転送の最大再帰深度を超えていない場合だけです。

Cisco NCS 5000 シリーズルータのルーティングコンフィギュレーションガイド、IOS XR リリース 6.0.x

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スタティックルートの実装

フローティングスタティックルート

Page 10: スタティックルートの実装 - Cisco...スタティックルートの実装に関する制約事項. 次の制約事項は、スタティックルートの実装時に適用されます。

自身のネクストホップ解決に使用されるのがそのルート自身である場合、ルートは自己再帰しま

す。スタティックルートが自己再帰型になった場合、RIBは再帰ルートを除外するようスタティックルートに通知を送ります。

BGPルート 2001:0DB8:3000::0/16のネクストホップが 2001:0DB8::0104と仮定すると、次のスタティックルートは IPv6 RIBに挿入されません。BGPルートネクストホップがそのスタティックルートを介して解決される一方で、そのルートもBGPルートを介して解決され、自己再帰型になるからです。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# router staticRP/0/RP0/CPU0:router(config-static)# address-family ipv6 unicastRP/0/RP0/CPU0:router(config-static-afi)# 001:0DB8::/32 2001:0DB8:3000::1

このスタティックルートは、自己再帰型であるため、IPv6ルーティングテーブルには挿入されません。スタティックルートのネクストホップ2001:0DB8:3000:1は、自身が再帰ルートである(つまり、ネクストホップだけを指定する)BGPルート2001:0DB8:3000:0/16を介して解決されます。BGPルートのネクストホップ 2001:0DB8::0104は、スタティックルートを介して解決されます。したがって、スタティックルートは、スタティックルート自身のネクストホップを解決するた

めに使用されることになります。

一般に、自己再帰型スタティックルートの手動設定は禁止されていませんが、有用ではありませ

ん。ただし、ルーティングテーブルに挿入された再帰スタティックルートが、ダイナミックルー

ティングプロトコルを介して学習された、ネットワークでの何らかの一時的変更の結果として自

己再帰になる場合があります。このような状況が発生すると、スタティックルートが自己再帰に

なった事実が検出され、そのスタティックルートはルーティングテーブルから削除されます(設

定からは削除されません)。以降のネットワーク変更によって、スタティックルートが自己再帰

でなくなる場合があります。この場合、そのスタティックルートはルーティングテーブルに再挿

入されます。

Dynamic ECMP内部ゲートウェイプロトコル(IGP)プレフィックスのダイナミックEqual-CostMulti-Path(ECMP)機能は、1~ 64の IGPパスを範囲とする ECMPパスの動的選択をサポートします。非再帰的プレフィックスの ECMPはダイナミックです。この機能は、出力リンクの間でハードウェアのロードバランシングサポートを有効化します。

内部ゲートウェイプロトコル(IGP)プレフィックスのダイナミックEqual-CostMulti-Path(ECMP)機能は、1~ 64の IGPパスを範囲とする ECMPパスの動的選択をサポートします。非再帰的プレフィックスの ECMPはダイナミックです。

この機能は、出力リンクの間でハードウェアのロードバランシングサポートを有効化します。

Cisco NCS 5000 シリーズルータのルーティングコンフィギュレーションガイド、IOS XR リリース6.0.x

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スタティックルートの実装

Dynamic ECMP